(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】生分解性飲食用具及び生分解性飲食用具の製造方法
(51)【国際特許分類】
A47G 21/00 20060101AFI20240625BHJP
A47G 21/18 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A47G21/00 Z
A47G21/18
(21)【出願番号】P 2020050834
(22)【出願日】2020-03-23
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000227489
【氏名又は名称】日東富士製粉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】羽立 只勝
(72)【発明者】
【氏名】高柳 雅義
(72)【発明者】
【氏名】乾 哲也
(72)【発明者】
【氏名】梶山 裕希
(72)【発明者】
【氏名】大島 秀男
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-246417(JP,A)
【文献】特表2009-529591(JP,A)
【文献】特開平08-092419(JP,A)
【文献】特開2019-205390(JP,A)
【文献】特開2010-100304(JP,A)
【文献】特開2002-225840(JP,A)
【文献】特開平08-283458(JP,A)
【文献】国際公開第2014/162793(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G19/00-23/16
A21D13/00-13/80
C08L 3/02
C08L89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉と油脂とを混合し、加熱処理をして得られる油脂加工澱粉とグルテンとを含有することを特徴とする生分解性飲食用具。
【請求項2】
更に小麦粉を含有する、請求項1記載の生分解性飲食用具。
【請求項3】
前記小麦粉が、デュラムセモリナ粉である、請求項2記載の生分解性飲食用具。
【請求項4】
前記油脂加工澱粉を、乾燥物換算で
20~85質量%含有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生分解性飲食用具。
【請求項5】
前記グルテンを、乾燥物換算で1~20質量%含有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の生分解性飲食用具。
【請求項6】
前記油脂加工澱粉は、架橋澱粉
と油脂とを混合し、加熱処理をして得られたものである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生分解性飲食用具。
【請求項7】
ストローである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の生分解性飲食用具。
【請求項8】
澱粉と油脂とを混合し、加熱処理をする油脂加工澱粉製造工程と、
前記油脂加工澱粉とグルテンと水とを含有する原料を混練して生地とする生地調製工程と、
前記生地を飲食用具に応じた形状に成形する成形工程と、
成形工程において成形した前記生地を乾燥する乾燥工程と、
を含むことを特徴とする生分解性飲食用具の製造方法。
【請求項9】
前記原料は、更に小麦粉を含有する、請求項8記載の生分解性飲食用具の製造方法。
【請求項10】
前記小麦粉が、デュラムセモリナ粉である、請求項9記載の生分解性飲食用具の製造方法。
【請求項11】
前記油脂加工澱粉は、架橋澱粉を油脂加工したものである請求項8乃至10のいずれかに記載の生分解性飲食用具の製造方法。
【請求項12】
前記成形工程において、前記生地をストローに応じた管状に成形する、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の生分解性飲食用具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性の素材で形成された生分解性飲食用具及び生分解性飲食用具の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、海洋汚染等の環境問題に適応するため、生分解性の素材で形成された飲食用具が注目されている。このような、飲食用具としては、例えば、穀物澱粉または小麦粉を使用した、通孔を有する管状のストローが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の穀物澱粉または小麦粉を使用した生分解性飲食用具は、吸湿すると軟化する特性を有する。このため、例えば、ジュースやアイスコーヒーなどの飲料に浸して使用されるストロー等の飲食用具は、時間の経過とともに徐々に軟化してその形状が変形し、飲食用具として使用できなくなる問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、飲料等の液体に長時間浸された場合であっても、飲食用具としての機能を保持することが可能な生分解性飲食用具及び生分解性飲食用具の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の生分解性飲食用具は、澱粉と油脂とを混合し、加熱処理をして得られる油脂加工澱粉とグルテンとを含有することを特徴とする。
【0007】
本発明の生分解性飲食用具によれば、澱粉と油脂とを混合し、加熱処理をして得られる油脂加工澱粉とグルテンとを含むことにより、生分解性飲食用具の吸湿速度を低下させることが可能となる。従って、生分解性飲食用具が飲料等の液体に長時間浸された場合であっても、飲食用具としての機能を保持することが可能となる。
【0008】
本発明の生分解性飲食用具においては、更に小麦粉を含有することが好ましい。
【0009】
本発明の生分解性飲食用具においては、前記小麦粉が、デュラムセモリナ粉であることが好ましい。
【0010】
本発明の生分解性飲食用具においては、前記油脂加工澱粉を、乾燥物換算で20~85質量%含有することが好ましい。
【0011】
本発明の生分解性飲食用具においては、前記グルテンを、乾燥物換算で1~20質量%含有することが好ましい。
【0012】
本発明の生分解性飲食用具においては、前記油脂加工澱粉は、架橋澱粉を油脂加工したものであることが好ましい。
【0013】
本発明の生分解性飲食用具においては、ストローであることが好ましい。
【0014】
本発明の生分解性飲食用具の製造方法は、澱粉と油脂とを混合し、加熱処理をする油脂加工澱粉とグルテンと水とを含有する原料を混練して生地とする生地調製工程と、前記生地を飲食用具に応じた形状に成形する成形工程と、前記成形工程において成形した前記生地を乾燥する乾燥工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の生分解性飲食用具の製造方法においては、澱粉と油脂とを混合し、加熱処理をする油脂加工澱粉とグルテンと水とを含有する原料を混練して生地とすることにより、飲料等の液体に長時間浸された場合であっても、飲食用具としての機能を保持することが可能な生分解性飲食用具を製造することが可能となる。
【0016】
本発明の生分解性飲食用具の製造方法においては、前記原料は、更に小麦粉を含有することが好ましい。
【0017】
本発明の生分解性飲食用具の製造方法においては、前記小麦粉が、デュラムセモリナ粉であることが好ましい。
【0018】
前記油脂加工澱粉は、架橋澱粉を油脂加工したものであることが好ましい。
【0019】
本発明の生分解性飲食用具の製造方法においては、前記成形工程において、前記生地をストローに応じた管状に成形することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の生分解性飲食用具によれば、澱粉と油脂とを混合し、加熱処理をする油脂加工澱粉とグルテンとを含むことにより、生分解性飲食用具の吸湿速度を低下させることが可能となる。従って、生分解性飲食用具が飲料等の液体に長時間浸された場合であっても、飲食用具としての機能を保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】生分解性飲食用具の製造工程を示すフロー図である。
【
図3】
図2の成形工程において用いられる押出ダイスの一例を示す一部切欠き斜視図である。
【
図4】
図3の押出ダイスの一点鎖線で囲った部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の生分解性飲食用具10を示している。
図1に示すように、生分解性飲食用具10は、筒状に形成されている本体部11を有する。本体部11は、油脂加工澱粉とグルテンとを含有する。本体部11は、好ましくは、小麦粉を含有するとよい。
【0023】
油脂加工澱粉の原料となる澱粉としては、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉、エンドウ豆澱粉、あるいはこれらの澱粉に、架橋処理を施した加工澱粉(例えば、リン酸架橋澱粉等)、アセチル化処理を施した加工澱粉、エステル化処理を施した加工澱粉(例えば、酢酸澱粉等)、エーテル化処理を施した加工澱粉(例えば、ヒドロキシプロピル澱粉等)、酸化処理を施した加工澱粉(例えば、ジアルデヒド澱粉等)、酸処理を施した加工澱粉、湿熱処理を施した加工澱粉、更に架橋、アセチル化、エステル化、エーテル化等の処理を2以上組み合わせて施した加工澱粉等が挙げられる。これらの中でも、架橋処理が施された加工澱粉が好ましい。これらの澱粉は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0024】
油脂加工澱粉の原料となる油脂としては、食用可能な油脂であれば特に制限はなく、例えば、サフラワー油、大豆油、菜種油、綿実油、ヒマワリ油、米糠油、コーン油、椰子油、パーム油、パーム核油、カポック油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油及びハイオレイックヒマワリ油等の植物油脂、牛脂、ラード、魚油及び乳脂等の動物油脂、更にこれら動植物油脂を分別、水素添加又はエステル交換したもの、並びに中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等が挙げられる。
【0025】
油脂加工澱粉は、上記のような澱粉と油脂と乳化剤等のその他の原料を混合し、加熱処理することによって製造することができる。加熱温度は40~160℃が好ましく、40~120℃がより好ましい。加熱時間は、0.2~24時間が好ましく、0.5~12時間が更に好ましい。油脂加工澱粉は、各社から市販されており、例えば「バッタースターチ#500」(商品名、日本食品化工株式会社製)、「バッター用澱粉BT-800」(商品名、三和澱粉工業株式会社製)、「HB-150」(商品名、株式会社J-オイルミルズ製)、などの市販品を用いることもできる。
【0026】
油脂加工澱粉は、生分解性飲食用具10を形成する原料全体に対して乾燥物換算で20~85質量%含有されることが好ましく、35~80質量%含有されることがより好ましく、45~75質量%含有されることがさらに好ましい。油脂加工澱粉の含有量が20質量%未満では、液体に浸漬されたときの物性保持時間を十分に長くとりにくくなり、85質量%を超えると、原料コストが高くなる傾向がある。
【0027】
グルテンは、小麦、ライ麦などの穀類の胚乳から生成される蛋白質の一種であるグルテニンとグリアジンが水を吸収して網目状につながったものであり、例えば、小麦粉に少量の水を添加して捏ねて得られるドウを多量の水で洗い出すことにより灰褐色のガム状の粘弾性物質として採取できる。対象となる穀物は小麦に限定されず、タンパク質であるグルテンを含む穀類であればよく、例えば、米、大麦、もろこし、ライ麦などが挙げられる。これらの中でも、小麦が特に好ましい。
【0028】
また、グルテンは、バイタルグルテンであってもよい。バイタルグルテンは、グルテンのタンパク質の性質を変えないように乾燥して粉末化したものである。バイタルグルテンとしては、公知の方法で穀物から調製したバイタルグルテンを用いることができるが、例えば「レギュラーグルテンA」(商品名、三菱商事ライフサイエンス株式会社製)「スーパーグル85H」(商品名、日本コロイド株式会社製)、「A-グルRS」(商品名、グリコ栄養食品株式会社製)、などの市販のバイタルグルテンを用いることもできる。
【0029】
グルテンは、生分解性飲食用具10を形成する原料全体に対して乾燥物換算で1~20質量%含有されることが好ましく、5~20質量%含有されることがより好ましく、10~18質量%含有されることがさらに好ましい。グルテンの含有量が1質量%未満では、液体に浸漬されたときの物性保持時間を十分に長くとりにくくなり、20質量%を超えると、原料コストが高くなる、色相が暗くくすみ悪化する、グルテン特有の好ましくない臭気が強い、となる傾向がある。
【0030】
生分解性飲食用具10の原料としては、油脂加工澱粉及びグルテンの他に、小麦粉を用いることもできる。小麦粉としては、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、全粒粉、デュラム小麦粉等を使用することができるが、グルテン含量が高いことからデュラム小麦粉(デュラムセモリナ粉)が好ましく用いられる。小麦粉を併用することにより、原料コストを低減することができる。
【0031】
本発明のストローの原料としては、上記の他にも、例えば食塩、米粉、コーンフラワー、大豆粉、ライ麦粉、大麦粉、ハト麦粉、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアガム、キサンタンガム、タラガム、カラギーナン、カードラン、ジェランガム、アラビアガム、グルコマンナン、寒天等を用いることができる。
【0032】
本実施形態の生分解性飲食用具10は、一端から他端にかけて貫通して形成されている貫通孔12を有し、全体として筒状をなす本体部11を有する。従って、生分解性飲食用具10は、円筒の管状に形成されており、ストローとして使用可能である。
【0033】
以上で説明した生分解性飲食用具10の製造方法について説明する。
図2は、生分解性飲食用具10の製造工程を示している。
図2に示すように、油脂加工澱粉とグルテンと水とを含有する原料を混練して生地とする生地調製工程が行われる(ステップS01)。
【0034】
ステップS01において、生分解性飲食用具10の原料は、上述した油脂加工澱粉、グルテンを含有する。この原料には、更に小麦粉を含有することが好ましく、当該小麦粉は、デュラム小麦粉(デュラムセモリナ粉)であることが更に好ましい。尚、ステップS01における原料の混練は、例えば、横型一軸ミキサー等の公知のミキサー等を用いて行うことができる。
【0035】
生地を飲食用具に応じた形状に成形する成形工程が行われる(ステップS02)。
本実施形態においては、ステップS02の成形工程においては、ステップS01で作製した生地をストローに応じた管状に成形する。生地の成形は、例えば、押出ダイスを有する成形機を用いて行われる。
【0036】
図3は、ステップS02の成形工程において用いられる押出成形機に装着される押出ダイスを示している。
図3に示すように、押出ダイス20は、複数の吐出孔21を有するプレート状をなす。
【0037】
各々の吐出孔21は、生地が挿入され得る内側の挿入口21aと、生地が排出され得る外側の排出口21bと、挿入口21a及び排出口21bを接続する内部通路21cとを有している。挿入口21aは、排出口21bによりも開口部が広く形成されている。また、挿入口は、内部通路21cに向かうに従い内径が狭まるテーパ状をなしている。
【0038】
図4は、
図3の一点鎖線で囲まれた部位を拡大した態様が示されている。
図4に示すように、内部通路21cには、排出口21b側に設けられ、かつ内部通路21cが縮径して形成されている段差部21dが形成されている。
【0039】
内部通路21cには、挿入口21aから挿入された生地を成形する成形部材30が配されている。成形部材30は、吐出孔21から挿入可能な略円筒状に形成されている。成形部材30は、一の端面が段差部21dと嵌合することにより内部通路21c内に配されている。
【0040】
成形部材30は、円筒状に形成されているピン31を有する。ピン31は、生分解性飲食用具10の貫通孔12の内径に応じて形成されている。ピン31の一端側には、ピン31の軸の中心から各々が外方に向かって放射状に形成されている3つの羽根部32が形成されている。
【0041】
ピン31の他端側には、生分解性飲食用具10の本体部11の側壁面を形成する壁部33が設けられている。壁部33は、ピン31の側面を環状に囲むように形成されている。壁部33は、ピン31との間隔を有して配されており、当該間隔は、生分解性飲食用具10の本体部11の厚さに応じた距離となっている。
【0042】
壁部33は、羽根部32に向かって延出されたガイド部34を有する。ガイド部34は、3つの羽根部32を囲むように形成されている。また、ガイド部34は、羽根部32との間に間隔を設けて配されている。
【0043】
したがって、挿入口21aから挿入された生地が羽根部32に押圧されると、ガイド部34を介して壁部33に導かれる。生地は壁部33及びピン31によって成形され、排出口21bに向かって排出される。このように、成形された生地40は、図示しないカッターによって所定長さに切断され、管状に成形される。
【0044】
次に、上記成形工程において成形した生地を乾燥する乾燥工程が行われる(ステップS03)。
乾燥の方法は特には限定されないが、例えば、恒湿恒温槽を使用した乾燥を行うことができる。
【0045】
なお、本実施形態において生分解性飲食用具10は、ストローとして説明した。しかし、生分解性飲食用具10は、その形状を飲食用具に応じて変更することで、スプーン、フォーク、ナイフ、箸、コップ、お皿等の飲食用具として使用することができる。
【0046】
以上のように、本発明の生分解性飲食用具10によれば、油脂加工澱粉とグルテンとを含むことにより、生分解性飲食用具の吸湿速度を低下させることが可能となる。従って、生分解性飲食用具10が飲料等の液体に長時間浸された場合であっても、飲食用具としての機能を保持することが可能となる。
【実施例】
【0047】
以下に、本発明を更に具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は斯かる実施例によって制限されるものではない。
【0048】
[試験例](生分解性ストローの浸水評価)
(生分解性ストローの作製)
表1に示す配合で比較例1、2及び実施例1乃至4の生分解性ストローを作製した。尚、表1に示されている数値は、水を除く原料全体(乾燥物換算、すなわち乾燥物であるデュラムセモリナ、油脂加工澱粉及びバイタルグルテンの合計量)に対する質量%を示している。
【0049】
【0050】
表1において、デュラムセモリナは、(製品名:「S-R」、日東富士製粉株式会社製)を用いた。
油脂加工澱粉は、(製品名:「バッタースターチ#500」、日本食品化工株式会社製)を用いた。
バイタルグルテン(製品名:「レギュラーグルテンA」、三菱商事ライフサイエンス株式会社製)を用いた。
【0051】
(生地調製工程)
上記の原料と共に水を横型一軸ミキサーに入れて脱気(-0.08MPa)しながら、4分間混練して生地を作製した。
【0052】
(成形工程)
上記生地を一軸式エクストルーダーを用いて脱気しながら圧力をかけて、マカロニ用押出ダイスから押し出し、30cmの長さに切断した。
【0053】
(乾燥工程)
切断した生地を恒湿恒温槽に入れて、温度と湿度を管理しながら水分含有量が9~14質量%になるまで乾燥した。
【0054】
(浸水評価)
比較例1、2及び実施例1乃至4の生分解性ストローを20.0℃の水中に入れ、30分後、45分後、60分後、75分後、90分後の物性について評価した。その評価を表1に示す。
物性評価については、下記の要領にて5段階で評価した。
5:硬さが維持され、ストローとして問題無く使用できる。
4:表面が僅かに軟らかくなっているが、ストローとして問題無く使用できる。
3:全体的に軟らかめではあるが、真っすぐな状態は保たれており、ストローとして問題無く使用できる。
2:全体的に軟らかく、やや湾曲し、ストローとして何とか使用できる。
1:全体的に軟らかく、指でつまむと容易に潰れるため、ストローとして使用できない。
【0055】
表1に示すように、油脂加工澱粉を含有する実施例1乃至4の生分解性ストローは、油脂加工澱粉を含有していない比較例1よりも、浸水30~90分後の物性評価において、上回った。また、デュラムセモリナを含有しない実施例4の生分解性ストローは、浸水30~90分後の物性評価において、実施例1乃至3の生分解性ストローと同等の物性評価であった。