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特許7509793パーキンソン病検出のためのユーザデバイスの作動方法、ユーザデバイス、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】パーキンソン病検出のためのユーザデバイスの作動方法、ユーザデバイス、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20240625BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240625BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A61B10/00 H
A61B5/00 102A
A61B5/11 200
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021555353
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 US2020025282
(87)【国際公開番号】W WO2020247047
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】16/431,828
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520353802
【氏名又は名称】テンセント・アメリカ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ハン,リアンイ
(72)【発明者】
【氏名】タン,ホォイ
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ユィション
(72)【発明者】
【氏名】リン,シィ―ヤオ
(72)【発明者】
【氏名】チエン,ジェン
(72)【発明者】
【氏名】フオ,ジミン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ウエイ
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0110754(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0123684(US,A1)
【文献】特開2016-106948(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0257047(US,A1)
【文献】米国特許第09302046(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第109063714(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-1936302(KR,B1)
【文献】Teaching Program for the Movement Disorder Society-Sponsored Revision of the Unified Parkinson's Disease Rating Scale: (MDS-UPDRS),Movement Disorders,25, 9,Movement Disorder Society,2010年,1190-94
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06- 5/22
A61B 9/00-10/06
A61B 5/00- 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザデバイスのユーザに関連する統一パーキンソン病評価スケール値(UPDRS値)を決定するために、前記ユーザデバイスを作動させる方法であって、
前記ユーザデバイスのセンサが、前記ユーザデバイスを操作する、前記ユーザデバイスの前記ユーザに基づいてセンサデータを生成するステップであって、前記センサデータは10Hz~50Hzの調整可能なレートでリアルタイムに記録される、ステップと、
前記ユーザデバイスを操作する、前記ユーザデバイスの前記ユーザに基づいて前記センサデータを生成するステップの後、前記ユーザデバイスのプロセッサが、前記センサデータ及びディープニューラルネットワークモデル(DNNモデル)に基づいて前記UPDRS値を決定するステップと、
前記UPDRS値を決定するステップの後、前記ユーザデバイスのプロセッサが、前記UPDRS値を提供し、前記UPDRS値に基づく前記ユーザの評価を可能にする、ステップと、
サーバデバイスからDNNモデルを受信するステップと、を含み、
前記ユーザデバイスのプロセッサが、前記センサデータ及びディープニューラルネットワークモデル(DNNモデル)に基づいて前記UPDRS値を決定するステップは、受信した前記DNNモデルに生成された前記センサデータを入力することによって前記UPDRS値を決定するステップを含む、
方法。
【請求項2】
前記センサは加速度計を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記センサはジャイロスコープを含む、
請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記UPDRS値は運動障害疾患学会(MDS)のUPDRS値である、
請求項1乃至3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記UPDRS値は、ゼロ、1、2、3又は4のうちの少なくとも1つである、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザデバイスの出力コンポーネントを介して、予め義されたジェスチャに対するプロンプトを提供するステップと、を含み、
前記ユーザデバイスの前記センサが、前記ユーザデバイスを操作する、前記ユーザデバイスの前記ユーザに基づいて前記センサデータを生成するステップは、前記ユーザデバイスの前記出力コンポーネントを介して、前記予め定義されたジェスチャに対する前記プロンプトを提供するステップに基づいて、前記センサデータを生成するステップを含む、
請求項1乃至5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
ユーザデバイスであって、
プログラムコードを格納するように構成された少なくとも1つのメモリと、
前記プログラムコードを読み込んで、前記プログラムコードによって指示されるように作動するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備え、
前記プログラムコードは、
前記少なくとも1つのプロセッサに、前記ユーザデバイスを操作する、前記ユーザデバイスのユーザに基づいて、前記ユーザデバイスのセンサからセンサデータを受信させるように構成された受信コードであって、前記センサデータは、10Hz~50Hzの調整可能なレートでリアルタイムに記録される、受信コードと、
前記ユーザデバイスを操作する、前記ユーザデバイスのユーザに基づいて、前記センサデータを受信させることの後、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記センサデータ及びディープニューラルネットワークモデル(DNNモデル)に基づいて統一パーキンソン病評価スケール値(UPDRS値)を決定させるように構成された決定コードと、
前記UPDRS値を決定させることの後、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記UPDRS値を提供させ、前記UPDRS値に基づく前記ユーザの評価を可能にさせるように構成された提供コードと、を含
前記受信コードは、前記少なくとも1つのプロセッサに、サーバデバイスから前記DNNモデルを受信させるように、さらに構成されており、
前記決定コードは、前記少なくとも1つのプロセッサに、受信した前記DNNモデルに前記センサデータを入力することによって前記UPDRS値を決定させるように、さらに構成されている、
ユーザデバイス。
【請求項8】
前記センサは加速度計を含む、
請求項7記載のユーザデバイス。
【請求項9】
前記センサはジャイロスコープを含む、
請求項7又は8記載のユーザデバイス。
【請求項10】
前記UPDRS値は運動障害疾患学会(MDS)のUPDRS値である、
請求項7乃至9いずれか1項記載のユーザデバイス。
【請求項11】
前記UPDRS値は、ゼロ、1、2、3又は4のうちの少なくとも1つである、
請求項7乃至10いずれか1項記載のユーザデバイス。
【請求項12】
前記提供コードは、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記ユーザデバイスの出力コンポーネントを介して、予め義されたジェスチャに対するプロンプトを提供させるように、さらに構成されており、
前記受信コードは、前記ユーザデバイスの前記出力コンポーネントを介して、前記予め定義されたジェスチャに対する前記プロンプトを提供することに基づいて、前記ユーザデバイスの前記センサから、前記センサデータを受信するように、さらに構成されている、
請求項7乃至11いずれか1項記載のーザデバイス。
【請求項13】
請求項1乃至6いずれか1項記載の方法を実行するための命令を含むプログラムであって、
前記命令は、
ユーザデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、前記1つ以上のプロセッサに、
前記ユーザデバイスのセンサから、前記ユーザデバイスを操作する、前記ユーザデバイスのユーザに基づいてセンサデータを受信させ、前記センサデータは、10Hz~50Hzの調整可能なレートでリアルタイムに記録され、
前記ユーザデバイスを操作する、前記ユーザデバイスの前記ユーザに基づいて前記センサデータを生成することの後、前記センサデータ及びディープニューラルネットワークモデル(DNNモデル)に基づいて統一パーキンソン病評価スケール値(UPDRS値)を決定させ、
前記UPDRS値を決定することの後、前記UPDRS値を提供させ、前記UPDRS値に基づく前記ユーザの評価を可能にさせる、
1つ以上の命令を含む、
プログラム。
【請求項14】
前記センサは加速度計を含む、
請求項13記載のプログラム。
【請求項15】
前記センサはジャイロスコープを含む、
請求項13又は14記載のプログラム。
【請求項16】
前記UPDRS値は運動障害疾患学会(MDS)のUPDRS値である、
請求項13乃至15いずれか1項記載のプログラム。
【請求項17】
前記1つ以上の命令は、前記1つ以上のプロセッサに、サーバデバイスから前記DNNモデルを受信させるように構成されており、
前記1つ以上のプロセッサに、前記センサデータ及び前記DNNモデルに基づいて前記UPDRS値を決定させる前記1つ以上の命令は、前記1つ以上のプロセッサに、前記サーバデバイスから前記DNNモデルを受信することに基づいて前記UPDRS値を決定させるように、さらに構成されている、
請求項13乃至16いずれか1項記載のプログラム。
【請求項18】
前記UPDRS値は、ゼロ、1、2、3又は4のうちの少なくとも1つである、
請求項13乃至17いずれか1項記載のプログラム。
【請求項19】
前記UPDRS値を標準化されたフォーマットに変換して提供するステップをさらに含む、請求項1乃至6いずれか1項記載の方法。
【請求項20】
前記UPDRS値を標準化されたフォーマットに変換して提供する、請求項7乃至12いずれか1項記載のユーザデバイス。
【請求項21】
前記UPDRS値を標準化されたフォーマットに変換して提供する、請求項13乃至18いずれか1項記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許商標庁において2019年6月5日に出願された米国特許出願第16/431,828号に基づく優先権に基づくものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は、主に運動系を侵す長期的かつ進行性の中枢神経系障害である。運動関連症状(Motor related symptoms)は徐々に始まり、しばしば片手にかろうじて目立つほどの振戦を伴い、時間の経過とともに徐々に悪化する。パーキンソン病の初期段階では、振戦、ふるえ、動きの緩慢、固縮などの運動関連症状が非常によくみられる。病期が進行するにつれて、非運動症状が生じることがある。患者は歩行困難を経験したり、感覚障害、睡眠障害、情緒障害などの思考や行動に関連する症状を経験することがある。簡単に言えば、運動障害はまとめてパーキンソン病の主な症状である。疾患の病期及び症状の評価は、臨床診療において主に焦点が当てられている。
【発明の概要】
【0003】
本開示のいくつかの態様によれば、ユーザデバイスのユーザに関連する統一パーキンソン病評価スケール(UPDRS)値を決定するために、ユーザデバイスによって実行される方法は、ユーザデバイスのセンサにより、ユーザデバイスを操作する、ユーザデバイスのユーザに基づいて、センサデータを生成するステップと、ユーザデバイスを操作する、ユーザデバイスのユーザに基づいて、センサデータを生成するステップの後、ユーザデバイスのプロセッサによって、センサデータ及びディープニューラルネットワーク(DNN)モデルに基づいてUPDRS値を決定するステップと、UPDRS値を決定するステッの後、ユーザデバイスのプロセッサによって、UPDRS値を提供し、UPDRS値に基づくユーザの評価を可能にする、ステップと、を含む。
【0004】
本開示のいくつかの態様によれば、ユーザデバイスは、プログラムコードを格納するように構成された少なくとも1つのメモリと、プログラムコードを読み込んで、プログラムコードによって指示されるように作動するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備え、プログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサに、ユーザデバイスを操作する、ユーザデバイスのユーザに基づいて、ユーザデバイスのセンサからセンサデータを受信させるように構成された受信コードと、ユーザデバイスを操作する、ユーザデバイスのユーザに基づいてセンサデータを受信することの後、少なくとも1つのプロセッサに、センサデータ及びディープニューラルネットワーク(DNN)モデルに基づいて統一パーキンソン病評価スケール(UPDRS)値を決定させるように構成された決定コードと、UPDRS値を決定することの後、少なくとも1つのプロセッサに、UPDRS値を提供させ、UPDRS値に基づくユーザの評価を可能にさせるように構成された提供コードと、を含む。
【0005】
いくつかの実施例によれば、命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、前記1つ以上のプロセッサに、少なくとも1つのプロセッサに、ユーザデバイスを操作する、ユーザデバイスのユーザに基づいてセンサデータを、ユーザデバイスのセンサから、受信させるように構成された受信コードと、ユーザデバイスを操作する、ユーザデバイスのユーザに基づいてセンサデータを生成することの後、センサデータ及びディープニューラルネットワーク(DNN)モデルに基づいて統一パーキンソン病評価スケール(UPDRS)値を決定させ、UPDRS値を決定することの後、UPDRS値を提供させ、UPDRS値に基づく前記ユーザの評価を可能にさせる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本明細書に記載される実施例の概略図である。
図2図2は、本明細書に記載されるシステム及び/又は方法が実装され得る例示的な環境の図である。
図3図3は、図2の1つ以上のデバイスの例示的な構成要素の図である。
図4図4は、ユーザデバイスのユーザに関連する統一パーキンソン病評価スケール(UPDRS)値を決定するための例示的プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
2015年には620万人がパーキンソン病に罹患し、世界で11万7,400人の死者に上る。パーキンソン病は60歳以上の人によくみられ、人口の約1%が罹患する。診断後の平均余命は7~14年である。パーキンソン病の社会的コストは高く、パーキンソン病は、パーキンソン病に苦しむ人々とその介護者の生活の質を低下させる。したがって、本開示は、パーキンソン病に関連する動作(movement)の進行をモニターするために、ユーザデバイスの1つ以上の運動センサ(motion sensor(s))を利用し、それによって、患者及びその介護者がヘルスモニタリングツールに容易に手が届き、それを使用するのを支援する。
【0008】
ディープニューラルネットワーク(DNN)アプローチを用いた経時的データ解析(sequential data analysis)の最近の進歩は、著しい発展を遂げた。加えて、強力なモバイルデバイスの人気は、人工知能(AI)ベースのアプリケーションが大多数の一般大衆によってアクセス可能な段階に到達している。本開示は、ユーザデバイスを補助的医療診断ツールとして利用することを可能にすることにより、運動に関連するパーキンソン病症状の徴候について予備的にスクリーニングすることを試みる。本開示は、とりわけ、パーキンソン病運動関連症状を評価すること、統一パーキンソン病評価スケール(UPDRS)の臨床試験において0~4のスケールで複数のカテゴリーの運動テストを提供すること、及び、ユーザデバイスの追加のハードウェア要件なしに容易にインストールすることができるモバイルアプリケーションの提供を可能にする。
【0009】
本開示の医学的診断支援アプリケーションは、パーキンソン病患者の病状を定量的に測定するように構成される。加速度計、ジャイロスコープセンサー等の運動センサは、携帯電話、スマートウォッチ等の最新のユーザデバイスのほとんどに効果的に組み込まれている。
【0010】
多次元運動データは、パーキンソン病患者の運動機能(motor function)を定量的に測定するのに十分な10~50Hzサンプリングレートで、ユーザデバイスに密着する身体の動作を測定することができる。特に近年、DNNと長・短期記憶ネットワーク(Long Short Term Memory Network:LSTM)の進歩は時系列データの解析に有望な結果を示しており、これによりAIベースのパーキンソン病のより正確な解析が可能になる。
【0011】
本開示は、(1)誤診と偽陽性との間のトレードオフ、(2)AIベースのデータ分析処理パイプラインを介して通信するフロントエンドとバックエンドのアーキテクチャ、という課題に対処する。
【0012】
本開示は、高度なAI駆動技術を現実に提供することに関する技術的障壁に対処し、アクセス可能であり、かつ、使い易い実用的アプリケーションを提供する。本開示は、AIサービス及びクライアントアプリケーションを、それら自身の自己独立型の、柔軟に結合された(loosely coupled)コンポーネントに分離する。AIサービスとクライアントセンサ収集モジュールを分離することにより、複数のコンポーネントを開発し、テストし、並列配置することができる。さらに、この構成では、ユーザデバイスの計算パワー及び能力が制約要因となり得る場合には、計算コストの高い計算を行う必要性を排除することによって、ユーザデバイスは処理及びハードウェアリソースを節約することができる。クライアント側アプリケーションを実行しているユーザデバイスが運動テスト及びデータ収集を実行することが可能であるので、ユーザは、都合の良い位置、例えばホームケア環境、でテストを実行する柔軟性を得ることが可能である。
【0013】
本開示は、ユーザデバイスによる正確かつリアルタイムのテストを可能にする実用的アプリケーションに向けられている。
【0014】
提案された開示は、運動機能の評価によるパーキンソン病の早期検出のための予備的スクリーニングツールを提供する。さらに、本開示は、より良好な患者のケア及び管理のために、パーキンソン病の状態の定期的なモニタリングを可能にする。本開示の第1のシナリオによれば、ヘルスケア専門家は、UPDRSスコアリングシステムを用いて定量的に、必要に応じて慢性的に、パーキンソン病の状態を評価することができる。本開示の別のシナリオによれば、ユーザは、運動機能障害の初期徴候のアセスメントを定期的に実施することができる。
【0015】
このモデルは、経時的順序で運動センサ時系列データを利用する一方向LSTMベースDNNを用いたエンドツーエンドのディープラーニングモデルである。
【0016】
アプリケーションアーキテクチャはモデル・ビュー・ビューモデル(MVVM)にしたがい、データモデルは上述のDNNモデルと異なる。DNNモデルは、アプリケーションライフサイクルの間の推論のために利用され、データモデルとDNNモデルの間で通信が提供され、両方がビューアモデルに供給される。ビューアモデルは、データバインディングを通じてユーザインタフェース(UI)として役立つように構成されている。DNNモデルは、クラウド及び/又はモバイルデバイス上にローカルに保存されることができる。
【0017】
運動センサデータは、例えば10hz~50hzの調整可能なレートでリアルタイムに記録され、ユーザデバイス上でローカルに、又はクラウドサービスを介して遠隔的に分析されることができる。例として、0~4のスコアが、センサデータが評価された後に提供される。このスコアは、パーキンソン病状態評価用のパーキンソン運動評価スケールであるMDS-UPDRSと相関している。
【0018】
一実施形態によれば、センサデータは、所定のジェスチャ及び動作のガイドを用いて、ユーザデバイスの内蔵ジャイロセンサ及び加速度計によって記録される。
【0019】
パーキンソン病の定量的及び継続的モニタリングは、パーキンソン病の介護者にとって依然として課題である。本開示は、健康モニタリングを可能かつ便利にする、容易に手が届きかつ簡単に使用できるアプリケーションによる患者管理を可能にする。
【0020】
本開示は、改善された処置計画のための洞察を提供し、最終的にパーキンソン病患者の生活の質を改善する。本開示は、ユーザがパーキンソン病の予備スクリーニングのために運動機能を評価するために利用することができるAIベースのモバイルアプリケーションを提供する。DNNモデルの成功は、包括的診断又は評価を容易にするためのアプリをさらに拡張することができる。アプリのMVVM設計は、より良いDNNモデルを経時的(overtime)に提供するために採用することができ、最終的には、モバイルデバイスを、オンライン診療のための新興市場を埋めることができる、信頼性が高く、使いやすいヘルスモニタリングツールにすることができます。
【0021】
図1は、本明細書に記載される実施形態の概略図である。図1に示すように、ユーザデバイス100(例えば、携帯電話)は、ユーザデバイス100のユーザに関連する統一パーキンソン病評価スケール(UPDRS)を決定することができる。例えば、ユーザデバイス100がユーザデバイス100を操作しているユーザと関連するUPDRS値を、ユーザデバイス100が決定することができるアプリケーションを実行することができる。
【0022】
ユーザは、パーキンソン病の症状等についてモニターされている人、パーキンソン病の検査を受けている人、及び/又は類似の人に対応し得る。この場合、ユーザデバイス100は、ユーザに対するUPDRS値を決定することによって、ユーザの評価を可能にするアプリケーションを実行することができる。
【0023】
図1に示すように、ユーザデバイス100のセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ等)は、ユーザデバイス100を操作する、ユーザデバイスのユーザに基づいてセンサデータ110を生成することができる。例えば、ユーザデバイス100は、特定の方法でユーザデバイス100を操作するようにユーザに指示するプロンプトを出力コンポーネント(例えば、ディスプレイ、スピーカ等)を介して提供することができる。特定の例として、プロンプトは、ユーザに、電話を比較的静かに保持し、所定のジェスチャ又は運動を行い、及び/又は類似のものを実行する、ように指示することができる。ユーザデバイス100を操作するユーザに応答して、ユーザデバイス100のセンサは、センサデータを生成することができる。
【0024】
図1にさらに示すように、ユーザデバイス100のプロセッサは、測定条件120が満たされているかどうかを決定することができる。例えば、測定条件は、経過した時間の閾値量、生成されるセンサデータの閾値量、実行されるべき所定のジェスチャ、生成されている正確なセンサデータの閾値量、完了されているプロンプトのセット、及び/又は類似のものに対応し得る。
【0025】
図1に示すように、特定の例として、測定条件は、ユーザデバイス100がセンサデータの測定を開始してから、ユーザがアプリケーションを実行してから、センサがデータの生成を開始してから、及び/又は類似のことから、15秒経過したことに対応し得る。図1にさらに示すように、ユーザデバイス100のプロセッサは、センサデータ及びでディープニューラルネットワークモデルに基づいてUPDRS値130を決定することができる。例えば、ユーザデバイス100は、生成されたセンサデータをDNNモデルに入力し、モデルの出力に基づいてUPDRS値130を決定し得る。UPDRS値130は、運動障害疾患学会(movement disorder society :MDS) のUPDRS値を含み得、1、2、3、4などの値を含み得る。
【0026】
ユーザデバイス100は、クラウドベースのプラットフォーム(例えば、サーバ)から訓練されたモデルを受信し、そのモデルを記憶することができる。このようにして、ユーザデバイス100は、計算コストの高い計算を実行する必要性を低減することによって、プロセッサ及び/又はメモリリソースを節約することができる。クラウドベースのプラットフォームは、データを分析し、モデルを生成するために機械学習技術を利用することができる。例えば、クラウドベースのプラットフォームは、数百万、数十億、数兆などのデータポイントを分析し、センサデータとUPDRS値を相関させるモデルを生成することができる。このようにして、ユーザデバイス100は、モデルを受信し、UPDRS値130の決定を可能にするアプリケーションに関連して、モデルを利用することができる。
【0027】
図1にさらに示すように、ユーザデバイス100のプロセッサは、UPDRS値130に基づくユーザの評価を可能にするために、UPDRS値130を提供し得る。例えば、ユーザデバイス100は、出力コンポーネント(例えば、ユーザインタフェース)を介して、UPDRS値130を識別する情報を提供して、ユーザ、医師、介護者、医療従事者などがUPDRS値を識別することを可能にする。
【0028】
他の場合には、ユーザデバイス100は、リアルタイムでネットワークを介して、UPDRS値130を他のデバイスのセットに提供することができる。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス100は、UPDRS値に基づいて種々のデータベース及び記録を更新することを可能にするために、標準化されたフォーマットでUPDRS値130を提供することができる。
【0029】
ユーザデバイス100は、標準化技術を用いてUPDRS値130を標準化することができ、その結果、1セットのデバイスは、各々、UPDRS値130を利用することができる。
【0030】
ユーザデバイス100は、ユーザの医療情報を収集し、その医療情報を標準化されたフォーマットに変換して統合することができる。さらに、ユーザデバイス100は、標準化されたフォーマットに関連してUPDRS値130を生成することができる。ユーザデバイス100は、標準化されたUPDRS値130を1セットのネットワークベースのストレージデバイス(例えば、クラウドベースのプラットフォーム)に記憶し、UPDRS値が生成、更新されるときはいつでも、ヘルスケア提供者、医師、医療従事者、患者などに通知するメッセージを生成することができる。
【0031】
さらに、ユーザデバイス100は、デバイスのセットにリアルタイムで(例えば、UPDRS値130の生成と実質的に同時に)UPDRS値130を提供することができ、デバイスのセットがリアルタイムでUPDRS値130を更新及び/又は利用することを可能にする。このようにして、デバイスセットの様々なユーザは、ユーザの最新のUPDRS値130に直ちにアクセスすることができる。
【0032】
このようにして、また、異なる医療提供者に関連する標準化されていない医療情報と比較して、本明細書のいくつかの実装は、標準化された医療情報及び/又はUPDRS値130がリアルタイムで生成され、複数の異なるデバイスに提供されることを可能にし、それによって、異なるユーザが医療情報及び/又はUPDRS値130を共有することを可能にする。
【0033】
さらにまた、このようにして、本明細書中のいくつかの実装は、完全かつ正確な医療情報及び/又はUPDRS値130をリアルタイムで提供することを可能にする。複数の異なる医療従事者が不完全又は不正確な医療情報又は診断情報を有する状況と比較して、本明細書におけるいくつかの実装は、完全かつ正確な医療情報及びUPDRS値130を医療従事者間で普及させ、容易に共有することを可能にする。
【0034】
図2は、本明細書に記載されるシステム及び/又は方法が実装され得る例示的な環境200の図である。図2に示すように、環境200は、ユーザデバイス210、プラットフォーム220、及びネットワーク230を含み得る。環境200のデバイスは、有線接続、無線接続、又は有線接続及び無線接続の組み合わせを介して相互接続することができる。
【0035】
ユーザデバイス210は、プラットフォーム220に関連する情報を受信、生成、記憶、処理、及び/又は提供することが可能な1つ以上のデバイスを含む。例えば、ユーザデバイス210は、計算デバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、スマートスピーカ、サーバ等)、携帯電話(例えば、スマートフォン、無線電話等)、ウェアラブルデバイス(例えば、スマート眼鏡又はスマートウォッチ)、又は類似のデバイスを含み得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス210は、プラットフォーム220から情報を受信及び/又はプラットフォーム220へ情報を送信することができる。
【0036】
プラットフォーム220は、本明細書の他の箇所に記載されているように、ユーザデバイスのユーザに関連付けられた統一パーキンソン病評価スケール(UPDRS)値を決定することができる1つ以上のデバイスを含む。いくつかの実装では、プラットフォーム220は、クラウドサーバ又はクラウドサーバのグループを含み得る。いくつかの実装では、プラットフォーム220は、特定のニーズに応じて、特定のソフトウェアコンポーネントを交換し得るように、モジュール式に設計され得る。したがって、プラットフォーム220は、異なる使用のために、容易に及び/又は迅速に再構成され得る。
【0037】
いくつかの実装では、図示のように、プラットフォーム220は、クラウドコンピューティング環境222でホストすることができる。特に、本明細書に記載される実装は、プラットフォーム220をクラウドコンピューティング環境222でホストされるものとして記述されるが、いくつかの実装では、プラットフォーム220は、クラウドベースではなく(すなわち、クラウドコンピューティング環境の外部で実装され得る)、又は部分的にクラウドベースであってもよい。
【0038】
クラウドコンピューティング環境222は、プラットフォーム220をホストする環境を含む。クラウドコンピューティング環境222は、プラットフォーム220をホストする、(1つ以上の)システム及び/又は(1つ以上の)デバイスの物理的なロケーション及び構成に関するエンドユーザ(例えばユーザデバイス210)知識を必要としない計算、ソフトウェア、データアクセス、ストレージ等のサービスを提供することができる。図示のように、クラウドコンピューティング環境222は、コンピューティングリソース224のグループ(まとめて、「複数のコンピューティングリソース224」と称し、個別に「コンピューティングリソース224」と称する)を含み得る。
【0039】
計算リソース224は、1つ以上の、パーソナルコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、サーバデバイス、又は他の種類の計算及び/又は通信デバイスを含む。いくつかの実施において、計算リソース224は、プラットフォーム220をホストすることができる。クラウドリソースは、計算リソース224において実行される計算インスタンス、計算リソース224において提供されるストレージデバイス、計算リソース224によって提供されるデータ転送デバイスなどを含み得る。いくつかの実装では、計算リソース224は、有線接続、無線接続、又は有線及び無線接続の組み合わせを介して、他の計算リソース224と通信することができる。
【0040】
図2にさらに示すように、計算リソース224は、1つ以上のアプリケーション(「APP」)224-1、1つ以上の仮想マシン(「VM」)224-2、仮想ストレージ(「VS」)224-3、1つ以上のハイパーバイザ(「HYP」)224-4等のクラウドリソースのグループを含む。
【0041】
アプリケーション224-1は、ユーザデバイス210及び/又はセンサデバイス220によって提供され又はアクセスされることができる1つ以上のソフトウェアアプリケーションを含む。アプリケーション224-1は、ユーザデバイス210上にソフトウェアアプリケーションをインストールし実行する必要をなくすことができる。例えば、アプリケーション224-1は、プラットフォーム220に関連するソフトウェア、及び/又はクラウドコンピューティング環境222を介して提供可能な他の任意のソフトウェアを含んでもよい。いくつかの実装では、1つのアプリケーション224-1は、仮想マシン224-2を介して、1つ以上の他のアプリケーション224-1との間で情報を送受信することができる。
【0042】
仮想マシン224-2は、物理マシンのようなプログラムを実行するマシン(例えば、コンピュータ)のソフトウェア実装を含む。仮想マシン224-2は、仮想マシン224-2による実際のマシンへの使用及び対応の程度に応じて、システム仮想マシン又はプロセス仮想マシンのいずれであってもよい。システム仮想マシンは、完全なオペレーティングシステム(「OS」)の実行をサポートする完全なシステムプラットフォームを提供することができる。プロセス仮想マシンは、単一のプログラムを実行し、単一のプロセスをサポートし得る。いくつかの実装では、仮想マシン224-2は、ユーザ(例えば、ユーザデバイス210)に代わって実行することができ、データ管理、同期、又は長期間のデータ転送等のように、クラウドコンピューティング環境222のインフラストラクチャを管理することができる。
【0043】
仮想ストレージ224-3は、ストレージシステム又は計算リソース224内で仮想化技術を使用する1つ以上のストレージシステム及び/又は1つ又は複数のデバイスを含む。いくつかの実装では、ストレージシステムのコンテキスト内で、仮想化のタイプは、ブロック仮想化及びファイル仮想化を含み得る。ブロック仮想化は、物理ストレージ又は異種ストラクチャ(heterogeneous structure)に関係なくストレージシステムにアクセスできるように、物理ストレージから論理ストレージを抽象化(又は分離)することを称し得る。この分離により、ストレージシステムの管理者は、エンドユーザに対してストレージを管理する方法に柔軟性を持たせることができる。ファイルの仮想化により、ファイルレベルでアクセスされるデータと、ファイルが物理的に保存されるロケーションとの間の依存性が排除され得る。これにより、ストレージの使用、サーバの統合、及び/又は非破壊ファイル移行のパフォーマンスの最適化が可能になり得る。
【0044】
ハイパーバイザ224-4は、複数のオペレーティングシステム(例えば、「ゲストオペレーティングシステム」)が、コンピューティングリソース224などのホストコンピュータ上で同時に実行されることを可能にするハードウェア仮想化技術を提供することができる。ハイパーバイザ224-4は、仮想オペレーティングプラットフォームをゲストオペレーティングシステムに提示することができ、ゲストオペレーティングシステムの実行を管理することができる。様々なオペレーティングシステムの複数のインスタンスが、仮想ハードウェアリソースを共有し得る。
【0045】
ネットワーク230は、1つ以上の有線及び/又は無線ネットワークを含む。例えば、ネットワーク230は、セルラネットワーク(例えば、第5世代(5G)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、第3世代(3G)ネットワーク、符号分割多重アクセス(CDMA)ネットワーク、等)、公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、電話ネットワーク(例えば、公衆交換電話ネットワーク(PSTN))、プライベートネットワーク、アドホックネットワーク、イントラネット、インターネット、ファイバーオプティックベースのネットワーク、又は類似のもの、及び/又は、これら又は他のタイプのネットワークの組合せ、を含み得る。
【0046】
図2に示すデバイス及びネットワークの数及び配置は、一例として提供される。実際には、図2に示すものよりも、追加のデバイス及び/又はネットワーク、より少ないデバイス及び/又はネットワーク、異なるデバイス及び/又はネットワーク、又は異なる配置のデバイス及び/又はネットワークが存在し得る。さらに、図2に示す2つ以上のデバイスは、単一のデバイス内に実装されてもよく、又は図2に示す単一のデバイスは、複数の分散デバイスとして実装されてもよい。さらに又はあるいは、環境200のデバイスのセット(例えば、1つ以上のデバイス)は、環境200の別のデバイスセットによって実行されるものとして説明される1つ以上の機能を実行することができる。
【0047】
図3は、デバイス300の構成要素の例示の図である。デバイス300は、ユーザデバイス210及び/又はプラットフォーム220に対応し得る。図3に示されるように、デバイス300は、バス310、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコンポーネント340、入力コンポーネント350、出力コンポーネント360、及び通信インタフェース370を含み得る。
【0048】
バス310は、デバイス300のコンポーネント間の通信を可能にするコンポーネントを含む。プロセッサ320は、ハードウェア、ファームウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実装される。プロセッサ320は、中央演算処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、加速処理ユニット(APU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は、他のタイプの処理コンポーネント、である。いくつかの実装形態では、プロセッサ320は、機能を実行するようにプログラムされることができる1つ以上のプロセッサを含む。メモリ330は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、及び/又は、プロセッサ320が使用するための情報及び/又は命令を格納する別のタイプの動的又は静的ストレージデバイスを含む。
【0049】
ストレージコンポーネント340は、デバイス300の操作及び使用に関連する情報及び/又はソフトウェアを格納する。例えば、ストレージコンポーネント340は、ハードディスク(例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び/又は固体ディスク)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、カートリッジ、磁気テープ、及び/又は、非一時的コンピュータ可読媒体の別のタイプを、対応するドライブに加えて、含み得る。
【0050】
入力コンポーネント350は、デバイス300が、例えば、ユーザ入力(例えば、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、スイッチ、及び/又はマイクロフォン)を介して情報を受信することを可能にするコンポーネントを含む。さらに又はあるいは、入力コンポーネント350は、情報を感知するためのセンサ(例えば、全地球測位システム(GPS)コンポーネント、加速度計、ジャイロスコープ、及び/又はアクチュエータ)を含み得る。出力コンポーネント360は、デバイス300(例えば、ディスプレイ、スピーカ、及び/又は1つ以上の発光ダイオード(LED))からの出力情報を提供するコンポーネントを含む。
【0051】
通信インタフェース370は、デバイス300が、有線接続、無線接続、又は有線接続と無線接続の組み合わせなどを介して、他のデバイスと通信することを可能にする送受信器のようなコンポーネント(例えば、送受信器及び/又は別個の受信器及び送信器)を含む。通信インタフェース370によって、デバイス300は他のデバイスから情報を受信し、及び/又は他のデバイスに情報を提供することができることができる。例えば、通信インタフェース370は、イーサネット(登録商標)インタフェース、光インタフェース、同軸インタフェース、赤外線インタフェース、無線周波数(RF)インタフェース、汎用シリアルバス(USB)インタフェース、Wi-Fiインタフェース、セルラネットワークインタフェース等を含み得る。
【0052】
デバイス300は、本願明細書において記載されている1つ以上のプロセスを実行し得る。デバイス300は、非一時的コンピュータ可読媒体、例えばメモリ330及び/又はストレージコンポーネント340、によって格納されるソフトウェア命令を実行するプロセッサ320に応答して、これらのプロセスを実行し得る。コンピュータ可読媒体は、固定メモリデバイスとして本願明細書において定義されている。メモリデバイスには、単一の物理ストレージデバイス内のメモリスペース、又は複数の物理ストレージデバイスにまたがるメモリスペースが含まれる。
【0053】
ソフトウェア命令は、別のコンピュータ可読媒体から、又は通信インタフェース370を介して別のデバイスから、メモリ330及び/又はストレージコンポーネント340に読み込まれることができる。実行される場合、メモリ330及び/又はストレージコンポーネント340に格納されたソフトウェア命令は、プロセッサ320に、本明細書に記載の1つ以上のプロセスを実行させることができる。さらに又はあるいは、物理的に組み込まれた回路(hardwired circuitry)を、ソフトウェア命令の代わりに又はソフトウェア命令と組み合わせて使用されることができ、本明細書に記載の1つ以上のプロセスを実行することができる。したがって、本明細書で説明される実装は、ハードウェア回路とソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0054】
図3に示すコンポーネントの数及び配置は、例として提供されてている。実際には、デバイス300は、図3に示されるものよりも追加のコンポーネント、より少ないコンポーネント、異なるコンポーネント、又は異なる配置のコンポーネントを含み得る。さらに又はあるいは、デバイス300の1セットのコンポーネント(例えば、1つ以上のコンポーネント)は、他のセットのデバイス300のコンポーネントによって実行されると記載された1つ以上の機能を実行することができる。
【0055】
図4は、ユーザデバイスのユーザに関連する統一パーキンソン病評価スケール(UPDRS)値を決定するための例示的なプロセス400のフローチャートである。いくつかの実装形態では、図4の1つ以上のプロセスブロックは、ユーザデバイス210によって実行され得る。いくつかの実装形態では、図4の1つ以上のプロセスブロックは、例えばプラットフォーム220等の、ユーザデバイス210とは別個の又はユーザデバイスを含むデバイスグループ又は他のデバイスによって実行され得る。
【0056】
図4に示すように、プロセス400は、ユーザデバイスのセンサにより、ユーザデバイスを操作する、ユーザデバイスのユーザに基づいて、センサデータを生成するステップ(ブロック410)を含み得る。
【0057】
図4にさらに示すように、プロセス400は、ユーザデバイスのプロセッサによって、測定条件が満たされるかどうか決定するステップ(ブロック420)を含み得る。
【0058】
図4にさらに示すように、測定条件が満たされない場合(ブロック420 ーいいえ)、プロセス400は、追加のセンサデータを生成するステップ(ブロック410に戻る)を含み得る。
【0059】
図4にさらに示すように、測定条件が満たされる場合(ブロック420ーはい)、プロセス400は、ユーザデバイスのプロセッサによって、センサデータ及びディープニューラルネットワーク(DNN)モデルに基づいてUPDRS値を決定するステップ(ブロック430)を含み得る。
【0060】
図4にさらに示されるように、プロセス400は、ユーザデバイスのプロセッサによって、UPDRS値を提供し、UPDRS値に基づくユーザの評価を可能にする、ステップ(ブロック440)を含み得る。
【0061】
図4は、プロセス400のブロック例を示しているが、いくつかの実装においては、プロセス400は、図4に示されたものよりも、追加のブロック、より少ないブロック、異なるブロック、又は異なる配置のブロックを含み得る。さらに又はあるいは、プロセス400のブロックのうちの2つ以上は、並行して実施され得る。
【0062】
上記の開示は、図例および説明を提供するが、開示された正確な形態を網羅すること又は開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。変更及び変形は、上記の教示に照らして可能であるか、又は実施形態の実施から取得することができる。
【0063】
本明細書で使用される場合、用語「構成要素」は、ハードウェア、ファームウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして広く解釈されることを意図している。
【0064】
本明細書に記載したシステム及び/又は方法は、ハードウェア、ファームウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせの異なる形態で実施することができることは明らかであろう。これらのシステム及び/又は方法を実施するために使用される実際の特殊化された制御ハードウェア又はソフトウェアコードは、実施を制限するものではない。したがって、システム及び/又は方法の動作及び挙動は、特定のソフトウェアコードを参照することなく本明細書に記載されており、ソフトウェア及びハードウェアは、本明細書の記載に基づいてシステム及び/又は方法を実施するように設計され得ることが理解される。
【0065】
特徴の特定の組み合わせが特許請求の範囲に記載され、かつ/又は明細書に開示されているとしても、これらの組み合わせは、可能な実施の開示を制限することを意図するものではない。実際、これらの特徴の多くは、請求項に具体的に記載されていない、及び/又は明細書に開示されていない方法で組み合わせることができる。以下に列挙される各従属クレームは、1つの請求項のみに直接従属し得るが、可能な実装の開示には、特許請求の範囲内の他のすべての請求項と組み合わされた各従属請求項が含まれる。
【0066】
本明細書中で使用されるいかなる要素、作用、又は命令も、明示的に記述されない限り、重要又は必須と解釈されるべきではない。また、本明細書で使用される「1つ(”a” and ”an”)」という用語は、1つ以上のアイテムを含むことを意図し、「1つ以上(”one or more.”)」と互換的に使用することができる。さらに、本明細書で使用される「セット(”set”)」という用語は、1つ以上のアイテム(例えば、関連アイテム、非関連アイテム、関連アイテムと非関連アイテムとの組み合わせ等を含むことを意図し、「1つ以上」と互換的に使用することができる。1つのアイテムのみが意図される場合、用語「1つ(”one”)」又は類似の言語が使用される。また、本明細書で使用される場合、「有する、備える、持つ(”has,” ”have,” ”having,”)」などの用語は、自由形式の用語(open-ended terms)であることが意図されている。さらに、「に基づく(”based on”)」という句は、特に明記しない限り、「少なくとも部分的に、に基づく(”based, at least in part, on”)」を意味することを意図している。
図1
図2
図3
図4