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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20240625BHJP
   F21S 8/08 20060101ALI20240625BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20240625BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240625BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20240625BHJP
   F21V 29/74 20150101ALI20240625BHJP
   F21V 29/15 20150101ALI20240625BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240625BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240625BHJP
【FI】
F21V23/00 170
F21S8/08 100
F21V17/00 150
F21V19/00 200
F21V29/503
F21V29/74
F21V29/15
F21Y115:10
F21Y115:15
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020170043
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2022061845
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】723014807
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮窪 翔平
(72)【発明者】
【氏名】川尻 兼史
(72)【発明者】
【氏名】田内 拓也
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-111905(JP,A)
【文献】登録実用新案第3168977(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0320847(US,A1)
【文献】特開2009-054500(JP,A)
【文献】特開2019-023979(JP,A)
【文献】特開2012-084259(JP,A)
【文献】特表2015-501075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00-99/00
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 17/00-17/20
F21V 19/00-19/06
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子が配置され、透光性グローブを通して光を照射する光源部と、
前記光源部に電力を供給する電源回路と、
外部からの給電線が接続される端子台と、
支柱に取付可能な固定部とを備える照明器具において、
当該照明器具の上面全体に渡って延長されているカバーを備え、
前記光源部の上面には、幅方向両側に相対的に高さが高い山部が設けられ、
前記山部の間が谷部に形成されており、
前記端子台は、前記光源部の上部の前記谷部、かつ、前記カバーで覆われる領域であり、前記光源部の前後方向のほぼ中央位置に配置されている
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記カバーは、当該カバーに対して前記固定部の反対側に位置する支点を基準にして開閉自在である
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記カバーにおける前記支点側の一端部と、前記支点から離れた前記カバーの他端部との間の中央位置よりも前記支点寄りの位置に、前記カバーに連結された連結部材を有し、
前記カバーを開閉自在に前記連結部材の移動を案内し、かつ、前記連結部材の移動及び移動範囲を規制して前記カバーを開放状態に保持可能なカバー開放保持機構が構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記カバー開放保持機構は、前記光源部に設けられて前記連結部材の移動を案内するレール部と、前記カバーが開状態のときに前記連結部材の所定方向の移動を規制する移動規制部とを有する
ことを特徴とする請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記光源部は、前記レール部との間に隙間を開けて、前記連結部材の上方向への脱落を規制する脱落規制部材が取り付けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記光源部の上面に、当該光源部の高温箇所から低温箇所へ熱を導く均熱化凸部が設けられている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記カバーにおける前記光源部側の面に遮熱板が設けられる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具には、透光性グローブを通して光を照射する光源部と、光源部に電力を供給する電源回路と、外部からの給電線が接続される接続部材として機能する端子台と、支柱に取り付け可能な支柱取付部と、これらを収容する枠体として機能する下部本体とを備える構成が知られている。この種の照明器具では、支柱取付部の近傍に端子台を設け、端子台と支柱取付部を比較的小型のカバーで覆い、カバーで覆われない箇所を蓋体で覆っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-132593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、支柱取付部の近傍に端子台を設け、端子台と支柱取付部を比較的小型のカバーで覆う構成の場合、小型のカバーの周囲から雨水や塵埃が進入すると、雨水などが端子台の近傍にたまるおそれがある。
このため、端子台に雨水などが付着しないような構造を設ける必要が生じるおそれがある。また、端子台が支柱取付部の近傍の場合、支柱取付部の近傍に端子台の配置スペースを確保する制約が生じ、また、給電線の屈曲半径が小さくなってしまうおそれもある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で端子台への雨水などの付着を防止でき、端子台の配置や給電線接続作業に関する制約を解消し易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、発光素子が配置され、透光性グローブを通して光を照射する光源部と、前記光源部に電力を供給する電源回路と、外部からの給電線が接続される端子台と、支柱に取付可能な固定部とを備える照明器具において、当該照明器具の上面全体に渡って延長されているカバーを備え、前記光源部の上面には、幅方向両側に相対的に高さが高い山部が設けられ、前記山部の間が谷部に形成されており、前記端子台は、前記光源部の上部の前記谷部、かつ、前記カバーで覆われる領域であり、前記光源部の前後方向のほぼ中央位置に配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様は、上記照明器具において、前記カバーは、当該カバーに対して前記固定部の反対側に位置する支点を基準にして開閉自在でもよい。
【0008】
本発明の一態様は、上記照明器具において、前記カバーにおける前記支点側の一端部と、前記支点から離れた前記カバーの他端部との間の中央位置よりも前記支点寄りの位置に、前記カバーに連結された連結部材を有し、前記カバーを開閉自在に前記連結部材の移動を案内し、かつ、前記連結部材の移動及び移動範囲を規制して前記カバーを開放状態に保持可能なカバー開放保持機構が構成されてもよい。
【0009】
本発明の一態様は、上記照明器具において、前記カバー開放保持機構は、前記光源部に設けられて前記連結部材の移動を案内するレール部と、前記カバーが開状態のときに前記連結部材の所定方向の移動を規制する移動規制部とを有してもよい。
【0010】
本発明の一態様は、上記照明器具において、前記光源部は、前記レール部との間に隙間を開けて、前記連結部材の上方向への脱落を規制する脱落規制部材が取り付けられてもよい。
【0011】
本発明の一態様は、上記照明器具において、前記光源部の上面に、当該光源部の高温箇所から低温箇所へ熱を導く均熱化凸部が設けられてもよい。
【0012】
本発明の一態様は、上記照明器具において、前記カバーにおける前記光源部側の面に遮熱板が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構成で端子台への雨水などの付着を防止でき、端子台の配置や給電線接続作業に関する制約を解消し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る照明器具を斜め下方から見た図である。
図2】照明器具を斜め上方から見た図である。
図3】照明器具の側面図である。
図4】照明器具の底面図である。
図5】カバーを開いた状態の照明器具を斜め上方から見た図である。
図6】光源部を周辺構成と共に示す分解斜視図である。
図7】照明ユニットと照明器具の筐体とを斜め上方から見た図である。
図8】照明ユニットと照明器具の筐体とを斜め下方から見た図である。
図9】カバー開放保持機構を周辺構成と共に示す側断面図である。
図10】パッキン及びその周囲構造の説明に供する図である。
図11】落下防止ワイヤ固定部を周辺構成と共に示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る照明器具1を斜め下方から見た図である。図2は、照明器具1を斜め上方から見た図である。
照明器具1は、道路用照明器具として用いられるものであり、LED道路灯とも称する。図1には、この照明器具1を、道路脇、及び中央分離帯などに設置されたポール型の支柱2に支持した場合を示している。この照明器具1を道路照明の用途以外に使用してもよく、例えば、駐車場、公園、及び街路脇などの屋外箇所に設置される支柱2に支持し、駐車場照明、公園照明、街路照明、及び景観照明などの用途に使用してもよい。
【0016】
照明器具1は、中空の箱形状を有する筐体10を有し、筐体10の所定箇所に支柱取付部11を有している。支柱取付部11は、支柱2をクランプ可能なクランプであり、支柱2に取付可能な固定部として機能する。この支柱取付部11には、支柱2などの照明器具支持部材に取付可能な公知の部材や構造を広く適用可能である。筐体10の下面には、透光性グローブ12を被照射面に臨ませる開口部13が設けられている。透光性グローブ12は、耐食性、及び強度を有するガラスやポリカーボネート等の材料から形成され、光透過性を有している。
【0017】
図1及び図2に示すように、筐体10は、筐体10の下部分を構成するとともに開口部13を有する枠体21と、筐体10の上部分を構成するカバー22とを備えている。カバー22は、枠体21の上方全体を覆う大型カバーに形成されており、つまり、照明器具1の上方全体を覆う大型カバーに形成されている。
筐体10を構成する枠体21及びカバー22は、アルミニウムやアルミニウム合金などから成る鋳造物であってもよいし、耐食性、及び強度を向上させた強化プラスチックなどの金属以外の材料から形成されていてもよい。
【0018】
図3は、照明器具1の側面図であり、図4は、照明器具1の底面図である。
図3及び図4に示すように、照明器具1の筐体10は、薄型の略矩形箱形状に形成されている。図3及び図4中の符号Fで示す方向は、照明器具1の前方向に相当し、例えば照明器具1を道路に設置した場合に道路の幅方向に沿う方向である。また、図3中の符号Uで示す方向は、照明器具1の上方向に相当する。また、図4中の符号LHで示す方向は、照明器具1の左方向に相当し、例えば照明器具1を道路に設置した場合に道路の進行方向に沿う方向である。
【0019】
照明器具1の各方向は、照明器具1を構成する各部材(筐体10、後述する光源部31など)の方向と一致するものとして説明する。なお、照明器具1の筐体10は上下方向などに斜めに傾けて配置される場合もあるが、本説明の各方向は水平に配置した場合の各方向である。
【0020】
図3及び図4に示すように、筐体10は、照明器具1の前後方向の長さLが最も長く、上下方向の長さである高さHが、照明器具1の左右方向の長さである幅Wよりも短い。つまり、照明器具1は上下に薄型の形状であり、照明器具1の前後方向が照明器具1の長手方向となっている。この筐体10は、長手方向の一端側である基端部10Kに支柱取付部11を有し、支柱取付部11の反対側(長手方向の他端側)である先端部10Sに、枠体21とカバー22とを上下に回動自在に連結する支点S(図3参照)を有している。
【0021】
図3に示すように、基端部10Kから最も離れた位置を支点Sにしてカバー22が開閉するので、カバー22を開くことで筐体10の基端部10K側を大きく開放させることができる。したがって、支柱取付部11及びその周囲へのアクセスが容易になり、例えば、作業員が照明器具1内にアクセスしたり、照明器具1内を観察したりし易くなる。なお、図3中の符号LCは、照明器具1の前後方向の長さLの中央位置を示している。
【0022】
図5は、カバー22を開いた状態の照明器具1を斜め上方から見た図である。
枠体21は、平板状の底板部21Lと、底板部21Lの外周縁に沿って立ち上がる側壁21Wとを一体に有しており、底板部21Lにおける基端部10K側に支柱取付部11が取り付けられている。
枠体21内における支柱取付部11よりも先端部10S側の領域には、光を照射する光源部31、給電線が接続される端子台41、光源部31に電力を供給する電源回路51、カバー開放保持機構61、及び、落下防止ワイヤ固定部71が配置されている。
【0023】
なお、カバー22の裏面(光源部31側の面)には、適宜に遮熱板22Sが設けられている。照明器具1が比較的大出力の場合、カバー22全面の温度分布が不適当になり、照明器具1の周囲につららが生じるおそれがある。本構成では遮熱板22Sを設けることによって、つららが生じないようにカバー22の温度分布を調整している。照明器具1が、発熱量が低い小電力タイプなどの場合、遮熱板22Sを無くてもつららが発生しないので、遮熱板22Sを省略してもよい。
【0024】
光源部31は、略矩形箱形状の筐体32を有している。この筐体32の前後方向Fの長さL1は、枠体21における先端部10Sから支柱取付部11の近傍まで延びる長さに形成されている。図5の例では、光源部31の筐体32の長さL1は、照明器具1の前後方向の長さLの三分の二以上の長さである。また、光源部31の筐体32の幅W1(左右方向の長さ)は、枠体21の左右一方の側壁21Wから左右他方の側壁21Wまで延びる長さとされている。
すなわち、光源部31の筐体32は、枠体21内における支柱取付部11よりも先端部側の領域をほぼ埋める大型の筐体32に形成されている。
【0025】
図5に示すように、光源部31の筐体32の上面32Aには、相対的に高い山部32Yが筐体32の幅方向両側に形成されており、これら山部32Yの間が、下方に窪んだ谷部32Tに形成されている。この谷部32Tは一定の幅で光源部31を前後方向に渡って延在している。谷部32Tの上面には、谷部32Tの長手方向の略全体に渡って延在する複数の凸部32Lが形成されている。これら凸部32Lは、伝熱性を有する材料で形成され、谷部32Tの左右方向に間隔を空けて形成されるとともに、谷部32Tの前後方向に渡って延在する。これら凸部32Lにより、谷部32Tにおける高温箇所から低温箇所へスムーズに熱を移動させることができ、光源部31の均熱化や、高温箇所の冷却に寄与する。つまり、凸部32Lは、光源部31を均熱化させる均熱化凸部として機能する。なお、谷部32Tは、光源部31の筐体32と一定に形成してもよいし、筐体32と別部材で形成してもよい。
【0026】
なお、谷部32Tにおけるカバー22の支点S側には、カバー開放保持機構61が設けられている。複数の凸部32Lは、谷部32Tにおけるカバー開放保持機構61の左右両側を通って支柱取付部11側まで延在し、谷部32T全体の均熱化に寄与する。これら凸部32Lは、谷部32Tの上面を前後方向に渡って連続して延びるリブでもあるので、筐体32を補強、つまり、光源部31を補強する補強部材としても機能する。なお、凸部32Lの本数や形状は適宜に変更してもよい。
【0027】
端子台41は、支柱2側から引き込まれる外部からの給電線と、器具内配線とを電気的に接続するための配線接続用部品であり、各配線のそれぞれが独立して接続される複数の接続口を有している。
端子台41は、比較的大径の給電線などの各配線が独立して接続される複数の接続口を有するので、公知の様々な配線接続用部品のうちでも相対的に大型の部品となる。
【0028】
本構成では、図5に示すように、光源部31の上面32A、より具体的には、光源部31の上面32Aのうちの谷部32Tの上面に、端子台41が配置される。したがって、光源部31を利用して端子台41を配置でき、光源部31とは別に端子台41の配置スペースを確保する必要がない。また、従来のように端子台を支柱取付部11の近傍に配置する構成と比べ、支柱取付部11の近傍に、端子台41の配置スペースを確保する必要もない。また、同図5に示すようにカバー22を開けると、端子台41の全体が露出するので、端子台41へのアクセスや端子台41の視認が容易である。
【0029】
ここで、図1図5に示すように、カバー22は、枠体21の底板部21L上方を覆う覆い部22Aに加え、覆い部22Aの外周縁の全体から下方に延出する下方延出壁22Bを有している。覆い部22Aは、カバー22を閉じた場合に、枠体21の上面全体を覆う形状に形成されており、下方延出壁22Bは、カバー22を閉じた場合に、枠体21の側方全体を外側から覆う形状に形成されている。これにより、カバー22によって、枠体21に対して上方及び側方の全体を覆い、周囲からの雨水や塵埃の進入を効果的に防止できる。したがって、雨水や塵埃が端子台41の周囲に溜まる事態を回避でき、端子台41への雨水などの付着を抑制できる。
【0030】
図2及び図3などに示すように、覆い部22Aは、この覆い部22Aの前後左右の中央位置LCから支柱取付部11の上方にかけて上方に膨出する上方膨出部22Cを有している。この上方膨出部22Cによって、支柱取付部11、及び光源部31の谷部32Tのそれぞれに対し、カバー22との間に十分な隙間を確保できる。つまり、上方膨出部22Cによって、支柱取付部11から少なくとも端子台41までの領域に渡ってカバー22との間の空き空間を拡げることができ、給電線などの配線を配置するスペースを確保し易くなる。
【0031】
なお、大型のカバー22によって内部へ雨水などの進入を抑制でき、かつ、内部の光源部31などについても後述するようにある程度、防水できているので、簡単な構造でカバー22を固定すればよい。この照明器具1では、左右対称位置に設けられた2本の締結部材81(一方は図示されず)によってカバー22を閉じた状態に固定される。これにより、照明器具1の上方に露出する締結部材81の数が少なくすみ、現地で照明器具1を取り付け、配線する際の締結作業を低減でき、作業が容易となる。
【0032】
一般的に、道路照明などの特定の照明分野では、器具内配線と給電線との接続を端子台41又は防水コネクタで行うことが要求されている。本構成の照明器具1は、端子台41を用いるので、上記照明分野の要求を満足でき、かつ、雨水などへの対策もでき、かつ端子台41への外部からのアクセスも容易である。なお、端子台41は、道路照明などの照明分野の要求を満足する観点からは、磁器製が好ましく、また、沿面距離6mm以上、かつ、空間距離4mm以上が好ましい。
【0033】
本構成のカバー22は、照明器具1の外装部品(外殻部品とも称する)を構成し、照明器具1の光学特性に影響しない部品である。したがって、設置場所の状況によってカバー22を鳥外防止カバーなどに交換する場合でも光学特性などの変更がなく、道路照明としての性能を維持できる。
また、光源部31の発熱量が多い場合には、カバー22における光源部31側の面に遮熱板を設けるようにしてもよい。遮熱板を設ける場合でも、カバー22に光学特性に関する変更は不要なので、道路照明としての性能を維持できる。
【0034】
ところで、従来の照明器具では、支柱取付部11の近傍に端子台41を設け、端子台41を比較的小型のカバーで覆うので、カバーの周囲から雨水や塵埃が進入すると、雨水などが端子台41の近傍にたまるおそれがあった。しかも、従来の構成では、支柱取付部11と端子台41とが近いので、支柱2側からの給電線が急角度で屈曲されて端子台41に接続されるおそれがあった。給電線を屈曲させる場合には、給電線の被覆が痛まないように給電線の屈曲半径(内側半径とも称する)を大きくすることが望まれる。
【0035】
本構成の照明器具1では、光源部31の上面32Aに端子台41を配置しているので、端子台41と支柱取付部11との離間距離を従来よりも長くできる。したがって、給電線の屈曲半径を大きくでき、給電線への被覆への影響を抑え、かつ、給電線の端子台41への接続作業もし易くなる。
【0036】
図5に示す構造の場合、端子台41を、光源部31の前後方向のほぼ中央位置に設けている。これにより、端子台41に接続される給電線の屈曲半径を十分に大きくでき、屈曲半径を大きくする必要がある単心ケーブルや、大径ケーブルであっても取り回しし易くなり、端子台41への接続作業も容易になる。
しかも、端子台41は下方に窪んだ谷部32Tに設けられるので、カバー22を閉じても端子台41とカバー22との接触を抑え易く、給電線の取り回しもし易くなる。
【0037】
なお、光源部31の中央位置は、光源部31の点灯中に最も発熱量が多くなる可能性があるが、磁器製の端子台41及び給電線の許容温度よりも十分に低いので実害はない。さらに、本構成では、光源部31の天面(上面32A)から凸部32Lよりも上に突出する比較的小さい凸部に端子台41を取り付けているので、端子台41と光源部31天面とは直接接触しておらず、端子台41が光源部31からの放熱を邪魔することが無い。
また、凸部32Lによって光源部31の中央位置の温度を低減でき、また、給電線を介して光源部31の熱を光源部31の外に移動させる効果も期待できる。これらによって、光源部31の均熱化及び温度上昇の抑制に有利である。
【0038】
図6は、光源部31を周辺構成と共に示す分解斜視図である。
光源部31は、下方に開口するお碗形状の筐体32を備え、この筐体32内に、電源回路51を構成する電源基板51Aと、LEDを配置した光源基板34と、レンズ35とが配置される。筐体32のレンズ35側には、透光性グローブ12が固定される。より具体的には、筐体32内には、複数の締結部材81Aを用いて電源基板51Aが筐体32に固定され、この電源基板51Aを含む筐体32の開口を覆うように光源基板34及びレンズ35が複数の締結部材81Bなどを用いて筐体32に固定される。
【0039】
次に、光源基板34の光照射側の全面を覆うレンズ35を覆うように透光性グローブ12が複数(本構成では2個)の仮止め用締結部材81Kを用いて筐体32に仮止めされる。なお、上記した締結部材81,81A,81B及び仮止め用締結部材81Kは、ねじ、或いは、ねじ以外の公知の締結部材を広く適用可能である。
透光性グローブ12の外周縁には、この外周縁に沿って延在する環状のパッキン91が配置されている。上記仮止め用締結部材81Kは、筐体32との間にパッキン91の一部を狭持することによって、パッキン91及び透光性グローブ12を筐体32に仮止めする。仮止め用締結部材81Kは、本発明の「仮止め部材」に相当する。このパッキン91及びその周囲構造については後述する。
【0040】
図6に示したように、本構成では、光源部31の筐体32に、光源部31として機能させるための構成部品(光源基板34、レンズ35)に加えて、電源回路51を構成する電源基板51Aが収容されるとともに、透光性グローブ12が仮止めされている。これによって、光源部31及び電源回路51などが一つの照明ユニット10Xとしてユニット化されている。
これにより、照明ユニット10Xを着脱することで、光源部31及び電源回路51などからなる複数の部品をまとめて着脱できる。したがって、複数の部品の取り付け、交換が容易である。
【0041】
なお、照明ユニット10Xには、端子台41も含まれると共に、端子台41,基板51A及び34などを電気的に接続するための電気的接続部材(給電線を除く)も含まれる。
【0042】
また、種々の仕様の照明ユニット10Xを用意して、同一の枠体21に組み込むことにより、小出力から高出力の照明器具シリーズを低コストでラインアップし易くなる。また、照明器具1を支柱2に設置した後で照明の仕様を変更することも容易であり、色温度が異なる照明への変更も容易である。また、照明器具1を支柱2に設置した後に不点灯などの異常が発生した場合には、照明ユニット10Xのスペアを持参し、現地での速やかな復旧工事が可能となる。
また、光源部31の内部に電源回路51を配置するので、電源回路51専用の防水対策や熱対策を不要にしたり、これらの対策構造を簡易化したりすることが可能となる。
【0043】
図7は、照明ユニット10Xと照明器具1の筐体32とを斜め上方から見た図であり、図8は斜め下方から見た図である。
図7及び図8に示すように、枠体21の底板部21Lには、開口部13の周囲に間隔を空けて複数の被締結部21N(図7参照、例えば雌ねじ)が設けられている。光源部31の筐体32は、枠体21の底板部21Lに載置可能な環状の鍔部32Fを有している。鍔部32Fには、被締結部21Nに対応する位置に貫通孔32H(図7参照)がそれぞれ設けられている。
枠体21の底板部21Lに鍔部32Fを載置し、図8に示すように、上方から複数のユニット締結部材81D(例えばねじ)を貫通孔32Hを通して被締結部21Nにそれぞれ締結することによって、照明ユニット10Xを枠体21に固定することができる。枠体21の底板部21Lは、照明ユニット10Xを支持する支持部と言うこともできる。
【0044】
(カバー開放保持機構61)
次にカバー開放保持機構61について説明する。
図3に示すように、照明器具1は、カバー22における支点S側の一端部と、支点Sの反対側に位置する他端部との間の中央位置LC(図3)よりも支点S寄りの位置に、カバー22に連結された連結部材62を有している。
カバー開放保持機構61は、カバー22を開閉自在に連結部材62の移動を案内し、かつ、連結部材62の移動及び移動範囲を規制することによって、カバー22の戻りを防止し、カバー22が開いた開放状態に保持可能な機構である。
【0045】
図9は、カバー開放保持機構61を周辺構成と共に示す側断面図であり、符号Aはカバー22が最も開いた状態であり、符号B,C,Dの順でカバー22が閉じていく場合の各段階の状態を示している。また、図9中の符号Eは、連結部材62の平面図を示している。
連結部材62は、両端がコの字形状(門型形状とも言う)に折り曲げられた棒状部材で形成されている。以下、連結部材62において、カバー22に取り付けられる端部62Aを「カバー側端部62A」と表記し、照明ユニット10X(光源部31)に取り付けられる端部62Bを「ユニット側端部62B」と表記する。
【0046】
カバー開放保持機構61は、連結部材62のユニット側端部62B(カバー22の反対側の端部に相当)を、カバー22を開閉自在な方向(図5の符号Aで示す図の水平方向α)に案内するレール部65と、カバー22が所定の開放状態(符号A、Bで示す開状態)のときに連結部材62の移動を規制可能な移動規制部66とを有している。
本構成では、筐体32の谷部32Tの上面がレール部65を兼用している。つまり、連結部材62のユニット側端部62Bは、図9の符号AからDに示すように、谷部32Tの上面に沿って水平方向αに案内されることにより、カバー22を開状態から閉状態へとスムーズに開閉できる。
【0047】
図9の符号Aに示すように、筐体32の谷部32Tには、レール部65の最も支点S寄りの位置で上方に突出する移動規制用凸部67と、移動規制用凸部67に対して支点Sの反対側にて下方に凹む移動規制用凹部68とが形成されている。
カバー22が図5の符号Aで示す開状態のときに、連結部材62のユニット側端部62Bが移動規制用凸部67の壁面に当接することによって、カバー22がそれ以上開くことが規制される。また、カバー22が図5の符号Bで示す開状態のときに、連結部材62のユニット側端部62Bが移動規制用凹部68の壁面に当接することによって、カバー22がそれ以上、閉じることが規制される。これによって、移動規制用凸部67及び移動規制用凹部68によって、カバー22を符号A又はBの開放状態に保持する移動規制部66が構成される。
【0048】
なお、カバー22を開放状態から閉じる場合には、連結部材62のユニット側端部62Bを移動規制用凹部68よりも高い位置に移動させることによって、図5の符号C,Dに示すように、連結部材62のユニット側端部62Bをスライドさせてカバー22を閉じることが可能になる。
【0049】
移動規制用凸部67は、連結部材62のユニット側端部62Bが当接した場合に、連結部材62が左右方向にずれることを規制する形状に形成されている。例えば、移動規制用凸部67は、連結部材62のユニット側端部62Bが当接した場合に、ユニット側端部62Bの左右幅WA内に収まることで、ユニット側端部62Bの左右への移動を規制する。
また、移動規制用凹部68についても、連結部材62のユニット側端部62Bが当接した場合に、連結部材62が左右方向にずれることを規制する形状に形成されている。例えば、移動規制用凹部68は、連結部材62のユニット側端部62Bの最大左右幅と略同一の幅(左右方向の長さ)に形成されることによって、ユニット側端部62Bの左右への移動を規制する。
【0050】
移動規制用凸部67及びユニット側端部62Bの少なくともいずれかによって連結部材62が左右方向にずれることを規制するので、カバー22の開放状態を安定化される。
この移動規制用凸部67が、光源部31の筐体32の谷部32Tに形成されるので、移動規制用凸部67の代わりに、L字型の金具などを筐体32の上面32Aに取り付けて移動を規制する構成にする場合と比べ、カバー開放保持機構61の高さを抑えることができる。これにより、照明ユニット10Xの高さHを低くし易くなり、照明ユニット10Xの外形状の自由度が向上する。
【0051】
さらに、カバー開放保持機構61は、レール部65との間に、連結部材62のユニット側端部62Bを案内可能な隙間を空けて配置される脱落規制部材69を有している。
脱落規制部材69は、水平方向αに延在する板状部材で形成され、ねじなどの公知の締結部材81Eによって筐体32に固定されている。なお、図5には、脱落規制部材69を、移動規制用凸部67に固定した場合を例示しているが、移動規制用凸部67以外の位置に固定してもよい。
【0052】
このカバー開放保持機構61の幅の調整によって、連結部材62のユニット側端部62Bが左右方向にずれることを規制するようにしてもよい。又は、レール部65の幅の調整などによって、連結部材62のユニット側端部62Bが左右方向などにずれることを規制するようにしてもよい。
【0053】
(パッキン91及びその周囲構造)
次いで、パッキン91及びその周囲構造について説明する。
図10は、パッキン91及びその周囲構造の説明に供する図である。図10の符号Aは、照明ユニット10Xを枠体21に取り付ける前のパッキン91を周辺構成と共に示す断面図であり、符号Bは、照明ユニット10Xを枠体21に取り付け後のパッキン91を周辺構成と共に示す断面図である。
図10の符号Aに示すように、パッキン91は、透光性グローブ12の外周縁を狭持するコ字状断面(門型断面)のパッキン基部91Aと、パッキン基部91Aから外周側に向けて突出する鍔状のパッキン縁部91Bとを有している。パッキン基部91Aとパッキン縁部91Bとは、パッキン91の全周に渡って無端状に延出している。
【0054】
図10の符号Aに示すように、パッキン91を含む透光性グローブ12を、照明ユニット10Xの筐体32の開口部を覆う位置にあてがった状態で、仮止め用締結部材81Kを筐体32に締結することによって、仮止め用締結部材81Kの頭部がパッキン縁部91Bに当接し、筐体32からのパッキン91の脱落が規制される。
【0055】
筐体32からのパッキン91の脱落が規制されるので、透光性グローブ12の脱落も規制され、つまり、透光性グローブ12が筐体32に仮止めされる。これにより、筐体32と透光性グローブ12を含む、照明ユニット10Xを構成する全ての部品を一体化でき、取り付け、交換などの取り扱いが容易になる。
なお、パッキン基部91Aだけがパッキン91の全周に渡って無端状に延出し、パッキン縁部91Bは、仮止め用締結部材81Kに対応する領域だけに形成されていてもよい。
【0056】
照明ユニット10Xを枠体21に取り付ける場合、図10の符号Bに示すように、照明ユニット10Xを枠体21の底板部21Lに載置し、複数のユニット締結部材81D(図8参照)によって、照明ユニット10Xと枠体21の底板部21Lとが締結される。この締結力により、照明ユニット10Xと枠体21の底板部21Lとの間のパッキン91部分であるパッキン基部91Aが圧縮され、照明ユニット10Xと枠体21の底板部21Lとの間の隙間を閉塞し、十分な防水構造を得ることができる。
なお、照明ユニット10Xと枠体21の底板部21Lとを締結してパッキン91が圧縮された状態でも、仮止め用締結部材81Kの頭部は底板部21Lに接触しないように構成されている。
【0057】
本構成では、仮止め用締結部材81Kを、図6に示したように、透光性グローブ12の対向する二辺のそれぞれに一本ずつ設けた場合(計2本にする場合)を例示したが、これに限定されない。照明ユニット10Xが大型の場合などは、透光性グローブ12の4辺のそれぞれに一本ずつの計4本にしてもよく、本数や締結位置などは適宜に変更してもよい。
また、パッキン91の形状についても、仮止め用締結部材81Kによる仮止め、及び、照明ユニット10Xと枠体21との固定によって十分な防水構造が得られる範囲で適宜に変更してもよい。
【0058】
(落下防止ワイヤ固定部71)
続いて、落下防止ワイヤ固定部71について説明する。
落下防止ワイヤ固定部71は、支柱2から延びる落下防止ワイヤが固定される部分であり、図5に示すように、照明器具1の筐体10内の支柱取付部11近傍に設けられている。これにより、照明器具1は支柱取付部11で支柱2に固定されるだけでなく、落下防止ワイヤを介しても支柱2に固定され、二重の落下防止構造を有している。
【0059】
図11は、落下防止ワイヤ固定部71を周辺構成と共に示す側断面図である。
図11中、符号100は落下防止ワイヤを示している。
枠体21には、照明ユニット10Xが取り付けられた状態で照明ユニット10Xの筐体32に設けられた貫通孔32Kを通過する凸形状の貫通孔通過部21Sが設けられている。貫通孔通過部21Sの先端には、貫通孔32Kよりも大径の大径部材95が、締結部材81Fを用いて取り付けられている。そして、貫通孔通過部21Sの周囲、かつ、照明ユニット10Xの筐体32と大径部材95との間に、支柱2から延びる落下防止ワイヤ100の一端が巻き付けられている。
なお、貫通孔32K、及び貫通孔通過部21Sは図7及び図6にも図示されている。大径部材95は、例えばワッシャなどの周知の環状部材を適用すればよい。この大径部材95を締結部材81Fと一体の部品で構成してもよい。
【0060】
ところで、照明器具1の長手方向一端を支柱2に支持した構造の場合、照明器具1に作用した過大な外力により応力集中個所を基準に損傷が生じるおそれがある。
【0061】
本構成の落下防止ワイヤ固定部71では、照明器具1の枠体21のうち相対的に強度が高い個所に、照明ユニット10Xの筐体32に設けられた貫通孔32Xを通過する貫通孔通過部21Sを設け、この貫通孔通過部21Sの周囲に、落下防止ワイヤ100の一端を巻き付けている。この構成によれば、照明器具1を構成する照明ユニット10X、及び枠体12の落下防止を1本の落下防止ワイヤ100で行うことができる。
【0062】
また、貫通孔通過部21Sの先端には、貫通孔32Kよりも大径の大径部材95が設けられるので、落下防止ワイヤ100の脱落を適切に防止できる。したがって、支柱2と照明器具1とを落下防止ワイヤ100で接続した状態を維持し易くなる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態では、照明器具1の上面全体に渡って延長されている大型のカバー22(図5等を参照)を備え、端子台41は、光源部31の上部、かつ、カバー22で覆われる領域に配置されているので、簡易な構成で端子台41への雨水や塵埃の付着を防止できる。また、支柱取付部11の近傍に端子台41を配置した構成と比べて、支柱取付部11と端子台41とを離すことができ、端子台41を配置し易くなり、かつ、給電線を大きな屈曲角度で取り回し易くなる。したがって、端子台41の配置や給電線接続作業に関する制約を解消し易くなる。
【0064】
しかも、このカバー22の開放により照明器具1内の各部へのアクセスが容易になり、各種の作業がし易くなる。また、光源部31専用の上面カバーを省略できる。
このカバー22は、当該カバー22に対し支柱取付部11の反対側に位置する支点S(図3)を基準にして開閉自在であるので、支柱2側からの給電線を端子台41に接続する作業などがし易くなる。
【0065】
また、カバー22における支点S側の一端部である先端部10Sと、支点Sから離れたカバー22の他端部である基端部10Kとの間の中央位置LCよりも支点S寄りの位置に、カバー22に連結された連結部材62を有している(例えば図3)。そして、カバー22を開閉自在に連結部材62の移動を案内し、かつ、連結部材62の移動及び移動範囲を規制してカバー22を開放状態に保持可能なカバー開放保持機構61が構成されている(例えば図9)この構成によれば、カバー22を開放状態に保持させて、端子台41へのアクセスが容易になり、給電線接続作業などがし易くなる。
【0066】
また、カバー開放保持機構61は、光源部31に設けられて連結部材62の移動を案内するレール部65と、カバー22が開状態のときに連結部材62の所定方向の移動を規制する移動規制部66とを有している。この構成によれば、カバー22の開閉をスムーズにし、かつ、カバー22の開放状態などが安定化する。
また、光源部31には、レール部65との間に隙間を開けて、連結部材62の上方向への脱落を規制する脱落規制部材69が取り付けられている。この構成によれば、連結部材62の脱落を防止できる。
【0067】
また、光源部31の上面32Aに、当該光源部31の高温箇所から低温箇所へ熱を導く均熱化凸部として機能する凸部32Lが設けられている(例えば、図5)。これにより、光源部31の均熱化や高温箇所の冷却がし易くなる。
また、カバー22における前記光源部31側の面に遮熱板22Sが設けられるので、つららが生じたり、その他の不具合を解消できるようにカバー22の温度分布を調整することができる。
【0068】
さらに、本実施の形態の照明器具1は、光源部31と電源回路51とを一ユニットにまとめた照明ユニット10Xと、照明ユニット10Xを支持する枠体21とを備え、照明ユニット10Xに、電源回路51と電気的に接続される接続部材として機能する端子台41を設け、外部からの給電線が枠体21に接続されることなく端子台41に接続されている。この構成によれば、光源部31及び電源回路51などの複数部品をまとめて着脱でき、これら部品の取り付け、交換、仕様変更などが容易になる。
【0069】
例えば、種々の仕様の照明ユニット10Xを用意して、同一の枠体21に組み込むことにより、小出力から高出力の照明器具シリーズを低コストでラインアップしたり、色温度が異なる照明器具シリーズをラインアップしたりすることができる。また、照明ユニット10Xのスペアを準備しておくことで、既存設備の異常時に速やかな復旧工事が可能となる。
【0070】
ここで、本説明では、一つの枠体21に、一つの照明ユニット10Xを配置する照明器具1の場合を説明したが、一つの枠体21に複数の照明ユニット10Xを配置する照明器具に本発明を適用してもよい。複数の照明ユニット10Xを配置する場合、各照明ユニット10Xをそれぞれ独立して取り付け、交換、仕様変更などが可能になる。
なお、電源回路51と電気的に接続される接続部材を端子台41とする場合を説明したが、端子台41以外でもよく、例えば、防水コネクタでもよい。
【0071】
また、端子台41は、光源部31の上面32Aに設けられているので、端子台41が平面視で枠体21と重ならない。したがって、複数の配線が独立して接続される相対的に大型の部品となる端子台41の配置スペースを容易に確保でき、かつ、外部から端子台41へのアクセスが容易になる。
【0072】
また、図10に示したように、透光性グローブ12の周囲に設けられたパッキン91と、透光性グローブ12及びパッキン91を照明ユニット10Xの筐体32に仮止めする仮止め用締結部材81Kとを有している。そして、枠体21に照明ユニット10Xを取り付けた場合に、パッキン91は、枠体21と照明ユニット10Xの筐体32との間で圧縮されて枠体21と筐体32と透光性グローブ12との間の隙間を防水可能に塞いでいる。
この構成によれば、照明ユニット10X、パッキン91及び透光性グローブ12を仮止めにより一ユニット化でき、これらの取り扱いが容易になる。また、照明ユニット10Xを枠体21に取り付けた状態で十分な防水性能を得やすくなる。
【0073】
また、パッキン91は、透光性グローブ12の外周縁を狭持するパッキン基部91Aと、パッキン基部91Aから外周側に向けて突出するパッキン縁部91Bとを有している。また、仮止め用締結部材81Kは、パッキン縁部91Bを筐体32に仮止めし、枠体21に照明ユニット10Xを取り付けた場合に、パッキン基部91Aが枠体21と照明ユニット10Xの筐体32との間で圧縮されて上記隙間を塞ぐ。このように、パッキン91に、仮止め用締結部材81Kによって仮止めされるパッキン縁部91Bと、枠体21に照明ユニット10Xを取り付けた場合に隙間を塞ぐパッキン基部91Aとを別々に設けているので、仮止めと隙間封止のそれぞれを適切に行い易くなる。
【0074】
また、図10に示したように、枠体21には、照明ユニット10Xが取り付けられた状態で照明ユニット10Xに設けられた貫通孔32Kを通過する凸形状の貫通孔通過部21Sが設けられ、貫通孔通過部21Sの先端には、貫通孔32Kよりも大径の大径部材95が取り付けられる。また、支柱2から延びる落下防止ワイヤ100の一端が、貫通孔通過部21Sの周囲、かつ、照明ユニット10Xと大径部材95との間に巻き付けられている。この構成によれば、照明ユニット10X、及び枠体12の落下防止を、一本の落下防止ワイヤ100でも適切に行うことができる。
【0075】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形および応用が可能である。例えば、光源部31が備える発光素子の一例としてLEDを例示したが、発光素子は、LEDに限定しなくてもよく、有機EL素子などの他の素子でもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 照明器具
2 支柱
10 照明器具の筐体
10X 照明ユニット
11 支柱取付部(固定部)
12 透光性グローブ
13 開口部
21 枠体
21S 貫通孔通過部
22 カバー
22S 遮熱板
31 光源部
32 光源部の筐体(照明ユニットの筐体)
32A 光源部の上面(照明ユニットの上面)
32H,32K,32X 貫通孔
32L 凸部(均熱化凸部)
41 端子台
51 電源回路
61 カバー開放保持機構
62 連結部材
65 レール部
66 移動規制部
69 脱落規制部材
71 落下防止ワイヤ固定部
81,81A,81B,81E,81F 締結部材
81D ユニット締結部材
81K 仮止め用締結部材
91 パッキン
91A パッキン基部
91B パッキン縁部
95 大径部材
100 落下防止ワイヤ
S 支点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11