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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】出没式筆記具
(51)【国際特許分類】
   B43K 24/12 20060101AFI20240625BHJP
   B43K 27/02 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B43K24/12
B43K27/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020205885
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022092901
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000108328
【氏名又は名称】ゼブラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】水鳥 元嵩
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-187828(JP,A)
【文献】特開2020-104339(JP,A)
【文献】特開2001-146093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 21/00-21/26
B43K 24/00-24/18
B43K 27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸筒と、前進した際に前記軸筒の前端から突出するように前記軸筒内に収納された中芯と、前記軸筒内で前後方向へ伸縮する付勢部材とを備え、
前記付勢部材は、その中心部が前記中芯の径方向外側に位置するように、前記中芯に対し径方向外側に隣接し、前記中芯を後方へ付勢していることを特徴とする出没式筆記具。
【請求項2】
前記付勢部材には、前記中芯よりも外径の小さいコイルバネを用いたことを特徴とする請求項1記載の出没式筆記具。
【請求項3】
前記付勢部材は、その前端側を前記軸筒に対し直接的又は間接的に係止するとともに、その後端側を前記中芯に対し直接的又は間接的に係止した圧縮コイルバネであることを特徴とする請求項1又は2記載の出没式筆記具。
【請求項4】
前記軸筒内には、前記付勢部材に挿通されて前記付勢部材の伸縮を案内するガイド軸が設けられていることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の出没式筆記具。
【請求項5】
前記中芯を軸筒前端から突出させるためにスライド操作されるスライド操作体が、前記中芯と一体的に設けられ、
前記スライド操作体には、前記ガイド軸に嵌り合って進退する被ガイド部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の出没式筆記具。
【請求項6】
前記中芯を軸筒径方向の内側に嵌め合わせて軸筒軸方向へ案内するガイド凹部が、前記軸筒と一体的に設けられていることを特徴とする請求項1~5何れか1項記載の出没式筆記具。
【請求項7】
前記中芯は、軸筒周方向に並ぶように複数設けられ、
前記付勢部材は、軸筒周方向に隣接する二つの中芯の谷間寄りに位置していることを特徴とする請求項1~6何れか1項記載の出没式筆記具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸筒内に収納した中芯を前進させて軸筒前端から突出させるようにした出没式筆記具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の筆記具には、例えば特許文献1に記載されるように、軸筒と、前進した際に前記軸筒の前端から突出するように前記軸筒内に収納された複数の中芯と、複数の前記中芯に対しそれぞれ環状に装着された複数の圧縮コイルバネと、複数の前記中芯に対しそれぞれ一体的に接続されたスライド操作体と、複数の前記中芯を干渉しないようにそれぞれ挿通するデバイダーとを備え、複数の前記スライド操作体のうち、何れか一つのスライド操作体を選択し前進させる操作により、このスライド操作体に対応する中芯を、前記圧縮コイルバネの付勢力に抗して前進させて軸筒の前端から突出させる。
前記中芯には、インクタンクの前端側にボールペンチップを接続したボールペン用中芯や、芯タンクの前端側に鉛芯繰出し機構を接続したシャープペンシル用中芯がある。
ところで、近年、特にボールペン用中芯は、書き味の向上等のためにインク流量を旧来のものより増大した製品が流行している。このようなボールペン用中芯では、インク収容量が比較的大きいため、インクタンクの外径が大きくなる。また、シャープペンシル用中芯の場合も、鉛芯の収容量を多くするためには、芯タンクの外径を大きくする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-111876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インクタンクや芯タンクの外径を旧来のものよりも大きくする場合には、これらインクタンクや芯タンクに対し環状に装着される圧縮コイルバネを、内外径の大きなものに変更する必要が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
軸筒と、前進した際に前記軸筒の前端から突出するように前記軸筒内に収納された中芯と、前記軸筒内で前後方向へ伸縮する付勢部材とを備え、前記付勢部材は、その中心部が前記中芯の径方向外側に位置するように、前記中芯に対し径方向外側に隣接し、前記中芯を後方へ付勢していることを特徴とする出没式筆記具。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、付勢部材の径が、中芯の外径に依存されるのを阻むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る出没式筆記具の一例を示す斜視図である。
図2】同出没式筆記具の縦断面図である。
図3図2の(III)-(III)線に沿う位置において同出没式筆記具を切断した場合の横断面図である。
図4】同出没式筆記具の要部構造を示す斜視図である。
図5】同出没式筆記具の要部分解斜視図である。
図6】ガイド軸を有する中芯ガイド部材の一例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第1の特徴は、軸筒と、前進した際に前記軸筒の前端から突出するように前記軸筒内に収納された中芯と、前記軸筒内で前後方向へ伸縮する付勢部材とを備え、前記付勢部材は、その中心部が前記中芯の径方向外側に位置するように、前記中芯に対し径方向外側に隣接し、前記中芯を後方へ付勢している(図1図6参照)。
【0009】
第2の特徴として、前記付勢部材には、前記中芯よりも外径の小さいコイルバネを用いた(図2図4参照)。
【0010】
第3の特徴として、前記付勢部材は、その前端側を前記軸筒に対し直接的又は間接的に係止するとともに、その後端側を前記中芯に対し直接的又は間接的に係止した圧縮コイルバネである(図2図4参照)。
【0011】
第4の特徴は、前記軸筒内には、前記付勢部材に挿通されて前記付勢部材の伸縮を案内するガイド軸が設けられている(図2図4参照)。
【0012】
第5の特徴は、前記中芯を軸筒前端から突出させるためにスライド操作されるスライド操作体が、前記中芯と一体的に設けられ、前記スライド操作体には、前記ガイド軸に嵌り合って進退する被ガイド部が設けられている(図2図6参照)。
【0013】
第6の特徴として、前記中芯を軸筒径方向の内側に嵌め合わせて軸筒軸方向へ案内するガイド凹部が、前記軸筒と一体的に設けられている(図3図5参照)。
【0014】
第7の特徴として、前記中芯は、軸筒周方向に並ぶように複数設けられ、前記付勢部材は、軸筒周方向に隣接する二つの中芯の谷間寄りに位置している(図3図4参照)。
【0015】
<具体的実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
本明細書中、軸筒軸方向とは軸筒の中心線が延設される方向を意味し、軸筒周方向とは軸筒中心線の周囲を回る方向を意味する。また、「前」とは、軸筒軸方向の一方側であって筆記部が突出する方向を意味し、「後」とは、前記一方側に対する逆方向側を意味する。
また、軸筒径方向とは軸筒の中心線に直交する軸筒の直径方向を意味し、軸筒径方向外側とは軸筒径方向に沿って軸筒中心から離れる方向を意味し、軸筒径方向内側とは軸筒径方向に沿って軸筒中心に向かう方向を意味する。
また、中芯径方向とは中芯の中心線に直交する中芯の直径方向を意味し、中芯径方向外側とは中芯径方向に沿って中芯中心から離れる方向を意味し、中芯径方向内側とは中芯径方向に沿って中芯中心に向かう方向を意味する。
【0016】
筆記具Aは、軸筒10と、前進した際に軸筒10の前端から突出するように軸筒10内に収納された複数の中芯20と、軸筒10内で前後方向へ伸縮する付勢部材30と、複数の中芯20をそれぞれ前後方向へ案内する中芯ガイド部材40と、複数の中芯20を選択的に軸筒前端から突出させるためにスライド操作される複数のスライド操作体50とを具備する。
【0017】
軸筒10は、単数又は複数の筒状部材から前後方向へわたる長尺筒状に構成される。図示例の軸筒10は、前端側に先細筒状の先口部11aを有する前軸11と、この前軸11の後端側に螺合接続されて後方へ延設された後軸12とを備える。なお、図中符号13は、前軸11の外周部に嵌め合わせられた筒状の弾性グリップである。
【0018】
後軸12の後端側の周壁には、複数のスライド操作体50をそれぞれ径方向へ挿通する開口部12a(図1及び図2参照)が、周方向に所定の間隔を置いて複数設けられる。各開口部12aは、後軸12の周壁を前後方向へわたって長尺状に貫通するとともに、後端部を後方へ開放するようにした横向き凹切欠状に形成される。この開口部12aの後端開口部は、尾栓60によって閉鎖されている。開口部12aの他例としては、前記切欠状ではなく、前後方向へ長尺な貫通孔とすることも可能である。
この開口部12aの内側面には、スライド操作体50を前後方向へ案内する直線状の案内面12cと、この案内面12cに沿って前進したスライド操作体50を軸筒径方向内側へ沈み込ませて係止する段状の被係止部12bとが設けられる。
また、後軸12の後端側の内壁面には、操作部51の被ガイド部54後端面を受ける段部12dと、この段部12dに後方向きに設けられてガイド軸42の後端側を挿入し支持するガイド軸挿入穴12eが設けられる。
【0019】
中芯20は、軸筒10の中心軸周りに、周方向に略同等の間隔を置いて複数(図3に示す一例によれば合計3本)設けられる。
これら複数の中芯20は、色の異なるボールペン用中芯である。各中芯20は、インクが充填されたインクタンク21の前端側に、転写ボールを抱持した筆記部22(ボールペンチップ)を接続しており、ボールペンリフィールと呼称される場合もある。
この中芯20の他例としては、シャープペンシル用中芯や、電子ペン用筆記芯等、図示例以外の機能を有する中芯(リフィール)や筆記芯とすることが可能である。
【0020】
付勢部材30は、その中心部が中芯20の径方向外側に位置するように、中芯20に対し径方向外側に隣接し(図3参照)、中芯20を後方へ付勢している。図示例の付勢部材30は、中芯20よりも外径の小さい圧縮コイルバネである。
すなわち、付勢部材30は中芯20に対し環状に装着されておらず、この付勢部材30の中心部は、中芯20に対し同芯上に位置しない。そして、この付勢部材30は、中芯20に対し軸筒径方向へずれて位置し、中芯20に対し軸筒径方向へ離れており、前後方向へ伸縮可能である。
特に、本実施の形態の好ましい一例によれば、この付勢部材30は、軸筒周方向に隣接する二つのスライド操作体50,50の谷間寄りに位置する(図3図4参照)。
【0021】
そして、この付勢部材30は、前端側を、軸筒10に対し中芯ガイド部材40を介して間接的に係止するとともに、その後端側を、中芯20に対しスライド操作体50を介して間接的に係止している。
詳細に説明すれば、付勢部材30の前端側は、中芯ガイド部材40のバネ受け凹部41bに挿入され、その最前端部が、バネ受け面41b1(図6参照)に当接する。また、付勢部材30の後端側は、スライド操作体50の被ガイド部54(図5参照)に環状に嵌り合い、その最後端部が、スライド本体部50aの前端面に当接する。
【0022】
中芯ガイド部材40は、軸筒10内において前後方向の中央寄りに固定され、各中芯20を前後方向へ案内する部材であり、デバイダーと呼称される場合もある。
この中芯ガイド部材40は、後軸12の内周面に嵌り合う略円筒状の本体部41と、この本体部41の後端側から後方へ延設された複数のガイド軸42とを一体に具備している。
【0023】
本体部41の内周面には、軸筒径方向の内側に中芯20を嵌め合わせて軸筒軸方向へ案内するガイド凹部41aが設けられる(図3参照)。
【0024】
ガイド凹部41aは、複数の中芯20にそれぞれ対応するように、周方向に間隔を置いて複数(図示例によれば3つ)設けられる。
各ガイド凹部41aは、前後方向へ連続する断面半円状の凹溝であり、本体部41の軸方向の全長にわたって設けられる。
【0025】
また、本体部41の後端側には、周方向に隣接するガイド凹部41a,41a間にそれぞれ位置するように、複数(図3に示す一例によれば3つ)のバネ受け凹部41bが設けられる。
各バネ受け凹部41bは、付勢部材30の前端側を嵌め合わせるように、後方の開口した凹状に形成される。このバネ受け凹部41b内の底部分(前端部)には、後方へ突出する円錐面状のバネ受け面41b1が設けられ(図6参照)、このバネ受け面41b1の頂部(後端部)から後方へ向かってガイド軸42が突出している。
【0026】
バネ受け面41b1は、その円錐状の外周面により、付勢部材30前端部を受けることで、付勢部材30をガイド軸42と同芯状に保持する。
【0027】
ガイド軸42は、長尺円柱軸状に後方へ延設されて、付勢部材30に挿入されて、付勢部材30の前後方向の伸縮を案内する。さらに、このガイド軸42は、付勢部材30よりも後端側の部分を、後述するスライド操作体50の被ガイド部54に挿入して、スライド操作体50の前後方向への移動を安定化する。
【0028】
スライド操作体50は、中芯20と一体的に進退するように、中芯20の後端側に着脱可能に接続されている。
このスライド操作体50は、軸筒10内で前後方向へわたる長尺状のスライド本体部50aと、このスライド本体部50aの後端側から軸筒径方向外側へ突出して軸筒外へ露出する操作部51と、スライド本体部50aにおける軸筒径方向内側で周方向の両側へ突出する摺動凸部55と、スライド本体部50aの最後端側で後方へ突出する係止部52と、中芯20の後端側に嵌入される接続部53と、ガイド軸42に対し環状に嵌り合って進退する被ガイド部54とを一体に具備している(図4図6参照)。
そして、このスライド操作体50は、操作部51が前方へ押される操作により、摺動凸部55を軸筒10内の案内面12cに摺接させながら前進して軸筒内へ沈み込み、係止部52を軸筒内の被係止部12b(図2参照)に係止する。そして、スライド操作体50は、前記係止状態において他のスライド操作体50が前進した際には、この前進したスライド操作体50に当接されることで、前記係止状態を解除する。
【0029】
被ガイド部54は、スライド本体部50aとの前端側から軸筒周方向の一方へ突出しており、ガイド軸42を挿通する貫通孔54a(図3図5参照)を有する。
この被ガイド部54は、後退した際に後軸12内の段部12dに当接して後退量が規制される。すなわち、スライド操作体50は、後退した際、最後端部を尾栓60に当接することなく、被ガイド部54を段部12dに当接し、独自の良好な当接音及び当接振動を有する。
なお、貫通孔54aは、ガイド軸42に嵌り合う切欠部等に置換することも可能である。
【0030】
尾栓60は、軸筒10の後端部に装着された部材であり、軸筒10の後端開口を塞ぐ。
この尾栓60は、図示例によれば、一体の部材としているが、複数の部材を組み合わせてなる態様や、後軸12の後端部に一体成型された部材とすることも可能である。
【0031】
次に、上記構成の筆記具Aについて、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
手等によりスライド操作体50を図2に示す初期位置から前進させると、このスライド操作体50は、付勢部材30を弾性的に収縮させながら、被ガイド部54をガイド軸42に沿わせて直線的に前進し、筆記部22を軸筒10の前端から突出させた前進位置にて、軸筒10内の被係止部12bに係止される。
また、前記係止状態にあるスライド操作体50は、他のスライド操作体50が前進した際に、この前進したスライド操作体50に干渉されることで前記係止状態を解除し、付勢部材30の付勢力によって後退する。この後退の際も、被ガイド部54をガイド軸42に沿わせる。
このように、スライド操作体50の進退運動は、被ガイド部54がガイド軸42に嵌り合って導かれることで、直線的に安定する。
【0032】
そして、上記構成によれば、付勢部材30が中芯20に環装されずに、中芯20に対し略平行に隣接するため、この付勢部材30の外径を、中芯20の外径に拘わらずに比較的小径にすることができる。ひいては、中芯20のインクタンク21外径を大きくしてインク量を増大したり、逆に中芯20を小径化して軸筒10を細身に構成することが可能である。
すなわち、付勢部材30の内径が、中芯20の外形に依存しないようにすることができる。
特に本実施の形態の好ましい一例によれば、図3に示すように、付勢部材30を、周方向に隣接する中芯20,20間の谷間寄りに配設し、複数の中芯20を仕切壁等のない軸筒10の中心部に寄せているため、軸筒10の細身化がいっそう容易である。
【0033】
<変形例>
上記実施態様によれば、付勢部材30の前端側を軸筒10に対し中芯ガイド部材40を介して間接的に係止し、付勢部材30の後端側を中芯20に対しスライド操作体50を介して間接的に係止したが、他例としては、付勢部材30の前端側を軸筒10に対し直接的に係止するとともに同付勢部材30の後端側を中芯20に対し直接的に係止するようにしてもよい。
【0034】
また、上記実施態様によれば、ガイド軸42を中芯ガイド部材40と一体の部位としたが、他例としては、ガイド軸42を軸筒10に一体的に設けた態様や、中芯ガイド部材40の本体部41に対し別体のガイド軸42を接続した態様等とすることも可能である。
【0035】
また、上記実施態様によれば、中芯20の進退を案内するガイド凹部41aを中芯ガイド部材40に設けたが、ガイド凹部41aは軸筒10と一体的に設けられていればよく、他例としては、上記構成のガイド凹部を前軸11又は後軸12の内周面に形成することも可能である。
【0036】
また、上記実施態様によれば、中芯20及び付勢部材30を複数具備して複数出没式筆記具を構成したが、他例としては、中芯20及び付勢部材30を単数具備して単数出没式筆記具を構成することも可能であり、このようにした場合にも、付勢部材30の径が中芯20の外径に依存しないので、中芯20を太くしてインク量を増大したり、中芯20及び軸筒10を細くしたりすることが可能である。
【0037】
また、上記実施態様によれば、好ましい一例として付勢部材30を圧縮コイルバネとしたが、付勢部材30の他例としては、ゴム等の弾性材料からなる態様や、中芯20を後方へ引っ張る引張バネからなる態様等とすることも可能である。
【0038】
また、本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
10:軸筒
11:前軸
12:後軸
12a:開口部
20:中芯
21:インクタンク
22:筆記部
30:付勢部材
40:中芯ガイド部材
41:本体部
41b:バネ受け凹部
41b1:バネ受け面
42:ガイド軸
50:スライド操作体
54:被ガイド部
54a:貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6