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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】表示装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20240625BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240625BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20240625BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 612U
G09G3/20 641Q
G09G3/20 612F
G09G3/20 612D
G09G3/20 611A
G09G3/20 611G
G09G3/20 670L
G09G3/20 623E
G09G3/20 623R
G09G3/20 642D
G09G3/34 J
G09G3/20 642P
G02F1/133 550
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021560009
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 CN2021121139
(87)【国際公開番号】W WO2023039945
(87)【国際公開日】2023-03-23
【審査請求日】2021-11-02
(31)【優先権主張番号】202111088054.4
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】襲 悦
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110969980(CN,A)
【文献】国際公開第2005/009035(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第111883079(CN,A)
【文献】特開2019-101219(JP,A)
【文献】特開2012-093778(JP,A)
【文献】特開2017-111345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G09G 3/20
G09G 3/34
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示対象画面を取得することと、
表示装置の画素駆動方式のタイプを取得し、前記画素駆動方式は第1駆動方式または第2駆動方式であり、前記第2駆動方式は極性反転特性を有する駆動方式であり、
前記画素駆動方式は第1駆動方式である場合に、アナログ電源電圧VAAの消費電力が総消費電力の50%以上となる画面である過負荷画面の輝度分布特性は、隣接する2行の副画素のうち、一方の副画素が明るく、他方の副画素が暗い、または、隣接する2つの副画素のうち、一方の副画素が明るく、他方の副画素が暗い、または、隣接する2つの画素セルのうち、一方の画素セルにおける3つの副画素が全て明るく、他方の画素セルにおける3つの副画素が全て暗いものであり、
前記画素駆動方式は第2駆動方式である場合に、前記過負荷画面の輝度分布特性は、隣接する2行の副画素のうち、一方の行の副画素は正極性電圧に対応し、他方の行の副画素は負極性電圧に対応し、または、隣接する2列の副画素のうち、一方の列の副画素が明るく、他方の列の副画素が暗いものであり、
前記画素駆動方式のタイプに応じて前記過負荷画面の輝度分布特徴を決定し、
前記表示対象画面の輝度分布特性を取得することと、
前記過負荷画面の輝度分布特性と前記表示対象画面の輝度分布特性とを比較し、前記過負荷画面の輝度分布特性と前記表示対象画面の輝度分布特性とが同じである場合に、前記表示対象画面が前記過負荷画面であると判定することと、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合に、前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整することであって、同一階調に対応する前記第2ガンマ電圧の電圧値が、前記第1ガンマ電圧の電圧値よりも小さいことと、
前記第2ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように表示装置を駆動することと、を含む、表示装置の駆動方法。
【請求項2】
前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整することは、
前記表示装置の、前記第1ガンマ電圧を生成するためのアナログ電源電圧を取得することと、
前記第1ガンマ電圧を前記第2ガンマ電圧に調整するように、前記アナログ電源電圧の電圧値を低下させることと、を含む請求項1に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項3】
前記第1ガンマ電圧を前記第2ガンマ電圧に調整するように、前記アナログ電源電圧の電圧値を低下させることは、
前記アナログ電源電圧を第1電圧まで低下させることと、
前記表示装置の消費電力を取得し、前記表示装置の消費電力が予め設定された消費電力よりも小さい場合には、前記第1電圧に基づいて前記第2ガンマ電圧を出力することと、
前記表示装置の消費電力が前記予め設定された消費電力よりも大きい場合には、前記表示装置の消費電力が前記予め設定された消費電力よりも小さくなるまで、前記アナログ電源電圧を引き続き低下させることと、を含む請求項2に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項4】
前記第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整することは、
過負荷画面の消費電力と予め設定された消費電力との差分値に応じて、階調のそれぞれに対応する前記第1ガンマ電圧を低下させることで、前記階調のそれぞれに対応する前記第2ガンマ電圧を得ることを含む請求項1に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項5】
前記表示装置の駆動方法は、
前記第1ガンマ電圧又は前記第2ガンマ電圧を出力するためのソースドライバチップの駆動電圧を取得することと、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合には、前記駆動電圧の電圧値を低下させることと、をさらに含む請求項1に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項6】
前記表示装置の駆動方法は、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合には、前記表示装置のバックライト輝度を向上させることをさらに含む請求項1に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項7】
前記表示装置の駆動方法は、
前記表示対象画面が非過負荷画面である場合に、前記第1ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように前記表示装置を駆動すること、をさらに含む請求項1に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項8】
前記第2ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように前記表示装置を駆動することの前に、
目標ガンマ曲線に応じて、前記第2ガンマ電圧をガンマ補正することをさらに含む請求項1に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項9】
表示対象画面を取得することと、
表示装置の画素駆動方式のタイプを取得し、前記画素駆動方式は第1駆動方式または第2駆動方式であり、前記第2駆動方式は極性反転特性を有する駆動方式であり、
前記画素駆動方式は第1駆動方式である場合に、アナログ電源電圧VAAの消費電力が総消費電力の50%以上となる画面である過負荷画面の輝度分布特性は、隣接する2行の副画素のうち、一方の副画素が明るく、他方の副画素が暗い、または、隣接する2つの副画素のうち、一方の副画素が明るく、他方の副画素が暗いものであり、または、隣接する2つの画素セルのうち、一方の画素セルにおける3つの副画素が全て明るく、他方の画素セルにおける3つの副画素が全て暗いものであり、
前記画素駆動方式は第2駆動方式である場合に、前記過負荷画面の輝度分布特性は、隣接する2行の副画素のうち、一方の行の副画素は正極性電圧に対応し、他方の行の副画素は負極性電圧に対応し、または、隣接する2列の副画素のうち、一方の列の副画素が明るく、他方の列の副画素が暗いものであり、
前記画素駆動方式のタイプに応じて前記過負荷画面の輝度分布特徴を決定し、
前記表示対象画面の輝度分布特性を取得することと、
前記過負荷画面の輝度分布特性と前記表示対象画面の輝度分布特性とを比較し、前記過負荷画面の輝度分布特性と前記表示対象画面の輝度分布特性とが同じである場合に、前記表示対象画面が過負荷画面であると判定することと、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合に、前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整することであって、同一階調に対応する前記第2ガンマ電圧の電圧値が、前記第1ガンマ電圧の電圧値よりも小さいことと、
前記第2ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように表示装置を駆動することと、
前記表示対象画面が非過負荷画面である場合に、前記第1ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように表示装置を駆動することと、を含む、
表示装置の駆動方法。
【請求項10】
前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整することは、
表示装置の、前記第1ガンマ電圧を生成するためのアナログ電源電圧を取得することと、
前記第1ガンマ電圧を前記第2ガンマ電圧に調整するように、前記アナログ電源電圧の電圧値を低下させることと、を含む請求項に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項11】
前記第1ガンマ電圧を前記第2ガンマ電圧に調整するように、前記アナログ電源電圧の電圧値を低下させることは、
前記アナログ電源電圧を第1電圧まで低下させることと、
表示装置の消費電力を取得し、表示装置の消費電力が予め設定された消費電力よりも小さい場合には、前記第1電圧に基づいて前記第2ガンマ電圧を出力することと、
表示装置の消費電力が前記予め設定された消費電力よりも大きい場合には、表示装置の消費電力が前記予め設定された消費電力よりも小さくなるまで、前記アナログ電源電圧を引き続き低下させることと、を含む請求項10に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項12】
前記第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整することは、
過負荷画面の消費電力と予め設定された消費電力との差分値に応じて、階調のそれぞれに対応する前記第1ガンマ電圧を低下させることで、前記階調のそれぞれに対応する前記第2ガンマ電圧を得ることを含む請求項に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項13】
前記表示装置の駆動方法は、
前記第1ガンマ電圧又は前記第2ガンマ電圧を出力するためのソースドライバチップの駆動電圧を取得することと、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合には、前記駆動電圧の電圧値を低下させることと、をさらに含む請求項に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項14】
前記表示装置の駆動方法は、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合には、前記表示装置のバックライト輝度を向上させることをさらに含む請求項に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項15】
表示対象画面を取得するための取得モジュールと、
表示装置の画素駆動方式のタイプを取得し、前記画素駆動方式は第1駆動方式または第2駆動方式であり、前記第2駆動方式は極性反転特性を有する駆動方式であり、
前記画素駆動方式は第1駆動方式である場合に、アナログ電源電圧VAAの消費電力が総消費電力の50%以上となる画面である過負荷画面の輝度分布特性は、隣接する2行の副画素のうち、一方の副画素が明るく、他方の副画素が暗い、または、隣接する2つの副画素のうち、一方の副画素が明るく、他方の副画素が暗いものであり、または、隣接する2つの画素セルのうち、一方の画素セルにおける3つの副画素が全て明るく、他方の画素セルにおける3つの副画素が全て暗いものであり、
前記画素駆動方式は第2駆動方式である場合に、前記過負荷画面の輝度分布特性は、隣接する2行の副画素のうち、一方の行の副画素は正極性電圧に対応し、他方の行の副画素は負極性電圧に対応し、または、隣接する2列の副画素のうち、一方の列の副画素が明るく、他方の列の副画素が暗いものであり、
前記画素駆動方式のタイプに応じて前記過負荷画面の輝度分布特徴を決定し、
前記表示対象画面の輝度分布特性を取得することと、
前記過負荷画面の輝度分布特性と前記表示対象画面の輝度分布特性とを比較し、前記過負荷画面の輝度分布特性と前記表示対象画面の輝度分布特性とが同じである場合に、前記表示対象画面が過負荷画面であると判定するための検出モジュールと、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合に、前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整するための調整モジュールであって、同一階調に対応する前記第2ガンマ電圧の電圧値が、前記第1ガンマ電圧の電圧値よりも小さい調整モジュールと、
前記第2ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように表示装置を駆動するための駆動モジュールと、を含む、
表示装置。
【請求項16】
前記調整モジュールはさらに、目標ガンマ電圧曲線に応じて前記第2ガンマ電圧を調整するように構成される請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記調整モジュールはさらに、前記表示対象画面が過負荷画面である場合に、前記表示装置のバックライト輝度を向上させるように構成される請求項15に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示の技術分野に関し、具体的には表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示品位への追求が進むにつれて、高リフレッシュレート(例えば120Hz)及び高画質(例えば8K)の液晶ディスプレイが今後のトレンドとなることは当然である。しかしながら、高リフレッシュレート及び高画質のパネル駆動アーキテクチャには、何らかの過負荷画面が存在する。過負荷画面を表示する際に、データ電圧がハイレベルとローレベルとの間で頻繁に切り替わる現象がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
切り替え前後の差圧が大きいため、ソースドライバの温度が高過ぎてソースドライバにダメージを与えてしまい、正常に動作できなくなり、電流が大量に消費され、表示装置の消費電力が高くなる。現在、従来技術では、駆動チップの過熱問題を解決するために、駆動チップに放熱フィンを追加するか、又は高電流・高消費電力に耐えられる高仕様のチップを使用することが一般的であるが、この方法は、生産コストを増加させ、表示装置の大規模生産に不利である。
【0004】
したがって、過負荷画面の消費電力が高いことを解決する技術的手段が強く求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、従来技術において、表示装置が過負荷画面を表示する際に消費電力が高すぎるという技術的問題を解決するために、表示装置及びその駆動方法を提供する。
【0006】
本発明は、
表示対象画面を取得するステップと、
前記表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断するステップと、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合に、前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整するステップであって、同一階調に対応する前記第2ガンマ電圧の電圧値が、前記第1ガンマ電圧の電圧値よりも小さいステップと、
前記第2ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように前記表示装置を駆動するステップと、を含む表示装置の駆動方法を提供する。
【0007】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整する前記ステップは、
前記表示装置の、前記第1ガンマ電圧を生成するためのアナログ電源電圧を取得することと、
前記第1ガンマ電圧を前記第2ガンマ電圧に調整するように、前記アナログ電源電圧の電圧値を低下させることと、を含む。
【0008】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記第1ガンマ電圧を前記第2ガンマ電圧に調整するように、前記アナログ電源電圧の電圧値を低下させる前記ことは、
前記アナログ電源電圧を第1電圧まで低下させることと、
前記表示装置の消費電力を取得し、前記表示装置の消費電力が予め設定された消費電力よりも小さい場合には、前記第1電圧に基づいて前記第2ガンマ電圧を出力することと、
前記表示装置の消費電力が前記予め設定された消費電力よりも大きい場合には、前記表示装置の消費電力が前記予め設定された消費電力よりも小さくなるまで、前記アナログ電源電圧を低下させ続けることと、を含む。
【0009】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整する前記ことは、
過負荷画面の消費電力と予め設定された消費電力との差分値に応じて、前記階調のそれぞれに対応する前記第1ガンマ電圧を低下させることで、前記階調のそれぞれに対応する前記第2ガンマ電圧を得ることを含む。
【0010】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記表示装置の駆動方法は、
前記第1ガンマ電圧又は前記第2ガンマ電圧を出力するためのソースドライバチップの駆動電圧を取得するステップと、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合には、前記駆動電圧の電圧値を低下させるステップと、をさらに含む。
【0011】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記表示装置の駆動方法は、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合には、前記表示装置のバックライト輝度を向上させるステップをさらに含む。
【0012】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断する前記ステップは、
過負荷画面の輝度分布特性を取得することと、
前記表示対象画面の輝度分布特性を取得することと、
前記過負荷画面の輝度分布特性と前記表示対象画面の輝度分布特性とを比較し、前記過負荷画面の輝度分布特性と前記表示対象画面の輝度分布特性とが同じである場合に、前記表示対象画面が過負荷画面であると判定することと、を含む。
【0013】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記過負荷画面の輝度分布特性を取得することは、
前記表示装置の画素駆動方式のタイプを取得することと、
前記画素駆動方式のタイプに応じて前記過負荷画面の輝度分布特性を決定することと、を含む。
【0014】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記第2ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように前記表示装置を駆動する前記ステップの前に、
目標ガンマ曲線に応じて、前記第2ガンマ電圧をガンマ補正するステップをさらに含む。
【0015】
本発明は、
表示対象画面及び前記表示対象画面の輝度分布特性を取得するステップと、
過負荷画面の輝度分布特性を取得するステップと、
前記表示対象画面の輝度分布特性及び前記過負荷画面の輝度分布特性に応じて、前記表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断するステップと、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合に、前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整するステップであって、同一階調に対応する前記第2ガンマ電圧の電圧値が、前記第1ガンマ電圧の電圧値よりも小さいステップと、
前記第2ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように前記表示装置を駆動するステップと、
前記表示対象画面が非過負荷画面である場合に、前記第1ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように前記表示装置を駆動するステップと、を含む表示装置の駆動方法をさらに提供する。
【0016】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整する前記ステップは、
前記表示装置の、前記第1ガンマ電圧を生成するためのアナログ電源電圧を取得することと、
前記第1ガンマ電圧を前記第2ガンマ電圧に調整するように、前記アナログ電源電圧の電圧値を低下させることと、を含む。
【0017】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記第1ガンマ電圧を前記第2ガンマ電圧に調整するように、前記アナログ電源電圧の電圧値を低下させる前記ことは、
前記アナログ電源電圧を第1電圧まで低下させることと、
前記表示装置の消費電力を取得し、前記表示装置の消費電力が予め設定された消費電力よりも小さい場合には、前記第1電圧に基づいて前記第2ガンマ電圧を出力することと、
前記表示装置の消費電力が前記予め設定された消費電力よりも大きい場合には、前記表示装置の消費電力が前記予め設定された消費電力よりも小さくなるまで、前記アナログ電源電圧を低下させ続けることと、を含む。
【0018】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整する前記ことは、
過負荷画面の消費電力と予め設定された消費電力との差分値に応じて、前記階調のそれぞれに対応する前記第1ガンマ電圧を低下させることで、前記階調のそれぞれに対応する前記第2ガンマ電圧を得ることを含む。
【0019】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記表示装置の駆動方法は、
前記第1ガンマ電圧又は前記第2ガンマ電圧を出力するためのソースドライバチップの駆動電圧を取得するステップと、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合には、前記駆動電圧の電圧値を低下させるステップと、をさらに含む。
【0020】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記表示装置の駆動方法は、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合には、前記表示装置のバックライト輝度を向上させるステップをさらに含む。
【0021】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記過負荷画面の輝度分布特性を取得するステップは、
前記表示装置の画素駆動方式のタイプを取得することと、
前記画素駆動方式のタイプに応じて前記過負荷画面の輝度分布特性を決定することと、を含む。
【0022】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記表示装置の駆動方法は、
前記表示対象画面が非過負荷画面である場合に、前記第1ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように前記表示装置を駆動するステップ、をさらに含む。
【0023】
これに対応して、本発明は、
表示対象画面を取得するための取得モジュールと、
前記表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断するための検出モジュールと、
前記表示対象画面が過負荷画面である場合に、前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整するための調整モジュールであって、同一階調に対応する前記第2ガンマ電圧の電圧値が、前記第1ガンマ電圧の電圧値よりも小さい調整モジュールと、
前記第2ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように前記表示装置を駆動するための駆動モジュールと、を含む表示装置をさらに提供する。
【0024】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記調整モジュールはさらに、目標ガンマ電圧曲線に応じて前記第2ガンマ電圧を調整するように構成される。
【0025】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記調整モジュールはさらに、前記表示対象画面が過負荷画面である場合に、前記表示装置のバックライト輝度を向上させるように構成される。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、表示装置及びその駆動方法を提供する。表示装置の駆動方法は、表示対象画面を取得するステップと、前記表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断するステップと、前記表示対象画面が過負荷画面である場合に、前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整するステップであって、同一階調に対応する前記第2ガンマ電圧の電圧値が、前記第1ガンマ電圧の電圧値よりも小さいステップと、前記第2ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように前記表示装置を駆動するステップと、を含む。本発明は、過負荷画面に対応する第1ガンマ電圧を低下させることにより、第2ガンマ電圧により過負荷画面を表示するように表示装置を駆動し、表示装置が過負荷画面を表示する際の消費電力を低下させ、ソースドライバチップの温度上昇による表示品位への影響を防止し、ソースドライバチップが過負荷画面を表示する際の過熱問題を低コストで解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の実施例の技術的手段をより明確に説明するために、以下の実施例の説明で必要となる添付図面を簡単に紹介し、以下の説明における図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎなく、当業者にとっては創造的努力なしにこれらの図面から他の図面を導き出すこともできることは明らかである。
図1図1は本発明に係る表示装置の駆動方法のフローチャートである。
図2図2図1におけるステップ102のフローチャートである。
図3図3A~3Cは本発明に係る表示装置の第1駆動方式における過負荷画面の構造概略図である。
図4図4A~4Bは本発明に係る表示装置の第2駆動方式における過負荷画面の構造概略図である。
図5図5は本発明に係るガンマ分圧回路の構造概略図である。
図6図6は本発明に係る表示装置の第1の構造概略図である。
図7図7は本発明に係る表示装置の第2の構造概略図である。
図8図8は本発明に係る表示装置の第3の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的手段を明確かつ完全に説明するが、説明した実施例は本発明の実施例のすべてではなく、単に実施例の一部であることは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的努力なしに取得したすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属している。また、ここで記載する具体的な実施形態は本発明を説明や解釈するためのものであり、本発明を限定するためのものではないことは理解されたい。また、「第1」、「第2」という用語は、単に説明するためのものであり、相対的な重要性を指示又は示唆するか、又は示される技術的特徴の数を暗示すると理解されるべきではない。したがって、「第一」、「第二」によって限定されている特徴は、1つ又は複数の前記特徴を含むことを明示又は暗示することができる。
【0029】
本発明は、表示装置及びその駆動方法を提供するものであり、以下、詳細に説明する。なお、以下の実施例の説明順序は、本発明の実施例の好ましい順序を限定するものではない。
【0030】
本発明に係る表示装置の駆動方法において、表示対象画面を取得する。次いで、表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断する。表示対象画面が過負荷画面である場合に、表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整する。ここで、同一階調に対応する第2ガンマ電圧が、第1ガンマ電圧よりも小さい。最後に、第2ガンマ電圧に応じて表示対象画面を表示するように表示装置を駆動する。
【0031】
表示装置の消費電力の理論計算式は、P=a*f*C*V2であることがわかる。式中、aは消費電力係数である。fは表示装置の行リフレッシュレートである。Cは表示装置におけるパネル容量である。Vは同一データ線上のデータ電圧の変化の大きさである。これにより、本発明は、過負荷画面に対応する第1ガンマ電圧を低下させ、第2ガンマ電圧により過負荷画面を表示するように表示装置を駆動することにより、同一データ線上のデータ電圧の変化の大きさを低下させることができることで、表示装置が過負荷画面を表示する際の消費電力を低減することができることが分かる。
【0032】
また、本発明は、過負荷画面を非過負荷画面(軽負荷画面)に遷移させ、最終的に非過負荷画面で表示することにより、表示対象画面の全体的な輝度を維持したまま、同一データ線で駆動される隣り合う行の副画素間の輝度変化を減少させ、データ信号の変化量を減少させ、ソースドライバチップの負荷を減少させ、ソースドライバチップが過負荷画面を表示する際の過熱問題を低コストで解決し、ソースドライバチップの温度上昇による表示品位への影響を防止する。
【0033】
以下、詳細に説明する。
【0034】
図1に示すように、図1は本発明に係る表示装置の駆動方法のフローチャートである。本発明において、表示装置の駆動方法は具体的に、ステップ101~104を含む。
【0035】
101:表示対象画面を取得する。
【0036】
通常、表示装置のシステム・オン・チップ(System on Chip、SOC)は、タイミング制御チップ(Timer Controller、TCON)にビデオ信号を出力する。タイミング制御チップは、ビデオ信号を解析して、表示対象画面のデータ情報を得る。
【0037】
102:前記表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断する。
【0038】
具体的には、タイミング制御チップは、解析した表示対象画面のデータ情報を処理して、表示対象画面の輝度情報を得ることができる。次いで、表示対象画面の輝度情報に応じて表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断する。
【0039】
いくつかの実施例において、図2に示すように、図2図1におけるステップ102のフローチャートである。ステップ102は1021~1023を含む。
【0040】
1021:過負荷画面の輝度分布特性を取得する。
【0041】
なお、画素駆動方式のタイプによって、表示装置の過負荷画面には異なる輝度分布特性が存在する。したがって、このステップでは、表示装置の画素駆動方式のタイプを取得する必要がある。次いで、画素駆動方式のタイプに応じて過負荷画面の輝度分布特性を決定する。
【0042】
具体的には、図3A~3C及び図4A~4Bに示すように、図3A~3Cは本発明に係る表示装置の第1駆動方式における過負荷画面の構造概略図である。図4A~4Bは本発明に係る表示装置の第2駆動方式における過負荷画面の構造概略図である。
【0043】
本発明では、図3Aを例に説明する。表示装置は、複数のデータ線41と、複数の走査線42と、アレイ状に配列された副画素40とを含む。データ線41と走査線42とは交差して設けられている。各副画素40は、対応するデータ線41と走査線42とに接続されて、データ線41と走査線42とによって交差して限定される。3つずつの副画素40から画素セルを構成する。当然ながら、本発明において図示される画素駆動方式は、単なる例であり、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【0044】
第1駆動方式は従来の駆動方式を指し、第2駆動方式は極性反転特性を有する駆動方式を指す。直流電圧駆動では液晶分子が分極して焼き付きを起こすため、画素駆動信号は正負の極性電圧交番法を用いて液晶分子を駆動することが理解される。第2駆動方式は、極性反転方式により、主にフレーム反転、列反転、行反転、ドット反転などがある。
【0045】
第1駆動方式では、図3Aに示すように、過負荷画面はH-strip画面である。第1駆動方式におけるH-strip画面の輝度分布特性は、隣接する2行の副画素40のうち、一方の副画素40が明るく、他方の副画素40が暗い。RGB輝度に対応して、即ち1行目の副画素40が高電位1である場合に、2行目の副画素40は低電位0となる。これに対して、L128~L255の階調値を高電位、即ち1とし、L0~L127を低電位、即ち0とすることができる。本発明は、表示パネルの画像表示データは2進数8bit、即ち256段階の異なる輝度階調(例えば、第0階調~第255階調と表記される)を発生する例を説明するが、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。図3Bに示すように、過負荷画面がDot on off画面である。Dot on off画面の輝度分布特性は、隣接する2つの副画素40のうち、一方の副画素40が明るく、他方の副画素40が暗い。即ち1番目の副画素40が高電位1である場合に、2番目の副画素40は低電位となる。図3Cに示すように、過負荷画面がPixel on off画面である。Pixel on off画面の輝度分布特性は、隣接する2つの画素セルのうち、一方の画素セルにおける3つの副画素40が全て明るく、他方の画素セルにおける3つの副画素40が全て暗い。
【0046】
第2駆動方式では、図4Aに示すように、この過負荷画面は同様にH-strip画面である。図3Aに示すH-strip画面とは異なる点は、この過負荷画面が行反転駆動方式で表示されることにある。即ち隣接する2行の副画素のうち、一方の行の副画素40は正極性電圧に対応し、他方の行の副画素40は負極性電圧に対応する。図4Bに示すように、この過負荷画面が列反転駆動方式で表示される。この過負荷画面がV-strip画面であり、V-strip画面の輝度分布特性は、隣接する2列の副画素40のうち、一方の列の副画素40が明るく、他方の列の副画素40が暗い。RGB輝度に対応して、即ち一方の列の副画素が高電位1であり、他方の副画素が低電位0である。
【0047】
さらに、過負荷画面の輝度分布特性をタイミング制御チップに入力することができる。タイミング制御チップの内部には、過負荷画面の輝度分布特性を記憶するための記憶ユニットが設けられてもよい。また、過負荷画面の輝度分布特性はコード(code)の形でタイミング制御チップ内に記憶されてもよい。
【0048】
過負荷画面の輝度分布特性をタイミング制御チップに入力するには、一般的に2次元である。一方はRGB輝度の次元であり、他方は画面座標及び面積の次元である。
【0049】
そこで、本発明は、表示装置の駆動方式に応じて、後続の操作を容易にするために、過負荷画面に対応する輝度分布特性をタイミング制御チップ内に入力する。なお、異なる駆動方式における過負荷画面は上記の例示のみに限定されるものではないため、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【0050】
1022:前記表示対象画面の輝度分布特性を取得する。
【0051】
具体的には、タイミング制御チップは、解析した表示対象画面のデータ情報を処理して、表示対象画面の副画素毎の表示階調を得る。表示階調と表示輝度との関係に基づいて表示対象画面の輝度分布特性を得ることができる。
【0052】
1023:前記過負荷画面の輝度分布特性と前記表示対象画面の輝度分布特性とを比較し、前記過負荷画面の輝度分布特性と前記表示対象画面の輝度分布特性とが同じである場合に、前記表示対象画面が過負荷画面であると判定する。
【0053】
具体的には、表示対象画面の輝度分布特性と過負荷画面の輝度分布特性とを比較する。表示対象画面の輝度分布特性と過負荷画面の輝度分布特性とが同じである場合に、表示対象画面が過負荷画面であると判定する。表示対象画面の輝度分布特性と過負荷画面の輝度分布特性とが異なる場合に、表示対象画面が非過負荷画面であると判定する。
【0054】
例えば、図3Aに示すV-strip画面を例として説明する。上記の実施例からわかるように、V-strip画面の輝度分布特性は、隣接する2行の副画素40のうち、第1行の副画素40が高電位1であり、第2行の副画素40が低電位0である。次に、座標と面積の次元から検出するには、左上隅(0,0)から(540,960)まで、即ち、1行1列目に位置する副画素40から540行目~960行目に位置する副画素40までを検出し、検出された副画素40がすべてV-strip画面の特性値で配列されていれば、V-strip画面と認識する、というように設定すればよい。勿論、過負荷画面の輝度分布特性と比較するように、各副画素40の明暗を検出してもよく、ここではその説明を省略する。
【0055】
103:前記表示対象画面が過負荷画面である場合に、前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整するステップであって、同一階調に対応する前記第2ガンマ電圧の電圧値が、前記第1ガンマ電圧の電圧値よりも小さい。
【0056】
具体的には、本発明のいくつかの実施例において、前記表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整する前記ステップは、1031~1032を含む。
【0057】
1031:前記表示装置の、前記第1ガンマ電圧を生成するためのアナログ電源電圧を取得する。
【0058】
なお、表示装置は、一般的にガンマ分圧回路又はガンマチップを含む。アナログ電源電圧の制御下でガンマ電圧を出力するように、ガンマ分圧回路又はガンマチップがアナログ電源電圧に接続される。アナログ電源電圧VAAの電圧値は、表示装置の表示輝度の要求に応じて設定することができる。基準電圧は、通常接地電圧である。アナログ電源電圧は、ガンマ分圧回路又はガンマチップから出力したガンマ電圧の電圧値の大きさを決定していることが分かる。
【0059】
1032:前記第1ガンマ電圧を前記第2ガンマ電圧に調整するように、前記アナログ電源電圧の電圧値を低下させる。
【0060】
具体的には、本発明では、表示装置がガンマ分圧回路を含む例により説明する。図5に示すように、図5は本発明に係るガンマ分圧回路の構造概略図である。ガンマ分圧回路20が、直列に接続された複数の分圧抵抗(図示せず)を含む。直列に接続された複数の分圧抵抗がアナログ電源電圧VAA及び基準電圧VSSに接続される。ガンマ分圧回路20がGMA1~GMA14のような複数の階調結合点電圧を出力することができる。他の階調に対応するガンマ電圧は、階調結合点電圧及び目標ガンマ曲線から補間され得るため、ここではその説明を省略する。
【0061】
したがって、本発明はアナログ電源電圧VAAの電圧値を低減することにより、第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整する。同一階調に対応する第2ガンマ電圧の電圧値が、第1ガンマ電圧の電圧値よりも小さいという要求を満たすことができる。なお、アナログ電源電圧VAAによる消費電力は、画面内間引きの消費電力である。表示装置によっては、過負荷画面を表示する際に、アナログ電源電圧VAAの消費電力が総消費電力の50%以上となるものもある。したがって、本発明はアナログ電源電圧VAAの電圧値を低減することにより、第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整し、表示装置が過負荷画面を表示する際の消費電力を効果的に低減することができる。
【0062】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、ステップ1032は1032A~1032Cを含む。
【0063】
1032A:前記アナログ電源電圧を第1電圧まで低下させる。
【0064】
具体的には、アナログ電源電圧VAAは、通常、PMIC(Power Management IC、電源管理集積回路)によって供給される。したがって、表示対象画面が過負荷画面であると判定された場合に、PMICはアナログ電源電圧VAAを第1電圧まで低下させるとともに、第1電圧をガンマ分圧回路20に出力することで、第2ガンマ電圧を得る。
【0065】
1032B:前記表示装置の消費電力を取得し、前記表示装置の消費電力が予め設定された消費電力よりも小さい場合には、前記第1電圧に基づいて前記第2ガンマ電圧を出力する。
【0066】
なお、表示装置の消費電力は、ユーザによって需要が異なる。例えば、ある表示装置の測定において、表示装置の白画面消費電力は3.1Wであり、過負荷画面消費電力は通常4.2Wである。ユーザの所要の最大消費電力が3.6W以下である場合に、アナログ電源VAAを低下させることにより、3.6Wになるまで表示装置の実際の消費電力を計測により得る。予め設定された消費電力は、表示装置が過負荷画面を表示する際の消費電力仕様要求であり、具体的には、ユーザの実際のニーズに応じて設定されてもよく、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
したがって、アナログ電源電圧VAA及び第2ガンマ電圧による駆動において、表示装置の消費電力を検出することができる。表示装置の消費電力が予め設定された消費電力よりも小さい場合に、ガンマ分圧回路20は、第1電圧に基づいて第2ガンマ電圧を出力するとともに、記憶ユニットに記憶する。
【0068】
1032C:前記表示装置の消費電力が前記予め設定された消費電力よりも大きい場合には、前記表示装置の消費電力が前記予め設定された消費電力よりも小さくなるまで、前記アナログ電源電圧を引き続き低下させる。
【0069】
なお、同一階調に対応する第2ガンマ電圧が、第1ガンマ電圧よりも小さいため、過負荷画面の消費電力を低減すると、実際に過負荷画面の輝度も低下する。つまり、この技術的手段は過負荷画面の画面表示には影響を与えないが、画面全体の輝度が若干低下する。したがって、実際にアナログ電源電圧VAAを調整する際には、過負荷画面の消費電力を低減しつつ、過負荷画面全体の輝度に与える影響を小さくするために、アナログ電源電圧VAAを次第に低下させる必要がある。
【0070】
そのため、アナログ電源電圧VAAが第1電圧まで低下しても、表示装置の消費電力が予め設定された消費電力よりも大きい場合には、表示装置の消費電力が予め設定された消費電力よりも小さくなるまで、アナログ電源電圧を引き続き低下させる必要がある。なお、アナログ電源電圧VAAの低下幅は、過負荷画面消費電力と予め設定された消費電力との差分値に応じて設定することができ、本発明はこれに限定されるものではない。
【0071】
本発明の他のいくつかの実施例において、前記第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整する前記ステップは、1033を含む。
【0072】
1033:過負荷画面の消費電力と予め設定された消費電力との差分値に応じて、前記階調のそれぞれに対応する前記第1ガンマ電圧を低下させることで、前記階調のそれぞれに対応する前記第2ガンマ電圧を得る。
【0073】
具体的には、階調のそれぞれに対応する第1ガンマ電圧の減少分は過負荷画面と予め設定された消費電力との差分値に応じて設定することができる。階調のそれぞれに対応する第1ガンマ電圧の減少分は同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、人間の目で観察される低階調間の輝度の違いは大きく、高階調間の輝度の違いは小さいので、過負荷画面の表示に影響を与えることを防止するように、低階調に対応する第1ガンマ電圧と第2ガンマ電圧との差分値が、高階調に対応する第1ガンマ電圧と第2ガンマ電圧との差分値よりも小さくてもよい。
【0074】
具体的には、階調のそれぞれに対応する第1ガンマ電圧を低減して第2ガンマ電圧を得る機能を実現するように、ソースドライバチップ又はPMICにロジックユニットを追設することができる。
【0075】
さらに、いくつかの実施例において、第2ガンマ電圧が目標ガンマ電圧曲線を満たす必要がある。なお、人間の目に知覚される輝度と表示パネルの実際の表示輝度とは線形関係にない。低輝度環境では、人間の目は輝度の変化に敏感であり、高輝度環境ではその逆となる。このような人間の目の特性は、ガンマ特性と呼ばれる。人間の目は輝度を非線形に知覚する特性のために、均一に変化する輝度知覚を得る必要がある場合には、人間の目のガンマ特性に対応するために、表示パネルに表示される輝度を不均一に変化させる必要がある。表示パネルの輝度と階調度合いとの非線形性パラメータはガンマパラメータと呼ばれ、ガンマパラメータに基づいて描かれた輝度と階調曲線はガンマ曲線と呼ばれる。ガンマパラメータは、輝度と階調との非線形関係、即ち輝度とガンマ電圧との非線形関係を説明する。このため、表示パネルの輝度及び階調が目標ガンマ曲線に合致しない場合に、表示パネルのガンマ電圧を補正する必要がある。本実施例において、目標ガンマ曲線はガンマパラメータが2.2であるガンマ曲線であってもよい。
【0076】
本発明は、第2ガンマ電圧により過負荷画面を表示するように表示装置を駆動し、過負荷画面の消費電力を低減することを目的とする。しかし、過負荷画面の消費電力を低減するとともに、過負荷画面の表示効果も考慮する必要がある。したがって、第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整しながら、第2ガンマ電圧が目標ガンマ曲線を満たすようにして、表示効果及びユーザエクスペリエンスを向上させることができる。
【0077】
104:前記第2ガンマ電圧に応じて前記表示対象画面を表示するように前記表示装置を駆動する。
【0078】
第1ガンマ電圧及び第2ガンマ電圧は、記憶ユニット中の異なるアドレス位置に記憶される。表示装置中のPMICが分離型である場合に、記憶ユニットはPMICの内部に設けられる。3in1のPMICである場合に、即ちPMIC、Level-shift IC(レベル変換用チップ)及びGAMMA IC(ガンマチップ)は、同一チップ内に集積されている。記憶ユニットは、外付けのEEPROM(Electrically Erasable Programmable read only memory、電気的消去可能読み取り専用メモリ)又はflash(フラッシュメモリ)であってもよい。表示対象画面が過負荷画面である場合に、タイミング制御チップは、記憶ユニット中の第2ガンマ電圧を呼び出す。次に、タイミング制御チップは、I2C(Inter-Integrated Circuit、集積回路バス、IICともいう)を介してPMICに指令を与え、PMICは、指令を受けると第2ガンマ電圧をソースドライバチップに出力する。ソースドライバチップはデータ線を介して第2ガンマ電圧を表示パネルに出力して、過負荷画面を表示する。
【0079】
また、表示対象画面が非過負荷画面である場合に、タイミング制御チップは、I2Cにより記憶ユニット中の第1ガンマ電圧を呼び出す。ソースドライバチップは、第1ガンマ電圧に応じて表示対象画面を表示するように表示装置を駆動する。
【0080】
本発明のいくつかの実施例において、図6に示すように、図6は本発明に係る表示装置の第1の構造概略図である。表示装置100はソースドライバチップ31及び表示パネル30を含む。ソースドライバチップ31は、第1ガンマ電圧又は第2ガンマ電圧を表示パネル30に出力するためのものである。
【0081】
図1に示した表示装置の駆動方法と異なる点は、本実施例において、表示装置の駆動方法がステップ105~106をさらに含むことである。
【0082】
105:前記第1ガンマ電圧又は前記第2ガンマ電圧を出力するためのソースドライバチップの駆動電圧を取得する。
【0083】
なお、ソースドライバチップ31は、駆動電圧の駆動下で正常に動作する。ソースドライバチップ31は、データ線を介して第1ガンマ電圧又は第2ガンマ電圧を表示パネル30に出力する。ソースドライバチップ31の数は、表示パネル30のサイズ及び画素分解能に応じて設定することができる。
【0084】
106:前記表示対象画面が過負荷画面である場合には、前記駆動電圧の電圧値を低下させる。
【0085】
なお、各ソースドライバチップ31は、正常に動作するために、所定範囲の駆動電圧VDDで駆動される必要がある。したがって、表示装置100が過負荷画面を表示する場合には、ソースドライバチップ31の駆動電圧VDDを低減することで、表示装置100の消費電力及びソースドライバチップ31の温度を低減することもできる。例えば、ソースドライバチップ31の駆動電圧VDDが2.9V~3.3Vの範囲で調整することができる。
【0086】
さらに、図7に示すように、図7は本発明に係る表示装置の第2の構造概略図である。表示装置100はバックライトモジュール32及び表示パネル30を含む。バックライトモジュール32はバックライトを表示パネル30に供給するためのものである。
【0087】
図1に示した表示装置の駆動方法と異なる点は、本実施例において、表示装置の駆動方法がステップ107をさらに含むことである。
【0088】
107:前記表示対象画面が過負荷画面である場合には、前記表示装置のバックライト輝度を向上させる。
【0089】
上記実施例から明らかなように、過負荷画面の消費電力を低減することにより、過負荷画面の画面全体の輝度が低下する。通常、実測データによれば、過負荷画面の消費電力を元の80%に低減すると、全体輝度は約10%低下する。
【0090】
したがって、過負荷画面の消費電力を低減しながら、過負荷画面の表示輝度全体が変わらないように確保するために、本実施例は第2ガンマ電圧に基づいて過負荷画面を表示するように表示装置100を駆動する際に、バックライトモジュール32のバックライト輝度を向上させることによって、過負荷画面の輝度を向上させることができ、駆動電圧の低下による輝度の低下を補償することができる。
【0091】
具体的には、バックライトモジュール32における光源駆動電圧を増加することで、バックライトの駆動電流を増加し、さらにバックライトモジュール32のバックライト輝度を向上させることができる。勿論、本発明はこれに限定されるものではなく、具体的にはバックライトモジュール32の光源構成に応じてバックライト輝度を高める方式を選択することができる。
【0092】
さらに、本発明のいくつかの実施例において、表示装置100はタイミング制御チップ33をさらに含む。タイミング制御チップ33がバックライトモジュール32に接続される。表示対象画面が過負荷画面である場合に、タイミング制御チップ33が制御信号をバックライトモジュール32に送信する。バックライトモジュール32が制御信号に基づいてバックライト輝度を高める。本実施例は、タイミング制御チップ33とバックライトモジュール32との間に通信関係を確立することにより、タイミング制御チップ33が過負荷画面を認識すると、制御信号をバックライトモジュール32にリアルタイムにフィードバックすることにより、バックライトモジュール32のバックライト輝度を調整することができる。
【0093】
したがって、本発明は、上記のいずれかの実施例に係る表示装置の駆動方法の駆動下で表示対象画面を表示する表示装置をさらに提供する。表示装置の駆動方法は、上述した実施例を参照すればよく、ここではその説明を省略する。
【0094】
本発明における表示装置は、スマートフォン、タブレットPC、ビデオプレーヤ、パーソナルコンピュータ(PC)などであってもよく、本発明はこれに限定されるものではない。
【0095】
具体的には、図8に示すように、図8は本発明に係る表示装置の第3の構造概略図である。表示装置100は、取得モジュール11、検出モジュール12、調整モジュール13及び駆動モジュール14を含む。具体的には以下のとおりである。
【0096】
(1)取得モジュール11:
取得モジュール11は、表示対象画面を取得するためのものである。通常、取得モジュール11がタイミング制御チップ内に設けられてもよい。タイミング制御チップの内部には、表示対象画面の関連情報を記憶するために、記憶ユニットが設けられてもよい。
【0097】
(2)検出モジュール12:
検出モジュール12は、表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断するためのものである。具体的には、検出モジュール12は解析した表示対象画面のデータ情報を処理して、表示対象画面の副画素毎の表示階調を得ることができる。表示階調と表示輝度との関係に基づいて表示対象画面の輝度分布特性を得ることができる。次いで、表示対象画面の輝度分布特性に応じて表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断する。
【0098】
具体的には、検出モジュール12は表示装置100の画素駆動方式のタイプを検出することができる。次いで、画素駆動方式のタイプに応じて過負荷画面の輝度分布特性を決定する。そして、過負荷画面の輝度分布特性をタイミング制御チップに入力する。最後に、表示対象画面の輝度分布特性と過負荷画面の輝度分布特性とを比較する。表示対象画面の輝度分布特性と過負荷画面の輝度分布特性とが同じである場合に、表示対象画面が過負荷画面であると判定する。表示対象画面の輝度分布特性と過負荷画面の輝度分布特性とが異なる場合に、表示対象画面が非過負荷画面であると判定する。
【0099】
過負荷画面の輝度分布特性は、上述した実施例を参照すればよく、ここではその説明を省略する。
【0100】
(3)調整モジュール13:
調整モジュール13は、過負荷画面の輝度分布特性に応じて、表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断するためのものである。表示対象画面が過負荷画面である場合に、表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整する。同一階調に対応する第2ガンマ電圧が、第1ガンマ電圧よりも小さい。
【0101】
具体的には、いくつかの実施例において、調整モジュール13はアナログ電源電圧の電圧値を低減することにより、第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整することができる。アナログ電源電圧は第1ガンマ電圧を生成するためのものであり、具体的には上述した実施例を参照すればよく、ここではその説明を省略する。
【0102】
他のいくつかの実施例において、調整モジュール13は過負荷画面の消費電力と予め設定された消費電力との差分値に応じて、階調のそれぞれに対応する前記第1ガンマ電圧を低下させることで、階調のそれぞれに対応する第2ガンマ電圧を得ることができる。
【0103】
さらに、第2ガンマ電圧を、目標ガンマ電圧曲線を満たすように、調整することができる。過負荷画面の消費電力を低減しながら、表示効果及びユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0104】
所望により、表示対象画面が過負荷画面である場合に、調整モジュール13はさらに駆動電圧の電圧値を低減することにより、表示装置100の消費電力を低減することができる。駆動電圧がソースドライバチップを正常に動作するように駆動するためのものである。ソースドライバチップは、第1ガンマ電圧又は第2ガンマ電圧を出力するためのものである。
【0105】
所望により、表示対象画面が過負荷画面である場合に、調整モジュール13はさらに表示装置100のバックライト輝度を高めることができる。なお、過負荷画面の消費電力を低減することにより、過負荷画面の画面全体の輝度が低下する。したがって、過負荷画面の消費電力を低減しながら、過負荷画面の表示輝度全体が変わらないように確保するために、本実施例は第2ガンマ電圧に基づいて過負荷画面を表示するように表示装置100を駆動する際に、バックライトモジュール32のバックライト輝度を向上させることによって、過負荷画面の輝度を向上させることができ、駆動電圧の低下による輝度の低下を補償することができる。
【0106】
(4)駆動モジュール14:
表示対象画面が過負荷画面である場合に、駆動モジュール14は第2ガンマ電圧に応じて過負荷画面を表示するように表示装置100を駆動するためのものである。表示対象画面が非過負荷画面である場合に、駆動モジュール14は第1ガンマ電圧に応じて非過負荷画面を表示するように表示装置100を駆動するためのものである。
【0107】
本発明は、表示装置の駆動方法により画面を表示することができる表示装置100を提供する。該表示装置100の駆動方法は、表示対象画面を取得する。次いで、表示対象画面が過負荷画面であるか否かを判断する。表示対象画面が過負荷画面である場合に、表示対象画面に対応する第1ガンマ電圧を第2ガンマ電圧に調整する。ここで、同一階調に対応する第2ガンマ電圧が、第1ガンマ電圧よりも小さい。最後に、第2ガンマ電圧に応じて表示対象画面を表示するように表示装置を駆動するステップを含む。本発明は、表示装置100が過負荷画面を表示する際の消費電力を低下させ、ソースドライバチップの温度上昇による表示品位への影響を防止し、製造コストを削減することができる。
【0108】
以上、本発明に係る表示装置及びその駆動方法について詳細に説明したが、本明細書では具体的な実施例を用いて本発明の原理及び実施形態について説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心的な思想を理解するためのものに過ぎず、一方、当業者であれば、本発明の構想に基づき、具体的な実施形態及び適用範囲に変更を加えることがあり、要約すると、本明細書の内容は本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8