(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】ジョイントコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 31/08 20060101AFI20240625BHJP
H01R 4/64 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H01R31/08 Q
H01R4/64 C
(21)【出願番号】P 2022130186
(22)【出願日】2022-08-17
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 浩三
(72)【発明者】
【氏名】深谷 知由
(72)【発明者】
【氏名】石川 淳
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-113255(JP,A)
【文献】特開2013-65502(JP,A)
【文献】特開2006-114245(JP,A)
【文献】特開2009-252669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 31/08
H01R 4/64
H01R 13/502
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のアース部位にねじ止め固定される板状固定部と、前記板状固定部に延設された本体水平板部と、前記本体水平板部に対して折り曲げ部で立上り方向に折り曲げ形成された本体立上り板部と、前記本体立上り板部の上方に設けられて相手側端子が電気的に接続される複数の端子接続部が形成された端子連設部と、前記本体水平板部に連設された連結片とが一体形成された導電金属製のアース端子部材と、
前記相手側端子を接続するため前記複数の端子接続部を突出させた状態で前記本体立上り板部及び前記端子連設部がインサート成形されたハウジング本体部と、前記連結片を覆う樹脂部と前記端子連設部を覆う樹脂部とを連結するように設けられた補強リブ部とが一体成形された絶縁樹脂製のハウジングと、
を備えたジョイントコネクタ。
【請求項2】
前記連結片が、前記連結片を覆う樹脂部との連結強度を高めるための係止部を有する、
請求項1に記載されたジョイントコネクタ。
【請求項3】
前記折り曲げ部には、前記本体水平板部と前記本体立上り板部に渡って打ち出し部が設けられている、
請求項2に記載されたジョイントコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記相手側端子がそれぞれ収容される複数の端子収容室を有した相手側ハウジングの相手側嵌合部が嵌合される嵌合凹部を前記ハウジング本体部に備え、
前記複数の端子接続部は、前記嵌合凹部の内部に突出している、
請求項1~3の何れか1項に記載されたジョイントコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョイントコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
複数本の電線を一括して車両のアース部位に接続するジョイントコネクタとしては、車両のボディ(アース部位)にねじ止め固定されるボディ側接地部(板状固定部)を有すると共に、電線側端子(相手側端子)が電気的に接続される複数の端子接続部が形成された接続部をボディ側接地部の一端に有する導電板(アース端子部材)と、導電板がインサート成形された樹脂製のハウジングと、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
導電板は、導電性のよい金属板をプレス加工することによって、ボディ側接地部及び接続部を一体に形成したものである。ボディ側接地部には、接地ボルトが挿通可能なボルト孔が形成されている。接続部は、横向きの略U字形状をなすつなぎ部を有し、つなぎ部の側縁には、複数の端子接続部が張り出し形成されている。つなぎ部は、ボディ側接地部の側縁から上方に立ち上がる段差部(折り曲げ部)を介してボディ側接地部の一端に連結されている。
そして、導電板のうち、つなぎ部と段差部の一部がハウジングにインサート成形されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のジョイントコネクタでは、車両の走行時等の振動により、ジョイントコネクタには振動が加わり、ジョイントコネクタは導電板の折り曲げ部である段差部を支点として揺れる。すると、導電板の段差部(折り曲げ部)では弾性的な変形が繰り返し起こり、段差部に変形や破損が生じる虞がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アース端子部材の折り曲げ部に生じる変形や破損を防止することができるジョイントコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係るジョイントコネクタは、下記を特徴としている。
車両のアース部位にねじ止め固定される板状固定部と、前記板状固定部に延設された本体水平板部と、前記本体水平板部に対して折り曲げ部で立上り方向に折り曲げ形成された本体立上り板部と、前記本体立上り板部の上方に設けられて相手側端子が電気的に接続される複数の端子接続部が形成された端子連設部と、前記本体水平板部に連設された連結片とが一体形成された導電金属製のアース端子部材と、
前記相手側端子を接続するため前記複数の端子接続部を突出させた状態で前記本体立上り板部及び前記端子連設部がインサート成形されたハウジング本体部と、前記連結片を覆う樹脂部と前記端子連設部を覆う樹脂部とを連結するように設けられた補強リブ部とが一体成形された絶縁樹脂製のハウジングと、
を備えたジョイントコネクタ。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るジョイントコネクタによれば、アース端子部材の折り曲げ部に生じる変形や破損を防止することができる。
【0009】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、相手側コネクタが嵌合された本発明の一実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したジョイントネクタ及び相手側コネクタの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示したジョイントコネクタを前方側から視た斜視図である。
【
図4】
図4は、アース端子部材がハウジングにインサート成形されたジョイントコネクタの斜視図である。
【
図5】
図5は、アース端子部材を後方上側から視た斜視図である。
【
図6】
図6は、アース端子部材を前方下側から視た斜視図である。
【
図7】
図7は、車両のアース部位にねじ止め固定されたジョイントコネクタ及び相手側コネクタの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1は、相手側コネクタ51が嵌合された本発明の一実施形態に係るジョイントコネクタ1の斜視図である。
図2は、
図1に示したジョイントコネクタ1及び相手側コネクタ51の分解斜視図である。
【0012】
なお、本明細書中、ジョイントコネクタ1の前後方向、上下方向および左右方向は、
図1に示した矢印の方向に従うものとする。即ち、前後方向とは、ジョイントコネクタ1のコネクタ嵌合方向に沿う方向であり、相手側ハウジング52が嵌合される側をハウジング31の前方とする。また、上下方向とは、扁平直方体状のジョイントコネクタ1のコネクタ嵌合方向と直交するハウジング31の短手方向であり、ハウジング31のロック部39側を上方とする。更に、左右方向とは、ジョイントコネクタ1のコネクタ嵌合方向と直交するハウジング31の長手方向である。
【0013】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係るジョイントコネクタ1には、相手側コネクタ51が嵌合される。
ジョイントコネクタ1は、導電金属製のアース端子部材11と、絶縁樹脂製のハウジング31とを備えている。相手側コネクタ51は、端子付き電線61と、絶縁樹脂製の相手側ハウジング52と、環状パッキン41とを備えている。
【0014】
ハウジング31には、相手側コネクタ51との嵌合方向前方側である先端側が開口された嵌合凹部33が形成されている(
図3、参照)。相手側ハウジング52には、
図2に示すように、ジョイントコネクタ1に嵌合される先端側に相手側嵌合部53が形成されている。そして、ハウジング31の嵌合凹部33に相手側ハウジング52の相手側嵌合部53を嵌合させることで、ジョイントコネクタ1に相手側コネクタ51が嵌合される。
【0015】
図2に示すように、相手側ハウジング52の相手側嵌合部53には、複数の端子収容室55が形成されている。これら端子収容室55は、ジョイントコネクタ1との嵌合方向に沿って形成されている。これら端子収容室55は、相手側ハウジング52の左右幅方向に配列されており、その配列が上下2段とされている。相手側嵌合部53は、それぞれの端子収容室55に突出するランス部56を有している。(
図7、参照)。また、相手側ハウジング52の上面には、ロックアーム57が形成されている。
【0016】
相手側ハウジング52は、相手側嵌合部53の周囲にフード部54を有しており、このフード部54内に、環状パッキン41が嵌め込まれている。この環状パッキン41は、ハウジング31の嵌合凹部33に相手側ハウジング52の相手側嵌合部53が嵌合された際に、嵌合凹部33と相手側嵌合部53との間を止水する。
【0017】
端子収容室55には、端子付き電線61の相手側端子63が相手側ハウジング52の後方側から収容される。相手側端子63は、例えば、銅または銅合金等の導電性金属材料から形成されたもので、導体の周囲を外被で覆った電線62の端末に圧着されて導通接続されている。
【0018】
この相手側端子63は、端子収容室55に対して、相手側ハウジング52の後方側から挿入されることで、ランス部56に係止される。これにより、相手側端子63は、端子収容室55内に収容された状態に保持される。
また、電線62の端末には、円筒状のパッキンである防水栓64が嵌着されている。防水栓64は、電線62の端末が端子収容室55内に挿入された時に、端子収容室55の内周面に密着して電線62との間を水密に止水する。
【0019】
図3は、
図2に示したジョイントコネクタ1を前方側から視た斜視図である。
図4は、アース端子部材11がハウジング31にインサート成形されたジョイントコネクタ1の斜視図である。
図5は、アース端子部材11を後方上側から視た斜視図である。
図6は、アース端子部材11を前方下側から視た斜視図である。
【0020】
図3及び
図4に示すように、ジョイントコネクタ1は、ハウジング31にアース端子部材11がインサート成形されている。
図5及び
図6に示すように、アース端子部材11は、板状固定部12と、板状固定部12に延設された本体水平板部15と、本体水平板部15に延設された本体立上り板部19と、本体立上り板部19の上方に設けられた端子連設部21と、本体立上り板部19における端子連設部21の近傍でクランク状に折り曲げ形成されたクランク状折り曲げ部28と、本体水平板部15の左右側縁に連設されて上方に突出した連結片16とが一体形成されている。
【0021】
板状固定部12には、ボルト挿通孔13が形成されている。板状固定部12は、ボルト挿通孔13へ挿通させたスタッドボルト71をナット73で車両のアース部位であるボディ100に締結することでボディ100にねじ止め固定される。これにより、アース端子部材11は、ボディ100に接地される。板状固定部12の一部には、回り止め片14が形成されている。回り止め片14は、板状固定部12をねじ止め固定する接地面の周囲の段差や孔部に係合することで、接地面に対する板状固定部12の回動を規制する。
【0022】
板状固定部12の前方に延設された本体水平板部15の左右側縁には、上方に折り曲げ形成された一対の連結片16が連設されている。連結片16には、連結片16を覆うハウジング31の樹脂部38との連結強度を高めるための係止部である貫通孔18が形成されている。
【0023】
本体立上り板部19は、本体水平板部15に対して折り曲げ部20で立上り方向に90°に折り曲げ形成されている。なお、折り曲げ部20の折り曲げ角度は、90°に限るものではなく、板状固定部12をねじ止め固定する接地面の周囲の形状や相手側コネクタ51の嵌合方向に応じて適宜変更することができる。
更に、折り曲げ部20には、本体水平板部15と本体立上り板部19に渡って打ち出し部27が設けられている。
【0024】
端子連設部21の左右両端部には、折り返し板部22がそれぞれ連設されており、前方へ折り返された折り返し板部22が端子連設部21に重ね合わされた状態となっている。
折り返し板部22には、ダボ出し加工により端子連設部21側に突出するダボ25が形成されている。そして、折り返し板部22は、端子連設部21に形成した穴24にダボ25を嵌め込むことで、端子連設部21に対するズレが規制される。
【0025】
そして、折り返し板部22の上下縁部からは、複数の端子接続部26が同一方向へ向けて突出されている。そして、アース端子部材11では、本体立上り板部19に対して、その面と直交する前方へ突出する複数の端子接続部26が上下2段に配列されている。
【0026】
図3及び
図4に示すように、アース端子部材11がインサート成形されるハウジング31は、相手側ハウジング52の相手側嵌合部53が嵌合される嵌合凹部33及びロック部39を備えたハウジング本体部32と、一対の補強リブ部35とが一体成形される。
【0027】
即ち、ハウジング本体部32には、複数の端子接続部26を嵌合凹部33の内部に突出させた状態で本体立上り板部19及び端子連設部21がインサート成形される。また、一対の補強リブ部35は、連結片16を覆う樹脂部38と端子連設部21を覆う樹脂部36とをそれぞれ連結するようにハウジング本体部32に一体成形される。連結片16を覆う樹脂部38は、連結片16の貫通孔18内に流入し固化することで、連結片16との連結強度が高められている。
【0028】
次に、ジョイントコネクタ1に相手側コネクタ51を嵌合する場合について説明する。
図7は、車両のボディ100にねじ止め固定されたジョイントコネクタ1及び相手側コネクタ51の縦断面図である。
【0029】
車両のボディ100にねじ止め固定されたジョイントコネクタ1に相手側コネクタ51を嵌合すべく、ジョイントコネクタ1のハウジング31の先端に相手側コネクタ51の相手側ハウジング52の先端を向けて近接させる。そして、ハウジング31の嵌合凹部33に、相手側ハウジング52の相手側嵌合部53を挿し込む。
【0030】
すると、
図7に示すように、ジョイントコネクタ1のアース端子部材11に形成された端子接続部26が、相手側ハウジング52の端子収容室55に収容された相手側端子63に導通接続され、電線62がアース端子部材11に導通される。また、各電線62同士もアース端子部材11を介して互いに導通される。また、この状態で、ロックアーム57がロック部39を係止し、ハウジング31と相手側ハウジング52とが嵌合された状態にロックされる。
【0031】
従って、上述した本実施形態に係るジョイントコネクタ1によれば、アース端子部材11における連結片16と端子連設部21とは、ハウジング31にインサート成形されることで、連結片16を覆う樹脂部38と端子連設部21を覆う樹脂部36とが補強リブ部35によって連結された状態となる。即ち、本体水平板部15と本体立上り板部19とは、補強リブ部35によって方杖のような斜め補強が入った状態となる。
【0032】
そこで、ジョイントコネクタ1は、アース端子部材11の折り曲げ部20を支点として揺れようとしても、補強リブ部35によって本体水平板部15と本体立上り板部19とのなす角度が保持され、揺れることが規制される。そのため、アース端子部材11の折り曲げ部20では、弾性的な変形が繰り返し起こらない。
従って、車両の走行時等の振動により、ジョイントコネクタ1に振動が加わっても、アース端子部材11の折り曲げ部20に生じる変形や破損を防止することができる。
【0033】
更に、本実施形態のジョイントコネクタ1によれば、連結片16に設けた貫通孔18によって、連結片16を覆う樹脂部38との連結強度が高められる。そこで、ジョイントコネクタ1に加わる振動等によって、補強リブ部35が連結片16から外れてしまうのを防止することができる。
なお、本発明の係止部は、貫通孔18に限らず、本発明の趣旨に基づき切欠きや曲げ突起等の種々の形態を採り得る。
【0034】
更に、本実施形態のジョイントコネクタ1によれば、折り曲げ部20には、本体水平板部15と本体立上り板部19に渡って打ち出し部27が設けられている。そこで、ジョイントコネクタ1が運搬等で取り扱われる際、アース端子部材11に外力が加わっても、折り曲げ部20の変形が抑制され、本体水平板部15と本体立上り板部19とのなす角度が維持される。
【0035】
また、本実施形態のジョイントコネクタ1によれば、ハウジング31は、相手側端子63がそれぞれ収容される複数の端子収容室55を有した相手側ハウジング52の相手側嵌合部53が嵌合される嵌合凹部33をハウジング本体部32に備え、複数の端子接続部26は、嵌合凹部33の内部に突出している。そこで、車両のボディ100にジョイントコネクタ1をねじ止め固定し、ハウジング本体部32の嵌合凹部33に相手側ハウジング52の相手側嵌合部53を嵌合することで、アース端子部材11の複数の端子接続部26を介して、相手側端子63に電気的に接続された複数本の電線62を一括して車両のボディ100にアース接続することができる。
【0036】
従って、本実施形態のジョイントコネクタ1によれば、アース端子部材11の折り曲げ部20に生じる変形や破損を防止することができる。
【0037】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0038】
上記実施形態のハウジング31は、相手側端子63がそれぞれ複数の端子収容室55に収容された相手側ハウジング52の相手側嵌合部53が嵌合される嵌合凹部33をハウジング本体部32に備えている。そして、嵌合凹部33の内部に突出する複数の端子接続部26が相手側ハウジング52の相手側端子63に電気的に接続されるように構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ハウジングが、相手側端子63を保持するランス部やリテーナ等の端子保持機構をハウジング本体部に有し、複数の端子接続部が、端子保持機構に保持された相手側端子に電気的に接続されるように構成することもできる。
【0039】
ここで、上述した本発明に係るジョイントコネクタの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両のアース部位(ボディ100)にねじ止め固定される板状固定部(12)と、前記板状固定部(12)に延設された本体水平板部(15)と、前記本体水平板部(15)に対して折り曲げ部(20)で立上り方向に折り曲げ形成された本体立上り板部(19)と、前記本体立上り板部(19)の上方に設けられて相手側端子(63)が電気的に接続される複数の端子接続部(26)が形成された端子連設部(21)と、前記本体水平板部(15)に連設された連結片(16)とが一体形成された導電金属製のアース端子部材(11)と、
前記相手側端子(63)を接続するため前記複数の端子接続部(26)を突出させた状態で前記本体立上り板部(19)及び前記端子連設部(21)がインサート成形されたハウジング本体部(32)と、前記連結片(16)を覆う樹脂部(38)と前記端子連設部(21)を覆う樹脂部(36)とを連結するように設けられた補強リブ部(35)とが一体成形された絶縁樹脂製のハウジング(31)と、
を備えたジョイントコネクタ(1)。
【0040】
上記[1]の構成のジョイントコネクタ(1)によれば、アース端子部材(11)における連結片(16)と端子連設部(21)とは、ハウジング(31)にインサート成形されることで、連結片(16)を覆う樹脂部(38)と端子連設部(21)を覆う樹脂部(36)とが補強リブ部(35)によって連結された状態となる。即ち、本体水平板部(15)と本体立上り板部(19)とは、補強リブ部(35)によって方杖のような斜め補強が入った状態となる。
そこで、ジョイントコネクタ(1)は、アース端子部材(11)の折り曲げ部(20)を支点として揺れようとしても、補強リブ部(35)によって本体水平板部(15)と本体立上り板部(19)とのなす角度が保持され、揺れることが規制される。そのため、アース端子部材(11)の折り曲げ部(20)では、弾性的な変形が繰り返し起こらない。
従って、車両の走行時等の振動により、ジョイントコネクタ(1)に振動が加わっても、アース端子部材(11)の折り曲げ部(20)に生じる変形や破損を防止することができる。
【0041】
[2] 前記連結片(16)が、前記連結片(16)を覆う樹脂部(38)との連結強度を高めるための係止部(貫通孔18)を有する、
上記[1]に記載されたジョイントコネクタ(1)。
【0042】
上記[2]の構成のジョイントコネクタ(1)によれば、連結片(16)に設けた係止部(貫通孔18)によって、連結片(16)を覆う樹脂部(38)との連結強度が高められる。そこで、ジョイントコネクタ(1)に加わる振動等によって、補強リブ部(35)が連結片(16)から外れてしまうのを防止することができる。
【0043】
[3] 前記折り曲げ部(20)には、前記本体水平板部(15)と前記本体立上り板部(19)に渡って打ち出し部(27)が設けられている、
上記[2]に記載されたジョイントコネクタ(1)。
【0044】
上記[3]の構成のジョイントコネクタ(1)によれば、ジョイントコネクタ(1)が運搬等で取り扱われる際、アース端子部材(11)に外力が加わっても、折り曲げ部(20)の変形が抑制され、本体水平板部(15)と本体立上り板部(19)とのなす角度が維持される。
【0045】
[4] 前記ハウジング(31)は、前記相手側端子(63)がそれぞれ収容される複数の端子収容室(55)を有した相手側ハウジング(52)の相手側嵌合部(53)が嵌合される嵌合凹部(33)を前記ハウジング本体部(32)に備え、
前記複数の端子接続部(26)は、前記嵌合凹部(33)の内部に突出している、
上記[1]~[3]の何れか1つに記載されたジョイントコネクタ(1)。
【0046】
上記[4]の構成のジョイントコネクタ(1)によれば、車両のアース部位(ボディ100)にジョイントコネクタ(1)をねじ止め固定し、ハウジング本体部(32)の嵌合凹部(33)に相手側ハウジング(52)の相手側嵌合部(53)を嵌合することで、アース端子部材(11)の複数の端子接続部(26)を介して、相手側端子(63)に電気的に接続された複数本の電線(62)を一括して車両のアース部位(ボディ100)にアース接続することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…ジョイントコネクタ
11…アース端子部材
12…板状固定部
15…本体水平板部
16…連結片
19…本体立上り板部
20…折り曲げ部
21…端子連設部
26…端子接続部
31…ハウジング
32…ハウジング本体部
35…補強リブ部
36…樹脂部
38…樹脂部
63…相手側端子