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特許7509494カテーテルポンプシステム、およびカテーテルポンプ駆動装置の制御方法
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  • 特許-カテーテルポンプシステム、およびカテーテルポンプ駆動装置の制御方法 図1
  • 特許-カテーテルポンプシステム、およびカテーテルポンプ駆動装置の制御方法 図2
  • 特許-カテーテルポンプシステム、およびカテーテルポンプ駆動装置の制御方法 図3
  • 特許-カテーテルポンプシステム、およびカテーテルポンプ駆動装置の制御方法 図4
  • 特許-カテーテルポンプシステム、およびカテーテルポンプ駆動装置の制御方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】カテーテルポンプシステム、およびカテーテルポンプ駆動装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/139 20210101AFI20240625BHJP
   A61M 60/174 20210101ALI20240625BHJP
   A61M 60/205 20210101ALI20240625BHJP
   A61M 60/405 20210101ALI20240625BHJP
   A61M 60/554 20210101ALI20240625BHJP
   A61M 60/562 20210101ALI20240625BHJP
【FI】
A61M60/139
A61M60/174
A61M60/205
A61M60/405
A61M60/554
A61M60/562
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020542522
(86)(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 NL2018050691
(87)【国際公開番号】W WO2019078723
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】17197608.7
(32)【優先日】2017-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520140486
【氏名又は名称】パルスキャス ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】マルキン、オーレン
(72)【発明者】
【氏名】カーモン、ヨラム
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0069299(US,A1)
【文献】米国特許第06149578(US,A)
【文献】特表2000-513628(JP,A)
【文献】特表2000-504611(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0034272(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0015043(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0331378(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0178985(US,A1)
【文献】米国特許第6228018(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 60/00-60/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の大動脈を通って延在する患者位置に挿入するためのカテーテルであって、前記カテーテルの遠位端部分は患者の大動脈弁の近くに配置されるか、または患者の大動脈弁を通って延在し、前記カテーテルは遠位端またはその近くに入口ポートと、前記入口ポートの近位に出口ポートとを有し、血液流路を介して前記入口ポートと連通する、前記カテーテルと、
前記血液流路内に流体変位部材を有するポンプと、
前記ポンプを駆動するために前記ポンプに連結されたモータと、
可変圧力を発生させる制御圧力源と、
モータ速度を制御するためのモータ制御装置であって、前記モータ制御装置は、前記制御圧力源に接続するための圧力感知ポートを有し、モータ制御装置は、前記圧力感知ポートに印加される圧力の減少に応答してモータ速度を増加させ、前記圧力感知ポートに印加される圧力の増加に応答してモータ速度を減少させるように構成される、モータ制御装置と、
を含むカテーテルポンプシステム。
【請求項2】
前記モータは空気圧モータであり、
前記モータ制御装置は、モータと流体連通する圧力源と出口とに接続するための入口との間で前記モータ制御装置を通って延びる供給路と、前記圧力感知ポートに加えられる圧力の増加に応じて前記供給路を通る流れを減少させ、前記圧力感知ポートに加えられる圧力の減少に応じて前記供給路を通る流れの増加を可能にするために配置される可変絞り弁と、を有する請求項1に記載のカテーテルポンプシステム。
【請求項3】
前記モータおよび前記ポンプは、前記モータに対して少なくとも2バールの圧力差で動作するように構成される、請求項2に記載のカテーテルポンプシステム。
【請求項4】
前記モータは前記カテーテルを通る可撓性駆動軸を介してポンプに連結される、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載のカテーテルポンプシステム。
【請求項5】
前記入口ポートと前記出口ポートは少なくとも5cmの相互距離にある、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載のカテーテルポンプシステム。
【請求項6】
前記モータ制御装置、前記モータ、および前記ポンプは、前記出口ポートにおける圧力と前記入口ポートにおける圧力との間の差が80~120mmHgである場合に、前記ポンプによって生成される流量を、3l(リットル)/min未満の最低流量から変化させるように構成されている、請求項1~請求項5の何れか1項に記載のカテーテルポンプシステム。
【請求項7】
前記モータ制御装置、前記モータおよび前記ポンプは、前記出口ポートの圧力と前記入口ポートの圧力との差が15~90mmHgの場合、少なくとも4l(リットル)/minの最高流量まで前記ポンプによって生成される流量を変化せるように構成されている、
請求項1~請求項6の何れか1項に記載のカテーテルポンプシステム。
【請求項8】
患者の大動脈を通って延在する患者位置に挿入するためのカテーテルであって、前記カテーテルの遠位端は前記患者の大動脈弁の近くに配置されるか、または前記患者の前記大動脈弁を通って延在し、前記カテーテルは前記遠位端またはその近くに入口ポートと、前記入口ポートの近位に出口ポートとを有し、血液流路を介して前記入口ポートと連通する前記カテーテルと、
前記血液流路内に流体変位部材を有するポンプと、
前記ポンプを駆動するための空気モータと、
前記カテーテルを通って延びる可撓性駆動軸であって、前記ポンプを前記空気モータに連結する前記可撓性駆動軸と、
可変圧力を発生させる制御圧力源と、
モータスピードを制御するためのモータ制御装置であって、前記制御圧力源に接続するための入口と前記空気モータと流体連通する出口との間で、前記モータ制御装置を貫通して延びる供給路と、前記供給路を通る流れを制御するために接続および配置される可変絞り弁と、前記モータ制御装置に制御信号を入力するための入力インターフェースと、を備えたモータ制御装置と、を有し、
前記可変絞り弁は、前記入力インターフェースを介して受け取られた前記制御信号に応じて前記供給路を通る流量を減少させ、前記供給路を通る流量の増加を可能にするように構成される、カテーテルポンプシステム。
【請求項9】
前記入力インターフェースは、前記制御圧力源に接続するための圧力感知ポートの形式であり、
前記モータ制御装置は、前記圧力感知ポートに印加される圧力の減少に応答してモータ速度を増加させ、前記圧力感知ポートに印加される圧力の増加に応答してモータ速度を減少させるように構成される、
請求項8に記載のカテーテルポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルポンプシステム、およびカテーテルシステムのポンプ駆動を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心肺バイパスから離脱する場合、心原性ショック、不十分な強力な心機能または急性心臓発作の場合、ならびに例えばハイリスク経皮経管冠動脈(バルーン)血管形成術、ロトブローター処置、および冠動脈ステント留置の間の支持のような様々な臨床状況において、機械的循環補助は患者の状態を改善し、回復の可能性を高めるために使用される。
【0003】
この目的のために、心臓から、または心臓のすぐ下流から血液を送り出すカテーテルポンプを使用することができる。ポンプ機能は拍動心に同期して拍動するように制御できるため、左室から離れた流出を支えるために収縮開始時に血液が送り出される流量を増加させ、拡張開始時に減少させることで、収縮期の血液の流出を支え、収縮期の流出血液が遭遇する対向圧を低下させ、左室の収縮を促すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、特に簡単で信頼性のある、拍動性心臓支持を提供するためのカテーテルポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載のカテーテルポンプシステムを提供することによって達成される。本発明はまた、請求項8に記載のカテーテルポンプシステム、請求項10に記載の方法、および請求項11に記載の方法において具現化することができる。
【0006】
循環補助を提供するために、大動脈内バルーンポンプ(IABP)は、実質的に全ての病院で利用可能な標準在庫である。IABPはカテーテルに取り付けられたバルーンであり、これは、一般に、脚の大腿動脈を通して大動脈に挿入される。バルーンは、通常、左鎖骨下動脈から約2cmの位置まで下行大動脈内に案内される。拡張期の開始時(大動脈弁が閉じているとき)、バルーンは膨張し、冠状動脈潅流を増大させ、収縮期の開始時(心臓が大動脈弁を通して左心室から血液を放出するとき)に、バルーンは収縮し、心臓が血液をより容易に排出することができるようになる。それにより、全体的な心拍出量が増加し、左心室の拍動の仕事量および心筋酸素必要量が減少する。
【0007】
モータ制御装置の圧力感知ポートをIABPドライバの出力ポートに接続することは、心臓の拍動と同期してモータ及びポンプの拍動動作を制御するための簡単で信頼性のある解決策を提供し、心臓からの血流が主に収縮期の間にサポートされる。
【0008】
モータ速度の制御は、モータ及びポンプの脈動動作のためのタイミング信号がIABPドライバ出力ポートから得られるか否かにかかわらず、モータが空気圧モータであって、供給路を通る流れを減少させ及び増加させる可変バルブによって、入力インターフェースを介して受信された制御信号に応答してモータ制御が達成されれば、モータ速度の制御は、特に簡単で信頼性が高く且つ滑らかな方法で達成することもできる。
【0009】
本発明の特定の詳細および実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明のさらなる特徴、効果、および詳細は、詳細な説明および図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、動作中の本発明によるカテーテルポンプシステムの第1の例の概略図である。
図2図2は、図1によるポンプシステムの概略機能図である。
図3図3は、本発明によるポンプシステムの第2の例の概略的な機能的表現である。
図4図4は、本発明に係るポンプシステムの第3の例の概略的な機能的表現である。
図5図5は、本発明に係るポンプシステムの一例のIABP駆動圧力とポンプ流量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、図1および図2に示す例を参照して本発明を説明する。この実施例によるカテーテルポンプシステム1は、患者3に挿入するためのカテーテル2を有する。図1に示すように、カテーテル2は、患者の身体に形成された開口部4、患者3の外腸骨動脈5および大動脈6を通って延びる位置にもたらされ得る。カテーテル2をそのような位置にするために、それは、好ましくは少なくとも40cm(より好ましくは少なくとも50cm)および最大で90cm(より好ましくは最大で75cm)の挿入可能な長さを有する。カテーテルは例えば、7~9Fr(フレンチスケール)の厚さであってもよい。鎖骨下動脈20を介した大動脈への挿入も可能である。この場合、挿入可能な長さは、例えば10~20cm短くすることができる。カテーテル2の遠位端部分は、患者3の大動脈弁7を通って延びる位置に配置される。場合によっては、患者3の大動脈弁7の近くのカテーテル2の遠位端8の位置で十分であり得る。カテーテル2は遠位端8の近くに入口ポート9を有し、入口ポート9の近くに出口ポート10を有する。入口ポートはまた、カテーテルの遠位端に配置されてもよいが、本実施例のように、カテーテル2がカテーテル2の近位に隣接する部分よりも可撓性があり、カテーテル先端を所定の位置に導くのを容易にするために湾曲した端部分11を有する場合、カテーテル先端8から1~3cmのところの入口ポート9の位置が特に実用的である。出口ポート10は、血液流路12を介して入口ポート9と連通している。
【0013】
ポンプシステム1はさらに、血液流路12内に流体変位部材14を有するポンプ13と、ポンプ13を駆動するためにポンプ13に結合されたモータ15とを含む。
【0014】
モータ速度を制御するためにモータ制御装置16が設けられている。モータ制御装置16は、心臓19の拍動に同期して変化する圧力を発生する制御圧力源17に接続するための圧力感知ポート18を有する。モータ制御装置16は、圧力感知ポート18に加えられる圧力の減少に応じてモータ速度を増加させ、圧力感知ポート18に加えられる圧力の増加に応じてモータ速度を減少させるように構成される。
【0015】
動作中、入口ポート9は患者2の左心室35内にあるか、または代替的に、患者2の大動脈弁7のすぐ下流にあり、出口ポート10は入口ポート9および大動脈弁7の下流にあり、血流チャネル12を介して入口ポート9と連通する。モータ16は、モータ16に連結されているポンプ13を駆動する。モータ制御装置16は、モータ15の速度を制御する。
【0016】
モータ15の加速及び減速のタイミングが決定されることに基づいてモータ制御装置16に信号を供給するために、制御圧力源がIABPドライバ17の形態で設けられる。このようなIABPドライバ17は心機能不全の治療に関与する病院部門で一般的に利用可能であり、例えば心電図、血圧又はペースメーカ信号から患者の心臓の拡張期及び収縮期を検出する検出器21を有する。IABPドライバ17はさらに、圧力コントローラ22と、圧力源23と、圧力源23と流体連通し、大動脈内バルーンに接続するためのバルーンポート26とを有する。この例では、圧力源23がリニアアクチュエータ24と、リニアアクチュエータ24に結合されたベローズ25とを含み、リニアアクチュエータ24が後退するときにベローズ25が膨張し、圧縮される。ベローズ25の内部はバルーンポート26と連通しており、そのため、ベローズ25が膨張して圧縮されれば、バルーンポート26に加えられる圧力は周期的に変化する。バルーンポートに可変圧力を加えるための他の機構も考えられるが、IABPドライバは標準的な病院機器であるため、他の機構は記載されていない。この例によるIABPドライバ17の圧力コントローラ22および圧力源23は図5のIABP圧力曲線によって示されるように、拡張期の開始時にバルーン膨張圧力を生成し、収縮期の開始時にバルーン膨張圧力を除去または少なくとも低減するように構成される。
【0017】
モータ制御装置16はバルーンポート26と流体連通する圧力感知ポート18を有し、その結果、圧力感知ポート18に加えられる圧力は、バルーンポート26に加えられる圧力と連動して変化する。モータ制御装置16は、圧力感知ポート18に印加される圧力の減少に応じてモータ15の速度を増加させ、圧力感知ポート18に印加される圧力の減少に応じてモータ15の速度を増加させるように構成される。したがって、図5「ポンプ流量」曲線で示されるように、IABP圧力が低下した場合、ポンプ流量は増加し、その逆となる。
【0018】
この実施形態および他の実施形態では、IABP圧力変動に対するポンプ流量変動の応答に(事前に、または遅延として)ある程度のシフトが生じ得る。シフトは、全サイクルの4分の1未満であることが好ましく、8分の1未満であることがより好ましい。
【0019】
本例ではモータ15は空気圧モータであり、モータ制御装置16はモータ15と流体連通する圧力源29と出口30に接続するための入口28との間にモータ制御装置16を通って延びる供給路27を有する。可変絞り弁31は、圧力感知ポート18に加えられる圧力の増加に応じて供給路27を通る流れを減少させ、圧力感知ポート18に加えられる圧力の減少に応じて供給路27を通る流れの増加を可能にするために配置される。これにより、モータ速度の制御を、特に簡単で、信頼性があり、かつ滑らかな方法で達成することができる。
【0020】
モータ15及びポンプ13は、少なくとも30l(30リットル)/min(より好ましくは少なくとも40l(40リットル)/minの流れで少なくとも2.5bar)の流れで、少なくとも2barのモータ15の入口32と出口33との間の圧力差で動作するように配置される。IABPドライバは典型的にはこのような空気圧パワーを供給することができないので、空気圧はIABPドライバ17に加えて設けられている圧力源29からモータ制御装置16に供給される。
【0021】
モータ15はカテーテル2の管腔を通って延びる可撓性駆動シャフト34を介してポンプ13に連結され、その結果、モータ15は可撓性駆動シャフト34を介してポンプ13を駆動することができる。これにより、モータ15を患者の身体3の外側に、すなわち患者の身体3に形成された開口部4の近位に配置することができる。患者の身体3の外側にモータ15を配置することは、患者の身体3の内側のカテーテルの一部に漏れが生じた場合に、加圧空気が患者の血液に注入される。このような危険性は駆動ガスとしてヘリウムを使用することによって減少させることができるので安全上の理由から有利である。しかし、これは運転コスト及び複雑さを増大させ、更に大きな漏れが実質的な危険を構成することになる。
【0022】
左心室からの血液の効果的な排出を確実にするために、入口ポート9および出口ポート10は、少なくとも5cm、より好ましくは少なくとも6cmの相互距離にある。この距離は、好ましくは10cm未満である。
【0023】
拡張期の間の左心室の拡張を妨害することを避けるために、モータ制御装置16、モータ15、およびポンプ13は、心臓およびポンプ13のポンピング作用の結果として、出口ポート10における圧力と入口ポート9における圧力との間の差が80~120mmHgである場合に、ポンプ13によって生成される流量を3l(3リットル)/min未満の最低流量から変化させる。
【0024】
収縮期の間、左心室からの血液の排出を効果的に支援するために、モータ制御装置16、モータ15、およびポンプ13は、心臓およびポンプ13のポンピング動作の結果として、出口ポートにおける圧力と入口ポート9における圧力との間の差が15~90mmHgである場合に、ポンプ13によって生成される流量を少なくとも4l(4リットル)/min(より好ましくは少なくとも5l(5リットル)/min)の最高流量に到達させる。
【0025】
図3に示す別の実施形態では、カテーテルポンプシステムが患者本体3の大動脈6を通って延びる位置に患者3に挿入するためのカテーテル102を含む。上述の実施形態のように、ポンプ113を駆動するために空気圧モータ115が設けられ、可撓性駆動軸134がカテーテル102の管腔を通って延びる。可撓性駆動軸134は、ポンプ113をモータ115に連結して、ポンプ113をモータ115によって駆動できるようにする。モータ速度を制御するためのモータ制御装置116は、モータ115と流体連通する圧力源129と出口130に接続するための入口128との間にモータ制御装置116を通って延びる供給路127を有する。供給路127を通る流れを制御するために可変絞り弁131が配置され、制御信号を入力するための入力インターフェース118が設けられる。可変絞り弁131は、入力インターフェース118を介して受け取った制御信号に応じて供給路127を通る流れを減少させ、供給路127を通る流れの増加を可能にするために配置される。入力インターフェース118は例えば、ECG(心電図)デバイスなどの心臓信号を感知するための装置117に、カテーテルの遠位先端またはその付近の血圧トランスデューサに、またはペースメーカに接続することができる。
【0026】
動作中、モータ制御装置116は入力インターフェース118を介して制御信号を受信し、可変絞り弁131は、供給路127を通る流量を減少させ、入力インターフェース118を介して受信した制御信号に応じて供給路127を通る流量の増加を可能にするために動作される。
【0027】
図4には、本発明によるカテーテルポンプシステムのさらなる例が示されている。このシステムでは、モータ制御装置216がIABPドライバ217のバルーンポート226と、電源229とに結合されている。モータ215は可変速度電気モータ215であり、モータ制御装置216の電力出力230に結合され、モータ制御装置216の制御下でモータ215に電力を供給できるようになっている。モータ制御装置216はIABPドライバ217によって出力される圧力を受け取るように、IABPドライバ217のバルーンポート226に結合された圧力感知ポート218をさらに有する。モータ215は、ポンプを駆動するためにポンプ213に連結されている。この例では、モータ215がカテーテルの遠位端部分において、すなわち、動作中の患者の内側において、ポンプ213の近くに配置される。
【0028】
動作中、モータ制御装置216はIABPドライバ217によって圧力感知ポート218に印加される圧力変動に応答して、図5に示すように、モータ速度が圧力感知ポート218に印加される圧力の減少に応答して増加し、モータ速度が圧力感知ポート218に印加される圧力の増加に応答して減少するように、モータ215への電力供給を制御する。また、この実施形態では、最大IABP圧力とポンプ213によって生成される最小流量との間、ならびに最小IABP圧力とポンプ213によって生成される最大流量との間に、ある時間シフト(進みまたは遅れ)が生じ得る。このような時間シフトは、一定であってもよく、または圧力の増加および減少のサイクルにわたって変化してもよい。
【0029】
いくつかの特徴が、同じまたは別個の実施形態の一部として記載されている。しかしながら、本発明の範囲は、実施例において具現化される特徴の特定の組み合わせ以外のこれらの特徴の全て又は幾つかの組み合わせを有する実施形態も含むことが理解されるのであろう。
図1
図2
図3
図4
図5