(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】電力出力装置および電力出力システム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240625BHJP
H04L 9/08 20060101ALI20240625BHJP
G06F 21/60 20130101ALI20240625BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240625BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240625BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20240625BHJP
B60L 53/66 20190101ALI20240625BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240625BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20240625BHJP
【FI】
H02J13/00 311R
H04L9/08 B
G06F21/60 320
H02J7/00 P
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/66
G16Y10/40
G16Y40/10
(21)【出願番号】P 2020150238
(22)【出願日】2020-09-08
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】芦川 真也
(72)【発明者】
【氏名】滋野 弘崇
(72)【発明者】
【氏名】石橋 賢一
(72)【発明者】
【氏名】田澤 和俊
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-059189(JP,A)
【文献】特開2013-255353(JP,A)
【文献】特開2013-161107(JP,A)
【文献】国際公開第2020/026681(WO,A1)
【文献】特開2020-004417(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0134067(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
7/34-7/36
13/00
B60L 1/00-3/12
7/00-13/00
15/00-58/40
H04L 9/08
G06F 21/60
G16Y 10/40
G16Y 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源および電動車両が有する内部電源のそれぞれに対して電気的に接続され、前記内部電源に対して前記外部電源からの電力供給が可能な電力出力装置であって、
前記電力出力装置は、管理者端末に対して通信可能であり、かつ、前記管理者端末を介して管理サーバに対して通信可能であり、
前記電力出力装置は、利用者端末に対して通信可能であり、かつ、前記利用者端末を介して管理サーバに対して通信可能であり、
前記電力出力装置を使用する旨の使用要求情報が前記利用者端末から前記管理サーバに送信され、前記管理者端末から送信される所定情報を考慮して前記使用要求情報が所定の承認条件を満たす場合には、前記電力出力装置は、前記管理サーバから使用許可情報が前記利用者端末を介して送信され、
前記使用要求情報には、少なくとも、前記電力出力装置が前記外部電源から前記内部電源に電力供給を許可する開始日時が含まれ、
前記使用許可情報には、少なくとも、前記開始日時から所定の使用期間内に前記外部電源から前記内部電源に電力供給を許可することが含まれ、
前記電力出力装置は、送信された前記使用許可情報に基づき、前記開始日時から所定の使用期間内において前記内部電源に対して前記外部電源からの電力供給を許可することを特徴とする電力出力装置。
【請求項2】
外部電源および電動車両が有する内部電源のそれぞれに対して電気的に接続され、前記内部電源に対して前記外部電源からの電力供給が可能な電力出力装置と、
前記内部電源に対する前記外部電源の電力供給の可否を決定する管理サーバと、
前記管理サーバに対して第1通信手段を介して通信可能な管理者端末と、
前記管理サーバに対して前記第1通信手段を介して通信可能な利用者端末と、
を備え、
前記電力出力装置は、前記第1通信手段とは異なる第2通信手段を介して前記管理者端末および前記利用者端末に通信可能であり、
前記管理者端末は、前記第1通信手段を介して所定情報を前記管理サーバに送信することによって前記電力出力装置の機能を維持し、
前記利用者端末は、前記電力出力装置を使用する旨の使用要求情報を前記管理サーバに前記第1通信手段を介して送信し、
前記使用要求情報は、少なくとも前記電力出力装置が前記外部電源から前記内部電源に電力供給を許可する開始日時が含まれ、
前記管理サーバは、前記使用要求情報が送信された場合において、前記使用要求情報が所定の承認条件を満たす際には、前記開始日時から所定の使用期間内に前記外部電源から前記内部電源に電力供給を許可する旨の使用許可情報を前記電力出力装置に前記利用者端末を介して送信し、
前記電力出力装置は、送信された前記使用許可情報に基づき、前記開始日時から所定の使用期間内において前記内部電源に対して前記外部電源からの電力供給を許可することを特徴とする電力出力システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、前記使用許可情報を復号化する復号化鍵を生成するとともに、前記復号化鍵を前記電力出力装置に前記管理者端末を介して送信し、かつ、前記使用許可情報を前記開始日時に対応して暗号化し、暗号化した前記使用許可情報を前記電力出力装置に前記利用者端末を介して送信し、
前記電力出力装置は、前記復号化鍵が送信された場合には、前記復号化鍵を更新して記憶し、
前記管理サーバは、前記使用要求情報の内容が所定の承認条件を満たす際には、前記復号化鍵によって復号化が可能な前記使用許可情報を前記電力出力装置に前記利用者端末を介して送信し、
前記電力出力装置は、送信された前記使用許可情報が記憶されている復号化鍵によって復号化された場合には、前記使用期間内において前記内部電源に対する前記外部電源からの電力供給を許可する一方、送信された前記使用許可情報が記憶されている復号化鍵によって復号されない場合には、前記内部電源に対する前記外部電源からの電力供給を不許可とする、
請求項2に記載の電力出力システム。
【請求項4】
前記電力出力装置は、前記管理者端末に対して前記第2通信手段である近距離無線通信を介して通信可能であり、かつ、前記利用者端末に対して前記第2通信手段である近距離無線通信を介して通信可能である、
請求項2または3に記載の電力出力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力出力装置および電力出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力出力システムは、電力出力装置と、管理サーバと、利用者端末とを備える。管理サーバは、インターネット等のネットワークを介して利用者端末に対して通信可能である。当該管理サーバは、記憶部を有し、当該記憶部には、電力出力装置の使用を許可する使用許可情報を送信した場合、使用許可情報を送信した利用者端末の端末IDが格納される。
【0003】
そして、管理サーバは、新たに利用者端末から電力出力装置を使用したい旨の使用要求情報が送信された場合、当該使用要求情報が送信された利用者端末のIDと、記憶部に格納された過去の利用者端末の端末IDとを比較し、電力出力装置の使用を許可するか否かの判断を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
より具体的には、使用要求情報が送信された利用者端末のIDと記憶部に格納された過去の利用者端末の端末IDとが一致する場合には、管理サーバは、電力出力装置の使用を許可する使用許可情報を電力出力装置に送信する一方、両者が一致しない場合には、当該利用者端末にその旨の情報を送信していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の電力出力システムは、管理サーバから送信される情報を第三者に傍受された場合には、当該第三者によって電力出力装置が不正に使用されるおそれがあった。また、従来の電力出力システムの利用者端末および管理サーバは、使用許可情報および使用要求情報がインターネット等のネットワークで通信されるため、いずれか一方の情報が第三者に不正に取得された場合には、他方の情報も第三者に不正に取得されるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、不正に使用されるおそれを抑制することができる電力出力装置および電力出力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明に係る電力出力装置は、外部電源および電動車両が有する内部電源のそれぞれに対して電気的に接続され、前記内部電源に対して前記外部電源からの電力供給が可能な電力出力装置であって、前記電力出力装置は、管理者端末に対して通信可能であり、かつ、前記管理者端末を介して管理サーバに対して通信可能であり、前記電力出力装置は、利用者端末に対して通信可能であり、かつ、前記利用者端末を介して管理サーバに対して通信可能であり、前記電力出力装置を使用する旨の使用要求情報が前記利用者端末から前記管理サーバに送信され、前記管理者端末から送信される所定情報を考慮して前記使用要求情報が所定の承認条件を満たす場合には、前記電力出力装置は、前記管理サーバから使用許可情報が前記利用者端末を介して送信され、前記使用要求情報には、少なくとも、前記電力出力装置が前記外部電源から前記内部電源に電力供給を許可する開始日時が含まれ、前記使用許可情報には、少なくとも、前記開始日時から所定の使用期間内に前記外部電源から前記内部電源に電力供給を許可することが含まれ、前記電力出力装置は、送信された前記使用許可情報に基づき、前記開始日時から所定の使用期間内において前記内部電源に対して前記外部電源からの電力供給を許可することを特徴とする。
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係る電力出力システムは、外部電源および電動車両が有する内部電源のそれぞれに対して電気的に接続され、前記内部電源に対して前記外部電源からの電力供給が可能な電力出力装置と、前記内部電源に対する前記外部電源の電力供給の可否を決定する管理サーバと、前記管理サーバに対して第1通信手段を介して通信可能な管理者端末と、前記管理サーバに対して前記第1通信手段を介して通信可能な利用者端末と、を備え、前記電力出力装置は、前記第1通信手段とは異なる第2通信手段を介して前記管理者端末および前記利用者端末に通信可能であり、前記管理者端末は、前記第1通信手段を介して所定情報を前記管理サーバに送信することによって前記電力出力装置の機能を維持し、前記利用者端末は、前記電力出力装置を使用する旨の使用要求情報を前記管理サーバに前記第1通信手段を介して送信し、前記使用要求情報は、少なくとも前記電力出力装置が前記外部電源から前記内部電源に電力供給を許可する開始日時が含まれ、前記管理サーバは、前記使用要求情報が送信された場合において、前記使用要求情報が所定の承認条件を満たす際には、前記開始日時から所定の使用期間内に前記外部電源から前記内部電源に電力供給を許可する旨の使用許可情報を前記電力出力装置に前記利用者端末を介して送信し、前記電力出力装置は、送信された前記使用許可情報に基づき、前記開始日時から所定の使用期間内において前記内部電源に対して前記外部電源からの電力供給を許可することを特徴とする。
【0010】
また、上記電力出力システムにおいて、前記管理サーバは、前記使用許可情報を復号化する復号化鍵を生成するとともに、前記復号化鍵を前記電力出力装置に前記管理者端末を介して送信し、かつ、前記使用許可情報を前記開始日時に対応して暗号化し、暗号化した前記使用許可情報を前記電力出力装置に前記利用者端末を介して送信し、前記電力出力装置は、前記復号化鍵が送信された場合には、前記復号化鍵を更新して記憶し、前記管理サーバは、前記使用要求情報の内容が所定の承認条件を満たす際には、前記復号化鍵によって復号化が可能な前記使用許可情報を前記電力出力装置に前記利用者端末を介して送信し、前記電力出力装置は、送信された前記使用許可情報が記憶されている復号化鍵によって復号化された場合には、前記使用期間内において前記内部電源に対する前記外部電源からの電力供給を許可する一方、送信された前記使用許可情報が記憶されている復号化鍵によって復号されない場合には、前記内部電源に対する前記外部電源からの電力供給を不許可とする、ことが好ましい。
【0011】
また、上記電力出力システムにおいて、前記電力出力装置は、前記管理者端末に対して前記第2通信手段である近距離無線通信を介して通信可能であり、かつ、前記利用者端末に対して前記第2通信手段である近距離無線通信を介して通信可能である、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本実施形態に係る電力出力装置および電力出力システムは、上記構成を有するため、電力出力装置の不正使用を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電力出力システムを概念的に説明するブロック図である。
【
図2】
図2は、電力出力システムが備える電力出力装置のブロック図である。
【
図3】
図3は、管理者端末から情報が送信された場合における管理サーバのフロー図である。
【
図4】
図4は、管理者端末から情報が送信された場合における電力出力装置のフロー図である。
【
図5】
図5は、利用者端末から情報が送信された場合における電力出力装置のフロー図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る電力出力システムにおける電力出力装置のブロック図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態に係る電力出力システムにおける電力出力装置のブロック図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態に係る電力出力システムにおける電力出力装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0015】
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係る電力出力システム1について説明する。
図1は、第1実施形態における電力出力システム1を概念的に示すブロック図である。
図2は、第1実施形態における電力出力システム1が備える電力出力装置5のブロック図である。
【0016】
本実施形態における電力出力システム1は、
図1、
図2に示すように、電動車両8の内部電源82に対する外部電源61の電力供給の可否を決定する管理サーバ2と、電力出力装置5の管理者が有する管理者端末3と、電力出力装置5の利用者が有する利用者端末4と、外部電源61および内部電源82のそれぞれに対して電気的に接続される電力出力装置5とを備える。そして、電力出力装置5は、内部電源82に対して外部電源61からの電源供給を許可することによって、電動車両8が有する内部電源82を充電する。
【0017】
電動車両8は、内部電源82に蓄えられた電力を用いて、少なくとも動力を発生する車両であり、例えば、ハイブリット(HV)車両、プラグインハイブリッド(PHV)車両、電気車両などが含まれる。本実施形態に係る電動車両8は、少なくともインレット81と、内部電源82とを有する。また、電動車両8は、付属品として、インレット81と、電力出力装置5の装置側コンセント522とを電気的に接続する中継器7を備える。
【0018】
内部電源82は、例えば、バッテリー等であって、電動車両8に搭載されているモータなどの電気機器に電力を供給する。
【0019】
中継器7は、電動車両8の付属品である。このような中継器7は、電力出力装置5の装置側コンセント522と、電動車両8のインレット81とを電気的に接続する。中継器7は、装置側コンセント522に嵌合する車両側プラグ71と、インレット81に嵌合するコネクタ73と、外部電源61からの内部電源82に対して電力供給する際において、供給開始(充電開始)および供給終了(充電終了)を制御するコントロールボックス72とを備える。より具体的に説明すると、コントロールボックス72は、装置側コンセント522と車両側プラグ71とが嵌合し、かつ、コネクタ73とインレット81とが嵌合した場合に、通電可能状態になったと判断して、外部電源61から内部電源82に対して電力供給を開始する。その上、コントロールボックス72は、装置側コンセント522と車両側プラグ71との嵌合が解除された場合、または、コネクタ73とインレット81との嵌合が解除された場合に、通電不可能状態になったと判断して、外部電源61から内部電源82に対する電力供給を終了する。本実施形態に係る電力出力システム1のコントロールボックス72は、通電不可能状態となった場合、外部電源61から内部電源82への充電を終了するための使用完了操作がされたものとし、その旨を不図示の制御電線を介して電力出力装置5に送信する。
【0020】
管理サーバ2は、内部電源82に対する外部電源61の電力供給の可否を決定する。このような管理サーバ2は、インターネット等のネットワークである第1通信手段N1を介して管理者端末3、および、利用者端末4に対して通信可能である。一方、管理サーバ2は、当該第1通信手段N1を介して電力出力装置5に対して直接的に通信することができず、管理者端末3を介してまたは利用者端末4を介して電力出力装置5に対して情報を送受信する。つまり、本実施形態の電力出力装置5は、管理者端末3に対して通信可能であり、かつ、管理者端末3を介して管理サーバ2に対して通信可能である。その上、電力出力装置5は、利用者端末4に対して通信可能であり、かつ、利用者端末4を介して管理サーバ2に対して通信可能である。
【0021】
また、管理サーバ2は、利用者端末4から使用要求情報が送信された場合において、管理者端末3から電力出力装置5に送信される所定情報を考慮して使用要求情報の内容が所定の承認条件を満たす際には、後述する開始日時において、外部電源61から内部電源82に電力を供給する旨の使用許可情報を電力出力装置5に利用者端末4を介して送信する一方、使用要求情報の内容が所定の承認条件を満たさない際には、利用者端末4にその旨の情報を送信する。使用要求情報には、少なくとも、電力出力装置5が外部電源61から内部電源82に電力供給を許可することが含まれる。
【0022】
本実施形態の管理サーバ2の承認条件は、少なくとも、送信された使用要求情報に含まれる開始日時に対して、事前に、当該開始日時を含む使用期間内において、電力出力装置5の他の予約がされていないこと、および、現在、管理者端末3の所有者が電力出力装置5を使用中でないことである。管理者端末3の所有者が電力出力装置5を使用する場合には、後述するように管理者端末3から使用要求情報が電力出力装置5に送信される。この場合、電力出力装置5は、その旨を管理サーバ2に管理者端末3を介して送信する。また、管理者端末3の所有者が電力出力装置5の使用を終了する場合には、後述するように管理者端末3から使用完了操作情報が電力出力装置5に送信されるか、中継器7から使用完了操作情報が電力出力装置5に送信される。この場合、電力出力装置5は、その旨を管理サーバ2に管理者端末3を介して送信する。
【0023】
管理サーバ2は、事前に他の予約がされていない場合には、内部電源82に対して十分に電力を供給するための時間(例えば、8時間)を開始日時に付加して終了日時を算出する。そして、管理サーバ2は、当該開始日時から当該終了日時までを使用期間とし、電力出力装置5の使用期間内における使用を予約する。その後、管理サーバ2は、開始日時から所定の使用期間内に外部電源61から内部電源82に電力供給を許可する使用期間情報が含まれる使用許可情報を作成する。そして、管理サーバ2は、当該使用許可情報を暗号化して利用者端末4を介して電力出力装置5に送信する。開始日時には、例えば、充電する年、月、時間が含まれる。
【0024】
一方、管理サーバ2は、事前に予約がされている場合には、当該予約されている開始日時までに許容される時間を使用期間として算出し、新たな使用期間として予約する。その後、管理サーバ2は、当該開始日時が含まれる使用期間を使用期間情報として作成し、当該使用期間情報が含まれる使用許可情報を暗号化して利用者端末4を介して電力出力装置5に送信する。
【0025】
他方、管理サーバ2は、事前に予約がされている場合において、新たな使用要求情報に含まれる開始日時が、予約されている使用期間内に含まれる場合には、承認条件を満たさないと判断し、利用者端末4にその旨を送信する。その上、管理サーバ2は、現在、管理者端末3の使用者が電力出力装置5を使用中である場合、当該管理者による使用から、電力を内部電源82に十分に供給するための時間を付加して終了予想時間を算出する。そして、管理サーバ2は、使用要求情報に含まれる開始日時が、管理者による使用から終了予想時間までの間に含まれる場合には、承認条件を満たさないと判断し、利用者端末4にその旨を送信する。
【0026】
また、管理サーバ2は、事前に定められた条件に基づいて、利用許可情報を復号する復号化鍵543を生成し、当該復号化鍵543を電力出力装置5に管理者端末3を介して送信し、かつ、使用許可情報を暗号化し、暗号化した使用許可情報を電力出力装置5に利用者端末4を介して送信する。本実施形態の管理サーバ2は、外部電源61から内部電源82への電力供給を許可する直前において、開始時刻の直前に送信された復号化鍵543に対応して、使用許可情報を暗号化する。
【0027】
本実施形態の管理サーバ2において、事前に定められた条件は、管理者端末3が管理サーバ2に通信可能に接続された場合であり、当該条件が達成された場合に、復号化鍵543を生成する。
【0028】
さらに、管理サーバ2は、使用許可情報の内容が所定の承認条件を満たす際には、復号化鍵543によって復号化が可能な暗号化をした使用許可情報を電力出力装置5に利用者端末4を介して送信する。
【0029】
管理者端末3は、例えば、電力出力装置5の管理者が有する端末であって、例えば、スマートフォンである。また、管理者端末3は、管理サーバ2に対して、例えば、インターネット等のネットワークである第1通信手段N1を介して通信可能である。また、管理者端末3は、電力出力装置5に対して、第1通信手段N1とは異なる第2通信手段N2を介して通信可能である。管理者端末3は、近距離無線通信部31を有する。近距離無線通信部31は、インターネット等のネットワークである第1通信手段N1とは異なる第2通信手段N2を介して、電力出力装置5の近距離無線通信部54と通信可能である。本実施形態の管理者端末3は、第1通信手段N1および第2通信手段N2を介して利用者端末4に対して直接的に通信することができず、管理サーバ2を介してまたは電力出力装置5を介して利用者端末4に対して情報を送受信する。
【0030】
管理者端末3は、第1通信手段N1を介して所定情報を管理サーバ2に送信した場合に、管理サーバ2に対して接続状態となる。本実施形態において、所定情報は、管理者端末3のID(identification)番号であるマスタID541およびパスワード542である。このような管理者端末3には、管理サーバ2に対して情報の送受信を行い、かつ、電力出力装置5に対して情報の送受信を行うアプリケーションがインストールされる。当該アプリケーションは、例えば、管理者が外部電源61から内部電源82への充電を終了するための使用完了操作を行う釦を管理者端末3に表示させ、管理者によって当該釦が操作された場合には、外部電源61から内部電源82への充電を終了する。
【0031】
利用者端末4は、例えば、電力出力装置5の使用を希望する利用者が有する端末であって、例えば、スマートフォンである。このような利用者端末4には、管理サーバ2に対して情報の送受信を行い、かつ、電力出力装置5に対して情報の送受信を行うアプリケーションがインストールされる。当該アプリケーションは、例えば、利用者が外部電源61から内部電源82への充電を終了するための使用完了操作を行う釦を利用者端末4に表示させ、利用者によって当該釦が操作された場合には、外部電源61から内部電源82への充電を終了する。また、利用者端末4は、管理サーバ2に対して、例えば、インターネット等のネットワークである第1通信手段N1を介して通信可能である。また、利用者端末4は、電力出力装置5に対して、第1通信手段N1とは異なる第2通信手段N2を介して通信可能である。利用者端末4は、近距離無線通信部41を有する。近距離無線通信部41は、インターネット等のネットワークである第1通信手段N1とは異なる第2通信手段N2を介して、電力出力装置5の近距離無線通信部54と通信可能である。そして、本実施形態の利用者端末4は、第1通信手段N1および第2通信手段N2を介して管理者端末3に対して直接的に通信することができず、管理サーバ2を介してまたは電力出力装置5を介して管理者端末3に対して情報を送受信する。
【0032】
管理者端末3は、電力出力装置5を外部電源61に対して電気的に接続し、かつ、電力出力装置5を内部電源82に対して電気的に接続した状態において、外部電源61から内部電源82に電力を供給することによって内部電源82を充電する旨の使用要求情報を管理サーバ2に第1通信手段N1を介して送信する。使用要求情報は、少なくとも電力出力装置5が外部電源61から内部電源82に電力を供給する開始日時が含まれる。開始日時には、例えば、充電する年、月、時間が含まれる。
【0033】
電力出力装置5は、家屋の屋外に設置され、
図2に示すように、情報処理部51と、電力制御部52と、近距離無線通信部54と、記憶部55、計時部56と、を備える。
【0034】
情報処理部51は、記憶部55に記憶されたプログラム、データに従って、電力出力装置5の各部を統括的に制御する。
【0035】
電力制御部52は、外部電源61が有する電源側コンセント62と電動車両8が有する内部電源82との間に配置され、外部電源61からの電力を内部電源82に供給可能である。電力制御部52は、例えば、200Vの電圧で交流電力を供給可能である。電力制御部52は、装置側コンセント522と、装置側プラグ521とを有する。装置側コンセント522は、電動車両8が有する中継器7の一方側の端部に位置する車両側プラグ71に嵌合可能である。つまり、本実施形態に係る電力出力システム1は、電力出力装置5に装置側コンセント522を設ける一方、電動車両8の中継器7に車両側プラグ71を設け、当該装置側コンセント522と車両側プラグ71とを嵌合可能に構成することによって、電力出力装置5と、中継器7との接続を分断することが可能である。
【0036】
装置側プラグ521は、外部電源61の電源側コンセント62に嵌合可能である。つまり、本実施形態に係る電力出力システム1は、電力出力装置5に装置側プラグ521を設ける一方、外部電源61側に電源側コンセント62を設け、当該装置側プラグ521と電源側コンセント62とを嵌合可能に構成することによって、電力出力装置5と、外部電源61との接続を分断することが可能である。
【0037】
近距離無線通信部54は、インターネット等のネットワークである第1通信手段N1とは異なる第2通信手段N2に対し通信可能である。電力出力装置5は、近距離無線通信部54から送信される近距離無線通信(第2通信手段N2)介して管理者端末3の近距離無線通信部31および利用者端末4の近距離無線通信部41に通信可能である。
【0038】
記憶部55は、プログラム、データ等の情報を記憶する。本実施形態の記憶部55は、管理者端末3から送信されるマスタID541、パスワード542、および、復号化鍵543等の情報を記憶する。
【0039】
計時部56は、管理サーバ2から管理者端末3を介して時刻情報が送信された場合に、時刻情報を更新する。また、計時部56は、更新された時刻情報を基準とし、計測した時間経過から現在時刻を把握する。計時部56は、例えば、管理サーバ2から使用許可情報が送信された場合において、使用許可情報に含まれる開始日時からの時間経過を計測する。そして、計時部56は、開始日時から所定の使用期間が経過した場合、外部電源61から内部電源82に対する電力供給を終了する。
【0040】
電力出力装置5は、
図2に示すように、外部電源61および電動車両8が有する内部電源82のそれぞれに対して電気的に接続され、内部電源82に対して外部電源61からの電力供給が可能である。電力出力装置5は、第1通信手段N1とは異なる第2通信手段N2である近距離無線通信を介して管理者端末3および利用者端末4に通信可能である。電力出力装置5は、送信された使用許可情報に基づき、使用期間内において内部電源82に対して外部電源61からの電力供給を許可する。
【0041】
電力出力装置5は、記憶部55を有し、復号化鍵543が送信された場合には、復号化鍵543を更新して記憶部55で記憶する。電力出力装置5は、送信された使用許可情報が、記憶部55に記憶されている復号化鍵543によって復号化された場合には、内部電源82に対する外部電源61からの電力供給を許可する一方、記憶部55に記憶されている復号化鍵543によって復号化されない場合には、利用者端末4にその旨の情報を送信する。電力出力装置5は、第1通信手段N1とは異なる第2通信手段N2である近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)等)を介して管理者端末3に対して通信可能であり、かつ、当該近距離無線通信を介して利用者端末4に対して通信可能である。
【0042】
また、本実施形態に係る電力出力システム1は、電力出力装置5を用いなくても、外部電源61からの電力を内部電源82に供給することができる。より具体的に説明すると、電力出力装置5を介在させずに、電源側コンセント62と車両側プラグ71とを嵌合させることによって、外部電源61と内部電源82とを電気的に接続して、外部電源61から内部電源82に電力を供給することができる。
【0043】
次に、管理サーバ2が行う管理者端末接続処理について説明する。
図3は、本実施形態において、管理サーバ2における管理者端末接続処理のフロー図である。
【0044】
まず、管理サーバ2は、管理者端末3から接続要求情報が送信されることを待機し(ステップS10:No)、管理者端末3から接続要求情報が送信された場合(ステップS10:Yes)ステップS11に進む。
【0045】
次に、管理サーバ2は、接続要求情報に含まれる管理者端末3のマスタID541およびパスワード542が正規のものであるか否か判断する(ステップS11)。より具体的に説明すると、管理サーバ2は、記憶部55に記憶されたマスタID541およびパスワード542と、管理者端末3から送信されたマスタID541およびパスワード542とが、一致するか否かを判断する。
【0046】
そして、管理サーバ2は、記憶部55に記憶されたマスタID541およびパスワード542と、管理者端末3から送信されたマスタID541およびパスワード542とが一致する場合には、マスタID541およびパスワード542が正規のものであると判断し、管理者端末3と管理サーバ2との接続状態を維持してステップS12に進む(ステップS11:Yes)。
【0047】
一方、管理サーバ2は、記憶部55に記憶されたマスタID541およびパスワード542と、管理者端末3から送信されたマスタID541およびパスワード542とが一致しない場合には、マスタID541およびパスワード542が正規のものでないと判断して待機し(ステップS11:No)、管理者端末3にその旨の情報を送信する。
【0048】
次いで、管理サーバ2は、電力出力装置5を使用する直前に、管理者端末3を介して電力出力装置5に復号化鍵543を送信し(ステップS12)、ステップS13に進む。
【0049】
次いで、管理サーバ2は、電力出力装置5を使用する直前に、管理者端末3を介して電力出力装置5に時刻情報を送信し(ステップS13)、本処理を終了する。
【0050】
次に、電力出力装置5が行う管理者端末接続処理について説明する。
図4は、本実施形態において、電力出力装置5が行う管理者端末接続処理のフロー図である。
【0051】
まず、電力出力装置5は、管理者端末3を介して管理サーバ2から復号化鍵543が送信された場合、復号化鍵543を受信し(ステップS20)、ステップS21に進む。
【0052】
次に、電力出力装置5は、記憶部55に記憶する復号化鍵543を更新し(ステップS21)、ステップS22に進む。
【0053】
次いで、電力出力装置5は、管理者端末3を介して管理サーバ2から時刻情報が送信された場合、時刻情報を受信し(ステップS22)、ステップS23に進む。
【0054】
次に、電力出力装置5は、計時部56の時刻情報を更新し(ステップS23)、ステップS24に進む。
【0055】
次いで、電力出力装置5は、管理者端末3から第2通信手段N2を介して使用要求情報が送信されることを待機し(ステップS24)、使用要求情報が送信された場合(ステップS24:Yes)ステップS25に進む。一方、電力出力装置5は、使用期間内において、使用要求情報が送信されない場合には(ステップS24:No)、所定時間(例えば30分)が経過した後、本処理を終了する。
【0056】
次に、電力出力装置5は、外部電源61から内部電源82に電力を供給することを許可した状態において、コントロールボックス72が通電可能状態になったと判断した場合には、ステップS25に進む。
【0057】
次いで、電力出力装置5は、外部電源61から内部電源82に電力を供給(ステップS25)し、ステップS26に進む。
【0058】
次いで、電力出力装置5は、管理者端末3にインストールされたアプリケーションにおいて使用完了操作がされること、または、コントロールボックス72が通電不可能状態になったと判断して使用完了操作がされることを待機し(ステップS26:No)、使用完了操作がされた場合(ステップS26:Yes)には、本処理を終了する。
【0059】
次に、電力出力装置5が行う利用者端末接続処理について説明する。
図5は、本実施形態において、電力出力装置5が行う利用者端末接続処理のフロー図である。
【0060】
まず、電力出力装置5は、管理サーバ2から使用許可情報を受信した場合(ステップS30)、ステップS31に進む。
【0061】
次に、電力出力装置5は、記憶部55で記憶する復号化鍵543で使用許可情報を復号化する(ステップS31)。電力出力装置5は、復号化鍵543で使用許可情報を復号化できた場合には、ステップS32に進む。一方、電力出力装置5は、復号化鍵543で使用許可情報を復号化できない場合には、本処理を終了し、利用者端末4にその旨の情報を送信する。
【0062】
次いで、電力出力装置5は、計時部56から現在時刻情報を取得し(ステップS32)、ステップS33に進む。
【0063】
次に、電力出力装置5は、現在時刻が使用期間内であるか否かを判断する(ステップS33)。電力出力装置5は、現在時刻が使用期間内である場合には、ステップS34に進む(ステップS33:Yes)。一方、電力出力装置5は、現在時刻が使用期間内でない場合には、本処理を終了する(ステップS33:No)。
【0064】
次いで、電力出力装置5は、外部電源61から内部電源82に電力を供給することを許可し、コントロールボックス72が通電可能状態になったと判断した場合には、外部電源61から内部電源82に電力を供給し(ステップS34)、ステップS35に進む。
【0065】
次に、電力出力装置5は、利用者端末4のアプリケーションにおいて使用完了操作がされること、または、コントロールボックス72が通電不可能状態になったと判断して使用完了操作がされることを待機し(ステップS35)、使用完了操作がされた場合には、ステップS38に進む(ステップS35:Yes)。一方、電力出力装置5は、使用完了操作がされない場合には、所定時間(例えば5分)が経過した後、ステップS36に進む(ステップS35:No)。
【0066】
次いで、電力出力装置5は、計時部56から現在時刻情報を取得し(ステップS36)、ステップS37に進む。
【0067】
次に、電力出力装置5は、現在時刻が使用期間内であるか否かを判断する(ステップS37)。電力出力装置5は、現在時刻が使用期間内である場合には、ステップS35に進む(ステップS37:Yes)。一方、電力出力装置5は、現在時刻が使用期間内でない場合には(ステップS37:No)、ステップS38に進む。
【0068】
最後に、電力出力装置5は、電力供給を停止し(ステップS38)、本処理を終了する。
【0069】
以上に説明したように、本実施形態に係る電力出力装置5は、以下の構成を有する。電力出力装置5を使用する旨の使用要求情報が利用者端末4から前記管理サーバ2に送信され、管理者端末3から送信される所定情報を考慮して使用要求情報が所定の承認条件を満たす場合には、電力出力装置5は、管理サーバ2から使用許可情報が利用者端末4を介して送信される。使用要求情報には、少なくとも、電力出力装置5が外部電源61から内部電源82に電力供給を許可する開始日時が含まれる。電力出力装置5は、送信された使用許可情報に基づき、開始日時から所定の使用期間内において内部電源82に対して外部電源61からの電力供給を許可する。これらによって、本実施形態に係る電力出力装置5は、使用期間内において利用者端末4の所有者が電力出力装置5を使用することができる。このため、仮に、第三者によって使用許可情報が不正に取得されたとしても、使用期間中においては正規の利用者が電力出力装置5を使用中であるため、第三者は使用期間内において電力出力装置5を使用することができない。それらの結果、本実施形態に係る電力出力装置5は、第三者に電力出力装置5を不正に使用されることを抑制することができる。
【0070】
本実施形態に係る電力出力システム1は、以下の構成を有する。利用者端末4は、電力出力装置5を使用する旨の使用要求情報を管理サーバ2に第1通信手段N1を介して送信する。使用要求情報は、少なくとも電力出力装置5が外部電源61から内部電源82に電力供給を許可する開始日時が含まれる。管理サーバ2は、使用要求情報が送信された場合において、使用要求情報の内容が所定の承認条件を満たす際には、開始日時から所定の使用期間内に外部電源61から内部電源82に電力供給を許可する旨の使用許可情報を電力出力装置5に利用者端末4を介して送信する。電力出力装置5は、送信された使用許可情報に基づき、開始日時から所定の使用期間内において内部電源82に対して外部電源61からの電力供給を許可する。これらによって、本実施形態に係る電力出力システム1は、使用期間内において利用者端末4の所有者が電力出力装置5を使用することができる。このため、仮に、第三者によって使用許可情報が不正に取得されたとしても、使用期間中においては正規の利用者が電力出力装置5を使用中であるため、第三者は使用期間内において電力出力装置5を使用することができない。それらの結果、本実施形態に係る電力出力システム1は、第三者に電力出力装置5を不正に使用されることを抑制することができる。その上、電力出力システム1は、管理サーバ2に対して第1通信手段N1を介して通信可能な管理者端末3と、管理サーバ2に対して第1通信手段N1を介して通信可能な利用者端末4と、を備える。電力出力装置5は、第1通信手段N1とは異なる第2通信手段N2を介して管理者端末3および利用者端末4に通信可能である。それらによって、本実施形態に係る電力出力システム1における電力出力装置5は、第1通信手段N1と直接的に通信可能でなく、管理者端末3および利用者端末4を介して第1通信手段N1と通信可能である。その結果、本実施形態に係る電力出力システム1において、第1通信手段N1を介して第三者の端末は電力出力装置5に対して直接的に通信することができないため、第三者に電力出力装置5を不正に使用されることを抑制することができる。
【0071】
本実施形態に係る電力出力システム1は以下の構成を有する。管理サーバ2は、使用許可情報を復号化する復号化鍵543を生成するとともに、復号化鍵543を電力出力装置5に管理者端末3を介して送信し、かつ、使用許可情報を開始日時に対応して暗号化し、暗号化した使用許可情報を電力出力装置5に利用者端末4を介して送信する。これらによって、本実施形態に係る電力出力システム1の管理サーバ2は、管理者端末3を介して復号化鍵543を電力出力装置5に送信する一方、利用者端末4を介して使用許可情報を電力出力装置5に送信する。その結果、本実施形態に係る電力出力システム1は、復号化鍵543と使用許可情報とを異なる経路で電力出力装置5に送信するため、第三者に電力出力装置5を不正に使用されることを抑制することができる。その上、管理サーバ2は、使用許可情報を暗号化して送信するため、仮に、第三者に使用許可情報を不正に取得されたとしても、第三者は、暗号化された使用許可情報を容易に復号化することができない。その結果、本実施形態に係る電力出力システム1は、第三者に電力出力装置5を不正に使用されることを抑制することができる。加えて、仮に、第三者に使用許可情報を不正に取得された場合であっても、本実施形態に係る電力出力システム1は、管理サーバ2が復号化鍵543を生成し、かつ、電力出力装置5が復号化鍵543を更新するため、暗号化された使用許可情報と、復号化鍵543とが対応していなければ、暗号化された使用許可情報を復号化することができない。その結果、本実施形態に係る電力出力システム1は、第三者に電力出力装置5を不正に使用されることを抑制することができる。
【0072】
本実施形態に係る電力出力システム1は以下の構成を有する。電力出力装置5は、管理者端末3に対して第2通信手段N2である近距離無線通信を介して通信可能であり、かつ、利用者端末4に対して第2通信手段N2である近距離無線通信を介して通信可能である。そのため、本実施形態に係る電力出力システム1は、電力出力装置5を使用する場合、利用者端末4を所有する利用者は、近距離無線通信が可能な範囲に移動しなければならない。その結果、本実施形態に係る電力出力システム1は、電力出力装置5に対して通信可能な範囲を限定し、不正に使用する第三者の監視を容易にできるため、第三者に電力出力装置5を不正に使用されることを抑制することができる。
【0073】
また、本実施形態に係る電力出力システム1は、既存のスマートフォンを、管理者端末3および利用者端末4として使用するとともに、第2通信手段N2を介して電力出力装置5を管理者端末3および利用者端末4に通信可能とする。このため、電力出力装置5は、インターネット等である第1通信手段N1と通信可能な部品を設けなくても、電力出力装置5を、管理者端末3の所有者に対して他人である利用者端末4の所有者に使用させることができる。
【0074】
さらに、本実施形態に係る電力出力システム1は、例えば、お盆または正月等において、田舎に帰省する人間が多数いる場合において、電動車両8の内部電源82を充電する施設が、帰省先の田舎に少数しかない時に、自宅の電力出力装置5を他人である利用者端末4の所有者に使用させる場合に有用である。
【0075】
また、上述した実施形態の電力出力システム1は、管理者端末3と管理サーバ2との接続状態において、管理者端末3による電力出力装置5の使用を優先する。つまり、電力出力システム1は、予め利用者の予約が管理サーバ2に登録された状態であっても、利用者端末4を使用して電力出力装置5を使用する直前に、管理者端末3から使用要求情報が送信された場合、管理者端末3によって電力出力装置5が使用される。この場合、管理者端末3と管理サーバ2との間において、使用要求情報等の送受信がされず、情報の暗号化も行われない。このため、暗号化された使用許可情報が管理者端末3を介して管理サーバ2から電力出力装置5に送信されることがないため、暗号化された使用許可情報の送信経路と、復号化鍵543の送信経路とが異なることを維持することができる。
【0076】
なお、上述した実施形態に係る電力出力システム1は、管理者端末3の所有者による電力出力装置5の優先使用をなくし、利用者端末4と管理サーバ2との情報の送受信と同様に、管理者端末3の管理者にも電力出力装置5に対する使用の予約を管理サーバ2に対して行わせてもよい。
【0077】
また、上述した実施形態に係る電力出力システム1は、使用要求情報に開始日時が含まれ、管理サーバ2が開始日時から所定の使用期間を付加するものを説明した。しかし、本実施形態に係る電力出力システム1は、使用要求に開始日時と終了日時とが含まれ、利用者端末4の所有者が、開始日時と終了日時とを決定してもよい。
【0078】
また、上述した実施形態に係る電力出力システム1において、管理サーバ2における事前に定められた条件は、管理者端末3が管理サーバ2に通信可能に接続されたことであった。しかしながら、本実施形態に係る電力出力システム1は、それに限られず、管理サーバ2における事前に定められた条件は、例えば、所定時間が経過した場合(例えば、24時間が経過した場合)にでもよい。
【0079】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る電力出力システム1Aの電力出力装置5Aについて説明する。
図6は、第2実施形態における電力出力システム1Aが備える電力出力装置5Aのブロック図である。
【0080】
第1実施形態に係る電力出力システム1は、電力出力装置5に装置側プラグ521を設ける一方、外部電源61側に電源側コンセント62を設け、当該装置側プラグ521と電源側コンセント62とを嵌合可能に構成することによって、電力出力装置5と、外部電源61との接続を分断することが可能であるものを説明した。一方、第2実施形態に係る電力出力システム1Aは、外部電源61に電源側コンセント62を設けず、かつ、電力出力装置5に装置側プラグ521を設けず、外部電源61と電力制御部52とを直接、電気的に接続する。
【0081】
本実施形態に係る電力出力システム1Aは、外部電源61に電源側コンセント62を設けず、かつ、電力出力装置5Aに装置側プラグ521を設けず、外部電源61と電力制御部52とを直接、電気的に接続する。このため、本実施形態に係る電力出力システム1Aは、簡易な構成によって、部品点数を削減することができ、電力出力装置5Aの製造を容易にすることができる。
【0082】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態に係る電力出力システム1Bの電力出力装置5について説明する。
図7は、第3実施形態における電力出力システム1Bが備える電力出力装置5Bのブロック図である。
【0083】
第1実施形態に係る電力出力システム1は、電力出力装置5に装置側コンセント522を設ける一方、電動車両8の中継器7に車両側プラグ71を設け、当該装置側コンセント522と車両側プラグ71とを嵌合可能に構成することによって、電力出力装置5と、中継器7との接続を分断することが可能である。
【0084】
一方、第3実施形態に係る電力出力システム1Bは、中継器7に車両側プラグ71およびコントロールボックス72を設けず、かつ、電力出力装置5に装置側コンセント522を設けず、第1実施形態の電力制御部52の機能と、第1実施形態のコントロールボックス72の機能とを有するコントロールボックス57を電力出力装置5Bに設け、当該コントロールボックス57と、コネクタ73Bとを直接、電気的に接続する。
【0085】
本実施形態に係る電力出力システム1Bは、中継器7に車両側プラグ71およびコントロールボックス72を設けず、かつ、電力出力装置5に装置側コンセント522を設けず、電力出力装置5のコントロールボックス57とコネクタ73Bとを直接、電気的に接続する。このため、本実施形態に係る電力出力システム1Bは、簡易な構成によって、部品点数を削減することができ、電力出力装置5Bの製造を容易にすることができる。
【0086】
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態に係る電力出力システム1の電力出力装置5について説明する。
図8は、第4実施形態における電力出力システム1Cが備える電力出力装置5Cのブロック図である。
【0087】
第1実施形態に係る電力出力システム1は、電力出力装置5に装置側プラグ521を設ける一方、外部電源61側に電源側コンセント62を設け、当該装置側プラグ521と電源側コンセント62とを嵌合可能に構成することによって、電力出力装置5と、外部電源61との接続を分断することが可能であるものを説明した。また、第1実施形態に係る電力出力システム1は、電力出力装置5に装置側コンセント522を設ける一方、電動車両8の中継器7に車両側プラグ71を設け、当該装置側コンセント522と車両側プラグ71とを嵌合可能に構成することによって、電力出力装置5と、中継器7との接続を分断することが可能である。
【0088】
一方、第3実施形態に係る電力出力システム1Cは、外部電源61に電源側コンセント62を設けず、かつ、電力出力装置5に装置側プラグ521を設けず、外部電源61と電力制御部52とを直接、電気的に接続する。また、第3実施形態に係る電力出力システム1Cは、中継器7に車両側プラグ71およびコントロールボックス72を設けず、かつ、電力出力装置5Cに装置側コンセント522を設けず、第1実施形態の電力制御部52の機能と、第1実施形態のコントロールボックス72の機能とを有するコントロールボックス57Cを電力出力装置5に設け、当該コントロールボックス57Cと、コネクタ73Cとを直接、電気的に接続する。
【0089】
本実施形態に係る電力出力システム1は、外部電源61に電源側コンセント62を設けず、かつ、電力出力装置5に装置側プラグ521を設けず、外部電源61と電力制御部52とを直接、電気的に接続する。その上、本実施形態に係る電力出力システム1は中継器7に車両側プラグ71およびコントロールボックス72を設けず、かつ、電力出力装置5に装置側コンセント522を設けず、電力出力装置5のコントロールボックス57Cとコネクタ73Cとを直接、電気的に接続する。このため、本実施形態に係る電力出力システム1Cは、簡易な構成によって、部品点数を削減することができ、電力出力装置5Cの製造を容易にすることができる。
【0090】
なお、上述した実施形態に係る電力出力システム1の管理サーバ2は、管理者端末3に対して通信可能に接続された場合、復号鍵を生成するものを説明した。しかし、本実施形態に係る電力出力システム1の管理サーバ2は、それに限られず、例えば、事前に設定された時間を経過する度毎に、復号鍵を生成してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1、1A、1B、1C 電力出力システム
2 管理サーバ
3 管理者端末
4 利用者端末
5、5A、5B、5C 電力出力装置
543 復号化鍵
61 外部電源
8 電動車両
82 内部電源
N1 第1通信手段
N2 第2通信手段