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特許7509699低減したブロッキングを有するコーティングされたオレフィン系ポリマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】低減したブロッキングを有するコーティングされたオレフィン系ポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/12 20060101AFI20240625BHJP
   C08L 23/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
C08J3/12 Z CES
C08L23/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020573455
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 US2019039800
(87)【国際公開番号】W WO2020006396
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】62/692,271
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ドダカー、スリカント
(72)【発明者】
【氏名】トロティエ、レミ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ハウン、ジュニア、ジョージ ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ブーン、ハロルド ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ハンダン、インタン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ターナー、マイケル ディー.
【審査官】増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-507513(JP,A)
【文献】特開2001-342259(JP,A)
【文献】国際公開第2008/018404(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/00-3/28
C08J 99/00
C08L 23/00
B29B 7/00-11/14
B29B 13/00-15/06
B29C 31/00-31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
前記水性金属酸分散液および前記水性ポリシロキサンエマルジョンを一緒に混合して、分散液/エマルジョン混合物を形成することと、
前記分散液/エマルジョン混合物をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、ウェットコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
前記ウェットコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、前記コーティングされたポリマー粒子を形成することと、を含み、
前記コーティングされたポリマー粒子中の前記ポリシロキサン対前記金属酸の重量比が、0.10~10.0であり、
前記ポリシロキサンが、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~500ppmの量で存在する、プロセス。
【請求項2】
オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
A)前記水性ポリシロキサンエマルジョンをポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
B)前記水性金属酸分散液を前記エマルジョンコーティングされたポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、分散液-エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
C)前記分散液-エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、前記コーティングされたポリマー粒子を形成することと、を含み、
任意で、ステップAの前記エマルジョンコーティングされたポリマー粒子が、ステップBの前に乾燥され、
前記コーティングされたポリマー粒子中の前記ポリシロキサン対前記金属酸の重量比が、0.10~10.0であり、
前記ポリシロキサンが、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~500ppmの量で存在する、プロセス。
【請求項3】
オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
A)前記水性金属酸分散液をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、分散液コーティングされたポリマー粒子を形成することと、
B)前記水性ポリシロキサンエマルジョンを前記分散液コーティングされたポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、エマルジョン-分散液コーティングされたポリマー粒子を形成することと、
C)前記エマルジョン-分散液コーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、前記コーティングされたポリマー粒子を形成することと、を含み、
任意で、ステップAの前記分散液コーティングされたポリマー粒子が、ステップBの前に乾燥され、
前記コーティングされたポリマー粒子中の前記ポリシロキサン対前記金属酸の重量比が、0.10~10.0であり、
前記ポリシロキサンが、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~500ppmの量で存在する、プロセス。
【請求項4】
前記金属酸が、金属ステアリン酸塩を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記金属酸が、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、2ppm~5000ppmの量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記金属酸が、ステアリン酸カルシウム(C18)とパルミチン酸カルシウム(C16)との混合物である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記ポリシロキサンが、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記オレフィン系ポリマーが、エチレン系ポリマーまたはプロピレン系ポリマーである、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記エチレン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーであり、前記プロピレン系ポリマーが、プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマーである、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記オレフィン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーである、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月29日に出願された米国特許出願第62/692,271号に対する優先権の利益を主張し、その全体が、参照による本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
オレフィン系ポリマー粒子、特に非結晶性ポリマーは、粒子がスピン乾燥機などの乾燥機から包装装置に搬送されるときに、凝集、シート化、およびアーチング(架橋)を起こしやすい。(例えば、袋詰め装置での)いかなる一時的な停止または停滞も、粒子の凝集により、完全な閉塞をもたらす可能性がある。粒子(例えば、ペレット)が袋に包装された後、袋は、典型的にはベルトコンベヤーでパレタイザーに搬送される。コンベヤー上でのペレットの急速な閉塞は、パレタイザーの誤作動をもたらし、これが転じて、包装装置の動作全体をシャットダウンさせ、ポリマーペレットの廃棄をもたらす。半結晶性ポリマーはまた、保管中に一緒に塊となる可能性もある。ポリマーペレットの貯蔵寿命を改善するための従来の手段には、より低い温度でのペレットの維持、およびPDMSなどの粘着防止剤の使用が含まれる。しかしながら、これらの手段は、包装ラインでのペレットの滞留時間が典型的には30秒を超える場合は効果がない。さらに、ペレット表面上の過剰量のPDMSは、最終生成物の使用に悪影響を及ぼす。
【0003】
ポリマーペレットおよびコーティング組成物は、以下の参考文献、US7,122,584、US8,986,442、US6,756,116、US9,290,668、US9,169,374、WO2017/049064、WO2001/012716、WO2009/035877、米国特許第4,960,644号、米国特許第5,007,961号、US6,120,899、US8,173,209、US6,228,902、US9,758,626、US9,683,089、米国特許第5,096,493号、米国特許第5,334,644号、米国特許第5,443,910号、米国特許第6,403,677号、WalkerのEP0749454A1、および米国特許公開第US2013/0101852号に記載されている。
【0004】
したがって、増加された貯蔵寿命を有する改善されたポリマーペレット、およびそれを製造するための、包装動作において信頼して使用することができるプロセスに対する必要性が存在する。これらの必要性は、以下の発明によって提供される。
【発明の概要】
【0005】
オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを一緒に混合して、分散液/エマルジョン混合物を形成することと、
分散液/エマルジョン混合物をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、
ウェットコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
ウェットコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされたポリマー粒子を形成することとを含む、プロセス。
【0006】
オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
A)水性ポリシロキサンエマルジョンをポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
B)水性金属酸分散液をエマルジョンコーティングされたポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、分散液-エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
C)分散液-エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされたポリマー粒子を形成することとを含み、
任意で、ステップAのエマルジョンコーティングされたポリマー粒子が、ステップBの前に乾燥される、プロセス。
【0007】
オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
A)水性金属酸分散液をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、分散液コーティングされたポリマー粒子を形成することと、
B)水性ポリシロキサンエマルジョンを分散液コーティングされたポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、エマルジョン-分散液コーティングされたポリマー粒子を形成することと、
C)エマルジョン-分散液コーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされたポリマー粒子を形成することとを含み、
任意で、ステップAの分散液コーティングされたポリマー粒子が、ステップBの前に乾燥される、プロセス。
【0008】
オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を含む、組成物であって、
コーティング中のポリシロキサンエマルジョン対金属酸の重量比が、0.10~10.0であり、
金属酸が、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、ゼロ超~5000ppmの量で存在し、
ポリシロキサンが、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、ゼロ超~500ppmの量で存在する、組成物。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】水性金属酸分散液と水性ポリシロキサンエマルジョンとの事前混合物を使用するコーティングプロセスを示す。
図2】別々のシステムを使用して、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを塗布するコーティングプロセスを示す。
図3】混合され、混合物がポリマー粒子に塗布される、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンの別々のシステムを使用する、コーティングプロセスを示す。
図4】「1ステップ」コーティングプロセスの流れ図を示す。
図5】「2ステップ」のコーティングプロセス流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記および本明細書に記載のプロセスおよび組成物は、優れた取り扱いを有するポリマー粒子(例えば、ポリマーペレット)を提供することが発見された。そのようなプロセスおよび組成物は、良好なブロッキング防止および粘着防止性能、溶融加工時に色素体を形成する可能性がある添加剤包装物との相互作用がないか、または最小限であること、(例えば、ペレットからの、またはペレットの溶融加工後の)味または匂いの問題がないか、または最小限であること、ならびに残留溶媒の問題がないことを提供することもまた発見された。追加の利点には、以下、フィルム用途でゲルの増加がないこと、接着性および機械的特性の維持、乾燥プロセス中の汚れがないか、または最小限であること、ならびに商用トレインでの相互汚染がないか、または最小限であることがある。
【0011】
また、コーティング組成物は、上記および本明細書に記載のように、粒子が乾燥機(例えば、スピン乾燥機)を出た後、または粒子が流動層乾燥機の乾燥ゾーンに入る前に、ポリマー粒子に塗布することができる。コーティング組成物の各構成要素を別々に添加し、同じ結果をもたらすこともできる。例えば、水性ポリシロキサンエマルジョンを最初に粒子に塗布し、続いて乾燥ステップを行ってもよい。次に、水性金属酸をポリマー粒子に次に塗布し、任意の乾燥ステップを行ってもよい。
【0012】
上記に論じられるように、第1の態様では、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスが提供され、該プロセスは、以下、
水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを一緒に混合して、
分散液/エマルジョン混合物を形成することと、
分散液/乳濁液混合物をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、ウェットコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
ウェットコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされたポリマー粒子を形成することとを含む。
【0013】
第2の態様では、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスが提供され、該プロセスは、以下、
A)水性ポリシロキサンエマルジョンをポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
B)水性金属酸分散液をエマルジョンコーティングされたポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、分散液-エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
C)分散液-エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされたポリマー粒子を形成することとを含み、
任意で、ステップAのエマルジョンコーティングされたポリマー粒子は、ステップBの前に乾燥される。
【0014】
第3の態様では、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスが提供され、該プロセスは、以下、
A)水性金属酸分散液をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、分散液コーティングされたポリマー粒子を形成することと、
B)水性ポリシロキサンエマルジョンを分散液コーティングされたポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、エマルジョン-分散液コーティングされたポリマー粒子を形成することと、
C)エマルジョン-分散液コーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされたポリマー粒子を形成することとを含み、
任意で、ステップAの分散液コーティングされたポリマー粒子は、ステップBの前に乾燥される。
【0015】
第4の態様では、組成物が提供され、該組成物は、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を含み、
金属酸は、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~5000ppm、または4000ppm、または3000ppm、または2000ppm、または1000ppm、または950ppm、または900ppm、または850ppm、または800ppm、または750ppm、または700ppm、または650ppm、または600ppm、または550ppm、または500ppm、または450ppm、または400ppm、または350ppm、または300ppmの量で存在し、
ポリシロキサンは、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~500ppm、または450ppm、または400ppm、または350ppm、または300ppmの量で存在する。
【0016】
第5の態様では、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスが提供され、該プロセスは、以下、
水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを、
水性ポリシロキサンエマルジョン対水性金属酸分散液の混合比で一緒に混合して、分散液/エマルジョン混合物を形成することであって、水性ポリシロキサンエマルジョン対水性金属酸分散液の混合比が、0.05以上~0.8以下である、形成することと、
分散液/乳濁液混合物をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、ウェットコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
ウェットコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされたポリマー粒子を形成することとを含む。
【0017】
本発明のプロセスは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0018】
本発明の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0019】
以下の実施形態は、明記される場合を除いて、上記の5つ全ての態様に適用される。
【0020】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、金属酸の金属は、カルシウム、亜鉛、またはバリウムから選択される。
【0021】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、金属ステアリン酸塩、およびさらにはステアリン酸カルシウムを含む。
【0022】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、金属ステアリン酸塩、およびさらにはステアリン酸カルシウムと、金属C16脂肪酸、およびさらにはカルシウムC16脂肪酸とを含む。
【0023】
第4の態様について、本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティング中のポリシロキサン対金属酸の重量比は、0.10~10.0、または0.15~10.0、または0.20~10.0、または0.25~10.0、または0.30~10.0、または0.35~9.0、または0.40~8.0、または0.45~7.0、または0.50~6.0、または0.55~5.0、または1.0~10.0、または1.1~9.0、または1.2~8.0、または1.3~7.0、または1.4~6.0、または1.5~5.0である。
【0024】
第4の態様について、本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~5000ppm、または2ppm~5000ppm、または2ppm~4000ppm、または2ppm~3000ppm、または2ppm~2000ppm、または2ppm~1000ppm、または2ppm~900ppm、または2ppm~800ppmで存在する。
【0025】
第4の態様について、本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~500ppm、または20ppm~500ppm、または20ppm~300ppm、または30ppm~300ppm、または40ppm~300ppm、または50ppm~300ppmの量で存在する。
【0026】
第5の態様について、本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、水性ポリシロキサンエマルジョン対水性金属酸分散液の混合比は、0.05以上~0.8以下、または0.1以上~0.8、または0.2以上~0.8、または0.3以上~0.8、または0.3以上~0.6、または0.3以上~0.5である。
【0027】
第5の態様について、本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、水性ポリシロキサンエマルジョンは、水性培地中のPDMS油のエマルジョンである。
【0028】
第5の態様について、本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、水性金属酸分散液は、水性培地中に分散したステアリン酸カルシウム(C18)とパルミチン酸カルシウム(C16)との混合物である。
【0029】
第5の態様について、本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、水性ポリシロキサンエマルジョンは、XIAMETER MEM-0024であり、水性金属酸分散液は、CHRISCOAT 50EF-SD628である。
【0030】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、ステアリン酸カルシウムである。
【0031】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0032】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、分散液/エマルジョン混合物が、ペレット化水に添加され、ポリマー粒子が、ペレット化水に添加される。
【0033】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、水性金属酸分散液または水性ポリシロキサンエマルジョンが、ペレット化水に添加され、ポリマー粒子が、ペレット化水に添加される。
【0034】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、第1および第5の態様について、分散液/エマルジョン混合物は、ポリマー粒子の表面上に噴霧される。
【0035】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、第2および第3の態様について、水性分散液および/または水性エマルジョンは、ポリマー粒子の表面上に噴霧される。
【0036】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、第1および第5の態様について、ウェットコーティングされたポリマー粒子は、周囲温度での空気乾燥、熱風乾燥、真空乾燥、または加熱によって乾燥される。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、第2の態様について、分散液-エマルジョンコーティングされたポリマー粒子は、周囲温度での空気乾燥、熱風乾燥、真空乾燥、または加熱によって乾燥される。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、第3の態様について、エマルジョン-分散液コーティングされたポリマー粒子は、周囲温度での空気乾燥、熱風乾燥、真空乾燥、または加熱によって乾燥される。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、第4の態様について、組成物は、第1、第2、第3、または第5の態様による任意のプロセスの後に乾燥コーティングされた組成物である。
【0037】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティング組成物は、架橋されていない。本明細書で使用される場合、「架橋」という用語は、組成物の少なくとも50重量%が、140℃の温度(キシレンの沸点、還流)で12時間、キシレン中で還流した後に不溶性のままであることを指す。ASTM D2765を参照されたい。
【0038】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、ペレットの形態である。
【0039】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、各々コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のアミド含有化合物またはアミド含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、アミド含有ポリマーのアミド含有化合物を含まない。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、各々ポリマー組成物の重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のアミド含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、アミド含有ポリマーのアミド含有化合物を含まない。
【0040】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、各々コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下の酸含有化合物または酸含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、酸含有ポリマーの酸含有化合物を含まない。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下の酸含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、酸含有ポリマーを含まない。
【0041】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のエチレン酢酸ビニル(本明細書以下ではEVAと称される)を含む。さらなる実施形態では、コーティングは、EVAを含まない。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のEVAを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、EVAを含まない。
【0042】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のプロピレン系ポリマーを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、プロピレン系ポリマーを含まない。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のプロピレン系ポリマーを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、プロピレン系ポリマーを含まない。
【0043】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下の、重合形態でスチレンを含有するポリマーを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、重合形態でスチレンを含有するポリマーを含まない。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下の、重合形態でスチレンを含有するポリマーを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、重合形態でスチレンを含有するポリマーを含まない。
【0044】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のフルオロ含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、フルオロ含有ポリマーを含まない。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のフルオロ含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、フルオロ含有ポリマーを含まない。
【0045】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のポリウレタンを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、ポリウレタンを含まない。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のポリウレタンを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、ポリウレタンを含まない。
【0046】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のワックスを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、ワックスを含まない。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下のワックスを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、ワックスを含まない。本明細書で使用される場合、「ワックス」という用語は、177℃で5,000cP以下の溶融粘度を有し、23℃および1気圧で固体であるエチレン系ポリマー、または230℃で5,000cP以下の溶融粘度を有し、23℃および1気圧で固体であるプロピレン系ポリマー、または145℃で5,000cP以下の溶融粘度を有し、23℃および1気圧で固体であるポリシロキサンを指す。
【0047】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン系ポリマーまたはプロピレン系ポリマーである。
【0048】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン
系ポリマーは、エチレン系コポリマーである。さらなる実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.5~2000g/10分、または0.1~1000g/10分、または5.0~500g/10分、または10~100g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0049】
エチレン系ポリマーの例には、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、不均一に分岐した線状ポリマー(LLDPEなどのチーグラー・ナッタ重合ポリマーを含み、The Dow Chemical Companyから入手可能なDOWLEX線状低密度ポリエチレン(LLDPE)などの生成物を含む)、均一に分岐した実質的に線状のポリマー(ともにThe Dow Chemical Companyから入手可能なAFFINITYポリオレフィンプラストマーおよびENGAGEポリオレフィンエラストマーなど)、均一に分岐した線状ポリマー(ExxonMobilから入手可能なEXACTポリマーなど)、オレフィンマルチブロックコポリマー(The Dow Chemical Companyから入手可能なINFUSEオレフィンブロックコポリマーなど)、EPDM樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能なNORDEL EPDMなど)、およびオレフィンブロック複合材料(The Dow Chemical Companyから入手可能なINTUNEなど)が含まれる。エチレン系ポリマーの他の例には、高圧フリーラジカル重合から形成されるエチレン系コポリマーが含まれる。例となるポリマーには、SURLYN、BYNEL、ELVAX、NUCREL(DuPont)、およびDUTRAL(Versalis)が含まれる。
【0050】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、およびさらにはエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーである。例となるアルファ-オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンなどの3~8個の炭素原子を有するものである。
【0051】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、プロピレン系ポリマーである。さらなる実施形態では、プロピレン系ポリマーは、プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、およびさらにはプロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー、またはプロピレン/エチレンインターポリマー、およびさらにはプロピレン/エチレンコポリマーである。例となるアルファ-オレフィンには、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンが含まれる。プロピレン系ポリマーには、the Dow Chemical Companyから入手可能なVERSIFYポリオレフィンエラストマー、およびExxonMobilから入手可能なVISTAMAXXポリマーが含まれる。
【0052】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、プロピレン系ポリマーは、0.5~2000g/10分、または1.0~1000g/10分、または5.0~500g/10分、または10~100g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する。
【0053】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーまたはエチレン/-アルファ-オレフィンコポリマーから選択される。
【0054】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマー、およびさらにはEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0055】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、0.850~0.940g/cc、または0.855~0.935g/cc、または0.860~0.930g/cc、または0.865~0.925g/cc(1cc=1cm)の密度を有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマー、およびさらにはEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0056】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、0.850~0.880g/cc、または0.855~0.875g/cc、または0.858~0.870g/ccの密度を有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマー、およびさらにはEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0057】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、10~100、または20~80、または30~60のムーニー粘度(ML1+4、125℃)を有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマー、およびさらにはEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0058】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、インターポリマーの重量に基づいて、50重量%~65重量%、または52重量%~62重量%、54重量%~60重量%のC2(ASTM D3900)を含む。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマー、およびさらにはEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0059】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、50%以下、または40%以下、または30%以下、または20%以下、または10%以下、または5.0%以下の結晶化度パーセントを有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマー、およびさらにはEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0060】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、10%以下、または9.0%以下、または8.0%以下、または7.0%以下、または6.0%以下、または5.0%以下の結晶化度パーセントを有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマー、およびさらにはEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0061】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、2.0~5.0、または2.0~4.5、または2.0~4.0、または2.0~4.5、または2.0~3.5、または2.0~3.0の分子量分布(MWD)を有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマー、およびさらにはEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0062】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上のオレフィン系ポリマーを含む。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマー、およびさらにはEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0063】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、0.850~0.890g/cc、または0.855~0.885g/cc、または0.860~0.880g/cc(1cc=1cm)の密度を有するエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー(例えば、EPDM)である。
【0064】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、0.850~0.890g/cc、または0.855~0.885g/cc、または0.860~0.880g/cc(1cc=1cm)の密度を有するエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーである。さらなる実施形態では、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマーである。例となるアルファ-オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンなどの3~8個の炭素原子を有するものである。
【0065】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、0.1~50g/10分、または0.5~40g/10分、または0.8~30g/10分のメルトインデックス(I2、190℃および2.16kg)を有するエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーである。さらなる実施形態では、インターポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマーである。例となるアルファ-オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンなどの3~8個の炭素原子を有するものである。
【0066】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、0.1~10g/10分、または0.5~8.0g/10分、または0.8~6.0g/10分のメルトインデックス(I2、190℃および2.16kg)を有するエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーである。さらなる実施形態では、インターポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマーである。例となるアルファ-オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンなどの3~8個の炭素原子を有するものである。
【0067】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、1.7~3.5、または1.8~3.0、または1.8~2.8、または1.8~2.5の分子量分布(MWD)を有するエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーである。さらなる実施形態では、インターポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマーである。例となるアルファ-オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンなどの3~8個の炭素原子を有するものである。
【0068】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー
粒子は、ポリマー粒子の総表面の少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%にコーティングを含む。
【0069】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、ポリマー粒子の総表面の少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%にコーティングを含む。ポリマー粒子の総表面積は、粒子(例えば、ペレット)の平均ペレット寸法およびグラムあたりの粒子の重量から、またはBET分析によって(例えば、Micromeritics ASAP2420から入手可能なBET機器を使用して)計算することができる。コーティングされたポリマー粒子の表面積の量は、典型的には拡大鏡を使用して、目視検査によって決定することができる。
【0070】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、金属酸およびポリシロキサンは、コーティングの総重量の90重量%以上、または95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上を構成する。
【0071】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティングされたポリマー粒子は、0℃で、20ポンド/フィート以下、さらには15ポンド/フィート以下、さらには10ポンド/フィート以下、さらには5.0ポンド/フィート以下、さらには4.0ポンド/フィート以下、さらには3.0ポンド/フィート2以下、さらには2.0ポンド/フィート2以下、さらには1.0ポンド/フィート以下、さらには0.5ポンド/フィート以下、さらには0.2ポンド/フィート以下、さらには0.1ポンド/フィート以下の非拘束降伏強度を有する。
【0072】
オレフィン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。エチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。プロピレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0073】
上記の第1、第2、および第3の態様について、本明細書に記載の1つ以上の実施形態のそれぞれのプロセスから形成されるコーティングされたポリマー粒子もまた提供される。上記の第1、第2、および第3の態様について、本明細書に記載の1つ以上の実施形態のそれぞれのプロセスから形成されるコーティングされたポリマー粒子と、少なくとも1つの添加剤とを含む、組成物もまた提供される。添加剤には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤(例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、および顔料)、難燃剤、ならびにそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
上記の第1、第2、および第3の態様について、本明細書に記載の1つ以上の実施形態のそれぞれのプロセスから形成されるコーティングされたポリマー粒子を含む組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む、物品もまた提供される。
【0075】
第4の態様について、本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、組成物は、組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%のポリマー粒子を含む。
【0076】
第4の態様について、本明細書に記載の1つ以上の実施形態の組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む、物品もまた提供される。本発明の物品は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0077】
ポリシロキサンエマルジョン
水性ポリシロキサンエマルジョンは、水およびポリシロキサンを含む組成物である。「ポリシロキサン」は、以下の繰り返し単位(SiR1R2-O)-を含むポリマーであり、式中、R1およびR2は各々独立して、炭化水素または置換炭化水素であり、nは、2以上である。本明細書で使用される場合、「置換炭化水素」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、N、またはP)を含む炭化水素を指す。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、R1およびR2は各々独立して、炭化水素、およびさらにはアルキル基である。
【0078】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、R1および/またはR2は、以下、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、またはヘキセニル基などのアルケニル基、および好ましくはビニル基;例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロペンチル基、もしくはシクロヘキシル基などのアルキル基、または同様のシクロアルキル基;ならびに例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基、3-フェニルプロピル基などのアリール基;例えば、メトキシ基またはエトキシ基などのアルコキシ基;例えば、3-クロロプロピル基または3,3,3-トリフルオロプロピル基などのハロゲン化炭化水素基;あるいは例えば、ジメチルケトキシム基またはメチルエチルケトキシム基などのオキシム基から選択される。
【0079】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリオキシメシラン、またはビニルトリオキシメシランから選択される。
【0080】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、ジメチルビニルシロキシ基でキャップされた両方の分子末端を有するジメチルポリシロキサン、両方の分子末端にジメチルビニルシロキシ基を有するメチルビニルシロキサンとジメチルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端にトリメチルシロキシ基を有するメチルビニルポリシロキサン、または環状メチルビニルシロキサンから選択される。
【0081】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンポリマーは、構造式-Si(R1R2)-O-を有し、式中、R1およびR2は各々独立して、C-C18ヒドロカルビル基である。さらなる実施形態では、R1およびR2は各々独立して、脂肪族基および芳香族基から選択される。さらなる実施形態では、各々は、脂肪族基、さらにはアルキル、さらにはメチルから選択される。
【0082】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、25℃で、200~2000cSt、または250~1800cSt、または300~1600cSt、または350~1200cStの粘度を有する。
【0083】
ポリマー粒子
「ポリマー粒子」という用語は、本明細書に記載されるようにコーティングされた粒子に関する。典型的なポリマー粒子は、一般に、実質的に小板、球状、円柱状、または棒状である。断面積はポリマーに応じて異なるが、好ましくは、ポリマー粒子の断面積は、3×10-3平方インチ(1.93×10-2平方センチメートル)~0.2平方インチ(1.29平方センチメートル)であり、つまり、例えば、断面が円形の場合、直径1/16インチ(0.15875cm)~1/2インチ(1.27cm)である。一実施形態では、粒子は、0.01平方インチ(6.45×10-2平方センチメートル)~0.05平方インチ(0.322平方センチメートル)の断面積を有し、つまり、例えば、断面が円形の場合、直径0.125インチ(0.3175cm)~0.375インチ(0.9525cm)である。一実施形態では、粒子は、直径0.25cm~0.40cmである。
【0084】
ポリマー粒子は、サイズが粉末からペレットまでの範囲の粒子状固体の形態である。ペレットは、粒子状固体であり、一般に、押出およびペレット化プロセスによって形成されるが、これに限定されるものではなく、典型的な平均粒径(最長寸法の平均)は、2mm超、典型的には2mm~10mm、さらには2mm~6mm、およびさらには2mm~4mmである。マイクロペレットは、典型的には標準的なペレットの平均粒径未満であるが、一般的な商用ダイ性能から生成される平均粒径を超える平均粒径を有する。マイクロペレットの平均粒径は、典型的には200ミクロン~2000ミクロンの範囲である。マイクロペレットは、一般に、半球状の形状を示す。
【0085】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、1つのエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、または以下の特性、密度、Mn、Mw、MWD、コモノマーの種類、および/もしくはコモノマーの含有量の1つ以上が異なる少なくとも2つのエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む、ポリマー組成物から形成される。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、1つのエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー、または以下の特性、密度、Mn、Mw、MWD、コモノマーの種類、および/もしくはコモノマーの含有量の1つ以上が異なる少なくとも2つのエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーを含む、ポリマー組成物から形成される。
【0086】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、1つのエチレン/アルファ-オレフィン/ジエンインターポリマー、または以下の特性、密度、Mn、Mw、MWD、コモノマーの種類、および/もしくはコモノマーの含有量の1つ以上が異なる少なくとも2つのエチレン/アルファ-オレフィン/ジエンインターポリマーを含む、ポリマー組成物から形成される。本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、1つのEPDM、または以下の特性、密度、Mn、Mw、MWD、コモノマーの種類、および/もしくはコモノマーの含有量の1つ以上が異なる少なくとも2つのEPDMを含む、ポリマー組成物から形成される。
【0087】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、エチレン系ポリマー、さらにはエチレン系インターポリマー、およびさらにはエチレン系コポリマーを含むポリマー組成物から形成される。
【0088】
ポリマー粒子は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。ポリマー組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0089】
本発明のプロセス
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、コーティングされたポリマー粒子を形成するプロセスは、ポリマー粒子を金属酸分散液およびポリシロキサンエマルジョンと接触させることを含む。ポリマー粒子は、ポリシロキサンエマルジョンの前、その後、またはそれと同時のいずれかで、金属酸分散液と接触させることができる。いずれにせよ、ポリマー粒子が所望の薬剤(複数可)で十分に物理的にコーティングされ得るような条件下で、ポリシロキサンエマルジョンおよび金属酸分散液の両方をポリマー粒子と接触させるべきである。
【0090】
本明細書に記載の一実施形態、または実施形態の組み合わせでは、そのような接触は、ポリシロキサンエマルジョンの一部もしくは全部のポリマー粒子への第1の液体供給、またはポリシロキサンエマルジョンの一部もしくは全部へのポリマー粒子の浸漬によって実行される。次に、金属酸分散液を、ポリシロキサンエマルジョンで事前コーティングされたポリマー粒子上に分布させる。金属酸分散液がポリマー粒子の表面に接着するように、ポリマー粒子が金属酸分散液で十分にコーティングされる限り、接触および分布の手段は異なっていてもよい。通常、表面コーティングの平均量が、ポリマー粒子の総表面積に基づいて、50パーセント以上、および好ましくは60パーセント以上、または80パーセント以上である限り、プロセスは、十分である。
【0091】
一実施形態では、コーティングの厚さは、1.0ミクロン~150ミクロン、または5.0ミクロン~100ミクロン、または10ミクロン~50ミクロンである。この値はまた、ポリマー粒子(例えば、ペレット)の平均サイズの増加パーセントの観点で表すこともできる。このパーセント増加は、一般に、金属酸分散液の量、ならびにコーティングの適用および加工に使用される方法の種類に応じて、0.01パーセント~15パーセントである。
【0092】
ブレンド装置/プロセスの例には、例えば、ジャーの単純なタンブリング、または円錐回転容器、リボンブレンダー、ドラムタンブラー、パドルブレンダー、凝集パン、および流動層動作でのブレンドなどの、ポリマー粒子を動かす任意の機械的手段が含まれる。一実施形態では、コーティングプロセスは、空気または不活性ガス下での空気コンベヤーの使用を含む。中程度の撹拌、振とう、またはスクリューコンベヤーでの短距離の搬送でさえ、そのような薬剤(複数可)の適切な分布に十分であり得る。用いられる接触の種類は、ポリマー粒子を別々の時間にエマルジョンおよび分散液と接触させる場合、ポリシロキサンエマルジョンおよび金属酸分散液について同じであっても、異なっていてもよい。
【0093】
薬剤(ポリシロキサンエマルジョンおよび/または金属酸分散液)とポリマー粒子との接触は、薬剤が蒸発、固化、粘稠化、またはポリマー粒子と著しく反応しない任意の温度で実行することができる。そのような温度は、組成物の構成要素に応じて異なることが多いが、典型的には-10℃~150℃、さらには0℃~60℃、または5℃~35℃である。
【0094】
コーティング組成物をポリマー粒子の表面の少なくとも一部分に噴霧コーティングして、ウェットコーティングされたポリマー粒子を形成することができる。粒子は、例えば、強制空気および/またはスピン乾燥機で乾燥させることができる。
【0095】
物品
本発明はまた、本発明の組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む物品も提供する。物品には、射出成形品、熱成形品、および発泡体が含まれるが、これらに限定されない。追加の物品には、医療デバイス(例えば、圧力カフおよび安定化デバイス)、ルーフィング膜、可膨張性用品(例えば、玩具、船舶、クッション、および家具)、敷布地(例えば、日よけ、バナー、標識、テント、防水シート、およびプール、池、または埋め立て用ライナー)、製本、ならびにキャリア(例えば、スポーツバッグおよびバックパック)含まれるが、これらに限定されない。追加の物品には、自動車部品が含まれる。
【0096】
定義
相反する記載、文脈から暗示的、または当該技術分野において慣習的でない限り、全ての部およびパーセントは重量に基づくものであり、全ての試験方法は本開示の出願日現在のものである。
【0097】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、組成物、ならびに組成物の材料から形成される反応生成物および分解生成物を含む、材料の混合物を含む。いかなる反応生成物または分解生成物も、典型的には、微量または残留量で存在する。
【0098】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、同じ種類のものか、または異なる種類のものかにかかわらず、モノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという一般的な用語は、ホモポリマーという用語(微量の不純物をポリマー構造に組み込むことができるという理解を前提として、1つの種類のモノマーのみから調製されるポリマーを指すために用いられる)と、以下で定義するインターポリマーという用語とを包含する。触媒残留物などの微量の不純物が、ポリマーの中および/またはポリマー内に組み込まれる場合がある。
【0099】
本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、インターポリマーという用語は、コポリマーという用語(2つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)および2つを超える異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0100】
本明細書で使用される場合、「オレフィン系ポリマー」という用語は、重合形態で、50重量%または過半量のオレフィンモノマー、例えば、エチレンまたはプロピレン(ポリマーの重量に基づいて)を含むポリマーを指し、任意で1つ以上のコモノマーを含んでもよい。
【0101】
本明細書で使用される場合、「エチレン系ポリマー」という用語は、重合形態で、50重量%または過半量のエチレンモノマー(ポリマーの重量に基づいて)を含むポリマーを指し、任意で1つ以上のコモノマーを含んでもよい。
【0102】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α-オレフィンインターポリマー」という用語は、重合形態で、エチレンモノマー(インターポリマーの重量に基づいて)と、少なくとも1つのα-オレフィンとを含むインターポリマーを指す。一実施形態では、「エチレン/α-オレフィンインターポリマー」は、重合形態で、インターポリマーの重量に基づいて、50重量%または過半量のエチレンモノマーを含む。
【0103】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー」という用語は、重合形態で、エチレンモノマーと、α-オレフィンとジエンとを含むインターポリマーを指す。典型的には、「エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー」は、重合形態で、インターポリマーの重量に基づいて、50重量%または過半量のエチレンモノマーを含む。エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーの非限定的な例は、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)、またはエチレン、プロピレン、およびジエン構成要素のターポリマーであるEPDMゴムである。EPDMゴムの製造に使用される好適なジエンには、ジシクロペンタジエン(「DCPD」)、エチリデンノルボルネン(「ENB」)、またはビニルノルボルネン(「VNB」)が含まれるが、これらに限定されない。Mクラスには、ポリメチレンの種類の飽和鎖を持つゴムが含まれる。EPDMゴム(エチレンプロピレンジエンモノマー(Mクラス))ゴムは、幅広い用途を特徴とするエラストマーである。Mクラスには、ポリメチレンの種類の飽和鎖を持つゴムが含まれる。「ジエン」は、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ノルボルナジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、エチリデンノルボルネン(ENB)、およびそれらの組み合わせであり得る。
【0104】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α-オレフィンコポリマー」という用語は、重合形態で、50重量%または過半量のエチレンモノマー(コポリマーの重量に基づいて)と、α-オレフィンとを2種類のみのモノマーとして含むコポリマーを指す。
【0105】
本明細書で使用される場合、「プロピレン系ポリマー」という用語は、重合形態で、過半量のプロピレンモノマー(ポリマーの重量に基づいて)を含むポリマーを指し、
任意で1つ以上のコモノマーを含んでもよい。
【0106】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/α-オレフィンインターポリマー」という用語は、重合形態で、過半量のプロピレンモノマー(インターポリマーの重量に基づいて)と、少なくとも1つのα-オレフィンとを含むインターポリマーを指す。
【0107】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/α-オレフィンコポリマー」という用語は、重合形態で、過半量のプロピレンモノマー(コポリマーの重量に基づいて)と、α-オレフィンとを2種類のみのモノマーとして含むコポリマーを指す。
【0108】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/エチレンインターポリマー」という用語は、重合形態で、過半量のプロピレンモノマー(インターポリマーの重量に基づいて)と、少なくともエチレンとを含むインターポリマーを指す。
【0109】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/エチレンコポリマー」という用語は、重合形態で、過半量のプロピレンモノマー(コポリマーの重量に基づいて)と、エチレンとを2種類のみのモノマーとして含むコポリマーを指す。
【0110】
本明細書で使用される場合、「水性金属酸分散液」という用語は、水と金属酸とを含む組成物を指す。そのような組成物は、界面活性剤および他の添加剤などのさらなる構成要素を含み得る。
【0111】
本明細書で使用される場合、「金属酸」という用語は、1つ以上の金属脂肪酸を含む組成物を指す。
【0112】
本明細書で使用される場合、「脂肪酸」という用語は、末端カルボキシル基を含む炭化水素鎖を指す。当該技術分野で理解されているように、脂肪酸は、陰イオン形態(-C(O)O-)である。好ましい脂肪酸には、C12-C20脂肪酸、およびさらにはC14-C18脂肪酸、およびさらにはC16-C18脂肪酸が含まれる。
【0113】
本明細書で使用される場合、「ポリマー粒子の表面の一部分」という句は、ポリマー粒子の総表面の50%以上を指す。ポリマー粒子の総表面は、上記に論じられるようにBETによって決定することができる。一実施形態では、本明細書に記載のように、ポリマー粒子の総表面の60%以上、または70%以上、または80%以上、または90%以上がコーティングされている。コーティングされた表面積の量は、目視検査によって決定することができる。
【0114】
本明細書で使用される場合、「ウェットコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされたポリマー粒子を形成する」という句および他の同様の句は、粒子の表面から水性培地を除去することを指す。乾燥ステップは、コーティングされたペレットの試料を採取し、Computrac Vapor Pro XL Analyzer(Arizona Instruments)を使用してペレットの表面の水分を分析することによって監視できる。ペレットを200℃で10分間加熱し、水の存在を検出する。
【0115】
本明細書で使用される場合、「乾燥コーティングされたポリマー粒子」という用語および他の同様の用語は、粒子の表面から水性培地を除去した後に形成されるコーティングされたポリマー粒子を指す。
【0116】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、任意の追加の構成要素、ステップ、または手順の存在を、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、除外することを意図するものではない。いかなる疑義も避けるために、「含む」という用語の使用を通じて主張される全ての組成物は、矛盾する記載がない限り、任意の追加の添加剤、補助剤、またはポリマー化合物であるかにかかわらず化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、任意の以降の記述の範囲から任意の他の構成要素、ステップ、または手順を除外する。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていない任意の構成要素、ステップ、または手順を排除する。
【0117】
本開示の特定の実施形態には、以下が含まれるが、これらに限定されない。
1.オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを一緒に混合して、分散液/エマルジョン混合物を形成することと、
分散液/エマルジョン混合物をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、ウェットコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
ウェットコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされたポリマー粒子を形成することとを含む、プロセス。
【0118】
2.オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを、水性ポリシロキサンエマルジョン対水性金属酸分散液の混合比で一緒に混合して、分散液/エマルジョン混合物を形成することであって、水性ポリシロキサンエマルジョン対水性金属酸分散液の混合比が、0.05以上~0.8以下、または0.1以上~0.8以下、または0.2以上~0.8以下、または0.3以上~0.8以下、または0.3以上~0.6以下、または0.3以上~0.5以下である、形成することと、
分散液/エマルジョン混合物をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、ウェットコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
ウェットコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされたポリマー粒子を形成することとを含む、プロセス。
【0119】
3.オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
A)水性ポリシロキサンエマルジョンをポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
B)水性金属酸分散液をエマルジョンコーティングされたポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、分散液-エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
C)分散液-エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされたポリマー粒子を形成することとを含み、
任意で、ステップAのエマルジョンコーティングされたポリマー粒子が、ステップBの前に乾燥される、プロセス。
【0120】
4.オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
A)水性金属酸分散液をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、分散液コーティングされたポリマー粒子を形成することと、
B)水性ポリシロキサンエマルジョンを分散液コーティングされたポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、エマルジョン-分散液コーティングされたポリマー粒子を形成することと、
C)エマルジョン-分散液コーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、コーティングされた
ポリマー粒子を形成することとを含み、
任意で、ステップAの分散液コーティングされたポリマー粒子が、
ステップBの前に乾燥される、プロセス。
【0121】
5.金属酸の金属が、カルシウム、亜鉛、またはバリウムから選択される、実施形態1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【0122】
6.金属酸が、金属ステアリン酸塩、およびさらにはステアリン酸カルシウムを含む、実施形態1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【0123】
7.金属酸が、金属ステアリン酸塩、およびさらにはステアリン酸カルシウムと、金属C16脂肪酸、およびさらにはカルシウムC16脂肪酸とを含む、実施形態1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【0124】
8.コーティングされたポリマー粒子中のポリシロキサン対金属酸の重量比が、0.10~10.0、または0.20~10.0、または0.30~10.0、または0.35~9.0、または0.40~8.0、または0.45~7.0、または0.50~6.0、または0.55~6.0である、実施形態1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【0125】
9.コーティングされたポリマー粒子中のポリシロキサン対金属酸の重量比が、0.10~10.0であり、ポリシロキサンが、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm以上の量で存在する、実施形態1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【0126】
10.金属酸が、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~5000ppmの量で存在する、実施形態1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【0127】
11.金属酸が、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、2ppm~5000ppm、または2ppm~4000ppm、または2ppm~3000ppm、または2ppm~2000ppm、または2ppm~1000ppm、または2ppm~950ppm、または2ppm~900ppm、または2ppm~850ppm、または2ppm~800ppmの量で存在する、実施形態1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【0128】
12.ポリシロキサンが、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~500ppm、または20ppm~300ppm、または30ppm~300ppm、または40ppm~300ppm、または50ppm~300ppmの量で存在する、実施形態1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【0129】
13.金属酸が、ステアリン酸カルシウムである、実施形態1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【0130】
14.金属酸が、ステアリン酸カルシウム(C18)とパルミチン酸カルシウム(C16)との混合物である、実施形態1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【0131】
15.ポリシロキサンが、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である、実施形態1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【0132】
16.分散液/エマルジョン混合物が、ペレット化水に添加され、ポリマー粒子が、ペレット化水に添加される、実施形態1、2、または5~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【0133】
17.水性金属酸分散液または水性ポリシロキサンエマルジョンが、ペレット化水に添加され、ポリマー粒子が、ペレット化水に添加される、実施形態2または5~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【0134】
18.水性ポリシロキサンエマルジョンまたは水性金属酸分散液が、ペレット化水に添加され、
ポリマー粒子が、ペレット化水に添加される、実施形態3または5~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【0135】
19.コーティング組成物が、架橋されていない、実施形態1~18のいずれか一項に記載のプロセス。
【0136】
20.ポリマー粒子が、ペレットの形態である、実施形態1~19のいずれか一項に記載のプロセス。
【0137】
21.コーティングが、各々コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下のアミド含有化合物またはアミド含有ポリマーを含む、実施形態1~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【0138】
22.ポリマー組成物が、各々ポリマー組成物の重量に基づいて、0.10重量%以下のアミド含有化合物またはアミド含有ポリマーを含む、実施形態1~21のいずれか一項に記載のプロセス。
【0139】
23.コーティングが、コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下のワックスを含む、実施形態1~22のいずれか一項に記載のプロセス。
【0140】
24.ポリマー組成物が、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.10重量%以下のワックスを含む、実施形態1~23のいずれか一項に記載のプロセス。
【0141】
25.オレフィン系ポリマーが、エチレン系ポリマーまたはプロピレン系ポリマーである、実施形態1~24のいずれか一項に記載のプロセス。
【0142】
26.オレフィン系ポリマーが、エチレン系ポリマーである、実施形態25に記載のプロセス。
【0143】
27.エチレン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、およびさらにはエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーである、実施形態26に記載のプロセス。
【0144】
28.オレフィン系ポリマーが、プロピレン系ポリマーである、実施形態25に記載のプロセス。
【0145】
29.プロピレン系ポリマーが、プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、およびさらにはプロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー、またはプロピレン/エチレンインターポリマー、およびさらにはプロピレン/エチレンコポリマーである、実施形態28に記載のプロセス。
【0146】
30.オレフィン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィン/ターポリマー、およびさらにはEPDMである、実施形態1~24のいずれか一項に記載のプロセス。
【0147】
31.オレフィン系ポリマーが、0.850~0.940g/ccの密度を有する、実施形態1~30のいずれか一項に記載のプロセス。
【0148】
32.オレフィン系ポリマーが、0.850~0.880g/ccの密度を有する、実施形態1~31のいずれか一項に記載のプロセス。
【0149】
33.オレフィン系ポリマーが、10~100のムーニー粘度(ML1+4、125℃)を有する、実施形態1~32のいずれか一項に記載のプロセス。
【0150】
34.オレフィン系ポリマーが、50%以下、または40%以下、または30%以下、または20%以下、または10%以下、または5.0%以下の結晶化度パーセントを有する、実施形態1~33のいずれか一項に記載のプロセス。
【0151】
35.オレフィン系ポリマーが、2.0~5.0の分子量分布(MWD)を有する、実施形態1~34のいずれか一項に記載のプロセス。
【0152】
36.ポリマー組成物が、ポリマー組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上のオレフィン系ポリマーを含む、実施形態1~35のいずれか一項に記載のプロセス。
【0153】
37.実施形態1~36のいずれか一項に記載のプロセスから形成される、コーティングされたポリマー粒子。
【0154】
38.実施形態37に記載のコーティングされたポリマー粒子と、少なくとも1つの添加剤とを含む、組成物。
【0155】
39.実施形態38に記載の組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む、物品。
【0156】
40.オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、乾燥コーティングされたポリマー粒子を含む、組成物であって、
金属酸が、乾燥コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、ゼロ超~5000ppmの量で存在し、
ポリシロキサンが、乾燥コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、ゼロ超~500ppmの量で存在する、組成物。
【0157】
41.乾燥コーティングされたポリマー粒子上のポリシロキサン対金属酸の重量比が、0.10~10.0、または0.20~10.0、または0.30~10.0、または0.35~9.0、または0.40~8.0、または0.45~7.0、または0.50~6.0、または0.55~6.0である、実施形態40に記載の組成物。
【0158】
42.金属酸が、乾燥コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、2ppm~5000ppm、または2ppm~4000ppm、または2ppm~3000ppm、または2ppm~2000ppm、または2ppm~1000ppm、または2ppm~950ppm、または2ppm~900ppm、または2ppm~850ppm、または2ppm~800ppmの量で存在する、実施形態40または41に記載の組成物。
【0159】
43.ポリシロキサンが、乾燥コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~500ppm、または20ppm~300ppm、または30ppm~300ppm、または40ppm~300ppm、または50ppm~300ppmの量で存在する、実施形態40~42のいずれか一項に記載の組成物。
【0160】
44.金属酸が、ステアリン酸カルシウムを含む、実施形態40~43のいずれか一項に記載の組成物。
【0161】
45.金属酸が、ステアリン酸カルシウム(C18)とパルミチン酸カルシウム(C16)との混合物である、実施形態40~44のいずれか一項に記載の組成物。
【0162】
46.ポリシロキサンが、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である、実施形態40~45のいずれか一項に記載の組成物。
【0163】
47.コーティングが、架橋されていない、実施形態40~46のいずれか一項に記載の組成物。
【0164】
48.ポリマー粒子が、ペレットの形態である、実施形態40~47のいずれか一項に記載の組成物。
【0165】
49.コーティングが、各々コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下のアミド含有化合物またはアミド含有ポリマーを含む、実施形態40~48のいずれか一項に記載の組成物。
【0166】
50.コーティングが、コーティングの重量に基づいて、0.10重量%以下のワックスを含む、実施形態40~49のいずれか一項に記載の組成物。
【0167】
51.オレフィン系ポリマーが、エチレン系ポリマーまたはプロピレン系ポリマーである、実施形態40~50のいずれか一項に記載の組成物。
【0168】
52.オレフィン系ポリマーが、エチレン系ポリマーである、実施形態51に記載の組成物。
【0169】
53.エチレン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、およびさらにはエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーである、実施形態52に記載の組成物。
【0170】
54.オレフィン系ポリマーが、プロピレン系ポリマーである、実施形態51に記載の組成物。
【0171】
55.プロピレン系ポリマーが、プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、およびさらにはプロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー、またはプロピレン/エチレンインターポリマー、およびさらにはプロピレン/エチレンコポリマーである、実施形態54に記載の組成物。
【0172】
56.オレフィン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィン/ターポリマー、およびさらにはEPDMである、実施形態40~50のいずれか一項に記載の組成物。
【0173】
57.オレフィン系ポリマーが、0.850~0.940g/cc、または0.850~0.900g/cc、または0.850~0.880g/ccの密度を有する、実施形態40~56のいずれか一項に記載の組成物。
【0174】
58.オレフィン系ポリマーが、10~100のムーニー粘度(ML1+4、125℃)を有する、実施形態40~57のいずれか一項に記載の組成物。
【0175】
59.ポリマー組成物が、ポリマー組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上のオレフィン系ポリマーを含む、実施形態40~58のいずれか一項に記載の組成物。
【0176】
60.組成物が、組成物の重量に基づいて、95重量%、または98重量%、または99重量%超のポリマー粒子を含む、
実施形態40~59のいずれか一項に記載の組成物。
【0177】
61.実施形態40~60のいずれか一項に記載の組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む、物品。
【0178】
試験方法
密度を、EPDMおよび同様のターポリマーを除いて、ASTM D792に従って測定し、次に密度を、ASTM D297に従って測定する。
【0179】
エチレン系ポリマーのメルトインデックス(I)を、ASTM D-1238に従って、2.16kgの荷重下、190℃で測定する。メルトインデックス(I)を、ASTM D-1238に従って、5kgの荷重下、190℃で測定する。メルトインデックス(I10)を、ASTM D-1238に従って、10kgの荷重下、190℃で測定する。メルトインデックス(I21)を、ASTM D-1238に従って、21.6kgの荷重下、190℃で測定する。プロピレン系ポリマーのメルトフローレート(MFR)を、ASTM D-1238、条件230℃/2.16kgに従って測定する。
【0180】
ムーニー粘度
ムーニー粘度(125℃でML1+4)を、1分間の予熱時間および4分間のロータ動作時間で、ASTM 1646に従って測定した。機器は、Alpha Technologies Mooney Viscometer 2000である。
【0181】
GPC分子量および分子量分布
分子量は、140℃のシステム温度で動作する3個の混合多孔度カラム(Polymer Laboratories 103、104、105、および106)を備えたWaters150℃高温クロマトグラフィーユニットで、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して決定される。溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼンであり、それから試料の約0.3重量%溶液が注入のために調製される。流量は、1.0mL/分であり、注入サイズは、100マイクロリットルである。狭い分子量分布のポリスチレン標準(Polymer Laboratories)をそれらの溶出体積と組み合わせて使用することによって、分子量決定を推定する。同等のポリエチレン分子量は、(T.Williams&I.M.Ward,The Construction of a Polyethylene Calibration Curve for Gel Permeation Chromatography Using Polystyrene Fractions,6J.Polymer Sci.Pt.B:Polymer Letter621,621-624(1968)によって記載される)ポリエチレンおよびポリスチレンのための適切なマルク-ホウインク係数を使用して、以下の等式:Mポリエチレン=α×(Mポリスチレンを導くことによって決定される。この方程式では、a=0.4316およびb=1.0である。
【0182】
ポリマーの数平均分子量であるMは、分子量に対する各分子量範囲内の分子数のプロットの相加平均として表される。実際には、これは、全ての分子の総分子量を分子数で除算したものであり、以下の式に従って通常の方法で計算される。
【数1】

式中、
=分子量Mを有する分子数
=分子量Mを有する材料の重量分率
およびΣn=分子の総数
【0183】
重量平均分子量であるMは、以下の式:M=Σwx Mに従って通常の方法で計算され、式中、wおよびMは、それぞれ、GPCカラムから溶出するi番目の画分の重量分率および分子量である。これら2つの平均の比である分子量分布(MWDまたはM/M)は、分子量分布の幅を定義する。
【0184】
DSC法
示差走査熱量測定(DSC)は、エチレン系ポリマー(PE、またはOBC)試料およびプロピレン系ポリマー(PP)試料の結晶化度を測定するために使用される。約5~8ミリグラムの試料を量り取り、DSC皿に配置する。密閉された雰囲気を確保するために皿に蓋を圧着する。試料皿をDSCセル内に配置し、次に約10℃/分の速度で、エチレン系ポリマー試料については180℃(プロピレン系ポリマー試料については230℃)の温度まで加熱する。試料をこの温度で3分間保持する。次に、試料を10℃/分の速度で、エチレン系ポリマー試料については-60℃(プロピレン系ポリマー試料については-40℃)まで冷却し、その温度で3分間等温に保持する。次に、試料を、完全に溶融するまで10℃/分の速度で加熱する(第2の加熱)。第2の熱曲線から決定した融解熱(H)を、エチレン系ポリマー試料について292J/gの理論融解熱(プロピレン系ポリマー試料については165J/g)で除算し、この量に100を乗算することによって、結晶化度パーセントを計算する(例えば、エチレン系ポリマー試料については、結晶化度%=(H/292J/g)×100、プロピレン系ポリマー試料については、結晶化度%=(H/165J/g)×100)。
【0185】
特に明記しない限り、各ポリマーの融点(複数可)(T)は、上記のように、DSCから得られた第2の熱曲線(ピークT)から決定される。結晶化温度(T)は、第1の冷却曲線(ピークT)から決定される。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
前記水性金属酸分散液および前記水性ポリシロキサンエマルジョンを一緒に混合して、分散液/エマルジョン混合物を形成することと、
前記分散液/エマルジョン混合物をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、ウェットコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
前記ウェットコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、前記コーティングされたポリマー粒子を形成することと、を含む、プロセス。
項2.
オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
A)前記水性ポリシロキサンエマルジョンをポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
B)前記水性金属酸分散液を前記エマルジョンコーティングされたポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、分散液-エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を形成することと、
C)前記分散液-エマルジョンコーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、前記コーティングされたポリマー粒子を形成することと、を含み、
任意で、ステップAの前記エマルジョンコーティングされたポリマー粒子が、ステップBの前に乾燥される、プロセス。
項3.
オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されるポリマー粒子、および水性金属酸分散液を含むコーティング組成物から形成されるコーティング、および水性ポリシロキサンエマルジョンを含む、コーティングされたポリマー粒子を形成するためのプロセスであって、以下、
A)前記水性金属酸分散液をポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、分散液コーティングされたポリマー粒子を形成することと、
B)前記水性ポリシロキサンエマルジョンを前記分散液コーティングされたポリマー粒子の表面の一部分に塗布して、エマルジョン-分散液コーティングされたポリマー粒子を形成することと、
C)前記エマルジョン-分散液コーティングされたポリマー粒子を乾燥させて、前記コーティングされたポリマー粒子を形成することと、を含み、
任意で、ステップAの前記分散液コーティングされたポリマー粒子が、ステップBの前に乾燥される、プロセス。
項4.
前記金属酸が、金属ステアリン酸塩を含む、項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
項5.
前記コーティングされたポリマー粒子中の前記ポリシロキサン対前記金属酸の重量比が、0.10~10.0である、項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
項6.
前記金属酸が、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、2ppm~5000ppmの量で存在する、項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
項7.
前記ポリシロキサンが、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~500ppmの量で存在する、項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
項8.
前記金属酸が、ステアリン酸カルシウム(C18)とパルミチン酸カルシウム(C16)との混合物である、項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
項9.
前記ポリシロキサンが、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である、項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
項10.
前記オレフィン系ポリマーが、エチレン系ポリマーまたはプロピレン系ポリマーである、項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
項11.
前記エチレン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーであり、前記プロピレン系ポリマーが、プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマーである、項10に記載のプロセス。
項12.
前記オレフィン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィン/ターポリマーである、項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
項13.
項1~12のいずれか一項に記載のプロセスから形成される、コーティングされたポリマー粒子。
項14.
項13に記載のコーティングされたポリマー粒子と、少なくとも1つの添加剤と、を含む、組成物。
項15.
項14に記載の組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む、物品。
【0186】
以下の実施例は、本発明を例証するが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例
【0187】
I.材料
ポリマー:NORDEL3640 EPDM、MV(ML1+4、125℃)=40、55重量%のC2、1.8重量%のENB、密度=0.86g/cc、The Dow ChemicalCompanyから入手可能。
【0188】
ポリマー:NORDEL4640 EPDM、MV(ML1+4、125℃)=40、55重量%のC2、4.9重量%のENB、密度=0.86g/cc、The Dow ChemicalCompanyから入手可能。
【0189】
ポリマー:NORDEL3745 EPDM、MV(ML1+4、125℃)=45、70重量%のC2、0.5重量%のENB、密度=0.88g/cc、The Dow ChemicalCompanyから入手可能。
【0190】
ポリマー:NORDEL4770 EPDM、MV(ML1+4、125℃)=70、55重量%のC2、4.9重量%のENB、密度=0.88g/cc、The Dow ChemicalCompanyから入手可能。
【0191】
ポリマー:NORDEL4520 EPDM、MV(ML1+4、125℃)=20、50重量%のC2、4.9重量%のENB、密度=0.86g/cc、The Dow ChemicalCompanyから入手可能。
【0192】
水性カルシウム酸分散液:OMNOVAから入手可能なSUNKOTE 452 BF。
【0193】
水性カルシウム酸(C16およびC18脂肪酸)分散液:GOVIから入手可能なCHRISCOAT50EF-SD628)。
【0194】
水性カルシウム酸分散液:Valtris Specialties Chemicalsのステアリン酸カルシウム分散液SYNPRO CW-1250。
【0195】
水性PDMSエマルジョン:Dow Corning(またはDow Performance Silicones)から入手可能なXIAMETER MEM-0024エマルジョン。
【0196】
Specialty Mineralsから入手可能なタルクMP 10-52。
【0197】
Clariantから入手可能なCOATHYLENE HA 2454。
【0198】
II.コーティング組成物(分散液とエマルジョンとの混合物)
水性PDMSエマルジョンおよび水性金属酸分散液を撹拌容器内で混合し、水でさらに希釈して、塗布を容易にするために粘度を低減した。2つの構成要素(エマルジョンおよび分散液)の比は、乾燥ベースでのペレット上のPDMSおよび金属酸の目標濃度によって決定される。乾燥プロセス中に、過剰な水をペレットの表面から除去する。混合プロセス中に、混合物のpHを制御して、ペーストまたは塊の形成をもたらし得るステアリン酸カルシウム分散液の不安定性を防ぐ必要がある。
【0199】
分散液およびそれに続く混合物の希釈は、ペースト、凝集塊、および凝集物の形成を引き起こし得る懸濁液の不安定性をもたらす可能性がある。これは、過剰な界面活性剤で配合物を変更することによって、または希釈した混合物の貯蔵寿命を低減することによって、または混合物を一定の撹拌状態に保持することによって軽減することができる。2つの構成要素(エマルジョンおよび分散液)が独立して、塗布(例えば、噴霧)の直前に塗布、混合、または希釈されることが、有益である。
【0200】
ケース1A
分散液/エマルジョン混合物の2つの構成要素(PDMSエマルジョンおよび金属酸分散液)の好ましい混合比は、次のように決定される。ストック混合物を、0.3、0.4、0.6、および0.8の水性PDMSエマルジョン対水性金属酸分散液の所定の混合比で調製した。例えば、0.4の水性PDMSエマルジョン対水性金属酸分散液の混合比について、1リットルのジャーに356グラムのCHRISCOAT 50EF-SD628および144グラムのXIAMETER MEM-0024を添加し、続いて瓶を少なくとも15秒間振とうすることによって、500mLのストック混合物を調製した。0.3、0.6、および0.8の水性PDMSエマルジョン対水性金属酸分散液の混合比のストック混合物を、同様の方法で調製した。
【0201】
調製したストック混合物を使用して、数個の100mLの試料ジャーを充填し、次に保管中に中断することなく、3つの異なる温度で保管した。次に、試料ジャーを、沈降について次のように異なる時間間隔で観察した。各試料ジャーを、逆さまにした。ジャーの底が透明である(沈降物がない)場合、混合物は安定していると見なした。ジャーの底に沈降物があった場合、混合物は不安定であると見なした。この研究の結果を表1Aに提供する。
【表1】
【0202】
III.ポリマーペレットのコーティング
ペレットに塗布されたコーティング組成物の量。ペレットの量を決定する。コーティングされたペレットを、以下のステップを使用して調製する。
a.水性配合物または構成要素の塗布
b.乾燥
c.冷却(任意)
【0203】
目標コーティングレベルを達成するために必要なPDMSエマルジョンおよびカルシウム酸分散液の量は、次のように決定することができる。
コーティングされるペレットの量、kg=W;カルシウム酸分散液中の固体濃度、%=C
エマルジョン中のPDMS濃度、%=P;乾燥ベースでのペレット表面上のPDMSの目標濃度、ppm=p;乾燥ベースでのペレット表面上のCa酸の目標濃度、ppm=c。
=必要なCa酸分散液の量、kg=(c.W)/C×10-4
=必要なPDMSエマルジョンの量、kg=(p.W)/P×10-4
【0204】
乾燥ステップ中に水分を除去する。
逆に、ペレット上のコーティングレベル(乾燥ベース)は、ペレットに塗布された分散液およびエマルジョンの量から計算することができる。c=CW/W×10およびp=PW/W×10
【0205】
IV.取り扱い性能およびブロッキング試験の改善
取り扱い性能の改善の測定。コーティングされたポリマー粒子の取り扱い性能の改善を、製造プロセス中、ならびにその後、コーティングされた粒子を最終消費までの出荷および保管中の温度および応力の外的要因に供した後に観察した。製造プロセス中の取り扱い性能の改善は、以下、短期間ブロッキング試験(STBT)およびホッパーシミュレーションブロッキング試験(HSBT)によって測定することができる。
【0206】
短期間ブロッキング試験(STBT):
十分な量のコーティングされたペレット(本発明の組成物または比較組成物)を、2.5の高さ対直径の比で、高さ対直径の比が2.5の直径2インチ(ID)のシリンダーに充填し、コーティングされたペレットのレベルがと同じ高さになるようにした(典型的には100~120グラムのコーティングされたペレット)。シリンダーは、ホースクランプによって垂直方向に固定された2つの半分で構成されていた。ペレットを、21℃で80ポンド/フィートの圧密応力に供した。ペレットを、生成物のグレードに応じて、この圧密応力下で5または10分間維持した。圧密負荷を除去した。シリンダーを、INSTRONの試験機のプラットフォームに配置した。ホースクランプを取り外した後、分割シリンダーの2つの半分を分離した。圧密した試料のペレットが完全に自由流動性である場合、ペレットは、シリンダーの形態を保持せず、単純に集まって山となる。圧密したペレットの塊がシリンダーの形を保持している場合、INSTRONマシンを使用して、シリンダーを押しつぶすのに必要な最大力を測定した。INSTRON 5543フレームを使用して圧密ペレットを粉砕し、圧密ペレットの「シリンダー形状」を破壊するのに必要な最大力を測定した。圧密したペレットは、INSTRONの垂直方向に配置された-長い寸法が垂直方向である。この試験では、18mm/分の一定歪み速度を使用した。データの一貫性を確保するために、各組成物(コーティングされたペレット)を2回測定し、平均を報告した。
【0207】
非拘束降伏強度(UYS)は、次のように計算された。
UYS=ピーク力/シリンダーの断面積。UYSはブロック力の指標である(非拘束降伏強度が大きいほど、ブロック力が大きくなる)。ゼロの値は、自由流動性のペレットに対応する。10ポンド/フィート未満の非拘束降伏強度値は、本質的に自由流動性であると見なすことができる。
【0208】
ホッパーシミュレーションブロッキングテスター法:
ホッパーシミュレーションブロッキングテスター(HSBT)は、底部に取り付けられたシリンダー形のセクション(直径12インチ、高さ24インチ)および円錐形のセクションを有する容器からなった。円錐は、滑らかな高密度ポリエチレン(HDPE)で構成されており、出口サイズは9インチ、(水平からの)円錐角度は80度で、質量流量パターンを確実にした。コーティングされたペレット(25kg)を、排出口を閉じた状態でテスターに充填した。ペレットを、所定の時間(30秒間~10分間)圧密させた。ペレットが順調かつ完全に排出される最大時間量は、ペレットの流動性を示す。より短い圧密時間で排出(ブロック)することができないコーティングされたペレットは、ホッパーから自由流動で流動するものよりも劣った取り扱い特性を有すると見なす。同様に、完全な排出に必要な時間もまた、ペレットの流動性の定量的測定値を提供する。
【0209】
長期間ブロッキング試験(LTBT):
半結晶性ポリマーペレット(または顆粒)は、一般的に、袋、箱、スーパーサック、またはバルクコンテナ内に包装される。これらの出荷様式(包装)の各々で、ペレットは、出荷および保管中に温度および応力条件の履歴に供される。
長期間ブロッキング試験(LTBT)は、出荷および保管中に生成物が経験する最悪のケースの時間、温度、および応力条件を真似るために考案された。
【0210】
十分な量のコーティングされたペレット(本発明の組成物または比較組成物)を、2.5の高さ対直径の比で、高さ対直径の比が2.5の直径2インチ(ID)のシリンダーに充填し、コーティングされたペレットのレベルがと同じ高さになるようにした(典型的には100~120グラムのコーティングされたペレット)。シリンダーは、ホースクランプによって垂直方向に固定された2つの半分で構成されていた。ペレットを、37℃で(典型的な袋のパレットの底部の応力と同等の)195ポンド/フィートの圧密応力に供した。ペレットを、この圧密応力下に少なくとも4週間維持した。この圧密は、「夏」条件でパレットの下部にあるペレットが経験する条件を真似る。各コーティングされた配合物について、少なくとも4つのそのようなシリンダーをセットアップする。
【0211】
該時間の後、圧密負荷を除去する。2つのセルを摂氏21度のオーブンに移動させた一方で、残りの2つのセルを摂氏0度の冷凍庫に配置し、12時間平衡化させる。これは、パレットの荷降ろし中の「冬」条件に対応する。そのような温度履歴に供したポリマーペレットは、最高のブロッキング挙動を示すことが知られている。その後、シリンダーの各々を、INSTRONの試験機のプラットフォームに配置した。ホースクランプを取り外した後、分割シリンダーの2つの半分を分離した。圧密した試料のペレットが完全に自由流動性である場合、ペレットは、シリンダーの形態を保持せず、単純に集まって山となる。圧密したペレットの塊がシリンダーの形を保持している場合、INSTRONマシンを使用して、シリンダーを押しつぶすのに必要な最大力を測定した。INSTRON 5543フレームを使用して圧密ペレットを粉砕し、圧密ペレットの「シリンダー形状」を破壊するのに必要な最大力を測定した。圧密したペレットは、INSTRONの垂直方向に配置された-長い寸法が垂直方向である。この試験では、2mm/分の一定歪み速度を使用した。データの一貫性を確保するために、各組成物(コーティングされたペレット)を2回測定し、平均を報告した。非拘束降伏強度(UYS)は、次のように計算された。UYS=ピーク力/シリンダーの断面積。UYSはブロック力の指標である(非拘束降伏強度が大きいほど、ブロック力が大きくなる)。ゼロの値は、自由流動性のペレットに対応する。
【0212】
研究1:PDMSエマルジョンと金属酸分散液との混合物の塗布
ケース1
コーティングされていないペレット(25kg)を、スピン乾燥機の出口から直接サンプリングし、コーティングドラム内でタンブリングした。PDMSエマルジョンおよびCa酸分散混合物からなるコーティング配合物を、タンブリングペレットに直接噴霧した。ペレットをさらに2分間混合してから、排出した。コーティングされたペレットを、ホッパーシミュレーションブロッキングテスター(HSBT)を使用して、取り扱い特性について直ちに試験した-表1。次に、ウェットコーティングされた生成物(ペレット)の試料を、(STBT)を使用してブロッキング強度について試験し、室温で乾燥させた後に再試験した。表2を参照されたい。
【表2】
【表3】
【0213】
ケース2
ペレットの移動層上で、ポリマーペレットに、PDMSエマルジョンとCa酸分散液との混合物を噴霧した。湿ったペレットを、コンベヤーおよびそれに続く乾燥機のタンブリング作用によって混合した。乾燥コーティングされた生成物を、乾燥機の下流でサンプリングし、HSBTアプローチを使用して、改善された流動性について試験した。表3を参照のこと。
【表4】
【0214】
ケース3
コーティングされていないペレット(25kg)を、スピン乾燥機の出口から直接サンプリングし、コーティングドラム内でタンブリングした。PDMSエマルジョンおよびCa酸分散混合物からなるコーティング配合物を、タンブリングペレットに直接噴霧した。ペレットをさらに2分間混合してから、排出した。コーティングされたペレットを、ホッパーシミュレーションブロッキングテスター(HSBT)を使用して、取り扱い特性について直ちに試験した-表4。次に、ウェットコーティングされた生成物(ペレット)の試料を、(STBT)を使用してブロッキング強度について試験し、室温で乾燥させた後に再試験した。
【表5】
【0215】
研究2:PDMSエマルジョンで事前コーティングされたペレットに対するCa酸分散液またはPDMSエマルジョン+Ca酸分散液の混合物
ケース1
ペレットの移動層上で、ポリマーペレットに、PDMSエマルジョンを噴霧した。湿ったペレットを、コンベヤーおよびそれに続く乾燥機のタンブリング作用によって混合した。PDMSでコーティングされたペレットを、乾燥機の出口でサンプリングし、タンブリング混合機に充填した。Ca酸分散液を含むコーティング配合物を、タンブリングペレットに直接噴霧した。ペレットをさらに2分間混合してから、排出した。コーティングされたペレットを、ホッパーシミュレーションブロッキングテスター(HSBT)を使用して、取り扱い特性について直ちに試験した。結果を表5に要約する。
【0216】
ケース2
ペレットの移動層上で、ポリマーペレット(NORDEL3640)に、PDMSエマルジョンを噴霧した。湿ったペレットを、コンベヤーおよびそれに続く乾燥機のタンブリング作用によって混合した。PDMSでコーティングされたペレットを、乾燥機の出口でサンプリングし、タンブリング混合機に充填した。Ca酸分散液、またはPDMSエマルジョンとCa酸分散液との混合物を含むコーティング配合物を、タンブリングペレットに直接噴霧した。ペレットをさらに2分間混合してから、排出した。コーティングされたペレットを、短期間ブロッキング試験(STBT)を使用して、取り扱い特性について直ちに試験した。結果を表6に要約する。
【表6】
【表7】
【0217】
ケース3
ペレットの移動層上で、ポリマーペレット(NORDEL4640)に、PDMSエマルジョンを噴霧した。湿ったペレットを、コンベヤーおよびそれに続く乾燥機のタンブリング作用によって混合した。PDMSでコーティングされたペレットを、乾燥機の出口でサンプリングし、タンブリング混合機に充填した。Ca酸分散液、またはPDMSエマルジョンとCa酸分散液との混合物を含むコーティング配合物を、タンブリングペレットに直接噴霧した。ペレットをさらに2分間混合してから、排出した。コーティングされたペレットを、短期間ブロッキング試験(STBT)を使用して、取り扱い特性について直ちに試験した。結果を表7に要約する。
【0218】
ケース4
ペレットの移動層上で、ポリマーペレット(NORDEL3640)に、PDMSエマルジョンを噴霧した。湿ったペレットを、コンベヤーおよびそれに続く乾燥機のタンブリング作用によって混合した。PDMSでコーティングされたペレットを、乾燥機の出口でサンプリングし、タンブリング混合機に充填した。Ca酸分散液を含むコーティング配合物を、タンブリングペレットに直接噴霧した。ペレットをさらに2分間混合してから、サンプリングした。追加量の分散液を添加し、続いて混合およびサンプリングを行った。コーティングされたペレットを、徐々に増加するコーティングレベルで、短期間ブロッキング試験(STBT)を使用して試験した。結果を表8に要約する。
【表8】
【表9】
【0219】
研究3:構成要素の順次追加対2つの構成要素の混合物の比較
コーティングされていないペレット(25kg)を、スピン乾燥機の出口から直接サンプリングし、コーティングドラム内でタンブリングした。ペレットの各バッチ(25kg)を、以下のいずれか1つでコーティングした。
1.カルシウム酸分散液のみ。
2.Ca酸分散液とPDMSエマルジョンとの混合物。
3.最初にPDMSエマルジョンを噴霧し、ペレットを2分間混合し、次にCa酸分散液を噴霧し、2分間混合した。
4.最初にCa酸分散液を噴霧し、ペレットを2分間混合し、次にPDMSエマルジョンを噴霧し、2分間混合した。
【0220】
コーティングされたペレットを、ホッパーシミュレーションブロッキングテスター(HSBT)を使用して、取り扱い特性について直ちに試験した-表9。PDMSエマルジョンおよびCa酸分散液の組み合わせは、Ca酸分散液のみよりも性能が優れていることが見出された。混合物および順次添加アプローチ(3および4)のブロッキング性能は、同等であった。しかしながら、排出までの時間の測定基準から、順位付けは以下のとおりであった:混合物(最良)>最初にPDMS/2番目にCa酸>最初にCa酸/2番目にPDMS。
【表10】
【0221】
研究4:半結晶性EPDMの長期間ブロッキング性能の改善
半結晶性ポリマーグレードは、典型的には、輸送および保管中の応力および温度条件に供されたときにペレットの自由流動性を保持するように、ブロッキング防止剤でコーティングされている。タンブラー内でPDMSエマルジョンとCa酸分散液との混合物を噴霧し、温風を使用して過剰な水分を除去することによって、半結晶性グレードのコーティングされていない乾燥ペレットに混合物を噴霧した。既に説明した長期間ブロッキング試験(LTBT)を使用して、乾燥コーティングされたペレットを、長期間ブロッキング性能について試験した。結果を表10に要約する。
【表11】
上記の研究に見られるように、本発明のプロセスを使用して、圧密および保管時に自由流動性のままである自由流動性のコーティングされたペレットを形成することができる。
【0222】
研究5:半結晶性プロピレン-エチレンコポリマーの長期間ブロッキング性能の改善
以下の実施例は、前述の長期間ブロック試験(LTBT)に従った、プロピレン-エチレンコポリマー(VERSIFY)の長期間ブロック性能の改善を示す。具体的には、VERSIFY3418(密度=0.8600)のペレットを、参照比較として0.1重量%、0.2重量%、および0.3重量%のCoathylene HA2454でコーティングした。本発明の試料を、CaSt分散液とPDMSエマルジョンとの混合物でコーティングし、続いて摂氏40度で乾燥させて、遊離水分を除去した。ペレットを、前述の長期ブロッキング試験(LTBT)を使用して、コーティングのブロッキング防止有効性について試験した。結果を表11に要約する。
【表12】
図1
図2
図3
図4
図5