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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/029 20180101AFI20240625BHJP
   H04W 4/35 20180101ALI20240625BHJP
   H04W 4/00 20180101ALI20240625BHJP
   H04W 28/14 20090101ALI20240625BHJP
【FI】
H04W4/029
H04W4/35
H04W4/00 111
H04W28/14
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020092195
(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公開番号】P2021190758
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-02-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】福本 匡章
(72)【発明者】
【氏名】井上 浩
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0160646(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0394428(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
記憶装置と、
アンテナを備えた第1無線通信回路であって、電動作業機に接続された送信装置において送信タイミングが到来する度に前記送信装置から無線送信される、前記送信装置に対応した情報を、前記アンテナにより受信するように構成された第1無線通信回路と、
前記情報が受信されるか否かを確認すべき事象が発生することに応じて、前記第1無線通信回路で受信された前記情報を取得するように構成された情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記情報を前記記憶装置に記憶する記憶処理部と、
無線電波を受信するように構成された第2無線通信回路と、
を備え、
前記事象は、前記情報が受信されるか否かを確認することを要求する確認要求を前記通信装置が受けることを含み、
前記確認要求は、前記情報が受信されるか否かを確認することを前記通信装置に指示する確認コマンドが前記第2無線通信回路により受信されることを含む、
通信装置。
【請求項2】
通信装置であって、
記憶装置と、
アンテナを備えた第1無線通信回路であって、電動作業機に接続された送信装置において送信タイミングが到来する度に前記送信装置から無線送信される、前記送信装置に対応した情報を、前記アンテナにより受信するように構成された第1無線通信回路と、
前記情報が受信されるか否かを確認すべき事象が発生することに応じて、前記第1無線通信回路で受信された前記情報を取得するように構成された情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記情報を前記記憶装置に記憶する記憶処理部と、
無線電波を送信および受信するように構成された第2無線通信回路と、
前記通信装置とは別体の第1の情報処理装置へ、前記情報の受信確認が必要か否かを前記第2無線通信回路を介して問い合わせるように構成された問い合わせ部と、
前記問い合わせ部による問い合わせに対する前記第1の情報処理装置からの応答を前記第2無線通信回路を介して取得するように構成された応答取得部と、
を備え、
前記事象は、前記情報が受信されるか否かを確認することを要求する確認要求を前記通信装置が受けることを含み、
前記確認要求は、前記応答取得部により取得された前記応答が、前記情報の受信確認が必要であることを示していることを含む、
通信装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の通信装置であって、
前記事象は、設定されている確認タイミングが到来することを含む、通信装置。
【請求項4】
記憶装置と、
アンテナを備えた第1無線通信回路であって、電動作業機に接続された送信装置において送信タイミングが到来する度に前記送信装置から無線送信される、前記送信装置に対応した情報を、前記アンテナにより受信するように構成された第1無線通信回路と、
前記情報が受信されるか否かを確認すべき事象が発生することに応じて、前記第1無線通信回路で受信された前記情報を取得するように構成された情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記情報を前記記憶装置に記憶する記憶処理部と、
前記情報取得部による、設定されている確認タイミングが到来することに応じて前記第1無線通信回路で受信された前記情報を取得する確認動作を、有効または無効に選択的に設定するように構成された動作設定部と、
を備え、
前記事象は、前記確認タイミングが到来することを含み、
前記情報取得部は、前記確認動作が有効に設定されていて且つ前記確認タイミングが到来することに応じて前記確認動作を実行し、前記確認動作が無効に設定されていて且つ前記確認タイミングが到来することに応じて前記確認動作の実行を回避するように構成されている、
通信装置。
【請求項5】
通信装置であって、
記憶装置と、
アンテナを備えた第1無線通信回路であって、電動作業機に接続された送信装置において送信タイミングが到来する度に前記送信装置から無線送信される、前記送信装置に対応した情報を、前記アンテナにより受信するように構成された第1無線通信回路と、
前記情報が受信されるか否かを確認すべき事象が発生することに応じて、前記第1無線通信回路で受信された前記情報を取得するように構成された情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記情報を前記記憶装置に記憶する記憶処理部と、
前記通信装置を第1状態または第2状態に選択的に設定する状態設定部であって、前記第1状態において前記事象が規定回数以上発生したことに応じて前記通信装置を前記第2状態に変更するように構成された状態設定部と、
を備え、
前記事象は、設定されている確認タイミングが到来することを含み、
前記第2状態に設定されている前記通信装置における前記情報取得部は、前記確認タイミングが到来することに応じて、前記第1無線通信回路で受信された前記情報を取得することを回避するように構成されている、
通信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の通信装置であって、
前記状態設定部は、前記通信装置が前記第2状態に設定されていて且つ設定変更条件が成立することに応じて前記通信装置を前記第1状態に変更するように構成されている、
通信装置。
【請求項7】
請求項6に記載の通信装置であって、
前記設定変更条件は、規定時刻が到来することに応じて成立する、通信装置。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の通信装置であって、
さらに、
無線電波を送信するように構成された第2無線通信回路と、
前記情報取得部により取得された前記情報を前記通信装置とは別体の第2の情報処理装置へ前記第2無線通信回路を介して無線送信するように構成された送信部と、
を備える通信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の通信装置であって、
前記第1無線通信回路は、第1の通信方式に従って無線送信された前記情報を受信するように構成されており、
前記第2無線通信回路は、前記第1の通信方式とは異なる第2の通信方式に従って前記情報を無線送信するように構成されている、
通信装置。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の通信装置であって、
前記情報は、前記送信装置を識別する第1の識別子及び/または前記送信装置に接続されている前記電動作業機を識別する第2の識別子を含む、通信装置。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の通信装置であって、
前記第1無線通信回路は、前記送信装置、及び前記送信装置とは別体の送信装置のそれぞれから無線送信される、対応する前記情報を受信するように構成されており、
前記情報取得部は、前記事象が発生することに応じて、前記事象の発生時を含む規定期間内に前記第1無線通信回路で受信された前記情報を取得するように構成されている、
通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動作業機に接続された送信装置から無線送信される情報を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、作業現場で使用される工具を遠隔監視する工具監視システムを開示している。この工具監視システムでは、工具から送信される工具情報を無線通信機が定期的にスキャンする。無線通信機は、受信した工具情報をサーバへ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9949075号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、無線通信機が工具情報をスキャンするタイミングを具体的に開示していない。スキャンの頻度が少ないと、監視精度が低下する可能性がある。スキャン頻度が多すぎると、無線通信機における消費電力が増大する。このように、スキャンの頻度が適切に設定されないと、工具を効率的に管理することが難しい。
【0005】
本開示の1つの局面は、電動作業機を効率的に管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの局面における通信装置は、記憶装置と、第1無線通信回路と、情報取得部と、記憶処理部とを備える。
第1無線通信回路は、アンテナを備える。第1無線通信回路は、電動作業機に接続された送信装置から無線送信される、送信装置に対応した情報を、アンテナにより受信する。送信装置は、当該送信装置において送信タイミングが到来する度に、前記情報を無線送信する。情報取得部は、前記情報が受信されるか否かを確認すべき事象が発生することに応じて、第1無線通信回路で受信された情報を取得する。記憶処理部は、情報取得部により取得された情報を記憶装置に記憶する。
【0007】
このような通信装置では、前記事象が発生する毎に、前記第1無線通信回路により前記情報が受信されればその情報が記憶装置に記憶される。前記情報が受信されることは、例えば、通信装置を含む所定の領域内(例えば送信装置からの前記情報が通信装置で取得され得る領域内)に送信装置が存在していることを示していると判断してもよい。前記情報が取得されないことは、例えば、前記所定の領域内に送信装置が存在していないことを示していると判断してもよい。
【0008】
そのため、電動作業機の管理者は、記憶装置に記憶されている情報を取得することで、電動作業機を効率的に管理することが可能となる。具体的には、管理者は、例えば、前記事象が発生したタイミングにおいて電動作業機が通信装置の近傍(例えば前記所定の領域内)に存在しているか否かをリアルタイムに或いは事後的に確認することが可能となる。
【0009】
なお、送信装置は、電動作業機にどのように接続されていてもよい。送信装置は、例えば、取り付け具を用いて電動作業機に取り付けられてもよい。送信装置は、例えば、電動作業機に離脱可能に取り付けられてもよい。この場合、送信装置は、例えば、電動作業機に装着されることに応じて電動作業機と電気的に接続され、電動作業機から離脱されることに応じて電動作業機との電気的接続が解除されてもよい。送信装置は、例えば、電動作業機に内蔵されていてもよい。
【0010】
送信装置における前記情報の送信タイミングは、どのようなタイミングであってもよい。送信タイミングは、例えば、周期的に到来してもよい。
情報取得部は、前記事象が発生することに応じて、具体的にどのタイミングで前記情報を取得してもよい。情報取得部は、例えば、前記事象の発生時に第1無線通信回路で受信された前記情報を取得してもよい。情報取得部は、例えば、前記事象の発生時を含む規定期間内に第1無線通信回路で受信された前記情報を取得してもよい。規定期間の始期は、例えば、前記事象の発生時であってもよい。送信装置が前記情報を一定の送信周期で周期的に送信するように構成されている場合、規定期間の長さは、例えば、送信周期以上であってもよい。より具体的には、規定期間の長さは、例えば、送信周期の3倍以上であってもよい。
【0011】
前記情報は、送信装置に対応したどのような情報を含んでいてもよい。前記情報は、例えば、送信装置が有する情報を含んでいてもよい。前記情報は、例えば、送信装置が接続されている電動作業機に関する情報を含んでいてもよい。
【0012】
電動作業機は、電力を受けて動作するように構成されていてもよい。電動作業機は、例えば、モータを備え、モータの回転駆動力によって被駆動部材が駆動されることにより作業対象物に作用するように構成されていてもよい。被駆動部材は、例えば、ビット、ファンの羽根車、回転刃、鋸歯などであってもよい。
【0013】
前記事象は、前記情報が受信されるか否かを確認することを要求する確認要求を通信装置が受けることを含んでいてもよい。
このような通信装置では、通信装置が確認要求を受けることに応じて、第1無線通信回路で受信された前記情報が取得される。そのため、管理者は、確認要求に応じて記憶装置に前記情報が記憶されたか否かを確認することで、電動作業機をより効率的に管理することが可能となる。なお、「第1無線通信回路で受信された前記情報が取得される」とは、詳しくは、第1無線通信回路で前記情報が受信された場合にその受信された前記情報が情報取得部により取得されることを意味する。
【0014】
通信装置は、さらに、ユーザインタフェースを備えていてもよい。ユーザインタフェースは、通信装置のユーザによる、前記情報が受信されるか否かを確認することを要求する要求操作を受けてもよい。確認要求は、ユーザインタフェースが要求操作を受けることを含んでいてもよい。
【0015】
このような通信装置では、管理者は、前記通信装置で前記情報が受信されるか否かを、任意のタイミングで容易に確認することが可能となる。なお、要求操作は、どのような操作を含んでいてもよい。要求操作は、例えば、ユーザによる手動操作を含んでいてもよい。
【0016】
通信装置は、さらに、無線電波を受信するように構成された第2無線通信回路を備えていてもよい。確認要求は、第2無線通信回路により確認コマンドが受信されることを含んでいてもよい。確認コマンドは、前記情報が受信されるか否かを確認することを通信装置に指示する。
【0017】
このような通信装置では、第2無線通信回路により確認コマンドが受信されることに応じて、第1無線通信回路で受信された前記情報が取得される。そのため、管理者は、確認コマンドを利用して、前記通信装置で前記情報が受信されるか否かを任意のタイミングで容易に確認することが可能となる。
【0018】
なお、確認コマンドは、どこから送信されてもよい。確認コマンドは、例えば、後述する第1の情報処理装置または第2の情報処理装置から任意のタイミングで送信可能であってもよい。
【0019】
通信装置は、さらに、第2無線通信回路と、問い合わせ部と、応答取得部とを備えていてもよい。第2無線通信回路は、無線電波を送信および受信する。問い合わせ部は、通信装置とは別体の第1の情報処理装置へ、前記情報の受信確認(即ち、前記情報が受信されるか否かを確認すること)が必要か否かを、第2無線通信回路を介して問い合わせる。応答取得部は、問い合わせ部による問い合わせに対する第1の情報処理装置からの応答を第2無線通信回路を介して取得する。確認要求は、応答取得部により取得された応答が、前記情報の受信確認が必要であることを示していること、を含んでいてもよい。
【0020】
このような通信装置では、第1の情報処理装置への問い合わせに対する第1の情報処理装置からの応答に応じて前記情報の受信確認が行われる。そのため、管理者は、通信装置とは別体の装置が積極的に前述の確認コマンド等を通信装置へ送信することが困難な状況下でも、電動作業機を効率的に管理することが可能となる。
【0021】
前記事象は、設定されている確認タイミングが到来することを含んでいてもよい。このような通信装置では、確認タイミングが到来することに応じて、第1無線通信回路で受信された前記情報が取得される。そのため、管理者は、確認タイミング毎の、前記情報が受信された否かの情報を、容易に取得することができる。これにより、管理者は、より容易に電動作業機を管理することが可能となる。
【0022】
通信装置は、さらに、動作設定部を備えていてもよい。動作設定部は、前記情報取得部による確認動作を有効または無効に選択的に設定してもよい。確認動作は、確認タイミングが到来することに応じて、第1無線通信回路で受信された前記情報を取得することを含んでいてもよい。情報取得部は、確認動作が有効に設定されていて且つ確認タイミングが到来することに応じて前記確認動作を実行してもよい。情報取得部は、確認動作が無効に設定されていて且つ確認タイミングが到来することに応じて前記確認動作の実行を回避してもよい。
【0023】
このような通信装置では、確認動作が無効に設定されると、確認タイミングが到来しても前記情報取得部による前記情報の取得が回避される。つまり、前記情報が第1無線通信回路で受信されても情報取得部に取得されない。そのため、管理者は、必要に応じて効率的に電動作業機を管理することが可能となる。なお、確認タイミングは、どのようなタイミングであってもよい。確認タイミングは、例えば、周期的に到来してもよい。確認タイミングは、例えば、設定された時刻あるいは設定された日時などであってもよい。
【0024】
通信装置は、さらに、状態設定部を備えていてもよい。状態設定部は、通信装置を第1状態または第2状態に選択的に設定してもよい。状態設定部は、第1状態において前記事象が規定回数以上発生したことに応じて、通信装置を第2状態に変更してもよい。第2状態に設定されている通信装置における情報取得部は、確認タイミングが到来することに応じて確認動作の実行を回避してもよい。
【0025】
このような通信装置では、第1状態において前記事象が規定回数発生するまでは、確認タイミングが到来する度に、第1無線通信回路で受信された前記情報が取得される。一方、第1状態において前記事象が規定回数発生した後は、確認タイミングが到来しても確認動作が実行されない。そのため、管理者は、確認動作が過度に実行されることを抑制することが可能となる。なお、規定回数は、1回であってもよいし、2回以上の任意の回数であってもよい。
【0026】
状態設定部は、通信装置が第2状態に設定されていて且つ設定変更条件が成立することに応じて、通信装置を第1状態に変更してもよい。このような通信装置では、第1状態において前記事象が規定回数以上発生したことに応じて通信装置が第2状態に変更されても、設定変更条件が成立すれば、通信装置が第1状態に変更される。そのため、管理者は、必要に応じて効率的且つ継続的に電動作業機を管理することが可能となる。なお、管理者は設定変更条件を任意に設定可能であってもよい。
【0027】
設定変更条件は、規定時刻が到来することに応じて成立してもよい。管理者は、規定時刻を任意に設定可能であってもよい。
通信装置は、さらに、第2無線通信回路と、送信部とを備えていてもよい。第2無線通信回路は、無線電波を送信するように構成されていてもよい。送信部は、情報取得部により取得された前記情報を、通信装置とは別体の第2の情報処理装置へ、第2無線通信回路を介して無線送信してもよい。
【0028】
このような通信装置では、通信装置で受信された前記情報が、第2の情報処理装置へ無線送信される。そのため、管理者は、通信装置が存在している場所へ行かなくても、第2の情報処理装置で受信された前記情報に基づいて、電動作業機を効率的に管理することが可能となる。
【0029】
なお、送信部は、どのタイミングで前記情報を第2の情報処理装置へ送信してもよい。送信部は、例えば、情報取得部が前記情報を取得する度にリアルタイムにその情報を第2の情報処理装置へ送信してもよい。送信部は、例えば、情報送信タイミングが到来することに応じて、記憶装置に記憶されている前記情報を第2の情報処理装置へ送信してもよい。この場合、送信部は、例えば、情報送信タイミングが到来する度に、第2の情報処理装置へまだ送信されていない前記情報を第2の情報処理装置へ送信してもよい。第2の情報処理装置は、第1の情報処理装置と同じでもよいし、別体でもよい。送信部は、前記情報に加えて、前記情報とは異なる情報を送信してもよい。前記情報とは異なる情報は、例えば、通信装置に関する情報(例えば通信装置の識別情報、通信装置の位置を示す情報)を含んでいてもよい。送信部は、情報取得部が取得した前記情報を、そのまま第2の情報処理装置へ送信してもよいし、適宜加工して第2の情報処理装置へ送信してもよい。前記情報の加工は、例えば、第2の情報処理装置へ送信する情報量を削減することを目的とするものであってもよい。具体的には、例えば、送信部は、送信すべき前記情報のうち、前回送信した前記情報と同じ部分を削除して、前回送信した前記情報とは異なる部分のみを送信してもよい。
【0030】
第1無線通信回路は、第1の通信方式に従って無線送信された前記情報を受信してもよい。第2無線通信回路は、第1の通信方式とは異なる第2の通信方式に従って前記情報を無線送信してもよい。なお、第2の通信方式は、例えば、セルラー方式の移動体無線通信方式であってもよい。
【0031】
前記情報は、第1の識別子及び/または第2の識別子を含んでいてもよい。第1の識別子は、送信装置を識別する。第2の識別子は、電動作業機を識別する。このような通信装置では、前記事象が発生することに応じて第1無線通信回路で受信された第1の識別子及び/または第2の識別子が取得される。そのため、管理者は、電動作業機を個別に精度よく管理することが可能となる。
【0032】
なお、第1の識別子は、送信装置に記憶されていてもよい。第2の識別子は、対応する送信装置に予め記憶されていてもよいし、電動作業機に記憶されていて対応する送信装置により取得されてもよい。
【0033】
第1無線通信回路は、送信装置、及びその送信装置とは別体の送信装置のそれぞれから無線送信される、対応する前記情報を受信してもよい。情報取得部は、前記事象が発生することに応じて、前記事象の発生時を含む規定期間内に第1無線通信回路で受信された前記情報を取得してもよい。
【0034】
このような通信装置では、管理者は、送信装置および別体の送信装置のそれぞれに対応した電動作業機を個別に効率よく管理することが可能となる。なお、第1無線通信回路は、さらに、追加の一つ以上の送信装置のそれぞれから無線送信される、対応する前記情報を受信してもよい。この場合、管理者は、送信装置、別体の送信装置及び追加の一つ以上の送信装置のそれぞれに対応した電動作業機を個別に効率よく管理することが可能となる。
【0035】
本開示の別の1つの局面における通信システムは、通信装置と、情報処理装置とを備える。通信装置は、前述の第1無線通信回路と、無線電波を送信するように構成された第2無線通信回路と、前述の情報取得部と、前述の送信部とを備える。情報処理装置は、通信装置から無線送信された前記情報を取得する。
【0036】
このような通信システムは、前述の通信装置と同様の効果を発揮し得る。
本開示のさらに別の1つの局面における通信システムは、送信装置と、通信装置とを備える。送信装置は、電動作業機に接続されていてもよい。送信装置は、送信タイミングが到来する度に、送信装置に対応した情報を無線送信してもよい。通信装置は、前述の記憶装置と、前述の無線通信回路と、前述の情報取得部と、前述の記憶処理部とを備える。
【0037】
このような通信システムは、前述の通信装置と同様の効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】第1実施形態の管理システムを示す説明図である。
図2】第1実施形態の送信端末のブロック図である。
図3】第1実施形態の通信装置のブロック図である。
図4】第1実施形態の通信処理のフローチャートである。
図5】第2実施形態の通信処理のフローチャートである。
図6】第3実施形態の通信処理のフローチャートである。
図7】電動作業機の他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
(1-1)管理システムの概要
管理システム1は、n個(nは1以上の自然数)の送信端末10-1,10-2,・・・,10-nと、n個の電動作業機11-1,11-2,・・・,11-nと、通信装置30と、管理装置60と、データサーバ70とを備える。
【0040】
第1実施形態では、管理システム1は、電動作業機及び送信端末をそれぞれ3個以上備える。ただし、管理システム1は、電動作業機及び送信端末をそれぞれ2個または4個以上備えていてもよい。
【0041】
送信端末10-1,10-2,・・・,10-nはそれぞれ、電動作業機11-1,11-2,・・・,11-nのうちの対応する1つに接続されている。具体的には、第1実施形態では、送信端末10-1は電動作業機11-1に接続され、送信端末10-2は電動作業機11-2に接続され、送信端末10-nは電動作業機11-nに接続されている。
【0042】
送信端末10-1は、対応する電動作業機11-1にどのように接続されてもよい。送信端末10-1は、対応する電動作業機11-1に物理的に接続されてもよい。送信端末10-1は、対応する電動作業機11-1に電気的に接続されてもよいし電気的に接続されなくてもよい。送信端末10-1は、例えば、結束バンド、接着剤、ねじ部品などの取り付け具によって電動作業機11-1に取り付けられてもよい。送信端末10-1は、例えば、電動作業機11-1に離脱可能に取り付けられてもよい。
【0043】
電動作業機11-1,11-2,・・・,11-nはそれぞれ、固有の(互いに異なる)機器識別子を有していてもよい。機器識別子は、本開示における第2の識別子の一例に相当する。
【0044】
他の送信端末10-2~10-nの各々も、送信端末10-1と同様に、対応する電動作業機にどのように接続されてもよい。
送信端末10-1~10-nはそれぞれ、送信タイミングが到来する度に、当該送信端末に対応した情報(以下、「端末情報」と称する)を、第1の通信方式に従って無線送信する。端末情報は、本開示における情報の一例に相当する。
【0045】
送信タイミングは、どのようなタイミングであってもよい。第1実施形態では、送信タイミングは、例えば、第1の周期で周期的に到来する。送信端末10-1~10-nそれぞれにおける送信タイミングは互いに異なっていてもよい。
【0046】
第1の通信方式はどのような通信方式であってもよい。第1実施形態では、第1の通信方式は、例えば、Bluetooth Low Energy(以下、「BLE」と称する)の通信規格に従ったものである。なお、「Bluetooth」は登録商標である。
【0047】
端末情報は、どのような情報を含んでいてもよい。端末情報は、例えば、対応する送信端末が有する情報を含んでいてもよい。より具体的には、端末情報は、例えば、対応する送信端末を識別する端末識別子を含んでいてもよい。端末識別子は、本開示における第1の識別子の一例に相当する。
【0048】
端末情報は、例えば、対応する送信端末に対応する電動作業機(即ち対応する送信端末に接続されている電動作業機)に関する情報を含んでいてもよい。より具体的には、端末情報は、例えば、対応する電動作業機が有する前述の機器識別子を含んでいてもよい。
【0049】
電動作業機11-1~11-nは、電力を受けて動作するように構成されている。電動作業機11-1~11-nの少なくとも1つは、例えば、モータを備え、モータの回転駆動力によって被駆動部材が駆動されることにより作業対象物に作用するように構成されていてもよい。被駆動部材は、例えば、ビット、ファンの羽根車、回転刃、鋸歯などであってもよい。電動作業機11-1~11-nはそれぞれ同じ機種であってもよいし互いに異なる機種であってもよい。
【0050】
なお、電動作業機11-1~11-nの具体的構成は、図7に示す後述の電動作業機80から無線通信回路22、第1アンテナ22a及び無線制御回路71を省いたものと概ね同様である。
【0051】
通信装置30は、第1アンテナ41aと第2アンテナ42aとを備える。通信装置30は、送信端末10-1~10-nのそれぞれから送信された端末情報を第1アンテナ41aにて受信する。ただし、通信装置30は、送信端末10-1~10-nのうち、通信装置30との距離(詳しくは第1アンテナ41aとの距離)が通信可能距離以内である送信端末からの端末情報を受信可能である。通信装置30は、通信装置30との距離が通信可能距離を超える送信端末からの端末情報は受信できない。なお、通信可能距離は、送信端末10-1~10-n毎に異なり得る。送信端末10-1~10-nのそれぞれの通信可能距離は、対応する送信端末と通信装置30との間の環境、対応する送信端末のアンテナ22aの特性(例えば指向性、利得、偏波)などに応じて変化し得る。
【0052】
通信装置30は、例えば、電動作業機11-1~11-nが使用される作業現場に設けられてもよい。
通信装置30は、ネットワークを介して管理装置60及びデータサーバ70のそれぞれと通信可能である。第1実施形態では、ネットワークは例えばインターネット100を含む。
【0053】
通信装置30は、どのような方法でインターネット100に接続されてもよい。第1実施形態では、通信装置30は、例えば、セルラー方式の移動体通信網に接続され、移動体通信網を介してインターネット100に接続されてもよい。第1実施形態では、通信装置30は、第2の通信方式に従った無線通信が可能である。第2アンテナ42aは、第2の通信方式に従った電波を送信及び受信する。通信装置30は、第2の通信方式にて移動体通信網に接続される。
【0054】
移動体通信網は、どのような通信規格の移動体通信が可能に構成されていてもよい。移動体通信網は、例えば、LTE(Long Term Evolution)の通信規格に基づく移動体通信が可能に構成されていてもよいし、例えば、いわゆる4G(4th Generation)、5G(5th Generation)などの各世代の移動通信規格のうちの1つに基づく移動体通信が可能に構成されていてもよい。また例えば、移動体通信網は、LTEカテゴリーM1に基づく移動体通信が可能に構成されていてもよい。LTEカテゴリーM1は、IoT(Internet of Things)向けの無線通信技術の1つであるLPWA(Low Power, Wide Area)の1つである。
【0055】
通信装置30は、第2の通信方式にて、データサーバ70へ、現場管理情報を無線送信(アップロード)する。現場管理情報は、通信装置30が受信した端末情報を含む。現場管理情報は、通信装置30を特定する装置識別情報を含んでいてもよい。
【0056】
データサーバ70は、通信装置30からアップロードされた現場管理情報を受信すると、受信した現場管理情報を保存する。
管理装置60は、データサーバ70と通信可能である。管理装置60は、具体的には、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの情報処理装置であってもよい。
【0057】
管理装置60は、電動作業機11-1~11-nを管理する管理機能を備える。具体的には、管理装置60は、管理機能を実現するためのソフトウェアである管理ソフトがインストールされている。なお、管理ソフトは、管理装置60にインストールされて使用されるソフトウェアでなくてもよい。管理ソフトは、例えば、Webブラウザ上で動作するWebアプリケーションであってもよい。管理ソフトによる管理機能は、例えば、データサーバ70から現場管理情報を取得し、取得した現場管理情報を不図示のディスプレイに表示する機能を有する。管理機能は、さらに、管理者による送信指示に応じて後述するスキャンコマンドを通信装置30へ送信する機能を有する。
【0058】
管理装置60のユーザ(以下、「管理者」と称する)は、管理装置60において管理ソフトを使用することで、電動作業機11-1~11-nを管理することができる。具体的には、管理者は、電動作業機11-1~11-nが、電動作業機11-1~11-nが使用される作業現場に存在しているか否かを確認することができる。なお、管理者と通信装置30のユーザとは同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0059】
管理者は、管理装置60から通信装置30へ、後述するスキャン機能の実行を指示するためのスキャンコマンドを送信させることが可能である。
送信端末10-1~10-nの各々と、対応する電動作業機とは、互いに紐付けられている。具体的には、例えば、データサーバ70において、送信端末と電動作業機との対応関係を示す第1管理テーブルが用意されていてもよい。第1管理テーブルでは、例えば、送信端末の端末識別子と当該送信端末に対応する電動作業機の機器識別子とが対応付けられていてもよい。
【0060】
電動作業機11-1~11-nが使用される作業現場に、電動作業機11-1~11-nを収容する機器保管庫が配置されていてもよい。通信装置30は、その機器保管庫に設けられてもよい。通信装置30は、機器保管庫の内部に設けられてもよい。
【0061】
機器保管庫は、例えば、金属製、即ち金属を含む素材で組み立てられ、機器保管庫の外部からの電波が機器保管庫の内部に伝搬しない若しくは伝搬しにくいように構成されていてもよい。この場合、管理者は、機器保管庫の中に電動作業機11-1~11-nが収容されているか否かを確認することができる。例えば、作業現場において、一日の作業が終了したら電動作業機11-1~11-nを機器保管庫に収容することを作業者に周知させておくことで、管理者は、電動作業機11-1~11-nの有無を日単位で管理することができる。
【0062】
通信装置30が金属製の機器保管庫の内部に設けられる場合、通信装置30は、第2アンテナ42aが機器保管庫の外部と電波を送受信可能に設けられてもよい。具体的には、例えば、第2アンテナ42aが機器保管庫の外部に露出するように、機器保管庫内に通信装置30が設けられてもよい。また例えば、機器保管庫の外表面の一部に、電波が透過可能な領域を設け、その領域に第2アンテナ42aが配置されてもよい。
【0063】
通信装置30は、例えば、電動作業機11-1~11-nを作業現場に運搬するための自動車の車内に設けられてもよい。この場合、管理者は、作業現場で使用される電動作業機11-1~11-nを効率的に管理することができる。
【0064】
(1-2)送信端末10-1~10-nの構成
送信端末10-1~10-nの具体的構成について、図2を参照して説明する。第1実施形態では、送信端末10-1~10-nは、基本的には、端末識別子を除いて互いに同様に構成されている。そのため、ここでは代表として送信端末10-1について説明する。なお、送信端末10-1~10-nは、それぞれ同じ機種であってもよいし、互いに異なる複数の機種を含んでいていてもよい。
【0065】
図2に示すように、送信端末10-1は、無線制御回路21と、無線通信回路22と、電源回路23とを備える。無線通信回路22は、第1アンテナ22aを備える。
無線通信回路22は、第1の通信方式に従った無線通信を行う。具体的には、無線通信回路22は、第1の通信方式に従って第1アンテナ22aから電波を送信する。無線通信回路22は、電波を受信する機能を備えていてもよい。
【0066】
電源回路23は、無線制御回路21及び無線通信回路22へ電力を供給する。無線制御回路21及び無線通信回路22は、電源回路23から供給される電力によって動作する。電源回路23はどのように構成されていてもよい。電源回路23は、例えば、電池を備え、電池の電力を供給するように構成されていてもよい。電源回路23は、電池の電圧を変換する変換回路を備え、変換回路によって変換された電圧が無線制御回路21及び無線通信回路22へ印加されてもよい。
【0067】
無線制御回路21は、例えば、CPU21a及びメモリ21bを備える。メモリ21bには、無線制御回路21が有する機能を実現するための各種プログラムが記憶されている。CPU21aは、メモリ21bに記憶されているプログラムを実行することにより、無線制御回路21が有する機能を実現する。前述の端末情報は、メモリ21bに記憶されていてもよい。
【0068】
無線制御回路21が有する機能は、前述の、送信タイミングが到来する度に端末情報を送信する機能を含む。即ち、無線制御回路21は、送信タイミングが到来することに応じて、端末情報を、無線通信回路22を介して無線送信する。
【0069】
(1-3)通信装置の構成
通信装置30の具体的構成について、図3を参照して説明する。通信装置30は、制御回路31と、第1無線通信回路41と、第2無線通信回路42とを備える。
【0070】
第1無線通信回路41は、前述の第1の通信方式に従った無線通信を行う。具体的には、第1無線通信回路41は、送信端末10-1,10-2,・・・,10-nのそれぞれから無線送信される端末情報を受信する。
【0071】
第2無線通信回路42は、前述の第2の通信方式に従って電波を送信及び受信する。第2の通信方式は、本実施形態では、例えば前述のLTE、4G、5Gなどの、移動体通信網で用いられる通信規格に従ったものである。
【0072】
通信装置30は、さらに、ユーザインタフェース32と、電源回路33と、GPS(Global Positioning System)受信機34とを備える。
ユーザインタフェース32は、ユーザによる各種の入力操作を受け付ける。ユーザインタフェース32は、スキャンボタン32aを備える。スキャンボタン32aは、通信装置30のユーザにより押下される。ユーザは、スキャンボタン32aを押下することにより、第1無線通信回路41にて端末情報が受信されるか否かの確認を要求することができる。スキャンボタン32aを押下することは、本開示における要求操作の一例に相当する。
【0073】
ユーザインタフェース32は、表示デバイスを備えていてもよい。表示デバイスは、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを備えていてもよい。通信装置30が受信した端末情報は、表示デバイスに表示されてもよい。
【0074】
電源回路33は、制御回路31、第1無線通信回路41、第2無線通信回路42、GPS受信機34及びユーザインタフェース32へ電力を供給する。制御回路31、第1無線通信回路41、第2無線通信回路42、GPS受信機34及びユーザインタフェース32は、電源回路33から供給される電力によって動作する。
【0075】
電源回路33はどのように構成されていてもよい。電源回路33は、例えば、電池を備え、電池の電力を供給するように構成されていてもよい。電源回路33は、電池の電圧を変換する変換回路を備え、変換回路によって変換された電圧を出力してもよい。通信装置30は、通信装置30とは別体の不図示のバッテリを着脱可能であってもよい。電源回路33は、通信装置30に装着されたバッテリから電力を受け、その電力を供給対象へ供給してもよい。電源回路33は、制御回路31、第1無線通信回路41などの各部へ、互いに異なる電圧を供給するように構成されていてもよい。
【0076】
GPS受信機34は、不図示のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号を制御回路31へ出力する。
制御回路31は、例えば、CPU31a、メモリ31b等を有するマイクロコンピュータを備えている。メモリ31bには、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の各種半導体メモリのうち少なくとも1つが含まれる。後述するスキャン機能を含む、制御回路31の各種機能は、CPU31aが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ31bが、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御回路31は、1つのマイクロコンピュータを備えていてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えていてもよい。
【0077】
制御回路31が有する各種機能を実現する手法は、ソフトウェアに限定されるものではなく、機能の一部又は全部は、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現されてもよい。
【0078】
第1実施形態では、メモリ31bには、後述する通信処理のプログラムが記憶されている。CPU31aは、CPU31aに電力が供給されることによりCPU31aが起動されると、メモリ31bに記憶されている通信処理のプログラムを読み込み、通信処理を実行する。
【0079】
制御回路31は、スキャン機能を備える。スキャン機能は、通信処理に含まれる。スキャン機能は、送信端末10-1~10-nのそれぞれから送信される端末情報をスキャンする機能である。より詳しくは、スキャン機能は、送信端末10-1~10-nのそれぞれから送信される端末情報を第1無線通信回路41が受信するか否かを確認する機能である。
【0080】
制御回路31は(詳しくはCPU31aは)、スキャン機能を実行すべき事象(以下、「スキャン要求事象」と称する)が発生することに応じて、スキャン機能を実行する。制御回路31は、スキャン機能を実行することにより第1無線通信回路41にて端末情報が受信されることに応じて、受信された端末情報を第1無線通信回路41を介して取得し、メモリ31bに記憶する。
【0081】
スキャン要求事象は、端末情報が受信されるか否かの確認を要求する確認要求を通信装置30が受けることを含む。
第1実施形態では、確認要求は、例えば、ユーザによりスキャンボタン32aが押下されることを含む。
【0082】
確認要求は、さらに、例えば、管理装置60からのスキャンコマンドを第2無線通信回路42を介して受けることを含む。スキャンコマンドは、端末情報が受信されるか否かを確認するように通信装置30に指示するコマンドである。つまり、スキャンコマンドは、通信装置30へスキャン機能を実行するように指示する。スキャンコマンドは、本開示における確認コマンドの一例に相当する。
【0083】
スキャン要求事象は、さらに、例えば、自動スキャンタイミングが到来することを含む。
即ち、制御回路31は、自動スキャンタイミングが到来する毎に、スキャン機能を実行する。自動スキャンタイミングは、ユーザにより任意に設定変更されてもよい。ユーザによる自動スキャンタイミングの設定変更操作は、例えば、ユーザインタフェースを介して行われてもよい。以下、自動スキャンタイミングが到来する毎にスキャン機能を実行することを「自動スキャン」と称する。自動スキャンは本開示における確認動作の一例に相当し、自動スキャンタイミングは本開示における確認タイミングの一例に相当する。
【0084】
自動スキャンタイミングは、どのようなタイミングであってもよい。自動スキャンタイミングは、例えば、周期的に到来してもよい。自動スキャンタイミングは、例えば、設定された時刻あるいは設定された日時などであってもよい。
【0085】
ただし、ユーザは、自動スキャンを有効または無効に選択的に設定することができる。この設定は、どのような方法で行われてもよい。この設定は、例えば、ユーザインタフェース32を介して行われてもよい。この設定は、通信装置30とは別体の情報処理装置(例えば管理装置60、ユーザが所持するスマートフォン、パソコン、タブレット端末等)からの遠隔操作によって行われてもよい。
【0086】
制御回路31は、自動スキャンが有効に設定されていて且つ自動スキャンタイミングが到来することに応じて、スキャン機能を実行する。制御回路31は、自動スキャンが無効に設定されている場合は、自動スキャンタイミングが到来してもスキャンを実行しない。即ち、制御回路31は、自動スキャンが無効に設定されている場合は自動スキャンの実行を回避する。
【0087】
制御回路31は、スキャン要求事象が発生する度に、第1無線通信回路41において端末情報が受信されるか否かの受信確認を実行する。受信確認を実行するタイミングまたは期間(以下、「スキャン期間」と称する)は、どのようなタイミングまたは期間であってもよい。
【0088】
スキャン期間は、例えば、スキャン要求事象が発生した時であってもよい。スキャン期間は、例えば、スキャン要求事象が発生した時を含む規定期間内であってもよい。規定期間の始期は、例えば、スキャン要求事象が発生した時であってもよい。第1実施形態では、前述の通り、送信端末10-1~10-nの各々は第1の周期で周期的に端末情報を送信する。そのため、規定期間の長さは、例えば、第1の周期以上であってもよい。より具体的には、規定期間の長さは、例えば、第1の周期の3倍以上であってもよい。
【0089】
制御回路31は、GPS受信機34からのGPS信号に基づいて、通信装置30の位置を検出してもよい。制御回路31は、検出した位置を示す位置情報を含む現場管理情報をデータサーバ70へアップロードしてもよい。
【0090】
(1-4)通信処理
次に、制御回路31が実行する前述の通信処理について、図4を参照して説明する。制御回路31は(詳しくはCPU31aは)、通信処理を開始すると、S110で、現在のスキャン設定を確認する。スキャン設定は、自動スキャンの有効または無効の設定値、及び自動スキャンタイミングを含む。
【0091】
S120では、自動スキャンが有効に設定されているか否か判断する。自動スキャンが無効に設定されている場合は、本処理はS140に移行する。自動スキャンが有効に設定されている場合は、本処理はS130に移行する。
【0092】
S130では、自動スキャンタイミングが到来したか否か判断する。自動スキャンタイミングが到来した場合は、本処理はS160に移行する。S160では、スキャン機能を実行する。S160では、さらに、スキャン機能により受信された端末情報をメモリ31bに記憶する。S160で受信される端末情報は、例えば、通信装置30との距離が前述の通信可能距離以内の位置に存在している送信端末からの端末情報である。
【0093】
S170では、スキャン結果をデータサーバ70へアップロードする。具体的には、S160で受信された端末情報を含む現場管理情報を、第2無線通信回路42を介してデータサーバ70へアップロードする。S170の処理後は、本処理はS120に移行する。
【0094】
S130で、自動スキャンタイミングが到来していない場合は、本処理はS140に移行する。S140では、スキャンボタン32aが押下されたか否か判断する。スキャンボタン32aが押下された場合は、本処理はS160に移行する。スキャンボタン32aが押下されていない場合は、本処理はS150に移行する。
【0095】
S150では、管理装置60からのスキャンコマンドを受信したか否かを判断する。スキャンコマンドが受信された場合は、本処理はS160に移行する。スキャンコマンドが受信されていない場合は、本処理はS120に移行する。
【0096】
(1-5)第1実施形態の効果
以上説明した第1実施形態によれば、以下の(1a)~(1f)の効果を奏する。
(1a)通信装置30は、スキャン要求事象が発生する毎に、スキャン機能を実行し、第1無線通信回路41で受信された端末情報をメモリ31bに記憶する。そのため、管理者は、メモリ31bに記憶されている端末情報を取得することで、電動作業機11-1~11-nを効率的に管理することが可能となる。具体的には、管理者は、例えば、スキャン要求事象が発生したタイミングで電動作業機11-1~11-nが通信装置30の近傍(例えば通信装置30から通信可能距離以内の範囲内)に存在しているか否かを、リアルタイムに或いは事後的に確認することが可能となる。
【0097】
(1b)通信装置30は、端末情報を含む現場管理情報を、第2無線通信回路42を介してデータサーバ70へアップロードする。そのため、管理者は、通信装置30が存在している場所へ行かなくても、データサーバ70にアップロードされた現場管理情報に基づいて、電動作業機を効率的に管理することが可能となる。
【0098】
(1c)ユーザ又は管理者は、スキャンボタン32aを押下することで、スキャン機能を実行させることができる。そのため、管理者は、電動作業機11-1~11-nが通信装置30の近傍に存在しているか否かを、任意のタイミングで容易に確認することが可能となる。
【0099】
(1d)通信装置30は、管理装置60からのスキャンコマンドを受信することに応じて、スキャン機能を実行する。そのため、管理者は、スキャンコマンドを利用して電動作業機11-1~11-nを容易に遠隔管理することが可能となる。
【0100】
(1e)通信装置30は、自動スキャンの機能を有する。即ち、通信装置30は、自動スキャンタイミングが到来する毎にスキャン機能を実行する。そのため、管理者は、自動スキャンタイミング毎の、電動作業機11-1~11-nが通信装置30の近傍に存在しているか否かの情報を、容易に取得することができる。これにより、管理者は、より容易に電動作業機11-1~11-nを管理することが可能となる。
【0101】
(1f)ユーザは、自動スキャンを有効または無効に選択的に設定可能である。自動スキャンが無効に設定された通信装置30は、自動スキャンタイミングが到来しても自動スキャンを実行しない。そのため、管理者は、必要に応じて効率的に電動作業機を管理することが可能となる。
【0102】
なお、第1実施形態において、メモリ31bは本開示における記憶装置の一例に相当する。送信端末10-1~10-nの各々は本開示における送信装置の一例に相当する。制御回路31は本開示における情報取得部、記憶処理部、動作設定部、状態設定部および送信部の一例に相当する。
【0103】
[2.第2実施形態]
第2実施形態の管理システムは、図1図3に示した第1実施形態の管理システム1と基本的に同様である。第2実施形態の管理システムが第1実施形態の管理システム1と異なるのは、通信装置30の制御回路31が実行する通信処理である。
【0104】
第2実施形態の制御回路31は、スキャン済フラグをオンまたはオフに選択的に設定する。制御回路31は、スキャン済フラグがオフに設定されている場合に自動スキャンを実行する。制御回路31は、スキャン済フラグをオンからオフに切り替えた後、スキャン機能を規定回数実行すると、スキャン済フラグをオンに切り替える。
【0105】
規定回数は、1回であってもよいし、2回以上であってもよい。第2実施形態では、規定回数は例えば1回である。規定回数は、ユーザにより変更可能であってもよい。スキャン済フラグがオフに設定されている状態は、本開示における第1状態の一例に相当する。スキャン済フラグがオンに設定されている状態は、本開示における第2状態の一例に相当する。
【0106】
制御回路31は、スキャン済フラグがオンに設定されている間は、自動スキャンタイミングが到来しても自動スキャンを実行しない。制御回路31は、スキャン済フラグがオンされているときに、フラグオフ条件が成立することに応じて、スキャン済フラグをオフに切り替える。
【0107】
フラグオフ条件は、どのような条件であってもよい。第2実施形態では、フラグオフ条件は、例えば、日付が変更した場合、つまり例えば時刻が午前0時になった場合に成立する。フラグオフ条件は、ユーザにより変更可能であってもよい。フラグオフ条件は、本開示における設定変更条件の一例に相当する。フラグオフ条件が成立する午前0時は、本開示における規定時刻の一例に相当する。
【0108】
上記のような機能を実現する第2実施形態の通信処理は、図5に示す通りである。図5において、図4と同じ処理には図4と同じ符号を付している。図5に示す通信処理について、第1実施形態の通信処理と異なる部分について説明する。
【0109】
図5に示すように、第2実施形態の通信処理では、S120で自動スキャンが有効に設定されている場合、S125に移行する。S125では、スキャン済フラグがオンに設定されているか否かを判断する。なお、スキャン済フラグは、後述するS180でオンされる。
【0110】
S125で、スキャン済フラグがオンに設定されている場合は、本処理はS140に移行する。S125で、スキャン済フラグがオフに設定されている場合は、本処理はS130に移行する。
【0111】
第2実施形態の通信処理では、S170でスキャン結果をデータサーバ70へアップロードすると、本処理はS180に移行する。S180では、スキャン済フラグをオンに設定する。なお、規定回数が2回以上に設定されている場合は、S160のスキャン機能が規定回数実行されるまではS180の処理を無効とし、S160のスキャン機能が規定回数実行された後にS180でスキャン済フラグをオンにする。S180の処理後は、本処理はS190に移行する。また、S150でスキャンコマンドが受信されていない場合は、本処理はS190に移行する。
【0112】
S190では、フラグオフ条件が成立しているか否か判断する。フラグオフ条件が成立していない場合は、本処理はS120に移行する。フラグオフ条件が成立している場合は、本処理はS200に移行する。S200では、スキャン済フラグをオフに設定する。S200の処理後は、本処理はS120に移行する。
【0113】
以上詳述した第2実施形態では、前述した第1実施形態の効果に加え、さらに、以下の効果を奏する。即ち、通信装置30は、スキャン済フラグがオフに設定されている間は、自動スキャンタイミングが到来することに応じて自動スキャンを実行する。一方、スキャン機能が規定回数(第1実施形態では例えば1回)実行されると、スキャン済フラグがオフに設定される。スキャン済フラグがオフに設定されている間は、通信装置30は、自動スキャンタイミングが到来しても自動スキャンを実行しない。
【0114】
そのため、管理者は、規定回数及びフラグオフ条件を適宜設定することで、自動スキャンが過度に実行されることを抑制することが可能となる。これにより、管理者は、電動作業機11-1~11-nを必要に応じて効率的に管理することが可能となる。
【0115】
[3.第3実施形態]
第3実施形態の管理システムは、第2実施形態の管理システムと基本的に同様である。第3実施形態の管理システムが第2実施形態の管理システムと異なるのは、通信装置30の制御回路31が実行する通信処理である。
【0116】
第3実施形態では、スキャン要求事象は、さらに、通信装置30からデータサーバ70へのスキャン要否ポーリングに対して通信装置30がデータサーバ70から第1応答を受けることを含む。第1応答は、端末情報の受信確認が必要であることを示す。第1応答を受けることは、前述の確認要求の一例である。
【0117】
スキャン要否ポーリングは、データサーバ70へ、端末情報の受信確認が必要か否かを、第2無線通信回路を介して問い合わせる処理である。
データサーバ70は、要スキャンフラグをオン又はオフに設定する。データサーバ70は、スキャン要否ポーリングを受けることに応じて、通信装置30へ、設定されている要スキャンフラグに応じた応答を送信する。
【0118】
具体的には、要スキャンフラグがオンに設定されているデータサーバ70は、スキャン要否ポーリングを受けることに応じて、第1応答を送信する。要スキャンフラグがオフに設定されているデータサーバ70は、スキャン要否ポーリングを受けることに応じて、第2応答を送信する。第2応答は、端末情報の受信確認が不要であることを示す。
【0119】
要スキャンフラグの設定は、データサーバ70において可能であってもよいし、データサーバ70とは別の情報処理装置(例えば管理装置60)から可能であってもよい。
上記のような機能を実現する第3実施形態の通信処理は、図6に示す通りである。図6において、図5と同じ処理には図5と同じ符号を付している。図6に示す通信処理について、第2実施形態の通信処理と異なる部分について説明する。
【0120】
図6に示すように、第3実施形態の通信処理では、S140でスキャンボタン32aが押下されていない場合、S155に移行する。S155では、データサーバ70へスキャン要否ポーリングを行う。
【0121】
S156では、スキャン要否ポーリングに対するデータサーバ70からの応答が第1応答及び第2応答のどちらであるか判断する。応答が第1応答であった場合は、本処理はS160に移行する。応答が第2応答であった場合は、本処理はS190に移行する。
【0122】
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第2実施形態の効果に加え、さらに、以下の効果を奏する。即ち、管理者は、データサーバ70において要スキャンフラグを適宜設定することで、電動作業機11-1~11-nを必要に応じて効率的に管理することが可能となる。
【0123】
なお、第3実施形態では、管理装置60は、スキャンコマンドを送信する機能を備えていなくてもよい。第3実施形態の管理システムでは、管理装置60がスキャンコマンドを送信する機能を備えていなくても、管理者は、スキャンコマンドを送信する機能を備えている場合と同様に管理することができる。
【0124】
即ち、管理装置60がスキャンコマンドを送信する機能を備えていなくても、管理者は、必要に応じてデータサーバ70の要スキャンフラグをオンに設定することで、電動作業機を適切に管理することが可能となる。
【0125】
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0126】
(4-1)制御回路31は、スキャン機能を実行する度に毎回現場管理情報をアップロードしなくてもよい。制御回路31は、例えば、所定の情報送信タイミングが到来することに応じて、メモリ31bに記憶されている、まだ送信していない端末情報を含む現場管理情報をアップロードしてもよい。
【0127】
また、通信装置30は、例えばUSBインタフェースなどの、記憶メディアを接続可能なメディアインタフェースを備えていてもよい。そして、通信装置30は、メモリ31bに記憶されている端末情報をメディアインタフェースを介して記憶メディアに出力可能であってもよい。
【0128】
(4-2)現場管理情報のアップロード先は、データサーバ70とは異なっていてもよい。例えば、管理装置60に現場管理情報がアップロードされてもよい。
(4-3)第1の通信方式は、BLEとは異なる通信方式であってもよい。第1の通信方式は、例えば、無線LANであってもよいし、BLEとは異なる近距離無線通信方式であってもよい。第2の通信方式も、どのような通信方式であってもよい。第2の通信方式は、例えば、有線による通信方式であってもよい。具体的には、例えば第1実施形態の送信装置30(図3参照)において、第2無線通信回路42に代えて、或いは第2無線通信回路42に加えて、有線通信ネットワーク(例えばLAN)に接続するための有線通信インタフェースが備えられていてもよい。そして、通信装置30は、有線通信インタフェース及びこれに接続されたLANを介してインターネット100に接続されてもよい。有線通信インタフェースは、インターネット100に直接接続可能に構成されていてもよい。
【0129】
(4-4)通信装置30のハードウェア構成は、どのようなものであってもよい。通信装置30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末などの情報通信端末であってもよい。この場合、情報通信端末に通信処理のプログラムがインストールされることによって、情報通信端末が、上記各実施形態の通信装置30としての機能を兼ね備えるようにしてもよい。
【0130】
(4-5)送信端末10-1は、例えば、電動作業機11-1に離脱可能に取り付けられてもよい。この場合、送信端末10-1は、例えば、電動作業機11-1に装着されることに応じて電動作業機11-1と電気的に接続され、電動作業機11-1から離脱されることに応じて電動作業機11-1との電気的接続が解除されてもよい。送信端末10-1は、例えば、電動作業機11-1に内蔵されていてもよい。他の送信端末10-2~10-nについても同様である。
【0131】
送信端末10-1を内蔵した電動作業機の一例を、図7に示す。図7に示す電動作業機80は、機器制御回路61と、電源回路62と、モータ63と、駆動機構64と、機器記憶部66と、無線制御回路71と、無線通信回路22とを備える。
【0132】
無線制御回路71は、CPU71aと、メモリ71bとを備える。無線制御回路71は、基本的には、第1実施形態の無線制御回路21と同様である。ただし、無線制御回路71は、機器制御回路61とデータ通信を行う機能を備えている。なお、電動作業機80において、無線制御回路71及び無線通信回路22が、第1実施形態の送信端末10-1に対応する。
【0133】
電源回路62は、機器制御回路61及び無線制御回路71を含む各部へ電力を供給する。具体的には、電動作業機80は、バッテリ80を着脱可能に構成されている。電源回路62は、電動作業機80に装着されたバッテリ80から電力を受け、その電力を各部へ供給する。
【0134】
なお、電源回路62はどのように構成されていてもよい。電源回路62は、例えば、電池を内蔵し、電池の電力を供給するように構成されていてもよい。電源回路62は、電池の電圧を変換する変換回路を備え、変換回路によって変換された電圧を出力してもよい。
【0135】
機器制御回路61は、モータ63を制御する。機器制御回路61は、例えば、不図示の操作スイッチが操作されることに応じて,モータ63を駆動する。モータ63の回転駆動力は、駆動機構64に伝達される。駆動機構64には、作業出力部材65が装着される。作業出力部材65は、駆動機構64に固定されていてもよいし、駆動機構64から離脱可能であってもよい。駆動機構64は、モータ63から伝達された回転駆動力によって、駆動機構64に装着されている作業出力部材65を駆動する。
【0136】
作業出力部材65は、電動作業機80の外部の作業対象に作用すること、換言すれば作業対象にエネルギーを与えることによって、電動作業機80の機能を達成するように構成されている。作業出力部材65は、例えば、草や小径木などを刈り払うために回転するように構成された回転刃であってもよい。また例えば、作業出力部材65は、被加工材に穴を開けるために回転するように構成されたドリルビットであってもよい。
【0137】
機器制御回路61は、さらに、電動作業機80の状態に関する各種情報を機器記憶部66に記憶する。機器記憶部66に記憶される各種情報は、例えば、前述の操作スイッチが操作された回数、モータ63へ供給される電流の値などを含んでいてもよい。
【0138】
このように構成された電動作業機80は、実質的に、第1実施形態の送信端末10-1を含んでおり、送信端末10-1としても機能する。
(4-6)第3実施形態では、データサーバ70へのスキャン要否ポーリングをS155で実行していたが、スキャン要否ポーリングはどのようなタイミングで実行してもよい。例えば、一定時間間隔で繰り返しスキャン要否ポーリングを実行してもよいし、既定の時刻または日時が到来することに応じてスキャン要否ポーリングを実行してもよい。
【0139】
(4-7)管理システム1は、電動作業機とは異なる各種機器、器具、装置等を管理対象として管理可能であってもよい。管理対象は、モータを含まない各種作業機を含んでいてもよい。例えば、管理対象は、内燃機関を備えた各種作業機(例えば各種工具、刈払機、丸鋸など)を含んでいてもよい。
【0140】
(4-8)管理装置60とデータサーバ70とは、同じ筐体内に設けられていてもよい。即ち、一つの情報処理装置が、管理装置60の機能とデータサーバ70の機能とを兼ね備えていてもよい。
【0141】
(4-9)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0142】
1…管理システム、10-1~10-n…送信端末、11-1~11-n,80…電動作業機、21,71…無線制御回路、22…無線通信回路、30…通信装置、31…制御回路、31a…CPU、31b…メモリ、32…ユーザインタフェース、32a…スキャンボタン、41…第1無線通信回路、41a…第1アンテナ、42…第2無線通信回路、42a…第2アンテナ、60…管理装置、70…データサーバ、80…バッテリ、100…インターネット。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7