(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】車載システム、車載システム制御方法、及び車載システム制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B60R 16/023 20060101AFI20240625BHJP
H04L 12/40 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B60R16/023 P
H04L12/40 Z
(21)【出願番号】P 2020206618
(22)【出願日】2020-12-14
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 絵理香
(72)【発明者】
【氏名】森田 康明
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-136997(JP,A)
【文献】特開2015-020497(JP,A)
【文献】特開2020-021135(JP,A)
【文献】特開2009-090872(JP,A)
【文献】米国特許第10107888(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/023
H04L 12/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子制御ユニットと、
前記複数の電子制御ユニットに電気的に接続されるゲートウェイと、
を備える車載システムであって、
前記ゲートウェイは、前記車載システムの外部からスリープ不可要求が送られていない場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行い、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られた場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせない制御を行う制御部を備え、
前記制御部は、所定の条件を満たした場合に、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られても前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行
い、
前記所定の条件は、全ての電子制御ユニット、又は特定の電子制御ユニットがウェイクアップしてから所定の回数のスリープ不可要求が送られたことである、車載システム。
【請求項2】
前記ゲートウェイは、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求を受信する受信部をさらに備え、
前記制御部は、前記所定の条件を満たさない場合は、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求を前記受信部が受信したときに前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行わず、前記所定の条件を満たした場合は、前記車載システムの外部からの前記スリープ不可要求の受信を前記受信部に遮断させることで前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う、請求項1に記載の車載システム。
【請求項3】
前記ゲートウェイは、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求を受信する受信部をさらに備え、
前記制御部は、前記所定の条件を満たさない場合は、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求を前記受信部が受信したときに前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行わず、前記所定の条件を満たした場合は、前記車載システムの外部からの前記スリープ不可要求を前記受信部が受信したときでも前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う、請求項1に記載の車載システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記所定の条件を満たした場合に、前記スリープ不可要求の送信元に対しして前記送信元からのメッセージを遮断して良いか前記送信元に問い合わせ、遮断しても良い旨の応答を前記送信元から得た場合に前記スリープ不可要求の受信を前記受信部に遮断させる、請求項2に記載の車載システム。
【請求項5】
前記ゲートウェイは、
前記車載システムの外部との通信履歴を記憶する記憶部と、
前記スリープ不可要求に関する情報を記憶するサーバに前記通信履歴を送信する送信部と、
をさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載の車載システム。
【請求項6】
前記ゲートウェイは、
前記スリープ不可要求に関する情報を記憶する第1記憶部と、
前記第1記憶部が記憶する情報に基づいて前記車載システムの外部との通信履歴を記憶する第2記憶部と、
サーバに前記通信履歴を送信する送信部と、
をさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載の車載システム。
【請求項7】
複数の電子制御ユニットと、
前記複数の電子制御ユニットに電気的に接続されるゲートウェイと、
を備える車載システムを制御する車載システム制御方法であって、
前記ゲートウェイは、前記車載システムの外部からスリープ不可要求が送られていない場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行い、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られた場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせない制御を行い、
所定の条件を満たした場合に、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られても前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行
い、
前記所定の条件は、全ての電子制御ユニット、又は特定の電子制御ユニットがウェイクアップしてから所定の回数のスリープ不可要求が送られたことである、車載システム制御方法。
【請求項8】
複数の電子制御ユニットと、
前記複数の電子制御ユニットに電気的に接続されるゲートウェイと、
を備える車載システムを制御する車載システム制御プログラムであって、
前記車載システムの外部からスリープ不可要求が送られていない場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行い、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られた場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせない制御を行い、
所定の条件を満たした場合に、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られても前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行うよう、前記ゲートウェイが備えるコンピュータに実行させ
、
前記所定の条件は、全ての電子制御ユニット、又は特定の電子制御ユニットがウェイクアップしてから所定の回数のスリープ不可要求が送られたことである、車載システム制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載システム、車載システム制御方法、及び車載システム制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、複数の電子制御ユニット(ECU、Electronic Control Unit)が搭載され、各ECUはCAN(Control Area Network)等の車載ネットワークで接続される。各ECUには、イグニッションがオフにされた(以下、「IG-OFF」という)際に、ネットワークマネジメント(Network Management、NM)機能等の消費電力を低減する機能が搭載される。NM機能とは、各ECUで同期してECUのノーマル状態やスリープ状態を変更する制御を行う機能である。スリープとは、ECUの電力消費を抑える省電力モードへ移行することをいう。ウェイクアップとは、省電力モードから通常の消費電力で動作するモードへ移行することをいう。
【0003】
特許文献1には、ネットワークマネジメント機能を用いてスリープ及びスリープからのウェイクアップを実施するECU群が、一定時間以上経過してもスリープ出来ない状態になった場合に、スリープできない状態になった要因を記録し、異常を検出するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ECUのウェイクアップの要因には、乗員によるものと外部からの要求によるものとがある。外部からウェイクアップが要求され続けた場合、強制的に遮断してECUをスリープさせる仕組みが無い。また、外部からウェイクアップが要求され続けた場合、通常処理としてウェイクアップを継続するためにエラーの情報が記録されず、どのような要因でバッテリが上がったのかを特定する方法がない。このため、バッテリが上がった原因を究明することが困難となっている。車両外部との通信量は今後増加の一途が想定され、バッテリ上がりの原因究明を容易とする技術が求められる。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、外部からウェイクアップが要求され続けていてもECUをスリープさせる車載システム、車載システム制御方法、及び車載システム制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の車載システムは、複数の電子制御ユニットと、前記複数の電子制御ユニットに電気的に接続されるゲートウェイと、を備える車載システムであって、前記ゲートウェイは、前記車載システムの外部からスリープ不可要求が送られていない場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行い、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られた場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせない制御を行う制御部を備え、前記制御部は、所定の条件を満たした場合に、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られても前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う。
【0008】
請求項1の車載システムは、ゲートウェイが複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う場合に、所定の条件が満たされていれば、車載システムの外部からスリープ不可要求が送られても複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う。請求項1の車載システムによれば、外部からウェイクアップが要求され続けていてもECUをスリープさせることができる。
【0009】
請求項2の車載システムは、請求項1の車載システムにおいて、前記ゲートウェイは、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求を受信する受信部をさらに備え、前記制御部は、前記所定の条件を満たさない場合は、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求を前記受信部が受信したときに前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行わず、前記所定の条件を満たした場合は、前記車載システムの外部からの前記スリープ不可要求の受信を前記受信部に遮断させることで前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う。
【0010】
請求項2の車載システムは、ゲートウェイが複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う場合に、所定の条件が満たされていれば、車載システムの外部からスリープ不可要求を受信部が遮断することで、複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う。請求項2の車載システムによれば、外部からのスリープ不可要求を遮断することで、ECUをスリープさせることができる。
【0011】
請求項3の車載システムは、請求項1の車載システムにおいて、前記ゲートウェイは、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求を受信する受信部をさらに備え、前記制御部は、前記所定の条件を満たさない場合は、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求を前記受信部が受信したときに前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行わず、前記所定の条件を満たした場合は、前記車載システムの外部からの前記スリープ不可要求を前記受信部が受信したときでも前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う。
【0012】
請求項3の車載システムは、ゲートウェイが複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う場合に、所定の条件が満たされていれば、車載システムの外部からスリープ不可要求を受信部が受信しても複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う。請求項3の車載システムによれば、外部からのスリープ不可要求を受信し続けても、ECUをスリープさせることができる。
【0013】
請求項4の車載システムは、請求項1~3のいずれかの車載システムにおいて、前記所定の条件は、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られ始めてから所定期間が経過したことと、前記車載システムに電力を供給するバッテリの残量が所定の閾値以下となったこととの少なくとも一方を含む。
【0014】
請求項4の車載システムは、ゲートウェイが複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う場合に、スリープ不可要求が送られ始めてから所定期間が経過したことと、車載システムに電力を供給するバッテリの残量が所定の閾値以下となったことのいずれかを、複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う条件とする。請求項4の車載システムによれば、上記条件を満たした場合に、外部からのスリープ不可要求を受信し続けても、ECUをスリープさせることができる。
【0015】
請求項5の車載システムは、請求項1~4のいずれかの車載システムにおいて、前記ゲートウェイは、前記車載システムの外部との通信履歴を記憶する記憶部と、前記スリープ不可要求に関する情報を記憶するサーバに前記通信履歴を送信する送信部と、をさらに備える。
【0016】
請求項5の車載システムは、ゲートウェイが複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う場合に、車載システムの外部との通信履歴を記憶し、スリープ不可要求に関する情報をサーバに送信する。請求項5の車載システムによれば、電子制御ユニットのスリープを妨げる要因の解析が容易になる。
【0017】
請求項6の車載システムは、請求項1~4のいずれかの車載システムにおいて、前記ゲートウェイは、前記スリープ不可要求に関する情報を記憶する第1記憶部と、前記第1記憶部が記憶する情報に基づいて前記車載システムの外部との通信履歴を記憶する第2記憶部と、サーバに前記通信履歴を送信する送信部と、をさらに備える。
【0018】
請求項6の車載システムは、ゲートウェイが複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う場合に、車載システムの外部からのスリープ不可要求に関する情報を記憶し、記憶した情報をサーバに送信する。請求項6の車載システムによれば、電子制御ユニットのスリープを妨げる要因の解析が容易になる。
【0019】
請求項7の車載システム制御方法は、複数の電子制御ユニットと、前記複数の電子制御ユニットに電気的に接続されるゲートウェイと、備える車載システムを制御する車載システム制御方法であって、前記ゲートウェイは、前記車載システムの外部からスリープ不可要求が送られていない場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行い、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られた場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせない制御を行い、所定の条件を満たした場合に、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られても前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う。
【0020】
請求項7の車載システム制御方法は、ゲートウェイが複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う場合に、所定の条件が満たされていれば、車載システムの外部からスリープ不可要求が送られても複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う。請求項7の車載システム制御方法によれば、外部からウェイクアップが要求され続けていてもECUをスリープさせることができる。
【0021】
請求項8の車載システム制御プログラムは、複数の電子制御ユニットと、前記複数の電子制御ユニットに電気的に接続されるゲートウェイと、を備える車載システムを制御する車載システム制御プログラムであって、前記車載システムの外部からスリープ不可要求が送られていない場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行い、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られた場合には前記複数の電子制御ユニットをスリープさせない制御を行い、所定の条件を満たした場合に、前記車載システムの外部から前記スリープ不可要求が送られても前記複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行うよう、前記ゲートウェイが備えるコンピュータに実行させる。
【0022】
請求項8の車載システム制御プログラムは、ゲートウェイが複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う場合に、所定の条件が満たされていれば、車載システムの外部からスリープ不可要求が送られても複数の電子制御ユニットをスリープさせる制御を行う。請求項8の車載システム制御プログラムによれば、外部からウェイクアップが要求され続けていてもECUをスリープさせることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、外部からウェイクアップが要求され続けていても、所定の条件を満たしていた場合にはECUをスリープさせる車載システム、車載システム制御方法、及び車載システム制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】本実施形態に係る車載システムの概略構成を示す図である。
【
図3】ゲートウェイの機能構成の例を示すブロック図である。
【
図4】ゲートウェイによるスリープ制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】車載システムのスリープ制御処理を示すシーケンス図である。
【
図6】ゲートウェイの機能構成の例を示すブロック図である。
【
図7】車載システムのスリープ制御処理を示すシーケンス図である。
【
図8】車載システムのスリープ制御処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0026】
図1は、本実施形態の概要を示す図である。車載システム10は、車両等の移動体に搭載されるシステムである。車載システム10は、車載システム10の内部で発生するメッセージだけでなく、車載システム10の外部から送られてくるメッセージに応じて様々な処理を実行する。
図1では、車載システム10へメッセージを送信する装置として携帯端末20が示されている。携帯端末20は、移動体の乗員が使用する端末であり、例えばスマートフォン等の電子機器であり得る。
【0027】
車載システム10は、移動体の外部の装置へ情報を送信する機能を有する。
図1では、車載システム10がメッセージを送信する装置としてサーバ30が示されている。
【0028】
図2は、本実施形態に係る車載システムの概略構成を示す図である。
図2に示す車載システム10は、CAN、LIN(Local Interconnect Network)等のLAN(Local Area Network)が適用される。
図2に示す車載システムは、情報系、パワートレイン系、ボディ系等に適用できる。また、
図2に示す車載システムにFlexRay(登録商標)も適用できる。
【0029】
車載システム10は、第1の通信バス1と、第2の通信バス2と、セントラルゲートウェイ100(以下、「ゲートウェイ100」と記載する)と、第1のECU200aと、第2のECU200bと、第3のECU200cと、第4のECU200dと、第5のECU200eと、第6のECU200fとによって構成される。ゲートウェイ100、及び第1のECU200a~第6のECU200fは、車載バッテリを電源として動作する。以下の説明においては、第1のECU200a~第6のECU200fを総称して単にECU200とも呼ぶ。
【0030】
ゲートウェイ100は、ECUの一種であり、第1の通信バス1、及び第2の通信バス2と有線接続される。また、第1のECU200a~第3のECU200cは第1の通信バス1によって有線接続され、第1のECU200d~第3のECU200fは第2の通信バス2によって有線接続される。ゲートウェイ100、及び第1のECU200a~第3のECU200cによって第1のネットワークが構成され、ゲートウェイ100、及び第4のECU200d~第6のECU200fによって第2のネットワークが構成される。
【0031】
図1には、3個のECU200が第1の通信バス1に接続される例が示されるが、1~2個のECU200を第1の通信バス1に接続することも、4個以上のECU200を第1の通信バス1に接続することもできる。また、
図1には、3個のECU200が第2の通信バス2に接続される例が示されるが、1~2個のECU200を第2の通信バス2に接続することも、4個以上のECU200を第1の通信バス1に接続することもできる。
【0032】
図2に示すように、第1のECU200aは、通信トランシーバ202aと、マイクロコントローラ204aとを有する。マイクロコントローラ204aには、通信回路206a、CPU208a、RAM(Random Access Memory)210a、及びROM(Read Only Memory)212aが実装される。CPU208aは第1のECU200a全体を制御し、RAM210aは第1のECU200aを制御する際にCPU208aのワークエリアとして使用され、ROM212aはCPU208aが実行する第1のECU用プログラムを記憶する。
【0033】
通信トランシーバ202aは、第1の通信バス1に接続され、通信ドライバによる制御によって、通信回路206aからのデータを第1の通信バス1に送信するとともに、第1の通信バス1からのデータを受信し通信回路206aに入力する。これによって、通信トランシーバ202aは、ゲートウェイ100、第2のECU200b、及び第3のECU200cとの間で、信号の送受信を行う。
【0034】
通信回路206aは、通信トランシーバ202aと接続され、第1の通信バス1を介して、ゲートウェイ100、第2のECU200b、及び第3のECU200cとの間でシリアル通信を行う。通信回路206aは、CPU208aからのデータを通信トランシーバ202aから送信するとともに、通信トランシーバ202aから入力されたデータをCPU208aに入力する。
【0035】
CPU208aは、通信回路206aと接続され、通信回路206aによって実行される通信処理等の第1のECU200a全体を制御する処理を実行する。
【0036】
なお、第2のECU200b~第6のECU200fのハードウェア構成については図示を省略しているが、第2のECU200b~第6のECU200fのハードウェア構成は、第1のECU200aと同じ構成を有する。
【0037】
ゲートウェイ100のハードウェア構成について説明する。ゲートウェイ100は、第1の通信トランシーバ102と、第2の通信トランシーバ104と、通信コントローラ106と、CPU108と、RAM110と、ROM112と、通信回路114と、無線通信I/F116とを有する。第1の通信トランシーバ102、第2の通信トランシーバ104、通信コントローラ106、CPU108、RAM110、ROM112、通信回路114、及び無線通信I/F116は、バス101によって接続される。
【0038】
通信コントローラ106は、第1の通信トランシーバ102及び第2の通信トランシーバ104によるデータの送受信を制御する。CPU108はゲートウェイ100全体を制御し、ROM112はCPU108が実行するゲートウェイ用プログラムを格納し、RAM110はゲートウェイ100の制御を実行する際にCPU108のワークエリアとして使用される。
【0039】
第1の通信トランシーバ102は、第1の通信バス1に接続され、通信ドライバによる制御によって、通信回路114からのデータを第1の通信バス1に送信するとともに、第1の通信バス1からのデータを受信し通信回路114に入力する。これによって、第1の通信トランシーバ102は、第1のECU200a~第3のECU200cとの間で、信号の送受信を行う。
【0040】
通信回路114は、第1の通信バス1を介して第1のECU200a~第3のECU200cとの間でシリアル通信を行うとともに、第2の通信バス2を介して第4のECU200d~第6のECU200fとの間でシリアル通信を行う。通信回路114は、CPU108からのデータを第1の通信トランシーバ102又は第2の通信トランシーバ104から送信するとともに、第1の通信トランシーバ102及び第2の通信トランシーバ104から入力されたデータをCPU108に入力する。また、無線通信I/F116は、移動体に搭載されていない装置、例えば携帯端末20及びサーバ30との間の無線通信を行う。無線通信I/F116は、例えば、Bluetooth(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、5G、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信規格が用いられる。
【0041】
CPU108は、通信回路114及び無線通信I/F116によって実行される通信処理等のゲートウェイ100全体を制御する処理を実行する。
【0042】
上記のゲートウェイ用プログラムを実行する際に、ゲートウェイ100は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。ゲートウェイ100が実現する機能構成について説明する。
【0043】
図3は、ゲートウェイ100の機能構成の例を示すブロック図である。
【0044】
図3に示すように、ゲートウェイ100は、機能構成として、受信部121、制御部122、記憶部123及び送信部124を有する。各機能構成は、CPU108がROM112に記憶されたゲートウェイ用プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0045】
受信部121は、車載システム10の外部から送信されたメッセージ、又は車載システム10の内部のECU200から送信されたメッセージを受信する。受信部121が受信するメッセージには、ECU200がスリープしている場合にはECU200をウェイクアップさせる要求、すなわちスリープをさせない要求が含まれ得る。スリープをさせない要求を、以下の説明ではスリープ不可要求と称する。
【0046】
制御部122は、ゲートウェイ100及びゲートウェイ100に電気的に接続されているECU200の動作を制御する。具体的には、制御部122は、車載システム10の外部からスリープ不可要求が送られていない場合には、ECU200をスリープさせる制御を行う。スリープをさせない要求を、以下の説明ではスリープ不可要求と称する。また、制御部122は、車載システム10の外部からスリープ不可要求が送られた場合には、ECU200をスリープさせない制御を行う。
【0047】
そして、制御部122は、所定の条件を満たした場合に、車載システム10の外部からスリープ不可要求が送られてもECU200をスリープさせる制御を行う。所定の条件を満たした場合に、車載システム10の外部からスリープ不可要求が送られてもECU200をスリープさせる制御を行うことで、制御部122は、ECU200に電力を供給するバッテリが上がることを防止できる。
【0048】
上記所定の条件は、車載システム10の外部からスリープ不可要求が送られ始めてから所定期間が経過したことと、車載システム10に電力を供給するバッテリの残量が所定の閾値以下となったこととの少なくとも一方を含んでもよい。上記所定の条件は、他にも、車載システム10の全てのECU200、又は特定のECU200がウェイクアップしてから所定の回数のスリープ不可要求をゲートウェイ100が受けたことであってもよい。
【0049】
制御部122は、所定の条件を満たした場合に、車載システム10の外部からのメッセージを遮断してもよい。車載システム10の外部からのメッセージの遮断は、車載システム10の外部からのスリープ不可要求の受信を受信部121で遮断させることで行われてもよい。また、車載システム10の外部からのメッセージの遮断は、車載システム10の外部からのスリープ不可要求を受信した場合でも制御部122がECU200をスリープさせることで行われてもよい。
【0050】
記憶部123は、車載システム10の外部との通信履歴を記憶する。送信部124は、スリープ不可要求に関する情報を記憶するサーバ30に、記憶部123が記憶した通信履歴を送信する。
【0051】
次に、車載システム10の作用について説明する。
【0052】
図4は、ゲートウェイ100によるスリープ制御処理の流れを示すフローチャートである。CPU108がROM112からゲートウェイ用プログラムを読み出して、RAM110に展開して実行することにより、スリープ制御処理が行なわれる。
【0053】
CPU108は、ステップS101において、所定の条件を満たしたかどうかを判断する。所定の条件は、車載システム10の外部からスリープ不可要求が送られ始めてから所定期間が経過したことと、車載システム10に電力を供給するバッテリの残量が所定の閾値以下となったこととの少なくとも一方を含んでもよい。
【0054】
ステップS101の判断において、所定の条件が満たされていなければ(ステップS101;No)、CPU108は、所定の条件が満たされるまで待機する。ステップS101の判断において、所定の条件が満たされていれば(ステップS101;Yes)、CPU108は、ステップS102において、車載システム10の外部からスリープ不可要求が送られても、ECU200をスリープさせる制御を行う。
【0055】
CPU108は、
図4に示した処理を実行することで、強制的にウェイクアップを遮断して、ECU200をスリープさせることができる。CPU108は、強制的にウェイクアップを遮断してECU200をスリープさせることで、バッテリ上がりを防止できる。
【0056】
図5は、車載システム10のスリープ制御処理を示すシーケンス図である。
【0057】
ステップS111において、携帯端末20からスリープ不可要求を含むメッセージが送られてくると、ゲートウェイ100のCPU108は、ステップS112において、送られてきたスリープ不可要求に応じて、車載システム10のECU200をウェイクアップさせる。また、ゲートウェイ100のCPU108は、携帯端末20から送られたメッセージをRAM110に記憶する。
【0058】
続いて、ゲートウェイ100のCPU108は、ステップS113において所定の条件を満たすまで待機する。所定の条件は、車載システム10の外部からスリープ不可要求が送られ始めてから所定期間が経過したことと、車載システム10に電力を供給するバッテリの残量が所定の閾値以下となったこととの少なくとも一方を含んでもよい。所定の条件を満たすと、ゲートウェイ100のCPU108は、ステップS114において、携帯端末20からのメッセージを遮断して良いか、カスタマ40に問い合わせる。カスタマ40は、例えば移動体の乗員である。なお、CPU108は、メッセージを遮断して良いかをサーバ30に問い合わせてもよい。
【0059】
ステップS115において、カスタマ40又はサーバ30からメッセージを遮断して良い旨の応答をゲートウェイ100のCPU108が取得すると、ゲートウェイ100のCPU108は、ステップS116において、携帯端末20からのメッセージを遮断する。
【0060】
なお、携帯端末20からのメッセージの遮断は、車載システム10の外部からのスリープ不可要求の無線通信I/F116での受信を、CPU108が遮断させることで行われてもよい。また、携帯端末20からのメッセージの遮断は、車載システム10の外部からのスリープ不可要求を受信した場合でも、CPU108がECU200をスリープさせることで行われてもよい。
【0061】
ステップS117において、携帯端末20からスリープ不可要求を含むメッセージが送られてくると、ゲートウェイ100のCPU108は、メッセージを遮断するとともに、メッセージをRAM110に記憶する。そしてゲートウェイ100のCPU108は、ステップS118において、RAM110に記憶されたメッセージを所定のタイミングでサーバ30に送信する。
【0062】
サーバ30は、ステップS119において、ゲートウェイ100から送信されたメッセージと、サーバ30が保持しているウェイクアップをトリガするメッセージのリストとを照合する。サーバ30での照合処理により、どのメッセージがECU200をウェイクアップさせるメッセージであるかの検証が可能となる。
【0063】
図5に示したシーケンス図では、ウェイクアップをトリガするメッセージのリストをサーバ30が保持していたが、本発明は係る例に限定されるものではない。ウェイクアップをトリガするメッセージのリストはゲートウェイ100に保持されてもよい。
【0064】
図6は、ゲートウェイ100の機能構成の別の例を示すブロック図である。
【0065】
図6に示すように、ゲートウェイ100は、機能構成として、受信部121、制御部122、第1記憶部123a、第2記憶部123b、及び送信部124を有する。各機能構成は、CPU108がROM112に記憶されたゲートウェイ用プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0066】
図6に示すゲートウェイ100の機能構成が、
図3に示すゲートウェイ100の機能構成と異なる点は、記憶部123が第1記憶部123a及び第2記憶部123bに分かれた点である。
【0067】
第1記憶部123aは、スリープ不可要求に関する情報として、ウェイクアップをトリガするメッセージのリストを記憶する。第2記憶部123bは、車載システム10の外部との通信履歴として、外部から送信されるメッセージの内、第1記憶部123aに記憶されている情報と一致する、スリープ不可要求を含むメッセージを記憶する。そして、送信部124は、第2記憶部123bに記憶された、スリープ不可要求を含むメッセージの情報をサーバ30に送信する。
【0068】
図7は、車載システム10のスリープ制御処理を示すシーケンス図である。
【0069】
ステップS121において、携帯端末20からスリープ不可要求を含むメッセージが送られてくると、ゲートウェイ100のCPU108は、ステップS122において、送られてきたスリープ不可要求に応じて、車載システム10のECU200をウェイクアップさせる。また、ゲートウェイ100のCPU108は、記憶しているウェイクアップをトリガするメッセージのリストと照合し、携帯端末20から送られたメッセージの内、ウェイクアップをトリガするメッセージをRAM110に記憶する。
【0070】
続いて、ゲートウェイ100のCPU108は、ステップS123において所定の条件を満たすまで待機する。所定の条件は、車載システム10の外部からスリープ不可要求が送られ始めてから所定期間が経過したことと、車載システム10に電力を供給するバッテリの残量が所定の閾値以下となったこととの少なくとも一方を含んでもよい。所定の条件を満たすと、ゲートウェイ100のCPU108は、ステップS124において、携帯端末20からのメッセージを遮断して良いか、カスタマ40に問い合わせる。カスタマ40は、例えば移動体の乗員である。なお、CPU108は、メッセージを遮断して良いかをサーバ30に問い合わせてもよい。
【0071】
ステップS125において、カスタマ40又はサーバ30からメッセージを遮断して良い旨の応答をゲートウェイ100のCPU108が取得すると、ゲートウェイ100のCPU108は、ステップS126において、携帯端末20からのメッセージを遮断する。
【0072】
なお、携帯端末20からのメッセージの遮断は、車載システム10の外部からのスリープ不可要求の無線通信I/F116での受信を、CPU108が遮断させることで行われてもよい。また、携帯端末20からのメッセージの遮断は、車載システム10の外部からのスリープ不可要求を受信した場合でも、CPU108がECU200をスリープさせることで行われてもよい。
【0073】
ステップS127において、携帯端末20からスリープ不可要求を含むメッセージが送られてくると、ゲートウェイ100のCPU108は、メッセージを遮断するとともに、メッセージをRAM110に記憶する。そしてゲートウェイ100のCPU108は、ステップS128において、RAM110に記憶されたメッセージを所定のタイミングでサーバ30に送信する。
【0074】
サーバ30は、ステップS129において、ゲートウェイ100から送信されたメッセージを解析する。サーバ30での解析処理により、どのメッセージがECU200をウェイクアップさせるメッセージであるかの検証が可能となる。
【0075】
以上の処理により、外部からのメッセージにスリープ不可要求が含まれていた場合に、メッセージがECU200をウェイクアップさせるメッセージであるかの検証が可能となる。しかし、スリープ不可要求が含まれるメッセージが無いにも関わらず、ECU200がウェイクアップし続け、バッテリ残量が低下する場合がある。この場合は、スリープ不可要求が含まれるメッセージによるウェイクアップではなく、内部要因によるスリープ及びウェイクアップの繰り返しによるバッテリ残量の低下が考えられる。以下において、内部要因によるスリープ及びウェイクアップの繰り返しを引き起こす原因を特定するための車載システム10の動作を説明する。
【0076】
図8は、車載システム10のスリープ制御処理を示すシーケンス図である。
図8では、ECU200として第1のECU200a、第2のECU200b、及び第3のECU200cを示している。
【0077】
内部要因によるスリープ及びウェイクアップの繰り返しを引き起こす原因を特定する際には、ゲートウェイ100のCPU108は、まずカスタマに、外部からのメッセージを遮断する旨を通知する。外部からのメッセージを遮断する旨のカスタマへの通知は、
図5及び
図7を用いて説明したスリープ制御処理において説明したものである。
【0078】
その後、ゲートウェイ100、第1のECU200a、第2のECU200b、及び第3のECU200cのいずれもがスリープ状態となったとする。続いて、ステップS131において、第1のECU200aが、第1の通信バス1を通じてスリープ不可要求が含まれるメッセージを送信する。第1のECU200aが送信したメッセージによって、ゲートウェイ100、第2のECU200b、及び第3のECU200cはいずれもウェイクアップする。
【0079】
その後、ゲートウェイ100、第1のECU200a、第2のECU200b、及び第3のECU200cのいずれもがスリープ状態となったとする。続いて、ステップS132、ステップS133において、再び第1のECU200aが、第1の通信バス1を通じてスリープ不可要求が含まれるメッセージを送信する。これにより、ゲートウェイ100、第1のECU200a、第2のECU200b、及び第3のECU200cがウェイクアップとスリープとを繰り返すことになる。
【0080】
単位時間当たりのウェイクアップ回数が所定の閾値を超えると、ゲートウェイ100のCPU108は、ステップS134において、ゲートウェイ100をスリープさせずにウェイクアップの状態を継続する。
【0081】
続いて、ステップS135において、再び第1のECU200aが、第1の通信バス1を通じてスリープ不可要求が含まれるメッセージを送信する。この時点では、ゲートウェイ100はウェイクアップ状態にあるので、第1の通信バス1を通じてスリープ不可要求が含まれるメッセージを送信したのは第1のECU200aであることを把握できる。具体的には、ゲートウェイ100は、最初にネットワークマネジメントメッセージを送信した、又はネットワークマネジメントメッセージを送信し続けているCANのソースノードID、及びメッセージの内容をRAM110に記憶する。
【0082】
続いて、ステップS136において、ゲートウェイ100のCPU108は、第1のECU200aが送信し、RAM110に記憶したメッセージをサーバ30に送信する。サーバ30は、ゲートウェイ100から送信されたメッセージを解析することで、どのメッセージが車載システム10の内部のECU200をウェイクアップさせるメッセージであるかの検証が可能となる。
【0083】
ECU200のウェイクアップの要因には、乗員によるものと外部からの要求によるものとがある。外部からウェイクアップが要求され続けた場合、ゲートウェイ100は、強制的にウェイクアップを遮断してECU200をスリープさせる。また、外部からウェイクアップが要求され続けた場合、ゲートウェイ100は、外部からのメッセージを記録することで、バッテリ上がりに繋がる原因を特定することが可能となる。
【0084】
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行したスリープ制御処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、スリープ制御処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0085】
また、上記各実施形態では、スリープ制御処理のプログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10 車載システム
20 携帯端末
30 サーバ
100 ゲートウェイ
102 第1の通信トランシーバ
104 第2の通信トランシーバ
106 通信コントローラ
108 CPU
110 RAM
112 ROM
114 通信回路
116 無線通信I/F