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特許7509465業務管理システム、業務管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】業務管理システム、業務管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0633 20230101AFI20240625BHJP
【FI】
G06Q10/0633
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023107935
(22)【出願日】2023-06-30
【審査請求日】2023-06-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523254689
【氏名又は名称】株式会社エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】古澤 秀司
【審査官】阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-135824(JP,A)
【文献】特開2004-070694(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0327201(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の業務を管理するための業務管理システムであって、
大規模言語モデルを保持する記憶部と、
利用者から前記所定の業務の業務概要の入力を受け付けた端末から、前記所定の業務の業務概要と、利用者が所望する前記所定の業務に関する内容としての前記所定の業務の名称、業務詳細、業務部署の名称、業務担当者の名称の少なくとも1つに関連する質問データとを取得する業務概要取得部と、
取得した前記業務概要に基づいて、前記大規模言語モデルに対して前記質問データを解析させることで、解析結果に基づいて、前記所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定、業務手順の特定の少なくとも一つを、その回答として前記大規模言語モデルから取得する回答取得部と、
前記回答として取得した前記所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定、業務手順の特定の少なくとも1つを、前記回答における前記利用者が所望した前記所定の業務に関する内容として特定し、特定した前記利用者が所望した前記所定の業務に関する内容に応じて、所定のアウトプットを生成することによって、既存の業務一覧、業務フロー、業務手順の少なくとも一つの一部又は全部を変更する生成部と、
を備える業務管理システム。
【請求項2】
前記生成部は、取得した前記回答に含まれる所定のキーワードに基づいて、前記所定のアウトプットを生成する、
請求項1に記載の業務管理システム。
【請求項3】
前記生成部は、特定した前記利用者が所望した前記所定の業務に関する内容に応じて、所定のアウトプットを生成することによって、新規の業務一覧、業務フロー、業務手順の少なくとも一つを生成する、
請求項1に記載の業務管理システム。
【請求項4】
前記生成部は、前記業務一覧、業務フロー、業務手順が記載された既存のオンラインマニュアルの一部又は全部を変更する、
請求項1に記載の業務管理システム。
【請求項5】
前記生成部は、前記業務一覧、業務フロー、業務手順が記載された新規のオンラインマニュアルを生成する、
請求項3に記載の業務管理システム。
【請求項6】
所定の業務を管理するためのコンピュータが実行する業務管理方法であって、
大規模言語モデルを保持するステップと、
利用者から前記所定の業務の業務概要の入力を受け付けた端末から、前記所定の業務の業務概要と、利用者が所望する前記所定の業務に関する内容としての前記所定の業務の名称、業務詳細、業務部署の名称、業務担当者の名称の少なくとも1つに関連する質問データとを取得するステップと、
取得した前記業務概要に基づいて、前記大規模言語モデルに対して前記質問データを解析させることで、解析結果に基づいて、前記所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定、業務手順の特定の少なくとも一つを、その回答として前記大規模言語モデルから取得するステップと、
前記回答として取得した前記所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定、業務手順の特定の少なくとも1つを、前記回答における前記利用者が所望した前記所定の業務に関する内容として特定し、特定した前記利用者が所望した前記所定の業務に関する内容に応じて、所定のアウトプットを生成することによって、既存の業務一覧、業務フロー、業務手順の少なくとも一つの一部又は全部を変更するステップと、
を備える業務管理方法。
【請求項7】
所定の業務を管理するためのコンピュータに、
大規模言語モデルを保持するステップ、
利用者から前記所定の業務の業務概要の入力を受け付けた端末から、前記所定の業務の業務概要と、利用者が所望する前記所定の業務に関する内容としての前記所定の業務の名称、業務詳細、業務部署の名称、業務担当者の名称の少なくとも1つに関連する質問データとを取得するステップ、
取得した前記業務概要に基づいて、前記大規模言語モデルに対して前記質問データを解析させることで、解析結果に基づいて、前記所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定、業務手順の特定の少なくとも一つを、その回答として前記大規模言語モデルから取得するステップ、
前記回答として取得した前記所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定、業務手順の特定の少なくとも1つを、前記回答における前記利用者が所望した前記所定の業務に関する内容として特定し、特定した前記利用者が所望した前記所定の業務に関する内容に応じて、所定のアウトプットを生成することによって、既存の業務一覧、業務フロー、業務手順の少なくとも一つの一部又は全部を変更するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の業務の管理に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、業務を自動で入力支援するシステムが知られている。
例えば、特許文献1では、荷役作業等の作業時間を自動的に日報に記憶させるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許7180719
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これは、単に業務日報の自動化を行うものに過ぎない。
本発明者は、このような業務の手順が変更された場合に、課題があることに着目した。すなわち、従来行われている作業業務手順が新しく変更された場合、業務一覧や業務手順書等全ての資料を修正する必要があり、手間がかかる。
そこで、本発明者は、基本的な業務手順の概要に基づいて、業務一覧や業務手順書等の資料を自動的に作成したり、更新したりすることができないかと着想した。
【0005】
本発明は、基本的な業務フローを示す業務概要から、個々の用途に合致した所定のアウトプット(業務一覧の作成、業務手順書の作成等)を生成することが可能な業務管理システム、業務管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、所定の業務を管理するための業務管理システムであって、
大規模言語モデルを保持する記憶部と、
利用者から前記所定の業務の業務概要の入力を受け付けた端末から、前記所定の業務の業務概要と、利用者が所望する前記所定の業務に関する内容としての前記所定の業務の名称、業務詳細、業務部署の名称、業務担当者の名称の少なくとも1つに関連する質問データとを取得する業務概要取得部と、
取得した前記業務概要に基づいて、前記大規模言語モデルに対して前記質問データを解析させることで、解析結果に基づいて、前記所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定、業務手順の特定の少なくとも一つを、その回答として前記大規模言語モデルから取得する回答取得部と、
前記回答として取得した前記所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定、業務手順の特定の少なくとも1つを、前記回答における前記利用者が所望した前記所定の業務に関する内容として特定し、特定した前記利用者が所望した前記所定の業務に関する内容に応じて、所定のアウトプットを生成することによって、既存の業務一覧、業務フロー、業務手順の少なくとも一つの一部又は全部を変更する生成部と、
を備える業務管理システムを提供する。
【0007】
本発明によれば、所定の業務の業務概要に基づいて、大規模言語モデルから、所定の業務に関する内容を、回答として取得し、この回答に基づいた所定のアウトプットを生成する。
この結果、基本的な業務フローを示す業務概要から、個々の用途に合致した所定のアウトプットを生成することが可能となる。
【0008】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基本的な業務フローを示す業務概要から、個々の用途に合致した所定のアウトプットを生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】業務管理システム1の概要を説明する図である。
図2】業務管理システム1の機能構成を示す図である。
図3】コンピュータ10が実行する生成処理のフローチャートを示す図である。
図4】質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
図5】質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
図6】質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
図7】質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
図8】質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
図9】質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0012】
[業務管理システム1の概要]
図1は、業務管理システム1の概要を説明するための模式図である。図1に基づいて、業務管理システム1の構成物について説明する。
業務管理システム1は、少なくともサーバ機能を有するコンピュータ10からなる所定の業務(タクシーの配車に関連する業務等)を管理するためのシステムである。本実施形態において、業務管理システム1は、コンピュータ10に加え、本システムを利用する利用者2が管理する情報端末3、大規模言語モデルを保持するコンピュータ4を備える。
コンピュータ10は、サーバ機能を有し、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能モジュールを含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであっても良い。
情報端末3は、本システムの利用者2が管理する端末装置であり、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ等の端末装置である。情報端末3の数は、利用者2の数に応じた数であれば良く、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
コンピュータ4は、大規模言語モデルを保持するコンピュータであり、コンピュータ10と同様に、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
【0013】
業務管理システム1が、所定の業務を管理する際の処理ステップの概要について説明する。
【0014】
コンピュータ10は、所定の業務の業務概要を取得する(ステップS1)。
コンピュータ10は、情報端末3から、所定の業務の業務概要及び利用者2が所望する業務に関する内容に関連する質問を取得する。
【0015】
コンピュータ10は、取得した業務概要に基づいて、大規模言語モデルに対して質問データを送信することで、所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定の少なくとも一つを、その回答として取得する(ステップS2)。
コンピュータ10は、取得した業務概要及び質問を、コンピュータ4に送信する。
コンピュータ4は、大規模言語モデルを活用し、この業務概要及び質問に対する回答を生成する。コンピュータ4は、所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定の少なくとも一つを、回答として生成する。
コンピュータ10は、この生成された回答を取得する。
【0016】
コンピュータ10は、取得した回答に基づいて、所定のアウトプットを生成する(ステップS3)。
コンピュータ10は、取得した回答に基づいて、利用者2が所望した業務に関する内容に関連する質問に対応する所定のアウトプットを生成する。
【0017】
以上が、業務管理システム1の処理ステップの概要である。
本業務管理システム1によれば、基本的な業務フローを示す業務概要から、個々の用途に合致した所定のアウトプットを生成することが可能となる。
【0018】
[装置構成]
図2は、業務管理システム1の構成を示すブロック図である。図2に基づいて、業務管理システム1の装置構成について説明する。
業務管理システム1は、所定の業務を管理するシステムであり、少なくともコンピュータ10により構成される。本実施形態において、業務管理システム1は、コンピュータ10に加え、本システムの利用者2が管理する情報端末3、大規模言語モデルを保持するコンピュータ4により構成される。
業務管理システム1は、コンピュータ10が、公衆回線網等のネットワーク8を介して、情報端末3、コンピュータ4の其々と、データ通信可能に接続されたシステムである。
なお、業務管理システム1は、上述したコンピュータ10、情報端末3及びコンピュータ4に加え、その他の端末や装置類(本システムと連携し、必要な処理を実行するための利用システム等)等が含まれていても良く、その数、種類及び機能については、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
また、大規模言語モデルは、コンピュータ4が保持するものではなく、コンピュータ10が保持する構成であっても良く、この場合、業務管理システム1は、コンピュータ10及び情報端末3により構成されることになる。
【0019】
コンピュータ10は、サーバ機能を有し、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
コンピュータ10は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、所定の業務の業務概要を取得する業務概要取得部11、取得した業務概要に基づいて、大規模言語モデルに対して質問データを送信することで、所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定の少なくとも一つを、その回答として取得する回答取得部12等を備える。
コンピュータ10は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部等を備える。コンピュータ10は、記憶部において、各種データベース(以下、データベースを単に「DB」とも称す)を保持する。
コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス、取得した回答に基づいて、所定のアウトプットを生成する生成部13等を備える。
【0020】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、業務概要取得モジュール、回答取得モジュール、通知モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、生成モジュール、特定モジュールを実現する。
【0021】
情報端末3は、利用者2が管理する端末装置であり、例えば、上述した端末装置である。
情報端末3は、端末制御部として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備え、入出力部として、所定の入力等の受付、各種データや図面の入出力等を実行する各種デバイス等を備える。
【0022】
コンピュータ4は、大規模言語モデルを保持するコンピュータであり、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
コンピュータ4は、制御部として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、生成した回答を出力するデバイス等を備え、記憶部として、データのストレージ部等を備える。コンピュータ4は、記憶部において、大規模言語モデルを保持する。コンピュータ4は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス、大規模言語モデルを活用し、質問データに対する回答を生成するデバイス等を備える。
【0023】
以下、業務管理システム1が実行する各処理について、上述した各モジュールが実行する処理と併せて説明する。
本明細書において、各モジュールは、その処理内容を、自身が有する機能として実行するものであっても良いし、所定のアプリケーションを介して実行するものであっても良い。
【0024】
[コンピュータ10が実行する生成処理]
図3に基づいて、コンピュータ10が実行する生成処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する生成処理のフローチャートを示す図である。本生成処理は、所定の業務の業務概要を取得する業務概要取得処理(ステップS1)、取得した業務概要に基づいて、大規模言語モデルに対して質問データを送信することで、所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定の少なくとも一つを、その回答として取得する回答取得処理(ステップS2)、取得した回答に基づいて、所定のアウトプットを生成する生成処理(ステップS3)の詳細である。
【0025】
業務概要取得モジュールは、所定の業務の業務概要を取得する(ステップS10)。
所定の業務は、例えば、タクシーの配車に関連する業務(配車業務、売上管理業務等)である。
業務概要は、例えば、所定の業務において実際に行う業務の概要に関連するもの(配車業務である場合、事務所の鍵開け、配車システムの立ち上げ、配車の受付開始処理、神棚管理、掃除、備品チェック等)である。
情報端末3は、利用者2から、所定の業務の業務概要とともに、利用者2が所望する業務に関する内容(所定の業務の名称、業務詳細、業務部署の名称、業務担当者の名称等)に関連する質問の入力を受け付ける。情報端末3は、これらを、文章形式により受け付ける。なお、情報端末3は、文章形式に限らず、それ以外の形式(箇条書き、単語、文節等)により受け付けても良い。
情報端末3は、例えば、「配車室の配車担当者が、事務所鍵開け、配車システムを起動させるPCの電源ONと受付開始処理、神棚管理、掃除、備品チェック等の準備を行う。を10文字以内の業務名に短縮して」の入力を受け付ける。ここで、業務概要が、「配車室の配車担当者が、事務所鍵開け、配車システムを起動させるPCの電源ONと受付開始処理、神棚管理、掃除、備品チェック等の準備を行う。」であり、利用者2が所望する業務に関する内容に関連する質問が、「を10文字以内の業務名に短縮して」である。情報端末3は、この入力を、自身の表示部に表示した仮想キーボードによりテキスト形式でその入力を受け付けるものであっても良いし、自身が有するマイク等により音声形式でその入力を受け付けるものであっても良い。本実施形態において、テキスト形式により受け付けたものとして説明する。
情報端末3は、受け付けた業務概要及び質問を、コンピュータ10に送信する。
業務概要取得モジュールは、これらを受信し、所定の業務の業務概要を取得する。
【0026】
回答取得モジュールは、取得した業務概要に基づいて、大規模言語モデルに対して、質問データを送信する(ステップS11)。
回答取得モジュールは、取得した業務概要及び質問を質問データとして、コンピュータ4に送信する。
コンピュータ4は、この質問データを受信する。コンピュータ4は、受信した質問データに基づいた、大規模言語モデルを活用し、この質問データに対する回答を生成する。ここで、コンピュータ4は、業務概要及び質問の内容を解析し、解析結果に基づいて、大規模言語モデルを参照し、この質問に対する回答を生成する。
コンピュータ4は、上述した例では、回答として、全ての業務概要に合致する10文字以内の業務の名称として、「配車準備業務」を生成する。
【0027】
回答取得モジュールは、所定の業務に関する内容を、質問データに基づいた回答として取得する(ステップS12)。
所定の業務に関する内容は、所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定の少なくとも一つである。
コンピュータ4は、生成した回答を回答データとして、コンピュータ10に送信する。
回答取得モジュールは、この回答データを受信し、所定の業務に関する内容を、質問データに基づいた回答として取得する。
【0028】
図4図9に基づいて、回答取得モジュールが送信する質問データ及び回答取得モジュールが受信する回答データについて説明する。
【0029】
図4は、業務の名称の生成に関する質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
質問データ20として、「配車室の配車担当者が、事務所鍵開け、配車システムを稼働させるPCの電源ONと受付開始処理、神棚管理、掃除、備品チェック等の準備を行う。を10文字以内の業務名に短縮して」が示されている。ここで、業務概要が、「配車室の配車担当者が、事務所鍵開け、配車システムを起動させるPCの電源ONと受付開始処理、神棚管理、掃除、備品チェック等の準備を行う。」であり、利用者2が所望した質問が、「を10文字以内の業務名に短縮して」である。このとき、利用者2は、業務の名称を所望していることが分かる。
この業務概要及び質問に対して生成された回答が、回答データ21に示されている。ここで、回答が、「配車準備業務」である。すなわち、この回答データ21に示された内容が、利用者2が所望した業務の名称を示すことになる。
【0030】
図5は、業務詳細の生成に関する質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
質問データ30として、「配車室の配車担当者が、事務所鍵開け、配車システムPCの電源ON、配車システムPCで受付開始処理、神棚管理、掃除、備品チェックを行う。を詳細文にして」が示されている。ここで、業務概要が、「配車室の配車担当者が、事務所鍵開け、配車システムPCの電源ON、配車システムPCで受付開始処理、神棚管理、掃除、備品チェックを行う。」であり、利用者2が所望した質問が、「を詳細文にして」である。このとき、利用者2は、業務詳細を所望していることが分かる。
この業務概要及び質問に対して生成された回答が、回答データ31に示されている。ここで、回答が、「この文は、タクシー会社の配車室に勤務する担当者が、配車業務を開始するための一連の作業を行う様子を示しています。具体的には、まず事務所の鍵を開け、配車システムPCの電源を入れて受付を開始し、配車システムを操作するためのPCを準備します。そして、神棚の管理、部屋の掃除、備品のチェック等を行って、整理整頓を済ませます。これらの作業は、タクシーの配車業務を円滑に進めるために必要不可欠なものであり、スムーズな業務運営のためには欠かせない作業です。」である。すなわち、この回答データ31に示された内容が、利用者2が所望した業務詳細を示すことになる。
【0031】
図6は、業務部署の生成に関する質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
質問データ40として、「部署:配車室の配車担当者が、タクシー配車業務の開始準備(配車システムの準備等)を行う。に記載されている部署名は」が示されている。ここで、業務概要が、「部署:配車室の配車担当者が、タクシー配車業務の開始準備(配車システムの準備等)を行う。」であり、利用者2が所望した質問が、「に記載されている部署名は」である。このとき、利用者2は、業務部署を所望していることが分かる。
この業務概要及び質問に対して生成された回答が、回答データ41に示されている。ここで、回答が、「「配車室」という部署名が記載されています。」である。すなわち、この回答データ41に示された内容が、利用者2が所望した業務部署を示すことになる。
【0032】
図7は、業務担当者の特定に関する質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
質問データ50として、「配車室の配車担当者が、タクシー配車業務の開始準備(配車システムの準備等)を行う。の主語は」が示されている。ここで、業務概要が、「配車室の配車担当者が、タクシー配車業務の開始準備(配車システムの準備等)を行う。」であり、利用者2が所望した質問が、「の主語は」であることが分かる。
この業務概要及び質問に対して生成された回答が、回答データ51に示されている。ここで、回答が、「この文の主語は、「配車担当者」です。配車室の配車担当者が何をするかが述語部分で示されています。」である。すなわち、この回答データ51に示された内容が、利用者2が所望した業務担当者を示すことになる。
【0033】
図8は、業務手順の特定に関する質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
質問データ60として、「配車室の配車担当者が、事務所鍵開け、配車システムPCの電源ON、配車システムPCで受付開始処理、神棚管理、掃除、備品チェックを行う。の仕事を一覧にして」が示されている。ここで、業務概要が、「配車室の配車担当者が、事務所鍵開け、配車システムPCの電源ON、配車システムPCで受付開始処理、神棚管理、掃除、備品チェックを行う。」であり、利用者2が所望した質問が、「の仕事を一覧にして」である。このとき、利用者2は、業務手順を所望していることが分かる。
この業務概要及び質問に対して生成された回答が、回答データ61に示されている。ここで、回答が、「以下は、与えられた文から抜き出した配車室の配車担当者の行う仕事の一覧です。事務所の鍵を開ける 配車システムPCの電源をONにする 配車システムPCで受付開始処理を行う 神棚の管理を行う 部屋の掃除を行う 備品チェックを行う 以上のように、配車室の配車担当者は、タクシーの配車業務を開始する前に、様々な準備作業を行っていることがわかります」である。すなわち、この回答データ61に示された内容が、利用者2が所望した業務手順を示すことになる。
【0034】
図9は、INPUT情報の特定に関する質問データ及び回答データの例を模式的に示す図である。
質問データ70として、「配車システムにログインID、パスワードを入力しログインを行う。メニューより、売上入力処理を選択し、取引先情報、売上日付情報、商品明細情報、商品単価情報、商品数量情報を入力し、売上合計金額情報を算出し登録する。の情報を抽出して」が示されている。ここで、業務概要が、「配車システムにログインID、パスワードを入力しログインを行う。メニューより、売上入力処理を選択し、取引先情報、売上日付情報、商品明細情報、商品単価情報、商品数量情報を入力し、売上合計金額情報を算出し登録する。」であり、利用者2が所望した質問が、「の情報を抽出して」」である。このとき、利用者2は、INPUT情報を所望していることが分かる。
この業務概要及び質問に対して生成された回答が、回答データ71に示されている。ここで、回答が、「処理内容:売上入力処理 入力情報: 取引先情報: 売上日付情報: 商品明細情報: 商品単価情報: 商品数量情報: 出力情報:売上合計金額情報 手順: 配車システムにログイン 売上入力処理を選択 取引先情報、売上日付情報、商品明細情報、商品単価情報、商品数量情報を入力 売上合計金額情報を算出 売上合計金額情報を登録」である。すなわち、この回答データ71に示された内容が、利用者2が所望したINPUT情報を示すことになる。
【0035】
これらで示した通り、質問データは、業務概要及び利用者2が所望する所定の業務に関する内容を含むものであり、回答データは、これらに対して生成された回答を含むものである。
なお、所定の業務に関する内容は、上述した各例に限定されるものではなく、それ以外のものであっても良いことは言うまでもない。加えて、質問データ及び回答データの各内容も、上述した例に限定されるものではなく、それ以外のものであっても良いことは言うまでもない。更に、回答データは、同一の質問データに対して、必ずしも同一の回答である必要は無く、質問データを送信する毎に、コンピュータ4により異なる回答が生成されていても良いし、常に同一の回答であっても良い。
【0036】
図3に戻り、生成処理の続きを説明する。
生成モジュールは、所定のアウトプットを生成する(ステップS13)。
所定のアウトプットは、業務一覧の作成、業務フローの作成、業務手順の作成の少なくとも一つである。また、この所定のアウトプットは、上述した回答における利用者2が所望した所定の業務に関する内容に対応するものである。例えば、利用者2が、業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定、業務手順の特定を所望していた場合、所定のアウトプットは、業務一覧の作成、業務フローの作成、業務手順の作成の少なくとも一つである。また、利用者2が、INPUT情報の特定を所望していた場合、所定のアウトプットは、IN-OUT情報一覧の生成、業務管理DBの生成の少なくとも一つである。また、その他にも、利用者2が、計算ロジックの特定を所望していた場合、所定のアウトプットは、計算ロジック一覧の生成、プログラムの生成の少なくとも一つである。
生成モジュールが、業務一覧の作成、業務フローの作成、業務手順の作成を行う場合の例について説明する。
生成モジュールは、利用者2が所望した内容に応じて、既存の業務一覧、業務フロー、業務手順の一部又は全部を変更する。または、生成モジュールは、利用者2が所望した内容に応じて、新たな業務一覧、業務フロー、業務手順を生成する。例えば、生成モジュールは、業務一覧、業務フロー、業務手順が記載されたオンラインマニュアルにおいて、利用者2が所望した内容に応じて、その内容の一部又は全部を変更する。または、生成モジュールは、利用者2が所望した内容に応じて、業務一覧、業務フロー、業務手順を記載した新規のオンラインマニュアルを生成する。生成モジュールは、回答に含まれる所定のキーワード(予め設定された文字列、業務概要に関する文字列、業務手順に関する文字列、業務部署に関する文字列等)を抽出し、抽出結果と、予め設定されたフォームとに基づいて、このフォームに、抽出結果の文字列を適合させ、既存のオンラインマニュアルの変更又は新規のオンラインマニュアルの生成を行う。
特定モジュールは、予め各利用者2に設定された業務内容に基づいて、変更されたオンラインマニュアル又は新規のオンラインマニュアルの内、これらのオンラインマニュアルの影響を受ける(自業務に関連するオンラインマニュアルが変更された又は追加された)利用者2を特定する。特定モジュールは、特定した利用者2に対して、通知するために必要な利用システムを併せて特定する。この利用システムは、例えば、メール、メッセージの送信を行うシステムや、電話の発呼を行うシステムや、SNS(Social Networking Service)の投稿を行うシステムである。
通知モジュールは、特定した利用者2に、オンラインマニュアルの変更又は追加が行われたことを通知する。通知モジュールは、例えば、オンラインマニュアルの変更又は追加されたことを示す文字列が記載された、変更又は追加されたオンラインマニュアルが添付された等のメールを、この利用者2が管理する情報端末3に送信し、この利用者2に、オンラインマニュアルの変更又は追加が行われたことを通知する。なお、通知モジュールは、これら以外の方法により、オンラインマニュアルの変更又は追加が行われたことを通知しても良い。
生成モジュールが、IN-OUT情報一覧の生成、業務管理DBの生成を行う場合の例について説明する。
生成モジュールは、利用者2が所望した内容に応じて、既存のIN-OUT情報一覧の一部又は全部を変更する。または、生成モジュールは、利用者2が所望した内容に応じて、新たなIN-OUT情報一覧を生成する。生成モジュールは、変更又は新規のIN-OUT情報一覧に基づいて、IN-OUT情報を管理する業務管理DBを更新又は追加する。
生成モジュールが、計算ロジック一覧の生成、プログラムの生成を行う場合の例について説明する。
生成モジュールは、利用者2が所望した内容に応じて、既存の計算ロジック一覧の一部又は全部を変更する。または、生成モジュールは、利用者2が所望した内容に応じて、新たな計算ロジック一覧を生成する。変更又は新規の計算ロジック一覧に基づいて、計算ロジックを使用したプログラムを生成する。
【0037】
以上が、生成処理である。
【0038】
上述した各処理は、別個の処理として記載しているが、コンピュータ10は、上述した各処理の一部又は全部を組み合わせて実行する構成も可能である。また、コンピュータ10は、各処理において、説明したタイミング以外のタイミングであっても、その処理を実行する構成も可能である。
【0039】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されて良い。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されて良い。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしても良い。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0041】
本実施形態に開示される第1の態様は、所定の業務を管理するための業務管理システムであって、
前記所定の業務の業務概要を取得する業務概要取得部と、
取得した前記業務概要に基づいて、大規模言語モデルに対して質問データを送信することで、前記所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定の少なくとも一つを、その回答として取得する回答取得部と、
取得した前記回答に基づいて、所定のアウトプットを生成する生成部と、
を備える業務管理システムを提供する。
【0042】
本実施形態に開示される第2の態様は、前記生成部が、取得した前記回答に含まれる所定のキーワードに基づいて、前記所定のアウトプットを生成する、
第1の態様に記載の業務管理システムを提供する。
【0043】
本実施形態に開示される第3の態様が、前記所定のアウトプットは、業務一覧の作成、業務フローの作成、業務手順の作成の少なくとも一つである、
第1の態様に記載の業務管理システムを提供する。
【符号の説明】
【0044】
1 業務管理システム
2 利用者
3 情報端末
4 コンピュータ
8 ネットワーク
10 コンピュータ
11 業務概要取得部
12 回答取得部
13 生成部
20,30,40,50,60,70 質問データ
21,31,41,51,61,71 回答データ

【要約】
【課題】基本的な業務フローを示す業務概要から、個々の用途に合致した所定のアウトプットを生成する。
【解決手段】所定の業務を管理するための業務管理システムは、前記所定の業務の業務概要を取得し、取得した前記業務概要に基づいて、大規模言語モデルに対して質問データを送信することで、前記所定の業務の名称の生成、業務詳細の生成、業務部署の生成、業務担当者の特定の少なくとも一つを、その回答として取得し、取得した前記回答に基づいて、所定のアウトプットを生成する。
【選択図】図1

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