(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】店舗監視システム、店舗監視装置、店舗監視方法及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240625BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240625BHJP
A47F 5/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 K
G06Q30/0601 338
A47F5/00 Z
(21)【出願番号】P 2021553648
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(86)【国際出願番号】 JP2020040412
(87)【国際公開番号】W WO2021085467
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】P 2019198268
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】内村 淳
(72)【発明者】
【氏名】田原 裕司
(72)【発明者】
【氏名】富田 莉奈
(72)【発明者】
【氏名】加増 康代
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-159433(JP,A)
【文献】特開2016-099923(JP,A)
【文献】特開2019-079322(JP,A)
【文献】特開2015-148956(JP,A)
【文献】特開2006-059038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G06Q 30/0601
A47F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した撮像画像を用いて
、店舗の商品棚を監視する店舗監視装置と
を備え、
前記店舗監視装置は、
前記撮像装置から前記撮像画像を逐次取得する取得手段と、
前記撮像画像のうち前記商品棚が映り込んでいない非棚画像を排除することで、前記撮像画像から前記商品棚が映り込んでいる棚画像を抽出すると共に、前記棚画像の歪みを補正することで前記商品棚を正面から撮像した場合に得られる正面棚画像を生成する画像生成手段と
、
前記正面棚画像を逐次蓄積する蓄積手段と
を備え
、
前記蓄積手段は、前記正面棚画像が示す前記商品棚の状態の単位時間当たりの変化量に基づき、前記蓄積手段が単位時間当たりに蓄積する正面棚画像の数を変更する
店舗監視システム。
【請求項2】
前記蓄積手段は、前記正面棚画像が示す前記商品棚の状態の単位時間当たりの変化量の増加に伴い、前記蓄積手段が単位時間当たりに蓄積する前記正面棚画像の数を増加する
請求項
1に記載の店舗監視システム。
【請求項3】
前記画像生成手段は、ユーザの操作に基づいて、前記正面棚画像を生成する
請求項1
又は2に記載の店舗監視システム。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記商品棚に付された指標と共に前記商品棚を撮像し、
前記画像生成手段は、前記撮像画像に映り込んでいる前記指標に基づいて、前記正面棚画像を生成する
請求項1から
3のいずれか一項に記載の店舗監視システム。
【請求項5】
前記画像生成手段は、前記商品棚を正面から実際に撮像することで得られた実画像に基づいて、前記正面棚画像を生成する
請求項1から
4のいずれか一項に記載の店舗監視システム。
【請求項6】
店舗の商品棚を監視する店舗監視装置であって、
撮像装置が撮像した撮像画像を逐次取得する取得手段と、
前記撮像画像のうち前記商品棚が映り込んでいない非棚画像を排除することで、前記撮像画像から前記商品棚が映り込んでいる棚画像を抽出すると共に、前記棚画像の歪みを補正することで前記商品棚を正面から撮像した場合に得られる正面棚画像を生成する画像生成手段と
、
前記正面棚画像を逐次蓄積する蓄積手段と
を備え
、
前記蓄積手段は、前記正面棚画像が示す前記商品棚の状態の単位時間当たりの変化量に基づき、前記蓄積手段が単位時間当たりに蓄積する正面棚画像の数を変更する
店舗監視装置。
【請求項7】
店舗の商品棚を監視する店舗監視方法であって、
撮像装置が撮像した撮像画像を逐次取得することと、
前記撮像画像のうち前記商品棚が映り込んでいない非棚画像を排除することで、前記撮像画像から前記商品棚が映り込んでいる棚画像を抽出すると共に、前記棚画像の歪みを補正することで前記商品棚を正面から撮像した場合に得られる正面棚画像を生成することと
、
前記正面棚画像を逐次蓄積することと
を含
み、
前記蓄積することは、前記正面棚画像が示す前記商品棚の状態の単位時間当たりの変化量に基づき、単位時間当たりに蓄積する正面棚画像の数を変更する
店舗監視方法。
【請求項8】
店舗の商品棚を監視する店舗監視方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記店舗監視方法は、
撮像装置が撮像した撮像画像を逐次取得することと、
前記撮像画像のうち前記商品棚が映り込んでいない非棚画像を排除することで、前記撮像画像から前記商品棚が映り込んでいる棚画像を抽出すると共に、前記棚画像の歪みを補正することで前記商品棚を正面から撮像した場合に得られる正面棚画像を生成することと
、
前記正面棚画像を逐次蓄積することと
を含
み、
前記蓄積することは、前記正面棚画像が示す前記商品棚の状態の単位時間当たりの変化量に基づき、単位時間当たりに蓄積する正面棚画像の数を変更する
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗の商品棚を監視するための店舗監視システム、店舗監視装置、店舗監視方法及び記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット及びコンビニエンスストア等の店舗の商品棚を監視するための店舗監視システムが知られている(例えば、特許文献1から3参照)。その他、商品棚を監視するための店舗監視システムを開示する文献ではないものの、本願発明に関連する先行技術文献として、特許文献4があげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-008622号公報
【文献】特開2018-139062号公報
【文献】特開2000-270297号公報
【文献】特開2018-201146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
店舗監視システムは、典型的には、店舗に設置された撮像装置と、撮像装置が撮像した撮像画像を用いて商品棚を監視する店舗監視装置とを備えている。この場合、店舗監視装置は、撮像画像から商品棚を監視するために適した画像を生成し、生成した画像を用いて商品棚を監視することが好ましい。上述した特許文献1から4に記載された店舗監視システムは、撮像画像から店舗を監視するために適した画像を生成するという点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上述した技術的問題を解決可能な店舗監視システム、店舗監視装置、店舗監視方法及び記録媒体を提供することを課題とする。一例として、本発明は、撮像画像から店舗を監視するために適した画像を適切に生成することが可能な店舗監視システム、店舗監視方法及び記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための店舗監視システムの一例は、撮像装置と、前記撮像装置が撮像した撮像画像を用いて、前記店舗の商品棚を監視する店舗監視装置とを備え、前記店舗監視装置は、前記撮像装置から前記撮像画像を逐次取得する取得手段と、前記撮像画像のうち前記商品棚が映り込んでいない非棚画像を排除することで、前記撮像画像から前記商品棚が映り込んでいる棚画像を抽出すると共に、前記棚画像の歪みを補正することで前記商品棚を正面から撮像した場合に得られる正面棚画像を生成する画像生成手段とを備える。
【0007】
課題を解決するための店舗監視装置の一例は、店舗の商品棚を監視する店舗監視装置であって、撮像装置が撮像した撮像画像を逐次取得する取得手段と、前記撮像画像のうち前記商品棚が映り込んでいない非棚画像を排除することで、前記撮像画像から前記商品棚が映り込んでいる棚画像を抽出すると共に、前記棚画像の歪みを補正することで前記商品棚を正面から撮像した場合に得られる正面棚画像を生成する画像生成手段とを備える。
【0008】
課題を解決するための店舗監視方法の一例は、店舗の商品棚を監視する店舗監視方法であって、撮像装置が撮像した撮像画像を逐次取得することと、前記撮像画像のうち前記商品棚が映り込んでいない非棚画像を排除することで、前記撮像画像から前記商品棚が映り込んでいる棚画像を抽出すると共に、前記棚画像の歪みを補正することで前記商品棚を正面から撮像した場合に得られる正面棚画像を生成することとを含む。
【0009】
課題を解決するための記録媒体の一例は、店舗の商品棚を監視する店舗監視方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体であって、前記店舗監視方法は、撮像装置が撮像した撮像画像を逐次取得することと、前記撮像画像のうち前記商品棚が映り込んでいない非棚画像を排除することで、前記撮像画像から前記商品棚が映り込んでいる棚画像を抽出すると共に、前記棚画像の歪みを補正することで前記商品棚を正面から撮像した場合に得られる正面棚画像を生成することとを含むコンピュータプログラムが記録された記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
上述した店舗監視システム、店舗監視装置、店舗監視方法及び記録媒体によれば、撮像画像から店舗を監視するために適した画像を適切に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態の店舗監視システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の店舗監視システムが採用されている店舗5の一例を示す見取り図である。
【
図3】
図3は、本実施形態の店舗監視サーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の撮像装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、画像生成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、撮像装置が撮像した撮像画像を示す平面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す撮像画像から生成された正面棚画像を示す平面図である。
【
図8】
図8(a)は、複数の基準点が配置された撮像画像を示す平面図であり、
図8(b)は、
図8(a)に示す撮像画像から生成された正面棚画像を、複数の基準点と共に示す平面図である。
【
図9】
図9は、撮像画像と共に正面棚画像及び教師画像を表示する表示装置を示す平面図である。
【
図10】
図10は、複数のマークが配置された商品棚を示す平面図である。
【
図11】
図11は、
図10に示す複数のマークが配置された商品棚を撮像することで得られる撮像画像を示す平面図であり、
図11(b)は、複数のマークが配置された商品棚を示す平面図である。
【
図12】
図12は、複数のマークが配置された商品棚の他の例を示す平面図である。
【
図13】
図13は、円周魚眼レンズを含むカメラによって撮像された撮像画像と、この撮像画像を平面展開することで生成されるパノラマ画像とを示す平面図である。
【
図14】
図14は、本実施形態の店舗監視サーバの構成の他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、店舗監視システム、店舗監視装置、店舗監視方法及び記録媒体の実施形態について説明する。以下では、店舗監視システム、店舗監視方法及び記録媒体の実施形態が適用された店舗監視システム4について説明する。
【0013】
はじめに、
図1を参照しながら、本実施形態の店舗監視システム4の全体構成について説明する。
図1は、本実施形態の店舗監視システム4の全体構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、店舗監視システム4は、店舗監視サーバ1と、複数の撮像装置2とを備える。但し、店舗監視システム4は、単一の撮像装置2を備えていてもよい。店舗監視サーバ1と複数の撮像装置2の夫々とは、ネットワーク網3を介して互いに通信可能である。ネットワーク網3は、有線のネットワーク網を含んでいてもよいし、無線のネットワーク網を含んでいてもよい。
【0015】
このような店舗監視システム4が採用される店舗5の一例が、店舗5の見取り図として
図2に示されている。例えば、
図2に示すように、店舗5は、複数の商品棚6が設置されたショッピングスペース51を備える。
図2は、16個の商品棚6(具体的には、商品棚6#1から6#16)が設置されたショッピングスペース51を示している。但し、商品棚6の数が16に限定されることはない。ショッピングスペース51には、17個以上の商品棚6が設置されていてもよいし、15個以下の商品棚6が設置されていてもよいし、単一の商品棚6が設置されていてもよい。顧客は、店舗5の入口52を介して、店舗5の外部からショッピングスペース51に入場可能である。その結果、顧客は、ショッピングスペース51に設置された商品棚6に陳列された商品を購入することができる。更に、顧客は、入口52を介して、ショッピングスペース51から店舗5の外部に退場可能である。尚、
図2は、店舗5の内部にショッピングスペース51が配置される例を示している。しかしながら、ショッピングスペース51の少なくとも一部が、店舗5の外部(例えば、店舗5の軒先等)に配置されていてもよい。
【0016】
図2(更には、
図1)に示すように、撮像装置2は、ショッピングスペース51を撮像可能な位置(例えば、店舗5の内部及び/又は外部)に配置される。
図2は、9個の撮像装置2(具体的には、撮像装置2#1から撮像装置2#9)が店舗5内に配置される例を示している。撮像装置2は、ショッピングスペース51に設置された少なくとも一つの商品棚6を撮像することで、少なくとも一つの商品棚6の状態を示す撮像画像71を生成する。撮像装置2は、生成した撮像画像71を、ネットワーク網3を介して店舗監視サーバ1に送信(言い換えれば、出力)する。
【0017】
店舗監視サーバ1は、撮像装置2から送信されてきた撮像画像71を受信(言い換えれば、取得)する。店舗監視サーバ1は、取得した撮像画像71を用いて、店舗5の商品棚6を監視する。具体的には、店舗監視サーバ1は、撮像画像71から、撮像画像71に映り込んでいる商品棚6であって且つ監視するべき商品棚6を正面から撮像した場合に得られる正面棚画像72を生成するための画像生成動作を行う。更に、店舗監視サーバ1は、生成した正面棚画像72を用いて、商品棚6を監視するための監視動作を行う。尚、店舗監視サーバ1は、店舗5内に配置されていてもよいし、店舗5外に配置されていてもよい。
【0018】
以下、このような店舗監視システム4を構成する各装置(つまり、店舗監視サーバ1及び撮像装置2)の構成について順に説明する。
【0019】
まず、
図3を参照しながら、本実施形態の店舗監視サーバ1の構成について説明する。
図3は、本実施形態の店舗監視サーバ1の構成を示すブロック図である。
【0020】
図3に示すように、店舗監視サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、記憶装置12と、通信装置13と、入力装置14と、表示装置15とを備えている。CPU11と、記憶装置12と、通信装置13と、入力装置14と、表示装置15とは、データバス16を介して接続されている。
【0021】
CPU11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、CPU11は、記憶装置12が記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、CPU11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。CPU11は、通信装置13を介して、店舗監視サーバ1の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、ダウンロードしてもよい又は読み込んでもよい)。CPU11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行する。その結果、CPU11内には、店舗監視サーバ1が行うべき動作(例えば、上述した画像生成動作及び監視動作)を実行するための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、CPU11は、店舗監視サーバ1が行うべき動作を実行するための論理的な機能ブロックを実現するためのコントローラとして機能可能である。
【0022】
図3には、店舗監視サーバ1が行うべき動作を実行するためにCPU11内に実現される論理的な機能ブロックの一例が示されている。
図3に示すように、CPU11内には、画像取得部111と、画像生成部112と、監視部113とが実現される。画像取得部111は、カメラ21が商品棚6を撮像する都度(つまり、新たな撮像画像71が生成される都度)、通信装置13を介して撮像装置2から撮像画像71を逐次取得する。画像生成部112は、カメラ21が商品棚6を撮像する都度(つまり、新たな撮像画像71が生成される都度)、上述した画像生成動作を実行することで正面棚画像72を生成する。監視部113は、上述した監視動作を実行する。
【0023】
記憶装置12は、所望のデータを記憶可能である。例えば、記憶装置12は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶していてもよい。記憶装置12は、CPU11がコンピュータプログラムを実行している際にCPU11が一時的に使用するデータを一時的に記憶してもよい。記憶装置12は、店舗監視サーバ1が長期的に保存するデータを記憶してもよい。本実施形態では特に、記憶装置12は、画像生成動作によって生成された正面棚画像72を蓄積しておく(つまり、記録、記憶又は格納しておく)画像DB(DataBase)121を記憶している。つまり、記憶装置12は、カメラ21が商品棚6を撮像する都度(つまり、新たな撮像画像71が生成される都度)、当該撮像画像71から生成される正面棚画像72を画像DB121に逐次蓄積する。尚、記憶装置12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0024】
通信装置13は、ネットワーク網3を介して、複数の撮像装置2と通信可能である。本実施形態では、通信装置13は、ネットワーク網3を介して、複数の撮像装置2の夫々が撮像した撮像画像71を、複数の撮像装置2の夫々から受信可能である。
【0025】
入力装置14は、店舗監視サーバ1のユーザ(例えば、店舗5の管理者)からの入力操作を受け付ける装置である。入力装置14は、例えば、ユーザが操作可能な操作装置を含んでいてもよい。入力装置14は、操作装置の一例として、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを備えていてもよい。
【0026】
表示装置15は、所望の画像を表示可能な出力装置(つまり、ディスプレイ)である。
【0027】
続いて、
図4を参照しながら、本実施形態の撮像装置2の構成について説明する。
図4は、本実施形態の撮像装置2の構成を示すブロック図である。
【0028】
図4に示すように、撮像装置2は、カメラ21と、通信装置22とを備えている。カメラ21と、通信装置22とは、データバス23を介して接続されていてもよい。
【0029】
カメラ21は、少なくとも一つの商品棚6を撮像することで、少なくとも一つの商品棚6の状態を示す撮像画像71を生成する装置である。具体的には、カメラ21は、カメラ21の撮像範囲(言い換えれば、撮像画角)内に、カメラ21が撮像するべき少なくとも一つの商品棚6が位置する(つまり、含まれる)ように、店舗5内に配置される。つまり、カメラ21は、カメラ21が撮像するべき少なくとも一つの商品棚6を撮像するように、店舗5内に配置される。本実施形態では、カメラ21の撮像範囲は、原則として、固定されていることが好ましい。つまり、カメラ21が撮像するべき少なくとも一つの商品棚6は、原則として変わらないことが好ましい。カメラ21は、同じ商品棚6を撮像し続けることが好ましい。
【0030】
カメラ21は、所定の撮像レートで商品棚6を撮像し続ける。例えば、所定の撮像レートが1fps(Frame Per Sec)に設定された場合には、カメラ21は、1秒間に1枚の撮像画像71が生成されるように、1秒間に1回ずつ商品棚6を撮像する動作を繰り返す。
【0031】
カメラ21は、広角レンズを含むカメラであってもよい。カメラ21は、円周魚眼レンズを含む魚眼カメラであってもよい。カメラ21は、対角線魚眼レンズを含む魚眼カメラであってもよい。カメラ21は、その他の種類のレンズを含むカメラであってもよい。
【0032】
通信装置22は、ネットワーク網3を介して、店舗監視サーバ1と通信可能である。本実施形態では、通信装置22は、ネットワーク網3を介して、カメラ21が撮像した撮像画像71を店舗監視サーバ1に送信可能である。
【0033】
尚、上述した説明では、複数の撮像装置2の夫々が通信装置22を備えている。しかしながら、複数の撮像装置2のうちの少なくとも二つが、共用の通信装置22を用いて撮像画像71を店舗監視サーバ1に送信してもよい。この場合、共用の通信装置22を用いる少なくとも二つの撮像装置2が夫々備える少なくとも二つのカメラ21と共用の通信装置22とが、不図示のデータバスを介して接続されていてもよい。
【0034】
続いて、店舗監視システム4の動作について説明する。上述したように、店舗監視システム4は、監視動作と、画像生成動作とを実行する。このため、以下では、監視動作と、画像生成動作とについて順に説明する。尚、本実施形態では、主として、店舗監視サーバ1が、複数の撮像装置2と共に上述した各動作を実行する。このため、本実施形態では、店舗監視システム4が実行する動作は、店舗監視サーバ1によって実行されてもよい。
【0035】
初めに、画像生成動作によって生成された正面棚画像72に基づいて商品棚6を監視する監視動作について説明する。
【0036】
監視部113は、監視動作の一部として、正面棚画像72に基づいて、正面棚画像72に映り込んだ商品棚6に異常が発生しているか否かを監視する動作を実行してもよい。商品棚6に発生する異常は、商品棚6に陳列されている商品の数が下限値を下回っているという異常を含んでいてもよい。商品棚6に発生する異常は、商品棚6に陳列されている商品が不足しているという異常を含んでいてもよい。商品棚6に発生する異常は、商品棚6において商品が陳列されていない空きスペースのサイズが所定サイズ以上になるという異常を含んでいてもよい。商品棚6に発生する異常は、商品棚6に、当該商品棚6に陳列されるべき商品とは異なる商品が陳列されているという異常を含んでいてもよい。
【0037】
監視部113は、監視動作の一部として、商品棚6に異常が発生していることを店舗監視システム4のユーザ(例えば、上述したように、店舗5の管理者)に報知する動作を実行してもよい。例えば、監視部113は、商品棚6に異常が発生していることを示す警報画像が表示装置15に表示されるように、表示装置15を制御してもよい。例えば、監視部113は、商品棚6に異常が発生していることを示す警報画像が、ユーザが保有するユーザ端末(例えば、スマートフォン等の携帯端末)に表示されるように、ユーザ端末を制御してもよい。その結果、ユーザは、商品棚6に異常が発生していることを早期に認識することができる。ユーザは、商品棚6に発生している異常を解消するための対策をとることができる。
【0038】
上述したように、記憶装置12は、カメラ21が商品棚6を撮像する都度(つまり、新たな撮像画像71が生成される都度)、当該撮像画像71から生成される正面棚画像72を画像DB121に逐次蓄積している。ここで、正面棚画像72に映り込んでいる商品棚6の状態が変わっていない又はそれほど大きくは変わっていない場合には、画像DB121には、実質的に同じ状態の商品棚6が映り込んでいる複数の正面棚画像72(つまり、実質的に同じ複数の正面棚画像72)が蓄積される。しかしながら、正面棚画像72に映り込んでいる商品棚6の状態が変わっていない又はそれほど大きくは変わっていない場合には、実質的に同じ状態の商品棚6が映り込んでいる複数の正面棚画像72の全てが蓄積される必要性は相対的に低いとも言える。一方、正面棚画像72に映り込んでいる商品棚6の状態が相対的に大きく変わっている場合には、相対的に短い時間間隔で取得された複数の撮像画像71から生成された複数の正面棚画像72が蓄積されていれば、店舗監視システム4は、商品棚6の状態がどのように変化したかを適切に監視可能となる。そこで、記憶装置12は、正面棚画像72に映り込んでいる商品棚6の状態の単位時間当たりの変化量に基づいて、記憶装置12が画像DB121に単位時間当たりに蓄積する正面棚画像72の数を変更してもよい。典型的には、記憶装置12は、正面棚画像72に映り込んでいる商品棚6の状態の単位時間当たりの変化量が少なくなるほど、記憶装置12が画像DB121に単位時間当たりに蓄積する正面棚画像72の数が少なくなるように、記憶装置12が画像DB121に単位時間当たりに蓄積する正面棚画像72の数を変更してもよい。記憶装置12は、正面棚画像72に映り込んでいる商品棚6の状態の単位時間当たりの変化量が多くなるほど、記憶装置12が画像DB121に単位時間当たりに蓄積する正面棚画像72の数が多くなるように、記憶装置12が画像DB121に単位時間当たりに蓄積する正面棚画像72の数を変更してもよい。例えば、記憶装置12は、商品棚6の状態の単位時間当たりの変化量が第1の量である場合には、単位時間当たりに第1の枚数の正面棚画像72を蓄積し、商品棚6の状態の単位時間当たりの変化量が第1の量よりも多い第2の量である場合には、単位時間当たりに第1の枚数よりも多い第2の枚数の正面棚画像72を蓄積してもよい。その結果、実質的に同じ複数の正面棚画像72が記憶されることに起因した記憶装置12の記憶容量の圧迫が抑制されると共に、状態が相対的に大きく変化する商品棚6の適切な監視が可能となる。
【0039】
尚、正面棚画像72に映り込んでいる商品棚6の状態の単位時間当たりの変化量は、監視部113によって算出されてもよい。この場合、監視部113は、正面棚画像72に映り込んでいる商品棚6の状態の単位時間当たりの変化量に基づいて、記憶装置12が画像DB121に単位時間当たりに蓄積する正面棚画像72の数を変更するように、記憶装置12を制御してもよい。
【0040】
続いて、
図5を参照しながら、監視動作で用いられる正面棚画像72を生成する画像生成動作について説明する。
図5は、画像生成動作の流れを示すフローチャートである。
【0041】
図5に示すように、画像取得部111は、通信装置13を介して、撮像装置2から撮像画像71を取得する(ステップS11)。ここで、上述したように、撮像装置2のカメラ21は、所定の撮像レートで商品棚6を撮像し続ける。このため、画像取得部111は、カメラ21が商品棚6を撮像する都度(つまり、新たな撮像画像71が生成される都度)、撮像装置2から撮像画像71を逐次取得する。つまり、カメラ21が商品棚6を撮像する都度(つまり、新たな撮像画像71が生成される都度)、店舗監視サーバ1は、
図5に示す画像生成動作を逐次開始する。
【0042】
但し、店舗監視サーバ1は、撮像装置2から受信した複数の撮像画像71の一部に対して画像生成動作を実行する一方で、撮像装置2から受信した複数の撮像画像71の他の一部に対して画像生成動作を実行しなくてもよい。この場合、撮像装置2から受信した複数の撮像画像71の全てに対して画像生成動作が実行される場合と比較して、画像生成動作に要する処理負荷が低減される。
【0043】
その後、画像生成部112は、ステップS11で取得された撮像画像71から、正面棚画像72を生成する(ステップS12)。ここで、撮像画像71から正面棚画像72を生成する理由について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、撮像画像71を示す平面図である。
【0044】
店舗5内に設置される撮像装置2のカメラ21は、通常、カメラ21が撮像するべき商品棚6を正面から撮像することは困難である。このため、通常は、カメラ21は、店舗5の天井に配置され、商品棚6の上方又は斜め上方から商品棚6を撮像することが多い。この場合、カメラ21が商品棚6を正面から撮像していないがゆえに、
図6に示すように、撮像画像71には、商品棚6が歪んで映り込む可能性がある。
【0045】
更に、カメラ21の撮像範囲には、カメラ21が撮像するべき商品棚6とは異なる物体が含まれる可能性がある。その結果、カメラ21が撮像した撮像画像71には、カメラ21が撮像するべき商品棚6とは異なる物体が映り込む可能性がある。例えば、
図6は、商品棚6#1を撮像するべきカメラ21(例えば、
図2の撮像装置2#1のカメラ21(以降、“カメラ#21”と称する))が撮像した撮像画像71を示している。
図6に示すように、撮像画像71には、商品棚6#1のみならず、カメラ21#1が撮像しなくてもよい商品棚6#2も映り込んでいる。
図6に示すように、撮像画像71には、商品棚6#1のみならず、商品棚6以外の物体(例えば、店舗5の床、店舗5の壁、店舗5で販売されている商品及び店舗5の掲示物のうちの少なくとも一つ)も映り込んでいる。このようなカメラ21が撮像するべき商品棚6とは異なる物体は、商品棚6を監視するためには不要な物体であると言える。
【0046】
このように、撮像画像71は、商品棚6を監視するために適した画像であるとは限らない。そこで、本実施形態では、画像生成部112は、撮像画像71から、撮像画像71よりも商品棚6を監視するのに適した正面棚画像72を生成する。その結果、正面棚画像72が生成されない場合と比較して、後述する監視動作によって商品棚6がより適切に監視可能となる。
【0047】
図6に示す撮像画像71から生成された正面棚画像72が
図7に示されている。
図7に示すように、正面棚画像72に映り込んでいる商品棚6は、撮像画像71に映り込んでいる商品棚6よりも歪みが少ない。或いは、正面棚画像72に映り込んでいる商品棚6は、歪んでいない。更には、正面棚画像72には、撮像画像71に映り込んでいた、商品棚6を監視するためには不要な物体が映り込んでいない。店舗監視サーバ1は、この正面棚画像72を用いて、監視動作を実行する。
【0048】
撮像画像71から正面棚画像72を生成するために、画像生成部112は、撮像画像71から、正面棚画像72に含めるべき商品棚6が映り込んだ画像部分(つまり、棚画像)を抽出する。言い換えれば、画像生成部112は、撮像画像71から、正面棚画像72に含めるべき商品棚6が映り込んだ画像部分以外の残りの画像部分を排除する。画像生成部112は、撮像画像71から、正面棚画像72に含めるべき商品棚6が映り込んでいない画像部分(つまり、非棚画像部分)を排除する。
図6に示す例では、画像生成部112は、商品棚6#1を取り囲む太い点線内の画像部分を、抽出画像として抽出してもよい。つまり、画像生成部112は、商品棚6#1を取り囲む太い点線の外側の画像部分を排除してもよい。
【0049】
撮像画像71から正面棚画像72を生成するために、画像生成部112は、抽出した商品棚6の画像に相当する抽出画像の歪みを補正する。具体的には、画像生成部112は、抽出画像の歪みが少なくなる又はなくなるように、抽出画像を変形する。画像生成部112は、抽出画像に映り込んだ商品棚6の歪みが少なくなる又はなくなるように、抽出画像を変形する。その結果、歪みが補正された抽出画像は、正面棚画像72として用いられる。
【0050】
或いは、画像生成部112は、撮像画像71の歪みを補正した後に、歪みを補正した撮像画像71から、正面棚画像72に含めるべき商品棚6が映り込んだ画像部分を抽出してもよい。つまり、画像生成部112は、撮像画像71の歪みを補正した後に、歪みを補正した撮像画像71から、正面棚画像72に含めるべき商品棚6が映り込んでいない画像部分を排除してもよい。或いは、画像生成部112は、撮像画像71の歪みを補正する処理と、撮像画像71から正面棚画像72に含めるべき商品棚6が映り込んだ画像部分を抽出する処理とを同時に又は並行して実行してもよい。つまり、画像生成部112は、撮像画像71の歪みを補正する処理と、撮像画像71から正面棚画像72に含めるべき商品棚6が映り込んでいない画像部分を排除する処理とを同時に又は並行して実行してもよい。いずれの場合であっても、撮像画像71から正面棚画像72が生成されることに変わりはない。
【0051】
再び
図5において、ステップS12で生成された正面棚画像72は、記憶装置12に記憶されている画像DB121に蓄積される(ステップS13)。ここで、上述したように、カメラ21が商品棚6を撮像する都度(つまり、新たな撮像画像71が生成される都度)、店舗監視サーバ1は、
図5に示す画像生成動作を逐次開始する。このため、画像生成部112は、カメラ21が商品棚6を撮像する都度(つまり、新たな撮像画像71が生成される都度)、正面棚画像72を逐次生成する。従って、記憶装置12もまた、画像生成部112が正面棚画像72を生成する都度、正面棚画像72を画像DB121に逐次蓄積する。記憶装置12に蓄積された正面棚画像72は、例えば、後述する監視動作において商品棚6を監視するために用いられる。
【0052】
続いて、撮像画像71から正面棚画像72を生成するための具体的方法について説明する。本実施形態では、画像生成部112は、第1の画像生成方法、第2の画像生成方法及び第3の画像生成方法のうちの少なくとも一つを用いて、撮像画像71から正面棚画像72を生成する。第1の画像生成方法、第2の画像生成方法及び第3の画像生成方法は、その処理内容(つまり、撮影画像71から正面棚画像72を生成するための処理内容)を設定するための方法が異なるという点で互いに異なる。このため、以下では、第1の画像生成方法から第3の画像生成方法について順に説明する。
【0053】
尚、画像生成方法の処理内容を設定するための動作(例えば、後述するユーザの設定操作に基づいて画像生成方法の処理内容を設定する動作、後述するマーク91に基づいて画像生成方法の処理内容を設定する動作、又は、教師画像73に基づいて画像生成方法の処理内容を設定する動作)は、店舗監視システム4の運用開始前に行われてもよい。画像生成方法の処理内容を設定するための動作は、店舗監視システム4の運用開始後に行われてもよい。画像生成方法の処理内容が一旦設定された場合には、画像生成部112は、設定された処理内容に従って、正面棚画像72を生成してもよい。つまり、画像生成方法を設定するための動作は、少なくとも一回行われれば十分である。但し、画像生成方法を設定するための動作が既に行われている場合であっても、画像生成方法を設定するための動作が再度行われてもよい。その結果、より適切な正面棚画像72が生成されるように、画像生成方法の処理内容が設定される(言い換えれば、変更、調整又は更新される)。
【0054】
第1の画像生成方法は、店舗監視システム4のユーザ(例えば、上述したように、店舗5の管理者)の指示に基づいてその処理内容が設定される画像生成方法である。具体的には、ユーザは、入力装置14を用いて、第1の画像生成方法の処理内容を設定するための設定操作を入力する。画像生成部112は、入力装置14を用いてユーザが行った設定操作の内容に基づいて、第1の画像生成方法の処理内容を設定する。この場合、画像生成部112は、入力装置14を用いてユーザが行った設定操作の内容に基づいて、撮像画像71から正面棚画像72を生成しているとも言える。
【0055】
第1の画像生成方法を用いる場合には、画像生成部112は、まず、撮像画像71を表示するように、表示装置15を制御してもよい。その結果、表示装置15に撮像画像71が表示される。この場合、ユーザは、表示装置15に表示された撮像画像71を参照しながら、第1の画像生成方法の処理内容を設定するための設定操作を行うことができる。このため、撮像画像71が表示されない場合と比較して、ユーザは、第1の画像生成方法の処理内容を設定しやすくなる。
【0056】
撮像画像71が表示装置15に表示される場合には、第1の画像生成方法の処理内容を設定するための設定操作は、表示装置15に表示されている撮像画像71上で複数の基準点81を配置する操作を含んでいてもよい。撮像画像71上で複数の基準点81が配置される場合には、画像生成部112は、配置された複数の基準点81を撮像画像71と共に表示するように、表示装置15を制御してもよい。
【0057】
この場合、ユーザは、撮像画像71上に配置した複数の基準点81が、撮像画像71から生成された正面棚画像72上で所定の配列パターンで配列されるように、撮像画像71上に複数の基準点81を配置する。つまり、ユーザは、撮像画像71中の複数の画素に複数の基準点81が夫々配置された状況下で当該撮像画像71から正面棚画像72が生成された場合に、正面棚画像72中の対応する複数の画素(つまり、複数の基準点81が夫々配置された複数の画素)が所定の配列パターンで配列されるように、撮像画像71上に複数の基準点81を配置する。言い換えれば、ユーザは、歪みが補正された正面棚画像72上で所定の配列パターンで配列される複数の基準点81を、歪みが未だ補正されていない撮像画像71上の対応する位置(つまり、正面棚画像72中で複数の基準点81が夫々配置された複数の画素に対応する複数の画素)に配置する。
【0058】
例えば、
図8(a)は、複数の基準点81が配置された撮像画像71を示しており、
図8(b)は、
図8(a)に示す撮像画像71から生成された正面棚画像72を、複数の基準点81と共に示している。
図8(a)及び
図8(b)に示す例では、ユーザは、撮像画像71上に配置した複数の基準点81が、正面棚画像72上で5行×5列のマトリクス状の(つまり、格子状の)配列パターンで配列されるように、撮像画像71上に複数の基準点81を配置する。つまり、
図8(a)及び
図8(b)に示す例では、ユーザは、複数の撮像画像71中の複数の画素に複数の基準点81が夫々配置された状況下で当該撮像画像71から正面棚画像72が生成された場合に、正面棚画像72中の対応する複数の画素が5行×5列のマトリクス状の配列パターンで配列されるように、撮像画像71上に複数の基準点81を配置する。言い換えれば、ユーザは、正面棚画像72上で5行×5列のマトリクス状の配列パターンで配列される複数の基準点81を、歪みが未だ補正されていない撮像画像71上の対応する位置に配置する。
【0059】
図8(a)及び
図8(b)に示すように複数の基準点81が正面棚画像72上でマトリクス状の配列パターンで配列されるように複数の基準点81が配置される場合には、画像生成部112は、配置された複数の基準点81を格子状に結ぶ複数の基準線82を撮像画像71と共に表示するように、表示装置15を制御してもよい。但し、
図8(a)に示すように、撮像画像71が歪んでいるがゆえに、撮像画像71と共に表示される複数の基準線82は、必ずしも規則的に又は周期的に交わる格子を形成するとは限らない。一方で、
図8(b)に示すように、複数の基準線82は、正面棚画像72内において、規則的に又は周期的に交わる格子を形成する。この場合、ユーザは、複数の基準線82が正面棚画像72内において規則的に又は周期的に交わる格子を形成する(つまり、所定の配列パターンで配列される)ように、撮像画像71上に複数の基準点81を配置してもよい。
【0060】
このような複数の基準点81が設定される場合には、画像生成部112は、例えば、撮像画像71内での複数の基準点81の配置位置と、複数の基準点81の本来の配列パターン(
図8(a)及び
図8(b)に示す例では、マトリクス状の配列パターン)とに基づいて、第1の画像生成方法の処理内容を設定する。例えば、画像生成部112は、撮像画像71上に配置された複数の基準点81が所定の配列パターンで配列するように撮像画像71を変形させるための処理内容を、第1の画像生成方法の処理内容として設定してもよい。複数の基準点81が基準線82で結ばれることを考慮すれば、例えば、画像生成部112は、撮像画像71上に配置された複数の基準線82が所定の配列パターンで配列するように撮像画像71を変形させるための処理内容を、第1の画像生成方法の処理内容として設定してもよい。
【0061】
画像生成部112は、商品棚6毎に、第1の画像生成方法の処理内容を設定する。なぜならば、異なる複数の商品棚6が異なる複数のカメラ21によって夫々撮像される場合には、撮像画像71に映り込んでいる商品棚6の歪みは、商品棚6とカメラ21と間の位置関係に応じて変わるからである。更には、異なる複数の商品棚6が単一のカメラ21で撮像される場合であっても、撮像画像71中の異なる複数の位置に複数の商品棚6が夫々映り込むがゆえに、商品棚6の歪みは、撮像画像71中で商品棚6が映り込んでいる位置に応じて変わるからである。例えば、
図2に示す例では、画像生成部112は、商品棚6#1に対応する正面棚画像72を生成するための第1の画像生成方法の処理内容と、商品棚6#2に対応する正面棚画像72を生成するための第1の画像生成方法の処理内容と、商品棚6#3に対応する正面棚画像72を生成するための第1の画像生成方法の処理内容と、・・・、商品棚6#15に対応する正面棚画像72を生成するための第1の画像生成方法の処理内容と、商品棚6#16に対応する正面棚画像72を生成するための第1の画像生成方法の処理内容とを別々に設定する。
【0062】
第1の画像生成方法を用いる場合には、
図9に示すように、画像生成部112は、表示装置15に表示されている撮像画像71から生成される正面棚画像72を、撮像画像71と共に表示するように、表示装置15を制御してもよい。この場合、画像生成部112は、第1の画像生成方法の処理内容を設定する都度、設定された最新の処理内容に基づいて、正面棚画像72を生成し直してもよい。更に、表示装置15は、画像生成部112が正面棚画像72を生成し直す都度、生成し直された最新の正面棚画像72を表示してもよい。この場合、ユーザは、現時点でのユーザの設定操作によって処理内容が設定された第1の画像生成方法を用いて生成される正面棚画像72を参照しながら、第1の画像生成方法の処理内容を設定するための設定操作を行うことができる。従って、ユーザは、正面棚画像72が適切な画像になるように、第1の画像生成方法の処理内容を設定するための設定操作を適切に行うことができる。
【0063】
第1の画像生成方法を用いる場合には、
図9に示すように、画像生成部112は、表示装置15に表示されている撮像画像71に映り込んでいる商品棚6を実際に正面から撮像することで得られた教師画像73を正面棚画像72と並べて表示するように、表示装置15を制御してもよい。教師画像73は、典型的には、撮像装置2のカメラ21とは異なるカメラを用いて商品棚6を実際に正面から撮像することで得られた画像である。但し、教師画像73は、典型的には、撮像装置2のカメラ21を用いて商品棚6を実際に正面から撮像することで得られた画像であってもよい。この場合、ユーザは、正面棚画像72と教師画像73とを対比しながら、第1の画像生成方法の処理内容を設定するための設定操作を行うことができる。従って、ユーザは、正面棚画像72が教師画像73に近づく又は一致するように、第1の画像生成方法の処理内容を設定するための設定操作を適切に行うことができる。
【0064】
尚、教師画像73は、表示装置15に表示されている撮像画像71に映り込んでいる商品棚6と同じ仕様の商品棚6を実際に正面から撮像することで得られた画像であってもよい。例えば、教師画像73は、表示装置15に表示されている撮像画像71に映り込んでいる商品棚6と同じサイズの商品棚6を実際に正面から撮像することで得られた画像であってもよい。教師画像73は、表示装置15に表示されている撮像画像71に映り込んでいる商品棚6と同じ形状の商品棚6を実際に正面から撮像することで得られた画像であってもよい。この場合、実際の商品棚6を正面から撮像することが困難な場合であっても、教師画像73が利用可能となる。この場合であっても、ユーザは、正面棚画像72が教師画像73に近づく又は一致するように、第1の画像生成方法の処理内容を設定するための設定操作を適切に行うことができる。
【0065】
続いて、第2の画像生成方法について説明する。第2の画像生成方法は、撮像画像71に基づいてその処理内容が自動的に(つまり、第2の画像生成方法の処理内容を設定するためのユーザの設定操作を必要とすることなく)設定される画像生成方法である。この場合、
図10に示すように、商品棚6には、予め、第2の画像生成方法の処理内容を設定するために画像生成部112によって参照される複数のマーク(言い換えれば、指標)91が配置される。複数のマーク91は、商品棚6を正面から見た場合に所定の配列パターンで配列するように、商品棚6に配置される。
図10に示す例では、複数のマーク91は、商品棚6を正面から見た場合に5行×5列のマトリクス状の(つまり、格子状の)配列パターンで配列するように、商品棚6に配置される。
【0066】
このような複数のマーク91が配置された商品棚6の撮像画像71が、
図11(a)に示されている。
図11(a)に示すように、撮像画像71には、商品棚6に加えて、商品棚6に配置された複数のマーク91も映り込んでいる。尚、撮像画像71中では、撮像画像71の歪み(つまり、撮像画像71内の商品棚6の歪み)に起因して、複数のマーク91が所定の配列パターンで配列していない可能性がある。この場合、画像生成部112は、撮像画像71内での複数のマーク91の配置位置を算出し、算出した複数のマーク91の配置位置と、複数のマーク91の本来の配列パターン(
図10に示す例では、マトリクス状の配列パターン)とに基づいて、第2の画像生成方法の処理内容を設定する。例えば、画像生成部112は、
図11(b)に示すように、撮像画像71中に映り込んでいる複数のマーク91が所定の配列パターンで配列するように撮像画像71を変形させるための処理内容を、第2の画像生成方法の処理内容として生成してもよい。例えば、画像生成部112は、
図11(b)に示すように、撮像画像71から生成された正面棚画像72中で複数のマーク91が所定の配列パターンで配列するように撮像画像71から正面棚画像72を生成するための処理内容を、第2の画像生成方法の処理内容として生成してもよい。この場合、画像生成部112は、実質的には、マーク91に基づいて、撮像画像71から正面棚画像72を生成しているとも言える。
【0067】
尚、
図10に示す複数のマーク91の配置位置及び数はあくまで一例である。このため、商品棚6には、任意の数のマーク91が任意の配列パターンで配列するように、商品棚6に配置されてもよい。例えば、
図12に示すように、商品棚6には、商品棚6の外縁(特に、正面棚画像72に含めるべき棚部分の外縁)を結ぶ複数のマーク91が配置されていてもよい。この場合も、画像生成部112は、撮像画像71内での複数のマーク91の配置位置を算出し、算出した複数のマーク91の配置位置と、複数のマーク91の本来の配列パターンとに基づいて、第2の画像生成方法の処理内容を設定可能である。但し、隣り合う二つのマーク91の間の距離が相対的に大きい場合には、画像生成部112は、隣り合う二つのマーク91の間を結ぶ直線又は所定の数式で表現可能な線(例えば、上述した基準線82に相当する線)上に仮想的なマーク91が存在すると仮定した上で、第2の画像生成方法の処理内容を設定してもよい。
【0068】
また、第2の画像生成方法では、画像生成方法の処理内容を設定するためのユーザの設定操作が必ずしも必要とされない。この場合、第2の画像生成方法を用いて正面棚画像72を生成する店舗監視サーバ1は、ユーザの設定操作の入力を受け付ける入力装置14を備えていなくてもよい(後述する
図14参照)。第2の画像生成方法を用いて正面棚画像72を生成する店舗監視サーバ1は、ユーザが設定操作を入力する際に参照可能な画像(例えば、
図9に示すように、撮像画像71、正面棚画像72及び教師画像73の少なくとも一つ)を表示する表示装置15を備えていなくてもよい(後述する
図14参照)。
【0069】
続いて、第3の画像生成方法について説明する。第3の画像生成動作は、撮像画像71と教師画像73(
図9参照)とに基づいてその処理内容が自動的に(つまり、画像生成方法の処理内容を設定するためのユーザの設定操作を必要とすることなく)設定される画像生成方法である。この場合、画像生成部112は、撮像画像71に基づいて、撮像画像71に映り込んでいる商品棚6の特徴点を抽出する。更には、画像生成部112は、教師画像73に基づいて、教師画像73に映り込んでいる商品棚6の特徴点を抽出する。その後、画像生成部112は、撮像画像71中での商品棚6の特徴点が教師画像73中での商品棚6の特徴点に近づく又は一致するように撮像画像71を変形させるための処理内容を、第2の画像生成方法の処理内容として生成してもよい。この場合、画像生成部112は、実質的には、教師画像73に基づいて、撮像画像71から正面棚画像72を生成しているとも言える。
【0070】
或いは、画像生成部112は、撮像画像71に映り込んでいる商品棚6の特徴点に基づいて、撮像画像71中での商品棚6の形状及びサイズを特定してもよい。更には、画像生成部112は、教師画像73に映り込んでいる商品棚6の特徴点に基づいて、教師画像73中での商品棚6の形状及びサイズを特定してもよい。例えば、画像生成部112は、商品棚6の形状及びサイズとして、商品棚6の高さ、商品棚6の横幅及び隣り合う二つの棚板の間の距離を特定してもよい。その後、画像生成部112は、撮像画像71中での商品棚6の形状及びサイズが教師画像73中での商品棚6の形状及びサイズに近づく又は一致するように撮像画像71を変形させるための処理内容を、第2の画像生成方法の処理内容として生成してもよい。つまり、画像生成部112は、撮像画像71から生成される正面棚画像72中での商品棚6の形状及びサイズが教師画像73中での商品棚6の形状及びサイズに近づく又は一致するように撮像画像71から正面棚画像72を生成するための処理内容を、第2の画像生成方法の処理内容として生成してもよい。
【0071】
尚、第3の画像生成方法においても、第2の画像生成方法と同様に、画像生成方法の処理内容を設定するためのユーザの設定操作が必ずしも必要とされない。このため、第3の画像生成方法を用いて正面棚画像72を生成する店舗監視サーバ1は、入力装置14及び表示装置15の少なくとも一方を備えていなくてもよい(後述する
図14参照)。
【0072】
以上説明したように、本実施形態の店舗監視システム4は、店舗5の商品棚6を適切に監視することができる。特に、店舗監視システム4は、商品棚6を監視するためには不要な物体が映り込んだ撮像画像71から、商品棚6を監視するためには不要な物体が映り込んでいない正面棚画像72を生成することができる。このため、店舗監視システム4は、商品棚6を監視するためには不要な物体の悪影響を受けることなく、監視するべき商品棚6を適切に監視することができる。
【0073】
また、店舗監視システム4は、ユーザの設定操作に基づいて、第1の画像生成方法の処理内容を適切に設定することができる。このため、店舗監視システム4は、ユーザの知見を考慮しながら、正面棚画像71を生成することができる。
【0074】
また、店舗監視システム4は、ユーザの設定操作を必要とすることなく、自動的に第2又は第3の画像生成方法の処理内容を設定することができる。このため、店舗監視システム4は、画像生成方法の処理内容の設定に要するユーザの負担を減少させることができる。この際、商品棚6にマーク91が配置されれば画像生成方法の処理内容が自動的に設定されるがゆえに、ユーザは、商品棚6にマーク91を配置すれば十分である。或いは、商品棚6に最初からマーク91が配置されていれば、ユーザは、商品棚6にマーク91を配置することすらしなくてもよい。また、教師画像73が用意できる場合も、ユーザは、商品棚6にマーク91を配置することすらしなくてもよい。このため、店舗監視システム4は、画像生成方法の処理内容の設定に要するユーザの負担をより一層減少させることができる。
【0075】
尚、上述したようにカメラ21が円周魚眼レンズを含む魚眼カメラである場合には、カメラ21が撮像した撮像画像71は、
図13の上段に示すように、周囲360度の撮像範囲に含まれる光景が円形の領域に映し出される画像となる。この場合、画像生成部112は、撮像画像71から正面棚画像72を生成するために、
図13の上段に示す撮像画像71を、
図13の下段に示すパノラマ画像74に展開(つまり、平面展開)してもよい。ここで、
図13の下段に示すように、撮像画像71が平面展開されることで生成されたパノラマ画像74には、商品棚6が、その歪みが相対的に少ない状態で映り込んでいる可能性がある。この場合、画像生成部112は、パノラマ画像74から、歪みが相対的に少ない商品棚6が映り込んだ画像部分を抽出してもよい。抽出された画像部分(つまり、歪みが相対的に少ない商品棚6が映り込んだ画像部分)は、正面棚画像72として用いられてもよい。
【0076】
上述した説明では、店舗監視システム4は、監視部113を備える店舗監視サーバ1を備えている。しかしながら、店舗監視システム4は、店舗監視サーバ1に代えて、
図14に示す監視部113を備えていない店舗監視サーバ1aを備えていてもよい。この場合、店舗監視サーバ1aの外部の装置が、監視部113を備えていてもよい。店舗監視サーバ1aの外部の装置が備える監視部113は、店舗監視サーバ1aが生成した正面棚画像72を用いて、監視動作を実行してもよい。
【0077】
上述した説明では、店舗監視システム4は、画像DB121が記憶された記憶装置12を備える店舗監視サーバ1を備えている。しかしながら、店舗監視システムシステムSYSは、店舗監視サーバ1に代えて、
図14に示す画像DB121を記憶していない記憶装置12を備えていてもよい。この場合、画像DB121は、店舗監視サーバ1aの外部の装置に記憶されていてもよい。
【0078】
本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う店舗監視システム、店舗監視装置、店舗監視方法、コンピュータプログラム及び記録媒体もまた本発明の技術思想に含まれる。
【0079】
法令で許容される限りにおいて、この出願は、2019年10月31日に出願された日本出願特願2019-198268を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。また、法令で許容される限りにおいて、本願明細書に記載された全ての公開公報及び論文をここに取り込む。
【符号の説明】
【0080】
1 店舗監視サーバ
11 CPU
111 画像取得部
112 画像生成部
113 監視部
12 記憶装置
121 画像DB
13 通信装置
14 入力装置
15 表示装置
2 撮像装置
21 カメラ
22 通信装置
4 店舗監視システム
71 撮像画像
72 正面棚画像
81 基準点
82 基準線