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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】電極装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
A61B18/14
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022568995
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 KR2020018057
(87)【国際公開番号】W WO2022119032
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】10-2020-0167806
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522076206
【氏名又は名称】ディープキュア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,チャン ウック
(72)【発明者】
【氏名】ザン,ソク ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョ,ソク ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ペク,ドゥ ジン
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-284722(JP,A)
【文献】特開2010-158566(JP,A)
【文献】特開2012-192005(JP,A)
【文献】特表2016-538054(JP,A)
【文献】特表2020-528288(JP,A)
【文献】特表2013-540563(JP,A)
【文献】特表2015-512661(JP,A)
【文献】特表2016-523135(JP,A)
【文献】特表2018-517494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0282305(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0141810(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0207467(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0056028(US,A1)
【文献】特表2017-536187(JP,A)
【文献】特表2012-504432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内の神経を遮断又は調節するための電極装置において、
シャフトを備える本体と、
前記シャフトの一端部から突出して形成され、前記体内の管の少なくとも一部の神経を遮断又は調節する電極ユニットと、
前記シャフトの一端部から突出して前記電極ユニットを前記体内の管に接触させるようワインディング状態に変形する電極ガイドとを含み、
前記電極ガイドは、
前記ワインディング状態で前記電極ユニットと離れて前記管の周りに巻き付けられるように形成される胴体部と、
前記胴体部の末端部に連結され、前記電極ユニットの端部が固定されるように形成される結合部とを含む、電極装置。
【請求項2】
前記結合部は、
前記胴体部に固定されるように形成される第1のクランプピースと、
前記電極ユニットの一部を挟んで前記第1のクランプピースと結合される第2のクランプピースとを含む、請求項1に記載の電極装置。
【請求項3】
前記第1のクランプピース及び前記第2のクランプピースの何れか1つは、一方向に突出して形成される突出部を備え、
前記第1のクランプピース及び前記第2のクランプピースの他の1つは、前記突出部に対応して切り欠かれる締結溝を備え、
前記電極ユニットの一部には、前記突出部が貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする、請求項2に記載の電極装置。
【請求項4】
前記電極ユニットは、前記第2のクランプピースを包むように延びて前記第1のクランプピースと前記第2のクランプピースとの間に挿入されていることを特徴とする、請求項2に記載の電極装置。
【請求項5】
前記電極ガイドは、前記胴体部をワインディング状態にガイドするために、前記胴体部を貫通して前記第2のクランプピースに結合されるジョイントワイヤをさらに含み、
前記第2のクランプピースは、
前記ジョイントワイヤの端部が挿入されるように形成されるワイヤ溝と、
前記ワイヤ溝から前記ジョイントワイヤの端部が離脱することを防止するよう前記ワイヤ溝の一部を閉鎖する固定プレートとを備える、請求項2に記載の電極装置。
【請求項6】
前記電極ユニットは、
ベースレイヤと、
前記ベースレイヤ上に配置される電極レイヤと、
前記電極レイヤを挟んで前記電極レイヤの一部をオーバーラップするように配置されるトップレイヤとを含む、請求項1に記載の電極装置。
【請求項7】
前記結合部は、
前記胴体部に固定されるように形成される第1のクランプピースと、
前記ベースレイヤ及び前記トップレイヤのうち少なくとも1つの端部を挟んで前記第1のクランプピースと結合される第2のクランプピースとを含む、請求項6に記載の電極装置。
【請求項8】
前記第1のクランプピース及び前記第2のクランプピースの何れか1つは、一方向に突出して形成される突出部を備え、
前記第1のクランプピース及び前記第2のクランプピースの他の1つは、前記突出部に対応して切り欠かれる締結溝を備え、
前記ベースレイヤ及び前記トップレイヤのうち少なくとも1つには、前記突出部が貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の電極装置。
【請求項9】
前記ベースレイヤ及び前記トップレイヤのうち少なくとも1つは、前記結合部の一部を包むように延びているとともに、前記ベースレイヤ及び前記トップレイヤのうち少なくとも1つの先端部が前記結合部の内部に挿入固定されることを特徴とする、請求項6に記載の電極装置。
【請求項10】
前記電極ユニットは、一部が前記ベースレイヤと結合され、他の一部が前記結合部の内部に挿入固定される補強レイヤをさらに含む、請求項6に記載の電極装置。
【請求項11】
前記ベースレイヤ及び前記トップレイヤのうち少なくとも1つは、前記結合部の一部を包むように延びているとともに、前記ベースレイヤ及び前記トップレイヤのうち少なくとも1つの先端部は、前記補強レイヤが前記ベースレイヤから延びる方向とは反対方向に向かって前記結合部の内部に挿入されて固定されることを特徴とする、請求項10に記載の電極装置。
【請求項12】
前記電極ユニットは、前記ベースレイヤ上に配置されて温度を感知するように構成されるセンサ部をさらに含む、請求項6に記載の電極装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内の神経を遮断又は調節するための電極装置に関する。
【背景技術】
【0002】
神経遮断術は、非正常に過度に活性化された自律神経系を制御するために特定の神経を損傷させる施術のことを言う。例えば、腎臓神経遮断術は、腎臓に向かう腎臓交感神経を損傷させることで高血圧と心臓疾患を治療し、肺神経遮断術は、肺に向かう副交感神経を損傷させることで肺疾患を治療することができる。
【0003】
神経は、通常、血管、気管支などのような管の外壁に巻き付けられており、このような管の外壁に巻き付けられて神経の信号を測定したり、当該神経に電気刺激を伝達したり、様々なエネルギーを伝達して神経を損傷又は破壊させることが必要となる。
【0004】
例えば、腎動脈に施術を進行する場合、施術対象となる主腎動脈(main renal artery)の直径は5~7mmであり、直径が1~2mmである副腎動脈(accessory renal artery)を対象にすることもある。また、神経が分布している管は人によってその大きさが様々であり、位置によってその大きさが変わる。
【0005】
このような施術を実施するにおいて、カテーテルの末端に形成される電極を含む構成要素を、管の外壁に巻き付けられるように精巧に位置させることが重要である。具体的に、神経を効果的に遮断あるいは調節するためには、神経が分布している管の外壁を周方向に巻き付けなければならず、管の中間に電極が形成された構成要素を巻き付ける状態で配置する動作が確実で且つ迅速に行われる必要がある。それと共に、体内への無駄なエネルギーの伝達及び接触を抑制又は最小化しながら行われる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、人体に接触する電極構成と、電極構成との接触を最小化した結合を成して電極構成を操作する電極ガイドとを含む電極装置を提供することを目的とする。
【0007】
但し、本実施例が解決しようとする技術的課題は、上記したような技術的課題に限定されるものではなく、また他の技術的課題が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した技術的課題を解決するための手段として、本発明の一実施例は、体内の神経を遮断又は調節するための電極装置において、シャフトを備える本体と、当該シャフトの一端部から突出して形成され、当該体内の管の少なくとも一部の神経を遮断又は調節する電極ユニットと、当該電極ユニットを当該体内の管に接触させるようワインディング状態に変形する電極ガイドとを含み、当該電極ガイドは、当該ワインディング状態で当該電極ユニットと離れて当該管の周りに巻き付けられるように形成される胴体部と、当該胴体部の末端部に連結され、当該電極ユニットの端部を掴むように形成される結合部とを含む、電極装置を提供しても良い。
【0009】
本発明の一実施例は、当該結合部は、当該胴体部に固定されるように形成される第1のクランプピースと、当該電極ユニットの一部を挟んで当該第1のクランプピースと結合される第2のクランプピースとを含む、電極装置を提供しても良い。
【0010】
本発明の一実施例は、当該第1のクランプピース及び第2のクランプピースの何れか1つは、一方向に突出して形成される突出部を備え、当該第1のクランプピース及び第2のクランプピースの他の1つは、当該突出部に対応してリセスされる締結溝を備え、当該電極ユニットの一部には、当該突出部が貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする電極装置を提供しても良い。
【0011】
本発明の一実施例は、当該電極ユニットは、当該第2のクランプピースを包むように伸びて当該第1のクランプピースと当該第2のクランプピースとの間に挿入されていることを特徴とする電極装置を提供しても良い。
【0012】
本発明の一実施例は、当該電極ガイドは、当該胴体部をワインディング状態にガイドするために、当該胴体部を貫通して当該第2のクランプピースに結合されるジョイントワイヤをさらに含み、当該第2のクランプピースは、当該ジョイントワイヤの端部が挿入されるように形成されるワイヤ溝と、当該ワイヤ溝から当該ジョイントワイヤの端部が離脱することを防止するよう当該ワイヤ溝の一部を閉鎖する固定プレートとを備える、電極装置を提供しても良い。
【0013】
本発明の一実施例は、当該電極ユニットは、ベースレイヤと、当該ベースレイヤ上に配置される電極レイヤと、当該電極レイヤを挟んで当該電極レイヤの一部をオーバーラップするように配置されるトップレイヤとを含む、電極装置を提供しても良い。
【0014】
本発明の一実施例は、当該結合部は、当該胴体部に固定されるように形成される第1のクランプピースと、当該ベースレイヤ及び当該トップレイヤのうち少なくとも1つの端部を挟んで当該第1のクランプピースと結合される第2のクランプピースとを含む、電極装置を提供しても良い。
【0015】
本発明の一実施例は、当該第1のクランプピース及び第2のクランプピースの何れか1つは、一方向に突出して形成される突出部を備え、当該第1のクランプピース及び第2のクランプピースの他の1つは、当該突出部に対応してリセスされる締結溝を備え、当該ベースレイヤ及び当該トップレイヤのうち少なくとも1つには、当該突出部が貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする電極装置を提供しても良い。
【0016】
本発明の一実施例は、当該ベースレイヤ及び当該トップレイヤのうち少なくとも1つは、当該結合部の一部を包むように伸びて当該結合部の内部に挿入固定されることを特徴とする電極装置を提供しても良い。
【0017】
本発明の一実施例は、当該電極ユニットは、一部が当該ベースレイヤと結合され、他の一部が当該結合部の内部に挿入固定される補強レイヤをさらに含む、電極装置を提供しても良い。
【0018】
本発明の一実施例は、当該ベースレイヤ及び当該トップレイヤのうち少なくとも1つは、当該結合部の一部を包むように伸び、当該結合部の他の一部が挿入される方向の反対方向に当該結合部の内部に挿入されて固定されることを特徴とする電極装置を提供しても良い。
【0019】
本発明の一実施例は、当該電極ユニットは、当該ベースレイヤ上に配置されて温度を感知するように構成されるセンサ部をさらに含む、電極装置を提供しても良い。
【0020】
上述した課題を解決するための手段は、単なる例示であり、本発明を制限する意図で解釈されてはならない。上述した例示的な実施例の他にも、図面及び発明の詳細な説明に記載された追加の実施例が存在し得る。
【発明の効果】
【0021】
上述した本発明の課題を解決するための手段の何れか1つによれば、ワインディング状態で電極ガイドと電極ユニットとが殆どの区間で互いに離れるように配置されることができる。これにより、電極ユニットと電極ガイドとが互いに離れた空間が空気などに露出した状態で施術が行われることができ、電極ユニットから生じる熱が対流熱伝達によって容易に発散されることができる。
【0022】
また、本発明の課題を解決するための手段の何れか1つによれば、電極ユニットと電極ガイドとの結合(組立て)地点を最小化しながらも、電極ユニットが電極ガイドの結合部によって堅固に支持されることができるので、耐久性と信頼性を確保することができる。さらに、このような電極ユニットと電極ガイドを互いに容易に組み立てることができる。
【0023】
さらに、動力によってワインディング状態に変形する電極ガイドと、体内の管に密着する電極ユニットとが互いに別個に構成されるので、動力の伝達による影響、例えば、振動や力が体内の管に伝達されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例に係る電極装置の側面図である。
図2図1に示す電極ガイドのワインディング状態を示す斜視図である。
図3a】本発明の一実施例に係る電極ガイドがワインディング状態に変形する過程を示す図である。
図3b】本発明の一実施例に係る電極ガイドがワインディング状態に変形する過程を示す図である。
図3c】本発明の一実施例に係る電極ガイドがワインディング状態に変形する過程を示す図である。
図4図2に示す胴体部及び結合部を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施例に係る電極ユニットと結合部の分解斜視図である。
図6図5に示す電極ユニットと結合部が互いに結合された状態を示す図である。
図7図5に示す電極ユニットの一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、添付した図面を参照しながら、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例を詳しく説明する。ところが、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略しており、明細書全体に亘って類似した部分に対しては類似した図面符号を付けている。
【0026】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているという場合、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味し、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されなければならない。
【0027】
本明細書において「部」とは、ハードウェアによって実現されるユニット(unit)、ソフトウェアによって実現されるユニット、両方を利用して実現されるユニットを含む。また、1つのユニットが2つ以上のハードウェアを利用して実現されても良く、2つ以上のユニットが1つのハードウェアによって実現されても良い。
【0028】
本明細書において、端末又はデバイスが行うと記述された動作や機能のうち一部は、当該端末又はデバイスと連結されたサーバにおいて代わりに行われても良い。それと同様に、サーバが行うと記述された動作や機能のうち一部も、当該サーバと連結された端末又はデバイスにおいて行われても良い。
【0029】
以下、添付された図面を参照しながら、本発明の一実施例を詳しく説明することとする。
【0030】
図1は、本発明の一実施例に係る電極装置の側面図であり、図2は、図1に示す電極ガイドのワインディング状態を示す斜視図である。図3a乃至図3cは、本発明の一実施例に係る電極ガイドがワインディング状態に変形する過程を示す図であり、図4は、図2に示す胴体部及び結合部を示す斜視図である。また、図5は、本発明の一実施例に係る電極ユニットと結合部の分解斜視図であり、図6は、図5に示す電極ユニットと結合部が互いに結合された状態を示す図であり、図7は、図5に示す電極ユニットの一部を示す平面図である。
【0031】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る電極装置100は、本体110と、電極ユニット120と、電極ガイド130とを含む。本体110は、一方向に伸びるシャフト111と、シャフト111と連結されて施術者が把持できるように形成されるグリップ部112と、グリップ部112に形成されて電極ガイド130の動作を操作するガイド操作部113と、グリップ部112に形成されて電極ユニット120へのエネルギーの伝達を操作する電極操作部114とを含んでいても良い。本体110の内部には、電極ユニット120及び電極ガイド130を駆動し、制御する要素が配置されても良い。
【0032】
電極ユニット120は、シャフト111の一端部から突出して形成され、施術者の操作などによって体内の管を含む組織Vに分布した神経の少なくとも一部を遮断あるいは調節するように構成される。例えば、電極ユニット120は、体内の管Vの外面に巻き付けられる方法で接触し、組織Vに分布した神経に電気刺激を伝達したり、様々なエネルギーを伝達することで神経の少なくとも一部を遮断あるいは調節しても良い。
【0033】
図2を参照すると、電極ユニット120は、ベースレイヤ121と、電極レイヤ122と、センサ部123とを含んでいても良い。本発明に係る電極装置100は、体内の管又は管状の組織Vの外面に電極が巻き付けられ、電極を介してエネルギーを伝達しても良く、そのために、電極ユニット120は、可撓性の軟性回路基板(FPCB)からなっていても良い。
【0034】
電極レイヤ122は、ベースレイヤ121上に形成されるものであり、図2の実施例において、電極レイヤ122は、ベースレイヤ121上で互いに平行に伸びる2つの電極により構成されても良い。本実施例において、ベースレイヤ121及び電極レイヤ122は、体内の管Vなどに円周方向に伸びて巻き付けられるように構成されても良い。
【0035】
電極レイヤ122は、神経を遮断(block or denervation)あるいは調節(control or modulation)するために、例えば、ステンレススチール、金などのように人体に無害で且つ電気を伝達できる素材からなっていても良い。また、電極レイヤ122は、エネルギーソース生成器からの様々なタイプのエネルギーを伝達しても良い。例えば、高周波エネルギー(radio-frequency(RF) energy)、電気エネルギー、レーザエネルギー、超音波エネルギー(ultrasonic energy)、集束超音波エネルギー(high-intensity focused ultrasound energy)、極低温エネルギー(cryogenic energy)、及びその他の熱エネルギーが利用されても良い。
【0036】
また、電極ユニット120は、高周波エネルギーを伝達するための軟性回路基板(Flexible PCB)、超音波エネルギーを伝達するためのトランスデューサ、高い高電圧エネルギーを伝達するための金属電極などに具現され、神経を損傷させるためのエネルギーを伝達しても良い。
【0037】
また、ベースレイヤ121上には、センサ部123が形成されても良い。一例において、センサ部123は、体内の管Vなどに接触して温度を測定する熱電対(thermocouple)であっても良く、本発明に係る電極装置100によって神経切断術が施される際、センサ部123は、施術部位の温度をモニタリングしても良い。他の例において、センサ部123は、管Vの神経の信号を測定しても良い。
【0038】
電極ガイド130は、電極ユニット120を体内の管Vに接触させる機能を行う。電極ガイド130は、電極ユニット120と結合して電極ユニット120を体内の管Vに接触させるワインディング状態に変形される。
【0039】
図3a乃至図3c及び図4をさらに参照すると、ワインディング状態への変形を具現するために、本発明に備えられる電極ガイド130は、胴体部131と、結合部132とを備える。胴体部131は、ワインディング状態で電極ユニット120を挟んで体内の管Vの周りに巻き付けられるように配置される。例えば、図2及び図3cに示された状態がワインディング状態であっても良い。
【0040】
本発明の一実施例によると、電極ガイド130は、電極ユニット120と共にシャフト111の内部に収容されていて、施術のために一端部から前方Fに向けて引き出されながらワインディング状態に変形されても良い。図3a乃至図3cに示すように、複数の胴体部131は、順次に引き出されながら一側に向けて移動され、全体的に管Vに巻き付けられるワインディング状態になっても良い。但し、ワインディング状態において電極ガイド130は管Vの外周面と離れて位置され、電極ガイド130の巻き付けられた内側に配置される電極ユニット120が管Vの外周面に密着されても良い。
【0041】
本発明の一実施例によると、胴体部131は、第1の胴体群131xと、第2の胴体群131yとを含んでいても良い。図3a乃至図4の実施例において、第1の胴体群131xは、長さ方向に第1の長さを有し、第2の胴体群131yは、第1の長さよりも長い第2の長さを有しても良い。本実施例において、第1の胴体群131xと第2の胴体群131yとはそれぞれ、長さの異なる例えば6つのジョイントを含んでいても良い。
【0042】
このような長さの違いにより、ワインディング状態で、第1の胴体群131xは第1の曲率半径を形成し、第2の胴体群131yは第1の曲率半径よりも大きい第2の曲率半径を形成することができる。図3cから分かるように、相対的に短い長さを有するジョイント(第1の胴体群131x)が小さい曲率半径を形成し、長い長さを有するジョイント(第2の胴体群131y)が大きい曲率半径を形成することができる。
【0043】
より具体的に、第1の曲率半径を形成する第1の胴体群131xは結合部132に近い側に、第2の曲率半径を形成する第2の胴体群131yはシャフト111に近い側に配置されても良い。
【0044】
ワインディング状態で結合部132に近い側に配置された胴体部131がより小さい曲率半径を形成すれば、図3cに示すように、体内の管Vとシャフト111との間の空間に結合部132が進入する経路が作られることができる。例えば、胴体部131を含む電極ガイド130が全体的に螺旋状を有していても良い。
【0045】
以下では、図5及び図6をさらに参照しながら結合部132について説明することとする。結合部132は、胴体部131の末端部に連結され、電極ユニット120の端部が固定されるように形成される。結合部132は、電極ユニット120の端部を固定又は支持するために、第1のクランプピース132aと、第2のクランプピース132bとを含んでいても良い。図5を参照すると、第1のクランプピース132aは、胴体部131に固定されるように形成されても良く、第2のクランプピース132bは、第1のクランプピース132aと電極ユニット120の一部を挟んで第1のクランプピース132aと結合されても良い。例えば、第1のクランプピース132aは、電極ガイド130の胴体部131と近く配置されても良く、第2のクランプピース132bは、電極ユニット120と近く配置されても良い。
【0046】
以下、第1のクランプピース132aと第2のクランプピース132bとの結合構造を具体的に検討すると、本発明の一実施例に係る第1のクランプピース132a及び第2のクランプピース132bの何れか1つは、一方向に突出して形成される突出部132a1を備えても良く、第1のクランプピース132a及び第2のクランプピース132bの他の1つは、突出部132a1に対応してリセスされる締結溝132b1を備えても良い。例えば、図5に示すように、第1のクランプピース132aに突出部132a1が備えられれば、第2のクランプピース132bには締結溝132b1が備えられても良く、それとは反対に、第2のクランプピース132bに突出部が備えられれば、第2のクランプピース132bに締結溝が備えられても良い。
【0047】
第1のクランプピース132aに備えられた突出部132a1は、電極ユニット120を貫通して第2のクランプピース132bに備えられた締結溝132b1に結合されることで締結されても良い。
【0048】
また、電極ユニット120の一部には、突出部132a1が貫通する貫通孔120aが形成されても良い。図5を参照すると、貫通孔120aは、電極ユニット120の端部に形成されても良く、第1のクランプピース132aと第2のクランプピース132bとの間に形成されても良い。例えば、電極ユニット120の一部に形成された貫通孔120aは、第1のクランプピース132aに備えられた突出部132a1を貫通しても良い。
【0049】
本発明の一実施例に係る電極ユニット120は、第2のクランプピース132bを包むように伸びて第1のクランプピース132aと第2のクランプピース132bとの間に挿入されていても良い。
【0050】
また、本発明の一実施例に係る電極ガイド130は、図3a乃至図5を参照すると、胴体部131をワインディング状態にガイドするために、胴体部131を貫通して第2のクランプピース132bに結合されるジョイントワイヤ133をさらに含んでいても良い。例えば、図5の実施例において、ジョイントワイヤ133は、胴体部131を順次に貫通するように形成されても良い。ジョイントワイヤ133は、電極ガイド130が体内の管Vに巻き付けられる形状に変形することをガイドしても良い。
【0051】
図5を参照すると、第2のクランプピース132bは、ジョイントワイヤ133の端部が挿入されるように形成されるワイヤ溝132b2と、ワイヤ溝132b2からジョイントワイヤ133の端部が離脱することを防止するようワイヤ溝132b2の一部を閉鎖する固定プレート132b3とを備えても良い。
【0052】
例えば、ワイヤ溝132b2は、第2のクランプピース132bに備えられた複数の締結溝132b1の間でジョイントワイヤ133の端部を受け入れるように形成されても良い。ワイヤ溝132b2に挿入されたジョイントワイヤ133の端部は、ワイヤ133よりも直径が大きいか、ワイヤ133とは形状が異なっており、図5及び図6を参照すると、固定プレート132b3に引っかかってワイヤ溝132b2から離脱せずに固定されることができる。
【0053】
図7を参照すると、本発明の一実施例に係る電極ユニット120は、ベースレイヤ121と、電極レイヤ122と、トップレイヤ124とを含んでいても良い。図7の実施例において、電極ユニット120は、ベースレイヤ121と、ベースレイヤ121上に配置される電極レイヤ122と、電極レイヤ122を挟んで電極レイヤ122の一部をオーバーラップするように配置されるトップレイヤ124とを含んでいても良い。一方、センサ部123は、第1の金属123aと、第2の金属123bとからなる熱電対であっても良く、例えば、銅(copper)及びコンスタンタン(constantan)の対により構成されても良い。
【0054】
本発明の一実施例に係る電極ユニット120は、一部がベースレイヤ121と結合され、他の一部が結合部132の内部に挿入固定される補強レイヤ125をさらに含んでいても良い。図5の実施例において、補強レイヤ125も貫通孔120aを備えても良い。
【0055】
ベースレイヤ121及びトップレイヤ124の少なくとも1つは、結合部132の一部(例えば、第2のクランプピース132b)を包むように伸び、補強レイヤ125の他の一部が挿入される方向(図5及び図6において、上から下へ)の反対方向に(図5及び図6において、下から上へ)結合部132の内部に挿入されて固定されても良い。これにより、電極ユニット120は、結合部132の一部(例えば、第2のクランプピース132b)を両方向から包むように結合されても良い。
【0056】
本発明の電極装置100によれば、施術を行うように位置された状態であるワインディング状態で、電極ガイド130と電極ユニット120とが結合部132を除き殆どの区間で互いに離れた状態で配置されることができる。つまり、電極ユニット120と電極ガイド130とが互いに離れた空間が空気などの環境に露出した状態となるので、電極ユニット120においてエネルギーを伝達する際に生じる熱が対流熱伝達によって容易に発散されることができる。
【0057】
また、本発明の電極装置100によれば、電極ユニット120と電極ガイド130との結合(組立て)地点を最小化しながらも、電極ユニット120が電極ガイド130の結合部132によって堅固に支持されることができる。よって、装置の耐久性と信頼性を確保することができ、電極ユニット120と電極ガイド130との組立てが容易である利点がある。
【0058】
また、動力によってワインディング状態に変形する電極ガイド130と、体内の管Vに密着する電極ユニット120とが互いに別個に構成されるので、装置の動作時に動力の伝達による影響、例えば、振動や力などの物理的なエネルギーが体内の管に伝達されて影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0059】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、上記した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散して実施されても良く、同様に、分散したものと説明されている構成要素も結合された形態で実施されても良い。
【0060】
本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7