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特許7509838レーザ砕石術治療領域に近接する液体媒体状態のリアルタイムでの監視
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】レーザ砕石術治療領域に近接する液体媒体状態のリアルタイムでの監視
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/22 20060101AFI20240625BHJP
   A61B 17/22 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A61B18/22
A61B17/22
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022148348
(22)【出願日】2022-09-16
(65)【公開番号】P2023044675
(43)【公開日】2023-03-30
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】63/261,316
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴラディミール・ポレヤエフ
(72)【発明者】
【氏名】カート・ジー・シェルトン
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特公平05-025495(JP,B2)
【文献】特表2016-538026(JP,A)
【文献】国際公開第2020/174686(WO,A1)
【文献】特表2009-533076(JP,A)
【文献】国際公開第2019/026347(WO,A1)
【文献】特開2009-213589(JP,A)
【文献】米国特許第09970955(US,B1)
【文献】特開2020-163037(JP,A)
【文献】国際公開第2017/141524(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0251502(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/22
A61B 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用レーザと、
レーザ光を標的領域へと送達し、第1の時間に前記標的領域から反射したレーザ光の少なくとも一部分を受け入れるために前記外科用レーザに結合される外科用ファイバと、
前記反射レーザ光の前記受け入れられた少なくとも一部分を分析し、および
前記反射レーザ光の前記分析に少なくとも部分的に基づいて、前記標的領域に近接する液体媒体の第1の時間における状態を示すパラメータの第1の値を決定する、
ように構成される処理装置と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記処理装置は、前記パラメータの前記第1の値が、上閾値を上回る、下閾値を下回る、第1の範囲内にある、または第2の範囲を超える、のうちの少なくとも1つであるという決定に応答して、緩和を適用させるようにさらに動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記外科用ファイバに連結され、前記外科用ファイバの少なくとも一部分の場所を調整するように構成される外科用ファイバアクチュエータであって、前記緩和は、前記外科用ファイバアクチュエータに、前記外科用ファイバの前記少なくとも一部分の場所を、前記標的領域に対して調整させることを含む、外科用ファイバアクチュエータをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記緩和は、前記外科用レーザから放出される前記レーザ光の強度、デューティサイクル、またはパルス幅のうちの少なくとも1つにおける変化を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記緩和は、(i)洗浄液を流体供給源から前記標的領域へと放出させることである、または、(ii)前記洗浄液の流速を調整することである、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理装置は、
前記第1の時間と異なる第2の時間に光スプリッタによって集められた反射レーザ光の少なくとも一部分を分析するように、
前記第2の時間に前記光スプリッタによって集められた前記反射レーザ光の前記分析に少なくとも部分的に基づいて、前記パラメータの第2の値を決定するように、
前記パラメータの前記第2の値を、前記パラメータの前記第1の値、前記上閾値、前記下閾値、前記第1の範囲、または前記第2の範囲のうちの少なくとも1つと比較するように、
前記比較に少なくとも部分的に基づいて、前記パラメータの値における変化を決定するように、および、
前記パラメータの値における前記変化が閾量を超えることの決定に応答して、緩和を適用させるように、
さらに構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記反射レーザ光の前記受け入れられた少なくとも一部分を分析することは、
前記反射レーザ光の前記受け入れられた少なくとも一部分を、時間領域信号から周波数領域信号へと計算によって変換することと、
時間の期間にわたって、前記周波数領域信号における変化を決定することと、
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記変化は、前記周波数領域信号と関連付けられる振幅またはパターンの少なくとも一方にある、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記周波数領域信号は、前記標的領域に近接する前記媒体と関連付けられる前記パラメータに対応し、前記周波数領域信号における前記変化は、前記パラメータの値における前記変化を表す、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記反射レーザ光の集められた少なくとも一部分を分析することは、
機械学習モデルを用いて、前記周波数領域信号におけるスペクトルパターンと、前記標的領域に近接する前記媒体の状態と、の間の相関を決定することをさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記パラメータは、前記媒体における温度、圧力、または泡の量のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記外科用ファイバは、前記標的領域についての撮像情報を得るための外科用スコープに結合するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記標的領域は、腎臓結石または身体組織の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記外科用レーザはマルチモードレーザを備え、前記外科用ファイバはマルチモード光ファイバを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記反射レーザ光の集められた少なくとも一部分を分析することは、
前記外科用ファイバの前記少なくとも一部分を通過する前記反射レーザ光におけるレーザ光スペックルの量を検出すること、および/または、
前記外科用ファイバの前記少なくとも一部分を通過する前記反射レーザ光における前記レーザ光スペックルの移動を検出すること、
を含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月17日に出願された米国仮特許出願第63/261,316号への優先権の便益を主張し、その特許出願の内容は、その全体において、本明細書で参照により組み込まれている。
【0002】
本開示は、レーザ砕石術治療領域に近接する液体媒体状態を監視するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
砕石術処置などのスコープ(例えば、内視鏡または尿管鏡など)を利用する医療処置の間、懐死組織片、血液、または他の液体媒体を含み得るファイバまたはスコープの先端間の空間がある。治療領域/処置の領域における液体の特性は、処置が進むにつれて非常に素早く変化する可能性がある。腎臓結石などの標的へのエネルギー送達の結果として、温度、圧力、または蒸気泡の量などの液体媒体における状態が、処置が進むにつれて非常に素早く(例えば、約1ms以内に)変化する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザ光またはレーザ放射(例えば、組織焼灼処置、腎臓結石の焼灼または除去など)を採用、使用、または利用する砕石術または他の同様の処置などの内視鏡処置の間、処置の領域においての液体媒体における状態が非常に素早く変化する可能性がある。例えば、液体媒体の温度は、レーザ放射が治療領域に送達され、液体によって吸収されるときに増加する可能性がある。これは、液体を、過度に高い(例えば、43℃を上回る)温度に到達させる可能性があり、これは、人または動物の組織にとって危険であり得る。例えば、身体における温度が43℃に到達するとき、組織壊死が起こり得る。同様に、洗浄液が懐死組織片を除去するために導入されるとき、スコープの遠位端におけるカメラによって、外科医は標的をよりはっきりと見ることができ、臓器の内部(例えば、腎臓の内部)の圧力が、望ましくない高さまたは危険な高さまで上昇する可能性がある。さらに、スコープを通じての流体の戻りが詰まることになる場合、洗浄剤(例えば、生理食塩水など)が、適切に機能する出口通路なしでなおも導入され得るため、臓器の内部の圧力が増加する可能性がある。
【0005】
治療領域における温度または圧力が許容不可能な高さまたはさもなければ危険な高さまで増加するときに起こり得る組織または臓器への損傷に加えて、焼灼の効率が減少させられ得る。例えば、懐死組織片および血液は、スコープの先端に集まる、または凝集する可能性があり、特に、高い局所的な温度と組み合わされるとき、スコープの先端の汚染を引き起こす可能性があり、これは、より少ないレーザ光/放射しか意図されている標的に到達できないため、全体の焼灼効率を低下させる可能性がある。そのため、内視鏡の遠位端に近接する温度または圧力における変化などの問題に対処するために、内視鏡治療または診断部位に近接する媒体の状態をリアルタイムで監視する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
砕石術または他のレーザ処置の間に、温度および圧力などの液体媒体の状態を監視するための1つの方法は、反射レーザ光の強度の変調を分析することである。レーザ光は、スコープ先端と標的の石または組織との間の領域を埋める媒体の現在および変化する状況/状態を決定するために使用できる「スペックル場」または「コースティクス場」を作り出す光スペックルとして反射できる。例えば、反射したレーザスペックルまたは光コースティクスの変化する強度が、温度、圧力、および洗浄流れの問題など、媒体に影響を与える因子を推測するために監視され得る。温度、圧力、および洗浄流れなどの因子を推測することができる1つの利点は、システムが、温度または圧力のセンサを備える必要がなく、このようなセンサが必要とする追加のリソース(例えば、電力)を使用する必要がないことである。また、温度および圧力などのパラメータにおける変化を決定するためにスペックル場を使用することで、システムは、変化する状態により効率的に適合し、変化する状態をより効率的に緩和することができる。
【0007】
液体媒体の状態を監視するための例のシステムは、外科用レーザと、外科用レーザに連結されるように構成される外科用ファイバと、外科用ファイバの遠位端などにおいて外科用ファイバに連結されるように構成される外科用スコープ(例えば、内視鏡など)と、を備え得る。外科用ファイバは光ファイバを備え得る。外科用レーザは、光ファイバおよび外科用ファイバを通じて、レーザ光などのレーザ放射を放出するように構成される焼灼レーザを備え得る。身体における組織または身体における臓器を焼灼するために使用される焼灼レーザに加えて、外科用レーザは、外科医が外科領域または治療領域をより良好に視認することができるように、視認可能なレーザ光を放出するように構成されるレーザを備えてもよい。外科用レーザシステムは、腎臓結石または組織片などの標的から反射され、スコープに向けて戻すように反射されるレーザ光の少なくとも一部分を集めるように構成される光スプリッタも備え得る。追加または代替で、反射レーザ光は、外科用レーザに取り付けられた専用ファイバを用いて集められ得る。
【0008】
外科用レーザは、第1の時間に光スプリッタによって集められた反射レーザ光の少なくとも一部分を分析し、第1の時間に集められた反射レーザ光の分析に基づいて、液体媒体と関連付けられるパラメータ(例えば、温度、圧力、泡の量/数など)についての第1の値を決定することできる処理装置も備え得る。処理装置は、第1の値が、第1の所定の閾値を上回る、第2の所定の閾値を下回る、具体的な範囲内にある、または所定の範囲を超える、のいずれかであるかをさらに決定することができ、その決定に基づいて、緩和を適用することができる。追加または代替で、処理装置は、パラメータについての第2の値を決定するために、第2の時間に集められた反射レーザ光の少なくとも一部分を分析することができる。パラメータの第2の値は、所定の閾値、範囲、および/または第1の値と比較でき、その比較に基づいて(例えば、パラメータが望ましくない量で変化したことを比較が明らかにした場合)、緩和を適用することができる。
【0009】
必ずしも一定の縮尺でない図面において、同様の符号は、異なる図において同様の構成要素を表している可能性がある。異なる添え字を有する同様の符号は、同様の構成要素の異なる例を表し得る。図面は、限定によってではなく、例として、本文書において検討されている様々な実施形態を概して示している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】レーザ治療領域に近接する液体媒体状態を監視するための例のシステムの図である。
図2】ファイバおよびスコープの先端における反射レーザ光スペックル/光コースティクスの例を示す図である。
図3】スコープの先端と標的との間の媒体における反射レーザ光の例を示す図である。
図4A】反射レーザ光からの検出信号の例の図である。
図4B】周波数領域へと変換された検出信号の図である。
図4C】時間に対する周波数基準の図である。
図5】レーザ砕石術治療領域に近接する液体媒体状態を監視するための例の方法の図である。
図6】レーザ砕石術治療領域に近接する液体媒体状態を監視するための例の方法の図である。
図7】本明細書における技術のいずれかの1つまたは複数が実施することができる機械のブロック図の例である。
図8】コンピュータに基づく決定支援システム(CDSS: Computer-based Decision Support System)の例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
砕石術、または腹腔鏡検査などの内視鏡医療処置の間、処置の領域における液体媒体の特性は、非常に素早く変化する可能性がある。例えば、媒体の状態は、温度、圧力、または標的(例えば、腎臓結石または焼灼される組織片)へのエネルギー送達から生じる蒸気泡の量などにおいて、変化する可能性がある。液体媒体状態におけるこのような変化は、焼灼をより効率悪くさせるなど、処置の効率を抑制または低下させ得るだけでなく、患者にとって有害であり得る。例えば、治療部位における温度が高すぎる場合、焼灼されている組織、または、治療部位の近くの組織が、損傷させられる可能性がある。同様に、身体の内部、または、腎臓などの臓器の内部の圧力は、処置の間に増加し得る。例えば、懐死組織片を除去するためにスコープを介して洗浄液を導入することは、過度な圧力を、関連付けられる臓器へ与える可能性がある。同様に、洗浄戻し通路が詰まることになる可能性があり、これは、身体における圧力を増加させる他に、内視鏡の視認の混濁または不明瞭などをもたらし、処置と干渉する可能性がある。さらに、懐死組織片および血液が、特に高温において内視鏡先端の近くに集まる可能性があり、これは、スコープの先端を汚染し、焼灼の効率を減少させる可能性がある。
【0012】
したがって、内視鏡の治療または診断の部位に近接する液体媒体の状態をリアルタイムで監視する必要性がある。開示されているシステムおよび方法は、治療領域(例えば、内視鏡先端と標的との間の領域)に近接する液体媒体をリアルタイムで監視し、液体媒体の状態の分析に基づいて、処置、患者、またはそれら両方に問題または危険をもたらす特性を修正または軽減するなどのために、リアルタイムでの適切な緩和を自動的に適用するための解決策を提供する。
【0013】
図1は、レーザ治療領域に近接する液体媒体状態を監視するための例のシステム100を示している。システム100は外科用レーザ102を備え得る。システムはグラフィカルユーザインターフェース104を任意選択で備えてもよく、グラフィカルユーザインターフェース104は、外科用レーザ102を動作または制御させるなどをするように構成されるタッチスクリーンまたは他の入力機構を備え得る。(点線の四角形によって示されているような)外科用レーザ102の内部に含まれるのは、レーザ放射を放出するように構成される1つまたは複数のレーザ源であり得る。レーザ源は、焼灼レーザ106および/またはプローブレーザ108を備え得る。焼灼レーザ106は赤外線放射を放出することができる一方で、プローブレーザ108は、スコープの先端(延いては、焼灼レーザ106からの焼灼エネルギー)が狙う場所を示すために可視光を放出することができる、または、標的126を照らすために使用され得る。標的126は、焼灼されることになる組織片、懐死組織片、または、腎臓結石などの物体であり得る。したがって、放出レーザ放射/光128は、互いから独立して、または、互いと併せて、焼灼レーザ106またはプローブレーザ108から放出でき、これは、外科用レーザから放出される放出レーザ放射/光128が、視認可能、視認不可能、または両方(例えば、赤外線と可視光との組み合わせ)とできることを意味する。
【0014】
レーザ源106、108からの放出レーザ放射/光128は、光学連結器120を介して外科用ファイバ118に連結される光ファイバ116を通じて放出され得る。例では、外科用ファイバ118の構造は、光ファイバ116の構造と同じであり得る、または異なり得る。外科用ファイバ118は、外科用レーザ102の外部に全体的にまたは部分的に配置され得る。したがって、放出レーザ放射/光128は、レーザ源106、108から、光ファイバ116、光学連結器120、および外科用ファイバ118を通じて、内視鏡または尿管鏡などのスコープ124が取り付けられ得る外科用ファイバ118の遠位端へと放出され得る。例では、レーザ源106、108はシングルモードレーザまたはマルチモードレーザなどとでき、光ファイバ116はシングルモードファイバまたはマルチモードファイバなどとできる。シングルモードのレーザおよびファイバは平行レーザスポットを送ることができ、マルチモードのレーザおよびファイバは、「点滅」する画素と似た無数のスポットまたはより小さいスポットを生成し、レーザ光の拡散反射において典型的には起こる(後で図2に描写されているような)スペックル場またはスペックルパターンを生成することができる。例では、外科用ファイバ118およびスコープ124の遠位端から放出される放出レーザ放射/光128の少なくとも一部分が、スコープ124の先端と標的126との間の媒体を通じて、標的126から反射され、スペックルパターンをもたらし得る。
【0015】
図1に戻って、外科用レーザ102は、外科用ファイバ118の開口を通過する反射レーザ光130の少なくとも一部分を集めるように構成される光スプリッタ110をさらに備えることができ、集められたレーザ光は、結果的に生じるスペックル場を形成することができる。例では、光スプリッタ110は、反射レーザ光130の少なくとも一部分を集めるように構成された専用ファイバで置き換えることができる。例では、光スプリッタ110または専用ファイバによって集められた反射レーザ光130の一部分は、外科用レーザ102と連結している処理装置112へと送ることができる。処理装置112は、光スプリッタ110によって集められた反射レーザ光130の一部分を分析することができ、反射レーザ光130の分析に基づいて、パラメータについての第1の値を決定することができる。例では、パラメータは、温度の値もしくは範囲、圧力の値もしくは範囲、液体媒体における泡の量/数、または、観察、監視、もしくは追跡などされるように望まれる任意の他の同様のパラメータであり得る。例では、複数のパラメータは時間で監視でき、どのパラメータが監視されるかは、実施される処置に応じて変化してもよい。
【0016】
外科用レーザ102は、処理装置112に通信可能に繋がれる制御装置114を任意選択または追加で備え得る。パラメータについての第1の値が、上閾値を上回る、下閾値を下回る、ある範囲内にある、またはある範囲を超える、のうちの少なくとも1つであるという決定に応答して、処理装置は、緩和を適用させるようにさらに動作可能であり得る。緩和は、制御装置114によって、外科用ファイバ118に連結されるように構成された外科用ファイバアクチュエータ122に、外科用ファイバ118の少なくとも一部分の場所を調整させることを含み得る。例えば、外科用ファイバアクチュエータ122は、スコープ124に連結された外科用ファイバ118の一部分など、外科用ファイバ118にその場所を変更させることができる(例えば、標的に近づける、または、標的から遠ざけるように、移動させることができる)。例では、緩和は、放出レーザ放射/光128の強度における変化(例えば、停止、減少、または低下など)、もしくは、レーザ光の他のパラメータにおける変化(例えば、デューティサイクルまたはパルス幅など)を引き起こすことを含み得る、または、緩和は生理食塩水などの洗浄液をスコープ124から放出させることであり得る。例では、緩和は、スコープ124から放出される洗浄液の流速を変更することであり得る。これらの緩和技術または任意の他の適切な緩和技術のうちのいずれかが、望まれるように、または適切とされるように、独立して適用され得る、または、互いと併せて適用され得ることは、理解されている。例では、処理装置112は、1つまたは複数の適切な緩和技術を自動的に選択して適用させるように構成され得る。反射レーザ光130の分析およびパラメータの決定された値に基づいて、適切な緩和を自動的に選択して適用させるように処理装置を構成することで、システムは、人が反応できるよりも素早く処理装置が緩和を適用させることができるため、焼灼の効率を増加させることができる。
【0017】
スペックル場
レーザ放射/光が、内視鏡または他の同様のスコープが取り付けられ得る遠位端などの外科用ファイバの先端部分から放出され、標的126から反射されるとき、移動する光スペックルのスペックル場が、ファイバ/スコープの先端と、腎臓結石または組織片などの標的との間の液体媒体に生成され得る(液体媒体が均一でないため)。光スペックルの一部分が、光スプリッタによって集められるように、ファイバまたはスコープの先端に向けてファイバの開口へと戻るように反射され得る。外科用ファイバは、光の反射したスペックルに対する「ピンホール」として機能でき、そのため、光/スペックルのすべてがファイバへと戻るように反射されるわけではない。反射したスペックル場は、液体媒体と関連付けられる温度または圧力など、パラメータについての値を決定するために、監視され得る(例えば、光スペックルがどのように移動するか、またはさもなければどのように状況を変化させるかを観察する)。
【0018】
図2は、ファイバおよびスコープの先端における反射レーザ光スペックル/光コースティクスの例を示している。図2の特定の例では、レーザ放射/レーザが、スコープ124が連結される外科用ファイバ118の開口200を通じてなど、外科用ファイバの先端部分から放出された後、複数のレーザスペックル202を含むスペックル場が、放出レーザ放射/光128が標的126から反射されるときに生成され得る。スペックル202が、例えば液体媒体における変化のため、(矢印によって示されているように)移動することができ、それによって、スペックル202を、点滅、明滅、揺らめき、ちらつき、きらめき、閃光、または揺れなどで現わせることができる。標的126から反射した反射レーザ光130によって生成される反射スペックル202の少なくとも一部分が、スコープ124と標的126との間の液体媒体を通じて戻るように反射され、光スプリッタ110によって捕らえられる外科用ファイバ118の開口200を通じて戻るように進むことができる。例では、外科用ファイバ118の開口200は、直径において150マイクロメートル(μm)から1ミリメートル(mm)との間にあり得る。開口200の直径が、実施される医療処置または外科処置、使用されるスコープ、または、外科用ファイバ118の直径が依存する任意の他の因子に応じて、任意の適切な大きさのものであり得ることは、理解されている。
【0019】
ファイバへと戻るように(および、光スプリッタ110に向けて)反射される光の量は、外科用ファイバ118の開口200の大きさ、液体媒体の種類、または液体媒体に存在する状態など、様々な因子に依存し得る。様々な実施形態において、スペックル202の一部は、光スプリッタ110によって集められ、処理装置112によって分析され得る。
【0020】
図3は、スコープの先端と標的との間の媒体における反射レーザ光の例を示している。図3の例では、レーザ放射/光128は、外科用ファイバ118を通じて伝播、通過、または伝搬などすることができ、外科用ファイバ118の先端(例えば、遠位の端/部分)、または(下方の矢印によって示されているような)スコープ124の先端を通じて放出され、液体媒体を通じて標的126に向けて伝播することができる。放出レーザ放射/光128は、反射レーザ光130の形態において、標的126から反射することができ、先に記載されているように、スペックル202にスペックル場を形成させる。例では、外科用ファイバ118は、制限された光開口として使用され得る。スペックル202は、例えば、レーザ放射/光の適用の結果としての液体媒体の状態における変化のため、媒体において常に移動しており、スペックル202の大きさ、および/または、スペックル202同士の間の空間/距離が変化することができ、これはさらに、反射レーザ光130の強度に変化をもたらし得る。反射レーザ光130の強度におけるこの変化は、(図3において「波状の」矢印によって示されているような)媒体の屈折率の変調に対応することができる。媒体の屈折率の変調は、温度、圧力、または泡の数/量など、監視される液体媒体と関連付けられるパラメータにおける変化に対応することができる。パラメータにおける変化に基づいて、緩和が、図1について先に検討されているように適用され得る。
【0021】
スペックル場の分析
マルチモードレーザおよび光ファイバは、同相で空間的に変調されるレーザ放射を生成する。位相変調はレーザ光強度変化へと変換でき、レーザ光強度変化は、先に記載されているスペックル場である。スペックル場/光強度変化は変動し、時間に伴って変化する複雑な曲線を形成する。この曲線が高速(例えば、10キロヘンリ(KH)から100KHの間)で監視される場合、曲線は時間に対して記録/グラフ化でき、リアルタイムで、処理装置は、光強度における統計的な変化を監視および分析することを可能にする統計的分析(例えば、フーリエ変換)の形態を適用することができる。これは、媒体における状態(例えば、温度または圧力など)を、温度または圧力などを直接的に測定することなく推測させることができる。
【0022】
図4A図4Cは、反射レーザ光からの検出信号の例と、周波数領域へと変換された検出信号と、時間に対する周波数基準とを示している。図4Aは、標的126から媒体を通じて外科用ファイバ118へ戻るように反射され、光スプリッタ110によって集められたスペックル202のリアルタイムで検出された信号400Aを示している。リアルタイムで検出された信号400Aは、時間に伴っての開口200における比例反射レーザ光の振幅を表している。リアルタイムで検出された信号400Aは、図4Bに示されているような周波数領域へと変換できる。周波数の振幅が表された信号400Bは、ωなどの単一の周波数を表すことができる、または、ω、ω、およびωなどの複数の周波数へと別れることができる。例では、周波数の各々および/または周波数の組み合わせは、温度、圧力、または泡の量など、液体媒体に存在する異なるパラメータ/特性を表すことができる。さらに、周波数のうちの1つにおける変化(Δωbによって示されるものなど)、またはその変化の組み合わせは、時間に伴っての液体媒体に存在するパラメータ/特性における変化、または、時間に伴っての液体媒体の状態における変化を表すことができる。例えば、図4Cは、時間に伴う周波数における監視された変化400Cを描写している。ある実施形態では、変化が、上閾値を(例えば、50%超で、80%超で、または、ある実施形態では100%超で)上回るときか、変化が下閾値を(例えば、50%超で、30%超で、または、ある実施形態では10%超で)下回るときか、または、ある値の範囲内にあるときなど、緩和が適用され得る。例えば、時間に伴う周波数における変化400Cは、液体媒体における温度の変化を指し示す可能性がある。時間に伴う周波数における変化400Cが上閾値を上回って上昇するとき、これは、液体媒体における温度においての望ましくない上昇(例えば、組織への臨床上の損傷を引き起こす温度までの上昇)を表す可能性があり、放出レーザ放射/光128の強度における変化(例えば、停止、減少、または低下など)を引き起こすなどの緩和が適用され得る。追加または代替で、緩和は、液体媒体の温度を低下または減少させるなどをするために、生理食塩水などの洗浄液をスコープ124から放出させることができる。同様に、上閾値を上回って上昇する時間に伴う周波数における変化400Cは、液体媒体における圧力の望ましくない上昇を指し示す可能性があり、適切な緩和が適用され得る。
【0023】
例では、表示部が、スペックルパターンを表示するために、スコープ124と関連付けまたは連結などされ得る。スペックルパターンの移動を追跡することで(例えば、スペックルパターンの表示された動画に基づいて)、液体媒体の状態における変化が決定され得る。追加または代替で、スペックルパターンの移動は、媒体の状態における変化を決定するために、スペックルパターンの強度の情報と組み合わされ得る。
【0024】
例では、教師ありと教師なしとの両方での機械学習が、周波数領域における検出信号のスペクトルパターンと媒体の状態(または、状態における変化)との間の相関を決定するために使用され得る。続いて、媒体の状態が、学習された相関と、反射したスペックルの検出されたリアルタイムの強度とを適用することで、決定され得る。
【0025】
図5は、レーザ治療領域に近接する液体媒体状態を監視するための例の方法を示している。動作500において、方法は、レーザ放射を外科用レーザから放出することを含み得る。外科用レーザは、視認可能な放射/光を放出するプローブレーザ、または、視認不可能な放射を放出するための焼灼レーザを備え得る。例えば、レーザ放射は、焼灼、または組織を加熱することなどのために使用される赤外線または他の視認不可能なレーザ放射であり得る。別の言い方をすれば、外科用レーザは、少なくとも1つの焼灼レーザ、少なくとも1つのプローブレーザ、または各々の1つもしくは複数を備え得る。ある例では、外科用レーザは、独立して、または互いと併せて使用され得る複数のレーザ源を備え得る。ある例では、外科用レーザに含まれるレーザ源のうちの1つまたは複数は、位相において空間的に変調されたレーザ放射を生成するように構成されたマルチモードレーザであり得る。外科用レーザは、マルチモードレーザに連結されるとき、位相変調を光強度変化へと変換することで複数の小さいレーザスポットを生成することができる光ファイバをさらに備えることができ、これによって、標的(例えば、腎臓結石、胆石、または組織片など)から反射されるとき、スペックル場を生成することができる。例では、レーザ放射/レーザ光が、外科用レーザから、光ファイバと、光コネクタによって光ファイバに連結された外科用ファイバとを通じて放出され得る。例では、外科用ファイバは、外科用ファイバの遠位端において、内視鏡などのスコープを備え得る。レーザ放射は、焼灼される組織片、石、または、患者の身体の一部分における任意の他の同様の標的などの標的を狙うような方向において放出され得る。
【0026】
動作502は、第1の時間に反射レーザ光の少なくとも一部分を集めることを含み得る。レーザ放射/光が標的から反射されるとき、反射レーザ光/レーザ放射の少なくとも一部分が、外科用ファイバへと戻るように反射され、外科用ファイバを通じて外科用レーザに向けて戻る方向で伝播することができる。
【0027】
例では、反射レーザ光/レーザ放射の一部分は、外科用ファイバへと戻るように反射されるため、光スプリッタによって、または、外科用レーザの一部として(例えば、外科用レーザの筐体ユニットの中に)含まれる専用ファイバによって、集めることができる。例では、光スプリッタは、ファイバ光スプリッタ、または、反射レーザ光を集めるおよび/または方向付ける任意の他の手段であり得る。動作504は、第1の時間に集められた反射レーザ光の一部分を分析することを含み得る。分析は処理装置によって実施でき、処理装置は、チップにおける分析装置またはシステムの一部として、または、外科用レーザに取り付けられるかもしくは含まれる任意の他の処理ユニット/CPUの一部として、含まれ得る。例では、分析は、外科用ファイバへと戻すように反射され、光スプリッタによって集められるレーザスペックルの量を決定することを含み得る。例では、分析は、図4A図4Cについて先に検討されているように、フーリエ変換を複雑な曲線に適用し、周波数が表されている信号400Bを分析することなど、スペックル場/光強度の変動によって形成された複雑な曲線の分析であり得る。
【0028】
動作506は、パラメータについての第1の値を決定することを含み得る。例では、液体媒体の温度、液体媒体の中の圧力、または液体媒体における泡の数などのパラメータが、動作504において実施された反射レーザ光の分析から決定され得る。例えば、液体媒体の温度(例えば、36℃)、または液体媒体の圧力は、具体的な知られている周波数、または、周波数領域における具体的なスペクトルパターンを有し得る。周波数を表す信号を使用することで、処理装置は、パラメータについての値を決定することができる。例では、値は、明確とできる、または、おおよそと(例えば、範囲内と)でき、処置の種類、または処置の間の患者の応答などの因子に応じて、安全である、もしくは許容可能である、または、安全でない、許容不可能である、もしくは望ましくないなどと判断され得る。
【0029】
動作508は、パラメータについての第1の値が、上閾値を上回る、下閾値を下回る、または範囲内にあるのうちの少なくとも1つであるという決定に応答して、緩和を適用することを含み得る。例えば、周波数の値が、上閾値を上回る、下閾値を下回る、または望ましくない範囲内にあるパラメータの値を表すとき、処理装置は緩和を適用させることができる。例えば、周波数が、温度における望ましくない変化(例えば、7℃の温度増加)、もしくは、圧力における望ましくない変化(例えば、1000~3000パスカルの圧力増加)、または、外科用ファイバもしくはスコープの先端における物質の望ましくない集まりなどもたらす量で移り変わるとき、処理装置は、適切な緩和を自動的に適用させることができる。例では、処理装置は、焼灼レーザからの焼灼エネルギーを減少、低下、中断、遮断、もしくは停止させることなどができる、または、デューティサイクルもしくはパルス幅などを変更もしくは改変させることなどができる。代替で、処理装置は、外科用ファイバおよび/またはスコープに任意選択で取り付けられ得る位置アクチュエータを使用して、外科用ファイバまたはスコープの先端の場所を標的に対して再位置決め、移動、または変更などさせることができる。これは、処理装置が、媒体における変化する状態に、人よりも素早く反応することができるため、より効率的な処置を可能にすることができる。それによって、アクチュエータは、過剰な焼灼エネルギーが組織へと送達されていること、または、不十分な焼灼エネルギーしか組織へと送達されていないことなどが決定されるとすぐに、外科用ファイバおよび/またはスコープの先端を再位置決めすることができ、それに応じて反応することができる。
【0030】
図6は、レーザ治療領域に近接する液体媒体状態を監視するための例の方法を示している。動作600は、レーザ放射を外科用レーザから放出することを含み得る。動作602は、第1の時間に反射レーザ光の少なくとも一部分を集めることを含み得る。動作604は、第1の時間に集められた反射レーザ光の一部分を分析することを含み得る。動作606は、パラメータについての第1の値を決定することを含み得る。これらの動作600~606は、図5について先に検討されているような動作500~508と同じかまたは同様の手法で実施され得る。動作608は、第1の時間と異なる第2の時間に反射レーザ光の少なくとも一部分を集めることと、第2の時間に集められた反射レーザ光の少なくとも一部分を分析することとを含み得る。例では、システムは、10ミリ秒ごとなどの異なる時間間隔で、または、任意の他の所望の間隔もしくは適切な間隔で、スペックル場を監視することができる。例では、反射した光は、連続的に集められ、連続的に分析され得る。例では、反射した光は、外科用ファイバを通じて光スプリッタへと戻るように伝播されるとき、先に検討されているのと同じかまたは同様の手法で集められ得る。
【0031】
動作610は、パラメータについての第2の値を決定することを含み得る。例では、この決定は、動作608において第2の時間に集められたレーザ光の一部分の分析に基づいて行うことができ、動作506および606と同じかまたは同様の手法で行われ得る。動作612は、パラメータについての第1の値をパラメータの第2の値と比較することを含むことができ、動作614は、パラメータの値における変化を決定することを含むことができる。例では、パラメータの第2の値は、図5において先に記載されているような所定の閾値と比較され得る。先に説明されているように、液体媒体の温度(例えば、36℃)または液体媒体の圧力などのパラメータは、符号400Aで示されたものなどの検出器信号が符号400Bで示されたような周波数領域へと変換されるときに決定され得る具体的な知られている周波数、または、周波数領域における具体的なスペクトルパターンを有し得る。
【0032】
周波数は、より高い温度、または圧力における増加など、パラメータの値が変化するときに移り変わることができる。したがって、移り変わりは、パラメータにおける変化を示すことができる。動作616は、パラメータの値における変化が閾量を超えることの決定に応答して、緩和を適用することを含み得る。例えば、周波数が、温度における望ましくない変化(例えば、7℃の温度増加)、圧力における望ましくない変化(例えば、1000~3000パスカルの圧力増加)、または、外科用ファイバもしくはスコープの先端における物質の望ましくない集まりなどもたらす量で移り変わるとき、処理装置は、適切な緩和を自動的に適用させることができる。緩和は、制御装置114などの制御装置によって、外科用ファイバに連結されるように構成された外科用ファイバアクチュエータ122などの外科用ファイバアクチュエータに、外科用ファイバの少なくとも一部分の場所を調整させることを含み得る。例えば、外科用ファイバアクチュエータ122は、外科用ファイバの先端などの外科用ファイバの一部分、または、スコープ124などのスコープに連結された外科用ファイバの一部分に、その場所を変更させることができる(例えば、標的に近づけるように、移動させることができる)。例では、緩和は、放出されたレーザ放射/光の強度、デューティサイクル、またはパルス幅などにおける変更(例えば、停止、減少、または低下など)を引き起こすことを含み得る、または、緩和は、生理食塩水などの洗浄液をスコープ124から放出させる(または、洗浄液の流量を変更する)ことであり得る。これらの緩和技術または任意の他の適切な緩和技術のうちのいずれかが、望まれるように、または適切とされるように、独立して適用され得る、または、互いと併せて適用され得ることは、理解されている。例では、処理装置112は、ステップ606、610において決定されたパラメータの値に基づいて、1つまたは複数の適切な緩和技術を選択して自動的に適用するように構成され得る。反射レーザ光の分析およびパラメータの決定された値に基づいて、適切な緩和を自動的に選択して適用させるように処理装置を構成することで、処理装置が、人によって行われ得るよりも素早く、迅速に、または正確になどで緩和を適用させることができるため、システムは、増加した焼灼効率を提供することができる。
【0033】
図7は、本明細書における技術のいずれかの1つまたは複数が実施することができる機械のブロック図の例を示している。代替の実施形態では、機械700は、独立型のデバイスとして動作し得るまたは、他の機械に連結され得る(ネットワークで結ばれ得る)。例えば、機械700は、外科用レーザの一部もしくは構成要素、または、外科用レーザに動作可能に連結される構成要素などであり得る。機械700は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、制御システム、携帯電話、ウェブ機器、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、または、その機械によって取られる行為を明確にする(順次または他の)命令を実行することができる任意の機械であってもよい。さらに、単一の機械だけが示されているが、「機械」という用語は、本明細書において検討されている方法論のうちの任意の1つまたは複数を実施するために、命令のセット(または複数のセット)を個別または一体に実施する機械の任意の集まりを含むように解釈されるものである。
【0034】
例は、本明細書に記載されているように、論理回路か、いくつかの構成要素、モジュール、もしくは機構を含み得る、または、それらにおいて動作し得る。モジュールは、動作するときに特定の動作を実施することができる有形の実体(例えば、ハードウェア)である。モジュールはハードウェアを備える。例では、ハードウェアは、特定の動作を実行するように明示的に構成され得る(例えば、配線され得る)。例では、ハードウェアは、構成可能な実行ユニット(例えば、トランジスタ、回路など)と、命令を含むコンピュータ読取可能媒体とを含んでもよく、その場合、命令は、動作中に特定の動作を実行するように実行ユニットを構成する。構成は、実行のユニットまたは読み込み機構の指示の下で行われ得る。したがって、実行ユニットは、デバイスが動作しているとき、コンピュータ読取可能媒体に通信可能に繋がれる。この例では、実行ユニットは、2つ以上のモジュールの一員であり得る。例えば、動作中、実行ユニットは、ある時点において第1のモジュールを実施するために、命令の第1のセットによって構成でき、第2のモジュールを実施するために、命令の第2のセットによって再構成できる。
【0035】
機械(例えば、コンピュータシステム)700は、ハードウェア処理装置702(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、ハードウェア処理装置コア、またはそれらの任意の組み合わせ)と、主メモリ704と、スタティックメモリ706と、を備えることができ、それらの一部または全部が、相互接続部(例えば、バス)730を介して互いと通信できる。機械700は、表示装置710と、英数字入力デバイス712と、ユーザインターフェース(UI)案内デバイス714と、をさらに備え得る。例では、表示装置710、英数字入力デバイス712、およびUI案内デバイス714は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。機械700は、保存デバイス(例えば、ドライブユニット)708と、信号生成デバイス718(例えば、スピーカ)と、ネットワークインターフェースデバイス720と、全地球測位システム(GPS)センサ、加速度計、または他のセンサなどの1つまたは複数のセンサ716とを追加的に備え得る。機械700は、1つまたは複数の周辺デバイス(例えば、印刷装置、カード読取装置など)と通信するために、またはそれらを制御するために、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))、パラレル、またはその他の有線もしくは無線(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC)など)の接続など、出力制御装置728を備え得る。
【0036】
保存デバイス708は、本明細書に記載されている技術または機能のうちのいずれか1つまたは複数を具現化するかまたはそれらによって利用されるデータ構造または命令724(例えば、ソフトウェア)の1つまたは複数のセットが保存される、非一時的である機械読取可能媒体722を備え得る。命令724は、機械700によるその実行の間、主メモリ704の中に、スタティックメモリ706の中に、またはハードウェア処理装置702の中に、完全にかまたは少なくとも部分的に存在することもできる。例では、ハードウェア処理装置702、主メモリ704、スタティックメモリ706、または保存デバイス708の1つまたは任意の組み合わせが、機械読取可能媒体を構成することができる。
【0037】
機械読取可能媒体722は単一の媒体として示されているが、「機械読取可能媒体」という用語は、1つまたは複数の命令724を保存するように構成される単一の媒体または複数の媒体(例えば、中央型もしくは分散型のデータベース、または関連するキャッシュおよびサーバ)を備え得る。
【0038】
「機械読取可能媒体」という用語は、機械700による実行のための命令を保存、符号化、または持ち運びすることができると共に、機械700に本開示の技術のうちの任意の1つまたは複数を実施させるか、または、このような命令によって使用される、もしくはこのような命令と関連付けられるデータ構造を、保存、符号化、もしくは持ち運びすることができる任意の非一時的な媒体を、含み得る。非限定的な機械読取可能媒体の例には、固体メモリ、ならびに光学媒体および磁気媒体があり得る。機械読取可能媒体の明確な例には、半導体メモリデバイス(例えば、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM))、およびフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクがあり得る。
【0039】
命令724は、いくつかの転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のうちのいずれか1つを利用するネットワークインターフェースデバイス720を介して伝送媒体を使用する通信ネットワーク726を通じて、さらに送信または受信され得る。例の通信ネットワークには、数ある中でも、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネットなど)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、アナログ通信式電話(POTS)ネットワーク、無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)としてされる米国電気電子技術者協会(IEEE(登録商標))802.11規格群、WiMax(登録商標)として知られるIEEE(登録商標) 802.16規格群)、IEEE(登録商標) 802.15.4規格群、ピアツーピア(P2P)ネットワークがあり得る。例では、ネットワークインターフェースデバイス720は、1つもしくは複数の物理的なジャック(例えば、イーサネットジャック、同軸ジャック、もしくは電話ジャック)、または、通信ネットワーク726に連結するための1つもしくは複数のアンテナを備え得る。例では、ネットワークインターフェースデバイス720は、単入力多出力(SIMO)、多入力多出力(MIMO)、または多入力単出力(MISO)の技術のうちの少なくとも1つを使用して無線通信するための複数のアンテナを備え得る。「伝送媒体」という用語は、機械700による実行のための命令を保存、符号化、または持ち運びすることができ、このようなソフトウェアの通信を容易にするためのデジタル通信信号、アナログ通信信号、または他の無形媒体を含む任意の無形の媒体を、含むように解釈される。
【0040】
図8は、コンピュータに基づく決定支援システム(CDSS)の例を示している。例では、CDSS800は、周波数領域における検出信号のスペクトルパターンに基づいて液体媒体の状態(または、状態における変化)を決定するように構成され得る。様々な実施形態において、CDSS800は、患者に特有である周波数領域における検出信号のスペクトルパターンを人工知能(AI)モデル806への入力特徴として提供するための入力インターフェース804と、媒体の決定された状態を生成するために、周波数領域における検出信号がAIモデルに適用される推測動作を実行することができる処理装置702などの処理装置と、媒体の決定された状態を臨床医などの使用者に通信するためのユーザインターフェース(UI)とを備える。
【0041】
ある実施形態では、入力インターフェース804は、CDSS800と、入力特徴のうちの少なくとも一部を生成する1つまたは複数の医療用デバイスとの間の直接的なデータリンクであり得る。例えば、入力インターフェース804は、治療および/または診断の医療処置の間に、周波数領域における検出信号のスペクトルパターンをCDSSに直接的に伝送することができる。追加または代替で、入力インターフェース804は、使用者とCDSS800との間の相互作用を容易にする古典的なユーザインターフェースであり得る。追加または代替で、入力インターフェース804は、1つまたは複数の入力特徴が抽出され得る電子患者記録へのアクセスをCDSS800に提供することができる。これらの場合のいずれかにおいて、入力インターフェース804は、CDSS800が媒体の状態を決定するために使用される時間かその前に、特定の患者と関連する以下の入力特徴のうちの1つまたは複数を集めるように構成される。
【0042】
上記の入力特徴のうちの1つまたは複数に基づいて、処理装置702は、媒体の決定された状態を生成するために、AIモデルを使用して推測動作を実施する。例えば、入力インターフェース804は、周波数領域での検出信号のスペクトルパターンを、これらの入力特徴をAIモデルを出力層へと伝搬するAIモデルの入力層へと送達することができる。AIモデルは、データの分析において見出されるパターンに基づいて推測を行うことで、明確にプログラムされることなくタスクを実施する能力をコンピュータシステムに提供することができる。AIモデルは、既存のデータから学習し、新たなデータについての予測を行うことができるアルゴリズム(例えば、機械学習アルゴリズム)の研究および構築を探求する。このようなアルゴリズムは、出力または評価として表されるデータ駆動される予測または決定を行うために、例の訓練データからAIモデルを築くことで動作する。
【0043】
機械学習(ML)について、2つの一般的なモード、すなわち、教師ありMLと教師なしMLとがある。教師ありMLは、入力と出力との間の関係を学習するために、以前の知識(例えば、入力を出力または結果に相関させる例)を使用する。教師ありMLの目標は、いくらかの訓練データが与えられると、対応する出力を生成するために入力が与えられるときにMLモデルが同じ関係を実施することができるように、訓練の入力と出力との間の関係を最良に近づける機能を学習することである。教師なしMLは、分類も仕分けもされていない情報を用い、アルゴリズムを案内なしでその情報に作用させるMLアルゴリズムの訓練である。教師なしMLは、データにおける構造を自動的に特定することができるため、探索的な解析において有用である。
【0044】
教師ありMLについての共通のタスクは、分類問題および回帰問題である。分類問題は、カテゴリー化問題とも称され、項目をいくつかのカテゴリー値のうちの1つへと分類することを目的とする(例えば、この物体がリンゴまたはオレンジのどちらであるか?)。回帰アルゴリズムは、いくつかの項目を定量化すること(例えば、ある入力の値へのスコアを提供することで)を目的とする。一般的に使用される教師ありMLアルゴリズムのいくつかの例は、ロジスティック回帰(LR)、単純ベイズ、ランダムフォレスト(RF)、ニューラルネットワーク(NN)、ディープニューラルネットワーク(DNN)、行列分解、およびサポートベクターマシン(SVM)である。
【0045】
教師なしMLのためのある共通のタスクには、クラスタリング、表現学習、および密度推定がある。一般的に使用される教師なしMLアルゴリズムのいくつかの例は、K-meansクラスタリング、主成分分析、およびオートエンコーダがある。
【0046】
他の種類のMLは、ローカルデータを保持する複数の非中央型デバイスにわたってデータを交換することなくアルゴリズムを訓練する連合学習(協調学習としても知られている)である。この手法は、すべてのローカルデータセットが1つのサーバにアップロードされる従来の中央型機械学習技術と対照的であり、ローカルデータサンプルが同様に分散されるとしばしば仮定するより古典的な非中央型の手法とも対照的である。連合学習は、すべての当事者に、共有データなしで共通の堅牢な機械学習モデルを築かせることができ、したがって、データプライバシー、データ保護、データアクセス権、および、異種のデータへのアクセスなどの重要な懸念に対処することができる。
【0047】
ある例では、AIモデルは、処理装置702による推測動作の実施の前に、連続的または周期的に訓練され得る。そのため、推測動作の間、AIモデルに提供された患者特有の入力特徴が、入力層から、1つまたは複数の隠れ層を通じて、最終的に、媒体の決定された状態に対応する出力層へと伝搬され得る。例えば、周波数を表す信号の振幅は、温度、圧力、または、存在する泡の量など、液体媒体に存在する異なるパラメータ/特性に対して測定および相関され得る。そのため、反射したスペックルの学習された相関および検出されたリアルタイムの強度を適用することで、媒体の状態が決定できる。
【0048】
推測動作の間および/または後に、媒体の決定された状態は、ユーザインターフェース(UI)を介して使用者へと通信され得る、および/または、処理装置702に連結された外科用ファイバもしくはスコープに、所望の行為を自動的に実施させる(緩和を適用させるなど)ことできる。例えば、媒体の決定された状態に基づいて、処理装置は、外科用ファイバの少なくとも一部分の場所を変化させる(例えば、標的のより近くに移動させる)ために、外科用ファイバアクチュエータ122にその場所を調整させることができる。追加または代替で、決定は、処理装置に、放出されたレーザ放射/光の強度、デューティサイクル、またはパルス幅などにおける変更(例えば、停止、減少、または低下など)を引き起こさせることができる、または、生理食塩水などの洗浄液をスコープ124から放出させる(または、洗浄液の流量を変更させる)ことができる。
【0049】
本明細書で使用されているように、「実質的に」または「概して」といった用語は、行為、特性、性質、状況、構造、項目、または結果の完全またはほとんど完全な程度または度合いに言及している。例えば、「実質的に」または「概して」包囲される物体は、物体が、完全に包囲されるか、または、ほとんど完全に包囲されるかのいずれかであることを意味する。絶対的な完全性からの逸脱の正確な許容可能な度合いは、ある場合には、特定の文脈に依存する可能性がある。しかしながら、大まかにいえば、完全性の近さは、絶対的な全体の完全性が得られる場合と概して同じ全体の結果を得るようになる。「実質的に」または「概して」の使用は、行為、特性、性質、状況、構造、項目、または結果の完全またはほとんど完全な欠如に言及するために、否定的な意味合いで使用されるときも等しく適用可能である。例えば、要素が「実質的にない」または「概してない」要素、組み合わせ、実施形態、または組成は、概してその実質的な影響がない限り、このような要素をなおも実際に含む可能性がある。
【0050】
上記の記載は、例示となるように意図されており、制限となるように意図されていない。例えば、上記の例(または、その1つまたは複数の態様)は互いと組み合わされて使用できる。先の記載を検討する当業者などによって、他の実施形態が使用され得る。要約は、技術的な開示の本質を読者に素早く確かめさせるためのものであり、請求項の範囲または意味を解釈または制限するためには使用されないという理解で提出されている。また、上記の発明を実施するための形態において、様々な特徴は、本開示を簡素化するために一緒にグループ分けさせることができる。これは、請求されていない開示された特徴が任意の請求項にとって必須であることを意図するとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、具体的な開示されている実施形態のすべての特徴未満のところにあり得る。したがって、各々の請求項が別々の実施形態としてそれ自体において成り立つ状態で、以下の請求項が本明細書によって発明を実施するための形態に組み込まれている。実施形態の範囲は、このような請求項の権利が付与される均等のすべての範囲と共に、添付の請求項を参照して決定されるべきである。
【0051】
様々な注釈および例
これらの非限定的な例の各々は、それ自体において成り立つことができる、または、他の例の1つまたは複数との様々な置き換えまたは組み合わせで組み合わせることができる。
【0052】
本明細書に記載されている方法の例は、少なくとも部分的に、機械またはコンピュータで実施され得る。いくつかの例は、先の例において記載されているように方法を実施するために電子デバイスを構成するように動作可能な命令で符号化されるコンピュータ読取可能媒体または機械読取可能媒体を含み得る。このような方法の実施は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、または高水準言語コードなどのコードを含み得る。このようなコードは、様々な方法を実施するためのコンピュータ読取可能命令を含み得る。コードは、コンピュータプログラム製品の一部分を形成してもよい。さらに、例では、コードは、実行の間または他のときにおいてなどで、1つまたは複数の揮発性、非一時的、または不揮発性の有形なコンピュータ読取可能媒体において有形に保存され得る。これらの有形なコンピュータ読取可能媒体の例には、限定されることはないが、ハードディスク、取り外し可能な磁気ディスク、取り外し可能な光学ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および読み取り専用メモリ(ROM)などがあり得る。
【0053】
例1は、外科用レーザと、レーザ光を標的領域へと送達し、第1の時間に標的領域から反射したレーザ光の少なくとも一部分を受け入れるために外科用レーザに結合される外科用ファイバと、反射レーザ光の受け入れられた少なくとも一部分を分析し、反射レーザ光の分析に少なくとも部分的に基づいて、標的領域に近接する媒体と関連付けられるパラメータの第1の値を決定するように構成される処理装置とを備えるシステムである。
【0054】
例2では、例1の主題は、パラメータの第1の値が、上閾値を上回る、下閾値を下回る、第1の範囲内にある、または第2の範囲を超える、のうちの少なくとも1つであるという決定に応答して、処理装置が緩和を適用させるようにさらに動作可能であることを、任意選択で含む。
【0055】
例3では、例2の主題は、外科用ファイバに連結され、外科用ファイバの少なくとも一部分の場所を調整するように構成される外科用ファイバアクチュエータであって、緩和は、外科用ファイバアクチュエータに、外科用ファイバの少なくとも一部分の場所を、標的領域に対して調整させることを含む、外科用ファイバアクチュエータを、任意選択で含む。
【0056】
例4では、例2~3のいずれかの1つまたは複数の主題は、緩和が、外科用レーザから放出されるレーザ光の強度、デューティサイクル、またはパルス幅のうちの少なくとも1つにおける変化を含むことを、任意選択で含む。
【0057】
例5では、例2~4のいずれかの1つまたは複数の主題は、緩和が、(i)洗浄液を流体供給源から標的領域へと放出させることである、または、(ii)洗浄液の流速を調整することであることを、任意選択で含む。
【0058】
例6では、例2~5のいずれかの1つまたは複数の主題は、処理装置が、第1の時間と異なる第2の時間に光スプリッタによって集められた反射レーザ光の少なくとも一部分を分析するように、第2の時間に光スプリッタによって集められた反射レーザ光の分析に少なくとも部分的に基づいて、パラメータの第2の値を決定するように、パラメータの第2の値を、パラメータの第1の値、上閾値、下閾値、第1の範囲、または第2の範囲のうちの少なくとも1つと比較するように、比較に少なくとも部分的に基づいて、パラメータの値における変化を決定するように、および、パラメータの値における変化が閾量を超えることの決定に応答して、緩和を適用させるようにさらに構成されることを、任意選択で含む。
【0059】
例7では、例1~6のいずれかの1つまたは複数の主題は、反射レーザ光の受け入れられた少なくとも一部分を分析することが、反射レーザ光の受け入れられた少なくとも一部分を、時間領域信号から周波数領域信号へと計算によって変換することと、時間の期間にわたって、周波数領域信号における変化を決定することとを含むことを、任意選択で含む。
【0060】
例8では、例7の主題は、変化が、周波数領域信号と関連付けられる振幅またはパターンの少なくとも一方にあることを、任意選択で含む。
【0061】
例9では、例7~8のいずれかの1つまたは複数の主題は、周波数領域信号が、標的領域に近接する媒体と関連付けられるパラメータに対応し、周波数領域信号における変化が、パラメータの値における変化を表すことを、任意選択で含む。
【0062】
例10では、例7~9のいずれかの1つまたは複数の主題は、反射レーザ光の集められた少なくとも一部分を分析することが、機械学習モデルを用いて、周波数領域信号におけるスペクトルパターンと、標的領域に近接する媒体の状態との間の相関を決定することをさらに含むことを、任意選択で含む。
【0063】
例11では、例1~10のいずれかの1つまたは複数の主題は、パラメータが、媒体における温度、圧力、または泡の量のうちの少なくとも1つを含むことを、任意選択で含む。
【0064】
例12では、例1~11のいずれかの1つまたは複数の主題は、外科用ファイバが、標的領域についての撮像情報を得るための外科用スコープに結合するように構成されることを、任意選択で含む。
【0065】
例13では、例1~12のいずれかの1つまたは複数の主題は、標的領域が、腎臓結石または身体組織の少なくとも一方を含むことを、任意選択で含む。
【0066】
例14では、例1~13のいずれかの1つまたは複数の主題は、外科用レーザがマルチモードレーザを備え、外科用ファイバがマルチモード光ファイバを備えることを、任意選択で含む。
【0067】
例15では、例1~14のいずれかの1つまたは複数の主題は、反射レーザ光の集められた少なくとも一部分を分析することが、外科用ファイバの少なくとも一部分を通過する反射レーザ光におけるレーザ光スペックルの量を検出すること、および/または、外科用ファイバの少なくとも一部分を通過する反射レーザ光におけるレーザ光スペックルの移動を検出することを含むこと、を任意選択で含む。
【0068】
例16は、標的領域に近接する媒体と関連付けられる状態を監視するための方法であって、レーザ光を標的領域に放出するステップと、第1の時間に標的領域から反射したレーザ光の少なくとも一部分を集めるステップと、反射レーザ光の集められた少なくとも一部分を分析するステップと、集められたレーザ光の分析に少なくとも部分的に基づいて、標的領域に近接する媒体と関連付けられるパラメータの第1の値を決定するステップとを含む方法である。
【0069】
例17では、例16の主題は、パラメータの第1の値が、上閾値を上回る、下閾値を下回る、第1の範囲内にある、または第2の範囲を超える、のうちの少なくとも1つであるという決定に応答して、緩和を適用するステップを任意選択で含む。
【0070】
例18では、例17の主題は、緩和が、標的領域へと放出されるレーザ光の強度、デューティサイクル、またはパルス幅のうちの少なくとも1つにおける変化を含むことを、任意選択で含む。
【0071】
例19では、例17~18のいずれかの1つまたは複数の主題は、緩和が、(i)洗浄液を流体供給源から標的領域へと放出させることである、または、(ii)洗浄液の流速を調整することであることを、任意選択で含む。
【0072】
例20では、例17~19のいずれかの1つまたは複数の主題は、第1の時間と異なる第2の時間に集められた反射レーザ光の少なくとも一部分を分析するステップと、第2の時間における反射レーザ光の分析に少なくとも部分的に基づいて、パラメータの第2の値を決定するステップと、パラメータの第2の値を、パラメータの第1の値、上閾値、下閾値、第1の範囲、または第2の範囲のうちの少なくとも1つと比較するステップと、比較に少なくとも部分的に基づいて、パラメータの値における変化を決定するステップと、パラメータの値における変化が閾量を超えることの決定に応答して、緩和を適用するステップと、を任意選択で含む。
【0073】
例21では、例16~20のいずれかの1つまたは複数の主題は、標的領域から反射したレーザ光の集められた少なくとも一部分が時間領域にあり、方法が、集められた時間領域信号を周波数領域信号へと変換するステップであって、周波数領域信号は、標的領域に近接する媒体と関連付けられるパラメータに対応する、ステップと、時間の期間にわたって、周波数領域信号における変化を決定するステップであって、周波数領域信号における変化は、パラメータの値における変化を表す、ステップと、を含むことを任意選択で含む。
【0074】
例22では、例21の主題は、変化が、周波数領域信号と関連付けられる振幅またはパターンの少なくとも一方にあることを、任意選択で含む。
【0075】
例23では、例21~22のいずれかの1つまたは複数の主題は、機械学習モデルを用いて、周波数領域信号におけるスペクトルパターンと、媒体の状態、または媒体の状態における変化との間の相関を決定するステップを、任意選択で含む。
【0076】
例24では、例16~23のいずれかの1つまたは複数の主題は、パラメータが、媒体における温度、圧力、または泡の量のうちの少なくとも1つを含み、標的領域が、腎臓結石または身体組織の少なくとも一方を含むことを、任意選択で含む。
【0077】
例25では、例16~24のいずれかの1つまたは複数の主題は、反射レーザ光の集められた少なくとも一部分を分析するステップが、反射レーザ光におけるレーザ光スペックルの量を検出すること、および/または、反射レーザ光におけるレーザ光スペックルの移動を検出することを含むことを、任意選択で含む。
【符号の説明】
【0078】
100 システム
102 外科用レーザ
104 グラフィカルユーザインターフェース
106 焼灼レーザ、レーザ源
108 プローブレーザ、レーザ源
110 光スプリッタ
112 処理装置
114 制御装置
116 光ファイバ
118 外科用ファイバ
120 光学連結器
122 外科用ファイバアクチュエータ
124 スコープ
126 標的
128 放出レーザ放射/光
130 反射レーザ光
200 開口
202 レーザスペックル、反射スペックル
400A リアルタイムで検出された信号
400B 周波数の振幅が表された信号
400C 時間に伴う周波数における変化
700 機械
702 ハードウェア処理装置
704 主メモリ
706 スタティックメモリ
708 保存デバイス
710 表示装置
712 英数字入力デバイス
714 ユーザインターフェース(UI)案内デバイス
716 センサ
718 信号生成デバイス
720 ネットワークインターフェースデバイス
724 命令
728 出力制御装置
730 相互接続部
800 CDSS
804 入力インターフェース
806 人工知能(AI)モデル
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8