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特許7509220情報処理装置、制御方法、制御プログラム、及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法、制御プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20240625BHJP
   H04S 7/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H04R3/00 310
H04S7/00 300
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022553313
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2020037184
(87)【国際公開番号】W WO2022070319
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】中島 悠志
(72)【発明者】
【氏名】丸山 俊一
(72)【発明者】
【氏名】鐘ヶ江 紫水子
(72)【発明者】
【氏名】村岸 健臣
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-147283(JP,A)
【文献】特開2005-311974(JP,A)
【文献】特開2002-148070(JP,A)
【文献】特開2019-126033(JP,A)
【文献】特開2016-189195(JP,A)
【文献】特開2016-021169(JP,A)
【文献】国際公開第2018/088449(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00- 3/14
H04S 1/00- 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声情報、第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を前記第1ユーザ端末から受信する受信手段と、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する登録手段と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記登録手段は、前記第1位置情報が示す位置を基準とする領域を指定する領域情報を生成し、前記生成された領域情報を前記音像定位位置情報と対応付けて前記記憶手段に登録する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受信手段は、第2ユーザ端末の第2位置情報、及び前記第2ユーザ端末の第2方向情報を前記第2ユーザ端末から受信し、
前記第2位置情報が示す位置が前記領域に含まれる場合、前記音像定位位置情報、前記第2位置情報、及び前記第2方向情報に基づいて音像定位用情報を生成し、前記音声情報と、前記音像定位用情報とを出力する出力手段をさらに備える、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受信手段は、前記第1ユーザ端末の第1高度情報、及び前記第2ユーザ端末の第2高度情報をさらに受信し、
前記登録手段は、前記第1高度情報をさらに用いて前記音像定位位置を決定し、
前記出力手段は、前記第2位置情報が示す位置が前記領域に含まれる場合、前記音像定位位置情報、前記第2位置情報、前記第2方向情報、及び前記第2高度情報に基づいて前記音像定位用情報を生成する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記音声情報と、前記音像定位用情報とに基づいて、前記音声情報に対して音像定位処理を実行し、前記音像定位処理が実行された音声情報を前記第2ユーザ端末に送信する制御部をさらに備える、請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記音声情報と、前記音像定位用情報とを前記第2ユーザ端末に送信する、請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記領域情報は、前記領域の大きさを指定する大きさ情報を含み、
前記登録手段は、前記距離情報に応じて前記大きさ情報を調整する、請求項2~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記登録手段は、前記距離情報が示す距離が所定値以上である場合、前記領域の大きさを小さくするように前記大きさ情報を変更する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記登録手段は、前記距離情報が示す距離が所定値未満である場合、前記領域の大きさが前記距離に基づく大きさとなるように前記大きさ情報を変更する、請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記領域情報は、前記領域の大きさを指定する大きさ情報を含み、
前記登録手段は、前記音像定位位置にある対象物の大きさを特定し、前記対象物の大きさに基づいて、前記大きさ情報を調整する、請求項2~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記登録手段は、前記対象物の大きさが所定値以上である場合、前記領域の大きさが第1の大きさになるように前記大きさ情報を変更する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記登録手段は、前記対象物の大きさが所定値未満である場合、前記領域の大きさが前記第1の大きさよりも小さい第2の大きさになるように前記大きさ情報を変更する、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記受信手段は、前記設置位置を含む撮像領域を撮像した画像を前記第1ユーザ端末から受信し、
前記登録手段は、前記画像に基づいて前記音像定位位置にある前記対象物の大きさを特定する、請求項10~12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記記憶手段は、複数の対象物についての対象物情報と、前記複数の対象物の対象物位置情報とを対応付けて記憶し、
前記登録手段は、前記対象物位置情報のうち、前記第1位置情報が含まれる対象物位置情報に対応付けられた対象物情報に基づいて前記対象物の大きさを特定する、請求項10~12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータが、
音声情報、第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を前記第1ユーザ端末から受信し、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、
前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する、制御方法。
【請求項16】
音声情報、第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を前記第1ユーザ端末から受信し、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、
前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する、処理をコンピュータに実行させる制御プログラム。
【請求項17】
第1ユーザ端末と、前記第1ユーザ端末と通信するサーバ装置とを備え、
前記第1ユーザ端末は、
音声情報、前記第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を取得し、
前記サーバ装置は、
前記音声情報、前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報を前記第1ユーザ端末から受信し、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する、情報処理システム。
【請求項18】
前記サーバ装置は、
前記第1位置情報が示す位置を基準とする領域を指定する領域情報を生成し、前記生成された領域情報を前記音像定位位置情報と対応付けて前記記憶手段に登録する、請求項17に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、制御方法、非一時的なコンピュータ可読媒体、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが、当該ユーザが指定した位置に音声データを仮想的に設置し、他のユーザに対して、仮想的に設置された音声データを出力する技術が知られている(例えば、特許文献1)。また、ユーザに提供する情報に注目させるために、仮想的な音源位置から音声を出力する技術も知られている(例えば、特許文献2)。
【0003】
特許文献1には、或るユーザが地図上の位置を選択し、選択した位置に対して音声データを登録し、別のユーザが、選択された位置に行くと、登録された音声データが再生される音声再生システムが開示されている。特許文献2には、ウェアラブル端末を装着したユーザに対して、提供情報位置と、音源相対位置とに応じた音声を提示する音声提示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2018/088449号
【文献】特開2016-021169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
情報通信サービスの高度化に伴い、あるユーザが、所望位置に音声データを仮想的に設置し、当該所望位置を音像定位位置とする音像定位処理が行われた音声データを、所定の位置に存在する他のユーザに提供したいという要望がある。
特許文献1には、音声データを仮想的に設置し、その位置にいるユーザに提供することが開示されている。そのため、特許文献1を用いた場合であっても、上記要望を満たすことができない場合があり得る。また、特許文献2は、音声データを仮想的に設置することを開示していない。したがって、特許文献2を用いた場合であっても、上記要望を満たすことができない場合があり得る。
【0006】
本開示の目的の1つは、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザが所望する位置に音像定位された音声情報を出力可能な情報処理装置、制御方法、非一時的なコンピュータ可読媒体、及び情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる情報処理装置は、
音声情報、第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を前記第1ユーザ端末から受信する受信手段と、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する登録手段と、を備える。
【0008】
本開示にかかる制御方法は、
音声情報、第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を前記第1ユーザ端末から受信し、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、
前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する、制御方法である。
【0009】
本開示にかかる非一時的なコンピュータ可読媒体は、
音声情報、第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を前記第1ユーザ端末から受信し、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、
前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する、処理をコンピュータに実行させる制御プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体である。
【0010】
本開示にかかる情報処理システムは、
第1ユーザ端末と、前記第1ユーザ端末と通信するサーバ装置とを備え、
前記第1ユーザ端末は、
音声情報、前記第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を取得し、
前記サーバ装置は、
前記音声情報、前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報を前記第1ユーザ端末から受信し、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する、情報処理システムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、ユーザが所望する位置に音像定位された音声情報を出力可能な情報処理装置、制御方法、非一時的なコンピュータ可読媒体、及び情報処理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1にかかる情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1にかかる情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
図3】実施の形態2の概要を説明するための図である。
図4】実施の形態2にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図5】実施の形態2にかかるサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態3にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図7】実施の形態4にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図8】実施の形態4にかかるサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
図9】実施の形態にかかる情報処理装置等のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0014】
(実施の形態1)
図1を用いて、実施の形態1にかかる情報処理装置1の構成例について説明する。図1は、実施の形態1にかかる情報処理装置の構成例を示すブロック図である。情報処理装置1は、例えば、サーバ装置であり、ユーザ端末(不図示)と通信を行う。ユーザ端末は、ユーザが利用する通信端末であり、少なくとも1つの通信端末を含むように構成されてもよい。
【0015】
情報処理装置1は、受信部2と、登録部3とを備える。
受信部2は、音声情報、ユーザ端末の位置情報、ユーザ端末の方向情報、及びユーザ端末の位置情報が示す位置から音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報をユーザ端末から受信する。
【0016】
音声情報は、上記設置位置に仮想的に設置される音声コンテンツである。ユーザ端末の位置情報は、ユーザが、音声情報を設置位置に仮想的に設置することを示す、音声情報の登録指示を行ったときの位置情報である。ユーザ端末の位置情報が示す位置は、音声情報が仮想的に設置される設置位置と異なっていてもよく、同一でもよい。つまり、ユーザは、当該ユーザがいる位置と異なる位置に音声情報を仮想的に設置してもよいし、ユーザがいる位置に音声情報を仮想的に設置してもよい。ユーザ端末の位置情報は、ユーザの位置情報として用いられてもよい。ユーザ端末の方向情報は、ユーザが音声情報の登録指示を行ったときの方向情報である。ユーザ端末の方向情報は、ユーザの方向情報として用いられてもよい。ユーザ端末の方向情報は、ユーザの顔が向いている顔方向を示す情報でもよく、ユーザの姿勢情報でもよい。ユーザ端末の方向情報は、ユーザの顔が向いている方位、及び水平面とユーザの視線の向きがなす角を示す仰角を含む。なお、仰角は、地上面とユーザの視線の向きがなす角を示してもよい。
【0017】
登録部3は、位置情報、方向情報、及び距離情報に基づいて、音像定位位置を決定する。登録部3は、位置情報、方向情報、及び距離情報に基づいて、音声情報が仮想的に設置される設置位置を特定する。登録部3は、設置位置を音像定位位置として決定する。つまり、登録部3は、音声情報が、ユーザがいる位置とは異なる位置に仮想的に設置できるように、位置情報、方向情報及び距離情報を用いて、音声情報が仮想的に設置される設置位置を特定し、特定した設置位置を音像定位位置として決定する。登録部3は、位置情報と、音像定位位置についての音像定位位置情報と、音声情報とを対応付けて記憶部(不図示)に登録する。
【0018】
次に、図2を用いて、実施の形態1にかかる情報処理装置1の動作例について説明する。図2は、実施の形態1にかかる情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【0019】
受信部2は、音声情報、ユーザ端末の位置情報、ユーザ端末の方向情報、及びユーザ端末の位置情報が示す位置から音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離についての距離情報をユーザ端末から受信する(ステップS1)。
【0020】
登録部3は、位置情報、方向情報、及び距離情報に基づいて、音像定位位置を決定する(ステップS2)。登録部3は、位置情報、方向情報、及び距離情報に基づいて、音声情報が仮想的に設置される設置位置を特定する。登録部3は、設置位置を音像定位位置として決定する。
登録部3は、位置情報と、音像定位位置についての音像定位位置情報と、音声情報とを対応付けて記憶部(不図示)に登録する(ステップS3)。
【0021】
以上説明したように、受信部2は、位置情報だけでなく、方向情報、及び距離情報を受信し、登録部3が、位置情報、方向情報、及び距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、位置情報と、音像定位位置情報と、音声情報とを対応付けて登録する。このように、登録部3は、位置情報に加えて、方向情報、及び距離情報を用いて、音像定位位置を決定するため、ユーザが所望する位置に音像定位位置を決定できる。したがって、実施の形態1にかかる情報処理装置1によれば、ユーザが所望する位置に音像定位された音声情報を出力できる。
【0022】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1を具体的にした実施の形態である。まず、実施の形態2の具体的な構成例を説明する前に、実施の形態2の概要を説明する。
【0023】
<概要>
図3を用いて、実施の形態2の概要を説明する。図3は、実施の形態2の概要を説明するための図である。図3は、例えば、道路を点検する場面を概略的に示す図である。例えば、点検員であるユーザU1が道路を点検する場合、ユーザU1は、道路、道路の側壁及びトンネルの天井等に補修が必要な補修箇所があるか否かを点検する。ユーザU1が補修箇所R1を発見した場合、ユーザU1は、補修箇所R1の位置及び補修箇所R1の状況を補修員であるユーザU2に伝える。そして、ユーザU2は、補修箇所R1を見つけ、補修箇所R1の状況に応じて、補修箇所R1の補修を行う。一般的に、ユーザU1は、補修箇所R1の位置をユーザU2に伝える場合、補修箇所R1の位置を地図に記録し、補修箇所R1の状況をメモとして記録する。ユーザU2は、ユーザU1が記録した地図を基に、補修箇所R1を見つけ、補修箇所R1に対して補修を行う。
【0024】
ここで、ユーザU1が、例えば、道路の側壁に補修箇所R1を見つけたとする。この場合、ユーザU2は、ユーザU1が記録した地図を基に、補修箇所R1の周辺に到達できる。しかしながら、道路の側壁の高さが高い場合等、ユーザU2は、ユーザU1が記録した地図だけでは、側壁のどの部分が補修箇所R1であるのかを容易に特定できない場合があり得る。この場合、ユーザU2は、ユーザU1が記録した地図及びメモと、側壁を見比べながら補修箇所R1を見つけることが想定される。そのため、ユーザU2は、補修箇所R1を発見するために時間を要してしまう可能性があり、結果的に、補修箇所R1の補修が計画通りに行えないことにつながる可能性がある。
【0025】
そこで、本実施の形態では、ユーザU2が、補修箇所R1を容易に発見できる構成を実現する。具体的には、本実施の形態では、ユーザU1が、補修箇所R1を発見した場合、補修箇所R1の状況や補修箇所R1の詳細な位置が分かる情報を音声情報(音A)として記録し、音声情報を補修箇所R1に仮想的に設置する。そして、ユーザU2が補修箇所R1の周辺に来た場合、補修箇所R1の位置に音像が定位された音声情報をユーザU2に出力する。これにより、ユーザU2は、音声情報(音A)が仮想的に設置され、音声情報の仮想音源の位置に近づくように移動することで、補修箇所R1の位置を容易に特定可能となる。
【0026】
詳細は後述するが、本実施の形態では、ユーザU1は、左耳に装着される左ユニット20Lと、右耳に装着される右ユニット20Rとを含む、例えば、ヒアラブルデバイスである通信端末20を装着する。そして、情報処理システムが、ユーザU1の指示に応じて、ユーザU1の方向情報を用いて、音声情報を補修箇所R1に仮想的に設置する。ユーザU2は、左耳に装着される左ユニット40Lと、右耳に装着される右ユニット40Rとを含む、例えば、ヒアラブルデバイスである通信端末40を装着する。そして、ユーザU2が、所定の領域A1に入ってきた場合、情報処理システムが、ユーザU2の方向情報を用いて、設置位置を音像定位位置して音像定位処理が実行された音声情報がユーザU2に出力されるように制御する。
【0027】
なお、図3では、道路の点検を行う場面を図示しているが、本実施の形態が適用される場面の一例であるので、本実施の形態は、その他の場面に適用されてもよい。例えば、本実施の形態は、博物館又は美術館において、あるユーザが、壁面に展示された展示品に音声情報を仮想的に設置し、他のユーザに対して、設置された音声情報を出力することにも適用できる。上記の場面を含めて、本実施の形態は、任意の位置に音声情報を仮想的に設置する場面等、任意の位置を音像定位位置として設定する場合に適用できる。
【0028】
<情報処理システムの構成例>
図4を用いて、情報処理システム100の構成例について説明する。図4は、実施の形態2にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム100は、サーバ装置60と、ユーザU1が利用するユーザ端末110と、ユーザU2が利用するユーザ端末120とを備える。ユーザU1及びユーザU2は、異なるユーザでもよく、同一ユーザでもよい。ユーザU1及びユーザU2が同一ユーザである場合、ユーザ端末110は、ユーザ端末120が備える機能を含むように構成される。なお、図4では、サーバ装置60は、ユーザ端末120と異なる装置として図示されているが、サーバ装置60がユーザ端末120に組み込まれてもよく、サーバ装置60が備える構成を、ユーザ端末120が備えるようにしてもよい。
【0029】
ユーザ端末110は、ユーザU1が利用する通信端末であり、通信端末20及び30を含む。ユーザ端末120は、ユーザU2が利用する通信端末であり、通信端末40及び50を含む。通信端末20及び40は、図3の通信端末20及び40に対応し、例えば、ヒアラブルデバイスである。通信端末30及び50は、例えば、スマートフォン端末、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ装置である。
【0030】
本実施の形態では、ユーザ端末110及び120は、それぞれ2つの通信端末を備える構成としているが、例えば、ヘッドマウントディスプレイ等の2つの通信端末が一体型となった通信端末でもよい。つまり、ユーザ端末110及び120、1つの通信端末により構成されてもよい。この場合、ユーザ端末110は、通信端末20及び通信端末30が備える構成を含み、ユーザ端末120は、通信端末40及び通信端末50が備える構成を含むように構成される。
【0031】
通信端末20は、ユーザU1が利用する通信端末であって、ユーザU1に装着される通信端末である。通信端末20は、ユーザU1の両耳の各々に装着される通信端末であり、ユーザU1の左耳に装着される左ユニット20Lと、ユーザU1の右耳に装着される右ユニット20Rとを含む。なお、通信端末20は、左ユニット20L及び右ユニット20Rが一体型となった通信端末であってもよい。
【0032】
通信端末20は、例えば、通信事業者が提供する無線通信が可能な通信端末であり、通信事業者が提供するネットワークを介してサーバ装置60と通信を行う。通信端末20は、ユーザU1が音声情報を仮想的に設置する場合、音声情報を取得する。音声情報は、ユーザU1が録音した音声コンテンツであってもよく、通信端末20に保持された音声コンテンツでもよい。通信端末20は、取得した音声情報をサーバ装置60に送信する。なお、通信端末20(左ユニット20L及び右ユニット20R)は、サーバ装置60と直接通信を行うこととして説明するが、通信端末30を介してサーバ装置60と通信する構成でもよい。
【0033】
通信端末20は、ユーザU1が音声情報を仮想的に設置する場合、通信端末20の方向情報を取得し、取得した方向情報をサーバ装置60に送信する。通信端末20の方向情報は、サーバ装置60により、ユーザ端末110の方向情報として扱われる。通信端末20は、通信端末20の方向情報をユーザU1の方向情報としてもよい。
【0034】
通信端末30は、ユーザU1が利用する通信端末である。通信端末30は、例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFi等の無線通信により、通信端末20と接続及び通信を行う。また、通信端末30は、例えば、通信事業者が提供するネットワークを介してサーバ装置60と通信を行う。
【0035】
通信端末30は、ユーザU1が音声情報を仮想的に設置する場合、通信端末30の位置情報を取得し、取得した位置情報をサーバ装置60に送信する。通信端末30の位置情報は、サーバ装置60により、ユーザ端末110の位置情報として扱われる。通信端末20は、通信端末20の方向情報をユーザU1の方向情報としてもよい。通信端末30は、通信端末30の位置情報をユーザU1の位置情報としてもよい。なお、通信端末30は、通信端末30の位置情報と、左ユニット20L及び右ユニット20Rまでの距離と基づいて、左ユニット20L及び右ユニット20Rの位置情報を取得してもよい。
【0036】
通信端末30は、通信端末30の位置情報が示す位置から音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を取得する。通信端末30は、取得した距離情報をサーバ装置60に送信する。設置位置は、ユーザU1が音声情報を仮想的に設置する位置であり、図3で示した一例における補修箇所R1に対応する。
【0037】
通信端末40は、ユーザU2が利用する通信端末であって、ユーザU2に装着される通信端末である。通信端末40は、ユーザU2の両耳の各々に装着される通信端末であり、ユーザU2の左耳に装着される左ユニット40Lと、ユーザU2の右耳に装着される右ユニット40Rとを含む。なお、通信端末40は、左ユニット40L及び右ユニット40Rが一体型となった通信端末であってもよい。
【0038】
通信端末40は、例えば、通信事業者が提供する無線通信が可能な通信端末であり、通信事業者が提供するネットワークを介してサーバ装置60と通信を行う。通信端末40は、通信端末40の方向情報を取得し、取得した方向情報をサーバ装置60に送信する。通信端末40の方向情報は、サーバ装置60により、ユーザ端末120の方向情報として扱われる。通信端末40は、通信端末40の方向情報を、ユーザU2の方向情報としてもよい。
【0039】
通信端末40は、音像定位処理が実行された音声情報を、ユーザの両耳の各々に出力する。なお、通信端末40(左ユニット40L及び右ユニット40R)は、サーバ装置60と直接通信を行うこととして説明するが、通信端末50を介してサーバ装置60と通信を行う構成でもよい。
【0040】
通信端末50は、ユーザU2が利用する通信端末である。通信端末50は、例えば、Bluetooth、WiFi等の無線通信により、通信端末40と接続及び通信を行う。また、通信端末50は、例えば、通信事業者が提供するネットワークを介してサーバ装置60と通信を行う。
【0041】
通信端末50は、通信端末50の位置情報を取得し、取得した位置情報をサーバ装置60に送信する。通信端末50の位置情報は、サーバ装置60により、ユーザ端末120の位置情報として扱われる。通信端末50は、通信端末50の位置情報を、ユーザU2の位置情報としてもよい。なお、通信端末50は、通信端末50の位置情報と、左ユニット40L及び右ユニット40Rまでの距離と基づいて、左ユニット40L及び右ユニット40Rの位置情報を取得してもよい。
【0042】
サーバ装置60は、実施の形態1における情報処理装置1に対応する。サーバ装置60は、例えば、通信事業者が提供するネットワークを介して、通信端末20、30、40及び50と通信を行う。
【0043】
サーバ装置60は、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、及びユーザ端末110の位置情報が示す位置から音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報をユーザ端末110から受信する。サーバ装置60は、音声情報、及び通信端末20の方向情報を通信端末20から受信する。サーバ装置60は、通信端末30の位置情報、及び距離情報を通信端末30から受信する。
【0044】
サーバ装置60は、ユーザ端末110から受信した、位置情報、方向情報、及び距離情報に基づいて、音像定位位置を決定する。サーバ装置60は、ユーザ端末110の位置情報と、音像定位位置についての音像定位位置情報と、音声情報とを対応付けてサーバ装置60に登録する。音像定位位置情報は、例えば、予め定められた基準位置を原点座標とする3次元直交座標系で特定される座標でもよく、予め定められた基準位置に対する方角及び高さにより表される位置情報でもよい。
【0045】
サーバ装置60は、ユーザ端末110の位置情報を基準とする領域を指定する領域情報を生成する。サーバ装置60は、生成した領域情報を、音像定位位置情報と対応付けてサーバ装置60に登録する。領域は、図3に示した所定の領域A1に対応し、仮想的に設定される領域であり、ジオフェンスと称されてもよい。なお、サーバ装置60は、ユーザ端末110の位置情報と、音像定位位置情報と、音声情報と、領域情報とを外部又は内部に設けられた記憶装置に登録してもよい。
【0046】
サーバ装置60は、ユーザ端末120の位置情報、及びユーザ端末120の方向情報をユーザ端末120から受信する。サーバ装置60は、通信端末40の方向情報を通信端末40から受信する。サーバ装置60は、通信端末50の位置情報を通信端末50から受信する。
【0047】
サーバ装置60は、ユーザ端末120から受信した位置情報が示す位置が、領域情報が示す領域に含まれる場合、ユーザ端末120から受信した、位置情報、方向情報、及び決定した音像定位位置情報に基づいて、音像定位用情報を生成する。サーバ装置60は、音像定位用情報に基づいて補正された音声情報が、通信端末40の左ユニット40L及び右ユニット40Rに出力されるように制御する。
【0048】
<通信端末の構成例>
次に、通信端末20の構成例について説明する。通信端末20は、音声情報取得部21と、方向情報取得部22とを備える。通信端末20は、左ユニット20Lと、右ユニット20Rとを含むため、左ユニット20L及び右ユニット20Rの両方が、音声情報取得部21、及び方向情報取得部22を備える。なお、ユーザU1が向いている方向及び高さは、左右の耳で略同一であることが想定されるため、左ユニット20L及び右ユニット20Rのうちのいずれかが、音声情報取得部21、及び方向情報取得部22を備える構成としてもよい。
【0049】
音声情報取得部21は、例えば、マイク等を含み、入力される音声を音声認識可能に構成される。音声情報取得部21は、ユーザU1から音声情報の登録指示を入力する。音声情報の登録指示は、ユーザが指定した位置に音声情報を仮想的に設置するように音声情報を登録する指示である。音声情報取得部21は、ユーザU1が音声を録音する場合、ユーザU1が発声した内容を記録し、記録した内容を音声情報として生成する。音声情報取得部21は、例えば、ユーザU1が音声情報の登録指示を示す音声を入力する場合、生成した音声情報をサーバ装置60に送信する。なお、ユーザU1から音声情報の登録指示に、音声情報を指定する情報が含まれている場合、音声情報取得部21は、通信端末20に記憶された音声情報から指定された音声情報を取得し、取得した音声情報をサーバ装置60に送信してもよい。
【0050】
方向情報取得部22は、例えば、9軸センサ(3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ、3軸コンパスセンサ)等を含むように構成される。方向情報取得部22は、9軸センサにより、通信端末20の方向情報を取得する。方向情報取得部22は、通信端末20が向いている方位、及び通信端末20の仰角を取得する。通信端末20は、ユーザU1の両耳に装着されるため、通信端末20が向いている方位は、ユーザU1の顔が向いている顔方向を示す情報とも言える。方向情報取得部22は、地上面又は水平面に対する通信端末20の傾きを、通信端末20の仰角として取得してもよい。方向情報取得部22は、取得した方位及び取得した仰角を含む通信端末20の方向情報を生成する。方向情報取得部22は、通信端末20の方向情報をユーザU1の方向情報としてもよい。方向情報取得部22は、例えば、ユーザU1から音声情報の登録指示が入力された場合、通信端末20の方向情報を取得し、取得した通信端末20の方向情報をサーバ装置60に送信する。
【0051】
方向情報取得部22は、9軸センサを含むため、ユーザU1の姿勢についても取得できる。そのため、方向情報は、ユーザU1の姿勢についての姿勢情報が含まれてもよい。また、方向情報は、9軸センサにより取得されたデータであるため、センシングデータと称されてもよい。
【0052】
次に、通信端末30の構成例について説明する。通信端末30は、位置情報取得部31と、距離情報取得部32とを備える。
位置情報取得部31は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機を含むように構成される。位置情報取得部31は、GPS信号を受信し、GPS信号に基づいて通信端末30の緯度経度情報を取得し、取得した緯度経度情報を通信端末30の位置情報とする。位置情報取得部31は、通信端末30の位置情報をユーザU1の位置情報としてもよい。位置情報取得部31は、ユーザU1から音声情報の登録指示が入力された場合、通信端末20から当該指示を受信し、通信端末30の位置情報を取得し、通信端末30の位置情報をサーバ装置60に送信する。つまり、位置情報取得部31は、ユーザU1が、音声情報を設置位置に仮想的に設置することを示す、音声情報の登録指示を行ったときの位置情報を取得し、取得した位置情報をサーバ装置60に送信する。
【0053】
距離情報取得部32は、ユーザU1の位置から音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を取得する。距離情報取得部32は、ユーザU1から音声情報の登録指示が入力された場合、通信端末20から当該指示を受信し、距離情報を取得し、距離情報をサーバ装置60に送信する。
【0054】
距離情報取得部32は、例えば、カメラ等の撮像部としても機能し、ユーザU1が音声情報を仮想的に設置する設置位置を撮像した場合、撮像画像を生成する。距離情報取得部32は、例えば、カメラのズーム度合いを用いて、撮像画像に基づいて、ユーザU1の位置から設置位置までの距離を推定し、距離情報を取得してもよい。
【0055】
また、音声情報は、図3に示した補修箇所R1のような対象物に仮想的に設置されると想定される。そのため、距離情報取得部32は、撮像画像に含まれる物体を検出し、検出された物体までの距離を推定することにより距離情報を取得してもよい。もしくは、距離情報取得部32は、ユーザU1の視線を取得可能に構成され、ユーザU1の方向情報が示す方向に、ユーザU1の視線をポインタとして示すことにより、当該ポインタまでの距離を推定することで距離情報を取得してもよい。もしくは、距離情報取得部32は、ユーザU1の音声を音声認識可能に構成され、ユーザU1が発した音声に距離に関する情報が含まれている場合、ユーザU1が発した音声に基づいて距離情報を取得してもよい。もしくは、距離情報取得部32は、赤外線センサ又は距離測定のためのレーザーを含むように構成された、赤外線センサ又はレーザーを用いて、撮像画像に含まれる物体までの距離を測定することにより距離情報を取得してもよい。
【0056】
次に、通信端末40の構成例について説明する。通信端末40は、方向情報取得部41と、出力部42とを備える。通信端末40は、左ユニット40Lと、右ユニット40Rとを含むため、左ユニット40L及び右ユニット40Rの両方が、方向情報取得部41と、出力部42とを備えてもよい。なお、ユーザU2が向いている方向及び高さは、左右の耳で略同一であることが想定されるため、左ユニット40L及び右ユニット40Rのうちのいずれかが、方向情報取得部41を備える構成としてもよい。
【0057】
方向情報取得部41は、例えば、9軸センサ(3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ、3軸コンパスセンサ)等を含むように構成される。方向情報取得部41は、9軸センサにより、通信端末40の方向情報を取得する。方向情報取得部41は、通信端末40が向いている方位、及び通信端末40の仰角を取得する。通信端末40は、ユーザU2の両耳に装着されるため、通信端末40が向いている方位は、ユーザU2の顔が向いている顔方向を示す情報とも言える。方向情報取得部41は、水平面に対する通信端末40の傾きを、通信端末40の仰角として取得してもよい。方向情報取得部41は、取得した、方位及び仰角を含む方向情報を生成する。方向情報取得部41は、通信端末40の方向情報をユーザU2の方向情報としてもよい。方向情報取得部41は、周期的又は非周期的に通信端末40の方向情報を取得する。方向情報取得部41は、通信端末40の方向情報を取得した場合、取得した方向情報をサーバ装置60に送信する。
【0058】
方向情報取得部41は、9軸センサを含むため、ユーザU2の姿勢についても取得できる。そのため、方向情報は、ユーザU2の姿勢についての姿勢情報が含まれてもよい。また、方向情報は、9軸センサにより取得されたデータであるため、センシングデータと称されてもよい。
【0059】
出力部42は、例えば、ステレオスピーカ等を含むように構成される。出力部42は、通信部としても機能し、音像定位処理が実行された音声情報をサーバ装置60から受信し、受信した音声情報をユーザの耳に出力する。出力部42は、音像定位処理が実行された音声情報をサーバ装置60から受信した場合、所定のタイミングで、出力されている音声情報から、受信した音声情報に切り替えて出力する。音像定位処理が実行された音声情報は、左ユニット40Lのための左耳用音声情報と、右ユニット40Rのための右耳用音声情報とを含む。左ユニット40Lの出力部42は、左耳用音声情報を出力し、右ユニット40Rの出力部42は、右耳用音声情報を出力する。
【0060】
次に、通信端末50の構成例について説明する。通信端末50は、位置情報取得部51を備える。
位置情報取得部51は、例えば、GPS受信機を含むように構成される。位置情報取得部51は、GPS信号を受信し、GPS信号に基づいて通信端末50の緯度経度情報を取得し、取得した緯度経度情報を通信端末50の位置情報とする。位置情報取得部51は、通信端末50の位置情報を取得した場合、通信端末50の位置情報をサーバ装置60に送信する。位置情報取得部51は、周期的に又は非周期的に通信端末50の位置情報を取得する。位置情報取得部51は、取得した位置情報をサーバ装置60に送信する。位置情報取得部51は、通信端末50の緯度経度情報をユーザU2の位置情報として取得してもよい。
【0061】
<サーバ装置の構成例>
次に、サーバ装置60の構成例について説明する。サーバ装置60は、受信部61と、登録部62と、出力部63と、制御部64と、記憶部65とを備える。
【0062】
受信部61は、実施の形態1における受信部2に対応する。受信部61は、音声情報、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、及び距離情報をユーザ端末110から受信する。距離情報は、ユーザ端末110の位置情報が示す位置から音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報である。
【0063】
具体的には、受信部61は、音声情報、及び通信端末20の方向情報を通信端末20から受信し、通信端末30の位置情報及び距離情報を通信端末30から受信する。受信部61は、通信端末20の方向情報を、ユーザ端末110の方向情報として登録部62に出力する。受信部61は、通信端末30の位置情報を、ユーザ端末110の位置情報として登録部62に出力する。受信部61は、音声情報の登録指示を通信端末20からさらに受信してもよい。
【0064】
受信部61は、ユーザ端末120の位置情報、及びユーザ端末120の方向情報をユーザ端末120から受信する。具体的には、受信部61は、通信端末40の方向情報を通信端末40から受信し、通信端末50の位置情報を通信端末50から受信する。受信部61は、通信端末40の方向情報を、ユーザ端末120の方向情報として出力部63に出力する。受信部61は、通信端末50の位置情報を、ユーザ端末120の位置情報として出力部63に出力する。
【0065】
登録部62は、実施の形態1における登録部3に対応する。登録部62は、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、及び距離情報に基づいて、音像定位位置を決定する。登録部62は、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、及び距離情報に基づいて、音声情報が仮想的に設置される設置位置を決定する。方向情報は、ユーザ端末110が向いている方位、及びユーザ端末110の仰角が含まれる。そのため、登録部62は、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報に含まれる方位及び仰角、及び距離情報を用いることで設置位置を特定できる。登録部62は、決定した設置位置を音像定位位置として決定する。登録部62は、ユーザ端末110の位置情報と、音像定位位置についての音像定位位置情報と、音声情報とを対応付けて記憶部65に登録する。
【0066】
登録部62は、ユーザ端末110の位置情報が示す位置を基準とする領域を指定する領域情報を生成する。登録部62は、例えば、ユーザ端末110の位置情報が示す位置を中心とする領域を指定する領域情報を生成する。登録部62は、生成した領域情報を、音像定位位置情報と対応付けて記憶部65に登録する。領域は、図3に示した所定の領域A1に対応し、仮想的に設定される領域であり、ジオフェンスと称されてもよい。以降の説明では、領域をジオフェンスとして記載することがある。
【0067】
ジオフェンスは、円形、球形、矩形、多角形等、任意の形状とすることができ、領域情報に基づいて指定される。領域情報は、例えば、ジオフェンスの大きさを指定する大きさ情報を含み、大きさ情報によりジオフェンスが指定される。大きさ情報は、例えば、ジオフェンスが円形又は球形である場合、ジオフェンスの半径でもよい。また、大きさ情報は、例えば、ジオフェンスが矩形を含む多角形である場合、多角形の中心(音像定位位置)から、多角形を構成する各頂点までの距離でもよい。なお、以降の説明では、ジオフェンスは、ユーザ端末110の位置情報が示す位置を基準とし、水平面と平行な面に設定される円であり、大きさ情報は、当該円の半径であるとして説明する。大きさ情報は、ジオフェンスを指定する長さ情報と称されてもよく、ジオフェンスを指定する領域距離情報と称されてもよい。
【0068】
登録部62は、予め定められた半径の円形のジオフェンスを生成する。換言すると、登録部62は、大きさ情報が、予め定められた距離である領域情報を生成する。なお、ジオフェンスの半径は、ユーザU1が任意に設定可能としてもよい。
【0069】
また、登録部62は、ユーザ端末110から受信した距離情報に応じて大きさ情報を調整する。登録部62は、大きさ情報を変更した場合、記憶部65に登録した領域情報を変更後の大きさ情報に基づいて更新する。なお、本実施の形態では、登録部62は、ユーザU1のユーザ端末110から受信した距離情報に応じて大きさ情報を調整するが、大きさ情報を調整しない構成でもよい。
【0070】
登録部62は、距離情報が示す距離が所定値以上である場合、ジオフェンスの大きさを小さくするように大きさ情報を調整してもよい。登録部62は、例えば、距離情報が示す距離が所定値以上である場合、距離情報が示す距離の1/2となるように大きさ情報を変更してもよい。
【0071】
また、登録部62は、距離情報が示す距離が所定値未満である場合、ジオフェンスの大きさを大きくするように大きさ情報を調整してもよい。登録部62は、例えば、距離情報が示す距離が所定値未満である場合、距離情報が示す距離と等しくなるように大きさ情報を変更してもよい。
【0072】
出力部63は、ユーザ端末120の位置情報が示す位置が、領域情報により指定されるジオフェンスに含まれるか否かを判定する。具体的には、出力部63は、ユーザ端末120の位置情報が領域情報に含まれるか否かを判定する。出力部63は、ユーザ端末120の位置情報が領域情報に含まれる場合、ユーザ端末120の位置情報が示す位置が、領域情報により指定されるジオフェンスに含まれると判定する。
【0073】
出力部63は、ユーザ端末120の位置情報が示す位置がジオフェンスに含まれる場合、ユーザ端末120の位置情報、ユーザ端末120の方向情報、ユーザ端末120の高度情報及び音像定位位置情報に基づいて、音像定位位置に基づく音像定位用情報を生成する。
【0074】
音像定位用情報は、音声情報に対して音像定位処理を実行するために用いられるパラメータである。換言すると、音像定位用情報は、音声情報が、音像定位位置からの音として聴取できるように補正するためのパラメータである。
【0075】
出力部63は、ユーザ端末120の位置情報、ユーザ端末120の方向情報、及び音像定位位置情報に基づいて、左ユニット40L用の左耳用音像定位用情報及び右ユニット40R用の右耳用音像定位用情報を生成する。出力部63は、左耳用音像定位用情報と、右耳用音像定位用情報とを含む音像定位用情報、及び音像定位位置情報を制御部64に出力する。
【0076】
制御部64は、出力部63から出力された音像定位位置情報に対応付けられた音声情報を記憶部65から取得する。制御部64は、取得した音声情報を、出力部63が生成した音像定位用情報に基づいて音像定位処理を実行する。換言すると、制御部64は、取得した音声情報を、音像定位用情報に基づいて補正する。制御部64は、左耳用音像定位用情報に基づいて、音声情報を補正して、左耳用音声情報を生成する。制御部64は、右耳用音像定位用情報に基づいて、音声情報を補正して、右耳用音声情報を生成する。
【0077】
制御部64は、通信部としても機能し、左耳用音声情報及び右耳用音声情報を、それぞれ通信端末40の左ユニット40L及び右ユニット40Rに送信する。制御部64は、出力部63が音像定位用情報を生成するごとに、最新の音像定位用情報に基づいて、左耳用音声情報及び右耳用音声情報を生成し、左ユニット40L及び右ユニット40Rに送信する。制御部64は、通信端末40の左ユニット40L及び右ユニット40Rの出力部43に、左耳用音声情報及び右耳用音声情報を出力するように制御する。
【0078】
記憶部65は、登録部62の制御に応じて、ユーザ端末110の位置情報、音声情報、音像定位位置情報及び領域情報を対応付けて記憶する。また、記憶部65は、登録部62の制御に応じて、領域情報を変更された大きさ情報に基づいて更新する。
【0079】
<サーバ装置の動作例>
次に、図5を用いて、実施の形態2にかかるサーバ装置60の動作例を説明する。図5は、実施の形態2にかかるサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、大きく分けると、ステップS11~S14において実行される音声情報登録処理と、ステップS15~ステップS19において実行される音声情報出力処理とを含む。音声情報登録処理は、ユーザU1が音声情報を仮想的に設置位置に設置する、音声情報の登録指示を行った場合に実行される。音声情報出力処理は、サーバ装置60が、ユーザU2の位置情報及び方向情報を取得するたびに繰り返し実行される。
【0080】
受信部61は、音声情報、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、距離情報をユーザ端末110から受信する(ステップS11)。受信部61は、音声情報、及び通信端末20の方向情報を通信端末20から受信し、通信端末30の位置情報及び距離情報を通信端末30から受信する。受信部61は、通信端末20の方向情報をユーザ端末110の方向情報として登録部62に出力する。受信部61は、通信端末30の位置情報を、ユーザ端末110の位置情報として登録部62に出力する。
【0081】
登録部62は、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、及び距離情報に基づいて、音像定位位置を決定する(ステップS12)。登録部62は、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、及び距離情報に基づいて、音声情報が仮想的に設置される設置位置を決定する。登録部62は、決定した設置位置を音像定位位置として決定する。
【0082】
登録部62は、ユーザ端末110の音像定位位置についての音像定位位置情報と、音声情報とを対応付けて記憶部65に登録する(ステップS13)。
【0083】
登録部62は、ユーザ端末110の位置情報が示す位置を基準とするジオフェンスを指定する領域情報の生成及び調整を行う(ステップS14)。登録部62は、ユーザ端末110の位置情報が示す位置を基準とするジオフェンスを指定する領域情報を生成する。登録部62は、生成した領域情報を、音像定位位置情報と対応付けて記憶部65に登録する。登録部62は、距離情報に応じて、領域情報に含まれる大きさ情報を調整する。
【0084】
受信部61は、ユーザ端末120の位置情報、及びユーザ端末120の方向情報をユーザ端末120から受信する(ステップS15)。受信部61は、通信端末40の方向情報、を通信端末40から受信し、通信端末50の位置情報を通信端末50から受信する。受信部61は、通信端末40の方向情報を、ユーザ端末120の方向情報として出力部63に出力する。受信部61は、通信端末50の位置情報を、ユーザ端末120の位置情報として出力部63に出力する。
【0085】
出力部63は、ユーザ端末120の位置情報が示す位置がジオフェンスに含まれるか否かを判定する(ステップS16)。出力部63は、ユーザ端末120の位置情報が領域情報に含まれるか否かを判定する。出力部63は、ユーザ端末120の位置情報が領域情報に含まれる場合、ユーザ端末120の位置情報が示す位置が、領域情報により指定されるジオフェンスに含まれると判定する。
【0086】
ユーザ端末120の位置情報が示す位置がジオフェンスに含まれる場合(ステップS16のYES)、出力部63は、ユーザ端末120の位置情報、方向情報、及び音像定位位置情報に基づいて、音像定位用情報を生成する(ステップS17)。出力部63は、決定された音像定位位置に基づく音像定位用情報を生成する。出力部63は、ユーザ端末120の位置情報と、ユーザ端末120の方向情報と、音像定位位置情報とに基づいて、左ユニット40L用の左耳用音像定位用情報及び右ユニット40R用の右耳用音像定位用情報を生成する。出力部63は、左耳用音像定位用情報と、右耳用音像定位用情報とを含む音像定位用情報、及び音像定位位置情報を制御部64に出力する。
【0087】
一方、ユーザ端末120の位置情報が示す位置がジオフェンスに含まれない場合(ステップS16のNO)、サーバ装置60は、ステップS15に戻り、ステップS15を実行する。
【0088】
ステップS18において、出力部63は、音像定位用情報を制御部64に出力する(ステップS18)。なお、出力部63は、左耳用音像定位用情報と、右耳用音像定位用情報とを含む音像定位用情報と、音像定位位置情報とを制御部64に出力する。
【0089】
制御部64は、音声情報を補正し、補正された音声情報を通信端末40の出力部43に送信する(ステップS19)。制御部64は、出力部63から出力された音像定位位置情報に対応付けられた音声情報を記憶部65から取得する。制御部64は、取得した音声情報を、音像定位用情報に基づいて補正する。制御部64は、左耳用音像定位用情報に基づいて、音声情報を補正して、左耳用音声情報を生成し、右耳用音像定位用情報に基づいて、音声情報を補正して、右耳用音声情報を生成する。制御部64は、左耳用音声情報及び右耳用音声情報を、それぞれ通信端末40の左ユニット40L及び右ユニット40Rに送信する。
【0090】
以上説明したように、受信部61は、ユーザ端末110の位置情報だけでなく、ユーザ端末110の方向情報、及び距離情報を受信する。登録部62は、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、及び距離情報に基づいて音像定位位置を決定する。このように、登録部62は、ユーザ端末110の方向情報及び距離情報を用いて、音像定位位置を決定するため、ユーザU1が、ユーザU1がいる位置とは異なる位置に音声情報を仮想的に設置したい場合でも、所望する位置に音像定位位置を設定できる。換言すると、ユーザU1が音声情報を仮想的に設置したい所望する位置が、ユーザU1が近づくことができない位置であったとしても、ユーザU1は、所望する位置に音声情報を仮想的に設置できる。そのため、実施の形態2にかかる情報処理システム100によれば、ユーザが所望する位置に音像定位位置を設定できる。したがって、実施の形態2にかかる情報処理システム100によれば、ユーザが所望する位置に音像が定位された音声情報を出力できる。
【0091】
また、サーバ装置60は、出力部63及び制御部64を備えている。サーバ装置60は、ユーザU2がジオフェンスにいる場合、ユーザ端末120の位置情報、ユーザ端末120の方向情報、及び音像定位位置情報に基づいて音像定位処理が実行された音声情報をユーザU2に出力する。換言すると、サーバ装置60は、ユーザU1により音声情報が設置された設置位置から、当該音声情報が出力されているように補正し、補正された音声情報をユーザU2に出力する。このように、実施の形態2にかかる情報処理システム100によれば、ユーザU2は、音声情報の仮想音源の方向に近づくように移動していくことで、設置位置を容易に特定できる。図3に示した一例を用いると、補修員であるユーザU2は、音声情報の仮想音源の方向に近づくように移動していくことで、点検員であるユーザU1が発見した補修箇所R1を容易に特定できる。したがって、実施の形態2にかかる情報処理システム100によれば、作業の効率化に寄与することができる。さらに、実施の形態2にかかる情報処理システム100によれば、ユーザU2を、音声情報の仮想音源の方向に誘導できる。
【0092】
(変形例1)
実施の形態2では、登録部62は、ユーザU1から受信した距離情報に応じて大きさ情報を調整したが、音像定位位置にある対象物の大きさを用いて、大きさ情報を調整してもよい。この場合、実施の形態2を、以下のように変形することで実現できる。
【0093】
距離情報取得部32は、例えば、カメラ等の撮像部としても機能し、音像定位位置を含む撮像領域を撮像し、撮像画像を生成する。距離情報取得部32は、撮像画像と、カメラのズーム度合いとをサーバ装置60に送信する。
受信部61は、距離情報取得部32から、撮像画像及びズーム度合いを受信する。
【0094】
登録部62は、画像解析を実施可能に構成され、撮像画像を画像解析し、撮像画像に含まれる対象物を特定する。登録部62は、カメラのズーム度合い、及び撮像画像に基づいて、対象物の大きさを特定する。ユーザは一般的に注目する物体(対象物)を撮像領域の中心として撮像するため、登録部62は、撮像画像の中心にある物体を対象物として、カメラのズーム度合いと撮像画像に基づいて対象物の大きさを特定する。登録部62は、対象物の大きさに基づいて、大きさ情報を調整する。なお、一般的に撮像画像には複数の物体が含まれているため、登録部62は、カメラのズーム度合いを用いずに、撮像画像に含まれる、大きさが既知である物体の大きさに基づいて対象物の大きさを特定してもよい。
【0095】
登録部62は、特定した対象物の大きさが所定値以上である場合、ジオフェンスの大きさが第1の大きさになるように大きさ情報を変更してもよい。登録部62は、特定した対象物の大きさが所定値以上である場合、大きさ情報を変更しなくてもよく、予め定められた距離よりも短い距離となるように大きさ情報を変更してもよい。
【0096】
また、登録部62は、特定した対象物の大きさが所定値未満である場合、ジオフェンスの大きさが、第1の大きさよりも小さい第2の大きさになるように大きさ情報を変更してもよい。登録部62は、特定した対象物の大きさが所定値未満である場合、予め定められた距離よりも短い距離になるように大きさ情報を変更してもよい。もしくは、登録部62は、特定した対象物の大きさが所定値以上である場合の距離よりも小さくなるように大きさ情報を変更してもよい。
【0097】
(変形例2)
変形例1では、登録部62は、撮像画像に基づいて対象物の大きさを特定することとしたが、対象物についての対象物情報と、当該対象物の対象物位置情報とに基づいて、対象物の大きさを特定してもよい。この場合、実施の形態2を、以下のように変形することで実現できる。
【0098】
記憶部65は、複数の対象物についての対象物情報と、複数の対象物の対象物位置情報とを対応付けて記憶する。対象物情報は、対象物を識別する対象物識別情報と、対象物の大きさとが対応付けられた情報であってもよい。
【0099】
登録部62は、記憶部65に記憶された対象物位置情報のうち、音像定位位置情報が含まれる対象物位置情報を特定する。そして、登録部62は、特定した対象物位置情報に対応付けられた対象物情報に基づいて対象物の大きさを特定する。登録部62は、対象物の大きさに基づいて大きさ情報を調整する。なお、登録部62が行う大きさ情報の調整については、変形例1と同様としてもよい。
【0100】
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。実施の形態2、変形例1及び変形例2では、サーバ装置60が、音声情報に対する音像定位処理を実行していたが、実施の形態3では、ユーザ端末120が、音声情報に対する音像定位処理を実行する。なお、実施の形態3は、実施の形態2、変形例1及び変形例2と基本的に同様であるため適宜説明を割愛する。
【0101】
<情報処理システムの構成例>
図6を用いて、実施の形態3にかかる情報処理システム200について説明する。図6は、実施の形態3にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム200は、ユーザ端末110と、ユーザ端末120と、サーバ装置80とを備える。ユーザ端末110は、通信端末20及び30を備える。ユーザ端末120は、通信端末50及び70を備える。
【0102】
情報処理システム200は、実施の形態2にかかる通信端末40が通信端末70に置き換わり、サーバ装置60がサーバ装置80に置き換わった構成である。通信端末20、30及び50の構成例及び動作例については、実施の形態2と同様であるため、適宜説明を割愛する。
【0103】
<通信端末の構成例>
次に、通信端末70の構成例について説明する。通信端末70は、方向情報取得部41と、制御部71と、出力部42とを備える。通信端末70は、実施の形態2にかかる通信端末40の構成に、制御部71が追加された構成である。方向情報取得部41、及び出力部42の構成は、実施の形態2と基本的に同様であるため、適宜説明を割愛する。なお、本実施の形態では、通信端末70が制御部71を備える構成としているが、通信端末50が制御部71を備え、通信端末70が制御部71を備えない構成としてもよい。
【0104】
制御部71は、通信部としても機能し、サーバ装置80と通信を行う。制御部71は、サーバ装置80の出力部81から音声情報及び音像定位用情報を受信する。制御部71は、音像定位用情報に基づいて、音声情報に対して音像定位処理を実行する。換言すると、制御部71は、音像定位用情報に基づいて音声情報を補正する。
【0105】
音像定位用情報は、実施の形態2と同様に、左耳用音像定位用情報と、右耳用音像定位用情報とを含む。制御部71は、左耳用音像定位用情報に基づいて音声情報を補正して、左耳用音声情報を生成し、右耳用音像定位用情報に基づいて音声情報を補正して、右耳用音声情報を生成する。
【0106】
制御部71は、左耳用音声情報及び右耳用音声情報を出力部42に出力する。制御部71は、出力部81から音像定位用情報を生成するごとに、最新の音像定位用情報に基づいて、左耳用音声情報及び右耳用音声情報を生成し、左耳用音声情報及び右耳用音声情報を出力部42に出力する。
【0107】
出力部42は、制御部71により音像定位処理が実行された音声情報を入力し、入力した音声情報をユーザの耳に出力する。左ユニット40Lの出力部42は、左耳用音声情報を出力し、右ユニット40Rの出力部42は、右耳用音声情報を出力する。出力部42は、音像定位処理が実行された音声情報を制御部71から受信した場合、所定のタイミングで、出力されている音声情報から、受信した音声情報に切り替えて出力する。
【0108】
<サーバ装置の構成例>
次に、サーバ装置80の構成例について説明する。サーバ装置80は、受信部61と、登録部62と、出力部81と、記憶部65を備える。サーバ装置80は、実施の形態2にかかる制御部64を備えず、出力部63が出力部81に置き換わった構成である。受信部61、登録部62及び記憶部65の構成は、実施の形態2と基本的に同様であるため適宜説明を割愛する。
【0109】
出力部81は、通信部としても機能し、出力部81が生成した、左耳用音像定位用情報と、右耳用音像定位用情報とを含む音像定位用情報を制御部71に送信(出力)する。出力部81は、音像定位用情報を生成するごとに音像定位用情報を制御部71に送信する。出力部81は、最新の音像定位用情報で音像定位処理を行うように制御部71を制御する。
【0110】
また、出力部81は、音像定位用情報の生成に使用した音像定位位置情報に対応付けられた音声情報を記憶部65から取得する。出力部81は、取得した音声情報を制御部71に送信(出力)する。なお、出力部81は、音像定位用情報を生成した場合、制御部71に音声情報を既に送信している場合、制御部71に音声情報を再度送信しない。
【0111】
<情報処理システムの動作例>
次に、実施の形態3にかかる情報処理システム200の動作例について説明する。情報処理システム200の動作例については、図5に示した動作例と基本的に同様であるため、図5を参照して説明を行う。
【0112】
ステップS11~S17までの動作は、図5と同様であるため適宜説明を割愛する。
出力部81は、音像定位用情報を制御部71に出力(送信)する(ステップS18)。出力部81は、生成した音像定位用情報を制御部71に送信する。また、出力部81は、音像定位用情報の生成に使用した音像定位位置情報に対応付けられた音声情報を記憶部65から取得する。出力部81は、取得した音声情報を制御部71に送信(出力)する。
【0113】
制御部71は、音声情報を補正し、補正された音声情報を出力部42に送信(出力)する(ステップS19)。制御部71は、音声情報及び音像定位用情報を出力部81から受信する。制御部71は、音声情報を、音像定位用情報に基づいて補正し、補正された音声情報を出力部42に送信(出力)する。
【0114】
以上説明したように、実施の形態2の構成を実施の形態3のように構成しても、実施の形態2と同様の効果を有することができる。また、実施の形態3は、音声情報に対する音像定位処理を通信端末70が実行する構成である。実施の形態2のようにサーバ装置80が、全ての通信端末に出力する音声情報に対して音像定位処理を行うと、通信端末の数が増えるにつれて、サーバ装置80の処理負荷が増大してしまう。そのため、通信端末の数に応じて、サーバ装置を増設する必要性が生じる。これに対して、実施の形態3では、サーバ装置80は、音声情報に対する音像定位処理を実行せず、通信端末70が実行するため、サーバ装置80の処理負荷を軽減させることができる。したがって、実施の形態3にかかる情報処理システム200によれば、サーバ増設に伴う設備費用を抑制することができる。
【0115】
さらに、実施の形態3のように構成すれば、ネットワーク負荷を抑制することができる。実施の形態2では、音像定位用情報が更新されるたびに、補正された音声情報を送信しなければならない。これに対して、実施の形態3では、出力部81は、制御部71に音声情報を既に送信した場合、音声情報を再度送信せず、音像定位用情報のみを送信すればよい。したがって、実施の形態3にかかる情報処理システム200によれば、ネットワーク負荷を抑制することができる。
【0116】
(実施の形態4)
続いて、実施の形態4について説明する。実施の形態4は、実施の形態2及び3の改良例である。本実施の形態は、実施の形態2を用いて、実施の形態2と同様の構成例及び動作例を適宜割愛しながら説明する。
【0117】
<情報処理システムの構成例>
図7を用いて、実施の形態4にかかる情報処理システム300について説明する。図7は、実施の形態4にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム300は、ユーザ端末110と、ユーザ端末120と、サーバ装置160とを備える。ユーザ端末110は、通信端末140及び30を備える。ユーザ端末120は、通信端末150及び50を備える。
【0118】
情報処理システム300は、実施の形態2における、通信端末20が通信端末140に置き換わり、通信端末40が通信端末150に置き換わり、サーバ装置60がサーバ装置160に置き換わった構成である。通信端末30及び50の構成例及び動作例については、実施の形態2と同様であるため、適宜説明を割愛する。
【0119】
<通信端末の構成例>
次に、通信端末140の構成例について説明する。通信端末140は、音声情報取得部21と、方向情報取得部22と、高度情報取得部141とを備える。通信端末140は、実施の形態2にかかる通信端末20の構成に高度情報取得部141が追加された構成である。音声情報取得部21及び方向情報取得部22の構成は、実施の形態2と基本的に同様であるため、説明を適宜割愛する。
【0120】
通信端末140は、左ユニット20Lと、右ユニット20Rとを含むため、左ユニット20L及び右ユニット20Rの両方が、高度情報取得部141を備える。なお、ユーザU1の高さは、左右の耳で略同一であることが想定されるため、左ユニット20L及び右ユニット20Rのうちのいずれかが、高度情報取得部141を備える構成としてもよい。
【0121】
高度情報取得部141は、例えば、高度センサを含むように構成される。高度情報取得部141は、ユーザU1から音声情報の登録指示が入力された場合、高度センサにより通信端末140の高度情報を取得し、取得した高度情報をサーバ装置160に送信する。高度情報は、地上面又は水平面に対する、通信端末140の高さを示す情報である。
【0122】
次に、通信端末150の構成例について説明する。通信端末150は、方向情報取得部41と、高度情報取得部151と、出力部42とを備える。通信端末150は、実施の形態2にかかる通信端末40の構成に高度情報取得部151が追加された構成である。方向情報取得部41及び出力部42の構成は、実施の形態2と基本的に同様であるため、説明を適宜割愛する。
【0123】
通信端末150は、左ユニット40Lと、右ユニット40Rとを含むため、左ユニット40L及び右ユニット40Rの両方が、高度情報取得部151を備える。なお、ユーザU2の高さは、左右の耳で略同一であることが想定されるため、左ユニット40L及び右ユニット40Rのうちのいずれかが、高度情報取得部151を備える構成としてもよい。
【0124】
高度情報取得部151は、例えば、高度センサを含むように構成される。高度情報取得部151は、例えば、方向情報取得部41が方向情報を取得するタイミングで、高度センサにより通信端末150の高度情報を取得し、取得した高度情報をサーバ装置160に送信する。高度情報は、地上面又は水平面に対する、通信端末150の高さを示す情報である。
【0125】
<サーバ装置の構成例>
次に、サーバ装置160の構成例について説明する。サーバ装置160は、受信部161と、登録部162と、出力部163と、制御部64と、記憶部65を備える。サーバ装置160は、実施の形態2における、受信部61、登録部62及び出力部63が、それぞれ受信部161、登録部162及び出力部163に置き換わった構成である。制御部64及び記憶部65の構成は、実施の形態2と基本的に同様であるため適宜説明を割愛する。
【0126】
受信部161は、ユーザ端末110の高度情報をユーザ端末110からさらに受信する。受信部161は、通信端末140の高度情報を通信端末140から受信し、通信端末140の高度情報を、ユーザ端末110の高度情報として登録部162に出力する。
【0127】
受信部161は、ユーザ端末120の高度情報をユーザ端末120から受信する。受信部161は、通信端末150の高度情報を通信端末150から受信し、通信端末150の高度情報を、ユーザ端末120の高度情報として出力部63に出力する。受信部61は、通信端末50の位置情報を、ユーザ端末120の位置情報として出力部163に出力する。
【0128】
登録部162は、ユーザ端末110の高度情報をさらに用いて音像定位位置を決定する。登録部162は、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、ユーザ端末110の高度情報、及び距離情報に基づいて、音声情報が仮想的に設置される設置位置を決定する。登録部162は、決定した設置位置を音像定位位置として決定する。登録部162は、ユーザ端末110の位置情報と、音像定位位置についての音像定位位置情報と、音声情報とを対応付けて記憶部65に登録する。
【0129】
出力部163は、ユーザ端末120の位置情報が示す位置がジオフェンスに含まれる場合、ユーザ端末120の位置情報、ユーザ端末120の方向情報、ユーザ端末120の高度情報及び音像定位位置情報に基づいて音像定位位置に基づく音像定位用情報を生成する。
【0130】
なお、出力部163は、音声情報を仮想的に設置するユーザU1、及び当該音声情報を聴取するユーザU2の位置する高さが同一である場合、ユーザ端末120の高度情報を用いずに音像定位用情報を生成してもよい。もしくは、出力部163は、音像定位位置が、ユーザU1及びユーザU2の高さと同一である場合、ユーザ端末120の高度情報を用いずに音像定位用情報を生成してもよい。
【0131】
出力部163は、ユーザ端末120の位置情報、ユーザ端末120の方向情報、ユーザ端末120の高度情報、及び音像定位位置情報に基づいて、左ユニット40L用の左耳用音像定位用情報及び右ユニット40R用の右耳用音像定位用情報を生成する。出力部163は、左耳用音像定位用情報と、右耳用音像定位用情報とを含む音像定位用情報、及び音像定位位置情報を制御部64に出力する。
【0132】
<サーバ装置の動作例>
次に、図8を用いて、実施の形態4にかかるサーバ装置160の動作例について説明する。図8は、実施の形態4にかかるサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。図8は、図5に対応しており、図5のステップS11、S12、S15及びS17が、それぞれ、ステップS21、S22、23及びS24に置き換わっている。なお、図8のステップS13、S14、S16、S18及びS19は、図5と基本的に同様であるため適宜説明を割愛する。
【0133】
受信部161は、音声情報、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、ユーザ端末110の高度情報及び距離情報をユーザ端末110から受信する(ステップS21)。受信部161は、音声情報、通信端末140の方向情報、及び通信端末140の高度情報を通信端末140から受信し、通信端末30の位置情報及び距離情報を通信端末30から受信する。受信部161は、通信端末140の方向情報、及び通信端末140の高度情報を、ユーザ端末110の方向情報、及びユーザ端末110の高度情報として登録部162に出力する。受信部161は、通信端末30の位置情報を、ユーザ端末110の位置情報として登録部162に出力する。
【0134】
登録部162は、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、ユーザ端末110の高度情報及び距離情報に基づいて、音像定位位置を決定する(ステップS22)。登録部162は、ユーザ端末110の位置情報、ユーザ端末110の方向情報、ユーザ端末110の高度情報、及び距離情報に基づいて、音声情報が仮想的に設置される設置位置を決定する。登録部162は、決定した設置位置を音像定位位置として決定する。
【0135】
ステップS23において、受信部161は、ユーザ端末120の位置情報、ユーザ端末120の方向情報、及びユーザ端末120の高度情報をユーザ端末120から受信する(ステップS23)。受信部161は、通信端末150の方向情報、及び通信端末150の高度情報を通信端末150から受信し、通信端末50の位置情報を通信端末50から受信する。受信部161は、通信端末150の方向情報、及び通信端末150の高度情報を、ユーザ端末120の方向情報、及びユーザ端末120の高度情報として出力部163に出力する。受信部161は、通信端末50の位置情報を、ユーザ端末120の位置情報として出力部163に出力する。
【0136】
ユーザ端末120の位置情報が示す位置がジオフェンスに含まれる場合(ステップS16のYES)、出力部163は、ユーザ端末120の位置情報、方向情報、高度情報及び音像定位位置情報に基づいて、音像定位用情報を生成する(ステップS24)。出力部163は、ユーザ端末120の位置情報と、ユーザ端末120の方向情報及びユーザ端末120の高度情報と、音像定位位置情報とに基づいて、左ユニット40L用の左耳用音像定位用情報及び右ユニット40R用の右耳用音像定位用情報を生成する。出力部163は、左耳用音像定位用情報と、右耳用音像定位用情報とを含む音像定位用情報、及び音像定位位置情報を制御部64に出力する。
【0137】
以上説明したように、実施の形態2及び3の構成を実施の形態4のように構成しても、実施の形態2及び3と同様の効果を有することができる。また、実施の形態4では、サーバ装置160は、ユーザ端末110及びユーザ端末120の高度情報をさらに用いて音像定位位置を決定するとともに、音像定位用情報を生成する。したがって、実施の形態4にかかる情報処理システム300によれば、実施の形態2及び3と比較して、ユーザU1が音声情報を仮想的に設置したい位置と近い位置に音像定位位置を設定できる。
【0138】
(他の実施の形態)
図9は、上述した実施の形態において説明した情報処理装置1、通信端末20、30、40、50、70、140、150及びサーバ装置60、80、160(以下、情報処理装置1等と称する)のハードウェア構成例を示す図である。図9を参照すると、情報処理装置1等は、ネットワーク・インターフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワーク・インターフェース1201は、情報処理システムに含まれる他の装置と通信するために使用される。
【0139】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された情報処理装置1等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0140】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0141】
図9の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された情報処理装置1等の処理を行うことができる。
【0142】
図9を用いて説明したように、情報処理装置1等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1または複数のプログラムを実行する。
【0143】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0144】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0145】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
音声情報、第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を前記第1ユーザ端末から受信する受信手段と、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する登録手段と、を備える情報処理装置。
(付記2)
前記登録手段は、前記第1位置情報が示す位置を基準とする領域を指定する領域情報を生成し、前記生成された領域情報を前記音像定位位置情報と対応付けて前記記憶手段に登録する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記受信手段は、第2ユーザ端末の第2位置情報、及び前記第2ユーザ端末の第2方向情報を前記第2ユーザ端末から受信し、
前記第2位置情報が示す位置が前記領域に含まれる場合、前記音像定位位置情報、前記第2位置情報、及び前記第2方向情報に基づいて音像定位用情報を生成し、前記音声情報と、前記音像定位用情報とを出力する出力手段をさらに備える、付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記受信手段は、前記第1ユーザ端末の第1高度情報、及び前記第2ユーザ端末の第2高度情報をさらに受信し、
前記登録手段は、前記第1高度情報をさらに用いて前記音像定位位置を決定し、
前記出力手段は、前記第2位置情報が示す位置が前記領域に含まれる場合、前記音像定位位置情報、前記第2位置情報、前記第2方向情報、及び前記第2高度情報に基づいて前記音像定位用情報を生成する、付記3に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記音声情報と、前記音像定位用情報とに基づいて、前記音声情報に対して音像定位処理を実行し、前記音像定位処理が実行された音声情報を前記第2ユーザ端末に送信する制御部をさらに備える、付記3又は4に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記出力手段は、前記音声情報と、前記音像定位用情報とを前記第2ユーザ端末に送信する、付記3又は4に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記領域情報は、前記領域の大きさを指定する大きさ情報を含み、
前記登録手段は、前記距離情報に応じて前記大きさ情報を調整する、付記2~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記8)
前記登録手段は、前記距離情報が示す距離が所定値以上である場合、前記領域の大きさを小さくするように前記大きさ情報を変更する、付記7に記載の情報処理装置。
(付記9)
前記登録手段は、前記距離情報が示す距離が所定値未満である場合、前記領域の大きさが前記距離に基づく大きさとなるように前記大きさ情報を変更する、付記7又は8に記載の情報処理装置。
(付記10)
前記領域情報は、前記領域の大きさを指定する大きさ情報を含み、
前記登録手段は、前記音像定位位置にある対象物の大きさを特定し、前記対象物の大きさに基づいて、前記大きさ情報を調整する、付記2~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記11)
前記登録手段は、前記対象物の大きさが所定値以上である場合、前記領域の大きさが第1の大きさになるように前記大きさ情報を変更する、付記10に記載の情報処理装置。
(付記12)
前記登録手段は、前記対象物の大きさが所定値未満である場合、前記領域の大きさが前記第1の大きさよりも小さい第2の大きさになるように前記大きさ情報を変更する、付記11に記載の情報処理装置。
(付記13)
前記受信手段は、前記設置位置を含む撮像領域を撮像した画像を前記第1ユーザ端末から受信し、
前記登録手段は、前記画像に基づいて前記音像定位位置にある前記対象物の大きさを特定する、付記10~12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記14)
前記記憶手段は、複数の対象物についての対象物情報と、前記複数の対象物の対象物位置情報とを対応付けて記憶し、
前記登録手段は、前記対象物位置情報のうち、前記第1位置情報が含まれる対象物位置情報に対応付けられた対象物情報に基づいて前記対象物の大きさを特定する、付記10~12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記15)
音声情報、第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を前記第1ユーザ端末から受信し、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、
前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する、制御方法。
(付記16)
音声情報、第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を前記第1ユーザ端末から受信し、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、
前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する、処理をコンピュータに実行させる制御プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記17)
第1ユーザ端末と、前記第1ユーザ端末と通信するサーバ装置とを備え、
前記第1ユーザ端末は、
音声情報、前記第1ユーザ端末の第1位置情報、前記第1ユーザ端末の第1方向情報、及び前記第1位置情報が示す位置から前記音声情報が仮想的に設置される設置位置までの距離情報を取得し、
前記サーバ装置は、
前記音声情報、前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報を前記第1ユーザ端末から受信し、
前記第1位置情報、前記第1方向情報、及び前記距離情報に基づいて、音像定位位置を決定し、前記第1位置情報と、前記音像定位位置についての音像定位位置情報と、前記音声情報とを対応付けて記憶手段に登録する、情報処理システム。
(付記18)
前記サーバ装置は、
前記第1位置情報が示す位置を基準とする領域を指定する領域情報を生成し、前記生成された領域情報を前記音像定位位置情報と対応付けて前記記憶手段に登録する、付記17に記載の情報処理システム。
【符号の説明】
【0146】
1 情報処理装置
2、61、161 受信部
3、62、162 登録部
20、30、40、50、70、140、150 通信端末
21 音声情報取得部
22、41 方向情報取得部
31、51 位置情報取得部
32 距離情報取得部
42、63、81、163 出力部
60、80、160 サーバ装置
64、71 制御部
65 記憶部
100、200、300 情報処理システム
110、120 ユーザ端末
141、151 高度情報取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9