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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】スイッチ装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20240625BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H01H13/14 B
G03G21/16 147
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020139938
(22)【出願日】2020-08-21
(65)【公開番号】P2022035537
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】岡内 慶文
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-213911(JP,A)
【文献】特開2011-248172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/14
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの外装カバーの内側に取り付けられたスイッチ装置であって、
前記外装カバーの開口から露出したキートップと、
前記キートップによって押圧されるスイッチ部と、を備え、
前記キートップが、前記外装カバーの開口で押圧操作を受け付ける頭部と、前記頭部の周囲で前記外装カバーの開口を覆うカバー部と、前記カバー部の外縁から前記外装カバーの内側に突出した周壁と、前記外装カバーの内側で前記周壁から周囲に広がるフランジ部と、を有し、
前記外装カバーの開口縁に前記周壁を前記キートップの操作方向にガイドするガイド壁が形成され、
前記外装カバーの内側に設けられた支持壁に前記フランジ部が掛け止めされ、
前記カバー部が前記外装カバーと共に前記ハウジングの外装面を形成していることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記カバー部が、前記外装カバーの開口縁に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のスイッチ装置と、
シートに対して画像を形成する画像形成部と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、主電源用のスイッチ装置が設けられている。この種のスイッチ装置として、ハウジングから露出した操作ボタンを開閉カバーによって覆うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のスイッチ装置は、いわゆるロッカースイッチであり、操作ボタンの両端を揺動させるように交互に押すことでON/OFFが切り替えられる。ハウジングの外面には凹面が形成されており、この凹面から操作ボタンの片端が突き出している。ハウジングの凹面が開閉カバーに覆われて、ハウジングと開閉カバーが面一になることで外観性が向上されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-220559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のスイッチ装置は、操作ボタンを押すためには開閉カバーを開かなければならず、開閉カバーを開いた状態ではハウジングの凹面から操作ボタンが突き出して外観性が悪化する。このため、操作ボタンを隠すためにハウジングに開閉カバーを設ける必要があり、装置構成が複雑になってコストが増加するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、簡易かつ安価な構成で、スイッチ装置周辺の外観性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のスイッチ装置は、ハウジングの外装カバーの内側に取り付けられたスイッチ装置であって、前記外装カバーの開口から露出したキートップと、前記キートップによって押圧されるスイッチ部と、を備え、前記キートップが、前記外装カバーの開口で押圧操作を受け付ける頭部と、前記頭部の周囲で前記外装カバーの開口を覆うカバー部と、を有し、前記カバー部が前記外装カバーと共に前記ハウジングの外装面を形成している。
【0007】
前記スイッチ装置において、前記カバー部が、前記外装カバーの開口縁に位置決めされてもよい。
【0008】
前記スイッチ装置において、前記キートップが、前記カバー部の外縁から前記外装カバーの内側に突出した周壁を有し、前記外装カバーの開口縁に前記周壁を前記キートップの操作方向にガイドするガイド壁が形成されてもよい。
【0009】
前記スイッチ装置において、前記キートップが、前記外装カバーの内側で前記周壁から周囲に広がるフランジ部を有し、前記外装カバーの内側に設けられた支持壁に前記フランジ部が掛け止めされてもよい。
【0010】
本発明の一態様の画像形成装置は、上記のスイッチ装置と、シートに対して画像を形成する画像形成部と、を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カバー部と外装カバーによってハウジングの外装面が形成され、外装カバーの開口から露出したキートップと外装カバーの見掛けが近くなっている。よって、キートップにカバー部を形成するという安価かつ簡易な構成で、ハウジングとキートップの外観上の一体感が図られている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態のプリンターの模式図である。
図2】本実施形態のプリンターの外観斜視図である。
図3】比較例の電源スイッチ周辺の外観斜視図である。
図4】比較例の電源スイッチ周辺の断面図である。
図5】本実施形態の電源スイッチ周辺の縦断面図である。
図6】本実施形態の電源スイッチ周辺の横断面図である。
図7】本実施形態の外装カバーを装着した状態での電源スイッチ周辺の外観斜視図である。
図8A】本実施形態の電源スイッチの組付け作業の遷移図である。
図8B】本実施形態の電源スイッチの組付け作業の遷移図である。
図8C】本実施形態の電源スイッチの組付け作業の遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本実施形態のスイッチ装置を適用した画像形成装置について説明する。なお、以下の説明では、画像形成装置としてプリンターを例示して説明する。図1は、本実施形態のプリンターの模式図である。各図に適宜付される矢印Fr、Re、U、Lo、R、Lは、それぞれプリンターの前側、後側、上側、下側、右側、左側を示している。
【0014】
図1に示すように、プリンター1は、各種機器が収容された箱型形状のハウジング10を備えている。ハウジング10の下部にはシート束がセットされる給紙カセット11a、11bが収容され、ハウジング10の上部には画像形成済みのシートが積み重ねられる排紙トレイ12が設けられている。排紙トレイ12の下方にはトナーを貯留したトナーコンテナ13がトナーの色(例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色)毎に着脱可能にセットされている。複数のトナーコンテナ13の下方には、左右一対のローラー14、15に掛け渡された中間転写ベルト16が設けられている。
【0015】
中間転写ベルト16の下側に沿って、トナーの色毎に画像形成部17が左右一列に設けられている。各画像形成部17には中間転写ベルト16に転接する感光体ドラム21が回転可能に設けられており、感光体ドラム21の周囲には帯電器22と、現像器23と、一次転写部24と、クリーニング装置25と、徐電器26とが一次転写のプロセス順に設置されている。クリーニング装置25には廃トナーボックス(不図示)が接続されている。各現像器23には不図示の供給路を通じてトナーコンテナ13からトナーが供給され、廃トナーボックスには不図示の排出路を通じて各クリーニング装置25から廃トナーが排出される。
【0016】
各画像形成部17の下方には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)によって構成される露光装置18が設けられている。ハウジング10内の右側部には、複数のローラーによって給紙カセット11a、11bから排紙トレイ12に向かうシートの搬送経路Lが形成されている。搬送経路Lの上流側(下側)には給紙部31a、31bが設けられ、搬送経路Lにおいて給紙部31a、31bよりも下流側には中間転写ベルト16の右端側に二次転写部32が設けられている。搬送経路Lにおいて二次転写部32の下流側には定着装置33が設けられ、搬送経路Lの下流端側(上側)には排紙口34が設けられている。
【0017】
プリンター1の画像形成時には、帯電器22によって感光体ドラム21の表面が帯電された後、露光装置18からのレーザー光によって感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。次に、現像器23から感光体ドラム21の表面の静電潜像にトナーが付着されてトナー像が形成され、感光体ドラム21の表面から中間転写ベルト16の表面にトナー像が一次転写される。各画像形成部17において各色のトナー像が中間転写ベルト16に一次転写されることで、中間転写ベルト16の表面にフルカラーのトナー像が形成される。なお、感光体ドラム21に残留した廃トナーと電荷は、クリーニング装置25と徐電器26によって除去される。
【0018】
一方で、給紙部31a、31bによって給紙カセット11a、11b又は手差しトレイ(不図示)からシートが取り込まれ、上記の画像形成動作にタイミングを合わせて二次転写部32に向けてシートが搬送される。二次転写部32において中間転写ベルト16の表面からシートの表面にフルカラーのトナー像が二次転写され、二次転写部32の下流の定着装置33に向けて転写済みのシートが搬送される。定着装置33においてシートにトナー像が定着され、定着済みのシートが排紙口34から排紙トレイ12上に排出される。このように、シートに転写されたトナー像が定着装置33を通過することによってシートの表面に画像が形成される。
【0019】
図2に示すように、プリンター1のハウジング10には胴内空間41が形成されており、ハウジング10には胴内空間41に向けて排紙口34が開口されている。胴内空間41の底面は排紙トレイ12であり、排紙口34から胴内空間41に排紙されたシートが排紙トレイ12上に積層される。ハウジング10の正面には胴内空間41の右側に電源スイッチ(スイッチ装置)50が設けられているが、電源スイッチ50周辺はプリンター1の外観に与える影響が大きい。このため、ハウジング10の正面では、電源スイッチ50とハウジング10の外観上の一体感が求められている。
【0020】
例えば、図3に示す比較例の電源スイッチ80では、ハウジングの外装カバー81の開口82からキートップ86の操作面が露出している。キートップ86の操作面に全体的にスイッチマーク89が付されており、スイッチマーク89の周りが開口縁に囲まれて、キートップ86の操作面が外装カバー81の外面よりも強調されている。また、比較例の電源スイッチ80では、組付け構造上、キートップ86の取り付け精度にバラツキが生じて、外装カバー81の外面にキートップ86の操作面を一致させることが難しい。外装カバー81の外面からキートップ86が突き出して外観が悪化する場合がある。
【0021】
具体的には、図4に示すように、比較例の電源スイッチ80は、ベース基板83上にスイッチ部90が実装され、スイッチ部90に対向するようにキートップ86が設けられている。キートップ86のボス部87が第1のホルダ84にガイドされており、キートップ86の頭部88が第2のホルダ85にガイドされている。第2のホルダ85は外装カバー81に外側から覆われており、第2のホルダ85から突き出したキートップ86の頭部88が外装カバー81の開口82に入り込んでいる。キートップ86の操作方向にて、外装カバー81と第2のホルダ85の隙間Cにズレがあると、外装カバー81の外面からキートップ86の頭部88が突き出してしまう。
【0022】
このように、比較例の電源スイッチ80は、外装カバー81の内側で第1、第2のホルダ84、85によってキートップ86が組付けられており、組付け構造が複雑化して外装カバー81の開口82に対するキートップ86の取り付け精度に誤差が生じ易い。このため、比較例の電源スイッチ80では、電源スイッチ80と外装カバー81の外観上の一体感が図ることが難しい。さらに、第1、第2のホルダ84、85に保持されたキートップ86の中心と外装カバー81の開口82の中心が一致していなければ、外装カバー81の開口縁によってキートップ86が抉れられて操作性が悪化する。
【0023】
そこで、本実施形態では、キートップ61の頭部62から周囲に広がるカバー部64によって、キートップ61の操作面と外装カバー51の外面の見掛けが近づけられている(図7参照)。また、キートップ61の組付け構造が単純化されて、外装カバー51の外面からのキートップ61の突き出しが抑えられている。これにより、電源スイッチ50と外装カバー51の外観上の一体感が図られている。さらに、キートップ61の組付け構造の単純化によって、外装カバー51の開口52に対するキートップ61の位置決めが容易になって、キートップ61の操作性の悪化が抑えられている。
【0024】
図5から図7を参照して、電源スイッチについて説明する。図5は、本実施形態の電源スイッチ周辺の縦断面図である。図6は、本実施形態の電源スイッチ周辺の横断面図である。図7は、本実施形態の外装カバーを装着した状態での電源スイッチ周辺の外観斜視図である。
【0025】
図5及び図6に示すように、電源スイッチ50は、いわゆる押しボタンスイッチであり、ハウジング10の外装カバー51の内側に取り付けられている。電源スイッチ50は、外装カバー51の開口52から露出したキートップ61と、キートップ61によって押圧されるスイッチ部71と、を備えている。キートップ61はスプリング73を介してベース基板54に支持されており、スイッチ部71はスプリング73の内側でベース基板54上に実装されている。スイッチ部71は、スイッチ本体からステム72を突出させており、キートップ61によってステム72が押し込まれることでプリンター1に対する電力の供給と遮断を切り替えている。
【0026】
キートップ61は、外装カバー51の開口52から露出した頭部62で押圧操作を受け付けている。キートップ61の頭部62からスイッチ部71に向かってボス部63が延びており、ハウジング10の内側に設けられたホルダ58のガイド穴59にボス部63が挿入されている。ホルダ58のガイド穴59とボス部63によってキートップ61の先端側が押圧方向にガイドされる。外装カバー51の開口52はキートップ61の頭部62よりも大きく形成されており、頭部62からカバー部64が開口縁に向かって広がっている。キートップ61のカバー部64によって頭部62の周囲の開口52が覆われている。
【0027】
カバー部64の外縁は外装カバー51の開口縁と同一形状に形成されており、外装カバー51の開口縁によってカバー部64が位置決めされている。カバー部64の外縁から外装カバー51の内側に周壁65が突出しており、外装カバー51の開口縁から外装カバー51の内側にガイド壁53が突出している。外装カバー51のガイド壁53と周壁65によってキートップ61の操作面側が押圧方向にガイドされる。なお、ホルダ58のガイド穴59と外装カバー51のガイド壁53にキートップ61がガイドされるが、ガイド穴59及びガイド壁53のガイド面とキートップ61の摺動面には僅かな隙間が空けられている。
【0028】
外装カバー51の内側では周壁65の突出端から周囲にフランジ部66が広がっている。キートップ61はスプリング73によってスイッチ部71から離間する方向に押されており、キートップ61のフランジ部66が外装カバー51のガイド壁53に突き当てられて、外装カバー51に対してキートップ61が抜け止めされている。外装カバー51の内側にはスイッチケース55が設けられており、スイッチケース55の一対の支持壁56の先端の爪部57にキートップ61のフランジ部66が掛け止めされている。フランジ部66の掛け止めによって、電源スイッチ50の組付け時にキートップ61が仮止めされる。
【0029】
一対の支持壁56はキートップ61を挟んで対向しており、一対の支持壁56の対向間隔が外装カバー51の外側から内側に向かって大きくなるように一対の支持壁56の対向面が僅かに傾斜している。ハウジング10に外装カバー51が装着される前には、一対の支持壁56の対向面の傾斜によってキートップ61の僅かな揺動が許容された状態で、一対の支持壁56の爪部57にキートップ61が仮止めされている。キートップ61の揺動によって組付け誤差が吸収されるため、ハウジング10に対して外装カバー51を装着する際に外装カバー51の開口52とキートップ61を合わせ易くなっている。
【0030】
図7に示すように、ハウジング10に外装カバー51が装着された状態では、外装カバー51の開口52からキートップ61の矩形状の操作面が露出している。キートップ61の操作面の中央、すなわち頭部62(図5参照)の外面にスイッチマーク67が付されており、頭部62に連なるカバー部64(図5参照)には何も付されていない。カバー部64が外装カバー51と共にハウジング10の外装面を形成しており、キートップ61の操作面が外装カバー51の外面よりも強調されることがない。キートップ61と外装カバー51の見掛けが近くなって、キートップ61と外装カバー51の外観上の一体感が図られている。
【0031】
図5に戻り、スプリング73のバネ力に抗して、外装カバー51のガイド壁53によってキートップ61のフランジ部66が押し込まれている。外装カバー51の外面からガイド壁53の突出端までの寸法H1とキートップ61の操作面からフランジ部66の表面までの寸法H2とが略一致している。このため、外装カバー51の装着前にスイッチケース55からキートップ61が大きく突き出しても、外装カバー51の装着によってガイド壁53にキートップ61が押し込まれて、外装カバー51の外面とキートップ61の操作面が一致される。よって、外装カバー51の外面からキートップ61が突き出すことがない。
【0032】
図8Aから図8Cを参照して、電源スイッチの組付け作業について説明する。図8Aから図8Cは、本実施形態の電源スイッチの組付け作業の遷移図である。
【0033】
図8Aに示すように、ハウジング10に対してスイッチケース55と共にベース基板54が取り付けられる。ベース基板54上にはスイッチ部71が実装されており、スイッチ部71に対向するようにホルダ58のガイド穴59が開口している。ベース基板54上にはスイッチ部71の囲むようにスプリング73が取り付けられている。スイッチケース55にはベース基板54を挟むように一対の支持壁56が設けられており、一対の支持壁56の先端から内向きに爪部57が突き出している。この一対の支持壁56の内側に、キートップ61(図8B参照)の設置空間が形成されている。
【0034】
次に、図8Bに示すように、キートップ61のボス部63がホルダ58のガイド穴59に差し込まれ、スイッチケース55に対してキートップ61が仮止めされる。キートップ61がスプリング73によってベース基板54から離間方向に押されており、キートップ61のフランジ部66が一対の支持壁56の爪部57に掛け止めされている。上記したように、一対の支持壁56の対向面が僅かに傾斜しており、キートップ61のボス部63の摺動面とホルダ58のガイド穴59のガイド面に僅かな隙間が空いている。このため、キートップ61がスイッチケース55に仮止めされた状態でキートップ61の僅かな揺動が許容されている。
【0035】
次に、図8Cに示すように、ハウジング10に対して外装カバー51が取り付けられ、外装カバー51の開口52からキートップ61の操作面が露出される。このとき、外装カバー51の開口52の中心とキートップ61の中心に誤差が生じていても、キートップ61が僅かに揺動することによって外装カバー51の開口52の中心とキートップ61の中心が合わせられる。キートップ61の揺動によって部材間の誤差が吸収されることで、外装カバー51の開口縁によってキートップ61が適切に位置決めされる。キートップ61の操作時には、外装カバー51の開口縁にキートップ61が抉られずにキートップ61の操作性が向上される。
【0036】
さらに、外装カバー51のガイド壁53によってキートップ61のフランジ部66が押し込まれて、外装カバー51の外面とキートップ61の操作面が略一致される。外装カバー51の外面からキートップ61が突き出さず、外装カバー51とキートップ61の外観上の一体感が得られている。一対の支持壁56の対向面が傾斜しているため、キートップ61の操作時には、フランジ部66の先端から一対の支持壁56の対向面が離間する。ホルダ58のガイド穴59と外装カバー51のガイド壁53の2箇所でキートップ61がガイドされ、スイッチケース55に組付け誤差が生じていても一対の支持壁56によってキートップ61の操作が阻害されない。
【0037】
以上、本実施形態によれば、キートップ61のカバー部64と外装カバー51によってハウジング10の外装面が形成され、外装カバー51の開口52から露出したキートップ61と外装カバー51の見掛けが近くなっている。よって、キートップ61にカバー部64を形成するという安価かつ簡易な構成で、ハウジング10とキートップ61の外観上の一体感が図られている。
【0038】
また、本実施形態の電源スイッチ50がプリンター1に設置されることで、プリンター1の外観性が向上されている。
【0039】
なお、本実施形態では、スイッチ装置として電源スイッチ50が例示されているが、スイッチ装置は電源スイッチ50以外の他のスイッチ装置にも適用可能である。
【0040】
また、本実施形態では、スイッチ部71としてスイッチ本体からステム72を突き出したタクトスイッチが例示されているが、スイッチ部71はキートップ61によって押圧されるスイッチ部であれば特に限定されない。
【0041】
また、本実施形態では、キートップ61の外縁形状が正面視矩形状に形成されたが、キートップ61の外縁形状は実装カバーの開口縁形状に沿っていればよい。
【0042】
また、本実施形態では、一対の支持壁56にフランジ部66が掛け止めされて、キートップ61が仮止めされているが、キートップ61の仮止め状態で一対の支持壁56によってフランジ部66が位置決めされていてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、画像形成装置としてファックス機能付きのプリンターを例示したが、画像形成装置は、コピー機能等の他の機能を備えていてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、画像形成装置にスイッチ装置を適用した一例について説明したが、他の電子機器に表示装置を適用することが可能である。
【0045】
また、本実施形態において、シートは、画像の形成対象となるシート状のものであればよく、例えば、普通紙、コート紙、トレーシングペーパー、OHP(Over Head Projector)シートでもよい。
【0046】
なお、本実施形態を説明したが、他の実施形態として、上記実施形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0047】
また、本発明の技術は上記の実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方によって実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0048】
1 :プリンター(画像形成装置)
10:ハウジング
17:画像形成部
50:電源スイッチ(スイッチ装置)
51:外装カバー
52:開口
53:ガイド壁
56:支持壁
61:キートップ
62:頭部
64:カバー部
65:周壁
66:フランジ部
71:スイッチ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C