(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/639 20060101AFI20240625BHJP
H01R 13/629 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
H01R13/629
(21)【出願番号】P 2023509451
(86)(22)【出願日】2021-08-13
(86)【国際出願番号】 KR2021010823
(87)【国際公開番号】W WO2022050593
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0111915
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン、サン オク
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-099788(JP,U)
【文献】実開昭53-128888(JP,U)
【文献】特開2008-112678(JP,A)
【文献】特開平09-204961(JP,A)
【文献】特開2013-098055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
H01R 13/629
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に締結され、一面に開口部が備えられるターミナル本体、及び前記開口部に備えられて前記基板と電気的に接続されるターミナルを含む第1コネクタと、
電線が締結され、前記ターミナル本体の開口部に挿入される端子本体、及び前記端子本体の内部に備えられて前記ターミナルと接触する端子を含む第2コネクタと、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離されないように結合するか又は分離可能に結合解除するラチェット部とを含み、
前記ラチェット部は、
前記端子本体の外面に備えられ、前記端子本体が前記ターミナル本体内に挿入される際に前記ターミナル本体の方向を向く鋸歯が備えられる鋸歯ギヤと、
前記ターミナル本体に備えられ、前記鋸歯ギヤに噛合され、かつ、固定時に前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離されないように結合し、回転時に前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離可能に結合解除するラチェットギヤと、
前記ラチェットギヤを回転しないように固定するか又は回転可能に固定解除するストッパとを含
み、
前記ストッパは、先端が前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝に挿入される、コネクタ装置。
【請求項2】
前記ラチェットギヤは、
前記第2コネクタが前記第1コネクタに結合される方向を向く面である垂直面と、
前記第2コネクタが前記第1コネクタから分離される方向を向く面である傾斜面と、が形成される複数のギヤ歯を有する、
請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記ストッパは、
前記先端が
前記垂直面を係止することにより、前記ラチェットギヤを前記第2コネクタと前記第1コネクタとが結合される方向と反対方向に回転させず、
前記先端を前記傾斜面に沿ってガイドすることにより、前記ラチェットギヤを前記第2コネクタと前記第1コネクタとが結合される方向にのみ回転させる、請求項
2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記ラチェット部は、前記ストッパが前記ラチェットギヤの
前記ギヤ歯間の溝に挿入された状態を維持するように付勢力を与えるスプリングをさらに含む、請求項
2又は3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合されると、前記鋸歯ギヤにより、前記ラチェットギヤは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合される方向に回転し、かつ、
前記ストッパの前記先端を前記傾斜面に沿ってガイドすることにより、前記ラチェットギヤは、前記ストッパの
前記先端を前記ラチェットギヤの
前記ギヤ歯間の溝から外側に押し出しながら回転して前記ストッパに邪魔されることなく回転し、
前記ストッパは、前記スプリングの付勢力により前記ラチェットギヤの方向に引っ張られることによって前記ラチェットギヤの
前記ギヤ歯間の溝から溝に連続して移動する、請求項
4に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記鋸歯ギヤは、前記端子本体に着脱可能に設けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
基板に締結され、一面に開口部が備えられるターミナル本体、及び前記開口部に備えられて前記基板と電気的に接続されるターミナルを含む第1コネクタと、
電線が締結され、前記ターミナル本体の開口部に挿入される端子本体、及び前記端子本体の内部に備えられて前記ターミナルと接触する端子を含む第2コネクタと、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離されないように結合するか又は分離可能に結合解除するラチェット部とを含み、
前記ラチェット部は、
前記端子本体の外面に備えられ、前記端子本体が前記ターミナル本体内に挿入される際に前記ターミナル本体の方向を向く鋸歯が備えられる鋸歯ギヤと、
前記ターミナル本体に備えられ、前記鋸歯ギヤに噛合され、かつ、固定時に前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離されないように結合し、回転時に前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離可能に結合解除するラチェットギヤと、
前記ラチェットギヤを回転しないように固定するか又は回転可能に固定解除するストッパとを含み、
前記鋸歯ギヤは、前記端子本体に着脱可能に設けられる、コネクタ装置。
【請求項8】
前記ラチェット部は、前記ストッパが前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝に挿入された状態を維持するように付勢力を与えるスプリングをさらに含む、請求項1又は7に記載のコネクタ装置。
【請求項9】
前記ストッパが前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝に挿入された状態で前記第1コネクタと前記第2コネクタとが分離されると、前記鋸歯ギヤにより、前記ラチェットギヤは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが分離される方向に回転し、かつ、前記ラチェットギヤは、前記ストッパの先端を前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝において内側に加圧することによって前記ストッパの先端が前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝から離脱できなくなって回転できず、前記ラチェットギヤにより前記鋸歯ギヤが移動できないことによって前記第1コネクタと前記第2コネクタとが分離されない、請求項
1から8のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項10】
前記ストッパが前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝から離脱した状態で前記第1コネクタと前記第2コネクタとが分離されると、前記ラチェットギヤは、前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝からストッパが離脱していて連続して回転し、前記ラチェットギヤの回転により前記鋸歯ギヤが移動することによって前記第1コネクタと前記第2コネクタとが分離される、請求項
1から9のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項11】
前記ラチェット部は、前記ラチェットギヤ、ストッパ及びスプリングが設けられ、前記ターミナル本体に着脱可能に結合されるラチェット本体をさらに含む、請求項
1から10のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項12】
前記ターミナル本体の内部には、ガイド溝が形成され、前記端子本体には、前記ガイド溝に沿ってガイドされるガイド突起が形成される、請求項
1から11のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項13】
前記ガイド溝が形成された前記ターミナル本体の一面には、前記ガイド溝と連結される係止溝が形成され、
前記ガイド突起には、前記係止溝に係止されて支持される係止突起が形成される、請求項
12に記載のコネクタ装置。
【請求項14】
前記第1コネクタは、前記ターミナル本体に備えられたラチェットギヤ及びストッパを保護する保護カバーをさらに含む、請求項
1から13のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項15】
前記保護カバーは、一端がターミナル本体に回転可能に結合される、請求項
14に記載のコネクタ装置。
【請求項16】
前記ストッパは、前記ターミナル本体の外周面に前記ラチェットギヤを向く方向に摺動可能に設けられるガイド片と、前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝に挿入されることにより前記ラチェットギヤを回転しないように固定する固定片とを含む、請求項
1から15のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年9月2日付けの韓国特許出願第10-2020-0111915号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容が本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本発明は、ターミナルが備えられた第1コネクタと端子が備えられた第2コネクタとの結合性を高めたコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、コネクタ装置は、自動車や家電機器などの電気を用いる装置と電線とを通電するように接続するか又は分離するものであって、装置の基板に備えられる第1コネクタと、電線が接続されて前記第1コネクタに結合される第2コネクタとを含む。
【0004】
このような構成を有するコネクタ装置は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを結合すると、前記電線を介して前記装置の基板に電源が供給され、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離すると、前記電線を介して前記装置の基板に供給されていた電源が遮断される。
【0005】
しかし、従来のコネクタ装置は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを係止溝と係止部とにより結合したが、この場合、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの分離が容易でないという問題があった。また、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを係止溝と係止部とによらずに単純結合すると、あまりにも容易に分離されるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ラチェットギヤを適用することにより、第1コネクタと第2コネクタとを容易に分離されないように結合するか又は容易に分離可能に結合解除することのできるコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明のコネクタ装置は、基板に締結され、一面に開口部が備えられるターミナル本体、及び前記開口部に備えられて前記基板と電気的に接続されるターミナルを含む第1コネクタと、電線が締結され、前記ターミナル本体の開口部に挿入される端子本体、及び前記端子本体の内部に備えられて前記ターミナルと接触する端子を含む第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離されないように結合するか又は分離可能に結合解除するラチェット部とを含み、前記ラチェット部は、前記端子本体の外面に備えられ、前記端子本体が前記ターミナル本体内に挿入される際に前記ターミナル本体を向く方向に鋸歯が備えられる鋸歯ギヤと、前記ターミナル本体に備えられ、前記鋸歯ギヤに噛合され、かつ、固定時に前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離されないように結合し、回転時に前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離可能に結合解除するラチェットギヤと、前記ラチェットギヤを回転しないように固定するか又は回転可能に固定解除するストッパとを含むようにしてもよい。
【0008】
前記ストッパは、先端が前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝に挿入されることにより、前記ラチェットギヤを前記第2コネクタと前記第1コネクタとが結合される方向にのみ回転させるようにしてもよい。
【0009】
前記ラチェット部は、前記ストッパが前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝に挿入された状態を維持するように付勢力を与えるスプリングをさらに含むようにしてもよい。
【0010】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合されると、前記鋸歯ギヤにより、前記ラチェットギヤは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合される方向に回転し、かつ、前記ラチェットギヤは、前記ストッパの先端を前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝から外側に押し出しながら回転して前記ストッパに邪魔されることなく回転し、前記ストッパは、前記スプリングの付勢力により前記ラチェットギヤの方向に引っ張られることによって前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝から溝に連続して移動するようにしてもよい。
【0011】
前記ストッパが前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝に挿入された状態で前記第1コネクタと前記第2コネクタとが分離されると、前記鋸歯ギヤにより、前記ラチェットギヤは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが分離される方向に回転し、かつ、前記ラチェットギヤは、前記ストッパの先端を前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝において内側に加圧することによって前記ストッパの先端が前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝から離脱できなくなって回転できず、前記ラチェットギヤにより前記鋸歯ギヤが移動できないことによって前記第1コネクタと前記第2コネクタとが分離されないようにしてもよい。
【0012】
前記ストッパが前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝から離脱した状態で前記第1コネクタと前記第2コネクタとが分離されると、前記ラチェットギヤは、前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝からストッパが離脱していて連続して回転し、前記ラチェットギヤの回転により前記鋸歯ギヤが移動することによって前記第1コネクタと前記第2コネクタとが分離されるようにしてもよい。
【0013】
前記ラチェット部は、前記ラチェットギヤ、ストッパ及びスプリングが設けられ、前記ターミナル本体に着脱可能に結合されるラチェット本体をさらに含むようにしてもよい。
【0014】
前記ターミナル本体の内部には、ガイド溝が形成され、前記端子本体には、前記ガイド溝に沿ってガイドされるガイド突起が形成されるようにしてもよい。
【0015】
前記ガイド溝が形成された前記ターミナル本体の一面には、前記ガイド溝と連結される係止溝が形成され、前記ガイド突起には、前記係止溝に係止されて支持される係止突起が形成されるようにしてもよい。
【0016】
前記鋸歯ギヤは、前記端子本体に着脱可能に設けられるようにしてもよい。
【0017】
前記第1コネクタは、前記ターミナル本体に備えられたラチェットギヤ及びストッパを保護する保護カバーをさらに含むようにしてもよい。
【0018】
前記保護カバーは、一端がターミナル本体に回転可能に結合されるようにしてもよい。
【0019】
前記ストッパは、前記ターミナル本体の外周面に前記ラチェットギヤを向く方向に摺動可能に設けられるガイド片と、前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝に挿入されることにより前記ラチェットギヤを回転しないように固定する固定片とを含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のコネクタ装置は、第1コネクタ、第2コネクタ及びラチェット部を含み、前記ラチェット部は、鋸歯ギヤ、ラチェットギヤ及びストッパを含むことを特徴とする。このような特徴により、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離されないように結合するか又は容易に分離可能に結合解除することができ、その結果、安全性と使用の利便性を高めることができる。
【0021】
また、本発明のコネクタ装置において、ストッパは、先端が前記ラチェットギヤのギヤ歯間の溝に挿入されることにより、前記ラチェットギヤを前記第2コネクタと前記第1コネクタとが結合される方向にのみ回転させることを特徴とする。このような特徴により、ストッパを前記ラチェットギヤから分離しなければ第1及び第2コネクタを分離することができず、これにより、外力により第1及び第2コネクタが容易に分離される事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態によるコネクタ装置を概略的に示す側面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態によるコネクタ装置における第1及び第2コネクタの結合前の状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態によるコネクタ装置における第1及び第2コネクタの結合後の状態を示す断面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態によるコネクタ装置におけるラチェット部の結合中の状態を示す側面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態によるコネクタ装置におけるラチェット部の結合後の状態を示す側面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態によるコネクタ装置を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第3実施形態によるコネクタ装置を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第4実施形態によるコネクタ装置を示す斜視図である。
【
図9】本発明の第5実施形態によるコネクタ装置を示す側面図である。
【
図10】本発明の第6実施形態によるコネクタ装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で実現することができ、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、図面において、本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって類似の部分には類似の図面符号を付す。
【0024】
一方、本発明は、基板と電線とを接続する構造を有するコネクタ装置を1つの実施形態として説明するが、電子機器と電子機器とを接続するコネクタ装置や、電線と電線とを接続するコネクタ装置などにも同様に適用することができる。
【0025】
[本発明の第1実施形態によるコネクタ装置]
本発明の第1実施形態によるコネクタ装置は、
図1~
図5に示すように、ラチェット(ratchet)を用いた結合構造を有する。すなわち、本発明の第1実施形態によるコネクタ装置は、第1コネクタ100と、第2コネクタ200と、前記第1コネクタ100と前記第2コネクタとを結合するか又は分離可能に結合解除するラチェット部300とを含む。
【0026】
<第1コネクタ>
第1コネクタ100は、基板10に締結され、一面に開口部100aが備えられるターミナル本体110、及び前記開口部100aに備えられて前記基板10と電気的に接続されるターミナル120を含む。
【0027】
<第2コネクタ>
第2コネクタ200は、電線20が締結され、前記ターミナル本体110の開口部100aに挿入される端子本体210、及び前記端子本体210の内部に備えられて前記ターミナル120と接触する端子220を含む。
【0028】
<ラチェット部>
ラチェット部300は、第1コネクタと第2コネクタとを分離されないように結合するか又は容易に分離可能に結合解除するものであって、鋸歯ギヤ310、ラチェットギヤ320、ストッパ330及びスプリング340を含む。
【0029】
前記鋸歯ギヤ310は、前記端子本体210の外面(
図3における端子本体の外側の外面)に備えられ、複数の鋸歯を含む。
【0030】
前記鋸歯は、前記端子本体210が前記ターミナル本体110内に挿入される際に前記ターミナル本体110を向く方向(
図3における上下方向)に一定の間隔で複数備えられる。
【0031】
前記ラチェットギヤ320は、前記ターミナル本体110に自由回転可能に備えられ、前記第1コネクタ100と前記第2コネクタ200との結合時に前記鋸歯ギヤ310に噛合され、かつ、固定時に前記第1コネクタ100と前記第2コネクタ200とを分離されないように結合し、回転時に前記第1コネクタ100と前記第2コネクタ200とを分離可能に結合解除する。
【0032】
すなわち、ラチェットギヤ320が回転すると、ラチェットギヤ320に噛合された鋸歯ギヤ310が移動することにより第1コネクタ100と第2コネクタ200とを結合するか又は分離することができる。また、ラチェットギヤ320が固定されると、ラチェットギヤ320に噛合された鋸歯ギヤ310が移動しないことにより第1コネクタ100と第2コネクタ200とを結合された状態で固定することができる。
【0033】
ここで、ラチェットギヤ320は、
図4及び
図5を参照すると、外周面において複数のギヤ歯321とギヤ歯321間に溝322が形成されるが、前記鋸歯ギヤ310に噛合される前記ギヤ歯321は、第2コネクタ200が第1コネクタ100に結合される方向を向く面(
図4におけるギヤ歯の右側面)は垂直面321bとして形成され、第2コネクタ200が第1コネクタ100から分離される方向を向く面(
図4におけるギヤ歯の左側面)は傾斜面321aとして形成される。
【0034】
こうすることにより、ラチェットギヤ320は、
図4を参照すると、第2コネクタ200が第1コネクタ100に結合される方向には、ストッパが傾斜面321aに沿ってガイドされることにより回転する。また、ラチェットギヤ320は、
図5を参照すると、第2コネクタ200が第1コネクタ100から分離される方向には、ストッパが垂直面321bに係止されることにより回転しない。
【0035】
<ストッパ>
ストッパ330は、前記ラチェットギヤ320を回転しないように固定するか又は回転可能に固定解除する構造を有する。すなわち、ストッパ330は、先端が前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間の溝322に挿入されることにより、前記ラチェットギヤ320を前記第2コネクタ200と前記第1コネクタ100とが結合される方向にのみ回転させる。これにより、ストッパ330を解除しなくても、前記第2コネクタ200と前記第1コネクタ100とを結合することはできるが、前記第2コネクタ200と前記第1コネクタ100との結合を解除することはできない。
【0036】
すなわち、前記第2コネクタ200と前記第1コネクタ100とが結合されることによって鋸歯ギヤ310によりラチェットギヤ320が回転すると、前記ストッパ330は、ラチェットギヤ320のギヤ歯321に備えられた傾斜面321aに沿ってガイドされることによってラチェットギヤ320の溝から溝に連続して移動する。これにより、ラチェットギヤ320に挿入されたストッパ330の先端を解除しなくても、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを結合することができる。
【0037】
一方、前記第2コネクタ200と前記第1コネクタ100とが分離されることによって鋸歯ギヤ310によりラチェットギヤ320が回転すると、前記ストッパ330は、ラチェットギヤ320のギヤ歯321に備えられた垂直面321bに係止されることによってラチェットギヤ320の回転を遮断する。これにより、ラチェットギヤ320に挿入されたストッパ330の先端を解除しなければ、第1コネクタ100と第2コネクタ200との結合を解除することができない。
【0038】
<スプリング>
スプリング340は、前記ストッパ330が前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間の溝322に挿入された状態を維持するように付勢力を与えるものであって、一端は第1コネクタ100に締結され、他端はストッパ330の先端一側に締結される。
【0039】
一方、前記鋸歯ギヤ310は、前記端子本体210の外面のうち、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが70~80%結合される地点から完全に結合される地点まで形成され、これにより、第1コネクタ100と第2コネクタ200との結合が20~30%解除されると、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを容易に分離することができる。
【0040】
以下、本発明の第1実施形態によるコネクタ装置の結合方法についてより詳細に説明する。
【0041】
前記第1コネクタ100と前記第2コネクタ200とが結合されると、前記第2コネクタ200に備えられた鋸歯ギヤ310により第1コネクタ100に備えられたラチェットギヤ320が回転するが、前記ラチェットギヤ320は、前記第1コネクタ100と前記第2コネクタ200とが結合される方向に回転する。このとき、前記ラチェットギヤ320は、前記ストッパ330の先端を前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間の溝322から外側に押し出しながら回転し、これにより、ラチェットギヤ320は、前記ストッパ330に邪魔されることなく連続して回転する。すなわち、ストッパ330の先端はラチェットギヤ320のギヤ歯321に備えられた傾斜面321aに沿ってガイドされるので、ラチェットギヤ320の回転を邪魔しない。また、前記ストッパ330は、前記スプリング340の付勢力により前記ラチェットギヤ302の方向に引っ張られることによって前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間の溝322から溝322に連続して移動する。よって、ラチェットギヤ320に挿入されたストッパ330を解除しなくても、前記第1コネクタ100と前記第2コネクタ200とを結合することができる。
【0042】
前記ストッパ330が前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間の溝322に挿入された状態で前記第1コネクタ100と前記第2コネクタ200とを分離すると、前記鋸歯ギヤ310により、前記ラチェットギヤ320は、前記第1コネクタ100と前記第2コネクタ200とが分離される方向に回転するが、このとき、前記ラチェットギヤ320は、前記ストッパ330の先端を前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間にある溝322の外側に押し出すことができなくなり、すなわち前記ストッパ330の先端が前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間の溝322から離脱できなくなり、回転しない。言い換えれば、ラチェットギヤ320のギヤ歯321に備えられた垂直面321bにストッパ330の先端が係止されることにより、ラチェットギヤ320は回転しない。よって、ストッパ330がラチェットギヤ320に挿入された状態では、第1コネクタ100と前記第2コネクタ200とを分離することができない。
【0043】
前記ストッパ330が前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間の溝322から離脱した状態で前記第1コネクタ100と前記第2コネクタ200とを分離すると、前記ラチェットギヤ320は、前記ラチェットギヤ320のギヤ歯間の溝からストッパ330が離脱していて連続して回転し、前記鋸歯ギヤ310は、前記ラチェットギヤ320の回転により移動する。よって、前記ストッパ330が前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間の溝322から離脱した状態では、前記第1コネクタ100と前記第2コネクタ200とを分離することができる。
【0044】
上記のような構成を有する本発明の第1実施形態によるコネクタ装置は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを容易に分離されないように結合するか又は前記第1コネクタと前記第2コネクタとを容易に分離可能に結合解除することができる。
【0045】
以下、本発明の他の実施形態を説明するにあたって、上述した実施形態と同様の機能を有する構成については同様の構成符号を用い、重複する説明は省略する。
【0046】
[本発明の第2実施形態によるコネクタ装置]
本発明の第2実施形態によるコネクタ装置は、
図6に示すように、ターミナル本体110を備えた第1コネクタ100と、端子本体210を備えた第2コネクタ200とを含む。
【0047】
ここで、前記ターミナル本体110の内部には、ガイド溝111が形成され、前記端子本体210には、前記ガイド溝111に沿ってガイドされるガイド突起211が形成される。
【0048】
よって、本発明の第2実施形態によるコネクタ装置は、ガイド溝111とガイド突起211とを含むことにより、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを安定して結合するか又は分離することができる。
【0049】
一方、前記ガイド溝111が形成された前記ターミナル本体110の一面には、前記ガイド溝111と連結される係止溝112が形成され、前記ガイド突起211には、前記係止溝112に係止されて支持される係止突起212が形成される。
【0050】
よって、本発明の第2実施形態によるコネクタ装置は、第1コネクタ100と第2コネクタ200との設定された結合地点で係止突起212が係止溝112に係止され、これにより、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが設定された結合地点以上に結合されることを防止することができ、その結果、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが超過結合されることにより発生する破損の問題を未然に防止することができる。
【0051】
[本発明の第3実施形態によるコネクタ装置]
本発明の第3実施形態によるコネクタ装置は、
図7に示すように、端子本体210と鋸歯ギヤ310とを含むが、前記鋸歯ギヤ310は、前記端子本体210に着脱可能に設けられる。
【0052】
すなわち、前記鋸歯ギヤ310は、端子本体210に形成された結合溝213に結合又は分離することができる。
【0053】
よって、本発明の第3実施形態によるコネクタ装置は、鋸歯ギヤを端子本体に着脱可能に結合することにより、ラチェットギヤとの噛合により摩耗が発生した鋸歯ギヤのみを交換して再使用することができ、その結果、メンテナンスの容易性を高めることができる。特に、鋸歯ギヤを端子本体より高い強度を有する素材で製作することができ、使用周期を大きく延長することができる。
【0054】
[本発明の第4実施形態によるコネクタ装置]
本発明の第4実施形態によるコネクタ装置は、
図8に示すように、ラチェット部300を含むが、前記ラチェット部300は、ラチェットギヤ320、ストッパ330及びスプリング340が設けられるラチェット本体350を含み、前記ラチェット本体350は、ターミナル本体110に着脱可能に結合される。
【0055】
すなわち、ラチェット本体350は、ターミナル本体110に形成されたガイド空間に嵌められて結合又は分離される。
【0056】
よって、本発明の第4実施形態によるコネクタ装置は、ラチェットギヤ320、ストッパ330及びスプリング340のいずれかが故障すると、ラチェット本体350をターミナル本体110から分離し、その後、新たなラチェット本体をターミナル本体110に結合することができ、その結果、メンテナンスの容易性を高めることができる。
【0057】
[本発明の第5実施形態によるコネクタ装置]
本発明の第5実施形態によるコネクタ装置は、
図9に示すように、ラチェット部300を含むが、前記ラチェット部300は、ターミナル本体110に備えられるラチェットギヤ320、ストッパ330及びスプリング340を含む。
【0058】
特に、前記ターミナル本体110は、ラチェットギヤ320、ストッパ330及びスプリング340を保護する保護カバー360を含み、前記保護カバー360は、一端がターミナル本体110に回転可能に結合される。すなわち、保護カバー360は、ラチェットギヤ320、ストッパ330及びスプリング340を保護するか又は保護解除することができる。
【0059】
よって、本発明の第5実施形態によるコネクタ装置は、保護カバーを含むことにより、ターミナル本体110に備えられたラチェットギヤ320、ストッパ330及びスプリング340をより安定して保護することができる。
【0060】
[本発明の第6実施形態によるコネクタ装置]
本発明の第6実施形態によるコネクタ装置は、
図10に示すように、ストッパ330を含むが、前記ストッパ330は、前記ターミナル本体110の外周面に前記ラチェットギヤ320を向く方向に摺動可能に設けられるガイド片331と、前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間の溝322に挿入されることにより前記ラチェットギヤ320を回転しないように固定する固定片332とを含む。
【0061】
すなわち、ストッパ330は、ガイド片331がラチェットギヤ320から遠ざかる方向に移動すると、固定片332が前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間の溝322から離脱することによりラチェットギヤ320を回転させることができる。また、ガイド片331がラチェットギヤ320に近づく方向に移動すると、固定片332が前記ラチェットギヤ320のギヤ歯321間の溝322に挿入されることによりラチェットギヤ320を回転しないように固定することができる。
【0062】
よって、本発明の第6実施形態によるコネクタ装置は、ガイド片と固定片とが備えられたストッパを含むことにより、ラチェットギヤをより簡単に固定するか又は回転させることができる。
【0063】
一方、本発明の第6実施形態によるコネクタ装置は、ストッパ330が前記ラチェットギヤ320に向かうように付勢力を与えるスプリング333をさらに含んでもよい。
【0064】
本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される多様な実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 基板
20 電線
100 第1コネクタ
100a 開口部
110 ターミナル本体
111 ガイド溝
112 係止溝
120 ターミナル
200 第2コネクタ
210 端子本体
211 ガイド突起
212 係止突起
220 端子
300 ラチェット部
310 鋸歯ギヤ
320 ラチェットギヤ
321 ギヤ歯
321a 傾斜面
321b 垂直面
322 溝
330 ストッパ
331 ガイド片
332 固定片
340 スプリング
350 ラチェット本体
360 保護カバー