(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】車両で使用するための電子デバイス及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
H02M 1/00 20070101AFI20240625BHJP
G01R 19/165 20060101ALI20240625BHJP
G06F 1/28 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H02M1/00 Z
G01R19/165 J
G06F1/28
(21)【出願番号】P 2020536813
(86)(22)【出願日】2019-06-21
(86)【国際出願番号】 US2019038483
(87)【国際公開番号】W WO2020018231
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-05-17
(32)【優先日】2018-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【氏名又は名称】川上 桂子
(72)【発明者】
【氏名】ウィットクラフト、 クレイグ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】フェィテリオン、 カムラン
【審査官】東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0184935(US,A1)
【文献】国際公開第2018/002889(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0161367(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00
G01R 19/00-19/32
G06F 1/26- 1/3296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両で使用するための電子デバイスを制御する方法であって、
車両のバッテリに接続されたバッテリセンサを使用して車両のバッテリのバッテリ電圧を監視するステップと、
前記バッテリセンサと通信するプロセッサを使用して、前記バッテリ電圧の少なくとも1つの遷移を識別するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記バッテリ電圧及び前記遷移に基づいて前記車両の動作状態を判定するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記車両の前記動作状態に従って前記車両のバッテリに結合された電子デバイスを制御するステップと、
を含
み、
前記車両の前記動作状態を判定するステップは、
前記車両のバッテリに負荷を加えるために、前記プロセッサを使用して負荷回路を制御するステップと、
前記負荷による前記バッテリ電圧の変化に基づいて前記車両の前記動作状態を判定するステップと、
をさらに含む、方法。
【請求項2】
前記バッテリセンサを使用して間欠的又は連続的に前記バッテリ電圧を検出するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両の前記動作状態を判定するために、前記バッテリ電圧を少なくとも1つのバッテリ電圧閾値と比較するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記車両の前記動作状態を判定するために、前記バッテリ電圧の前記遷移を分析するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記バッテリ電圧の正の遷移を識別するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記正の遷移は、毎分約+0.1ボルトから毎分約+60.0ボルトの範囲である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記バッテリ電圧の負の遷移を識別するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記負の遷移は、毎分約-60ボルトから毎分約-0.1ボルトの範囲である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記電子デバイスの少なくとも1つのデバイス機能を制御するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
車両で使用するための電子デバイスであって、
車両のバッテリに接続されたときにバッテリ電圧を測定するように構成されたバッテリセンサと、
前記バッテリセンサと通信するプロセッサと、
を含み、
前記プロセッサは、
前記バッテリセンサを使用して車両のバッテリの前記バッテリ電圧を監視し、
前記バッテリ電圧の少なくとも1つの遷移を識別し、
前記遷移及び前記バッテリ電圧に基づいて前記車両の動作状態を判定し、
前記車両の前記動作状態に従って前記電子デバイスを制御するように構成され、
前記プロセッサは、
前記車両のバッテリに負荷を加えるために、前記車両のバッテリに接続された負荷回路を制御するステップと、
前記負荷による前記バッテリ電圧の変化に基づいて前記車両の前記動作状態を判定するステップと、
によって前記車両の前記動作状態を判定するようにさらに構成された、デバイス。
【請求項11】
バッテリセンサは、前記バッテリ電圧を間欠的又は連続的に検出するようにさらに構成された、請求項
10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記車両の前記動作状態を判定するために、前記バッテリ電圧を少なくとも1つのバッテリ電圧閾値と比較するようにさらに構成された、請求項
10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記車両の前記動作状態を判定するために、前記バッテリ電圧の前記遷移を分析するようにさらに構成された、請求項
12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記バッテリ電圧の正の遷移を識別するようにさらに構成された、請求項
13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記正の遷移は、毎分約+0.1ボルトから毎分約60.0ボルトの範囲である、請求項
14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記バッテリ電圧の負の遷移を識別するようにさらに構成された、請求項
13に記載のデバイス。
【請求項17】
前記負の遷移は、毎分約-60ボルトから毎分約-0.1ボルトの範囲である、請求項
16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記電子デバイスの少なくとも1つのデバイス機能を制御するようにさらに構成された、請求項
10に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に自動車用途に関し、より具体的には、車両で使用するための電子デバイス及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、タブレット、ラップトップなどを含む最新の電子デバイスの多くは、車両の電力を使用して充電されることがよくある。また、各個人は、エアフレッシュナ、臭気除去剤、又は害虫の除去、周囲環境の清掃、又は清涼感を支援するように設計されたその他のデバイスなど、個人用の揮発性物質放出デバイスを車で利用することがよくある。特に、多くの揮発性物質放出デバイスは、カートリッジからの揮発性物質の分散又は放出を補助する熱源又はファンを含む。加熱要素、ファン、及びその他の回路を動作させるために、揮発性物質放出デバイス及びその他のデバイスは、車両の12Vアクセサリーアウトレットから電力を使用するように設計されている。
【0003】
しかし、多くの電子デバイスは、車両の電源が切られた後も電力を供給し続ける場合がある。長時間接続したままにしておくと、特に高電力を消費するデバイスの場合、不要なバッテリの消耗や車両の機能停止を引き起こす可能性がある。個人用の揮発性物質放出デバイスの場合、揮発性物質も早期に枯渇する可能性がある。そのような困難を回避するために、いくつかの技術は、例えば振動センサを組み込むことによって、車両がオン又はオフであるかを判定する機能を含めることを試みてきた。しかし振動センサは、車両の動作と関連のない振動を識別できないため、エラーが発生する可能性がある。また、振動センサは、デバイスの費用と設計の複雑さを増大させる。
【0004】
従って、車両の動作状態に基づいて電子デバイスを制御する低コストで信頼性の高い方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、従来技術の短所を克服する。本開示の特徴及び利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0006】
本開示の一態様では、車両で使用するための電子デバイスを制御するための方法が提供される。この方法は、車両バッテリに接続されたバッテリセンサを使用して車両バッテリのバッテリ電圧を検出するステップと、バッテリ電圧を使用して車両の動作状態を判定するステップとを含む。この方法はまた、車両の動作状態に従って車両バッテリに結合された電子デバイスを制御するステップを含む。
【0007】
本開示の他の態様では、車両で使用するための電子デバイスが提供される。デバイスは、車両バッテリに接続されたときにバッテリ電圧を検出するように構成されたバッテリセンサと、バッテリセンサと通信するプロセッサとを含む。プロセッサは、バッテリセンサによって検出されたバッテリ電圧をサンプリングし、バッテリ電圧を使用して車両の動作状態を判定するように構成される。プロセッサはまた、車両の動作状態に従って電子デバイスを制御するように構成される。
【0008】
本開示のさらに他の態様では、車両で使用するための揮発性物質放出デバイスが提供される。デバイスは、内部に揮発性物質を有するカートリッジ及び電気アセンブリを含む。デバイスはまた、カートリッジ及び電気アセンブリを保持するように構成された中空部を有するハウジングを含む。電気アセンブリは、車両バッテリに接続されたときにバッテリ電圧を検出するように構成されたバッテリセンサ、及びバッテリセンサと通信するプロセッサを含む。プロセッサは、バッテリセンサによって検出されたバッテリ電圧をサンプリングし、バッテリ電圧を使用して車両の動作状態を判定するように構成される。プロセッサはまた、車両の動作状態に従って揮発性物質の放出を制御するように構成される。
【0009】
本開示のさらに別の態様では、車両で使用するための電子デバイスを制御するための方法が提供される。この方法は、車両のバッテリに接続されたバッテリセンサを使用して車両のバッテリのバッテリ電圧を監視するステップと、バッテリセンサと通信するプロセッサを使用してバッテリ電圧の少なくとも1つの遷移を識別するステップとを含む。この方法はまた、プロセッサを使用して遷移及びバッテリ電圧に基づいて車両の動作状態を判定するステップと、プロセッサを使用して車両の動作状態に従って車両のバッテリに接続された電子デバイスを制御するステップとを含む。
【0010】
本開示のさらに別の態様では、車両で使用するための電子デバイスが提供される。デバイスは、車両のバッテリに接続されたときにバッテリ電圧を検出するように構成されたバッテリセンサと、バッテリセンサと通信するプロセッサとを含む。プロセッサは、バッテリセンサを使用して車両のバッテリのバッテリ電圧を監視し、バッテリ電圧の少なくとも1つの遷移を識別するように構成される。プロセッサはまた、遷移及びバッテリ電圧に基づいて車両の動作状態を判定し、車両の動作状態に従って電子デバイスを制御するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の態様による、プロセスのステップを説明するフローチャートである。
【
図2】本開示の態様による、プロセスのステップを説明する別のフローチャートである。
【
図3】本開示の態様による、電子デバイスの概略図である。
【
図4】
図3に示した電子デバイスの一実施形態を示す概略図である。
【
図5】本開示の態様による、他の実施形態の概略図である。
【
図6】本開示の態様による、例示的な揮発性物質放出デバイスの斜視図である。
【
図7】
図6に示したデバイスに実装される例示的な電気アセンブリの概略図である。
【
図8】本開示の態様による、プロセスのステップを示すフローチャートである。
【
図9】異なる車両動作シナリオにおける例示的なバッテリ電圧を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の他の態様及び利点は、類似の構造が類似の参照符号を有する以下の詳細な説明を検討することで明らかになるであろう。
【0013】
本開示は、車両で使用するための電子デバイスを制御するための新規のアプローチに関する。特に、車両の動作状態に基づいてデバイスを動作させるための方法が提供される。以下の説明から明らかになるように、本明細書で説明される方法は、揮発性物質放出デバイス、携帯電話、タブレット、ラップトップ、GPSデバイス、ナビゲーションユニット、カメラ、FMブロードキャスタ、ブルートゥース(登録商標)デバイス、ACアダプタ、ビデオゲーム、エアコンプレッサなどを含み、車両に一般に使用される多種多様な電子デバイスに対して有利に実装され得る。
【0014】
図1を参照すると、プロセス100のステップが示されており、これは、本開示で説明されるデバイスを含む任意の適切なデバイス、装置、又はシステムを使用して実行され得る。プロセス100のステップは、非一時的コンピュータ可読媒体に格納された、プログラム、ファームウェア、又は実行可能な命令として実装され得る。
【0015】
プロセス100は、車両バッテリのバッテリ電圧を検出することにより、プロセスブロック102で開始することができる。バッテリ電圧は、車両バッテリに接続された又は接続可能なバッテリセンサを使用して検出され得る。バッテリセンサは、車両バッテリに電気的に接続することができるが、物理的に接続する必要はない。説明されるように、いくつかの実施形態では、バッテリセンサは、携帯用電子デバイス、揮発性物質放出デバイスなどの様々な電子デバイスに組み込まれるか、又はその一部であってもよい。他の実施形態では、バッテリセンサは、車両回路の一部であってもよい。
【0016】
いくつかの態様では、バッテリセンサによって検出されたバッテリ電圧は、所定のサンプリング周波数を使用して、間欠的に又は周期的に所定の時間にわたってサンプリングされてもよい。例えば、所定の時間は、およそ数秒から30分の範囲であってもよい。しかし、いくつかの実装形態では、時間は、1秒未満又は30分を超過してもよい。また、所定のサンプリング周波数は、約0.1Hz以下から10,000Hz以上であり得る。
【0017】
本明細書で使用される場合、用語は数値を言及するときに、数値の正又は負の変動を最大で数値の10%まで含めることを可能にする。バッテリ電圧は、そこから様々な情報を生成するために、プロセッサによって分析されてもよい。このような情報は、例えば、最大バッテリ電圧、最小バッテリ電圧、平均バッテリ電圧、バッテリ電圧標準偏差、バッテリ電圧の変化率などを含んでもよい。
【0018】
次に、プロセスブロック104で、車両の動作状態は、検出されたバッテリ電圧に基づいて判定されてもよい。いくつかの態様では、バッテリ電圧は、1つ以上の所定の閾値と比較されてもよい。また、分析されたバッテリ電圧サンプルから得られた情報は、所定の特徴(signatures)と比較されてもよい。このような閾値及び特徴は、様々な車両動作シナリオでバッテリ電圧を測定することによって取得され得る。
【0019】
一般に、バッテリ電圧レベルは、車両エンジンがオンであるかオフであるかに依存する。このように、バッテリ電圧は、車両エンジンの動作状態の指標として使用され得る。具体的には、エンジンがオフのとき、バッテリ電圧は、バッテリの使用年数と充電レベルに応じて、12.6Vの公称電圧まで(又は、およそ)の範囲になることができる。エンジンがオンのとき、車両用交流発電機がバッテリを充電し、バッテリ電圧が一般に13.0Vより大きい車両用交流発電機の動作電圧まで上昇する。従って、約13.0Vの閾値を超過するバッテリ電圧は、車両エンジンの「オン」状態を示し得る。
【0020】
しかし、いくつかの「スマート」交流発電機は、13.0V未満の動作電圧で車両バッテリを駆動することもできる。例えば、バッテリ電圧は、エンジンがオフになっていることに対応する電圧に近いこともあり得る。従って13.0V未満の測定では、車両が「オン」又は「オフ」状態にあるか否かを確定的に示すとは限らない。2つの動作状態を区別するために、バッテリ電圧が監視されている間の一定時間に、バッテリに負荷を加えてもよい。具体的には、バッテリ電圧の変化を使用して、状態を判定することができる。例えば、バッテリ電圧が上昇するか、全く変化しないか、感知できるほどに変化しないか、又は所定の速度より遅く低下する場合、バッテリは充電中であり、車両は「オン」状態にある。そうでない場合、バッテリ電圧が所定の速度より速く低下する場合、バッテリは充電されておらず、車両のエンジンは「オフ」状態にある。
【0021】
バッテリ電圧を監視する時間は、数秒以下から30分以上までさまざまな値をとり得る。いくつかの態様では、時間は、加える負荷、バッテリ電圧のサンプリングレート、ならびにそれらが発生した場合にバッテリ電圧の明らかな変化を観察するのに必要な時間に依存し得る。他の態様では、時間はまた、車両のタイプに依存し得る。例えば、ハイブリッド車は、停止信号、踏切などでリソースを節約するためにエンジンを自動でオフにすることができる。従って、このようなシナリオで動作状態を区別するのに十分な時間があれば有利である。これは、電子デバイスの動作を中断することなく続けられるようにする。
【0022】
上記の説明は、車両エンジンの状態を参照しているが、プロセスブロック104で判定される車両の動作状態は、例えば、イグニッションキーの位置に応じたイグニッションの状態を参照することができる。
【0023】
再び
図1を参照すると、車両バッテリに結合された電子デバイスは、車両の動作状態に従ってプロセスブロック106で制御されてもよい。デバイスを制御するプロセスは、デバイスの1つ以上の機能又は動作態様を適合させることを含み得る。いくつかの実装形態では、車両バッテリからかなりの電力を必要とするデバイスの機能又は動作態様は、車両が「オフ」状態にあるか、車両バッテリが所定の閾値を下回って放電された場合、電源がオフになるか、低電力モードに変換され得る。一例として、車両が「オフ」状態にあると判定された場合、車両バッテリを使用した電子デバイスの充電を修正又は中断してもよい。別の例として、車両バッテリからの電力に依存する電子デバイス又はその内部の様々な構成要素は、オフにされるか、又は低電力モードに入れられてもよい。具体的には、揮発性物質放出デバイスの加熱要素、ファン又はUSBポートへの電力が遮断又は低減され得る。これら例は制限的なものではなく、多種多様なデバイスの機能又は動作態様が、車両の動作状態がどのように判定されたに基づいて制御され得ることが理解できる。
【0024】
いくつかの態様では、プロセスブロック108によって示されるように、レポートが生成されてもよい。レポートは、任意の形式で任意の情報を含んでもよい。レポートは、出力に提供され及び/又はメモリに格納されてもよい。例えば、レポートは、ディスプレイ及び/又はLEDなどを使用して提供され、検出された様々なバッテリ電圧、車両の判定された動作状態、デバイスの状態、通信リンク、及びその他のデータ又は情報を示してもよい。
【0025】
次に
図2を参照すると、本開示の態様による、プロセス200のステップを説明する別のフローチャートが示されている。プロセス200は、本開示で説明しているデバイスを含む任意の適切なデバイス、装置、又はシステムを使用して実行され得る。プロセス200のステップは、非一時的コンピュータ可読媒体に格納されたプログラム、ファームウェア、又は実行可能な命令として実装され得る。
【0026】
プロセス200は、車両のバッテリ電圧を検出することにより、プロセスブロック202で開始することができる。説明したように、バッテリ電圧は、車両バッテリに結合されたバッテリセンサを使用して検出され、所定の時間にわたって間欠的又は周期的にサンプリングされてもよい。次に、判定ブロック204で示すように、バッテリ電圧が閾値を超過するか否かの判定がなされる。一例として、閾値は約13.0Vであってもよいが、他の閾値も可能になり得る。
【0027】
記述したように、判定ブロック204での判定は、プロセスブロック202で得られた1つ以上のバッテリ電圧サンプルに基づいて行うことができる。一例として、判定は、平均バッテリ電圧が閾値を超過するか否かに基づいて行うことができる。バッテリ電圧又は平均バッテリ電圧が閾値を超過すると、プロセスブロック206によって示されるように、バッテリに結合された電子デバイスの1つ以上の機能又は動作態様が実行され得る。機能の例としては、デバイスの充電、加熱要素の動作、ファンの動作などが含まれ得る。
【0028】
バッテリ電圧又は平均バッテリ電圧が閾値を下回る場合、判定ブロック208によって示されるように、別の判定が任意に行われ得る。具体的には、バッテリ電圧又は平均バッテリ電圧が時間T1の間、閾値を下回っているかどうかを判定することができる。一例として、T1は、約30分としてもよいが、T1はより長くてもより短くてもよく、上述したように、バッテリ電圧のサンプリングレート、車両タイプ、及びその他の要因に依存し得る。例えば、電圧スパイク又はその他の過渡状態に基づく誤った判定を避けるに役立つ。バッテリ電圧又は平均バッテリ電圧が時間T1の間、閾値を下回って持続する場合、プロセスブロック210によって示されるように、負荷がバッテリに加えられもよい。そうでなければ、必要に応じて、プロセスブロック202を繰り返してもよい。
【0029】
次に、プロセスブロック212で、時間T2の間、バッテリ電圧が監視されてもよい。例えば、バッテリ電圧は、約1分、又はその以下、又はそれ以上の間、監視されてもよい。次に、判定ブロック214で、バッテリ電圧の任意の変化に関して判定がなされる。具体的には、加える負荷の結果、バッテリ電圧又は平均バッテリ電圧が上昇するか、又はそれほど変化しないか、全く変化しないか、又は所定の速度より遅く低下する場合、バッテリは充電中である。従って、プロセスブロック216によって示されるように、車両は「オン」状態にある。そうではなく、バッテリ電圧が所定の速度より速く低下する場合、バッテリは充電されておらず、プロセスブロック218によって示されるように、車両は「オフ」状態にある。
【0030】
いくつかの好ましい実施態様では、プロセスブロック210及び212で、バッテリ電圧を監視するための加える負荷及び/又は持続時間T2は、判定ブロック214での判定がバッテリに悪影響を与えることなく行われるように構成され得る。例えば、加える負荷及び/又は持続時間T2は、車両が「オフ」状態にあるときに、バッテリを著しく放電させることなく、バッテリ電圧に検出可能な変化を誘発するように選択されてもよい。
【0031】
プロセスブロック220によって示されるように、車両が「オフ」状態にあると判定された場合、1つ以上のデバイス機能又は動作態様を停止又は修正してもよい。非限定的な一例として、加熱要素又はファンの動作を停止又は低減してもよい。別の非限定的な例では、デバイスを低電力状態にするか、又はデバイスの充電を中断してもよい。
【0032】
次に
図3を参照すると、本開示の態様による、電子デバイス300の概略図が示されている。図に示すように、デバイス300は、車両350と協働するように構成される。一般に、車両350は、自動車、航空機、ボート、ドローン、ゴルフカートなどを含み得る。
【0033】
図に示すように、デバイス300は、一般にデバイスインタフェース302、バッテリセンサ304、プロセッサ306、及び複数の機能モジュール308を含んでもよい。デバイス300は、任意選択で、1つ以上の入力/出力(I/O)モジュール310、電力モジュール312、メモリ314、ならびに他の要素又は回路を含み得る。通信ネットワーク316はまた、デバイス300に含まれてデバイス300の様々な要素の間のデータ、信号、及び他の情報の交換を容易にするように構成してもよい。
【0034】
デバイスインタフェース302は、データ、信号、及びその他の情報を様々なデバイス及び/又はシステムと交換するように構成してもよい。
図3に示すように、いくつかの実施形態では、デバイスインタフェース302は、車両350と、信号、データ、及び他の情報の通信を許容する。特に、デバイスインタフェース302は、車両350のバッテリとデバイス300のバッテリセンサ304、電力モジュール312などの様々な構成要素との間に電気的有線又は無線接続を提供するように構成し得る。一例として、デバイスインタフェース302は、車両350と電気的に接触するように構成された1つ以上の電気コネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、電気コネクタは、車両350の電力ソケットに結合するように構成され、それにより、デバイス300及びその内部の様々な構成要素を車両バッテリに電気的に結合又は接続する。
【0035】
バッテリセンサ304は、デバイスインタフェース302と通信して、車両350のバッテリ電圧を検出するように構成される。いくつかの実装形態では、バッテリセンサ304は、少なくとも車両バッテリ電圧に適用可能な範囲の電圧を検出するように構成された電圧検出器を含んでもよい。電圧検出器の例として、電圧計、データ取得カード、Arduinoボード、及びその他のアナログ及び/又はデジタル回路を含んでもよい。さらに、いくつかの実装形態では、バッテリセンサ304は、デバイスインタフェース302を介して受信された信号(例えば、電圧又は電流)を取得、前処理、及び/又は修正するための様々な異なる電子構成要素及びハードウェアを含んでもよい。いくつかの実装形態では、このような電子構成要素及びハードウェアは、バッテリセンサ304によって受信された信号をサンプリング、増幅、フィルタリング、スケーリング、及びデジタル化するように構成されてもよい。バッテリセンサ304はまた、デバイス300の敏感な構成要素を保護するように構成された、様々な保護回路、欠陥検出器、スイッチなどを含んでもよい。
【0036】
プロセッサ306は、デバイス300の様々なプロセスを実行するように構成されることに加え、本開示の方法に従ってステップを実行するように構成され得る。具体的には、プロセッサ306は、検出されたバッテリ電圧に基づいて車両350の動作状態を判定するステップを実行するように構成された1つ以上のプロセッサ又は処理ユニットを含み得る。説明したように、プロセッサ306は、動作状態に従ってデバイス300の動作を制御することもできる。いくつかの態様では、プロセッサ306はまた、車両バッテリの状態(例えば、放電状態、充電状態、フル充電状態など)、ならびに検出されたバッテリ電圧及び車両の動作状態に関連する他の情報を示すレポートを判定及び生成してもよい。そうするために、プロセッサ306は、ハードワイヤード命令(hardwired instructions)又はプログラミングを実行してもよい。従って、プロセッサ306、又はその中の様々な処理ユニットは、その中のハードワイヤード命令又はプログラミングによって特定用途向けであってもよい。あるいは、プロセッサ306は、メモリ314に格納された非一時的命令、ならびに入力によって受信された命令を実行してもよい。例として、プロセッサ306は、中央処理装置(「CPU」)、グラフィック処理装置(「GPU」)、マイクロコントローラなどの1つ以上の汎用プログラマブルプロセッサを含んでもよい。
【0037】
いくつかの態様では、プロセッサ306は、デバイス300で1つ以上の機能モジュール308を制御し得る。
図3に示すように、デバイス300は、デバイス300において特定の機能を実行するように構成された1つ以上の機能モジュール308を含み得る。非限定的な一例として、1つの機能モジュール308は、デバイス300で加熱要素又はファンを制御するように構成してもよい。別の非限定的な例では、別の機能モジュール308は、デバイス300でバッテリの充電を制御するように構成してもよい。さらに別の非限定的な例では、別の機能モジュール308は、デバイス300に接続された外部バッテリの充電を制御するように構成されてもよく、ここで、外部バッテリ(例えば、携帯電話又はタブレット)は、USBポートを介してデバイス300に接続される。さらに別の非限定的な例として、また別の機能モジュール308は、デバイス300の電力状態(例えば、通常の電力状態、低電力状態、スリープ状態など)を修正するように電力モジュール312を制御するように構成してもよい。あるいは、電力モジュール312は、プロセッサ306によって直接制御されてもよい。さらに別の非限定的な例として、別の機能モジュール308は、デバイス300の状態を示すレポートを提供するために、I/Oモジュール310と通信してもよい。このために、1つ以上の機能モジュール308は、様々な信号ソース、信号プロセッサ、集積回路、デジタル/アナログ変換器(DAC)、アナログ/デジタル変換器(ADC)、パルス幅変調発生器(PWM)、アナログ/デジタル電圧スイッチ、アナログ/デジタルポット(analog/digital pots)、リレー、及びその他の電気構成要素を含むハードウェア、回路、及び様々な要素を含んでもよい。
【0038】
上述したように、デバイス300は、様々なデータ、情報、ならびに選択、及びオペレーターからの動作命令を受信するように構成されたI/Oモジュール310を任意に含み得る。このために、I/Oモジュール310はまた、タッチパッド、タッチスクリーン、ボタン、スイッチ、トグル、フラッシュドライブ、USBポート/ドライブ、CD/DVDドライブ、通信ポート、モジュール、及びコネクタなどを含む様々なドライブ、ポート、レセプタクル、及び入力を提供するための要素を含んでもよい。I/Oモジュール310はまた、スクリーン、LED、LCD、アラームソース(alarm sources)などを含む様々な出力要素によってレポートを提供するように構成してもよい。
【0039】
電力モジュール312は、デバイス300の様々な要素に電力を提供するように構成され得る。いくつかの実装形態では、電力モジュール312は、車両バッテリを介して様々な要素に電力を供給してもよい。追加的に又は代替的に、電力モジュール312は、再充電可能又は交換可能なバッテリを含む内部電源を含むこともできる。このために、電力モジュール312は、バッテリの充電、ならびに車両350及び/又はバッテリによって提供される電力の普及を制御してもよい。いくつかの実装形態では、電力モジュール312は、例えば、USBポートを使用してデバイス300に接続された外部デバイスに電力を提供するか、又は外部デバイスの充電を制御することもできる。
【0040】
メモリ314は、例えば、動作命令、データなどを含む様々な情報及びデータを格納し得る。いくつかの態様では、メモリ314は、プロセッサ306によって実行可能な命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体を含んでもよい。メモリ314はまた、検出されたバッテリ電圧、及びそれから生成された、バッテリ状態、車両動作状態などを含む情報を格納してもよい。
【0041】
通信ネットワーク316は、電子、無線周波数(「RF」)、光、及び他の通信方法のための、様々な配線、構成要素、ハードウェアを含む、様々な通信機能及び回路を含み得る。例として、通信ネットワーク316は、パラレルバス、シリアルバス、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。シリアルバスの例には、直列周辺装置インタフェース(SPI)、I2C、DC-BUS、UNI/O、1-Wireなどが含まれ得る。パラレルバスの例には、ISA、ATA、SCSI、PIC、IEEEなどが含まれ得る。
【0042】
上述したデバイス300の一実施形態が
図4に示されている。具体的には、バッテリセンサ304は、デバイスインタフェース302及び車両インタフェース406を介して、車両バッテリ402及び車両用交流発電機404に電気的に結合され得る。このような結合は、
図4に示すように、有線接続、及び任意の接地接続、ならびに無線接続を使用して達成してもよい。一実施形態では、車両インタフェース406は、車両350のアクセサリーアウトレット(例えば、12Vの電力ソケット)を含んでもよく、デバイスインタフェース302は、アクセサリーアウトレットと電気的及び機械的に係合するように構成されたプラグを含んでもよい。図に示すように、バッテリセンサ304は、第1抵抗R1及び第2抵抗R2を有する電圧分割器408を含み得る。R1及びR2の選択は、車両バッテリ402によって供給されるバッテリ電圧、ならびにプロセッサ306の特性に依存し得る。例えば、R1及びR2は、プロセッサ306の電圧範囲性能に依存し得る。
【0043】
図に示すように、プロセッサ306はまた、車両バッテリ402に負荷を加えるように構成された負荷回路410に接続される。具体的には、負荷回路410は、プロセッサ306によって指示されるように、負荷412及び負荷414に係合するように構成されたスイッチ414を含み得る。いくつかの実装形態では、負荷412は抵抗器R3(例えば、加熱要素又は抵抗線)であってもよく、スイッチ414はトランジスタ要素であってもよい。しかしながら、負荷412及びスイッチ414は、同じ又は類似の機能を達成するように設計された任意の要素又はハードウェアを含み得ることが容易に理解される。例えば、負荷412は、車両バッテリ402から電力を引き出すことのできる任意の要素又は構成要素を含んでもよく、スイッチ414は、負荷412を車両バッテリ402に係合することのできる任意の要素又は構成要素を含んでもよい。いくつかの実装形態では、負荷回路410は、
図3を参照して説明したように、機能モジュール308を含むか、又はその一部であってもよい。例えば、負荷回路410は、揮発性物質の分散を制御又は補助するように構成された加熱要素を有する電気回路であってもよい。
【0044】
再び
図4を参照すると、プロセッサ306は、バッテリセンサ304を介して車両バッテリ402から信号(例えば、電圧信号)を受信、サンプリング、及び処理し、車両350の動作状態を判定し得る。説明したように、プロセッサ306は、車両350の動作状態を判定する際に、負荷回路410を制御し得る。次に、プロセッサ306は、次に
図3を参照して説明したように、デバイス300及びその中の様々な機能モジュール308を制御し得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、
図5に示すように、バッテリセンサ304、プロセッサ306、及び負荷回路410は、デバイス300ではなく車両350に組み込まれてもよい。図に示すように、プロセッサ306はまた、車両インタフェース406及びデバイスインタフェース302を介してデバイス300に電力を提供するように構成されたバッテリ電力モジュール502に接続されてもよい。説明したように、プロセッサ306は、バッテリセンサ304を使用して検出されたバッテリ電圧に基づいて車両350の動作状態を判定するように構成してもよい。次に、プロセッサ306は、車両バッテリ402によってデバイス300に提供される電力を制御するために、バッテリ電力モジュール502と通信してもよい。例えば、車両が「オフ」状態にある、又はバッテリが所定の閾値未満で放電していると判定された場合、プロセッサ306は、車両インタフェース406でデバイス300に利用可能な電力を遮断するために、制御信号を生成してバッテリ電力モジュール502に送信してもよい。プロセッサ306はまた、レポートを生成して、車両インタフェース406を介してレポートを伝達してもよい。いくつかの態様では、レポートは、バッテリ状態又は車両動作状態の表示、ならびにデバイス300に対する動作命令などの他の情報を含んでもよい。例えば、動作命令は、デバイス300が低電力モードに入るための命令を含んでもよい。
【0046】
図6は、本開示の態様による、車両で使用するための揮発性物質デバイス600の一実施形態を示す。上記の説明から理解されるように、
図6は、デバイス及び方法を説明する目的で提供されており、決して本開示を限定するものではない。
【0047】
一般に、
図6に示されるデバイス600は、内部に揮発性物質を有するカートリッジ(図示せず)を保持するように構成された中空部を提供するハウジング602を含む。ハウジング602はまた、電気アセンブリ(図示せず)、ならびに他の要素及び構成要素を保持するように構成してもよい。いくつかの実装形態では、電気アセンブリは、カートリッジからの揮発性物質の放出を制御するように構成される。電気アセンブリは、ソケット接点604を介して車両の電力アウトレットと相互に作用するように構成される。
【0048】
具体的に
図7を参照すると、デバイス600で使用するための例示的な電気アセンブリ700が示されている。電気アセンブリ700は、電力ステージ702、コントローラステージ704、及び加熱要素706を含む。特に、電力ステージ702は、
図6に示されるソケット接点604に接続された入力リード708を介して車両バッテリから電力を受け取るように構成される。電力ステージ702はまた、加熱要素706などの電気アセンブリ700の様々な電気構成要素を動作させるために、受け取った電力を管理するように構成される。
【0049】
図7に示すように、電力ステージ702は、「オン」及び「オフ」位置を有する押しボタンスイッチ710、及び電圧調整器712を含み得る。電力ステージ702はまた、コンデンサ、抵抗、インダクタ、ダイオードなどを含む、複数の他の電気構成要素を含み得る。さらに、
図7に示すように、電力ステージ702はまた、電気又は熱スパイク、過渡又は過負荷の場合、電気アセンブリ700の回路構成要素を保護するために、電気及び熱ヒューズなどの複数のヒューズ714を含み得る。
【0050】
さらに
図7を参照すると、制御ステージ704は、加熱要素706及び他の電気構成要素の入る動作を制御するようにプログラミングされたプロセッサ716(例えば、マイクロコントローラ)を含む。さらに、制御ステージ704はまた、動作モードを選択するためのスライドスイッチ718を含む。具体的には、電力スイッチ718は、加熱要素706の目標温度を示すために、プロセッサ716への入力を活性化させる。例として、スライドスイッチ718は、「オフ」位置と、「低」、「中」、及び「高」位置などのいくつかの「オン」位置を含んでもよく、揮発性物質を分散させるための強度レベルを示す。スライドスイッチ718の位置は、
図7に示すように制御ステージ704回路に含まれるLED720によって示され得る。いくつかの実装形態では、同じ又は異なるLED720は、追加的又は代替的に、車両の「オフ」又は「オン」状態を示してもよい。
【0051】
押しボタンスイッチ710及びスライドスイッチ718が「オン」位置に活性化されると、プロセッサ716は、活性化要素722及び電力ステージ702によって供給される電力を使用して電流を加熱要素706に流すことができる。いくつかの態様では、加熱要素706が早く加熱されるようにするために、プロセッサ716によってPWMアルゴリズムが使用されてもよく、これにより、芳香剤又は揮発性物質の放出をより速くすることができる。いくつかの実装形態では、プロセッサ716はまた、上述したようにスライドスイッチ718が許容可能な設定間の位置である中間位置に偶然に移動された場合、予期しない動作を避けるために電気アセンブリ700又はその一部が無効(disabled)にされるようにプログラミングされてもよい。
【0052】
図7に示すように、制御ステージ704は、プロセッサ716と通信するバッテリセンサ724を含み得る。バッテリセンサ724は、説明したように、車両バッテリのバッテリ電圧を検出するように構成される。プロセッサ716は、説明したように、バッテリセンサ724によって検出されたバッテリ電圧のサンプリングを制御し、バッテリ電圧を使用して車両の動作状態を判定するように構成され得る。動作状態に基づいて、プロセッサ716は、加熱要素706ならびに他の電気構成要素の動作に影響を与えることができる。特に、プロセッサ716は、制御信号を生成して活性化要素722に送信してもよく、これは、加熱要素706に電力が供給されるのを防止又は可能にする。例えば、プロセッサ716は、車両が「オフ」状態にあるときに加熱要素706の電源を切ってもよい。「オン」又は「オフ」状態の判定は、例えば、LED720を使用してユーザに報告することもできる。
【0053】
いくつかの動作モードでは、プロセッサ716は、加熱要素706を一時的に付勢して、車両バッテリに負荷を加え得る。これは、バッテリセンサ724を使用して検出されたバッテリ電圧が所定の閾値(例えば、約13.0V)未満の場合に好ましい場合がある。
図4を参照して説明したように、負荷(この場合は加熱要素706)を印加し、所定の時間バッテリ電圧を監視することにより、車両の動作状態を判定することができる。説明したように、時間は、負荷の特性(例えば、電力消耗など)及び他の要因に依存する場合がある。
【0054】
いくつかの実施形態では、加熱要素706は、プロセッサ716に結合されたサーミスタ726を含んでもよく、所定の温度を超過する場合、所定の時間の間、プロセッサ716が加熱要素706を含む特定の電子構成要素を遮断することを可能にする。
【0055】
図7には、加熱要素706に提供される電力を管理及び制御するための電力ステージ702及び制御ステージ704の特定の実装が示されているが、上述した機能ならびに他の機能を提供するために、いくつもの修正及び変形が可能である。さらに、加熱要素706は、単一の抵抗線を含むように示されているが、本開示による2つ以上の抵抗線などの任意の変形も可能であり得ることが容易に理解され得る。
【0056】
図8を参照すると、本開示の態様による別のプロセス800が示されている。プロセス800のステップは、本開示で説明されるデバイスを含む、任意の適切なデバイス、装置、又はシステムを使用して実行され得る。また、プロセス800のステップは、プロセッサ又はコンピュータによって実行可能な非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されたプログラム、ファームウェア、命令として実装され得る。
【0057】
プロセス800は、車両のバッテリのバッテリ電圧を監視することにより、プロセスブロック802で開始され得る。バッテリ電圧は、車両のバッテリに接続された、又は接続可能なバッテリセンサを使用して検出されてもよい。バッテリセンサは、車両のバッテリに電気的に接続されてもよいが、物理的に接続されている必要はない。説明したように、バッテリセンサは、携帯用電子デバイス、揮発性物質放出デバイスなどの様々な電子デバイスに組み込まれるか、その一部であってもよい。他の実施形態では、バッテリセンサは、車両回路の一部であってもよい。
【0058】
バッテリ電圧は、車両の動作状態を判定するために分析され得る。具体的には、バッテリ電圧は、プロセスブロック804によって示されるように、その中の少なくとも1つの遷移を識別するために分析されてもよい。遷移は、バッテリ電圧の上昇を反映した正、又はバッテリ電圧の降下を反映した負の場合があり得る。例えば、正の遷移は、毎分約+0.1ボルトから毎分約+60.0ボルトの範囲であり得、負の遷移は、毎分約-60.0ボルトから毎分約-0.1ボルトの範囲であり得る。車両の動作状態は、識別された遷移に基づいてプロセスブロック806で判定され得る。
【0059】
いくつかの態様では、プロセスブロック806によって示されるように、バッテリ電圧を使用して、車両の動作状態を判定することもできる。例えば、特定の時点(例えば、バッテリ電圧の遷移前、最中、又は後)で検出されたバッテリ電圧、又は一定時間にわたって検出された平均バッテリ電圧は、1つ以上のバッテリ電圧閾値と比較して車両の状態を判定してもよい。
【0060】
バッテリ電圧の遷移及びバッテリ電圧を使用して車両の動作状態がどのように判定され得るかを説明するために、非限定的な例が
図9に提供される。図は、車両が第1動作状態902(例えば、エンジンオン)、第2動作状態904(例えば、エンジンオフ、イグニッションオフ)、又は、第3動作状態906(例えば、エンジンオフ、イグニッションオン)にあるか否かに基づいて異なるバッテリ電圧シグネチャを示す。図に示すように、車両動作状態が変更される時に、バッテリ電圧の遷移が発生する。具体的には、第1遷移908は、第1動作状態902と第2動作状態904との間で発生し、第2遷移910は、第2動作状態904と第3動作状態906との間で発生し、第3遷移912は、第3動作状態906と第1動作状態902との間で発生する。
【0061】
説明したように、車両の動作状態は、様々な時点で測定されたバッテリ電圧を様々なバッテリ電圧閾値914~916と比較することによって判定され得る。例えば、バッテリ電圧又は平均バッテリ電圧が第1バッテリ電圧閾値914を超える場合、車両は第1動作状態902にあると判定され得る。しかし、バッテリ電圧を様々な閾値と比較しても、常に説明したような車両状態を示すには充分でないこともある。例えば、約13Vの測定は、車両が第1動作状態902、第2動作状態904、又は第3動作状態906にあるかどうかを確証的に判定できないこともある。従って、バッテリ電圧の遷移がまた使用されてもよい。例えば、バッテリ電圧の降下(即ち、負の遷移)を示す第1遷移908が、エンジンがオフにされたか否かを判定するのに使用されてもよい。同様に、バッテリ電圧の上昇(即ち、正の遷移)を示す第3遷移912が、エンジンがオンにされたか否かを判定するのに使用されてもよい。
【0062】
図9に示すように、第1遷移908及び第2遷移910の両方は、バッテリ電圧の降下を示す。従って、イグニションがオフ又はオンであるかを判断することには、バッテリ電圧の分析も含まれ得る。例えば、負の電圧降下と組み合わせた第2バッテリ電圧閾値916を超えるバッテリ電圧は、エンジンがオフでイグニションがオフである動作状態を直接に示すことができる。
【0063】
図9のバッテリ電圧パターンは、例示目的のものであり、したがって非限定的であることは容易に理解され得る。実際に、動作状態の数及びタイプ、バッテリ電圧、及び遷移は、車両の詳細、車両の動作、バッテリ寿命、充電、ならびにその他の要因によって異なり得る。
【0064】
再び
図8を参照すると、車両のバッテリに結合された電子デバイスは、判定された車両の動作状態に従って、プロセスブロック808で制御され得る。説明したように、このステップは、デバイスの充電を中断又は変更したり、動作モードを変更したりするなど、電子デバイスの様々なデバイス機能又は動作態様を制御することを含み得る。
【0065】
図に示すように、レポートは、プロセスブロック810で任意に提供され得る。レポートは、任意の形式で任意の情報を含んでもよい。レポートは、出力に提供され、及び/又はメモリに格納されてもよい。例えば、レポートは、ディスプレイ及び/又はLEDなどを使用して提供されてもよく、検出された様々なバッテリ電圧、車両の動作状態、デバイスの状態、通信リンク、及び他のデータ又は情報を示す。
【産業上利用の可能性】
【0066】
車両の動作状態に基づいて、車両で使用するための電子デバイスを制御するための新しい手法を提供する装置及び方法が提供される。
【0067】
本発明に対する複数の修正は、上述した説明を考慮して当業者には明らかであろう。従って、この説明は、例示のみとして解釈されるべきであり、当業者が本発明を製造及び使用して、本発明を実施する最良の形態を教示できるようにするために提示される。添付の特許請求の範囲の範囲に含まれる全ての修正に対する独占権が留保される。