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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】シリンダヘッド、加工方法
(51)【国際特許分類】
   F02F 1/24 20060101AFI20240625BHJP
   F01L 1/18 20060101ALI20240625BHJP
   F01M 1/06 20060101ALI20240625BHJP
   F01M 9/10 20060101ALI20240625BHJP
   B23B 35/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
F02F1/24 F
F02F1/24 B
F01L1/18 D
F01M1/06 K
F01M9/10 A
B23B35/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020188832
(22)【出願日】2020-11-12
(65)【公開番号】P2022077813
(43)【公開日】2022-05-24
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139365
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】高芝 泰登
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-122512(JP,U)
【文献】実開平02-004710(JP,U)
【文献】特開2005-131722(JP,A)
【文献】特開平01-301909(JP,A)
【文献】特開2013-113158(JP,A)
【文献】特開2013-113148(JP,A)
【文献】特開2018-145934(JP,A)
【文献】特開2010-099754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 1/24
F01M 1/06
F01M 9/10
F01L 1/18
B23B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カムシャフトの回転によってバルブを作動させるロッカーアームがロッカーシャフトに支持され、加工ツールによって前記ロッカーシャフトの支持穴が形成されたシリンダヘッドであって、
前記カムシャフト及び前記ロッカーアームを囲むように形成された外壁と、
前記外壁の内側で前記カムシャフトを支持する支持面が形成された内壁と、
前記内壁と前記外壁の間で前記カムシャフトを支持するカムハウジングと、を備え、
前記カムハウジングは前記内壁に分離可能に設置されており、前記外壁に貫通穴が形成され、前記カムハウジングに前記貫通穴と同軸の加工穴が形成され、前記内壁に前記加工穴と同軸の前記ロッカーアームの支持穴が形成され
前記内壁には、前記ロッカーシャフトの軸方向に垂直な第1の平面と、前記ロッカーシャフトの軸方向に平行で上方を向いた第2の平面と、が形成され、
前記カムハウジングには、前記第1の平面に面接触する第3の平面と、前記第2の平面に面接触する第4の平面と、が形成されていることを特徴とするシリンダヘッド。
【請求項2】
前記カムハウジングには、前記カムシャフトの軸受面と、前記第4の平面から前記加工穴の下方を通って前記軸受面にまで延びる第1のオイル通路と、前記第4の平面から前記加工穴の上方を通って前記軸受面にまで延びる第2のオイル通路と、が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッド。
【請求項3】
前記カムハウジングには、当該カムハウジングを前記内壁にネジ止めするための締結穴が形成されており、前記第1のオイル通路及び/又は前記第2のオイル通路は前記締結穴に交差する位置で通路面積が拡大されていることを特徴とする請求項2に記載のシリンダヘッド。
【請求項4】
カムシャフトの回転によってバルブを作動させるロッカーアームをロッカーシャフトに支持させるために、加工ツールによって前記ロッカーシャフトの支持穴をシリンダヘッドに形成する加工方法であって、
前記カムシャフト及び前記ロッカーアームを囲むように形成された外壁と当該外壁の内側で前記カムシャフトを支持する支持面が形成された内壁との間に、前記カムシャフトを支持するカムハウジングを取り付けるステップと、
前記加工ツールによって前記カムハウジングから前記内壁に向かって穴あけ加工を開始し、前記外壁に形成された貫通穴と同軸の加工穴を前記カムハウジングに形成し、前記内壁に前記加工穴と同軸の前記ロッカーアームの支持穴を形成するステップと、を有し
前記内壁には、前記ロッカーシャフトの軸方向に垂直な第1の平面と、前記ロッカーシャフトの軸方向に平行で上方を向いた第2の平面と、が形成され、
前記カムハウジングには、前記第1の平面に面接触する第3の平面と、前記第2の平面に面接触する第4の平面と、が形成されていることを特徴とする加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダヘッド、加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリンダヘッドとして、フィンガーフォロワー式のロッカーアームによってバルブを作動するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のシリンダヘッドでは、カムシャフトの回転がロッカーアームの揺動に変換され、ロッカーアームの揺動によってバルブが開閉されている。シリンダヘッドにはカムハウジングが分離可能に設置され、シリンダヘッドの内壁に形成された軸受とカムハウジングに形成された軸受によってカムシャフトが支持されている。ロッカーアームはロッカーシャフトに支持され、シリンダヘッドにはカムシャフトに平行なロッカーシャフトの支持穴が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-048206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシリンダヘッドには、ドリル等の加工ツールによってロッカーシャフトの支持穴が形成される。この場合、シリンダヘッドにカムハウジングが取り付けられる前に、シリンダヘッドの外壁から内壁に向けて加工が開始される。加工ツールがシリンダヘッドの外壁からカムハウジングの設置スペースを通り、シリンダヘッドの内壁が加工ツールによって削られることでロッカーシャフトの支持穴が形成される。しかしながら、シリンダヘッドの外壁から内壁までのスペースが広いため、加工ツールの軸ブレによって加工精度が低下するという不具合がある。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ロッカーシャフトの支持穴によってロッカーアームのスムーズな作動を実現できるシリンダヘッド、加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のシリンダヘッドは、カムシャフトの回転によってバルブを作動させるロッカーアームがロッカーシャフトに支持され、加工ツールによって前記ロッカーシャフトの支持穴が形成されたシリンダヘッドであって、前記カムシャフト及び前記ロッカーアームを囲むように形成された外壁と、前記外壁の内側で前記カムシャフトを支持する支持面が形成された内壁と、前記内壁と前記外壁の間で前記カムシャフトを支持するカムハウジングと、を備え、前記カムハウジングは前記内壁に分離可能に設置されており、前記外壁に貫通穴が形成され、前記カムハウジングに前記貫通穴と同軸の加工穴が形成され、前記内壁に前記加工穴と同軸の前記ロッカーアームの支持穴が形成され、前記内壁には、前記ロッカーシャフトの軸方向に垂直な第1の平面と、前記ロッカーシャフトの軸方向に平行で上方を向いた第2の平面と、が形成され、前記カムハウジングには、前記第1の平面に面接触する第3の平面と、前記第2の平面に面接触する第4の平面と、が形成されていることで上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様のシリンダヘッドによれば、シリンダヘッドにカムハウジングが設置された状態で、加工ツールを用いてシリンダヘッドの外壁から内壁に向かって穴あけ加工が進められる。加工ツールがシリンダヘッドの外壁及びカムハウジングを貫通して、加工ツールによってシリンダヘッドの内壁が加工されることでロッカーシャフトの支持穴が形成されている。シリンダヘッドの外壁からカムハウジングまでのスペースが狭くなるため、加工ツールの軸ブレが小さくなってロッカーシャフトの支持穴の加工精度が向上される。よって、ロッカーシャフトの支持穴によってロッカーアームのスムーズな作動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施例の鞍乗型車両の左側面図である。
図2】本実施例のシリンダヘッド及びヘッドカバーの断面模式図である。
図3】比較例のロッカーアームの穴あけ加工を示す模式図である。
図4】本実施例のシリンダヘッドの斜視図である。
図5】本実施例のシリンダヘッドからカムハウジングを取り外した斜視図である。
図6】本実施例のロアハウジングの斜視図である。
図7】本実施例のアッパハウジングの斜視図である。
図8図4のシリンダヘッドをA-A線に沿って切断した断面図である。
図9図4のシリンダヘッドをB-B線に沿って切断した断面図である。
図10】本実施例のロッカーシャフトの支持穴の加工方法の遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一態様のシリンダヘッドは、カムシャフトの回転によってバルブを作動させるロッカーアームがロッカーシャフトに揺動可能に支持されている。また、シリンダヘッドには、カムシャフト及びロッカーアームを囲むように形成された外壁と、外壁の内側でカムシャフトを支持する支持面が形成された内壁と、内壁と外壁の間でカムシャフトを支持するカムハウジングと、が設けられている。カムハウジングは内壁に分離可能に設置されており、シリンダヘッドにカムハウジングが設置された状態で、加工ツールを用いてシリンダヘッドの外壁から内壁に向かって穴あけ加工が進められる。加工ツールがシリンダヘッドの外壁及びカムハウジングを貫通して、加工ツールによってシリンダヘッドの内壁が加工されることで、カムハウジングに外壁の貫通穴と同軸の加工穴が形成され、内壁にカムハウジングの加工穴と同軸の前記ロッカーアームの支持穴が形成される。シリンダヘッドの外壁からカムハウジングまでのスペースが狭くなるため、加工ツールの軸ブレが小さくなってロッカーシャフトの支持穴の加工精度が向上される。よって、ロッカーシャフトの支持穴によってロッカーアームのスムーズな作動を実現することができる。
【実施例
【0010】
以下、添付図面を参照して、本実施例のシリンダヘッドが適用された鞍乗型車両について詳細に説明する。図1は、本実施例の鞍乗型車両の左側面図である。図2は、本実施例のシリンダヘッド及びヘッドカバーの断面模式図である。また、以下の図では、矢印FRは車両前方、矢印REは車両後方、矢印Lは車両左方、矢印Rは車両右方をそれぞれ示している。
【0011】
鞍乗型車両1は、アルミ鋳造によって形成されるツインスパー型の車体フレーム10に、エンジン16や電装系等の各種部品を搭載して構成されている。車体フレーム10はヘッドパイプ(不図示)から左右に分岐して後方に延びる一対のメインフレーム11と、ヘッドパイプから左右に分岐して下方に延びる一対のダウンフレーム(不図示)とを有している。一対のメインフレーム11によってエンジン16の後部が支持され、一対のダウンフレームによってエンジン16の前部が支持されている。エンジン16が車体フレーム10に支持されることで、車両全体の剛性が確保されている。
【0012】
メインフレーム11の前側部分はエンジン16の上方に位置するタンクレール12になっており、タンクレール12によって燃料タンク17が支持されている。メインフレーム11の後側部分はエンジン16の後方に位置するボディフレーム13になっており、ボディフレーム13の上下方向の略中間位置にスイングアーム18が揺動可能に支持されている。ボディフレーム13の上部からは、シートレール14とバックステー15が後方に向かって延びている。シートレール14上には、燃料タンク17の後方においてライダーシート21及びピリオンシート22が支持されている。
【0013】
ヘッドパイプには、ステアリングシャフト(不図示)を介して一対のフロントフォーク23が操舵可能に支持されている。フロントフォーク23の下部には前輪25が回転可能に支持されており、前輪25の上部はフロントフェンダ26に覆われている。スイングアーム18はボディフレーム13から後方に向かって延びている。スイングアーム18の後端には後輪28が回転可能に支持され、後輪28の上方はリアフェンダ29に覆われている。後輪28にはチェーンドライブ式の変速機構を介してエンジン16が連結されており、変速機構を介してエンジン16からの動力が後輪28に伝達されている。
【0014】
図2に示すように、エンジン16にはシリンダヘッド31及びヘッドカバー32によって動弁室が形成されており、動弁室にはフィンガーフォロワー式の動弁機構33が搭載されている。動弁機構33には、吸気側及び排気側のカムシャフト34a、34bと、吸気側及び排気側のロッカーアーム(フィンガーフォロワー)35a、35bと、吸気バルブ36a及び排気バルブ36bとが設けられている。カムシャフト34a、34bの回転に応じてロッカーアーム35a、35bが揺動し、ロッカーアーム35a、35bによって吸気バルブ36a及び排気バルブ36bが作動して吸気ポート37a及び排気ポート37bが開閉される。
【0015】
カムシャフト34a、34bはシリンダヘッド31内の軸受けに回転可能に支持されており、ロッカーアーム35a、35bはカムシャフト34a、34bに平行なロッカーシャフト38a、38bに揺動可能に支持されている。ロッカーシャフト38a、38bは、シリンダヘッド31を貫通するように取り付けられるため、シリンダヘッド31にロッカーシャフト38a、38bの支持穴60a、60b(図5参照)を形成する必要がある。カムシャフト34a、34bの一端側を支持するカムハウジング70(図3参照)がシリンダヘッド31に分離可能な場合には、通常はカムハウジング70を取り付ける前にシリンダヘッド31に対して穴あけ加工が実施される。
【0016】
例えば、図3の比較例に示すように、ドリル等の加工ツール100によってシリンダヘッド31の一端側の外壁41から穴あけ加工が開始される。加工ツール100がシリンダヘッド31の外壁41を貫通し、カムチェーン室42及び破線で示すカムハウジング70の設置スペースを通って、加工ツール100の先端がシリンダヘッド31の内壁51に到達する。シリンダヘッド31の内壁51からロッカーシャフト38aの支持穴60a(図5参照)の穴あけ加工が開始されるため、シリンダヘッド31の外壁41から内壁51までの加工ツール100の突き出し量が大きくなる。よって、加工ツール100の軸ブレによって精度よく穴あけ加工を実施することが難しい。
【0017】
そこで、本実施例では、シリンダヘッド31にカムハウジング70を取り付けた状態で、加工ツール100によってシリンダヘッド31に穴あけ加工が実施される(図10参照)。カムハウジング70からロッカーシャフト38aの支持穴60aの穴あけ加工が開始されるため、シリンダヘッド31の外壁41からカムハウジング70までの加工ツール100の突き出し量が小さくなる。よって、加工ツール100の軸ブレが抑えられて精度よく穴あけ加工が実施される。このように、本実施例ではシリンダヘッド31の内壁51だけでなく、カムハウジング70に対しても加工ツール100によって穴あけ加工が実施される。
【0018】
図4から図7を参照して、シリンダヘッドの詳細について説明する。図4は、本実施例のシリンダヘッドの斜視図である。図5は、本実施例のシリンダヘッドからカムハウジングを取り外した斜視図である。図6は、本実施例のロアハウジングの斜視図であり、(A)は上方から見た斜視図、(B)は下方から見た斜視図をそれぞれ示している。図7は、本実施例のアッパハウジングの斜視図であり、(A)は上方から見た斜視図、(B)は下方から見た斜視図をそれぞれ示している。なお、図4及び図5では、カムシャフト、ロッカーアーム、吸気バルブ、排気バルブ等の動弁機構の構成部品を省略している。
【0019】
図4に示すように、シリンダヘッド31には、カムシャフト34a、34b(図2参照)やロッカーアーム35a、35b(図2参照)を囲むように外壁41が形成されている。一方側(本実施例では右側)の外壁41にはオイルコントロールバルブ(不図示)の取付穴43が形成され、この外壁41の取付穴43の上方にはロッカーシャフト38a、38b(図2参照)の挿し込み口となる貫通穴44a、44bが形成されている。一方側の外壁41の内側にはカムチェーン(不図示)が収容されるカムチェーン室42が形成され、取付穴43、貫通穴44a、44bがカムチェーン室42に連通している。
【0020】
シリンダヘッド31には、外壁41の内側をロッカーシャフト38a、38bの軸方向Da、Dbに直交する方向(本実施例では前後方向)に横断する内壁51が設けられている。内壁51には、カムシャフト34a、34bの下半周面を支持する支持面52a、52bが形成されている。内壁51には、複数の締結ボルト53によってカムキャップ54が取り付けられている。カムキャップ54には、カムシャフト34a、34bの上半周面を支持する支持面55a、55bが形成されている。内壁51とカムキャップ54によってカムシャフト34a、34bを全周に亘って回転可能に支持する軸受面56a、56bが形成される。
【0021】
シリンダヘッド31には、外壁41と内壁51の間でカムシャフト34a、34bを支持するカムハウジング70が設けられている。カムハウジング70は、アッパハウジング91とロアハウジング71とを有する上下割構造であり、内壁51のカムチェーン室42側に分離可能に設置されている。アッパハウジング91にはカムシャフト34a、34bの上半周面を支持する支持面92a、92bが形成され、ロアハウジング71にはカムシャフト34a、34bの下半周面を支持する支持面72a、72bが形成されている。アッパハウジング91とロアハウジング71によってカムシャフト34a、34bを全周に亘って回転可能に支持する軸受面77a、77bが形成される。
【0022】
ロアハウジング71の一側面(本実施例では右側面)には、軸受面77a、77bの近くにロッカーシャフト38a、38bの軸方向Da、Dbに直交する右平面(第5の平面)73a、73bが形成されている。右平面73a、73bには、後述する加工ツール100を用いた穴あけ加工によって、外壁41の貫通穴44a、44bと同軸の加工穴80a、80bが形成されている。右平面73a、73bに対して加工ツール100の加工軸が直交するため、加工穴80a、80bの形成時に加工ツール100の軸ブレが抑えられる。カムハウジング70は、複数(本実施例では4つ)の締結ボルト85a-85dによって内壁51のカムチェーン室42側に取り付けられている。
【0023】
図5に示すように、内壁51のカムチェーン室42側には、ロッカーシャフト38a、38b(図2参照)の軸方向Da、Dbに垂直でカムチェーン室42側を向いた右平面(第1の平面)57a、57bと、軸方向Da、Dbに平行で上方を向いた上平面(第2の平面)58a-58cとが形成されている。右平面57a、57bには、ロアハウジング71の加工穴80a、80b(図4参照)と同軸のロッカーシャフト38a、38bの支持穴60a、60bが形成されている。上平面58a-58cには複数の締結ボルト85a-85d(図4参照)用のネジ穴59a-59dが開口され、中央の上平面58aには後述する第5-第7のオイル通路65-67が開口されている。
【0024】
図6(A)及び図6(B)に示すように、ロアハウジング71の他方側(左側)の側面には内壁51の右平面57a、57b(図5参照)に面接触する左平面(第3の平面)74a、74bが形成されている。ロアハウジング71の下面には内壁51の上平面58a-58c(図5参照)に面接触する下平面(第4の平面)75a-75cが形成されている。すなわち、左平面74a、74bはロッカーシャフト38a、38b(図2参照)の軸方向Da、Dbに垂直に形成され、下平面75a-75cは軸方向Da、Dbに水平に形成されている。よって、シリンダヘッド31の内壁51に対してカムハウジング70が精度よく設置される。
【0025】
ロアハウジング71には、右平面73a、73bから左平面74a、74bに向かって加工穴80a、80bが形成されている。また、ロアハウジング71には、内壁51のネジ穴59a-59d(図5参照)に連なる通し穴76a-76dが形成されている。通し穴76a、76bの間には側面視半円状の支持面72aが位置し、通し穴76c、76dの間には側面視半円状の支持面72bが位置している。支持面72a、72bには、オイルを保持する複数の周溝78a、78bが形成されている。ロアハウジング71には、内壁51側から複数の周溝78a、78bにオイルを導くための通路が形成されている。
【0026】
ロアハウジング71の下平面75aには、下平面75aの中央側から支持面72aの真下に向かって延びる横溝81が形成されている。下平面75aの中央側に位置する横溝81の一端には第5のオイル通路65(図5参照)が連なっている。ロアハウジング71には、横溝81の他端から支持面72aの周溝78aに延びる縦穴82が形成されている。また、ロアハウジング71には、下平面75aから斜め上方に延びる傾斜穴83と、下平面75aから真上に延びる縦穴84とが形成されている。傾斜穴83の下端には第6のオイル通路66(図5参照)が連なり、縦穴84の下端には第7のオイル通路67(図5参照)が連なっている。
【0027】
図7(A)及び図7(B)に示すように、アッパハウジング91には、ロアハウジング71(図6(A)参照)の通し穴76a-76dに連なる通し穴93a-93dが形成されている。通し穴93a、93bの間には側面視半円状の支持面92aが位置し、通し穴93c、93dの間には側面視半円状の支持面92bが位置している。支持面92a、92bには複数の周溝94a、94bが形成され、周溝94a、94bはロアハウジング71の支持面72a、72bの周溝78a、78b(図6(A)参照)に連なっている。アッパハウジング91には、内壁51側からロアハウジング71を介して複数の周溝94a、94bにオイルを導くための通路が形成されている。
【0028】
アッパハウジング91の下面95には、下面95の中央側から支持面92aの周溝94aに向かって延びる横溝96が形成されている。下面95の中央側に位置する横溝96の一端にはロアハウジング71の傾斜穴83(図6(A)参照)が連なっている。横溝96は他端側で通し穴93bと交差しており、通し穴93bに締結ボルト85b(図4参照)が挿し込まれることで、締結ボルト85bの周面が横溝96にはみ出している。このため、締結ボルト85bによってオイルの流れが妨げられないように、締結ボルト85bと交差する横溝96の交差部97で溝底が深く形成されて通路面積が拡大されている。
【0029】
また、アッパハウジング91の下面95には、支持面92aの周溝94aから支持面92bの周溝94bに向かって延びる長溝98が形成されている。長溝98は通し穴93b、93cを避けるように延びており、長溝98の延在方向の中央にはロアハウジング71の縦穴84(図6(A)参照)が連なる合流部99が形成されている。合流部99の溝幅が大きく形成されて、縦穴84の出口から長溝98にオイルが入り込み易く形成されている。このように、長溝98は、支持面92aから支持面92bにオイルを導く通路として機能すると共に、縦穴84から支持面92bにオイルを導く通路として機能している。
【0030】
続いて、図8及び図9を参照して、シリンダヘッドのオイル通路について説明する。図8は、図4のシリンダヘッドをA-A線に沿って切断した断面図である。図9は、図4のシリンダヘッドをB-B線に沿って切断した断面図である。
【0031】
図8に示すように、締結ボルト85a-85dによってロアハウジング71及びアッパハウジング91がシリンダヘッド31の内壁51に取り付けられている。ロアハウジング71とアッパハウジング91によって軸受面77a、77bを有するカムハウジング70が形成されている。ロアハウジング71上にアッパハウジング91が重ねられることで、カムハウジング70には軸受面77a、77bにオイルを導く第1-第4のオイル通路61-64(第4のオイル通路64は図9参照)が形成されている。内壁51には、カムハウジング70の各通路にオイルを供給する第5-第7のオイル通路65-67(第7のオイル通路67は図9参照)が形成されている。
【0032】
第1のオイル通路61は、加工穴80aの下方に位置するロアハウジング71の横溝81と、加工穴80aの側方に位置するロアハウジング71の縦穴82とによって形成されている。このため、第1のオイル通路61は、内壁51側からカムハウジング70の加工穴80aの下方を通って軸受面77aまで延びている。上記したように、横溝81の一端が内壁51の第5のオイル通路65に連なっているため、第5のオイル通路65から横溝81の一端にオイルが入り込み、横溝81の他端から縦穴82を通って軸受面77aにオイルが供給される。このオイルによって軸受面77aとカムシャフト34a(図2参照)の摺接面が潤滑される。
【0033】
第2のオイル通路62は、加工穴80aの側方に位置するロアハウジング71の傾斜穴83と、加工穴80aの上方に位置するアッパハウジング91の横溝96とによって形成されている。このため、第2のオイル通路62は、内壁51側からカムハウジング70の加工穴80aの上方を通って軸受面77aまで延びている。上記したように、傾斜穴83の下端が内壁51の第6のオイル通路66に連なっているため、第6のオイル通路66から傾斜穴83の下端にオイルが入り込み、傾斜穴83の上端から横溝96を通って軸受面77aにオイルが供給される。このオイルによって軸受面77aとカムシャフト34aの摺接面が潤滑される。
【0034】
第1、第2のオイル通路61、62がカムハウジング70の加工穴80aを挟んで逆側を通るため、第1、第2のオイル通路61、62の通路面積を拡大してオイル流量を確保することができる。第1、第2のオイル通路61、62の両方が加工穴80aの上方又は下方を通る場合と比べて通路面積が拡大される。また、第2のオイル通路62の横溝96の他端は通し穴(締結穴)93b(図9参照)と交差しており、この交差部97で第2のオイル通路62の通路面積が拡大されている。通し穴93bに締結ボルト85bが挿し込まれて、第2のオイル通路62内に締結ボルト85bがはみ出しても、通路面積の拡大によってオイルが安定供給される。
【0035】
第3のオイル通路63は、加工穴80aの上方に位置するアッパハウジング91の長溝98によって形成されている。上記したように、長溝98の一端が軸受面77aに連なっているため(特に、図7(B)参照)、軸受面77aから長溝98の一端にオイルが入り込み、長溝98の他端から軸受面77bにオイルが供給される。このオイルによって軸受面77bとカムシャフト34bの摺接面が潤滑される。このように、第1、第2のオイル通路61、62を通って軸受面77aに供給されたオイルが、軸受面77aから第3のオイル通路63を通って軸受面77bに供給されている。
【0036】
図9に示すように、第4のオイル通路64は、加工穴80aの側方に位置するロアハウジング71の縦穴84によって形成されている。上記したように、縦穴84の下端が第7のオイル通路67に連なっているため、第7のオイル通路67から縦穴84の下端にオイルが入り込み、縦穴84の上端で長溝98の合流部99にオイルが供給される。第4のオイル通路64は、第3のオイル通路63に合流しており、第7のオイル通路67から第4、第3のオイル通路64、63を通じて軸受面77bにオイルが供給される。よって、軸受面77bに対しても十分なオイルが安定供給される。
【0037】
また、アッパハウジング91の通し穴93aから軸受面77aの中心までの距離Laよりも、アッパハウジング91の通し穴93bから軸受面77aの中心までの距離Lbが短く形成されている。同様に、ロアハウジング71の通し穴76aから軸受面77aの中心までの距離Laよりも、ロアハウジング71の通し穴76bから軸受面77aの中心までの距離Lbが短く形成されている。通し穴93b、76bに挿し込まれた締結ボルト85bが軸受面77aに近づけられて、カムハウジング70の中央にオイル通路のスペースが確保されている。このように、軸受面77aと加工穴80aの間に締結ボルト85bが通っている。
【0038】
図10を参照して、ロッカーシャフトの支持穴の加工方法について説明する。図10は、本実施例のロッカーシャフトの支持穴の加工方法の遷移図であり、(A)はカムシャフトを設置するステップ、(B)は穴あけ加工を実施するステップをそれぞれ示している。ここでは、吸気側のロッカーシャフトの支持穴の加工方法について説明しているが、排気側のロッカーシャフトの支持穴の加工方法についても同様に実施される。
【0039】
図10(A)に示すように、シリンダヘッド31の外壁41と内壁51の間にカムハウジング70が取り付けられる。シリンダヘッド31のカムチェーン室42側の内壁51にロアハウジング71が設置され、ロアハウジング71上にアッパハウジング91が設置される。ロアハウジング71及びアッパハウジング91を貫通する締結ボルト85a-85d(図10では締結ボルト85cの図示)が内壁51のネジ穴59a-59d(図5参照)に締め付けられる。このとき、内壁51の上平面58a-58cにロアハウジング71の下平面75a-75cが面接触し、内壁51の右平面57a、57bにロアハウジング71の左平面74a、74bが面接触する(図5図6参照)。
【0040】
図10(B)に示すように、加工ツール100によってカムハウジング70から内壁51に向かって穴あけ加工が開始される。カムハウジング70から穴あけ加工が開始されるため、カムハウジング70の厚み分だけ、シリンダヘッド31の外壁41からカムハウジング70までの加工ツール100の突き出し量が小さくなる。これにより、加工ツール100の軸ブレが抑えられて精度よく穴あけ加工が実施される。また、カムハウジング70の右平面73aに対して加工ツール100の先端が垂直に当たるため、加工穴80a(図4参照)を形成する際に加工ツール100の軸ブレが抑えられる。
【0041】
加工ツール100によってカムハウジング70が貫通されると、内壁51に対する穴あけ加工が進められる。内壁51の右平面57aとロアハウジング71の左平面74aが平面接触し、内壁51の右平面57aに対して加工ツール100の先端が垂直に当たるため、内壁51とロアハウジング71の合わせ面において加工ツール100の軸ブレが抑えられる。これにより、カムハウジング70には加工穴80a(図4参照)が形成され、内壁51には加工穴80aと同軸のロッカーシャフト38aの支持穴60a(図5参照)が精度よく形成される。これにより、ロッカーアーム35a(図2参照)のスムーズな作動を実現できる
【0042】
以上、本実施例によれば、シリンダヘッド31にカムハウジング70が設置された状態で、加工ツール100を用いてシリンダヘッド31の外壁41から内壁51に向かって穴あけ加工が進められる。加工ツール100が外壁41及びカムハウジング70を貫通して、加工ツール100によって内壁51が加工されることでロッカーシャフト38a、38bの支持穴60a、60bが形成される。外壁41からカムハウジング70までのスペースが狭くなるため、加工ツール100の軸ブレが小さくなってロッカーシャフト38a、38bの支持穴の加工精度が向上される。特に、本実施例のように、VVT機(Variable Valve Timing)機構を搭載して、カムチェーン室42が大型化したシリンダヘッド31に有効である。
【0043】
なお、本実施例では、シリンダヘッドの外壁に予め貫通穴が形成されたが、ロッカーシャフトの支持穴の形成時に、カムハウジングの加工穴と共に外壁の貫通穴が形成されてもよい。
【0044】
また、本実施例では、第2のオイル通路が締結穴(通し穴)に交差する位置で通路面積が拡大される構成にしたが、カムハウジングの少なくとも1つのオイル通路が締結穴に交差する位置で通路面積が拡大されてもよい。例えば、第1のオイル通路が締結穴に交差する場合には、第1のオイル通路が締結穴に位置で通路面積が拡大されてもよい。また、第1-第3のオイル通路の全てが締結穴に交差する場合には、第1-第3のオイル通路の全てが締結穴に交差する位置で通路面積が拡大されてもよい。
【0045】
また、本実施例では、カムハウジングに第1-第4のオイル通路が形成されたが、カムハウジングのオイル通路の通り道は適宜変更可能である。
【0046】
また、本実施例では、加工ツールとしてドリルを例示したが、加工ツールはシリンダヘッドに対して穴あけ加工な加工ツールであれば特に限定されない。
【0047】
また、本実施例では、シリンダヘッドとして直列型エンジンのシリンダヘッドを例示したが、シリンダヘッドは、加工ツールによってロッカーシャフトの支持穴が形成されるものであればよく、例えば、V型エンジン、水平対向エンジン、単気筒エンジンのシリンダヘッドでもよい。
【0048】
また、シリンダヘッドは、図示の鞍乗型車両に限らず、他のタイプの鞍乗型車両に採用されてもよい。鞍乗型車両とは、ライダーがシートに跨った姿勢で乗車する車両全般に限定されず、ライダーがシートに跨らずに乗車する小型のスクータタイプの車両も含んでいる。さらに、シリンダヘッドは、鞍乗型車両に限らず、エンジンが搭載される他の乗り物、例えば、自動四輪車、バギータイプの自動三輪車の他に、水上バイク、芝刈り機、船外機等の特機に適用されてもよい。
【0049】
以上の通り、本実施例のシリンダヘッド(31)は、カムシャフト(34a、34b)の回転によってバルブ(吸気バルブ36a、排気バルブ36b)を作動させるロッカーアーム(35a、35b)がロッカーシャフト(38a、38b)に支持され、加工ツール(100)によってロッカーシャフトの支持穴(60a、60b)が形成されたシリンダヘッドであって、カムシャフト及びロッカーアームを囲むように形成された外壁(41)と、外壁の内側でカムシャフトを支持する支持面(52a、52b)が形成された内壁(51)と、内壁と外壁の間でカムシャフトを支持するカムハウジング(70)と、を備え、カムハウジングは内壁に分離可能に設置されており、外壁に貫通穴(44a、44b)が形成され、カムハウジングに貫通穴と同軸の加工穴(80a、80b)が形成され、内壁に加工穴と同軸のロッカーアームの支持穴が形成されている。
【0050】
また、本実施例の加工方法は、カムシャフトの回転によってバルブを作動させるロッカーアームをロッカーシャフトに支持させるために、加工ツールによってロッカーシャフトの支持穴をシリンダヘッドに形成する加工方法であって、カムシャフト及びロッカーアームを囲むように形成された外壁と当該外壁の内側でカムシャフトを支持する支持面が形成された内壁との間に、カムシャフトを支持するカムハウジングを取り付けるステップと、加工ツールによってカムハウジングから内壁に向かって穴あけ加工を開始し、外壁に形成された貫通穴と同軸の加工穴をカムハウジングに形成し、内壁に加工穴と同軸のロッカーアームの支持穴を形成するステップと、を有している。
【0051】
これらの構成によれば、シリンダヘッドにカムハウジングが設置された状態で、加工ツールを用いてシリンダヘッドの外壁から内壁に向かって穴あけ加工が進められる。加工ツールがシリンダヘッドの外壁及びカムハウジングを貫通して、加工ツールによってシリンダヘッドの内壁が加工されることでロッカーシャフトの支持穴が形成される。加工ツールがシリンダヘッドの外壁からカムハウジングまでのスペースが狭くなるため、加工ツールの軸ブレが小さくなってロッカーシャフトの支持穴の加工精度が向上される。よって、ロッカーシャフトの支持穴によってロッカーアームのスムーズな作動を実現することができる。
【0052】
本実施例のシリンダヘッドにおいて、内壁には、ロッカーシャフトの軸方向に垂直な第1の平面(右平面57a、57b)と、ロッカーシャフトの軸方向に平行な第2の平面(上平面58a-58c)と、が形成され、カムハウジングには、第1の平面に面接触する第3の平面(左平面74a、74b)と、第2の平面に面接触する第4の平面(下平面75a-75c)と、が形成されている。この構成によれば、シリンダヘッドの内壁の第1、第2の平面にカムハウジングの第3、第4の平面がそれぞれ平面接触されることで、シリンダヘッドの内壁とカムハウジングの合わせ面において加工ツールの軸ブレが起こり難くなる。よって、ロッカーシャフトの支持穴の加工精度がより向上される。
【0053】
本実施例のシリンダヘッドにおいて、カムハウジングには、カムシャフトの軸受面(77a、77b)と、内壁側から加工穴の下方を通って軸受面にまで延びる第1のオイル通路(61)と、内壁側から加工穴の上方を通って軸受面にまで延びる第2のオイル通路(62)と、が形成されている。この構成によれば、第1、第2のオイル通路がカムハウジングの加工穴を挟んで逆側を通るため、第1、第2のオイル通路の通路面積を拡大してオイル流量を確保することができる。
【0054】
本実施例のシリンダヘッドにおいて、カムハウジングには、当該カムハウジングを内壁にネジ止めするための締結穴(通し穴93b)が形成されており、第1のオイル通路及び/又は第2のオイル通路は締結穴に交差する位置で通路面積が拡大されている。この構成によれば、締結穴に締結ボルトが挿し込まれ、第1のオイル通路及び/又は第2のオイル通路内に締結ボルトがはみ出しても、通路面積の拡大によってオイルを安定供給することができる。
【0055】
なお、本実施例を説明したが、他の実施例として、上記実施例及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0056】
また、本発明の技術は上記の実施例に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0057】
31 :シリンダヘッド
34a、34b:カムシャフト
35a、35b:ロッカーアーム
36a :吸気バルブ(バルブ)
36b :排気バルブ(バルブ)
38a、38b:ロッカーシャフト
41 :外壁
44a、44b:貫通穴
51 :内壁
52a、52b:支持面
57a、57b:右平面(第1の平面)
58a-58c:上平面(第2の平面)
60a、60b:支持穴
61 :第1のオイル通路
62 :第2のオイル通路
70 :カムハウジング
74a、74b:左平面(第3の平面)
75a-75c:下平面(第4の平面)
77a、77b:軸受面
80a、80b:加工穴
93b :通し穴(締結穴)
100 :加工ツール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10