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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】エアロゾルを形成するための物品
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/20 20200101AFI20240625BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20240625BHJP
【FI】
A24F40/20
A24B15/16
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021500879
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2019069409
(87)【国際公開番号】W WO2020020747
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】18185901.8
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ポインドロン シリル
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/068094(WO,A1)
【文献】特表2013-523094(JP,A)
【文献】特開2014-76065(JP,A)
【文献】国際公開第2008/029381(WO,A2)
【文献】国際公開第2017/045899(WO,A1)
【文献】特表2015-513922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/16
A24D 1/20
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルを形成するための物品であって、使用時に、エアロゾルを発生するための装置の加熱チャンバーの中へと挿入可能であって、エアロゾル形成基体および体積制限手段を備え、前記体積制限手段が、前記物品の体積を制限するためにエアロゾルを発生するための装置によって活性化される、または活性化可能であり、前記物品が、前記体積制限手段の活性化の前に第一の体積を有し、かつ前記体積制限手段の活性化が前記物品を第二の体積へと制限し、前記第二の体積が、前記第一の体積より小さ前記体積制限手段が、前記エアロゾルを発生するための装置からの電磁放射を用いた照射により加熱によって活性化される、または活性化可能であり、前記体積制限手段が、前記物品のカバー層を含む、物品。
【請求項2】
前記物品が、弾性材料から少なくとも部分的に形成される、請求項に記載の物品。
【請求項3】
前記弾性材料がマトリクス材料である、請求項に記載の物品。
【請求項4】
前記マトリクス材料が発泡体である、請求項に記載の物品。
【請求項5】
エアロゾルを形成するための物品を使用する方法であって、前記方法が、エアロゾル形成基体および前記物品のカバー層を含む体積制限手段を含む物品を提供することであって、前記物品が、前記体積制限手段の活性化の前に第一の体積を有する、前記提供することと、エアロゾルを発生するための装置の加熱チャンバーの中へと前記物品を挿入することと、前記エアロゾルを発生するための装置を使用して前記体積制限手段を活性化し、これによって前記物品の体積を第二の体積へと制限することであって、前記第二の体積が、前記第一の体積より小さいことと、を含前記体積制限手段を活性化することが、電磁放射を用いて前記体積制限手段を照射することより当該体積制限手段を加熱することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、エアロゾルを形成するための物品およびこうした物品の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルを発生するための数多くの装置が、当該技術分野で提案されている。例えば、エアロゾル形成基体を燃焼させるのではなく加熱する、エアロゾルを発生させるための装置が提案されてきた。たばこを燃焼させるのではなく加熱する加熱式喫煙装置は、こうした装置のうちの一つのタイプである。こうした喫煙装置の一つの目的は、従来の紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解性分解によって生成されるタイプの望ましくない、かつ有害な煙成分の発生を低減することである。これらの加熱式喫煙装置は、一般に「加熱するが燃焼しない」装置として知られている。
【0003】
上述のタイプの加熱式喫煙装置は、一般に、使用の前にその中へとエアロゾルを形成するための物品1’(図1に図示)が挿入される、加熱表面が提供される(例えば、加熱表面によって画定される)加熱チャンバーを備える。エアロゾルを形成するための物品1’は、典型的には、エアロゾルを発生する装置のヒーターによって加熱されるエアロゾル形成基体2’を含有する。物品1’内に含有されるエアロゾル形成基体2’が使い果たされた時、物品1’を交換することができる。これによって、加熱式喫煙装置は再使用可能な装置を構造化し、一方で物品1’は「消耗品」製品を含む。エアロゾルを形成するための物品1’は、通常、従来の紙巻たばこを模倣するように形状決めおよびかつサイズ決めされる。その結果、物品1’、および物品1’がその中へと挿入される、または挿入可能な加熱式喫煙装置の加熱チャンバーは、典型的には概して円筒形状を有する(こうした物品1’の形状は図1に図示されている)。典型的には、物品1’の直径は、5~10mm、例えば、約7.2mmである。
【0004】
上述のタイプのエアロゾルを形成するための物品1’は、典型的には、エアロゾル形成基体2’がその中に保持されるラッパーまたは担体層を有する。フィルター材料は、物品1’の端のうちの一方または両方に提供されてもよく、エアロゾル形成基体2’を物品1’内に保持するためのプラグとして、かつまた使用時に加熱式喫煙装置によって発生したエアロゾルを濾過するためにも機能する。追加的に、エアロゾル冷却要素(例えば、ポリ乳酸のシートの集合体から形成されてもよい)が、物品1’内に、エアロゾル形成基体2’と物品1’の一方の端にあるフィルターとの間に位置してもよい。支持要素(例えば、中空のアセテート管から形成される)が、エアロゾル形成基体2’とエアロゾル冷却要素との間に追加的に位置付けられてもよい。
【0005】
使用時に、ユーザーは、加熱式喫煙装置の加熱チャンバーの加熱表面の間に物品1’を挿入する。次いで、ユーザーは、物品1’の自由端(上記の自由端は、典型的には、フィルター材料を含む)を通して空気を引き出す。加熱式喫煙装置内のヒーターを起動して、エアロゾルを形成するための物品1’に熱エネルギーを伝達し、それによって、エアロゾル形成基体2’から揮発性化合物を放出する。空気は、装置の少なくとも一部を通り、次いで物品1’の長さの少なくとも一部に沿って流れ、エアロゾル形成基体2’を通過し、そこから、放出された揮発性化合物を空気と一緒に引き出される。次いで、気流と揮発性化合物との混合物は、冷却セグメントを通過し、ここで揮発性化合物が冷却されてエアロゾルへと凝縮される。次いで、このエアロゾルは、ユーザーの肺の中へと引き込まれる前に、フィルター材料を通過する。ラッパーまたは担体層は、このプロセスの間にバッフルとして作用し、空気の流れを方向付けて、空気の流れが物品1’を通り、物品1’に沿ってユーザーへと流れるようにする。
【0006】
使用後、エアロゾルを形成するための物品1’は、加熱式喫煙装置の加熱チャンバーから取り出されることが好ましい。しかし、理解されるであろうように、エアロゾルを形成するための物品1’は、典型的にはその加熱によって改変される。例えば、物品1’は、加熱チャンバー内で加熱する前、第一の体積および/または形状V1図2に図示)を有してもよく、また物品1”は、加熱チャンバー内でのその加熱の後、第二の体積および/または形状V2(例えば、図3に図示)を有してもよい。特に、物品1’は、加熱チャンバー内で加熱する前、第一の直径d1を有してもよく、また加熱チャンバー内での加熱の後(および/または加熱中)、第二のより大きい直径d2を有してもよい。物品1’への熱の適用は、物品1’を第一の体積V1から相対的に増加した第二の体積V2へと膨張させる場合がある。追加的に、または代替的に、物品1’の加熱は、化学反応を引き起こすか、または化学反応をもたらす場合がある。従って、物品1”は、加熱チャンバーの一つ以上の内面と少なくとも部分的に干渉している状態になっている場合がある。例えば、その中で加熱した後、物品1”は、加熱チャンバーの一つ以上の内面に対して、当初の挿入の際に、そしてエアロゾルを形成するための物品1’の加熱の前に加えられる力よりも相対的に大きい力で、押す場合がある。化学的変化が物品1”内に引き起こされる場合、物品は加熱チャンバーの内面に少なくとも部分的に接着する場合がある。
【0007】
加熱によって引き起こされるエアロゾルを形成するための物品に対するこれらの変化は、一般的に、結果として、使用後のこうした物品1”の加熱チャンバーからの取り外しの困難を増加させる。極端な場合、装置の加熱チャンバーからの物品1”の取り外しは可能ではない、または過度に困難なことが明らかになる場合があり、その場合、加熱式喫煙装置は廃棄される場合があり、交換装置の必要性をもたらす(材料コストおよび環境への悪影響が付随する)。それほど極端ではない場合には、物品1”は、それでもなお装置の加熱チャンバーから取り外される場合があるが、この取り外しには時間がかかり、かつ/または扱いにくいプロセスであることが明らかになる場合があり、従って、装置のユーザーの楽しみが相対的に減退する場合がある。さらに、物品1”の一つ以上の部分は、そこからの実質的な取り外しの後でさえも、装置の加熱チャンバー内に保持される場合があり、これによって、加熱チャンバーの中へと挿入されるエアロゾルを形成するための加熱交換物品1’の効率が低減する場合がある。
【0008】
エアロゾルを形成するための先行技術の物品よりも改善された、エアロゾルを形成するための物品を提供することが望ましいことになる。上記で特定された問題のうちの一つ以上を軽減する、エアロゾルを形成するための物品を提供することが望ましいことになる。その中で加熱した後、エアロゾルを発生するための装置の加熱チャンバーからより容易に、かつ/またはより迅速に取り外すことができる、エアロゾルを形成するための物品を提供することが望ましいことになる。また、上記で特定された利点のうちの一つ以上を有するエアロゾルを形成するための物品の改善された使用方法を提供することも望ましいことになる。
【発明の概要】
【0009】
その結果、本発明の態様は、エアロゾルを形成するための物品を提供し、物品は、使用時にエアロゾルを発生するための装置の加熱チャンバーの中へと挿入可能であり、物品は、エアロゾル形成基体および体積制限手段を備え、体積制限手段は、物品の体積を制限するために、エアロゾルを発生するための装置によって活性化される、または活性化可能になる。
【0010】
有利なことに、本発明によるエアロゾルを形成するための物品の体積制限手段は、エアロゾルを発生するための装置の加熱チャンバーからの、その中で使用した後の、こうした物品の取り外し可能性を改善する。こうした物品の膨張を制限することによって、使用中に、その中での使用後に加熱チャンバーから物品を取り外すために必要とされる力は、相対的に低減され、従って、そこからの取り外しは比較的より簡単である。追加的に、物品の膨張を制限することによって、使用中に、本発明による物品は、有益なことに、加熱チャンバーの内壁に少なくとも部分的に付着する傾向が低くなる。従って、本発明による物品は、先行技術のエアロゾルを形成するための物品よりもユーザーにとって使いやすい。さらに、本発明による加熱物品の効率は、物品が加熱チャンバーから取り外される間に壊れる可能性が減少することに起因して、相対的に増加する。従って、その後に挿入された新しい交換物品を加熱チャンバー内で加熱することは、そうでなければ装置の使用と次回使用との間に加熱チャンバー内に留まる可能性がある使用済み物品の破損した部分によって影響を受ける可能性が低い。
【0011】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という語句は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に応じて放出することができる基体を記述するために使用される。本明細書に記載のエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、ヒトの目には見える場合もあり、または見えない場合もある。エアロゾル形成基体は、固体基体、流体基体、または固体基体および流体基体の混合物を含んでもよい。エアロゾル形成基体が流体である場合、エアロゾル形成基体は有利なことに、少なくともエアロゾル形成基体が加熱チャンバー内に受けられる前は、マトリクス内に、および/またはカバー層によって保持されている。
【0012】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル」という用語は、流体媒体中の比較的小さい粒子の懸濁物を記述するために使用される。
【0013】
本明細書で使用される場合、「体積制限手段」という語句は、物品の体積がこの手段によって(体積制限手段が存在しない場合の)その潜在的な体積に対して制限される手段を記述するために使用される。例えば、物品の体積は、(例えば、その加熱に伴い)膨張または膨張可能であってもよく、そして体積制限手段は、こうした膨張を制限するように配設および/または構成されてもよい。
【0014】
本明細書で使用される場合、「活性化または活性化可能」という語句は、体積制限手段が第一の状態から第二の状態へと変更されるか、または変更可能であることを意味するために使用され、例えば、第二の状態では、体積制限手段は、物品の体積を制限する強化された能力を含む。
【0015】
一部の実施形態では、体積制限手段は、例えば、エアロゾルを発生するための装置から、および/またはエアロゾルを発生するための装置によって発生された、電磁放射を用いた照射によって活性化されてもよく、または活性化可能であってもよい。電磁放射は、赤外線放射、例えば、加熱を含んでもよい。実施形態では、体積制限手段は、例えば、エアロゾルを発生するための装置からこれらへの電気エネルギーの印加によって活性化されてもよく、または活性化可能であってもよい。実施形態では、体積制限手段は、エアロゾルを発生するための装置からの一つ以上の物質と接触することによって活性化されてもよく、または活性化可能であってもよく、例えば、体積制限手段における、または体積制限手段の化学反応を引き起こして、これによって物品の体積を制限するように構成または選択される。
【0016】
体積制限手段が加熱を用いた照射によって活性化される、または活性化可能である場合、活性化は、閾値温度にて、かつ/または閾値量の熱エネルギーが物品および/もしくは体積制限手段に供給される、または物品および/もしくは体積制限手段によって受容された時に、生じる場合がある。閾値温度は、物品の通常の加熱温度に対応してもよく、またはこれと等しくてもよい。別の方法として、閾値温度は、例えば、物品の通常の加熱温度(例えば、エアロゾル形成基体を発生するために(例えば、エアロゾルを発生するための装置の加熱チャンバー内での通常の加熱の間)物品が加熱される温度)より高くてもよい、体積制限温度に対応してもよい。一部の実施形態では、エアロゾル形成基体は、第一の温度で揮発性化合物を放出するために(例えば、揮発性化合物の放出を開始するために)選択または構成されてもよい。体積制限手段は、第二の温度にて活性化される、または活性化可能になるように選択されてもよく、または構成されてもよい。第一の温度は、第二の温度と同一であってもよい。別の方法として、第二の温度は第一の温度よりも高くてもよい。第一の温度は、摂氏400度未満、例えば、摂氏300度未満、例えば、摂氏270度未満であってもよい。実施形態では、第一の温度は、摂氏250度、225度、200度、175度、または150度未満、例えば摂氏140度、130度、120度、110度、100度、または90度未満であってもよい。
【0017】
物品は、例えば、体積制限手段の活性化の前に第一の体積を有してもよく、また体積制限手段の活性化は、物品を第二の体積に制限してもよい。実施形態では、第二の体積は、第一の体積よりも大きくてもよく、例えば、体積制限手段の活性化は、第二の体積を超えて物品が膨張することを制限または防止してもよい。第二の体積は、第一の体積と実質的に等しくてもよい。別の方法として、第二の体積は、第一の体積未満であってもよい。体積制限手段は、体積限定手段を含んでもよい。一部の実施形態では、体積制限手段は、物品の少なくとも周辺部分を含んでもよい。実施形態では、体積制限手段は、エアロゾル形成基体によって少なくとも部分的に包囲されてもよい。実施形態では、体積制限手段は、物品内に(例えば、エアロゾル形成基体内に)少なくとも一つのくぼみまたは開口部を備えてもよい。一部の実施形態では、エアロゾル形成基体は体積制限手段を含んでもよい。体積制限手段は、熱活性化化合物または活性化可能化合物を含んでもよい。体積制限手段は、例えば、第一の形状または体積から第二の形状もしくは体積へと、または第二の形状もしくは体積に向かって、戻る、または移動するように、活性化されてもよい、または活性化可能であってもよい、一つ以上の形状記憶要素を備えてもよい。
【0018】
体積制限手段は、例えば、物品の体積を制限するが低減はしない、熱硬化性プラスチックを含んでもよい。体積制限手段は、熱収縮プラスチック、例えばポリオレフィン、フッ化エチレンプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリクロロプレン、シリコン、エラストマー、およびこれに類するものなどの熱可塑性材料を含んでもよい。
【0019】
エアロゾル形成基体はニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体は非たばこ含有エアロゾル形成材料を含んでもよい。
【0020】
エアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、固体エアロゾル形成基体は、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片、またはシートのうちの一つ以上(例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこ、および均質化したたばこのうちの一つ以上を含有する)を含んでもよい。
【0021】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、たばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよく、それらは固体エアロゾル形成基体の加熱に伴い放出される。
【0022】
エアロゾル形成基体が流体、例えば、液体または気体の形態である場合、エアロゾル形成基体は、流体エアロゾル形成基体を加熱すると放出される、たばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含有しうる。
【0023】
随意に、固体または流体エアロゾル形成基体は、担体材料(例えば、熱的に安定な担体材料)の上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体材料は、発泡体、例えば、連続気泡発泡体または独立気泡発泡体の形態を取ってもよい。固体または流体エアロゾル形成基体は、担体材料全体を通して、例えば、その体積全体を通して堆積されてもよい。追加的にまたは別の方法として、固体または流体エアロゾル形成基体は、例えば、シート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体材料の表面上に堆積されてもよい。固体または流体エアロゾル形成基体は、担体材料の表面全体の上に堆積されてもよく、または別の方法として、使用中に不均一な風味送達を提供するためのパターンで堆積されてもよい。担体材料は、体積制限手段を含んでもよい。
【0024】
一部の実施形態では、物品(例えば、エアロゾル形成基体)は、マトリクス材料、例えば、発泡体を含んでもよい。発泡体は、連続気泡または独立気泡であってもよい。発泡体は、網状連続気泡発泡体であってもよい。発泡体は、たばこから、例えば、再構成たばこ(例えば、茎など)から少なくとも部分的に形成されてもよい。物品(例えば、エアロゾル形成基体)は、少なくとも部分的に弾性材料から形成されてもよい。弾性材料は、マトリクス材料、例えば、発泡体を含んでもよい。体積制限手段は、マトリクス材料、例えば、発泡体を含んでもよい。体積制限手段は、弾性材料を含んでもよい。
【0025】
一部の実施形態では、物品は、一つ以上の金属要素(例えば、サセプタ)を含んでもよい。一つ以上の金属要素のうちの一つ、いくつか、または各々は、物品(例えば、エアロゾル形成基体)の中および/または上に位置してもよい。一つ以上の金属要素のうちの一つ、いくつか、または各々は、エアロゾル形成基体の第一の領域および/もしくは第二の領域の中ならびに/または上に位置してもよい。上記の一つ以上の金属要素は、物品の長さに沿って少なくとも部分的に延びてもよい(物品が長さを有する場合)。上記の一つ以上の金属要素は、物品の幅を横切って少なくとも部分的に横切って延びてもよい(物品が幅を有する場合)。上記の一つ以上の金属要素は、物品の厚さを通って延びてもよい(物品が厚さを有する場合)。上記の一つ以上の金属要素は、任意の適切な形状、例えば、ループ、コイル、細片、球、撚糸、粒子、不規則な形状、およびこれに類するものを有してもよい。上記の一つ以上の金属要素は、非金属材料を包囲する(例えば、上述のような)任意の適切な形状の金属シェルもしくはカバー層を備えてもよく、かつ/または中空であってもよい。
【0026】
一部の実施形態では、物品は、カバー層および/またはラッパーを含んでもよい。カバー層および/またはラッパーは、物品の外部表面の周りに延びてもよく、例えば、エアロゾル形成基体の周辺を囲んでもよい。カバー層および/またはラッパーは、食品グレードのプラスチックなどのポリマーおよび/またはフィルターペーパーなどの紙から形成されてもよい。追加的にまたは別の方法として、カバー層および/またはラッパーは、例えば、アバカ繊維およびこれに類するものなどの任意の他の適切な材料を含んでもよい。カバー層はセルロースを含んでもよい。カバー層および/またはラッパーは、例えば、再構成たばこなどのたばこを含んでもよく、かつ/またはたばこから少なくとも部分的に形成されてもよい。カバー層および/またはラッパーは、その厚さを通した複数の開口部を備えてもよく、例えば、複数の開口部は均一に配設されてもよく、または無作為に配設されてもよい。カバー層および/またはラッパーは、ネット、またはメッシュ、または織りを備えてもよい。別の方法として、カバー層および/またはラッパーは、例えば、その厚さを通した複数の開口部がない領域(例えば、主要な領域)を有する固体表面を備えてもよい。実施形態では、体積制限手段は、物品の一つのまたはそのカバー層および/またはラッパー(例えば、物品の一つのまたはそのカバー層および/またはラッパーの少なくとも一部)を含んでもよい。
【0027】
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
【0028】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を促進し、かつエアロゾル形成基体の使用温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物を記述するために使用される。適切なエアロゾル形成体は当業界で公知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
好ましいエアロゾル形成体は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび最も好ましくはグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物である。
【0030】
エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
【0031】
エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準で5%を超えるエアロゾル形成体の含有量を有することが好ましい。
【0032】
エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準でおよそ5%~およそ30%のエアロゾル形成体の含有量を有してもよい。
【0033】
好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は乾燥質量基準でおよそ20%のエアロゾル形成体の含有量を有する。
【0034】
エアロゾルを形成するための物品は、揮発性風味生成成分を含んでもよい。エアロゾル形成基体(例えば、および/または提供される場合は担体材料)は、揮発性風味生成成分を含んでもよい。揮発性風味生成成分は、エアロゾル形成基体の表面および/または担体材料(こうしたものが提供される場合)および/またはカバー層(提供される場合)および/またはその周辺成形表面内に少なくとも部分的に保持されてもよく、かつ/またはその中へと含浸されてもよく、かつ/またはその上に位置してもよい。
【0035】
本明細書で使用される場合、「揮発性風味生成成分」という用語は、風味剤を提供するために、エアロゾル形成基体(例えば、および/または提供される場合は担体材料)に追加される任意の揮発性構成要素を記述するために使用される。
【0036】
適切な風味剤としては、天然または合成のメントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、およびショウガなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ジュニパー、アネトール、リナロール、およびこれに類するものを含有する材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書で使用される場合、「メントール」という用語は、その異性体の形態のいずれかにおける化合物2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノールを記述するために使用される。
【0038】
メントールは固体または液体の形態において使用されてもよい。固体の形態において、メントールは粒子または顆粒として提供されてもよい。「固体メントール粒子」という用語は、重量の少なくともおよそ80%のメントールを含む任意の顆粒状または粒子状の固体材料を記述するために使用されうる。
【0039】
1.5mg以上の揮発性風味生成成分がエアロゾル形成基体内に含まれることが好ましい。
【0040】
揮発性風味生成成分(提供される場合)は、液体または固体の形態であってもよい。揮発性風味生成成分は、支持要素に連結されてもよく、または別の方法で関連付けられてもよい。支持要素は、揮発性風味生成成分を位置する、保つ、または保持するための任意の適切な基体または支持体を含んでもよい。例えば、支持要素としては、繊維質の支持要素を挙げることができ、繊維質の支持要素は、流体、例えば、液体で飽和される、または飽和可能でありうる。
【0041】
実施形態では、揮発性風味生成成分は、構造材料が風味剤(複数可)を放出可能に封入する任意の適切な構造を有してもよい。例えば、一部の好ましい実施形態では、揮発性風味生成成分は、複数のドメインを画定するマトリクス構造を含み、風味剤は、例えば、エアロゾル形成基体が外力に供されたときに放出されるまでドメイン内に捕捉される。別の方法として、揮発性風味生成成分は、カプセルを備えてもよい。カプセルは外側シェルおよび風味剤を収容する内側コアを備えることが好ましい。外側シェルは外力が印加される前にはシールされているが、外力が印加された時、風味剤を放出させることができるように脆いまたは壊れやすいことが好ましい。カプセルは、単一部品カプセル、複数部品カプセル、単一壁から成るカプセル、複数壁から成るカプセル、大型カプセル、および小型カプセルを含むが、これらに限定されない、様々な物理的な構成で形成されてもよい。
【0042】
揮発性風味生成成分が、風味剤を封入する複数のドメインを定義するマトリクス構造を含む場合、風味剤送達部材は、エアロゾル形成基体が外力に供された時、風味剤を着実に放出してもよい。別の方法として、揮発性風味生成成分が、エアロゾルを形成するための物品が外力に供されたときに破壊されるか、または破裂して、風味剤を放出するように配設されたカプセルである場合(例えば、カプセルが外側シェルおよび内側コアを含む場合であるが、これに限定されない)、カプセルは任意の所望の破裂強度を有してもよい。破裂強度は、カプセルが破裂する力(エアロゾル形成基体の外側からカプセルにかけられる)である。破裂強度は、カプセルの力対圧縮曲線のピークであってもよい。
【0043】
揮発性風味生成成分は、活性化機構に応答して風味剤を放出するように構成されてもよい。こうした起動機構は、揮発性風味生成成分に対する力の印加、揮発性風味生成成分の温度変化、化学反応、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0044】
エアロゾルを形成するための物品の引き出し抵抗(RTD)は(エアロゾルを発生するための装置の加熱チャンバーの中へと挿入されたときに)、およそ80mmWG~およそ140mmWGであってもよい。本明細書で使用される場合、引き出し抵抗は、圧力「mmWG」または「水位計のmm」の単位で表され、ISO 6565:2002に従って測定される。
【0045】
一部の実施形態では、物品および/またはエアロゾル形成基体は、実質的に円筒形状を有してもよい。物品および/またはエアロゾル形成基体は、(例えば、断面における)直径および長さ(例えば、長軸方向寸法)を有してもよい。
【0046】
エアロゾルを形成するための物品および/またはエアロゾル形成基体は、少なくとも5mmの直径を有してよく、例えば、およそ5mm~およそ12mm、例えばおよそ5mm~およそ10mm、またはおよそ6mm~およそ8mmの直径を有してもよい。一実施形態では、エアロゾルを形成するための物品および/またはエアロゾル形成基体は、7.2mm+/-10%の外径を有してもよい。
【0047】
エアロゾルを形成するための物品および/またはエアロゾル形成基体は、およそ30mm~およそ100mm、例えばおよそ45mmの長さを有してもよい。実施形態では、エアロゾルを形成するための物品および/またはエアロゾル形成基体は、およそ70mm~120mmの長さを有してもよい。
【0048】
本明細書で使用される場合、「直径」という用語は、エアロゾルを形成するための物品の横断方向における最大寸法を記述するために使用される。本明細書で使用される場合、「長さ」という用語は、エアロゾルを形成するための物品の長軸方向における最大寸法を記述するために使用される。本明細書で使用される場合、「長軸方向」という用語は、エアロゾルを形成するための物品の端と端と(例えば、上流端と下流端と)の間の方向を記述するために使用され、また「横断方向」という用語は、長軸方向と直角を成す方向を記述するために使用される。本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、ユーザーがその使用中に物品を通して流体を引き出す方向に関して、エアロゾルを形成するための物品の要素、または要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0049】
一部の実施形態では、物品および/またはエアロゾル形成基体は、実質的に平坦な第一の主表面を有してもよい。物品および/またはエアロゾル形成基体は、実質的に平坦な第二の主表面を有してもよい。第一の主表面および第二の主表面は、互いに実質的に平行であってもよい。物品および/またはエアロゾル形成基体は、実質的に平行六面体の形状を有してもよい。物品および/またはエアロゾル形成基体は、例えば、幅、長さ、および厚さが互いに直角を成す方向で測定される、幅、長さ、および厚さを有してもよい。厚さは、提供される場合、第一の主表面と第二の主表面との間の距離を含んでもよい。物品および/またはエアロゾル形成基体の幅および/または長さは、少なくとも2:1、例えば、少なくとも3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1または10:1の厚さに対する比を有してもよい。物品および/またはエアロゾル形成基体の幅および/または長さは、およそ2mm~120mm、例えば、およそ3、4、5、6、7、8、9、10~11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120mmであってもよい。物品および/またはエアロゾル形成基体の厚さは、およそ0.5mm~15mm、例えばおよそ0.5または1.0mm~1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、11.0または12.0mmであってもよい。
【0050】
体積制限手段は、体積リミッターを含んでもよい。体積制限手段は、物品の長さ、幅、厚さ、および/または直径(提供される場合)を制限するように、活性化されてもよく、または活性化可能であってもよい。
【0051】
本発明の態様によれば、エアロゾルを形成するための物品の使用方法が提供され、方法は、エアロゾル形成基体および体積制限手段を含む物品を提供することと、エアロゾルを発生するための装置の加熱チャンバーの中へと物品を挿入することと、エアロゾルを発生するための装置を使用して体積制限手段を活性化し、これによって物品の体積を制限することと、を含む。
【0052】
体積制限手段を活性化することは、体積制限手段を電磁放射により照射して体積制限手段を活性化し、これによって物品の体積を制限することを含んでもよい。体積制限手段を電磁放射により照射することは、体積制限手段を赤外線放射により、例えば、加熱によって照射することを含んでもよい。追加的にまたは別の方法として、体積制限手段を電磁放射により照射することは、体積制限手段を磁界により照射することを含んでもよい。体積制限手段を活性化することは、体積制限手段に電気エネルギー(例えば、エアロゾルを発生するための装置からの電気エネルギーなど)を印加することを含んでもよい。体積制限手段を活性化することは、体積制限手段を一つ以上の物質(例えば、エアロゾルを発生するための装置からの)と接触させることを含んでもよい。
【0053】
体積制限手段を活性化することは、体積制限手段を活性化して実質的に物品の開始体積(例えば、装置の加熱チャンバーへの挿入前の物品の体積および/またはその照射前の物品の体積)を維持するか、または体積制限手段に物品の開始体積を実質的に維持させる。体積制限手段を照射することは、体積制限手段を活性化して物品の体積を低減もしくは縮小させるか、または体積制限手段に物品の体積を低減もしくは縮小させる(例えば、装置の加熱チャンバーの中への挿入前の物品の体積から低減する、および/または物品の体積をその照射前の物品の体積から低減する)。
【0054】
本明細書で使用されるすべての科学用語および工業技術用語は、別途指定のない限り、当該技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書に提供される定義は、本明細書で頻繁に使用されるある特定の用語の理解を容易にするためのものである。
【0055】
本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、「備える」および「含む」という用語、ならびにそれらの変形は、「含むが、これらに限定されない」を意味し、これらが、その他の部分、添加物、構成要素、整数、または工程を除外することを意図しない(および除外しない)ことを意味する。本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、単数形は複数形を包含し、かつ逆も可であるが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、単数だけでなく複数も企図するとして理解されるべきであるが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。
【0056】
疑義を避けるために、本明細書に記載の特徴のうちのいずれもが、本発明の任意の態様に等しく適用される。本出願の範囲内で、先行の段落、請求項および/または以下の説明ならびに図面、また特に、その個別の特徴において提示された様々な態様、実施形態、実施例、代替物は、独立してまたは任意の組み合わせで取られてもよいことが明示的に想定される。本発明の一態様または実施形態に関連して説明した特徴は、こうした特徴が不適合でない限り、すべての態様または実施形態に適用可能である。
【0057】
ここで、例証としてのみであるであるが、本発明を、以下の添付図面を参照しながらさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1図1は、先行技術のエアロゾルを形成するための物品の、物品を加熱する前の斜視図である。
図2図2は、図1に示す物品の線A-Aに沿った断面図である。
図3図3は、図1に示す物品の、物品を加熱した後の断面図である。
図4図4は、本発明の実施形態によるエアロゾルを形成するための物品の、エアロゾルを発生するための装置内の物品の使用前の斜視図である。
図5図5は、図4に示す物品の線B-Bに沿った断面図である。
図6図6は、図4に示す物品の、エアロゾルを発生するための装置内での物品の使用後の断面図である。
図7図7は、本発明のさらなる実施形態によるエアロゾルを形成するための物品の、エアロゾルを発生するための装置内での物品の使用前の断面図である。
図8図8は、図8に示す物品の、エアロゾルを発生するための装置内での物品の使用後の断面図である。
図9図9は、本発明のさらなる実施形態によるエアロゾルを形成するための物品の、エアロゾルを発生するための装置内での物品の使用後の断面図である。
図10図10は、本発明のさらなる実施形態によるエアロゾルを形成するための物品の、エアロゾルを発生するための装置内での物品の使用前の断面図である。
図11図11は、図10に示す物品の、エアロゾルを発生するための装置内の物品の使用後の断面図である。
図12図12は、本発明のさらなる実施形態によるエアロゾルを形成するための物品の、エアロゾルを発生するための装置内での物品の使用前の断面図である。
図13図13は、図12に示す物品の、エアロゾルを発生するための装置内での物品の使用後の断面図である。
図14図14は、本発明のさらなる実施形態によるエアロゾルを形成するための物品の、エアロゾルを発生するための装置内での物品の使用前の断面図である。
図15図15は、図14に示す物品の、エアロゾルを発生するための装置内での物品の使用後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
ここで図4および図5を参照すると、本発明の実施形態によるエアロゾルを形成するための物品1が示されている。物品1は、この実施形態では、エアロゾル形成基体2と、体積制限手段3を含む発泡体担体材料とを含む。エアロゾル形成基体2は、この実施形態では、体積制限手段3の発泡体担体材料全体を通して堆積される粉末を含む。エアロゾル形成基体2は、この実施形態では、再構成たばこを含む。
【0060】
使用時に、物品1は、エアロゾルを発生するための装置(図示せず)の加熱チャンバー(図示せず)の中へと挿入される。物品1は、この時点では、図5に示すように、第一の体積V1を有する。特に、物品1は、第一の幅w1および厚さt1を有する。次いで物品1は、エアロゾル形成基体2からエアロゾルを発生するために温度T1へと加熱される。物品1の加熱は、体積制限手段3に赤外線放射を照射し、これによって体積制限手段3を温度T1にて活性化する。図6に示すように、体積制限手段3の活性化は、体積制限手段に、第一の体積V1から第二の体積V2へと、物品1の体積の減少を生じさせる。第二の体積V2において、物品1は、第二の幅w1(第一の幅w1未満である)および第二の厚さt2(第一の厚さt1未満である)を有する。
【0061】
従って、有利なことに、物品1は、エアロゾルを発生するための装置の加熱チャンバーから、その中で加熱した後に、より簡単に取り出されうる。
【0062】
ここで図7および図8を参照すると、本発明のさらなる実施形態によるエアロゾルを形成するための物品11が示されており、ここで、図4に示された物品1について記述されるものと同様の特徴は、「1」を最初の桁に加えた同様の参照番号で表され、本明細書でさらには記述されない。物品11は、体積制限手段13を含むカバー層4を備えるという点で、図4に示すものとは異なっている。エアロゾル形成基体12は、この実施形態では、たばこの網状連続気泡発泡体を含む。エアロゾル形成基体12の周辺は、カバー層4によって囲まれている。
【0063】
使用時に、物品11は、エアロゾルを発生するための装置(図示せず)の加熱チャンバー(図示せず)の中へと挿入される。物品11は、この時点では、図7に示すように、第一の体積V1を有する。次いで物品11は、エアロゾル形成基体12からエアロゾルを発生するために加熱される。物品11の加熱は、カバー層4内の体積制限手段13に赤外線放射を照射し、これによって体積制限手段13を活性化する。体積制限手段13の活性化は、体積制限手段13に、第一の体積V1から第二の体積V2へと、物品11の体積の膨張の制限を生じさせる(図8に図示)。図8の破線によって示されるように、体積制限手段13がない(他のすべての特徴は同一)エアロゾルを形成するための物品は、第三の体積V3へと膨張することになる。その結果、体積制限手段13は、その加熱に伴う物品11の膨張を制限する。
【0064】
ここで図9を参照すると、本発明の代替的な実施形態によるエアロゾルを形成するための物品111が示されており、ここで、図7および図8に示された物品11について記述されるものと同様の特徴は、「1」を最初の桁に加えた同様の参照番号で表され、本明細書でさらには記述されない。図9に示される物品111は、使用後(例えば、赤外線放射による照射の後)の条件または状態にある。図9に示す物品111は、体積制限手段113が、活性化に伴い、その開始体積から(または体積制限手段113の活性化前の物品111の体積から)物品111の体積を減少させるように構成されているという点で、図7および図8に示すものとは異なる。
【0065】
ここで図10および図11を参照すると、本発明のさらなる実施形態によるエアロゾルを形成するための物品21が示されており、ここで、図4に示された物品1について記述されるものと同様の特徴は、「2」を最初の桁に加えた同様の参照番号で表され、本明細書でさらには記述されない。物品21は、担体材料が、体積制限手段23を備える内部くぼみ5を備えるという点で、図4に示すものとは異なっている。赤外線放射による物品の照射は、担体材料および/またはエアロゾル形成基体22を膨張させる。しかしながら、担体材料および/またはエアロゾル形成基体22の膨張の少なくとも一部分は、内部くぼみ5の中へと膨張する。その結果、内部くぼみ5は、量を相対的に減少させるように作用し、これによって赤外線放射で照射されたときに、物品21の体積が増加する。
【0066】
ここで図12および図13を参照すると、本発明のさらなる実施形態によるエアロゾルを形成するための物品31が示されており、ここで、図4に示された物品1について記述されるものと同様の特徴は、「3」を最初の桁に加えた同様の参照番号で表され、本明細書でさらには記述されない。物品31は、物品が第一の部分31aおよび第二の部分31bを備え、第一の部分31aがエアロゾル形成基体32および担体材料を含み、また第二の部分31bが体積制限手段33を含む体積制限要素6を含むという点で、図4に示すものとは異なっている。この実施形態では、第二の部分31bには、エアロゾル形成基体32が存在しない。しかしながら、実施形態では、第二の部分はエアロゾル形成基体32を含んでもよい。体積制限要素6は、その体積を低減または維持し、これによって第二の部分31bの、よって物品31のその加熱に伴う全体的な膨張を制限するために、赤外線放射を用いた照射によって活性化または活性化可能である。
【0067】
ここで図14および図15を参照すると、本発明のさらなる実施形態によるエアロゾルを形成するための物品41が示されており、ここで、図4に示された物品1について記述されるものと同様の特徴は、「4」を最初の桁に加えた同様の参照番号で表され、本明細書でさらには記述されない。物品41は、体積制限手段43が、その周りにエアロゾル形成基体42および担体材料が配設されている要素7を備えるという点で、図4に示すものとは異なる。要素7は、使用時に赤外線放射へと曝露されたときに体積を減少させるように構成されている。一部の実施形態では、要素7は、サセプタまたは金属要素を含んでもよい。サセプタまたは金属要素は、使用時に磁界に曝露されたときに加熱するように、動作可能であってもよい。サセプタまたは金属要素の加熱は、要素7(例えば、サセプタまたは金属要素)の体積の低減を生じさせる場合がある。例えば、サセプタまたは金属要素は、形状記憶材料を含んでもよい。これによって、物品41の体積は、体積制限手段43のこうした活性化によって制限される。要素は、エアロゾル形成基体42および担体材料によって包囲されているように示されているが、そうでなければならない必要はなく、また実施形態では、要素7は物品の側面および/もしくは縁に、または物品の側面および/もしくは縁と隣接して位置していてもよい。
【0068】
物品1、11、21、31、41、111の各々は、単一のタイプの体積制限手段3、13、23、33、43、113を備えるように記述されているが、そうでなければならない必要はなく、またその代わりに、物品1、11、21、31、41、111のうちのいずれかは、追加的にまたは別の方法として、その他の体積制限手段3、13、23、33、43、113(適切な場合)のうちのいずれかを備えてもよい。
【0069】
物品1、11、21、31、41、111は、たばこを含むエアロゾル形成基体2、12、22、32、42、112を含むように記述されているが、そうでなければならない必要はなく、また追加的にまたは別の方法として、エアロゾル形成基体2、12、22、32、42、112は任意の適切な材料を含んでもよい。追加的にまたは別の方法として、物品1、21、31、41のエアロゾル形成基体2、22、32、42は粉末を含むように記述されているが、そうでなければならない必要はなく、またその代わりに、エアロゾル形成基体2、22、32、42は、(本明細書に記述されるような)任意の適切な形態、流体および/または固体を含んでもよい。追加的にまたは別の方法として、物品11、111は、網状連続気泡発泡体を含むエアロゾル形成基体12、112を含むものとして記述されているが、そうでなければならない必要はなく、またその代わりに、エアロゾル形成基体12、112は異なるタイプの発泡体を含んでもよく、かつ/または本明細書に記述されるような任意の他の適切な形態、流体および/もしくは固体を含んでもよい。追加的にまたは別の方法として、物品11、111のエアロゾル形成基体12、112は、(例えば、本明細書に記述されるような)担体材料内に少なくとも部分的に含まれてもよく、または保持されてもよい。物品1、21、31、41は、エアロゾル形成基体2がその全体を通して堆積される担体材料を含むものとして記述されているが、そうでなければならない必要はなく、またその代わりに、エアロゾル形成基体2、22、32、42は、担体材料の任意の適切な位置に(例えば、本明細書に記述されるように、その表面に)位置してもよい。追加的にまたは別の方法として、物品1、21、31、41の担体材料は、(本明細書に記載されるような)任意の適切な構造を備えてもよい。
【0070】
物品1、11、21、31、41、111の体積制限手段3、13、23、33、43、113は、エアロゾル形成基体2、12、22、32、42、112の加熱中に活性化されて温度T1にて揮発性化合物を放出すると記述されているが、そうでなければならない必要はなく、またその代わりに、体積制限手段3、13、23、33、43、113は、エアロゾル形成基体2、12、22、32、42、112から揮発性化合物を放出するために必要とされるものより高い温度で活性化されてもよい。例えば、体積制限手段3、13、23、33、43、113は、エアロゾル形成基体2、12、22、32、42、112から揮発性化合物を放出するために必要な温度T1より高くてもよい温度T2に加熱されてもよい。温度T2は、物品1、11、21、31、41、111への温度T1の適用の前に、またはその後に、物品1、11、21、31、41、111に適用されてもよい。温度T2は、所定の期間後、またはエアロゾルを発生するための装置の所定の数のサイクル後に生じるように構成される場合がある「温度超過」を含む場合がある。所定の期間が使用される場合、これは、例えば、物品1、11、21、31、41、111を、エアロゾルを発生するための装置の加熱チャンバーの中へと挿入した後の時間間隔、および/または物品1、11、21、31、41、111の最初のもしくは任意の後続の加熱を開始した後の時間間隔を含んでもよい。
【0071】
概略図は必ずしも実寸に比例しておらず、また図示の目的で提示されるものであり、限定するものではない。図面は本開示で説明される一つ以上の態様を描写する。しかしながら、当然のことながら、図面に描写されていないその他の態様も本開示の範囲に収まる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15