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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】発振器
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20240625BHJP
   H03B 5/30 20060101ALI20240625BHJP
   H01L 23/04 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H03B5/32 A
H03B5/32 H
H03B5/30 A
H03B5/30 Z
H01L23/04 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020133675
(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公開番号】P2022030002
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】近藤 学
(72)【発明者】
【氏名】松川 典仁
【審査官】志津木 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-197738(JP,A)
【文献】特開2007-006270(JP,A)
【文献】特開2013-098628(JP,A)
【文献】特開2018-006808(JP,A)
【文献】国際公開第2017/111020(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/54-23/26
H03B5/30-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動子が収容された容器と、
前記容器が搭載される第1ベースと、を備え、
前記第1ベースは、
平板状のベース基板と、
前記ベース基板と前記容器との間に位置し、平面視で、前記容器と重なる面積が、前記容器の面積より小さい載置部を有する第1基板と、を含み、
前記載置部は、
平面視で、前記容器の外周より内側に位置し、接合部材を介して前記容器を固定する固定部と、
前記固定部から前記容器の外周に向かって延在する延在部と、を有し、かつ、
前記第1基板に形成された複数の開口部によって規定される形状である、
発振器。
【請求項2】
前記載置部は、前記容器と重なる部分が十字形状である、
請求項1に記載の発振器。
【請求項3】
前記延在部は、前記容器との間に空隙を有する、
請求項1または2に記載の発振器。
【請求項4】
前記接合部材は、絶縁性の接着剤である、
請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の発振器。
【請求項5】
前記第1ベースと接合されて前記容器を気密封止する第1リッドを更に備える、
請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の発振器。
【請求項6】
前記容器は、第2ベースと第2リッドを含み、前記第2リッドが前記固定部に固定され、前記第2ベースがボンディングワイヤーを介して前記第1ベースに電気的に接続される、
請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の発振器。
【請求項7】
前記第2ベースに固定されたヒーターを更に備える、
請求項に記載の発振器。
【請求項8】
前記容器は、前記容器と前記載置部との間に、断熱部材を介して前記第1ベースに搭載される、
請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の発振器。
【請求項9】
前記開口部内の前記容器と重なる位置に配置され、前記ベース基板に搭載された回路部品を更に備える、
請求項に記載の発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
温度補償型発振器は、振動片と、振動片を発振させるための発振回路と温度補償回路を有する集積回路と、を備え、集積回路が所定の温度範囲で振動片の発振周波数の所望する周波数からのずれを温度補償することにより、高い周波数精度が得られる。このような温度補償型発振器として、例えば、特許文献1には、振動片を収容した第1容器と集積回路とを積層して第2容器に収容することで、振動片と集積回路との温度差を小さくし、より高い周波数精度が得られる温度補償型発振器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-160892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された温度補償型発振器は、振動片と集積回路との温度差を小さくするために、振動片を収容した第1容器のベースに集積回路を積層し、第1容器のリッドの全面を第2容器のベースの凹部底面に固定している。そのため、第1容器と第2容器のベースとの熱の授受が増大し、第2容器のベースを介して外部の温度変化の影響を受け易くなり、出力される発振周波数の周波数安定性が劣化する虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発振器は、振動子が収容された容器と、前記容器が搭載される第1ベースと、を備え、前記第1ベースは、平面視で、前記容器と重なる面積が、前記容器の面積より小さい載置部を含み、前記載置部は、平面視で、前記容器の外周より内側に位置し、接合部材を介して前記容器を固定する固定部と、前記固定部から前記容器の外周に向かって延在する延在部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る発振器の概略構造を示す平面図。
図2図1中のA-A線における断面図。
図3図1中のB-B線における断面図。
図4】第2実施形態に係る発振器の概略構造を示す平面図。
図5図4中のC-C線における断面図。
図6】第3実施形態に係る発振器の概略構造を示す平面図。
図7図6中のD-D線における断面図。
図8】第4実施形態に係る発振器の概略構造を示す平面図。
図9図8中のE-E線における断面図。
図10】第5実施形態に係る発振器の概略構造を示す平面図。
図11図10中のF-F線における断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
1.第1実施形態
先ず、第1実施形態に係る発振器1について、ダブルシール構造の温度補償型発振器を一例として挙げ、図1図2、及び図3を参照して説明する。
尚、図1において、発振器1の内部の構成を説明する便宜上、第1リッド27を取り外した状態を図示している。また、図1図2、及び図3において、第1容器5に設けられた内部端子19と外部端子20とを電気的に接続する配線や第2容器30内に設けられた端子及び配線は、図示を省略している。
【0008】
また、説明の便宜上、以降の各図には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、及びZ軸を図示している。また、X軸に沿った方向を「X方向」、Y軸に沿った方向を「Y方向」、Z軸に沿った方向を「Z方向」と言う。また、各軸方向の矢印先端側を「プラス側」、基端側を「マイナス側」、Z方向プラス側を「上」、Z方向マイナス側を「下」とも言う。
【0009】
本実施形態に係る発振器1は、図1図2、及び図3に示すように、容器としての第2容器30に集積回路41と振動子43とを収容した温度補償型発振器40と、温度補償型発振器40を収容する第1容器5と、を有する。
【0010】
温度補償型発振器40は、集積回路41と、振動子43と、振動子43及び集積回路41を収容する第2容器30と、を有する。
【0011】
第2容器30は、セラミック等からなる第2ベース31と、金属、セラミック、ガラス等からなる第2リッド32と、で構成され、シールリングや低融点ガラス等の接合部材36を介して第2ベース31と第2リッド32とが接合されている。
【0012】
第2ベース31は、図2及び図3に示すように、平板状の第1基板33と、中央部が除去された環状の第2基板34と、環状の開口が第2基板34より大きい第3基板35と、を積層して形成されている。また、第1基板33の第2基板34とは反対側の面に複数の端子37が設けられている。環状の第2基板34と第3基板35とによって、第2ベース31の内部に振動子43と集積回路41とを収容する収容空間S2が形成される。収容空間S2は、気密空間であり、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入されている。尚、収容空間S2の雰囲気は、特に限定されず、例えば、減圧状態であってもよいし、加圧状態であってもよい。
【0013】
第1基板33の収容空間S2側の面に、金属バンプや半田等の導通性の接合部材42を介して集積回路41が固定され、第2基板34の第3基板35と重ならない部分の面に、導電性接着剤等の導通性の接合部材46を介して振動子43が固定されている。
【0014】
尚、集積回路41は、第1基板33の収容空間S2側の面に設けられた図示しない配線や図示しない貫通電極等を介して、端子37と電気的に接続されている。また、振動子43は、第2基板34の第3基板35と重ならない部分の面に設けられた図示しない端子や図示しない貫通電極等を介して、集積回路41と電気的に接続されている。
【0015】
集積回路41は、第2容器30内に収容され、振動子43を発振させるための発振回路と、所定の温度範囲で振動子43の発振周波数の所望する周波数からのずれを温度補償する温度補償回路と、収容空間S2内の温度を検出する温度センサーと、を有する。
【0016】
振動子43は、平板状の基板44と、基板44の表裏の関係にある2つの面に設けられている励振電極45と、を有する。振動子43は、X方向の一方の端部を接合部材46で第2容器30に固定された片持ち梁構造である。励振電極45は、2つの面に設けられた図示しないリード電極や導通性の接合部材46を介して、集積回路41と電気的に接続されている。振動子43は、励振電極45を含む基板44の質量に応じた周波数で発振する。尚、振動子43としては、例えば、水晶振動子、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子、その他の圧電振動子やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems) 振動子等を用いることができる。基板44の材料としては、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電単結晶や、ジルコン酸チタン酸鉛等の圧電セラミックス等の圧電材料、又はシリコン半導体材料等を用いることができる。
【0017】
第1容器5は、セラミック等からなる第1ベース10と、金属、セラミック、ガラス等からなる第1リッド27と、で構成され、シールリングや低融点ガラス等の接合部材28を介して第1ベース10と第1リッド27とが接合されている。これにより、第1容器5は、第2容器30を気密封止している。
【0018】
第1ベース10は、図2及び図3に示すように、平板状のベース基板7と、複数の開口部14によって規定される十字形状の載置部16を有する第1基板11と、中央部が除去された環状の第2基板12と、環状の開口が第2基板12より大きい第3基板13と、を積層して形成されている。また、第2基板12の第3基板13と重ならない部分の面に、図1に示すように、複数の内部端子19が設けられている。更に、ベース基板7の第1基板11とは反対側の面に複数の外部端子20が設けられている。尚、内部端子19と外部端子20とは、図示しない貫通電極等を介して電気的に接続されている。環状の第2基板12と第3基板13とによって、第1ベース10の内部に温度補償型発振器40を収容する収容空間S1が形成される。収容空間S1は、気密空間であり、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入されている。尚、収容空間S1の雰囲気は、特に限定されず、例えば、減圧状態であってもよいし、加圧状態であってもよい。
【0019】
ベース基板7は、X方向及びY方向に広がりを有し、Z方向を厚さとする。ベース基板7に第1基板11を積層することにより、ベース基板7の平板部15から第2容器30側に突出する載置部16が形成される。尚、本実施形態では、第1基板11の開口部14は、Z方向からの平面視で、温度補償型発振器40の第2容器30の4隅に対応して4つ配置されている。
【0020】
載置部16は、Z方向からの平面視で、第2容器30と重なる面積が、第2容器30の面積より小さい。また、載置部16は、Z方向からの平面視で、第2容器30の外周より内側に位置し、第2容器30を固定する固定部17と、固定部17から第2容器30の外周に向かって延在する延在部18と、を有する。固定部17は、4つの開口部14の中央に位置する。延在部18は、隣り合う開口部14同士の間に位置する。
【0021】
固定部17は、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性のある接合部材50を介して第2容器30の第2リッド32を固定することで、温度補償型発振器40を固定している。
第2容器30を固定する固定部17の面積が第2容器30の面積より小さく、熱伝導率の小さい接合部材50で固定しているので、第2容器30の面積でベース基板7に固定する場合に比べ、第2容器30とベース基板7との熱の授受を小さくすることができる。
本実施形態で載置部16は、延在部18が固定部17から第2容器30の外周側に延在している。図1に示すように、延在部18は固定部17からX方向のプラス側とマイナス側へ、Y方向のプラス側とマイナス側へ、4方向に延在し、載置部16が第2容器30とZ方向からの平面視で重なる部分は、十字形状となっている。また、延在部18は、図2に示すように、第2容器30との間に空隙を有している。尚、「十字形状」とは固定部17の4辺のそれぞれから4方向に延在部18が延出している形状を指す。
【0022】
載置部16が第2容器30と重なる部分が十字形状で、延在部18と第2容器30との間に空隙があるので、第2容器30を小面積で固定することができ、過度な衝撃が加わった場合に延在部18と第2容器30とが接触することで、第2容器30の衝撃による変位を規制することができる。また、十字形状は載置部16を構成する第1基板11の一部をくり抜くことにより容易に形成できるため、製造効率に優れるという利点がある。尚、本実施形態では、載置部16が十字形状であるが、これに限定することはなく、固定部17の四隅から第2容器30の外周側に延在するX字形状や固定部17の一方の端部に接する二隅と、一方の端部と対向する他方の端部と、から第2容器30の外周側に延在するY字形状でも構わない。尚、固定部17は、平面視で、温度補償型発振器40の重心と重なっていることが望ましい。これにより、小面積であっても温度補償型発振器40を安定的に支持できる。
【0023】
また、第2リッド32がベース基板7の固定部17に固定された第2容器30は、第2ベース31に設けられた端子37と第1ベース10に設けられた内部端子19とがボンディングワイヤー52を介して電気的に接続されている。従って、第2ベース31に設けられた端子37とベース基板7に設けられた外部端子20とは、ボンディングワイヤー52、内部端子19、及び図示しない貫通電極等を介して電気的に接続されているので、温度補償型発振器40で温度補償された所望の周波数を外部端子20から出力することができる。
【0024】
本実施形態の発振器1は、ベース基板7に設けられた振動子43を収容する第2容器30の面積より小さい面積を有する固定部17に、第2容器30を絶縁性の接合部材50を介して固定しているので、ベース基板7と第2容器30との接合面積が小さくなり、且つ、接合部材50による熱伝導も低くなる。そのため、第2容器30とベース基板7との熱の授受を減少させ、ベース基板7を介して外部の温度変化の影響を受け難くなり、また、第2容器30からの放熱をし難くし、出力される発振周波数の周波数安定性の劣化を低減することができる。また、第2容器30とベース基板7との接合面積が小さくなったことにより、ベース基板7のそり等により生じる応力が第2容器30に伝達するのを低減することができる。
【0025】
また、載置部16が第2容器30と重なる部分が十字形状で、延在部18と第2容器30との間に空隙があるので、過度な衝撃が加わった場合に延在部18と第2容器30とが接触することで、第2容器30の衝撃による変位を規制することができる。
【0026】
また、載置部16が第1基板11に形成された複数の開口部14によって規定される形状であるので、発振器1の製造に際しては、第1基板11に開口部14を形成することで、容易に載置部16を形成することができる。すなわち、載置部16は製造効率に優れた構造である。
【0027】
また、第1ベース10と第1リッド27とが接合されて第2容器30を気密封止していることで、第1容器5内の対流によって外部の温度変化の影響を受け易くなる虞を低減することができる。
【0028】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る発振器1aについて、図4及び図5を参照して説明する。尚、図4は、説明する便宜上、第1リッド27を取り外した状態を図示している。
【0029】
本実施形態の発振器1aは、第1実施形態の発振器1に比べ、第2容器30とベース基板7との接合面積が異なること以外は、第1実施形態の発振器1と同様である。尚、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0030】
発振器1aは、図4及び図5に示すように、第2容器30とベース基板7に設けられた載置部16との接合面積が第2容器30の面積よりも小さく、第2容器30が固定部17と延在部18の一部とに接合部材50aを介して固定されている。延在部18の一部まで固定することにより、より安定して第2容器30をベース基板7に固定することができる。
【0031】
本実施形態の発振器1aは、第2容器30とベース基板7に設けられた載置部16との接合面積が第2容器30の面積よりも小さいため、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0032】
3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係る発振器1bについて、図6及び図7を参照して説明する。尚、図6は、説明する便宜上、第1リッド27を取り外した状態を図示している。
【0033】
本実施形態の発振器1bは、第1実施形態の発振器1に比べ、第2容器30と固定部17との間に断熱部材60が配置されていること以外は、第1実施形態の発振器1と同様である。尚、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0034】
発振器1bは、図6及び図7に示すように、第2容器30とベース基板7との間にセラミック等の熱伝導率の小さい断熱部材60が配置されている。断熱部材60は、接合部材50を介してベース基板7の固定部17に固定され、第2容器30は、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性の接着剤である接合部材61を介して断熱部材60に固定されている。
【0035】
本実施形態の発振器1bは、第2容器30とベース基板7の固定部17との間に断熱部材60が配置されているので、第2容器30とベース基板7との熱の授受をより減少させることができる。
【0036】
4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係る発振器1cについて、図8及び図9を参照して説明する。尚、図8は、説明する便宜上、第1リッド27を取り外した状態を図示している。
【0037】
本実施形態の発振器1cは、第1実施形態の発振器1に比べ、ベース基板7と第2容器30との間に回路部品70が配置されていること以外は、第1実施形態の発振器1と同様である。尚、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0038】
発振器1cは、図8及び図9に示すように、第1基板11に形成された開口部14内に配置された回路部品70を更に備える。すなわち、ベース基板7の平板部15と第2容器30との間で、Z方向からの平面視で、第2容器30と重なる位置に回路部品70が配置されている。回路部品70は、金属バンプや半田等の導通性の接合部材71を介して平板部15に固定されている。回路部品70は、平板部15に設けられた図示しない配線や図示しない貫通電極等を介して、第1ベース10に設けられた内部端子19と電気的に接続されている。
【0039】
本実施形態の発振器1cは、回路部品70を第2容器30と重なる位置に配置しているので、回路部品70を配置するスペースを確保する必要がなくなり、小型化を図ることができる。また、回路部品70として、例えば、温度センサーを用いた場合には、温度検出精度が高まり、出力される発振周波数の周波数安定性をより向上させることができる。
【0040】
5.第5実施形態
次に、第5実施形態に係る発振器1dについて、図10及び図11を参照して説明する。尚、図10は、説明する便宜上、第1リッド27を取り外した状態を図示している。
【0041】
本実施形態の発振器1dは、第1実施形態の発振器1に比べ、ベース基板7dの構造が異なり、ヒーター80とヒーター制御用集積回路84とが配置されていること以外は、第1実施形態の発振器1と同様である。尚、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0042】
発振器1dは、図10及び図11に示すように、温度補償型発振器40の第2容器30の端子37が配置されている面に、熱伝導率の高い導電性接着剤等の接合部材81を介してヒーター80が固定されている。すなわち、ヒーター80が第2ベース31に固定されている。ヒーター80に設けられた端子82と第1ベース10dに設けられた内部端子21とがボンディングワイヤー53を介して電気的に接続されている。
【0043】
第1容器5dのベース基板7dは、上面側に窪む凹部24が形成されている。凹部24の内底面25に、金属バンプや半田等の導通性の接合部材85を介してヒーター80を制御するヒーター制御用集積回路84が固定されている。また、ヒーター制御用集積回路84は、凹部24の内底面25に設けられた図示しない配線や図示しない貫通電極等を介して、第1ベース10dに設けられた内部端子21と電気的に接続されている。そのため、ヒーター制御用集積回路84によりヒーター80を一定温度に制御することで、温度補償型発振器40を一定温度に保持することができ、出力される発振周波数の周波数安定性をより向上させることができる。
【0044】
本実施形態の発振器1dは、ヒーター80が固定された第2容器30を第2容器30の面積よりも小さい面積を有する固定部17で、ベース基板7dに固定しているため、第2容器30とベース基板7dとの熱の授受を減少でき、特に、ヒーター80により加熱された第2容器30からの放熱を低減できるので、ヒーター80の消費電力を抑制することができる。
【符号の説明】
【0045】
1,1a,1b,1c,1d…発振器、5…第1容器、7…ベース基板、10…第1ベース、11…第1基板、12…第2基板、13…第3基板、14…開口部、15…平板部、16…載置部、17…固定部、18…延在部、19…内部端子、20…外部端子、27…第1リッド、28…接合部材、30…容器としての第2容器、31…第2ベース、32…第2リッド、33…第1基板、34…第2基板、35…第3基板、36…接合部材、37…端子、40…温度補償型発振器、41…集積回路、42…接合部材、43…振動子、44…基板、45…励振電極、46…接合部材、50…接合部材、52…ボンディングワイヤー、60…断熱部材、70…回路部品、S1,S2…収容空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11