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特許7509733コインランドリー機器およびコインランドリー機器の表示制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】コインランドリー機器およびコインランドリー機器の表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 34/28 20200101AFI20240625BHJP
   D06F 95/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
D06F34/28
D06F95/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021171769
(22)【出願日】2021-10-20
(62)【分割の表示】P 2020182075の分割
【原出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022027754
(43)【公開日】2022-02-14
【審査請求日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】P 2020130144
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 利隆
(72)【発明者】
【氏名】鍵山 達也
(72)【発明者】
【氏名】森田 祐規子
(72)【発明者】
【氏名】野村 雅和
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 祐太
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-282732(JP,A)
【文献】特開平05-042293(JP,A)
【文献】特開2015-083061(JP,A)
【文献】特開2020-103871(JP,A)
【文献】特開2011-067310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 34/28
D06F 95/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に洗濯を行う第1のコースと、
対象物に洗濯及び乾燥を行う第2のコースと、
対象物に乾燥を行う第3のコースと、
の中から、設定された複数のコースの各コースボタンの表示制御を行う制御手段を備え、
前記制御手段は、前記複数のコースの各コースボタンが見える表示状態で、前記複数のコースのコースボタンの一つが選択された時、当該選択されたコースボタンの表示を維持し、選択されない他のコースボタンを消灯又は照度ダウンして、視覚的に判別できるように表示制御することを特徴とするコインランドリー機器。
【請求項2】
前記各コースボタンは点灯、および消灯又は照度ダウンされるライトを有し、
前記制御手段は、前記コースボタンの一つが選択された時、前記選択されたコースボタンの前記ライトは点灯を維持し、前記選択されない他のコースボタンの前記ライトは消灯又は照度ダウンすることを特徴とする請求項に記載のコインランドリー機器。
【請求項3】
前記各コースボタンは点灯、点滅、および消灯又は照度ダウンされるライトを有し、
前記制御手段は、前記コースボタンの一つが選択された時、前記選択されたコースボタンの前記ライトを点滅表示することを特徴とする請求項1に記載のコインランドリー機器。
【請求項4】
利用者が店舗に存在することを検知する検知手段を備え、
前記制御手段は、待機中では前記複数のコースの各コースボタンの前記ライトを消灯し、前記検知手段により利用者を検知した時、前記コースボタンの前記ライトを点灯して、利用者に前記各コースボタンを見える状態で表示することを特徴とする請求項に記載のコインランドリー機器。
【請求項5】
対象物に洗濯を行う第1のコースと
対象物に洗濯及び乾燥を行う第2のコースと、
対象物に乾燥を行う第3のコースと、
の中から、設定された複数のコースの各コースボタンの表示制御を行うランドリー機器の表示制御方法であって、
利用者が店舗に存在することを検知する検知手段により前記利用者を検知した時、前記利用者の存在を検知する前は消えていた前記複数のコースの各コースボタンを見える状態で表示する第1表示ステップと、
前記複数のコースのコースボタンの一つが選択された時、当該選択されたコースボタンの表示を維持し、選択されない他のコースボタンを消灯又は照度ダウンして、視覚的に判別できるように表示する第2表示ステップと、
を有することを特徴とするコインランドリー機器の表示制御方法。
【請求項6】
前記各コースボタンは点灯、および消灯又は照度ダウンされるライトを有し、
前記第2表示ステップは、前記選択されたコースボタンの前記ライトは点灯を維持し、前記選択されない他のコースボタンの前記ライトは消灯又は照度ダウンすることである請求項に記載のコインランドリー機器の表示制御方法。
【請求項7】
前記各コースボタンは点灯、点滅、および消灯されるライトを有し、
前記第2表示ステップは、前記複数のコースのコースボタンの一つが選択された時、前記選択されたコースボタンの前記ライトを点滅表示することである請求項に記載のコインランドリー機器の表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類や布団などの洗濯物を洗濯及び/又は乾燥するコインランドリー機器およびコインランドリー機器の表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のランドリー機器は、コインランドリー等の店舗に数十台設置されて利用者に提供されている。利用者は、衣類や布団などの洗濯物を持参し、利用料金を支払って洗濯を行う。コインランドリーは、一般的に無人営業であるため、精算を自動化する精算システムが導入されている。利用者は、各ランドリー機器ごとに設けられている精算機、または各ランドリー機器の清算を集中的に行う集中清算機に現金を投入して、セルフ方式でランドリー機器を利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-57300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明が解決しようとする課題は、利用者に対し分かり易く、且つ操作性の良いコインランドリー機器およびコインランドリー機器の表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のコインランドリー機器は、対象物に洗濯を行う第1のコースと、対象物に洗濯及び乾燥を行う第2のコースと、対象物に乾燥を行う第3のコースと、の中から、設定された複数のコースの各コースボタンの表示制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記複数のコースの各コースボタンが見える表示状態で、前記複数のコースのコースボタンの一つが選択された時、当該選択されたコースボタンの表示を維持し、選択されない他のコースボタンを消灯又は照度ダウンして、視覚的に判別できるように表示制御することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る洗濯乾燥機を示す正面図である。
図2】実施形態に係る洗濯乾燥機を示す背面図である。
図3】実施形態に係る洗濯乾燥機を示す斜視図である。
図4】実施形態に係る洗濯乾燥機の開閉扉の開閉角度を説明するための図である。
図5】ハンドルを示す正面図である。
図6】ハンドルを示す平面図である。
図7図5に示されるB方向から見たハンドルを示す側面図である。
図8】変形例に係るハンドルを示す平面図である。
図9図5に示されるB方向から見た変形例に係るハンドルを示す側面図である。
図10】実施形態に係る洗濯乾燥機の給排水系統の構成を示す模式図である
図11】実施形態に係る洗濯乾燥機の制御系を示すブロック図である。
図12】実施形態に係る5つのコースが選択可能な中型機(ミドルサイズM)のランドリー機器の表示操作パネルの一例を示す図である。
図13】実施形態に係る小型機(スモールサイズS)の「待機中」の表示操作パネルの表示例を示す図である。
図14】実施形態に係る小型機(スモールサイズS)の「コース選択中」の表示操作パネルの表示例を示す図である。
図15】実施形態に係る小型機(スモールサイズS)の「運転中」の表示操作パネルの表示例を示す図である。
図16】実施形態に係るフリッカランプの表示遷移の例を示す図である。
図17】実施形態に係る表示操作パネルのアッパーパネルの構成を示す図、およびアッパーパネルをオープンした時の表示操作パネルの内部静電ユニットを構成を示す図である。
図18】実施形態に係る静電ユニットの各パーツの形状を示した図である。
図19図17に示したアクリルパネルの形状を示す図である。
図20図17および図18に示した第3静電ユニットの一つの形状を示す図である。
図21】実施形態に係る店舗等に応じてコースレイアウトを任意にカスタマイズした一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の詳細について説明する。本実施形態においては、本発明に係るコインランドリー機器(以下、単にランドリー機器と称する)を、被洗濯物を洗濯及び又は乾燥する洗濯乾燥機に適用 した場合を例にとり説明を行う。
【0008】
(洗濯乾燥機の構成)
本実施形態に係る洗濯乾燥機の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る洗濯乾燥機を示す正面図、図2はその背面図、図3はその斜視図である。図4は、洗濯乾燥機の開閉扉の開閉角度を説明するための図であり、洗濯乾燥機を平面視で示す。なお、図3では、後述するフロントパネルや操作パネルを説明上一部省略している。
【0009】
図1及び図3に示すように、洗濯乾燥機1は、直方体形の筐体20を備え、筐体20内部には、横向きの有底円筒体である外胴(シェル)30(後述する図10を参照)と、当該外胴30の内部に配置される横向きの有底円筒体であるドラム40(図3を参照)とが設けられている。
【0010】
筐体20は、正面に設けられたフロントパネル20aのほぼ中央に、円形状のパネル開口20bを有する。外胴30は、衣類やシーツなどの洗濯物を出し入れする投入口60を有し、この投入口60がパネル開口20bに露出するように固定される。フロントパネル20aには、投入口60を開閉する開閉扉70がヒンジ機構(不図示)を介して設けられる。図3に示されるように、利用者は開閉扉70を開けてドラム40に被洗濯物を投入し、洗濯処理及び/又は乾燥処理(以後、洗濯物処理と称する)の運転終了後に、開閉扉70を開けてドラム40内の被洗濯物を取り出す。
【0011】
図2に示すように、筐体20の背面上部には、後述する加熱ユニット150(後述する図10を参照)のガスバーナの燃焼具合を視認するための燃焼確認窓21が設けられている。なお、燃焼確認窓21は、筐体20の側面に設けられていてもよい。
【0012】
また、本実施形態に係る洗濯乾燥機1は、外径寸法に対する処理可能な被洗濯物の容量が従来より多く、例えば同一寸法の従来の洗濯乾燥機では洗濯22kg、乾燥15kg処理可能であるのに対し、本実施形態に係る洗濯乾燥機1は洗濯27kg、乾燥16kg処理可能となっている。したがって、衣類のみならず、布団等の大物の被洗濯物についても処理することができる。これは、例えばドラム40や後述するインポートの拡径により実現することができる。
【0013】
(表示操作パネル20c)
図1に示すように、フロントパネル20aの上部には、利用者が洗濯物処理運転に対する操作を行う表示操作パネル20cが配置される。表示操作パネル20cは、表面の清掃が容易で清潔に保てるように前面が透明樹脂またはガラス製となっており、例えば、5つのコース選択ボタン201を有している。コース選択ボタン201は、洗濯乾燥機1側で洗濯・乾燥コースを選ぶ際に、利用者の入力を受け付けるものである。
【0014】
本実施形態においては、後述する図20に示すように、各コース選択ボタン201に専用のコースを任意に設定することが可能であり、例えば洗濯物の種類(衣服や羽毛布団、敷布団等)や処理量(重量)に応じて所要時間及び料金が異なる洗濯・乾燥コースを3コース、洗濯コースを1コース、乾燥コースを1コース等と割り振ることができる。これにより、コインランドリー店舗の地域ニーズ、利用状況、或いは店舗の特色に合わせたコース設定が可能となっている。なお、コース選択ボタン201は5つに限らず、より多く設けて多くのコースをカバーするようにしてもよい。
【0015】
コース選択ボタン201は、洗濯・乾燥/洗濯/乾燥の各コース名を示すコース名発光部201aと、当該コース名発光部201aの周りを囲うリング状のリング発光部201bとを有する。コース名発光部201aとリング発光部201bは、表示操作パネル20cの背部に設けられたLED等のバックライトで点灯、点滅、及び消灯することが可能となっており、バックライト消灯時は背景と同色(例えば)となる。つまり、利用者に不要な文字盤等を見えないようにすると共に、不要な電力消費を抑制することができる。コース名発光部201aに示されるコース名は、背部にて文字シート(図19の符号510bを参照)を差し替えること、又は文字ドット表示制御により、自由に変更することが可能となっている。リング発光部201bは、コース選択ボタン201の内側又は外側に配置されて良い。
【0016】
これら2つの発光部は、それぞれ異なる色で発光させることが好ましい。例えばコース名発光部201aを白色で発光させ、リング発光部201bを白色とは異なる色で発光させてもよい。特に、リング発光部201bについては、コース毎に異なる色で発光するようにするとよい。例えば、洗濯コースに対応するコース選択ボタン201のリング発光部201bは、洗濯に対応する第1色、例えば洗濯を連想(イメージ)する青色系に発光するように構成される。また、乾燥コースに対応するコース選択ボタン201のリング発光部201bは、乾燥に対応する第2色、例えば乾燥を連想(イメージ)する橙色系に発光するように構成される。更に、洗濯・乾燥コースに対応するコース選択ボタン201のリング発光部201bは、洗濯に対応する第1色、例えば洗濯を連想(イメージ)する青色系と、乾燥に対応する第2色、例えば乾燥を連想(イメージ)する橙色系を発光するように構成される。すなわち、上下または左右で青色系のリング発光部と橙色系のリング発光との2色を同時発光するように構成される。
【0017】
図12は、例えば5つのコースが選択可能な中型機(ミドルサイズM)のランドリー機器の表示操作パネル20cの一例を示している。5つのコースは、容量16kgの洗濯・乾燥コース、容量10kgの洗濯・乾燥コース、容量27kgの洗濯コース、容量16kgの乾燥コース、1枚のふとん洗濯コースである。従って、容量16kgの洗濯・乾燥コースの第1(上側)リング発光部201b-1aは青色系(洗濯に対応(連想)する色)に発光し、第2(下側)リング発光部201b-1bは橙色系(乾燥に対応(連想)する色)に発光するように設定される。同様に、容量10kgの洗濯・乾燥コースの第1リング発光部201b-2aは青色系に発光し、第2リング発光部201b-2bは橙色系に発光するように設定される。また、容量27kgの洗濯コースの第1リング発光部201b-3aと第2リング発光部201b-3bは、共に青色系(洗濯に対応(連想)する色)に発光するように設定される。また、容量16kgの乾燥コースの第1リング発光部201b-4aと第2リング発光部201b-4bは、共に橙色系(乾燥に対応(連想)する色)に発光するように設定される。また、1枚のふとん洗濯コースの第1リング発光部201b-5aと第2リング発光部201b-5bは、共に青色系に発光するように設定される。ここでは、コース選択ボタン201の外側の上下にリング発光部(201b-1a~201b-5a、201b-1b~201b-5b)を配置するとしたが、コース選択ボタン201の内側の上下又は左右にリング発光部を配置するとしても良い。なお、第1リング発光部および第2リング発光部は、1つの半円リングとしたが、複数の小さなリングを繋いで半円リングを形成してもよい。
【0018】
このように、洗濯だけ、乾燥だけの場合は、当該コース内容を連想可能な1色で、また洗濯・乾燥を行うコースでは、それぞれを連想可能な異なる2色で発光させることにより、コース選択ボタン201(図12のコース名発光部201a-1~201a-5)がどのようなコース内容なのかを視覚的に表現し、利用者に感覚的にコース選択ボタン201がどのようなコース内容なのかを一目で理解することができる。つまり、第1リング発光部(例えば、201b-1a)と第2リング発光部(例えば、201b-1b)とによって形成される円形の内側にコース名が表示されるため、利用者に対し分かり易い表示を提供することができる。この発光の配色は任意であり、例えば後に詳述する遠隔でのコース設定変更に応じて配色を変更可能とすることが好ましい。
【0019】
図1に戻り、洗濯乾燥機1に接続された集中精算機や、洗濯乾燥機1自身に料金が投入される前の待機時では、例えば、コース選択ボタン201を全て消灯して、人感センサにより利用者が検知された場合、全点灯するように制御すれば電気料金の削減の観点から好ましい。ここでの人感センサは、洗濯乾燥機1に設けられていてもよく、店舗に設けられていても良い。店舗に設けられている場合は、人感センサからの検知信号が洗濯乾燥機1に直接入力されるようにしても良く、洗濯乾燥機1と通信可能に接続されたサーバまたは集中精算機に入力され、これらを介して洗濯乾燥機1にセンサの検知結果が入力されるようにしてもよい。ランドリー機器1を利用する利用者の存在を感知する手段として、人感センサー以外にカメラ映像による画像処理でも良い。人感センサーやカメラは、店舗の所定位置(例えば、入り口付近、又はランドリー機器1の正面付近等)に設置される。
【0020】
図13は、「待機中」の表示操作パネル20cの表示例を示す図である。図13では、小型機(スモールサイズS)のランドリー機器の一例を示しているので、図12のふとん洗濯コースが無い、4コースを有する構成としている。ここでは、人感センサによって、利用者の店舗への入場を既に感知したとしている。従って、利用者に待機中のランドリー機器1であること分かるように、4つのコースの全てが利用者に見える状態で表示されている。ただし、「料金/残り時間」の表示領域203には、待機中なので何も表示されない。また、衣類に合わせて複数段階に乾燥温度が変更可能な乾燥温度設定領域208、および「燃焼中」の表示領域210は、バックライトを消灯して、利用者に見えない状態に設定される。また、後述する状態表示部(以下、実施形態としてフリッカランプと称する)205もランプ消灯している。
【0021】
図1に戻り、利用者が所望のコース選択ボタン201を選択すると、選択したボタンのリング発光部201bが点滅、または非選択のコース選択ボタン201のリング発光部201bが消灯、照度ダウン等で、利用者が選択したコースを容易に判別できるようにすることが好ましい。この消灯、照度ダウンは、後述する容量表示領域201c、設定領域202、オプションボタン204、及びフリッカランプ205において行われてもよい。なお、容量表示領域201cおよび設定領域202を表示領域と称する。表示領域の表示内容は、ランドリー機器1の仕様に応じて文字シートの貼り換えにより変更することが可能である。
【0022】
なお、コース選択ボタン201の選択し直しも考慮し、リング発光部201bの消灯の場合にも、非選択のコース選択ボタン201のコース名発光部201aは点灯を維持することが好ましい。その後、運転開始と同時またはそれを期に、選択されたコース選択ボタン201のコース名発光部201a及びリング発光部201bのみが点灯し、その他のコース選択ボタン201の各発光部は消灯する。なお、これに限定されるものではなく、選択したコースが視覚的に分かり、選択のし直しも考慮した制御であれば、点灯、点滅、消灯、照度ダウン等、どのような手段を用いてもよい。
【0023】
図14は、図13と同様に小型機(スモールサイズS)のランドリー機器1における「コース選択中」の表示操作パネル20cの表示例を示す図である。図14において、コース選択の動作として、例えば、左端の12kgの洗濯・乾燥コースを選択したい場合、そのコース選択ボタン(コース名発光部201a-1)の上に手先(又は指)をかざすと、機器内部の人感センサーが作動して、コース選択ボタン(コース名発光部201a-1)の表示はそのままの明るさを維持する。一方、コース選択ボタン(コース名発光部201a-1)以外のコース(コース名発光部201a-2~201a-4)の表示が薄く見える程度に照度ダウン制御される。
図14では、12kgの洗濯・乾燥コース以外のコース選択ボタン(コース名発光部201a-2~201a-4)の第1リング発光部201b-2a~201b-4aおよび第2リング発光部201b-2b~201b-4bに網掛け表示することで薄い表示(照度ダウン)であることを表している。なお、図14の乾燥温度設定領域208は、利用者の設定に応じて例えば「高温」が表示される。また、「料金/残り時間」の表示領域203には、利用者によって入金された金額、例えば1200円が表示されている。第1リング発光部201b-2a~201b-4aおよび第2リング発光部201b-2b~201b-4bにおける薄い表示に代えて、12kgの洗濯・乾燥コース以外のコース全体を薄い表示としても良い。
【0024】
図15は、図14においてコース選択されたコースの「運転中」の表示操作パネル20cの表示例を示す図である。図14において選択された「12kgの洗濯・乾燥コース」は、そのままの明るさで表示されるが、それ以外のコースは一部又は全体が消灯(図15では斜線の網掛けで消灯を表す)して、背景と同色(例えば、黒)となって利用者に見えなくなるように表示制御が行われる。また、オプションボタン204も同様に消灯して、利用者に見えなくしている。これにより、不要な電力消費を抑止すると共に、ランドリー機器1では「12kgの洗濯・乾燥コース」が稼働していることが一目で分かる。なお、図15では、乾燥温度設定領域208は、利用者の設定に応じて例えば「高温」が表示される。また、「料金/ 残り時間」の表示領域203には、残り時間48分が表示されている。更に、「燃焼中」の表示領域210は、バックライトが点灯して表示される。
【0025】
図1に戻り、コース選択ボタン201それぞれの上部には、表示領域の1つとして、各コース選択ボタンが示すコース内容における被洗濯物の容量又は対象枚数を示す容量表示領域201cが設けられている。容量表示領域201cは、コース名発光部201a及びリング発光部201bと同様に、LED等のバックライトで点灯、点滅、及び消灯することが可能となっており、消灯時は背景と同色(例えば)となる。容量表示領域201cに示される数値(被洗濯物が衣服であれば10kg、布団であれば1枚など)は、パネル背部にて文字シートを差し替える事、又は文字ドット表示制御により、自由に変更が可能となっている。
【0026】
容量表示領域201cそれぞれの上部には、表示領域の他の1つである各コース選択ボタンが示すコース内容(時間と料金)を表示する設定領域202が設けられている。ここでは1つのコース選択ボタン201に対して縦に2つの設定領域202が設けられている。例えば、2つのうちの一方に所要利用時間を表示させ、他方に利用料金を表示させることができ、利用者に各コースの内容を認識させることができる。設定領域202及び料金/残り時間表示領域203は、7seg表示であり、詳細は後述する遠隔操作による設定変更に応じて、表示を切り替えることができる。
【0027】
例えば、図12において、各コース毎にコース時間とその料金が設定領域202に表示する表示操作パネル20cを示している。図12において、容量16kgの洗濯・乾燥コースでは、1200円/60分がデフォルト表示されている。また、容量10kgの洗濯・乾燥コースでは、1000円/50分がデフォルト表示されている。また、容量27kgの洗濯コースでは、800円/30分がデフォルト表示されている。また、容量16kgの乾燥コースでは、100円/10分がデフォルト表示されている。更に、1枚のふとん洗濯コースでは、1200円/30分がデフォルト表示されている。
【0028】
図1に戻り、利用者が表示操作パネル20c下部に設けられた利用料金を支払うための料金投入部25または集中精算機に料金を投入して、所望のコース選択ボタン201を選択(指先をかざす)することで、当該コース選択ボタン201に対応付けられた洗濯・乾燥コースの洗濯物処理運転が実行される。洗濯物処理運転が実行された際には、コース選択ボタン201に隣接する料金/残り時間表示領域203に、洗濯物処理運転に関する情報等が表示される。洗濯物処理運転に関する情報としては、例えば洗濯乾燥機1の利用時間、利用料金(超過料金、加重超過料金を含む)が挙げられる。
【0029】
また、図1の表示操作パネル20cは、複数のオプションボタン204を有する。オプションボタン204は、例えばドラム40を被洗濯物を空の状態で回してドラム内の洗浄を行うドラム洗浄ボタン(図12の符号204a)や、洗濯乾燥機1の機能を説明する音声ナビボタン(図12の符号204b)、乾燥後の冷却後に、オゾンエアをドラム40内へ送出するなどしてドラム40内におけるウィルス等の不活化、除菌を行う除菌ボタン等を設定することができる。これらのオプションボタン204は、料金投入部25に料金を投入しなくとも操作可能なものもあり、例えば利用者は、被洗濯物をドラム40に投入するに先立ってドラム洗浄ボタン(図12の符号204a)を選択することで、所定時間ドラム40の洗浄がなされ、ドラム40内がある程度除菌された状態にある洗濯乾燥機1を利用することができる。
【0030】
図1のコース選択ボタン201やオプションボタン204は、静電容量式のタッチスイッチパネルである。従って、直接タッチしなくても利用者が指先を近づけるだけでボタンが反応し、入力を受け付けることができる。これによれば、利用者は接触レスで操作が可能であるため、ボタンを介したウィルス感染等を予防することができる。さらに、利用者がうっかりタッチしてしまうことを想定し、コース選択ボタン201やオプションボタン204には、抗菌加工が施されており、菌やウィルスを減少させて二重の感染予防を実現している。抗菌加工としては、例えば抗菌塗装や抗菌ワックス、抗菌カバーガラスの使用等が挙げられる。
【0031】
また、図1の表示操作パネル20cは、コース選択ボタン201とオプションボタン204との間に円弧状のフリッカランプ205を有する。即ち、フリッカランプ205は、表示操作パネル20cの縦幅より長いフリッカランプを円弧状に搭載することで形成されており、利用者は洗濯乾燥機1の使用状況(稼働中)が一目で分かる。フリッカランプ205は、図12に示すように、複数のコース選択ボタン201、複数の発光部201b(201b-1a~201b-5aおよび201b-1b~201b-5b)、表示領域である容量表示領域201cおよび設定領域202と、オプションボタン204との境に設けられる。フリッカランプ205は、バックライトにより発光することができ、集中精算機による遠隔精算時に、自機が操作対象機である事(操作対象中状態)を利用者に報知する様に、点灯、消灯、点滅の表示制御が実行される。また、洗濯中や乾燥中といった運転状態に合わせて、点灯、点滅、及び発光色を変える等、運転状態が視覚的に認識出来る様にすることが好ましい。また、運転中を点灯とし、待機中を消灯又はその逆、若しくは発光色を変える事により、店舗内に入店して直ぐに、利用者が操作可能な空いている洗濯乾燥機1を一目で認識出来る様にすることが好ましい。なお、コース選択ボタン201、設定領域202、オプションボタン204は、フリッカランプ205と同様にフリッカ機能含む上記機能を有していてもよい。フリッカランプ205は、ランドリー機器1の未使用状態、コース選択状態又は精算機で操作対象中状態、ランドリー機器1の稼働中状態に応じて異なる発光色に切り替えられるようにしても良い。なお、フリッカランプ(状態表示部)205は、円弧形状に限定されず、表示操作パネル20cの縦幅より長い曲線形状、又は斜線形状、又はそれらの組み合わせ形状で形成して良い。
【0032】
図16は、上述したフリッカランプ205の表示遷移の例を示す図である。図16に示すように、「待機中」である時、フリッカランプ205は消灯制御(節電効果あり)されるので、背景と同色(例えば)となって利用者に見えなくしている。次に、利用者がランドリー機器1を利用するために、いずれかのコース選択ボタンに指先をかざす動作を行うと「コース選択中」となり、人感センサーが作動してフリッカランプ205は点滅制御される。これにより、利用者にコース選択中であることを促すことができる。最後に、「稼働中」では、フリッカランプ205は点灯制御され、先に示した図15のようにフリッカランプ205と「12kgの洗濯・乾燥コース」だけがそのままの明るさで表示される。これにより、利用者は洗濯乾燥機1が稼働状態であることが分かる。
【0033】
また、図1の表示操作パネル20cは料金/残り時間表示領域203の上部に除菌撃退温度ランプ206が設けられている。除菌撃退温度ランプ206は、細菌、又はウィルスの撃退温度に合わせて複数の菌撃退段階を表示する。除菌撃退温度ランプ206は、後述する出口温度センサ130(図10図11参照)により取得したドラム出口温度等からドラム40内の温度が推定され、オプションボタン204に設けられる除菌ボタンに連動して、除菌効果が期待される温度帯での運転状態となった際に点灯又は点滅する。当該推定の手法としては、例えば閾値としてドラム40内が除菌に十分な温度となった際のドラム出口温度の最低値を閾値として洗濯乾燥機1に設定しておき、出口センサ130の検知結果が当該閾値以上であるか否かにより推定する手法が挙げられる。この一連の制御は、後述する制御部100(図11参照)により行われる。また、オゾンに代表されるウィルス等の不活化、除菌等の行程中も除菌撃退温度ランプ206を点灯または点滅させるとよい。
【0034】
また、図12に示すように、表示操作パネル20cの乾燥温度設定領域208に、乾燥時の温度を調節可能な調節ボタン(乾燥温度設定手段)を設けてもよい。調節ボタンを、例えば高温ボタン、中温ボタン、低温ボタンからなるようにすれば、被洗濯物の素材に考慮して利用者が自由に乾燥温度を設定することができる。
【0035】
図17乃至図20は、図13に示した小型機(スモールサイズS)のランドリー機器における表示操作パネル20cの内部静電ユニットの構成を示す図である。
図17(a)は、表示操作パネル20cのアッパーパネル500の構成を示す図である。アッパーパネル500は、アクリルパネル510と、アクリルパネル510が取り付けられるアッパーパネル取付板520とから構成される。アクリルパネル510は、のり付け又はねじ止め等によってアッパーパネル取付板520に取り付けられる。
図17(b)は、アッパーパネル500をオープンした時の表示操作パネル20cの内部静電ユニット600を構成を示す図である。静電ユニット600は、左側の第1静電ユニット610と、右側の第2静電ユニット620と、第1静電ユニット610と第2静電ユニット620との間に位置する複数の第3静電ユニット630とによって構成される。
これらの第1静電ユニット~第3静電ユニット610~630によって、タッチレスパネルが形成される。即ち、第1静電ユニット~第3静電ユニット610~630上に設けられるスイッチ(ボタン)の上に指先又は手のひら等をかざすと、指先又は手のひらを近づけた箇所で電荷が変動するので、それを選択信号として図示しない制御部に送信することでスイッチのON/OFFを検出する。
【0036】
図18は、静電ユニット600の各パーツの形状を拡大した図である。
第1静電ユニット610には、図13のオプションボタン204のオプション領域に対応する箇所に位置し、バックライト付ドラム洗浄スイッチ(図13の符号204a)と、バックライト付音声ナビスイッチ(図13の符号204b)、例えば2つのバックライト付予備スイッチ(図13には図示せず)が設けられる。
第2静電ユニット620には、図13の右側の料金/残り時間の表示領域203および乾燥温度設定領域208を少なくとも表示する状況表示領域に対応する箇所に位置し、バックライト付温度選択スイッチ(図13の符号208)と、バックライト付「運転中」表示(図13の符号212)、バックライト付「燃焼中」表示(図13の符号210)、バックライト付「除菌」表示(図12の符号206、中型機以上に設置されるので図13には無い)、料金/残り時間を表示する7セグメント表示器が設けられる。
第3静電ユニット630a~630dは、図13の4つのコース選択スイッチ201に対応する箇所に位置して、それぞれ設けられる。第3静電ユニット630a~630dは、それぞれバックライト付コース選択スイッチ(図13の例えば符号201a-1)、バックライト付「円」表示(図13の例えば1200円)、バックライト付「分」表示(図13の例えば60分)、バックライト付縦ライン表示(図13のコース選択毎の境を示す縦ライン)、バックライト付「Kg」表示(図13の例えば16Kg)、バックライト付リング発光部(図13の例えば符号201b-1a、201b-1b)、料金/時間を表示する7セグメント表示器が設けられる。第3静電ユニット630a~630dは、一つ一つがねじ止め固定されているので、取り外しが可能である。したがって、後述するコースレイアウト変更では、第3静電ユニット630a~630dを入れ替えることで、簡単にコースのレイアウト変更を実施できる。
【0037】
図19は、図17に示したアクリルパネル510の形状を示す図である。アクリルパネル510は、透明な基材510aと、第1印刷層510bと、第2印刷層510cとで構成され、それらが接着剤にて張り合わせ形成される。第1印刷層510bには、デザイン、印刷文字、遮光などが形成されている。第2印刷層510cには、背景色(例えば、ブラックスモーク)が印刷されている。背景色は、ブラックモデルだけでなく、ホワイトモデル等のように任意に設定可能である。
【0038】
図20は、図17および図18に示した第3静電ユニット630の一つの形状を示す図である。第3静電ユニット630は、基板631と、ABS樹脂で形成されるリフレクタ632と、拡散シートユニット633とで構成されている。拡散シートユニット633は、拡散シートと静電シートによって構成されている。
【0039】
図21は、地域又は店舗等に応じてコースレイアウトを任意にカスタマイズした一例を示す図である。図21では、図12に示した「16kg洗濯・乾燥コース」に代えて「16kg羽毛ふとん洗濯・乾燥コース」としている。また、図12に示した「27kg洗濯コース」に代えて「27kgプレミアム洗濯・乾燥コース」としている。更に、図12に示した「1枚ふとん洗濯コース」に代えて「1枚敷ふとん洗濯コース」としている。「10kg洗濯・乾燥コース」と「16kg乾燥コース」は変更なしである。コースレイアウトについても、「10kg洗濯・乾燥コース」と「27kgプレミアム洗濯・乾燥コース」の間に「1枚敷ふとん洗濯コース」を配置するように変更している。
【0040】
(開閉扉70)
図1に戻り、開閉扉70は、投入口60を閉塞できる円板形を有し、中央部分には内部の被洗濯物の覗き窓が設けられる。開閉扉70と投入口60の縁部との間には、気密性を高めるためのシール材(不図示)が配置される。図4に示すように、開閉扉70の開閉角度Aは、110°~120°となっている。開閉角度は従来100°のものが多いが、それよりも10°~20°角度が拡大されており、これにより利用者の操作性向上を実現している。
【0041】
また、開閉扉70は、その下端部から設置面までの距離Lが約600mmとなっている。一般的に、被洗濯物を運搬するカートは600mm以下のものが多い。そのため、このように開閉扉70が設けられることにより、開閉扉70の下にカートを位置付けたとしても、開閉扉70の開閉を行うことができるため、洗濯物処理運転後の被洗濯物をカートに容易に移動させることが可能となる。
【0042】
更に、開閉扉70は、後述する扉ロック80のハンドル含め多数の利用者の接触が考えられるため、抗菌加工が施されている。抗菌加工としては、例えば抗菌塗装や抗菌ワックス、覗き窓においては抗菌ガラスの使用等が挙げられる。
【0043】
開閉扉70の中央縁部には、ハンドル式の扉ロック80が設けられる。図4に示すように、洗濯乾燥機1の利用者は、扉ロック80のハンドル801を用いて開閉扉70を開閉したり、開閉扉70をラッチ(空締まり)したり、ラッチを外したりできる。また、扉ロック80は、後述する制御部100により開閉扉70の施錠と解錠が制御される。すなわち、制御部100は、開閉扉70を閉じてラッチした状態でハンドル801を固定することができる。つまり、制御部100は、扉ロック80により開閉扉70を施錠して、投入口60を密閉した状態を維持できる。制御部100が開閉扉70を解錠すると、手動でハンドルを引いてラッチを外すことが可能になり、さらに開閉扉70を開いて投入口60を開放できる。扉ロック80には、開閉扉70を閉じてラッチした状態を検出する開閉センサ140(図11参照)が設けられる。このドアロックの構成はメンテナンスが容易な設計となっている。
【0044】
(ハンドル801)
以下、ハンドル801の構成について説明する。図5は、ハンドル801を示す正面図であり、図6はその平面図である。図7は、図5に示されるB方向から見たハンドルを示す側面図である。図5図7に示されるように、ハンドル801は、利用者が開閉扉70及び扉ロック80を操作する際に把持する把持部801aと、開閉扉70に対してハンドル801aを回動可能に軸支する支持部801bとを有する。
【0045】
把持部801aは、略角柱状に形成されており、内部に着脱自在な表示プレート802を有する。表示プレート802は、平板状に形成され、一方の面に所定の表示、例えばコインランドリー店舗を運営するオーナー会社の会社名やロゴ、商品名等を印刷などにより表示することができ、広告媒体として利用することができる。
【0046】
把持部801aの先端側側面には、表示プレート802を把持部801a内に挿入するための挿入口801cが形成されており、この挿入口801cにより表示プレート802は把持部801aに対して挿脱可能にされている。図5図7は、この挿入口801cに表示プレート802が挿入された状態が示されている。また、把持部801a正面には露出口801dが形成されており、把持部801a内に表示プレート802が挿入された状態において、露出口801dから表示プレート802の表示が視認可能となっている。
【0047】
なお、図8及び図9に示されるように、挿入口801cを把持部801aの側面ではなく上面に設け、上方から表示プレート802を挿脱するようにしてもよく、挿入口を設けずに露出口801dから把持部801a内に嵌め込むようにしてもよい。
【0048】
(給排水系統)
次に、洗濯乾燥機1の給排水系統及びそれに付随する構成要素について説明する。図10は、洗濯乾燥機1の給排水系統の構成を示す模式図である。図10に示されるように、外胴30は、水位を検出する水位センサ110が設けられると共に、上側に被洗濯物の洗い及び濯ぎに用いる水又は温水又は混合のぬるま湯の(以後、供給水と称する)の給水管910、下側に洗濯排水を貯留する箱体状のゴミたまり対策がなされたドレンシェル920が設けられている。給水管910には不図示の洗剤投入用ポンプが設けられ、洗剤の投入が可能となっている。また、給水管910には給水弁170が介設されており、この給水弁170を開くと外胴30内に供給水を供給できる。
【0049】
ドレンシェル920は排水管921が接続されており、排水管921には排水弁180が介設されている。この排水弁180を開くと外胴30内に貯留された供給水を排出できる。排水管921は、その径が75A、つまり外径がφ89mmとなっており、一般的な洗濯乾燥機に使用される排水管が65A、つまり外径76.3mmであることから、従来よりも径が大きい。これにより排水時間の短縮が可能となっている。
【0050】
また、外胴30には、外部から吸気し、ドラム40と開閉扉70の間に設けられるインポートに乾燥用の温風として供給することによりドラム40内に供給する温風供給路301が接続され、外胴30の上面後方に設けられる排気孔302に、外部に温風を排出する温風排出路303が接続されている。インポートは従来よりも大径に、且つその張り出し部が従来より短く設計されており、これにより布団などの大物の被洗濯物も容易にドラム40内に投入することができる。
【0051】
温風供給路301には、ガスバーナで構成され吸気された空気を加熱する加熱ユニット150や入口温度センサ120、不図示の過熱防止装置や安全装置等が設けられる。一方、温風排出路303には、糸などのごみを捕獲するリントフィルタ190、洗濯乾燥機1内に空気を取り込み吸気及び排気を行うファン160、出口温度センサ130、不図示の逆流防止用チャッキダンパや過熱防止装置等が設けられる。
【0052】
これにより、リントフィルタ190をリント洗浄機能により洗浄することができる。このリント洗浄機能は、給水管から洗濯物処理運転時よりも多く供給水を供給した状態においてドラム40を回転させ、供給水を過度に流動させることによりリントフィルタ190に対して供給水を到達させてリントフィルタ190を洗浄する処理である。このようなリント洗浄機能によれば、リントフィルタ190の交換などのメンテナンスの頻度を低減することが可能となる。
【0053】
ドラム40は、外胴30に対して所定の隙間を隔てつつ、その開口が外胴30の投入口60に一致するように配置される。ドラム40は、その回転軸が外胴30により支持されモータMに接続されることにより回転駆動する。
【0054】
次に、洗濯乾燥機1の制御系について説明する。図11は、本実施形態に係る洗濯乾燥機の制御系を示すブロック図である。洗濯乾燥機1は、機器本体の主たる制御を行う制御部100を備える。
【0055】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、入出力I/F103a、通信I/F103bとを備える。CPU101は制御部100の主たる処理を実行するものであり、メモリ102はRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等を含み、CPU101の作業領域に使用されると共に、各種機能を実現するプログラム、当該機能により実行される処理に用いられるデータ等を記憶する記憶装置である。メモリ102には前述したコース選択ボタン201にそれぞれ設定された洗濯・乾燥コースのパラメータを示すコース情報が記憶されている。パラメータとしては、洗濯及び/又は乾燥処理を行うのか、処理の所要時間、料金、被洗濯物の重量等がある。
【0056】
入出力I/F103aは、表示操作パネル20cからの入力信号や水位センサ110、入口温度センサ120、出口温度センサ130、開閉センサ140からの検出信号の入力に用いられ、また加熱ユニット150、ファン160、給水弁170、排水弁180、モータM、扉ロック80、及び表示操作パネル20cへの制御信号の出力に用いられる。また、ここでは図示していないが、コース選択ボタン201を選択する際にかざした指先を人感センサによって検出すると、その検知信号も入出力I/F103aに入力される。無線通信I/F103bは、スマートフォンやタブレット端末等の端末機との無線通信に用いられる。無線通信規格は、様々なものを用いることができ、例えばBluetooth(登録商標)等の短距離無線通信やWi-Fi通信が挙げられる。
【0057】
制御部100は、主としてCPU101とメモリ102とが協働することにより、加熱ユニット150、ファン160、モータMを制御してドラム40内に熱風が吸入した状態でドラム40を回転させる乾燥処理や、給水弁170、排水弁180、モータMを制御してドラム40内に給水された状態でドラム40を回転させる洗濯処理を行う。
【0058】
また、制御部100は、通信I/F103bを有することにより、有線または無線通信を用いてリモートでの一括及び個別の設定が可能となっている。ここでの設定とは、例えばメモリ102に記憶されているコース選択ボタン201に対応付けられたコース情報や、その所要時間、料金などである。
【0059】
例えば、洗濯乾燥機1が店舗内に設けられたサーバに接続されている場合、洗濯乾燥機1のオーナーは、サーバにおいて専用のアプリケーションプログラムを立ち上げ、これを操作することによりリモートで個別または複数の洗濯乾燥機1の一括設定変更を行うことができる。また、洗濯乾燥機1の設定を変更する他の手法としては、コインランドリー店舗に設けたゲートウェイに複数の洗濯乾燥機1を通信可能に接続し、Wi-Fi等の無線通信によりスマートフォン等の端末機や外部サーバ経由で設定変更を行うようにしてもよい。
【0060】
以上に説明したように実施形態に係るランドリー機器は、対象物に洗濯を行う第1のコース201a-3と、対象物に洗濯及び乾燥を行う第2のコース201a-1と、対象物に乾燥を行う第3のコース201a-4と、の中から、任意に設定された複数のコースを具備し、複数のコースの各コース選択ボタンはそれぞれ非接触のセンサで構成され、コース選択ボタンの一つが選択された時、当該選択されたコース選択ボタン(例えば、201a-1)と、選択されない他のコース選択ボタン(例えば、201a-3又は201a-4)と、が視覚的に判別できるように表示制御される構成である。これにより、利用者は非接触でコース選択操作が可能であるため、コース選択ボタンを介したウィルス感染等を予防することが出来る。そして、選択されたコース選択ボタン201と選択されていないコース選択ボタンとを分かり易く視覚表現されているので、利用者はコース選択ボタン(例えば、201a-1)を正しく選択したことを一目で理解することが出来る。
【0061】
また実施形態に係るランドリー機器は、各コース選択ボタンの表示制御を行う制御手段100を有し、制御手段100は、選択されたコース選択ボタン(例えば、201a-1)の明るさを、選択されない他のコース選択ボタン(例えば、201a-2~201a-4)の明るさよりも強い明るさとする構成である。これにより、どのコースを選択したかを一目で分かるので、利用者はコース選択ボタン(例えば、201a-1)を正しく選択したことを一目で理解することが出来る。
【0062】
また実施形態に係るランドリー機器の制御手段100は、選択されたコース選択ボタン(例えば、201a-1)の明るさを維持し、選択されない他のコース選択ボタン(例えば、201a-2~201a-4)は、消灯又は照度ダウンする構成である。これにより、どのコースを選択したかを一目で分かるので、利用者はコース選択ボタン(例えば、201a-1)を正しく選択したことを一目で理解することが出来る。
【0063】
また実施形態に係るランドリー機器は、コース選択ボタンの表示制御を行う制御手段100を有し、制御手段100は、選択されたコース選択ボタン(例えば、201a-1)だけを点滅する構成である。これにより、どのコースを選択したかを一目で分かるので、利用者はコース選択ボタン(例えば、201a-1)を正しく選択したことを一目で理解することが出来る。
【0064】
また実施形態に係るランドリー機器の制御手段100は、選択されたコースの運転が開始された時、選択されたコース選択ボタン(例えば、201a-1)のみを点灯し、選択されない他のコース選択ボタン(例えば、201a-2~201a-4)は消灯する構成である。これにより、ランドリー機器が稼働している間では、選択されない他のコース選択ボタン(例えば、201a-2~201a-4)は消灯しているので、使っていないコース選択ボタンの電力消費を抑制することが出来る。
【0065】
また実施形態に係るランドリー機器は、利用者が存在することを検知する検知手段を備え、制御手段100は検知手段により利用者を検知した時、任意に設定された複数のコースの各コース選択ボタン(201a-1~201a-4)を利用者に視覚化する構成である。これにより、検知手段により利用者が存在することを検知する迄の待機期間中は、コース選択ボタンは消灯しているので、電力消費を抑制することができ省エネ効果が期待出来る。
【0066】
また実施形態に係るランドリー機器の表示制御方法は、対象物に洗濯を行う第1のコースと、対象物に洗濯及び乾燥を行う第2のコースと、対象物に乾燥を行う第3のコースと、の中から、任意に選定された複数のコースを具備し、表示制御可能な各コース選択ボタンが非接触のセンサで構成されるランドリー機器の表示制御方法であって、利用者が存在することを検知する検知手段により利用者を検知した時、利用者の存在を検知する前は消えていた全てのコース選択ボタン(201a-1~201a-4)を点灯する第1表示ステップと、コース選択ボタンの一つが選択された時、当該選択されたコース選択ボタン(例えば、201a-1)と、選択されない他のコース選択ボタン(例えば、201a-2~201a-4)と、が視覚的に判別できるように表示する第2表示ステップと、を有する方法である。これにより、検知手段により利用者が存在することを検知するまでの待機期間中は、コース選択ボタン(201a-1~201a-4)は消灯しているので、電力消費を抑制することが出来る。また、利用者は非接触でコース選択操作が可能であるため、コース選択ボタン(201a-1~201a-4)を介したウィルス感染等を予防することが出来る。更に、どのコースを選択したかを一目で分かるので、利用者はコース選択ボタン201a-1を正しく選択したことを一目で理解することが出来る。
【0067】
また実施形態に係るランドリー機器の表示制御方法の第2表示ステップは、選択されたコース選択ボタン(例えば、201a-1)の明るさを、選択されない他のコース選択ボタン(例えば、201a-2~201a-4)の明るさよりも強い明るさとする。これにより、どのコースを選択したかを一目で分かるので、利用者はコース選択ボタン(例えば、201a-1)を正しく選択したことを一目で理解することが出来る。
【0068】
また実施形態に係るランドリー機器の表示制御方法の第2表示ステップは、選択されたコース選択ボタン(例えば、201a-1)の明るさを維持し、選択されない他のコース選択ボタン(例えば、201a-2~201a-4)は、消灯又は照度ダウンする。これにより、どのコースを選択したかを一目で分かるので、利用者はコース選択ボタン(例えば、201a-1)を正しく選択したことを一目で理解することが出来る。
【0069】
また実施形態に係るランドリー機器の表示制御方法の第2表示ステップは、選択されたコース選択ボタン(例えば、201a-1)だけを点滅する。これにより、どのコースを選択したかを一目で分かるので、利用者はコース選択ボタン(例えば、201a-1)を正しく選択したことを一目で理解することが出来る。
【0070】
また実施形態に係るランドリー機器の表示制御方法は、選択されたコースの運転が開始された時、選択されたコース選択ボタン(例えば、201a-1)のみが点灯し、選択されない他のコース選択ボタン(例えば、201a-2~201a-4)は消灯する第3表示ステップを更に有する。これにより、ランドリー機器が稼働している間では、使っていないコース選択ボタン(201a-2~201a-4)は消灯しているので、電力消費を抑制することができ、省エネ効果が期待出来る。
【0071】
なお、本実施形態においては本発明に係るランドリー機器を洗濯乾燥機に適用した例を説明したが、当該ランドリー機器は洗濯機や乾燥機にも適用可能であることは言うまでもない。
【0072】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1…洗濯乾燥機(ランドリー機器)
20c…表示操作パネル、 201…コース選択ボタン
201a、201a-1~201a-5…コース名発光部
201b…リング発光部
201b-1a~201b-5a…第1リング発光部
201b-1b~201b-5b…第2リング発光部
201c…表示領域、 202…設定領域
203…「料金/残り時間」の表示領域、 204…オプションボタン
204a…ドラム洗浄ボタン、 204b…音声ナビボタン
205…状態表示部、 206…除菌撃退温度ランプ
208…乾燥温度設定領域、 210…燃焼中表示領域
60…投入口、 70…開閉扉
500…アッパーパネル、 510…アクリルパネル、 510a…基材
510b…第1印刷層、510c…第2印刷層510c、520…アッパーパネル取付部
600…静電ユニット、 610…第1静電ユニット、 620…第2静電ユニット
630、630a~630d…第3静電ユニット、 631…基板631
632…リフレクタ、 633…拡散シートユニット、 801a…把持部
801c…挿入口、 801d…露出口、 802…表示プレート(表示部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21