(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】掃除機支持装置および電気掃除機ユニット
(51)【国際特許分類】
A47L 9/00 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
A47L9/00 104
A47L9/00 105C
(21)【出願番号】P 2021179868
(22)【出願日】2021-11-02
(62)【分割の表示】P 2020118895の分割
【原出願日】2017-11-29
【審査請求日】2021-11-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】P 2017148704
(32)【優先日】2017-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【氏名又は名称】原田 淳司
(72)【発明者】
【氏名】河阪 雅之
(72)【発明者】
【氏名】八木 実樹夫
(72)【発明者】
【氏名】山口 悟史
(72)【発明者】
【氏名】森川 廣基
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】西 秀隆
【審判官】窪田 治彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-25289(JP,A)
【文献】特開2009-225906(JP,A)
【文献】特開2007-190110(JP,A)
【文献】特開2010-213886(JP,A)
【文献】特許第5616544(JP,B1)
【文献】特開2003-210361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L9/00-9/10
A47L13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機を支持する掃除機支持装置であって、
前記電気掃除機の吸込具を載置部に載置するための吸込具載置台を備え、
前記吸込具載置台は、開口部を有する空間を有し、補助集塵具を前記開口部から挿入可能な前記空間を前記載置部の下方に有し、
前記載置部は前記空間と連通する連通口を有し、
前記吸込具載置台は、前記載置部と対向するとともに、前記載置部との間に前記空間を構成するベース部を有し、
前記ベース部において前記載置部と対向するよう除電部材が設けられていることを特徴とする、
掃除機支持装置。
【請求項2】
前記除電部材は、前記ベース部の凹入部分に配されることを特徴とする、
請求項1に記載の掃除機支持装置。
【請求項3】
前記吸込具載置台は、前記載置部と対向するベース部に接続される案内部分を有し、
前記案内部分は、前記開口部に前記補助集塵具が挿入し易くなるように、前記ベース部のうち前記開口部側に接続されることを特徴とする、
請求項1または2に記載の掃除機支持装置。
【請求項4】
電気掃除機と、
請求項1~3のいずれかに記載の掃除機支持装置とを備えることを特徴とする、
電気掃除機ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機を支持する掃除機支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、掃除機本体にホースを介して接続される先端パイプと吸引具との間の延長管に、モップアタッチメントを収納する収納部が取り付けられた電気掃除機を開示している。この収納部は、収納外壁と、収納外壁内部に収納される1以上の穴を有する内かごとを含み、収納外壁に設けられた吸引開口に先端パイプが接続可能となっている。これにより、収納部の内かごに収納されたモップアタッチメントに付着するゴミ等を吸引することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献では、モップアタッチメントに付着するゴミ等を除去できるが、さらに効果的にごみ等を除去したいという要望も強い。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、補助集塵具の塵埃を効果的に除去できる掃除機支持装置および電気掃除機ユニットを提供することを目的のひとつとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る掃除機支持装置は、電気掃除機を支持する掃除機支持装置であって、前記電気掃除機の吸込具を載置部に載置するための吸込具載置台を備え、前記吸込具載置台は、開口部を有する空間を有し、補助集塵具を前記開口部から挿入可能な前記空間を前記載置部の下方に有し、前記載置部は前記空間と連通する連通口を有し、前記空間には、前記載置部と対向するよう除電部材が設けられている。
また、本発明の一態様に係る電気掃除機ユニットは、電気掃除機と、上記の掃除機支持装置とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、除電部材が設けられているため、補助集塵具の塵埃を効果的に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る電気掃除機ユニットを示す分解斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
【
図3】第1の実施形態に係る電気掃除機を部分的に示す分解斜視図である。
【
図4】第1の実施形態に係る電気掃除機を部分的に示す側面図である。
【
図5】第1の実施形態に係る電気掃除機を部分的に示す背面図である。
【
図6】第1の実施形態に係る電気掃除機を部分的に示す斜視図である。
【
図7】第1の実施形態に係る電気掃除機を部分的に示す斜視図である。
【
図8】第1の実施形態に係る補助集塵具を示す斜視図である。
【
図9】第1の実施形態に係る補助集塵具を部分的に示す斜視図であり、特に
図8のA部分を示す。
【
図10】第1の実施の形態に係る掃除機支持装置を部分的に示す斜視図である。
【
図11】第1の実施の形態に係る掃除機支持装置を部分的に示す断面斜視図である。
【
図12】第1の実施の形態に係る掃除機支持装置を示す斜視図である。
【
図13】第2の実施形態に係る電気掃除機ユニットを示す斜視図である。
【
図14】第2の実施形態に係る電気掃除機を下方から見た図であり、(a)は斜視図であり、(b)は下面図である。
【
図15】第2実施形態に係る吸込具の断面図であり、
図14の(b)のA-A断面を矢印の方向から見た図である。
【
図16】第2の実施形態に係る吸込具の断面図であり、(a)は
図15のB-B断面を矢印Cの方向から見た図であり、(b)は
図15のB-B断面を矢印Cと反対側から見た図である。
【
図17】第2の実施形態に係る吸込具を部分的に示す分解断面斜視図である。
【
図18】第2の実施形態に係る吸込具の分解斜視図である。
【
図19】第2の実施形態に連結パイプを示す図であり、(a)は部分的に示す分解斜視図であり、(b)は連結部分の拡大斜視図であり、(c)は連結部の拡大平面図である。
【
図20】第2の実施形態に係る掃除機支持装置の斜視図であり、内部の構造が分かるように一部を切り欠いている。
【
図21】第3の実施形態に係る電気掃除機を部分的に示す斜視図であり、装着状態の一部を拡大している。
【
図22】第3の実施形態に係る補助集塵具の柄部を示す斜視図であり、一部断面を拡大している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<概要>
【0010】
明細書に記載の電気掃除機は、吸込具、掃除機本体、取手具をこの順で備える電気掃除機において、補助集塵具を前記取手具側から取り出し自在に収容する収容部を前記掃除機本体に備える。
背景技術に記載の文献では、キャニスター型の電気掃除機に、モップアタッチメントを収納する収納部が設けられている。キャニスター型の電気掃除機は、掃除機本体が大きいだけでなく、電源コードの長さによって清掃可能な範囲が制限されてしまうため、機動力が低い一方、モップアタッチメントのような補助集塵具は機動性が高い。しかし、補助集塵具のヘッド部を容易に掃除できないといった問題がある。
明細書に記載の電気掃除機において、前記収容部は開口が前記取手具側に向いた有底筒状をしている。これにより、補助集塵具の取り出しを容易に行うことができる。
明細書に記載の電気掃除機において、前記収容部に収容されている補助集塵具を保持する保持部が前記掃除機本体及び取手具の少なくとも一方に設けられている。これにより、補助集塵具を掃除機本体及び取手具の少なくとも一方との一体感を出すことができる。
【0011】
明細書に記載の電気掃除機において、前記保持部は、前記吸込具、前記掃除機本体及び前記取手具が並ぶ方向と交差する方向に延伸し、対向して設けられる一対の板状部を備える。これにより、補助集塵具を容易に保持できる。
明細書に記載の電気掃除機において、前記保持部は、さらに、前記一対の板状部の対向面から相手側に突出する凸部を備える。これにより、前記補助集塵具をしっかりと保持できる。
明細書に記載の電気掃除機において、前記補助集塵具はヘッド部と柄部とを備え、前記収容部は前記ヘッド部を収容し、前記保持部は前記柄部を保持する。これにより、補助集塵具を一体感を出した状態で補助集塵具を収容することができる。
明細書に記載の電気掃除機において、前記柄部は前記ヘッド部に近い部位に屈曲部分を有し、前記掃除機本体は前記取手具よりも太く、前記補助集塵具は、前記柄部の屈曲部分が前記掃除機本体と前記取手具との間の段差部分に沿うように、配される。これにより、意匠性を損なうことなく補助集塵具を収容することができる。
【0012】
明細書に記載の電気掃除機において、前記掃除機本体は、前記取手具側から前記吸込具側に移る途中に外周寸法の大きい拡張部分を有し、前記収容部は、前記収容部の底面部が前記拡張部分における前記取手具側の端面に沿うように設けられ、前記掃除機本体の中心軸に垂直な寸法であって、前記中心軸に対する取付部分から離れる奥行方向における前記中心軸からの寸 法が前記中心軸からの前記拡張部分の寸法と同程度以上であり、前記掃除機本体の前記中心軸に垂直な寸法であって、前記奥行方向に垂直な幅方向における寸法が前記拡張部分の寸法以下である。補助集塵具との一体感を出した状態で全体の意匠性を向上させることができる。
明細書に記載の電気掃除機において、前記収容部は前記掃除機本体から着脱可能である。これにより、収容部を簡単に掃除することができる。
明細書に記載の電気掃除機において、前記収容部は水洗い可能な材料により構成されている。これにより、収容部に溜まったゴミ等を水洗いにより容易に掃除することができる。
【0013】
明細書に記載の吸込具において、第1方向に延びる吸込口から掃除機本体に塵埃を吸い込むための吸込具において、前記吸込口と連通する連通部を有するカバー体と、前記第1方向と直交する前後方向に延伸する軸を回転軸として回転可能に前記連通部に接続され且つ前記連通部と前記掃除機本体とが連通するパイプ部と、前記連通部とパイプ部とを回転可能に固定する固定具と、前記パイプ部の回転を規制する規制部とを備え、前記規制部は、前記固定具と前記連通部との係合または前記固定具と前記カバー体との係合により、前記パイプ部の回転を規制する。
明細書に記載の吸込具において、前記規制部は、係合部と、該係合部が係合する被係合部とを含み、前記固定具と、前記連通部または前記カバー体とのうち一方に前記係合部を有し、前記固定具と、前記連通部または前記カバー体とのうち他方に前記被係合部を有する。
【0014】
明細書に記載の吸込具において、前記係合部は、前記回転軸が延伸する軸方向に沿って突出する凸部を有し、前記被係合部は、前記凸部が係合する凹部を有する。
明細書に記載の吸込具において、前記規制部は、本体部と、前記係合部が設けられる張出部とを有し、前記張出部は、前記本体部に対し、前記回転軸が延伸する軸方向から離れる外方側に張り出す。
明細書に記載の吸込具において、前記張出部は前記軸方向に弾性変形可能である。
明細書に記載の吸込具において、前記張出部は、前記本体部との間に空間を有する。
【0015】
一態様に係る吸込具において、塵埃を吸引するための吸込具であって、回転可能な回転ブラシと、前記回転ブラシを回転駆動させる駆動部と、前記回転ブラシが収容される第1空間と、清掃面側に開口された吸込口を有し、前記第1空間と並べて設けられる第2空間と、前記第1空間および前記第2空間を構成する内壁と、前記第2空間の前記内壁に設けられた連通口を介して、前記第2空間と連通するパイプと、前記内壁は、前記回転ブラシの軸方向に沿って延び、前記第1空間と前記第2空間との間を区画する壁部を有し、前記壁部は、前記回転軸よりも前記清掃面側に向かって連続的に延伸しており、前記第1空間と前記第2空間とが前記壁部よりも前記清掃面側で連通する連通部を有する。
一態様に係る吸込具において、前記壁部は前記連通口と対向する。
一態様に係る吸込具において、前記壁部は、前記連通口と対向する位置に配される第1壁部と、前記第1壁部に対して、前記軸方向の両側に配される第2壁部とを含み、前記第2壁部は、前記第1壁部よりも清掃面側に突出している。
一態様に係る電気掃除機において、上記の吸込具と、電動送風機を有し、前記吸込具と連通する掃除機本体とを備える。
【0016】
<第1の実施形態>
【0017】
1.電気掃除機
【0018】
図1に示される通り、電気掃除機ユニット1は、電気掃除機3および掃除機支持装置5を備える。電気掃除機3は、吸込具310、掃除機本体340および取手具390をこの順で備える、いわゆるスティック型の掃除機である。電気掃除機3は、補助集塵具450を取手具390側から取り出し自在に収容する収容部410を備える。収容部410は、掃除機本体340に装着される。電気掃除機3は、掃除機支持装置5から充電される携帯型である。
ここで、電気掃除機3における吸込具310、掃除機本体340および取手具390がこの順で並ぶ方向を軸方向(Z)とし、吸込具310の吸込口323(回転ブラシ319の回転軸)が延伸する方向を幅方向(X)とし、軸方向と幅方向とに直交する方向(回転ブラシ319の進行する方向)を奥行方向(Y)とする。
【0019】
1-1.掃除機本体
【0020】
掃除機本体340は、円筒状筐体341を備える。円筒状筐体341は、第1円筒部分343、円筒状の拡張部分363および第2円筒部分373を備える。拡張部分363は、第1円筒部分343と第2円筒部分373の間に位置し、第1円筒部分343および第2円筒部分373と共通の中心軸を有する。第1円筒部分343は、第2円筒部分373と同じ外径を有する。拡張部分363は、第1円筒部分343および第2円筒部分373のそれぞれの外径よりも大きな外径を有する。このように、掃除機本体340は、取手具390側から吸込具310側に移る途中に外周寸法の大きい拡張部分363を有する。拡張部分363は、外周面365のほか、第1円筒部分343と連なる取手具390側の端面369および第2円筒部分373と連なる吸込具側の端面371を有する。端面369および端面371は、いずれもテーパー状である。
【0021】
なお、掃除機本体340の形状は、これに限らず、取手具390側から吸込具310側まで一定の外径でもよく、取手具390側から吸込具310側に移る途中に外径寸法の小さな縮小部分を有してもよい。また、掃除機本体340の形状は、円筒状に限らず、例えば、断面三角形、断面四角形、断面六角形、断面八角形などの断面多角形の筒状、または、これらの組み合わせ、あるいは、非対称形状の筒状でもよい。
【0022】
掃除機本体340は、例えば、電動送風機、バッテリー、回路モジュール、集塵パック取付部、インジケータ377などの部品を備える。これらの部品は、円筒状筐体341内に収容される。例えば、第1円筒部分343は、バッテリー、回路モジュールおよびインジケータ377を収容する。拡張部分363は、電動送風機を収容する。第2円筒部分373は、集塵パック取付部および集塵パックを収容する。バッテリーは、回路モジュールを介して商用電源から受けた電力を蓄積する。バッテリーは、蓄積された電力を、回路モジュールを介して電動送風機に供給する。電動送風機は、塵埃を吸引するための負圧を生成する。集塵パック取付部は、吸引された塵埃を蓄積する集塵パックを着脱可能に取り付ける。回路モジュールは、バッテリーの充放電制御、電動送風機の駆動制御、および、インジケータ377の表示制御を実行する。インジケータ377は、例えば、バッテリー残量、運転モード、集塵パックの充填率などの各種情報を提示する。第1円筒部分343は、その外周面349に長円窓351を有する。インジケータ377は、長円窓351を通じて外部に視認可能に配される。インジケータ377は、表示機能のみならず、操作機能を備えてもよい。操作機能は、一例として、ON/OFFボタンである。これにより、取手具390を取り外した場合でも、電気掃除機3の操作が可能となる。
【0023】
掃除機本体340は、取手具390を着脱可能に取り付けるための取付け手段を有する。取付け手段の一例である係合部は、取手具390に内嵌されているため、
図1には現れていない。取手具390側の取付ボタン375の操作により、取手具390側の係合凸部が掃除機本体340側の係合凹部に係合する。取付け手段は、これに限らず、ねじでもよい。
【0024】
掃除機本体340は、収容部410を着脱可能に取り付けるための取付構造を有する。これの詳細については、後述することとする。
【0025】
1-2.取手具
【0026】
取手具390は、閉塞された上面と開放された下面を有する円筒状筐体391を備える。円筒状筐体391は、取付ボタン375を操作するための貫通孔395を有する。取付ボタン375は、貫通孔395を通じて円筒状筐体391の外部に露出している。取付ボタン375を円筒状筐体391の内部へ押し込むと、係合凹部と係合凸部との係合を解除できる。これにより、円筒状筐体391、ひいては取手具390を、掃除機本体340から取り外すことができる。なお、取手具390は、これ以外の手法で掃除機本体340に着脱可能に取り付けられてもよい。また、取手具390は、着脱不能に掃除機本体340に取り付けられていてもよい。例えば、取手具390は、掃除機本体340に一体的に形成されてもよい。
【0027】
取手具390の外形は、円筒状に限らず、例えば、断面三角形、断面四角形、断面六角形、断面八角形などの断面多角形の筒状、または、これらの組み合わせ、あるいは、非対称形状の筒状でもよい。
【0028】
円筒状筐体391は、掃除機本体340の第1円筒部分343の外径よりも小さな外径を有する。そのため、取手具390と掃除機本体340の間に、第1円筒部分343のテーパー面347および上面345からなる段差部分359が形成される。
【0029】
取手具390は、操作モジュール397を備える。操作モジュール397は、円筒状筐体391に設けられた長円窓393を通じて外部からアクセス可能となっている。操作モジュール397は、例えば、電気掃除機3の運転開始、運転停止および吸引力調整にそれぞれ割り当てられたボタンを含む。
【0030】
取手具390は、収容部410に収容されている補助集塵具450を保持する保持部399を備える。これの詳細については、後述することとする。
【0031】
1-3.吸込具
【0032】
吸込具310は、
図2に示される通り、その底部に吸込口323を有する。吸込口323は、その内部に回転ブラシ319を収容する。
【0033】
吸込具310は、内部に、掃除機本体340の第2円筒部分373と吸込具310の吸込口323とを連結する集塵パイプを有する。内壁315は、この集塵パイプに連なる連通口317を有する。吸込口323から吸い込まれた塵埃は、連通口317および集塵パイプを通じて第2円筒部分373に収容された集塵パックに送られる。
【0034】
吸込具310は、底部カバー313上に3つのローラー321を備える。これらにより、吸込具310は、例えば床などの清掃対象面上で円滑に走行できる。
【0035】
1-4.収容部
【0036】
収容部410は、
図1に示される通り、補助集塵具450を収容するための開口433を有する。補助集塵具450は、取手具390側から取り出し自在に収容部410に収容される。より詳細には、収容部410は、開口433が取手具390側に向いた有底筒状をしている。これにより、電気掃除機3の利用中に、補助集塵具450を容易に取り出すことができる。電気掃除機3は、上述の通り、電動送風機を駆動するためのバッテリーを内蔵している。そのため、電気掃除機3は、高い機動性を有する。このような機動性の高い電気掃除機3が、補助集塵具450を収容する収容部410を備える。したがって、補助集塵具450の機動性の高さを阻害することなく、補助集塵具450を利用しながら電気掃除機3による清掃を行うことができる。
【0037】
収容部410は、
図3に示される通り、第1側面部411、第2側面部415、背面部419、前面部425および底面部431を備える。
【0038】
第1側面部411は、第2側面部415と略平行である。第1側面部411は、第2側面部415に対向する対向面に2つの縦長の突出片413を有する。ここで「縦」とは、収容部410の筒軸に沿う方向をいう。2つの突出片413は、対向面の上下2か所にそれぞれ配されている。
図3には現れていないが、同様に、第2側面部415は、第1側面部411に対向する対向面に2つの縦長の突出片413を有する。突出片413は、前側から収容部410を見たときに、縦長の矩形状をしている。4つの突出片413は、収容部410の四隅に近い部位にそれぞれ設けられる。これにより、収容部410を第1円筒部分343に安定的に固定できる。なお、突出片413の形状および位置は、これに限らず、前面部425が第1円筒部分343に対向して取り付けられるよう、一方に係合部が設けられ、他方に被係合部が設けられていればよい。例えば、突出片413が、前面部425からL字状に突出していてもよい。
【0039】
前面部425は、掃除機本体340の第1円筒部分343の外周面349に適合する凹面形状を有する。前面部425は、2つの縦長の突条部427と、1つの横長の係合凸部429とを有する。ここで「横」とは、収容部410の筒軸に垂直な方向(周方向)をいう。
【0040】
背面部419は、前面部425に対して略平行な平行部分421と、前面部425に対して傾斜した傾斜部分423とを有する。傾斜部分423は、開口433の面積を拡張するためにある。つまり、傾斜部分423は、開口側拡がりに傾斜している。開口433の面積の拡張により、補助集塵具450のヘッド部451を容易に収容部410に挿入することができる。また、補助集塵具450を収容部410から取り出すときに、柄部457を取手具390から離れるように傾斜させることができる。傾斜部分423は、開口433から底面部431に向かって収容部410の内部空間を次第に狭くするためにある。これにより、補助集塵具450のヘッド部451を、開口433から底面部431まで円滑に移動させることができる。なお、背面部419は、これに限られず、全面的に前面部425と略平行としてもよい。また、背面部419の傾斜に代えて、または、これに加えて、第1側面部411および/または第2側面部415が、底面部431側から開口433側に向かうに従って幅拡がりになっていくよう傾斜されていてもよいし、この場合に底面部431から途中まで緩やかな幅拡がりで、その途中から開口433側で、それまでより幅拡がりになるよう傾斜してもよい。
【0041】
図3に示される通り、掃除機本体340の第1円筒部分343は、その外周面349に、4つの縦長の案内溝353を有する。ここで「縦」とは、第1円筒部分343の筒軸に沿う方向をいう。4つの案内溝353は、収容部410の4つの突出片413をそれぞれ受け入れ、収容部410を適切な位置に案内する。
【0042】
第1円筒部分343は、その外周面349に、4つの縦長の突出片355を有する。4つの突出片355は、4つの案内溝353の脇であって、それよりも後方にそれぞれ配され、収容部410の4つの突出片413とそれぞれ係合可能である。具体的には、突出片355が突出片413に係合したとき、突出片355の前面が突出片413の後面に当接する。収容部410(突出片413)が案内溝353に沿って案内溝353の下端までスライドすると、収容部410の4つの突出片413が、第1円筒部分343の4つの突出片355にそれぞれ係合する。これにより、収容部410の第1円筒部分343の筒軸方向以外の方向への移動が規制される。
収容部410が第1円筒部分343に取り付けられた状態では、第1側面部411および第2側面部415の前端が第1円筒部分343の外周面349に近接している。このため、収容部410と第1円筒部分343との間に埃が入るのを防止できる。また収容部410と第1円筒部分343の一体感を出せる。
【0043】
これにより、収容部410は、第1円筒部分343、ひいては掃除機本体340に着脱可能に取り付けられる。したがって、収容部410を掃除機本体340から取り外して収容部410を掃除できる。
【0044】
第1円筒部分343は、その外周面349に、1つの横長の係合凹部357を有する。ここで「横」とは、第1円筒部分343の筒軸に垂直な方向(周方向)をいう。係合凹部357は、収容部410の係合凸部429に係合可能である。収容部410(突出片413)が案内溝353に沿って案内溝353の下端までスライドすると、係合凸部429が係合凹部357に係合される(嵌る)。これにより、収容部410の第1円筒部分343の筒軸方向への移動が規制される。ただし、係合凸部429と係合凹部357との係合は、比較的緩めに設計されている。そのため、収容部410の意図的で強制的なスライドにより、係合凸部429と係合凹部357との係合を解除できる。これにより、収容部410の第1円筒部分343への着脱を可能としつつ、収容部410の第1円筒部分343からの非意図的な脱落を防止または低減できる。
【0045】
収容部410の前面部425は、上述の通り、縦長の突条部427を有する。これらの突条部427は、収容部410の前面部425と第1円筒部分343の外周面349との間にクリアランスを形成する。収容部410は、前面部425ではなく、突条部427で第1円筒部分343に接触する。これにより、収容部410の第1円筒部分343への接触面積を低減でき、その結果、収容部410の第1円筒部分343上でのスライドを円滑にできる。
【0046】
収容部410は、
図4に示される通り、第1円筒部分343に取り付けられる。収容部410の底面部431は、掃除機本体340の拡張部分363における取手具390側の端面369に沿う。これにより、収容部410と掃除機本体340の一体感を出すことができる。
【0047】
図4に示される通り、収容部410の背面部419と掃除機本体340の中心軸Cとの間の奥行方向(Y)の寸法を寸法L1と定義する。掃除機本体340の拡張部分363の外周面365と掃除機本体340の中心軸Cとの間の奥行方向(Y)の寸法を寸法L2と定義する。配線カバー367の背面部と掃除機本体340の中心軸Cとの間の奥行方向(Y)の寸法を寸法L3と定義する。寸法L1は、寸法L2と同じまたはそれより大きい。また、寸法L1は、寸法L3と同じまたはそれより大きい。すなわち、掃除機本体340の中心軸Cに垂直な寸法であって、中心軸Cについて外周面349における収容部410の取付部分から離れる奥行方向(Y)における寸法L1が、拡張部分363の寸法L2と同程度以上である。言い換えると、収容部410は、掃除機本体340の拡張部分363に対して奥行方向(Y)に面一または突出している。
なお、第1円筒部分343の中心軸Cが、拡張部分363の中心軸Cからずれており、これにより、収容部410が、拡張部分363に対して奥行方向(Y)に面一または引込んでいてもよい。
配線カバー367は、内部に、コネクタ379(
図5参照)と第1円筒部分343内のバッテリーとを接続する配線を収容する。配線カバー367は、拡張部分363の外部に露出しているが、これに限らない。例えば、配線カバー367を拡張部分363の内部に収容してもよい。
【0048】
図5に示される通り、収容部410の第1側面部411と第2側面部415の間の幅方向(X)の寸法を寸法W1と定義する。掃除機本体340の拡張部分363の幅方向(X)の寸法を寸法W2と定義する。寸法W1は、寸法W2と同じまたはそれより小さい。すなわち、掃除機本体340の中心軸Cに垂直な寸法であって、奥行方向(Y)に垂直な幅方向(X)における寸法W1が、拡張部分363の寸法W2以下である。
【0049】
奥行方向の寸法および幅方向の寸法が上記関係を満たすことにより、収容部410と掃除機本体340の一体感を出すことができ、その結果、デザイン性を向上させることができる。また、収容部410は、掃除機本体340の拡張部分363に対して奥行方向(Y)に引込んでいてもよい。
【0050】
収容部410は、好ましくは、水洗い可能な材料からなる。収容部410の適宜の水洗いにより、収容部410を清潔に保つことができる。水洗い可能とは、水に対して化学的に安定であることをいう。例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートのような樹脂、スチール、アルミニウム合金およびステンレスのような金属、あるいは、セラミックスなどの非金属が利用可能である。
【0051】
上述の通り、収容部410は、第1円筒部分343から取り外すことができる。しかし、これに限らない。例えば、収容部410が第1円筒部分343の背面部分の一部と一体的に形成され、収容部410がその背面部分の一部と共に第1円筒部分343の前面部分から取り外されてもよい。
上述の通り、収容部410は、掃除機本体340に着脱可能に取り付けられる。しかし、これに限らず、収容部410は、掃除機本体340に着脱不能に取り付けられてもよい。収容部410は、掃除機本体340と一体的に形成されていてもよい。
【0052】
また、着脱可能な取付構造は、上記の構造に限られない。例えば、ナットとボルトの組のような締結手段を採用してもよい。永久磁石と磁性体金属の組のような磁気的手段を採用してもよい。また、吸盤のような吸引手段を採用してもよい。
【0053】
収容部410は、底面部431に1または複数の穴を有してもよい。これにより、塵埃が収容部410の内部空間に蓄積するのを防止または低減できる。逆に、収容部410は、穴無しの底面部431を採用してもよい。これにより、塵埃が収容部410の内部空間から漏出するのを防止できる。
【0054】
1-5.保持部
【0055】
保持部399は、
図1に示される通り、取手具390に設けられる。保持部399は、収容部410に収容されている補助集塵具450を保持する。詳細には、保持部399は、取手具390における掃除機本体340近傍に位置する。上述の通り、掃除機本体340は、取手具390側に段差部分359を有する。保持部399は、この段差部分359付近に位置するので、物が保持部399に引掛るのを防止できる。また、ユーザーが補助集塵具450の柄部457を持って補助集塵具450を収容部410から取り出す際にも邪魔になりにくい。
【0056】
保持部399は、詳細には、
図6に示される通り、一対の板状部401を備える。一対の板状部401は、吸込具310、掃除機本体340および取手具390が並ぶ方向(Z:軸方向)と直交する奥行方向(Y)に延伸する。各板状部401は、軸方向(Z)に長い矩形状をしている。これにより、補助集塵具450の柄部457をしっかり保持することができる。各板状部401の奥行方向(Y)の先端は、第1円筒部分343の外周面349より出ていない。これにより、収容部410の着脱のために収容部410をスライドさせたとき、各板状部401が収容部410に干渉することを防止できる。各板状部401は、互いに対向する対向面403を有する。これにより、補助集塵具450の柄部457を対向面403間に位置させたとき、柄部457の幅方向(X)の移動を規制することができる。保持部399は、一対の縦長の凸部405を備える。各凸部405は、それぞれ板状部401の対向面403から相手方に向けて突出する。各凸部405は、板状部401の奥行方向(Y)先端部に設けられている。
【0057】
保持部399は、
図7に示される通り、補助集塵具450を保持し、より詳細には補助集塵具450の柄部457を保持する。柄部457は、第1部分459および第2部分463を有する。第1部分459の幅方向(X)の寸法を寸法W3と定義する。第2部分463の幅方向(X)の寸法を寸法W4と定義する。寸法W3は、寸法W4よりも大きい。
【0058】
保持部399の間隔G1は、補助集塵具450の第1部分459の寸法W3よりも大きい。これにより、保持部399は、その一対の板状部401の間に、第1部分459を配することができる。保持部399の間隔G2は、補助集塵具450の第1部分459の寸法W3よりも小さい。これにより、保持部399は、第1部分459の奥行方向(Y)への移動を規制することができる。すなわち、補助集塵具450が保持部399から奥行方向(Y)に脱離するのを防止または低減できる。保持部399の間隔G2は、補助集塵具450の第2部分463の寸法W4よりも大きい。これにより、第2部分463の屈曲部分465は、保持部399の凸部405間を通過できる。
【0059】
補助集塵具450は、軸方向(Z)に沿うスライドにより、保持部399に着脱可能に取り付けられる。保持部399の各板状部401は、その厚み方向(X)に弾性変形可能としてもよい。これにより、補助集塵具450の奥行方向(Y)の移動によっても、補助集塵具450を着脱することができる。特に、凸部405は、その先端が先細り状である。これにより、補助集塵具450の奥行方向(Y)の移動による着脱を容易にできる。
【0060】
保持部399は、清掃時における補助集塵具450のガタつきを防止する。保持部399は、また、電気掃除機3の収納時における補助集塵具450の紛失を防止する。
【0061】
保持部399は、補助集塵具450を着脱可能に保持できれば、上記構造に限られない。例えば、ナットとボルトの組のような締結手段を採用してもよい。永久磁石と磁性体金属の組のような磁気的手段を採用してもよい。また、吸盤のような吸引手段を採用してもよい。
各板状部401の形状は、軸方向(Z)に一定の長さを有していれば、矩形状に限らない。例えば、半円形状、台形状、三角形状でもよい。台形状および三角形状の場合、上端から下端に向けて奥行方向(Y)の寸法が大きくなるものでもよく、その逆でもよい。
【0062】
保持部399は、取手具390ではなく、掃除機本体340に設けられてもよい。2つの保持部399が、取手具390および掃除機本体340の両方にそれぞれ設けられてもよい。1つの保持部399が、取手具390および掃除機本体340の両方にまたがっていてもよい。
【0063】
1-6.補助集塵具
【0064】
補助集塵具450は、モップ、埃取り、ブラシ、ほうき、たわし、などの清掃用具である。補助集塵具450は、
図8に示される通り、ヘッド部451および柄部457を備える。ヘッド部451は、ヘッド本体453および取付手段(一例として取付ボタン455)を備える。柄部457は、第1部分459および第2部分463を備える。
【0065】
柄部457の第2部分463は、取付ボタン455を係合するための係合孔467を有する。取付ボタン455は、係合孔467を通じて第2部分463の外部に露出している。取付ボタン455は、ばね力により付勢されることにより係合孔467との強固な係合を実現している。一例として、板部分にU字状の切込みが形成され、取付ボタン455は、そのU字の内部部位に設けられている。U字の内部部位は、板部分のそれ以外の部分に対して板厚方向に弾性変形可能である。これによりばね力を発生させることができる。ばね力に対抗して取付ボタン455を第2部分463の内部へ押し込むと、取付ボタン455と係合孔467との係合を解除できる。これにより、ヘッド本体453、ひいてはヘッド部451を、第2部分463、ひいては柄部457から取り外すことができる。なお、ヘッド部451は、これ以外の手法で柄部457に着脱可能に取り付けられてもよい。例えば、柄部457とヘッド部451がネジにより取り付けられてもよい。また、ヘッド部451は、着脱不能に柄部457に取り付けられていてもよい。例えば、ヘッド部451は、柄部457に一体的に形成されてもよい。
【0066】
柄部457の第1部分459は、
図9に示される通り、断面略四角形の筒状である。第1部分459は、互いに対向する一対の側面に、内部空間に向けて突出した突条部461を有する。柄部457の第2部分463は、断面略四角形の筒状であり、第1部分459に内嵌される。第2部分463は、互いに対向する一対の側面に、突条部461に適合する案内溝469を有する。このように、第2部分463は、第1部分459に対してスライド可能に取り付けられている。すなわち、柄部457は、伸縮可能である。これにより、補助集塵具450の収容部410への収容時には、柄部457を縮ませ、補助集塵具450の使用時には、柄部457を伸ばすことができる。
【0067】
柄部457は、
図7に示される通り、屈曲部分465を有する。また、上述の通り、掃除機本体340の第1円筒部分343は、テーパー面347および上面345により形成される段差部分359を有する。補助集塵具450が収容部410に収容され、かつ、保持部399に保持されている状態では、屈曲部分465は、段差部分359に沿う。これにより、デザインの一体感を出すことができる。
【0068】
2.掃除機支持装置
【0069】
図1に示される通り、電気掃除機ユニット1は、電気掃除機3および掃除機支持装置5を備える。掃除機支持装置5は、電気掃除機3を支持する。ここでの掃除機支持装置5は、電気掃除機3に内蔵されたバッテリーを充電する充電ステーションである。掃除機支持装置5は、電気掃除機3の吸込具310を載置するための吸込具載置台510、および、電気掃除機3の掃除機本体340を支える支柱540を備える。
【0070】
2-1.吸込具載置台
【0071】
吸込具載置台510は、
図10に示される通り、吸込具310が載置される載置部511および載置部511に連なる前面部521を有する。吸込具載置台510は、載置部511の下方に内部空間525を有する。前面部521は、内部空間525に連通する挿入口523を有する。挿入口523は、補助集塵具450のヘッド部451を受け入れ可能である。載置部511は、内部空間525に連通する1または複数(
図10に示される例では、7つ)の連通口513を有する。各連通口513は、奥行方向(Y)に長い略四角形状である。複数の連通口513は、幅方向(X)に配列されている。これらの連通口513は、電気掃除機3の吸込具310が載置部511上に適切に載置されたとき、吸込具310の底部の吸込口323に対向する。換言すると、電気掃除機3のスイッチをオンしたとき、内部空間525内の空気および塵埃を吸引できるように連通口513が設けられている。
連通口513の形状は略四角形状に限らない。例えば、円形状、長円状、三角形状、六角形状でもよい。連通口513の数量は7つに限らない。1つでもよく、7以外の複数でもよい。ただし、1つの大きな孔よりも複数の小さな孔にしたほうが、孔を通過する流体の流速を大きくでき、塵埃の取り残しを防止または低減できる。
【0072】
電気掃除機3は、掃除機支持装置5に支持された状態で、電動送風機を駆動できる。このとき、電気掃除機3は、吸込具載置台510の内部空間525内の空気および塵埃を、連通口513を通じて吸引する。一方、吸込具載置台510の内部空間525は、挿入口523を通じて補助集塵具450のヘッド部451を受け入れ可能である。ヘッド部451に付着した塵埃は、連通口513を通じて電気掃除機3に吸引される。これにより、補助集塵具450のヘッド部451を清掃できる。
【0073】
載置部511は、内部空間525に突出する1または複数(
図10に示される例では、6つ)の突出部515を有する。各突出部515は、隣り合う連通口513の間に配されている。例えば、補助集塵具450は、そのヘッド部451に多数の羽または繊維を含むモップである。補助集塵具450のヘッド部451が内部空間525内で動かされたとき、各突出部515は、ヘッド部451の羽または繊維の間に入り込み、それらに付着した塵埃をかき出す。これにより、ヘッド部451をよりきれいに清掃できる。
【0074】
複数の突出部515は、互いに平行に配されている。これにより、複数の連通口513を通過する空気の流れを整えることができ、その結果、効率的に塵埃を吸引できる。
【0075】
図10に示される通り、前面部521の挿入口523の高さ方向(Z)の寸法を寸法H5と定義する。挿入口523の幅方向(X)の寸法を寸法W5と定義する。挿入口523の面積は、寸法H5および寸法W5の積で求められる。一方、ヘッド部451の自然状態における高さ方向(Z)の寸法を寸法H6と定義する。ヘッド部451の自然状態における幅方向(X)の寸法を寸法W6と定義する。ここで、自然状態とは、ヘッド部451が圧縮力を受けていない状態をいう。ヘッド部451の断面積は、寸法H6および寸法W6の積で求められる。好ましくは、挿入口523は、ヘッド部451の断面積よりも小さな面積を有する。これにより、ヘッド部451が挿入口523の全体に充填される。挿入口523の不十分な充填による空気漏れを防止または低減でき、そのため、電気掃除機3による吸引力を有効活用できる。
【0076】
図11に示される通り、内部空間525におけるヘッド部451が挿入可能な領域の奥行方向(Y)の寸法を寸法L5と定義する。
図10に示される通り、ヘッド部451の挿入方向(Y)の寸法を寸法L6と定義する。寸法L5は、寸法L6よりも小さい。これにより、ヘッド部451が最奥まで挿入されたとしても、ヘッド部451が挿入口523の全体に充填される状態を維持できる。したがって、電気掃除機3による吸引力を有効活用できる。
吸込具載置台510は、T字状をしており、後方に延伸する延伸部分に支柱540が立設されている。この延伸部分も利用して、内部空間525が形成されている。これにより、吸込具載置台510をスリムに形成しながら、内部空間525の奥行方向(Y)の寸法を十分に確保できる。また、延伸部分が幅方向(X)の中央なので、支柱540のバランスをよくできる。
【0077】
なお、空気漏れの影響が無いまたは小さい場合もある。この場合、寸法L5は、寸法L6と同じまたはそれより大きくてもよい。これにより、ヘッド部451を全体的に清掃できる。
【0078】
図12に示される通り、吸込具載置台510は、位置決め部527を載置部511に備える。位置決め部527は、電気掃除機3の吸込具310の適切な位置への配置を補助する。吸込具310が適切な位置に配置されることで、吸込具310の吸込口323が、載置部511の1または複数の連通口513に対向する。位置決め部527は、載置部511の前端に位置する第1突出片529を含む。載置部511は、その前端よりも後端が高くなるように傾斜している。位置決め部527は、吸込具310が前方に転がり落ちないためのストッパーとしても働く。第1突出片529は、吸込具310が載置部511に載置されたとき、吸込具310の上部カバー311の前端に当接し、吸込具310の奥行方向(Y)の移動を規制する。位置決め部527は、載置部511の奥行方向(Y)における中間部であって、連通口513の後端に位置する2つの第2突出片531を含む。各第2突出片531は、吸込具310が載置部511に載置されたとき、吸込具310の内壁315に当接し、吸込具310の奥行方向(Y)および幅方向(X)の移動を規制する。
【0079】
なお、第1突出片529および第2突出片531は、吸込具310と載置部511との隙間の流体インピーダンスを高める部材でもある。これらにより、吸込具310と載置部511の隙間を通じた空気漏れを防止または低減でき、その結果、電気掃除機3による吸引力をヘッド部451の清掃に有効活用できる。
なお、吸込具310は、吸込具310の両側面に吸込口323に連通する溝329を有する。この溝329を通じて横方向からも空気を吸引することができる。吸込具載置台510の第2突出片531は、この溝329を塞ぐ機能を有することとしてもよい。これにより、溝329を通じた空気漏れを防止または低減できる。
【0080】
図12に示される通り、吸込具310の底部の吸込口323は、回転ブラシ319が存在する第1領域325、および、回転ブラシ319と内壁315の間の第2領域327を含む。第2領域327は、第1領域325に奥行方向(Y)に隣接する。吸込口323の第1領域325は、回転ブラシ319を含むので、比較的高い流体インピーダンスを有する。逆に、吸込口323の第2領域327は、回転ブラシ319を含まないので、比較的低い流体インピーダンスを有する。したがって、空気は、主に第2領域327を通じて吸引される。すなわち、第2領域327は、第1領域325よりも塵埃を円滑に吸引することができる。
【0081】
一方、
図11に示される通り、載置部511の各突出部515は、第1ブレード部分517および第2ブレード部分519を有する。第2ブレード部分519は、第1ブレード部分517よりも、高さ方向(Z)において大きな寸法を有する。したがって、第2ブレード部分519は、第1ブレード部分517よりも多くの塵埃をかき出すことができる。
【0082】
このように、第2領域327の下部で多くの塵埃がかき出されるため、内部空間525での塵埃の吸い残しを防止または低減できる。
なお、突出部515の形状は、上記の形状に限らず、前端から後端まで一定の高さでもよい。また、前端から後端に向かい次第に高さを増すこととしてもよく、逆に、前端から後端に向かい次第に高さを減ずることとしてもよい。
位置決め部527は、上記の構成に限らず、吸込具310の外周に沿って全周設けられてもよい。また、載置部511から突出した突出片ではなく、吸込具310の形状に適合する載置部511から凹んだ凹部としてもよい。
また、挿入口523は、前面部521ではなく、側面部に設けられてもよい。
【0083】
2-2.支柱
【0084】
支柱540は、
図1に示される通り、吸込具載置台510の後端に配される。支柱540は、その上部にテーパー面541および凹面543を有する。テーパー面541は、掃除機本体340の拡張部分363の端面371に適合する。凹面543は、掃除機本体340の第2円筒部分373の外周面に適合する。掃除機本体340は、テーパー面541および凹面543により保持され、立った状態で維持される。
【0085】
支柱540は、好ましくは、電気掃除機3のバッテリーを充電する充電機構545を備える。充電機構545は、例えば、支柱540内に設けられた回路モジュール547と、テーパー面541に設けられたコネクタ受け部549とを含む。回路モジュール547は、例えば、商用電源の交流電力からバッテリーの充電に適した直流電力を生成する。コネクタ受け部549は、掃除機本体340に設けられたコネクタ379(
図5参照)に適合し、回路モジュール547とバッテリーとを電気的に接続する。支柱540は、掃除機本体340を立った状態に維持しながら、掃除機本体340の内部のバッテリーを充電できる。バッテリーの充電中においても、電気掃除機3は、スイッチオンされると電動送風機を駆動するように設計されている。
【0086】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る電気掃除機ユニット1001は、
図13に示される通り、電気掃除機1003および掃除機支持装置1005を備える。
電気掃除機1003は、吸込具1310、掃除機本体340および取手具390をこの順で備える、いわゆるスティック型の掃除機である。
なお、第2の実施形態においても、幅方向(X)、奥行方向(Y)および軸方向(Z)は、第1の実施形態と同じ定義である。
電気掃除機1003は、第1の実施形態と同様に補助集塵具450を取手具390側から取り出し自在に収容する収容部410を備える。収容部410は掃除機本体340に装着される。電気掃除機1003は掃除機支持装置1005から充電される。
掃除機支持装置1005は、電気掃除機1003の吸込具1310を載置するための吸込具載置台1510、および、電気掃除機3の掃除機本体340を支える支柱540を備える。
第2の実施形態では、主に、電気掃除機1003の吸込具1310の一部と掃除機支持装置1005の吸込具載置台1510とが第1の実施形態と異なる。このため、これらの相違点を中心に以下説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成について、同じ符号を用い、その構成の説明は省略する。
【0087】
1.吸込具
吸込具1310は、
図14の(a)に示される通り、底部の吸込口1323を介して外部と連通する吸込空間1312を内部に有している。吸込空間1312は、当該空間を構成する内壁1315の連通口1317を介して集塵パイプ1320の内部と連結される(連通する)。なお、集塵パイプ1320は、掃除機本体340の第2円筒部分373(の内部空間)に着脱可能に連結される。
【0088】
1-1.吸込口
吸込口1323は、第1領域1325および第2領域1327を含み、吸込空間1312は、第1領域1325の裏側に存在する第1空間1314、および、第2領域1327の裏側に存在する第2空間1316を有する。
なお、第1空間1314の引き出し線は、第1領域1325、回転ブラシ319および内壁1315等の引き出し線と区別するために、その先端を矢印としている。同様に、第2空間1316の引き出し線は、第2領域1327および内壁1315等の引き出し線と区別するために、その先端を矢印としている。
【0089】
第1空間1314は、
図14の(a)に示される通り、幅方向(X)に長い円柱状に近い形状をしている。第1空間1314には、幅方向(X)に長く且つ幅方向を回転軸とする回転ブラシ319が収容されている。
第2空間1316は、第1空間1314(回転ブラシ319)と連通口1317との間に存在している。これにより、回転ブラシ319により掻き出された塵埃は第2空間1316から連通口1317に向かう。
つまり、吸込具1310は奥行方向(Y)に隣接して2つの空間を有し、その一方が回転ブラシ319を収容する第1空間1314であり、他の方が旋回気流を生じさせる第2空間1316である。
回転ブラシ319は1個または複数個のブラシが回転軸に例えばスパイラル状に設けられてなる。なお、ブラシは、ゴム材料等の板状体を利用してもよいし、樹脂等の複数本の繊維状体を利用してもよい。繊維状体を利用する場合、繊維状体の全部又は一部として、例えばアクリル繊維やナイロン繊維に硫化銅を化学結合させた有機導電性繊維等の除電繊維を利用してもよい。
【0090】
図14の(b)に示される通り、第2空間1316における幅方向(X)の中間部分は、その横断面形状が幅方向(X)において変化しないストレート部1316aとなっている。第2空間1316における幅方向(X)の両側部分は、横断面形状が略同じでその面積が端に向かうにしたがって徐々に小さくなるテーパー部1316bとなっている。
第2空間1316における幅方向(X)と直交する断面の形状(内壁形状)は、円形状又は円形状に似た形状における清掃面側が欠けたような形状をしている。
【0091】
図14に示される通り、連通口1317は、第2空間1316であって第1空間1314と反対側に位置するように設けられている。第2空間1316の断面形状および連通口1317の位置を上記のように構成することで、第2空間1316内に旋回気流が発生しやすくなる。また、第2空間1316は第1空間1314と区画壁1315aで区画されているため、回転ブラシ319により旋回気流の発生が妨げられない。なお、テーパー部1316bにおける幅方向(X)の端部は溝329を介して外部と連通している。
連通口1317は幅方向(X)に長い形状をしている。つまり、回転ブラシ319の軸心に沿って長い形状をしている。連通口1317は第2空間1316におけるストレート部1316aに設けられている。
【0092】
第1空間1314と第2空間1316との間には、第1空間1314側に張り出す張出部1318を有している。ここでの張出部1318は、吸込空間1312を構成する底部カバー1313とは異なる張出部材により構成されている。
第1空間1314と第2空間1316とを区画する区画壁1315aが内壁1315に含まれ、区画壁1315aにおける幅方向(X)の中間部分の欠け部に張出部材が着脱可能に取り付けられている。
【0093】
張出部1318は回転ブラシ319に接触可能に設けられている。張出部1318は、
図15に示される通り、回転ブラシ319の回転方向(図中の矢印方向である)と逆方向に張り出している。つまり、接触することで回転ブラシ319のブラシを起こす方向に張り出している。これにより、吸込口1323の周辺で回転ブラシ319により掻き取られた塵埃が回転ブラシ319から離れる。ここでの張出部1318は、例えばゴム材料により構成されている。これにより、回転ブラシ319の過度な消耗を抑制できる。なお、張出部1318を除電可能な材料で構成して、静電気により塵埃の吸着を防止するようにしてもよい。
なお、回転ブラシ319から離れた塵埃は隣接する第2空間1316側に吸引された後、連通口1317から集塵パイプ1320を経由して掃除機本体340に吸引される。
【0094】
張出部1318は、底側から吸込口1323を見たとき(つまり、
図14の(b)の状態である。)、幅方向(X)の中間部分に設けられている。張出部1318は、
図16の(b)に示される通り、第2空間1316におけるストレート部1316aの全長よりも長く、第2空間1316の全長よりも短い。本実施形態における張出部1318の全長は、ストレート部1316aの全長に両側の各テーパー部1316bの0(%)~50(%)を加えた長さになっているが、これに限定するものではなく、回転ブラシ319全体に合わせた長さになっていてもよい。
張出部1318の幅方向(X)の長さは、
図14の(b)に示される通り、連通口1317の幅方向の長さよりも長くなっている。
【0095】
張出部1318は、
図14の(b)に示される通り、第2空間1316を挟んで連通口1317に対向する。これにより、張出部1318により掻き取られた塵埃が効率よく連通口1317から吸引される。
張出部1318における軸方向(Z)の下端は、
図16の(b)および
図17に示される通り、清掃面に達しないように構成されている。これにより、張出部1318により掻き取られた塵埃が効率よく第2空間1316へ移動する。
張出部1318は、
図16の(b)に示される通り、区画壁1315aにおける幅方向(X)の端部の下端(清掃面側の端)よりも清掃面と反対側に位置している。つまり、張出部1318の下端は、清掃面を基準にしたときに、第2空間1316のテーパー部1316bを構成する区画壁1315aの下端よりも高くなっている。これにより、第2空間1316のテーパー部1316bでの密閉性を高めることができ、第2空間1316内において幅方向(X)の端から連通口1317に向かう旋回気流を強めることができる。
張出部1318における軸方向(Z)の下端は、
図15に示される通り、連通口1317の下端よりも高くなっている。
【0096】
1-2.集塵パイプ
(1)全体構成
集塵パイプ1320は、
図18に示される通り、第2空間1316に面して配される連通側パイプ1322と、掃除機本体340側に配される本体側パイプ1324と、連通側パイプ1322に対して本体側パイプ1324を幅方向(X)に平行なX軸と奥行方向(Y)に平行なY軸とを回転軸として回転可能に連結する連結パイプ1326とを備える。なお、連結パイプ1326は連結下パイプ1328と連結上パイプ1330とから構成される。
連通側パイプ1322の上流側開口は、底部カバー1313の内壁1315に設けられた開口に嵌合する固定状態で、底部カバー1313に装着される。なお、底部カバー1313に連通側パイプ1322が取り付けられると、連通側パイプ1322の上流側開口は連通口1317として機能する。
本体側パイプ1324の下流側端部は、掃除機本体340側との接続部として機能し、回転ブラシ319を駆動部(図示せず)により回転駆動させるために電気的にも接続する。
連結パイプ1326は、連通側パイプ1322に対してY軸周りに回転可能に連結されている。本体側パイプ1324は、連結パイプ1326に対してX軸廻りに回転可能に連結されている。集塵パイプ1320は、連結パイプ1326が連通側パイプ1322に対してY軸周りに回転するのを規制したり、その回転規制を解除したりする規制解除構造を有している。
【0097】
(2)連通側パイプと連結パイプ
連通側パイプ1322と連結パイプ1326との連結は、
図19の(a)に示される通り、連通側パイプ1322の下流側の円筒部1322aが、連結下パイプ1328の上流側端部の円筒状の嵌合部1328aに嵌合し、この状態で、「C」字状の固定具1331により固定される。
ここでの円筒部1322aは嵌合部1328a内に挿入するため、円筒部1322aの筒軸が回転軸であるY軸となり、連結パイプ1326が連通側パイプ1322に対して回転可能となる。この状態では、円筒部1322aは嵌合部1328aから抜ける。
【0098】
連通側パイプ1322は円筒部1322aに周方向に延伸する周溝1322bを有し、連結パイプ1326は嵌合部1328aにおいて円筒部1322aの周溝1322bに対応する部位に貫通孔1328b,1328c(
図18参照)を有している。「C」字状の固定具1331の凸部1331a,1331bが連結下パイプ1328の貫通孔1328b,1328cを挿通して、連通側パイプ1322の周溝1322b内に嵌る。これにより、連通側パイプ1322から連結パイプ1326(連結下パイプ1328)が外れるのを防止できる。
【0099】
詳細に説明する。
連結下パイプ1328の嵌合部1328aに固定具1331用に周方向に延伸する溝1328dを有し、溝1328dの底壁に貫通孔1328b,1328cが設けられている。具体的に、貫通孔1328b,1328cの位置は、固定具1331の凸部1331a,1331bの位置に対応している。なお、「C」字状の固定具1331は半円よりも長い円弧状をし、凸部1331aは円弧の略中央にあり、凸部1331bは円弧の両端にある。これにより、固定具1331が連結下パイプ1328から外れ難くできる。なお、固定具1331は、連結パイプ1326に固定されており、固定具1331だけで回転することはない。
【0100】
規制解除構造は、
図19に示される通り、連通側パイプ1322に設けられた被係合部1322cと、連結パイプ1326側(ここでは固定具1331である)に設けられた係合部1331cとから構成される。
被係合部1322cは、固定具1331が存在する側と反対側であって筒軸と平行な方向に凹入する凹部分1322dを有する。係合部1331cは、連通側パイプ1322側であって筒軸と平行な方向に突出する凸部分1331dを有する。凸部分1331dが凹部分1332dに係合する(嵌る)と、連結パイプ1326の連通側パイプ1322に対する回転が規制される。
なお、凹部分1322dおよび凸部分1331dは、係合方向とする直交する方向から見る(
図19の(c)である)と、その外観形状が円弧状をしている。これにより、回転規制の解除をスムーズに行うことができる。
【0101】
係合方向とする直交する方向から規制解除構造を見る(
図19の(c)である)と、被係合部1322cは、凹部分1322dから周方向に離れるにしたがって固定具1331から遠くなる傾斜部分1322eを凹部分1322dの両側に有している。これにより、係合部1331c(凸部分1331d)が被係合部1322cから周方向に離れた位置(回転規制されていない状態)にあっても、連結パイプ1326側の回転により、凸部分1331dが凹部分1322dにスムーズに係合する(嵌る)。
なお、被係合部1322cは、
図19の(a)および(b)に示される通り、円筒部1322aと同軸の外側円筒部1322fに設けられており、連結下パイプ1328の回転時の係合部1331cの軌道上に被係合部1322cが位置する。
【0102】
固定具1331は係合部1331cを筒軸と平行な方向に弾性変形可能に有する。具体的には、固定具1331は、「C」字状の本体部1331eから径方向の外方に逆「U」字状の張り出すU字部1331fを有し、このU字部1331fに係合部1331cが設けられている。
これにより、連結パイプ1326が連通側パイプ1322に対して回転した際に、係合部1331cが連通側パイプ1322と反対側に弾性変形し、凸部分1331dの凹部分1322dへの係合又は凹部分1322dからの係合解除をスムーズに行うことができる。
【0103】
固定具1331は、連通側パイプ1322が連結パイプ1326から外れるのを規制しているため、負荷が作用しても破損しない剛性(厚み)を有している。しかしながら、本体部1331eとの間に空間を有するU字部1331fに係合部1331cを設けることで、適度な負荷でU字部1331fが係合方向(ここでは連通側パイプ1322の円筒部1322aの筒軸方向と平行な方向である)に弾性変形し、凸部分1331dと凹部分1322dとの係合状態を解除し難くなることを防止できる。
このように、U字部1331fの構造を採用することで、本体部1331eとU字部1331fとの間の空間を適宜選択することで、凸部分1331dと凹部分1322dとの係合具合又は係合解除具合を調整できる。なお、凸部分1331dを設ける部位はU字部1331f以外の形状、例えば、L字部、O字部等の形状であってもよい。
【0104】
また、回転ブラシ319を回転駆動させる駆動部(図示省略)を吸込具1310内に備える。一般的には、吸込具1310の幅方向(X)の中央部分には連通側パイプ1322等があり、駆動部は吸込具1310の幅方向の中央から幅方向の片側にズレた状態で配されている。このため、使用時に吸込具1310を持ち上げると、駆動部の重みによる回転モーメントの影響で連通側パイプ1322側が連結パイプ13326に対して回転しようとする負荷が発生する。この回転の負荷に対してU字部1331fが弾性変形しない(係合状態が解除されない)ように構成することで、吸込具1310を持ち上げた際のぐらつきをなくすることができる。
【0105】
2.掃除機支持装置
掃除機支持装置1005は電気掃除機1003を支持する。ここでの掃除機支持装置1005は、電気掃除機1003に内蔵されたバッテリーを充電する充電ステーションである。掃除機支持装置1005は、
図13に示される通り、電気掃除機1003の吸込具1310を載置するための吸込具載置台1510、電気掃除機3(掃除機本体340)を支える支柱540を備え、吸込具載置台1510は、吸込具1310に代えて装着される隙間ノズル1007を保持するノズル保持部1535を有している。
【0106】
吸込具載置台1510は、
図20に示される通り、吸込具1310が載置される載置部511、載置部511に連なる前面部521、および、設置面に対向するベース部1530を有する。吸込具載置台1510は、載置部511の下方、つまり、載置部511とベース部1530との間に、補助集塵具450のヘッド部451を受け入れ可能な挿入口523を介して前方が開放する内部空間525を有する。載置部511は、内部空間525に連通する複数個の連通口513を回転ブラシ319の軸方向に沿って有する。載置部511は吸込具1310の位置決め部としての第1突出片529を載置部511に備える。
【0107】
ベース部1530は、載置部511側の面に設置面側に凹入する凹入部分1533を有し、当該凹入部分1533に除電部材、ここでは鉄板1534が配されている。なお、ベース部1530は挿入口523に補助集塵具450のヘッド部451がスムーズに挿入できるように案内部分1538を有する。案内部分1538は前方下がりの傾斜面により構成される。
鉄板1534は、補助集塵具450のヘッド部451に帯電した電荷を除電する機能を有する。鉄板1534は、設置面に近い位置に配され、電気掃除機1003を安定した状態で支持させる機能を有する。鉄板1534は、挿入口523の幅方向(X)の寸法より大きく、内部空間525を形成する側壁525aよりも内部空間525と反対側に延伸している。これにより、鉄板1534を固定するための特別な構成が不要となり、簡易に実施できる。
【0108】
吸込具載置台1510は、上方から吸込具載置台1510を見たときに、載置部511の後方にノズル保持部1535を有する。ここでのノズル保持部1535は、ベース部1530から張り出す張出部分1536と、張出部分1536から上方に延伸する筒部1537とから構成される。隙間ノズル1007はその筒部1071が筒部1537の外側に嵌合することで着脱可能に支持される。
張出部分1536は、載置部511又はベース部1530における幅方向(X)の寸法と、載置部511と支柱540とを合わせた奥行方向(Y)の寸法を2辺とする長方形領域内に収まるように設けられている。これにより、掃除機支持装置1005の設置面積を実質的に広めることなく、隙間ノズル1007を保持できる。
【0109】
<第3の実施形態>
第1の実施形態では、電気掃除機3の一対の板状部401により補助集塵具450の柄部457が挟持されるように保持されている。
しかしながら、第3の実施形態では、補助集塵具2450が電気掃除機2003に係合構造を利用して保持されている。以下、電気掃除機2003の保持部および補助集塵具2450について説明する。
【0110】
電気掃除機2003は、
図21に示される通り、補助集塵具2450を保持する保持部を有している。ここでの保持部は補助集塵具2450の柄部2457の被係合部分2458に係合する係合部分2399により構成される。
なお、係合関係は、補助集塵具の柄部の係合部分により、電気掃除機の被係合部分が係合される関係であってもよい。
【0111】
ここでは、補助集塵具2450の被係合部分2458は、柄部2457におけるヘッド部(451)と反対側の端部から逆「U」字状に延伸する逆U字状板部分2458aにより構成され、係合部分2399は、補助集塵具2450のヘッド部(451)と反対側に「L」状に延伸するL字状板部分2399aにより構成されている。
L字状板部分2399aが、逆U字状板部分2458aと柄部2457の端面2457aとで形成される貫通孔2460を通過して係合することで、補助集塵具2450の柄部2457が電気掃除機2003により支持される。
【0112】
係合部分2399は、拡大図に示される通り、L字状板部分2399aの先端部分に内側に突出する凸領域2399bを有している。これにより、逆U字状板部分2458aがL字状板部分2399aから抜けるのを防止している。
なお、係合部分は、凸領域2399bに代えて、L字状板部分が嵌合(しまり嵌め)するような溝を有してもよい。
【0113】
ここでの電気掃除機2003は、裏側に突出する凸部分2392を取手部2390に有している。これにより、電気掃除機2003の使用時に取手部1390が使用者の手から滑るようなことを少なくできる。
【0114】
図22に示される通り、補助集塵具2450の柄部2457は、第1の実施形態と同様に、筒状の第1部分2459と筒状の第2部分2463とを備える。第2部分2463は、第1部分2459の内部に挿入され、第1部分2459に対して伸縮可能に構成されている。
第1部分2459は長手方向の両側に貫通孔2459a,2459bを有している。第2部分2463は、長手方向におけるヘッド部(451)と反対側の貫通孔2463aから外側に突出する操作ボタン2464を有している。
操作ボタン2464は、第1部分2459の貫通孔2459a,2459bに嵌合し且つ第1部分2459および第2部分2463の厚み方向(内外方向)に出没可能に支持されたボタン部2466と、ボタン部2466を貫通孔2463aの内外方向に付勢する弾性ばね2468とを有する。
【0115】
電気掃除機2003の収容部410に補助集塵具2450を収容する際に、第2部分2463を第1部分2459内に挿入させて、ボタン部2466を第1部分2459の貫通孔2459aに嵌合させる。これにより、縮状態を維持でき、コンパクトに収容できる。
補助集塵具2450を使用する際には、ボタン部2466を第1部分2459の内側に押し込んで、ボタン部2466の貫通孔2459aへの嵌合状態を解除する。そして、第2部分2463を第1部分2459から引き出して、ボタン部2466を第1部分2459の貫通孔2459bに嵌合させる。これにより、第2部分2463が第1部分2459から引き出された長い状態で、使用できる。
なお、ここでの第1部分2459の貫通孔2459a,2459bは長手方向の両側に2個設けられているが、長手方向に間隔をおいて3個以上設けてもよい。これにより、より細かい長さ調整が可能となる。
【0116】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってよい。
また、実施形態や変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0117】
<変形例>
【0118】
(1)上記実施形態では、電気掃除機ユニット1は、補助集塵具450を収容する収容部410と、掃除機支持装置5の補助集塵具450を清掃するための構造(挿入口523、内部空間525、連通口513)との両方を含む。本発明は、これに限らず、何れか一方だけを含むこととしてもよい。
【0119】
(2)上記実施形態では、掃除機支持装置5は、充電機構545を備えるが、本発明は、これに限らない。掃除機支持装置5は、充電機構545を備えなくてもよい。
上記実施形態では、電気掃除機3は、電源コードを付属しない掃除機であるが、これに限らない。電源コード付きの掃除機であってもよい。
【0120】
(3)上記実施形態では、補助集塵具450のヘッド本体453について特に説明していていないが、ヘッド本体として、例えば、モップやブラシ等の繊維状体を使用する場合、ポリプロピレン製のスプリット・ヤーンを利用することが好ましい。これを利用することで、塵埃等をキャッチしやすく、また、吸込具載置台510,1510の内部空間525にヘッド本体を挿入して、電気掃除機3,1003により吸引する際の塵埃の繊維状体からの離脱(リリース)性がよい。
つまり、内部空間525に挿入されたヘッド本体の繊維状本体が電気掃除機の回転ブラシ(ナイロン繊維)に絡まることなく、ヘッド本体から塵埃を吸収できる。
【0121】
(4)規制解除構造は第2の実施形態で説明した内容に限定するものでないし、規制解除構造に着目すると、電気掃除機のタイプ(スティック型、キャニスター型)、補助集塵具や収容部の有無、掃除機支持装置の有無、第2空間の有無等は関係ない。
規制解除構造は、第1パイプ側(一例が連通側パイプである第1パイプ又は第1パイプの周辺部材である)に対して、第2パイプ側(一例が連結パイプである第2パイプ又は第2のパイプの周辺部材である)を回転可能に連結する場合において、第2パイプ側は第1パイプ側の被係合部に係合して第1パイプに対する回転を規制する係合部を有し、被係合部および係合部の少なくとも一方は、第1パイプに対して第2パイプが回転しようとすると弾性変形可能に構成されている。これにより、係合関係の解除および復帰が容易に行うことができる。
第2の実施形態では、第2パイプに固定されている固定具1331(周辺部材の一例である)に係合部1331cが設けられているが、連結パイプ1326に係合部が設けられてもよい。つまり、第2パイプと一体で回転する部材に係合部があればよい。
第2の実施形態では、第1パイプである連通側パイプ1322に被係合部1322cを設けているが、第1パイプが装着される底部カバー(周辺部材の一例である)に被係合部又は係合部を設けてもよいし、上部カバー(周辺部材の一例である)に被係合部又は係合部を設けてもよい。
【0122】
第2の実施形態では、固定具1331の係合部1331cが弾性変形可能に構成されているが、第1パイプ側の被係合部が弾性変形可能に構成されてもよいし、被係合部および係合部が弾性変形可能に構成されてもよい。
第2の実施形態では、係合部1331cは、第1パイプに対する回転の回転軸と平行な方向に突出する凸部分1331dにより構成され、被係合部1322cは回転軸と平行の方向に凹入する凹部分1322dにより構成されている。しかしながら、被係合部と係合部の関係が逆であってもよい。つまり、凸部分の係合部が第1パイプ側にあり、凹部分の被係合部が第2パイプ側にあってもよい。
さらに、凸部分および凹部分は、回転軸と平行に設けられているが、回転軸と直交する方向の外向き又は内向きに設けられてもよい。
第2の実施形態では、固定具1331において凸部分1331dが設けられているU字部1331fが弾性変形可能となっているが、凸部分を例えば薄肉片で形成して凸部分自身を弾性変形可能に構成してもよい。
【0123】
(5)第1および第2の実施形態の吸込具310,1310は、回転ブラシ319を収容する空間(第1空間)と、旋回気流を発生可能な空間(第2空間)とを備えているが、吸込具は、回転ブラシ319を収容する第1空間(1314)と、回転ブラシ319の回転軸に平行であって第1空間(1314)に隣接する第2空間(1316)を有していればよく、第2空間は旋回気流が発生しない構造の空間であってもよい。
第2空間1316は、回転ブラシ319の回転軸と平行な方向であってその両側部分がテーパー部1316bとなっているが、テーパー状でなくてもよい。なお、両側部分がテーパー状をしていなくても旋回気流は発生するが、テーパー状にした方が強い旋回気流が得られる。
第1空間および第2空間の前後の位置関係は特に限定するものではない。但し、吸込口323,1323の第1領域325,1325において、回転ブラシ319の回転方向の下流側に第2空間が存在する方が好ましい。
【0124】
第2の実施形態では、第1空間1314と第2空間1316との間に張出部1318を有し、第2空間1316におけるテーパー部1316bの清掃面との間の密閉度がストレート部1316aの清掃面との間の密閉度より高くしているが、テーパー部1316bの密閉度は、ストレート部1316aの密閉度と同じであってもよいし、ストレート部1316aよりも低くてもよい。但し、強い旋回気流を利用したい場合は、テーパー部1316bの密閉度をストレート部1316aの密閉度より高める方がよい。
旋回気流に着目すると、電気掃除機のタイプ(スティック型、キャニスター型)、補助集塵具や収容部の有無、掃除機支持装置の有無等は関係ない。
【符号の説明】
【0125】
1 電気掃除機ユニット
3 電気掃除機
5 掃除機支持装置
310 吸込具
340 掃除機本体
390 取手具
399 保持部
401 板状部
405 凸部
450 補助集塵具
451 ヘッド部
457 柄部
465 屈曲部分