(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】波長変換基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240625BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240625BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240625BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G09F9/30 349B
G09F9/33
H01L33/50
G02B5/20 101
G02B5/20
(21)【出願番号】P 2022089628
(22)【出願日】2022-06-01
【審査請求日】2023-11-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【氏名又は名称】森川 元嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(72)【発明者】
【氏名】横田 涼輔
(72)【発明者】
【氏名】小松 大介
(72)【発明者】
【氏名】後藤 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】川田 京慧
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-161604(JP,A)
【文献】特開2015-148639(JP,A)
【文献】国際公開第2016/171207(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/108142(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0018286(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G02B 5/20
H01L 33/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面及び第2主面を有している透明基板と、
前記第1主面上に設けられ、複数の第1貫通孔を有している樹脂層と、
前記複数の第1貫通孔の側壁をそれぞれ少なくとも部分的に被覆した複数の第1部分を含んだ無機被覆層と、
前記複数の第1貫通孔の少なくとも一部の中にそれぞれ設けられた複数の波長変換部を含んだ波長変換層と
を備え、
前記側壁の前記第1部分による被覆率は60%以上であり、
前記複数の第1貫通孔の各々は、前記透明基板側の開口の長さL1が10乃至1000μmの範囲内にあり、前記透明基板側の前記開口の幅W1と前記長さL1との比W1/L1が0.01乃至0.95の範囲内にあ
り、
前記無機被覆層は、前記複数の第1貫通孔の前記透明基板側の開口の位置でそれぞれ広がり且つ前記開口と比較して寸法がより小さい第2貫通孔を各々が有している複数の第2部分を更に含んだ波長変換基板。
【請求項2】
前記比W1/L1は0.01乃至0.75の範囲内にあり、前記複数の第1貫通孔の長さ方向における前記第2貫通孔の寸法L2と前記長さL1との比L2/L1は0.01乃至0.80の範囲内にある請求項
1に記載の波長変換基板。
【請求項3】
前記無機被覆層は、前記樹脂層の上面を少なくとも部分的に被覆し且つ前記第1部分と隣接した第3部分を更に含んだ請求項1に記載の波長変換基板。
【請求項4】
前記上面の前記第3部分による被覆率は80%以上である請求項
3に記載の波長変換基板。
【請求項5】
前記複数の第1貫通孔の各々は、深さが10乃至40μmの範囲内にある請求項1に記載の波長変換基板。
【請求項6】
前記無機被覆層は金属又は合金からなる請求項1に記載の波長変換基板。
【請求項7】
前記透明基板と前記樹脂層との間に介在し、前記複数の第1貫通孔の位置に複数の第3貫通孔をそれぞれ有するブラックマトリクスを更に備えた請求項1に記載の波長変換基板。
【請求項8】
前記比W1/L1は0.01乃至0.75の範囲内にあり、前記複数の第1貫通孔の長さ方向における前記第3貫通孔の寸法L3と前記長さL1との比L3/L1は0.01乃至0.80の範囲内にある請求項
7に記載の波長変換基板。
【請求項9】
前記複数の第3貫通孔の少なくとも一部の位置にそれぞれ配置された複数の着色層を含んだカラーフィルタを更に備えた請求項
7に記載の波長変換基板。
【請求項10】
請求項1乃至
9の何れか1項に記載の波長変換基板と、
前記第1主面と向き合うように設置された調光装置と
を備えた表示装置。
【請求項11】
前記調光装置は、基板と、前記複数の第1貫通孔に対応して前記基板上に配置された複数の発光ダイオードとを備えた請求項
10に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置において、発光ダイオードなどの発光素子は、例えば、バックライトユニットの光源として、又は、画素若しくはサブ画素の構成要素として利用されている。そのような表示装置では、発光素子又は画素若しくはサブ画素を互いから区画する隔壁を設けることがある。隔壁は、例えば、発光素子が射出する光を効率的に利用すること、又は、或る発光素子が射出した光を入射させるべき領域へ他の発光素子が射出した光が入射するのを防止することを可能とする。
【0003】
特許文献1及び2には、青色光を赤色光及び緑色光へと波長変換する色変換蛍光体を含む波長変換層を備えた表示装置が提案されている。このような表示装置は、単色の光源を使用しながらも、カラー画像の表示が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-131683号公報
【文献】特開2009-244383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光源からの光を互いに異なる色の光へと変換する2以上の波長変換層は、隔壁によって互いから仕切られた2以上の凹部内へ形成することができる。隔壁を設けると、例えば、厚い波長変換層を高い位置精度で形成することができる。それ故、高い波長変換効率を達成することができ、混色を生じ難くすることもできる。
【0006】
波長変換層を上記の凹部内へ形成する方法としては、感光性材料を塗工液として使用して、フォトリソグラフィによって塗膜をパターニングする方法と、塗工液を特定の位置へ選択的に供給するノズル塗布法とがある。何れの方法においても、凹部の内面と塗膜との間や塗膜中に気泡を生じ易い。波長変換層に発生した気泡は、表示装置における輝度の低下や色抜けなどの問題を生じ得る。
【0007】
本発明は、隔壁を設けた波長変換基板を備えた表示装置において、波長変換層における気泡の発生に起因した輝度の低下や色抜けを生じ難くし得る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によると、第1主面及び第2主面を有している透明基板と、上記第1主面上に設けられ、複数の第1貫通孔を有している樹脂層と、上記複数の第1貫通孔の側壁をそれぞれ少なくとも部分的に被覆した複数の第1部分を含んだ無機被覆層と、上記複数の第1貫通孔の少なくとも一部の中にそれぞれ設けられた複数の波長変換部を含んだ波長変換層とを備え、上記側壁の上記第1部分による被覆率は60%以上であり、
上記複数の第1貫通孔の各々は、上記透明基板側の開口の長さL1が10乃至1000μmの範囲内にあり、上記透明基板側の上記開口の幅W1と上記長さL1との比W1/L1が0.01乃至0.95の範囲内にある波長変換基板が提供される。
【0009】
本発明の他の側面によると、上記無機被覆層は、上記複数の第1貫通孔の上記透明基板側の開口の位置でそれぞれ広がり且つ上記開口と比較して寸法がより小さい第2貫通孔を各々が有している複数の第2部分を更に含んだ上記側面に係る波長変換基板が提供される。
【0010】
本発明の更に他の側面によると、上記比W1/L1は0.01乃至0.75の範囲内にあり、上記複数の第1貫通孔の長さ方向における上記第2貫通孔の寸法L2と上記長さL1との比L2/L1は0.01乃至0.80の範囲内にある上記側面の何れかに係る波長変換基板が提供される。
【0011】
本発明の更に他の側面によると、上記無機被覆層は、上記樹脂層の上面を少なくとも部分的に被覆し且つ上記第1部分と隣接した第3部分を更に含んだ上記側面の何れかに係る波長変換基板が提供される。
【0012】
本発明の更に他の側面によると、上記上面の上記第3部分による被覆率は80%以上である上記側面の何れかに係る波長変換基板が提供される。
【0013】
本発明の更に他の側面によると、上記複数の第1貫通孔の各々は、深さが10乃至40μmの範囲内にある上記側面の何れかに係る波長変換基板が提供される。
【0014】
本発明の更に他の側面によると、上記無機被覆層は金属又は合金からなる上記側面の何れかに係る波長変換基板が提供される。
【0015】
本発明の更に他の側面によると、上記透明基板と上記樹脂層との間に介在し、上記複数の第1貫通孔の位置に複数の第3貫通孔をそれぞれ有するブラックマトリクスを更に備えた上記側面の何れかに係る波長変換基板が提供される。
【0016】
本発明の更に他の側面によると、上記比W1/L1は0.01乃至0.75の範囲内にあり、上記複数の第1貫通孔の長さ方向における上記第3貫通孔の寸法L3と上記長さL1との比L3/L1は0.01乃至0.80の範囲内にある上記側面の何れかに係る波長変換基板が提供される。
【0017】
本発明の更に他の側面によると、上記複数の第3貫通孔の少なくとも一部の位置にそれぞれ配置された複数の着色層を含んだカラーフィルタを更に備えた上記側面の何れかに係る波長変換基板が提供される。
【0018】
本発明の更に他の側面によると、上記側面の何れかに係る波長変換基板と、上記第1主面と向き合うように設置された調光装置とを備えた上記側面の何れかに係る表示装置が提供される。
【0019】
本発明の更に他の側面によると、上記調光装置は、基板と、上記複数の第1貫通孔に対応して上記基板上に配置された複数の発光ダイオードとを備えた上記側面の何れかに係る表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、隔壁を設けた波長変換基板を備えた表示装置において、波長変換層における気泡の発生に起因した輝度の低下や色抜けを生じ難くし得る技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の一部を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す表示装置のIII-III線に沿った断面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す表示装置のIV-IV線に沿った断面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す表示装置のV-V線に沿った断面図である。
【
図6】
図6は、
図1に示す表示装置のVI-VI線に沿った断面図である。
【
図7】
図7は、
図1の表示装置が含んでいる波長変換基板の一部を示す平面図である。
【
図8】
図8は、
図7の波長変換基板から構成要素の一部を省略した構造を示す平面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の一部を示す断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の第3実施形態に係る表示装置の一部を示す断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の第4実施形態に係る表示装置の一部を示す断面図である。
【
図12】
図12は、一比較例に係る表示装置の一部を示す断面図である。
【
図13】
図13は、他の比較例に係る表示装置の一部を示す断面図である。
【
図14】
図14は、例1において、波長変換層が形成される前の構造体表面への塗工時に塗膜に発生した気泡を示す模式図である。
【
図15】
図15は、例2において、波長変換層が形成される前の構造体表面への塗工時に塗膜に発生した気泡を示す模式図である。
【
図16】
図16は、例3において、波長変換層が形成される前の構造体表面への塗工時に塗膜に気泡が発生しなかったことを示す模式図である。
【
図17】
図17は、例4において、波長変換層が形成される前の構造体表面への塗工時に塗膜に発生した気泡を示す模式図である。
【
図18】
図18は、例5において、波長変換層が形成される前の構造体表面への塗工時に塗膜に発生した気泡を示す模式図である。
【
図19】
図19は、比較例1において、波長変換層が形成される前の構造体表面への塗工時に塗膜に発生した気泡を示す模式図である。
【
図20】
図20は、比較例2において、波長変換層が形成される前の構造体表面への塗工時に塗膜に発生した気泡を示す模式図である。
【
図21】
図21は、比較例3において、波長変換層が形成される前の構造体表面への塗工時に塗膜に発生した気泡を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、上記側面の何れかをより具体化したものである。以下に記載する事項は、単独で又は複数を組み合わせて、上記側面の各々に組み入れることができる。
【0023】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、下記の構成部材の材質、形状、及び構造等によって限定されるものではない。本発明の技術的思想には、請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0024】
なお、同様又は類似した機能を有する要素については、以下で参照する図面において同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は模式的なものであり、或る方向の寸法と別の方向の寸法との関係、及び、或る部材の寸法と他の部材の寸法との関係等は、現実のものとは異なり得る。
【0025】
<1>第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の一部を示す平面図である。
図2は、
図1に示す表示装置の等価回路図である。
図3は、
図1に示す表示装置のIII-III線に沿った断面図である。
図4は、
図1に示す表示装置のIV-IV線に沿った断面図である。
図5は、
図1に示す表示装置のV-V線に沿った断面図である。
図6は、
図1に示す表示装置のVI-VI線に沿った断面図である。
図7は、
図1の表示装置が含んでいる波長変換基板の一部を示す平面図である。なお、
図1において、破線で囲まれた領域は、後述するように、ブラックマトリクス32が有している第3貫通孔の透明基板31側の開口を表している。
【0026】
図1乃至
図6に示す表示装置1Aは、アクティブマトリクス駆動方式によるカラー表示が可能であり、各サブ画素が発光ダイオード(LED)を含んだマイクロLEDディスプレイである。
【0027】
なお、各図において、X方向及びY方向は、表示装置1Aの表示面に対して平行であり且つ互いに交差する方向である。一例によれば、X方向及びY方向は、互いに対して垂直である。また、Z方向は、X方向及びY方向に対して垂直な方向である。即ち、Z方向は、表示装置1Aの厚さ方向である。
【0028】
表示装置1Aは、
図2に示すように、映像信号線VSLと、電源線PSLと、走査信号線SSLと、画素PXと、映像信号線ドライバVDRと、走査信号線ドライバSDRとを含んでいる。
【0029】
映像信号線VSL及び電源線PSLは、Y方向へ各々が伸びており、X方向へ交互に配列している。走査信号線SSLは、X方向へ各々が伸びており、Y方向へ配列している。
【0030】
画素PXは、X方向及びY方向へ配列している。各画素PXは、第1サブ画素PXRと、第2サブ画素PXGと、第3サブ画素PXBとを含んでいる。第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、映像信号線VSLと走査信号線SSLとの交差部に対応して配列している。
【0031】
第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、異なる色の光を射出する。ここでは、一例として、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光を射出することとする。
【0032】
各画素PXにおいて、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、X方向へこの順に配列している。各画素PXにおける、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBの配列順序は変更可能である。
【0033】
また、ここでは、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、ストライプ配列を形成している。第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、デルタ配列及びモザイク配列などの他の配列を形成していてもよい。
【0034】
第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBの各々は、発光素子Dと、駆動制御素子DRと、スイッチSWと、キャパシタCとを含んでいる。
【0035】
発光素子Dは、発光ダイオードである。発光ダイオードは、例えば、無機物からなる発光ダイオードである。無機物からなる発光ダイオードは、例えば、これらと同様の層構造を有している積層体を、複数の部分へと個片化することにより得られる。発光素子Dは、有機物からなる発光ダイオードであるエレクトロルミネッセンス素子であってもよい。発光素子Dの陰極は、接地電極へ接続されている。ここでは、一例として、発光素子Dは、無機物からなり、青色光を射出する青色発光ダイオードであるとする。
【0036】
駆動制御素子DR及びスイッチSWは、電界効果トランジスタである。ここでは、駆動制御素子DRはpチャネル薄膜トランジスタであり、スイッチSWはnチャネル薄膜トランジスタである。駆動制御素子DRは、ゲートがスイッチSWのドレインへ接続され、ソースが電源線PSLへ接続され、ドレインが発光素子Dの陽極へ接続されている。スイッチSWは、ゲートが走査信号線SSLへ接続され、ソースが映像信号線VSLへ接続されている。
【0037】
キャパシタCは、例えば、薄膜キャパシタである。キャパシタCは、一方の電極が駆動制御素子DRのゲートへ接続されており、他方の電極が電源線PSLへ接続されている。
【0038】
第1サブ画素PXRは、
図3乃至
図6に示す第1波長変換層36Rを更に含んでいる。
【0039】
第1波長変換層36Rは、第1サブ画素PXRの発光素子Dと向き合うように設置されている。第1波長変換層36Rは、第1サブ画素PXRの発光素子Dが射出した光を特定の色の第1光へと変換する。第1波長変換層36Rは、例えば、第1サブ画素PXRの発光素子Dが射出した青色光を赤色光へと変換する。
【0040】
第2サブ画素PXGは、
図3に示す第2波長変換層36Gを更に含んでいる。
【0041】
第2波長変換層36Gは、第2サブ画素PXGの発光素子Dと向き合うように設置されている。第2波長変換層36Gは、第2サブ画素PXGの発光素子Dが射出した光を、第1光とは色が異なる第2光へと変換する。第2波長変換層36Gは、例えば、第2サブ画素PXGの発光素子Dが射出した青色光を緑色光へと変換する。
【0042】
第3サブ画素PXBは、
図3及び
図4に示す充填層36Bを更に含んでいる。
【0043】
充填層36Bは、第3サブ画素PXBの発光素子Dと向き合うように設置されている。充填層36Bは、例えば、無色透明な層である。充填層36Bは省略することができる。
【0044】
映像信号線ドライバVDR及び走査信号線ドライバSDRは、
図2に示すように、表示パネルにCOG(chip on glass)実装されている。映像信号線ドライバVDR及び走査信号線ドライバSDRは、COG実装の代わりに、TCP(tape carrier package)実装されてもよい。
【0045】
映像信号線ドライバVDRには、映像信号線VSLと電源線PSLとが接続されている。映像信号線ドライバVDRは、映像信号線VSLに、映像信号として電圧信号を出力する。
【0046】
走査信号線ドライバSDRには、走査信号線SSLが接続されている。走査信号線ドライバSDRは、走査信号線SSLに走査信号として電圧信号を出力する。電源線PSLは、映像信号線ドライバVDRに接続する代わりに、走査信号線ドライバSDRに接続してもよい。
【0047】
表示装置1Aについて、更に詳しく説明する。
表示装置1Aは、
図3乃至
図6に示すように、調光基板2と、波長変換基板3Aと、接着層4とを含んでいる。
【0048】
調光基板は、波長変換基板へ向けて光を射出するとともに、この光の強さ及びこの光を射出する時間の少なくとも一方を、画素毎に又はサブ画素毎に調節可能な基板である。
図3乃至
図6に示す調光基板2は、基板21と、半導体層22と、導体層23A、23B、23C及び23Dと、絶縁層24A、24B及び24Cと、発光素子25と、隔壁層26と、充填層27と、導体層28とを含んでいる。
【0049】
基板21は、例えば、ガラス基板などの絶縁基板を含んでいる。基板21は、絶縁基板の波長変換基板3Aと向き合った主面に設けられたアンダーコート層を更に含んでいてもよい。アンダーコート層は、例えば、絶縁基板上に順次積層されたシリコン窒化物層とシリコン酸化物層との積層体である。基板21は、シリコン基板などの半導体基板であってもよい。基板21は、硬質であってもよく、可撓性であってもよい。
【0050】
半導体層22は、基板21の波長変換基板3Aと向き合った主面上で配列している。半導体層22は、例えば、ポリシリコン層である。半導体層22は、駆動制御素子DR又はスイッチSWを構成している薄膜トランジスタの半導体層である。各半導体層22は、ソース及びドレインと、それらの間に介在したチャネル領域とを含んでいる。
【0051】
導体層23Aは、基板21の上記主面上に設けられた導体パターンである。導体層23Aは、映像信号線VSL、電源線PSL、ソース電極SE、ドレイン電極DE、及びキャパシタCの下部電極(図示せず)を構成している。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、それぞれ、半導体層22のソース及びドレインへ接続されている。導体層23Aは、金属又は合金からなる。導体層23Aは、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0052】
絶縁層24Aは、導体層23Aと基板21の上記主面とを被覆している。絶縁層24Aは、例えばTEOS(tetraethyl orthosilicate)を用いて形成することができる。駆動制御素子DR又はスイッチSWを構成している各薄膜トランジスタのゲート絶縁膜は、絶縁層24Aの一部である。また、各キャパシタCの誘電体層は、絶縁層24Aの他の一部である。
【0053】
導体層23Bは、絶縁層24A上に設けられた導体パターンである。駆動制御素子DR又はスイッチSWを構成している各薄膜トランジスタのゲート電極GEは、導体層23Bの一部である。各ゲート電極GEは、絶縁層24Aを間に挟んで半導体層22のチャネル領域と向き合っている。また、各キャパシタCの上部電極(図示せず)は、導体層23Bの他の一部である。各上部電極は、絶縁層24Aを間に挟んで、この上部電極を含んだキャパシタCの下部電極と向き合っている。導体層23Bは、金属又は合金からなる。導体層23Bは、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0054】
絶縁層24Bは、導体層23Bと絶縁層24Aとを被覆している。絶縁層24Bは、層間絶縁膜である。絶縁層24Bは、例えば、シリコン酸化物などの無機絶縁体からなる。無機絶縁体からなる絶縁層は、例えば、プラズマCVD(chemical vapor deposition)法により成膜することができる。
【0055】
導体層23Cは、
図5及び
図6に示すように、絶縁層24B上に設けられた導体パターンである。導体層23Cは、走査信号線SSLを構成している。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、絶縁層24A上に設ける代わりに、絶縁層24B上に設けてもよい。即ち、導体層23Cで、走査信号線SSLとソース電極SE及びドレイン電極DEとを構成してもよい。
【0056】
絶縁層24Cは、導体層23Cと絶縁層24Bとを被覆している。絶縁層24Cは、パッシベーション膜である。絶縁層24Cは、例えば、シリコン窒化物などの無機絶縁体からなる。
【0057】
導体層23Dは、絶縁層24C上に設けられた導体パターンである。導体層23Dは、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBに対応してX方向及びY方向へ配列した電極パッドを構成している。絶縁層24A、24B及び24Cからなる積層体には、駆動制御素子DRのドレインへ接続されたドレイン電極DEの位置に貫通孔が設けられている。各電極パッドは、この貫通孔を介してドレイン電極DEへ接続されている。導体層23Dは、例えば、金属又は合金からなる。導体層23Dは、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0058】
各電極パッドのZ方向に対して垂直な平面への正射影の輪郭は、この電極パッド上に設置された発光素子25の先の平面への正射影から離間するとともに、この正射影を取り囲んでいる。即ち、電極パッドは、発光素子25と比較して、Z方向に対して垂直な方向の寸法がより大きい。それ故、電極パッドは、基板21へ向けて進行する光を反射する反射層としての役割も果たす。電極パッドには、この反射層としての役割を担わせなくてもよい。この場合、この役割を果たす反射層は、電極パッドとは別に設けてもよく、設けなくてもよい。
【0059】
図3乃至
図5に示す発光素子25は、
図2に示す発光素子Dである。発光素子25は、電極パッド上に配置されている。
【0060】
発光素子25は、ここでは、無機物からなる発光ダイオードである。なお、発光素子25として発光ダイオードを含んだ基板は、「LED基板」と呼ぶこともある。
【0061】
発光素子25は、複数の層、例えば、第1層251、第2層252及び第3層253を含んだ多層構造を有している。ここでは、発光素子25が含んでいる層の積層方向はZ方向である。この積層方向は、Z方向に対して垂直であってもよい。
【0062】
各発光素子25は、陽極及び陰極を含んでいる。発光素子25は、一方の面に陽極と陰極とを有している。発光素子25の陽極は、図示しないボンディングワイヤを介して電極パッドへ接続されている。発光素子25が一方の面に陽極を有し、他方の面に陰極を有している場合、発光素子25の電極パッドへの接合と陽極の電極パッドへの接続とを、導電ペーストなどの導電材料を接合材として用いたダイボンディングによって行ってもよい。発光素子25が一方の面に陽極と陰極とを有している場合、導体層28を省略するとともに、発光素子25の陰極と接続するための電極パッドを絶縁層24C上に更に設け、これら電極パッドと接続された配線を絶縁層間に更に設け、発光素子25の電極パッド及び導体層28への接合と、陽極及び陰極の電極パッドへの接続とを、フリップチップボンディングによって行ってもよい。
【0063】
発光素子25のX方向及びY方向における寸法は、好ましくは1乃至100μmの範囲内にあり、より好ましくは5乃至80μmの範囲内にあり、更に好ましくは10乃至60μmの範囲内にある。発光素子25のZ方向における寸法は、好ましくは1乃至20μmの範囲内にあり、より好ましくは1乃至15μmの範囲内にあり、更に好ましくは1乃至10μmの範囲内にある。
【0064】
隔壁層26は、絶縁層24C上に設けられている。隔壁層26は、電極パッドの位置に貫通孔を有している。発光素子25は、それぞれ、これら貫通孔内に位置している。隔壁層26は、例えば、樹脂からなる。そのような隔壁層26は、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィによって形成することができる。隔壁層26は、貫通孔を有する樹脂層と、それら貫通孔の側壁と任意に樹脂層の上面とを被覆した反射層とを含んでいてもよい。反射層は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。反射層が含む層は、例えば、金属、合金又は透明誘電体である。隔壁層26は省略することができる。
【0065】
充填層27は、発光素子25と隔壁層26との間の隙間を埋め込んでいる。充填層27は、発光素子25が射出した光を透過させる光透過層である。また、充填層27は、発光素子25及びこれと電極との接合部等を保護する保護層としての役割も果たす。充填層27は、例えば、樹脂からなる。充填層27の屈折率は、隔壁層26の表面を構成している材料の屈折率とは異なることが好ましい。
【0066】
導体層28は、隔壁層26及び充填層27上に設けられている。発光素子25の陰極は、導体層28へ接続されている。導体層28は、導電性透明酸化物からなる場合、発光素子25の陰極全体を覆うように設けることができる。導体層28は、金属又は合金からなる場合、発光素子25の陰極を部分的に覆うように設けることが好ましい。
【0067】
波長変換基板3Aは、調光基板2と向き合っている。具体的には、波長変換基板3Aは、発光素子25等を間に挟んで基板21と向き合っている。
【0068】
波長変換基板3Aは、透明基板31と、ブラックマトリクス32と、オーバーコート層33OCと、樹脂層34と、無機被覆層35と、第1波長変換層36Rと、第2波長変換層36Gと、充填層36Bとを含んでいる。
【0069】
透明基板31は、可視光透過性を有している。透明基板31は、例えば、無色の基板である。透明基板31は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。透明基板31は、例えば、ガラス、透明樹脂又はそれらの組み合わせからなる。透明基板31は、硬質であってもよく、可撓性であってもよい。透明基板31は、調光基板2と向き合った第1主面と、その裏面である第2主面とを有している。
【0070】
ブラックマトリクス32は、透明基板31の第1主面上に設けられている。ブラックマトリクス32は、可視光を遮る黒色層である。ブラックマトリクス32は、例えば、バインダ樹脂と着色剤とを含んだ混合物からなる。着色剤は、例えば、黒色顔料であるか、又は、減法混色によって黒色を呈する顔料の混合物、例えば、青色顔料、緑色顔料及び赤色顔料を含んだ混合物である。
【0071】
ブラックマトリクス32は、発光素子25の位置に第3貫通孔を有している。各第3貫通孔の透明基板31側の開口は、発光素子25と比較して、Z方向に垂直な方向の寸法がより大きい。
【0072】
ここでは、第3貫通孔の透明基板31側の開口は、
図1に破線で示すように、Y方向へ伸びた形状を有している。ブラックマトリクス32のうち画素PXに対応した各部分は、第1サブ画素PXRの位置に設けられた第3貫通孔と、第2サブ画素PXGの位置に設けられた第3貫通孔と、第3サブ画素PXBの位置に設けられた第3貫通孔とを含んでおり、これら3つの第3貫通孔はX方向へ配列している。これら3つの第3貫通孔から各々がなる複数の第3貫通孔群は、X方向及びY方向へ配列している。X方向へ隣り合った第3貫通孔群間の距離は、同一の貫通孔群が含んでいる第3貫通孔間の距離と比較してより大きい。Y方向へ隣り合った第3貫通孔群間の距離も、同一の貫通孔群が含んでいる第3貫通孔間の距離と比較してより大きい。
【0073】
ブラックマトリクス32の開口率は、好ましくは5乃至66%の範囲内にあり、より好ましくは5乃至40%の範囲内にあり、更に好ましくは5乃至20%の範囲内にある。無機物からなる発光ダイオードは、光射出面が小さい場合であっても明るく発光させることができ、また、長寿命である。それ故、発光素子25が無機物からなる発光ダイオードである場合、ブラックマトリクス32の開口率を小さくしても、明るい表示が可能である。そして、ブラックマトリクス32の開口率を小さくすると、外光の反射を抑制でき、深みがより強い黒色を表示することができ、従って、より高いコントラスト比を実現することができる。
【0074】
ブラックマトリクス32の厚さは、好ましくは1乃至30μmの範囲内にあり、より好ましくは1乃至15μmの範囲内にあり、更に好ましくは1乃至5μmの範囲内にある。厚いブラックマトリクス32は、高い遮光性を達成するうえで有利である。但し、ブラックマトリクス32を厚くすると、感光性黒色組成物からなる塗膜へのパターン露光において、塗膜の深部へ光が十分な強さで到達できず、高い形状精度を達成できない可能性がある。
【0075】
オーバーコート層33OCは、
図3乃至
図6に示すように、ブラックマトリクス32を被覆するとともに、ブラックマトリクス32の第3貫通孔を埋め込んでいる。オーバーコート層33OCは、例えば、透明樹脂からなる。一例によれば、オーバーコート層33OCは無色透明である。オーバーコート層33OCは、紫外線吸収剤、イエロー顔料及び透明粒子の1以上を更に含むことができる。オーバーコート層33OCは、樹脂層34等に対して平坦な下地を提供する。
【0076】
樹脂層34は、オーバーコート層33OC上に設けられている。一例によれば、樹脂層34は透明である。この場合、樹脂層34は、着色していてもよく、無色であってもよい。樹脂層34は、光散乱性を有していてもよい。
【0077】
樹脂層34は、第3貫通孔の位置に第1貫通孔をそれぞれ有している。これら第1貫通孔は、上記の第3貫通孔群に対応した第1貫通孔群を構成している。第1貫通孔群の各々は、ここでは、X方向へ配列した3つの第1貫通孔からなる。第1貫通孔群は、互いに交差する第1方向及び第2方向、ここでは、X方向及びY方向へ配列している。
【0078】
図7に示すように、X方向へ隣り合った第1貫通孔群間の距離W
x1は、同一の貫通孔群が含んでいる第1貫通孔間の距離W
x2と比較してより大きい。Y方向へ隣り合った第1貫通孔群間の距離W
y1も、同一の貫通孔群が含んでいる第1貫通孔間の距離W
x2と比較してより大きい。
【0079】
距離Wx2は、好ましくは5乃至80μmの範囲内にあり、より好ましくは5乃至40μmの範囲内にあり、更に好ましくは5乃至20μmの範囲内にある。
【0080】
距離Wx1は、好ましくは5乃至250μmの範囲内にあり、より好ましくは50乃至214.5μmの範囲内にあり、更に好ましくは100乃至214.5μmの範囲内にある。
【0081】
距離Wy1は、好ましくは5乃至250μmの範囲内にあり、より好ましくは5乃至100μmの範囲内にあり、更に好ましくは5乃至50μmの範囲内にある。
【0082】
距離Wx1と距離Wx2との比Wx1/Wx2は、好ましくは0.5乃至20の範囲内にあり、より好ましくは2乃至20の範囲内にあり、更に好ましくは10乃至20の範囲内にある。距離Wx1は、距離Wx2と等しくてもよく、距離Wx2よりも小さくてもよい。
【0083】
距離Wy1と距離Wx2との比Wy1/Wx2は、好ましくは0.5乃至40の範囲内にあり、より好ましくは1乃至10の範囲内にあり、更に好ましくは1.1乃至5の範囲内にある。距離Wy1は、距離Wx2と等しくてもよく、距離Wx2よりも小さくてもよい。
【0084】
樹脂層34のうち隣り合った第1貫通孔によって挟まれた部分は、隔壁部である。これら隔壁部は、矩形状の断面形状を有している。これら隔壁部は、順テーパー状の断面形状を有していてもよく、逆テーパー状の断面形状を有していてもよい。また、これら隔壁部は、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG及び第3サブ画素PXBの位置に、凹部(第1貫通孔)を形成している。ここでは、これら凹部(第1貫通孔)は、Y方向へ伸びた溝形状を有している。
【0085】
樹脂層34の厚さは、好ましくは5乃至50μmの範囲内にあり、より好ましくは5乃至40μmの範囲内にあり、更に好ましくは10乃至25μmの範囲内にある。樹脂層34の厚さが小さい場合、第1貫通孔内に形成する層の合計厚さを大きくすることが難しい。樹脂層34の厚さを大きくすると、隣り合った第1貫通孔間に挟まれた隔壁部の形状精度が低下する。
【0086】
無機被覆層35は、複数の第1貫通孔の側壁をそれぞれ少なくとも部分的に被覆した複数の第1部分を含んでいる。ここでは、無機被覆層35は、
図3乃至6に示すように、第1貫通孔の各々の側壁全体を被覆している。無機被覆層35は、第1貫通孔の側壁の一部を被覆していなくてもよい。例えば、無機被覆層35は、第1貫通孔の少なくとも1つの側壁のうちブラックマトリクス32近傍の部分、及び、第1貫通孔の少なくとも1つの側壁のうち樹脂層34の上面近傍の部分の少なくとも一方を被覆していなくてもよい。
【0087】
無機被覆層35が含む第1部分による第1貫通孔の側壁の被覆率は、60%以上である。側壁の第1部分による被覆率が60%以上であると、隔壁が形成している凹部(第1貫通孔)に例えばダイコート法又はノズル塗布法により塗膜を形成する際に、凹部の内面と塗膜との間や塗膜中に気泡を生じることを効果的に抑制することができる。無機被覆層35が含む第1部分による第1貫通孔の側面の被覆率は、好ましくは80%以上である。
【0088】
無機被覆層35は、複数の第1貫通孔の透明基板31側の開口の位置でそれぞれ広がり且つ上記開口と比較して寸法がより小さい第2貫通孔を各々が有している複数の第2部分を更に含んでいる。即ち、無機被覆層35は、第1貫通孔内でオーバーコート層33OCを被覆した第2部分を更に含んでいる。第2部分は、第1貫通孔の透明基板31側の開口よりも寸法が小さな第2貫通孔を有している。ここでは、無機被覆層35は、
図5に示すように、ブラックマトリクス32が有する第3貫通孔の位置に第2貫通孔を有している。第2部分は省略することができる。
【0089】
無機被覆層35は、樹脂層34の上面を少なくとも部分的に被覆した複数の第3部分を更に含んでいる。ここでは、第3部分は、樹脂層34の上面全体を被覆している。第3部分は、第1部分と隣接した部分を含むことが好ましい。
【0090】
無機被覆層35は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。無機被覆層35が含む層は、例えば、金属、合金又は透明誘電体である。一例によれば、無機被覆層35は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる。無機被覆層35は、塗工液に対する表面の接触角が好ましくは1乃至30度の範囲内にあり、より好ましくは5乃至10度の範囲内にある。
【0091】
樹脂層34が有する第1貫通孔、無機被覆層35が有する第2貫通孔、及び、ブラックマトリクス32が有する第3貫通孔について
図8を参照しながら以下に説明する。
図8は、
図7の波長変換基板3Aから構成要素の一部を省略した構造を示す平面図である。具体的には、
図8は、
図7の波長変換基板3Aから、第1波長変換層36R、第2波長変換層36G及び充填層36Bを省略した構造を示す平面図である。
図8において、長さL1及び幅W1は、それぞれ、樹脂層34が有する第1貫通孔の透明基板31側の開口のX方向における寸法及びY方向における寸法である。長さL2及び幅W2は、それぞれ、無機被覆層35が有する第2貫通孔の透明基板31側の開口のX方向における寸法及びY方向における寸法である。長さL3及び幅W3は、それぞれ、ブラックマトリクス32が有する第3貫通孔の透明基板31側の開口のX方向における寸法及びY方向における寸法である。
【0092】
第1貫通孔は、透明基板31側の開口の長さL1が10乃至1000μmの範囲内にあり、且つ、上記開口の幅W1と上記長さL1との比W1/L1が0.01乃至0.95の範囲内にある。第1貫通孔の上記開口がこの寸法でY方向に伸びた形状を有することにより、第1貫通孔内への塗工液の充填時に気泡を生じ難くすることができる。同様の理由により、第1貫通孔は、深さが1乃至100μmの範囲内にあることが好ましく、10乃至50μmの範囲内にあることがより好ましい。
【0093】
第1貫通孔の長さL1は、好ましくは90乃至600μmの範囲内にある。第1貫通孔の幅W1と長さL1との比W1/L1は、好ましくは0.01乃至0.75の範囲内にある。上記の塗工を高速で行うと、隔壁部が形成する凹部の内面と塗膜との間又は塗膜中に気泡を生じる可能性がある。長さL1及び比W1/L1を上記範囲内とすると、塗工を高速で行った場合に生じる気泡の位置を、凹部の長さ方向における一端に制限することができる。それ故、気泡に起因した表示装置の輝度の低下や色抜けを抑制することが可能となる。
【0094】
図8において、第3貫通孔の上記開口は、第1貫通孔の長さ方向(Y方向)における寸法L3と上記長さL1との比L3/L1が0.01乃至0.80の範囲内にあることが好ましい。比L3/L1がこの範囲内にあるとき、上記凹部の一端に気泡が発生した場合であっても、気泡が表示へ及ぼす影響を効果的に抑制することができる。比L3/L1は、より好ましくは0.15乃至0.50の範囲内にある。
【0095】
図8において、第2貫通孔の上記開口は、第1主面への正射影の輪郭(以下、第2輪郭という)が、それぞれ、第3貫通孔の第1主面への正射影の輪郭(以下、第3輪郭という)を取り囲むように設けられている。第2輪郭は、第3輪郭を取り囲んでいなくてもよい。第2輪郭が第3輪郭を取り囲んだ構造を採用した場合、第2貫通孔の位置誤差に起因したコントラスト比の低下を生じ難い。第2貫通孔において、第1貫通孔の長さ方向(Y方向)における寸法L2と上記長さL1との比L2/L1は、0.01乃至0.80の範囲内にあることが好ましく、0.15乃至0.50の範囲内にあることがより好ましい。
【0096】
第1波長変換層36R、第2波長変換層36G及び充填層36Bは、第1貫通孔の中にそれぞれ設けられた充填部である。
【0097】
第1波長変換層36Rは、第1サブ画素PXRの位置で第1貫通孔を埋め込んでいる。第1波長変換層36Rは、量子ドット蛍光体などの蛍光体と透明樹脂とを含んだ層である。上記の通り、ここでは、第1波長変換層36Rは、第1サブ画素PXRの発光素子Dが射出した青色光を赤色光へと変換する。
【0098】
第2波長変換層36Gは、第2サブ画素PXGの位置で第1貫通孔を埋め込んでいる。第2波長変換層36Gは、量子ドット蛍光体などの蛍光体と透明樹脂とを含んだ層である。上記の通り、ここでは、第2波長変換層36Gは、第2サブ画素PXGの発光素子Dが射出した青色光を赤色光へと変換する。
【0099】
充填層36Bは、第3サブ画素PXBの位置で第1貫通孔を埋め込んでいる。上記の通り、ここでは、充填層36Bは無色透明な層である。この場合、充填層36Bは、例えば、透明樹脂からなる。
【0100】
接着層4は、調光基板2と波長変換基板3Aとの間に介在しており、それらを互いに対して貼り合わせている。接着層4は、発光素子25が射出した光を透過させる。接着層4は、例えば、無色透明な層である。接着層4は、接着剤又は粘着剤からなる。
【0101】
この表示装置1Aは、例えば、以下の方法により製造することができる。
表示装置1Aの製造においては、先ず、波長変換基板3Aを準備する。
【0102】
即ち、先ず、波長変換基板3Aに対し、無機被覆層35、第1波長変換層36R、第2波長変換層36G及び充填層36Bを形成する前の、透明基板31、ブラックマトリクス32、オーバーコート層33OC及び樹脂層34を含んでいる構造体を得る。
【0103】
ブラックマトリクス32は、例えば、ネガ型の感光性黒色組成物を使用したフォトリソグラフィにより形成することができる。オーバーコート層33OCは、例えば、樹脂の塗工及び塗膜の硬化を順次行うことにより形成することができる。
【0104】
樹脂層34は、例えば、ネガ型の感光性組成物を使用したフォトリソグラフィにより得ることができる。露光条件及び現像条件等を適宜設定することにより、上述した第1貫通孔を有する構造を形成することができる。
【0105】
次に、無機被覆層35を形成する。具体的には、スパッタリング法及び真空蒸着法などの気相堆積法により、無機被覆層35の材料を樹脂層34及びオーバーコート層33OC上に堆積させる。このようにして、樹脂層34の上面を被覆した第3部分と、第1貫通孔の側面を被覆した第1部分とに加え、オーバーコート層33OCを被覆したOC被覆部分を更に含んだ無機被覆層35を得る。
【0106】
次に、エッチングマスクを形成する。エッチングマスクは、無機被覆層35のうち、第2貫通孔が形成される部分が露出し、他の部分がエッチングマスクによって覆われるように形成する。エッチングマスクは、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィにより形成することができる。
【0107】
次いで、ウェットエッチングなどのエッチングを行うことにより、OC被覆部分に第2貫通孔を形成する。
次に、エッチングマスクを除去する。その後、第1波長変換層36R、第2波長変換層36G及び充填層36Bを形成する。
【0108】
第1波長変換層36R、第2波長変換層36G及び充填層36Bの各々は、例えば、ネガ型の感光性組成物を使用したフォトリソグラフィにより形成することができる。
具体的には、上記エッチングにより得られた構造体の表面へ、第1波長変換層36Rの材料としてのネガ型の感光性材料を、例えば、ダイコートによって塗工する。このダイコートでは、例えば、上記の構造体とスロットダイとを、スロットの長さ方向がX方向に対して平行となるように配置し、それらをY方向へ相対的に移動させながら、スロットダイから塗工液を吐出させる。このようにして、上記構造体の表面へ塗膜を形成する。次に、この塗膜をパターン露光して、第1サブ画素PXRの位置で第1貫通孔を埋め込んだ感光性材料を硬化させる。その後、現像によって、塗膜の未露光部を除去する。これにより、第1波長変換層36Rを得る。
【0109】
次に、第1波長変換層36R形成後の構造体の表面へ、第2波長変換層36Gの材料としてのネガ型の感光性材料を、例えば、上記と同様のダイコートによって塗工する。次に、この塗膜をパターン露光して、第2サブ画素PXGの位置で第1貫通孔を埋め込んだ感光性材料を硬化させる。その後、現像によって、塗膜の未露光部を除去する。これにより、第2波長変換層36Rを得る。
【0110】
最後に、第1変換層36R及び第2変換層36G形成後の構造の表面へ、充填層36Bの材料としてのネガ型の感光性材料を、例えば、上記と同様のダイコートによって塗工する。次に、この塗膜をパターン露光して、第3サブ画素PXBの位置で第1貫通孔を埋め込んだ感光性材料を硬化させる。その後、現像によって、塗膜の未露光部を除去する。これにより、充填層36Bを得る。
【0111】
或いは、第1波長変換層36R、第2波長変換層36G及び充填層36Bの各々は、ノズル塗布法によって形成することもできる。ノズル塗布法ではX方向へ画素PXと等しいピッチで配列した複数のノズルが設けられたノズルヘッドを使用する。そして、このノズルヘッドを、上掲で説明した方法により得られたエッチング後の構造体に対してY方向へ相対的に移動させながら、各ノズルから、第1波長変換層36Rの材料としての樹脂組成物を、第1サブ画素PXRの位置で隔壁部が形成している凹部内へ吐出させる。このようにして凹部内に形成した塗膜を硬化させることにより、第1波長変換層36Rを得る。そして、第2波長変換層36G及び充填層36Bも、これと同様の方法により形成する。
【0112】
なお、第1波長変換層36R、第2波長変換層36G及び充填層36Bの形成順は任意である。
【0113】
以上のようにして得られた波長変換基板3Aと、別途用意した調光基板2とを、接着層4を介して貼り合わせる。これにより、表示装置1Aを得る。
【0114】
この表示装置1Aの波長変換基板3Aについて上述した構造を採用すると、波長変換層における気泡の発生に起因した輝度の低下や色抜けを生じ難くすることが可能となる。
【0115】
<2>第2実施形態
図9は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の一部を示す平面図である。
第2実施形態に係る表示装置1Bは、波長変換基板3Aの代わりに、
図9に示す波長変換基板3Bを含んでいること以外は、表示装置1Aと同様である。波長変換基板3Bは、以下の構成を採用したこと以外は、波長変換基板3Aと同様である。
【0116】
即ち、波長変換基板3Bは、透明基板31とオーバーコート層33OCとの間に介在し、第3貫通孔の少なくとも一部の位置にそれぞれ配置された複数の着色層を含んでいる。ここでは、波長変換基板3Bは、第1サブ画素PXRの位置で第3貫通孔を埋め込んだ第1着色層33Rと、第2サブ画素PXGの位置で第3貫通孔を埋め込んだ第2着色層33Gとを含んでいる。一例によれば、第1着色層33R及び第2着色層33Gは、それぞれ、赤色着色層及び緑色着色層である。波長変換基板3Bは、第3サブ画素PXBの位置で第1貫通孔を埋め込んだ第3着色層を更に含むことができる。この場合、例えば、第1着色層33R、第2着色層33G及び第3着色層は、それぞれ、赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層である。
【0117】
波長変換基板3Bでは、波長変換基板3Aと同様に、波長変換層における気泡の発生に起因した表示装置の輝度の低下や色抜けを生じ難くすることを可能とする。更に、波長変換基板3Bについて上述した構成を採用すると、例えば、第1サブ画素PXR及び第2サブ画素PXGにおいて、発光素子25が射出した光の一部が波長変換されずに表示に利用されるのを防止できる。それ故、高い色再現性を達成できる。
【0118】
<3>第3実施形態
図10は、本発明の第3実施形態に係る表示装置の一部を示す平面図である。
第3実施形態に係る表示装置1Cは、波長変換基板3Aの代わりに、
図10に示す波長変換基板3Cを含んでいること以外は、表示装置1Aと同じである。波長変換基板3Cは、以下の構成を採用したこと以外は、波長変換基板3Bと同様である。
【0119】
即ち、波長変換基板3Cは、波長変換層35が、樹脂層34の上面を部分的に被覆している第3部分であって、第1貫通孔の側壁を被覆する第1の部分に隣接した第3部分を含んでいる。波長変換基板3Cでは、波長変換基板3Bと同様に、波長変換層における気泡の発生に起因した表示装置の輝度の低下や色抜けを生じ難くすることを可能し、また高い色再現性を達成できる。
【0120】
<4>第4実施形態
図11は、本発明の第4実施形態に係る表示装置の一部を示す平面図である。
第4実施形態に係る表示装置1Dは、波長変換基板3Aの代わりに、
図11に示す波長変換基板3Dを含んでいること以外は、表示装置1Aと同じである。波長変換基板3Dは、以下の構成を採用したこと以外は、波長変換基板3Bと同様である。
【0121】
即ち、波長変換基板3Dは、第1貫通孔の側壁の無機被覆層35による被覆率が100%である
図9の表示装置1Bとは、上記被覆率が60%超100%未満である点でのみ異なる表示装置である。波長変換基板3Dでは、波長変換基板3Bと同様に、波長変換層における気泡の発生に起因した表示装置の輝度の低下や色抜けを生じ難くすることを可能とし、また高い色再現性を達成できる。
【0122】
<比較例>
図12は、比較例に係る表示装置1Xの断面図である。表示装置1Xは、第1貫通孔の側壁の無機被覆層35による被覆率が100%である
図9の表示装置1Bとは、上記被覆率が50%である点でのみ異なる表示装置である。また、
図13は、他の比較例に係る表示装置1Yの断面図である。表示装置1Yは、第1貫通孔の側壁の無機被覆層35による被覆率が100%である
図9の表示装置1Bとは、上記被覆率が0%である点でのみ異なる表示装置である。いずれの比較例に係る表示装置においても、第1貫通孔の側壁における塗工液に対する親液性が不足し、気泡が生じやすくなる。
【実施例】
【0123】
以下に、本発明に関連して行ったシミュレーションについて記載する。
(例1)
図9に示す表示装置1Bが含んでいる波長変換基板3Bの製造における波長変換層形成工程に関して、有限体積法解析ソフトウェアFluentを使用したシミュレーションを行って、塗膜における気泡の発生状況を調べた。ここでは、自由界面の計算に、VOF(Volume of Fluid)法を使用した。また、このシミュレーションは、以下の条件を仮定して行った。即ち、樹脂層34の第1貫通孔は、透明基板31側の開口の長さL1が468μmであり、幅W1が89.5μmであり、深さが30μmであるとした。樹脂からなる表面に対する塗工液の接触角は44.5度とし、無機被覆層35に対する塗工液の接触角は9.7度とした。塗工液は、粘度が0.0416kg/m・sであり、密度が998kg/m
3であり、表面張力が0.027N/mであるとし、流速は0.1m/秒であるとした。なお、この流速は、波長変換基板3Bにおいて波長変換層が形成される前の構造体表面へ塗工液を塗布する際の、上記構造体とスロットダイとのY方向への相対的な移動の速度に相当している。
【0124】
(例2)
第1貫通孔の長さL1を368μmに変更したこと以外は、例1と同様の条件でシミュレーションを行った。
【0125】
(例3)
第1貫通孔の長さL1を114μmに変更し、流速を0.01m/秒に変更したこと以外は、例1と同様の条件でシミュレーションを行った。
【0126】
(例4)
図11に示す表示装置1Dが含んでいる波長変換基板3Dの製造における波長変換層形成工程に関して上記と同様のシミュレーションを行った。このシミュレーションは、以下の条件を仮定して行った。即ち、第1貫通孔の長さL1を114μmとし、流速を0.01m/秒とし、第1貫通孔の側壁の被覆率を90%とした。これら以外の条件は、例1と同様とした。
【0127】
(例5)
図11に示す表示装置1Dが含んでいる波長変換基板3Dの製造における波長変換層形成工程に関して上記と同様のシミュレーションを行った。このシミュレーションは、以下の条件を仮定して行った。即ち、第1貫通孔の長さL1を114μmとし、流速を0.01m/秒とし、第1貫通孔の側壁の被覆率を80%とした。これら以外の条件は、例1と同様とした。
【0128】
(比較例1)
第1貫通孔の長さL1を89.5μmに変更したこと以外は、例1と同様の条件でシミュレーションを行った。
【0129】
(比較例2)
図12に示す表示装置1Xが含んでいる波長変換基板3Xの製造における波長変換層形成工程に関して上記と同様のシミュレーションを行った。このシミュレーションは、以下の条件を仮定して行った。即ち、第1貫通孔の長さL1を114μmとし、流速を0.01m/秒とし、第1貫通孔の側壁の被覆率を50%とした。これら以外の条件は、例1と同様とした。
【0130】
(比較例3)
図13に示す表示装置1Yが含んでいる波長変換基板3Yの製造における波長変換層形成工程に関して上記と同様のシミュレーションを行った。このシミュレーションは、以下の条件を仮定して行った。即ち、第1貫通孔の長さL1を114μmとし、流速を0.01m/秒とし、第1貫通孔の側壁の被覆率を0%とした。これら以外の条件は、例1と同様とした。
【0131】
<評価>
以上のシミュレーションの結果を下記表1及び
図14乃至
図21に示す。なお、表1において、「被覆率」は、第1貫通孔の側壁の無機被覆層による被覆率である。
【0132】
【0133】
表1及び
図14乃至
図21から以下のことがわかる。
すなわち、例3、4及び5と比較例2及び3との対比から明らかなように、塗工速度が低い場合、比W1/L1を十分に小さくするとともに、第1貫通孔の側壁の無機被覆層による被覆率を十分に大きくすることにより、気泡の発生を生じ難くすることができる。
【0134】
例1及び2と比較例1とから明らかなように、流速を高めると、比W1/L1や被覆率を如何様としても、気泡が発生する可能性がある。但し、第1貫通孔の側壁の無機被覆層による被覆率が十分に大きい場合、第1貫通孔の形状が溝状になるまで比W1/L1を小さくすることにより、気泡の大きさを小さくすることができ、また、気泡の発生位置を溝の一端に(塗工液の流れの下流側の端に)制限することができる。そのため、ブラックマトリクスの第3貫通孔を、気泡の発生位置から離間させることにより、気泡の発生が表示へ及ぼす影響を小さくすることができる。
【0135】
また、例3と比較例2及び3との対比から明らかなように、無機被覆層による第1貫通孔の側面の被覆率を高め、塗工液が接する親液領域の面積を広げることにより、気泡の発生を抑制することができる。
【0136】
以上を踏まえ、例1乃至例5及び比較例1乃至比較例3を下記基準に基づき評価した。結果を表1に示す。
[評価A]
気泡に起因した表示装置の輝度の低下や色抜けを抑制することが可能である。
[評価B]
気泡に起因した表示装置の輝度の低下や色抜けを生じ得る。
【符号の説明】
【0137】
1A…表示装置、1B…表示装置、1C…表示装置、1D…表示装置、1X…表示装置、1Y…表示装置、2…調光基板、3A…波長変換基板、3B…波長変換基板、3C…波長変換基板、3D…波長変換基板、3X…波長変換基板、3Y…波長変換基板、4…接着層、21…基板、22…半導体層、23A…導体層、23B…導体層、23C…導体層、23D…導体層、24A…絶縁層、24B…絶縁層、24C…絶縁層、25…発光素子、26…隔壁層、27…充填層、28…導体層、31…透明基板、32…ブラックマトリクス、33G…第2着色層、33R…第1着色層、34…樹脂層、35…反射層、36B…充填層、36G…第2波長変換層、36R…第1波長変換層、251…第1層、252…第2層、253…第3層、C…キャパシタ、D…発光素子、DR…駆動制御素子、L…光、PSL…電源線、PX…画素、PXB…第3サブ画素、PXG…第2サブ画素、PXR…第1サブ画素、SDR…走査信号線ドライバ、SSL…走査信号線、SW…スイッチ、VDR…映像信号線ドライバ、VSL…映像信号線、Wx1…距離、Wx2…距離、Wy1…距離、L1…距離、L2…距離、L3…距離、W1…距離、W2…距離、W3…距離。