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特許7509829混合アレルゲン組成物およびそれを使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】混合アレルゲン組成物およびそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20240625BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20240625BHJP
   A61K 35/20 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 35/57 20150101ALI20240625BHJP
   A61K 35/60 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 35/612 20150101ALI20240625BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 36/22 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 36/52 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 36/736 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 36/899 20060101ALI20240625BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L33/105
A61K35/20
A61K35/57
A61K35/60
A61K35/612
A61K36/185
A61K36/22
A61K36/52
A61K36/736
A61K36/899
A61P37/08
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022110965
(22)【出願日】2022-07-11
(62)【分割の表示】P 2020215128の分割
【原出願日】2016-02-19
(65)【公開番号】P2022125346
(43)【公開日】2022-08-26
【審査請求日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】62/119,014
(32)【優先日】2015-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515158308
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】ナドー,カリ シー.
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-509606(JP,A)
【文献】日小医会報、2011、No.41、p.91-94
【文献】J Allergy Clin Immunol, 2013, 131, p.78-86
【文献】J Allergy Clin Immunol, 2008, 122, p.984-991
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クルミ、ヘーゼルナッツ、エビ、サケ、鶏卵、牛乳、ピーナッツ、カシューナッツ、アーモンド及び小麦アレルゲンを等量で含む少なくとも15種の異なるアレルゲンを含有し、
経口製剤である混合アレルゲン組成物。
【請求項2】
前記組成物が生物剤を含む請求項1に記載の混合アレルゲン組成物。
【請求項3】
前記生物剤が1.5重量%から25重量%の範囲の量で含まれる請求項2に記載の混合アレルゲン組成物。
【請求項4】
前記組成物がビタミンを含む請求項1に記載の混合アレルゲン組成物。
【請求項5】
前記組成物が粉末の形態である請求項1~4のいずれかに記載の混合アレルゲン組成物。
【請求項6】
(a)請求項1~5のいずれかに記載の混合アレルゲン組成物、および
(b)生理学的に許容可能な送達ビヒクルを含む生理学的に許容可能な組成物。
【請求項7】
被験者のアレルギーを治療するために使用される請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記被験者の免疫健康および該被験者の腸管健康のうちの少なくとも1つを増進するために使用される請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
免疫介在症状を前記被験者が発症する潜在性を少なくとも低下させるために使用される請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記被験者の免疫介在症状を治療するために使用される請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記免疫介在症状がアレルギー症状である請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
前記被験者が、胎児を妊娠しているかまたは乳児を授乳中である請求項7に記載の組成物。
【請求項13】
免疫介在症状を胎児または授乳中の乳児が発症する潜在性を少なくとも低下させるために使用される請求項12に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2つ以上の異なるアレルゲンの混合アレルゲン組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
序論
アレルギーは、免疫系の障害であり、通常は無害である環境物質に対するアレルギー反
応の発生によって特徴付けられる。アレルギーはアレルゲンによって引き起こされ、それ
は、限定されないが、花粉またはその他の植物構成要素、粉塵、カビまたは菌類、食品、
添加物、ラテックス、輸血反応、動物または鳥類の垢、昆虫毒、放射線造影剤、薬物また
は化学薬品を含めた多種多様な根源に存在することがある。一般的なアレルギー反応とし
ては、例えば、湿疹、蕁麻疹、枯草熱、喘息、および毒液に対する反応が挙げられる。枯
草熱のような軽度のアレルギーは、ヒト母集団において非常に一般的であり、アレルギー
性結膜炎、かゆみ、および鼻水などの症候を引き起こす。一部の人々では、環境もしくは
食物のアレルゲンまたは薬物に対する重度のアレルギーは、未処置のまま放置すると、生
命を脅かすアナフィラキシー反応および潜在的な死をもたらすことがある。
【0003】
アレルギー反応は3つの異なるパターンで起こる可能性がある:a)初期反応または急
性応答、b)後期反応、およびc)潜在的に慢性のアレルギー性炎症。アレルギー反応の
初期段階は、最初のアレルゲン曝露の後に、典型的には数分以内または数秒以内に起こり
、この初期段階は一般には即時型アレルギー反応とも呼ばれる。アレルギーの初期段階に
おいて、初めて遭遇するアレルゲンに対する過敏反応は、サイトカインインターロイキン
-4(IL-4)を産生するT細胞のサブセットであるTh2細胞での応答を引き起こす
。Th2細胞はB細胞(抗原に対する抗体を産生するリンパ球)と相互作用し、IL-4
の作用と相まってB細胞を刺激して免疫グロブリンE(IgE)の産生および分泌を開始
する。
IgEは、アレルギーおよびアレルギー反応において重要な役割を果たす。アレルゲン
が導入されると、各々の対象者のB細胞が大量のIgEを産生する。IgEは、好塩基球
およびマスト細胞に見られる受容体に結合することによって免疫応答を引き出す。活性化
されると、これらの細胞は、アレルギーの特徴的症候を引き起こすヒスタミンおよびサイ
トカインなどのケミカルメディエーターを放出する。
【0004】
食物アレルギーは、食物アレルゲン、例えば食物タンパク質に対する有害な免疫応答で
ある。一般的な食物アレルゲンは、貝類、ピーナッツ、樹木系ナッツ、魚、牛乳、卵、大
豆、および生果実、例えば、イチゴ、マンゴー、バナナ、リンゴに含まれている。免疫グ
ロブリンE(IgE)媒介性の食物アレルギーは、I型の即時型過敏反応として分類され
る。これらのアレルギー反応は発症が急であり(数秒から1時間)、付随する症候として
は、例えば、血管性浮腫(眼瞼、顔面、口唇、舌、喉頭および気管の軟部組織腫脹);蕁
麻疹;口、喉、目、皮膚のかゆみ;胃腸症候、例えば、吐き気、嘔吐、下痢、胃痙攣また
は腹痛;鼻漏または鼻詰まり;喘鳴、息切れまたは嚥下困難;さらには、死に至る可能性
のある重篤な全身性アレルギー反応であるアナフィラキシーを挙げることができる。Gu
ptaら(PEDIATRICS第128巻第1号、2011年7月1日 e9-e17
頁)は、年齢21歳未満の12人の小児のうち1人が食物アレルギーを医師に診断される
ことを実証した。この流行は、特定のナッツについては10年ごとに倍加すると報告され
ている(CDC 2009)。また、致命的な食物アレルギーのために今もなお毎年死亡
が発生している。重要なことに、食物アレルギー反応のための医療/介護の費用に年間2
40億ドル超が費やされている(Guptaら、JAMA PEDIATRICS 20
13年11月、第167巻、第11号)。この費用は、食物誘発性のアナフィラキシー症
候のために米国で年間約90,000人の訪問者がERに訪れることが主な原因である。
【発明の概要】
【0005】
2つ以上の異なるアレルゲンの混合アレルゲン組成物を提供する。場合によっては、混
合アレルゲン組成物は、ナッツアレルゲンと;動物アレルゲンと;非ナッツ植物アレルゲ
ン;生物剤;およびビタミンのうちの少なくとも1つとを含む。また、混合アレルゲン組
成物を被験体に投与する方法も提供する。混合アレルゲン組成物は、健康維持、免疫バラ
ンス、腸管バランス、免疫サポート、健康改善および治療の用途を含めた様々な用途に使
用される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】様々な食物アレルゲン混合物を摂取した被験体からの生体外血液試料中でのTh2細胞増殖(単位は、細胞/mL)。(図1~6の各々に関して、グラフのバーの各群の試験組成物の左から右への順序は、図の右の欄に列挙する試験組成物の上から下への順序に対応していることに留意されたい。したがって、図1の4~6ヶ月の群では、バーは左から右に向かって、図の右手欄の列の上から下へと試験された組成物の各々についてのデータである。)
図2】様々な食物アレルゲン混合物を摂取した被験体からの血漿中の特異的IgG4レベル(単位は、mg IgG4/L)。
図3】様々な食物アレルゲン混合物を摂取した被験体からの血漿中の特異的IgEレベル(単位は、mg IgE/Lである)。
図4】様々な食物アレルゲン混合物を摂取した被験体からの生体外血液試料中でのTh2細胞増殖(単位は、細胞/mL)。
図5】様々な食物アレルゲン混合物を摂取した被験体からの血漿中の特異的IgG4レベル(単位は、mg IgG4/L)。
図6】食物アレルゲン混合物を摂取した被験体からの血漿中の特異的IgEレベル(単位は、mg IgE/L)。
図7】様々な食物アレルゲン混合物を摂取した被験体からの生体外血液試料中のグルテン、インスリン、破傷風フラジェリンおよび細菌性フラジェリンに応答したT細胞増殖。
【0007】
発明の詳細な説明
2つ以上の異なるアレルゲンの混合アレルゲン組成物を提供する。場合によっては、混
合アレルゲン組成物は、ナッツアレルゲンと;動物アレルゲンと;非ナッツ植物アレルゲ
ン;生物剤;およびビタミンのうちの少なくとも1つとを含む。また、混合アレルゲン組
成物を被験体に投与する方法も提供する。混合アレルゲン組成物は、健康維持、免疫バラ
ンス、腸管バランス、免疫サポート、健康改善および治療の用途を含めた様々な用途に使
用される。
本発明の方法および組成物について記載する前に、本発明は記載の特定の方法または組
成物に限定されず、それゆえ当然変化し得る、ということが理解されるべきである。また
、本明細書中で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するものに過ぎず、限定を
意図したものではないと理解されるべきである、というのも、本発明の範囲は添付の特許
請求の範囲によってのみ限定されるものであるからである。
ある範囲の値が挙げられている場合、間にある各値は、文脈上明確に指示されない限り
、その範囲の上限と下限との間で下限の一の位の数の10分の1まで具体的に開示されて
いると理解されるべきである。記載された範囲内の任意の記載された値または間にある値
と、記載された範囲内の他の任意の記載されたまたは間にある値との間でのより小さな範
囲はそれぞれ本発明に包含される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立し
て範囲内に含まれまたは排除されてもよく、記載された範囲において具体的に排除されて
いる限界値次第で、より小さい範囲が限界値のどちらか一方を含むか両方とも含まないか
または含むときの各範囲もまた本発明に包含される。記載された範囲が限界値の一方また
は両方を含む場合、含まれたそれらの限界値のどちらか一方または両方を除く範囲もまた
本発明に包含される。
他に定義されていない限り、本明細書中で使用される全ての科学技術用語は、本発明が
属する技術分野の当業者によって普通に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記
載の方法および材料と類似するかまたは等価である任意の方法および材料を、本発明を実
施または試験する際に使用することはできるが、将来性のあるいくつかの好ましい方法お
よび材料を、これより記載する。本明細書中で言及される全ての刊行物は、引用されてい
る刊行物に関連した方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本
明細書に組み込まれる。本開示は、矛盾が存在する程度まで、組み込まれた刊行物のいず
れの開示にも取って代わるものと理解される。
本開示を読んで当業者にとって明らかとなるであろうように、本明細書中で記載および
解説された個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく
他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴に関して容易に分離または結合され得る
、個別の構成要素および特徴を有する。記載のいずれの方法も、事象の列挙されている順
序で、または論理的に可能なその他の順序で実行することができる。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「一」、「1つ
」および「その」は、文脈上特に明確な定めがない限り複数の指示物を含むことに留意し
なければならない。したがって、例えば、「細胞」への言及は複数のそのような細胞を含
み、「そのペプチド」への言及は1つ以上のペプチドおよびその等価物、例えば当業者に
既知のポリペプチドへの言及を含む、といった具合である。
本明細書中で論じられている刊行物は、専ら本願の出願日以前のそれらの開示事項に関
してのみ提供される。本明細書中のいかなるものも、先行発明の効力によって本発明がそ
のような刊行物に先行する権利を有さないことの承認として解釈されるべきではない。さ
らに、提供されている公開日は、実際に公開された日付とは異なる場合があり、それは独
自に確認する必要があるかもしれない。
【0008】
混合アレルゲン組成物
上に要約したとおり、本発明の態様は、混合アレルゲン組成物を含む。混合アレルゲン
組成物とは、2つ以上の異なるアレルゲンを含む組成物を意味し、ここで、いかなる2つ
の所与のアレルゲンも、それらが互いに異なっている場合、例えば、それらが、異なる化
学式で表現される化合物であるかもしくは異なる成分(例えば、構成化合物)および/ま
たはその量によって表現される組成物である場合に、異なるものとなる。組成物中の異な
るアレルゲンの数は、必要に応じて変化し得る。特定の実施形態では、混合アレルゲン組
成物は、2つ以上の異なるアレルゲン、例えば、3つ以上の異なるアレルゲン、4つ以上
の異なるアレルゲン、5つ以上の異なるアレルゲン、6つ以上の異なるアレルゲン、7つ
以上の異なるアレルゲン、8つ以上の異なるアレルゲン、9つ以上の異なるアレルゲン、
10個以上の異なるアレルゲン、15個以上の異なるアレルゲン、20個以上の異なるア
レルゲン、25個以上の異なるアレルゲン、30個以上の異なるアレルゲン、40個以上
の異なるアレルゲン、50個以上の異なるアレルゲン、75個以上の異なるアレルゲン、
100個以上の異なるアレルゲンを含み、場合によっては、所与の組成物中の異なるアレ
ルゲンの数は、100個以下、例えば75個以下、例えば50個以下、例えば、25個以
下、15個以下、例えば10個以下である。
【0009】
組成物中に存在するアレルゲンは様々のものとすることができ、場合によっては、組成
物中に存在するアレルゲンは、敏感な被験体にアレルギーを誘発するアレルゲンである。
アレルゲンは、特異的IgE応答を引き出す任意の抗原またはその活性誘導体を含む。抗
原は、抗体の産生を刺激でき、かつそれらと特異的に結合できる、任意の物質を含む。抗
原決定基すなわちエピトープは、分子上の抗原部位である。アレルゲンは、それ自体は固
有の毒性をほとんどまたは全く有することはないが、IgE関連の免疫応答を引き出すそ
れらの能力に起因するとともにその後の曝露に際してIgE依存性および/またはT細胞
依存性の過敏反応を引き出すそれらの能力に起因して、病態を引き起こす。このように、
「アレルゲン」は、アトピーの被験体の典型的な過敏反応を刺激することのできる任意の
物質を含む。所与の混合アレルゲン組成物中に存在し得るアレルゲンとしては、例えば、
多種多様な根源に見られる任意の物質、例えば:食物、薬物、香水、植物、環境系または
生物系(例えば、原核細胞もしくは真核細胞またはウイルス)、および化学アレルゲンが
挙げられるが、これらに限定されない。
【0010】
対象となるアレルゲンには、ナッツアレルゲンが含まれる。ナッツアレルゲンは、ナッ
ツ、例えば、可食仁または木質もしくは革質の殻に包まれた食用部分を含む乾燥果実に見
られる、1つ以上の化合物を含むアレルゲンである。対象となるナッツアレルゲンとして
は、限定されないが、例えば:ピーナッツアレルゲン、例えば、rAra h 1、rA
ra h 2、rAra h 3、rAra h 8 PR-10、rAra h 9
LTP、ピーナッツ完全アレルゲン(本明細書中で使用される語句「完全アレルゲン」は
、所与の食物タンパク質の可能な全ての抗原成分を指す)など;ブラジルナッツアレルゲ
ン、例えば、rBer e 1、ブラジルナッツ完全アレルゲンなど、ヘーゼルナッツア
レルゲンすなわちハシバミアレルゲン、例えば、rCor a 1 PR-10、rCo
r a 8 LTP、ヘーゼルナッツ完全アレルゲン、nCor a 9、rCor a
14など;クルミアレルゲン、例えば、rJug r 1、rJug r 3 LTP
、クルミ完全アレルゲンなど;カシューアレルゲン;ピスタチオアレルゲン、例えば、ピ
スタチオ成分アレルゲン、ピスタチオ完全アレルゲンなど;ペカンアレルゲン、例えば、
ペカン成分アレルゲン、ペカン完全アレルゲンなど;樹木系ナッツ成分パッケージアレル
ゲン、例えば、カシューナッツ、クルミ、ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツに由来する1
つ以上のアレルゲン;などが挙げられる。
【0011】
対象となるアレルゲンには、動物アレルゲンが含まれる。動物アレルゲンは、脊椎動物
と無脊椎動物との両方を含めた動物に見られる1つ以上の化合物を含むアレルゲンである
。混合アレルゲン組成物中に存在し得る脊椎動物アレルゲンとしては、例えば、鳥類アレ
ルゲン、例えば卵アレルゲン、例えば、nGal d 1 オボムコイド、n Gal
d 2 オボアルブミン、nGal d 3 コンアルブミン、卵白完全アレルゲンなど
;哺乳動物アレルゲン、例えば、乳アレルゲン、例えば、nBos d 4 アルファ-
ラクトアルブミン、nBos d 5 ベータ-ラクトグロブリン、nBos d 8
カゼイン、nBos d ラクトフェリン、乳完全アレルゲンなど、魚アレルゲン、例え
ば、rCyp c 1、rGad c 1、鱈完全アレルゲン、白身魚アレルゲン、赤身
魚アレルゲンなどが挙げられる。混合アレルゲン組成物中に存在し得る無脊椎動物アレル
ゲンとしては、例えば:甲殻類アレルゲン、例えばエビアレルゲン、例えば、rPen
a 1 トロポミオシン、海老完全アレルゲンなど;昆虫アレルゲン、例えば、蜂刺傷毒
アレルゲン、スズメバチ刺傷毒アレルゲン、蚊刺咬アレルゲンなど;およびそれらに類似
するものが挙げられる。
【0012】
対象となるアレルゲンには、非ナッツ植物アレルゲン、すなわち、ナッツアレルゲンで
はない植物アレルゲンが含まれる。植物アレルゲンは、植物に見られる1つ以上の化合物
を含むアレルゲンである。対象となる植物アレルゲンとしては、例えば:小麦アレルゲン
、例えばrTri a 19 オメガ-5グリアジン、小麦完全アレルゲン、グリアジン
小麦、rTri a 14 LTPなど;キウイアレルゲン、例えば、rAct d 8
PR-10、キウイ完全アレルゲンなど;セロリアレルゲン、例えば、rApi g
1.01 PR-10、rPhl p 12、セロリ完全アレルゲン、ブロメライン由来
のCCD MUXF3など;大豆アレルゲン、例えば、rGly m 4 PR-10、
大豆完全アレルゲン、nGly m 5 ベータコングリシニン、nGly m 6 グ
リシニンなど;核果アレルゲン、例えば、f419、f420、f421、f95、f2
42、o214 rPru p 1 PR-10、rPru p 3 LTP、核果一次
完全アレルゲン、ブロメライン由来のCCD MUXF3など;オート麦アレルゲン、例
えば、オート麦成分アレルゲン、オート麦完全アレルゲンなど;ゴマアレルゲン、例えば
ゴマ種子成分アレルゲン、ゴマ種子完全アレルゲンなどが挙げられる。
【0013】
混合アレルゲン組成物中に存在し得るさらなるタイプのアレルゲンとしては、限定され
ないが、例えば:非食物性動物アレルゲン、例えば、ネコまたはイヌの毛皮および垢、ゴ
キブリの傘部、チリダニの排泄など;薬物アレルゲン、例えばペニシリン、スルホンアミ
ド、サリチレート、局所麻酔薬;カビ胞子アレルゲン、ラテックスアレルゲン;金属アレ
ルゲン;植物花粉アレルゲン、例えば、草-ドクムギ、オオアワガエリ、雑草-ブタクサ
、オオバコ、ネトル、オウショウヨモギ、シロザ、ギシギシ、樹木-カバノキ科ハンノキ
、ハシバミ、シデ、トチノキ、ヤナギ、ポプラ、プラタナス、シナノキ、オリーブ;など
が挙げられる。
混合アレルゲン組成物中の所与のアレルゲンの量は、必要に応じて適宜調整することが
できる。場合によっては、所与のアレルゲンの量は、5~15,000mg、例えば10
~10,000mg、例えば15~5,000mgの範囲である。混合アレルゲン組成物
中の所与のアレルゲンの重量百分率は適宜調整することができ、場合によっては15~9
9.9重量%、例えば25~65重量%の範囲とすることができる。混合アレルゲン組成
物は、単位用量組成物であってもよく、それは、単回用量で被験体に投与されるように構
成された組成物中に存在するという意味であり、その単回用量は、所与の期間に亘って被
験体に投与される2つ以上の単位用量からなる服薬スケジュールの一部であってもなくて
もよい。所与の単位用量の質量は適宜調整することができる、場合によっては、単位用量
の質量は、300mg~20gの範囲、例えば、300mg、400mg、500mg、
600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg(1g)、1.5g、
2g、3g、4g、5g、10g、15g、20g、およびそれらの間の任意の質量であ
る。特定の実施形態では、混合アレルゲンのいずれか2つは、等しい割合、例えば1:1
の比で存在し、その結果として各アレルゲンは組成物中に等しい重量で存在する。混合ア
レルゲン組成物が3つの異なるアレルゲンを含むそのような実施形態では、3つの異なる
アレルゲンは1:1:1の比で存在する。例えば、混合アレルゲン組成物は、以下のアレ
ルゲンを等しい割合(例えば1:1:1などの比)で含むことができる:クルミ、ヘーゼ
ルナッツ、エビ、サーモン、鶏卵、牛乳、ピーナッツ、カシュー、アーモンドおよび小麦
(例えば、それぞれ約30mgのタンパク質;約90mgの各タンパク質;または約30
0mgの各タンパク質)。
【0014】
ある実施形態において、混合アレルゲン組成物は、ナッツアレルゲンおよび動物アレル
ゲンと;非ナッツ植物アレルゲン;生物剤;およびビタミンのうちの少なくとも1つとを
含む。このことから、いくつかの実施形態では、混合アレルゲン組成物は、ナッツアレル
ゲンと、動物アレルゲンと、非ナッツ植物アレルゲンとを含む。そのような実施形態にお
いて、混合アレルゲン組成物はさらに、生物剤もしくはビタミン、または生物剤とビタミ
ンとの両方を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、混合アレルゲン組成物は、ナ
ッツアレルゲン、動物アレルゲンを含み、そしてさらに、生物剤を含む。そのような実施
形態において、混合アレルゲン組成物はさらに、ビタミンを含んでいてもよい。いくつか
の実施形態では、混合アレルゲン組成物は、ナッツアレルゲン、動物アレルゲンを含み、
そしてさらに、ビタミンを含む。そのような実施形態において、混合アレルゲン組成物は
さらに、生物剤を含んでいてもよい。
【0015】
生物剤は種々のものが挙げられ、プロバイオティクスもプレバイオティクスも含むこと
ができる。プロバイオティクスは、一般に、被験体に与えられた場合に有益な特性を有す
る生きた真核生物または原核生物である。一態様において、プロバイオティクスは、被験
体の既存の微生物叢を補完する。したがって、プロバイオティクス剤は、宿主被験体に健
康上の利益を与えることができる生きた微生物である。プロバイオティクス剤は、微生物
の培養物であってもよく、または栄養補助食品中に提供されてもよく、または凍結乾燥さ
れて使用前に再調製されてもよい。プレバイオティクスは、被験体の微生物叢の、または
それに対して、増殖、維持および/または有益な特性を促進または付与する作用剤である
。プレバイオティクスは、オリゴ糖および可溶性または不溶性の繊維材料を含むことがで
きる。プロバイオティクス剤としては、限定されないが例えば、乳酸桿菌属、大腸菌属、
桿菌属、ビフィドバクテリウム属、サッカロマイセス属およびの連鎖球菌属の種が挙げら
れる。混合アレルゲン組成物中に存在し得る特定のプロバイオティクス剤としては、例え
ば:乳酸桿菌属、例えば、Lactobacillus acidophilus、La
ctobacillus casei、Lactobacillus casei Sh
irota、Lactobacillus casei immunitass、Lac
tobacillus johnsonii、Lactococcus lactis、
Lactobacillus plantarum、Lactobacillus re
uteri、Lactobacillus rhamnosus(lactobacil
lus GG)、Lactobacillus salivarius、およびLact
obacillus helvetirusが挙げられる。プロバイオティクス微生物は
、天然に存在するものであってもよいし、新しい形質を導入するかまたは既存の形質を変
化させるために弱毒化または遺伝子改変されたものであってもよい。一実施形態において
、プロバイオティクスは、発現したときにアレルゲンまたはそのアレルゲン断片を放出す
るかまたはそれらを被験体の免疫系に曝露する組換え微生物を産生する、アレルゲン遺伝
子またはその一部もしくは断片もしくは部分を導入すべく、遺伝子改変されたものである
。したがって、プロバイオティクスおよびアレルゲンは、混合アレルゲン組成物の単一成
分にまとめることができる。混合アレルゲン組成物中に存在する場合での生物剤の量は、
適宜調整することができる。場合によっては、生物剤は、1.5~99.9重量%、例え
ば10~25重量%の範囲の量で存在する。
【0016】
混合アレルゲン組成物は、必要に応じて、1つ以上のビタミンを含むことができる。組
成物中に存在し得るビタミンとしては、限定されないが例えば:量が、例えば、1~35
,000IUの範囲であるビタミンA;量が、例えば、1~約1,000mgの範囲であ
るビタミンC;量が、例えば、1~4,000IUの範囲であるビタミンD;量が、例え
ば、1~450IUの範囲であるビタミンE;量が、例えば、1~250mcgの範囲で
あるビタミンK;量が、例えば、1~15mgの範囲であるビタミンB-1(チアミン)
;量が、例えば、1~17mgの範囲であるビタミンB-2(リボフラビン);量が、例
えば、1~200mgの範囲であるビタミンB-3(ナイアシン);量が、例えば、1~
100mgの範囲であるビタミンB-5(パントテン酸);量が、例えば、1~30mg
の範囲であるビタミンB-6(ピリドキシン);量が、例えば、1~4,000mcgの
範囲であるビタミンB-9(葉酸);量が、例えば、1~250mcgの範囲であるビタ
ミンB-12(コバラミン);ビタミンH(ビオチン)の量が、例えば、1~1,000
mcgの範囲であるビタミンH(ビオチン)など;およびそれらの組み合わせが挙げられ
る。
【0017】
本発明の混合アレルゲン組成物は、様々な外形で存在することができる。場合によって
は、混合アレルゲン組成物は、固体の外形、例えば粉末として存在する。粉末として存在
する場合、粉末を構成する粒子の寸法は、適宜調整することができ、場合によっては0.
1~1000ミクロン、例えば1~500ミクロンの範囲とすることができる。
【0018】
また、混合アレルゲン組成物と生理学的に許容可能な送達ビヒクルとを含む生理学的許
容可能な組成物も提供する。混合アレルゲン組成物は、被験体に投与するための様々な製
剤に組み込むことができる。より具体的には、混合アレルゲン組成物は、適切な生理学的
に許容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせることによって生理学的許容可能な組成
物に調合されることができ、固体、半固体、液体または気体の形態の調合剤、例えば、錠
剤、カプセル、粉末剤、顆粒、軟膏、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤およびエアロゾル剤お
よび局所組成物に調合することができる。製剤は、経口、頬側、舌下、直腸、非経口、腹
腔内、皮内、経皮、気管内などの投与を含めた数々の異なる経路による投与のために設計
することができる。
生理学的組成物は、経口使用に適した形態、例えば、食品、錠剤、トローチ、口内錠、
水性もしくは油性の懸濁液、分散性の粉末もしくは顆粒、エマルジョン、硬カプセル剤も
しくは軟カプセル剤、またはシロップまたはエリキシル剤、ガムなどとしての形態であっ
てもよい。経口使用のための組成物は、医薬組成物の製造のための任意の好都合なプロト
コルに従って調製してもよく、そのような組成物は、口当たりのよい調合剤を提供するた
めに甘味料、香味料、着色料および保存料から構成される群から選択される1つ以上の薬
剤を含有してもよい。
【0019】
対象となる食品用製剤は、食品用送達ビヒクルと組み合わせた混合アレルゲン組成物を
含む。食品用送達ビヒクルは、生命の維持、エネルギーの供給、成長の促進などのために
食され、飲まれ、あるいは体内に取り込まれる栄養物質である送達ビヒクルを意味する。
対象となる食品用送達ビヒクルの例としては:粉ミルク、ベビーフード、チップス、クッ
キー、パン、スプレッド、クリーム、ヨーグルト、液体飲料、チョコレート含有製品、キ
ャンディー、アイスクリーム、シリアル、コーヒーなどが挙げられるが、これらに限定さ
れない。
また、栄養補助食品も、経口製剤としての対象となる。経口製剤を栄養補助食品として
提供する場合、栄養補助食品はさらに、甘味料、安定剤、香味料または着色料などのうち
の1つ以上を含んでいてもよい。本開示による経口製剤は、糖衣錠または口内錠、丸薬、
ゼラチンカプセルまたはシロップの形態で提供することができる。経口製剤は、大容量サ
ンプル、例えば、被験体によって計量されることのできる粉末形態の多数回用量が入った
容器として提供されてもよく、または単位用量形態、例えば、丸薬、小袋、単回使用容器
などで提供されてもよい。
【0020】
錠剤は、錠剤の製造に適する無毒の生理学的に許容可能な賦形剤と混和した活性成分を
含有することができる。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシ
ウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒剤
および崩壊剤、例えば、コーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、
ゼラチンまたはアラビアガム、および潤沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸またはタルクであってもよい。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、ま
たは消化管内での崩壊および吸収を遅延させてそれによって長期間に亘る持続作用を提供
する既知の技法でコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンまた
はジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延材料を使用してもよい。また、それらを、米
国特許第4,256,108号;第4,166,452号;および第4,265,874
号に記載の技法でコーティングして、制御放出のための浸透性治療錠を形成してもよい。
【0021】
経口使用のための製剤はまた、混合アレルゲン成分と不活性固体希釈剤、例えば炭酸カ
ルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンとを混合した硬ゼラチンカプセルとして提
供されてもよく、あるいは、混合アレルゲン成分と水または油媒体、例えば、ピーナッツ
油、流動パラフィンもしくはオリーブ油とを混合した軟質ゼラチンカプセルとして提供さ
れてもよい。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤と混和した混合アレルゲン成分を含有
する。そのような賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム
、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポ
リビニルピロリドン、トラガントガムおよびアラビアガムを含むことができ;分散剤また
は湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシ
ドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオ
キシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノ
ール、またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルと
の縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレン
オキシドと、脂肪酸および無水ヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、例
えばポリエチレンソルビタンモノオレエートとすることができる。水性懸濁液はまた、1
つ以上の保存料、例えば、エチルまたはn-プロピル、p-ヒドロキシ安息香酸、1つ以
上の着色料、1つ以上の香味料、および1つ以上の甘味料、例えば、蔗糖、サッカリンま
たはアスパルテームを含有してもよい。
油性懸濁液は、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油、または
鉱油、例えば液体パラフィンの中に活性成分を懸濁させることによって調合することがで
きる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールを
含有してもよい。口当たりの良い経口調合剤を提供するために、上記のような甘味料、お
よび香味剤を添加してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添
加によって保存することができる。
【0022】
水の添加による水性懸濁液の調合に適する分散性の粉末および顆粒は、分散剤または湿
潤剤、懸濁化剤および1つ以上の保存料と混和した活性成分を提供する。適する分散剤ま
たは湿潤剤および懸濁化剤は、上で既に言及したものによって例示されている。さらなる
賦形剤、例えば、甘味料、香味料および着色料も存在してもよい。
本発明の生理学的に許容可能な組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であっても
よい。油性相は、植物油、例えばオリーブ油もしくはラッカセイ油、または鉱油、例えば
流動パラフィン、またはこれらの混合物とすることができる。適する乳化剤は、天然に存
在するホスファチド、例えば、大豆、レシチンならびに、脂肪酸および無水ヘキシトール
に由来するエステルまたは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、ならびに上
記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタ
ンモノオレエートとすることができる。エマルジョンはまた、甘味料および香味料を含有
してもよい。
【0023】
シロップおよびエリキシル剤は、甘味料、例えばグリセロール、プロピレングリコール
、ソルビトールまたはスクロースを使用して調合することができる。そのような製剤はま
た、粘滑剤、保存料および香味料および着色料を含有してもよい。医薬組成物は、無菌注
射用の水性または油性の懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、上述した適切な分
散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して既知の技術に従って調合することができる。
無菌注射用調合剤は、例えば1,3-ブタンジオールのような無毒で経口的に許容可能な
希釈剤または溶媒の中の無菌注射用の溶液または懸濁液であってもよい。使用され得る許
容可能なビヒクルおよび溶媒のなかでも、水、リンガー液および等張性塩化ナトリウム溶
液がある。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁化媒体として従来から使用されてい
る。この目的のために、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含めて任意の無菌性
の固定油を使用してもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調合に使用さ
れる。
【0024】
混合アレルゲン成分は、水性または非水性の溶媒、例えば、植物油もしくはその他の類
似の油、合成脂肪族グリセリド、高級脂肪酸のエステルまたはプロピレングリコール中で
それらを溶解、懸濁または乳化させることによって;かつ、所望によっては一般的な添加
剤、例えば、可溶化剤、等張剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤および保存料と共に、注射用
調合剤に調合することができる。
混合アレルゲン成分は、吸入によって投与するためのエアロゾル製剤に利用することが
できる。本発明の複合物は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などのような加
圧された許容可能な噴射剤に配合することができる。
さらに、混合アレルゲン組成物は、様々な基剤、例えば乳化基剤または水溶性基剤と混
合することによって坐剤にすることができる。本発明の複合物は、坐薬によって直腸投与
することができる。坐剤は、体温で融解するが室温で凝固するものであるビヒクル、例え
ば、ココアバター、カーボワックスおよびポリエチレングリコールを含むことができる。
また、局所組成物、例えば、混合アレルゲン組成物と局所送達ビヒクル成分とを組み合
わせたものも、対象となる。本発明の送達組成物の局所送達ビヒクル成分は、所与の送達
ビヒクル成分の特定の成分が特定の組成物の性質に少なくとも部分的に依存する場合には
適宜変化させることができる。対象となる送達組成物には、液体製剤、例えば、ローショ
ン(噴霧ローションを含めて外部適用が意図されるものである、不溶性材料を懸濁液また
はエマルジョンの形態で含有する液体)および水溶液、半固体製剤、例えば、ゲル(分散
相が分散媒体と合わさってゼリーなどの半固体材料を生成しているコロイド)、クリーム
(軟質固体または重い液体)および軟膏(軟質で油質の調合剤)、ならびに固体製剤、例
えば局所貼付剤が含まれる。このように、対象となる送達ビヒクル成分としては:水中油
型(O/W)型および油中水(W/O)型のエマルジョン、乳液調合剤、ローション、ク
リーム、軟膏、ゲル、セラム、粉末、マスク、パック、スプレー、エアロゾルまたはステ
ィックが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
キャリア材料と一緒に単一の剤形を生成し得る混合アレルゲン組成物の量は、治療され
る受給者および特定の投与様式に応じて適宜設定することができる。例えば、ヒトの経口
投与を意図される製剤は、0.5mg~5gの混合アレルゲン組成物を、組成物全体の約
5~約95%まで変動し得る適切かつ好都合な量のキャリア材料と混合して含むことがで
きる。しかし、いかなる特定の患者の特定の用量レベルも、年齢、体重、総合的な健康、
性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬物併用および、治療を受けている特定の
疾患の重症度を含めた様々な要因に依存することは理解されよう。このように、1つ以上
の阻害剤を含有する所定量の組成物を各々の用量単位、例えば、小さじ1杯分、大さじ1
杯分、錠剤または坐薬が含有するものである、経口投与または直腸投与のための単位剤形
、例えば、シロップ、エリキシル剤および懸濁液を提供することができる。同様に、注射
または静脈内投与のための単位剤形は、無菌水中、標準生理食塩水中または、他の薬学的
に許容可能なキャリア中の溶液としての組成物の中に(1つ以上の)阻害剤を含んでいて
もよい。上記のとおり、「単位剤形」は、ヒト被験体および動物被験体のための単位用量
として適する物理的に別個の単位を含み、各単位は、薬学的に許容可能な希釈剤、キャリ
アまたはビヒクルとの関連において望ましい効果を生むのに十分な量で算出された所定量
の混合アレルゲン組成物を含有している。
【0026】
方法
本発明の態様は、例えば上記のような混合アレルゲン組成物を被験体に投与する方法を
含む。与えられた方法において採用される投与経路は、例えば混合アレルゲン組成物の性
質に依存して、適宜選択することができる。上に概説したように、混合アレルゲン組成物
を含む生理学的に許容可能な組成物は、限定されないが例えば:経口、頬側、舌下、直腸
、非経口、腹腔内、皮内、経皮、気管内などの多種多様な投与経路を用いて被験体へ送達
するために調合することができる。このように、方法の態様は、被験体に対して、例えば
、上記のような混合アレルゲン組成物またはそれを含む生理学的に許容可能な組成物を、
経口、頬側、舌下、直腸、非経口、腹腔内、皮内、経皮、気管内などに投与することを含
むことができる。
本明細書に記載の方法は、多種多様な種類の被験体、すなわち動物に使用することがで
きる。ここで、動物は典型的には「哺乳動物」または「哺乳類」であり、これらの用語は
広義には、肉食目(例えばイヌおよびネコ)、齧歯目(例えば、マウス、モルモットおよ
びラット)、ウサギ目(例えばウサギ)および霊長目(例えば、ヒト、チンパンジーおよ
びサル)を含めて哺乳綱に入る生物を表現するために使用されるものである。本発明の実
施形態では、被験体はヒトである。被験体は、乳児、若年者または成人とすることができ
、場合によって被験体は、例えば以下により詳細に記載されるような、妊娠した成人であ
ってもよい。それゆえ、特定の実施形態において被験体は1歳未満の乳児であるのに対し
、他の実施形態において被験体は、成人を含めてより年長、例えば、1歳以上、5歳以上
などである。
【0027】
服薬スケジュールは、適宜調整することができ、数々の異なる因子、例えば、投与の目
的、被験体の年齢、被験体の状態、生理学的に許容可能な組成物の性質などに依存するか
もしれない。特定の実施形態において、混合アレルゲン組成物またはそれを含む生理学的
に許容可能な組成物は、毎時間、数時間毎(例えば、2、3、4、6時間ごと)、毎日、
毎週、週2回、毎月、隔月1回、四半期ごと、半年毎、年1回などで被験体に投与され、
その治療期間もまた適宜設定することができる。場合により治療期間は、被験体の寿命を
最長として、1日以上、1週間以上、2週間以上、1カ月以上、3カ月以上、6カ月以上
、1年以上、2年以上、3年以上、5年以上、10年以上などである。
【0028】
いくつかの実施形態において、方法は、被験体の免疫健康を増進する方法である。これ
らの実施形態の方法は、被験体の免疫健康を増進する方法であるため、そのような方法の
実施形態は、与えられた抗原投与に対する健常な免疫応答を被験体がより良好に有するこ
とができるようにする。免疫健康または免疫バランスは、炎症の不均衡がない体内の状態
として特徴付けることができる。例えば、血漿中でIgEが減少し、かつ/またはIgG
4が増加し、かつ/またはTh2が減少する場合である(例えば、以下の実験の節および
添付の図においてより詳細に記載されているとおり)。免疫健康増進の度合は様々であり
、場合によってその度合は、適切な対照と比較して、例えば、2倍以上、例えば、5倍以
上、例えば、10倍以上である。
【0029】
いくつかの実施形態において、方法は、被験体の腸管健康を増進する方法である。これ
らの実施形態の方法は、被験体の腸管健康を増進する方法であるため、そのような方法の
実施形態は、病原性の細菌もしくはウイルスの数もしくはコロニー形成を低減するかまた
は腸の完全性およびバリア機能を維持および改善することによって、患者に例えば健常な
微生物叢の維持を改善させるかまたは微生物層の回復を向上させる。腸管健康または腸内
バランスは、炎症の不均衡がない体内の状態として特徴付けることができる。例えば、T
細胞増殖が低下する場合である(例えば、以下の実験の節および添付の図においてより詳
細に記載されているとおり)。腸管健康増進の度合は適宜設定することができ、場合によ
ってその度合は、適切な対照と比較して、例えば、2倍以上、例えば、5倍以上、例えば
、10倍以上である。
【0030】
いくつかの実施形態において、方法は、被験体の健康を増進するかまたは免疫バランス
を維持する方法である。これらの実施形態の方法は、被験体の健康を増進する方法である
ため、そのような方法の実施形態は、被験体に心身の健康の質および状態を有させる。健
康は、免疫問題の不均衡がない場合の体の状態(例えば、より少ないIgE、より多くの
IgG4、より少ない細胞炎症として特徴付けることができる(例えば、以下の実験の節
および添付の図においてより詳細に記載されているとおり)。健康増進の度合は適宜設定
することができ、場合によってその度合は、適切な対照と比較して、例えば、2倍以上、
例えば、5倍以上、例えば、10倍以上である。
【0031】
いくつかの実施形態において、方法は、免疫介在性炎症病状などの免疫介在症状を被験
体が発症する潜在性を少なくとも低下させる方法である。免疫介在症状を被験体が発症す
る潜在性を少なくとも低下させることは、免疫介在症状を被験体が発症する危険性が低減
されるように、免疫介在症状を被験体が発症する蓋然性を低減させることを意味する。例
えば、危険性低減を判断するには、100人の異なる個体に組成物を投与した場合に対照
群と比較して個体の20%以上が彼らの免疫マーカー、例えばIgEの減少を示すことに
なろう。潜在性の低下の度合は適宜設定することができ、場合によってその度合は、適切
な対照と比較して、例えば、2倍以上、例えば、5倍以上、例えば、10倍以上である。
場合によっては、方法は、免疫介在症状を被験体が発症するのを防止する方法である。こ
のように、本発明の方法は、免疫介在症状を有するかまたは有さないことが未知である被
験体に本発明の組成物を投与することを含む。被験体は、免疫介在症状を有していなくて
も有することが既知でなくてもよいが、被験体は、免疫介在症状を発症する危険性が疑わ
れているかまたはそれが既知である者であってもよい。
【0032】
本発明の態様はさらに、被験体の免疫介在症状を治療する方法をさらに含む。治療する
こと、または治療は、少なくとも、被験体を苦しめている病状、例えば免疫介在症状に関
連する1つ以上の症候を改善することを意味し、改善は、少なくとも、治療されている病
態などに関連するパラメータ、例えば症候の度合の低減に言及する広義の意味で使用され
る。したがって、治療にはさらに、病態または少なくとも病態を特徴付ける症候で被験体
がもはや苦しむことがないように、病態または少なくともそれに関連する症候が完全に阻
止される、例えば起こることが防止または停止(例えば終結)される、状況が含まれる。
【0033】
治療は、病状の代理マーカーの調節の形態で現れるかもしれない。例えば、対象の症状
が例えば以下に記載するようにアレルギーである場合、例えば、以下の実験の節に記載の
アッセイを用いて測定されるところのTh2細胞増殖が減少し得る。Th2細胞増殖の低
減の度合は様々であり、場合によっては、1.2~10倍、例えば、2~4倍の範囲とす
ることができる。対象の症状が、例えば、以下に記載するようにアレルギーである場合、
例えば、以下の実験の節に記載のアッセイを用いて測定されるところの特異的IgG4レ
ベルが上昇するかもしれない。lgG4レベル上昇の度合は適宜調整することができ、場
合によっては、1.2~100倍、例えば2~6倍の範囲とすることができる。対象の症
状が、例えば、以下に記載するようにアレルギーである場合、例えば、以下の実験の節に
記載のアッセイを用いて測定されるところの特異的IgEレベルが低下するかもしれない
。IgEレベル低下の度合は適宜調整することができ、場合によっては、1.1~7倍、
例えば、2~6倍の範囲とすることができる。
【0034】
上に要約したとおり、本発明の方法の対象である免疫介在症状には、免疫介在性炎症症
状が含まれ、そのような症状は、限定されないが、炎症につながる一般的な炎症経路を特
徴とする症状を含み、また、正常な免疫応答の調節不全によって生じ得るかまたは誘発さ
れ得るものである。免疫介在性炎症症状の例としては:アレルギー、自己免疫疾患、強直
性脊椎炎、乾癬、乾癬性関節炎、ベーチェット病、関節炎、炎症性腸疾患(IBD)、心
血管疾患、神経筋疾患および感染性疾患などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
場合によっては、対象の免疫介在症状はアレルギーである。対象のアレルギーは多種多
様であってもよく、場合によって、対象のアレルギーは、食物アレルギー、薬物アレルギ
ー、環境アレルギー、動物アレルギーならびに、昆虫および/または蜂アレルギーである
。このように、本発明の態様は、アレルギーを被験体が発症する危険性を低減する方法を
含む。特定の実施形態では、方法は、被験体に投与される混合アレルゲン組成物中に存在
しない食物アレルゲンに対する食物アレルギーを発症する危険性の低下した被験体をもた
らす。例えば、投与された組成物は、製剤中のナッツタンパク質ならびに製剤中に見出さ
れないナッツタンパク質に対するアレルゲン保護を被験体に提供することができる。特定
の実施形態では、混合製剤を使用する場合、たった1つのアレルゲンを含む製剤を使用し
て達成される場合に比べて大幅に、第1食物アレルゲンに対する低い危険性が低減される
。例えば、本明細書に記載の混合アレルゲン製剤を摂食することは、単一のアレルゲンの
みを含む場合に比べて、アレルゲンに対するアレルギー発症の危険性をより低くすること
ができる(以下に示すTh2/IgE/IgG4分析に関して)。場合によっては、この
現象は「相乗作用」と呼ばれる(例えば、カシューはピスタチオと相乗作用し、クルミは
ペカンと相乗作用し、エビはロブスター(およびその他の甲殻類)と相互作用し、その逆
も同様である)。方法が、例えば上に概説したように被験体のアレルギーを治療する方法
である場合、方法は、例えば冒頭の節で上述したように、アレルギーに関連する1つ以上
の症候を少なくとも改善させることができる。改善させることができるアレルギー症候は
:湿疹、喘息、アトピー性皮膚炎、気管支痙攣、咳、鼻漏、血管性浮腫、胃運動過剰、皮
疹(蕁麻疹)、掻痒症、疲労、徐脈および/または低血圧であるが、これらに限定されな
い。症候軽減の度合は適宜設定することができ、場合によってその度合は、適切な対照と
比較して、例えば、2倍以上、例えば、5倍以上、例えば、10倍以上である。場合によ
っては、アレルギーの治療によって、被験体がもはやアレルギーで苦しむことがないよう
に被験体のアレルギーが治癒する結果となる。アレルギー治療方法のいくつかの実施形態
において、方法は、上記のように、ナッツアレルゲンと;動物アレルゲンと;非ナッツ植
物アレルゲン 生物剤;およびビタミンのうちの少なくとも1つとを含む混合アレルゲン
組成物を被験体に投与することを含む。
【0036】
場合によっては、方法は、被験体の好酸球増加障害を治療する方法である。好酸球増加
障害は、体の様々な部分における正常量より多い好酸球の発生によって特徴付けられる障
害である。対象となる好酸球増加障害としては、例えば:好酸球性食道炎(食道);好酸
球性胃炎(胃);好酸球性腸炎(小腸);好酸球性大腸炎(大腸);好酸球増加症候群(
血液および任意の器官);それらに類似するものが挙げられるが、これらに限定されない
。場合によっては、この方法は、好酸球増加障害を被験体が発症する危険性を低下させる
方法である。危険性軽減の度合は適宜設定することができ、場合によってその度合は、適
切な対照と比較して、例えば、2倍以上、例えば、5倍以上、例えば、10倍以上である

場合によっては、方法は、被験体の炎症を治療する方法であり、その炎症が、多種多様
な病状の症候であるかもしれない。本発明の実施形態に従ってその炎症が治療され得る病
状としては、限定されないが、例えば、セリアック病、多発性硬化症、炎症性腸疾患、好
酸球増加疾患、アレルギー、食物アレルギーなどが挙げられる。
【0037】
本発明の態様はさらに、免疫介在症状、例えば、免疫介在性炎症病状、例えば上記のよ
うなアレルギーを胎児または乳児が発症する潜在性を少なくとも低下させる方法を含む。
免疫介在症状を胎児または乳児が発症する潜在性を少なくとも低下させることは、免疫介
在症状を胎児または乳児が発症する危険性が低減されるように、免疫介在症状を胎児また
は乳児が発症する蓋然性が低減されることを意味する。潜在性の低下の度合は適宜設定す
ることができ、場合によってその度合は、適切な対照と比較して、例えば、2倍以上、例
えば、5倍以上、例えば、10倍以上である。場合によっては、方法は、免疫介在症状を
胎児または乳児が発症するのを防止する方法である。それゆえ、本発明の方法は、免疫介
在症状を有するかまたは有さないことが既知である胎児または乳児の母親に本発明の組成
物を投与することを含む。胎児または乳児は、免疫介在症状を有していなくても有するこ
とが既知でなくてもよいが、胎児または乳児は、免疫介在症状を発症する危険性が疑われ
ているかまたはそれが既知であってもよい。
【0038】
そのような実施形態において、それを含む混合アレルゲン組成物または生理学的に許容
可能な組成物は、胎児または乳児の母親に投与される。例えば、混合アレルゲン組成物ま
たはそれを含む生理学的に許容可能な組成物は、胎児を妊娠している母親に投与すること
ができる。そのような場合、混合アレルゲン組成物またはそれを含む生理学的に許容可能
な組成物は、上記のような任意の好都合な服薬スケジュールを用いて、妊娠中の任意の好
都合な時、例えば、第2三半期の開始時、第3三半期の開始時から始めて母親に投与する
ことができる。方法が、哺乳児の危険性を低減する方法である場合、混合アレルゲン組成
物またはそれを含む生理学的に許容可能な組成物は、乳児を授乳している母親に投与する
ことができる。そのような場合、混合アレルゲン組成物またはそれを含む生理学的に許容
可能な組成物は、例えば上記のような任意の好都合な服薬スケジュールを用いて、授乳中
の任意の好都合な時、例えば、授乳開始時、授乳開始後1週目などから始めて授乳中の母
親に投与することができる。
以下の実施例は、例示するために提供されるものであって、限定するためのものではな
い。
【実施例
【0039】
実験
I.混合アレルゲンアッセイ
A.材料および方法
1.アレルゲン治療
下に一覧で示す各アレルゲンまたはアレルゲン混合物(アレルゲン群)に関して、5つ
の異なる年齢群のそれぞれからの5人の被験体に、合計300mgのアレルゲンまたはア
レルゲン混合物を毎日1年間摂食させた。唯一の例外は、3倍での処方(すなわち用量)
1および10倍での処方(すなわち用量)1であり、それは、被験体にそれぞれ900m
gおよび3000mgの処方を与えるものであった。アレルゲン混合物は1:1の比で調
合した。それゆえ、2つのアレルゲンを含むアレルゲン混合物の場合、混合物は各々を1
50mgずつ含むことになろう。アレルゲンを与えられなかった各年齢群は5人の被験体
を含んでいた(一覧の最後に示す未処置群すなわちNT群)。5つの年齢群は:4~6ヶ
月、7~12ヶ月、1~3年、3~5年、および5年以上である。被験体は、認められる
かまたは疑われる食物アレルギー(またはその他のアレルギー)プロファイルに基づいて
選択されなかったため、試験した被験体のコホートは、食物アレルギーを有するかまたは
発症する傾向のある者もそうでない者も含んでいた。被験体の総数は450人であった(
NTを含めて、18個の異なる治療について5つの年齢群に5人の被験体)。
【0040】
アレルゲンまたはアレルゲン混合物
1.カシュー:ニューヨーク10977のスプリングバレーの「Wellbee’s」
からの細かく粉砕されたカシュー。
2.カシューおよびピスタチオ:ニューヨーク10977のスプリングバレーの「We
llbee’s」からの細かく粉砕されたカシュー。ニュージャージー07016のクラ
ンフォードの「nuts.com」のピスタチオ粉。
3.クルミ:ワシントン98264のリンデンの「Holmquist Hazeln
ut Orchards」からのローストクルミ。
4.クルミおよびペカン:ワシントン98264のリンデンの「Holmquist
Hazelnut Orchards」からのローストクルミ。バーモント05055の
ノーウィッチ「King Arthur Flour」からの粉砕されたペカン。
5.処方1:等しい部のクルミ、ヘーゼルナッツ、エビ、サーモン、鶏卵、牛乳、ピー
ナッツ、カシュー、アーモンドおよび小麦(それぞれ30mgのタンパク質)
6.3倍での処方1:等しい部のクルミ、ヘーゼルナッツ、エビ、サーモン、鶏卵、牛
乳、ピーナッツ、カシュー、アーモンドおよび小麦(それぞれ90mgのタンパク質)
7.10倍での処方1:等しい部のクルミ、ヘーゼルナッツ、エビ、サーモン、鶏卵、
牛乳、ピーナッツ、カシュー、アーモンドおよび小麦(それぞれ300mgのタンパク質

8.未処理対照(NT)
9.白身魚:ワシントン98008のベルビューの「Seattle Seafood
s」からの真鱈。
10.白身魚および赤身魚:ワシントン98008のベルビューの「Seattle
Seafoods」からの真鱈および紅鮭。
11.エビ:ワシントン98008のベルビューの「Seattle Seafood
s」からの白エビ。
12.エビおよびカニ:ワシントン98008のベルビューの「Seattle Se
afoods」からの白エビ。
13.ピーナッツ:バージニア23005のアッシュランドの「Byrd Mill
Company」からの脱脂ピーナッツ。
14.ピーナッツおよび大豆:バージニア23005のアッシュランドの「Byrd
Mill Company」からの脱脂ピーナッツ。オレゴン97222のミルウォーキ
ーの「Bob’s Red Mill」からの石挽きの大豆。
15.ヘーゼルナッツ:ワシントン98264のリンデンの「Holmquist H
azelnut Orchards」からの天然ヘーゼルナッツ。
16.アーモンド:カリフォルニア91730のランチョクカモンガの「Honeyv
ille」からの漂白されたアーモンド粉。
17.ミルク:イリノイ60108のブルーミンデールの「Now Foods」から
の有機無脂肪乾燥粉ミルク粉末。
18.卵:ユタ84314のハネーヴィレの「Honeyville Food Pr
oducts」からの、固結防止剤としてラウリル硫酸ナトリウムを含む粉末卵白。
【0041】
2.Th2細胞サブセットの刺激および列挙
被験体由来のPBMCをCFSEで標識し、100μg/mLで与えられる上記食物ア
レルゲンまたは食物アレルゲン混合物(Byrd Mill)または抗CD3/CD28
(非特異的増殖能力を試験するため)と共に7日間培養してT細胞サブセットを同定した
。7日目に、細胞を洗浄し、Live/Dead染色(Invitrogen)と併せて
表面のCD4、CD25、CD127、CD45RO、CD45RA、CD40Lおよび
CD69ならびに細胞内のFoxp3およびIL-10の染色を行った(以下のT細胞フ
ローサイトメトリー方法を参照のこと)。Th2細胞は、食物アレルゲン(CFSElo
)に応答して増殖した細胞として定義され、CD41 IL-4、IL-13細胞であっ
た。抗原刺激後にCD40LおよびCD69の二重陽性細胞を単離することによって、抗
原誘導されたT細胞も同定した。
【0042】
3.T細胞フローサイトメトリー
細胞をLyse/Fix PhosFlow緩衝液(BD Biosciences)
で固定した。細胞内染色のために、固定された細胞を48℃で30分間、Perm Bu
ffer III(BD Biosciences)で透過化し、続いて48℃で20分
間染色した。フローサイトメトリーはLSRIIフローサイトメーター(BD Bios
ciences)を使用して実施した。生細胞は、Live/Deadプローブ(Inv
itrogen)を使用して同定した。T細胞の表現型は、BD Bioscience
sからの、表面のCD3(UCHT1)、CD4(SK3)、CD25(4E3)、CD
127(SB199)、CD45RO(UCHL1)、CD45RA(HI100)、C
D62L(DREG-56)、CCR4(1G1)およびCCR8に対する抗体;BD
BiosciencesからのCCR7、CD69およびCD40Lならびに細胞内のI
L-10(JES3-19F1)、IL-4(MP4-25D2)およびIL-13(J
ES10-52A2);BioLegendからのHelios(22F6);BioL
egendからの抗CD49b;R&D Systems(ミネソタ、ミネアポリス)か
らの抗LAG3;ならびにBioLegendからのFoxp3(150D)を使用して
検出し、製造者が推奨するプロトコルに従って染色した。
【0043】
4.抗体力価の測定
標準的なImmunoCAPアッセイ(Phadia、ウプサラ、スウェーデン)を用
いて、スタンフォード病院および診療所の臨床試験室の全ての被験体においてアレルゲン
特異的IgEおよびIgG4血中総レベルを測定した。
【0044】
B.結果
1.Th2細胞増殖
アレルゲン群1~14の各被験体由来のPBMCを、被験体に7日間与えたアレルゲン
またはアレルゲン混合物を使用して生体外で刺激し、Th2細胞増殖を分析した(上の方
法の節に記載のとおり)。3倍処方1および10倍処方1の群では、PBMCを生体外で
それぞれ3倍および10倍の量(すなわち、それぞれ300μg/mLおよび1000μ
g/mL)のアレルゲンで刺激したことに留意されたい。
図1に示すように、アレルゲン群1~4および9~14の被験体は、アレルゲン刺激に
応答して、未処置対照(群8;ベースラインNT)と比較して幾分低下したTh2増殖を
示した。しかしながら、10個の別個のアレルゲンを含む製剤を摂取した、アレルゲン群
5~7の(漸増量の処方1を摂取した)被験体からのPBMCにおいて、Th2細胞増殖
は、上記のように対照群(NT)およびその他全ての抗原群(1~4および9~14)に
比べてTh2細胞増殖が著しく低下した。この現象は、試験した全ての年齢の全てのアレ
ルゲン群の全ての被験体において見られた。
【0045】
2.免疫グロブリン分析
上記のTh2増殖アッセイに加えて、アレルゲン群1~18の被験体由来の血漿をIg
G4抗体またはIgE抗体の存在について(上記の標準的な方法を用いて)分析したが、
前者は非アレルギー性または非炎症性(つまり抗アレルギー性または非炎症性)の状態の
指標であり、後者は、アレルギー誘発性または炎症誘発性の状態の指標である。
図2に示すように、アレルギー群1~4および9~18の被験体は、ベースライン群(
群8;NT)と比較して中程度に増加したIgG4レベルを示した。しかし、(漸増量の
処方1を摂取した)アレルゲン群5~7は、ベースライン群およびその他全ての抗原群(
1~4および8~18)のいずれと比較してもIgG4のレベルの有意な増加を示した。
この結果は、上記のTh2細胞増殖の結果と一致する。具体的には、血漿中のlgG4レ
ベルの上昇およびTh2細胞増殖の減少は、被験体におけるアレルギー誘発性または非炎
症性の状態の減少の指標である。
図3に示すように、アレルゲン群1~4および9~17の被験体は、(漸増量の処方1
を摂取した)アレルゲン群5~7と比較して血漿中のIgEレベルが有意に高かった。実
際、アレルゲン群5~7のIgEレベルは、アッセイの検出レベル未満であった。この結
果は、上記のTh2細胞増殖およびlgG4レベルの結果と一致する。具体的には、低レ
ベルのIgEおよび血漿中のIgG4レベルの上昇は、低下したTh2細胞増殖と併せて
、被験体における非アレルギー性または非炎症性の状態の軽減の指標である。
【0046】
上記の結果から、非常に若い年齢で被験体に(例えば、上記の処方1の形態で)食物ア
レルゲンの複合混合物を継続的に摂取させることによって、多種多様な抗原に対するアレ
ルギー性または炎症性の免疫プロファイルを被験体が発症するのを予防的に防ぐことがで
きることは明らかである。言い換えれば、このプロセスは、被験体において、非アレルギ
ー性または非炎症性(つまり抗アレルギー性または抗炎症性)の状態を誘導することがで
きる。本明細書中に示されている結果の中で特に興味深いのは、複合混合物中の抗原を摂
食することにより、単一のアレルゲン(例えば、上記アレルゲン群1、3、11、13お
よび15~18のように)または多数の関連アレルゲン(例えば、上記のアレルゲン群2
、4、10、12および14のように)を標的とする単一、さらには2重のアレルゲン処
方よりも優れたアレルギー/炎症の発症に対する防止が広範囲で提供されることが示され
る点である。
【0047】
上記のことは、複合抗原混合物を被験体に摂取させることによって、複合混合物中のア
レルゲン/抗原に対してのみならず、複合混合物中に存在しないアレルゲンまたは抗原に
対しても、アレルギーおよび/または炎症の発症から保護されることを示している。本質
的には、複合食物抗原混合物を摂取させることにより、未だ被験体が摂取していないアレ
ルゲン/抗原に対してさえも、アレルギーまたは炎症状態の発症を広く防ぐ総合的な抗ア
レルギー性または抗炎症性の状態が被験体に作り出される。
【0048】
II.混合アレルゲン+プロバイオティクスおよび/またはビタミンのアッセイ
A.混合アレルゲン組成物
図4~7では、1:1ブレンドの組成物を使用した:
・1部の栄養補助食品混合物:1部のプロバイオティクス(具体的にはそれぞれ300
mg)。この場合でのプロバイオティクスは、CulturelleブランドのLact
obacillusであった;または
・1部の栄養補助食品混合物:1部のビタミン(具体的にはそれぞれ300mg)
この場合でのビタミンはPoly Vi Solブランド(子供用)であった;または
・1部の栄養補助食品混合物:1部のビタミン:1部のプロバイオティクス(具体的に
はそれぞれ300mg)
使用前に、pH2での混合物を酢の中で40分間室温で保温した。
焼成した混合物を350°Fで40分間加熱した。
対照は栄養補助食品を受けなかった。
【0049】
B.Th2細胞増殖
図4に示すように、アレルゲン群1~14の各被験体からのPBMCを生体外で7日間
、アレルゲンもしくはアレルゲン混合物、またはプロバイオティクス、またはビタミンで
、または異なる温度もしくはpHの特定条件で刺激し、Th2細胞増殖を(上の方法の節
に記載しているとおりに)分析した。
図4に示すように、被験体試料は、混合物を使用した場合および様々な条件下(すなわ
ち、焼いた食品、スキンクリーム、ジュース)で混合物を使用した場合に類似のTh2増
殖低下を示した。この現象は、試験した全ての年齢の全てのアレルゲン群の全ての被験体
において見られた。
【0050】
C.免疫グロブリン分析
上記のTh2増殖アッセイに加えて、アレルゲン群の被験体からの血漿をIgG4およ
びIgE抗体の存在について(上記のような標準的な方法を使用して)分析したが、前者
は非アレルギー性または非炎症性(つまり抗アレルギー性または抗炎症性)の状態の指標
であり、後者はアレルギー誘発性または炎症誘発性の状態の指標である。
図5および6に示されるように、被験体は、対照群と比較して中程度に増加したレベル
のlgG4および血漿中の有意に高いレベルのIgEを示した。図6に示すように、試験
された様々な混合アレルゲン組成物に応答したIgEレベルは認められなかった。混合物
または様々な条件下での混合物について類似の効果が見られた。
【0051】
D.T細胞増殖
T細胞増殖を実施したが(上の方法の節を参照されたい)、データを図7に示す。デー
タは、グルテン(すなわちセリアック病剤)およびインスリン(すなわち糖尿病剤)およ
び細菌性フラジェリン(炎症性腸疾患剤)に対する抗炎症特性を示す。これは、混合物が
セリアック病、糖尿病および炎症性腸疾患のような疾患に関与する炎症状態を減少させる
こともできたことを実証する。
【0052】
添付の条項にかかわらず、本開示は以下の条項によっても定義される:
1.混合アレルゲン組成物であって、
ナッツアレルゲンと;
動物アレルゲンと;
非ナッツ植物アレルゲン
生物剤;および
ビタミン
のうちの少なくとも1つと
を含む、組成物。
2.組成物が非ナッツアレルゲンを含む、条項1に記載の混合アレルゲン組成物。
3.組成物が生物剤を含む、条項1に記載の混合アレルゲン組成物。
4.生物剤がプロバイオティクスを含む、条項3に記載の混合アレルゲン組成物。
5.生物剤がプレバイオティクスを含む、条項3に記載の混合アレルゲン組成物。
6.組成物がビタミンを含む、条項1に記載の混合アレルゲン組成物。
7.組成物が非ナッツ植物アレルゲン、生物剤およびビタミンを含む、条項1に記載の
混合アレルゲン組成物。
8.ナッツアレルゲンが、ピーナッツアレルゲン、ブラジルナッツアレルゲン、ヘーゼ
ルナッツアレルゲン、クルミアレルゲン、ピスタチオアレルゲン、ペカンアレルゲンおよ
びカシューアレルゲンから構成される群から選択される、条項1~7のいずれかに記載の
混合アレルゲン組成物。
9.動物アレルゲンが、脊椎動物アレルゲン、無脊椎動物アレルゲンまたはそれらの組
み合わせを含む、条項1~8のいずれかに記載の混合アレルゲン組成物。
10.動物アレルゲンが:卵アレルゲン;ミルクアレルゲン;魚アレルゲンおよびエビ
アレルゲンならびにそれらの複合物から構成される群から選択される、条項9に記載の混
合アレルゲン組成物。
11.非ナッツ植物アレルゲンが、小麦アレルゲン、キウイアレルゲン、セロリアレル
ゲン、大豆アレルゲン、オート麦アレルゲン、ゴマアレルゲンおよび核果アレルゲンなら
びにそれらの組み合わせから構成される群から選択される、条項1~10に記載の混合ア
レルゲン組成物。
12.組成物中に存在する各アレルゲンの量が15~99.9重量%の範囲である、条
項1~11のいずれかに記載の混合アレルゲン組成物。
13.組成物中に各アレルゲンが等しい重量で存在する、条項12項に記載の混合アレ
ルゲン組成物。
14.組成物が固体である、条項1~13のいずれかに記載の混合アレルゲン組成物。
15.組成物が粉末である、条項14に記載の混合アレルゲン組成物。
16.生理学的に許容可能な組成物であって、
(a)条項1~15のいずれかに記載の混合アレルゲン組成物、および
(b)生理的に許容可能な送達ビヒクル
を含む、組成物。
17.生理学的に許容可能な送達ビヒクルが摂取可能な送達ビヒクルである、条項16
に記載の生理学的に許容可能な組成物。
18.生理学的に許容可能な送達ビヒクルが局所送達ビヒクルである、条項16に記載
の生理学的に許容可能な組成物。
19.生理学的に許容可能な送達ビヒクルが注射可能な送達ビヒクルである、条項16
に記載の生理学的に許容可能な組成物。
20.混合アレルゲン組成物が、生理学的に許容可能な組成物中に15~99.9重量
%の範囲の量で存在する、条項1~19のいずれかに記載の生理学的に許容可能な組成物

21.混合アレルゲン組成物を被験体に投与することを含む、被験体のアレルギーを治
療する方法であって、
方法が被験体のアレルギーを治療する方法である場合に、混合アレルゲン組成物が、条
項1~20のいずれかに記載の組成物である、方法。
22.方法が、被験体の免疫健康を増進する方法である、条項21に記載の方法。
23.方法が、被験体の腸管健康を増進する方法である、条項21に記載の方法。
24.方法が、被験体の健康を増進する方法である、条項21に記載の方法。
25.方法が、免疫介在症状を被験体が発症する潜在性を少なくとも低下させる方法で
ある、条項21に記載の方法。
26.方法が、免疫介在症状を被験体が発症するのを防止する方法である、条項25に
記載の方法。
27.免疫介在症状がアレルギー症状である、条項25または26に記載の方法。
28.方法が、被験体の免疫介在症状を治療する方法である、条項21に記載の方法。
29.免疫介在症状がアレルギー症状である、条項28に記載の方法。
30.方法が、免疫介在症状の少なくとも1つの症候を改善させる、条項28または2
9に記載の方法。
31.被験体が哺乳動物である、条項1~30のいずれかに記載の方法。
32.哺乳動物がヒトである、条項31に記載の方法。
33.被験体が乳児である、条項31または32に記載の方法。
34.被験体が若年者である、条項31または32に記載の方法。
35.被験体が成人である、条項31または32に記載の方法。
36.被験体が、胎児を妊娠しているかまたは乳児を授乳中である、条項35に記載の
方法。
37.方法が、免疫介在症状を胎児または乳児が発症する潜在性を少なくとも低下させ
る方法である、条項36に記載の方法。
前述の発明は、理解を明確にするために、例示および実施例としてある程度詳細に記載
されているが、本発明の教示内容に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲か
ら逸脱することなくそれに特定の変更および改変をなし得ることは、当業者にとって直ち
に明らかである。
したがって、上記は単に本発明の原理を例示するに過ぎない。本明細書中に明確に記載
されまたは示されていないが本発明の原理を具体化しかつその趣旨および範囲に含まれる
、様々な構成を考案できることは、当業者に理解されるであろう。さらに、本明細書中に
列挙されている全ての実施例および条件付き用語は、本発明の原理および発明者らが技術
を進歩させるために提供する概念を読者が理解するのを助けることを主として意図したも
のであり、そのような具体的に列挙されている実施例および条件を限定するものではない
と解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様および実施形態ならびにその特定
の実施例を詳述している本明細書中の全ての記述は、構造的および機能的なその均等物を
両方とも包含することが意図されている。さらに、そのような均等物は、現在知られてい
る均等物と、将来開発される均等物、すなわち構造に拘らず同じ機能を果たす任意の開発
された要素との両方を含むことが意図される。したがって、本発明の範囲は、本明細書中
に示され記載されている例示的な実施形態に限定されることを意図するものではない。む
しろ、本発明の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7