(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】発光素子、その製造方法および表示装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/50 20100101AFI20240625BHJP
H01L 33/20 20100101ALI20240625BHJP
【FI】
H01L33/50
H01L33/20
(21)【出願番号】P 2021577649
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(86)【国際出願番号】 KR2020007228
(87)【国際公開番号】W WO2021002598
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0079398
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ヨ,ジェウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム,デヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ,シンシン
(72)【発明者】
【氏名】リム,ベクヒョン
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-231305(JP,A)
【文献】特表2018-503258(JP,A)
【文献】特開2018-137281(JP,A)
【文献】国際公開第2016/104401(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/159366(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0122159(KR,A)
【文献】特開2011-086865(JP,A)
【文献】特表2007-501525(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0317228(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0172339(US,A1)
【文献】特開2009-076896(JP,A)
【文献】国際公開第2007/097242(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0102061(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0132888(US,A1)
【文献】国際公開第2012/132236(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0010132(KR,A)
【文献】国際公開第2018/001911(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0003246(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体層および第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層の間に配置された活性層と、
少なくとも前記活性層の側面を囲む絶縁膜と、
前記絶縁膜
の外面上の少なくとも一部に配置された波長変換物質を含み、
前記活性層の側面に垂直な方向で切断した場合の断面視において、前記絶縁膜の外形は円形であり、
外部に放出された光は前記活性層から放出された光と互いに異なる中心波長帯域を有する、発光素子。
【請求項2】
前記活性層は中心波長帯域が第1波長である第1光を放出し、
前記波長変換物質は前記第1光を中心波長帯域が第2波長である第2光に変換させる、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記絶縁膜上に前記波長変換物質が配置された領域は少なくとも前記活性層と重なる、請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第1光は中心波長帯域が450nm~495nmの範囲を有し、
前記波長変換物質は量子ドット材料を含む、請求項2に記載の発光素子。
【請求項5】
前記第2光は中心波長帯域が495nm~570nmまたは620nm~750nmの範囲を有する、請求項4に記載の発光素子。
【請求項6】
前記第1半導体層、前記活性層および前記第2半導体層は第1方向に沿って順次配置され、
前記波長変換物質から放出される光の少なくとも一部は前記第1方向と異なる方向に進行する、請求項2に記載の発光素子。
【請求項7】
前記絶縁膜上に配置され、入射される光を散乱させる散乱体をさらに含む、請求項6に記載の発光素子。
【請求項8】
前記発光素子は前記第2半導体層上に配置された電極層をさらに含み、
前記絶縁膜は前記電極層の外面のうち少なくとも一部を囲む、請求項6に記載の発光素子。
【請求項9】
前記絶縁膜に結合されたリガンドをさらに含み、前記波長変換物質は前記リガンドと結合された、請求項2に記載の発光素子。
【請求項10】
下部基板および前記下部基板上に形成され、半導体結晶および前記半導体結晶の外面に形成された絶縁膜を含む半導体ロッドを準備するステップと、
前記絶縁膜上に配置される波長変換物質を形成して前記下部基板から前記半導体ロッドを分離するステップを含む、発光素子の製造方法。
【請求項11】
前記半導体結晶は、
第1半導体層および第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層の間に配置された活性層を含み、
前記活性層から放出された光と前記波長変換物質の外部に放出された光は互いに異なる中心波長帯域を有する、請求項10に記載の発光素子の製造方法。
【請求項12】
前記半導体ロッドを分離するステップで、前記波長変換物質は前記半導体ロッドが前記下部基板から分離した後に前記絶縁膜上に付着する、請求項11に記載の発光素子の製造
方法。
【請求項13】
前記半導体ロッドは前記絶縁膜に結合されたリガンドをさらに含み、前記波長変換物質は前記リガンドと結合された、請求項12に記載の発光素子の製造方法。
【請求項14】
第1画素および第2画素を含む表示装置であって、
基板と、
前記基板上に配置された第1電極と、
前記基板上に配置されて前記第1電極と離隔した第2電極と、
前記第1電極と第2電極の間に配置された少なくとも一つの発光素子を含み、
前記発光素子は、
第1半導体層および第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層の間に配置された活性層と、
少なくとも前記活性層の側面を囲む絶縁膜と、
前記絶縁膜
の外面上の少なくとも一部に配置された波長変換物質を含み、
前記活性層の側面に垂直な方向で切断した場合の断面視において、前記絶縁膜の外形は円形であり、
前記活性層から放出された光と前記発光素子の外部に放出された光が同じである第1発光素子および前記活性層から放出された光と前記発光素子の外部に放出された光が互いに異なる中心波長帯域を有する第2発光素子を含む、表示装置。
【請求項15】
前記第1発光素子および前記第2発光素子の前記活性層は中心波長帯域が第1波長である第1光を放出し、
前記第1発光素子は前記第1画素に配置され、
前記第2発光素子は第1波長変換物質を含み、前記第2画素に配置された、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1光は中心波長帯域が450nm~495nmの範囲を有し、
前記波長変換物質は量子ドット材料を含む、請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1波長変換物質は、前記第1光を中心波長帯域が前記第1波長と異なる第2波長である第2光に変換させる、請求項15に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第1発光素子および前記第2発光素子は、前記絶縁膜上に配置されて入射される光を散乱させる散乱体をさらに含む、請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記表示装置は第3画素をさらに含み、
前記発光素子は第3画素に配置されて第2波長変換物質を含む第3発光素子をさらに含む、請求項17に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第3発光素子の活性層は前記第1光を放出し、
前記第2波長変換物質は前記第1光を中心波長帯域が前記第1波長および前記第2波長と異なる第3波長である第3光に変換させる、請求項19に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光素子、その製造方法および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置はマルチメディアの発達と共にその重要性が増大している。これに応じて有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display,OLED)、液晶表示装置(Liquid Crystal Display,LCD)等のような様々な種類の表示装置が使用されている。
【0003】
表示装置の画像を表示する装置として有機発光表示パネルや液晶表示パネルのような表示パネルを含む。その中で、発光表示パネルとしては、発光素子を含み得るが、例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)の場合、有機物を蛍光物質として用いる有機発光ダイオード(OLED)、無機物を蛍光物質として用いる無機発光ダイオード等がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、同じ活性層を含むが、互いに異なる光を放出する発光素子およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
また、本発明が解決しようとする課題は、前記発光素子を含み、多様な色の光を表示できる表示装置を提供することにある。
【0006】
本発明の課題は、以上で言及した課題に限定されず、言及されていないまた他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための一実施形態による発光素子は、第1半導体層および第2半導体層、前記第1半導体層と前記第2半導体層の間に配置された活性層、少なくとも前記活性層の側面を囲む絶縁膜および前記絶縁膜上の少なくとも一部に配置された波長変換物質を含み、外部に放出された光は前記活性層から放出された光と互いに異なる中心波長帯域を有する。
【0008】
前記活性層は中心波長帯域が第1波長である第1光を放出し、前記波長変換物質は前記第1光を中心波長帯域が第2波長である第2光に変換させ得る。
【0009】
前記絶縁膜上に前記波長変換物質が配置された領域は少なくとも前記活性層と重なり得る。
【0010】
前記第1光は中心波長帯域が450nm~495nmの範囲を有し、前記波長変換物質は量子ドット材料を含み得る。
【0011】
前記第2光は中心波長帯域が495nm~570nmまたは620nm~750nmの範囲を有し得る。
【0012】
前記第1半導体層、前記活性層および前記第2半導体層は第1方向に沿って順次配置され、前記波長変換物質から放出される光の少なくとも一部は前記第1方向と異なる方向に進行し得る。
【0013】
前記絶縁膜上に配置され、入射される光を散乱させる散乱体をさらに含み得る。
【0014】
前記発光素子は前記第2半導体層上に配置された電極層をさらに含み、前記絶縁膜は前記電極層の外面のうち少なくとも一部を囲み得る。
【0015】
前記絶縁膜に結合されたリガンドをさらに含み、前記波長変換物質は前記リガンドと結合され得る。
【0016】
前記課題を解決するための一実施形態による発光素子の製造方法は、下部基板および前記下部基板上に形成され、半導体結晶および前記半導体結晶の外面に形成された絶縁膜を含む半導体ロッドを準備するステップおよび前記絶縁膜上に配置される波長変換物質を形成して前記下部基板から前記半導体ロッドを分離するステップを含む。
【0017】
前記半導体結晶は第1半導体層および第2半導体層、および前記第1半導体層と前記第2半導体層の間に配置された活性層を含み、前記活性層から放出された光と前記波長変換物質の外部に放出された光は互いに異なる中心波長帯域を有し得る。
【0018】
前記半導体ロッドを分離するステップで、前記波長変換物質は前記半導体ロッドが前記下部基板から分離した後に前記絶縁膜上に付着し得る。
【0019】
前記半導体ロッドは前記絶縁膜に結合されたリガンドをさらに含み、前記波長変換物質は前記リガンドと結合され得る。
【0020】
前記課題を解決するための一実施形態による表示装置は、第1画素および第2画素を含む表示装置であって、基板、前記基板上に配置された第1電極、前記基板上に配置されて前記第1電極と離隔した第2電極および前記第1電極と第2電極の間に配置された少なくとも一つの発光素子を含み、前記発光素子は、第1半導体層および第2半導体層、前記第1半導体層と前記第2半導体層の間に配置された活性層、少なくとも前記活性層の側面を囲む絶縁膜および前記絶縁膜上の少なくとも一部に配置された波長変換物質を含み、前記活性層から放出された光と前記発光素子の外部に放出された光が同じである第1発光素子および前記活性層から放出された光と前記発光素子の外部に放出された光が互いに異なる中心波長帯域を有する第2発光素子を含む。
【0021】
前記第1発光素子および前記第2発光素子の前記活性層は中心波長帯域が第1波長である第1光を放出し、前記第1発光素子は前記第1画素に配置され、前記第2発光素子は第1波長変換物質を含み、前記第2画素に配置され得る。
【0022】
前記第1光は中心波長帯域が450nm~495nmの範囲を有し、前記波長変換物質は量子ドット材料を含み得る。
【0023】
前記第1波長変換物質は前記第1光を中心波長帯域が前記第1波長と異なる第2波長である第2光に変換させ得る。
【0024】
前記第1発光素子および前記第2発光素子は前記絶縁膜上に配置されて入射される光を散乱させる散乱体をさらに含み得る。
【0025】
前記表示装置は第3画素をさらに含み、前記発光素子は第3画素に配置されて第2波長変換物質を含む第3発光素子をさらに含み得る。
【0026】
前記第3発光素子の活性層は前記第1光を放出し、前記第2波長変換物質は前記第1光を中心波長帯域が前記第1波長および前記第2波長と異なる第3波長である第3光に変換させ得る。
【0027】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0028】
一実施形態による発光素子は、活性層から放出された光を変換させる波長変換物質を含み、活性層から放出された前記光と異なる中心波長帯域を有する光を外部に放出することができる。発光素子は波長変換物質の種類によって同じ光を放出する活性層を含むが、互いに異なる光を外部に放出することができる。
【0029】
そのため、一実施形態による表示装置は同じ活性層を有するが、互いに異なる光を放出する前記発光素子を含み、多様な色の光を表示することができる。
【0030】
実施形態による効果は、以上で例示した内容によって限定されず、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】一実施形態による発光素子の概略的な平面図である。
【
図3】一実施形態による発光素子から放出された光が放出されることを示す概略図である。
【
図4】一実施形態による発光素子が電極上に配置されたことを示す概略的な断面図である。
【
図5】一実施形態による発光素子の製造方法を示す概略図である。
【
図6】一実施形態による発光素子の製造方法を示す概略図である。
【
図7】一実施形態による発光素子の製造方法を示す概略図である。
【
図8】一実施形態による発光素子の製造方法を示す概略図である。
【
図9】一実施形態による発光素子の製造方法を示す概略図である。
【
図10】一実施形態による発光素子の製造方法を示す概略図である。
【
図11】一実施形態による発光素子の製造方法を示す概略図である。
【
図12】他の実施形態による発光素子の製造方法の一部を示す概略図である。
【
図13】また他の実施形態による発光素子の製造方法の一部を示す概略図である。
【
図14】また他の実施形態による発光素子の製造方法の一部を示す概略図である。
【
図15】他の実施形態による発光素子の絶縁膜を拡大して示す概略図である。
【
図16】
図15の発光素子から放出された光が放出されることを示す概略図である。
【
図17】また他の実施形態による発光素子の絶縁膜を拡大して示す概略図である。
【
図18】他の実施形態による発光素子の概略図である。
【
図19】一実施形態による表示装置の概略図である。
【
図20】一実施形態による表示装置の一画素の概略的な平面図である。
【
図21】一実施形態による表示装置の概略的な断面図である。
【
図22】
図20のXa-Xa’線、Xb-Xb’線およびXc-Xc’線に沿って切断した断面図である。
【
図23】他の実施形態による表示装置の断面図である。
【
図24】また他の実施形態による表示装置の一画素を示す平面図である。
【
図25】
図18の発光素子を含む表示装置の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。
【0033】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」と称する場合、他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子が介在する場合をすべて含む。明細書全体にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を称する。
【0034】
第1、第2等が多様な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得るのはもちろんである。
【0035】
以下、添付する図面を参照して実施形態について説明する。
【0036】
【0037】
発光素子300は発光ダイオード(Light Emitting diode)であり得、具体的には、発光素子300はマイクロメータ(micro-meter)またはナノメータ(nano-meter)単位の大きさを有し、無機物からなる無機発光ダイオードであり得る。無機発光ダイオードは互いに対向する二つの電極の間に特定方向に電界を形成すると極性が形成される前記二つの電極の間に整列し得る。発光素子300は二つの電極上に形成された電界によって電極の間に整列し得る。
【0038】
発光素子300は一方向に延びた形状を有し得る。発光素子300はロッド、ワイヤー、チューブ等の形状を有し得る。例示的な実施形態で、発光素子300は円筒形またはロッド形(rod)であり得る。ただし、発光素子300の形態はこれに限定されるものではなく、正六面体、直六面体、六角柱形等の多角柱の形状を有するか、一方向に延びるが、外面が部分的に傾斜した形状を有する等、発光素子300は多様な形態を有し得る。後述する発光素子300に含まれる複数の半導体は前記一方向に沿って順次配置または積層された構造を有することができる。
【0039】
発光素子300は任意の導電型(例えば、p型またはn型)不純物でドーピングされた半導体層を含み得る。半導体層は外部の電源から印加される電気信号の伝達を受け、これを特定波長帯の光として放出することができる。
【0040】
一実施形態による発光素子300は特定波長帯の光を放出することができる。例示的な実施形態で、活性層330は中心波長帯域が450nm~495nmの範囲を有する青色(Blue)光を放出することができる。ただし、青色(Blue)光の中心波長帯域が上述した範囲に限定されるものではなく、本技術分野で青色と認識され得る波長範囲をすべて含むものとして理解しなければならない。また、発光素子300の活性層330から放出される光はこれに限定されず、中心波長帯域が495nm~570nmの範囲を有する緑色(Green)光または中心波長帯域が620nm~750nmの範囲を有する赤色(Red)光でもあり得る。
【0041】
図1を参照すると、一実施形態による発光素子300は第1半導体層310、第2半導体層320、活性層330、絶縁膜380および波長変換物質385を含み得る。また、一実施形態による発光素子300は少なくとも一つの電極層370をさらに含むこともできる。
図1では発光素子300が一つの電極層370を含むことを示しているが、これに限定されない。場合によって発光素子300はより多くの数の電極層370を含んだり、省略することもできる。後述する発光素子300に係る説明は電極層370の数が変わったり他の構造をさらに含んでも同様に適用することができる。
【0042】
第1半導体層310は第1導電型を有する、例えばn型半導体であり得る。一例として、発光素子300が青色波長帯の光を放出する場合、第1半導体層310はAlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)の化学式を有する半導体材料を含み得る。例えば、n型にドーピングされたAlGaInN、GaN、AlGaN、InGaN、AlNおよびInNのうちいずれか一つ以上であり得る。第1半導体層310は第1導電型ドーパントがドーピングされ得、一例として第1導電型ドーパントはSi、Ge、Sn等であり得る。例示的な実施形態で、第1半導体層310はn型Siでドーピングされたn-GaNであり得る。第1半導体層310の長さは1.5μm~5μmの範囲を有し得るが、これに限定されるものではない。
【0043】
第2半導体層320は後述する活性層330上に配置される。第2半導体層320は第2導電型を有する、例えばp型半導体であり得、一例として、発光素子300が青色または緑色波長帯の光を放出する場合、第2半導体層320はAlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)の化学式を有する半導体材料を含み得る。例えば、p型にドーピングされたAlGaInN、GaN、AlGaN、InGaN、AlNおよびInNのうちいずれか一つ以上であり得る。第2半導体層320は第2導電型ドーパントがドーピングされ得、一例として第2導電型ドーパントはMg、Zn、Ca、Se、Ba等であり得る。例示的な実施形態で、第2半導体層320はp型Mgでドーピングされたp-GaNであり得る。第2半導体層320の長さは0.05μm~0.10μmの範囲を有し得るが、これに限定されるものではない。
【0044】
一方、図面では第1半導体層310と第2半導体層320が一つの層として構成されたことを示しているが、これに限定されるものではない。場合によっては活性層330の物質によって第1半導体層310と第2半導体層320はより多くの数の層、例えばクラッド層(clad layer)またはTSBR(Tensile strain barrier reducing)層をさらに含むこともできる。
【0045】
活性層330は第1半導体層310と第2半導体層320の間に配置される。活性層330は単一または多重量子井戸構造の材料を含み得る。活性層330が多重量子井戸構造の材料を含む場合、量子層(Quantum layer)と井戸層(Well layer)が互いに交互に複数積層された構造でもあり得る。活性層330は第1半導体層310および第2半導体層320を介して印加される電気信号に応じて電子-正孔ペアの結合によって光を発光し得る。一例として、活性層330が青色波長帯の光を放出する場合、AlGaN、AlGaInN等の物質を含み得る。特に、活性層330が多重量子井戸構造で量子層と井戸層が交互に積層された構造である場合、量子層はAlGaNまたはAlGaInN、井戸層はGaNまたはAlInN等のような物質を含み得る。例示的な実施形態で、活性層330は量子層としてAlGaInNを、井戸層としてAlInNを含み、前述したように、活性層330は中心波長帯域が450nm~495nmの範囲を有する青色(Blue)光を放出することができる。
【0046】
ただし、これに限定されるものではなく、活性層330はバンドギャップ(Band gap)エネルギが大きい種類の半導体物質とバンドギャップエネルギが小さい半導体物質が互いに交互に積層された構造であり得、発光する光の波長帯に応じて異なる3族~5族半導体物質を含むこともできる。活性層330が放出する光は青色波長帯の光に限定されず、場合によって赤色、緑色波長帯の光を放出することもできる。活性層330の長さは0.05μm~0.10μmの範囲を有し得るが、これに限定されるものではない。
【0047】
一方、活性層330から放出される光は発光素子300の長手方向の外部面だけでなく、両側面に放出されることができる。活性層330から放出される光は一つの方向に方向性が限定されない。
【0048】
電極層370はオーミック(Ohmic)接触電極であり得る。ただし、これに限定されず、ショットキー(Schottky)接触電極でもあり得る。電極層370は伝導性がある金属を含み得る。例えば、電極層370はアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、インジウム(In)、金(Au)、銀(Ag)、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)およびITZO(Indium Tin-Zinc Oxide)のうち少なくともいずれか一つを含み得る。また、電極層370はn型またはp型にドーピングされた半導体物質を含むこともできる。電極層370は同じ物質を含み得、互いに異なる物質を含むこともでき、これに限定されるものではない。
【0049】
絶縁膜380は上述した複数の半導体の外面を囲むように配置される。例示的な実施形態で、絶縁膜380は少なくとも活性層330の外面を囲むように配置され、発光素子300が延びた一方向に延び得る。絶縁膜380は前記部材を保護する機能をすることができる。一例として、絶縁膜380は前記部材の側面部を囲むように形成され、発光素子300の長手方向の両端部は露出するように形成されることができる。
【0050】
図面では絶縁膜380が発光素子300の長手方向に延びて第1半導体層310から電極層370までカバーできるように形成されたことを示しているが、これに限定されない。絶縁膜380は活性層330を含み、一部の導電型半導体の外面のみをカバーしたり、電極層370外面の一部のみをカバーして電極層370の外面が部分的に露出することもできる。また、絶縁膜380は発光素子300の少なくとも一端部と隣接する領域で断面上の上面がラウンド形状に形成されることもできる。
【0051】
絶縁膜380の厚さは10nm~1.0μmの範囲を有し得るが、これに限定されるものではない。好ましくは絶縁膜380の厚さは40nm内外であり得る。
【0052】
絶縁膜380は絶縁特性を有する物質、例えば、シリコン酸化物(Silicon oxide,SiOx)、シリコン窒化物(Silicon nitride,SiNx)、酸窒化シリコン(SiOxNy)、窒化アルミニウム(Aluminum nitride,AlN)、酸化アルミニウム(Aluminum oxide,Al2O3)等を含み得る。そのため活性層330が発光素子300に電気信号が伝達される電極と直接接触する場合に発生し得る電気的短絡を防止することができる。また、絶縁膜380は活性層330を含み、発光素子300の外面を保護するので、発光効率の低下を防止することができる。
【0053】
また、いくつかの実施形態で、絶縁膜380は外面が表面処理され得る。発光素子300は表示装置10の製造時、所定のインク内で分散した状態で電極上に噴射されて整列し得る。ここで、発光素子300がインク内で隣接する他の発光素子300と凝集せず分散した状態を保持するために、絶縁膜380は表面が疎水性または親水性処理され得る。
【0054】
一実施形態による発光素子300は絶縁膜380上に配置される複数の波長変換物質385を含み得る。波長変換物質385は特定の中心波長帯域を持って入射される光を異なる中心波長帯域を有する光に変換またはシフトさせ得る。波長変換物質385は絶縁膜380上に配置されて発光素子300の活性層330から放出された光が入射されると、前記光を異なる波長帯の光に変換またはシフトさせて放出することができる。
【0055】
図2は
図1のA部分の拡大図である。
図3は一実施形態による発光素子から放出された光が放出されることを示す概略図である。
【0056】
図1に関連して
図2および
図3をさらに参照すると、発光素子300は複数の波長変換物質385を含み、波長変換物質385は絶縁膜380の外面を覆うように配置され得る。図面に示すように、波長変換物質385は絶縁膜380上でこれを全面的に覆うように配置され得、互いに接触したり離隔して無作為に配置され得る。波長変換物質385は絶縁膜380の少なくとも一部を覆う一つの層を形成することもできる。ただし、これに限定されるものではない。波長変換物質385は絶縁膜380の一部領域にのみ配置されることもできる。波長変換物質385は前述したように発光素子300の活性層330から放出された光が入射されるために、少なくとも活性層330の外面を囲む絶縁膜380上にのみ配置されることもできる。絶縁膜380上で波長変換物質385が配置される領域は少なくとも活性層330と重なり得る。
【0057】
発光素子300の絶縁膜380は第1半導体層310、活性層330、第2半導体層320および電極層370の外面のうちの側面を囲むように配置されるので、例示的な実施形態で絶縁膜380上に配置された波長変換物質385は少なくとも発光素子300の側面方向に光を放出することができる。一方向に延びた形状を有する発光素子300は絶縁膜380上に配置された波長変換物質385を含み、前記延びた方向と異なる方向に特定波長帯の光を放出することができる。ただし、これに限定されず、発光素子300の波長変換物質385から放出される光の方向は多様であり得る。
【0058】
このような発光素子300は工程中に絶縁膜380を形成した後、波長変換物質385を絶縁膜380上に配置する工程を行うことによって製造されることができる。波長変換物質385は絶縁膜380と波長変換物質385の間に物理的な結合を形成したり、化学的な結合を形成することによって絶縁膜380上に配置されることができ、いくつかの実施形態では絶縁膜380上に波長変換物質385を直接合成することもできる。これに関する説明は後述する。
【0059】
波長変換物質385はその形態が球形、または楕円形であり得るが、特に限定されない。いくつかの実施形態で、波長変換物質385は量子ドット、量子ロッドまたは蛍光体等であり得る。一例として、波長変換物質385は電子が伝導帯から価電子帯に転移して特定波長帯の光を放出する量子ドットであり得る。
【0060】
前記量子ドットは半導体ナノ結晶物質であり得る。前記量子ドットはその組成および大きさによって特定バンドギャップを有して光を吸収した後に固有の波長を有する光を放出することができる。前記量子ドットの半導体ナノ結晶の例としては、IV族系ナノ結晶、II-VI族系化合物ナノ結晶、III-V族系化合物ナノ結晶、IV-VI族系ナノ結晶またはこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0061】
II-VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、MgSe、MgSおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる二元素化合物と、InZnP、AgInS、CuInS、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、MgZnSe、MgZnSおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる三元素化合物と、HgZnTeS、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTeおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる四元素化合物からなる群より選ばれ得る。
【0062】
III-V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSbおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる二元素化合物と、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InGaP、InNP、InAlP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNPおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる三元素化合物と、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSbおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる四元素化合物からなる群より選ばれ得る。
【0063】
IV-VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTeおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる二元素化合物と、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTeおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる三元素化合物と、SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTeおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる四元素化合物からなる群より選ばれ得る。IV族元素としてはSi、Geおよびこれらの混合物からなる群より選ばれ得る。IV族化合物としてはSiC、SiGeおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる二元素化合物であり得る。
【0064】
この時、二元素化合物、三元素化合物または四元素化合物は均一な濃度で粒子内に存在したり、濃度分布が部分的に異なる状態に分けられて同一の粒子内に存在することもできる。また、一つの量子ドットが他の量子ドットを囲むコア/シェル構造を有することができる。コアとシェルの界面はシェルに存在する元素の濃度が中心に行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有し得る。
【0065】
いくつかの実施形態で、量子ドットは前述したナノ結晶を含むコアおよび前記コアを囲むシェルを含むコア-シェル構造をすることができる。前記量子ドットのシェルは前記コアの化学的変性を防止して半導体特性を維持するための保護層の役割および/または量子ドットに電気泳動特性を付与するための充電層(charging layer)の役割を果たすことができる。前記シェルは単層または多重層であり得る。コアとシェルの界面はシェルに存在する元素の濃度が中心に行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有し得る。前記量子ドットのシェルの例としては金属または非金属の酸化物、半導体化合物またはこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0066】
例えば、前記金属または非金属の酸化物は、SiO2、Al2O3、TiO2、ZnO、MnO、Mn2O3、Mn3O4、CuO、FeO、Fe2O3、Fe3O4、CoO、Co3O4、NiO等の二元素化合物、またはMgAl2O4、CoFe2O4、NiFe2O4、CoMn2O4等の三元素化合物を例示できるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
また、前記半導体化合物はCdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnSeS、ZnTeS、GaAs、GaP、GaSb、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InP、InGaP、InSb、AlAs、AlP、AlSb等を例示できるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0068】
波長変換物質385が量子ドットを含む場合、波長変換物質385の直径Dp1は数ナノメータ(nm)~数十ナノメータ(nm)の範囲を有し得る。一例として、波長変換物質385の直径Dp1は発光素子300の直径に対して1%~10%の範囲を有し得る。ただし、これに限定されるものではない。
【0069】
図3に示すように、発光素子300の活性層330では特定の中心波長帯域を有する光Lが放出されることができる。活性層330から放出された光Lは方向性なしに無作為の方向に進行し、前記光Lのうち少なくとも一部は絶縁膜380に入射され得る。絶縁膜380に入射された光は絶縁膜380を介して波長変換物質385に入射され得、波長変換物質385は活性層330から放出された光Lを異なる中心波長帯域を有する光L’に変換させて放出することができる。一実施形態による発光素子300は活性層330から放出された光Lと発光素子300の外面に放出される光L’が互いに異なる中心波長帯域を有し得る。
【0070】
発光素子300の活性層330は第1半導体層310と第2半導体層320から伝達された電気信号に応じて電子-正孔ペアの結合によって光を放出することができる。一例として、活性層330はAlGaN、AlGaInN等の物質を含み、中心波長帯域が450nm~495nmの範囲を有する青色(Blue)光を放出することができる。また、発光素子300は活性層330をなす材料によって緑色(Green)光または赤色(Red)光を放出することもできる。
【0071】
後述するように、発光素子300はエピタキシャル成長(Epitaxial growth)工程によって製造されることができる。互いに異なる光を放出する発光素子300を製造するためにはそれぞれ異なる成分比または材料を含む活性層330を成長させる工程が行われ得る。すなわち、青色光と異なる色の光を放出する活性層330を含む発光素子300を製造するためには異なる条件のエピタキシャル成長工程が必要であり、生産コストおよび収率が低いこともある。
【0072】
反面、一実施形態による発光素子300は同じ色の光を放出する活性層330を含むが、絶縁膜380上に配置される波長変換物質385を異にして活性層330から放出された光Lを異なる中心波長帯域を有する光L’に変換させ得る。発光素子300は活性層330で同じ中心波長帯域の光を放出しても、波長変換物質385の種類によって互いに異なる中心波長帯域の光を放出することができる。そのため特定条件のエピタキシャル成長工程のみを行っても、波長変換物質385を調節することによって多様な色の光を放出する発光素子300の製造が可能である。
【0073】
例示的な実施形態で、発光素子300は中心波長帯域が450nm~495nmの範囲を有する青色光を放出する活性層330を含み、青色光が入射されると中心波長帯域が495nm~570nmの範囲を有する緑色(Green)光または中心波長帯域が620nm~750nmの範囲を有する赤色(Red)光に変換させる波長変換物質385を含み得る。ただし、これに限定されるものではなく、波長変換物質385は緑色光または赤色光以外の他の中心波長帯域を有する光に変換させることもできる。
【0074】
後述するように、一実施形態による表示装置10は青色光を放出する活性層330を含むが、これを同じ青色光または他の中心波長帯域の光として放出させる互いに異なる発光素子300を含み得る。いくつかの実施形態で、表示装置10は波長変換物質が省略され、活性層330から放出された第1光L1を外部に放出する第1発光素子(301,
図21に図示)、第1波長変換物質を含み、第2光L2を外部に放出する第2発光素子(302,
図21に図示)および第2波長変換物質を含み、第3光L3を外部に放出する第3発
光素子(303,
図21に図示)を含み得る。表示装置10は同じ種類の活性層330を含むが、互いに異なる光を放出する発光素子300を含み得、そのため表示装置10は多様な色を表示することができる。
【0075】
また、波長変換物質385は放出される光が約45nm以下、または約40nm以下、または約30nm以下の発光波長スペクトル半値幅(full width of half maximum,FWHM)を有し得、発光素子300を含む表示装置10は表示する色の色純度および色再現性をより一層改善することができる。
【0076】
図4は一実施形態による発光素子が電極上に配置されたことを示す概略的な断面図である。
【0077】
図4を参照すると、一実施形態で、表示装置10に含まれた発光素子300は対象基板SUB上に配置された第1電極210および第2電極220上に配置され得る。第1電極210と第2電極220は対象基板SUB上で互いに離隔して対向するように配置され得る。発光素子300は一方向に延びた形状を有することができ、発光素子300が延びた方向は第1電極210と第2電極220が離隔した方向と同一であり得る。
【0078】
図面に示すように、発光素子300は延びた方向が対象基板SUBの上面と平行するように第1電極210と第2電極220の間に配置され得る。いくつかの実施形態で発光素子300は両端部が第1電極210と第2電極220上に配置されることもできる。
図4に示していないが、発光素子300は第1電極210および第2電極220と電気的に接続され、これらから所定の電気信号を受けて活性層330で特定波長帯の光Lを放出することができる。
【0079】
前述したように、発光素子300の活性層330から放出される光Lは方向性なしに無作為の方向に進行し得る。活性層330から放出された光Lの少なくとも一部は波長変換物質385に入射され、波長変換物質385は活性層330から入射された光Lを他の波長の光L’に変換させて放出することができる。波長変換物質385が放出する光L’は活性層330から放出されて入射される光Lの入射方向と関係がなく複数の方向に向かって放出されることができる。すなわち、波長変換物質385から放出された光L’は発光素子300の延びた方向に垂直な方向、すなわち対象基板SUBの上部方向を含み、多様な方向に進行し得る。特に、発光素子300の第1半導体層310、活性層330および第2半導体層320は発光素子300が延びた一方向に順次配置される。一実施形態による発光素子300は外部に放出される光L’の少なくとも一部は前記一方向と異なる方向に進行し得る。発光素子300が対象基板SUB上に水平な方向に配置されても、発光素子300は対象基板SUBの上部方向に特定波長帯の光を放出することができる。
【0080】
また、発光素子300は活性層330から放出された光Lと発光素子300の外部に放出される光L’が互いに異なる中心波長帯域を有するので、同じ活性層330を有するが、互いに異なる波長変換物質385を含む発光素子300を用いて多様な色を表示することができる。発光素子300を含む表示装置10に係るより詳しい説明は他の図面を参照して後述する。
【0081】
一方、再び
図1を参照すると、発光素子300は長さ(h)が1μm~10μmまたは2μm~6μmの範囲を有し得、好ましくは3μm~5μmの長さを有し得る。また、発光素子300の直径は300nm~700nmの範囲を有し、発光素子300の縦横比(Aspect ratio)は1.2~100であり得る。ただし、これに限定されず、表示装置10に含まれる複数の発光素子300は活性層330の組成差によって互いに異なる直径を有することもできる。好ましくは発光素子300の直径は500nm内外の範囲を有し得る。
【0082】
以下では一実施形態による発光素子300の製造方法について説明する。
【0083】
図5~
図11は一実施形態による発光素子の製造方法を示す概略図である。
【0084】
一実施形態による発光素子300の製造方法は、下部基板(2000,
図5に図示)上に複数の半導体層(310,320)、活性層330および絶縁膜380を含む半導体ロッド(ROD、
図9に図示)を形成するステップおよび絶縁膜380上に波長変換物質385を形成して下部基板2000から半導体ロッドRODを分離するステップを含み得る。発光素子300はエピタキシャル成長法(Epitaxial growth)により下部基板上に成長した半導体ロッドRODを含み得る。半導体ロッドRODは第1半導体層310、第2半導体層320、活性層330、電極層370および絶縁膜380を含み得る。以後、半導体ロッドRODの絶縁膜380上に波長変換物質385を形成して前記下部基板から半導体ロッドRODを分離して発光素子300を製造することができる。
【0085】
具体的には、先に
図5を参照すると、ベース基板2100、ベース基板2100上に形成されたバッファ物質層2200、バッファ物質層2200上に形成された分離層2300を含む下部基板2000および下部基板2000上に形成された半導体構造物3000を準備する。下部基板2000はベース基板2100、バッファ物質層
2200および分離層2300が順次積層された構造をすることができる。
【0086】
ベース基板2100はサファイア基板(Al2O3)およびガラスのような透明性基板を含み得る。ただし、これに限定されるものではなく、GaN、SiC、ZnO、Si、GaPおよびGaAs等のような導電性基板からなることもできる。以下では、ベース基板2100がサファイア基板(Al2O3)である場合を例示して説明する。ベース基板2100の厚さは特に限定されないが、一例としてベース基板2100は厚さが400μm~1500μmの範囲を有し得る。
【0087】
ベース基板2100上には複数の半導体層が形成される。エピタキシャル法によって成長する複数の半導体層はシード結晶を成長させて形成されることができる。ここで、半導体層を形成する方法は、電子ビーム蒸着法、物理的気相蒸着法(Physical vapor deposition,PVD)、化学的気相蒸着法(Chemical vapor deposition,CVD)、プラズマレーザ蒸着法(Plasma laser deposition,PLD)、二重型熱蒸着法(Dual-type thermal evaporation)、スパッタリング(Sputtering)、金属-有機物化学気相蒸着法(Metal organic chemical vapor deposition,MOCVD)等であり得、、好ましくは、金属-有機物化学気相蒸着法(MOCVD)により形成されることができる。ただし、これに限定されない。
【0088】
複数の半導体層を形成するための前駆体物質は対象物質を形成するために通常選択される範囲内で特に限定されない。一例として、前駆体物質はメチル基またはエチル基のようなアルキル基を含む金属前駆体であり得る。例えば、トリメチルガリウム(Ga(CH3)3)、トリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)、トリエチルリン酸塩((C2H5)3PO4)のような化合物であり得るが、これに限定されない。以下では、複数の半導体層を形成する方法や工程条件等については説明を省略し、発光素子300の製造方法の順序や積層構造について詳細に説明する。
【0089】
ベース基板2100上にはバッファ物質層2200が形成される。図面ではバッファ物質層2200が一層積層されたことを示しているが、これに限定されず、複数の層を形成することもできる。バッファ物質層2200は第1半導体3100とベース基板2100の格子定数差を減らすために配置され得る。
【0090】
一例として、バッファ物質層2200はアンドープ(Undoped)半導体を含み得、実質的に第1半導体3100と同じ物質を含むが、n型またはp型にドーピングされない物質であり得る。例示的な実施形態で、バッファ物質層2200はドーピングされないInAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlNおよびInNのうち少なくともいずれか一つであり得るが、これに限定されない。また、バッファ物質層2200はベース基板2100により省略することもできる。以下では、ベース基板2100上にアンドープ半導体を含むバッファ物質層2200が形成された場合を例示して説明する。
【0091】
バッファ物質層2200上には分離層2300が配置され得る。分離層2300は第1半導体3100の結晶が円滑に成長できる材料を含み得る。分離層2300は絶縁材および伝導性物質のうち少なくともいずれか一つを含み得る。一例として、分離層2300は絶縁材としてシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)等を含み得、伝導性物質としてITO、IZO、IGO、ZnO、グラフェン、グラフェン酸化物(Graphene oxide)等を含むこともできる。ただし、これに限定されるものではない。
【0092】
分離層2300は後述するステップで除去され得、そのため分離層2300上に形成された発光素子300は下部基板2000から分離することができる。分離層2300が除去されるステップは化学的分離方法(CLO)により行われることができ、そのため発光素子300の端部面は分離層2300の表面と同様に平坦な面を有し得る。また、分離層2300は半導体構造物3000をエッチングする工程で、半導体構造物3000とバッファ物質層2200の間でエッチングストッパ(etching stopper)になり得る。
【0093】
半導体構造物3000は分離層2300上に配置される。半導体構造物3000は第1半導体3100、活性層3300、第2半導体3200および電極物質層3700を含み得る。半導体構造物3000に含まれる複数の物質層は前述したように通常の工程を行って形成されることができ、半導体構造物3000に積層された層は発光素子300の各層に対応する。すなわち、これらはそれぞれ発光素子300の第1半導体層310、活性層330、第2半導体層320および電極層370と同じ物質を含み得る。半導体構造物3000の各層に係る詳しい説明は省略する。
【0094】
次に、半導体構造物3000を下部基板2000に垂直な方向にエッチングして半導体結晶3000’を形成する。
【0095】
半導体構造物3000を垂直にエッチングして半導体結晶3000’を形成するステップは通常行われるエッチング工程を含み得る。いくつかの実施形態で、半導体結晶3000’を形成するステップは、半導体構造物3000上にエッチングマスク層1600およびエッチングパターン層1700を形成するステップ、エッチングパターン層1700のパターンに応じて半導体構造物3000をエッチングするステップおよびエッチングマスク層1600とエッチングパターン層1700を除去するステップを含み得る。
【0096】
図6を参照すると、エッチングマスク層1600は半導体構造物3000の複数の層を連続的にエッチングするためのマスクの役割を果たすことができる。エッチングマスク層1600は絶縁性物質を含む第1エッチングマスク層1610と金属を含む第2エッチングマスク層1620を含むこともできる。
【0097】
第1エッチングマスク層1610は絶縁性物質として酸化物または窒化物を含み得る。絶縁性物質は一例としてシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)等であり得る。第1エッチングマスク層1610の厚さは0.5μm~1.5μmの範囲を有し得るが、これに限定されるものではない。
【0098】
第2エッチングマスク層1620は第1エッチングマスク層1610上に配置される。一例として第2エッチングマスク層1620はハードマスク層であり得る。第2エッチングマスク層1620は半導体構造物3000の連続的なエッチングのためにマスクの役割を果たす材料を含み得、一例としてクロム(Cr)等のような金属を含むこともできる。第2エッチングマスク層1620の厚さは30nm~150nmの範囲を有し得るが、これに限定されるものではない。
【0099】
エッチングマスク層1600上にはエッチングパターン層1700が配置され得る。エッチングパターン層1700は互いに離隔した少なくとも一つのナノパターンを含み得る。エッチングパターン層1700はポリマー、ポリスチレンスフィア、シリカスフィア等を含み得るが、パターンを形成できる材料であれば特に限定されない。
【0100】
一例として、エッチングパターン層1700がポリマーを含む場合、ポリマーを用いてパターンを形成できる通常の方法を採用することができる。例えば、フォトリソグラフィ、e-ビームリソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィ等の方法でポリマーを含むエッチングパターン層1700を形成することができる。
【0101】
例示的な実施形態で、エッチングパターン層1700はナノインプリントリソグラフィで形成され得、エッチングパターン層1700のナノパターンはナノインプリント樹脂を含み得る。前記樹脂はフッ化単量体(Fluorinated monomer)、アクリレート単量体(Acrylate monomer)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(Dipentaerythritol hexaacrylate)、ジプロピレングリコールジアクリレート(Dipropylene glycol diacrylate)、ポリエチレングリコールフェニルエーテルアクリレート(poly(ethylene glycol) phenyletheracrylate)、ブチルヒドロキシトルエン(Butylated hydroxy toluene,BHT)、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン(1-hydroxy-cyclohexylphenylketone,Irgacure 184)等を含み得るが、これに限定されるものではない。
【0102】
次に
図7を参照すると、エッチングパターン層1700に沿って半導体構造物3000をエッチングして半導体結晶3000’を形成する。半導体構造物3000がエッチングされて形成された半導体結晶3000’は発光素子300の第1半導体層310、第2半導体層320、活性層330および電極層370を含み得る。
【0103】
半導体構造物3000をエッチングする工程は通常の方法で行われることができる。例えば、エッチング工程は乾式エッチング法、湿式エッチング法、反応性イオンエッチング法(Reactive ion etching,RIE)、誘導結合プラズマ反応性イオンエッチング法(Inductively coupled plasma reactive ion etching,ICP-RIE)等であり得る。乾式エッチング法の場合は異方性エッチングが可能であるため垂直エッチングに適する。上述した方法のエッチング法を用いる場合、エッチングエッチャント(Etchant)はCl2またはO2等であり得る。ただし、これに限定されるものではない。
【0104】
図面には半導体構造物3000を下部基板2000に垂直な方向にエッチングしてエッチング穴(hole)を形成することによって半導体結晶3000’を形成することが示されている。ただし、これに限定されず、半導体結晶3000’を形成するステップは複数のエッチング工程によって行われることもできる。これに係る詳しい説明は省略する。
【0105】
次に、半導体結晶3000’の外側面を部分的に囲む絶縁膜380を形成して半導体ロッドRODを形成する。
【0106】
図8および
図9を参照すると、絶縁膜380は半導体結晶3000’の外面を囲む絶縁被膜3800を形成し、電極層370の上面が露出するように絶縁被膜3800を部分的に除去することによって形成されることができる。
【0107】
絶縁被膜3800は半導体ロッドRODの外面に形成される絶縁材として、垂直にエッチングされた半導体結晶3000’の外面に絶縁材を塗布したり浸漬させる方法等を用いて形成されることができる。ただし、これに限定されるものではない。一例として、絶縁被膜3800は原子層蒸着法(Atomic layer depsotion,ALD)で形成されることができる。
【0108】
絶縁被膜3800は半導体結晶3000’の側面、上面および半導体結晶3000’が離隔した領域で露出した分離層2300上にも形成されることができる。絶縁被膜3800は後続工程で一部が除去されて電極層370の上面を露出し得、これと同時に分離層2300上に配置された絶縁被膜3800も一部除去されることができる。絶縁被膜3800を部分的に工程は異方性エッチングである乾式エッチングやエッチバック等の工程が行われ得る。
【0109】
次に
図10を参照すると、分離層2300を除去して半導体ロッドRODを下部基板2000から分離することができる。半導体ロッドRODを分離するステップは化学的分離方法(CLO)により分離層2300を除去するステップを含み得る。分離層2300を除去するために、フッ酸(HF)またはバッファ酸化エッチング(Buffered oxide etch,BOE)等の分離用エッチング液を用いて湿式エッチング工程を行うことができるが、これに限定されるものではない。
【0110】
次に、
図11を参照すると、半導体ロッドRODの絶縁膜380上に波長変換物質385を形成して一実施形態による発光素子300を製造することができる。波長変換物質385を絶縁膜380上に形成するステップは特に限定されない。いくつかの実施形態で、発光素子300の製造方法は半導体ロッドRODを下部基板2000から分離した後に波長変換物質385を絶縁膜380上に付着するステップを含み得る。
【0111】
前述したように波長変換物質385は量子ドット材料を含み得る。一例として波長変換物質385が量子ドット材料を含む場合、発光素子300は波長変換物質385が分散した溶液S内に半導体ロッドRODを浸漬させ、波長変換物質385を絶縁膜380上に付着させて製造されることができる。ここで半導体ロッドRODを溶液S内に浸漬させる工程は下部基板2000から半導体ロッドRODを分離した後に行われることができる。半導体ロッドRODは溶液S内で分散し、波長変換物質385が絶縁膜380上に付着することによって発光素子300を形成することができる。ただし、これに限定されるものではない。一例として半導体ロッドRODは下部基板2000に付着した状態で溶液Sに浸漬されることもできる。この場合、絶縁膜380上に波長変換物質385を付着させて発光素子300を形成した後にこれを下部基板2000から分離することもできる。
【0112】
半導体ロッドRODは絶縁膜380、電極層370および第1半導体層310の露出した外面が、波長変換物質385が分散した溶液Sと接触し得る。電極層370と第1半導体層310とは異なって絶縁性物質を含む絶縁膜380は波長変換物質385と比較的強い引力を形成することができる。そのため半導体ロッドRODが溶液S内に浸漬されると波長変換物質385は絶縁膜380の外面に大部分を付着し得る。
【0113】
一方、後述するように、一実施形態による表示装置10は上述した波長変換物質385を含む発光素子300を含み得る。発光素子300は波長変換物質385を含んだ溶液Sに分散した状態で準備され、表示装置10の製造工程で電極上に噴射され得る。すなわち、一実施形態によれば、発光素子300は波長変換物質385と共に溶液S内に分散した状態で製造されることができる。ただし、これに限定されるものではない。
【0114】
また、いくつかの実施形態で波長変換物質385は半導体ロッドRODを下部基板2000から分離する前に絶縁膜380に付着することができ、場合によっては、波長変換物質385は絶縁膜380上で直接合成されることもできる。
【0115】
図12は他の実施形態による発光素子の製造方法の一部を示す概略図である。
【0116】
図12を参照すると、半導体ロッドRODの絶縁膜380上に波長変換物質385を形成または付着する工程は半導体ロッドRODを下部基板2000から分離する前に行われることもできる。半導体ロッドRODが下部基板2000に付着した状態で溶液Sに浸漬されても、波長変換物質385は半導体ロッドRODの絶縁膜380と比較的強い引力を形成して大部分が絶縁膜380に付着し得る。
【0117】
半導体ロッドRODは波長変換物質385が絶縁膜380に付着することによって発光素子300を形成することができ、発光素子300は後続工程で分離層2300を除去して下部基板2000から分離することができる。
図12に示された発光素子300の製造方法は
図10とは異なり半導体ロッドRODが付着した下部基板2000を波長変換物質385が分散した溶液Sに浸漬させる点で相違点がある。これに係る詳しい説明は上述した内容と同様であるため省略する。
【0118】
図13および
図14はまた他の実施形態による発光素子の製造方法の一部を示す概略図である。
【0119】
図13および
図14を参照すると、一実施形態による発光素子300は絶縁膜380上で波長変換物質385を直接合成することによって製造されることができる。本実施形態による発光素子300の製造方法は波長変換物質385が絶縁膜380上で合成されて形成されることを除いては
図11の実施形態と同一である。以下では重複する説明は省略して相違点を中心に説明する。
【0120】
いくつかの実施形態によれば、波長変換物質385は量子ドット材料を含み得、量子ドット材料は一つの量子ドットが他の量子ドットを囲むコア/シェル構造を有することもできる。コア/シェル構造を有する量子ドット材料はコア部をなす材料である第1前駆体385aを対象表面に吸着させた後、シェル部をなす材料である第2前駆体385bを第1前駆体385aと反応させることによって形成されることができる。
【0121】
先に、
図13に示すように、絶縁膜380を含む半導体ロッドRODを第1前駆体385aが分散した第1溶液S1に浸漬させる。第1前駆体385aは半導体ロッドRODの絶縁膜380に含まれた材料と引力を形成して吸着することができる。
【0122】
次に、
図14に示すように、絶縁膜380上に第1前駆体385aが付着した半導体ロ
ッドRODを第2前駆体385bが分散した第2溶液S2に浸漬させて波長変換物質385を形成する。第2前駆体385bは第2溶液S2内で半導体ロッドRODの絶縁膜380に付着した第1前駆体385aと反応して波長変換物質385を形成することができる。このような方法で半導体ロッドRODを下部基板2000から分離した後、絶縁膜380上に直接波長変換物質385を合成して発光素子300を製造することもできる。一方、いくつかの実施形態で、第1前駆体385aが吸着した半導体ロッドRODを第2溶液S2に浸漬させる前に、前記半導体ロッドRODを洗浄するステップが行われることもできる。ただし、これに限定されない。
【0123】
図13および
図14を参照して上述した発光素子300の製造方法は
図12を参照して上述した方法にも同様に適用することができる。すなわち、発光素子300は半導体ロッドRODを下部基板2000から分離する前に第1溶液S1と第2溶液S2に連続的に浸漬させる工程を行って波長変換物質385を形成した後、下部基板2000から分離することによって製造されることもできる。これに係る詳しい説明は省略する。
【0124】
以上で説明した方法により一実施形態による発光素子300を製造することができる。発光素子300は同じエピタキシャル成長工程によって特定波長帯の光を放出する活性層330を含み、絶縁膜380に配置される波長変換物質385により外部に放出する光の波長帯が変わる。一実施形態によれば、発光素子300の製造方法は、同じエピタキシャル成長工程のみを行って同じ活性層330を含んでも波長変換物質385の種類を異にして多様な色の光を放出する発光素子300を製造することができる。そのため発光素子300の製造工程費用を節減することができ、生産収率を向上させることもできる。
【0125】
以下では他の実施形態による発光素子300について説明する。
【0126】
図15は他の実施形態による発光素子の絶縁膜を拡大して示す概略図である。
図16は
図15の発光素子から放出された光が放出されることを示す概略図である。
【0127】
図15および
図16を参照すると、一実施形態による発光素子300は絶縁膜380上に配置される散乱体386をさらに含み得る。本実施形態による発光素子300は散乱体386をさらに含むことを除いては
図1の発光素子300と同一である。以下では重複する説明は省略して相違点を中心に説明する。
【0128】
一実施形態による散乱体386は入射される光の少なくとも一部を散乱させる材料を含み得る。例えば、散乱体386は光散乱粒子であり得、いくつかの実施形態で散乱体386は金属酸化物粒子または有機粒子であり得る。前記金属酸化物としては酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化インジウム(In2O3)、酸化亜鉛(ZnO)または酸化スズ(SnO2)等を例示することができ、前記有機粒子の材料としてはアクリル系樹脂またはウレタン系樹脂等を例示することができる。一実施形態による散乱体386は直径Dp2が波長変換物質385の直径Dp1より大きくてもよいが、これに限定されない。
【0129】
散乱体386は波長変換物質385から放出された光L’の波長を実質的に変換させず、かつ前記光L’の入射方向と関係がなくランダムな方向に光を散乱させることができる。
図16に示すように、発光素子300の活性層330から放出された光Lの少なくとも一部は波長変換物質385に入射され、波長変換物質385は前記光Lを他の中心波長帯域を有する光L’に変換させて放出することができる。波長変換物質385から放出された光L’は活性層330から入射された光Lの入射方向と関係がなくランダムな方向に光を放出し、これらのうち少なくとも一部は散乱体386に入射され得る。散乱体386は波長変換物質385から放出されて入射された光L’を入射方向と関係がなくランダムな方向に散乱させることができる。そのため、一実施形態による発光素子300は絶縁膜380の側面を基準として無作為の方向に光L’を放出することができ、発光素子300から放出された光L’の側面視認性を向上させることができる。
【0130】
図17はまた他の実施形態による発光素子の絶縁膜を拡大して示す概略図である。
【0131】
図17を参照すると、一実施形態による発光素子300は絶縁膜380に結合されたリガンド387をさらに含み、波長変換物質385はリガンド387と結合され得る。本実施形態による発光素子300は絶縁膜380に結合されたリガンド387をさらに含むことを除いては
図1の発光素子300と同一である。以下では重複する説明は省略して相違点を中心に説明する。
【0132】
前述したように、絶縁膜380は外面が表面処理され得る。絶縁膜380の表面処理は発光素子300がインク内で凝集せず分散した状態を保持するための表面処理であり得るが、いくつかの実施形態では発光素子300の絶縁膜380にリガンド387を結合させるための表面処理でもあり得る。
【0133】
発光素子300の波長変換物質385は絶縁膜380上に物理的または化学的に吸着して配置され得る。絶縁膜380に配置された波長変換物質385の数が充分でない場合、発光素子300の活性層330から放出された光のうち少なくとも一部は波長変換物質385に入射されず外部に放出されることもできる。この場合、発光素子300は活性層330から放出された光と波長変換物質385で変換された光が混合されて放出され、発光素子300の色純度が低くなる。一実施形態による発光素子300は、絶縁膜380に結合されて波長変換物質385と化学結合を形成できるリガンド387をさらに含み、絶縁膜380上に配置される波長変換物質385の密度を増加させることができる。
【0134】
リガンド387の種類は特に限定されない。図面では具体的に示していないが、いくつかの実施形態でリガンド387は絶縁膜380に含まれた材料と化学結合を形成できる第1官能基および波長変換物質385と化学結合を形成できる第2官能基を含み得る。ただし、これに限定されない。
【0135】
一方、発光素子300の構造は
図1に示されたところに限定されず、他の構造を有することもできる。
【0136】
図18は他の実施形態による発光素子の概略図である。
【0137】
図18を参照すると、発光素子300’は一方向に延びた形状を有するが、部分的に側面が傾斜した形状を有し得る。すなわち、一実施形態による発光素子300’は部分的に円錘形の形状を有し得る。発光素子300’は複数の層が一方向に積層されず、各層がいずれか他の層の外面を囲むように形成されることができる。
図18の発光素子300’は各層の形状が一部相異することを除いては
図1の発光素子300と同一である。以下では同じ内容は省略して相違点について説明する。
【0138】
一実施形態によれば、第1半導体層310’は一方向に延びて両端部が中心部に向かって傾斜して形成されることができる。
図18の第1半導体層310’はロッド形または円筒形の本体部と、前記本体部の上部および下部にそれぞれ円錘形の端部が形成された形状であり得る。前記本体部の上段部は下段部に比べてさらに急な傾斜を有し得る。
【0139】
活性層330’は第1半導体層310’の前記本体部の外面を囲むように配置される。活性層330’は一方向に延びた環状の形状を有し得る。活性層330’は第1半導体層310’の上段部および下段部上には形成されなくてもよい。すなわち、活性層330’は第1半導体層310’の平行な側面にのみ接触し得る。
【0140】
第2半導体層320’は活性層330’の外面と第1半導体層310’の上段部を囲むように配置される。第2半導体層320’は一方向に延びた環状の本体部と側面が傾斜するように形成された上段部を含み得る。すなわち、第2半導体層320’は活性層330’の平行な側面と第1半導体層310’の傾斜した上段部に直接接触することができる。ただし、第2半導体層320’は第1半導体層310’の下段部には形成されない。
【0141】
電極層370’は第2半導体層320’の外面を囲むように配置される。すなわち、電極層370’の形状は実質的に第2半導体層320’と同一であり得る。すなわち、電極層370’は第2半導体層320’の外面に全面的に接触することができる。
【0142】
絶縁膜380’は電極層370’および第1半導体層310’の外面を囲むように配置され得る。絶縁膜380’は電極層370’を含み、第1半導体層310’の下段部および活性層330’と第2半導体層320’の露出した下段部と直接接触し得る。
【0143】
前述したように、発光素子300は波長変換物質385または散乱体386を含み、活性層330から放出された光Lを他の波長帯を有する光L’に変換させて放出することができる。また、一実施形態によれば、表示装置10は少なくとも一つの発光素子300を含み、特定波長帯の光を表示することができる。
【0144】
図19は一実施形態による表示装置の概略的な平面図である。
【0145】
図19を参照すると、表示装置10は動画や静止映像を表示する。表示装置10は表示画面を提供するすべての電子装置を指す。例えば、表示画面を提供するテレビ、ノートブック、モニタ、広告板、モノのインターネット、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、電子時計、スマートウォッチ、ウォッチフォン、ヘッドマウントディスプレイ、移動通信端末機、電子手帳、電子ブック、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーション、ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ等が表示装置10に含まれ得る。
【0146】
表示装置10は表示画面を提供する表示パネルを含む。表示パネルの例としてはLED表示パネル、有機発光表示パネル、量子ドット発光表示パネル、プラズマ表示パネル、電界放出表示パネル等が挙げられる。以下では表示パネルの一例として、LED表示パネルが適用された場合を例示するが、それに限定されるものではなく、同じ技術的思想が適用可能であれば他の表示パネルにも適用することができる。
【0147】
表示装置10の形状は多様に変形することができる。例えば、表示装置10は横が長い長方形、縦が長い長方形、正方形、コーナー部(頂点)が丸い四角形、その他の多角形、円形等の形状を有し得る。表示装置10の表示領域DAの形状もまた、表示装置10の全般的な形状と類似し得る。
図19では横が長い長方形形状の表示装置10および表示領域DAが例示している。
【0148】
表示装置10は表示領域DAと非表示領域NDAを含み得る。表示領域DAは画面が表示され得る領域であり、非表示領域NDAは画面が表示されない領域である。表示領域DAは活性領域、非表示領域NDAは非活性領域ともいう。
【0149】
表示領域DAは概して表示装置10の中央を占め得る。表示領域DAは複数の画素PXを含み得る。複数の画素PXは行列方向に配列され得る。各画素PXの形状は平面上長方形または正方形であり得るが、これに限定されるものではなく各辺が第1方向DR1に対して傾いた菱形形状でもあり得る。画素PXそれぞれは特定波長帯の光を放出する発光素子300を一つ以上含み、特定色を表示することができる。
【0150】
図20は一実施形態による表示装置の一画素の概略的な平面図である。
【0151】
図20を参照すると、複数の画素PXそれぞれは第1サブ画素PX1、第2サブ画素PX2および第3サブ画素PX3を含み得る。第1サブ画素PX1は第1色の光を発光し、第2サブ画素PX2は第2色の光を発光し、第3サブ画素PX3は第3色の光を発光し得る。第1色は青色、第2色は緑色、第3色は赤色であり得るが、これに限定されず、各サブ画素PXnが同じ色の光を発光することもできる。また、
図20では画素PXが3個のサブ画素PXnを含むことを例示したが、これに限定されず、画素PXはより多くの数のサブ画素PXnを含み得る。
【0152】
一方、本明細書で各構成要素を指称する「第1」、「第2」等が使われるが、これは前記構成要素を単に区別するために使われ、必ずしも該当構成要素を意味するものではない。すなわち、第1、第2などと定義された構成が必ずしも特定構造または位置に限定される構成ではなく、場合によっては別の番号が付与されることができる。したがって、各構成要素に付与された番号は図面および以下の説明により説明され得、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得るのはもちろんである。
【0153】
表示装置10の各サブ画素PXnは発光領域EMAと定義される領域を含み得る。第1サブ画素PX1は第1発光領域EMA1を、第2サブ画素PX2は第2発光領域EMA2を、第3サブ画素PX3は第3発光領域EMA3を含み得る。発光領域EMAは表示装置10に含まれる発光素子300が配置されて特定波長帯の光が出射される領域と定義することができる。発光素子300は活性層330を含み、活性層330は特定波長帯の光を方向性なしに放出することができる。すなわち、発光素子300の活性層330から放出された光は発光素子300の両端部方向を含み、発光素子300の側面方向にも放出されることができる。各サブ画素PXnの発光領域EMAは発光素子300が配置された領域を含み、発光素子300と隣接する領域に発光素子300から放出された光が出射される領域を含み得る。また、これに限定されず、発光領域EMAは発光素子300から放出された光が他の部材によって反射したり屈折して出射される領域も含み得る。複数の発光素子300は各サブ画素PXnに配置され、これらが配置された領域とこれに隣接する領域を含み、発光領域EMAを形成することができる。
【0154】
図面に示していないが、表示装置10の各サブ画素PXnは発光領域EMA以外の領域として定義された非発光領域を含み得る。非発光領域は発光素子300が配置されず、発光素子300から放出された光が到達しないため光が出射されない領域と定義することができる。
【0155】
表示装置10の各サブ画素PXnは複数の電極210,220、発光素子300、複数のバンク(410,420,430,
図22に図示)および少なくとも一つの絶縁層(510,520,550,
図22に図示)を含み得る。
【0156】
複数の電極210,220は発光素子300と電気的に接続され、発光素子300が特定波長帯の光を放出するように所定の電圧の印加を受けることができる。また、各電極210,220の少なくとも一部は発光素子300を整列するためにサブ画素PXn内に電場を形成するために活用されることができる。
【0157】
複数の電極210,220は第1電極210および第2電極220を含み得る。例示的な実施形態で、第1電極210は各サブ画素PXnごとに分離した画素電極であり、第2電極220は各サブ画素PXnに沿って共通に連結された共通電極であり得る。第1電極210と第2電極220のいずれか一つは発光素子300のアノード(Anode)電極であり、他の一つは発光素子300のカソード(Cathode)電極であり得る。ただし、これに限定されずその逆の場合でもあり得る。
【0158】
第1電極210と第2電極220はそれぞれ第1方向DR1に延びて配置される電極幹部210S,220Sと電極幹部210S,220Sで第1方向DR1と交差する方向である第2方向DR2に延びて分枝する少なくとも一つの電極枝部210B,220Bを含み得る。
【0159】
第1電極210は第1方向DR1に延びて配置される第1電極幹部210Sと第1電極幹部210Sから分枝して第2方向DR2に延びた少なくとも一つの第1電極枝部210Bを含み得る。
【0160】
任意の一画素の第1電極幹部210Sは両端が各サブ画素PXnの間で離隔して終止するが、同一行(例えば、第1方向DR1に隣接する)で隣り合うサブ画素の第1電極幹部210Sと実質的に同一直線上に置かれ得る。各サブ画素PXnに配置される第1電極幹部210Sは両端が相互離隔することによって各第1電極枝部210Bに互いに異なる電気信号を印加することができ、第1電極枝部210Bはそれぞれ別に駆動されることができる。
【0161】
第1電極枝部210Bは第1電極幹部210Sの少なくとも一部から分枝して第2方向DR2に延びて配置されるが、第1電極幹部210Sと対向して配置された第2電極幹部220Sと離隔した状態で終止し得る。
【0162】
第2電極220は第1方向DR1に延びて第1電極幹部210Sと第2方向DR2に離隔して対向する第2電極幹部220Sと第2電極幹部220Sから分枝して第2方向DR2に延びた第2電極枝部220Bを含み得る。第2電極幹部220Sは他端部が第1方向DR1に隣接する他のサブ画素PXnの第2電極幹部220Sと連結され得る。すなわち、第2電極幹部220Sは第1電極幹部210Sとは異なり第1方向DR1に延びて各サブ画素PXnを横切るように配置され得る。各サブ画素PXnを横切る第2電極幹部220Sは各画素PXまたはサブ画素PXnが配置された表示領域DAの外郭部、または非表示領域NDAで一方向に延びた部分と連結され得る。
【0163】
第2電極枝部220Bは第1電極枝部210Bと離隔して対向し、第1電極幹部210Sと離隔した状態で終止し得る。第2電極枝部220Bは第2電極幹部220Sと連結され、延びた方向の端部は第1電極幹部210Sと離隔した状態でサブ画素PXn内に配置され得る。
【0164】
図面では各サブ画素PXnに二つの第1電極枝部210Bが配置され、その間に一つの第2電極枝部220Bが配置されたことを示しているが、これに限定されない。また、第1電極210と第2電極220は必ずしも一方向に延びた形状のみを有するものでなく、多様な構造に配置され得る。例えば、第1電極210と第2電極220は部分的に丸くなったり、折り曲がった形状を有することができ、いずれか一つの電極が他の電極を囲むように配置されることもできる。第1電極210と第2電極220は少なくとも一部の領域が互いに離隔して対向することによって、その間に発光素子300が配置される空間が形成されればこれらが配置される構造や形状は特に限定されない。
【0165】
また、第1電極210と第2電極220はそれぞれコンタクトホール、例えば第1電極コンタクトホールCNTDおよび第2電極コンタクトホールCNTSを介して表示装置10の回路素子層(PAL、
図22に図示)と電気的に接続され得る。図面には第1電極コンタクトホールCNTDは各サブ画素PXnの第1電極幹部210Sごとに形成され、第2電極コンタクトホールCNTSは各サブ画素PXnを横切る一つの第2電極幹部220Sに一つのみが形成されたことを示している。ただし、これに限定されず、場合によっては第2電極コンタクトホールCNTSも各サブ画素PXnごとに形成されることができる。
【0166】
複数のバンク410,420,430は各サブ画素PXn間の境界に配置される外部バンク430、各サブ画素PXnの中心部と隣接して各電極210,220の下部に配置される複数の内部バンク410,420を含み得る。図面には複数の内部バンク410,420が示されていないが、第1電極枝部210Bと第2電極枝部220Bの下部にはそれぞれ第1内部バンク410と第2内部バンク420が配置され得る。これらに係る説明は他の図面を参照して後述する。
【0167】
外部バンク430は各サブ画素PXn間の境界に配置され得る。複数の第1電極幹部210Sは各端部が外部バンク430を基準として互いに離隔して終止し得る。外部バンク430は第2方向DR2に延びて第1方向DR1に配列されたサブ画素PXnの境界に配置され得る。ただしこれに限定されず、外部バンク430は第1方向DR1に延びて第2方向DR2に配列されたサブ画素PXnの境界にも配置され得る。外部バンク430は内部バンク410,420と同じ材料を含み、一つの工程で同時に形成されることができる。
【0168】
複数の発光素子300は第1電極210と第2電極220の間に配置され得る。図面に示すように、発光素子300は第1電極枝部210Bと第2電極枝部220Bの間に配置され得る。複数の発光素子300のうち少なくとも一部は一端部が第1電極210と電気的に接続され、他端部が第2電極220と電気的に接続され得る。発光素子300の両端部はそれぞれ第1電極枝部210Bと第2電極枝部220B上に置かれるように配置されるが、これに限定されない。場合によっては、発光素子300は両端部と第1電極210および第2電極220と重ならないようにこれらの間に配置されることもできる。
【0169】
複数の発光素子300は各電極210,220の間で互いに離隔して配置されて実質的に互に平行するように整列することができる。発光素子300が離隔する間隔は特に限定されない。場合によって複数の発光素子300が隣接するように配置されて群れをなし、他の複数の発光素子300は一定間隔離隔した状態で群れをなすこともでき、不均一な密集度を有するものの一方向に配向されて整列することもできる。また、例示的な実施形態で発光素子300は一方向に延びた形状を有し、各電極、例えば第1電極枝部210Bと第2電極枝部220Bが延びた方向と発光素子300が延びた方向は実質的に垂直をなすことができる。ただし、これに限定されず、発光素子300は第1電極枝部210Bと第2電極枝部220Bが延びた方向に垂直せず斜めに配置されることもできる。
【0170】
一方、一実施形態による発光素子300は、波長変換物質385の含み、同じ活性層330を含んでも互いに異なる波長帯の光を外部に放出することができる。一実施形態による表示装置10は活性層330から放出された光と発光素子300の外部に放出された光が同じである第1発光素子301、活性層330から放出された光と発光素子300の外部に放出された光が互いに異なる中心波長帯域を有する第2発光素子302および第3発光素子303を含み得る。
【0171】
図21は一実施形態による表示装置の概略的な断面図である。
【0172】
図21を参照すると、表示装置10は第1サブ画素PX1に配置された第1発光素子301、第2サブ画素PX2に配置された第2発光素子302および第3サブ画素PX3に配置された第3発光素子303を含み得る。
【0173】
第1発光素子301は中心波長帯域が第1波長である第1光L1を放出する活性層330を含み、絶縁膜380上には波長変換物質385が配置されなくてもよい。すなわち、第1発光素子301は活性層330から放出された光が波長変換物質385により変換されず、第1発光素子301の外部に放出されることができる。ただし、これに限定されず、第1発光素子301は絶縁膜380上に散乱体386が配置され得る。そのため、第1サブ画素PX1では第1発光素子301の第1光L1が出射されることができる。
【0174】
第2発光素子302は第1光L1を放出する活性層330を含むが、絶縁膜380上に配置されて第1光L1を中心波長帯域が第1波長と異なる第2波長の第2光L2に変換させる第1波長変換物質を含み得る。第2発光素子302は活性層330から放出された第1光L1が第1波長変換物質に入射されて第2光L2に変換されて第2発光素子302の外部に放出されることができる。そのため、第2サブ画素PX2では第2発光素子302の第2光L2が出射されることができる。
【0175】
第3発光素子303は第1光L1を放出する活性層330を含むが、絶縁膜380上に配置されて第1光L1を中心波長帯域が第1波長および第2波長と異なる第3波長の第3光L3に変換させる第2波長変換物質を含み得る。第3発光素子303は活性層330から放出された第1光L1が第2波長変換物質に入射されて第3光L3に変換されて第3発光素子303の外部に放出されることができる。そのため、第3サブ画素PX3では第3発光素子303の第3光L3が出射されることができる。いくつかの実施形態で、第1波長変換物質と第2波長変換物質はそれぞれ量子ドットからなる。この場合、第1波長変換物質をなす量子ドットの粒子の大きさは第2波長変換物質をなす量子ドットの大きさと異なってもよい。ただし、これに限定されない。
【0176】
一実施形態による表示装置10は、それぞれ同じ光を放出する活性層330を含むが、互いに異なる光を外部に放出する第1発光素子301、第2発光素子302および第3発光素子303を含み得る。第1発光素子301、第2発光素子302および第3発光素子303は、それぞれ第1光L1を放出する活性層330を含み得、絶縁膜380上に配置された波長変換物質385を介して第1光L1を第2光L2または第3光L3に変換して放出することができる。そのため表示装置10は同じ活性層330を含む発光素子300を用いて絶縁膜380に配置される波長変換物質385の種類を異にすることによって多様な色相の光を表示することができる。
【0177】
いくつかの実施形態で、第1光L1は中心波長帯域が450nm~495nmの範囲を有する青色光であり、第2光L2は中心波長帯域が495nm~570nmの範囲を有する緑色光であり、第3光L3は中心波長帯域が620nm~750nmの範囲を有する赤色光であり得る。ただし、これに限定されない。第1光L1、第2光L2および第3光L3は互いに異なる色の光であり得、同じ色の光であるが、中心波長帯域が前記の範囲と異なってもよい。
【0178】
また、図面には示していないが、表示装置10は第1電極210および第2電極220の少なくとも一部を覆う第1絶縁層510を含み得る。
【0179】
第1絶縁層510は表示装置10の各サブ画素PXnに配置され得る。第1絶縁層510は実質的に各サブ画素PXnを全面的に覆うように配置され得、隣り合う他のサブ画素PXnにも延びて配置され得る。第1絶縁層510は第1電極210と第2電極220の少なくとも一部を覆うように配置され得る。
図2に示していないが、第1絶縁層510は第1電極210および第2電極220の一部、具体的には第1電極枝部210Bと第2電極枝部220Bの一部領域を露出するように配置され得る。
【0180】
表示装置10は第1絶縁層510以外にも各電極210,220の下部に位置する回路素子層PALと、各電極210,220および発光素子300の少なくとも一部を覆うように配置される第2絶縁層(520,
図22に図示)およびパッシベーション層(550,
図22に図示)を含み得る。以下では
図22を参照して表示装置10の構造について詳しく説明する。
【0181】
図22は
図20のXa-Xa’線、Xb-Xb’線およびXc-Xc’線に沿って切断した断面図である。
【0182】
図22は第2サブ画素PX2の断面のみを示しているが、他の画素PXまたはサブ画素PXnの場合にも同様に適用することができる。
図22は任意の発光素子300の一端部と他端部を横切る断面を示す。
【0183】
図20および
図22を参照すると、表示装置10は回路素子層PALと発光層EMLを含み得る。回路素子層PALは基板110、バッファ層115、遮光層BML、第1および第2トランジスタ120,140等を含み、発光層EMLは第1および第2トランジスタ120,140の上部に配置された複数の電極210,220、発光素子300、複数の絶縁層510,520,550等を含み得る。
【0184】
基板110は絶縁基板であり得る。基板110はガラス、石英、または高分子樹脂等の絶縁物質からなる。また、基板110はリジッド基板であり得るが、ベンディング(bending)、フォールディング(folding)、ローリング(rolling)等が可能なフレキシブル(flexible)基板でもあり得る。
【0185】
遮光層BMLは基板110上に配置され得る。遮光層BMLは第1遮光層BML1および第2遮光層BML2を含み得る。第1遮光層BML1は後述する第1トランジスタ120の第1ドレイン電極123と電気的に接続され得る。第2遮光層BML2は第2トランジスタ140の第2ドレイン電極143と電気的に接続され得る。
【0186】
第1遮光層BML1と第2遮光層BML2はそれぞれ第1トランジスタ120の第1活性物質層126および第2トランジスタ140の第2活性物質層146と重なるように配置される。第1および第2遮光層BML1,BML2は光を遮断する材料を含み、第1および第2活性物質層126,146に光が入射されることを防止することができる。一例として、第1および第2遮光層BML1,BML2は光の透過を遮断する不透明な金属物質で形成されることができる。ただし、これに限定されず、場合によって遮光層BMLは省略することができる。
【0187】
バッファ層115は遮光層BMLと基板110上に配置される。バッファ層115は遮光層BMLを含み、基板110を全面的に覆うように配置され得る。バッファ層115は不純物イオンが拡散されることを防止して水分や外気の浸透を防止し、表面平坦化機能をすることができる。また、バッファ層115は遮光層BMLと第1および第2活性物質層126,146を相互絶縁させ得る。
【0188】
バッファ層115上には半導体層が配置される。半導体層は第1トランジスタ120の第1活性物質層126、第2トランジスタ140の第2活性物質層146および補助層163を含み得る。半導体層は多結晶シリコン、単結晶シリコン、酸化物半導体等を含み得る。
【0189】
第1活性物質層126は第1ドーピング領域126a、第2ドーピング領域126bおよび第1チャネル領域126cを含み得る。第1チャネル領域126cは第1ドーピング領域126aと第2ドーピング領域126bの間に配置され得る。第2活性物質層146は第3ドーピング領域146a、第4ドーピング領域146bおよび第2チャネル領域146cを含み得る。第2チャネル領域146cは第3ドーピング領域146aと第4ドーピング領域146bの間に配置され得る。第1活性物質層126および第2活性物質層146は多結晶シリコンを含み得る。多結晶シリコンは非晶質シリコンを結晶化して形成されることができる。前記結晶化方法の例としては、RTA(Rapid thermal annealing)法、SPC(Solid phase crystallization)法、ELA(Excimer laser annealing)法、MILC(Metal induced crystallization)法、SLS(Sequential lateral solidification)法等が挙げられるが、これに限定されるものではない。他の例として第1活性物質層126および第2活性物質層146は単結晶シリコン、低温多結晶シリコン、非晶質シリコン等を含むこともできる。第1ドーピング領域126a、第2ドーピング領域126b、第3ドーピング領域146aおよび第4ドーピング領域146bは第1活性物質層126および第2活性物質層146の一部領域が不純物でドーピングされた領域であり得る。ただし、これに限定されない。
【0190】
半導体層上には第1ゲート絶縁膜150が配置される。第1ゲート絶縁膜150は半導体層を含み、バッファ層115を全面的に覆うように配置され得る。第1ゲート絶縁膜150は第1および第2トランジスタ120,140のゲート絶縁膜として機能することができる。
【0191】
第1ゲート絶縁膜150上には第1導電層が配置される。第1導電層は第1ゲート絶縁膜150上で第1トランジスタ120の第1活性物質層126上に配置された第1ゲート電極121、第2トランジスタ140の第2活性物質層146上に配置された第2ゲート電極141および補助層163上に配置された電源配線161を含み得る。第1ゲート電極121は第1活性物質層126の第1チャネル領域126cと重なり、第2ゲート電極141は第2活性物質層146の第2チャネル領域146cと重なり得る。
【0192】
第1導電層上には層間絶縁膜170が配置される。層間絶縁膜170は層間絶縁膜の機能をすることができる。また、層間絶縁膜170は有機絶縁物質を含み、表面平坦化機能をすることもできる。
【0193】
層間絶縁膜170上には第2導電層が配置される。第2導電層は第1トランジスタ120の第1ドレイン電極123と第1ソース電極124、第2トランジスタ140の第2ドレイン電極143と第2ソース電極144、および電源配線161の上部に配置された電源電極162を含む。
【0194】
第1ドレイン電極123と第1ソース電極124は層間絶縁膜170と第1ゲート絶縁膜150を貫くコンタクトホールを介して第1活性物質層126の第1ドーピング領域126aおよび第2ドーピング領域126bとそれぞれ接触し得る。第2ドレイン電極143と第2ソース電極144は層間絶縁膜170と第1ゲート絶縁膜150を貫くコンタクトホールを介して第2活性物質層146の第3ドーピング領域146aおよび第4ドーピング領域146bとそれぞれ接触し得る。また、第1ドレイン電極123と第2ドレイン電極143はまた他のコンタクトホールを介してそれぞれ第1遮光層BML1および第2遮光層BML2と電気的に接続され得る。
【0195】
第2導電層上にはビア層200が配置される。ビア層200は有機絶縁物質を含み、表面平坦化機能をすることができる。
【0196】
ビア層200上には複数のバンク410,420,430と複数の電極210,220および発光素子300が配置され得る。
【0197】
複数のバンク410,420,430は各サブ画素PXn内で離隔して配置される内部バンク410,420および隣り合うサブ画素PXnの境界に配置される外部バンク430を含み得る。
【0198】
外部バンク430は表示装置10の製造の際、インクジェットプリンティング装置を用いて発光素子300が分散したインクを噴射するとき、インクがサブ画素PXnの境界を越えることを防止する機能をすることができる。ただし、これに限定されるものではない。
【0199】
複数の内部バンク410,420は各サブ画素PXnの中心部に隣接して配置された第1内部バンク410および第2内部バンク420を含み得る。
【0200】
第1内部バンク410および第2内部バンク420は互いに離隔して対向するように配置される。第1内部バンク410上には第1電極210が、第2内部バンク420上には第2電極220が配置され得る。
図20および
図22を参照すると第1内部バンク410上には第1電極枝部210Bが、第2内部バンク420上には第2電極枝部220Bが配置されたものと理解されることができる。
【0201】
第1内部バンク410と第2内部バンク420は各サブ画素PXn内で第2方向DR2に延びて配置され得る。図面に示していないが、第1内部バンク410および第2内部バンク420は第2方向DR2に延びることにより第2方向DR2に隣り合うサブ画素PXnに向かって延び得る。ただし、これに限定されず、第1内部バンク410と第2内部バンク420は各サブ画素PXnごとに配置されて表示装置10全面においてパターンをなすことができる。複数のバンク410,420,430はポリイミド(Polyimide,PI)を含み得るが、これに限定されない。
【0202】
第1内部バンク410および第2内部バンク420はビア層200を基準として少なくとも一部が突出した構造をすることができる。第1内部バンク410および第2内部バンク420は発光素子300が配置された平面を基準として上部に突出し得、前記突出した部分は少なくとも一部が傾斜を有し得る。第1内部バンク410および第2内部バンク420の突出した形状は特に限定されない。
【0203】
複数の電極210,220はビア層200および内部バンク410,420上に配置され得る。前述したように、各電極210,220は電極幹部210S,220Sと電極枝部210B,220Bを含む。
図20のXa-Xa’線は第1電極幹部210Sを、
図20のXb-Xb’線は第1電極枝部210Bと第2電極枝部220Bを、
図20のXc-Xc’線は第2電極幹部220Sを横切る線である。すなわち、
図22のXa-Xa’領域に配置された第1電極210は第1電極幹部210Sであり、
図22のXb-Xb’領域に配置された第1電極210および第2電極220はそれぞれ第1電極枝部210Bおよび第2電極枝部220Bであり、
図22のXc-Xc’領域に配置された第2電極220は第2電極幹部220Sであると理解されることができる。各電極幹部210S,220Sと各電極枝部210B,220Bは第1電極210および第2電極220をなすことができる。
【0204】
第1電極210と第2電極220は、一部領域がビア層200上に配置され、一部領域は第1内部バンク410および第2内部バンク420上に配置され得る。前述したように、第1電極210の第1電極幹部210Sと第2電極220の第2電極幹部220Sは第1方向DR1に延び、第1内部バンク410と第2内部バンク420は第2方向DR2に延びて第2方向DR2に隣り合うサブ画素PXnにも配置され得る。図面に示していないが、第1電極210および第2電極220の第1方向DR1に延びた第1電極幹部210Sと第2電極幹部220Sは第1内部バンク410および第2内部バンク420と部分的に重なり得る。ただし、これに限定されるものではなく、第1電極幹部210Sと第2電極幹部220Sは第1内部バンク410および第2内部バンク420と重ならなくてもよい。
【0205】
第1電極210の第1電極幹部210Sにはビア層200を貫いて第1トランジスタ120の第1ドレイン電極123を一部露出する第1電極コンタクトホールCNTDが形成されることができる。第1電極210は第1電極コンタクトホールCNTDを介して第1ドレイン電極123と接触し得る。第1電極210は第1トランジスタ120の第1ドレイン電極123と電気的に接続されて所定の電気信号の伝達を受けることができる。
【0206】
第2電極220の第2電極幹部220Sは一方向に延びて発光素子300が配置されない非発光領域にも配置され得る。第2電極幹部220Sにはビア層200を貫いて電源電極162の一部を露出する第2電極コンタクトホールCNTSが形成されることができる。第2電極220は第2電極コンタクトホールCNTSを介して電源電極162と接触し得る。第2電極220は電源電極162と電気的に接続されて電源電極162から所定の電気信号の伝達を受けることができる。
【0207】
第1電極210と第2電極220の一部領域、例えば第1電極枝部210Bと第2電極枝部220Bはそれぞれ第1内部バンク410および第2内部バンク420上に配置され得る。第1電極210の第1電極枝部210Bは第1内部バンク410を覆うように配置され、第2電極220の第2電極枝部220Bは第2内部バンク420を覆うように配置され得る。第1内部バンク410と第2内部バンク420が各サブ画素PXnの中心部で互いに離隔して配置されるので、第1電極枝部210Bと第2電極枝部220Bも互いに離隔して配置され得る。第1電極210と第2電極220の間の領域、すなわち、第1電極枝部210Bと第2電極枝部220Bが離隔して対向する空間には複数の発光素子300が配置され得る。
【0208】
各電極210,220は透明性伝導性物質を含み得る。一例として、各電極210,220はITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITZO(Indium Tin-Zinc Oxide)等のような物質を含み得るが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態で、各電極210,220は反射率が高い伝導性物質を含み得る。例えば、各電極210,220は反射率が高い物質として、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等のような金属を含み得る。この場合、各電極210,220に入射される光を反射させて各サブ画素PXnの上部方向に出射させることもできる。
【0209】
また、電極210,220は透明性伝導性物質と反射率が高い金属層がそれぞれ一層以上積層された構造をなすか、これらを含んで一つの層に形成されることもできる。例示的な実施形態で、各電極210,220はITO/銀(Ag)/ITO/IZOの積層構造を有したり、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、ランタン(La)等を含む合金であり得る。ただし、これに限定されるものではない。
【0210】
第1絶縁層510はビア層200、第1電極210および第2電極220上に配置される。第1絶縁層510は第1電極210および第2電極220を部分的に覆うように配置される。第1絶縁層510は第1電極210と第2電極220の上面をほぼ覆うように配置され、第1電極210と第2電極220の一部を露出させることができる。第1絶縁層510は第1電極210と第2電極220の上面のうち一部、例えば第1内部バンク410上に配置された第1電極枝部210Bの上面と第2内部バンク420上に配置された第2電極枝部220Bの上面のうち一部が露出するように配置され得る。すなわち、第1絶縁層510は実質的にビア層200上に全面的に形成され、第1電極210と第2電極220を部分的に露出する開口部を含み得る。第1絶縁層510の開口部は第1電極210と第2電極220の比較的平坦な上面が露出するように位置することができる。
【0211】
例示的な実施形態で、第1絶縁層510は第1電極210と第2電極220の間で上面の一部が陥没するように段差が形成されることができる。いくつかの実施形態で、第1絶縁層510は無機物絶縁性物質を含み、第1電極210と第2電極220を覆うように配置された第1絶縁層510は下部に配置される部材の段差によって上面の一部が陥没し得る。第1電極210と第2電極220の間で第1絶縁層510上に配置される発光素子300は第1絶縁層510の陥没した上面の間で空の空間を形成することができる。発光素子300は第1絶縁層510の上面と部分的に離隔した状態に配置されることができ、後述する第2絶縁層520をなす材料が前記空間に埋められることもできる。
【0212】
ただし、これに限定されない。第1絶縁層510は発光素子300が配置されるように平坦な上面を形成することができる。前記上面は第1電極210と第2電極220に向かって一方向に延びて第1電極210と第2電極220の傾斜した側面で終止し得る。すなわち、第1絶縁層510は各電極210,220が第1内部バンク410と第2内部バンク420の傾斜した側面と重なる領域に配置され得る。後述する接触電極260は第1電極210および第2電極220の露出した領域と接触し、第1絶縁層510の平坦な上面で発光素子300の端部と円滑に接触し得る。
【0213】
第1絶縁層510は第1電極210と第2電極220を保護すると同時にこれらを相互絶縁させることができる。また、第1絶縁層510上に配置される発光素子300が他の部材と直接接触して損傷することを防止することもできる。ただし、第1絶縁層510の形状および構造はこれに限定されない。
【0214】
発光素子300は各電極210,220の間で第1絶縁層510上に配置され得る。例示的に、発光素子300は各電極枝部210B,220Bの間に配置された第1絶縁層510上に少なくとも一つ配置され得る。ただし、これに限定されず、図面に示していないが、各サブ画素PXn内に配置された発光素子300のうち少なくとも一部は各電極枝部210B,220Bの間以外の領域に配置されることもできる。また、発光素子300は一部領域が電極210,220と重なる位置に配置され得る。発光素子300は第1電極枝部210Bと第2電極枝部220Bが互いに対向する各端部上に配置されて接触電極260を介して各電極210,220と電気的に接続され得る。
【0215】
前述したように、各サブ画素PXnには同じ波長を有する光Lを放出する活性層330を含むが、絶縁膜380に配置された波長変換物質385または散乱体386により互いに異なる波長の光L1,L2,L3を放出する発光素子300が配置され得る。図面では第1発光素子301が配置された第1サブ画素PX1のみを示しているが、第2サブ画素PX2および第3サブ画素PX3の場合にも同様に適用できることは自明である。
【0216】
また、発光素子300はビア層200に水平な方向に複数の層が配置され得る。一実施形態による表示装置10の発光素子300は第1半導体層310、第2半導体層320および活性層330を含み、これらはビア層200に水平な方向に順次配置され得る。ただし、これに限定されない。発光素子300の複数の層が配置された順序は逆方向であり得、場合によっては発光素子300が他の構造を有する場合、複数の層はビア層200に垂直な方向に配置されることもできる。
【0217】
第2絶縁層520は発光素子300上に部分的に配置され得る。第2絶縁層520は発光素子300の外面を部分的に囲むように配置され得る。第2絶縁層520は発光素子300を保護すると同時に表示装置10の製造工程で発光素子300を固定させる機能をすることもできる。また、例示的な実施形態で、第2絶縁層520の材料の一部は発光素子300の下面と第1絶縁層510の間に配置されることもできる。前述したように第2絶縁層520は表示装置10の工程中に形成された第1絶縁層510と発光素子300の間の空間を埋めるように形成されることもできる。そのため第2絶縁層520は発光素子300の外面を囲むように形成されることもできる。ただし、これに限定されない。
【0218】
第2絶縁層520は平面上第1電極枝部210Bと第2電極枝部220Bの間で第2方向DR2に延びて配置され得る。一例として、第2絶縁層520はビア層200上で平面上島状または線状の形状を有し得る。
【0219】
接触電極260は各電極210,220および第2絶縁層520上に配置される。第1接触電極261と第2接触電極262は第2絶縁層520上で互いに離隔して配置され得る。第2絶縁層520は第1接触電極261と第2接触電極262が直接接触しないように相互に絶縁させることができる。
【0220】
図面に示していないが、複数の接触電極260は平面上第2方向DR2に延びて配置され、第1方向DR1に互いに離隔して配置され得る。接触電極260は発光素子300の少なくとも一端部と接触し得、接触電極260は第1電極210または第2電極220と電気的に接続されて電気信号の印加を受けることができる。接触電極260は第1接触電極261と第2接触電極262を含み得る。第1接触電極261は第1電極枝部210B上に配置され、発光素子300の一端部と接触し、第2接触電極262は第2電極枝部220B上に配置され、発光素子300の他端部と接触し得る。
【0221】
第1接触電極261は第1内部バンク410上で第1電極210の露出した一部領域と接触し得、第2接触電極262は第2内部バンク420上で第2電極220の露出した一部領域と接触し得る。接触電極260は各電極210,220から伝達される電気信号を発光素子300に伝達し得る。
【0222】
接触電極260は伝導性物質を含み得る。例えば、ITO、IZO、ITZO、アルミニウム(Al)等を含み得る。ただし、これに限定されるものではない。
【0223】
パッシベーション層550は第1接触電極261、第2接触電極262および第2絶縁層520上に配置され得る。パッシベーション層550はビア層200上に配置される部材を外部環境から保護する機能をすることができる。
【0224】
上述した第1絶縁層510、第2絶縁層520およびパッシベーション層550それぞれは、無機物絶縁性物質または有機物絶縁性物質を含み得る。例示的な実施形態で、第1絶縁層510、第2絶縁層520およびパッシベーション層550はシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)等のような無機物絶縁性物質を含み得る。また、第1絶縁層510、第2絶縁層520およびパッシベーション層550は有機物絶縁性物質として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ベンゾシクロブテン、カルド樹脂、シロキサン樹脂、シルセスキオキサン樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート-ポリカーボネート合成樹脂等を含み得る。ただし、これに限定されるものではない。
【0225】
一方、表示装置10はより多くの数の絶縁層を含み得る。一実施形態によれば、表示装置10は第1接触電極261を保護するように配置される第3絶縁層530をさらに含み得る。
【0226】
図23は他の実施形態による表示装置の断面図である。
【0227】
図23を参照すると、一実施形態による表示装置10_1は第1接触電極261_1上に配置された第3絶縁層530_1をさらに含み得る。本実施形態による表示装置10_1は第3絶縁層530_1をさらに含み、第2接触電極262_2の少なくとも一部が第3絶縁層530_1上に配置された点で
図22の表示装置10とは差がある。以下では重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0228】
図23の表示装置10_1は第1接触電極261_1上に配置され、第1接触電極261_1と第2接触電極262_1を電気的に相互絶縁させる第3絶縁層530_1を含み得る。第3絶縁層530_1は第1接触電極261_1を覆うように配置され、発光素子350が第2接触電極262_1と連結されるように発光素子350の一部領域には重ならないように配置され得る。第3絶縁層530_1は第2絶縁層520_1の上面で第1接触電極261_1および第2絶縁層520_1と部分的に接触することができる。第3絶縁層530_1は第2絶縁層520_1の上で第1接触電極261_1の一端部をカバーするように配置され得る。そのため第3絶縁層530_1は第1接触電極261_1を保護すると同時に、これを第2接触電極262_1と電気的に絶縁させることができる。
【0229】
第3絶縁層530_1の第2接触電極262_1が配置された方向の側面は第2絶縁層520_1の一側面と整列することができる。ただし、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態で、第3絶縁層530_1は第1絶縁層510のように無機物絶縁性物質を含み得る。
【0230】
第1接触電極261_1は第1電極210_1と第3絶縁層530_1の間に配置され、第2接触電極262_1は第3絶縁層530_1上に配置され得る。第2接触電極262_2は部分的に第1絶縁層510_1、第2絶縁層520_1、第3絶縁層530_1、第2電極220_1および発光素子300と接触し得る。第2接触電極262_1の第1電極210_1が配置された方向の一端部は第3絶縁層530_1上に配置され得る。
【0231】
パッシベーション層550_1は第3絶縁層530_1および第2接触電極262_1上に配置され、これらを保護するように配置され得る。以下、重複する説明は省略する。
【0232】
一方、表示装置10は第1電極210および第2電極220が必ずしも一方向に延びた形状を有さなくてもよい。表示装置10の第1電極210および第2電極220は発光素子300が配置される空間を提供するように互いに離隔して配置されればその形状は特に限定されない。
【0233】
図24はまた他の実施形態による表示装置の一画素を示す平面図である。
【0234】
図24を参照すると、一実施形態による表示装置10_2の第1電極210_2および第2電極220_2は少なくとも一部領域が丸くなった形状を有し、第1電極210_2の丸くなった領域は第2電極220_2の丸くなった領域と互いに離隔して対向し得る。本実施形態による表示装置10_2は第1電極210_2と第2電極220_2の形状が異なる点で
図20の表示装置10とは差がある。以下では重複する説明は省略して相違点を中心に説明する。
【0235】
図24の表示装置10_2の第1電極210_2は複数の穴HOLを含み得る。一例として、図面に示すように第1電極210_2は第2方向DR2に沿って配列された第1ホールHOL1、第2ホールHOL2および第3ホールHOL3を含み得る。ただし、これに限定されるものではなく第1電極210_2はより多くの数の穴HOLを含んだり、さらに少ない数、または一つの穴HOLのみを含むこともできる。以下では第1電極210_2が第1ホールHOL1、第2ホールHOL2および第3ホールHOL3を含むことを例示して説明する。
【0236】
例示的な実施形態で、第1ホールHOL1、第2ホールHOL2および第3ホールHOL3それぞれは円形の平面形状を有し得る。そのため、第1電極210_2は各穴HOLによって形成された丸くなった領域を含み得、前記丸くなった領域で第2電極220_2と対向し得る。ただし、これは例示的なものであり、これに限定されるものではない。第1ホールHOL1、第2ホールHOL2および第3ホールHOL3それぞれは後述するように第2電極220_2が配置される空間を提供できれば、その形状は限定されるものではなく、例えば、楕円、四角形以上の多角形等の平面形状を有することもできる。
【0237】
第2電極220_2は各サブ画素PXn内に複数が配置され得る。例えば、各サブ画素PXnでは第1電極210_2の第1~第3ホールHOL1,HOL2,HOL3に対応して3個の第2電極220_2が配置され得る。第2電極220_2は第1~第3ホールHOL1,HOL2,HOL3内にそれぞれ位置して第1電極210_2により囲まれ得る。
【0238】
例示的な実施形態で、第1電極210_2の穴HOLは外面が丸くなった形状を有し、第1電極210_2の穴HOL内に対応して配置された第2電極220_2は外面が丸くなった形状を有して第1電極210_2と離隔して対向し得る。
図24に示すように、第1電極210_2は平面上円形の形状を有する穴HOLを含み、第2電極220_2は平面上円形の形状を有し得る。第1電極210_2は穴HOLが形成された領域の丸くなった面が第2電極220_2の丸くなった外面と離隔して対向し得る。一例として、第1電極210_2は第2電極220_2の外面を囲むように配置され得る。
【0239】
前述したように、発光素子300は第1電極210_2と第2電極220_2の間に配置され得る。本実施形態による表示装置10_2は円形の形状を有する第2電極220_2と、これを囲むように配置された第1電極210_2を含み、複数の発光素子300は第2電極220_2の外面に沿って配列され得る。前述したように発光素子300は一方向に延びた形状を有するので、各サブ画素PXn内で第2電極220_2の丸くなった外面に沿って配列される発光素子300は延びた方向が互いに異なる方向に向かうように配置され得る。各サブ画素PXnは発光素子300の延びた方向が向かう方向により多様な出光方向を有し得る。本実施形態による表示装置10_2は第1電極210_2と第2電極220_2が丸くなった形状を有するように配置されることによって、これらの間に配置された発光素子300は互いに異なる方向に向かうように配置され、表示装置10_2の側面視認性を向上させることもできる。
【0240】
図25は
図18の発光素子を含む表示装置の一部を示す断面図である。
【0241】
図25は
図18の発光素子300’を含む表示装置10において、
図22のXb-Xb’部分の一部を示している。
図25の表示装置10は発光素子300’の構造が相異する
点を除けば
図22の表示装置10と同一である。以下では重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0242】
前述したように、発光素子300’は複数の層を含み、第1電極210と第2電極220の間に配置され得る。発光素子300’の複数の層はビア層200に水平な方向に配置され得る。一実施形態によれば、発光素子300’は第1半導体層310’の本体部が延びた方向とビア層200が平行するように配置され得る。発光素子300’は第1絶縁層510上で絶縁膜380’、電極層370’、第2半導体層320’、活性層330’および第1半導体層310’がビア層200に垂直に順次配置され得る。また、発光素子300’の各層は他の層の外面を囲むように形成されるので、表示装置10に配置された発光素子300’は第1半導体層310’を中心に対称構造をすることができる。すなわち、第1半導体層310’を基準としてビア層200に垂直な方向に沿って活性層330’、第2半導体層320’、電極層370’および絶縁膜380’が順次積層された形状を有することもできる。ただし、これに限定されない。発光素子300’の複数の層が配置された順序は逆方向であり得、、場合によっては発光素子300’が異なる構造を有する場合、複数の層はビア層200に水平な方向に配置されることもできる。
【0243】
特に、
図18の発光素子300’は活性層330’が配置された領域に沿って絶縁膜380’上に波長変換物質385’が配置され得る。波長変換物質385’が配置された領域の大部分は活性層330’と重なり得る。そのため活性層330’で生成された光Lの大部分は波長変換物質385’に入射され得、波長変換物質385’で変換される光量を増加させることができる。
【0244】
図25の表示装置10は発光素子300’の絶縁膜380’のうち一部が領域を除去し、電極層370’および第1半導体層310’が部分的に露出し得る。表示装置10の工程中、第2絶縁層520を形成するステップで絶縁膜380は部分的に除去されることができる。電極層370’の露出した領域は第1接触電極261と接触し、第1半導体層310’の露出した領域は第2接触電極262と接触し得る。
【0245】
また、発光素子300’は本体部を基準として、側面が傾斜した形状を有する第1端部および本体部より狭い幅を持って延びた第2端部を含み得る。第1絶縁層510上に配置された発光素子300’は本体部の側面は部分的に第1絶縁層510と接触し、第1端部および第2端部は第1絶縁層510と離隔し得る。発光素子300の本体部、第1端部および第2端部が第1絶縁層510と離隔した領域には第2絶縁層520がさらに配置され得る。以下、他の構成に係る説明は上述した内容と同様であるため省略する。
【0246】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。