(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】リアクトル
(51)【国際特許分類】
H01F 37/00 20060101AFI20240625BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20240625BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H01F37/00 M
H01F37/00 F
H01F37/00 G
H01F27/29 V
H01F27/28 152
H01F37/00 T
(21)【出願番号】P 2020146737
(22)【出願日】2020-09-01
【審査請求日】2023-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】植草 易央
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩太郎
【審査官】古河 雅輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-218292(JP,A)
【文献】特開2015-126148(JP,A)
【文献】特開2016-219489(JP,A)
【文献】特開2018-032665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/00-27/06
H01F 27/28
H01F 27/29-27/30
H01F 30/00-38/12
H01F 38/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の脚部と、前記複数の脚部の端部を連結する一対の連結部とを有するコアと、
複数の脚部の並び方向における両端の脚部にそれぞれ装着されたコイルと、
前記連結部を被覆する樹脂部材と、
を有し、
一方の前記連結部を被覆する前記樹脂部材には、
前記連結部を挟む両端に、前記コイルと巻軸の方向に重なりが生じる位置に設けられ、前記コイルと外部との電気的な接続用の端子を支持し、前記巻軸と平行な方向を軸として締結具が締結される端子締結部と、
前記コイルと巻軸の方向の重なりが生じない位置であって、前記端子締結部に隣接する位置に設けられ、前記巻軸と平行な方向を軸として固定具が固定される固定部と、
が設けられていることを特徴とするリアクトル。
【請求項2】
前記コイルの端部と前記端子との接続部を有し、
前記接続部は、前記端子締結部に対して、前記固定部と異なる方向に隣り合う位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のリアクトル。
【請求項3】
前記連結部を被覆する前記樹脂部材は、前記脚部の並び方向が長手方向、これに直交する方向が短手方向であり、
前記端子締結部及び前記固定部は、
前記樹脂部材の前記短手方向
に沿った側面に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のリアクトル。
【請求項4】
前記端子締結部及び前記固定部は、継ぎ目無く一続きに形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のリアクトル。
【請求項5】
前記端子締結部は、前記端子と樹脂とが一体化されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のリアクトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアクトルに関する。
【背景技術】
【0002】
OA機器、太陽光発電システム、自動車、無停電電源など様々な用途にリアクトルが用いられている。リアクトルは、例えば、出力系への高調波電流の流出を防止するフィルタや、電圧を昇降させる電圧昇降用コンバータなどに用いられる。この種のリアクトルは、コアとコイルとの絶縁を図るために、コアの周囲を樹脂部材によって被覆し、樹脂部材の外周にコイルを装着したものが知られている。
【0003】
リアクトルには、コイルの巻軸の方向が設置面に対して平行となるように配置したいわゆる横置き型のものがある。横置き型のリアクトルでは、コアを被覆する樹脂部材の四隅に設けられた固定部と、ケースなどの固定対象に設けられた4つの固定部とを、ビス等の固定具によって固定する。また、樹脂部材には、コイルと外部との電気的な接続のための端子を支持する端子締結部が設けられている。端子は、コイルの端部に溶接されたバスバーの端部に構成され、ナット等の締結具によって外部の端子と締結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような横置き型のリアクトルにおいては、固定部と端子締結部とを、平面視でコアの外縁よりも外側に張り出した位置に設ける必要がある。これは、固定部を内側に設けると、コアに重なる位置となり、ケースへの固定が不可能となるためである。また、端子締結部を内側に設けると、支持する端子の下方に存在するコアが邪魔となり、端子と一体化させるインサート成型ができない。もし、端子締結部を内側に形成するとすれば、コアの外側に設けた固定部とは離れた位置において、下方に空間を設けて形成する必要があり、振動等に対する強度が不十分となる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、小型で端子締結部の強度を確保できるリアクトルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のリアクトルは、複数の脚部と、前記複数の脚部の端部を連結する一対の連結部とを有するコアと、複数の脚部の並び方向における両端の脚部にそれぞれ装着されたコイルと、前記連結部を被覆する樹脂部材と、を有し、一方の前記連結部を被覆する前記樹脂部材には、前記連結部を挟む両端に、前記コイルと巻軸の方向に重なりが生じる位置に設けられ、前記コイルと外部との電気的な接続用の端子を支持し、前記巻軸と平行な方向を軸として締結具が締結される端子締結部と、前記コイルと巻軸の方向の重なりが生じない位置であって、前記端子締結部に隣接する位置に設けられ、前記巻軸と平行な方向を軸として固定具が固定される固定部と、が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、端子締結部をコイルと巻軸の方向に重なりが生じる位置に設け、固定部を端子締結部と隣接する位置に設けることにより、小型化を図りつつ、端子締結部の強度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係るリアクトルの全体構成を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係るリアクトルの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態に係るリアクトルについて、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係るリアクトル10の全体構成を示す斜視図であり、
図2は、分解斜視図である。また、
図3はリアクトル10の平面図、
図4は断面図、
図5は正面図である。
【0011】
リアクトル10は、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して蓄積及び放出する電磁気部品であり、電圧の昇降圧等に使用される。本実施形態のリアクトル10は、一対のコイル31、32が装着された環状のコア2(
図2、
図4参照)を有する。このようなリアクトル10は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の駆動システム等で、昇圧回路の主要部品として使用される。
【0012】
なお、本実施形態のリアクトル10は、コイル3の巻軸が鉛直方向となるように配置された場合に、巻軸方向は上下方向となる。以下の説明では、巻軸方向において、リアクトル10の第1の樹脂部材41側を上、その反対の第2の樹脂部材42側を下と呼ぶ。また、本実施形態は、巻軸方向を縦として捉え、縦方向にケースや設置場所に挿入等されることにより設置される縦型のリアクトル10である。但し、これらの方向は、リアクトル10の各構成の位置関係を示すための表現であり、リアクトル10が設置対象に設置される位置関係及び方向を限定するものではない。
【0013】
[構成]
リアクトル10は、
図1及び
図2に示すように、コア2、コイル31、32、樹脂部材4、端子締結部5、固定部6を有する。
【0014】
(コア)
コア2は、磁性材料を成形した部材である。本実施形態のコア2は、
図2、
図4に示すように、直方体形状の部分コアを、矩形の環状となるように組み合わせて接着剤で接着することにより形成されている。部分コアは、一対の脚部21と、脚部21の端部を連結する一対の連結部22を有する。
【0015】
一対の脚部21は、互いに平行となるように横に並び、それぞれに後述するコイル31、32が巻回される。一対の連結部22は、コイル31、32により脚部21に発生した磁束の通り道となって、脚部21とともに磁気回路を形成するヨーク部である。コア2としては、例えば、圧粉磁心、フェライト、積層鋼板、メタルコンポジットコア(MCコア)などを用いることができる。
【0016】
(コイル)
コイル31、32は、導電性の線材を筒状に巻回した部材である。本実施形態のコイル31、32は、絶縁被覆を有する銅の平角線のエッジワイズコイルである。但し、コイル31、32の線材や巻き方は、これには限定されず、他の態様であってもよい。コイル31、32は、互いの巻軸方向が平行になるように、隙間を介して横並びに配置され、一端の連結部分によって電気的に接続されている。コイル31、32の他端には、外部との電気的な接続のために、巻回部分から引き出された引出線3aが設けられている。
【0017】
一対の引出線3aは、巻軸に直交する方向に沿って相反する外方に引き出され、さらに、上方に沿って屈曲している。なお、2つのコイル31、32は、2つの脚部21の周囲に装着されている。つまり、複数の脚部21のうち、その並び方向における両端に位置する脚部21に、それぞれコイル31、32が巻回されている。このため、並び方向の両端から、コイル31、32の外周が脚部21よりも外方に張り出している。
【0018】
(樹脂部材)
樹脂部材4は、コア2を被覆する樹脂製の部材である。樹脂の種類としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)等が挙げられる。
【0019】
本実施形態の樹脂部材4は、
図2に示すように、第1の樹脂部材41と第2の樹脂部材42の分割構造である。第1の樹脂部材41は、一方の連結部22の全体を被覆する部分と、2つの脚部21の端部が挿入される筒状部分とを有する。第2の樹脂部材42は、他方の連結部22の全体を被覆する部分と、2つの脚部21の大半を被覆する筒状部分とを有する。
【0020】
第2の樹脂部材42から露出した脚部21の端部を、第1の樹脂部材41の筒状部分に挿入して内部の連結部22に接着するとともに、第1の樹脂部材41と第2の樹脂部材42の筒状部分を合致させることにより、コア2の全体が被覆されている。なお、第1の樹脂部材41と連結部22、第2の樹脂部材42と連結部22は、それぞれモールド成型により形成されている。
【0021】
(端子締結部)
端子締結部5は、第1の樹脂部材41の連結部22を挟む両端に、コイル31、32と巻軸方向の重なりが生じる位置に設けられている。巻軸方向の重なりが生じる位置とは、少なくとも一部がコイル31、32の巻軸方向の投影範囲内にあることをいい、コイル31、32の端面(上面)と接触していても、接触していなくてもよい。より具体的には、まず、直方体形状の連結部22を被覆している第1の樹脂部材41は、平面視で脚部21の並び方向が長手方向、これに直交する方向が短手方向となっている。
【0022】
第1の樹脂部材41の短手方向の側面41aは、その下方にコイル31、32が張り出している。このため、コイル31、32の張り出し部分の上方に、スペースSが存在する(
図4における点線で囲まれた領域)。このスペースSに重なる位置に、側面41aから膨出する膨出部41bが設けられている。但し、膨出部41bは、コイル31、32には接していない。なお、膨出部41bは、
図3に示すように、平面視で側面41aの中央から一端に達する偏った位置に設けられている。
【0023】
端子締結部5は、膨出部41bに設けられている。端子締結部5は、コイル31、32と巻軸方向の重なりが生じる位置であって、平面視で側面41aの中央に設けられている。端子締結部5は、端子71を支持する。端子71は、バスバー7の一端が丸形に広がった部分であり、中央に取付孔71aが形成されている。端子締結部5は、端子71を巻軸に直交する方向に支持している。
【0024】
上記の端子71を一端とするバスバー7は、銅やアルミニウムなどの板状の導電性部材である。バスバー7は、露出した端子71の近傍から膨出部41bの樹脂に埋め込まれるように屈曲され、さらに側面41aと平行な略U字形を形成するように屈曲されて、他端が膨出部41bの側面下部から露出している。このように露出した他端は、コイル31、32の引出線3aに溶接等により接続された端部72となっている。
【0025】
端子締結部5には、端子71の取付孔71aに連続するように、ナット51が埋め込まれている。取付孔71a及びナット51は、巻軸と平行な方向の同軸である。このため、ボルト等の締結具が、巻軸と平行な方向を軸としてナット51に締結される。
【0026】
(固定部)
固定部6も、膨出部41bに設けられている。固定部6は、コイル31、32と巻軸方向の重なりが生じない位置であって、端子締結部5に隣接する位置に設けられている。ここでいう隣接とは、樹脂以外の材料及び部材を介在させることなく近接していることをいう。固定部6には、貫通孔が形成されており、この貫通孔に円筒形状のカラー61が埋め込まれている。カラー61の軸は、巻軸と平行な方向である。このため、ボルト等の固定具が、巻軸と平行な方向を軸としてカラー61に挿入され、ケース等のネジ穴に固定される。
【0027】
なお、コイル31、32の引出線3aとバスバー7の端部72との接続部Cは、端子締結部5に対して、固定部6とは異なる方向で隣り合っている。つまり、平面視で、端子締結部5を挟んで一方の領域に固定部6、他方の領域に接続部Cが配置されている。
【0028】
以上のような端子締結部5及び固定部6は、第1の樹脂部材41の短手方向の2つの側面41aに、平面視で点対称となる位置に設けられている。これにより、固定部6は、平面視で対角となる位置に配置される。このように2つの側面41aに設けられた一対の固定部6によって、リアクトル10がケース等に固定される。端子締結部5、固定部6及び接続部Cは、平面視で短手方向の幅にほぼ収まっている。
【0029】
なお、固定部6には、短手方向に外方に突出した突起が設けられているが、これは、ケース等に取り付ける際の位置決めのための僅かな突出であり、連結部22が埋設された部分の長手方向の側面には突出が全くない。このため、リアクトル10のコア2及びコイル31、32にからなる本体部分に、他の部品を隣接して配置する場合にも、互いの間隔を短くして設置スペースを節約することができる。
【0030】
端子締結部5は、上記のスペースSを利用して、コイル31、32との巻軸方向の重なりが生じる位置に設けられているので、コイル31、32の外縁の外側に端子締結部5を配置する場合に比べて、長手方向の長さを短くすることができる。固定部6も端子締結部5に隣接して設けられているので、コイル31、32との距離を縮めることができ、リアクトル10全体として長手方向に小型化できる。
【0031】
しかも、端子71を含むバスバー7、ナット51、カラー61は、コア2の連結部22と巻軸方向の重なりが生じない位置にあるため、インサート成型により形成することができる。つまり、端子締結部5及び固定部6は、連結部22とともに樹脂により一体的に形成できる。そして、第1の樹脂部材41において、端子締結部5及び固定部6は、継ぎ目無く一続きに形成されている。つまり、端子締結部5と固定部6の間は、樹脂により連続している。
【0032】
また、端子締結部5は、上記のスペースSを利用しているため、
図5に示すように、側面41aの上下方向の長さT以上の厚みを確保でき、高い耐振強度が得られる。なお、本実施形態では、端子締結部5は上面から隆起しているため、側面41aの高さよりもさらに厚くなっている。
【0033】
[効果]
(1)本実施形態のリアクトル10は、複数の脚部21と、複数の脚部21の端部を連結する一対の連結部22とを有するコア2と、複数の脚部21の並び方向における両端の脚部21にそれぞれ装着されたコイル31、32と、連結部22を被覆する樹脂部材4と、を有する。
【0034】
一方の連結部22を被覆する第1の樹脂部材41には、連結部22を挟む両端に、コイル31、32と巻軸方向に重なりが生じる位置に設けられ、コイル31、32と外部との電気的な接続用の端子71を支持し、巻軸と平行な方向を軸として締結具が締結される端子締結部5が設けられている。
【0035】
さらに、第1の樹脂部材41には、コイル31、32と巻軸方向の重なりが生じない位置であって、端子締結部5に隣接する位置に設けられ、巻軸と平行な方向を軸として固定具が固定される固定部6が設けられている。
【0036】
このように、端子締結部5が、コイル31、32と巻軸方向に重なりが生じる位置に設けられているため、スペースSを有効に活用して、小型化を図ることができる。また、固定部6を端子締結部5と隣接する位置に配置することで、端子締結部5を固定部6から離隔した位置に設ける場合に比べて、端子締結部5の強度を向上させて、端子71の耐振強度を高め、締結具を締結する際の曲がり等を防止できる。
【0037】
そして、コア2やコイル31、32に近い位置でケース等に固定することができるので、リアクトル10全体としての耐振強度を高めることができる。さらに、連結部22を挟んだ両端に、端子締結部5を設けて、それぞれに隣接する位置に、固定部6を設けることにより、固定箇所がリアクトル10の一部に偏ることなく、安定した固定が可能となる。
【0038】
(2)コイル31、32の端部である引出線3aと、端子71を含むバスバー7の端部72との接続部Cを有し、接続部Cは、端子締結部5に対して、固定部6と異なる方向に隣り合う位置に配置されている。このため、端子締結部5を挟んで一方の領域に固定部6が配置され、他方の領域に接続部Cが配置されることになり、接続部Cを溶接により接続する際の熱が固定部6に伝わり難い。そして、端子締結部5、固定部6及び接続部Cの位置を狭い領域に集約させることができ、全体として小型化が実現できる。
【0039】
(3)連結部22を被覆する第1の樹脂部材41は、脚部21の並び方向が長手方向、これに直交する方向が短手方向であり、端子締結部5及び固定部6は、短手方向の面である側面41aに設けられている。このため、一対の固定部6の間の距離が長くなり、リアクトル10全体の耐振強度をより向上させることができる。なお、本実施形態では、固定部6が、平面視で対角に配置されているので、2つの固定箇所の距離をより一層長くすることができ、安定した固定が可能となる。また、短手方向の側面41aに端子締結部5及び固定部6を集約することにより、長手方向の外側に外形が拡大することが防止される。
【0040】
(4)端子締結部5及び固定部6は、継ぎ目無く一続きに形成されている。このため、端子締結部5が固定部6と独立している場合に比べて、耐振強度を高めることができる。また、端子締結部5及び固定部6の成形が容易となり、型も形成しやすい。
【0041】
(5)端子締結部5は、端子71と樹脂とが一体化されている。端子締結部5は、コア2に重なることなく、コイル31、32に軸方向に重なるスペースSに配置するため、インサート成型によって端子71と樹脂を一体化できる。
【0042】
[他の実施形態]
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0043】
例えば、脚部21の数、コイル31、32の数は、上記の態様には限定されない。脚部21を3つ以上有していてもよい。但し、少なくとも脚部21の並び方向の両端の脚部21に、コイル31、32が巻回されていることにより、コイル31、32の上部に生じるスペースSを利用できる構造とする必要がある。
【符号の説明】
【0044】
2 コア
21 脚部
22 連結部
31、32 コイル
3a 引出線
4 樹脂部材
41 第1の樹脂部材
41a 側面
41b 膨出部
42 第2の樹脂部材
5 端子締結部
51 ナット
6 固定部
61 カラー
7 バスバー
71 端子
71a 取付孔
72 端部
10 リアクトル
C 接続部
S スペース