(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】ブルートゥースによる電熱服への制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20240625BHJP
A41D 13/005 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H04Q9/00 311V
H04Q9/00 301Z
A41D13/005 101
(21)【出願番号】P 2023108964
(22)【出願日】2023-07-01
【審査請求日】2023-07-01
(31)【優先権主張番号】202310529622.2
(32)【優先日】2023-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518281708
【氏名又は名称】▲広▼州▲時▼易中信息科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100180482
【氏名又は名称】田中 将隆
(72)【発明者】
【氏名】楊 泰平
(72)【発明者】
【氏名】朱 亜累
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2023/0028582(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第116807102(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第117179401(CN,A)
【文献】特表2018-501771(JP,A)
【文献】特開2022-3180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
A41D 13/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブルートゥースによる電熱服への制御方法であって、以下のステップを含み、
制御装置の音声モジュールは音声信号を取得し、音声信号に含まれているフィーチャー信号に従って制御コマンドの生成をトリガーし、
マスター機は、前記制御コマンドの分類を判定し、前記制御コマンドが分類1制御コマンドに該当する場合、有線伝送により、前記分類1制御コマンドを上着加熱装置に送信し、
前記分類1制御コマンドは、前記上着加熱装置をトリガーしてオンオフ操作を実行し、
前記制御コマンドが分類2制御コマンドに該当する場合、マスター機は、前記分類2制御コマンドをブルートゥース伝送チャネルに送信し、
各スレーブ機はそれぞれブルートゥース伝送チャネルから前記分類2制御コマンドを受信し、かつ前記分類2制御コマンドに含まれているアドレスコードを解析識別し、
前記アドレスコードは、1つの前記スレーブ機が制御対応する上着以外の加熱装置だけのトリガーとし、そのオンオフ操作を実行する
ことを特徴する、ブルートゥースによる電熱服への制御方法。
【請求項2】
前記制御コマンドは識別コードを含み、
前記マスター機は前記識別コードに従って前記制御コマンドの分類を判定し、前記分類に従って前記制御コマンドに対応する伝送チャネルをマッチングする
ことを特徴する、請求項1に記載のブルートゥースによる電熱服への制御方法。
【請求項3】
前記制御コマンドの生成をトリガーする前に、環境音に起動命令文が含まれているかどうかを継続的に判定し、含まれている場合、前記音声モジュールを起動し、含まれていない場合、前記音声モジュールをスリープのままにする
ことを特徴する、請求項1に記載のブルートゥースによる電熱服への制御方法。
【請求項4】
前記音声モジュールが起動状態にある場合において、所定時間内にいずれかの前記制御コマンドの生成がトリガーされていない場合、前記音声モジュールはスリープに入る
ことを特徴する、請求項3に記載のブルートゥースによる電熱服への制御方法。
【請求項5】
前記所定時間は10~60秒に設定される
ことを特徴とする、請求項4に記載のブルートゥースによる電熱服への制御方法。
【請求項6】
前記アドレスコードは、少なくとも2つの前記スレーブ機が制御対応する上着以外の加熱装置をトリガーしてオンオフ操作を実行し、
前記上着以外の加熱装置が前記オンオフ操作を実行した後、対応する前記スレーブ機はすべて前記マスター機にフィードバック信号を送信し、
プリセット時間内に前記マスター機が前記フィードバック信号を全て受信していない場合、マスター機は、分類2制御コマンドをブルートゥース伝送チャネルに再送信される
ことを特徴とする、請求項1にブルートゥースによる電熱服への制御方法。
【請求項7】
前記音声モジュールは、書き込み可能な音声照合ライブラリを含み、
前記音声信号から前記フィーチャー信号を抽出してテキストに変換し、前記テキストが前記音声照合ライブラリのキーワードと一致する場合、対応する制御コマンドの生成をトリガーする
ことを特徴とする、請求項1に記載のブルートゥースによる電熱服への制御方法。
【請求項8】
ブルートゥースによる電熱服への制御をするための制御装置であって、
音声モジュールが、音声信号を取得し、前記音声信号に含まれているターゲット信号に従って制御コマンドの生成をトリガーし、
マスター機が、前記制御コマンドの分類を判定し、
前記制御コマンドが分類1制御コマンドに該当する場合、有線伝送により前記分類1制御コマンドを上着加熱装置に送信し、
前記分類1の制御コマンドは、前記上着加熱装置をトリガーしてオンオフ操作を実行し、
前記制御コマンドが分類2制御コマンドに該当する場合、マスター機は前記分類2制御コマンドをブルートゥース伝送チャネルに送信し、
各スレーブ機はそれぞれブルートゥース伝送チャネルから分類2制御コマンドを受信し、かつ分類2制御コマンドに含まれているアドレスコードを解析識別し、
アドレスコードは1つのスレーブ機が制御対応する上着以外の加熱装置だけのトリガーとし、そのオンオフ操作を実行する
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項9】
制御装置であって、メモリと、プロセッサと、通信モジュールとを含み、
前記メモリは、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のブルートゥースによる電熱服への制御方法を実行可能なプログラムコードを格納するために使用され、
前記プロセッサは、前記メモリに結合され、
前記プロセッサは、前記メモリに格納された前記実行可能なプログラムコードを呼び出す
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項10】
コンピュータ記憶媒体であって、
前記コンピュータ記憶媒体にはコンピュータ命令が格納されており、
前記コンピュータ命令が呼び出された時に、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のブルートゥースによる電熱服への制御方法を実行する
ことを特徴とする、コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートアパレル技術分野に関し、特にブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電熱服は通常または特製の衣類と加熱装置からなる衣類またはアクセサリーであり、現在、市場でよく見られる電熱服は加熱ジャケット、加熱ズボン、加熱手袋、加熱靴下などを含む。
一般的に、異なる部位の衣類間には、ワイヤで接続すると、美しくない一方で脱衣しにくいため、従来の制御ロジックでは、電熱服全体の各製品に制御ボタンを個別に設けられることにより電源のオン・オフを制御する。
上記の個別制御は煩雑であるだけでなく、足にある靴下に対してボタンを操作するためには腰をかがめなければならない。
また、ユーザの上着が厚い場合には、ズボンのボタンさえ直立した状態で操作できず、使用上の不便をもたらす。
【0003】
中国特許出願公開第111493388号明細書は、音声識別VUI技術により人と会話することができ、会話することにより、衣類の自動加熱保温を制御するマイクロサービス管理に基づくスマートウェアを開示する。
しかし、該スマートウェアはマイクを有する上着のみに音声制御を行うことができ、環境ノイズや距離の制限ゆえに、離れた場所にあるズボンや靴下の加熱装置を制御することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国特許出願公開第111493388号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、全身の複数の加熱製品への制御が不便であるという課題に対し、「唯一の音声入力により」複数の加熱装置を制御可能なブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本願の第1態様は、ブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法を提供し、以下のステップを含む。
音声モジュールは音声信号を取得し、前記音声信号に含まれているフィーチャー信号に従って制御コマンドの生成をトリガーする。
マスター機は、前記制御コマンドの分類を判定し、前記制御コマンドが「分類1制御コマンド」に該当する場合、「有線伝送」により前記分類1制御コマンドを上着加熱装置に送信する。
前記分類1制御コマンドは、前記上着加熱装置をトリガーしてオンオフ操作を実行する。
前記制御コマンドが「分類2制御コマンド」に該当する場合、マスター機は、前記分類2制御コマンドを「ブルートゥース(登録商標)伝送チャネル」に送信する。
各スレーブ機は、それぞれブルートゥース(登録商標)伝送チャネルから前記分類2制御コマンドを受信し、かつ前記分類2制御コマンドに含まれているアドレスコードを解析識別する。
前記アドレスコードは、1つのスレーブ機が制御対応する上着以外の加熱装置だけのトリガーとし、上着以外の加熱装置のオンオフ操作を実行する。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記制御コマンドは「識別コード」を含み、前記マスター機は識別コードに従って制御コマンドの分類を判定し、かつ前記分類に従って制御コマンドに対応する伝送チャンネルをマッチングする。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記制御コマンドの生成をトリガーする前に、環境音に「起動命令」が含まれているかどうかを継続的に判定し、含まれている場合、音声モジュールを起動し、含まれていない場合、音声モジュールをスリープのままにする。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記音声モジュールが起動状態にある場合、所定時間内に制御コマンドの生成がトリガーされていない場合、前記音声モジュールはスリープ状態に入る。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記所定時間は10~60秒に設定される。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記アドレスコードは、少なくとも2つのスレーブ機が制御対応する上着以外の加熱装置をトリガーしてオンオフ操作を実行する。
前記上着以外の加熱装置が前記オンオフ操作を実行した後、対応するスレーブ機はすべて前記マスター機にフィードバック信号を送信し、
プリセット時間内に前記マスター機がフィードバック信号を全て受信していない場合、マスター機は、前記分類2制御コマンドをブルートゥース(登録商標)伝送チャネルに再送信する。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記音声モジュールは書き込み可能な音声照合ライブラリを含み、前記音声信号から前記フィーチャー信号を抽出してテキストに変換し、前記テキストが前記音声照合ライブラリのキーワードと一致する場合に、対応する制御コマンドの生成をトリガーする。
【0013】
本願の第2態様は、ブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御装置であって、以下を含んでいる。
音声モジュールが、音声信号を取得し、前記音声信号に含まれているターゲット信号に従って制御コマンドの生成をトリガーする。
マスター機が、前記制御コマンドの分類を判定し、前記制御コマンドが「分類1制御コマンド」に該当する場合、「有線伝送」により前記分類1制御コマンドを上着加熱装置に送信する。
前記分類1制御コマンドは、前記上着加熱装置をトリガーしてオンオフ操作を実行する。
前記制御コマンドが「分類2制御コマンド」に該当する場合、マスター機は前記分類2制御コマンドを「ブルートゥース(登録商標)伝送チャネル」に送信する。
各スレーブ機はそれぞれブルートゥース(登録商標)伝送チャネルから分類2制御コマンドを受信し、かつ分類2制御コマンドに含まれているアドレスコードを解析識別する。
前記アドレスコードは、1つのスレーブ機が制御対応する上着以外の加熱装置だけのトリガーとし、上着以外の加熱装置のオンオフ操作を実行する。
【0014】
本願の第3態様はブルートゥースによる電熱服への制御装置を提供し、前記制御装置はメモリと、プロセッサと、通信モジュールとを備え、
前記メモリは、実行可能なプログラムコードを格納するために使用され、
前記プロセッサは、前記メモリに結合され、同メモリに格納された前記実行可能なプログラムコードを呼び出して上述したブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法を実行する。
【0015】
本願の第4態様は、コンピュータ記憶可能媒体を提供し、前記コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ命令が格納され、前記コンピュータ命令が呼び出される時に、上述したブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法を実行するために用いられる。
【0016】
本願の有益な効果は以下のとおりである。
マスター機は、ブルートゥース(登録商標)伝送により「上着以外の加熱装置を制御」してオンオフ操作を実行し、それによって環境騒音を低減し、音声制御の距離を高め、腰をかがめるまたは手で操作しにくいシーンを効果的に避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本願の実施形態1に開示されたブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法のフロー図である。
【
図2】本願の実施形態2に開示されたブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法のフロー図である。
【
図3】本願の実施形態3に開示されたブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御装置の概略構造図である。
【
図4】本願の実施形態4に開示されたブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本願の実施形態における図面と併せて、本願の実施形態における技術的態様を明確に、完全に説明する。説明された実施形態は本願の一部の実施形態であり、すべての実施形態においてないことが明らかである。本願における実施形態に基づき、当業者によって創造的な労働を伴わずに得られた他のすべての実施形態は、本願の保護範囲に含まれる。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「備える」及び「含む」という用語は、記載された特徴、全体、ステップ、操作、要素及び/又はコンポーネントの存在を示すが、一つ又は複数の他の特徴、全体、ステップ、操作、要素、コンポーネント及び/又はそれらの集合体の存在又は付加を排除するものではないことを理解されたい。
【0020】
本願の明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記述する目的だけで使用され、本願を限定することを意図していないことも理解されたい。本願の明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形の「1」、「一つ」、及び「該」は、文脈が他の状況を明確に示さない限り、複数形を含むことを意味する。
【0021】
さらに、本願の明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される用語「及び/または」は、関連して列挙された項目のうちの一つまたは複数のランダム組合せ、及びすべての可能な組合せを意味し、これらの組合せを含むことを理解されたい。
【0022】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「もし」という用語は、文脈上、「の時」又は「の場合」又は「決定に応答」又は「検出することに応答」と解釈される場合がある。同様に、「決定された場合」または「[記述された条件またはイベント]が検出された場合」というフレーズは、文脈に応じて、「決定された場合」または「決定に応答する」または「[記述された条件またはイベント]が検出された場合」または「[記述された条件またはイベント]が検出された場合」を意味すると解釈され得る。
【0023】
[実施形態1]
本実施形態はブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法を提供し、マスター機はブルートゥース(登録商標)伝送により「上着以外の加熱装置を制御」してオンオフ操作を実行する。
このようにすることで、環境騒音を低減し、音声制御の距離を高め、腰をかがめるまたは手で操作しにくいシーンを効果的に避けることができる。
【0024】
図1を参照すると、同
図1は本願の実施形態に開示されたブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法のフロー図である。
図1に示すように、次のステップを含む。
【0025】
音声モジュールは、音声信号を取得し、音声信号に含まれているフィーチャー信号に従って制御コマンドの生成をトリガーする。
【0026】
マスター機は、制御コマンドの分類を判定する。
制御コマンドが分類1制御コマンドに該当する場合、有線伝送により「分類1制御コマンド」を上着加熱装置に送信する。
分類1制御コマンドは、上着加熱装置をトリガしてオンオフ操作を実施する。
制御コマンドが「分類2制御コマンド」に該当する場合、マスター機は、分類2制御コマンドをブルートゥース(登録商標)伝送チャネルに送信する。
各スレーブ機は、それぞれブルートゥース(登録商標)伝送チャネルから分類2制御コマンドを受信し、かつ分類2制御コマンドに含まれているアドレスコードを解析識別する。
アドレスコードは、1つのスレーブ機が制御対応する「上着以外の加熱装置だけのトリガー」とし、上着以外の加熱装置のオンオフ操作を実行する。
【0027】
音声識別には、主に2つの実現方法がある。
1つは組み込みプロセッサに音声開発パッケージを直接呼び出すことである。
もう1つは組み込みプロセッサの周辺拡張音声チップである。
第1の方法はプログラム量が多く、計算が複雑で、大量のプロセッサリソースを占有する必要があり、開発サイクルが長い。
第2の方法は比較的簡単で、マイクロプロセッサに接続された音声チップのインターフェース部分だけに注目すればよく、構造が簡単で構築しやすく、マイクロプロセッサの計算負担が大幅に低下し、信頼性が高まり、開発サイクルが短縮されたため、本実施形態は該音声モジュールの考案を使用した。
上記音声モジュールは、非特定人物識別である。
非特定人物識別とは、識別対象がほとんどのユーザを対象としたものであり、本実施形態において、主に音声信号からフィーチャー信号を抽出し、対応する制御コマンドを生成するために用いられる。
例えば、ユーザが音声「上着加熱」を出力すると、音声モジュールは文中のキーワード「上着」及び「加熱」を識別し、それに従って対応する制御コマンドを出力する。
同様に、ユーザは音声「ズボン加熱」を出力し、音声モジュールは文中のキーワード「ズボン」及び「加熱」を識別し、それに従って対応する制御コマンドを出力する。
【0028】
上記のマスター機は、主に演算機能とブルートゥース(登録商標)送信機能を備えており、本実施形態において、音声モジュールから制御コマンドを受信したマスター機は、まず制御コマンドの特性を判定して「分類1制御コマンド」または「分類2制御コマンド」に分類し、その特性に応じてワイヤ制御またはブルートゥース伝送を選択する。
マスター機は、必要とするタスクに応じて、演算としてマイクロプロセッサチップを搭載し、制御コマンド送信のための信号送信モジュールとしてブルートゥース(登録商標)SOCを搭載することができる。
【0029】
上記のスレーブ機は、一方向のブルートゥース(登録商標)伝送機能のみ含み、伝送チャネルの間欠的に送信される制御コマンドのみ受動的に受信することができる。
【0030】
本実施形態において「上着加熱装置」は、音声モジュールとマスター機に組み込まれ、音声識別とブルートゥース(登録商標)通信の機能を備える。
「上着以外の加熱装置」(ズボン、手袋又は靴下を含むが、これに限定されない)は、スレーブ機に組み込まれ、ブルートゥース通信機能のみ備える。
マスター機と各スレーブ機のハンドシェイク識別によって、ユーザが上着を着る場合、まず音声モジュールの識別機能によって制御コマンドを生成し、マスター機は状況に応じて制御コマンドを異なるチャネルに転送する。
上着加熱装置に対する制御コマンドについて、マスター機は上着加熱装置に直接有線制御を行う。
上着以外の加熱装置に対する制御コマンドについて、マスター機はブルートゥース(登録商標)通信により制御コマンドを各スレーブ機に伝送し、最終的に一つのスレーブ機のみが対応する操作を実行し、スレーブ機が間接的に、迅速に制御を受けることができるようにする。これにより、環境ノイズや距離制御の問題を回避するとともに、スレーブ機が使用するハードウェアモジュールも減らし、生産コストを低減させる。
【0031】
[実施形態2]
図2を参照すると、同
図2は本願の実施形態に開示されたもう一つのブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法のフロー図である。
図2に示すように、次のステップを含む。
【0032】
制御コマンドの生成をトリガーする前に、環境音に起動命令が含まれているかどうかを継続的に判定し、含まれている場合、音声モジュールを起動し、含まれていない場合、音声モジュールをスリープのままにする。
【0033】
音声モジュールが起動状態にある場合、所定時間内に制御コマンドの生成がトリガーされていない場合、音声モジュールはスリープ状態に入り、所定時間は「10~60秒」に設定される。
本実施形態において、単に起動命令を音声モジュールの起動状態を延長するトリガー条件として使用するのではなく、制御コマンドの生成を音声モジュールがスリープ状態に入らせるトリガー条件とすることにより、ユーザが音声制御を発し続ける間に音声モジュールがスリープに入ることを防止することができる。
所定時間を10秒と仮定し、その間にユーザが複数の音声信号を発する必要があると、汎用的な制御ロジックによると、ユーザが10秒以内に起動命令を発しない場合、音声モジュールはそのままスリープに入る。
従って、本実施形態において、所定時間の計時範囲内ではユーザが音声信号を発することが検知されると、その所定時間をリセットする。即ちカウントダウンを繰り返し行う。
明らかに、この解決策で提供されたスリープトリガーロジックでは、ユーザの実際の操作過程にスリープに入ることがなく、ユーザの使用感を大幅に向上できる。
【0034】
音声モジュールは音声信号を取得し、音声信号に含まれているフィーチャー信号に従って制御コマンドの生成をトリガーする。
制御コマンドは識別コードを含み、マスター機は識別コードに従って制御コマンドの分類を判定し、分類に従って制御コマンドに対応する伝送チャネルをマッチングする。
音声モジュールは書き込み可能な音声照合ライブラリを含み、音声信号からフィーチャー信号を抽出してテキストに変換し、テキストが音声照合ライブラリのキーワードと一致する場合、対応する制御コマンドの生成をトリガーする。
【0035】
マスター機は、制御コマンドの分類を判定し、制御コマンドが分類1制御コマンドに該当する場合、有線伝送により分類1制御コマンドを上着加熱装置に送信する。
分類1制御コマンドは、上着加熱装置をトリガしてオンオフ操作を実行する。
制御コマンドが分類2制御コマンドに該当する場合、マスター機は、分類2制御コマンドをブルートゥース(登録商標)伝送チャネルに送信する。
各スレーブ機は、それぞれブルートゥース(登録商標)伝送チャネルから分類2制御コマンドを受信し、かつ分類2制御コマンドに含まれているアドレスコードを解析識別する。
アドレスコードは、1つのスレーブ機が制御対応する上着以外の加熱装置だけのトリガーとし、上着以外の加熱装置のオンオフ操作を実行する。
【0036】
もう一つの選択可能な実施形態において、マスター機の「1対多」の制御方式もさらに提供される。
アドレスコードは、少なくとも2つのスレーブ機が制御対応する上着以外の加熱装置をトリガーしてオンオフ操作を実行する。
上着以外の加熱装置がオンオフ操作を実行した後、対応するスレーブ機は全て、マスター機にフィードバック信号を送信する。
プリセット時間内にマスター機がフィードバック信号をすべて受信していない場合、マスター機は、分類2制御コマンドをブルートゥース(登録商標)伝送チャネルに再送信する。
本実施形態において、分類2制御コマンドが2つのスレーブ機をトリガーし制御する必要があるため、該分類2制御コマンドのパケットが大きくなり、送信失敗のリスクが大きくなるため、対応するスレーブ機がマスター機にフィードバック信号を送信する必要がある。
マスター機は、該フィードバック信号を検証して、実際状況に応じて分類2制御コマンドを再送信する操作をトリガーする必要がある。
また、上記プリセット時間は、1秒以下に設定される。
【0037】
本実施形態におけるマスター機は、主に演算機能とブルートゥース(登録商標)伝送機能を含む。
本実施形態において、マスター機は、音声モジュールから制御コマンドを受信し、まず制御コマンドの特性を判定し、分類1制御コマンドまたは分類2制御コマンドに分類した後、その特性に応じて「有線制御」または「ブルートゥース(登録商標)伝送」を選択する。
次に、マスター機は、収集されたフィードバック信号を判定する必要がある。
本実施形態のスレーブ機は、ブルートゥース(登録商標)の双方向伝送機能を含み、伝送チャネルの間欠的に送信された制御コマンドを受動的に受信することができ、制御コマンドを受信した後、マスター機にフィードバック信号を返すこともできる。
【0038】
[実施形態3]
図3を参照すると、
図3は本願の実施形態に開示されたブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御装置の概略構造図である。
図3に示すように、以下のものを含む。
【0039】
音声モジュール301であって、音声信号を取得し、音声信号に含まれているターゲット信号に従って制御コマンドの生成をトリガーするために用いられる。
【0040】
マスター機302は、制御コマンドの分類を判定するものである。
マスター機302は、制御コマンドが「分類1制御コマンド」に該当する場合、有線伝送により分類1制御コマンドを上着加熱装置303に送信する。
分類1制御コマンドは、上着加熱装置303をトリガーしてオンオフ操作を実行する。
制御コマンドが「分類2制御コマンド」に該当する場合、マスター機302は、分類2制御コマンドをブルートゥース(登録商標)伝送チャネルに送信する。
各スレーブ機304は、それぞれブルートゥース(登録商標)伝送チャネルから「分類2制御コマンド」を受信し、かつ当該分類2制御コマンドに含まれているアドレスコードを解析識別する。
アドレスコードは、1つのスレーブ機304が制御対応する「上着以外の加熱装置305」だけのトリガとし、そのオンオフ操作を実行する。
【0041】
本実施形態において、音声モジュール301・マスター機302・スレーブ機304の構造・機能は、実施形態1または2のいずれかに記載のブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法を参照することができるため、ここでは説明を省略する。
【0042】
[実施形態4]
図4を参照すると、同
図4は本願の実施形態に開示されたもう一つのブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御装置の概略構造図である。
図4に示すように、該制御装置は、実行可能なプログラムコードが格納されたメモリ401と、メモリ401に結合されたプロセッサ402と、を含む。
【0043】
プロセッサ402は、実施形態1または実施形態2のいずれかに記載のブルートゥースによる電熱服への制御方法におけるステップを実行するために、メモリ401に格納された実行可能なプログラムコードを呼び出す。
【0044】
[実施形態5]
本願の実施形態は、コンピュータプログラム製品を開示する。
該コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムが格納された瞬時でないコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み、かつ該コンピュータプログラムの操作によりコンピュータに実施形態1または実施例2のいずれかに記載のブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法におけるステップを実行させる。
【0045】
上記に記載された装置の実施形態は単なる例示であり、前記個別の構成要素として説明されたモジュールは物理的に分離されていてもいなくてもよく、モジュールとして表示された部品は物理的なモジュールであってもなくてもよく、すなわち1つの場所に配置されていてもよく、または複数のネットワークモジュールに分散されていてもよい。
本実施形態の目的は、実際の必要性に応じてその一部または全部のモジュールを選択して実現することができる。当業者は、創造的な労働をすることなく、理解し、実施することができる。
【0046】
以上の実施形態の具体的な説明により、当業者は、各実施形態がソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを追加することによって実現可能であり、もちろんハードウェアによっても実現可能であることを明らかにすることができる。
このような理解に基づいて、上記の技術案は本質的にまたは従来技術に寄与する部分をソフトウェア製品の形で体現することができ、該コンピュータソフトウェア製品はコンピュータ読み書き可能な記憶媒体に格納することができ、記憶媒体は読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、データの書き込みが可能なROM(Programmable Read-only Memory、PROM)、データの消去と書き換えが可能なROM (Erasable Programmable Read Only Memory、EPROM)、1回のみ書き込むことができるROM(One-time Programmable Read-Only Memory、OTPROM)、書き換え可能な読み取り専用メモリ(Electrically-Erasable Programmable Read-Only Memory、EEPROM)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)またはその他の光ディスクメモリ、磁気ディスクメモリ、磁気テープメモリ、磁気テープメモリ、または、データの搬送または保存に使用することができるコンピュータ読み取り可能ないかなる媒体を備える。
【0047】
最後に説明しなければならないのは、本願の実施形態におけるブルートゥース(登録商標)による電熱服への制御方法及び装置の開示は、本願の好ましい実施形態に過ぎず、本願の技術的解決策を説明するためだけであり、それに限定されるものではない。
上記の実施形態を参照して本願を詳細に説明したが、当業者は理解すべきであり、依然として上記の各実施形態に記載された技術案を修正したり、技術的特徴の一部を同等に置き換えたりすることができる。
これらの修正または置換は、対応する技術案の本質を各実施形態の技術案の精神と範囲から外れるものではない。
【0048】
上述した実施形態は、本願の技術的思想及び特徴を説明するためのものであり、その目的は、当業者が本願の内容を理解し、それに従って実施できるようにするためのものであり、このように本願の保護範囲を限定するものではない。本願の実質に基づくすべての等価な変形または修正は、本願の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0049】
301 音声モジュール
302 マスター機
303 上着加熱装置
304 スレーブ機
305 上着以外の加熱装置
401 メモリ
402 プロセッサ
【要約】
【課題】ブルートゥースによる電熱服への制御方法を開示する。
【解決手段】ブルートゥースによる電熱服への制御方法では、音声モジュールは音声信号を取得し、音声信号に含まれているフィーチャー信号に従って制御コマンドの生成をトリガーする。マスター機は制御コマンドの分類を判定し、制御コマンドが分類1制御コマンドに該当する場合、有線伝送により分類1制御コマンドを上着加熱装置に送信し、分類1制御コマンドは上着加熱装置をトリガーしてオンオフ操作をする。制御コマンドが分類2制御コマンドに該当する場合、分類2制御コマンドをブルートゥース伝送チャネルに送信し、各スレーブ機はそれぞれブルートゥース伝送チャネルから分類2制御コマンドを受信し、かつ分類2制御コマンドに含まれているアドレスコードを解析識別し、アドレスコードは1つのスレーブ機が制御対応する上着以外の加熱装置だけのトリガーとし、そのオンオフ操作を実行する。
【選択図】
図1