(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】車両用運転支援装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/08 20120101AFI20240625BHJP
B60W 30/14 20060101ALI20240625BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20240625BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B60W30/08
B60W30/14
B60W40/04
G08G1/16 C
(21)【出願番号】P 2020101496
(22)【出願日】2020-06-11
【審査請求日】2023-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 大
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-224093(JP,A)
【文献】特開2005-138782(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0214271(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺の環境情報を取得する周辺環境情報取得部と、
前記周辺環境情報取得部で取得した環境情報に基づいて前記自車両の追従対象となる先行車を検出する追従対象先行車検出部と、
前記周辺環境情報取得部で取得した環境情報に基づいて前記自車両の周辺の移動体を検出する移動体検出部と、
前記追従対象先行車検出部で追従対象となる前記先行車を検出した場合、前記先行車に対して前記自車両を追従走行させる先行車追従走行制御部と、
前記自車両の車速を検出する車速検出部と、
前記先行車追従走行制御部での追従走行に際し前記自車両と前記先行車との間に、前記移動体の侵入を検出する割込検出領域を設定する割込検出領域設定部と
を備え、
前記割込検出領域設定部は、前記割込検出領域に少なくとも前記車速検出部で検出した車速に応じ、該車速が低くなるに従い左右へ膨出する長さを増加させる膨出部を設定し、前記膨出部の左右最大膨出位置を前記自車両の前方に設定する
車両用運転支援装置において、
前記自車両と前記先行車との車間距離を検出する車間距離検出部を更に有し、
前記割込検出領域設定部は、前記膨出部の左右最大膨出位置を前記車間距離検出部で検出した前記車間距離に応じて該車間距離が長くなるに従い前記自車両から離れる前方に設定する
ことを特徴とす
る車両用運転支援装置。
【請求項2】
前記割込検出領域設定部は、前記左右最大膨出位置に設定する左右最大膨出幅を少なくとも前記車速検出部で検出した車速に基づき該車速が低くなるに従い長い値に設定する
ことを特徴とする請求項
1記載の車両用運転支援装置。
【請求項3】
前記割込検出領域設定部は、前記自車両側と前記先行車側との車幅方向に所定
の検出幅をそれぞれ設定し、該検出幅の端部と前記左右最大膨出幅とを結んで三角形状の前記膨出部を設定する
ことを特徴とする請求項
2記載の車両用運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停車を含む低速領域での走行時における自車両と追従対象の先行車との間に、移動体の割込を検出する割込検出領域を設定するようにした車両用運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転支援制御として、追従対象の先行車が存在しないときはセット車速を維持する定速走行制御を行い、追従対象の先行車を検出した場合、先行車に対し所定車間距離を維持した状態で自車両を追従させる車間距離自動維持制御(ACC:Adaptive Cruise Control)が知られている。
【0003】
又、最近では、このACC制御の適用領域を低速領域(0[Km/h]~)まで拡大し、渋滞追従機能を持たせたシステムも知られている。この渋滞追従機能を備えたACC制御では、上述した追従走行制御に加え、先行車の停止、発進に追従して自車両を自動的に停止及び発進させる。
【0004】
渋滞追従機能付ACC制御は、先行車が停車するに際し、自車両を当該先行車に追従させて減速し、目標車間距離を開けた状態で停車させる。その後、先行車が発進した際には、所定ディレイ時間が経過した後に自車両を追従発進させる。停車時における自車両と先行車との間の車間距離が比較的長い場合、この車間距離内に、自車両が走行する車線(自車線)に隣接する車線(隣接車線)を走行する車両の割込む確率が高くなる。
【0005】
ACC制御システムが、先行車に追従して自車両を発進させるに際し、このような割込車を認識することができない場合、ACC制御は、当該割込車に対する回避制御(発進時ディレイ時間を長くする等)を実行することなく、先行車に対しての追従走行制御を継続させることになる。
【0006】
例えば、特許文献1(特開2019-38363号公報)に開示されている、先行車に追従して停車した後の追従発進制御では、停車時において先行車の後端から自車両を含む所定範囲を監視領域として設定し、当該監視領域に侵入する車両を監視するようにしている。そして、監視領域に侵入する車両を検出した場合、自車両の追従発進時における発進ディレイ時間、或いは先行車に追従する車速に到達させるための加速時間を、監視領域に侵入しようとする車両が自車両の後方に存在するときよりも前方に存在するときを長く設定する。これにより、自車両を追従発進させる際の運転者に与える不安感をなくすようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した特許文献1に開示されている監視領域は、追従停車からの発進に際しての制御であるため、ACC制御システムが割込車を極低速での追従走行において認識した場合であっても、適正に対応することができない。
【0009】
更に、特許文献1に開示されている監視領域は自車線に沿って矩形状に形成されている。この監視領域は自車線を基準に設定されているため、自車線の左右を区画する区画線が明確でない場合には、監視領域を設定することができない。
【0010】
ところで、このような割込車や擦り抜け車両を早期に検出することができれば、ACC制御は余裕を持って回避制御を実行させることができる。しかし、上述した監視領域を自車両の車幅方向へ必要以上に広げた場合、隣接する車線を走行する車両等を割込車と誤判定し易くなり、割込車の検出精度が低下する不都合がある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑み、先行車の発進を検出して自車両が追従発進しようとする場合のみならず、極低速による追従走行や自車線の左右を区画する区画線が不明瞭な状態での追従走行においても、割込車を早期に検出することができて、良好な回避制御を実行させることのできる車両用運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、自車両の周辺の環境情報を取得する周辺環境情報取得部と、前記周辺環境情報取得部で取得した環境情報に基づいて前記自車両の追従対象となる先行車を検出する追従対象先行車検出部と、前記周辺環境情報取得部で取得した環境情報に基づいて前記自車両の周辺の移動体を検出する移動体検出部と、前記追従対象先行車検出部で追従対象となる前記先行車を検出した場合、前記先行車に対して前記自車両を追従走行させる先行車追従走行制御部と、前記自車両の車速を検出する車速検出部と、前記先行車追従走行制御部での追従走行に際し前記自車両と前記先行車との間に、前記移動体の侵入を検出する割込検出領域を設定する割込検出領域設定部とを備え、前記割込検出領域設定部は、前記割込検出領域に少なくとも前記車速検出部で検出した車速に応じ、該車速が低くなるに従い左右へ膨出する長さを増加させる膨出部を設定し、前記膨出部の左右最大膨出位置を前記自車両の前方に設定する車両用運転支援装置において、前記自車両と前記先行車との車間距離を検出する車間距離検出部を更に有し、前記割込検出領域設定部は、前記膨出部の左右最大膨出位置を前記車間距離検出部で検出した前記車間距離に応じて該車間距離が長くなるに従い前記自車両から離れる前方に設定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、割込車を検出する割込検出領域に少なくとも前記車速検出部で検出した車速に応じ、該車速が低くなるに従い左右へ膨出せる長さを増加させる膨出部を設定するようにしたので、先行車の発進を検出して自車両が追従発進しようとする場合のみならず、極低速による追従走行や自車線の左右を区画する区画線が不明瞭な状態での追従走行においても、割込車を早期に検出することができる。その結果、良好な回避制御を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】監視領域設定条件判定ルーチンを示すフローチャート
【
図4】監視領域設定サブルーチンを示すフローチャート
【
図5】相対監視領域設定サブルーチンを示すフローチャート
【
図6】低速追従走行制御ルーチンを示すフローチャート
【
図9】区画線が認識されている状態で設定する監視領域の説明図
【
図10】区画線が認識されていない状態で設定する監視領域の説明図
【
図11】監視領域に割込車が左側から割込む状態を示す説明図
【
図12】監視領域に割込車が右側から割込む状態を示す説明図
【
図13】監視領域の先行車側に割込車が割込もうとする状態を示す説明図
【
図14】監視領域の自動二輪車が擦り抜けようとする状態を示す説明図
【
図15】先行車が車幅方向へ偏位した状態で設定する監視領域の説明図
【
図16】
図14の監視領域に割込車が割込もうとする状態を示す説明図
【
図17】一側に固定物が存在するときに設定する監視領域の説明図
【
図18】一側に移動体、他側に固定物が存在するときに設定する監視領域の説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
図2の符号Mは走行車線を走行する自車両、Pは自車両Mの直前を走行する先行車で、自車両Mの追従対象車である。又、符号Iは、先行車Pと自車両Mとの間に割込もうとする割込車、Oは自車両Mの脇を擦り抜けようとする、自転車、自動二輪車等の移動体である。この場合、割込車Iも自車両M周辺の移動体に含まれる。尚、本実施形態では左側通行を前提に説明する。従って、右側通行の場合は、左を右と読み替えて適用する。
【0016】
自車両Mには、
図1に示す運転支援装置1が搭載されている。この運転支援装置1は、運転支援制御ユニット11、パワー制御ユニット(P/W_ECU)12、パーワステアリング制御ユニット(PS_ECU)13、ブレーキ制御ユニット(BK_ECU)14等の各制御ユニットを備え、この各制御ユニット11~14が、CAN(Controller Area Network)等の車内通信回線15を通じて、双方向通信自在に接続されている。尚、各ユニット11~14はCPU、ROM、RAM、及び不揮発性記憶部などを備えたマイクロコンピュータにより構成されており、ROMにはシステム毎に設定されている動作を実現するための制御プログラムや固定データ等が記憶されている。
【0017】
又、運転支援制御ユニット11の入力側に、車載カメラユニット21、左前側方センサ22、右前側方センサ23、及び自車両Mの車速(自車速)VMを検出する車速検出部としての車速センサ24が接続され、出力側に報知装置25が接続されている。尚、この車載カメラユニット21、各前側方センサ22,23が、本発明の周辺環境情報取得部として機能している。
【0018】
車載カメラユニット21は、メインカメラ21aとサブカメラ21bとからなるステレオカメラと、画像処理ユニット(IPU)21cとを有し、両カメラ21a,21bで取得した自車前方の環境情報をIPU21cで所定に画像処理し、前方環境情報として、運転支援制御ユニット11に送信する。
【0019】
又、左前側方センサ22、右前側方センサ23は、ドアミラー付近に設けられて、上述した車載カメラユニット21の視野から外れている左右前方、及び側方の比較的広角度な範囲の環境情報を取得する。この各前側方センサ22,23は、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、超音波センサ、ライダ(LiDAR:Light Detection and Ranging)等の測距センサ、或いは側方カメラである。又は、測距センサと側方カメラとを組み合わせて、各側方センサ22,23を構成するようにしても良い。
【0020】
この各前側方センサ22,23は、上述した車載カメラユニット21からの画像では認識することの困難な左右側部及び斜め前方の領域を監視するもので、取得した情報を前側方環境情報として運転支援制御ユニット11に送信する。尚、この前側方環境情報と上述した前方環境情報とが、本発明の周辺の環境情報に対応している。
【0021】
運転支援制御ユニット11は、前後方向の運転支援制御として車間距離自動維持制御(ACC:Adaptive Cruise Control)機能を有し、又、左右方向の運転支援制御として、車線維持(ALK:Active Lane Keep)制御機能、及び、車線逸脱抑制(LDP:Lane Departure Prevention)制御機能を有している。
【0022】
ACC制御では、運転支援制御ユニット11に基づき、追従対象の先行車Pの有無を監視し、先行車Pが認識された場合は、当該先行車Pに対し、所定車間距離を維持した状態での追従走行制御を実行する。又、先行車Pが検出されない場合は、セット車速での定速走行を実行させる。その際、自車両Mが走行車線の中央を走行するようにALK制御を実行させる。又、自車両Mが走行車線の左右を区画する区画線を逸脱する傾向にあると判定した場合は、LDP制御により車線逸脱を防止させる。
【0023】
更に、運転支援制御ユニット11は、先行車Pに対して低速で追従走行制御し、或いは停車後の追従発進制御を行うに際し、先行車Pと自車両Mとの間の路面上に監視領域R(
図9~
図18参照)を仮想的に設定する。この監視領域Rは車載カメラユニット21からの前方環境情報と各前側方センサ22,23からの前側方環境情報とに基づき設定する。
【0024】
運転支援制御ユニット11は、監視領域Rに侵入する割込車I、及び、自車両Mの脇を擦り抜けて監視領域Rに侵入する自転車、自動二輪車、歩行者等の路側移動体Oを監視する(
図2参照)。そして、運転支援制御ユニット11は、監視領域Rに侵入する、割込車Iや路側移動体Oを検出した場合、回避行動を実行させる。この回避行動は、本実施形態ではACC制御を解除することで対応している。
【0025】
又、報知装置25は、運転支援制御ユニット11が監視領域Rに侵入する割込車Iや路側移動体Oを検出した際に、及びACC制御を解除する際に、運転者に対し、その旨を報知して、注意を促す。この報知装置25はモニタ、スピーカ等で構成されており、運転者に対して文字、画像、音声等で報知する。
【0026】
一方、P/W_ECU12は駆動源の出力を走行負荷等に応じて制御するもので、駆動源としては、エンジンと電動モータを備えるハイブリッド駆動源、又はエンジン或いは電動モータ等、単体の駆動源である。P/W_ECU12は、この駆動源の出力を制御するP/Wアクチュエータ31に接続されている。尚、駆動源として電動モータを有している場合、P/Wアクチュエータ31はP/W_ECU12からの指令に従い力行、回生(回生制動)の双方を制御動作させる。
【0027】
又、BK_ECU14の出力側にブレーキアクチュエータ33が接続されている。このブレーキアクチュエータ33は、各車輪に設けられているブレーキホイールシリンダに対して供給するブレーキ油圧を調整するもので、BK_ECU14からの駆動信号によりブレーキアクチュエータ33が駆動されると、ブレーキホイールシリンダにより各車輪に対してブレーキ力が発生し、強制的に減速される。
【0028】
運転支援制御ユニット11がACC制御を実行するに際しては、追従対象の先行車Pに追従する目標車速を設定し、追従対象の先行車Pが認識されない場合は、セット車速を目標車速として設定し、この目標車速に対応する信号をP/W_ECU12に送信する。その際、駆動源による減速では充分な減速が得られない場合は、BK_ECU14に制御信号を送信し、強制的なブレーキ動作により所定に減速させる。
【0029】
又、PS_ECU13の出力側に電動パワステ(EPS)モータ32が接続されている。このEPSモータ32はステアリング機構にモータの回転力で操舵トルクを付与するものである。運転支援制御ユニット11が、ALK制御、及びLDP制御を実行する際に、PS_ECU13に制御信号を送信し、自車両Mが走行車線に沿って走行するように操舵制御を行わせる。
【0030】
運転支援制御ユニット11では、ACC制御を実行している際に、監視領域Rを設定し、この監視領域Rに侵入する割込車I、路側移動体Oの有無を常時監視する。この監視領域Rの設定、及び、監視領域Rに侵入する割込車I、路側移動体Oの監視、及び回避制御は、
図3~
図5に示すフローチャートに従って実行される。
【0031】
運転支援制御ユニット11では、先ず、
図3に示す監視領域設定条件判定ルーチンを起動させて、監視領域Rを設定する条件が満足されているか否かを調べる。このルーチンでは、先ず、ステップS1で、車載カメラユニット21からの前方環境情報と各前側方センサ22,23からの前側方環境情報とを読込む。
【0032】
次いで、ステップS2へ進み、前方環境情報に基づいて追従対象の先行車Pを検出したか否かを調べる。そして、追従対象の先行車Pを検出した場合は、ステップS3へ進む。又、追従対象の先行車Pが検出されていない場合は、ルーチンを抜け、セット車速による通常のACC制御を実行させる。尚、このステップS2での処理が、本発明の追従対象先行車検出部に対応している。
【0033】
又、ステップS3へ進むと、車速センサ24で検出した自車速VMを読込み、ステップS4へ進み、自車速VMと低速判定閾値Voとを比較する。この低速判定閾値Voは、極低速、いわゆるノロノロ運転、及び停車を判定する値で、例えば、10~15[Km/h]程度である。そして、VM>Voの場合は、ルーチンを抜け、ACC制御による通常の追従走行を実行させる。又、VM≦Voの場合はステップS5へ進む。
【0034】
ステップS5では、前方環境情報に基づいて算出した先行車Pとの車間距離Liを、周知の三角測量の原理を利用して検出する。尚、このステップでの処理が、本発明の車間距離検出部に対応している。
【0035】
そして、ステップS6へ進み、車間距離Liと割込許容車間距離Loとを比較する。追従走行では、先行車Pとの車間距離は自車速VMに応じて設定され、自車速VMが低下するに従い、目標車間距離は次第に短く設定される。しかし、ACC制御では、先行車Pが加速すると、自車両Mはあるディレイ時間が経過した後に追従加速する。停車状態からの追従発進も同様である。
【0036】
従って、先行車Pが加速したときは、車間距離Liが目標車間距離よりも一時的に長くなり、その際、他の車両に割込まれる確立が高くなる。割込許容車間距離Loは、割込まれた際に運転者が慌てることなく許容できる車間距離の下限値であり、例えば、8~12[m]程度である。
【0037】
そして、Li>Loの場合、他の車両が割りこんできても運転者は慌てることがないと判定し、ルーチンを抜け、ACC制御による通常の追従走行を実行させる。尚、この場合、追従対象の先行車Pは割込車Iに切り替わる。
【0038】
又、Li≦Loの場合はステップS7へ進み、監視領域設定処理を実行してルーチンを抜ける。ステップS7で実行される監視領域設定処理は、
図4に示す監視領域設定サブルーチンに従う。
【0039】
このサブルーチンでは、先ず、ステップS11で、前方環境情報、或いは前側方環境情報に基づき、自車両Mが走行している車線の左右を区画する区画線が認識されているか否かを調べる。そして、区画線が認識されている場合は、ステップS12へ分岐する。又、区画線が認識されていない場合は、ステップS13へ進む。
【0040】
ステップS12へ分岐すると、区画線が認識されている状態での監視領域Rを設定し、RAM等に一時記憶させてルーチンを抜ける。このステップS12で設定する監視領域Rは、自車両Mが走行している車線に仮想的に設定されるもので、
図9に示すように、左右の幅を区画線で規定し、前後方向の長さを先行車Pと自車両Mとの車間距離Liに運転者目線の位置Mdまでの距離(以下、「目線位置距離」と称する)Ldを加算した値で規定する。ここで、運転者目線の位置Mdとは運転者が運転席に着座した際の眼の前後位置である。運転者の目線の位置は、着座位置によって前後するが、本実施形態では運転者の平均的なポジションに基づいて設定した固定値としている。
【0041】
一方、ステップS11からステップS13へ進むと、このステップS13~S18で、先行車Pと自車両Mとの関係に基づき相対的な監視領域Rを設定する。
【0042】
ところで、自車両Mが走行している車線を区画する区画線を、前方環境情報、或いは前側方環境情報から認識することができない場合、監視領域Rの左右の幅を長く設定すれば割込車Iを早期に検出することができる。しかし、監視領域Rの左右の幅を必要以上に長く設定した場合、隣接車線を併走する車両を割込車Iと誤認識してしまう可能性がある。
【0043】
又、割込車Iが自車両Mの前方に割込もうとするに際し、車間距離Liが比較的長い場合は、自車両Mから比較的離れた位置に小さい操舵角度で侵入する。一方、車間距離Liが比較的短い場合、割込車Iは自車両Mに近い位置から比較的大きな操舵角度で、且つ、速度を落として侵入する。従って、監視領域Rは、この割込車Iの割込むタイミングに対応して設定することで、誤判定することなく早期に検出することが可能となる。
【0044】
従って、ステップS13~S19において、車間距離Liと自車速VMとの関係から相対的な監視領域Rを設定する。
図10に示すように、この監視領域Rは、目線位置距離Ldに形成された擦抜け検出領域Raと、車間距離Liに形成された割込検出領域Rbとが合成されて設定されている。尚、この割込検出領域Rbは、後述する左右最大膨出幅Wbを共通の下底とする両台形状に形成されている。
【0045】
先ず、ステップS13では自車側検出幅Wuを読込む。
図10に示すように、この自車側検出幅Wuは、自車両Mの車幅(自車幅)Wmと、自車両Mの両側に設定した擦抜け検出幅Wtとを加算した値であり、この擦抜け検出幅Wtは予め設定された固定値である。尚、本実施形態では、この擦抜け検出幅Wtを0.8~1.2[m]程度に設定しており、自車側検出幅Wu(=Wm+2Wt)は固定値として、ROM等に予め記憶されている。
【0046】
次いで、ステップS14へ進み、前方環境情報に基づき先行車Pの車幅(以下、「先行車幅」と称する)Wpを取得する。そして、ステップS15へ進み、先行車幅Wpと先行車Pの両側に設定する割込除外幅Wsとに基づいて、先行車側検出幅Wv(Wv←Wp+2Ws)を設定する。上述したように、先行車Pが停車している状態から発進するに際し、自車両Mはあるディレイ時間後に追従発進するため、車間距離Liが一時的に長くなる。その結果、割込車Iは先行車Pに近接した位置から割込もうとする。割込除外幅Wsは、割込車Iがこのような状況であっても割込むことがないと判定できる幅で、予め設定された固定値である。
【0047】
この場合、先行車側検出幅Wvを先行車幅Wpに設定することも考えられるが、割込車Iが急に割込んでくる状態を早期に検出することができなくなる。一方、この割込除外幅Wsを比較的長く設定すると、先行車P側に接近して走行する並走車を割込車と誤判定してしまう可能性がある。尚、本実施形態は、この割込除外幅Wsを0.8~1.2[m]程度に設定しているが、これに限定されるものではない。
【0048】
その後、ステップS16へ進み、車間距離Liに基づき自車両Mの先端から左右最大膨出位置までの距離(以下、「膨出位置距離」と称する)Lfを、最大膨出位置設定テーブルを参照して設定する。膨出位置距離Lfは、割込車Iの急な割込に対応する位置を設定するものであり、この膨出位置距離Lfに後述する左右最大膨出幅Wbが設定される。
【0049】
図7に最大膨出位置設定テーブルの概念図を示す。この最大膨出位置設定テーブルには、車間距離Liに比例して所定の傾きで増加する膨出位置距離Lfが格納されている。又、車間距離Liが所定車間距離Lio以下では、膨出位置距離Lfが少なくとも車間距離Lioの半分(Lio/2)よりも先行車P寄りに設定される値が格納されている。尚、この膨出位置距離Lfは演算式から求めるようにしても良い。
【0050】
次いで、ステップS17へ進み、車間距離Liと自車速VMとに基づき、左右膨出幅設定マップを補間計算付で参照して左右最大膨出幅Wbを設定する。
図8に左右膨出幅設定マップの概念図を示す。この左右膨出幅設定マップには車間距離Liと自車速VMとに基づき、車間距離Liが長く、且つ自車速VMが低くなるに従い長くなる(増加する)左右最大膨出幅Wbが格納されている。すなわち、車間距離Liが長く、且つ自車速VMが低くなるに従い、割込車Iによる割込が容易となるため、左右最大膨出幅Wbを長く設定することで、割込車Iの割込を早期に検出する。
【0051】
その後、ステップS18へ進み、相対的監視領域Rを設定してルーチンを抜ける。この相対的監視領域Rは、
図5に示す相対的監視領域設定サブルーチンに従って設定される。このサブルーチンでは、先ず、ステップS21で、擦抜け検出幅Wt、目線位置距離Ldに基づいて、自車両Mの両側に擦抜け検出領域Raを設定する(
図10~
図18参照)。尚、このステップでの処理が、本発明の擦抜け検出領域設定部に対応している。
【0052】
次いで、ステップS22へ進み、自車側検出幅Wu、先行車側検出幅Wv、車間距離Li、膨出位置距離Lf、左右最大膨出幅Wbに基づいて割込検出領域Rbを設定する。尚、このステップS22での処理が、本発明の割込検出領域設定部に対応している。
【0053】
すなわち、
図10に示すように、膨出位置距離Lfの位置に、自車両Mの車幅方向中央を中心として左右最大膨出幅Wbを設定し、この左右最大膨出幅Wbの両端と自車側検出幅Wuの両端とを結んで等脚台形を形成する。更に、この左右最大膨出幅Wbの両端と先行車側検出幅Wvの両端とを結ぶことで、左右最大膨出幅Wbを共通の下底とし、各検出幅Wu,Wvを上底とする両台形状の割込検出領域Rbを設定する。その結果、この割込検出領域Rbの左右に、自車側検出幅Wuの端部と先行車側検出幅Wvの端部を結ぶ線にて三角形状の膨出部Rb'が設定される。
【0054】
この割込検出領域Rbは、
図10~
図12、
図14に示すように、自車両Mと先行車Pとの車幅方向中央が一致していれば、割込検出領域Rbの先行車P側は等脚台形となる。一方、
図13、
図15、
図16に示すように、自車両Mと先行車Pとの車幅方向中央がΔdだけ一方へ偏位していれば、それに付随して先行車側検出幅Wvが偏位するため、割込検出領域Rbの先行車P側は不等脚台形となる。この場合、
図15に示すように、自車両Mと先行車Pとの幅方向に偏位幅Δdが生じたとしても、自車側は等脚台形が維持されているので、左右何れの隣接車線から割込車Iが急に割込んできても適切に対応することが可能となる。
【0055】
ところで、自車両Mが走行する車線の左右を区画する区画線を認識することができない場合、ACC制御は、先行車幅Wpの中央を検出し、この中央に自車幅Wmの中央が一致するように横位置を制御して追従走行を行う。その際、例えば、
図18に示すように、先行車Pが障害物を回避するために車幅方向の一方へハンドル操作により偏位させると、自車幅Wmの中央に対して先行車幅Wpの中央が、Δdだけ一時的に偏位する。
【0056】
その後、ステップS23へ進み、各検出領域Ra,Rbにて監視領域Rを設定する。尚、このステップS23での処理が、本発明の監視領域設定部に対応している。
【0057】
次いで、ステップS24へ進み、割込検出領域Rbに近接し、或いは干渉する障害物があるか否かを調べる。この障害物は、時系列で取得した車載カメラユニット21からの前方環境情報と各前側方センサ22,23からの前側方環境情報とに基づいて検出するが、形状や種別を認識する必要はない。
【0058】
例えば、
図17、
図18に示すように、時系列で取得した各環境情報に基づき、割込検出領域Rbに近接し、或いは干渉する物体を検出したが、当該物体が移動していないと判定した場合は、この物体を障害物(
図17ではガードレール等の壁物G、
図18では樹木、電柱等の柱状物B)と判定する。又、
図18に示すように、時系列で取得した各環境情報に基づき、割込検出領域Rbに近接し、或いは干渉する物体を検出したが、当該物体が併走していると判定した場合も、この物体を障害物(トラックT)と判定する。従って、
図14に示すように、時系列で取得した各環境情報に基づき、擦抜け検出領域Raを干渉している物体は、自車両Mと併走していても障害物とは判定されず、路側移動体Oと認識される。
【0059】
そして、割込検出領域Rbに近接、或いは干渉する障害物が検出されない場合、ステップS23で設定した相対的監視領域Rを、RAM等に一時記憶させてルーチンを抜ける。この相対的監視領域Rは、自車両Mが走行する路面に仮想的に形成される。
【0060】
又、割込検出領域Rbに近接、或いは干渉する障害物が検出された場合は、ステップS25へ進む。ステップS25では、障害物(
図17では壁物G、
図18では柱状物B)に対して、外周に誤検出領域Dを設定し、障害物(G,B)と誤検出領域Dとが干渉する割込検出領域Rbにマスク処理を施す。この誤検出領域Dは自車両Mに接近して走行する並走車を割込車Iと誤判定することを防止するために設定するものである。本実施形態では、この誤検出領域Dを、路側移動体Oが擦抜けできない程度の幅、約0.3~0.8[m]程度に設定しているが、これに限定されるものではない。
【0061】
そして、このマスク処理した割込検出領域Rbと擦抜け検出領域Raとで新たな相対的監視領域Rを再設定し、RAM等に一時記憶させてルーチンを抜ける。
【0062】
この相対的監視領域Rは、
図6に示す低速追従走行制御ルーチンで読込まれる。尚、この
図6で実行される処理が、本発明の先行車追従走行制御部に対応している。
【0063】
このルーチンは通常のACC制御において、先行車Pを追従走行している際に起動される。すなわち、先ず、ステップS31で、自車速VMと低速判定閾値Voとを比較する。そして、VM>Voの場合は、ルーチンを抜け、ACC制御による通常の追従走行を実行させる。又、VM≦Voの場合はステップS32へ進む。
【0064】
ステップS32へ進むと、監視領域Rを読込む。次いで、ステップS33へ進み、自車両Mは、先行車Pに追従して停車(追従停車)しているか否かを調べる。そして、追従停車している場合は(VM=0)、ステップS34へ進む。又、走行している場合は(VM>0)、ステップS35へジャンプする。
【0065】
追従停車と判定されてステップS34へ進むと、前方環境情報に基づき先行車Pが発進したか否かを調べる。そして、先行車Pの発進を検出した場合、ステップS35へ進む。又、先行車Pが停車状態を維持している場合はステップS36へ分岐する。尚、先行車Pの発進を検出した場合、ACC制御では、所定ディレイ時間経過後に自車両Mを追従発進させる。
【0066】
ステップS33、或いはステップS34からステップS35へ進むと、監視領域Rに移動体が侵入したか否かを調べる。この移動体は、
図11に示すような割込車I、及び
図14に示すような路側移動体Oである。尚、このステップでの処理が、本発明の移動体検出部に対応している。
【0067】
例えば、
図11に示すように、車間距離Liに割込車Iが割込めるスペースが確保されている場合、割込車Iが自車両Mの近傍から割込検出領域Rbには低速で且つ比較的大きな操舵角で割込もうとする。これに対し、割込車Iが膨出部Rb'の最大幅(左右最大膨出幅Wb)付近で割込もうとする場合は、小さい操舵角で、且つ自車速VMよりも速い速度で侵入する。一方、割込車Iが先行車Pに近い位置で割込もうとする場合は、手前から減速し、或いは先行車Pが発進するまで待機して車間距離を確保した後、割込検出領域Rb侵入する。そして、移動体の侵入が検出されない場合は、ステップS36へ分岐する。又、移動体の侵入が検出された場合はステップS38へ進む。
【0068】
ステップS34、或いはステップS35からステップS36へ進むと、運転支援制御ユニット11は、インストルメントパネルに設けられているマルチインフォメーションディスプレイ等に先行車を補足して追従走行している旨を表示し、ステップS37へ進み、先行車Pに対して自車両Mを追従させる追従走行制御を継続させてルーチンを抜ける。
【0069】
一方、ステップS35からステップS38へ進むと、ACC制御を解除する旨の表示を、報知装置25から音声や文字、画像で報知し、ステップS39へ進み、所定時間経過後にACC制御を解除して、ルーチンを抜ける。尚、ACC制御中、運転者はアクセルペダルを解放しているため、ACC制御が解除された際にもアクセルペダルが開放されていれば駆動輪から駆動源側に駆動力が逆に印加されるため減速される。
【0070】
このように、割込車Iが先行車Pと自車両Mとの間に割込もうとする場合、車間距離Liや割込もうとする位置によって、侵入する際の車速や操舵角が相違する。この場合、本実施形態のように、割込検出領域Rbの左右に三角形状の膨出部Rb'を設定することで、運転支援制御ユニット11は侵入する割込車Iを何れの割込位置であっても精度良く検出することができる。
【0071】
その結果、運転支援制御ユニット11は割込車Iに対し、余裕を持って適切な対応を講じることが可能になる。更に、膨出部Rb'を三角形状にすることで誤検出を未然に防止することができる。
【0072】
ところで、割込車Iが割込検出領域Rbに割込もうとする場合に最も多いのは、
図12に示す態様である。すなわち、隣接車線を走行する割込車Iが、低速走行、或いは追従停車している自車両Mの後方から徐行しながら前方へ移動し、その間、車間距離Liに割込めるスペースがあるか否かを確認する。そして、割込可能なスペースがあると判断した場合に、ハンドルを操作して割込を行う。
【0073】
その際、本実施形態のように、割込検出領域Rbの左右に膨出部Rb'を設定することで、割込車Iの先端の侵入が検知され、これにより、割込車Iの割込をいち早く検出することができる。
【0074】
一方、
図13に示すように、割込車Iが先行車P側で割込もうとしても、割込むことかできず、当該割込車Iの先端が割込検出領域Rbに侵入していないため、運転支援制御ユニット11は、当該割込車Iに対して対応する必要はなく、先行車Pに対する低速追従走行を継続させることができる。尚、
図13に示す態様で割込車Iが停車し、その間、先行車Pが走行すれば、膨出部Rb'が割込車I側に移動するため、運転支援制御ユニット11は割込車Iの侵入を検出することになる。この場合、割込検出領域Rbの先行車側検出幅Wvを先行車Pに付随して設定するようにしたので、
図16に示すように、自車両Mと先行車Pとの幅方向に偏位幅Δdが生じていても、割込車Iが膨出部Rb'にラップ(侵入)することがなく、誤検出を未然に防止することができる。
【0075】
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば割込車Iは自動二輪車であっても良い。
【0076】
[付記]本発明によれば、以下の如き構成を更に得ることができる。
1)請求項3~5の何れか1項に記載の車両用運転支援装置において、前記割込検出領域設定部は、前記左右最大膨出位置を前記車間距離検出部で検出した前記車間距離が所定の値よりも短い場合、該車間距離の中間位置よりも前記先行車寄りに設定することを特徴とする車両用運転支援装置。
2)請求項5記載の車両用運転支援装置において、前記割込検出領域設定部は、前記自車両の車幅方向中央に対して前記先行車の車幅方向中央が偏位している場合であっても、前記先行車側の検出幅は該先行車を基準に設定することを特徴とする車両用運転支援装置。
3)請求項1~5の何れか1項に記載の車両用運転支援装置において、前記割込検出領域設定部は、前記周辺環境情報取得部で取得した環境情報に基づき前記割込検出領域と干渉する障害物を検出した場合、該障害物の外周に誤検出領域を設定し、前記障害物と該該誤検出領域とが干渉する前記割込検出領域にマスク処理を施すことを特徴とする車両用運転支援装置。
4)請求項1~5の何れか1項に記載の車両用運転支援装置において、前記自車両の両側であって運転席に着座する運転者の目線位置から該自車両の先端までの位置に所定横幅の擦抜け検出領域を設定する擦抜け検出領域設定部と、監視領域設定部とを更に有し、前記監視領域設定部は、前記割込検出領域設定部で設定した前記割込検出領域と前記擦抜け検出領域設定部で設定した前記擦抜け検出領域とで、前記移動体の割込及び擦抜けを監視する監視領域を設定することを特徴とする車両用運転支援装置。
【符号の説明】
【0077】
1…運転支援装置、
11…運転支援制御ユニット、
12…パワー制御ユニット、
13…パーワステアリング制御ユニット、
14…ブレーキ制御ユニット、
15…車内通信回線、
21…車載カメラユニット、
21a…メインカメラ、
21b…サブカメラ、
21c…画像処理ユニット、
22…左前側方センサ、
23…右前側方センサ、
24…車速センサ、
25…報知装置、
31…P/Wアクチュエータ、
32…EPSモータ、
33…ブレーキアクチュエータ、
B…柱状物、
D…誤検出領域、
G…壁物、
I…割込車、
Ld…目線位置距離、
Lf…膨出位置距離、
Li,Lio…車間距離、
Lo…割込許容車間距離、
M…自車両、
Md…運転者目線の位置、
O…路側移動体、
P…先行車、
R…監視領域,相対的監視領域、
Ra…擦抜け検出領域、
Rb…割込検出領域、
Rb'…膨出部、
T…トラック、
VM…自車速、
Vo…低速判定閾値、
Wb…左右最大膨出幅、
Wm…自車幅、
Wp…先行車幅、
Ws…割込除外幅、
Wt…擦抜け検出幅、
Wu…自車側検出幅、
Wv…先行車側検出幅、
Δd…偏位幅