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特許7509157ドライバ監視装置、ドライバ監視用コンピュータプログラム及びドライバ監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】ドライバ監視装置、ドライバ監視用コンピュータプログラム及びドライバ監視方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/08 20120101AFI20240625BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20240625BHJP
   B60R 11/04 20060101ALI20240625BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240625BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20240625BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20240625BHJP
【FI】
B60W40/08
B60N2/90
B60R11/04
G08G1/16 C
B60W50/14
B60W60/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022005705
(22)【出願日】2022-01-18
(65)【公開番号】P2023104608
(43)【公開日】2023-07-28
【審査請求日】2023-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100135976
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】原 健一郎
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2020/085425(JP,A1)
【文献】特開2017-207955(JP,A)
【文献】特開2019-84981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
B60N 2/00- 2/90
B60R 9/00-11/06
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行を開始する際に前記車両に搭乗している搭乗者数を取得する取得部と
撮像部により撮像された前記車両の運転席近傍の画像に基づいて、ドライバが前記運転席に着座しているか否かを判定する第1判定部と、
前記第1判定部によってドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、前記車両における前記運転席以外の座席のそれぞれに配置された着座センサにより検知された着座している人の数を表す着座者数が前記搭乗者数とが一致する場合にはドライバは前記運転席に着座していないと判定し、前記着座者数が前記搭乗者数よりも一人少ない場合にはドライバは前記運転席に着座していると判定する第2判定部と、
を有することを特徴とするドライバ監視装置。
【請求項2】
前記第2判定部によってドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、ドライバへ前記運転席に着座するように通知部を介して通知する制御部を更に有する、請求項1に記載のドライバ監視装置。
【請求項3】
前記第2判定部によってドライバが前記運転席に着座していると判定された場合、前記第2判定部の判定後の所定の時間の間に、前記撮像部により撮像された複数の画像に基づいて、ドライバが前記運転席に着座しているか否かを判定する第3判定部を更に有する、請求項1に記載のドライバ監視装置。
【請求項4】
前記第3判定部によってドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、ドライバへ前記運転席に着座するように通知部を介して通知する制御部を更に有する、請求項3に記載のドライバ監視装置。
【請求項5】
前記着座者数と前記搭乗者数とが一致しておらず、且つ、前記着座者数が前記搭乗者数よりも一人少なくもない場合、ドライバへ前記運転席に着座するように通知部を介して通知する制御部を更に有する、請求項1に記載のドライバ監視装置。
【請求項6】
前記第1判定部によって前記ドライバが前記運転席に着座していると判定された場合、前記着座者数と前記搭乗者数とを比較して、前記着座者数が前記搭乗者数から1を減算した値よりも多い場合、前記着座者数から前記搭乗者数を減算して1を加算した値を、前記運転席以外の座席に置かれた物体数として求める第4判定部を更に有し、
前記第4判定部によって前記物体数が求められた後に、前記第1判定部によってドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、前記第2判定部は、前記着座者数から前記物体数を減算した値と前記搭乗者数とが一致する場合、ドライバは前記運転席に着座していないと判定し、前記着座者数から前記物体数を減算した値が前記搭乗者数よりも一人少ない場合、ドライバは前記運転席に着座していると判定する、請求項1~5の何れか一項に記載のドライバ監視装置。
【請求項7】
車両が走行を開始する際に前記車両に搭乗している搭乗者数を取得し、
撮像部により撮像された前記車両の運転席近傍の画像に基づいて、ドライバが前記運転席に着座しているか否かを判定し、
ドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、前記車両における前記運転席以外の座席のそれぞれに配置された着座センサにより検知された着座している人の数を表す着座者数が前記搭乗者数とが一致する場合にはドライバは前記運転席に着座していないと判定し、前記着座者数が前記搭乗者数よりも一人少ない場合にはドライバは前記運転席に着座していると判定する、
ことをプロセッサに実行させる、ことを特徴とするドライバ監視用コンピュータプログラム。
【請求項8】
車両が走行を開始する際に前記車両に搭乗している搭乗者数を取得し、
撮像部により撮像された前記車両の運転席近傍の画像に基づいて、ドライバが前記運転席に着座しているか否かを判定し、
ドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、前記車両における前記運転席以外の座席のそれぞれに配置された着座センサにより検知された着座している人の数を表す着座者数が前記搭乗者数とが一致する場合にはドライバは前記運転席に着座していないと判定し、前記着座者数が前記搭乗者数よりも一人少ない場合にはドライバは前記運転席に着座していると判定する、
ことをドライバ監視装置が実行する、ことを特徴とするドライバ監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドライバ監視装置、ドライバ監視用コンピュータプログラム及びドライバ監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の自動制御システムは、ドライバの運転に関与する程度を、センサ等を用いて監視している(例えば、特許文献1参照)。ドライバに求められる運転に関与する程度は、自動制御のレベルに応じて異なる。
【0003】
自動制御システムは、ドライバを監視して、自動制御のレベルに応じて求められるように運転に関与しているか否かを判定する。上述した監視を行う手段として、例えば、運転席の着座センサ、運転席のシートベルトをドライバが装着していることを検知するバックルセンサ、ドライバの状態を監視するための画像を撮像する監視カメラが挙げられる。
【0004】
自動制御レベル3で制御される車両の自動制御システムには、運転席のシートベルトをドライバが装着していること、及び、ドライバが運転操作を引き継ぐことができる状態を検知できることが求められる。そのため、自動制御レベル3で制御される車両の自動制御システムは、運転席のバックセンサと、運転席の着座センサと、監視カメラとを有すること好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2017/158726号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自動制御レベル2以下で制御可能な車両に基づいて、自動制御レベル3で制御される車両を製造することを考えた場合、既に車両に搭載されているセンサ等の部品を利用することはコスト的に有利である。バックルセンサ、及び、運転席以外の座席の着座センサ、及び、監視カメラは、自動制御レベル2以下の車両にも搭載されている。
【0007】
しかし、自動制御レベル2以下で制御可能な車両の運転では、ドライバが運転席に着座して車両を操作可能であることが定められており、ドライバが運転席に着座していることが前提となっているので、運転席に着座センサは搭載されていない。
【0008】
監視カメラにより運転席近傍の画像を撮像し、その画像内にドライバの所定の部位を識別することにより、ドライバが運転席に着座しているか否かを判定できる。例えば、画像内にドライバの顔が識別された場合、ドライバは運転席に着座していると判定できる。しかし、運転席に着座しているドライバの顔が横を向いていると、画像内にドライバの顔が識別されない。そこで、画像内にドライバの顔が識別されなくても、運転席に着座しているドライバが正面を向く可能性があるので、所定の時間の間、ドライバの顔が画像内に識別されるか否かを待って判定する必要があった。そのため、画像に基づいてドライバが着座しているか否かを判定するには、ある程度の長さの時間を要するという問題があった。
【0009】
そこで、本開示は、運転席近傍が撮像された画像に基づいてドライバが運転席に着座していないと判定された場合には、すぐに運転席以外の座席の着座センサを用いることにより、短い時間でドライバが運転席に着座しているか否かを判定できるドライバ監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一の実施形態によれば、ドライバ監視装置が提供される。このドライバ監視装置は、車両が走行を開始する際に前記車両に搭乗している搭乗者数を取得する取得部と撮像部により撮像された前記車両の運転席近傍の画像に基づいて、ドライバが前記運転席に着座しているか否かを判定する第1判定部と、前記第1判定部によってドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、前記車両における前記運転席以外の座席のそれぞれに配置された着座センサにより検知された着座している人の数を表す着座者数が前記搭乗者数とが一致する場合にはドライバは前記運転席に着座していないと判定し、前記着座者数が前記搭乗者数よりも一人少ない場合にはドライバは前記運転席に着座していると判定する第2判定部と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、このドライバ監視装置において、前記第2判定部によってドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、ドライバへ前記運転席に着座するように通知部を介して通知する制御部を更に有することが好ましい。
【0012】
また、このドライバ監視装置において、前記第2判定部によってドライバが前記運転席に着座していると判定された場合、前記第2判定部の判定後の所定の時間の間に、前記撮像部により撮像された複数の画像に基づいて、ドライバが前記運転席に着座しているか否かを判定する第3判定部を更に有することが好ましい。
【0013】
また、このドライバ監視装置において、前記第3判定部によってドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、ドライバへ前記運転席に着座するように通知部を介して通知する制御部を更に有することが好ましい。
【0014】
また、このドライバ監視装置において、前記着座者数と前記搭乗者数とが一致しておらず、且つ、前記着座者数が前記搭乗者数よりも一人少なくもない場合、ドライバへ前記運転席に着座するように通知部を介して通知する制御部を更に有することが好ましい。
【0015】
更に、このドライバ監視装置において、前記第1判定部によって前記ドライバが前記運転席に着座していると判定された場合、前記着座者数と前記搭乗者数とを比較して、前記着座者数が前記搭乗者数から1を減算した値よりも多い場合、前記着座者数から前記搭乗者数を減算して1を加算した値を、前記運転席以外の座席に置かれた物体数として求める第4判定部を更に有し、前記第4判定部によって前記物体数が求められた後に、前記第1判定部によってドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、前記第2判定部は、前記着座者数から前記物体数を減算した値と前記搭乗者数とが一致する場合、ドライバは前記運転席に着座していないと判定し、前記着座者数から前記物体数を減算した値が前記搭乗者数よりも一人少ない場合、ドライバは前記運転席に着座していると判定することが好ましい。
【0016】
他の実施形態によれば、ドライバ監視用コンピュータプログラムが提供される。このドライバ監視用コンピュータプログラムは、車両が走行を開始する際に前記車両に搭乗している搭乗者数を取得し、撮像部により撮像された前記車両の運転席近傍の画像に基づい、ドライバが前記運転席に着座しているか否かを判定し、ドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、前記車両における前記運転席以外の座席のそれぞれに配置された着座センサにより検知された着座している人の数を表す着座者数が前記搭乗者数とが一致する場合にはドライバは前記運転席に着座していないと判定し、前記着座者数が前記搭乗者数よりも一人少ない場合にはドライバは前記運転席に着座していると判定する、ことをプロセッサに実行させることを特徴とする。
【0017】
更に他の実施形態によれば、ドライバ監視方法が提供される。このドライバ監視方法は、車両が走行を開始する際に前記車両に搭乗している搭乗者数を取得し、撮像部により撮像された前記車両の運転席近傍の画像に基づいて、ドライバが前記運転席に着座しているか否かを判定し、ドライバが前記運転席に着座していないと判定された場合、前記車両における前記運転席以外の座席のそれぞれに配置された着座センサにより検知された着座している人の数を表す着座者数が前記搭乗者数とが一致する場合にはドライバは前記運転席に着座していないと判定し、前記着座者数が前記搭乗者数よりも一人少ない場合にはドライバは前記運転席に着座していると判定する、ことをドライバ監視装置が実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本開示に係るドライバ監視装置は、運転席近傍が撮像された画像に基づいてドライバが運転席に着座していないと判定された場合には、運転席以外の座席の着座センサを用いることにより、短い時間でドライバが運転席に着座しているか否かを判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】(A)及び(B)は、本実施形態のドライバ監視装置の動作の概要を説明しており、(A)は車両を示す図であり、(B)は監視カメラによりドライバが撮像されることを示す図である。
図2】(A)~(C)は、車室内の座席及びドライバの状態の一例を示す図(その1)である。
図3】本実施形態のドライバ監視装置を含む監視システムが実装される車両の概略構成図である。
図4】本実施形態のドライバ監視装置のドライバ監視処理に関する動作フローチャートの一例である。
図5】(A)及び(B)は、車室内の座席及びドライバの状態の一例を示す図(その2)である。
図6】本実施形態のドライバ監視装置のドライバ監視処理に関する変形例1を示す動作フローチャートである。
図7】本実施形態のドライバ監視装置のドライバ監視処理に関する変形例2を示す動作フローチャートである。
図8】(A)~(C)は、車室内の座席及びドライバの状態の一例を示す図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1(A)及び図1(B)は、本実施形態のドライバ監視装置11の動作の概要を説明しており、図1(A)は車両10を示す図であり、図1(B)は監視カメラ2によりドライバ30が撮像されることを示す図である。図2(A)~図2(C)は、車室10A内の座席及びドライバ30の状態の一例を示す図である。
【0021】
図1(A)に示すように、車両10はドライバ監視装置11を有する。図1(B)に示すように、車室10A内には、運転席40に着座したドライバ30を撮像可能なカメラ監視カメラ2が、ステアリングコラム50の上に配置される。
【0022】
図2(A)~図2(C)に示すように、車両10の車室10A内には、ドライバ30が着座する運転席40と、助手席41と、後部座席42、43とが配置される。着座センサ3a~3cが、運転席以外の座席41~43のそれぞれに配置される。着座センサ3a~3cは、搭乗者の着座を検知して、搭乗者の着座していることを表す着座信号をドライバ監視装置11へ出力する。ドライバ監視装置11は、着座センサ3a~3cから入力された着座信号に基づいて、着座者数を短時間で取得可能である。また、各座席には、シートベルトを搭乗者が装着していることを検知するバックルセンサ(図示せず)も配置されることが好ましい。
【0023】
ドライバ監視装置11は、車両10が走行を開始する際に車両10に搭乗している人の数を表す搭乗者数を取得する。例えば、ドライバ監視装置11は、ユーザインターフェース4(図3参照)を介して、ドライバから入力された搭乗者数を取得する。図2(A)~図2(C)に示す例では、搭乗者数はドライバの一人だけである。
【0024】
ドライバ監視装置11は、車両10が走行を開始すると、監視カメラ2により撮像された監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座しているか否かを判定する。ドライバ監視装置11は、ニューラルネットワーク(CNN)等の識別機を用いて監視画像を内にドライバの顔を表されているか否かを判定することにより、ドライバ30が運転席40に着座しているか否かを短時間で判定可能である。
【0025】
図2(A)に示す例では、ドライバ30が運転席40に車両10の前方を向いて着座している。監視画像には、ドライバ30が監視カメラ2に対して正面を向いた顔を表される。ドライバ監視装置11は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していると判定する。
【0026】
一方、図2(B)に示す例では、ドライバ30は後部座席42に着座している。監視画像には、ドライバ30の顔が識別可能には表されていない。ドライバ監視装置11は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する。ドライバ監視装置11は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定した場合、更に、着座センサ3a~3cの検知結果に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座しているか否かを判定する。
【0027】
ドライバ監視装置11は、着座センサ3a~3cから出力される着座信号に基づいて、車両10における運転席以外の座席41~43のそれぞれに配置された着座センサ3a~3cにより検知された着座している人の数を表す着座数を取得する。ドライバ監視装置11は、着座者数と搭乗者数とを比較する。
【0028】
図2(B)に示す例では、着座者数は1であり、搭乗者数も1である。ドライバ監視装置11は、着座者数と搭乗者数とが一致するので、ドライバ30は運転席40に着座していないと判定する。
【0029】
また、図2(C)に示す例では、ドライバ30は、運転席40に着座しているが、助手席41の方を向いおり、車両10の前方を向いてはいない。監視画像には、ドライバ30が監視カメラ2に対して正面を向いた顔を表されていない。ドライバ監視装置11は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する。
【0030】
図2(C)に示す例では、着座者数はゼロであり、搭乗者数は1である。ドライバ監視装置11は、着座者数が搭乗者数よりも一人少ない場合、ドライバ30は運転席40に着座していると判定する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態のドライバ監視装置11は、運転席近傍が撮像された画像に基づいてドライバが運転席に着座していないと判定された場合には、すぐに運転席以外の座席の着座センサ3a~3cを用いることにより、短い時間でドライバ40が運転席40に着座しているか否かを判定できる。
【0032】
図3は、本実施形態のドライバ監視装置11を含む監視システム1が実装される車両10の概略構成図である。監視システム1は、監視カメラ2と、着座センサ3a、3b、3cと、ユーザインターフェース(UI)4と、ドライバ監視装置11等とを有する。
【0033】
監視カメラ2と、着座センサ3a、3b、3cと、UI4と、ドライバ監視装置11とは、コントローラエリアネットワークといった規格に準拠した車内ネットワーク12を介して通信可能に接続される。
【0034】
監視カメラ2は、車両10を運転するドライバの顔を含む監視画像を撮像可能に、車室10A内に配置される。監視カメラ2は、撮像部の一例である。監視画像は、運転席近傍の状況を表す。図1(B)に示すように、監視カメラ2は、例えば、ステアリングコラム50の上に配置される。なお、監視カメラ2は、車室内のステアリングホイール、ルームミラー、メータパネル、メータフード等に配置されてもよい。
【0035】
監視カメラ2は、例えば所定の周期を有する監視画像撮像時刻に、ドライバの顔を含む監視画像を撮像する。監視カメラ2は、CCDあるいはC-MOS等、赤外線に感度を有する光電変換素子のアレイで構成された2次元検出器と、その2次元検出器上に撮像対象となる領域の像を結像する撮像光学系を有する。所定の周期として、例えば、0.1~0.5秒とすることができる。監視カメラ2は、2次元検出器と共に、投光器を有していることが好ましい。投光器は、LED(発光ダイオード)であり、例えば撮像光学系の両側に配置された二個の近赤外LEDである。ドライバに近赤外光を照射することによって、夜間等の低照度時においてもドライバに不快感を与えることなくドライバの顔を撮像することができる。また、近赤外以外の波長成分の光を除去するするバンドパスフィルタが撮像光学系の内部に設けられ、近赤外LEDから照射される近赤外以外の光を除去する可視光カットフィルタが投光器の前面に設けられていてもよい。
【0036】
着座センサ3a、3b、3cは、車両10における運転席40以外の座席のそれぞれに配置される。着座センサ3aは助手席41に配置され、着座センサ3bは右側の後部座席42に配置され、着座センサ3cは左側の後部座席43に配置される。着座センサ3a~3cは、搭乗者の着座を検知して、着座していることを表す着座信号をドライバ監視装置11へ出力する。着座センサ3a~3cは、搭乗者の着座を検知している間は、着座信号をドライバ監視装置11へ出力し続けることが好ましい。着座センサ3a~3cとして、例えば、感圧センサを用いることができる。感圧センサは、所定の基準圧力以上の圧力を検知すると、着座信号を出力し、基準圧力未満の圧力を検知した場合着座信号を出力しない。
【0037】
UI4は、通知部の一例である。UI4は、ドライバ監視装置11に制御されて、監視カメラ2により撮像可能なように運転席に着座することを要求する着座通知等を、ドライバへ通知する。UI4は、着座通知等を表示するために、液晶ディスプレイ又はタッチパネル等の表示装置4aを有する。表示装置4aに表示される情報は、車室10Aの後部座席42、43に着座した搭乗者からも視認可能であることが好ましい。また、UI4は、着座通知等をドライバへ通知するための音響出力装置(図示せず)を有していてもよい。また、UI4は、ドライバから車両10への操作情報を入力する入力装置として、例えば、タッチパネル又は操作ボタンを有する。操作情報として、例えば、搭乗者数が挙げられる。UI4は、入力された操作情報を、車内ネットワーク12を介してドライバ監視装置11へ出力する。
【0038】
ドライバ監視装置11は、取得処理と、判定処理と、制御処理とを実行する。そのために、ドライバ監視装置11は、通信インターフェース(IF)21と、メモリ22と、プロセッサ23とを有する。通信インターフェース21と、メモリ22と、プロセッサ23とは、信号線24を介して接続されている。通信インターフェース21は、ドライバ監視装置11を車内ネットワーク12に接続するためのインターフェース回路を有する。
【0039】
メモリ22は、記憶部の一例であり、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ22は、プロセッサ23により実行される情報処理において使用されるアプリケーションのコンピュータプログラム及び各種のデータを記憶する。メモリ22には、監視カメラ2から入力された監視画像が、監視画像撮像時刻と関連付けられて記憶される。
【0040】
ドライバ監視装置11が有する機能の全て又は一部は、例えば、プロセッサ23上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。プロセッサ23は、取得部230と、判定部231と、制御部232とを有する。判定部231は、第1判定部、第2判定部、第3判定部及び第4判定部の一例である。あるいは、プロセッサ23が有する機能モジュールは、プロセッサ23に設けられる、専用の演算回路であってもよい。プロセッサ23は、1個又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ23は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路を更に有していてもよい。ドライバ監視装置11は、例えば、電子制御装置(Electronic Contorol Unit:ECU)である。また、ドライバ監視装置11は、監視画像に基づいて、ドライバの運転に関与する程度を推定してもよい。ドライバ監視装置11の動作の詳細については、後述する。
【0041】
図4は、本実施形態のドライバ監視装置11のドライバ監視処理に関する動作フローチャートの一例である。次に、図4を参照しながら、監視システム1のドライバ監視処理について、以下に説明する。
【0042】
まず、取得部230は、車両10が走行を開始する際に車両10に搭乗している人の数を表す搭乗者数を取得する(ステップS101)。例えば、ドライバ監視装置11は、UI4を介して、ドライバ30から入力された搭乗者数を取得する。また、取得部230は、監視カメラ2により撮像された監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していると判定した場合、着座センサ3a~3cを用いて検知された着座者数に1を加えた数を、搭乗者数として取得してもよい。また、取得部230は、運転席40に着座することを要求する通知をドライバ30へ通知した後、着座者数に1を加えた数を、搭乗者数として取得してもよい。この場合、搭乗者数として、座席に置かれた荷物の数が含まれることがあるが、この座席に荷物が置かれた状態が続く限りは、ドライバ監視処理には影響を与えない。
【0043】
車両10が走行を開始する際とは、例えば、車両10がナビルートに基づいて走行を開始する前の時点、又は、搭乗者が車両10内に搭乗した時点をいう。また、取得部230が搭乗者数を取得した時点を、車両10が走行を開始する際としてもよい。
【0044】
そして、判定部231は、監視画像が入力される度に、ステップS102~ステップS111の処理を実行する。
【0045】
判定部231は、監視カメラ2から監視画像を入力する(ステップS102)。監視カメラ2は、監視画像を撮像する度に、監視画像及び監視画像が撮像された監視画像撮像時刻を、車内ネットワーク12を介して、ドライバ監視装置11へ出力する。判定部231は、監視画像を、監視画像撮像時刻と関連付けて、メモリ22に記憶する。
【0046】
次に、判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30の顔が検出されているか否かを判定する(ステップS103)。判定部231は、監視画像を入力して、ひとの顔を検出するように学習した識別器を含んで構成されている。この識別器は、監視画像を入力して、監視画像に含まれる顔を検出すると共に、検出された顔の信頼度を出力する。信頼度は、例えば、0.0~1.0の間の数値で表される。判定部231は、信頼度が、所定の基準信頼度(例えば、0.7)以上である場合、ドライバ30の顔が検出されていると判定する。一方、判定部231は、信頼度が、所定の基準信頼度未満である場合、ドライバ30の顔が検出されていないと判定する。
【0047】
ドライバ30の顔が検出されている場合(ステップS103-Yes)、判定部231は、ドライバ30が運転席40に着座していると判定する(ステップS104)。なお、判定部231は、ドライバ30の所定の部位が検出されている場合、ドライバ30が運転席40に着座していると判定すればよい。
【0048】
次に、判定部231は、車両10が目的位置に到着したか否かを判定する(ステップS110)。車両10が目的位置に到着していない場合、処理はステップS102へ戻る。一方、車両10が目的位置に到着した場合、一連の処理は終了する。例えば、判定部231は、図示しないナビゲーション装置から、車両10の現在位置と、ナビルートの目的位置とを入力して判定し、車両10が目的位置に到着したか否かを判定する。
【0049】
一方、ドライバ30の顔が検出されない場合、判定部231は、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する(ステップS105)。
【0050】
次に、判定部231は、着座数を取得する(ステップS106)。判定部231は、車両10における運転席40以外の座席のそれぞれに配置された着座センサ3a~3cから入力されている着座信号に基づいて、着座数を取得する。
【0051】
次に、判定部231は、着座者数と搭乗者数とを比較して、着座者数と搭乗者数とが一致するか否かを判定する(ステップS107)。
【0052】
着座者数と搭乗者数とが一致する場合(ステップS107-Yes)、判定部231は、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する(ステップS108)。ドライバ30は、運転席40以外の他の座席に移動していると考えられる。
【0053】
次に、制御部232は、UI4を介して、監視カメラ2により撮像可能なように運転席40に着座することを要求する着座通知をドライバ30へ通知する(ステップS109)。着座通知は、例えば、表示装置4aに表示される。また、着座通知は、音声として、ドライバへ通知されてもよい。また、着座通知は、表示装置4aに表示されると共に、音声として、ドライバへ通知されてもよい。
【0054】
次に、判定部231は、車両10が目的位置に到着したか否かを判定する(ステップS110)。車両10が目的位置に到着していない場合、処理はステップS102へ戻る。一方、車両10が目的位置に到着した場合、一連の処理は終了する。
【0055】
一方、着座者数と搭乗者数とが一致しない場合(ステップS107-No)、判定部231は、着座者数が搭乗者数よりも一人少ないか否かを判定する(ステップS111)。
【0056】
着座者数が搭乗者数よりも一人少ない場合(ステップS111-Yes)、判定部231は、ドライバ30が運転席40に着座していると判定する(ステップS112)。着座数に基づいて、ドライバ30は運転席以外の座席に着座していないと考えられるので、ドライバ30が運転席40に着座していると推定される。監視画像に基づいて、ドライバ30の顔が検出されなかった理由として、ドライバ30の顔が車両10の前方を向いていなかったため、監視画像にドライバ30の顔が検出されなかったことが考えられる。
【0057】
次に、判定部231は、車両10が目的位置に到着したか否かを判定する(ステップS110)。車両10が目的位置に到着していない場合、処理はステップS102へ戻る。一方、車両10が目的位置に到着した場合、一連の処理は終了する。
【0058】
一方、着座者数が搭乗者数よりも一人少なくない場合(ステップS111-No)、判定部231は、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する(ステップS108)。車室10A内の状況として、搭乗者数に含まれていない荷物等が運転席以外の座席に置かれていることが考えられる。
【0059】
次に、制御部232は、UI4を介して、監視カメラ2により撮像可能なように運転席40に着座することを要求する着座通知をドライバ30へ通知する(ステップS109)。
【0060】
次に、判定部231は、車両10が目的位置に到着したか否かを判定する(ステップS110)。車両10が目的位置に到着していない場合、処理はステップS102へ戻る。一方、車両10が目的位置に到着した場合、一連の処理は終了する。
【0061】
以下、ドライバ監視装置11のドライバ監視処理の具体例を、図2(A)~図2(C)並びに図5(A)及び図5(B)を参照しながら、以下に説明する。
【0062】
図2(A)に示す例では、搭乗者数は1であり、ドライバ30は車両10の前方を向いて運転席40に着座している。監視画像には、ドライバ30が監視カメラ2に対して正面を向いた顔が表される。ドライバ30の顔が、監視カメラ2の光軸に対して所定の範囲内の方向を向いていれば、判定部231は、監視画像に含まれる顔を検出可能(高い信頼度)である。判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していると判定する。
【0063】
図2(B)に示す例では、搭乗者数は1であり、ドライバ30は、後部座席42に着座している。自動制御レベル3の車両の運転時には、ドライバ30に対して車両10を常に操縦可能な状態にあることは求められないので、ドライバ30は空間のよりひろい後部座席42、43へ移動することがある。監視画像には、ドライバ30の顔は検出可能に表されていない(低い信頼度)。ドライバ監視装置11は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する。判定部231には、後部座席42に配置された着座センサ3bから着座信号が入力される。着座者数は1であり、搭乗者数も1である。判定部231は、着座者数と搭乗者数とが一致するので、ドライバ30は運転席40に着座していないと判定する。
【0064】
着座通知が通知されドライバ30は、後部座席42から運転席40に移動して、車両10の前方を向いて運転席40に着座することにより、ドライバ監視装置11は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していると判定することになる。これにより、ドライバ監視装置11は、ドライバ30の運転に関与する程度を高めることができる。
【0065】
図2(C)に示す例では、搭乗者数は1であり、ドライバ30は、運転席40に着座しているが、助手席41の方を向いおり、車両10の前方を向いてはいない。また、ドライバはリラックスした姿勢が取れる様にシート位置を寝かせるように変位させている場合もあり得る。監視画像には、ドライバ30が監視カメラ2に対して正面を向いた顔を表されていない。ドライバ30の顔が、監視カメラ2の光軸に対して所定の範囲以外の方向を向いているので、監視画像には、ドライバ30の顔は検出可能に表されていない(低い信頼度)。判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する。
【0066】
運転席以外の座席には誰も着座していないので、判定部231には、着座信号は入力されない。着座者数はゼロであり、搭乗者数は1である。ドライバ監視装置11は、着座者数が搭乗者数よりも一人少ないので、ドライバ30は運転席40に着座していると判定する。そして、制御部232は、監視カメラ2により撮像可能なように運転席40に着座することを要求する着座通知をドライバ30へ通知する。
【0067】
着座通知が通知されドライバ30は、車両10の前方を向いて着座することにより、判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していると判定することになる。これにより、ドライバ監視装置11は、ドライバ30の運転に関与する程度を高めることができる。
【0068】
図5(A)に示す例では、搭乗者数は1であり、ドライバ30は、運転席40に着座しているが、助手席41に置かれた荷物の方を向いており、車両10の前方を向いてはいない。ドライバ30の顔が、監視カメラ2の光軸に対して所定の範囲以外の方向を向いているので、監視画像には、ドライバ30の顔は検出可能に表されていない(低い信頼度)。判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する。
【0069】
また、荷物31が助手席41に置かれ、荷物32が後部座席43に置かれていので、判定部231には、助手席41に配置された着座センサ3a及び後部座席43に配置された着座センサ3a、3cから着座信号が入力される。着座者数は2であり、搭乗者数は1である。着座者数と搭乗者数とが一致しておらず、且つ、着座者数が搭乗者数よりも一人少なくもないので、判定部231は、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する。そして、制御部232は、監視カメラ2により撮像可能なように運転席40に着座することを要求する着座通知をドライバ30へ通知する。
【0070】
着座通知が通知されドライバ30は、車両10の前方を向いて着座することにより、判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していると判定することになる。これにより、ドライバ監視装置11は、ドライバ30の運転に関与する程度を高めることができる。
【0071】
図5(B)に示す例では、搭乗者数は1であり、ドライバ30は、後部座席42に着座している。監視画像には、ドライバ30の顔は検出可能に表されていない。判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する。
【0072】
また、ドライバ30は後部座席42に着座し、荷物31が助手席41に置かれているので、判定部231には、助手席41に配置された着座センサ3a及び後部座席42に配置された着座センサ3bから着座信号が入力される。着座者数は2であり、搭乗者数は1である。着座者数と搭乗者数とが一致しておらず、且つ、着座者数が搭乗者数よりも一人少なくもないので、判定部231は、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する。そして、制御部232は、監視カメラ2により撮像可能なように運転席40に着座することを要求する着座通知をドライバ30へ通知する。
【0073】
着座通知が通知されドライバ30は、後部座席42から運転席40に移動して、車両10の前方を向いて運転席40に着座することにより、判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していると判定することになる。これにより、ドライバ監視装置11は、ドライバ30の運転に関与する程度を高めることができる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態のドライバ監視装置は、運転席近傍が撮像された画像に基づいてドライバが運転席に着座していないと判定された場合には、すぐに運転席以外の座席の着座センサを用いることにより、短い時間でドライバが運転席に着座しているか否かを判定できる。
【0075】
次に、上述した本実施形態のドライバ監視装置11の変型例1及び変型例2について、図を参照しながら、以下に説明する。図6は、本実施形態のドライバ監視装置のドライバ監視処理に関する変形例1を示す動作フローチャートである。
【0076】
本変型例では、図4に示す動作フローチャートのステップS112ステップS110との間に、図6に示す着座監視処理(処理A)が実行される。
【0077】
まず、ドライバ30が運転席40に着座していると判定された(ステップS112)後、判定部231は、監視カメラ2から監視画像を入力する(ステップS201)。本変型例の着座監視処理が実行されている間は、図4に示す処理は行われない。
【0078】
次に、判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座しているか否かを判定する(ステップS202)。
【0079】
ドライバ30が運転席40に着座している場合(ステップS202-Yes)、処理はステップS110へ進む。
【0080】
一方、ドライバ30が運転席40に着座していない場合(ステップS202-No)、制御部232は、UI4を介して、監視カメラ2により撮像可能なように運転席40に着座することを要求する着座通知をドライバ30へ通知する(ステップS203)。
【0081】
次に、判定部231は、ドライバ30が運転席40に着座していると判定された(ステップS104)後、所定の基準時間が経過しているか否かを判定する(ステップS204)。
【0082】
所定の基準時間が経過している場合、処理はステップS110へ進む。一方、所定の基準時間が経過している場合、処理はステップS201へ戻る。
【0083】
ステップS105においてドライバ30が運転席40に着座していない理由として、ドライバ30の顔が車両10の前方を向いてはいないことが考えられる。そこで、本変型例では、ドライバ30が運転席40に着座していると判定された(ステップS112)後、所定の基準時間の間、ドライバ30の顔が車両10の前方を向いてはいない状態が続いている場合には、着座通知をドライバ30へ通知する。これにより、着座通知が通知されドライバ30は、車両10の前方を向いて運転席40に着座することにより、ドライバ監視装置11は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していると判定することになる。これにより、ドライバ監視装置11は、ドライバ30の運転に関与する程度を高めることができる。
【0084】
図7は、本実施形態のドライバ監視装置11のドライバ監視処理に関する変形例2を示す動作フローチャートである。
【0085】
本変型例では、図4に示す動作フローチャートのステップS104とステップS110との間に、図7に示す物体数判定処理(処理B)が実行される。
【0086】
まず、ドライバ30が運転席40に着座していると判定された(ステップS104)後、判定部231は、着座数を取得する(ステップS301)。
【0087】
次に、判定部231は、着座センサ3a~3cにより検知された着座している人の数を表す着座者数と、搭乗者数とを比較して、着座者数が搭乗者数から1を減算した値よりも多い否かを判定する(ステップS302)。
【0088】
着座者数が搭乗者数から1を減算した値よりも多い場合(ステップS302-Yes)、判定部231は、着座者数から搭乗者数を減算して1を加算した値を、運転席以外の座席に置かれた物体数として求めた後(ステップS303)、処理はステップS110へ進む。
【0089】
一方、着座者数が搭乗者数から1を減算した値よりも多くはない場合(ステップS302-No)、処理はステップS110へ進む。
【0090】
物体数が求められた後に(ステップS302)、上述した図4に示す処理において、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定された場合(ステップS105)、判定部231は、ステップS107において、着座数と搭乗者数とを比較して、着座者数から物体数を減算した値と、搭乗者数とが一致する場合、ドライバ30は運転席40に着座していないと判定する。また、物体数が求められた後に(ステップS302)、上述した図4に示す処理において、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定された場合(ステップS105)、判定部231は、ステップS111において、着座者数から物体数を減算した値が搭乗者数よりも一人少ない場合、ドライバ30は運転席40に着座していると判定する。
【0091】
本変型例におけるドライバ監視装置11の処理を、図8を参照して、以下に説明する。
【0092】
まず、図4に示すドライバ監視処理では、図8(A)に示すように、搭乗者数は1であり、ドライバ30は車両10の前方を向いて運転席40に着座している。助手席41には、荷物31が置かれている。判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していると判定する(ステップS104)。
【0093】
次に、図7に示す物体数判定処理において、判定部231には、助手席41に配置された着座センサ3aから着座信号が入力される。着座数は1であり、搭乗者数は1である。着座者数(1)は、搭乗者数(1)から1を減算した値(0)よりも多いので、判定部231は、着座者数(1)から搭乗者数(1)を減算して1を加算した値(1)を、運転席以外の座席に置かれた物体数として求める。
【0094】
次に、物体数が求められた後に、図4に示すドライバ監視処理を、図8(B)及び図8(C)を参照して、以下に説明する。
【0095】
図8(B)に示す例では、ドライバ30は、運転席40に着座しているが、助手席41に置かれた荷物31の方を向いおり、車両10の前方を向いてはいない。判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する。
【0096】
判定部231には、助手席41に配置された着座センサ3aに配置された着座センサ3aから着座信号が入力される。着座者数(1)から物体数(1)を減算した値(0)は搭乗者数(1)よりも一人少ないので、判定部231は、ドライバ30は運転席40に着座していると判定する。
【0097】
図8(C)に示す例では、ドライバ30は後部座席42に着座している。判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していないと判定する。
【0098】
判定部231には、助手席41に配置された着座センサ3a及び後部座席42に配置された着座センサ3bから着座信号が入力される。判定部231は、着座者数(2)から物体数(1)を減算した値(1)と、搭乗者数(1)とが一致するので、ドライバ30は運転席40に着座していないと判定する。
【0099】
図8(B)及び図8(C)に示す例では、制御部232は、監視カメラ2により撮像可能なように運転席40に着座することを要求する着座通知をドライバ30へ通知する。
【0100】
着座通知が通知されドライバ30は、車両10の前方を向いて運転席40に着座することにより、判定部231は、監視画像に基づいて、ドライバ30が運転席40に着座していると判定することになる。これにより、ドライバ監視装置11は、ドライバ30の運転に関与する程度を高めることができる。
【0101】
車両10が走行を開始した後に、運転席以外の座席に置かれた荷物が置かれることがある。本変型例によれば、着座数に対して、運転席以外の座席に置かれた荷物等の物体数が補正されるので、運転席以外の座席に荷物が置かれた場合でも、ドライバをより正確に監視することができる。
【0102】
本開示では、上述した実施形態のドライバ監視装置、ドライバ監視用コンピュータプログラム及びドライバ監視方法は、本開示の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、本開示の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0103】
例えば、ドライバが運転席に着座していないと判定された場合、判定部は、人の手、腕又は胴体を識別するように学習した識別器を用いて、監視カメラにより撮像された画像中に表されたドライバの体の有無を調べることにより、ドライバがシート位置を寝かせるように変位させた状態で運転席に着座しているか否かを判定してもよい。ドライバがシート位置を寝かせるように変位させた状態で運転席に着座していると判定された場合、制御部は、通知部を介して、着座通知をドライバへ通知してもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 監視システム
2 監視カメラ
3a、3b、3c 着座センサ
4 ユーザインターフェース
4a 表示装置
10 車両
11 ドライバ監視装置
21 通信インターフェース
22 メモリ
23 プロセッサ
230 取得部
231 判定部
232 制御部
12 車内ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8