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特許7509409処理装置、処理方法、及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/91 20060101AFI20240625BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20240625BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20240625BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240625BHJP
【FI】
H04N5/91
H04N5/77
H04N5/93
H04N23/60 300
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020123401
(22)【出願日】2020-07-20
(65)【公開番号】P2022020110
(43)【公開日】2022-02-01
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 浩一
(72)【発明者】
【氏名】三木 敏光
(72)【発明者】
【氏名】松本 昭男
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 美保
(72)【発明者】
【氏名】長山 慎輔
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 香代
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-290820(JP,A)
【文献】特開2009-017598(JP,A)
【文献】特開2019-008528(JP,A)
【文献】特開2020-022157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0142942(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 -5/775
H04N 5/91 - 5/956
H04N 23/40 -23/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な撮影装置によって撮影された撮影データを記録する処理装置であって、
前記撮影装置からのストリームを所定のフレームレートで前記撮影データとして記録すると共に、前記撮影データに撮影開始時刻に関する情報を付す記録手段と、
前記撮影開始時刻に同期して前記撮影装置の位置の取得を開始し且つ前記撮影開始時刻から所定時間の周期で前記撮影装置の位置を取得すると共に、各情報単位が前記取得した位置と前記位置を取得した取得時刻とを含む複数の情報単位を保持する取得位置関連情報を形成する取得位置関連情報形成手段と、
各情報単位が注目ポイントの識別情報と前記注目ポイントが位置する注目ポイント位置とを含む複数の情報単位を保持する注目ポイント管理情報と前記取得位置関連情報とに基づいて、各情報単位が前記取得時刻と前記注目ポイントの識別情報とを含む複数の情報単位を保持する連携情報を形成する連携情報形成手段と、
前記連携情報と前記撮影データに付された撮影開始時刻とに基づいて、前記連携情報の複数の情報単位にそれぞれ対応する複数の情報単位を含む被撮影ポイント情報を形成する手段であって、前記被撮影ポイント情報の各情報単位は、前記連携情報の前記取得時刻から前記撮影開始時刻を減算した値に対応する再生時間と前記注目ポイントの識別情報とを含む、被撮影ポイント情報形成手段と、
を具備する処理装置。
【請求項2】
前記連携情報形成手段は、前記注目ポイント管理情報の第1情報単位の注目ポイント位置が前記取得位置関連情報の第2情報単位の取得位置を基準とする所定エリア内に含まれる場合、前記第1情報単位の注目ポイントの識別情報と前記第2情報単位の前記取得時刻とを含む情報単位を前記連携情報に追加する、
請求項1記載の処理装置。
【請求項3】
指定された注目ポイントの識別情報に前記被撮影ポイント情報にて対応づけられている再生時間に対応するフレームから前記撮影データの映像を表示する表示制御手段をさらに具備する、
請求項1又は2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記撮影データの映像を表示すると共に、前記表示されている映像の再生時間に前記被撮影ポイント情報にて対応づけられている注目ポイントの識別情報を表示する、
請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記連携情報の各情報単位は、前記取得時刻及び前記注目ポイントの識別情報に加えて前記取得した位置を含み、
前記被撮影ポイント情報の各情報単位は、前記再生時間及び前記注目ポイントの識別情報に加えて前記取得した位置を含み、
前記表示制御手段は、前記表示されている注目ポイントの識別情報に前記連携情報にて対応づけられている位置を含む地図を表示すると共に、該位置を該地図の上に表示する、
請求項4記載の処理装置。
【請求項6】
前記記録手段は、前記記録された撮影データのファイルに前記撮影開始時刻をファイル名として付す、
請求項1から5のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項7】
移動可能な撮影装置によって撮影された撮影データを記録する処理装置による処理方法であって、
前記撮影装置からのストリームを所定のフレームレートで前記撮影データとして記録すると共に、前記撮影データに撮影開始時刻に関する情報を付すこと、
前記撮影開始時刻に同期して前記撮影装置の位置の取得を開始し且つ前記撮影開始時刻から所定時間の周期で前記撮影装置の位置を取得すると共に、各情報単位が前記取得した位置と前記位置を取得した取得時刻とを含む複数の情報単位を保持する取得位置関連情報を形成すること、
各情報単位が注目ポイントの識別情報と前記注目ポイントが位置する注目ポイント位置とを含む複数の情報単位を保持する注目ポイント管理情報と前記取得位置関連情報とに基づいて、各情報単位が前記取得時刻と前記注目ポイントの識別情報とを含む複数の情報単位を保持する連携情報を形成すること、及び、
前記連携情報と前記撮影データに付された撮影開始時刻とに基づいて、前記連携情報の複数の情報単位にそれぞれ対応する複数の情報単位を含む被撮影ポイント情報を形成することを含み、前記被撮影ポイント情報の各情報単位は、前記連携情報の前記取得時刻から前記撮影開始時刻を減算した値に対応する再生時間と前記注目ポイントの識別情報とを含む、
処理方法。
【請求項8】
移動可能な撮影装置によって撮影された撮影データを記録する処理装置に、
前記撮影装置からのストリームを所定のフレームレートで前記撮影データとして記録すると共に、前記撮影データに撮影開始時刻に関する情報を付すこと、
前記撮影開始時刻に同期して前記撮影装置の位置の取得を開始し且つ前記撮影開始時刻から所定時間の周期で前記撮影装置の位置を取得すると共に、各情報単位が前記取得した位置と前記位置を取得した取得時刻とを含む複数の情報単位を保持する取得位置関連情報を形成すること、
各情報単位が注目ポイントの識別情報と前記注目ポイントが位置する注目ポイント位置とを含む複数の情報単位を保持する注目ポイント管理情報と前記取得位置関連情報とに基づいて、各情報単位が前記取得時刻と前記注目ポイントの識別情報とを含む複数の情報単位を保持する連携情報を形成すること、及び、
前記連携情報と前記撮影データに付された撮影開始時刻とに基づいて、前記連携情報の複数の情報単位にそれぞれ対応する複数の情報単位を含む被撮影ポイント情報を形成することを含む、処理を実行させ、前記被撮影ポイント情報の各情報単位は、前記連携情報の前記取得時刻から前記撮影開始時刻を減算した値に対応する再生時間と前記注目ポイントの識別情報とを含む、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理装置、処理方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、映像データと位置時間データとを時間をもとに対応付けした映像データベースを生成し、地図上の位置が指示されるとこの位置の近傍の映像データを再生する映像検索装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-290820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、識別情報(例えば、名称)を指定した「注目ポイント」の映像表示するニーズがあることを見出した。例えば、鉄道車両に配設された撮影装置によって撮影された映像データの中から、識別情報を指定した点検対象設備や点検対象エリア(つまり、注目ポイント)の映像を即座に表示するニーズがある。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、このニーズに対応することはできず、ユーザの利便性がよくない可能性がある。
【0006】
本開示の目的は、ユーザの利便性を向上させることができる、処理装置、処理方法、及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様にかかる処理装置は、移動可能な撮影装置によって撮影された撮影データを記録する処理装置であって、
前記撮影装置からのストリームを所定のフレームレートで前記撮影データとして記録すると共に、前記撮影データに撮影開始時刻に関する情報を付す記録手段と、
前記撮影開始時刻に同期して前記撮影装置の位置の取得を開始し且つ前記撮影開始時刻から所定時間の周期で前記撮影装置の位置を取得すると共に、各情報単位が前記取得した位置と前記位置を取得した取得時刻とを含む複数の情報単位を保持する取得位置関連情報を形成する取得位置関連情報形成手段と、
各情報単位が注目ポイントの識別情報と前記注目ポイントが位置する注目ポイント位置とを含む複数の情報単位を保持する注目ポイント管理情報と前記取得位置関連情報とに基づいて、各情報単位が前記取得時刻と前記注目ポイントの識別情報とを含む複数の情報単位を保持する連携情報を形成する連携情報形成手段と、
前記連携情報と前記撮影データに付された撮影開始時刻とに基づいて、前記連携情報の複数の情報単位にそれぞれ対応する複数の情報単位を含む被撮影ポイント情報を形成する手段であって、前記被撮影ポイント情報の各情報単位は、前記連携情報の前記取得時刻から前記撮影開始時刻を減算した値に対応する再生時間と前記注目ポイントの識別情報とを含む、被撮影ポイント情報形成手段と、
を具備する。
【0008】
第2の態様にかかる処理方法は、移動可能な撮影装置によって撮影された撮影データを記録する処理装置による処理方法であって、
前記撮影装置からのストリームを所定のフレームレートで前記撮影データとして記録すると共に、前記撮影データに撮影開始時刻に関する情報を付すこと、
前記撮影開始時刻に同期して前記撮影装置の位置の取得を開始し且つ前記撮影開始時刻から所定時間の周期で前記撮影装置の位置を取得すると共に、各情報単位が前記取得した位置と前記位置を取得した取得時刻とを含む複数の情報単位を保持する取得位置関連情報を形成すること、
各情報単位が注目ポイントの識別情報と前記注目ポイントが位置する注目ポイント位置とを含む複数の情報単位を保持する注目ポイント管理情報と前記取得位置関連情報とに基づいて、各情報単位が前記取得時刻と前記注目ポイントの識別情報とを含む複数の情報単位を保持する連携情報を形成すること、及び、
前記連携情報と前記撮影データに付された撮影開始時刻とに基づいて、前記連携情報の複数の情報単位にそれぞれ対応する複数の情報単位を含む被撮影ポイント情報を形成することを含み、前記被撮影ポイント情報の各情報単位は、前記連携情報の前記取得時刻から前記撮影開始時刻を減算した値に対応する再生時間と前記注目ポイントの識別情報とを含む。
【0009】
第3の態様にかかる制御プログラムは、移動可能な撮影装置によって撮影された撮影データを記録する処理装置に、
前記撮影装置からのストリームを所定のフレームレートで前記撮影データとして記録すると共に、前記撮影データに撮影開始時刻に関する情報を付すこと、
前記撮影開始時刻に同期して前記撮影装置の位置の取得を開始し且つ前記撮影開始時刻から所定時間の周期で前記撮影装置の位置を取得すると共に、各情報単位が前記取得した位置と前記位置を取得した取得時刻とを含む複数の情報単位を保持する取得位置関連情報を形成すること、
各情報単位が注目ポイントの識別情報と前記注目ポイントが位置する注目ポイント位置とを含む複数の情報単位を保持する注目ポイント管理情報と前記取得位置関連情報とに基づいて、各情報単位が前記取得時刻と前記注目ポイントの識別情報とを含む複数の情報単位を保持する連携情報を形成すること、及び、
前記連携情報と前記撮影データに付された撮影開始時刻とに基づいて、前記連携情報の複数の情報単位にそれぞれ対応する複数の情報単位を含む被撮影ポイント情報を形成することを含む、処理を実行させ、前記被撮影ポイント情報の各情報単位は、前記連携情報の前記取得時刻から前記撮影開始時刻を減算した値に対応する再生時間と前記注目ポイントの識別情報とを含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、ユーザの利便性を向上させることができる、処理装置、処理方法、及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態における処理装置の一例を示すブロック図である。
図2】第2実施形態における録画システムの一例を示す図である。
図3】取得位置関連情報の一例を示す図である。
図4】注目ポイント管理情報の一例を示す図である。
図5】連携情報の一例を示す図である。
図6】被撮影ポイント情報の一例を示す図である。
図7】表示装置に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
図8】注目ポイント管理情報の変形例を示す図である。
図9】処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態における処理装置の一例を示すブロック図である。図1に示される処理装置10は、移動可能な撮影装置(不図示)によって撮影された撮影データを記録する装置である。図1において処理装置10は、記録部11と、取得位置関連情報形成部12と、連携情報形成部13と、被撮影ポイント情報形成部14とを有している。
【0014】
記録部11は、撮影装置(不図示)からのストリーム(例えば、動画、又は、画像フレーム群)を受け取る。記録部11は、受け取ったストリームを「所定のフレームレート」で「撮影データ」として記憶部(不図示)に記録する。上記の「所定のフレームレート」は、例えば、15fpsであってもよい。そして、記録部11は、上記の「撮影データ」に対して、上記ストリームについての「撮影開始時間に関する情報」を付す。例えば、記録部11は、記録された撮影データのファイルに「撮影開始時間」を「ファイル名」として付してもよい。
【0015】
取得位置関連情報形成部12は、上記の撮影開始時刻に同期して撮影装置(不図示)の位置に関する情報の取得を開始し、且つ、上記の撮影開始時刻から「所定時間の周期」で撮影装置(不図示)の位置に関する情報を取得する。上記の「所定時間」は、1秒であってもよい。そして、取得位置関連情報形成部12は、「取得位置関連情報(取得位置関連ファイル)」を形成する。「取得位置関連情報」は、複数の情報単位(information units)を含み、各情報単位は、取得位置関連情報形成部12が取得した位置とこの位置を取得した「取得時刻」とを含む。
【0016】
連携情報形成部13は、「注目ポイント管理情報(注目ポイント管理ファイル)」と上記の取得位置関連情報とに基づいて、「連携情報(連携ファイル)」を形成する。「注目ポイント管理情報」は、各情報単位が「注目ポイントの識別情報」と注目ポイントが位置する位置(以下では、「注目ポイント位置」と呼ぶことがある)とを含む複数の情報単位を保持する。「注目ポイント」は、例えば、映像によってチェック(確認)したい物体又はエリア等である。すなわち、「注目ポイント」は、「確認ポイント」又は「点検ポイント」等と呼ぶこともできる。「連携情報」は、各情報単位が上記の取得時刻と上記の注目ポイント識別情報とを含む複数の情報単位を保持する。
【0017】
被撮影ポイント情報形成部14は、上記の連携情報と上記の撮影データに付された撮影開始時刻とに基づいて、「被撮影ポイント情報」を形成する。「被撮影ポイント情報」は、複数の情報単位を含んでおり、この複数の情報単位は、連携情報の複数の情報単位にそれぞれ対応する。また、「被撮影ポイント情報」の各情報単位は、「再生時間」と注目ポイントの識別情報とを含む。「再生時間」は、連携情報の取得時刻から撮影開始時刻を減算した値に対応する。例えば、撮影開始時刻を用いて連携情報を変換することによって、被撮影ポイント情報を形成することができる。
【0018】
以上で説明したように第1実施形態によれば、処理装置10にて記録部11は、撮影装置(不図示)からのストリームを所定のフレームレートで撮影データとして記憶部(不図示)に記録する。記録部11は、撮影データに対して、ストリームについての撮影開始時間に関する情報を付す。取得位置関連情報形成部12は、撮影開始時刻に同期して撮影装置(不図示)の位置に関する情報の取得を開始し、且つ、上記の撮影開始時刻から「所定時間の周期」で撮影装置(不図示)の位置に関する情報を取得する。取得位置関連情報形成部12は、「取得位置関連情報(取得位置関連ファイル)」を形成する。「取得位置関連情報」は、複数の情報単位を含み、各情報単位は、取得位置関連情報形成部12が取得した位置とこの位置を取得した「取得時刻」とを含む。連携情報形成部13は、注目ポイント管理情報と取得位置関連情報とに基づいて、連携情報を形成する。連携情報は、各情報単位が取得時刻と注目ポイント識別情報とを含む複数の情報単位を保持する。被撮影ポイント情報形成部14は、連携情報と撮影データに付された撮影開始時刻とに基づいて、被撮影ポイント情報を形成する。被撮影ポイント情報は、複数の情報単位を含んでおり、この複数の情報単位は、連携情報の複数の情報単位にそれぞれ対応する。また、被撮影ポイント情報の各情報単位は、再生時間と注目ポイントの識別情報とを含む。再生時間は、連携情報の取得時刻から撮影開始時刻を減算した値に対応する。
【0019】
この処理装置10の構成により、再生時間と注目ポイントの識別情報とを含む情報単位を保持する被撮影ポイント情報を形成することができる。この被撮影ポイント情報を用いることにより、チェックしたい注目ポイントの識別情報を指定することによって、撮影データを再生したときにその注目ポイントの映像が表示される再生時間を容易に特定することができる。このため、指定された注目ポイントの映像を容易に頭出しすることができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0020】
なお、処理装置10は、次の処理方法を実行している。この処理方法は、撮影装置からのストリームを所定のフレームレートで撮影データとして記録すると共に、撮影データに撮影開始時刻に関する情報を付すこと、撮影開始時刻に同期して撮影装置の位置の取得を開始し且つ撮影開始時刻から所定時間の周期で撮影装置の位置を取得すると共に、各情報単位が上記の取得した位置とこの位置を取得した取得時刻とを含む複数の情報単位を保持する取得位置関連情報を形成すること、各情報単位が注目ポイントの識別情報と注目ポイントが位置する注目ポイント位置とを含む複数の情報単位を保持する注目ポイント管理情報と取得位置関連情報とに基づいて、各情報単位が取得時刻と注目ポイントの識別情報とを含む複数の情報単位を保持する連携情報を形成すること、及び、連携情報と撮影データに付された撮影開始時刻とに基づいて、連携情報の複数の情報単位にそれぞれ対応する複数の情報単位を含む被撮影ポイント情報を形成することを含み、被撮影ポイント情報の各情報単位は、連携情報の取得時刻から撮影開始時刻を減算した値に対応する再生時間と注目ポイントの識別情報とを含む。
【0021】
<第2実施形態>
第2実施形態は、より具体的な実施形態に関する。
【0022】
<録画システムの概要>
図2は、第2実施形態における録画システムの一例を示す図である。図2において録画システム1は、撮影装置20と、処理装置30と、表示装置40とを有している。撮影装置20、処理装置30及び表示装置40の用いられ方は、これに限定されるものではないが、以下では、撮影装置20、処理装置30及び表示装置40が鉄道車両に配設されて用いられるケースを例にとって説明する。
【0023】
撮影装置20は、鉄道車両の走行中に路線周辺(線路を含む)を撮影して得られたストリーム(例えば、動画、又は、画像フレーム群)を処理装置30に送出する。
【0024】
処理装置30は、撮影装置20から送出されたストリームを受け取る。そして、処理装置30は、受け取ったストリームを撮影データとして記憶する(つまり、録画する)。なお、撮影装置20と処理装置30とは、有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよい。
【0025】
表示装置40は、処理装置30に記憶された撮影データを表示する。
【0026】
<処理装置の構成例>
図2において処理装置30は、記録部31と、取得位置関連情報形成部32と、連携情報形成部33と、被撮影ポイント情報形成部34と、表示制御部35と、操作受付部36と、記憶部37とを有している。
【0027】
記録部31は、第1実施形態の記録部11と同様に、撮影装置20からのストリームを受け取る。記録部31は、受け取ったストリームを「所定のフレームレート」で撮影データ37Aとして記憶部37に記録する。そして、記録部31は、上記の「撮影データ」に対して、上記ストリームについての「撮影開始時間に関する情報」を付す。例えば、撮影開始時間は、「20190101131500」、つまり、2019年1月1日13時15分00秒である。
【0028】
取得位置関連情報形成部32は、第1実施形態の取得位置関連情報形成部12と同様に、上記の撮影開始時刻に同期して撮影装置20の位置に関する情報の取得を開始し、且つ、上記の撮影開始時刻から「所定時間の周期」で撮影装置20の位置に関する情報を取得する。この位置の取得には、GPS受信信号が利用されてもよい。そして、取得位置関連情報形成部32は、取得位置関連情報(取得位置関連ファイル)」を形成する。「取得位置関連情報」は、複数の情報単位を含み、各情報単位は、取得位置関連情報形成部32が取得した位置とこの位置を取得した「取得時刻」とを含む。そして、取得位置関連情報形成部32は、形成した取得位置関連情報を取得位置関連情報37Bとして記憶部37に記憶させる。図3は、取得位置関連情報の一例を示す図である。
【0029】
連携情報形成部33は、第1実施形態の連携情報形成部13と同様に、記憶部37に記憶されている注目ポイント管理情報37Cと取得位置関連情報37Bとに基づいて、連携情報37Dを形成する。
【0030】
図4は、注目ポイント管理情報の一例を示す図である。図4に示す注目ポイント管理情報37Cは、各情報単位に、「設備名称」及び「設備の位置(経度、緯度)」を含む。「設備名称」は、上記の注目ポイント識別情報に対応し、「設備の位置」は、上記の注目ポイント位置に対応する。ここでは、上記の通り、撮影装置20及び処理装置30が鉄道車両に配設されて用いられることを前提としているので、鉄道会社の設備の保守に利用可能な注目ポイント管理情報の一例を示している。
【0031】
例えば、連携情報形成部33は、注目ポイント管理情報37Cの情報単位(以下では、「第1情報単位」と呼ぶ)の注目ポイント位置が取得位置関連情報37Bの情報単位(以下では、「第2情報単位」と呼ぶ)の取得位置を基準とする所定エリア内に含まれる場合、第1情報単位の注目ポイント識別情報と第2情報単位の取得時刻とを含む情報単位を連携情報37Dに追加する。例えば、図4に示す注目ポイント管理情報37Cの一番上の情報単位の設備位置と図3に示す取得位置関連情報37Bの一番上の情報単位の取得位置(経度、緯度)とが一致している。このため、連携情報形成部33は、取得位置関連情報37Bの一番上の情報単位の取得時刻と注目ポイント管理情報37Cの一番上の情報単位の設備名称とを含む情報単位を、連携情報37Dに追加する。なお、連携情報形成部33は、第1情報単位の注目ポイント識別情報及び第2情報単位の取得時刻に加えて第2情報単位の取得位置を含む情報単位を連携情報37Dに加えてもよい。図5は、連携情報の一例を示す図である。
【0032】
被撮影ポイント情報形成部34は、第1実施形態の被撮影ポイント情報形成部14と同様に、上記の連携情報と上記の撮影データに付された撮影開始時刻とに基づいて、被撮影ポイント情報37Eを形成する。被撮影ポイント情報37Eは、複数の情報単位を含んでおり、この複数の情報単位は、連携情報37Dの複数の情報単位にそれぞれ対応する。また、被撮影ポイント情報37Eの各情報単位は、「再生時間」と注目ポイントの識別情報とを含む。「再生時間」は、連携情報37Dの取得時刻から撮影開始時刻を減算した値に対応する。すなわち、被撮影ポイント情報形成部34は、連携情報37Dの取得時刻から撮影開始時刻を減算した値を算出し、算出した値を用いて連携情報37Dを変換することによって、被撮影ポイント情報37Eを形成することができる。図6は、被撮影ポイント情報の一例を示す図である。
【0033】
操作受付部36は、ユーザの操作によって指定された設備名称(注目ポイントの識別情報)を受け取ると、その設備名称を表示制御部35へ出力する。
【0034】
表示制御部35は、操作受付部36から設備名称を受け取ると被撮影ポイント情報37Eを検索して、受け取った設備名称に被撮影ポイント情報37Eにて対応づけられている再生時間を取得する。そして、表示制御部35は、取得した再生時間に対応するフレームの映像を表示装置40に表示する制御を実行する。例えば、表示制御部35は、「(再生時間×フレームレート)+1」のフレーム番号を有するフレームの映像を表示装置40に表示する。なお、表示制御部35は、取得した再生時間に対応するフレームから撮影データの映像を自動的に再生してもよいし、ユーザによって操作受付部36に対して再生操作が行われた場合に、取得した再生時間に対応するフレームから撮影データの映像を再生してもよい。また、表示制御部35は、撮影データの映像を表示すると共に、表示されている映像の再生時間に被撮影ポイント情報37Eにて対応づけられている注目ポイントの識別情報を表示してもよい。図7は、表示装置に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【0035】
なお、表示制御部35は、記憶部37から地図データ37Fを読み出して、表示装置40に表示されている設備名称に被撮影ポイント情報37Eにて対応づけられている設備位置を含む地図を表示すると共に、この設備位置をこの地図の上に表示してもよい。
【0036】
<他の実施形態>
<1>第2実施形態で説明した注目ポイント管理情報は、次のような変形が施されてもよい。すなわち、注目ポイント管理情報は、「設備名称」及び「設備の位置(経度、緯度)」に加えて、その設備位置を含む「エリア名」を含んでいてもよい。この注目ポイント管理情報を用いた場合、被撮影ポイント情報は、例えば、図8に示すような情報となる。この被撮影ポイント情報を用いることによって、ユーザは、エリア名を指定して、このエリア名に対応するエリアに存在する設備の映像をチェックすることが可能となる。
【0037】
<2>第2実施形態では撮影装置20及び処理装置30の実際の移動に伴って変化する位置を取得して位置ファイルを形成することを前提に説明を行った。例えば、鉄道会社が、鉄道車両の走行予定時間に基づいて、各情報単位が鉄道車両の予定位置及び予定時刻を含む複数の情報単位を保持する位置ファイルを形成してもよい。
【0038】
<3>図9は、処理装置のハードウェア構成例を示す図である。図9において処理装置100は、プロセッサ101と、メモリ102とを有している。プロセッサ101は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ101は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ102は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ102は、プロセッサ101から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ101は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ102にアクセスしてもよい。
【0039】
第1実施形態及び第2実施形態の処理装置10,30は、それぞれ、図9に示したハードウェア構成を有することができる。第1実施形態及び第2実施形態の処理装置10,30の記録部11,31と、取得位置関連情報形成部12,32と、連携情報形成部13,33と、被撮影ポイント情報形成部14,34と、表示制御部35と、操作受付部36とは、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されてもよい。記憶部37は、メモリ102によって実現されてもよい。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、処理装置10,30に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によって処理装置10,30に供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムを処理装置10,30に供給できる。
【0040】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 録画システム
10 処理装置
11 記録部
12 取得位置関連情報形成部
13 連携情報形成部
14 被撮影ポイント情報形成部
20 撮影装置
30 処理装置
31 記録部
32 取得位置関連情報形成部
33 連携情報形成部
34 被撮影ポイント情報形成部
35 表示制御部
36 操作受付部
37 記憶部
37A 撮影データ
37B 取得位置関連情報
37C 注目ポイント管理情報
37D 連携情報
37E 被撮影ポイント情報
37F 地図データ
40 表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9