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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】セキュリティ管理システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B66B5/00 F
B66B5/00 G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023180814
(22)【出願日】2023-10-20
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】小村 章
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-083691(JP,A)
【文献】特開2008-305332(JP,A)
【文献】特開2007-119130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00- 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータが設置された建物内へ入ることを規制するセキュリティ装置と、
前記エレベータが緊急停止した場合に、そのエレベータを特定するエレベータ情報を出力するエレベータ制御装置と、
前記エレベータ制御装置から前記エレベータ情報を受信した場合に、そのエレベータ情報で特定されるエレベータへ出動させる保守員の顔情報を出力する監視制御装置と、
を備え、
前記セキュリティ装置は、前記監視制御装置から前記顔情報を受信した場合、パスワードを生成し、そのパスワードと当該顔情報とを互いに対応付けてセキュリティ管理データに保存すると共に、そのパスワードを前記監視制御装置へ返信し、
前記監視制御装置は、前記保守員の顔情報を出力した後、前記セキュリティ装置から前記パスワードが返信されてきた場合、その保守員に当該パスワードを通知し、
前記セキュリティ装置は、前記建物の入口でパスワードが入力された場合、そのパスワードを入力した入力者の顔情報を取得すると共に、そのパスワードが前記セキュリティ管理データ内のパスワードの何れかに一致するか否かを判断し、一致すると判断した場合には、更に、前記入力者の顔情報が、当該パスワードに対応付けられている前記セキュリティ管理データ内の顔情報に合致するか否かを判断し、合致すると判断した場合に、前記建物内へ当該入力者が入ることを許可する、セキュリティ管理システム。
【請求項2】
前記監視制御装置は、前記エレベータ制御装置から前記エレベータ情報を受信した場合に、そのエレベータ情報で特定されるエレベータへ出動させる保守員の顔情報を出力することに加えて、そのエレベータへの当該保守員の到着予想日時を更に出力し、
前記エレベータ制御装置は、前記エレベータ情報を出力した後、前記監視制御装置から前記到着予想日時が返信されてきた場合、その到着予想日時を、緊急停止した前記エレベータの乗りかご内の表示部に表示する、請求項1に記載のセキュリティ管理システム。
【請求項3】
前記セキュリティ装置は、建物の入口に設置されたインターホン及びカメラを備え、当該インターホンからの前記パスワードの入力を受け付けると共に、当該カメラを用いて、そのパスワードを入力した入力者の顔情報を取得する、請求項1に記載のセキュリティ管理システム。
【請求項4】
前記監視制御装置は、前記エレベータ制御装置から前記エレベータ情報を受信した場合に、そのエレベータ情報で特定されるエレベータへ出動させる保守員の顔情報を出力することに加えて、そのエレベータへの当該保守員の到着予想日時を更に出力し、
前記セキュリティ装置は、前記監視制御装置から前記顔情報及び前記到着予想日時を受信した場合に、前記パスワードを生成し、そのパスワードに当該到着予想日時を更に対応付けて前記セキュリティ管理データに保存し、
前記セキュリティ装置は、前記建物の入口で入力されたパスワードが前記セキュリティ管理データ内のパスワードの何れかに一致すると判断した場合、更に、そのときの現在日時が、保守員が来る時間として適切な日時であるかどうかを、当該パスワードに対応付けられている前記セキュリティ管理データ内の到着予想日時との比較によって判断し、適切な日時であると判断した場合であって、更に、前記パスワードを入力した入力者の顔情報が前記セキュリティ管理データ内の顔情報に合致すると判断した場合に、前記建物内へ当該入力者が入ることを許可する、請求項1に記載のセキュリティ管理システム。
【請求項5】
前記セキュリティ装置は、前記監視制御装置から前記顔情報を受信した場合、その顔情報に合致する顔情報が前記セキュリティ管理データに保存されているか否かを判断し、保存されていないと判断した場合に、前記パスワードを生成し、そのパスワードと受信した前記顔情報とを互いに対応付けて前記セキュリティ管理データに保存すると共に、そのパスワードを前記監視制御装置へ返信し、その一方で、保存されていると判断した場合には、前記セキュリティ管理データから、受信した前記顔情報に合致する顔情報と、その顔情報に対応付けられている一連の情報と、を纏めて削除する、請求項1~4の何れかに記載のセキュリティ管理システム。
【請求項6】
前記セキュリティ装置は、前記建物内へ入ることを前記保守員に許可した場合、その後、当該保守員に対しては、その保守員の顔情報が前記セキュリティ管理データ内の顔情報に合致するか否かだけを判断し、合致すると判断できた場合には、前記建物内へ入ることを前記保守員に許可する、請求項1~4の何れかに記載のセキュリティ管理システム。
【請求項7】
前記セキュリティ装置は、オートロック装置であり、前記保守員の顔情報が前記セキュリティ管理データ内の顔情報に合致すると判断した場合、前記建物の入口のロック解除を行うことにより、前記建物内へ入ることを前記保守員に許可する、請求項1~4の何れかに記載のセキュリティ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータに適用可能なセキュリティ管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗りかご内には、監視センタへの通報が可能となるように、非常呼びボタン(インターホンなど)が設けられている(例えば、特許文献1参照)。従って、利用者は、エレベータが緊急停止して乗りかご内に閉じ込められてしまった場合でも、非常呼びボタンを用いて監視センタへ通報することにより、乗りかご内から救出を求めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-202998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、マンションやオフィスビルなどの建物には、当該建物のセキュリティを向上させるべく、建物内へ入ることを規制するセキュリティ装置(オートロック装置など)が入口に設置されることが多くなっている。一方、そのような建物においては、管理人の不在時(管理人が勤務時間外であるときなど。その建物に最初から管理人がいない場合を含む)にエレベータが緊急停止したとすると、その建物へ向けて保守員が出動したとしても、その保守員が、セキュリティ装置による入口での規制によって建物内へ入ることができず、エレベータに到達できない、といった事態が起こり得る。
【0005】
そこで本発明の目的は、管理人が不在であっても建物内へ保守員が入ることを可能にしつつも、その建物のセキュリティを担保できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るセキュリティ管理システムは、セキュリティ装置と、エレベータ制御装置と、監視制御装置と、を備える(態様1)。セキュリティ装置は、エレベータが設置された建物内へ入ることを規制する。エレベータ制御装置は、エレベータが緊急停止した場合に、そのエレベータを特定するエレベータ情報を出力する。監視制御装置は、エレベータ制御装置からエレベータ情報を受信した場合に、そのエレベータ情報で特定されるエレベータへ出動させる保守員の顔情報を出力する。そして、セキュリティ装置は、監視制御装置から顔情報を受信した場合、パスワードを生成し、そのパスワードと当該顔情報とを互いに対応付けてセキュリティ管理データに保存すると共に、そのパスワードを監視制御装置へ返信する。監視制御装置は、保守員の顔情報を出力した後、セキュリティ装置からパスワードが返信されてきた場合、その保守員に当該パスワードを通知する。その後、セキュリティ装置は、建物の入口でパスワードが入力された場合、そのパスワードを入力した入力者の顔情報を取得すると共に、そのパスワードがセキュリティ管理データ内のパスワードの何れかに一致するか否かを判断する。そして、セキュリティ装置は、「一致する」と判断した場合には、更に、入力者の顔情報が、当該パスワードに対応付けられているセキュリティ管理データ内の顔情報に合致するか否かを判断し、「合致する」と判断した場合に、建物内へ当該入力者が入ることを許可する。
【0007】
上記態様1によれば、セキュリティ装置が入口に設置されている建物において管理人が不在であっても、建物内へ保守員が入ることを、パスワード認証と顔認証の2段階認証で許可できるようになる。しかも、セキュリティ装置で生成されたパスワードは、そのセキュリティ装置が設置されている建物へ向けて出動する保守員にだけ通知され、そのパスワードが、2段階認証のうちの1段階目の認証であるパスワード認証に用いられる。また、セキュリティ管理データ内では、そのパスワードに対応付けて、当該パスワードの通知を受けた保守員(即ち、建物へ出動してくる保守員)の顔情報が保存される。そして、パスワード認証が成功した場合にだけ、その顔情報が、2段階認証のうちの2段階目の認証である顔認証に用いられる。換言すれば、建物へ出動してくる保守員だけが知る情報(パスワード)及びそれに紐付いた情報(ここでは顔情報)だけが、2段階認証に用いられる。従って、認証を2段階で行うことによって堅牢性が高められることに加えて、そこで使用される情報の秘匿性が高められ、その結果として、建物のセキュリティを確実に担保することが可能になる。
【0008】
上記態様1に係るセキュリティ管理システムは、次のような構成を備えていてもよい(態様2)。具体的には、監視制御装置は、エレベータ制御装置からエレベータ情報を受信した場合に、そのエレベータ情報で特定されるエレベータへ出動させる保守員の顔情報を出力することに加えて、そのエレベータへの当該保守員の到着予想日時を更に出力してもよい。そして、エレベータ制御装置は、エレベータ情報を出力した後、監視制御装置から到着予想日時が返信されてきた場合、その到着予想日時を、緊急停止したエレベータの乗りかご内の表示部に表示してもよい。
【0009】
上記態様2によれば、エレベータの緊急停止によって乗りかご内に利用者が閉じ込められた場合であっても、表示部への到着予想日時の表示により、乗りかご内の利用者に、表示部に表示された時刻まで待てば救出してもらえるという安心感を与えることが可能になる。
【0010】
上記態様1又は2に係るセキュリティ管理システムにおいて、セキュリティ装置は、建物の入口に設置されたインターホン及びカメラを備え、当該インターホンからのパスワードの入力を受け付けると共に、当該カメラを用いて、そのパスワードを入力した入力者の顔情報を取得してもよい(態様3)。
【0011】
上記態様3によれば、新たな装置を追加することなしに、上述したセキュリティ管理システムを構築することが可能になる。
【0012】
上記態様1~3の何れかに係るセキュリティ管理システムは、次のような構成を備えていてもよい(態様4)。具体的には、監視制御装置は、エレベータ制御装置からエレベータ情報を受信した場合に、そのエレベータ情報で特定されるエレベータへ出動させる保守員の顔情報を出力することに加えて、そのエレベータへの当該保守員の到着予想日時を更に出力してもよい。そして、セキュリティ装置は、監視制御装置から顔情報及び到着予想日時を受信した場合に、パスワードを生成し、そのパスワードに当該到着予想日時を更に対応付けてセキュリティ管理データに保存してもよい。その後、セキュリティ装置は、建物の入口で入力されたパスワードがセキュリティ管理データ内のパスワードの何れかに「一致する」と判断した場合、更に、そのときの現在日時が、保守員が来る時間として適切な日時であるかどうかを、当該パスワードに対応付けられているセキュリティ管理データ内の到着予想日時との比較によって判断してもよい。そして、セキュリティ装置は、「適切な日時である」と判断した場合であって、更に、前記パスワードを入力した入力者の顔情報が前記セキュリティ管理データ内の顔情報に「合致する」と判断した場合に、建物内へ当該入力者が入ることを許可してもよい。
【0013】
上記態様4によれば、建物内へ保守員が入ることを、時間認証を更に含んだ3段階認証(パスワード認証と、顔認証と、時間認証)で許可できるようになる。よって、より確実に建物のセキュリティを担保できるようになる。
【0014】
上記態様1~4の何れかに係るセキュリティ管理システムは、次のような構成を備えていてもよい(態様5)。具体的には、セキュリティ装置は、監視制御装置から顔情報を受信した場合、その顔情報に合致する顔情報がセキュリティ管理データに保存されているか否かを判断する。そして、セキュリティ装置は、「保存されていない」と判断した場合に、パスワードを生成し、そのパスワードと受信した顔情報とを互いに対応付けてセキュリティ管理データに保存すると共に、そのパスワードを監視制御装置へ返信する。その一方で、セキュリティ装置は、「保存されている」と判断した場合には、セキュリティ管理データから、受信した顔情報に合致する顔情報と、その顔情報に対応付けられている一連の情報と、を纏めて削除する。
【0015】
上記態様5によれば、保守員への出動要請後、出動先の建物での保守作業が完了するまでの間だけ、その建物内へ入ることを当該保守員に許可することが可能になる。
【0016】
上記態様1~5の何れかに係るセキュリティ管理システムは、次のような構成を備えていてもよい(態様6)。具体的には、セキュリティ装置は、建物内へ入ることを保守員に許可した場合、その後、当該保守員に対しては、その保守員の顔情報がセキュリティ管理データ内の顔情報に合致するか否かだけを判断し、「合致する」と判断できた場合には、建物内へ入ることを保守員に許可する。
【0017】
上記態様6によれば、建物内へ入ることを保守員に許可できた場合において、その後、保守作業中に再び当該保守員に対する入口での認証が必要になった場合に、認証を簡略化して顔認証だけで建物内へ入ることを当該保守員に許可できるようになる。
【0018】
上記態様1~6の何れかに係るセキュリティ管理システムは、次のような構成を備えていてもよい(態様7)。具体的には、セキュリティ装置は、オートロック装置であり、保守員の顔情報がセキュリティ管理データ内の顔情報に合致すると判断した場合、建物の入口のロック解除を行うことにより、建物内へ入ることを保守員に許可する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、管理人が不在であっても建物内へ保守員が入ることを可能にしつつも、その建物のセキュリティを担保できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係るセキュリティ管理システムが適用されたエレベータを例示した概念図である。
図2】実施形態で用いられる(A)保守員管理データ及び(B)セキュリティ管理データをそれぞれ例示した概念図である。
図3】実施形態において監視制御装置が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。
図4】実施形態においてセキュリティ装置が実行する制御処理(図3とは別の制御処理)を示したフローチャートである。
図5】第1変形例に係るセキュリティ管理システムが適用されたエレベータを例示した概念図である。
図6】第1変形例において監視制御装置が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。
図7】第2変形例で用いられるセキュリティ管理データを例示した概念図である。
図8】第2変形例において監視制御装置が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。
図9】第2変形例においてセキュリティ装置が実行する制御処理(図8とは別の制御処理)を示したフローチャートである。
図10】第3変形例において監視制御装置が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。
図11】第4変形例において監視制御装置が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。
図12】第5変形例で用いられるセキュリティ管理データを例示した概念図である。
図13】第5変形例において監視制御装置が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。
図14】第5変形例においてセキュリティ装置が実行する制御処理(図13とは別の制御処理)を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[1]実施形態
図1は、実施形態に係るセキュリティ管理システムが適用されたエレベータ1を例示した概念図である。この図に示されるように、エレベータ1の乗りかごG内には、通常、エレベータ1から監視センタ2への通報が可能となるように、非常呼びボタン11が設けられている。また、エレベータ1と監視センタ2とは、それらの間の情報通信(通話を含む)が可能となるようにネットワークを介して互いに接続される。ここで、ネットワークとはインターネットである。
【0022】
従って、利用者は、エレベータ1が緊急停止して乗りかごG内に閉じ込められてしまった場合でも、非常呼びボタン11を用いて監視センタ2へ通報することにより、乗りかごG内から救出を求めることができる。
【0023】
このような構成に加えて、本実施形態では、エレベータ1が設置された建物の入口に、建物内へ入ることを規制するセキュリティ装置3(オートロック装置など)が設置されている場合を考える。また、セキュリティ装置3が、エレベータ1及び監視センタ2の何れとも情報通信できるように、それらとネットワークを介して接続されている場合を考える。
【0024】
近年、建物のセキュリティを向上させるべく、このようにセキュリティ装置3が入口に設置されることが多くなっている。一方、そのような建物においては、管理人の不在時(管理人が勤務時間外であるときなど。その建物に最初から管理人がいない場合を含む)にエレベータ1が緊急停止したとすると、その建物へ向けて保守員が出動したとしても、その保守員が、セキュリティ装置3による入口での規制によって建物内へ入ることができず、エレベータ1に到達できない、といった事態が起こり得る。
【0025】
そこで、管理人が不在であっても建物内へ保守員が入ることを可能にしつつも、その建物のセキュリティを担保できるようにするべく、それを可能にするためのセキュリティ管理システムが、エレベータ1を制御するエレベータ制御装置10と、監視センタ2に設置される監視制御装置20と、セキュリティ装置3と、によって構成されている(図1参照)。
【0026】
エレベータ制御装置10は、自身が制御しているエレベータ1が緊急停止した場合に、そのエレベータ1を特定するエレベータ情報Peを出力する。本実施形態では、このエレベータ情報Peは、監視センタ2へ送信され、どのエレベータ1で緊急停止が発生したのかを監視センタ2に知らせるために用いられる。
【0027】
監視制御装置20は、記憶部21と制御部22とを備える(図1参照)。ここで、記憶部21は、ROMやRAMなどの記憶デバイスで構成される部分である。制御部22は、CPUやMPUなどの処理デバイスで構成される部分である。
【0028】
記憶部21には、保守員管理データDpが保存される。図2(A)は、本実施形態で用いられる保守員管理データDpを例示した概念図である。この図に示されるように、保守員管理データDpには、監視対象であるエレベータ1の保守を担当できる保守員ごとに、その保守員の識別情報Pi、連絡先Ph、及び顔情報Pfが互いに対応付けられた状態で保存される。
【0029】
ここで、各保守員の識別情報Piは、その保守員に付与された固有の情報(IDなど)であり、システム内で各保守員を特定するための情報として用いられる。各保守員の連絡先Phは、その保守員が所持する携帯端末装置4(スマートホンなど。図1参照)に設定されている電話番号やE-mailアドレスなどであり、監視センタ2からの出動要請の連絡や各種情報(後述するパスワードPjなど)の伝達のために用いられる。図2(A)の例では、連絡先PhとしてE-mailアドレスが保存された場合が示されている。各保守員の顔情報Pfは、その保守員の顔を特定するための情報(顔特徴量など)として予め登録されたものであり、出動してきた保守員に対してセキュリティ装置3が建物の入口で顔認証(保守員用の顔認証)を行うときに、顔認証用の参照データとして用いられる。尚、保守員管理データDpには、各保守員の氏名などが、その保守員の識別情報Piなどの情報と共に保守員管理データDpに保存されてもよい。
【0030】
制御部22は、次のような制御処理を実行する。具体的には、制御部22は、エレベータ制御装置10からエレベータ情報Peを受信した場合に、そのエレベータ情報Peで特定されるエレベータ1へ出動させる保守員の顔情報Pf(保守員管理データDpに保存されている当該保守員の顔情報Pf)を出力する(出力処理)。本実施形態では、この顔情報Pfはセキュリティ装置3に送信され、セキュリティ装置3は、当該顔情報Pfを受信した場合、パスワードPjを生成して監視制御装置20へ返信する。そして、制御部22は、保守員の顔情報Pfを出力した後、セキュリティ装置3からパスワードPjが返信されてきた場合、その保守員に当該パスワードPjを通知する(通知処理)。
【0031】
本実施形態では、これらの処理は、制御部22によるプログラムの実行によって実現される。このプログラムは、監視制御装置20にインストールされたものであり、インストール前のプログラムは、携帯可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ等)に読取可能な状態で保存されていてもよいし、他のサーバなどにダウンロード可能な状態で保存されていてもよい。尚、上述した各種処理は、監視制御装置20内に構築された回路によって実現されてもよい。
【0032】
セキュリティ装置3は、建物の入口に設置されたインターホン30A及びカメラ30Bと、記憶部31と、制御部32と、を備える(図1参照)。
【0033】
インターホン30Aは、建物の入口で入居者を呼び出すための装置であり、部屋番号を入力するためのテンキー、呼出しを実行するための呼出しボタン、入居者と通話するためのマイク及びスピーカなどを備える。そして本実施形態では、このインターホン30Aが、入居者の呼出しに用いられるだけでなく、パスワード認証時における保守員によるパスワードPjの入力にも用いられる。これにより、建物の入口でパスワードPjを入力するための新たな装置を追加することなしに、セキュリティ管理システムを構築することが可能になる。
【0034】
カメラ30Bは、建物の入口に外からきた人の顔情報Pfを取得する装置である。具体的には、カメラ30Bは、建物の入口を撮影することにより、当該入口に外から来た人の顔が写った画像を取得する。そして、カメラ30Bは、取得した画像に画像処理を施すことにより、その画像に写っている人の顔情報Pf(顔特徴量など)を抽出する。
【0035】
通常、このカメラ30Bが取得する顔情報Pfは、入居者による入口のロック解除(戸開)を自動化するための顔認証(入居者用の顔認証)に用いられる。具体的には、事前に登録された入居者の情報(顔情報Pfなど)を管理するための入居者管理データ(不図示)が記憶部31に保存されており、カメラ30Bが顔情報Pfを取得した場合に、制御部32が、その顔情報Pfを入居者管理データ内の顔情報Pf(参照データ)と照合することによって入居者用の顔認証を行う。より具体的には、制御部32は、カメラ30Bが取得した顔情報Pfが入居者管理データ内の顔情報Pfの何れかに合致するか否かを判断する。そして、制御部32は、顔認証に成功した場合(具体的には、顔情報Pfの照合で「合致する」と判断した場合)に、建物の入口に来た人は入居者であると判断して、入口のロック解除(戸開)を行う。これにより、建物の入口に外から来た入居者に対し、入口のロック解除が自動で行われる。
【0036】
そして本実施形態では、このカメラ30Bが、建物内へ入ることを入居者に許可するための入居者用の顔認証に用いられるだけでなく、建物内へ入ることを保守員に許可するための保守員用の顔認証にも用いられる。これにより、建物の入口で保守員の顔情報Pfを取得するための新たな装置を追加することなしに、セキュリティ管理システムを構築することが可能になる。尚、制御部32は、カメラ30Bが備える一部の機能を担っていてもよい。例えば、制御部32は、入口の画像からの顔情報Pfの抽出をカメラ30Bに代わって行ってもよい。
【0037】
記憶部31は、ROMやRAMなどの記憶デバイスで構成される部分であり、記憶部31には、セキュリティ管理データDqが保存される。図2(B)は、本実施形態で用いられるセキュリティ管理データDqを例示した概念図である。セキュリティ管理データDqには、セキュリティ装置3が監視制御装置20から受信した顔情報Pfと、その顔情報Pfを受信した場合にセキュリティ装置3が生成するパスワードPjと、が互いに対応付けられた状態で保存される。これらの情報は、セキュリティ装置3が建物の入口で保守員に対して認証(具体的には、パスワード認証と顔認証の2段階認証)を行うときに、認証用の参照データとして用いられる。
【0038】
制御部32は、CPUやMPUなどの処理デバイスで構成される部分であり、以下のような制御処理を実行する。
【0039】
制御部32は、監視制御装置20から顔情報Pfを受信した場合、パスワードPjを生成する(生成処理)。その後、制御部32は、そのパスワードPjと当該顔情報Pfとを互いに対応付けてセキュリティ管理データDqに保存し(保存処理)、且つ、そのパスワードPjを監視制御装置20へ返信する(返信処理)。
【0040】
その後、制御部32は、建物の入口のインターホン30AでパスワードPjが入力された場合、当該インターホン30AからのパスワードPjの入力を受け付けると共に、そのパスワードPjを入力した入力者の顔情報Pfをカメラ30Bから取得する。それから、制御部32は、受け付けたパスワードPjがセキュリティ管理データDq内のパスワードPjの何れかに一致するか否かを判断する(パスワード認証処理)。制御部32は、その結果として「一致する」と判断した場合(パスワード認証に成功した場合)には、更に、カメラ30Bから取得した入力者の顔情報Pfが、当該パスワードPjに対応付けられているセキュリティ管理データDq内の顔情報Pfに合致するか否かを判断する(顔認証処理)。そして、制御部32は、「合致する」と判断した場合(顔認証に成功した場合)に、建物内へ当該入力者が入ることを許可する。
【0041】
本実施形態では、これらの処理は、制御部32によるプログラムの実行によって実現される。このプログラムは、セキュリティ装置3にインストールされたものであり、インストール前のプログラムは、携帯可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ等)に読取可能な状態で保存されていてもよいし、他のサーバなどにダウンロード可能な状態で保存されていてもよい。尚、上述した各種処理は、セキュリティ装置3内に構築された回路によって実現されてもよい。
【0042】
図3は、本実施形態において監視制御装置20が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置3が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。この制御処理は、監視対象であるエレベータ1の何れかが緊急停止した場合において、そのエレベータ1を特定するエレベータ情報Peを監視制御装置20がエレベータ制御装置10から受信した場合に開始される。以下では、このときに監視制御装置20が受信するエレベータ情報Peを「受信情報Pr」と呼ぶことにする。
【0043】
ここで、図3に示された制御処理は、エレベータ1が緊急停止した場合であって、且つ、乗りかごG内への利用者の閉じ込めが発生した場合に開始されてもよい。具体例として、エレベータ1が緊急停止した場合であって、且つ、乗りかごG内の利用者が非常呼びボタン11を用いて監視センタ2へ通報してきた場合について考える。この場合、通報を受けた監視員は、乗りかごG内の利用者との通話を行うと共に、監視制御装置20が受信したエレベータ情報Peで特定されるエレベータ1を遠隔で操作することにより、最寄階への当該乗りかごGの移動を試みる。遠隔操作での最寄階への移動が成功すれば、緊急停止から短時間で、乗りかごG内の利用者が救出される。その一方で、そのような遠隔操作での救出が失敗した場合には、利用者は、乗りかごG内に閉じ込められることになる。その場合、閉じ込めが発生したことを知らせるボタンなどを監視員が押すことにより、閉込発生信号が出力される。そして、図3の制御処理は、監視制御装置20がエレベータ情報Peに加えて閉込発生信号を更に受信した場合に開始されるものへ、適宜変更されてもよい。
【0044】
尚、閉じ込めが発生したか否かを判断するための上記の一連の流れは、監視員の操作及び判断で行われるものに限らず、監視制御装置20にプログラムを実行させることによって自動化されたものへ適宜変更されてもよい。
【0045】
制御処理が開始されると、監視制御装置20は、携帯端末装置4を通じて保守員への問合せを行うことにより、受信情報Pr(エレベータ情報Pe)で特定されるエレベータ1へ即座に出動できる保守員を見付け出して決定する(ステップS11)。そして、監視制御装置20は、決定した保守員への出動要請を行う。このとき、監視制御装置20は、保守員への出動要請と共に、出動先の建物(上記エレベータ1が設置されている建物)の位置情報を当該保守員へ送信する。ここで、この位置情報は、建物がある場所を示す住所や地図(電子マップ等)上の位置などの情報である。
【0046】
一例として、監視制御装置20は、次のようにして出動先の建物の位置情報を取得することができる。具体的には、監視制御装置20の記憶部21に、監視対象であるエレベータ1の情報を管理するためのエレベータ管理データを保存しておき、そのエレベータ管理データにおいて、監視対象であるエレベータ1ごとに、エレベータ情報Peと、そのエレベータ1が設置されている建物の位置情報とを互いに対応付けておくことができる。そして、監視制御装置20は、そのエレベータ管理データ内から、受信情報Pr(エレベータ情報Pe)に対応付けられている位置情報を取得することができる。
【0047】
保守員は、監視制御装置20から出動要請を受けた場合、その出動要請と共に受信した位置情報で特定される建物へ向けて出動を開始する(ステップS31)。
【0048】
次に、監視制御装置20は、ステップS11で決定した保守員の顔情報Pf及び連絡先Phを取得する(ステップS12)。具体的には、監視制御装置20は、ステップS11で決定した保守員の識別情報Piを用いて、保守員管理データDpから、当該識別情報Piに対応付けられている顔情報Pf及び連絡先Phを抽出する。
【0049】
その後、監視制御装置20は、ステップS11で決定した保守員が向かう出動先の建物の入口において当該保守員に対する2段階認証(パスワード認証と顔認証)をセキュリティ装置3に実行させるべく(図4のステップS43及びS44参照)、まずは、それを可能にするための事前準備をセキュリティ装置3に実行させる。
【0050】
具体的には、監視制御装置20は、まず、ステップS12で取得した顔情報Pfを上記セキュリティ装置3へ送信する(出力処理。ステップS13)。
【0051】
セキュリティ装置3は、監視制御装置20から顔情報Pfを受信した場合(ステップS21)、上記2段階認証のうちの1段階目のパスワード認証に使用するパスワードPjを生成する(生成処理。ステップS22)。本実施形態では、セキュリティ装置3は、インターホン30Aが備えるテンキーで入力可能な数字の配列を、パスワードPjとして生成する。尚、テンキーには記号が含まれていてもよく、その場合には、数字と記号とを含んだ配列がパスワードPjとして生成されてもよい。
【0052】
ステップS22の後、セキュリティ装置3は、ステップS22で生成したパスワードPjと、ステップS21で監視制御装置20から受信した顔情報Pfとを、互いに対応付けた状態でセキュリティ管理データDqに保存する(保存処理。ステップS23)。このセキュリティ管理データDqに保存されるパスワードPj及び顔情報Pfは、セキュリティ装置3が建物の入口で保守員に対して2段階認証(1段階目のパスワード認証と2段階目の顔認証。図4参照)を行うときに、パスワード認証用及び顔認証用の参照データとしてそれぞれ用いられる。
【0053】
その後、セキュリティ装置3は、ステップS22で生成したパスワードPjを監視制御装置20へ返信する(返信処理。ステップS24)。そして監視制御装置20は、セキュリティ装置3からパスワードPjを受信した場合(ステップS14)、そのパスワードPjを、ステップS12で取得した連絡先Ph(ステップS11で決定した保守員の連絡先Ph)へ送信する(ステップS15)。これにより、出動先の建物へ向かっている保守員は、その建物の入口でのパスワード認証に必要なパスワードPjを、自身の携帯端末装置4で受信して知ることができる(ステップS32)。
【0054】
図4は、本実施形態においてセキュリティ装置3が実行する制御処理(図3とは別の制御処理)を示したフローチャートである。この制御処理は、建物の入口に外からきた人の顔情報Pfをセキュリティ装置3がカメラ30Bから取得した場合に開始される。
【0055】
制御処理が開始されると、セキュリティ装置3は、カメラ30Bから取得した顔情報Pfを用いて、まず、建物の入口に来た人が入居者であるかどうかを判断するための入居者用の顔認証を行う(顔認証処理。ステップS41)。具体的には、セキュリティ装置3は、上述した入居者管理データ(不図示)を用い、カメラ30Bから取得した顔情報Pfを入居者管理データ内の顔情報Pf(参照データ)と照合することによって入居者用の顔認証を行う。より具体的には、セキュリティ装置3は、カメラ30Bから取得した顔情報Pfが入居者管理データ内の顔情報Pfの何れかに合致するか否かを判断する。
【0056】
そして、セキュリティ装置3は、ステップS41での顔認証に成功した場合(具体的には、顔情報Pfの照合で「合致する」と判断した場合)、建物の入口に来た人は入居者であると判断して、入口のロック解除(戸開)を行う(ステップS45B)。これにより、建物の入口に外から来た入居者に対し、入口のロック解除が自動で行われる。
【0057】
尚、上記の入居者管理データ(不図示)には、各入居者の顔情報Pfに対応付けて、その入居者の入居階が保存されていてもよい。この場合、セキュリティ装置3は、次のような処理を行うことができる。具体的には、セキュリティ装置3は、ステップS41での顔認証に成功した場合、顔認証に成功した入居者の入居階を入居者管理データから抽出し、その入居階を行先階とし且つ建物の入口がある階を出発階とする乗場呼びを、エレベータ制御装置10へ送信することができる(図4のステップS50)。このような構成によれば、通常であれば建物の入口がある階から手動で行う必要のある乗場呼びを、入居者については、セキュリティ装置3によって自動化することが可能になる。
【0058】
一方、セキュリティ装置3は、ステップS41での顔認証に失敗した場合には、建物の入口に来た人は入居者でないと判断する。そして、このステップS41では、建物の入口に来た人が、出動要請を受けて駆け付けた保守員である場合にも、その保守員は入居者でないため、顔認証に失敗するという結果になる。従って、このままでは保守員に対して建物内へ入ることを許可できない。そこで、本実施形態では、建物内へ入ることを保守員に許可できるようにするべく、セキュリティ装置3は、更に以下の処理を実行する。
【0059】
セキュリティ装置3は、まず、建物の入口のインターホン30AでパスワードPjの入力があったか否かを判断する(ステップS42)。セキュリティ装置3は、ステップS42にて「入力がない(No)」と判断した場合には、所定時間が経過してタイムアウトになるまで(ステップS42x)、ステップS42を繰り返し実行する。
【0060】
そして、セキュリティ装置3は、ステップS42で「入力があった(Yes)」と判断できないままステップS42xでタイムアウトになった場合には、その結果を以て、建物の入口に来た人は入居者でも保守員でもないと判断できる。この場合、セキュリティ装置3は、建物の入口のロック(戸閉)をそのまま維持する(ステップS45A)。これにより、建物のセキュリティが維持される。
【0061】
一方、セキュリティ装置3は、ステップS42xでタイムアウトになるまでにステップS42で「入力があった(Yes)」と判断できた場合には、インターホン30Aで入力されたパスワードPjを受け付けると共に、保守員に対する1段階目の認証として、建物の入口に来た人が保守員であるかどうかをパスワードPjで判断するためのパスワード認証を行う(パスワード認証処理。ステップS43)。具体的には、セキュリティ装置3は、受け付けたパスワードPjをセキュリティ管理データDq内のパスワードPj(参照データ)と照合することによってパスワード認証を行う。より具体的には、セキュリティ装置3は、受け付けたパスワードPjがセキュリティ管理データDq内のパスワードPjに一致するか否かを判断する。
【0062】
そして、セキュリティ装置3は、ステップS43でのパスワード認証に成功した場合(具体的には、パスワードPjの照合で「一致する」と判断した場合)には、次に、保守員に対する2段階目の認証として、カメラ30Bから取得した顔情報Pfを用いて、建物の入口に来た人が保守員であるかどうかを顔情報Pfで判断するための保守員用の顔認証を実行する(顔認証処理。ステップS44)。具体的には、セキュリティ装置3は、カメラ30Bから取得した顔情報Pfをセキュリティ管理データDq内の顔情報Pf(参照データ)と照合することによって保守員用の顔認証を行う。より具体的には、セキュリティ装置3は、ステップS43でのパスワード認証に成功したときに参照データとして使用したパスワードPjに対応付けられているセキュリティ管理データDq内の顔情報Pfを用いて、カメラ30Bから取得した顔情報Pfが、そのセキュリティ管理データDq内の顔情報Pfに合致するか否かを判断する。
【0063】
そして、セキュリティ装置3は、ステップS44での顔認証に成功した場合(具体的には、顔情報Pfの照合で「合致する」と判断した場合)に、建物の入口に来た人は、出動要請を受けて出動してきた保守員であると判断して、建物の入口のロック解除(戸開)を行う(ステップS45B)。これにより、出動先の建物の入口まで来た保守員に対し、建物内へ入ることが許可される。
【0064】
一方、セキュリティ装置3は、ステップS43でのパスワード認証に失敗した場合、或いは、ステップS44での顔認証に失敗した場合には、建物の入口に来た人は入居者でも保守員でもないと判断して、建物の入口のロック(戸閉)をそのまま維持する(ステップS45A)。これにより、建物のセキュリティが維持される。
【0065】
このようなセキュリティ管理システムによれば、セキュリティ装置3が入口に設置されている建物において管理人が不在であっても、建物内へ保守員が入ることを、パスワード認証と顔認証の2段階認証で許可できるようになる。しかも、セキュリティ装置3で生成されたパスワードPjは、そのセキュリティ装置3が設置されている建物へ向けて出動する保守員にだけ通知され、そのパスワードPjが、2段階認証のうちの1段階目の認証であるパスワード認証に用いられる。また、セキュリティ管理データDq内では、そのパスワードPjに対応付けて、当該パスワードPjの通知を受けた保守員(即ち、建物へ出動してくる保守員)の顔情報Pfが保存される。そして、パスワード認証が成功した場合にだけ、その顔情報Pfが、2段階認証のうちの2段階目の認証である顔認証に用いられる。換言すれば、建物へ出動してくる保守員だけが知る情報(パスワードPj)及びそれに紐付いた情報(ここでは顔情報Pf)だけが2段階認証に用いられる。従って、認証を2段階で行うことによって堅牢性が高められることに加えて、そこで使用される情報の秘匿性が高められ、その結果として、建物のセキュリティを確実に担保することが可能になる。よって、管理人が不在であっても建物内へ保守員が入ることを可能にしつつも、その建物のセキュリティを担保できるようになる。
【0066】
[2]変形例
[2-1]第1変形例
第1変形例は、上述した実施形態の変形例である。図5は、第1変形例に係るセキュリティ管理システムが適用されたエレベータ1を例示した概念図である。本変形例では、乗りかごG内に、モニタなどの表示デバイスで構成される表示部12が設置されている。そして、本変形例のセキュリティ管理システムは、エレベータ1の緊急停止によって乗りかごG内に利用者が閉じ込められた場合に、当該乗りかごG内の利用者へ表示部12を通じて情報提供できるように構成されている。具体的には、以下のような制御処理が実行される。
【0067】
図6は、第1変形例において監視制御装置20が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置3が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。本変形例では、監視制御装置20は、ステップS11で保守員への出動要請を行った後、出動先の建物又はエレベータ1への当該保守員の到着予想日時tpを、エレベータ制御装置10へ送信する(ステップS60)。このとき、監視制御装置20は、出動要請を行った保守員の現在位置の情報や、その出動要請と共に保守員へ送信した出動先の建物の位置情報などの情報に基づいて、到着予想日時tpを算出することができる。或いは、監視制御装置20は、出動要請を行った保守員に問い合わせることにより、当該保守員からの回答で到着予想日時tpを取得してもよい。
【0068】
エレベータ制御装置10は、自身が制御するエレベータ1で緊急停止が発生したことを知らせるためにエレベータ情報Peを監視制御装置20へ送信した後、当該監視制御装置20から到着予想日時tpが返信されてきた場合(ステップS61)、その到着予想日時tpを、緊急停止したエレベータ1の乗りかごG内の表示部12(モニタなど)に表示する(ステップS62)。
【0069】
第1変形例によれば、エレベータ1の緊急停止によって乗りかごG内に利用者が閉じ込められた場合であっても、表示部12への到着予想日時tpの表示により、乗りかごG内の利用者に、表示部12に表示された時刻まで待てば救出してもらえるという安心感を与えることが可能になる。
【0070】
尚、ステップS60は、ステップS11の直後に行う場合に限らず、監視制御装置20が行う制御処理内のどこで実行されてもよい。また、ステップS60では、監視制御装置20は、到着予想日時tpと共に、ステップS11で決定した保守員の情報(氏名や顔画像など)をエレベータ制御装置10へ送信してもよい。この場合、ステップS62では、エレベータ制御装置10は、到着予想日時tpだけでなく、出動してくる保守員の情報(氏名や顔画像など)も表示部12に表示することができる。
【0071】
[2-2]第2変形例
第2変形例は、上述した実施形態の変形例である。本変形例では、建物内へ保守員が入ることを、パスワード認証と顔認証に加えて時間認証を更に含んだ3段階認証で許可できるようにするべく、それを可能にするためのセキュリティ管理システムが構成される。
【0072】
図7は、第2変形例で用いられるセキュリティ管理データDqを例示した概念図である。この図に示されるように、本変形例では、セキュリティ管理データDqにおいて、出動要請された保守員の顔情報Pf(セキュリティ装置3が監視制御装置20から受信した顔情報Pf)に、出動先の建物又はエレベータ1への当該保守員の到着予想日時tpが更に対応付けられた状態で保存される。具体的には、以下のような制御処理が実行される。
【0073】
図8は、第2変形例において監視制御装置20が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置3が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。
【0074】
本変形例では、監視制御装置20は、ステップS11で出動要請した保守員の顔情報Pf(ステップS12で取得した顔情報Pf)をセキュリティ装置3へ送信するときに(ステップS70)、更に、出動先の建物又はエレベータ1への保守員の到着予想日時tpをセキュリティ装置3へ送信する。このとき、監視制御装置20は、出動要請を行った保守員の現在位置の情報や、その出動要請と共に保守員へ送信した出動先の建物の位置情報などの情報に基づいて、到着予想日時tpを算出することができる。或いは、監視制御装置20は、出動要請を行った保守員に問い合わせることにより、当該保守員からの回答で到着予想日時tpを取得してもよい。
【0075】
セキュリティ装置3は、監視制御装置20から顔情報Pf及び到着予想日時tpを受信した場合(ステップS71)、3段階認証のうちの1段階目のパスワード認証に使用するパスワードPjを生成する(生成処理。ステップS72)。
【0076】
ステップS72の後、セキュリティ装置3は、ステップS72で生成したパスワードPjと、ステップS71で監視制御装置20から受信した顔情報Pf及び到着予想日時tpとを、互いに対応付けた状態でセキュリティ管理データDqに保存する(保存処理。ステップS73)。このセキュリティ管理データDqに保存されるパスワードPj、到着予想日時tp、及び顔情報Pfは、セキュリティ装置3が建物の入口で保守員に対して3段階認証(1段階目のパスワード認証と、2段階目の時間認証と、3段階目の顔認証。図9参照)を行うときに、パスワード認証用、時間認証用、及び顔認証用の参照データとしてそれぞれ用いられる。
【0077】
その後、セキュリティ装置3は、ステップS72で生成したパスワードPjを監視制御装置20へ返信する(返信処理。ステップS74)。
【0078】
図9は、第2変形例においてセキュリティ装置3が実行する制御処理(図8とは別の制御処理)を示したフローチャートである。本変形例では、セキュリティ装置3は、ステップS43でのパスワード認証に成功した場合、次に、保守員に対する2段階目の認証として、そのときの現在日時txが、保守員が来る時間として適切な日時であるかどうか、を判断するための保守員用の時間認証を実行する(時間認証処理。ステップS80)。
【0079】
具体的には、セキュリティ装置3は、ステップS43でのパスワード認証に成功したときに参照データとして使用したパスワードPjに対応付けられているセキュリティ管理データDq内の到着予想日時tpを用いて、現在日時txを、そのセキュリティ管理データDq内の到着予想日時tpと比較する。より具体的には、セキュリティ装置3は、それらの時間差の絶対値|tx-tp|を求め、その絶対値|tx-tp|が所定値tsより小さいか否かを判断する。そして、セキュリティ装置3は、「小さい」と判断できた場合に、現在日時txは保守員が来る時間として適切な日時であると判断する。
【0080】
そして、セキュリティ装置3は、ステップS80での時間認証に成功した場合(具体的には、保守員が来る時間として現在日時txが「適切な日時」であると判断した場合)に、保守員に対する3段階目の認証として保守員用の顔認証を実行する(顔認証処理。ステップS44)。
【0081】
第2変形例によれば、建物内へ保守員が入ることを、時間認証を更に含んだ3段階認証(パスワード認証と、時間認証と、顔認証)で許可できるようになる。よって、より確実に建物のセキュリティを担保できるようになる。
【0082】
尚、上述した時間認証(ステップS80)は、保守員用の顔認証の後に実行されてもよい。また、上述した制御処理のうちの3段階認証を行う部分(そのための事前準備を行う部分を含む)については、上述した第1変形例にも適用できる。その場合、ステップS70でセキュリティ装置3へ送信する到着予想日時tpには、ステップS61でエレベータ制御装置10へ送信した到着予想日時tpをそのまま用いることができる。或いは、ステップS61でエレベータ制御装置10へ送信する到着予想日時tpに、ステップS70でセキュリティ装置3へ送信した到着予想日時tpを用いてもよい。
【0083】
[2-3]第3変形例
第3変形例は、上述した実施形態の変形例である。図10は、第3変形例において監視制御装置20が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置3が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。
【0084】
本変形例では、監視制御装置20は、ステップS11で保守員への出動要請を行った後に、出動先の建物(受信情報Pr(エレベータ情報Pe)で特定されるエレベータ1が設置されている建物)が顔認証対応建物であるか否か、を判断する(ステップS90)。ここで、顔認証対応建物は、建物内へ入ることがセキュリティ装置3で規制されていて、且つ、入口での顔認証によって入居者に対するロック解除(戸開)が自動で行われる建物のことを意味する。
【0085】
一例として、上述したエレベータ管理データ(不図示)において、監視対象であるエレベータ1ごとに、エレベータ情報Peと、そのエレベータ1が設置されている建物が顔認証対応建物であるか否かを示すフラグとを互いに対応付けておくことができる。そして、監視制御装置20は、受信情報Pr(エレベータ情報Pe)に対応付けられているエレベータ管理データ内のフラグから、出動先の建物が顔認証対応建物であるか否かを判断することができる。
【0086】
そして、監視制御装置20は、ステップS90にて「顔認証対応建物である(Yes)」と判断した場合に、ステップS12からの処理を実行する。一方、監視制御装置20は、ステップS90にて「顔認証対応建物でない(No)」と判断した場合には、ステップS12からの処理を行うことなく制御処理を終了させる。
【0087】
尚、このように出動先の建物が顔認証対応建物である場合にだけステップS12からの処理を行う構成については、上述した第1変形例や第2変形例にも適用できる。
【0088】
[2-4]第4変形例
第4変形例は、上述した実施形態の変形例である。図11は、第4変形例において監視制御装置20が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置3が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。
【0089】
本変形例では、出動先の建物内へ入ることが保守員に許可された後、当該保守員は、出動先の建物でのエレベータ1に対する保守作業(閉じ込められた利用者の救出やエレベータ1の修理など)を行い、作業を完了した場合には、自身が所持する携帯端末装置4から監視センタ2へ完了報告を行う(ステップS33)。監視制御装置20は、保守員から完了報告を受けた場合(ステップS91)、その保守員の出動先の建物に設置されているセキュリティ装置3へ当該保守員の顔情報Pfを送信する(ステップS92)。
【0090】
セキュリティ装置3は、監視制御装置20から顔情報Pfを受信した場合、その顔情報Pfが、監視制御装置20が保守員への出動要請(ステップS11)後に送信してきたものであるのか、それとも、監視制御装置20が保守員からの完了報告の受信(ステップS91)後に送信してきたものであるのか、を判断するべく、受信した顔情報Pfと合致するものがセキュリティ管理データDq内に保存されているか否かを判断する(ステップS81)。
【0091】
セキュリティ装置3は、ステップS81にて「保存されている(Yes)」と判断した場合、その判断を以て、受信した顔情報Pfは監視制御装置20が保守員からの完了報告の受信後に送信してきたものであると判断できる。この場合、セキュリティ装置3は、セキュリティ管理データDq内から、受信した顔情報Pfに合致する顔情報Pfと、それに対応付けられている一連の情報(ここではパスワードPj)と、を纏めて削除する(ステップS82)。
【0092】
一方、セキュリティ装置3は、ステップS81にて「保存されていない(No)」と判断した場合には、その判断を以て、受信した顔情報Pfは監視制御装置20が保守員への出動要請後に送信してきたものであると判断できる。この場合、セキュリティ装置3は、ステップS22(パスワードPjの生成)からの処理を実行する。
【0093】
第4変形例によれば、保守員への出動要請後、出動先の建物での保守作業が完了するまでの間だけ、その建物内へ入ることを当該保守員に許可することが可能になる。
【0094】
尚、このようにセキュリティ装置3が認証用の参照データの保存と削除とを選択的に行う構成については、上述した第1変形例~第3変形例にも適用できる。
【0095】
[2-5]第5変形例
第5変形例は、上述した実施形態の変形例である。本変形例では、建物内へ入ることを保守員に許可できた場合において、その後、保守作業中に再び当該保守員に対する入口での認証が必要になった場合(例えば、保守員が保守に必要な部品や工具などを建物外へ取りに行って再び建物へ戻ってきた場合など)に、認証を簡略化して顔認証だけで建物内へ入ることを当該保守員に許可できるようにするべく、それを可能にするためのセキュリティ管理システムが構成される。
【0096】
図12は、第5変形例で用いられるセキュリティ管理データDqを例示した概念図である。この図に示されるように、本変形例では、セキュリティ管理データDqにおいて、出動要請された保守員の顔情報Pf(セキュリティ装置3が監視制御装置20から受信した顔情報Pf)に、その保守員に対する顔認証の成功の有無を示す認証情報Pkが更に対応付けられた状態で保存される。図12の例では、顔認証の成功が未だにないことがPk=「0」で示されている。顔認証の成功があった場合には、そのことがPk=「1」で示される。具体的には、以下のような制御処理が実行される。
【0097】
図13は、第2変形例において監視制御装置20が実行する制御処理、並びに、それと連携してセキュリティ装置3が実行する制御装置及び保守員の動作を示したフローチャートである。本変形例では、セキュリティ装置3は、ステップS23にてセキュリティ管理データDqへパスワードPj及び顔情報Pfを互いに対応付けた状態で保存するときに、更に認証情報Pkを対応付けて保存すると共に、認証情報PkをPk=「0」に設定する。
【0098】
図14は、第5変形例においてセキュリティ装置3が実行する制御処理を示したフローチャートである。本変形例では、セキュリティ装置3は、ステップS41での入居者用の顔認証に失敗した場合、まず、セキュリティ管理データDq内の認証情報PkがPk=「0」とPk=「1」のどちらであるのかを判断する(ステップS83)。
【0099】
セキュリティ装置3は、ステップS83にて認証情報PkはPk=「1」であると判断した場合には、その判断を以て、建物内へ入ることを既に保守員に許可していると判断できる。この場合、セキュリティ装置3は、ステップS42及びステップS43(パスワード認証)をスキップしてステップS44(保守員用の顔認証)を行う。
【0100】
一方、セキュリティ装置3は、ステップS83にて認証情報PkはPk=「0」であると判断した場合には、その判断を以て、建物内へ入ることを未だ保守員に許可していないと判断できる。この場合、セキュリティ装置3は、ステップS42からの処理を実行する。
【0101】
第5変形例によれば、建物内へ入ることを保守員に許可できた場合において、その後、保守作業中に再び当該保守員に対する入口での認証が必要になった場合に、認証を簡略化して顔認証だけで建物内へ入ることを当該保守員に許可できるようになる。
【0102】
尚、このようにセキュリティ装置3が保守員に対する2回目以降の入口での認証を簡略化する構成については、上述した第1変形例~第4変形例にも適用できる。
【0103】
[2-6]他の変形例
上述したセキュリティ管理システムにおいて、建物の入口でのパスワードPjの入力には、その建物に既設のインターホン30Aに限らず、当該インターホン30Aとは別に後付けで設置された入力装置が用いられてもよい。また、建物の入口での保守員の顔情報Pfの取得には、その建物に既設のカメラ30Bに限らず、当該カメラ30Bとは別に後付けで設置された撮像装置が用いられてもよい。
【0104】
更に、パスワードPjとして1次元コードや2次元コード(QRコード(登録商標)や2次元バーコード)などが生成されてもよい。この場合、建物の入口には、それらのコードを読み取るためのスキャナが後付けで設置される。
【0105】
上述の実施形態及び変形例の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態や変形例ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0106】
また、上述の実施形態や変形例からは、発明の対象として、セキュリティ管理システムに限らず、そのセキュリティ管理システムを構成する装置、当該セキュリティ管理システムで実行される制御処理やプログラムなどが個々に抽出されてもよいし、それらの一部が部分的に抽出されてもよい。また、セキュリティ管理システムが適用されたエレベータ1を含む全体構成の一部又は全部が、発明の対象として抽出されてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 エレベータ
2 監視センタ
3 セキュリティ装置
4 携帯端末装置
G 乗りかご
10 エレベータ制御装置
11 非常呼びボタン
12 表示部
20 監視制御装置
21 記憶部
22 制御部
30A インターホン
30B カメラ
31 記憶部
32 制御部
Dp 保守員管理データ
Dq セキュリティ管理データ
Pe エレベータ情報
Pf 顔情報
Ph 連絡先
Pi 識別情報
Pj パスワード
Pk 認証情報
Pr 受信情報
tp 到着予想日時
ts 所定値
tx 現在日時
【要約】
【課題】管理人が不在であっても建物内へ保守員が入ることを可能にしつつも、その建物のセキュリティを担保できるようにする。
【解決手段】セキュリティ装置は、監視制御装置から保守員の顔情報を受信した場合、パスワードを生成し、そのパスワードと当該顔情報とを互いに対応付けてセキュリティ管理データに保存する。監視制御装置は、セキュリティ装置からパスワードが返信されてきた場合、その保守員に当該パスワードを通知する。その後、セキュリティ装置は、建物の入口でパスワードが入力された場合、そのパスワードがセキュリティ管理データ内のパスワードの何れかに一致するか否かを判断する。そして、セキュリティ装置は、「一致する」と判断した場合には、更に、入力者の顔情報がセキュリティ管理データ内の顔情報に合致するか否かを判断し、「合致する」と判断した場合に、建物内へ当該入力者が入ることを許可する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14