(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】医療撮像装置のための補充の衝突検出および防止システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/10 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
A61B6/10 553
(21)【出願番号】P 2021538750
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(86)【国際出願番号】 US2019069158
(87)【国際公開番号】W WO2020142560
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-12-14
(32)【優先日】2019-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518161329
【氏名又は名称】ラディアクション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】イファット, ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】バール, ヨッシ
(72)【発明者】
【氏名】ベルソン, アミール
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-511265(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0249972(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療撮像機器との組み合わせでの使用のための補充の衝突検出および防止システム(110)であって、前記医療撮像機器は、本来のセンサを有する本来の衝突防止機構と
、アドオンシステムとを備え、
前記アドオンシステムは、前記アドオンシステムが前記本来のセンサへのアクセスおよび前記本来のセンサの機能性を限定するように、前記本来のセンサの周囲に位置付けられており、
前記補充の衝突検出および防止システムは、
前記アドオンシステムの中に組み込まれた複数の補充のセンサであって、前記複数の補充のセンサは、実体との衝突の防止または
前記実体との衝突からの保護を促進するように構成された近接センサ(141)および/または接触センサ(121)、および/または慣性運動センサ(131)、および/またはオペレータ検出センサ(161)、および/または電流センサ(151)のうちのいずれか1つである、複数の補充のセンサと、
インターフェースと
を備え、
前記インターフェースは、
前記複数の補充のセンサのうちの少なくとも1つから通信を受信することと、
前記医療撮像機器の衝突防止動作を作動させる信号
を前記本来の衝突防止機構に伝送することによって、衝突を回避または軽減すること
であって、前記信号は、前記複数の補充のセンサのうちの前記少なくとも1つからの前記通信に基づく、ことと
を行うように構成されている、システム。
【請求項2】
前記インターフェースは
、前記本来のセンサのうちの少なくとも1つを作動させる前記システムのトリガ機構と通信す
る、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アドオンシステムの衝突防止動作または前記医療撮像機器の衝突防止動作を作動させるように構成されたコマンドコントローラをさらに備えている、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アドオンシステムは、放射線遮断シールドであり、前記補充のセンサのうちの少なくとも1つは、前記放射線遮断シールドに関連付けられている、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記放射線遮断シールドは、放射線シールド支持ベースから伸び、前記支持ベースは、前記複数の補充のセンサのうちの1つ以上を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記放射線
遮断シールドは、前記信号に応答して後退するように構成された後退可能なシールドである、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の補充のセンサのうちの少なくとも1つは、圧力センサ、歪みセンサ、赤外線センサ、超音波の(ultrasonic)センサ、超音波(ultrasound)センサ、レーザセンサ、無線周波数センサ、電気光学センサ、および熱センサ、またはそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項1~6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
電気モータ電流センサは、前記医療撮像機器の1つ以上のユニットにおける電流消費を測定し、前記実体との衝突につながり得るその動作を検出するように構成されている、請求項1~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記オペレータ検出センサは、前記実体との衝突につながり得るオペレータによる活動を検出するように構成されている、請求項1~8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記オペレータ検出センサは、前記医療撮像機器のフットペダルまたは動作制御パネルに関連付けられている、請求項1~9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記オペレータ検出センサは、近接センサ、接触センサ、赤外線センサ、光学センサ、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1~10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記慣性運動センサは、加速度計またはジャイロスコープセンサである、請求項1~11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
前記慣性運動センサは、前記医療撮像機器の可動部品の移動を検出するように構成されている、請求項1~12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記実体は、患者、患者台、オペレータ、または医療撮像機器である、請求項1~13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
放射線遮蔽装置であって、前記放射線遮蔽装置は、
医療撮像機器のX線源またはX線検出器の周囲に位置付けられた少なくとも1つの放射線遮断シールドであって、前記医療撮像機器は、少なくとも1つの本来のセンサを含む本来の衝突防止検出機構を備えている、放射線遮断シールドと、
前記X線源、X線検出器、および/またはX線放射シールドとの実体の衝突を回避するように構成された補充の衝突検出および防止システムと
を備え、
前記補充の衝突検出および防止システムは、
複数の補充のセンサであって、前記複数の補充のセンサは、前記実体との衝突の防止または
前記実体との衝突からの保護を促進するように構成された近接センサおよび/または接触センサ、および/または慣性運動センサ、および/またはオペレータ検出センサ、および/または電流センサのうちのいずれか1つであ
り、前記複数の補充のセンサは、前記少なくとも1つの放射線遮断シールド内に含まれている、複数の補充のセンサと、
コマンドコントローラと
を備え、
前記コマンドコントローラは、前記補充のセンサから通信を受信することと、
前記通信に基づいた信号を送信して、前記医療撮像機
器の衝突防止動作を機械的および/または電気的に作動させ
て、衝突を回避または軽減することとを行うように構成されている、放射線遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が参照することによって本明細書に組み込まれる2019年1月2日に出願された米国仮出願第62/787,644号(代理人整理番号46125-707.101)の利益を主張する。
(発明の分野)
【0002】
本発明は、医療X線機器のための衝突検出および防止システム、特に、既存の安全システムを増補する補充のシステムに関し、補充のシステムは、X線機器が既存の衝突検出および防止システムに干渉し得る放射線シールド等の補助装置を含むとき、有用である。
【背景技術】
【0003】
動作中に運動し得る医療機器、特に、X線機器およびX線蛍光透視システムは、衝突防止機構を含み得る。衝突防止機構は、典型的に、可動放射線撮像構成要素(例えば、X線源および/またはX線「Cアーム」の検出器)の安全な動作および位置付けのための複数の近接センサを含み、衝突防止機構は、患者を保護するために、および高価な医療機器を保護するために重要であり得る。
【0004】
可動放射線撮像医療機器(例えば、X線機器)の安全な位置付けおよび移動のために、近接/衝突検出手段が、患者および/または他の物体(X線台または手技台等)との衝突を防止するために撮像機器の一部の上または周囲に配置され得る。
【0005】
しかしながら、いくつかの状況では、特に、放射線シールド等の補助装置が据え付けられるとき、本来の衝突検出手段は、遮断または部分的に遮断され得、したがって、非効果的にされ、または限定される。
【0006】
例示的関連開示は、米国第8,767,920号(Siemens)(特許文献1)、米国7,029,175号(GE Medical)、米国第7,837,385号(Siemens)、米国第6,830,375号(GE Medical)、米国第8,439,564号(Radguard)、米国第8,113,713号(Radguard)、米国第9,907,519号(Radiaction)、および米国第2018/249972号(Radiaction)(その全ては、本明細書に完全に記載された場合のように参照することによってそれらの全体として組み込まれる)を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、特に、撮像機器の本来の近接/衝突検出手段が補助装置(例えば、放射線シールド)に起因して少なくとも部分的に非効果的にされる場合の安全かつ効果的なX線撮像を可能にするためのシステムおよびその方法に関する。これは、X線撮像機器(例えば、Cアーム)の既存の(本来の)衝突防止手段をバックアップし、それに補完を提供し、および/またはそれを改良する役割を果たす近接および衝突検出システムを提供することによって、達成される。
【0009】
本補充の衝突検出および防止システムは、医療X線デバイスの可動部品と患者または他の物体(以降では用語「実体」と同義的に使用される)との間の衝突回避を提供する。
【0010】
補充のシステムは、保護の層を提供するように構成され得る1つ以上のセンサ、特に、(a)近さを決定するための距離測定センサを含み得る少なくとも1つの近接および/または接触センサ、(b)移動、実体に向かった移動率、および/または移動の方向を決定するための少なくとも1つの慣性および/またはジャイロスコープセンサ、(c)例えば、オペレータがCアームを能動的に(例えば、患者または患者台との衝突につながり得る様式で)動作させているかどうか、または、Cアームを動作させることを意図しているかどうかを決定するための少なくとも1つのオペレータ検出センサ、および、(d)X線システム(例えば、Cアームのモータ)の1つ以上のユニットにおける電流消費を測定し、衝突につながり得るその動作を決定するための少なくとも1つの電流センサの1つ以上の組み合わせを含む。
【0011】
本システムは、既存の医療X線機器に追加され、X線機器の本来の衝突防止手段と(例えば、そのCアームと)機械的および/または電子的にインターフェース接続するように構成されている。代替として、または加えて、センサは、X線システムのアドオンシステム(例えば、放射線遮蔽システム)に追加される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の側面は、X線機器上に結合され得、1つ以上の衝突センサ、および/または1つ以上の慣性センサ、および/または1つ以上の電流センサ、および/または1つ以上の動作検出センサ、およびX線機器の本来の衝突防止機構/手段をトリガまたは作動させるトリガまたはトリガ機構を含む衝突検出および防止システムに関連する。トリガ/トリガ機構は、機械的または電気的(無線を含む)であり得る。
【0013】
本発明の側面は、1つ以上の近接および/または衝突センサ、1つ以上の慣性運動/ジャイロスコープセンサ、1つ以上のオペレータ検出センサ、および1つ以上の電流センサ、およびX線システムの本来の衝突防止機構/手段またはその一部(例えば、X線システムの本来の衝突センサ)をトリガまたはアクティブにするトリガ機構のうちの1つまたはその組み合わせを含む少なくとも1つの補充のセンサを含むX線デバイスの(例えば、放射線遮蔽装置のための)アドオンシステムに関連する。
【0014】
本発明の側面は、上記の本明細書の開示による、追加の衝突センサの補充のシステムに関連する。
【0015】
衝突を回避することは、実体までの事前決定された距離内のセンサの近接または実体との接触、または、例えば、慣性センサによって決定されるような構成要素の危険な移動、またはオペレータ検出センサによって決定されるようなオペレータアクションに基づいて、構成要素(例えば、放射線シールド)の移動を中止すること、および/または実体(患者、物体等)から構成要素を遠ざけることを含み得る。
【0016】
トリガ機構は、X線機器の本来の近接または接触センサをアクティブにするように構成された機械的トリガを含み得る。
【0017】
機械的トリガは、本来の接触センサに接触する、またはそれに圧力を加える、またはX線機器の本来の衝突防止機構の本来の近接センサの近位にあるように構成されるトリガモータまたは他のアクチュエータを含み得る。
【0018】
トリガ機構は、X線機器の衝突防止手段および/または放射線シールドとの電気/電子接続を採用し、X線機器の本来の衝突安全システムをアクティブにする電気的トリガを含み得る。
【0019】
補充のセンサは、接触センサであり得る。補充のセンサは、近接センサであり得る。補充のセンサは、圧力センサであり得る。補充のセンサは、歪みセンサであり得る。補充のセンサは、赤外線センサであり得る。補充のセンサは、超音波センサであり得る。補充のセンサは、レーザセンサであり得る。補充のセンサは、無線周波数センサであり得る。補充のセンサは、オペレータハンドルに触れること等のオペレータによる活動を識別するように構成され得る電気光学センサ(例えば、カメラ)であり得る。補充のセンサは、熱または温度センサ(例えば、熱電対を含む、またはそれによって構成される)であり得る。補充のセンサは、電線内に流動する電流を測定する電流センサであり得る。
【0020】
1つ以上の実施形態において、トリガ機構および/またはセンサは、インターフェースに結合される。1つ以上の実施形態において、インターフェースは、X線システムの周囲および/または上の1つ以上の場所に配置される。1つ以上の実施形態において、インターフェースは、X線機器のX線放射遮蔽システムの周囲および/または上の1つ以上の場所に配置される。1つ以上の実施形態において、衝突検出システムは、物体または患者(実体)との可能な衝突の検出時、本来のX線衝突防止手段をアクティブにする。1つ以上の実施形態において、衝突検出システムは、患者または物体へのセンサの近接または接触がもはや検出されなくなるとき、本来のX線機器の衝突防止手段をアクティブにすることを中止する。1つ以上の実施形態において、衝突検出システムは、実体との可能な衝突の検出時、医療スタッフに警告するように動作するアラームユニットをさらに含む。
【0021】
本発明の側面は、本来のセンサを有する本来の衝突防止機構と、本来の衝突防止機構の機能性を限定するアドオンシステムとを備えている医療撮像機器との組み合わせでの使用のための補充の衝突検出および防止システムであって、
実体との衝突の防止またはそれからの保護を促進するように構成された近接センサおよび/または接触センサ、および/または慣性運動センサ、および/またはオペレータ検出センサ、および/または電流センサのうちのいずれか1つである、複数の補充のセンサと、
複数の補充のセンサのうちの少なくとも1つから通信を受信するように、かつ、衝突を回避または軽減するために、医療撮像機器の衝突防止動作を作動させる信号および/またはそのアドオンシステムを作動させる信号を伝送するように構成されるインターフェースと、
を備えている補充の衝突検出および防止システムに関連する。
【0022】
1つ以上の実施形態において、インターフェースは、医療撮像機器の本来の衝突防止機構と、および/または本来のセンサのうちの少なくとも1つを作動させるシステムのトリガ機構と通信する。
【0023】
1つ以上の実施形態において、システムは、アドオンシステムまたは医療撮像機器の衝突防止動作を作動させるように構成されたコマンドコントローラをさらに備えている。
【0024】
1つ以上の実施形態において、アドオンシステムは、放射線遮断シールドであり、補充のセンサのうちの少なくとも1つは、放射線遮断シールドに関連付けられる。
【0025】
1つ以上の実施形態において、放射線遮断シールドは、放射線シールド支持ベースから伸び、支持ベースは、複数の補充のセンサのうちの1つ以上を含む。
【0026】
1つ以上の実施形態において、放射線シールドは、信号に応答して後退するように構成された後退可能なシールドである。
【0027】
1つ以上の実施形態において、複数の補充のセンサのうちの少なくとも1つは、圧力センサ、歪みセンサ、赤外線センサ、超音波の(ultrasonic)センサ、超音波(ultrasound)センサ、レーザセンサ、無線周波数センサ、電気光学センサ、および熱センサ、またはそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。
【0028】
1つ以上の実施形態において、電気モータ電流センサは、医療撮像機器の1つ以上のユニットにおける電流消費を測定し、実体との衝突につながり得るその動作を検出するように構成されている。
【0029】
1つ以上の実施形態において、オペレータ検出センサは、実体との衝突につながり得るオペレータによる活動を検出するように構成されている。
【0030】
1つ以上の実施形態において、オペレータ検出センサは、医療撮像機器のフットペダルまたは動作制御パネルに関連付けられる。
【0031】
1つ以上の実施形態において、オペレータ検出センサは、近接センサ、接触センサ、赤外線センサ、光学センサ、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0032】
1つ以上の実施形態において、慣性運動センサは、加速度計またはジャイロスコープセンサである。
【0033】
1つ以上の実施形態において、慣性運動センサは、医療撮像機器の可動部品の移動を検出するように構成されている。
【0034】
1つ以上の実施形態において、実体は、患者、患者台、オペレータ、または医療撮像機器である。
【0035】
本発明の側面は、
医療撮像機器のX線源またはX線検出器の周囲に位置付けられた少なくとも1つの放射線遮断シールドであって、医療撮像機器は、少なくとも1つの本来のセンサを含む本来の衝突防止検出機構を備えている、放射線遮断シールドと、
X線源、X線検出器、および/またはX線放射シールドとの実体の衝突を回避するように構成された補充の衝突検出および防止システムであって、
実体との衝突の防止またはそれからの保護を促進するように構成された近接センサおよび/または接触センサ、および/または慣性運動センサ、および/またはオペレータ検出センサ、および/または電流センサのうちのいずれか1つである、複数の補充のセンサと、
補充のセンサから通信を受信し、衝突を回避または軽減するために、医療撮像機器および/または放射線遮蔽装置の衝突防止動作を機械的および/または電気的に作動させるように構成されたコマンドコントローラと
を備えている、補充の衝突検出および防止システムと
を備えている、放射線遮蔽装置に関連する。
【0036】
1つ以上の実施形態において、装置は、機械的および/または電気的動作に応答して、本来のセンサのうちの少なくとも1つを作動させ、それによって、医療撮像機器の本来の衝突防止機構をアクティブにするように構成された機械的トリガをさらに備えている。
【0037】
1つ以上の実施形態において、電気的衝突防止動作は、本来の衝突防止機構を作動させる電気的トリガを含む。
【0038】
1つ以上の実施形態において、補充のセンサのうちの少なくとも1つは、放射線遮断シールドに関連付けられる。
【0039】
1つ以上の実施形態において、放射線遮断シールドは、放射線シールド支持ベースから伸び、支持ベースは、補充のセンサのうちの1つ以上を含む。
【0040】
1つ以上の実施形態において、放射線シールドまたはその一部は、電気的衝突防止動作に応答して後退するように構成されている。
【0041】
1つ以上の実施形態において、補充のセンサのうちの少なくとも1つは、圧力センサ、歪みセンサ、赤外線センサ、超音波の(ultrasonic)センサ、超音波(ultrasound)センサ、レーザセンサ、無線周波数センサ、電気光学センサ、および熱センサ、またはそれらの任意の組み合わせから成る群から選択されるセンサである。
【0042】
1つ以上の実施形態において、電流センサは、医療撮像機器の1つ以上のユニットにおける電流消費を測定し、実体との衝突につながり得るその動作を検出するように構成されている。
【0043】
1つ以上の実施形態において、オペレータ検出センサは、実体との衝突につながり得るオペレータによる活動を検出するように構成されている。
【0044】
1つ以上の実施形態において、オペレータ検出センサは、医療撮像機器のフットペダルまたは動作制御パネルに関連付けられる。
【0045】
1つ以上の実施形態において、オペレータ検出センサは、近接センサ、接触センサ、赤外線センサ、光学センサ、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0046】
1つ以上の実施形態において、慣性運動センサは、ジャイロスコープセンサである。
【0047】
1つ以上の実施形態において、慣性運動センサは、放射線遮断シールド、および/またはX線源、および/またはX線検出器上に配置される。
【0048】
1つ以上の実施形態において、実体は、患者、患者台、オペレータ、またはCアーム機器である。
【0049】
本発明は、本来の衝突防止機構と、本来の衝突防止機構の本来の衝突防止センサの機能性を限定する放射線遮断シールドまたは補助装置とを備えている医療撮像機器の可動部分の衝突を検出および/または回避する方法であって、
実体との近接および/または接触を感知すること、および/または、オペレータアクションを検出すること、および/または、医療撮像機器および/または放射線遮断シールドおよび/または補助装置の電流を感知することと、
感知を放射線遮断シールドまたは補助装置のコマンドコントローラに通信することと、
医療撮像機器、放射線遮断シールド、および/または補助装置の衝突防止動作を機械的および/または電気的に作動させ、衝突を回避または軽減することと
を含む方法にさらに関連する。
【0050】
1つ以上の実施形態において、方法は、機械的および/または電気的動作に応答して、本来のセンサのうちの少なくとも1つを機械的にトリガすることをさらに含む。
【0051】
1つ以上の実施形態において、方法は、本来の衝突防止機構を作動させる電気的トリガに信号を伝送することをさらに含む。
【0052】
1つ以上の実施形態において、衝突防止動作を作動させることは、放射線遮断シールドを後退させることを含む。
【0053】
1つ以上の実施形態において、方法は、医療撮像機器の可動部分を停止または減速させることをさらに含む。
【0054】
別様に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術または/および科学用語は、本発明が関連する当業者によって一般的に理解するものと同一の意味を有する。本明細書に説明されるものに類似する、またはそれと同等である方法および材料が、本発明の実施形態の実践または試験で使用されることができるが、例示的方法または/および材料が、下で説明される。対立の場合、定義を含む本特許明細書が、優先するであろう。加えて、材料、方法、および例は、例証的にすぎず、必ずしも限定的であることを意図していない。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
医療撮像機器との組み合わせでの使用のための補充の衝突検出および防止システム(110)であって、前記医療撮像機器は、本来のセンサを有する本来の衝突防止機構と、前記本来の衝突防止機構の機能性を限定するアドオンシステムとを備え、
前記システムは、
複数の補充のセンサであって、前記複数の補充のセンサは、実体との衝突の防止またはそれからの保護を促進するように構成された近接センサ(141)および/または接触センサ(121)、および/または慣性運動センサ(131)、および/またはオペレータ検出センサ(161)、および/または電流センサ(151)のうちのいずれか1つである、複数の補充のセンサと、
インターフェースと
を備え、
前記インターフェースは、
前記複数の補充のセンサのうちの少なくとも1つから通信を受信することと、
前記医療撮像機器の衝突防止動作を作動させる信号、および/またはその前記アドオンシステムを作動させる信号を伝送することによって、衝突を回避または軽減することと
を行うように構成されている、システム。
(項目2)
前記インターフェースは、前記医療撮像機器の本来の衝突防止機構と通信すること、および/または、前記本来のセンサのうちの少なくとも1つを作動させる前記システムのトリガ機構と通信することを行う、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記アドオンシステムの衝突防止動作または前記医療撮像機器の衝突防止動作を作動させるように構成されたコマンドコントローラをさらに備えている、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記アドオンシステムは、放射線遮断シールドであり、前記補充のセンサのうちの少なくとも1つは、前記放射線遮断シールドに関連付けられている、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記放射線遮断シールドは、放射線シールド支持ベースから伸び、前記支持ベースは、前記複数の補充のセンサのうちの1つ以上を含む、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記放射線シールドは、前記信号に応答して後退するように構成された後退可能なシールドである、項目4に記載のシステム。
(項目7)
前記複数の補充のセンサのうちの少なくとも1つは、圧力センサ、歪みセンサ、赤外線センサ、超音波の(ultrasonic)センサ、超音波(ultrasound)センサ、レーザセンサ、無線周波数センサ、電気光学センサ、および熱センサ、またはそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記電気モータ電流センサは、前記医療撮像機器の1つ以上のユニットにおける電流消費を測定し、前記実体との衝突につながり得るその動作を検出するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記オペレータ検出センサは、前記実体との衝突につながり得るオペレータによる活動を検出するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記オペレータ検出センサは、前記医療撮像機器のフットペダルまたは動作制御パネルに関連付けられている、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記オペレータ検出センサは、近接センサ、接触センサ、赤外線センサ、光学センサ、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記慣性運動センサは、加速度計またはジャイロスコープセンサである、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記慣性運動センサは、前記医療撮像機器の可動部品の移動を検出するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目14)
前記実体は、患者、患者台、オペレータ、または医療撮像機器である、項目1に記載のシステム。
(項目15)
放射線遮蔽装置であって、前記放射線遮蔽装置は、
医療撮像機器のX線源またはX線検出器の周囲に位置付けられた少なくとも1つの放射線遮断シールドであって、前記医療撮像機器は、少なくとも1つの本来のセンサを含む本来の衝突防止検出機構を備えている、放射線遮断シールドと、
前記X線源、X線検出器、および/またはX線放射シールドとの実体の衝突を回避するように構成された補充の衝突検出および防止システムと
を備え、
前記補充の衝突検出および防止システムは、
複数の補充のセンサであって、前記複数の補充のセンサは、前記実体との衝突の防止またはそれからの保護を促進するように構成された近接センサおよび/または接触センサ、および/または慣性運動センサ、および/またはオペレータ検出センサ、および/または電流センサのうちのいずれか1つである、複数の補充のセンサと、
コマンドコントローラと
を備え、
前記コマンドコントローラは、前記補充のセンサから通信を受信することと、前記医療撮像機器および/または放射線遮蔽装置の衝突防止動作を機械的および/または電気的に作動させ、衝突を回避または軽減することとを行うように構成されている、
放射線遮蔽装置。
(項目16)
機械的トリガをさらに備え、前記機械的トリガは、前記機械的および/または電気的動作に応答して、前記本来のセンサのうちの少なくとも1つを作動させ、それによって、前記医療撮像機器の本来の衝突防止機構をアクティブにするように構成されている、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記電気的衝突防止動作は、前記本来の衝突防止機構を作動させる電気的トリガを含む、項目15に記載のシステム。
(項目18)
前記補充のセンサのうちの少なくとも1つは、前記放射線遮断シールドに関連付けられている、項目15に記載のシステム。
(項目19)
前記放射線遮断シールドは、放射線シールド支持ベースから伸び、前記支持ベースは、前記補充のセンサのうちの1つ以上を含む、項目15に記載のシステム。
(項目20)
前記放射線シールドまたはその一部は、前記電気的衝突防止動作に応答して後退するように構成されている、項目15に記載のシステム。
(項目21)
前記補充のセンサのうちの少なくとも1つは、圧力センサ、歪みセンサ、赤外線センサ、超音波の(ultrasonic)センサ、超音波(ultrasound)センサ、レーザセンサ、無線周波数センサ、電気光学センサ、および熱センサ、またはそれらの任意の組み合わせから成る群から選択されるセンサである、項目15に記載のシステム。
(項目22)
前記電流センサは、前記医療撮像機器の1つ以上のユニットにおける電流消費を測定し、前記実体との衝突につながり得るその動作を検出するように構成されている、項目15に記載のシステム。
(項目23)
前記オペレータ検出センサは、前記実体との衝突につながり得るオペレータによる活動を検出するように構成されている、項目15に記載のシステム。
(項目24)
前記オペレータ検出センサは、前記医療撮像機器のフットペダルまたは動作制御パネルに関連付けられている、項目15に記載のシステム。
(項目25)
前記オペレータ検出センサは、近接センサ、接触センサ、赤外線センサ、光学センサ、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、項目15に記載のシステム。
(項目26)
前記慣性運動センサは、ジャイロスコープセンサである、項目15に記載のシステム。
(項目27)
前記慣性運動センサは、前記放射線遮断シールド、および/または前記X線源、および/または前記X線検出器上に配置されている、項目15に記載のシステム。
(項目28)
前記実体は、患者、患者台、オペレータ、またはCアーム機器である、項目15に記載のシステム。
(項目29)
医療撮像機器の可動部分の衝突を検出および/または回避する方法であって、前記医療撮像機器は、本来の衝突防止機構と、前記本来の衝突防止機構の本来の衝突防止センサの機能性を限定する放射線遮断シールドまたは補助装置とを備え、前記方法は、
実体との近接および/または接触を感知すること、および/または、オペレータアクションを検出すること、および/または、前記医療撮像機器および/または前記放射線遮断シールドおよび/または前記補助装置の電流を感知することと、
前記感知を前記放射線遮断シールドまたは補助装置のコマンドコントローラに通信することと、
前記医療撮像機器、放射線遮断シールド、および/または補助装置の衝突防止動作を機械的および/または電気的に作動させ、衝突を回避または軽減することと
を含む、方法。
(項目30)
前記機械的および/または電気的動作に応答して、前記本来のセンサのうちの少なくとも1つを機械的にトリガすることをさらに含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記本来の衝突防止機構を作動させる電気的トリガに信号を伝送することをさらに含む、項目29に記載の方法。
(項目32)
前記衝突防止動作を作動させることは、前記放射線遮断シールドを後退させることを含む、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記医療撮像機器の可動部分を停止または減速させることをさらに含む、項目29に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本発明のいくつかの実施形態は、付随する図面を参照して、一例のみとして本明細書に説明される。示される詳細は、一例として、本発明の実施形態の例証的議論の目的のために示される。この点に関して、図面と得られる説明は、本発明の実施形態が実践され得る方法を当業者に明確にする。
【0056】
図面では、
【0057】
【
図1】
図1は、X線機器の典型的な従来技術のCアームの概略側面図である。
【0058】
【
図2】
図2は、補助放射線遮蔽装置に結合された
図1の従来技術のX線機器の概略斜視図である。
【0059】
【
図3】
図3は、
図2のX線機器および放射線遮蔽装置に関連付けられ、X線機器の動作制御パネルおよび要素にも関連付けられる補充の衝突検出および防止システムの概略図である。
【0060】
【
図4】
図4および5は、本システムの例示的補充のセンサの斜視図である。
【
図5】
図4および5は、本システムの例示的補充のセンサの斜視図である。
【0061】
【
図6】
図6Aおよび6Bは、本来の衝突防止センサと通信しない/インターフェースをとらない位置(
図6A)および通信する/インターフェース接続する位置(
図6B)における本システムの例示的機械的トリガ機構の概略図である。
【0062】
【
図7A】
図7Aは、本システムの別の例示的機械的トリガ機構の斜視概略図である。
【0063】
【0064】
【
図8】
図8は、本システムの慣性運動センサの概略斜視図である。
【0065】
【
図9】
図9は、Cアームおよび/またはCアームの本来の衝突防止手段への本システムの動作可能接続の斜視図である。
【0066】
【
図10】
図10は、オペレータ検出センサのアクティブ化に関連付けられる安全性成果を描写するフローチャートである。
【0067】
【
図11】
図11は、慣性運動センサに関連付けられる安全性成果を描写するフローチャートである。
【0068】
【
図12】
図12は、Cアームの検出器の放射線シールドとの実体の差し迫った衝突または衝突に関連付けられる安全性成果を描写するフローチャートである。
【0069】
【
図13】
図13は、CアームのX線源の放射線シールドとの実体の衝突または差し迫った衝突に関連付けられる安全性成果を描写するフローチャートである。
【0070】
【
図14】
図14は、Cアーム、または放射線遮蔽装置、またはその一部との実体の衝突または差し迫った衝突に関連付けられる安全性成果を描写するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0071】
例証を簡単かつ明確にするために、図に示される要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。さらに、適切と見なされる場合、参照番号は、類似要素を示すために図の間で繰り返されている。
【0072】
本発明は、本明細書に説明される特定の方法論、デバイス、アイテム、または製品等が、当業者が認識するであろうように変動し得るので、これらに限定されないことを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのために使用され、本発明の範囲を限定することを意図していないことも理解されたい。以下の例示的実施形態は、説明および理解を容易にするために、例示的近接および/または衝突検出システムとの関連で説明され得る。しかしながら、本発明は、具体的に説明される製品および方法に限定されず、本発明の全体的範囲から逸脱することなく、種々の用途に適合され得る。本明細書に開示される全ての範囲は、終点を含む。用語「または」の使用は、具体的文脈が別様に示さない限り、「および/または」を意味すると解釈されるものとする。
【0073】
本補充の衝突検出および防止システムは、層間の並列冗長性を伴って同時に稼働し得る複数の安全機構を含む、多層安全システムとして実装され得る。これらの安全機構の目的は、放射線保護シールド等の補助装置と併せて使用されるとき、患者の安全性およびCアーム等の円滑で安全な動作を確実にすることである。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態の側面は、医療X線機器または関連付けられるデバイスのための追加のまたは補充の衝突検出および防止システムに関する。いくつかの実施形態において、センサが、既存の医療X線デバイスまたはその一部に追加され、および/または、センサが、X線衝突防止システムの中に統合される。いくつかの実施形態において、センサが、X線システムのアドオンシステムに追加される。例示的アドオンシステムは、限定ではないが、放射線遮蔽装置を含み、その教示は、以下の開示において提供される:米国特許第8,439,564号および第8,113,713号、米国特許出願第2018/0168525号、国際特許出願第WO2017/083437号、および米国特許出願第2018/0249972号(その内容は、本明細書に完全に記載された場合のように参照することによって組み込まれる)。いくつかの実施形態において、センサが、X線システムのX線放射遮蔽システム/装置に追加される。
【0075】
図1(従来技術)を参照すると、血管造影および蛍光透視機器(例えば、フルサイズの固定Cアームおよび可動性Cアーム)は、多くの場合、検出器/画像増強器および/またはコリメータ/X線源の患者、台、または他の物体との衝突を防止するための機構を有する。このX線機器は、多くの場合、近接または接触センサを採用する。トリガされたとき、これらのセンサは、衝突防止または回避手段(以降ではCアームの「本来の衝突安全手段」または「本来の衝突安全機構」)をアクティブにし得る。例えば、衝突防止手段は、Cアームの運動を停止させ、そのような衝突またはその差し迫った発生の警告音および/または映像(例えば、アラームライト)をオペレータに提供し得る。
【0076】
追加のまたは補充の衝突検出および防止システムのいくつかの実施形態は、追加の安全性および/または衝突防止を提供し得る。例えば、Cアームの本来の衝突安全手段がアクセス可能でない場合、非アクティブである場合、および/または適切に動作しない場合、追加の衝突検出が、使用され得る。そのようなケースは、Cアームの衝突防止センサが、補助および/またはアドオン装置によって、および/または干渉し得る他の機器またはデバイスによって覆い隠されたとき、起こり得る。例えば、追加の衝突検出は、アドオンシステムがX線機器またはその一部から突出し、衝突監視および保護を要求するエリア/機器を増加させるとき、使用され得る。
【0077】
図1は、血管造影および蛍光透視機器等のX線機器の典型的要素である従来技術のCアーム10の例である。この機器は、多くの場合、患者、台、または他の機器/物体(以降では「実体」)との検出器12(画像増強器)および/またはコリメータまたはX線源14の衝突を防止するための機構を含む。これらの衝突防止機構は、明確にするために本来のセンサ16(
図1および
図7A)と称されるであろう、近接および/または接触センサを一般的に採用し、衝突防止または回避システム(
図7Aに図式的に図示される既存の/本来の衝突防止手段)をアクティブにする。例えば、本来の衝突防止手段は、衝突または差し迫った衝突(事前決定された閾値を超える近さ)に応じて、Cアーム10の運動を停止させ、警告音および/または視覚指示をオペレータに提供し得る。衝突または可能な衝突がX線検出器12の高さにおいて検出される場合、検出器は、実体との衝突を防止するように上向きに持ち上げられることができる。
【0078】
図2は、例示的補助放射線遮蔽装置100を伴うCアーム10を示し、補助放射線遮蔽装置100は、上側放射線シールド108a(「検出器の放射線シールド」と同義的である)と、下側放射線シールド108b(「源放射線シールド」と同義的である)とを含み、それらは、それぞれ、放射線源検出器12および放射線源14を覆っている/に取り付けられているシールド支持ベース103に取り付けられている。放射線シールド108aおよび108bは、Cアーム10によって放出される放射線および/または散乱放射線から医療スタッフまたはオペレータを保護するために使用され得る。放射線シールドの例は、米国第2018/249972号、米国第8,113,713号、および米国第9,907,519号に議論されている。そのような放射線シールドおよび/または他の補助デバイスは、本来の衝突防止機構、特に、本来のセンサ16(
図1)等のそのセンサに干渉(例えば、それを遮断)し得る。放射線シールド108aおよび108bは、複数の連続的に位置付けられた放射線シールドスタックまたはセグメント107を含み、放射線シールドスタックまたはセグメント107は、患者またはX線台等の物体に対して選択された長さまで伸び、または収縮するように独立して制御可能であり得る。
【0079】
図3は、本発明の例示的補充の衝突検出および防止システム110を図示する。システム110は、放射線遮蔽装置100の一部を構成し得るか、または、センサを伴う個々の補充のシステムであり得、X線システム(例えば、Cアーム10)、その一部、および/または放射線遮蔽装置(例えば、装置100)に結合され得る。システム110は、そのコマンドコントローラ112(放射線シールド動作制御パネル111内に位置して示されるが、独立構成要素として提供され得るか、または、放射線遮蔽装置100内またはCアーム10内の代替場所に結合され得る)と協働し得る1つ以上の補充のセンサを含む。
【0080】
システム110は、種々のセンサを含むことができる。非限定的例は、近接センサ、光学センサ(例えば、赤外線、レーザ光学等)、超音波センサ、接触センサ、加速度センサ、電磁センサ、電流センサ等を含む。
【0081】
システム110は、独立型として、またはX線システム10または放射線遮蔽装置100の他のセンサまたは構成要素と組み合わせて稼働し、Cアーム10または放射線遮蔽装置100の動作プラットフォーム(例えば、台搭載制御パネル、フットペダル、ボタン等)の種々の部分を監視する1つ以上のセンサを含むことができる。センサは、オペレータがペダル21を押すことを感知するために接触センサ161をフットペダル21内に設置すること等、これらの動作プラットフォーム内に完全または部分的に統合されることができる。別の感知オプションは、電流センサ151を使用することにより、電流センサ151は、電線内の電流を測定し、測定された電流の出力を提供するように構成されるセンサである。そのような例示的センサは、Cアームユニット、またはCアームのモータ、Cアームの電気キャビネット(図示せず)、電線が位置するCアーム自体の中の一部等のその一部において等、1つ以上の指定場所に結合され得、Cアームの動作プラットフォーム(例えば、制御パネル11、フットペダル21、動作ハンドル19等)にも結合され得る。これらの電流センサは、電線および/または電気的モータ内に流動する電流を検出し、それによって、オペレータがこれらの機能をアクティブにしたことを推測する。Cアームの1つ以上のユニットのアクティブ化が衝突につながり得る場合、補充の衝突防止システムは、衝突を回避するように開始され得る。さらに、電流センサ151は、Cアームのモータの1つ以上の導線に結合され、その電流を監視し得る。
【0082】
システム110は、限定ではないが、放射線シールド108aおよび108b上および/またはシールド支持ベース103上の1つ以上の場所に配置され得る近接センサ141および/または接触センサ121であり得る少なくとも1つの補充のセンサを含む。例えば、センサは、放射線シールド108aおよび108bの縁上に、または縁の近くに位置し得る。
【0083】
システム110はさらに、Cアームモータに動作可能に接続され、モータ内の電流を示し、それによって、Cアーム運動または実体との差し迫った衝突を検出し得る1つ以上の電流センサ151を含み得る。示されていないが、フットペダル21内、ハンドル19内等の電流センサ151の種々の代替場所が、Cアームのそれらのユニットのアクティブ化が衝突につながり得る場合、その動作を検出し、衝突を回避または最小化するために、想定される。
【0084】
システム110は、限定ではないが、支持ベース103上に配置されるとして図示されるCアームの運動を検出するように構成された1つ以上の慣性運動センサ131をさらに含み得るが、それらは、放射線シールド108aおよび108b上の1つ以上の場所および/またはCアーム10内の1つ以上の場所に配置されることができる。
【0085】
システム110は、随意に、Cアーム10の意図された、または実際の動作(すなわち、移動)を検出するように構成される1つ以上のオペレータ検出センサ161を含み得る。オペレータ検出センサ161は、Cアーム10の制御パネル11および/またはCアーム10のフットペダル21の1つ以上の動作要素上に、および/または、それらに配置されるとして図示される。近接センサ、接触センサ、IRセンサ、光学センサ等の種々のタイプのオペレータ検出センサ161が、想定される。
【0086】
システム100の動作(例えば、シールド108aおよび108bの伸びおよび収縮)を制御する放射線シールド動作制御パネル111は、1つ以上の補充のセンサ(例えば、オペレータ検出センサ161および電流センサ151)をさらに装備することができる。
【0087】
上で説明されるように、センサ121、131、141、151、および161は、Cアーム10の本来のセンサ16および/または本来の衝突防止機構をトリガし、および/または、補充の放射線遮蔽装置110のコマンドコントローラ112と通信し得る。コマンドコントローラ112は、補充のセンサによって検出される信号を受信するように構成され、i)Cアーム10の1つ以上の本来のセンサ16、ii)Cアーム10の本来の衝突防止機構、iii)Cアーム10の動作制御ユニット(例えば、Cアームの移動を制御する(Cアーム10の動作制御ユニットは示されていない))、および/または、iv)放射線遮蔽装置100の動作制御ユニット(例えば、放射線シールド108の移動を制御する(装置100の動作制御ユニットは示されていない))と協働すること/それに信号を伝送することができる。補充のセンサは、代替として、Cアーム10またはその一部と直接通信し得る。例えば、補充のセンサは、(随意に、例えば、5-7に示されるトリガ機構を介して)Cアーム10の本来の衝突防止機構をアクティブにする、またはCアーム10の動作制御ユニット(例えば、Cアームの移動を制御する)と通信し得る。
【0088】
放射線シールド108aおよび108b、およびそれらの支持ベース103が、検出器12およびX線源14の周囲に組み立てられるので、少なくともいくつかの本来のセンサ16(
図1)へのアクセスは、部分的または完全に限定または遮断され、または別様に干渉される。衝突の危険性を軽減するために、上側および下側放射線シールド108a、108bの両方は、好ましくは、センサで大いに覆われる。これらのセンサは、近接141および/または接触センサ121(容量感知または任意の他のタイプの近接または接触センサを使用し得る)を含み、好ましくは、全ての可能な衝突方向(
図4の矢印によって図示される)に面する。慣性センサ131は、放射線シールド装置100(例えば、上側および下側シールド108aおよび108b)上またはCアーム10上のほぼどこにでも位置し得る。それにかかわらず、上側シールド108aが2つの運動度を有するので、慣性センサ131を下側シールド108bより上側シールド108aに取り付けることが好ましくあり得る。
【0089】
ある場合、Cアーム10の潜在的に安全ではない動作(それらは、Cアームの動作の停止を保証し得るか、またはCアーム10の本来の衝突防止機構を動作させ得る)が、動作制御パネル11上のフットペダル21または他のオペレータ制御機構(例えば、ハンドル19)による等、オペレータ検出センサ161を介して示され得る。オペレータ検出センサ161にCアームの衝突防止手段をトリガさせ、その移動を中止し得るオペレータアクション(例えば、ハンドル19を介したCアームの移動、またはフットペダル21を介してCアームの放射線放出を動作させること)が、Cアーム10動作のための保護のさらなる配置を追加する。
【0090】
図4は、本来のセンサ16のうちの1つに接続された複数の補充のセンサ121、141を示す。
図4の拡大図に図示されるように、補充のセンサ121、141は、患者またはX線台等の実体との不適切な近接または接触の包括的検出を提供するように、潜在的衝突の全ての方向に面して配置されることができる。
【0091】
図5は、Cアーム10の本来の衝突防止機構、特に、本来のセンサ16のうちの1つを作動させるように構成された機械的インターフェースまたはトリガ120を図示する。トリガモータ124(または他の作動機構)に取り付けられる、またはそれを含むトリガ120の例示的構成が、示される。トリガモータ124は、本来のセンサ16のうちの1つと(典型的に、機械的に)インターフェース接続するように、実体との放射線シールド108a、108bまたは支持ベース103の危険/不適切な近接または接触時、補充のセンサ121、141によって作動可能である。トリガ120は、トリガ120の作動時、本来のセンサ16に接触するように構成された遠位端を有するL字形部材、例えば、L字形部材の短い部分によって、例示される。トリガモータ124は、本設計では、L字形トリガ120の近位端に配置され、補充のセンサ121、141から、または放射線遮蔽装置100のコマンドコントローラ112から信号を受信し、それによって、本来のセンサ16と接触するようにトリガを旋回させるように構成されている。トリガモータ124は、衝突の状況または脅威が通過したとき、本来のセンサ16からトリガ120を遠ざけるようにも構成され得る。動作状況に応じて、センサ121、131、141、151、および161のうちのいずれかが、トリガ120をアクティブにし得ることを理解されたい。
【0092】
実体との放射線シールド108a、108bおよび/または支持ベース103の潜在的衝突の場合、近接141および/または接触センサ121は、(好ましくは、その発生に先立って)潜在的衝突を検出し、既存/本来の衝突防止機構、特に、センサ16をアクティブにするために、Cアーム10の検出器12および/またはX線源14との近接または接触を物理的に模倣する。いくつかの実装では、補充の衝突検出および防止システム110は、Cアームのソフトウェアまたは電子機器とインターフェースをとり、それによって、本来の安全機構をトリガする。
【0093】
補充のセンサ121、141、131、151、161、例えば、放射線シールド108a、108b上、または支持ベース103上、または制御パネル11、ハンドル19、またはフットペダル21におけるそれらは、トリガモータ124を作動させ、トリガ120を本来のセンサ16に物理的に接触させることができる。加えて、または代替として、トリガ120は、他の機構(電気的に、または無線で等)によって、本来のセンサ16と動作可能にインターフェースをとり、それによって、それを作動させる;または、不適切な近接、特に、閾値距離より近い近接を模倣することができ、それは、実体へのその接近における補充のセンサの速度も考慮し得る。したがって、トリガ120は、少なくとも1つのCアームの本来のセンサ16を作動させ、それによって、本来の衝突防止機構が、アクティブにされる。いくつかの特徴によると、補充のセンサ121、141、131、151、161は、本来のセンサ16のうちの1つに本来の衝突防止機構をアクティブにさせるように、近位場所までの移動を通して(例えば、トリガ120を介して)1つ以上の本来のセンサ16を作動させる。
【0094】
図6Aおよび6Bは、トリガ120の別の例示的構成を示し、トリガは、本来のセンサ16とインターフェース接続するように回転させられ得る卵形または長円形のトリガ部材126を有する。換言すると、補充のセンサ121および/または141からの信号に基づいて、トリガ120は、本来のセンサ16に接触するように、または、本来のセンサの近くに移動することによってそれへの不適切な近接を模倣するように、トリガ部材126を移動させる。
【0095】
図6Aは、Cアーム10の安全な動作を示し、トリガが本来のセンサ16をトリガしない非作動状態時のトリガ120を図示する。
図6Bは、Cアーム10の安全ではない動作(例えば、実体との放射線シールド108の必要以上の近接、および/またはそれとの接触)を示し、それによって、トリガが本来のセンサ16とインターフェース接続する作動状態時のトリガ120を図示する。
【0096】
図7A-7Cは、トリガ120のさらに別の例示的構成を描写し、トリガモータ124が、回転し、略直線運動においてトリガ120を前後に移動させる。
図7Aでは、トリガ120は、回転させられ、それによって、トリガピン128は、下向きに平行移動させられ、本来のセンサ16とインターフェース接続する(すなわち、接触する、または不適切な近接を模倣する)。
図7Bおよび7Cは、トリガ120を示し、トリガ120は、トリガピン保持要素130が前後に(図では上向きおよび下向きに)平行移動させられるように動作させられ、それによって、トリガピン128は、本来のセンサ16の一部から間隔を置かれ(
図7B)、本来のセンサを作動させない;または、本来のセンサを作動させるように本来のセンサ16と接触している(
図7C)。
図8は、放射線遮蔽装置100の支持ベース103に接続された、および/または放射線シールド108a、108bの一方または両方に接続された慣性運動センサ131の例示的配置を示す。慣性運動センサ131は、放射線シールド108a、108bおよび/またはCアーム10の不適切または危険な移動を感知するように構成されている。例えば、慣性運動センサ131は、Cアームの検出器12の支持ベース103または放射線シールド108a、108bの1つ以上の場所に結合され得る。慣性運動センサ131は、Cアーム10の移動/回転を検出することを支援し得るという点で、特に有用であり得る。Cアーム10が、移動している場合、加速または減速している場合、または、進路/方向を変更している場合、この情報は、そうするならば、どの程度迅速に本来のセンサ16を作動させるべきかを決定するために、放射線遮蔽装置100のコマンドコントローラ112のアルゴリズムで使用されることができる。慣性センサ131(補充のセンサ121、131、141、151、161の全てのような)は、装置100のコマンドコントローラ112と動作可能にインターフェース接続することができ、不適切および/または不正な移動時、慣性センサ131は、フィードバックをコマンドコントローラ112に送信し、(随意に、トリガ120を介して)Cアーム10の本来の衝突防止手段をアクティブにする。代替として、または加えて、慣性センサ131(補充のセンサ121、131、141、151、161の全てのような)は、不適切および/または不正な移動を検出すると、Cアーム10の本来の衝突防止手段に直接通信し、フィードバックを送信し得る。
【0097】
図9は、インターフェース(本明細書ではワイヤまたはケーブル134)を介してCアーム10に電気的に接続された接触センサ121および容量/近接センサ141を図示する。センサ121および141は、Cアームの本来の衝突防止機構と直接(すなわち、トリガ120をトリガすることなく)通信し得る。センサ121および141は、本来の衝突防止機構を作動させるための信号を伝送する電気的および/またはソフトウェアインターフェースを介して、Cアームの衝突防止機構と通信し得る。
【0098】
図10-14は、Cアームを使用するX線中に生じ得る可能な安全ではないシナリオを図示するフローチャートを示し、この補充の衝突検出およびを利用するときの例示的安全性成果/ステップをさらに、図示する。
【0099】
図10は、シールド108a、108bが、完全に展開され、または展開されつつあり、オペレータが、CアームまたはX線台を移動させることを意図するシナリオを描写するフローチャートである。台/Cアームを移動させるために、オペレータは、典型的に、Cアームの動作制御パネル11、具体的に、ハンドル19を操作する。そうすることによって、ハンドル19に結合されるオペレータ検出センサ161(例えば、近接または接触センサ)は、手を感知し、次いで、システム110の衝突防止動作を作動させるであろう。随意に、下側シールドの補充のセンサが、アクティブにされ、それによって、移動を停止させるか、または、Cアームの移動を回避する。随意に、警告ライトが、動作させられる。本来のCアームの衝突防止安全機構が、アクティブにされ、Cアームの警告音のアクティブ化を促す。Cアーム10は、Cアームの本来の衝突防止安全機構アクティブ化に起因して、移動することを停止する。動作は、センサが、それと接触している、またはそれと近接している、またはセンサに圧力を加える実体を検出しないとき、継続され得る。
【0100】
図11は、シールドが、部分的または完全に展開され、オペレータが、一方または両方のシールド108a、108bを完全に後退させることなく、Cアーム10またはCアームの台を移動させるシナリオを描写するフローチャートである。放射線遮蔽装置100のシールド108a、108bのうちの1つまたは支持ベース103に結合される慣性運動センサ131は、一方または両方のシールド108a、108bが部分的に伸びた位置または完全に伸びた位置にあるとき、Cアーム10の移動を検出する。このシナリオは、オペレータ検出センサ161が無効にされている状況を図示する。システム110の衝突防止動作が、作動される。例えば、シールドが展開または部分的に展開されるときに運動が生じたというセンサ131からのデータが、コマンドコントローラ112に伝送され、コマンドコントローラ112は、(随意に、トリガ120を介して)Cアーム10の本来の衝突防止手段を動作させ、Cアームの移動を停止させる。コマンドコントローラ112は、シールド108a、108bを後退させるためのコマンドも伝送し得る。随意に、下側シールドの1つ以上のセンサが、アクティブにされ、それによって、Cアームの移動を停止させる。随意に、警告ライトが、動作させられる。本来のCアームの衝突防止安全機構が、アクティブにされ、Cアームの警告音のアクティブ化を促す。動作は、センサが、それと接触している、またはそれと近接している、またはセンサに圧力を加える実体を検出しないとき、継続され得る。
【0101】
図12は、Cアーム10等のCアームおよび装置100等の遮蔽装置が使用される典型的X線撮像手技を描写するフローチャートである。そのような典型的な場合、X線手技中、放射線シールド108a、108bは、展開または少なくとも部分的に展開される。フローチャートは、センサ131および161が無効にされている状況を描写する。実体(例えば、患者またはオペレータ)が、上側放射線シールド108aまたはその一部(例えば、セグメント107(
図2)等の上側シールド108aの一セグメント)に触れる、または接近する。結果として、上側シールド108aの1つ以上の補充のセンサ(例えば、センサ121または141)が、アクティブにされ、上側シールド108aまたはその一部(例えば、差し迫ったまたは実際の衝突に関連付けられたセグメント107)の後退をトリガする。随意に、上側シールドセンサのアクティブ化は、警告ライト(図示せず)の動作を含む。本来のCアームの衝突防止安全機構も、随意に、トリガ120によって、および/またはコマンドコントローラ112によってアクティブにされ、それによって、Cアームの警告音およびCアーム10の検出器12の後退をアクティブにする。Cアーム10の動作は、センサが、センサと接触している、またはそれと近接近している、またはそれに圧力を加える実体を検出しないとき、継続され得る。
【0102】
図13は、下側放射線シールド108bが、展開または少なくとも部分的に展開され、実体(例えば、患者またはオペレータ)が、下側放射線シールドまたはその一部(例えば、
図2のセグメント107等の下側シールド108bの一セグメント)に触れる、または接近する、典型的撮像手技を描写するフローチャートである。フローチャートは、センサ131および161が無効にされている状況を描写する。下側シールド108bの1つ以上の補充のセンサ(例えば、センサ121、141)が、アクティブにされ、下側シールドまたはその一部(例えば、差し迫ったまたは実際の衝突に関連付けられるセグメント)の後退をトリガする。随意に、下側シールドセンサのアクティブ化は、警告ライトの動作を含む。本来のCアームの衝突防止安全機構が、随意に、トリガ120によって、および/またはコマンドコントローラ112によってさらにアクティブにされ、Cアームの警告音をアクティブにする。Cアーム10の動作は、センサが、センサと接触している、またはそれと近接近している、またはそれに圧力を加える実体を検出しないとき、継続され得る。
【0103】
図14は、放射線シールド108aおよび/または108bが後退させられ、オペレータがCアーム10またはCアームの台を移動させ、補充のセンサ、すなわち、接触または近接センサに触れる、または接近するシナリオを描写するフローチャートである。下側および/または上側補充のセンサは、すなわち、上側または下側シールド108a、108bのセンサがアクティブにされるかどうかに応じて、アクティブにされる。随意に、警告ライトが、動作させられる。本来のCアームの衝突防止安全機構が、随意に、トリガ120によって、および/またはコマンドコントローラ112によってアクティブにされ、Cアームの警告音のアクティブ化を促す。Cアームは、移動することを停止する。動作は、センサが、それと接触している、またはそれと近接している、またはセンサに圧力を加える実体を検出しないとき、継続され得る。
【0104】
したがって、理解されるように、補充のセンサ121、131、141、151、または161のうちの1つが、可能な衝突を検出するとき、または関連性があるオペレータ活動を検出するとき、インターフェースは、その運動を停止させるために、オペレータに警告するために、および/または衝突を防止するために、Cアーム10の本来の衝突防止機構または手技をトリガし得る。インターフェースは、コマンドコントローラ112であり得るか、または、補充のセンサとCアームの本来の衝突防止機構との間の直接通信(ワイヤ、例えば、ワイヤ134を介した、または無線)であり得る。
【0105】
いくつかの実装では、補充のセンサ121、131、141、151、および161のうちの1つ以上のものが、Cアーム10のある部分、例えば、検出器12、コリメータX線源14を包囲する。随意に、補充のセンサは、Cアーム10またはその一部および/またはCアームへのアドオンシステムの衝突を感知することを対象とし得る。したがって、補充のセンサは、X線機器またはX線アドオンシステム上に搭載され得る。例えば、追加のセンサが、Cアームおよび/またはその部品の周囲および/または上の1つ以上の場所に、例えば、いくつかある場所の中でも、検出器/画像増強器を包囲して、コリメータ/X線源を包囲して、設置され得る。随意に、追加のセンサは、少なくとも約90°、または少なくとも約180°、またはより多い、またはより少ない、またはその間の値の範囲内の可能な衝突を感知することを対象とし得る。例示的実施形態において、1つ以上の接触センサ121が、支持ベース103および/または放射線シールド108内の1つ以上の場所に設置/搭載され得る。例示的実施形態において、1つ以上の近接センサ141が、支持ベース103および/または放射線シールド108内の1つ以上の場所に設置/搭載され得る。例示的実施形態において、1つ以上の慣性運動センサ131が、支持ベース103および/または放射線シールド108内の1つ以上の場所に設置/搭載され得る。例示的実施形態において、1つ以上の電流センサ151が、Cアームのモータの動作を感知するように、モータ内の1つ以上の場所またはCアーム内の他の場所に設置/搭載され得る。例示的実施形態において、1つ以上の慣性運動センサ131が、支持ベース103および/または放射線シールド108内の1つ以上の場所に設置/搭載され得る。例示的実施形態において、1つ以上のオペレータ検出センサ161が、Cアーム10のフットペダル21内の1つ以上の場所に設置/搭載され得る。例示的実施形態において、1つ以上のオペレータ検出センサ161が、Cアーム10の動作制御パネル11内の1つ以上の場所に設置/搭載され得る。
【0106】
補充のセンサが、衝突防止動作を作動させる/仲介する、インターフェースに接続され得る。インターフェースは、動作させられると、X線機器の衝突防止安全手段をアクティブにするトリガ機構(トリガ120等)をさらに含み得る。インターフェースは、X線機器またはそこへのアドオンの上に、またはそれに近接して搭載される機械的支持構造であり得る。例えば、インターフェース/機械的支持体は、Cアームの検出器またはコリメータ上に/それに近接して搭載され得る。代替として、または加えて、インターフェースは、衝突防止安全機構またはその一部(例えば、トリガ120)と通信する電線であり得る。代替として、または加えて、インターフェースは、衝突防止安全機構(例えば、トリガ120)と通信するコマンドコントローラであり得る。
【0107】
代替として、または加えて、センサおよび/またはトリガ機構は、どんなインターフェースまたは機械的支持構造も要求することなく、X線機器上に直接搭載され得る。トリガ機構は、機械的および/または電気的アクティブ化手段を含み得る。
【0108】
作動(例えば、トリガ)は、本来のセンサと直接インターフェース接続するか、またはX線機器の本来のセンサを始動させるための要素を位置付けることができる。例えば、モータ/アクチュエータが、圧力を加えること、またはCアームの本来のセンサとの接触または近接近性を介して、本来のセンサによって検出可能な要素を作動させる。
【0109】
加えて、または代替として、インターフェースは、本来の衝突防止機構と直接相互作用し得る(すなわち、Cアームの衝突センサ16を迂回する)。例えば、電気的トリガが、Cアーム10および/またはその一部への電気接続を採用し、Cアームの衝突防止安全手技をアクティブにする。例えば、アクティブ化は、X線機器の制御システムおよび/または電気的システムへの直接電気信号によるものであり得る。
【0110】
インターフェースは、X線機器の周囲および/または上の1つ以上の場所に設置される1つ以上のトリガを含み得る。例えば、複数のトリガが、冗長保護を提供するために使用され得る(例えば、機械的トリガに接続されるX線機器のセンサのうちの1つが、誤動作する場合、第2のトリガが、それにかかわらず、衝突保護をトリガし得る)。
【0111】
インターフェースは、X線本来の安全機構への無線接続を含み得る。例えば、遠隔センサが、患者および/または移動する構成要素(例えば、Cアーム、検出器、コリメータ等)に直接取り付けられない1つの脆弱な機器の上に、その近傍に位置付けられる、および/またはその方に向けられ得る。随意に、補充のセンサが、移動する構成要素が患者、障害物、および/または脆弱な物体に接近していることを検出するとき、補充のセンサは、X線システムの衝突防止システムをアクティブにする無線信号をインターフェースに送信する。例えば、遠隔センサは、患者、障害物、および/または脆弱な物体とのX線デバイスの近接および/または接触を検出するために、上記のような近接センサ、および/または接触および/または圧力センサ、および/または歪みセンサ、および/または熱センサ等を含み得る。代替として、または加えて、遠隔の補充のセンサは、X線機器が敏感なエリアに進入および/または接近するときを検出するように敏感な場所において向けられる視覚的または光学的手段(例えば、ビデオカメラ、および/またはレーザ、および/またはレーダ等)を含み得る。代替として、または加えて、遠隔センサが、配線によってインターフェースに接続され得る。
【0112】
本補充の衝突検出および防止システム110は、潜在的または実際の衝突が中止したという指示が存在し、Cアームおよび/またはその構成要素および/または放射線シールド等のアドオン装置を操作することが安全であるとき、Cアームの本来の衝突安全手段をアクティブにすることを中止し得る。例えば、補充のシステムは、患者、台、または他の物体が、補充のシステムのセンサによってもはや検出されなくなるとき、Cアームの本来の衝突安全機構をアクティブにすることを中止し得る。Cアームの本来の衝突安全手段のアクティブ化および/または動作を中止することは、Cアームの本来の衝突防止安全センサともはやインターフェース接続しなくなる(それに接触しなくなる、それに圧力を印加しなくなる、それに近接して配置されなくなる)ように、機械的トリガを後退させることを含み得る。代替として、または加えて、Cアームの本来の衝突安全機構のアクティブ化および/または動作を中止することは、直接電気信号をCアームおよび/またはその制御および/または電気的システムに送信することを含み得る。
【0113】
加えて、または代替として、補充の衝突検出および防止システム110は、独立型システムであり得るか、または、Cアーム10の中に統合され得るか、または、放射線遮蔽装置100の一部であり得るか、または、独立型であるかまたはCアームと統合される異なるシステムの一部であり得る。補充の衝突検出および防止システム110は、付属品として、またはCアームの補助システムとしての機能を果たし得、独立型システムであり得るか、または、Cアームシステムまたは放射線遮蔽装置と部分的または完全に統合され得る。
【0114】
補充のセンサは、本来のセンサのジョブを複製し得、および/または、それらは、本来のセンサの他に、例えば、本来のセンサによって対象とされていない空間を対象として配置され得、および/または、補充のセンサは、本来のセンサと異なる技術を使用し得る。随意に、補充のセンサは、既存または本来のセンサをバックアップするために使用され得る。随意に、追加の/補充のセンサは、X線機器の衝突安全機構がアクセス可能でない場合、覆い隠されている場合、非アクティブである場合、および/または、適切に動作しない場合、既存または本来のセンサをバックアップする。
【0115】
X線デバイス上の追加の衝突センサ、アクチュエータ、および/または機械的トリガの種々の位置が、実装され得る。随意に、または加えて、X線デバイス上の補充の衝突センサ、アクチュエータ、および/または機械的トリガの位置は、衝突防止の方向を決定付ける。例えば、追加の/補充のセンサが、検出防止機構/X線デバイスの右側にあるとき、アクチュエータは、右側の本来の衝突センサを作動させ、例えば、右側からの衝突の衝突回避を引き起こし得る。
【0116】
以下の用語、すなわち「includes(~を含む)」、「including(~を含む)」、「has(~を有する)」、「having(~を有する)」、「comprises(~を備えている)」、および「comprising(~を備えている)」、およびそれらの言語学的用語の各々は、本明細書で使用されるように、「including, but not limited to(限定ではないが、~を含む)」を意味し、記述された構成要素、特徴、特性、パラメータ、整数、またはステップを規定するものとして解釈されることとなり、1つ以上の追加の構成要素、特徴、特性、パラメータ、整数、ステップ、またはそれらの群の追加を除外しない。
【0117】
語句「consisting of」および「consists of」(~から成る)の各々は、本明細書で使用されるように、「including and limited to(限定ではないが、~を含む)」を意味する。
【0118】
本明細書で使用されるような用語「consisting essentially of(本質的に~から成る)」は、請求項の範囲が、規定要素、および請求されるデバイスおよび材料の基本的および新規特性に著しく影響を及ぼさないものに限定されることを意味する。
【0119】
本明細書で使用されるような用語「方法」は、限定ではないが、開示される発明の当業者に公知であるか、または当業者によって、公知のステップ、手順、様式、手段、または/および技法から容易に開発されるかのいずれかである、それらのステップ、手順、様式、手段、または/および技法を含む、所与のタスクを遂行するためのステップ、手順、様式、手段、または/および技法を指す。
【0120】
本開示の全体を通して、パラメータ、特徴、特性、物体、または寸法の数値は、数値範囲形式の観点から記述または説明され得る。そのような数値範囲形式は、本明細書で使用されるように、本発明のいくつかの例示的実施形態の実装を図示し、本発明の例示的実施形態の範囲を確固として限定しない。故に、記述または説明される数値範囲はまた、その記述または説明される数値範囲内の全ての可能な部分範囲および個々の数値(数値は、完全数、整数、または分数として表され得る)も指し、包含する。例えば、記述または説明される数値範囲「1~6」はまた、「1~3」、「1~4」、「1~5」、「2~4」、「2~6」、「3~6」等の全ての可能な部分範囲、および「1~6」の記述または説明される数値範囲内の「1」、「1.3」、「2」、「2.8」、「3」、「3.5」、「4」、「4.6」、「5」、「5.2」、「6」等の個々の数値等も指し、包含する。これは、記述または説明される数値範囲の数値範疇、程度、またはサイズにかかわらず、適用される。
【0121】
さらに、数値範囲を記述または説明するために、語句「約第1の数値~約第2の数値の間の範囲内」は、語句「約第1の数値~約第2の数値の範囲内」と同等と見なされ、それと同一のものを意味し、したがって、2つの同等の意味の語句は、同義的に使用され得る。
【0122】
用語「約」は、いくつかの実施形態において、記述される数値の±30%を指す。さらなる実施形態において、本用語は、記述される数値の±20%を指す。その上さらなる実施形態において、本用語は、記述される数値の±10%を指す。
【0123】
明確にするために、複数の別個の実施形態の文脈または形式で例証的に説明および提示される、本発明のある側面、特性、および特徴も、単一の実施形態の文脈または形式で、任意の好適な組み合わせまたは副次的組み合わせにおいて例証的に説明および提示され得ることを完全に理解されたい。逆に、単一の実施形態の文脈または形式で、組み合わせまたは副次的組み合わせにおいて例証的に説明および提示される、本発明の種々の側面、特性、および特徴も、複数の別個の実施形態の文脈または形式で例証的に説明および提示され得る。
【0124】
本発明は、その具体的実施形態と併せて説明されたが、多くの代替物、修正、および変形例が、当業者に明白であろうことが明確である。故に、これは、添付の請求項の精神および広義の範囲内に該当する、全てのそのような代替物、修正、および変形例を包含することを意図している。
【0125】
本明細書に述べられる全ての出版物、特許、および特許出願は、各個々の出版物、特許、または特許出願が、参照することによって本明細書に組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる。加えて、本願内の任意の参考文献の引用または識別は、そのような参考文献が本発明に従来技術として利用可能であるという承認として解釈されるものとしない。節の見出しが使用される限りにおいて、それらは、必ずしも限定的と解釈されるべきではない。