IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

特許7508976情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法 図6
  • 特許-情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法 図7
  • 特許-情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20240625BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20240625BHJP
   G16Y 10/50 20200101ALI20240625BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06Q20/18
G16Y10/50
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020162524
(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公開番号】P2022055117
(43)【公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】足達 忠生
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-016142(JP,A)
【文献】特開2008-117217(JP,A)
【文献】特開2011-227603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06Q 20/18
G16Y 10/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の手続きに関する情報を外部端末から取得する情報取得部と、
前記所定の手続きに関する情報を表示する表示部と、
操作者による操作情報を受け付ける操作部と、
前記所定の手続きに関する情報に基づいて、所定の処理を行なう処理部と、
前記表示部を制御する表示制御部と
を備え、
前記表示制御部が、前記所定の手続きに関する情報と、前記所定の手続きに関する情報の正誤確認を操作者に要求する操作オブジェクトとを前記表示部に表示するものであり、
前記操作部が、前記所定の手続きに関する第1の情報を受け付け、
前記所定の手続きに関する情報は、所定の手続きに必要な1つ又は複数の項目を含み、
前記表示制御部が、
前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報と、前記操作部からの前記第1の情報とを前記表示部に表示するとともに、
前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報のみを対象として、前記所定の手続きに必要な1つ又は複数の項目のそれぞれに前記操作オブジェクトを表示し、
前記処理部が、前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報と、前記操作部からの前記第1の情報とに基づいて、所定の処理を行なう
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
所定の手続きに関する情報を外部端末から取得する情報取得部と、
前記所定の手続きに関する情報を表示する表示部と、
操作者による操作情報を受け付ける操作部と、
前記所定の手続きに関する情報に基づいて、所定の処理を行なう処理部と、
前記表示部を制御する表示制御部と
を備え、
前記表示制御部が、前記所定の手続きに関する情報と、前記所定の手続きに関する情報の正誤確認を操作者に要求する操作オブジェクトとを前記表示部に表示するものであり、
前記操作部が、前記所定の手続きに関する第1の情報を受け付け、
前記表示制御部が、前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報と、前記操作部からの前記第1の情報とのそれぞれの項目毎に、前記操作オブジェクトを表示し、
前記処理部が、前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報と、前記操作部からの前記第1の情報とに基づいて、所定の処理を行なう
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の手続きの各項目に対応させて、項目毎に、前記操作オブジェクトが表示され、
誤りがある項目の前記操作オブジェクトについて、誤りがあることを示す操作がされると、前記表示制御部が、前記所定の手続きの情報を訂正させる訂正画面を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記誤りがある項目の前記操作オブジェクトが選択されると共に、当該項目の訂正を実施する訂正実施情報が選択されると、前記表示制御部が、選択された項目の情報を訂正させる訂正画面を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の手続きの各項目に対応させて、項目毎に、前記操作オブジェクトが表示されて、
前記項目毎の前記操作オブジェクトの全てが操作されると、前記処理部が当該所定の手続きの処理を行なう
ことを特徴とする請求項1又は2に係る情報処理装置。
【請求項6】
前記項目毎の前記操作オブジェクトの全てが操作されると、前記所定の手続きに関する情報を確定させるための確定情報が有効に前記表示部に表示され、前記確定情報が選択されると、前記処理部が当該所定の手続きの処理を行なうことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、
所定の手続きに関する情報を外部端末から取得する情報取得部と、
前記所定の手続きに関する情報を表示する表示部と、
操作者による操作情報を受け付ける操作部と、
前記所定の手続きに関する情報に基づいて、所定の処理を行なう処理部と、
前記表示部を制御する表示制御部と
して機能させ、
前記表示制御部が、前記所定の手続きに関する情報と、前記所定の手続きに関する情報の正誤確認を操作者に要求する操作オブジェクトとを前記表示部に表示し、
前記操作部が、前記所定の手続きに関する第1の情報を受け付け、
前記所定の手続きに関する情報は、所定の手続きに必要な1つ又は複数の項目を含み、
前記表示制御部が、
前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報と、前記操作部からの前記第1の情報とを前記表示部に表示するとともに、
前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報のみを対象として、前記所定の手続きに必要な1つ又は複数の項目のそれぞれに前記操作オブジェクトを表示し、
前記処理部が、前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報と、前記操作部からの前記第1の情報とに基づいて、所定の処理を行なう
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
所定の手続きに関する情報を外部端末から取得する情報取得部と、
前記所定の手続きに関する情報を表示する表示部と、
操作者による操作情報を受け付ける操作部と、
前記所定の手続きに関する情報に基づいて、所定の処理を行なう処理部と、
前記表示部を制御する表示制御部と
して機能させ、
前記表示制御部が、前記所定の手続きに関する情報と、前記所定の手続きに関する情報の正誤確認を操作者に要求する操作オブジェクトとを前記表示部に表示し、
前記操作部が、前記所定の手続きに関する第1の情報を受け付け、
前記表示制御部が、前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報と、前記操作部からの前記第1の情報とのそれぞれの項目毎に、前記操作オブジェクトを表示し、
前記処理部が、前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報と、前記操作部からの前記第1の情報とに基づいて、所定の処理を行なう
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項9】
所定の手続きに関する情報を外部端末から取得する情報取得部と、
前記所定の手続きに関する情報を表示する表示部と、
操作者による操作情報を受け付ける操作部と、
前記所定の手続きに関する情報に基づいて、所定の処理を行なう処理部と、
前記表示部を制御する表示制御部と
を備え、
前記表示制御部が、前記所定の手続きに関する情報と、前記所定の手続きに関する情報の正誤確認を操作者に要求する操作オブジェクトとを前記表示部に表示し、
前記操作部が、前記所定の手続きに関する第1の情報を受け付け、
前記表示制御部が、前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報と、前記操作部からの前記第1の情報とを前記表示部に表示するとともに、
前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報にのみ前記操作オブジェクトを表示し、
前記処理部が、前記情報取得部からの前記所定の手続きに関する情報と、前記操作部からの前記第1の情報とに基づいて、所定の処理を行なう
ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置と携帯端末との間で連携させて処理させる機能やサービスがある。例えば、ユーザ(顧客)が、携帯端末としてのスマートフォンに取引内容を事前に入力しておき、スマートフォンに事前入力した情報を、情報処理装置としてのATM(Auto Teller Machine)に渡す。そして、ATM上で、ユーザがその取引内容で取引を行なうというものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-109611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、情報処理装置が携帯端末からの入力内容で処理する場合、情報処理装置上で入力を受け付けて処理をする場合と比べて、情報処理装置上で入力を受け付ける手続きがないため、情報処理装置では、簡略化された処理が行なわれることがある。
【0005】
他方、携帯端末から情報処理装置に渡された入力内容(情報)が、必ずしも顧客の目的にそぐわないケースもある。その場合、情報処理装置上で、取得した入力内容を訂正すること等が必要となる。
【0006】
しかしながら、ユーザは携帯端末での事前入力が完了しているので、簡略化した取引手続きの中で、入力内容の確認画面を表示しても、ユーザは確認画面を軽視する傾向にあり、入力内容の訂正がされず、そのまま取引が行なわれてしまうことが生じ得る。
【0007】
そのため、外部端末から取得した所定の手続きに関する情報の内容について正誤確認させることができる情報処理装置、情報処理プログラム及び画面制御方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、第1の本発明に係る情報処理装置は、所定の手続きに関する情報を外部端末から取得する情報取得部と、所定の手続きに関する情報を表示する表示部と、操作者による操作情報を受け付ける操作部と、所定の手続きに関する情報に基づいて、所定の処理を行なう処理部と、表示部を制御する表示制御部とを備え、表示制御部が、所定の手続きに関する情報と、所定の手続きに関する情報の正誤確認を操作者に要求する操作オブジェクトとを表示部に表示するものであり、操作部が、所定の手続きに関する第1の情報を受け付け、所定の手続きに関する情報は、所定の手続きに必要な1つ又は複数の項目を含み、表示制御部が、情報取得部からの所定の手続きに関する情報と、操作部からの第1の情報とを表示部に表示するとともに、情報取得部からの所定の手続きに関する情報のみを対象として、所定の手続きに必要な1つ又は複数の項目のそれぞれに操作オブジェクトを表示し、処理部が、情報取得部からの所定の手続きに関する情報と、操作部からの第1の情報とに基づいて、所定の処理を行なうことを特徴とする。
第2の本発明に係る情報処理装置は、所定の手続きに関する情報を外部端末から取得する情報取得部と、所定の手続きに関する情報を表示する表示部と、操作者による操作情報を受け付ける操作部と、所定の手続きに関する情報に基づいて、所定の処理を行なう処理部と、表示部を制御する表示制御部とを備え、表示制御部が、所定の手続きに関する情報と、所定の手続きに関する情報の正誤確認を操作者に要求する操作オブジェクトとを表示部に表示するものであり、操作部が、所定の手続きに関する第1の情報を受け付け、表示制御部が、情報取得部からの所定の手続きに関する情報と、操作部からの第1の情報とのそれぞれの項目毎に、操作オブジェクトを表示し、処理部が、情報取得部からの所定の手続きに関する情報と、操作部からの第1の情報とに基づいて、所定の処理を行なうことを特徴とする。
【0009】
の本発明に係る情報処理プログラムは、コンピュータを、所定の手続きに関する情報を外部端末から取得する情報取得部と、所定の手続きに関する情報を表示する表示部と、操作者による操作情報を受け付ける操作部と、所定の手続きに関する情報に基づいて、所定の処理を行なう処理部と、表示部を制御する表示制御部として機能させ、表示制御部が、所定の手続きに関する情報と、所定の手続きに関する情報の正誤確認を操作者に要求する操作オブジェクトとを表示部に表示し、操作部が、所定の手続きに関する第1の情報を受け付け、所定の手続きに関する情報は、所定の手続きに必要な1つ又は複数の項目を含み、表示制御部が、情報取得部からの所定の手続きに関する情報と、操作部からの第1の情報とを表示部に表示するとともに、情報取得部からの所定の手続きに関する情報のみを対象として、所定の手続きに必要な1つ又は複数の項目のそれぞれに操作オブジェクトを表示し、処理部が、情報取得部からの所定の手続きに関する情報と、操作部からの前記第1の情報とに基づいて、所定の処理を行なうことを特徴とする。
第4の本発明に係る情報処理プログラムは、コンピュータを、所定の手続きに関する情報を外部端末から取得する情報取得部と、所定の手続きに関する情報を表示する表示部と、操作者による操作情報を受け付ける操作部と、所定の手続きに関する情報に基づいて、所定の処理を行なう処理部と、表示部を制御する表示制御部として機能させ、表示制御部が、所定の手続きに関する情報と、所定の手続きに関する情報の正誤確認を操作者に要求する操作オブジェクトとを表示部に表示し、操作部が、所定の手続きに関する第1の情報を受け付け、表示制御部が、情報取得部からの所定の手続きに関する情報と、操作部からの第1の情報とのそれぞれの項目毎に、操作オブジェクトを表示し、処理部が、情報取得部からの所定の手続きに関する情報と、操作部からの第1の情報とに基づいて、所定の処理を行なうことを特徴とする。
【0010】
の本発明に係る情報処理装置は、所定の手続きに関する情報を外部端末から取得する情報取得部と、所定の手続きに関する情報を表示する表示部と、操作者による操作情報を受け付ける操作部と、所定の手続きに関する情報に基づいて、所定の処理を行なう処理部と、表示部を制御する表示制御部とを備え、表示制御部が、所定の手続きに関する情報と、所定の手続きに関する情報の正誤確認を操作者に要求する操作オブジェクトとを表示部に表示し、操作部が、所定の手続きに関する第1の情報を受け付け、表示制御部が、情報取得部からの所定の手続きに関する情報と、操作部からの第1の情報とを表示部に表示するとともに、情報取得部からの所定の手続きに関する情報にのみ操作オブジェクトを表示し、処理部が、情報取得部からの所定の手続きに関する情報と、操作部からの第1の情報とに基づいて、所定の処理を行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、外部端末から取得した所定の手続きに関する情報の内容について正誤確認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る取引装置における処理の動作を示すフローチャートである(その1)。
図2】実施形態に係る取引装置における処理の動作を示すフローチャートである(その2)。
図3】実施形態に係るシステムの全体構成を示す全体構成図である。
図4】実施形態に係る取引装置の内部構成を示す構成図である。
図5】実施形態に係る携帯端末の内部構成を示す内部構成図である。
図6】実施形態に係る携帯端末上の表示画面の構成を示す構成図である。
図7】実施形態に係る取引内容確認画面の構成を示す構成図である。
図8】実施形態に係る訂正画面の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)実施形態
以下では、本発明に係る情報処理装置、情報処理プログラム及び画像制御方法の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
(A-1)総論
この実施形態は、本発明の一例を説明する。この実施形態の詳細な説明は後述するが、この実施形態では、例えば、情報処理装置がATM等の取引装置であり、携帯端末(外部端末)がスマートフォンやタブレット端末等の端末である場合を例示する。
【0015】
例えば、取引装置を用いて取引を希望する顧客は、取引内容を携帯端末に事前入力しておく。携帯端末と取引装置とは、互いに情報を授受する機能を有している。
【0016】
取引装置に出向いた顧客の操作により、携帯端末は事前入力された取引内容の情報を取引装置に与え、他方、取引装置は、取引内容の情報を読み込み、この取引内容の情報を用いて取引処理を行なうことになる。
【0017】
一般的に、取引装置は、顧客が希望する取引の手順に従った取引画面を順次操作表示部に表示して、必要な情報の入力を顧客に要求して、必要な取引内容の情報を得ている。
【0018】
他方、携帯端末と連携可能な取引装置は、事前入力された取引内容を携帯端末から取得することができる。そのため、上述した例のような取引手順に従った取引画面を順次表示せず、読み取った取引内容を顧客に確認させるため、携帯端末からの取引内容を含む再確認画面を表示するなどしている。
【0019】
ここで、取引装置が携帯端末から取得した取引内容が、必ずしも顧客の目的にそぐわない場合がある。
【0020】
例えば、顧客が携帯端末に入力した内容が誤っているケースである。より具体的に、例えば、顧客本人は、「10,000円」の引き出しを希望しているが、携帯端末に、誤って「100,000円」を入力してしまうことが考えられる。
【0021】
取引装置での一般的な取引操作では、顧客も誤入力がないように注意しながら入力しており、入力内容の確認画面においても顧客は注意を払う傾向にある。しかし、携帯端末と連携可能な取引装置では、確認画面が表示されても、簡略した取引手続きが進むため、顧客は見過ごしてしまい、そのまま顧客が意図しない取引が行なわれてしまう。
【0022】
また例えば、取引装置の運用状態によっては、取引内容の受け付けができないこともある。例えば、顧客が100万の引き出しを希望しているが、取引装置の利用時間帯の制限、又は、紙幣装填状態等により引き出し金額(枚数)の制限がある場合などには、取引ができないことが考えられる。この場合も、簡略した取引手続きが行なわれるので、顧客に対して注意喚起させることが難しい。
【0023】
そこで、この実施形態では、携帯端末と連携可能な情報処理装置(例えば取引装置)において、取得した情報(例えば、取引内容の情報など)を正誤確認を顧客に要求できるようにする。
【0024】
(A-2)実施形態の構成
(A-2-1)全体構成
図3は、実施形態に係るシステムの全体構成を示す全体構成図である。図3において、システム100は、取引装置10と、携帯端末30とを有する。
【0025】
取引装置10は、情報処理装置の一例である。例えば、取引装置10は、金融機関の店舗、コンビニエンスストア、小売店舗、駅又は空港などの施設などに設置される。
【0026】
取引装置10は、携帯端末30との間で情報の授受が可能なものである。取引装置10は、携帯端末30から取引内容の情報を取得し、その取引内容の情報を用いてホストサーバ20(図4参照)との間で電文通信をして取引を行なう。
【0027】
他方、取引装置10は、既存のATM等と同様に、操作表示部17に取引手続きに従った取引画面を順次表示し、顧客により入力された取引内容で取引処理を行なう。後述するように、取引装置10は、携帯端末30から取得した取引内容に誤りがあるときには、取引装置10上に表示された訂正画面にて、顧客の操作により誤りを訂正する。
【0028】
なお、取引装置10は、携帯端末30から取得した取引内容の情報に基づいて取引を行なう専用の情報処理装置であってもよい。いずれにしても、情報処理装置としての取引装置10は、携帯端末30から取引内容の情報を取得して取引を行なう。
【0029】
図3に示すように、取引装置10の外観構成は、筐体11、通帳入出口12、カード入出口13、明細票排出口14、紙幣入出口15、硬貨入出口16、操作表示部17、読取部18を有する。
【0030】
通帳入出口12は、通帳の挿入を受け付けたり、通帳を返却(排出)したりする部分である。カード入出口13は、取引に用いられるキャッシュカード又はクレジットカード等のカードの挿入を受け付けたり、返却(排出)したりする部分である。明細票排出口14は、取引に関する情報が用紙に印字された明細票を排出する部分である。
【0031】
紙幣入出口15は、取引に係る紙幣の投入を受け付けたり、排出したりする部分である。硬貨入出口16は、取引に係る硬貨の投入を受け付けたり、排出したりする部分である。
【0032】
操作表示部17は、例えばタッチパネル機能を有するディスプレイを用いることができる。操作表示部17は、例えば、取引選択メニュー画面(以下では、「顧客待ち画面」とも呼ぶ。)や、選択された取引進行のための画面等を表示すると共に、顧客による入力操作を受け付ける。ここでは、操作表示部17が、タッチパネル型ディスプレイである場合を例示するが、これに限定されず、例えば、物理的なボタンや、別に設けたディスプレイ(補助的な表示部等)を備えてもよい。
【0033】
読取部18は、携帯端末30から情報を読み取るものである。読取部18は、例えば、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee等の近距離無線通信規格技術を適用できる。
【0034】
なお、取引装置10は、携帯端末30の画面上に表示されたQRコード(登録商標)等のコード情報を読み取り、復号して得た取引内容の情報を携帯端末30から取得するようにしてもよい。その場合、読取部18は撮像機能を搭載しているものと捉えることができる。他方、携帯端末30は、入力した取引内容の情報をコード化する機能を備えることになる。
【0035】
(A-2-2)取引装置の内部構成
図4は、第1の実施形態に係る取引装置10の内部構成を示す構成図である。図4において、取引装置10は、制御部1、通帳処理部2、カード処理部3、明細票処理部4、紙幣入出金部5、硬貨入出金部6、記憶部7、通信部8を有する。
【0036】
なお、取引装置10の構成は、図4に例示する構成に限定されない。例えば、取引装置10は、顧客の存在を検出するため、例えば人感センサや、操作表示部17で顧客の手の接触等を感知するセンサを備えてもよい。また例えば、取引装置10は、指紋、虹彩、顔認証等の生体認証のため、指紋、虹彩、顔等を撮像する撮像部(例えばカメラ等)を備え、生体認証処理が可能なものであってもよい。また、取引装置10は、例えば書面の一方の面の画像を読み取って取引処理をするための光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)手段を備えてもよい。
【0037】
(制御部、記憶部)
制御部1は、取引装置10の各種機能を司る処理部又は装置である。制御部1は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース等を有し、制御部1が処理プログラム(例えば、情報処理プログラム、取引プログラム等)を実行することにより、取引装置10における各種機能が実現される。
【0038】
制御部1は、取引処理を行なう取引処理部101と、操作表示部17に表示する表示画面を制御する表示制御部102とを有する。
【0039】
取引処理部101は、現金(紙幣、硬貨)の引き出し取引、顧客の口座への現金の預け入れ取引、顧客の口座から指定口座への口座振込や現金振込等の振込取引、残高照会などの所定の取引処理を行なう。
【0040】
また、取引処理部101は、読取部18を通じて、携帯端末30からの取引内容の情報を読み取り、その取引内容の情報に基づいて取引処理を行なう。携帯端末30からの取引内容の情報に誤りが含まれているときには、操作表示部17の表示画面(例えば訂正画面等)を通じて、誤りを訂正する情報を取得し、訂正後の取引内容で取引処理を行なう。ここで、携帯端末30と連携する取引の種類は、特に限定しないが、例えば、現金の引き出し、現金の預け入れ、現金振込等のように、現金を用いた取引をする場合に特に有効である。
【0041】
表示制御部102は、取引処理部101が行なう取引種類に応じて、取引手順に従った表示画面を操作表示部17に表示するものであり、操作表示部17から入力された情報に応じて順次表示画面を表示する。
【0042】
例えば、携帯端末30と連携する取引処理では、表示制御部102は、携帯端末30から取得した取引内容の項目毎に、操作オブジェクト602(図7参照)を表示し、顧客に対して正しい内容であるか否かの正誤確認を要求する。表示制御部102は、正誤確認した顧客の操作により、全ての取引内容が正しければ、その内容で取引を実施させるため、携帯端末30から取得した取引内容を確定させる。他方、取引装置10が携帯端末30から取得した取引内容の一部に誤りがある場合には、操作表示部17の表示画面上で取引内容を訂正できるようにするため、訂正画面を表示する。訂正画面を通じて、取引内容の訂正が行なわれると、その訂正後の取引内容を確定させる。
【0043】
記憶部7は、取引に係る処理プログラムを記憶したり、制御部1による処理に必要なデータや、制御部1の処理で得られた取引に関する情報を記憶したりする。
【0044】
(通信部)
通信部8は、ネットワークNTを介して、ホストサーバ20との間で取引電文を含む情報を授受する。ネットワークNTを介した通信制御(通信プロトコル)は、特に限定されず、インターネットプロトコル(IP)等を適用できる。
【0045】
(通帳処理部)
通帳処理部2は、通帳入出口12から挿入された通帳に付されている記録媒体(例えば、磁気ストライプ等)から通帳情報を読み取って制御部1に与えたり、取引に関する記帳情報を通帳に記帳して通帳入出口12に排出したりする。
【0046】
(カード処理部)
カード処理部3は、カード入出口13から挿入されたカード(例えば、キャッシュカード、クレジットカード等)に付されている記録媒体(例えば、磁気ストライプ、ICカード等)からカード情報を読み取って制御部1に与えたり、取引終了後にカードをカード入出口に排出したりする。
【0047】
(明細票処理部)
明細票処理部4は、取引情報を媒体(例えば用紙等)に印刷した明細票を明細票排出口14から排出する。明細票処理部4は、例えば、取引日、取引種別、取引金額、残高などの情報を印字する。
【0048】
(紙幣入出金部)
紙幣入出金部5は、入金処理のときには、紙幣入出口15から挿入された紙幣の真贋鑑別や計数処理を行ない、金種別のカセットに搬送する。また、出金処理のときには、出金すべき紙幣を金種別のカセットから繰り出して、紙幣入出口15から排出する。
【0049】
(硬貨入出金部)
硬貨入出金部6は、入金処理のときには、硬貨入出口16から投入された硬貨の真贋鑑別や計数処理を行ない、金種別のカセットに搬送する。また、出金処理のときには、出金すべき硬貨を金種別のカセットから繰り出して、硬貨入出口16から排出する。
【0050】
(ホストサーバ、記憶装置)
ホストサーバ20は、ネットワークNTと接続し、入金処理、出金処理等の所定の取引処理を行なう勘定系ホストサーバである。ホストサーバ20は、ネットワークNTを通じて複数の取引装置10と接続しており、各取引装置10との間で通信を行なう。また、ホストサーバ20は、記憶装置21の管理も行なう。
【0051】
記憶装置21には、顧客の口座情報、取引履歴等を関連付けた顧客情報などが記憶されている。口座情報は、例えば、口座名義人、金融機関、支店名、口座番号、預金額(残高情報)、暗証番号等が含まれる。
【0052】
(A-2-3)携帯端末の内部構成
図5は、実施形態に係る携帯端末30の内部構成を示す内部構成図である。図5において、携帯端末30は、制御部310、記憶部320、入出力部330、第1通信部340、第2通信部350を有する。
【0053】
携帯端末30は、情報処理装置としての取引装置10との間で情報の授受が可能な端末である。例えば、携帯端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェラブル端末、パーソナルコンピュータ(特にモバイルPC、ノートPC等)、ゲーム端末等とすることができる。
【0054】
この実施形態では、携帯端末30がスマートフォンである場合を想定して説明する。携帯端末30には、金融機関の取引を行なうためのアプリケーション(以下では、「取引アプリ」とも呼ぶ。)321がインストールされている。この取引アプリを起動させることで、顧客は取引内容の情報の事前入力、及び又は、事前入力した取引内容の情報を取引装置10に与えること等ができる。
【0055】
入出力部330は、例えばタッチパネルディスプレイ等を適用できる。入出力部330は、顧客操作により入力を受け付ける入力部331と、ディスプレイ等の表示部332とを有する。
【0056】
制御部310は、携帯端末30の機能を司る処理部又は装置である。制御部310は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース等を有し、制御部1が処理プログラム(例えば、情報処理プログラム、取引プログラム等)を実行することにより、各種機能が実現される。
【0057】
記憶部320は、処理プログラムや、処理に必要な情報を記憶する。記憶部320には、インストールされた取引アプリ321が記憶されている。
【0058】
取引アプリ321は、金融機関の取引を行なうためのアプリケーションであり、例えば、金融機関名、口座番号、支店名、口座名義人の名称等の登録情報を保持している。また、取引アプリ321は、1又は複数の取引に必要な取引内容の情報の事前入力及び事前記録が可能である。取引装置10にて顧客が利用するときには、取引アプリ321を起動させて、第1通信部340を通じて、事前入力されている取引内容の情報を取引装置10に伝送する。
【0059】
第1通信部340は、取引装置10の読取部18との間で、情報を授受するものである。第1通信部340は、読取部18と同様に、例えば、NFC、Bluetooth(登録商標)、ZigBee等の近距離無線通信規格技術を適用できる。
【0060】
第2通信部350は、インターネットやキャリア網等に代表される通信網と通信するものである。
【0061】
(A-3)実施形態の動作
図1及び図2は、実施形態に係る取引装置における処理の動作を示すフローチャートである。
【0062】
以下では、顧客が10,000円の現金振り込み取引を希望する場合を例示する。例えば、携帯端末30では、顧客の操作により、取引アプリ321が起動し、顧客が希望する振り込み取引に必要な情報が取引内容として入力される。なお、振り込み取引を一例として挙げるが、取引種類はこれに限定されず、引き出し取引、預け入れ取引等を適用できる。
【0063】
ここでは、顧客が携帯端末30上の取引アプリ321で、取引金額を「10,000円」とすべきであったが、取引金額の入力を誤って「100,000円」と入力してしまったものとする。
【0064】
取引装置10に出向いた顧客は、携帯端末30に搭載の取引アプリ321を起動する。他方、取引装置10では、操作表示部17が、携帯端末30と連携した取引を行なうための選択ボタン(例えば、スマホ取引の選択ボタンなど)を表示しておき、顧客により選択ボタンが選択された後、スマホ取引が行なわれるようにしてもよい。つまり、携帯端末30との通信前に、取引装置10で読取部18を起動させておくことができるので、情報の読み込みをし易くできる。
【0065】
顧客は、携帯端末30上の取引アプリ321で、事前入力した取引内容を選択して、図6に例示する表示画面700を表示させる。そして、「取引開始」ボタン701が選択されて、顧客が携帯端末30を読取部18にかざす。そうすると、携帯端末30の第1通信部340と読取部18との間で通信が開始して、事前入力した取引内容の情報が取引装置10の読取部18に与えられる。このとき、取引装置10の操作表示部17には、「読み込み中」などの表示画面が表示されるようにしてもよい。
【0066】
取引装置10では、読取部18が、携帯端末30から取引内容の情報の読み込み処理を行なう(S101)。読み込みが成功すると(S102/成功)、S103に移行し、携帯端末30からの取引内容の情報に基づく取引が行なわれる。他方、読み込みが失敗すると(S102/失敗)、S120に移行して、取引装置10の取引手順に従った取引内容の入力処理が行なわれる。
【0067】
[読込成功時の処理]
S103では、取引装置10の操作表示部17に暗証番号の入力画面が表示され、顧客により暗証番号が入力される(S103)。次に、携帯端末30から取得した取引内容の情報を含む取引内容確認画面が操作表示部17に表示される(S104)。
【0068】
図7は、実施形態に係る取引内容確認画面の構成を示す構成図である。図7において、取引内容確認画面600の表示領域601には、携帯端末30から取得した取引内容の情報が表示される。この例では、「取引種類」、「振込先銀行名」、「支店名」、「口座種類」、「口座番号」、「取引金額」を項目とする場合を例示する。なお、取引内容の項目は、取引種類の内容に応じて変えてよい。例えば、振込取引のときに、振込人の名前、郵便番号、住所、電話番号等が必要であれば、これらの項目を含むようにしてもよい。
【0069】
取引内容確認画面600の表示領域601に表示される取引内容の各項目には、顧客に対して内容が正しいか否かの正誤確認を要求する操作オブジェクト602が項目毎に設けられる。
【0070】
ここで、操作オブジェクト602は、顧客の操作によって、正誤確認が実施されたことを示すものである。例えば、操作オブジェクト602は、チェックボタン、ラジオボタン、正しいときには「○」誤っているときには「×」のいずれかを選択させるボタンなどを用いることができる。
【0071】
この実施形態では、操作オブジェクト602が、図7に例示するチェックボタンである場合を例示する。なお、操作オブジェクト602としてのチェックボタンは、2度押しするとチェックが消えるようにしておき、すでに選択した操作オブジェクト602のチェックを外せるようにしてもよい。
【0072】
操作オブジェクト602としての各項目のチェックボタンは、対応する項目の近傍に表示される。図7では、取引内容の各項目の右側に、操作オブジェクト(チェックボタン)602が配置される場合を例示するが、これに限らない。例えば、各項目の上側、下側、左側に配置されるようにしてもよい。また、操作オブジェクト602は、取引内容の各項目の表示自体が選択ボタンとなっており、顧客に選択されることで、色が反転表示したり変化するボタンであってもよい。
【0073】
図7の取引内容確認画面600には、顧客に対して、携帯端末30からの取引内容の正誤確認を要求すると共に、操作オブジェクト602としてのチェックボタンの操作させる旨の案内603が表示される。
【0074】
操作表示部17に表示されている取引内容確認画面600では、顧客の操作によるチェックを受け付け(S105)、顧客に対して、取引内容について訂正があるか否かを要求する。図7に例示するように、取引内容の各項目の近傍に操作オブジェクト602(チェックボタン)を設けて、顧客が各項目の内容を確認しながら、チェックボタンを選択(チェック)させるようにすることで、顧客に対して取引内容の正誤確認を意識させることができる。
【0075】
なお、取引情報のうち、携帯端末30から取引装置10に転送される取引情報のほかに、取引装置10の操作表示部17を通じて入力されるほかの取引情報があった場合、取引内容確認画面600おいて、携帯端末30から取引装置10に転送された取引情報のみについて、その近傍に操作オブジェクト602を表示してもよい。
【0076】
言い換えると、取引装置10が取引情報の一部を携帯端末30から取得し、残りの取引情報を操作表示部17を通じて取得した場合、双方の取引情報を取引内容確認画面600に表示しつつ、携帯端末30から取得した取引情報の近傍に操作オブジェクト602を表示し、操作表示部17を通じて取得した取引情報については操作オブジェクト602を表示しないようにしてもよい。
【0077】
そして、取引内容に誤りがある場合、顧客によって訂正があることを示す操作がされると(S106/有)、処理はS107に移行する。そして、訂正画面が操作表示部17に表示され、訂正画面上で、顧客により誤りのある項目の内容が訂正される(S107)。
【0078】
他方、取引内容に誤りがない場合、顧客によって訂正がないことを示す操作がされると(S106/無)、処理はS109に移行する。
【0079】
ここで、訂正があることを示す操作としては、様々な操作方法を適用できる。例えば、図7の取引内容確認画面600上で、誤りのある項目について、操作オブジェクト(チェックボタン)602が選択されてチェックを表示させた上で、訂正ボタン604が選択された場合、その項目の内容を訂正する訂正画面が表示されるようにしてもよい。この例の場合、項目毎の内容を個別に内容訂正することができる。つまり、操作オブジェクト(チェックボックス)602で選択した項目の内容を訂正するための訂正画面を表示させることができるので、簡略化した処理を行なうことができる。
【0080】
より具体的に、例えば、図7において、顧客が取引金額に誤りがあることに気づいたとき、取引金額の操作オブジェクト(チェックボタン)602が選択され、さらに訂正ボタン604が選択される。そうすると、例えば、図8に例示する訂正画面800が操作表示部17に表示され、訂正画面800上で、顧客により入力部803が操作されて、正しい取引金額を入力する。そして、顧客により確認ボタンが選択されると(S108)、処理はS104に移行し、図7の取引内容確認画面600が操作表示部17に表示される。
【0081】
取引内容の各項目について顧客により正誤確認されて、誤りがない(訂正がない)項目について、操作オブジェクト(チェックボタン)602が選択されてチェックされる。このような操作を全ての項目(全ての操作オブジェクト602)について行なう。すなわち、全ての項目の操作オブジェクト(チェックボタン)602(全ての操作オブジェクト602)が選択(チェック)されていないときには(S109/NO)、取引内容確認画面600が表示されたままとなり、取引を実施できない。
【0082】
他方、全ての項目の操作オブジェクト(チェックボタン)602(全ての操作オブジェクト602)が選択(チェック)されているとき(S109/YES)、取引内容の全項目について顧客によって正誤確認が行なわれたものと判断する。
【0083】
そうすると、図7の取引内容確認画面600上の確認ボタン605が有効化する(S110)。つまり、全ての項目の操作オブジェクト(チェックボタン)602(全ての操作オブジェクト602)が選択される前は、確認ボタン605が無効化となっており、確認ボタン605を選択できないようになっている。しかし、全ての項目の操作オブジェクト(チェックボタン)602(全ての操作オブジェクト602)が選択されると、取引内容を顧客に確定させるため、確認ボタン605を有効化して、選択できるようにしている。
【0084】
顧客により、確認ボタン605が選択されると(S111)、訂正があったときには、訂正後の取引内容を示す取引内容確認画面が、再度、操作表示部17に表示され(S112)、当該取引確認画面上で確認ボタンが選択されると(S113)、ホストサーバ20との間の通信が行なわれる(S114)。
【0085】
そして、ホストサーバ20から許可電文が受信されると、取引装置10において取引処理(例えば、入力した取引金額相当の現金振り込み等)が行なわれ(S115)、その後取引が終了する。
【0086】
[読込失敗時の処理]
S102で、取引装置10において、携帯端末30からの取引内容の情報の読込を失敗したときには、図2のS120以降の処理が行なわれる。すなわち、取引内容の情報の読み込みが失敗したときには、表示画面が切り替わり、取引装置10における既存の取引処理(通常の取引処理)が行なわれる。
【0087】
例えば、操作表示部17には、当該取引装置10で実施可能な取引種類の選択ボタンを含む取引メニュー画面が表示され(S120)、顧客が希望する取引の選択ボタン(例えば、現金振り込み取引等)が選択される(S121)。
【0088】
操作表示部17には、カードや通帳等の媒体挿入を顧客に要求するための画面が表示され、顧客により媒体が挿入され(S122)、次に、暗証番号の入力を顧客に要求するための画面が表示され、顧客により暗証番号が入力される(S123)。
【0089】
振込先の金融機関名、支店名、口座種類、口座番号等の入力を、顧客に要求するための画面が順次操作表示部17に表示され、顧客によって振り込み先の口座選択がされる(S124)。さらに、取引金額の入力を顧客に要求するための画面が操作表示部17に表示されて、顧客により取引金額が入力される(S125)。
【0090】
操作表示部17には、顧客により入力された取引内容を含む取引内容確認画面が表示される(S126)。図示しない取引内容確認画面には、取引内容を訂正するための訂正ボタン、取引内容を確定させるための確認ボタンが表示されている。取引内容に訂正すべき内容が含まれているときには、顧客によって訂正ボタンが選択され(S127/有)、訂正画面が操作表示部に表示され、顧客によって誤って入力された内容が正しく訂正される(S128)。訂正画面上で、顧客により訂正内容が確認されて、確認ボタンが選択されると、再度、取引内容確認画面が表示される(S129)。
【0091】
そして、取引内容確認画面上で確認ボタンが選択されると(S130)、処理は、図1のS114に移行して、ホストサーバ20との電文通信が行なわれる(S114)。
【0092】
そして、ホストサーバ20から許可電文が受信されると、取引装置10において取引処理(例えば、入力した取引金額相当の現金振り込み等)が行なわれ(S115)、その後取引が終了する。
【0093】
(A-4)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、携帯端末から取得した取引内容に基づいて取引装置が取引する場合に、携帯端末で事前入力した取引内容の各項目に、例えばチェックボタン等の操作オブジェクトを設定することで、取引内容の各項目を顧客に正誤確認させることができる。そのため、顧客に注意を喚起させることができる。また、簡略化させた取引の流れにおいても、事前入力した内容の誤入力を防止することができる。
【0094】
また、携帯端末に事前入力した内容に誤りがあるときには、取引装置の操作表示部に訂正画面を表示させ、顧客による内容訂正が可能となる。言い換えると、取引装置は、携帯端末から得た情報だけでなく、取引装置での入力した情報(例えば、訂正した情報)も含めた取引内容の情報で取引できる。そのため、簡略化した取引の流れを維持させながら、取引内容を訂正することができる。
【0095】
(B)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
【0096】
(B-1)上述した実施形態では、取引装置が、携帯端末で事前入力された情報を用いて取引処理を行なう場合を例示したが、本発明に係る情報処理装置は、取引装置に限定されない。例えば、広く普及している携帯端末の利便性及び手軽さに鑑み、例えば金融機関における係員側、及び又は、保守員側のメンテナンスにおける手続きの簡略化の為、事前処置を行うケースにも適用可能である。その際にも、事前処置の携帯端末からの入力ミスを防止する上で本発明は有用であると考える。
【0097】
(B-2)上述した実施形態では、取引内容確認画面で、携帯端末から取得した取引内容の各項目の近傍に、チェックボタンなどの操作オブジェクトを設置する場合を例示した。この変形例として、例えば、取引装置の操作表示部を通じて、直接入力された取引内容の各項目の近傍に、チェックボタン等の操作オブジェクトを表示するようにしてもよい。
【0098】
例えば、現金振り込みでは、振込人の氏名や電話番号等の情報も必要であるが、携帯端末からの取引内容には、それらの情報が含まれていないとする。このように、取引に必要な情報に対して、携帯端末からの取引内容の情報が不足しているようなとき、取引装置の操作表示部を通じて、不足している項目の情報を入力できるようにしてもよい。
【0099】
その場合、上述した実施形態を適用して、携帯端末から取得した取引内容の各項目と、操作表示部で入力した各項目とのそれぞれに対して、操作オブジェクトを設定(表示)するようにしてもよい。
【0100】
言い換えると、携帯端末からの各情報と、情報処理装置で入力された各情報の双方を正誤確認するために、携帯端末からの情報及び情報処理装置で入力された情報のそれぞれの近傍に、操作オブジェクトを表示するようにしてよい。
【0101】
この場合も、携帯端末からの各情報と、情報処理装置としての取引装置の情報とのそれぞれの操作オブジェクトの全てが操作(例えば、チェック等)されることで、取引実行が可能がとなる。この変形例においても、携帯端末に予め入力された情報である取引内容の各項目の正誤確認が確実に行われる。
【0102】
(B-3)取引装置における取引の実行に用いられる全ての取引情報が、携帯端末に事前入力されて、その事前入力された取引内容の情報が、取引装置に転送されるものであってもよい。この場合、操作表示部の取引内容確認画面には、携帯端末から取引装置に転送された情報の全てが表示される。
【0103】
(B-4)携帯端末から取得した取引内容の各項目の情報と、操作表示部で入力した項目の情報との正誤確認を顧客に要求する取引内容確認画面では、携帯端末からの各項目の情報及び入力した項目の情報のうち、項目毎に訂正が行なえるようにしてもよい。
【0104】
例えば、携帯端末からの各項目の情報及び入力した項目の情報のうち、訂正すべき項目が3項目あるとする。その場合、1個の項目の訂正のために全て入力し直すのではなく、3個の項目を独立して訂正できるようにしてもよい。
【0105】
また逆に、携帯端末からの各項目の情報及び入力した項目の情報のうち、全ての項目の情報が表示された訂正画面が表示されて、そのうち訂正を希望する項目の情報を訂正画面上で訂正できるようにしてもよい。
【0106】
(B-5)図7の取引内容確認画面600で、操作オブジェクトへの操作と、確認ボタン605の操作との間に関連を持たせないようにしてもよい。
【0107】
例えば、上述した実施形態では全ての項目の操作オブジェクト(全ての操作オブジェクト)が選択されてチェックされたときに、確認ボタン605が有効化する場合を例示したが、操作オブジェクトへの操作に関わらず、確認ボタン605が有効であってもよい。操作オブジェクトは、顧客の正誤確認に対する注意を喚起させるものである。操作オブジェクトが表示されているだけでも、顧客の注意を喚起させることができる。したがって、図7の取引内容確認画面600で、確認ボタン605が最初から有効化されていても、実施形態と同様の効果が期待できる。
【0108】
また例えば、取引内容の各項目の操作オブジェクトへの操作が行なわれていない状態、若しくは、操作オブジェクトのうち、一部の操作オブジェクトへの操作が行なわれていない状態でも、確認ボタン605が有効であり選択可能であってもよい。
【0109】
この例の場合、確認ボタン605が操作され取引実行処理が走ったのち、取引が正常に実行されなかった場合は、表示画面にその旨が表示されてもよい。また例えば、表示画面にその旨が表示されると共に、取引内容の各項目のうち、入力誤りがある可能性があることを表示するようにしてもよい。さらに、操作オブジェクトが操作されていない項目について、入力誤りがある可能性を表示するようにしてもよい。つまり、顧客による積極的な確認が行なわれていない項目の入力が誤っている可能性があることを表示するようにしてもよい。
【0110】
(B-6)チェックボックスなどの操作オブジェクトが、取引内容の各項目について項目毎に設定されていなくてもよい。例えば、取引内容確認画面に、1個の操作オブジェクトが表示されて、その操作オブジェクトが操作されてチェックされることで、顧客による正誤確認が実施されたとしてもよい。この場合でも、1個の操作オブジェクトが存在することで、顧客に対して注意を喚起させることができる。
【符号の説明】
【0111】
100…システム、10…取引装置、1…制御部、7…記憶部、8…通信部、17…操作表示部、18…読取部、20…ホストサーバ、21…記憶装置、30…携帯端末、101…取引処理部、102…表示制御部、321…取引アプリ、340…第1通信部、600…取引内容確認画面、601…表示部、602…操作オブジェクト、604…訂正ボタン、605…確認ボタン、800…訂正画面、803…入力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8