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特許7509789高温ガラス容器にマーキングする方法及び設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】高温ガラス容器にマーキングする方法及び設備
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/00 20140101AFI20240625BHJP
   C03C 23/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B23K26/00 B
B23K26/00 M
C03C23/00 D
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021546484
(86)(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 FR2019052498
(87)【国際公開番号】W WO2020084239
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】1859712
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509083201
【氏名又は名称】ティアマ
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ,ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】グトリン,アントニー
(72)【発明者】
【氏名】ピタヴァル,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ソラン,ピエール-イヴ
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-506817(JP,A)
【文献】特開昭47-037854(JP,A)
【文献】国際公開第2018/163377(WO,A1)
【文献】特開昭56-115909(JP,A)
【文献】特許第6478437(JP,B1)
【文献】特表2014-523813(JP,A)
【文献】特開2012-144264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00
C03C 23/00
B65B 61/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機械(3)の出口において、コンベア(5)の搬送面(Pc)に置かれるとともにレーザ装置(9)の前を連続して並進で走行する高温ガラス容器(2)のマーキングエリア(R)をレーザビームを用いてマーキングする方法であって
前記搬送面(Pc)の高さが少なくとも定期的に測定され、かつ、制御ユニットが、前記搬送面の高さの測定値に応じて、前記マーキングエリア(R)又はマーキング軸(At)を前記搬送面(Pc)に対して一定の高さに維持するための、前記レーザ装置の位置を高さ調整するための手段を駆動する、又は、
前記搬送面(Pc)の高さが少なくとも定期的に測定され、かつ、制御ユニットが、前記搬送面の高さの測定値に応じて、前記マーキングエリア(R)を前記搬送面(Pc)に対して一定の高さに維持するためのレーザビーム走査システムを駆動する、
方法。
【請求項2】
前記マーキング前の各容器について、前記マーキングエリア(R)の前記並進の方向に沿った縦方向位置(XR)及び前記並進の方向(D)に対する横方向(Y)に沿った横方向位置(YR)を特定することと、
前記レーザビームの前を走行する前記容器に対するその後のマーキング動作を最適化するように、各容器の前記マーキングエリアの前記横方向位置に応じて、前記横方向(Y)に沿って前記レーザビームのフォーカス面を移動させることと、
各容器の前記マーキングエリアに、前記フォーカス面の位置が前記マーキングを確保するために最適化されている前記レーザビームによって前記マーキング軸(At)に沿ったマーキングを行うことと、
を含み、
前記方法は、各容器の前記マーキングエリアの前記縦方向位置及び前記横方向位置を特定するために、
第1光センサ(E1)の第1光軸(A1)と第2光センサ(E2)の第2光軸(A2)とを互いに非平行に、前記搬送面(Pc)に平行であってかつ前記マーキングエリアの高さに少なくとも近い高さに設置された検出面(Pd)に配置することと、
容器が前記第1光軸(A1)と交差する瞬間(TC1)又は離れる瞬間(TL1)、及び容器が第2光軸(A2)と交差する瞬間(TC2)又は離れる瞬間(TL2)を検出することと、
前記瞬間から、かつ、前記容器の既知の又は一定の並進の速度(Vt)を考慮して、前記横方向位置及び前記縦方向位置を計算することと、
から構成され、
前記第1光軸(A1)及び前記第2光軸(A2)は、前記マーキング前の前記並進中に各容器が各光軸と交差するように設置され、変位の方向に対する前記光軸(A1)及び(A2)の方向と前記マーキング軸(At)に対する前記光軸の位置とは既知であり、
前記方法は、前記マーキングエリアの前記縦方向位置の特定から、前記レーザ装置(9)の前を走行する各容器の前記マーキングの瞬間を特定することから構成される、ことを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
高温の容器が前記第1光軸(A1)と前記交差する瞬間(TC1)を検出することと、
高温の容器が前記第1光軸(A1)から前記離れる瞬間(TL1)を検出することと、
高温の容器が前記第光軸(A2)と前記交差する瞬間(TC2)を検出することと、
高温の容器が前記第光軸(A2)から前記離れる瞬間(TL2)を検出することと、
から構成されるとともに、
それにより、各容器のケーシングの、前記検出面による断面の中心対称(C)の中心における前記横方向及び前記縦方向位置(XC、YC)を導き出し、少なくとも前記中心対称(C)の前記縦方向位置(XC)から前記マーキングエリア(R)の前記縦方向位置(XR)を導き出し、少なくとも前記中心対称(C)の前記横方向位置(YC)から前記マーキングエリアの前記横方向位置(YR)を導き出す、
ことを特徴とする、
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1センサ及び前記第2センサが交差する(TC1、TC2)及び離れる(TL1、TL2)4つの前記瞬間から、各容器の前記ケーシングの前記検出面(Pd)によって前記容器の断面の向き(θ)が特定され、かつ、前記向き(θ)に応じて、
前記マーキングエリア(R)の前記横方向位置(YR)及び前記縦方向位置(XR)が特定され、
及び/又は、所望のマーキングに適合する形状を有するマーキングを得るために走査装置が駆動され、
及び/又は、前記向き(θ)がマーキング品質値を超えるとアラート情報が送信される、
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記光センサ(E1、E2)の前記光軸(A1、A2)は、前記検出面(Pd)が前記マーキングエリア(R)と交差するように、好ましくは前記マーキングエリアの中央と交差するように配置される、
請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1光センサ(E1)の前記第1光軸(A1)と前記第2光センサ(E2)の前記第2光軸(A2)との間に、5°から60°の間の角度(β)が形成される、
請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの光センサ(E1、E2)は、その光軸と交差する容器(2)がない場合、前記光センサの放出によってもたらされる光ビームをその光軸に沿って受け取り、前記交差する瞬間(TC1、TC2)及び前記離れる瞬間(TL1、TL2)は、容器の通過時に前記光センサの受光器が受け取った光の消失及び出現によってそれぞれ検出される、
請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの光センサ(E1、E2)は、前記高温の容器(2)から放出された赤外線に反応し、それにより、その光軸(A1、A2)を横切る容器から放出された前記赤外線をその光軸に沿って受信する光学位置パイロメーターであり、前記交差する瞬間及び前記離れる瞬間は、容器の通過時に前記光学位置パイロメーターによって受信された前記赤外線の出現及び消失によってそれぞれ検出される、
請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記マーキングエリア(R)の前記横方向位置(YR)の測定は、前記変位の速度に応じて前記レーザビームの少なくとも水平変位を適合させることによって前記レーザ装置を制御するために考慮され、各容器の前記マーキングエリア(R)の前記横方向位置(YR)の前記測定は、前記マーキングエリアの少なくとも幅を一定に保つためのものである、
請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
刻印が良好な品質を有するような温度閾値を前記マーキングエリア(R)の温度が超えているか否かを判断するために、光学モニタリングパイロメーター(18)が配置されて、それにより、前記高温の容器(2)から放出された赤外線から、前記マーキングエリアが前記光学モニタリングパイロメーターの光軸と交差する瞬間の前記マーキングエリアの温度の測定値が提供される、
請求項からに記載の方法。
【請求項11】
前記マーキングエリア(R)の温度の前記測定値が所定の閾値を下回っている場合、以下の動作:
視覚的又は聴覚的なアラートなどによって再開される可能がある、そのラインのオペレーターを対象としたアラーム信号の配置、
温度測定値が不十分な前記容器の非マーキング、
前記レーザ装置の上流側に設置された、前記マーキングエリアを加熱する装置の運転、
前記マーキングエリアの温度を上昇させることを目的とする前記容器の成形方法の変更、
の少なくとも1つが実行される、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記マーキングの形状を維持するために、前記コンベア(5)の平面の傾斜が考慮され、かつ、レーザビーム走査システムが駆動される、
請求項から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
形機械(3)の出口において、コンベア(5)の搬送面(Pc)に置かれるとともに一定の又は既知の並進の速度でレーザ装置(9)の前を連続して走行する高温ガラス容器(2)にマーキングする設備であって、
前記設備は、マーキング軸(At)に沿ったレーザビームの発生器を含むレーザ装置(9)を含み
前記設備は、コンベア高さセンサを備え、前記搬送面(Pc)の高さが少なくとも定期的に測定され、かつ、制御ユニットが、前記搬送面の高さの測定値に応じて、マーキングエリア(R)又は前記マーキング軸(At)を前記搬送面(Pc)に対して一定の高さに維持するための、前記レーザ装置の位置を高さ調整するための手段を駆動する、又は、
前記設備は、コンベア高さセンサを備え、前記搬送面(Pc)の高さが少なくとも定期的に測定され、かつ、制御ユニットが、前記搬送面の高さの測定値に応じて、前記マーキングエリア(R)を前記搬送面(Pc)に対して一定の高さに維持するためのレーザビーム走査システムを駆動する、
設備。
【請求項14】
前記設備は、
前記マーキング前に、前記容器の前記並進の方向(D)に沿った前記マーキングエリア(R)の縦方向位置(XR)及び前記容器の走行の方向(D)を横切る方向における前記マーキングエリア(R)の横方向位置(YR)を特定するシステムと、
前記レーザビームの前を走行する前記容器に対するマーキング動作を最適化するために、前記マーキングエリア(R)の前記横方向位置(YR)に応じて前記レーザビームのフォーカス面を前記横方向(Y)に沿って移動させる装置(11)を駆動するように構成された制御ユニット(14)と、
を含み、
各容器(2)の前記マーキングエリアの前記縦方向位置及び前記横方向位置を特定するシステム(15)は、
第1光軸(A1)を有する第1光センサ(E1)及び第2光軸(A2)を有する第2光センサ(E2)であって、前記光軸(A1、A2)は、前記搬送面(Pc)に平行であってかつ前記マーキングエリア(R)の高さに少なくとも近い高さに設置された検出面(Pd)に互いに非平行に配置され、前記第1光軸(A1)及び前記第2光軸(A2)は、各容器がその並進中に各光軸と交差するように設置され、変位の方向に対する前記光軸(A1)及び(A2)の方向と前記マーキング軸(At)に対する前記光軸の位置とは既知である、第1光センサ(E1)及び第2光センサ(E2)と、
容器が前記第1光軸(A1)と交差する(TC1)又は離れる(TL1)瞬間、及び容器が前記第2光軸(A2)と交差する(TC2)又は離れる(TL2)瞬間を検出し、かつ、前記瞬間から、前記容器の既知の又は一定の並進の速度を考慮して、前記横方向及び縦方向位置を計算する処理ユニット(15 2 )であって、前記マーキングエリアの前記縦方向位置の特定から、マーキングステーションの前を走行する各容器の前記マーキングの瞬間を特定する、処理ユニット(15 2 )と、
を含む、ことを特徴とする、
請求項13に記載の設備。
【請求項15】
少なくとも1つの前記光センサ(E1、E2)は、前記容器の並進の軌跡(D)のどちらかの側に配置された発光器及び受光器を含む、
請求項14に記載の設備。
【請求項16】
少なくとも1つの前記光センサ(E1、E2)は、前記容器の並進の軌跡(D)の同じ側に配置された発光器及び受光器を含み、光反射器は逆側に沿って配置され、前記発光器から出てくる光を前記受光器に向け直す、
請求項14に記載の設備。
【請求項17】
前記光センサ(E1、E2)は、赤外線センサ又は光学パイロメーターであることを特徴とする、
請求項14から16のいずれか一項に記載の設備。
【請求項18】
光学モニタリングパイロメーター(18)を含み、前記光学モニタリングパイロメーター(18)は、前記レーザ装置(9)の上流側に配置されて、前記マーキングエリア(R)が前記光学モニタリングパイロメーターの光軸と交差する瞬間における前記マーキングエリア(R)の温度の測定値を提供することを特徴とする、
請求項14から17のいずれか一項に記載の設備。
【請求項19】
光学モニタリングパイロメーター(18)は、前記ガラス容器の表面の温度を測定するためのスペクトル感度を含むことを特徴とする、
請求項14から18のいずれか一項に記載の設備。
【請求項20】
前記処理ユニットに以下のリスト:
前記光センサ(E1、E2)の縦方向位置、
前記光センサ(E1、E2)の異なる要素間の横方向距離、
前記並進を横切る方向を持つ前記光センサの前記光軸(A1、A2)の角度、
前記容器の寸法(Φ又はW×I)、
前記コンベアの速度(Vt)、
前記コンベアの平面に対する前記マーキングエリア(R)の高さ、
前記マーキング軸(At)の縦方向位置、
から得られた情報を提供する装置を含むことを特徴とする、
請求項14から19のいずれか一項に記載の設備。
【請求項21】
前記搬送面(Pc)の傾きセンサを含み、前記傾きセンサは前記制御ユニット(14)に接続され、前記制御ユニット(14)は、検出された傾きに関係なく前記マーキングの形状が維持されるように前記レーザビームを駆動するように構成されることを特徴とする、
請求項14から20のいずれか一項に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造機械又は成形機械から出てくるボトル又はフラスコなどのガラス容器を高速でホットマーキングする技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス容器の製造の分野では、製造のトレーサビリティを確保することを目的としたタイムスタンプ処理を行うために、成形機械の出口又は製造プロセスの低温部のいずれかでマーキングシステムを用いることが知られている。
【0003】
従来、成形機械は、並置された別個の独立したセクションから構成されている。それぞれのセクションは、少なくとも1つのキャビティを含み、各キャビティは、高温状態の容器に最終形状を与える型を備えている。セクションでの成形が終わると、容器はセクションのキャビティから取り出され、出力コンベアの端部で保持プレートに載せられる。次に、シフトハンドと呼ばれる容器を一列に配置するメカニズムによって、容器は成形機械の出力コンベア上をスライディングしながら移動する。異なるセクションからの容器が成形機械の出力コンベア上に配列される順序は、所定の生産については一定であるが、生産毎に、かつ製造ラインに応じて様々である。言い換えると、例えば、10個のセクションと、セクション毎に2つのキャビティとを持つ10ダブルゴブと呼ばれる機械の場合、セクションは1、2、3、4の順序では実行されない。ただし、その順序は事前に知られうる。成形機械の出口で、容器は搬送コンベア上に待ち列を構成するようにルーティングされ、これにより、容器は噴霧及びアニーリングなどの種々のプロセスステーションを連続して通過する。
【0004】
容器の蓄積又はトレーサビリティのエラーの結果として発生しうる欠陥の検出にタイムラグが生じないように、成形機械の出口でできるだけ迅速に容器にマーキングすることが有利であるとみられる。
【0005】
本技術分野では、成形機械から出てくる高温状態の物体をマーキングエリアでマーキングするための種々の解決策が提案されてきている。例えば、特許US 4 870 922には、流体の制御された噴霧によってマーキングする装置が記載されている。マーキングヘッドは、成形機械の出口で、物体をルーティングするコンベアに沿って配置されている。実際には、コード又はマーキングの形態で物体の表面に載せられた流体は、ガラス製造プロセスに固有の、ガラス物品の取り扱い、充填、又は洗浄の動作中に、変化するか又は消えてしまうことが分かっている。
【0006】
コード又はマーキングの経年劣化の問題に対処するために、特に文献JP 09 128 578から、ガラスのアブレーション又は溶融によって、物品の表面にマーキング又はコードを形成するレーザマーキングシステムを用いることが知られている。この技術の利点は、コードが消えることがなく、かつ、ガラス製造プロセスに固有の取り扱い、充填、又は洗浄動作に対して高い耐性を示すことにある。
【0007】
このレーザマーキング技術はまた、ガラス物体を製造するプロセスの低温部で実施されることが知られている。例えば、文献EP 0 495 647は、物体上に対応するマーキングを確保するするために、物体の走行速度を計算するように構成された設備を開示している。同様に、文献WO 2004/000749及びUS 2003/052100は、物体に対してマーキングする動作を確保する前に、その変位方向に沿って物体の位置を検出することを提案している。さらに、特許EP 2 719 643は、熱画像カメラを使用してガラス容器を整列させる方法を開示している。
【0008】
しかし、これらのレーザマーキング技術には、ガラスのアブレーション又は溶融の安全性及び効率性を確保できないという欠点がある。実際、物体が常にレーザのフォーカス面にあるとは限らないため、レーザからマーキング位置にガラスを溶融させるのに十分なパワーが提供されないことがある。
【0009】
実際、成形機械の出口で容器が完璧に整列していることは決してない。成形機械の出口で走行する高温の容器を整列させるガイド又はメカニズムを用いると、ガイドとの接触による欠陥、又はコンベア上で容器を減速することによって容器間で接触が生じることによる欠陥が発生しうる。これらのガラス容器が高温状態にある場合、高温状態のガラスは、まだ変形可能であるため、上記接触は欠陥を発生させる。
【0010】
特許EP 2 368 861によれば、容器の横方向の位置は、成形機械の出口で行われるマーキングの前に特定される。その位置は、走行中の容器を上方から観察する赤外線リニアカメラで測定される。この解決策によって容器の横方向の位置の測定によるマーキングの最適化が可能となっても、カメラが置かれた蒸気及びほこりで満たされた環境が、その性能に影響を与えうることがある。さらに、このカメラが容器に覆いかぶさっていると、一般的に物体の最も広い部分が視覚化されるため、この解決策では容器のネックの位置を正確に特定できず、ネックのマーキングを正確に実施できないことに注意すべきである。実際、システムはコンベア上で容器の位置を決める。容器が傾いたネックという欠陥を有する場合、容器本体の位置から導き出されたネックの位置は誤っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、成形機械の出口において、マーキングステーションへの物体の搬送中に物体を損傷させるリスクなしで、高温の容器の効果的なレーザマーキングを確保するように構成された簡易かつ安価な方法を提案することによって、先行技術の欠点を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのような目的を達成するために、本発明の目的は、成形機械の出口において、コンベアの搬送面に置かれるとともに、レーザ装置の前を連続して並進で走行する高温ガラス容器のマーキングエリアをレーザビームを用いてマーキングする方法に関し、当該方法は、以下のステップ:
マーキング前の各容器について、マーキングエリアの並進の方向に沿った縦方向位置、及び並進の方向に対する横方向に沿った横方向位置を特定することと、
レーザビームの前を走行する容器に対するその後のマーキング動作を最適化するように、各容器のマーキングエリアの横方向位置に応じて、横方向に沿ってレーザビームのフォーカス面を移動させることと、
各容器のマーキングエリアに、フォーカス面の位置がマーキングを確保するために最適化されているレーザビームによってマーキング軸に沿ったマーキングを行うことと、
を含む。
【0013】
本発明によれば、上記方法は、各容器のマーキングエリアの縦方向位置及び横方向位置を特定するために、
第1光センサの第1光軸と第2光センサの第2光軸とを互いに非平行に、搬送面に平行であってかつマーキングエリアの高さに少なくとも近い高さに設置された検出面に配置することと、
容器が第1光軸と交差する瞬間又は離れる瞬間及び容器が第2光軸と交差する瞬間又は離れる瞬間を検出することと、
上記瞬間から、かつ、容器の既知の又は一定の並進の速度を考慮して、上記横方向位置及び縦方向位置を計算することと、
から構成され、
第1光軸及び第2光軸は、マーキング前の並進中に各容器が各光軸と交差するように設置され、変位の方向に対する上記光軸の方向とマーキング軸(At)に対する上記光軸の位置とは既知であり、
上記方法は、マーキングエリアの縦方向位置の特定から、レーザ装置の前を走行する各容器のマーキングの瞬間を特定することから構成される。
【0014】
例えば、容器の直径が不明であるか又は容器の断面が円形でない1つの変形例によれば、上記方法は、
高温の容器が第1光軸と交差する瞬間を検出すること、
高温の容器が第1光軸から離れる瞬間を検出すること、
高温の容器が第光軸と交差する瞬間を検出すること、
高温の容器が第光軸から離れる瞬間を検出すること、
から構成され、
それにより、各容器のケーシングの、検出面による断面の中心対称の中心における横方向及び縦方向位置を導き出し、少なくとも中心対称の縦方向位置からマーキングエリアの縦方向位置を導き出し、少なくとも中心対称の横方向位置からマーキングエリアの横方向位置を導き出す。
【0015】
実施形態の1つの有利な特徴によれば、光センサの光軸は、検出面がマーキングエリアと、好ましくはマーキングエリアの中央と、交差するように配置される。
【0016】
容器の横方向位置におけるバラツキは、1つの容器から別の容器へのマーキングの垂直方向及び水平方向の寸法におけるバラツキをもたらす可能性がある。自動読み取りを目的としたデータマトリックスコードなどのマーキングの場合、コードの寸法におけるこのようなバラツキは、誤った読み取りというリスクをはらんでいる。
【0017】
本発明の別の目的は、容器の横方向位置がどうであれ、所望の寸法に対応する寸法を有するマーキングを確保するのに適した方法を提案することによって、従来技術の欠点を解消することである。
【0018】
そのような目的を達成するために、本発明は、マーキングエリアの横方向位置の測定が、変位の速度に応じてレーザビームの少なくとも水平変位を適合させることによってレーザ装置を制御するために考慮され、各容器のマーキングエリアの横方向位置の測定は、マーキングエリアの少なくとも幅を一定に保つためのものである方法に関する。
【0019】
容器は、変位の方向に対応した異なる角度に合わせて、出力コンベア上に配置されることが分かる。円形の容器については、この位置決めは、容器の正確な位置にマーキングエリアを作る必要がある場合にのみ問題になる。例えば、その中心にマーキングを形成する必要がある平坦面を有する非円形の容器の場合には、結果的に、容器の平坦面はレーザビームに垂直ではない。その結果、マーキング形状は変形する。自動読み取りを目的としたデータマトリックスコードなどのマーキングの場合、このようなコードの変形は、誤った読み取りというリスクをはらんでいる。
【0020】
本発明の1つの目的は、並進の方向に対する容器の向きがどうであれ、所望の品質マーキングに対応する品質マーキングを確保するのに適した方法を提案することによって、従来技術の欠点を解消することである。
【0021】
このような目的を達成するために、本発明の目的は、第1センサ及び第2センサが交差する及び離れる4つの瞬間から、各容器のケーシングの検出面によって容器の断面の向きが特定される方法に関し、かつ、上記向きに応じて、
マーキング領域の横方向位置及び縦方向位置が特定され、
及び/又は、所望のマーキングに適合する形状を有するマーキングを得るために走査装置が駆動され、
及び/又は、上記向きがマーキング品質値を超えるとアラート情報が送信される。
【0022】
容器のレーザマーキングの技術は、ガラスのアブレーション又は溶融に基づくものである。形成されたマーキングの品質が良くないこと、つまり、マーキングのレリーフが光学的な読み取りを可能とするには不十分であること、及び/又はレーザビームの衝撃で欠陥が生じることが時々観察される。さらに、審美的な理由から、そして何よりも、バーコード又はマトリックスコードの場合の自動読み取りを容易にするために、マーキングの形状及び容器上のその位置は、要求されたものであることが重要である。
【0023】
本発明の1つの目的は、成形機械の出口において、良好な品質を有するマーキングを確保するのに適した方法を提案することによって、従来技術の欠点を解消することである。
【0024】
そのような目的を達成するために、本発明の目的は、刻印が良好な品質を有するような温度閾値をマーキングエリアの温度が超えているか否かを判断するために、光学モニタリングパイロメーターが配置されて、それにより、高温の容器から放出された赤外線から、マーキングエリアがその光軸と交差する瞬間のマーキングエリアの温度の測定値が提供される方法に関する。
【0025】
マーキング領域の温度の測定値が所定の閾値を下回っている場合、以下の動作:
視覚的又は聴覚的なアラートなどによって再開される可能性がある、そのラインのオペレーターを対象としたアラーム信号の配置、
温度測定値が不十分である容器の非マーキング、
レーザ装置の上流側に設置された、マーキングエリアを加熱する装置の運転、
マーキングエリアの温度を上昇させることを目的とする容器の成形方法の変更、
の少なくとも1つが実行される。
【0026】
マーキングエリアが配置される高さは、生産のニーズ及び容器の形状に左右される。運転条件、周囲の雰囲気だけでなく、多かれ少なかれ高温のガラス容器にも影響を受けて起こる膨張現象は、出力コンベアの変形を引き起こし、その結果、特に、出力コンベアの高さはマーキングステーションの位置で変化する。したがって、コンベアの高さにおけるこれらの自然発生的でかつ意図しない変化は、+/-1cmに達しうる高さドリフトと呼ばれる振幅でもって、マーキングの高さを変更させうる。
【0027】
本発明の1つの目的は、成形機械の出口において、容器上のかつ容器に対するマーキングエリアの正確な位置決めを伴うマーキングを確保するのに適した方法を提案することによって、従来技術の欠点を解消することである。
【0028】
そのような目的を達成するために、本発明の目的は、搬送面の高さが少なくとも定期的に測定され、かつ、制御ユニットが、搬送面の高さの測定値に応じて、マーキングエリア又はマーキング軸を搬送面に対して一定の高さに維持するための、レーザ装置の位置を高さ調整するための手段を駆動する方法に関する。
【0029】
1つの変形例によれば、搬送面の高さが少なくとも定期的に測定され、かつ、制御ユニットは、搬送面の高さの測定値に応じて、マーキングエリアを搬送面に対して一定の高さに維持するためのレーザビーム走査システムを駆動する。
【0030】
生産に応じて、出力コンベアは可変スロープを有しうるため、地面に対して傾斜しうる。コンベアが水平でない場合、容器の軸は鉛直ではなく、特に搬送面は水平ではない。ただし、レーザビームの走査が適合していないと、マーキングはひし形の変形を示す可能性があり、最終的に所望の形状に対応しなくなる。
【0031】
本発明の1つの目的は、成形機械の出口において、容器上にかつ容器に対してマーキングエリアの正確な形状を有するマーキングを確保するのに適した方法を提案することによって、従来技術の欠点を解消することである。
【0032】
そのような目的を達成するために、本発明の目的は、マーキングの形状を維持するために、搬送面の傾斜が考慮され、かつ、レーザビーム走査システムが駆動される方法に関する。
【0033】
本発明の別の目的は、成形機械の出口において、コンベアの搬送面に置かれるとともに一定の又は既知の並進の速度でレーザ装置の前を連続して走行する高温ガラス容器にマーキングする設備を提案することであって、当該設備は、
マーキング前に、容器の並進の方向に沿ったマーキング領域の縦方向位置及び容器の走行方向を横切る方向におけるマーキング領域の横方向位置を特定するシステムと、
マーキング軸に沿ったレーザビームの発生器を含むレーザ装置と、
レーザビームの前を走行する容器に対するマーキング動作を最適化するために、マーキング領域の横方向位置に応じてレーザビームのフォーカス面を、横方向に沿って移動させる装置を駆動するように構成された制御ユニットと、
を含む。
【0034】
本発明によれば、各容器のマーキングエリアの縦方向位置及び横方向位置を特定するシステムは、
第1光軸を有する第1光センサ及び第2光軸を有する第2光センサであって、上記光軸は、搬送面に平行であってかつマーキングエリアの高さに少なくとも近い高さに設置された検出面に互いに非平行に配置され、第1光軸及び第2光軸は、各容器がその並進中に各光軸と交差するように設置され、変位の方向に対する上記光軸の方向とマーキング軸に対する上記光軸の位置とは既知である、第1光センサ及び第2光センサと、
容器が第1光軸と交差する又は離れる瞬間、及び容器が第2光軸と交差する又は離れる瞬間を検出し、かつ、上記瞬間から、容器の既知の又は一定の並進の速度を考慮して、上記横方向及び縦方向位置を計算する処理ユニットであって、マーキングエリアの縦方向位置の特定から、マーキングステーションの前を走行する各容器のマーキングの瞬間を特定する、処理ユニットと、
を含む。
【0035】
非限定的な例として、本発明の目的である実施形態を示す添付の図面を参照して、以下の説明から、他の様々な特徴が示される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、本発明にかかるマーキング設備の一つの例示的な実施形態を示す概略図である。
図2図2は斜視図であって、本発明にかかるマーキング設備の特徴を示している。
図3図3は側面図であって、本発明にかかるマーキング設備の特徴を示している。
図4図4は、光センサに対する検出面において円形断面を持つ容器の様々な位置を示す簡略図であって、レーザ装置に対する容器の横方向位置及び縦方向位置を特定するための計算を説明している。
図5図5は、図4に示された容器の様々な位置について、光センサの出力信号、及び、光センサに対して容器が交差する瞬間及び離れる瞬間を示す図である。
図6A図6Aは斜視図であって、並進の方向とは異なる垂直軸に対して2つの向きを有する長方形の容器を示している。
図6B図6Bは上面図であって、並進の方向とは異なる垂直軸に対して2つの向きを有する長方形の容器を示している。
図6C図6Cは、容器の表面でのレーザビームの発射軸を示す詳細図である。
図7A図7Aは、光センサの光軸の向きの例を示している。
図7B図7Bは、光センサの光軸の向きの例を示している。
図8A図8Aは、容器が垂直軸に対してゼロ以外の向きを有するときの台形の形をしたマーキングの変形を示す図である。
図8B図8Bは、搬送面が傾斜しているときのひし形の形をしたマーキングの変形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の目的は、例えば、ガラスボトル又はフラスコなどのガラス容器2にマーキングする又は熱刻印する設備1に関する。
【0038】
設備1は、製造又は成形機械3から出てくることによりそれぞれが高温である容器2のマーキングを確保するように配置される。成形機械3は、慣例的に、一連のキャビティ4を含み、各キャビティによって容器2の成形が実行される。機械3によって成形されたばかりの容器2は、既知の方法で、軸X、Yで定義された出力コンベア5の搬送面Pcに置かれる。これにより、容器2はコンベア5上に待ち列を構成する。これにより、容器2は、方向Xに平行な並進又は走行の方向Dに沿って、次々に様々なプロセスステーションにルーティングされる。慣例的に、搬送面Pcは一般的に水平である。
【0039】
出力コンベア5上に連続して載せられた容器は、方向Xに沿ってあまり正確には整列されていないことに留意されたい。容器2が高温である限りにおいて、上記設備は、圧迫、グレーズ又は変形、摩擦などの種々の欠陥の発生を回避するために、接触を介して容器を整列させる機械的システムを含まない。したがって、容器2は、横方向Yに沿ってランダムな位置を有する。
【0040】
マーキング設備1は、成形機械3の出力コンベア5に関連付けて配置され、容器がまだ熱いうちに容器のマーキングを確保する。このように、マーキング設備1は、出力コンベア5の経路において成形機械3の出口に配置され、これにより、走行方向Dに沿って上記設備の前を高温状態の容器2が連続的に走行するようにする。
【0041】
マーキング設備1は、それ自体が既知の全てのタイプのレーザビームFを生成する装置9を含む。以下の説明では、レーザ装置9は、前方又は出力レンズの光軸に対応するマーキング軸Atを有する。マーキング軸Atは、一般的に、変位を横切る方向Yに沿って方向付けられる。本発明に係るレーザ装置9は、従来、出力レンズの上流側に、レーザビームの出力ウィンドウによって保護された走査装置10又はスキャナを含む。Fシータレンズと呼ばれるこの出力レンズは、レーザビームを形づくって、マーキング位置にパワーを集中させる。走査装置10は、その駆動によって、出力レンズを介してかつマーキング軸Atに対して、レーザビームの方向を角度的に移動させることを可能とする。したがって、マーキング軸Atは、例えばFシータレンズの光軸であり、一般的に、変位を横切る方向Yに沿って方向付けられる。本発明にかかるレーザ装置9はまた、マーキング軸Atの方向、すなわち横方向Yに沿って、レーザビームFのフォーカス面を前方から後方に移動させる装置11を含む。言い換えると、レーザ装置9は、物体の走行の方向Dに対して横方向に、すなわち図示された例では、軸X、Zで定義された平面に垂直に、レーザの作動面の位置を移動させるように光学的補正を行う手段を含む。例えば、レーザ装置9は、変位装置11として、変位で駆動する電動光学システムを含む。
【0042】
図示された例では、レーザビームFは、搬送の方向Dに実質的に垂直な、すなわち、軸X、Zで定義された平面に垂直な方向を有する。もちろん、走査装置10は、搬送の方向Dに対して傾斜しているなど、垂直方向とは異なる横方向に沿ってレーザビームFを向けることが想定されうる。いずれの場合でも、装置11は、搬送の方向Dに対する横方向Yに沿って、すなわち、この搬送の方向Dと交差する方向Yに沿って、レーザビームFのフォーカス面の変位を確保する。
【0043】
レーザ装置9は、各容器に対して、容器2のマーキングエリア又は領域Rにマーキングを行う。マーキングエリア又は領域Rとは、マーキングを受けるべき各容器の領域又は壁の一部を指し、それは一般的に各容器について同じである。マーキングエリアRは、種々の基準、例えば容器の底に対して取られた基準、に従って選ばれた容器の正確な高さに配置される。図2及び3に示されるように、マーキングエリアRは、容器の本体上又はネック上に位置付けられている。マーキングは一般的に、容器の外面に対して行われるため、マーキングエリアは壁の表面の一部である。なお、本発明は、中空のガラス容器の壁の厚さの範囲内でマーキングを行うときに適用されうる。
【0044】
各マーキングは、英数字順に、あるいはバーコード又はデータマトリックスコードなどの記号コーディングによって行われうる。その情報は暗号化されてもよく、暗号化されなくてもよい。マーキングには、例えばデータマトリックスコード及び英数字情報などのいくつかの要素が含まれてもよい。
【0045】
このように、マーキングには、容器へのレーザビームの衝撃に対応するパターンが含まれる。データマトリックスコードの場合、パターンはパルスレーザの衝撃に対応するくぼみであり、各くぼみはドットコードのドットを構成する。英数字コードの場合、パターンは文字または数字である。
【0046】
データマトリックスコードの場合、マーキング領域Rは正方形に縮小される。マーキングがテキストである場合、マーキング領域Rは、例えば、水平方向にはテキストの長さによって規定され、垂直方向には文字の高さによって規定される。互いにオフセットされた2つの異なる図形要素でマーキングが構成されている場合、マーキングエリアはそれらの要素を含みうる領域である。
【0047】
有利には、レーザ装置9は、成形機械3と同期し、それにより、元の成形キャビティに応じて決まる少なくとも1つの情報を与えるマーキングを各容器に形成する。したがって、それは、例えば、元の成形型又はキャビティの番号をマークするように設けられてもよい。上記同期は、例えば、セクションが成形機械3から出てくる順序、つまり、それらの元のキャビティに従ってマーキングステーションにおける容器の走行順序をレーザ装置のメモリに記録することから構成される。
【0048】
マーキング設備1は、各容器2に、例えば、成形機械、製造ライン及び/又は製造プラント及び/又はマーキングの瞬間に関する情報を与えること、好ましくは各容器に特有の識別を構成するマーキングを行いうることに留意されたい。
【0049】
マーキング設備1は、レーザ装置9の運転を駆動するように構成された制御ユニット14又はコントローラを含む。マーキング設備1はまた、容器の並進の方向Dを横切る方向Yに沿った各容器2の位置、及び容器の並進の方向Dに沿ったマーキング領域Rの縦方向位置Xを特定するシステム15を含む。この特定システム15は、走行の方向Dを考慮してレーザ装置9の上流側に配置されたセンサシステム151を含む。各容器の通過を検出するこのセンサシステム151は、マーキング領域Rの横方向位置及び縦方向位置を特定するように構成された処理ユニット152に接続されている。
【0050】
この特定システム15は、横方向Yに沿った各容器2のマーキング領域Rの位置を制御ユニット14に送信し、これにより、レーザ装置9を移動させる装置11を駆動することが可能になる。したがって、この制御ユニット14は、容器が装置9の前を通過するとき、レーザビームFが容器の適切なマーキングを確保することが可能であるように、マークされるべき容器の横方向位置に応じて、レーザビームFのフォーカス面を適合させることを可能とする。
【0051】
この特定システム15はまた、制御ユニット14に、縦方向Xに沿った各容器2の位置を送信し、これにより、マーキングエリアRにおけるマーキングを確保するためにレーザ装置9を駆動することを可能にする。マーキングエリアの縦方向位置の特定から、制御ユニット14は、各容器がレーザ装置の前を走行するときにレーザ装置9がマーキングを確保するように、各容器のマーキングの瞬間を特定する。もちろん、制御ユニット14は、コンベアの並進の速度Vt及び容器の位置に対する縦方向に沿ったマーキング軸Atの位置の情報からマーキングの瞬間を特定する。
【0052】
より具体的には、マーキング動作は一定の継続時間を有し、その間、レーザビームFの方向は、マーキング軸Atに対して上方から下方へ、かつ左方から右方へと角度的に移動し、これにより、レーザビームの衝撃は、特にマーキングされるべきパターン及びコンベアの速度に応じてマーキングエリアRを通過する。したがって、マーキングの瞬間とは、実際には、例えば単純化すると、マーキング動作の開始の瞬間である。
【0053】
コンベアの速度が一定であるとき、制御ユニット14はメモリ内の速度の値を有すれば十分である。それ以外の場合、コンベアの速度は様々な方法でいつでも知りうる。
【0054】
制御ユニット14に接続されたコンベアの変位の速度を測定する装置が提供されうる。第1の解決策によれば、制御ユニットは、成形機械から「トップマシンIS」という信号を受信する。この成形機械のトップ(以下、トップマシンという。)とは、成形機械の各完全なサイクルにおいて、すなわち、例えば型のセットが一旦空になるたびに、トリガされる信号である。製造の速度が増加又は減少すると、トップマシンの周波数はコンベアの速度にも比例して変化する。成形機械のトップマシンは、速度、つまり搬送の速度に関する情報を提供する。あるいは、制御ユニット14は、コンベアの実際の前進を知らせるエンコーダによって送信された所定のパルス数のカウント、それは速度Vt及び時間を認識することと同等であるが、からマーキングをトリガする。
【0055】
第3の可能性によれば、既知の距離で分離された、平行軸を持つ2つの光学センサを用いることが提案されうる。この可能性によれば、第1又は第2光軸に平行かつ関連付けられた第3光軸を用いることが可能である。これらのセンサの2つの光軸が交差する又は離れるという2つの事象の間で経過する時間を考慮すれば、そこから容器の速度及びコンベアの速度を推定できる。スライディングがない場合、容器の速度は出力コンベアの速度でもある。
【0056】
制御ユニット14は、任意のコンピュータシステムによって構成され、特定システム15の処理ユニット152を有利に統合しうる。例えば、この制御ユニット14は、コンベアの速度を特定又は保存するように、マーキング領域Rの横置及び縦方向位置、フォーカス距離、発射の瞬間、刻印されるべき情報の内容を特定するように、レーザ装置、走査装置10、及びフォーカス面を移動させる装置11を制御するように、構成される。この制御ユニット14は、そのメモリに書き込まれた出力順序によって、又は場合によっては成形機械、特にトップマシンからの信号へのその接続によって、成形機械3と同期される。
【0057】
本発明にかかる設備1の運転は、上記の説明から直接導かれる。特定システム15のセンサシステム151の前を容器2が通過すると、容器2が検出され、軸Yに沿ったコンベア上の容器2の横方向位置及び軸Xに沿った容器2の縦方向位置が測定される。センサシステム151の前を容器が通過した後、かつ、レーザ装置9の前を容器2が通過する前、コンベア上の容器の位置の測定値は、特定システム15によって、より具体的には処理ユニット152によって計算される。制御ユニット14は、レーザ装置9のフォーカス面を移動させるシステム11を適宜駆動するために、レーザビームに対して行われうる光学的補正を計算する。したがって、レーザビームのフォーカス面又は作動面は、レーザ装置9の前を通過する前の容器の位置に適合される。このフォーカス面は、マーキング中に容器2の材料の溶融又はアブレーションを行うためにエネルギが最大であるビームに沿った位置にある。変位装置11は、レーザビームのフォーカス面を移動させて、これにより、容器に形成されるマーキングを最適化する。制御ユニット14は、容器がレーザ装置の前を通過するときにマーキングをトリガするようにレーザ装置9を駆動する。
【0058】
したがって、本発明にかかる方法には、マーキングの前に、容器の並進の方向Dを横切る方向Yに沿った容器の位置を特定するステップ、及び、マークされるべき容器の位置に応じてレーザビームFのフォーカス面を適合させ、それにより、レーザビームによってレーザビームFの前を通過する容器にマーキング動作を確保することができるステップが含まれることが理解されなければならない。したがって、マーキング動作は、レーザビームFによって確保され、レーザビームFのフォーカス面の位置、より具体的には、最大エネルギを含むようビームが十分に強められている方向Atに沿った距離の範囲は、容器のマーキングを確保するするために前もって最適化されている。この方法は、レーザ装置9の前を走行する各容器に対して実行されることに留意されたい。もちろん、フォーカス面を適合させるステップは、2つの連続する容器がコンベア上で同じ横方向位置を取っている場合には任意であってもよい。
【0059】
本発明によれば、各容器のマーキングエリアRの縦方向位置及び横方向位置を特定するシステム15は、センサシステム151として、第1光軸A1を有する第1光センサE1及び第2光軸A2を有する第2光センサE2を少なくとも含む。光センサE1、E2は、一般的に、例えば、一定のスペクトル感度を有し、受け取った光を電気信号に変換する光電子センサ、及び、光を光電子センサにフォーカスさせる手段を備える。レンズ又は対物レンズタイプのフォーカス手段は、一般的に、狭い平行なビームをフォーカスするのに適している。それは、空間内に仮想バリアを特定し、物体と仮想バリアとの交差により、知覚された光が変更される。したがって、光学センサは、走行中の容器が横切る空間内に直線又は線分に対応する光軸を有する。
【0060】
光センサE1、E2の光軸A1及びA2は、搬送面Pcに平行であってかつマーキングエリアRの高さに少なくとも近い高さに位置付けられた検出面Pdに、互いに非平行に配置される。マーキングエリアの横方向位置が特定される検出面は、マーキングエリアに、あるいは場合によっては、容器の形状に起因してこのマーキングエリアと同じ横方向位置を有するエリアに、可能な限り対応していなければならないことが理解されなければならない。有利には、光センサの光軸A1及びA2は、検出面PdがマーキングエリアRと交差するように、好ましくはマーキングエリアRの中央と交差するように、配置される。言い換えると、検出面Pdは、有利にはマーキング軸Atを含む。このような配置をすることによって、容器が傾いたネックを有していても有していなくても、容器のネックなどについて、マーキングエリアRの実際の位置を正確に検出することが可能となる(図3)。
【0061】
光センサE1、E2は、並進中の容器に対して固定した状態で取り付けられている。図4から分かるように、光軸A1及びA2は、各容器2がその並進中に各光軸と交差するように配置されている。したがって、各光センサE1、E2は、容器2がその光軸と交差する瞬間、かつ、容器2の並進に続いてこの容器が光軸との交差を中断する、つまり光軸から離れる瞬間を検出するように構成されている。
【0062】
第1の変形例によれば、少なくとも1つの光センサE1、E2は、容器の並進の軌跡のどちらかの側に配置された発光器及び受光器を含む。
【0063】
第2の変形例によれば、少なくとも1つの光センサE1、E2は、容器の並進の軌跡の同じ側に配置された発光器及び受光器を含む。光反射器は逆側に沿って配置され、発光器から出てくる光を受光器に向け直す。
【0064】
これらの変形例によれば、各光センサは、その光軸と交差する容器がない場合、その光軸に沿って光ビームを受け取る。交差する及び離れる瞬間は、容器の通過時に受光器が受け取った光の消失及び出現によってそれぞれ検出される。
【0065】
第3の変形例によれば、光センサE1、E2は、赤外光センサ又は光学パイロメーターである。位置パイロメーターと呼ばれるそのような光学パイロメーターは、高温の容器から放出された赤外線に反応し、それにより、その光軸を横切る容器から放出された赤外線をその光軸に沿って受信する。交差する及び離れる瞬間は、容器の通過時に光学位置パイロメーターによって受信された赤外線の出現及び消失によってそれぞれ検出される。
【0066】
特定システム15は、容器2が第1光軸A1と交差する又は離れる瞬間、及び容器が第2光軸A2と交差する又は離れる瞬間を検出する。次に、特定システム15は、これらの瞬間から、かつ、容器の既知の及び/又は一定の並進の速度を考慮して、容器2のマーキングエリアの横方向位置及び縦方向位置を計算する。特定システム15はまた、マーキングエリアの縦方向位置の特定から、マーキングステーションの前を走行する各容器のマーキングの瞬間を特定する。
【0067】
以下で、容器2が第1光軸A1と交差する又は離れる瞬間、及び容器2が第2光軸A2と交差する又は離れる瞬間から、容器2のマーキングエリアの横方向位置を特定するための計算の例を説明する。この計算は、光軸A1及びA2の特定の構成における、かつ、容器が検出面Pdにおいて円形断面を有する多くの場合における、当業者へのアプローチを示すために提示される。
【0068】
図4は、搬送面Pcに平行な面である検出面Pdの図である。この図は、容器2のマーキングエリアの横方向位置の特定に結び付く幾何学的推論を可能にするために簡略化されている。出力コンベア5は、方向Dへの変位の軌跡によって表されている。光センサE1、E2の光軸A1及びA2は直線で表されている。例えば、基準フレームX、Yを考慮すると、光軸A1及びA2は、2つの点E1及びE2でそれぞれ縦軸Xと交差する。角度α1及びα2は、それぞれ横軸Yに対する光軸A1及びA2の角度であって、+又は-の符号はない。
【0069】
図4では、縦軸X及び横軸Yを持つ正規直交基準フレームが、点E1にその原点を持つように位置付けられている。容器2は、縦軸Xに平行な方向Dに左方から右方へ移動する。容器2は、検出面Pdに位置付けられた容器のケーシングの断面に対応する円で表されている。容器の各中心Cは、座標XC及びYCを有する。簡略化された図4は、点E1及びE2が出力コンベア上に位置付けられた光軸A1、A2の交点を持つ光センサの光学中心を表しうるところの装置にほぼ対応している。
【0070】
図4に示された例では、光軸A1及びA2は、点E1と点E2との間の縦軸Xに沿って、かつ、並進中の容器の左側の横軸Yに沿って位置付けられた1つの点に集まっている。例えば、光軸A1及びA2が集中している点は、出力コンベアの左端に位置している。この構成は、時計回りの正の角度α1及び反時計回りの正の角度α2に対応する。当業者は、図7A及び図7Bに示されるような光軸の他の構成に上記計算を容易に適合させることができる。図7Aでは、光軸A1及びA2が集中している点はE1の上流側の縦軸Xに沿って位置付けられている。図7Bでは、光軸A1及びA2が集中している点は、並進中の容器の右側で、横軸Yに沿って位置付けられている。
【0071】
容器の変位は理論的には縦軸Xに平行であるため、容器の中心の横方向位置YCは、変位中に変化せず、したがって、光学検出軸A1、A2とマーキング軸Atとの交差の間は一定のままである。
【0072】
容器の中心Cの縦方向位置XCは、並進の速度Vtとともに変化するので、マーキング軸Atに対する容器のこの縦方向位置は変化し、それはXC(t)である。速度Vtが既知であるので、瞬間tにおけるXC(t)が分かっていれば、他の瞬間におけるその値、あるいは逆に、1つの位置と他の位置との間で経過する時間を予測できる。出力コンベアの速度Vtが一定であると仮定した場合、継続時間Δtは移動した変位に比例するため、長さd=Vt×Δtである。
【0073】
マーキングステーションの上流側で、すなわち、容器がマーキング軸Atを横切る前に、容器の中心Cは、6つの注目すべき位置によって示される構成中を連続して通過する。位置P1、P’1及びP’’1はそれぞれ、容器が第1光軸A1と交差するときの、容器の中心が第1光軸A1と交差するときの、及び、容器が第1光軸A1から離れるときの、容器の中心Cの位置に対応している。同様に、位置P2、P’2及びP’’2はそれぞれ、容器が第2光軸A2と交差するときの、容器の中心Cが第2光軸A2と交差するときの、及び、容器が第2光軸A2から離れるときの、容器の中心Cの位置に対応している。もちろん、これらの特徴的な位置を特徴づけるために、中心Cとは異なる容器の別の点が定められてもよい。
【0074】
図5は、例として、位置P1とP’’1との間、位置P2とP’’2との間で状態を変化させる光センサE1、E2の出力信号S1、S2のレベルを示している。さらに、瞬間TC1、TM1及びTL1は、容器がそれぞれ第1光軸A1と交差する瞬間(交差する瞬間)、容器の中心が第1光軸A1と交差する瞬間、及び、容器が第1光軸A1から離れる瞬間(離れる瞬間)に対応している。同様に、瞬間TC2、TM2及びTL2は、容器がそれぞれ第2光軸A2と交差する瞬間(交差する瞬間)、容器の中心が第2光軸A2と交差する瞬間、及び、容器が第2光軸A2から離れる瞬間に対応している。
【0075】
容器の外径Φが既知であるとき、容器の中心の横方向位置YC及び縦方向位置XCは、例えば、位置P’1及びP’2について、以下の通りに特定されうる。
【0076】
TM1(あるいはTM2)を容器の中心Cが点P’1(あるいはP’2)で光軸A1(あるいはA2)と交差する瞬間とする。
【0077】
【数1】
【0078】
Φ/2は、丸い容器の円形断面の半径、又は成形品のネックの半径であることに注意されたい。
【0079】
これら2つの位置P’1とP’2との間を移動した距離をdccとする。位置P’1及びP’2は、容器の中心Cが光軸A1、A2と交差する位置である。
【0080】
【数2】
【0081】
上記構成において、dccは0よりも大きい。
【0082】
【数3】
【0083】
ここで、E1E2は、光センサの光学中心を表す点E1とE2との間の距離である。
【0084】
容器の直径Φ、発射距離が既知であると、マーキングエリアRの横方向位置YRは、以下の通りである。
【0085】
【数4】
【0086】
これにより、例えば、瞬間TM2で、つまり、位置P’2:X(P’2)=XC(TM2)の縦座標で、縦方向の位置XC(t)を特定することが可能となる。
【0087】
【数5】
【0088】
発射又はマーキングの瞬間Tfiringは、次にマーキングエリアRが座標X(T)のマーキング軸Atと交差する瞬間である。マーキングが中心で行われるように、発射又はマーキングの瞬間Tfiringは、容器の中心(XC(t),YC)がマーキング軸Atと交差する瞬間、つまり、容器の中心の縦座標XCがX(T)に対応する瞬間である。
【0089】
【数6】
【0090】
直径Φが前もって既知でない場合、この直径は距離を用いて推定されうる。
【0091】
【数7】
【0092】
言い換えると、有利な変形例によれば、光軸A1が交差する瞬間TC1及び離れる瞬間TL1、又は、光軸A2が交差する瞬間TC2及び離れる瞬間TL2は、容器の直径を特定することを目的とした計算のために使用される。算出された直径によって、例えば、発射距離を規定することができ、これにより、例えば、容器の円錐領域について、マーキングエリアRの横方向位置XRを規定することができる。
【0093】
実際に直径を計算せずに、以下の通りに容器の中心Cが点P1で光軸A1(あるいはA2)と交差する瞬間TM1(あるいはTM2)を特定することも可能である。
【0094】
【数8】
【0095】
検出面を通る断面が円形ではないが対称な容器の場合、瞬間TM1(あるいはTM2)を、容器の対称中心XC(t),YCが点P’1(あるいはP’2)で光軸A1(あるいはA2)と交差する瞬間とみなすことによって、上記式が適用される。対称形状の容器とは、検出面を通るケーシングの断面が中心対称を有するような容器である。その形状は、例えば、長方形、正方形、楕円形、長円形である。例えば、検出面Pdが(本体に刻印するために)本体に配置されているとき、その断面は長方形、正方形、長円形などである。
【0096】
本発明にかかる方法によって、垂直軸Zに対する容器の向きθを特定することも可能である。マーキングエリアが縦軸Xに平行であれば、すなわち横軸Yに垂直であれば、この向きθはゼロであるとみなされる。これにより、マーキングを正確に配置するために、発射距離YR及び発射瞬間をさらに一層正確に、例えば、図6Aから6Cに示される平行六面体の大きな面20の中心に、修正することが可能となる。図6Aから6Cは、大きな平坦面20を有し、その上にマーキングエリアRが作られた、長方形断面を持つ容器を示している。
【0097】
図6Bでは、マーキングの瞬間Tfiringを遅らせ、かつ、向きθゼロで通過する容器に対して凹んだマーキングレーザビームをフォーカスさせるために、縦軸Xに対して向きθを持つ容器2が必要であるようである。
【0098】
本発明の一つの変形例によれば、マーキングエリアRがマーキングエリアRの表面の曲率に対して大きい場合には、フォーカス面をマーキング中に移動させることもできる。そのためには、制御ユニットがマーキングエリアRの形状を認識することに加えて、各容器の向きθを計算することも必要である。
【0099】
各容器の向きθによる別の影響は、容器の表面がレーザビームに垂直でない場合に、マーキングの形状が変形することである。例えば、投影された正方形は、図8Aに示されるように台形の形をしたマーキングを生成する。言い換えると、マーキングは「台形変形」を受ける。自動読み取りを目的としたデータマトリックスコードの場合、わずかに変形したコードをリーダーが読み取ることができたとしても、変形のせいで誤った読み取りが行われるリスクがある。したがって、ゼロ以外の向きθを持つ容器については、マーキングの形状を修正することが推奨される。
【0100】
本発明の1つの有利な変形例によれば、制御ユニット14は、位置システム15のセンサによって、各容器の向きθを特定し、かつ、台形変形をキャンセルすることによってマーキングの形状を修正するように、すなわち、所望のマーキングに適合する形状を有するマーキングを得るように、走査装置10を駆動する。
【0101】
本発明の一つ有利な例によれば、各容器の向きθが既知であるので、容器の平坦面の表面における想定されたマーキングエリアへのレーザビームの入射角は既知である。ここでの定義によれば、入射角とは、到達した表面の法線に対するレーザビームの角度である。図6Cに示されるように、容器2の面20へのビームFの入射角もまたθに等しい。この入射角によっては、マーキングの形状が、受光面における非正射影によって変形する可能性がある。マーキングの形状がこのように変形すると、バーコード又はデータマトリクスコードの場合、専用の光学式リーダーによる再読み取りが困難になってしまう可能性がある。
【0102】
本発明によれば、各容器に所望の形状を維持しているマーキングを生成するために、各容器の向きθを考慮して走査システム10を駆動することによって、この欠点が解消される。したがって、本発明の一つの変形例によれば、変位の方向Dに対する各容器の向きθが特定され、かつ、レーザビームF走査システムは、変位の方向Dに対するその向きにかかわらず、マーキングエリアに一定の形状のマーキングを生成するために駆動される。
【0103】
マーキングが、例えば、それぞれがレーザビームの衝撃に対応する一組のくぼみからなる場合、各くぼみがドットコードの、例えばデータマトリクスタイプの、ドットを構成し、各くぼみの正しい3次元形状(レリーフの位置、真円度、及び深さ)により、自動コードリーダーによってくぼみが容易に検出されるという効果を有する。マーキングエリアへのレーザビームFの入射角が大きい場合、ドットコードのドットの形状が変わることがある。言い換えると、レーザビームFの入射角が閾値を超えると、マーキング品質は低下する。
【0104】
一つの変形例によれば、向き角度θがマーキング品質値に対応する角度の閾値を超える場合、各容器の垂直軸Z、これによってレーザビームの入射角が決まる、についての向きθを特定するために、以下のいずれかの動作:
正しくない方向を向いた容器はマークされない、
容器の元の断面の向きが正しくないことを示している可能性があるアラート情報がトリガされる、
容器を一列に配置するメカニズムが修正される、
が実行されることが提案される。
【0105】
好ましい例示的な実施形態によれば、2つの光軸A1又はA2のうちの1つは、並進の方向に直交している。第1光軸A1が並進の方向に直交している場合、縦方向位置XCは、
自由な光軸A1が高温な容器に交差する瞬間TC1、又は光軸A1が高温な容器から離れる瞬間TL1から、
コンベアの速度から、
検出面で得られた容器の断面の並進の方向における縦方向の長さ又は縦方向の直径から、
導き出される。
【0106】
もちろん、上述の計算は非限定的な例として示されている。容器の横方向位置及び容器の縦方向位置は、異なる方法でも特定されうる。一般的に、設備1は、これらの計算を実行するための様々な情報を処理ユニット152に提供する装置を含む。マン/マシンインターフェース又は内部メモリなどのこのような装置は、以下のリスト:
光センサE1、E2の縦方向位置、
光センサE1、E2の異なる要素間の横方向距離、
並進Yを横切る方向を持つ光センサの光軸A1、A2の角度、
円筒形容器については直径Φ、又は、成形容器については幅及び長さW×Iなどの寸法、
コンベアの速度Vt、
コンベアの平面に対するマーキング領域Rの高さ、
マーキング軸Atの縦方向位置、
から得られた情報を有する。
【0107】
このマン/マシンインターフェース及び/又は同様に制御ユニット14のこの内部メモリは、レーザ出力、走査速度、マーキングの種類、コード、マーキングされるべき情報の内容などの他のマーキングパラメータ、つまり、レーザマーキングに必要な全てのパラメータを提供するために必要なものと同じであってもよい。
【0108】
レーザビームによってマーキングを行うために、走査装置は一般的にビームを水平及び垂直に偏向させる。マーキングされるべき容器がマーキング中に固定される場合、水平及び垂直な走査の変位は、パターンの寸法及び形状、そしてマーキングエリアからの一般的な一定の距離によってのみ決定される。ビームの偏向は偏向板(ガルバノメトリックミラー)毎の角度偏向であるため、距離は実際に影響を与える。そのため、レーザビームに対するマーキングエリアの距離が考慮されて、走査の移動が決定される。言い換えると、マーキングエリアがさらに離れている場合、走査装置によるレーザビームの偏向角は、垂直方向かつ水平方向に減少する。単純な三角法の計算で足りるので、当業者によって容易に決定されうる。
【0109】
可動式容器のマーキングの場合、レーザビームは、固定容器の場合と同様にマーキングエリアを同時に通過する必要があるが、容器の縦方向の変位にも追随する必要があることが知られている。垂直走査及び水平走査は、容器の変位を考慮して補正される。変位の速度が分かっていればよく、さらに、変位の速度は一般的には一定でありうるか、あるいは測定される。本発明にかかる方法において、これら2つは代替が可能である。容器の変位の考慮は、マーキングエリアからの距離にも左右され、それは一般的には一定である。
【0110】
不完全な整列のままで出力コンベア上を走行している高温の容器のマーキングについては、マーキングエリアの横方向位置YR、つまりレーザ出力ウィンドウとマーキングエリアとの間の距離にはバラツキが生じる。このことは、マーキング又はマーキングエリアRの垂直方向及び水平方向の寸法において、1つの容器から他の容器へのバラツキをもたらす可能性がある。
【0111】
本発明の1つの有利な変形例によれば、容器の変位を考慮することは、既知の縦方向の変位の速度(それが一定であるか否か又はそれを測定できるかにかかわらず)及びマーキングエリアからの距離を考慮することから構成される。
【0112】
容器が、ほぼ水平である縦方向へ移動する本発明の場合、距離に応じたビームの垂直方向の変位の補正が推奨されるが、垂直方向の影響は小さいので絶対に必要という訳ではない。逆に、上記変位は、マーキングエリアの水平方向の寸法における距離に大きく影響する。
【0113】
言い換えると、本発明の1つの有利な変形例によれば、各容器のマーキングエリアRの横方向位置YRが測定され、その後、制御ユニットは、変位の速度に応じて、かつ、マーキングエリアの少なくとも幅を一定に維持するために各容器のマーキングエリアRの横方向位置YRに応じて、レーザビームの少なくとも水平方向の変位を適合させるために、レーザビーム走査装置を駆動する。
【0114】
レーザ装置9は高さ調節が可能である。より具体的には、本発明によれば、レーザビーム出力ウィンドウは、搬送面Pcに対して高さ調節が可能である。一つの変形例によれば、走査装置10の位置は、固定されているレーザ装置の位置とは無関係である。実際、ROFIN社から「Multiscan」という名称で販売されているシステムは、関節アーム内で、レーザビームを光源から走査装置まで導く手段を有している。別の構成では、レーザ装置の大部分、例えば、光源、走査装置、及びフォーカル面を移動させる装置は、高さが移動する。これらの調節は通常、手動式であるが、電動式もありうる。したがって、調節手段は、クランクによって作動するジャッキ、レバー、又はエンドレススクリューなどの任意の手段によって構成されうる。それらが電動式である場合、クランクは、例えば電気モータに置き換えられる。
【0115】
高さドリフト補正の一つの変形例によれば、制御ユニット14は、高さドリフトに応じて高さ調節手段を駆動する。これらの調節手段は、完全なレーザ装置、又は少なくともレーザ出力ウィンドウを運ぶ走査装置を移動させる。
【0116】
本発明の別の特徴によれば、本発明にかかる方法は、搬送面Pcに対するマーキング軸Atの高さを測定し、かつ、マーキング軸Atが搬送面Pcに対して所望の高さに配置されるようにレーザ装置9を駆動する。マーキング領域Rの高さは、コンベアの高さの違いに関係なく、常に容器の底に対して、つまり容器の載置面に対して適切に位置決めされる。マーキングエリア又はマーキング軸を搬送面Pcに対して一定の高さに維持するために、異なる解決策が実行されうる。
【0117】
高さ補正の1つの変形例によれば、制御ユニットは、搬送面の高さの測定値に応じて高さ調節手段を駆動する。これらの調節手段は、完全なレーザ装置、又は少なくともレーザ出力ウィンドウを運ぶ走査装置を移動させる。これらの調節手段は、製造、特に製造された容器のモデルに応じて、かつ、成形機械の出力コンベアの高さに応じて、マーキングエリアRを位置決めするために、製造の変更において調節を可能にするものであってもよい。この場合、調節振幅は少なくとも400ミリメートルである。別の変形例では、高さドリフトの補正を目的とする高さドリフト補正手段は、30mm未満の調節振幅を有し、少なくとも400mmの振幅を有する製造の変更中の高さ調節手段とは異なっている。手動式又は電動式の製造の変更中の高さ調節手段とは異なり、高さドリフトの補正を目的とする高さ補正手段は、必然的に電動式であって、制御ユニット14によって駆動される。したがって、設備にはコンベア高さセンサが含まれている。このセンサは、基準に対するコンベアの搬送面Pcの高さを定期的に測定し、上記基準は、レーザビームに、地面に、又は搬送面に要求される位置に関連付けられている。高さセンサはどのタイプも有しうる。距離センサが取り付けられうる。例えば三角測量を用いて、光学距離センサを使用することが可能である。ただし、ピンと張ったワイヤセンサなどの機械的センサも使用できる。
【0118】
高さドリフトを補正するために、制御ユニット14はまた、マーキングエリアを移動するように走査装置10を制御しうる。このように、マーキングエリアを移動するのはレーザビーム走査装置である。言い換えれると、走査装置10は、コンベア高さセンサによって検出された高さドリフトに応じてレーザビームの平均方向を上下に傾ける。
【0119】
コンベアの高さが変化する場合、検出面Pdは、マーキング領域上で隣接しているか又は整列したままであることが好ましい。例えば、検出面はコンベアに対して一定の高さにある。高さ補正が走査装置の又は完全なレーザ装置の変位によって得られる場合、検出面Pdは走査装置に又はレーザ装置に固定されうる。したがって、単純な装置については、光学センサE1、E2は、レーザ装置に固定された支持体によって保持され、レーザ装置の高さ調節に関係なく、検出面がレーザ出力ウィンドウと一致するように設けられる。
【0120】
逆に、高さドリフト補正がマーキングビームの偏向(走査装置の駆動によるマーキングエリアの変位)によって動作する場合、検出面はコンベアに固定されたままであることが提案される。この場合、製造の変更中、つまりマーキングエリアの公称位置の調節中に、コンベアに対する検出面の高さ調節が行われる。
【0121】
したがって、単純な装置については、光学センサE1、E2は、コンベアに固定された支持体によって保持され、上記支持体は、調節過程毎にコンベアに対して高さ調節が可能であることが提案される。検出面をマーキングエリア又はレーザ発射ウィンドウに配置するために、目視可能な基準フレームが設けられうる。
【0122】
成形機械は、いくつかの異なるモデルの容器を同時に製造するように設定されうる。この状況おいて、成形機械の一部のセクションでは、他のセクションと同じモデルの容器は生産されない。次に、一連の異なる容器がマーキング設備を通過しうる。各容器は、異なる高さに配置されたマーキングエリアを有する。制御ユニットは、同期方法によって、レーザ装置の前を通過する瞬間に各容器の元のセクションを認識する。各容器の元のセクションに応じて、制御ユニット14は、各容器モデル2に適合させた高さでマーキングエリアRを位置決めするように、レーザビームF走査装置を駆動する。例えば、製品が高さ300mmの物品と高さ350mmの物品とを含み、両方のタイプについて最上部(あるいはリングの表面)から30mm下にデータマトリクスコードを配置する必要がある場合、マーキングエリアは、容器の元のセクションに応じて、搬送面Pcの270mm上又は320mm上のいずれかに位置決めされる必要がある。もちろん、マーキングエリアの変位は、走査装置の容量によって制限される振幅を有する。
【0123】
したがって、本発明の一つの変形例によれば、マークされるべき一連の容器が異なるモデルの容器を含むとき、制御ユニットは、レーザビーム走査装置を駆動し、各容器の元のセクションに応じてマーキングエリアの高さを適合させる。
【0124】
実施形態の1つの有利な特徴によれば、本発明にかかる方法は、搬送面Pdの傾きを測定する。この傾きの測定は、出力コンベアの傾斜の情報によって又は傾きセンサによる測定値によって考慮される。レーザビームは、マーキングが、検出された傾きに応じてその形状を維持するように、搬送面の傾きを考慮して駆動される。
【0125】
実際、コンベアは可変スロープ、すなわち地面に対して傾きを有しうる。コンベアが水平でない場合、コンテナの軸は垂直ではなく、変位の方向Dは水平ではない。結果として、図8Bに示されるように、理論的には正方形のマーキングがひし形の形状を取るようにマーキングが変形することが起こりうる。マーキング動作中に物品の変位Dを追跡することにより、レーザビームFを偏向させるために駆動される走査装置であって、容器の傾き、特に容器の変位の方向に従って、つまりコンベアの傾き角度に従って、レーザビームFの偏向を実行する操作装置が必要であるようにみえる。追加の自由な軸、つまり発射軸又は横軸Yを中心とする回転を走査装置に提供することによって、走査装置を位置決めすることが提案されうる。一つの変形例によれば、レーザ装置全体が同じ角度で傾いている。この調節は手動式又は電動式で行われる。
【0126】
好ましい解決策は、マーキングの形状を維持することでマーキングのひし形変形を回避するように、レーザ走査装置を駆動するために、マーキングする装置に対する搬送面Pcの傾きを考慮することから構成される。この安価で信頼性のある解決策により、レーザ装置の要素の機械的変位なしで自動調節が可能となる。
【0127】
傾き角は、制御ユニット14のMMIに入力されうる。この調節をコンベアの傾きに応じて自動化するには、コンベアの傾きを測定する必要がある。
【0128】
一つの解決策は、互いに離れた2つのコンベア高さセンサを用いることから構成される。2つの高さから、三角法を用いて、制御ユニット14にコンベアの傾きが送信される。
【0129】
一つの代替方法は、コンベアに固定された傾斜計を使用することである。例えば、MEMSベースの傾斜計があり、これは、重り又は液体に対する重力の作用を用いて、軸に沿った物体の傾斜を示す。
【0130】
したがって、本発明によれば、上記設備は、コンベアの傾きを測定する手段を備えうる。制御ユニットは、この手段に接続され、かつ、コンベアの傾斜角に応じて、マーキングの形状を維持するように走査装置を駆動するように構成される。
【0131】
好ましくは、高さを調節する手段に関係なく、搬送面Pdとの平行を維持するように検出面Pdを傾斜させること、又は、センサE1及びE2がコンベアに又はレーザ装置9に固定されていようといまいと、高さドリフトを修正することが提案されうる。
【0132】
実施形態の一つの特徴によれば、第1光センサの第1光軸と第2光センサの第2光軸との間に、5°から60°の間の角度が形成される。この角度は、図9に角度βで表されている。この特徴により、容器間の間隔及びオフセットを考慮することが可能となる。2つの連続する容器は、その通過の間に、横軸Yと比べてより大きな角度を有する光軸A1から離れないであろう。言い換えると、検出用の光軸と横方向Yとの間の角度は、横方向Yと、その間に最大の横方向オフセットを有する2つの連続する容器に接する直線との間の角度を超えてはならない。
【0133】
光学センサE1、E2の支持体は、横方向に対する軸A1及びA2の角度の、すなわち、それぞれ時計回り方向の45°と反時計回り方向の45°との間で構成される角度α1及びα2の調節を備えうる。この調節は、2つの光軸の間に5°から60°の間の角度を生じさせることを目的としている。例えば、α1は0°に等しく、α2は20°に等しい。
【0134】
本発明の一つの特徴によれば、光学モニタリングパイロメーター18は、高温の容器から放出された赤外線から、マーキングエリアRがその光軸と交差する瞬間におけるマーキングエリアRの温度の測定値を提供するために配置されている。これにより、刻印が良好な品質を有するような温度の閾値を上記温度が超えているかどうかを判断する。この光学モニタリングパイロメーター18は、レーザ装置9の上流側に配置されて、レーザ装置によるマーキング動作の直前のマーキングエリアRの温度の測定値を提供する。
【0135】
本発明の1つの好ましい変形例によれば、光学モニタリングパイロメーター18は、容器の表面温度を測定する。したがって、ガラスを通過する放射線にはあまり反応しない。例えば、光学モニタリングパイロメーター18は、3ミクロンを超える、好ましくは5ミクロンを超える、例えば5から8ミクロンの間の波長に反応する。
【0136】
本発明にかかる方法は、各容器の元のキャビティに関する情報を含むコードをマーキングすることを提案する。そのため、制御ユニットは、同期方法によって、レーザ装置の前を通過する瞬間に、かつ、言うまでもなくマーキングエリアRの温度の測定の瞬間に、各容器のキャビティ及び/又は元のセクションを認識する。したがって、制御ユニットは、問題を引き起こすキャビティ又はセクションと、マーキングエリアの温度及びこの温度による欠陥とを関連付けうる。推測的には、低温エリアを持つ容器は、マーキングステーションから最も遠いセクションから出される容器であるが、搬送中の冷却以外の原因によって、他のセクションがこの欠陥を有することが明らかになることがある。
【0137】
1つの動作手段は、マーキングステーションの上流側の火炎でマーキングエリアを加熱することから構成される。ただし、高温すぎるマーキングエリアを作り出すという欠点が現れることがある。したがって、特定のキャビティ又は特定のセクションから出される容器にのみ作用することが有利である。
【0138】
マーキング領域Rの温度の測定値が、典型的に450℃に等しい所定の閾値を下回っている場合、以下の動作:
視覚的又は聴覚的なアラートなどによって再開される可能性がある、そのラインのオペレーターを対象としたアラーム信号の配置、
温度測定値が不十分な容器の非マーキング、
マーキングエリアを加熱する装置、例えば、レーザ装置の上流側に設置された、マーキングエリアに向けられたガスバーナーの火炎などの、容器の元のセクション及び/又はキャビティに応じた永続的又は断続的な運転、
温度障害によって影響を受けた少なくともセクション及び/又はキャビティについてマーキングエリアの温度を上昇させることを目的とする容器の成形方法の変更、
の少なくとも1つが実行される。
【0139】
上記の結果として、上記方法によれば、制御ユニット14は、各容器について特定されたマーキングエリアの横方向位置YRに応じて、場合によっては(成形容器については)各容器の垂直軸Zに対する向きθに応じて、コンベアの傾斜に応じて、定期的に測定されたコンベアの高さに応じて、レーザビーム走査装置を駆動し、これにより、搬送面に対してZに沿った高さで、Xに沿った中心で又は物品の面に対して、かつ、搬送面に対する傾きで、かつ、Xに沿った水平方向の寸法に適合させて、物品に正確に配置されたマーキングを得る。
【0140】
上記方法によれば、制御ユニットは、マークが一定の垂直方向の寸法を有するように、各容器について特定されたマーキングエリアの横方向位置YR(あるいは垂直方向の位置XR)に応じてレーザビーム走査装置を駆動する。
【0141】
上記方法によれば、良好なマーキング品質を確保するため、かつ、ドリフトの場合に上記方法の介入又は修正を可能にするために、容器の向き及びマーキング領域の温度が監視される。
【0142】
したがって、上記方法によって、成形機械の出口における高温の容器の形状及びマーキングの3次元化の安定性を確保することが可能となる。
【0143】
上記の説明から、本発明の目的は、成形機械の出口において容器にマーキングを行うことを可能にすることであることが明らかになる。成形機械は、
非平行な光軸を持つ少なくとも2つの光センサを用いて、その位置が簡単かつ安価な手法で検出されるマーキングエリア、及び/又は、
容器が適当な温度を有する場合にのみマーキング動作が実行されることによる、マーキングの良好な品質、及び/又は、
搬送面の高さの違いに関係なく、所望の場所で容器に位置決めされたマーキングエリア、及び/又は、
容器の載置面に対する所定の傾きに従うマーキング、及び/又は、
容器の変位速度及び横方向位置がどうであれ、その幅が制御されるマーキング、及び/又は、
マーキング品質を維持するために、変位の方向に対してその向きが決定されるマーキングエリア、
を有する。
【0144】
本発明は、記載及び表された例に限定されることなく、その範囲から逸脱しない範囲で様々な変更を加えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9