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特許7509144情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/538 20190101AFI20240625BHJP
   G06F 16/9038 20190101ALI20240625BHJP
【FI】
G06F16/538
G06F16/9038
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021528545
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(86)【国際出願番号】 JP2019024343
(87)【国際公開番号】W WO2020255307
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-10-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】トウ テイテイ
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/025704(WO,A1)
【文献】特開2018-142160(JP,A)
【文献】特開2019-016098(JP,A)
【文献】特開2009-169542(JP,A)
【文献】特開2005-100415(JP,A)
【文献】特開2005-216139(JP,A)
【文献】特開2000-090121(JP,A)
【文献】特開平07-021193(JP,A)
【文献】特開平11-328203(JP,A)
【文献】特開2006-178599(JP,A)
【文献】特開2010-102593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物の外観を示す属性としてユーザによって入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす画像データであって、前記人物の画像データを検索する検索手段と、
前記検索手段による前記検索の結果に基づいて、前記画像データが前記1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示する提示手段とを備え、
前記検索の結果の確からしさを表す値である確信度の下限値を決定する確信度決定手段をさらに備え、
前記確信度決定手段は、ユーザ操作に基づいて、前記確信度の下限値を調整する
情報処理装置。
【請求項2】
前記提示手段は、前記検索条件ごとに割り当てられた棒グラフを用いて、前記一覧を提示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記確信度決定手段は、スライドバー上に、前記検索条件ごとに決定した前記確信度の下限値を提示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検索の結果に含まれる前記画像データをさらに絞り込むための他の検索条件を推薦する推薦手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推薦手段は、
前記他の検索条件を用いた場合の前記検索手段による検索の結果を提示する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推薦手段は、前記他の検索条件を用いた場合の前記検索手段による前記検索の結果を、円グラフで提示する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
人物の外観を示す属性としてユーザによって入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす画像データであって、前記人物の画像データを検索し、
前記検索の結果に基づいて、前記画像データが前記1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示し、
前記検索の結果の確からしさを表す値である確信度の下限値を決定し、
ユーザ操作に基づいて、前記確信度の下限値を調整する
情報処理方法。
【請求項8】
人物の外観を示す属性としてユーザによって入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす画像データであって、前記人物の画像データを検索することと、
前記検索の結果に基づいて、前記画像データが前記1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示することと、
前記検索の結果の確からしさを表す値である確信度の下限値を決定することと、
ユーザ操作に基づいて、前記確信度の下限値を調整することと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
人物の外観を示す属性としてユーザによって入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす画像データであって、前記人物の画像データを検索する検索手段と、
前記検索手段による前記検索の結果の確からしさを表す値である確信度の下限値を決定する確信度決定手段とを備え、
前記確信度決定手段は、ユーザ操作に基づいて、前記確信度の下限値を調整する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および記録媒体に関し、特に、検索条件に基づく検索処理を実行する情報処理装置、情報処理方法、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、入力された1以上のキーワードを検索条件として用いて、検索条件に合致する画像を検索する情報検索方法が記載されている。特許文献1では、検索の結果として得られた画像ごとに、その画像が満たしている1つの検索条件(すなわち1つのキーワード)が提示される。したがって、ユーザは、どの検索条件に基づいて、その画像が得られたのかを、容易に知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013- 3727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の情報検索方法では、複数の検索条件を用いた検索を実行した場合、複数の検索条件の全部、またはその一部である2つ以上の検索条件を満たす対象を、ユーザが知ることはできない。
【0005】
本発明の目的は、複数の検索条件を満たす対象を知ることを助けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係わる情報処理装置は、入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす対象を検索する検索手段と、前記検索手段による前記検索の結果に基づいて、前記対象が前記1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示する提示手段とを備えている。
【0007】
本発明の一態様に係わる情報処理方法は、入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす対象を検索し、前記検索の結果に基づいて、前記対象が前記1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示する。
【0008】
本発明の一態様に係わる記録媒体は、入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす対象を検索することと、前記検索の結果に基づいて、前記対象が前記1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示することとをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の検索条件を満たす対象を知ることを助けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係わる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係わる情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図3】実施形態1に係わる情報処理装置の検索部が検索条件の入力を受け付ける検索画面の一例を示す図である。
図4】実施形態1に係わる情報処理装置の提示部が提示する一覧の一例を示す図である。
図5】実施形態1に係わる情報処理装置の提示部が提示する一覧の他の例を示す図である。
図6】実施形態1に係わる情報処理装置の提示部が提示する一覧のさらに他の例を示す図である。
図7】実施形態2に係わる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図8】実施形態2に係わる情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図9】実施形態2に係わる情報処理装置の検索部が検索条件の入力を受け付ける検索画面の一例を示す図である。
図10】実施形態3に係わる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図11】実施形態3に係わる情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図12】実施形態3に係わる情報処理装置の推薦部が他の検索条件による検索を推薦する推薦画面の一例を示す図である。
図13】実施形態4に係わる情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
図1図6を参照して、本実施形態1に係わる情報処理装置1の構成を説明する。
【0012】
(情報処理装置1)
図1は、本実施形態1に係わる情報処理装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理装置1は、検索部10および提示部20を備えている。
【0013】
検索部10は、入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす対象を検索する。検索部10は、検索手段の一例である。
【0014】
具体的には、検索部10は、ユーザから入力された1以上のキーワードまたは画像等を検索条件として用いて、各検索条件を満たす対象を、データベース(図示せず)から検索する。例えば、検索の対象が人物の画像データである場合、検索条件は、人物の1以上の属性(性別、年代、髪の長さ、髪の色、服の種類、所持物など)を表すキーワードであってよい。
【0015】
検索部10は、検索画面を提示して、ユーザから検索条件の入力を受け付ける。例えば、ユーザがキーボード及びマウス等の入力機器を使って、検索画面に1つ以上のキーワードを入力すると、検索部10は、入力された1つ以上のキーワードを、1以上の検索条件として取得する。
【0016】
検索部10は、取得した1以上の検索条件を用いて、各検索条件と合致する1つまたは複数の画像データを、データベースから取得する。本実施形態1では、データベースに格納された画像データが、検索部10による検索の対象である。検索部10による検索の結果には、入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす1または複数の画像データが含まれる。なお、情報処理装置1は、データベースを備えていてもよいし、ネットワークを介して、データベースと接続されていてもよい。
【0017】
検索部10は、上述した検索の結果を、提示部20へ送信する。検索の結果には、入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす1または複数の画像データと、各対象を特定するための情報とが少なくとも含まれる。例えば、検索の対象が、データベースに格納された画像データである場合、検索の結果には、データベース内の各画像データに付与された画像ID(Identification)が含まれる。
【0018】
提示部20は、検索部10による検索の結果に基づいて、対象が1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示する。提示部20は、提示手段の一例である。
【0019】
具体的には、提示部20は、検索部10から、検索の結果を受信する。提示部20は、検索部10から受信した検索の結果に基づいて、対象が1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを示す一覧を生成する。提示部20は、こうして生成した一覧を、図示しないディスプレイ等に出力することによって、提示する。提示部20は、一覧をどのような手法で提示してもよい。
【0020】
例えば、提示部20は、検索条件ごとに割り当てられた棒グラフを用いて、一覧を提示する。あるいは、提示部20は、1つの軸が検索条件に対応し、もう一つの軸が検索の対象に対応する2次元のグラフを、ディスプレイ上に提示する。このグラフには、対象が1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかが、数字、記号、文字、図形、または絵によって示される。なお、提示部20による提示のいくつかの例を、後で説明する。
【0021】
(情報処理装置1の動作フロー)
図2を参照して、本実施形態1に係わる情報処理装置1の動作の流れを説明する。図2は、情報処理装置1の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0022】
図2に示すように、検索部10は、入力された1以上の検索条件のうち、少なくとも1つを満たす対象を検索する(S1)。検索部10は、検索の結果を提示部20へ送信する。上述したように、検索の結果には、入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす1または複数の画像データと、各対象を特定するための情報とが少なくとも含まれる。
【0023】
提示部20は、検索部10から、検索の結果を受信する。提示部20は、検索部10から受信した検索の結果に基づいて、各対象がどの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示する(S2)。例えば、提示部20は、検索条件ごとに割り当てられた棒グラフを用いて、一覧を提示する。
【0024】
以上で、情報処理装置1の動作は終了する。
【0025】
(検索画面の例)
図3を参照して、検索部10が、ユーザから検索条件の入力を受け付けるための検索画面について説明する。図3は、ディスプレイ等に表示される検索画面の一例を示す。図3に示す検索画面には、検索ボックスが含まれている。検索ボックスには、1以上の検索条件として、1つ以上のキーワードが入力される。
【0026】
図3では、3つのキーワード「男性、黒い髪、青いシャツ」が、検索ボックス内に示されている。ユーザが、検索ボックスの右隣の「検索」キーを押下またはクリックすると、検索部10は、検索ボックスに入力された3つのキーワードを用いて、検索を実行する。
【0027】
検索部10は、いわゆるOR検索を実行する。すなわち、検索部10は、図3に示す3つのキーワード「男性」「黒い髪」「青いシャツ」のうち、いずれかのキーワードが示す属性に分類される人物の画像データを、データベースからそれぞれ検索する。
【0028】
検索部10は、キーワードが示す属性に分類される人物の画像データを検索するために、教師あり学習または教師なし学習を用いてもよい。
【0029】
具体的には、検索部10は、入力されたキーワードと対応する特徴データをまず特定する。例えば、検索部10は、キーワードと特徴データとを対応付けた図示しないテーブルを参照することによって、入力されたキーワードと対応する特徴データを特定する。
【0030】
または、検索部10は、任意のネットワーク上のサーバから、入力されたキーワードがタグ付されたサンプル画像を収集する。そして、検索部10は、収集したサンプル画像から、特徴データを抽出する。特徴データは、例えば、特徴ベクトルを含む。検索部10は、サンプル画像から抽出した特徴データを、入力されたキーワードと対応付ける。
【0031】
次に、検索部10は、データベース上の画像データから、特徴データを抽出する。あるいは、検索部10は、データベース上の画像データから、あらかじめ特徴データを抽出しておいてもよい。検索部10は、データベース上の画像データから抽出した特徴データと、キーワードと対応する特徴データとの間の類似度を計算する。類似度は、例えば、特徴データに含まれる特徴ベクトルの間の距離に基づいていてもよい。
【0032】
検索部10は、計算データベース上の全ての画像データのうち、計算した類似度が閾値を超える画像データ、または、類似度が高い順に上位数件(2,3件)の画像データを抽出する。検索部10は、こうして抽出した画像データを、検索の結果として出力する。
【0033】
あるいは、データベース中の人物の画像データが、人物の属性ごとに、予め分類またはクラスタリングされていてもよい。例えば、データベース中の人物の画像データには、それぞれ、人物の属性を示す情報が紐付けられている。
【0034】
検索部10は、検索部10は、キーワードと人物の属性とを対応付けた図示しないテーブルを参照することによって、入力されたキーワードと対応する属性を特定する。入力されたキーワードが示す人物の属性を示す情報と、人物の画像データに紐付けられている人物の属性を示す情報とを対比する。そして、検索部10は、キーワードが示す人物の属性と同一の属性に分類される人物の画像データを、データベースから検索する。
【0035】
提示部20は、検索の結果として得られた人物の画像データの一覧を提示する。例えば、提示部20は、検索の結果として得られた人物の画像データの一覧を、図示しないディスプレイ上に提示する。
【0036】
図3は、6人の人物の画像データを、検索の結果の一例として示している。6人の人物の画像データは、検索条件のいずれかを満たす。各画像データの下には、それぞれ、異なる番号((1)から(6))が示されている。これらの番号は、それぞれの人物の画像データに付与された画像IDを表している。
【0037】
ここで、人物の「属性」とは、人物の外見上の特徴のことである。図3において、属性のリストには、例として、性別、髪色、服色、服種類、ネクタイ、持ち物が含まれている。しかしながら、人物の属性はこれらに限られない。図3において、属性の一つである髪色に関する記号「黒(5)」は、検索の結果中に、黒い髪を持つ人物が5人含まれることを表している。すなわち、「黒」は一つの属性に関する特徴を表し、カッコ内の数字は人数を表す。
【0038】
上述したように、提示部20は、検索の結果に基づいて、対象が1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示する。以下では、提示部20による一覧の提示の例を、いくつか説明する。
【0039】
(一覧の提示の例1)
図4は、提示部20によって提示される一覧の一例を示す。図4は、検索条件ごとに割り当てられた3つの棒グラフを含む図表である。図4に示す3つの棒グラフは、入力された3つの検索条件(すなわち「男性」、「黒い髪」、「青いシャツ」)と対応している。各検索条件の横のかっこ内に示された数値(それぞれ90%、80%、60%)は、確信度の下限値を表している。確信度とは、対象が検索条件を満たすことの確からしさを表す。数値が大きいほど、対象は検索条件を満たす可能性が高い(すなわち確からしい)。例えば、属性「男性」を検索条件とする検索の結果に含まれる対象は、全て確信度が90%以上である。換言すれば、「男性」に分類されることについての確信度が90%を下回るような対象は、図3に示す検索画面に表れることはない。なお、本実施形態1において、確信度の下限値は、予め所定値に設定されている。しかしながら、実施形態2で説明するように、確信度の下限値は可変であってもよい。
【0040】
図4に示す棒グラフにおいて、複数の検索条件が、検索の結果に含まれる対象により満たされるか否かが、棒グラフ内での斜線、縦線、または横線のいずれかのパターンの有無によってそれぞれ表されている。
【0041】
例えば、図4に示す一番上の棒グラフでは、横軸の画像ID(1)~(3)によって特定される3つの対象に相当する部分だけが、斜線を付加されている。このことから、画像ID(1)~(3)によって特定される3つの対象が、検索条件「男性」に分類される。換言すれば、図4の図表における一番上の棒グラフは、画像ID(1)~(3)によって特定される3つの画像データが、確信度の下限値(すなわち90%)以上の確からしさで、男性の画像であることを表している。
【0042】
(一覧の提示の例2)
図5は、提示部20によって提示される一覧の別の例を示す。図5は、検索条件ごとに割り当てられた棒グラフを、図面の縦方向に連結した図表である。図5は、棒グラフと対応する1つの対象が、入力された3つの検索条件の各々を満たすか否かを表している。なお、図5においても、図4と同様に、3つの検索条件の横に示された数値は、確信度の下限値を表している。
【0043】
図5において、6つの棒グラフは、検索された6つの対象(画像ID(1)~(6))と、それぞれ対応している。例えば、一番左の棒グラフは、画像ID(1)によって特定される対象の画像データと対応する。
【0044】
図5において、一番左の棒グラフでは、3つの検索条件(すなわち「男性」「黒い髪」「青いシャツ」)に相当する部分が二重線で表されている。このことから、画像ID(1)によって特定される対象は、上記の3つの検索条件を全て満たすことが分かる。
【0045】
一方、図5において、左から二番目の棒グラフでは、2つの検索条件(すなわち「男性」「黒い髪」)に相当する部分のみが二重線で表されており、残りの1つの検索条件(すなわち「青いシャツ」)に相当する部分が一重線で表されている。このことから、画像ID(2)によって特定される対象は、2つの検索条件(すなわち「男性」「黒い髪」)のみを満たすことが分かる。
【0046】
(一覧の提示の例3)
図6は、提示部20によって提示される一覧のさらに別の例を示す。図6は、対象ごとに割り当てられた6つの図表を含む。図6に示す6つの図表は、図3に示す6つの対象(画像ID(1)~(6))とそれぞれ対応している。なお、図6においても、図4および図5と同様に、入力された検索条件の横の数値は、確信度の下限値を表している。
【0047】
また、6つの図表の位置、形状、および大きさは、図3に示す検索画面における6つの対象の位置、形状、および大きさと対応している。そのため、ユーザは、図6に示す6つの図表が、それぞれ、どの人物の画像データと対応しているのかを容易に理解することが可能である。
【0048】
図6において、対象が1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかが、図表内の斜線、縦線、または横線によって表されている。例えば、画像ID(6)によって特定される対象と対応する右下の図表には、縦線が付与されている。この縦線は、「黒い髪」の検索条件に相当する。このことから、画像ID(6)によって特定される対象は、少なくとも確信度の下限値の確からしさで、「黒い髪」の検索条件のみを満たしていることが分かる。
【0049】
(本実施形態の効果)
検索部10は、入力された1以上の検索条件を満たす対象を検索し、提示部20は、検索部10による検索の結果に基づいて、対象が1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示する。複数の検索条件が入力された場合、ユーザは、提示された一覧を確認して、複数の検索条件の全部、またはその一部である2つ以上の検索条件を満たす対象を理解できる。したがって、複数の検索条件を満たす対象を知ることを助けることができる。
【0050】
〔実施形態2〕
図7図9を参照して、本実施形態2について説明する。
【0051】
(情報処理装置2)
図7は、本実施形態2に係わる情報処理装置2の構成を示すブロック図である。図7に示すように、情報処理装置2は、検索部10、提示部20、および確信度決定部30を備えている。すなわち、本実施形態2に係わる情報処理装置2は、確信度決定部30を備えている点で、前記実施形態1に係わる情報処理装置1とは構成が異なる。
【0052】
確信度決定部30は、検索の結果の確からしさを表す値である確信度の下限値を決定する。確信度決定部30は、確信度決定手段の一例である。確信度の下限値は、検索部10が検索を実行する際の基準である。
【0053】
前記実施形態1では、確信度の下限値は予め設定された固定値であった。一方、本実施形態2では、確信度の下限値は、ユーザ操作に基づいて決定される。本実施形態2において、確信度の下限値の初期値が、予め設定されている。しかし、確信度の下限値は可変である。
【0054】
なお、ユーザが検索画面から確信度の下限値を変更するための操作(ユーザ操作)を行うことができるようにする具体例を、後で説明する。確信度決定部30は、ユーザ操作に基づいて決定した確信度の下限値の情報を、検索部10へ送信する。
【0055】
検索部10は、確信度の下限値を用いて、対象の検索を実行する。より詳細には、検索部10は、検索条件を満たすことの確からしさを表す値が、確信度の下限値を必ず上回るような対象を検索する。例えば、検索条件が「男性」であり、確信度の下限値が80%である場合、対象の属性が「男性」である確率が、80%を上回るような対象のみが、検索部10による検索の結果に含まれる。
【0056】
また、確信度決定部30は、検索条件ごとに決定した確信度の下限値を提示する。例えば、確信度決定部30は、スライドバー上に、検索条件ごとに決定した確信度の下限値を提示する。
【0057】
確信度決定部30は、検索条件ごとに、現在の確信度の下限値を変更するためのユーザ操作を受け付ける。例えば、確信度決定部30は、スライドバー上のスライダーを移動させるユーザ操作を受け付ける。この場合、確信度決定部30は、スライドバー上のスライダーの位置に基づいて、確信度の下限値を決定する。確信度決定部30による確信度の下限値の提示の一例を、後で説明する。
【0058】
(情報処理装置2の動作フロー)
図8を参照して、本実施形態1に係わる情報処理装置2の動作の流れを説明する。図8は、情報処理装置2の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
図8に示すように、確信度決定部30は、確信度の下限値を決定する(S101)。ユーザが確信度の下限値を変更するためのユーザ操作を行った場合、確信度の下限値は、ユーザによって自由に選択される。一方、ユーザが確信度の下限値を一度も変更していない場合、確信度の下限値は、予め設定された初期設定値である。確信度決定部30は、決定した確信度の下限値の情報を、検索部10へ送信する。
【0060】
検索部10は、確信度決定部30から、確信度の下限値の情報を受信する。検索部10は、確信度の下限値を用いて、1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす対象を検索する(S102)。検索部10は、検索の結果を提示部20へ送信する。
【0061】
前記実施形態1において説明したように、検索の結果には、入力された1以上の検索条件のうち少なくとも1つを満たす1または複数の画像データと、各対象を特定するための情報とが少なくとも含まれる。
【0062】
提示部20は、検索部10から、検索の結果を受信する。提示部20は、対象がどの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示する(S103)。例えば、提示部20は、前記実施形態1で説明したように、検索条件ごとに割り当てられた棒グラフを含む図表を、ディスプレイ上に表示する(例えば、前記実施形態1の図4参照)。
【0063】
確信度決定部30は、確信度の下限値を変更するためのユーザ操作が行われたかどうかを判定する(S104)。
【0064】
確信度の下限値を変更するためのユーザ操作が行われなかった場合(S104でNo)、情報処理装置2の動作は終了する。
【0065】
一方、確信度の下限値を変更するためのユーザ操作が行われた場合(S104でYes)、フローはステップS101へ戻る。ステップS101において、確信度決定部30は、ユーザ操作に基づいて、確信度の下限値を調整する。その後、フローは、上述したステップS102へ進む。
【0066】
(確信度の下限値の提示;検索画面の一例)
図9を参照して、確信度決定部30による確信度の下限値の提示の一例を説明する。また、確信度の下限値を変更するユーザ操作の一例を説明する。図9は、本実施形態2に係わる検索画面の一例を示す。図9に示す検索画面中には、属性ごとに、現在の確信度の下限値が、数値(60%、60%、80%、90%)で示されている。
【0067】
また、現在の確信度の下限値を表す数値の下には、スライドバーが表示されている。スライドバーの左端は、最低の確信度(0%)に対応し、スライドバーの右端は、最高の確信度(100%)に対応する。ユーザは、確信度の下限値を変更するためのユーザ操作を行う。具体的には、ユーザは、スライダーをスライドバー上で移動させることによって、確信度の下限値を変更する。図9において、スライドバー上の三角形の図形が、ユーザに移動されるスライダーである。
【0068】
確信度決定部30は、スライダーの移動量に応じて、現在の確信度の下限値を決定する。なお、図9では、スライダーは三角形であるが、スライダーの形状および態様は特に限定されない。確信度決定部30は、決定した確信度の下限値の情報を、検索部10へ送信する。
【0069】
検索部10は、確信度決定部30が決定した確信度の下限値の情報を受信したとき、あるいは、検索キーが押下またはクリックされたとき、確信度決定部30が決定した確信度の下限値を用いて、対象を再検索する。
【0070】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、検索部10は、入力された1以上の検索条件を満たす対象を検索し、提示部20は、検索部10による検索の結果に基づいて、対象が1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示する。複数の検索条件が入力された場合、ユーザは、提示された一覧を確認して、複数の検索条件の全部、またはその一部である2つ以上の検索条件を満たす対象を理解できる。したがって、複数の検索条件を満たす対象を知ることを助けることができる。
【0071】
さらに、確信度決定部30は、検索の結果の確からしさを表す値である確信度の下限値を決定する。検索部10は、確信度の下限値を用いて、対象の検索を実行する。したがって、検索条件を満たすことの確からしさを表す値が、確信度の下限値を上回るような対象を、検索の結果として得ることができる。
【0072】
〔実施形態3〕
図10図12を参照して、本実施形態3について説明する。
【0073】
(情報処理装置3)
図10は、本実施形態3に係わる情報処理装置3の構成を示すブロック図である。図10に示すように、情報処理装置3は、検索部10、提示部20、および推薦部40を備えている。すなわち、本実施形態3に係わる情報処理装置3は、推薦部40を備えている点で、前記実施形態1に係わる情報処理装置1とは構成が異なる。
【0074】
推薦部40は、検索の結果に含まれる対象をさらに絞り込むための他の検索条件を推薦する。推薦部40は、推薦手段の一例である。
【0075】
具体的には、推薦部40は、入力された1以上の検索条件(以下では第1の検索条件と呼ぶ場合がある)とは異なる1または複数の他の検索条件の候補(以下では第2の検索条件と呼ぶ場合がある)による検索の結果を、検索部10から受信する。検索の結果には、対象が他の検索条件の候補(第2の検索条件)を満たすか、あるいは満たさないかを示す情報が含まれる。また、検索の結果には、検索の結果に含まれる対象を特定するための情報が含まれる。
【0076】
推薦部40は、受信した検索の結果に基づいて、1または複数の他の検索条件の候補(第2の検索条件)の中から、推薦する他の検索条件(以下では第3の検索条件と呼ぶ場合がある)を選択する。
【0077】
具体的には、推薦部40は、対象をできるだけ等分に分けられるような他の検索条件の候補(第2の検索条件)を、推薦する他の検索条件(第3の検索条件)として選択することが好ましい。
【0078】
すなわち、推薦部40は、入力された1以上の検索条件(第1の検索条件)を満たす対象を、他の検索条件を満たす約50%と、他の検索条件を満たさない約50%とに分けられるように、あるいはできるだけ50%:50%の比率に近くなるように、推薦する他の検索条件(第3の検索条件)を決定することが好ましい。その理由の一つは、対象の調査を2人あるいはそれ以上のユーザで分担するとき、他の検索条件を満たす対象の全体を調査するコスト(ユーザの手間)と、他の検索条件を満たさない対象の全体を調査するコストとの間で偏りを小さくするためである。
【0079】
推薦部40は、このように決定した他の検索条件をユーザに推薦する。例えば、推薦部40は、他の検索条件を追加することを促すメッセージ等を提示する。
【0080】
加えて、推薦部40は、他の検索条件による対象の検索を行った場合の検索の結果を提示する。例えば、推薦部40は、他の検索条件を用いた場合の検索の結果を、円グラフで提示する。推薦部40による提示の例を、後で説明する。
【0081】
(情報処理装置3の動作フロー)
図11を参照して、本実施形態3に係わる情報処理装置3の動作の流れを説明する。図11は、情報処理装置3の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0082】
図11に示すように、検索部10は、確信度の下限値を用いて、入力された1以上の検索条件(第1の検索条件)のうち、少なくとも1つを満たす対象を検索する(S201)。本実施形態3においても、前記実施形態1と同様に、確信度の下限値は固定されている。しかしながら、一変形例では、情報処理装置3が、前記実施形態2において説明した確信度決定部30を備えていてもよい。この場合、確信度の下限値は可変であり、ユーザ操作に基づいて、確信度の下限値が決定される。
【0083】
検索部10は、第1の検索条件を用いた検索の結果を、提示部20へ送信する。前記実施形態1において説明したように、検索の結果には、各対象がどの検索条件を満たすか、あるいは満たさないかを示す情報と、各対象を特定するための情報とが含まれる。
【0084】
提示部20は、検索部10による検索の結果に基づいて、対象が1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示する(S202)。例えば、提示部20は、前記実施形態1のように、検索条件ごとに割り当てられた棒グラフを含む図表を、ディスプレイ上に表示する(図4参照)。
【0085】
推薦部40は、検索部10から、一または複数の他の検索条件の候補(第2の検索条件)による検索の結果を取得する(S203)。
【0086】
推薦部40は、一または複数の他の検索条件の候補(第2の検索条件)による検索の結果に基づいて、推薦する他の検索条件(第3の検索条件)を決定する(S204)。上述したように、推薦部40は、対象をできるだけ等分に分けられるような他の検索条件の候補(第2の検索条件)を、他の検索条件として選択することが好ましい。
【0087】
推薦部40は、選択した他の検索条件による検索の結果を提示する(S205)。
【0088】
以上で、情報処理装置3の動作は終了する。なお、ステップS201からステップS202までと、ステップS203からステップS205までとは、順序を問わない。すなわち、ステップS203からステップS205までが、ステップS201からステップS202までよりも先に実行されてもよい。
【0089】
(他の検索条件の推薦)
図12は、推薦部40が他の検索条件を推薦するための提示の一例を示す。上述したように、推薦する他の検索条件(第3の検索条件)は、推薦部40によって決定される。図12に示す例において、「ネクタイ」が、推薦する他の検索条件(第3の検索条件)に相当する。
【0090】
図12には、推薦する他の検索条件(すなわち「ネクタイ」)による検索を実行した場合の検索の結果が、円グラフで示されている。しかしながら、推薦する他の検索条件(第3の検索条件)による検索を実行した場合の検索の結果は、円グラフ以外の手段で提示されてもよい。
【0091】
図12によれば、入力された1以上の検索条件(第1の検索条件)に「ネクタイ」が追加された場合、対象は、ネクタイの有無によって、62.5%:37.5%に分かれる。上述したように、この比率は、50%:50%に近いほど好ましい。
【0092】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、検索部10は、入力された1以上の検索条件を満たす対象を検索し、提示部20は、検索部10による検索の結果に基づいて、対象が1以上の検索条件のうち、どの検索条件を満たし、どの検索条件を満たさないかを一覧で提示する。複数の検索条件が入力された場合、ユーザは、提示された一覧を確認して、複数の検索条件の全部、またはその一部である2つ以上の検索条件を満たす対象を理解できる。したがって、複数の検索条件を満たす対象を知ることを助けることができる。
【0093】
さらに、推薦部40は、検索の結果に含まれる対象をさらに絞り込むための他の検索条件を推薦する。これにより、ユーザは、複数の検索条件に他の検索条件を組み合わせることで、検索の結果に含まれる対象をさらに絞り込むことができる。
【0094】
〔実施形態4〕
図13を参照して、実施形態4について以下で説明する。
【0095】
(ハードウェア構成について)
前記実施形態1~3で説明した情報処理装置の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。これらの構成要素の一部又は全部は、例えば図13に示すような情報処理装置900により実現される。図13は、情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0096】
図13に示すように、情報処理装置900は、一例として、以下のような構成を含む。
【0097】
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM(Read Only Memory)902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903にロードされるプログラム904
・プログラム904を格納する記憶装置905
・記録媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
・データの入出力を行う入出力インタフェース910
・各構成要素を接続するバス911
前記実施形態1~3で説明した情報処理装置の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が読み込んで実行することで実現される。各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905やROM902に格納されており、必要に応じてCPU901がRAM903にロードして実行される。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記録媒体906に格納されており、ドライブ装置907が当該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【0098】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、前記実施形態において説明した情報処理装置が、ハードウェアとして実現される。したがって、前記実施形態において説明した効果と同様の効果を奏することができる。
【0099】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、上述した実施形態は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 情報処理装置
2 情報処理装置
3 情報処理装置
900 情報処理装置
10 検索部
20 提示部
30 確信度決定部
40 推薦部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13