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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】制御システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240625BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240625BHJP
【FI】
G05D1/43
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022155341
(22)【出願日】2022-09-28
(65)【公開番号】P2024049086
(43)【公開日】2024-04-09
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000231925
【氏名又は名称】日本コムシス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇祐
(72)【発明者】
【氏名】永作 智史
(72)【発明者】
【氏名】栗原 良尚
(72)【発明者】
【氏名】木佐 佳子
(72)【発明者】
【氏名】佐橋 直樹
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-061325(JP,A)
【文献】特開2022-088791(JP,A)
【文献】特開2015-195014(JP,A)
【文献】特開2017-016248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行するロボットと、ロボットの動作を制御するサーバ装置と、前記ロボットによるユーザへのサービス提供を要求する端末とを有する制御システムであって、
前記ロボットは、
建物の各フロアのマップ情報を基に、前記建物の内部を走行する自律走行部と、
音声及び画像を出力する出力部と、
香りを発生させる発生部と、
前記発生部が発生させた香り、前記出力部が出力した楽曲の音声、及び/または、前記出力部が出力した画像に対する前記ユーザの評価を受け付ける入力部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記端末から前記ユーザへのサービス提供の要求を受け付けると、前記ロボットを走行させて、前記ユーザへのサービス提供を実行させるロボット制御部と、
前記ユーザの状況に応じた香り、楽曲及び/または画像を設定し、前記ロボットに対し、前記ユーザへのサービス提供時に、設定した香り、楽曲の音声及び/または画像を出力させる設定部とを有し
前記設定部は、
前記評価を基に、前記ユーザへの次のサービス提供時に設定する前記香り、楽曲及び/または画像を調整する
とを特徴とする制御システム。
【請求項2】
自律走行するロボットと、ロボットの動作を制御するサーバ装置と、前記ロボットによるユーザへのサービス提供を要求する端末とを有する制御システムであって、
前記ロボットは、
建物の各フロアのマップ情報を基に、前記建物の内部を走行する自律走行部と、
音声及び画像を出力する出力部と、
香りを発生させる発生部と、
画像を撮像する撮像部と、
前記発生部が発生させた香り、前記出力部が出力した楽曲の音声、及び/または、前記出力部が出力した画像に対する前記ユーザの評価を受け付ける入力部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記端末から前記ユーザへのサービス提供の要求を受け付けると、前記ロボットを走行させて、前記ユーザへのサービス提供を実行させるロボット制御部と、
前記ユーザの状況に応じた香り、楽曲及び/または画像を設定し、前記ロボットに対し、前記ユーザへのサービス提供時に、設定した香り、楽曲の音声及び/または画像を出力させる設定部と、
前記ユーザへのサービス提供時に前記ロボットによって撮像された前記ユーザの画像を基に、前記ユーザの表情を解析する解析部とを有し、
前記設定部は、
前記ユーザのスケジュールと、前記解析部が解析した前記ユーザの表情と、前記発生部が発生させた香り、前記出力部が出力した楽曲の音声、及び/または、前記出力部が出力した画像に対する前記ユーザの評価との少なくともいずれか一つと、前記香り、楽曲及び/または画像との関係を学習したモデルを用いて、前記ユーザの状況に応じた香り、楽曲及び/または画像を設定する
ことを特徴とする制御システム。
【請求項3】
前記設定部は、前記ユーザのスケジュールを基に、前記香り、楽曲及び/または画像を設定することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記ロボットは、
画像を撮像する撮像部
をさらに有し、
前記サーバ装置は、
前記ユーザへのサービス提供時に前記ロボットによって撮像された前記ユーザの画像を基に、前記ユーザの表情を解析する解析部
をさらに有し、
前記設定部は、前記解析部が解析した前記ユーザの表情に応じて、前記香り、楽曲及び/または画像を設定することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
自律走行するロボットと、ロボットの動作を制御するサーバ装置と、前記ロボットによるユーザへのサービス提供を要求する端末とを有する制御システムが実行する制御方法であって、
前記ロボットが、建物の各フロアのマップ情報を基に、前記建物の内部を走行する工程と、
前記サーバ装置が、前記端末から前記ユーザへのサービス提供の要求を受け付けると、前記ロボットを走行させて、前記ユーザへのサービス提供を実行させる工程と、
前記サーバ装置が、前記ユーザの状況に応じた香り、楽曲及び/または画像を設定し、前記ロボットに対し、前記ユーザへのサービス提供時に、設定した香り、楽曲の音声及び/または画像を出力させる工程と、
前記ロボットが、前記出力させる工程において設定された香り、楽曲の音声及び/または画像を出力する工程と、
前記ロボットが、前記香り、楽曲の音声及び/または画像を出力する工程において、出力した香り、楽曲の音声、及び/または、画像に対する前記ユーザの評価を受け付ける工程と、
前記サーバ装置が、前記評価を基に、前記ユーザへの次のサービス提供時に設定する前記香り、楽曲及び/または画像を調整する工程と、
を含んだことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
自律走行するロボットと、ロボットの動作を制御するサーバ装置と、前記ロボットによるユーザへのサービス提供を要求する端末とを有する制御システムが実行する制御方法であって、
前記ロボットが、建物の各フロアのマップ情報を基に、前記建物の内部を走行する工程と、
前記サーバ装置が、前記端末から前記ユーザへのサービス提供の要求を受け付けると、前記ロボットを走行させて、前記ユーザへのサービス提供を実行させる工程と、
前記サーバ装置が、前記ユーザの状況に応じた香り、楽曲及び/または画像を設定し、前記ロボットに対し、前記ユーザへのサービス提供時に、設定した香り、楽曲の音声及び/または画像を出力させる工程と、
前記ロボットが、前記出力させる工程において設定された香り、楽曲の音声及び/または画像を出力する工程と、
前記ロボットが、画像を撮像する工程と、
前記ロボットが、前記香り、楽曲の音声及び/または画像を出力する工程において、出力した香り、楽曲の音声、及び/または、画像に対する前記ユーザの評価を受け付ける工程と、
前記サーバ装置が、前記ユーザへのサービス提供時に前記ロボットによって撮像された前記ユーザの画像を基に、前記ユーザの表情を解析する工程と、
前記サーバ装置が、前記ユーザのスケジュールと、前記ユーザの表情を解析する工程において解析した前記ユーザの表情と、前記香り、楽曲の音声及び/または画像を出力する工程において、出力した香り、楽曲の音声、及び/または、画像に対する前記ユーザの評価との少なくともいずれか一つと、前記香り、楽曲及び/または画像との関係を学習したモデルを用いて、前記ユーザの状況に応じた香り、楽曲及び/または画像を設定する工程と、
を含んだことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人手不足に対応するため、自律走行する搬送ロボットを使用して物品を搬送するシステムが開発されている。
【0003】
さらに、近年、オフィスワーカーが実際に在席する場所まで、直接物品を配送するデリバリーロボットシステムが提案されている。デリバリーロボットは、人との衝突を回避したり、障害物を避けたりする機能を有する。また、デリバリーロボットは、エレベータやセキュリティドアと連携することで、指定されたフロアまで移動し、オフィスワーカーに直接物品を届けることが可能である。デリバリーロボットは、物品の配送のみならず、先導、案内、清掃といった各種用途にも利用されることが期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-116170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、オフィスワーカーのQOL(Quality of Life)の向上が要望されている。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、人手不測解消に加え、オフィスワーカーのQOL(Quality of Life)の向上を可能とする自律走行型ロボットの制御システム及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の制御システムは、自律走行するロボットと、ロボットの動作を制御するサーバ装置と、前記ロボットによるユーザへのサービス提供を要求する端末とを有する制御システムであって、前記ロボットは、建物の各フロアのマップ情報を基に、前記建物の内部を走行する自律走行部と、音声及び画像を出力する出力部と、香りを発生させる発生部と、を有し、前記サーバ装置は、前記端末から前記ユーザへのサービス提供の要求を受け付けると、前記ロボットを走行させて、前記ユーザへのサービス提供を実行させるロボット制御部と、前記ユーザの状況に応じた香り、楽曲及び/または画像を設定し、前記ロボットに対し、前記ユーザへのサービス提供時に、設定した香り、楽曲の音声及び/または画像を出力させる設定部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、人手不測解消に加え、オフィスワーカーのQOL(Quality of Life)の向上を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示すサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、図2に示すユーザ情報のデータ構成の一例を示す図である。
図4図4は、図2に示すスケジュール記憶部が記憶するスケジュールの一例を示す図である。
図5図5は、図2に示す履歴情報のデータ構成の一例を示す図である。
図6図6は、図2に示すパターン情報のデータ構成の一例を示す図である。
図7図7は、図1に示すロボットの構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、実施の形態1に係る制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図9図9は、実施の形態2に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図10図10は、図9に示す履歴情報のデータ構成の一例を示す図である。
図11図11は、図9に示すパターン情報のデータ構成の一例を示す図である。
図12図12は、実施の形態2に係るロボットの構成の一例を示すブロック図である。
図13図13は、実施の形態2に係る制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図14図14は、実施の形態3に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図15図15は、図14に示す履歴情報のデータ構成の一例を示す図である。
図16図16は、図14に示すパターン情報のデータ構成の一例を示す図である。
図17図17は、実施の形態3に係るロボットの構成の一例を示すブロック図である。
図18図18は、実施の形態3に係る制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図19図19は、実施の形態4に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図20図20は、図19に示す履歴情報のデータ構成の一例を示す図である。
図21図21は、図19に示すパターン情報のデータ構成の一例を示す図である。
図22図22は、実施の形態4に係るロボットの構成の一例を示すブロック図である。
図23図23は、実施の形態4に係る制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図24図24は、実施の形態1に係る制御システムの構成の他の例を示すブロック図である。
図25図25は、図24に示す香り提供サーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図26図26は、実施の形態1の変形例に係る制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図27図27は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る制御システム及び制御方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る制御システム及び制御方法が限定されるものではない。
【0011】
[実施の形態1]
以下の実施の形態1では、実施の形態1に係る制御システム及び制御方法の処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態1による効果を説明する。
【0012】
実施の形態1に係る制御システムは、オフィス内を移動するロボットが、ユーザにサービスを提供する際に、ユーザの状況に応じた香りを提供することで、オフィスワーカーのQOL(Quality of Life)の向上を図る。
【0013】
以降、実施の形態1として、ユーザから注文を受けた物品(例えば、飲食物)を配送し、物品をユーザに提供するロボットを制御するシステムを例に説明する。なお、ロボットは、ユーザ宛ての物品を配送するロボットであってもよいし、ユーザを先導するロボットや、巡回するロボットであってもよい。
【0014】
図1は、実施の形態1に係る制御システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、制御システム1は、自律走行するロボット30と、ロボット30の動作を制御するサーバ装置10と、注文用のアプリケーションを介して、ロボット30によるユーザへのサービス提供(例えば、ユーザが注文した物品の配送)を要求する端末20とを有する。
【0015】
ロボット30は、自律走行することで、端末20を介してユーザから注文された物品を、ユーザまで配送する。ロボット30は、前方の障害物感知を行うセンサ部30A-1、側方の障害物感知を行うセンサ部30A-2、自動開閉する引き出し式のボックス30B-1,30B-2、物品の受領確認や決済処理等のための操作用のタッチパネル30C、香りが出力される口部30D、画像を表示出力するディスプレイ30Eを有する。
【0016】
ボックス30B-1,30B-2は、例えば、注文元のユーザに近づくと、ユーザが注文した物品が取り出せるように(矢印Y1)、自動的に開動作を行う。この際、ロボット30は、ユーザの状況に応じた香りを発生させて、口部30Dから、発生させた香りを出力する(矢印Y2)。
【0017】
端末20は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、無線通信網を介して任意のサーバ装置10と通信を行うことができる携帯端末装置である。端末20は、注文用アプリケーションに対するユーザの操作に応じて、物品を注文し、ロボット30に、注文した物品をユーザまで配送させるサービスを要求する。端末20は、スケジューラーを搭載し、ユーザのスケジュールを記憶する。端末20は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて、端末20の現在位置を特定する機能を有してもよい。なお、端末20は、ノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0018】
サーバ装置10は、端末20から、ユーザへのサービス提供の要求を受け付けると、ロボット30を走行させて、ユーザへのサービス提供を実行させる。サーバ装置10は、端末20から物品の注文及び配送要求を受け付けると、注文された物品を搭載するロボット30に、端末20のユーザが位置する場所まで移動させて、注文された物品をユーザに提供させる。そして、サーバ装置10は、ロボット30に、ユーザへのサービス提供時(物品の提供時)に、ユーザの状況に応じた香りを発生させて、口部30Dから出力させる。
【0019】
[サーバ装置]
次に、サーバ装置10について説明する。図2は、図1に示すサーバ装置10の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ装置10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0020】
通信部11は、各種情報に関する通信を制御する。例えば、通信部11は、端末20との間で行われる通信を制御する。通信部11は、端末20から物品の注文及び配送を受け付けると、ロボット30に、端末20のユーザが位置する場所まで移動させて、注文された物品をユーザに提供させる制御情報を送信する。そして、通信部11は、ロボット30に、ユーザへの物品の提供時に、ユーザの状況に応じた香りを発生させて、口部30Dから出力させる制御情報を送信する。通信部11は、ロボット30から、物品の受領確認や決済処理等のための情報を受信する。
【0021】
記憶部12は、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。例えば、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。記憶部12は、マップ情報121、ユーザ情報122、スケジュール記憶部123、履歴情報124、パターン情報125、画像群126、及び、香り設定モデル127を有する。
【0022】
マップ情報121は、予め取得された情報であり、建物の各フロアのマップ、各ユーザの座席位置、各ユーザの席位置までのロボット30の移動ルート、各ユーザの座席位置に対応するロボット30の停止位置等を含む。
【0023】
ユーザ情報122は、サービス利用者として登録されたユーザの各種情報を含む。図3は、図2に示すユーザ情報122のデータ構成の一例を示す図である。図3に示すように、ユーザ情報122は、ユーザID、属性情報及び座席情報を項目として有する。例えば、ユーザIDが「U1」のユーザは、「第1部」に所属しており、「3階Gエリア7番」の座席であることを示す。各座席情報に記載された座席位置は、座席位置に対応する停止位置とともに、マップ情報121に登録済みである。
【0024】
スケジュール記憶部123は、端末20から取得したユーザのスケジュールや、予定や行先等を記載したユーザのメール等を介して登録されたユーザのスケジュールを記憶する。図4は、図2に示すスケジュール記憶部123が記憶するスケジュールの一例を示す図である。図4に示すように、スケジュール記憶部123は、各ユーザのユーザIDごとに、スケジュールの内容(例えば、会議)を、日時、場所、内容とともに記憶する。
【0025】
履歴情報124は、各ユーザに提供された香りの履歴と、その香りに対するユーザの評価、及び、香りの提供時のユーザの表情解析結果とを含む。香りの提供時のユーザの表情解析結果は、画像解析部134(後述)による解析結果である。
【0026】
図5は、図2に示す履歴情報124のデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように、履歴情報124は、ユーザID、日時、香りの種別、強度、評価、表情解析結果を項目として有する。
【0027】
図5に示すように、ユーザ「U1」は、「6/30(木)12:50」に強度「弱」で提供された香り「F-1」については、「良い」と評価し、ユーザ「U1」の表情解析結果も「良い」という結果が履歴として記録されている。また、ユーザ「U1」に、「7/8(金)12:00」に強度「中」で提供された香り「F-2」については、ユーザ「U1」の表情解析結果は「良くない」という結果が履歴として記録されている。
【0028】
パターン情報125は、香りの提供パターンを示す情報である。図6は、図2に示すパターン情報125のデータ構成の一例を示す図である。図6に示すように、パターン情報125では、物品の配送先が会議室である場合と、個人の座席である場合とに分け、さらに、会議等の内容に応じて、提供する香りの種別が対応付けられる。例えば、パターン情報125は、パターン、内容、香りの項目を有する。会議パターンであり、会議の内容が社員面談である場合には、リラックスする系統の香りが対応付けられる。また、個人パターンであり、業務中である場合には、爽やかな系統の香りが対応付けられる。
【0029】
画像群126は、ロボット30が撮像した、サービス提供の際のユーザの画像群である。画像群126は、例えば、ユーザの顔部分が写る画像であり、画像解析部134による表情解析のために使用される。
【0030】
香り設定モデル127は、ユーザのスケジュール、画像解析部134が解析したユーザの表情、及び/または、ロボット30が発生させた香りに対するユーザの評価と、香りとの関係を学習したモデルである。香り設定モデル127は、例えば、ユーザごとに設けられてもよい。香り設定モデル127は、例えば、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、パターン情報125、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果が入力されると、ユーザに提供する香りの種別、強弱を出力する。
【0031】
制御部13は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。ここで、制御部13は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路である。制御部13は、受付部131、ロボット制御部132、物品提供制御部133、画像解析部134(解析部)、香り設定部135(設定部)、及び、評価受付部136を有する。
【0032】
受付部131は、端末20から、ユーザへのサービス提供の要求を受け付ける。受付部131は、例えば、端末20から物品の注文とその物品の配送要求を受け付ける。
【0033】
ロボット制御部132及び物品提供制御部133は、ユーザへのサービス提供の要求の受け付けに応じて、ロボット30を走行させて、ユーザへのサービス提供を実行させる。
【0034】
ロボット制御部132は、注文された物品を搭載するロボット30に、マップ情報121の移動ルートに従って、端末20のユーザが位置する場所まで移動させ、ユーザの位置に対応する停止位置で停止させる。なお、ロボット制御部132は、スケジュール記憶部123のうち、注文元のユーザのスケジュールを参照し、ユーザが会議中である場合には、会議場所として登録された会議室に、ロボット30を移動させる。
【0035】
そして、物品提供制御部133は、ロボット30に、物品格納庫から、ユーザ注文された物品をボックス30B-1またはボックス30B-2に移し、ロボット30停止時に、ボックス30B-1またはボックス30B-2の自動開動作を実行させることで、物品を取り出し可能とする。
【0036】
画像解析部134は、ロボット30によって撮像されたユーザの顔が写る画像を基に、ユーザの表情を解析する。画像解析部134は、例えば、香りの提供時のユーザの表情を解析する。画像解析部134は、「良い」、「良くない」、「変化なし」等のほか、喜怒哀楽、ポジティブ、ネガティブ、ニュートラルといった解析を行ってもよい。
【0037】
香り設定部135は、ユーザの状況に応じた香りを設定し、ロボット30に対し、ユーザへのサービス提供時に、設定した香りを発生させる。香り設定部135は、設定した香りとその強度とを含む香り発生指示をロボット30に送信する。
【0038】
例えば、香り設定部135は、履歴情報124を参照し、注文元のユーザが「良い」と評価した種別及び強さの香りを設定する。この際、香り設定部135は、履歴情報124の提供日時を参照し、注文時と最も近い時間帯に、「良い」と評価された香りを設定する。例えば、香り設定部135は、注文時が休憩時間である場合には、履歴情報124のうち、休憩時間に注文元のユーザが「良い」と評価した香りを設定する。香り設定部135は、注文時が業務時間である場合には、履歴情報124のうち、業務時間に注文元のユーザが「良い」と評価した香りを設定する。
【0039】
また、香り設定部135は、スケジュール記憶部123を参照し、注文元のユーザのスケジュールを基に、香りを設定する。例えば、注文元のユーザが、休憩のため、自席にいる場合には、図6を参照し、このユーザに対し、リラックスする系統の香りを設定する。また、注文元のユーザが、企画発掘のための会議のため、会議室にいる場合には、会議室にいるユーザに対し、爽やかな系統の香りを設定する。
【0040】
また、香り設定部135は、画像解析部134が解析したユーザの表情に応じて、香りを設定する。例えば、香り設定部135は、前回及びそれ以前に香りを提供した際のユーザの表情のうち、「良い」と解析された場合に提供された、種別及び強さの香りを設定する。或いは、香り設定部135は、物品提供時のユーザの表情に応じて香りを設定してもよい。例えば、香り設定部135は、物品提供時のユーザの表情が「怒」であれば、リラックスする系統の香りを設定する。
【0041】
また、香り設定部135は、香り設定モデル127を用いて、ユーザの状況に応じた香りを設定してもよい。香り設定部135は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を香り設定モデル127に入力して、ユーザに提供する香りの種別、強弱を取得する。
【0042】
評価受付部136は、ロボット30の香り発生部38(後述)が発生した香りに対するユーザの評価を基に、ユーザへの次のサービス提供時に設定する香りを調整する。
【0043】
ユーザの評価は、例えば、ロボット30のタッチパネルに表示された「良い」、「普通」、「良くない」のアイコンのうちいずれかがユーザに選択されることによって、ロボット30に入力される。また、ユーザの評価は、ロボット30のマイクが、ユーザによる「良い」、「普通」、「良くない」等の発言の入力を受け付けることによって、ロボット30に入力される。また、ユーザの評価は、ユーザへのサービス提供時にロボット30によって撮像されたユーザの画像を基に、画像解析部134が、ユーザの表情を解析した解析結果を基に取得される。
【0044】
評価受付部136は、履歴情報124に、ユーザID、日時、香りの種別、強度、評価、表情解析結果を登録する。または、評価受付部136は、ユーザの評価と、ユーザID、日時、香りの種別、強度、表情解析結果とを基に、香り設定モデル127のパラメータの再調整を行う。
【0045】
また、制御部13は、ロボット30が受け付けたユーザの音声情報を解析してもよい。例えば、制御部13は、ユーザの発話が、以前の発話と比して、声の大きさが小さい、滑舌が悪い、発話のスピードが所定以上遅いか否かを解析する。そして、この場合には、香り設定部135が、リラックスする香りを設定するようにしてもよい。また、制御部13は、ユーザの音声の感情解析を行ってもよい。ユーザの音声よりユーザが「怒っている」と解析された場合には、香り設定部135は、リラックスする香りを設定するようにしてもよい。
【0046】
[ロボット]
次に、ロボット30について説明する。図7は、図1に示すロボット30の構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、ロボット30は、通信部31、記憶部32、制御部33、入出力部34、撮像部35、ロボット動作部36、物品提供部37及び香り発生部38を有する。
【0047】
通信部31は、各種情報に関する通信を制御する。例えば、通信部31は、サーバ装置10との間で行われる通信を制御する。通信部31は、サーバ装置10から、注文元のユーザが位置する場所までの移動指示、注文された物品のユーザへの提供指示、及び、香り発生指示を受信する。通信部31は、撮像部35(後述)が撮像した画像や、タッチパネルやマイク等を介して入力された、香りに対するユーザの評価をサーバ装置10に送信する。
【0048】
入出力部34は、各種情報を出力し、ユーザからの入力を受信する。入出力部34は、例えば、液晶画面、タッチパネル、スピーカ、マイクロフォン等を含む。入出力部34は、物品の受領確認や決済処理等のための操作用画面や、音声を出力する。また、入出力部34は、香りに対するユーザの評価の入力を促す操作用画面や音声を出力し、操作画面の操作を受け付けることによって、または、香りに対するユーザの評価の発言の入力を受け付けることによって、香りに対するユーザの入力を受け付ける。
【0049】
記憶部32は、制御部33による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。例えば、記憶部32は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。記憶部32は、マップ情報321、画像322及び評価情報323を有する。
【0050】
マップ情報321は、建物の各フロアのマップ、各ユーザの座席位置、各ユーザの席位置までのロボット30の移動ルート、各ユーザの座席位置に対応するロボット30の停止位置等を含む。
【0051】
画像322は、撮像部35(後述)が撮像した、サービス提供の際のユーザの画像である。評価情報323は、香りに対するユーザの評価を含む情報である。
【0052】
撮像部35は、画像を撮像する。撮像部35は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により実現されるカメラ機能やビデオ機能を有し、静止画像や動画像を撮像する。撮像部35は、ユーザの顔が写るように、ユーザの画像を撮像する。
【0053】
ロボット動作部36は、ロボット30を自律走行させる機構部である。ロボット動作部36は、ロボット動作制御部332の制御の基、エレベータやセキュリティドアと連携して、建物の内部を走行する。ロボット動作部36は、センサ部30A-1,30A-2の障害物感知結果を基に、障害物を避けながら、注文元のユーザが位置する場所まで移動する。
【0054】
物品提供部37は、ユーザから注文を受けた物品を、ユーザに提供する機構部である。格納する物品のうち、注文を受けた物品をボックス30B-1,30B-2に移し、注文元のユーザが位置する場所へのロボット30の移動が終了すると、ボックス30B-1,30B-2の自動開動作を実行することで、ユーザが物品を取り出し可能とする。
【0055】
香り発生部38は、香りを発生する。香り発生部38は、複数種別の芳香剤を保持し、香り発生制御部334の制御にしたがって、出力対象の種別の香りに対応する芳香剤の蓋を開け、口部30Dから、香りを出力する。香り発生部38は、芳香剤の蓋を開ける面積を調整することによって、出力する香りの強弱を調整する。
【0056】
制御部33は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。ここで、制御部33は、CPUなどの電子回路やASICやFPGAなどの集積回路である。制御部33は、撮像制御部331、ロボット動作制御部332、物品提供制御部333、香り発生制御部334及び評価受付部335を有する。
【0057】
撮像制御部331は、撮像部35の撮像処理を制御する。撮像制御部331は、ユーザへの物品提供の際に、ユーザの顔が写るように、撮像部35にユーザを撮像させる。
【0058】
ロボット動作制御部332は、サーバ装置10による、注文元のユーザが位置する場所までの移動指示を受けると、マップ情報121の移動ルートに従って、注文元のユーザが位置する場所まで移動させ、ユーザの位置に対応する停止位置で停止させる。
【0059】
物品提供制御部333は、サーバ装置10による、注文された物品のユーザへの提供指示を受けると、物品提供部37に、注文された物品のユーザへの提供を実行させる。物品提供制御部333は、物品格納庫から、ユーザ注文された物品をボックス30B-1またはボックス30B-2に移動する。そして、物品提供制御部333は、ロボット30停止時に、ボックス30B-1またはボックス30B-2の自動開動作を実行させることで、物品を取り出し可能とする。
【0060】
香り発生制御部334は、サーバ装置10による香り発生指示を受けると、香り発生部38に対し、ユーザへのサービス提供時に、香り発生指示が指示した種別及び強度で、香りを発生させる。香り発生制御部334は、香り発生部38に、蓋を開ける芳香剤の種別を指示し、蓋を開ける面積を指示することで、香り発生指示が指示した種別及び強度で、香りを発生させる。
【0061】
評価受付部335は、香りに対するユーザの評価の入力を促す操作用画面を入出力部34から出力させ、操作画面の操作を介して入力された、香りに対するユーザの評価を、サーバ装置10に送信する。また、評価受付部335は、香りに対するユーザの評価の入力を促す音声を入出力部34から出力させ、入出力部34のマイクを介して入力された、香りに対するユーザの評価の発言をテキスト化し、サーバ装置10に送信してもよい。
【0062】
[制御方法]
次に、制御システム1における制御処理について説明する。図8は、実施の形態1に係る制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0063】
図8に示すように、サーバ装置10に、端末20から物品を注文及びその配送が要求される(ステップS1,S2)。また、端末20は、ユーザのスケジュールを読み出し(ステップS3)、読み出したスケジュールをサーバ装置10に送信する(ステップS4)。
【0064】
サーバ装置10は、端末20による物品注文及び配送要求に応じて、注文された物品を格納するロボット30に、注文元のユーザが位置する場所まで移動させる移動指示を送信する(ステップS5,S6)。
【0065】
ロボット30は、サーバ装置10による移動指示に応じて、マップ情報121の移動ルートにしたがって、ユーザが位置する場所まで移動し(ステップS7)、ユーザの位置に対応する停止位置で停止させる。
【0066】
ロボット30は、ユーザの顔が写るように、ユーザの画像を撮像し(ステップS8)、サーバ装置10に画像を送信する(ステップS9)。
【0067】
サーバ装置10は、ロボット30によって撮像されたユーザの顔が写る画像を基に、ユーザの表情を解析する(ステップS10)。
【0068】
サーバ装置10は、香りの設定用情報を読み出す(ステップS11)。例えば、サーバ装置10は、ユーザ情報、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、パターン情報125を読み出す。
【0069】
サーバ装置10は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を基に、ユーザの状況に応じた香りを設定する(ステップS12)。サーバ装置10は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を、香り設定モデル127に入力することで、ユーザに提供する香りの種別、強弱を取得する。或いは、サーバ装置10は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を参照して、所定の設定ルールにしたがって、ユーザに提供する香りの種別、強弱を設定してもよい。
【0070】
サーバ装置10は、ロボット30に対し、ユーザへのサービス提供時に、設定した香り発生指示をロボット30に送信する(ステップS13)。ロボット30は、サーバ装置10による香り発生指示を受けると、ユーザへのサービス提供時に、香り発生指示が指示した種別及び強度で、香りを発生する(ステップS14)。
【0071】
サーバ装置10は、ロボット30に、注文された物品のユーザへの提供指示を送信し(ステップS15,S16)、ロボット30に、注文した物品の提供を実行させる(ステップS17)。なお、ステップS12~ステップS14及びステップS15~ステップS17は、並行実施も可能である。
【0072】
ロボット30は、ユーザの顔が写るように、ユーザの画像を撮像し(ステップS18)、サーバ装置10に画像を送信する(ステップS19)。
【0073】
ロボット30は、香りに対するユーザの評価の入力を受け付け(ステップS20)、サーバ装置10に送信する(ステップS21)。
【0074】
サーバ装置10は、送信された評価と、ユーザID、日時、香りの種別、強度、表情解析結果とを基に、香り設定モデル127のパラメータの再調整を行う(ステップS22)。また、サーバ装置10は、送信された評価を基に、履歴情報124を更新する。
【0075】
[実施の形態1の効果]
このように、実施の形態1によれば、オフィス内を移動するロボット30が、ユーザに物品を提供する際に、このユーザの状況に応じた香りを提供することで、オフィスワーカーのQOLの向上を図ることができる。
【0076】
実施の形態1では、サーバ装置10は、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を基に、ユーザの状況に応じた香りを設定するため、ユーザに適した香りを提供することができる。
【0077】
また、実施の形態1では、サーバ装置10は、ユーザのスケジュール、画像解析部134が解析した前記ユーザの表情、及び/または、香りに対するユーザの評価と、香りとの関係を学習した香り設定モデル127を用いて、ユーザの状況に応じた香りを設定するため、ユーザに適した香りを提供することができる。
【0078】
また、実施の形態1では、サーバ装置10は、ロボット30が発生させた香りに対するユーザの評価をフィードバックすることで、次回提供時に、ユーザにさらに適した香りを提供することができる。
【0079】
[実施の形態2]
実施の形態2に係る制御システムは、オフィス内を移動するロボットが、ユーザにサービスを提供する際に、ユーザの状況に応じた楽曲の音声を提供することで、オフィスワーカーのQOLの向上を図る。実施の形態2に係る制御システムは、実施の形態1に係る制御システムと同様に、端末20、ロボット230及びサーバ装置210を有する。
【0080】
図9は、実施の形態2に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、実施の形態2に係るサーバ装置210は、図2に示す制御部13に代えて、制御部213を有する。
【0081】
また、記憶部12は、履歴情報2124、パターン情報2125及び楽曲設定モデル2127を有する。
【0082】
履歴情報2124は、各ユーザに提供された楽曲の履歴と、その楽曲に対するユーザの評価、及び、楽曲の音声提供時のユーザの表情解析結果とを含む。楽曲の提供時のユーザの表情解析結果は、画像解析部134による解析結果である。
【0083】
図10は、図9に示す履歴情報2124のデータ構成の一例を示す図である。図10に示すように、履歴情報2124は、ユーザID、日時、楽曲の識別情報、音声の出力強度、評価、表情解析結果を項目として有する。図10に示すように、ユーザ「U1」は、「6/30(木)12:50」に強度「弱」で提供された楽曲「M-1」については、「良い」と評価し、ユーザ「U1」の表情解析結果も「良い」という結果が履歴として記録されている。また、ユーザ「U1」に、「7/8(金)12:00」に強度「中」で提供された楽曲「M-2」については、ユーザ「U1」の表情解析結果は「良くない」という結果が履歴として記録されている。
【0084】
パターン情報2125は、楽曲の提供パターンを示す情報である。図11は、図9に示すパターン情報2125のデータ構成の一例を示す図である。図11に示すように、パターン情報2125では、物品の配送先が会議室である場合と、個人の座席である場合とに分け、さらに、会議等の内容に応じて、提供する楽曲の種別が対応付けられる。例えば、パターン情報2125は、パターン、内容、楽曲の項目を有する。会議パターンであり、会議の内容が社員面談である場合には、ヒーリングミュージックに属する楽曲が対応付けられる。また、個人パターンであり、休憩中である場合には、ヒーリングミュージックに属する楽曲が対応付けられる。
【0085】
楽曲設定モデル2127は、ユーザのスケジュール、画像解析部134が解析したユーザの表情、及び/または、ロボット230(後述)が出力した楽曲に対するユーザの評価と、楽曲との関係を学習したモデルである。楽曲設定モデル2127は、例えば、ユーザごとに設けられてもよい。楽曲設定モデル2127は、例えば、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、パターン情報2125、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果が入力されると、ユーザに提供する楽曲の種別、音声の出力強度の強弱を出力する。
【0086】
制御部213は、制御部13と同様の機能を有する。制御部213は、図2に示す制御部13と比して、香り設定部135及び評価受付部136に代えて、楽曲設定部2135及び評価受付部2136を有する。
【0087】
楽曲設定部2135は、ユーザの状況に応じた楽曲を設定し、ロボット230に対し、ユーザへのサービス提供時に、設定した楽曲の音声を出力させる。楽曲設定部2135は、設定した楽曲と、その楽曲の音声の出力強度とを含む楽曲出力指示をロボット230に送信する。楽曲設定部2135は、楽曲出力指示として、出力対象の楽曲の識別情報とその音声の出力強度とを指示する情報をロボット230に送信してもよいし、出力対象の楽曲の音声情報と、その出力強度とを指示する情報をロボット230に送信してもよい。
【0088】
例えば、楽曲設定部2135は、履歴情報2124を参照し、注文元のユーザが「良い」と評価した楽曲と出力強度とを設定する。この際、楽曲設定部2135は、履歴情報2124の提供日時を参照し、注文時と最も近い時間帯に、「良い」と評価された楽曲を設定する。例えば、楽曲設定部2135は、注文時が休憩時間である場合には、履歴情報2124のうち、休憩時間に注文元のユーザが「良い」と評価した楽曲を設定する。楽曲設定部2135は、注文時が業務時間である場合には、履歴情報2124のうち、業務時間に注文元のユーザが「良い」と評価した楽曲を設定する。
【0089】
また、楽曲設定部2135は、スケジュール記憶部123を参照し、注文元のユーザのスケジュールを基に、楽曲を設定する。例えば、注文元のユーザが、個人の業務のため、自席にいる場合には、図11を参照し、このユーザに対し、ヒーリングミュージックを設定する。また、注文元のユーザが、社員面談のため、会議室にいる場合には、会議室にいるユーザに対し、ヒーリングミュージックを設定する。
【0090】
また、楽曲設定部2135は、画像解析部134が解析したユーザの表情に応じて、楽曲及びその音声の出力強度を設定する。例えば、楽曲設定部2135は、前回及びそれ以前に楽曲を提供した際のユーザの表情のうち、「良い」と解析された場合に提供された、楽曲及び出力強度を設定する。或いは、楽曲設定部2135は、物品提供時のユーザの表情に応じて楽曲を設定してもよい。例えば、楽曲設定部2135は、物品提供時のユーザの表情が「怒」であれば、ヒーリングミュージックを設定する。
【0091】
また、楽曲設定部2135は、楽曲設定モデル2127を用いて、ユーザの状況に応じた楽曲を設定してもよい。楽曲設定部2135は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を楽曲設定モデル2127に入力して、ユーザに提供する楽曲、出力強弱を取得する。
【0092】
評価受付部2136は、ロボット230の入出力部34が出力した楽曲に対するユーザの評価を基に、ユーザへの次のサービス提供時に設定する楽曲を調整する。
【0093】
ユーザの評価は、例えば、ロボット230のタッチパネルに表示された「良い」、「普通」、「良くない」のアイコンのうちいずれかがユーザに選択されることによって、ロボット230に入力される。また、ユーザの評価は、ロボット230のマイクが、ユーザによる「良い」、「普通」、「良くない」等の発言の入力を受け付けることによって、ロボット230に入力される。また、ユーザの評価は、ユーザへのサービス提供時にロボット230によって撮像されたユーザの画像を基に、画像解析部134が、ユーザの表情を解析した解析結果を基に取得される。
【0094】
評価受付部2136は、履歴情報2124に、ユーザID、日時、楽曲、強度、評価、表情解析結果を登録する。または、評価受付部2136は、ユーザの評価と、ユーザID、日時、楽曲の種別、強度、表情解析結果とを基に、楽曲設定モデル2127のパラメータの再調整を行う。
【0095】
また、制御部213は、ロボット230が受け付けたユーザの音声情報を解析してもよい。例えば、制御部213は、ユーザの発話が、以前の発話と比して、声の大きさが小さい、滑舌が悪い、発話のスピードが所定以上遅いか否かを解析する。そして、この場合には、楽曲設定部2135が、ヒーリングミュージックを設定するようにしてもよい。また、制御部213は、ユーザの音声の感情解析を行ってもよい。ユーザの音声よりユーザが「怒っている」と解析された場合には、楽曲設定部2135は、ヒーリングミュージックを設定するようにしてもよい。
【0096】
[ロボット]
次に、実施の形態2に係るロボット230について説明する。図12は、実施の形態2に係るロボット230の構成の一例を示すブロック図である。図12に示すように、ロボット230は、図7に示すロボット30と比して、香り発生部38を削除した構成を有する。そして、ロボット230は、制御部33に代えて、制御部233を有する。
【0097】
記憶部32は、ユーザに提供する複数の楽曲の音声情報を含む楽曲情報2324を有する。楽曲情報2324は、予め取得され、または、サーバ装置210から送信され、ヒーリングミュージックや、交響曲等のカテゴリに分けて登録される。
【0098】
制御部233は、制御部13と同様の機能を有する。制御部233は、楽曲出力制御部2334を有する。
【0099】
楽曲出力制御部2334は、サーバ装置210による楽曲出力指示を受けると、入出力部34に対し、ユーザへのサービス提供時に、楽曲出力指示が指示した楽曲の音声を、指示された出力強度で出力させる。
【0100】
評価受付部2335は、楽曲に対するユーザの評価の入力を促す操作用画面を入出力部34から出力させ、操作画面の操作を介して入力された、楽曲に対するユーザの評価を、サーバ装置210に送信する。また、評価受付部2335は、楽曲に対するユーザの評価の入力を促す音声を入出力部34から出力させ、入出力部34のマイクを介して入力された、楽曲に対するユーザの評価の発言をテキスト化し、サーバ装置210に送信してもよい。
【0101】
[制御方法]
図13は、実施の形態2に係る制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。図13に示すステップS31~ステップS40は、図8に示すステップS1~ステップS10と同じ処理である。
【0102】
サーバ装置210は、楽曲の設定用情報を読み出す(ステップS41)。例えば、サーバ装置210は、ユーザ情報、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、パターン情報2125を読み出す。
【0103】
サーバ装置210は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を基に、ユーザの状況に応じた楽曲を設定する(ステップS42)。サーバ装置210は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を、楽曲設定モデル2127に入力することで、ユーザに提供する楽曲、音声の出力強度を取得する。或いは、サーバ装置210は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を参照して、所定の設定ルールにしたがって、ユーザに提供する楽曲、音声の出力強度を設定してもよい。
【0104】
サーバ装置210は、ロボット230に対し、ユーザへのサービス提供時に、設定した楽曲出力指示をロボット230に送信する(ステップS43)。ロボット230は、サーバ装置210による楽曲出力指示を受けると、ユーザへのサービス提供時に、楽曲出力指示が指示した強度で、楽曲出力指示において指示された楽曲の音声を出力する(ステップS44)。
【0105】
図13に示すステップS45~ステップS49は、図8に示すステップS15~ステップS19と同じ処理である。
【0106】
ロボット230は、楽曲に対するユーザの評価の入力を受け付け(ステップS50)、サーバ装置210に送信する(ステップS51)。
【0107】
サーバ装置210は、送信されたユーザの評価と、ユーザID、日時、楽曲、音声の出力強度、表情解析結果とを基に、楽曲設定モデル2127のパラメータの再調整を行う(ステップS52)。また、サーバ装置210は、送信された評価を基に、履歴情報2124を更新する。
【0108】
[実施の形態2の効果]
このように、実施の形態2によれば、オフィス内を移動するロボット230が、ユーザに物品を提供する際に、このユーザの状況に応じた楽曲を提供することで、オフィスワーカーのQOLの向上を図ることができる。
【0109】
実施の形態2では、サーバ装置210は、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を基に、ユーザの状況に応じた楽曲を設定するため、ユーザに適した楽曲を提供することができる。
【0110】
また、実施の形態2では、サーバ装置210は、ユーザのスケジュール、画像解析部134が解析した前記ユーザの表情、及び/または、楽曲に対するユーザの評価と、楽曲との関係を学習した楽曲設定モデル2127を用いて、ユーザの状況に応じた楽曲を設定するため、ユーザに適した楽曲を提供することができる。
【0111】
また、実施の形態2では、サーバ装置210は、ロボット230が出力した楽曲に対するユーザの評価をフィードバックすることで、次回提供時に、ユーザにさらに適した楽曲を提供することができる。
【0112】
[実施の形態3]
実施の形態3に係る制御システムは、オフィス内を移動するロボットが、ユーザにサービスを提供する際に、ユーザの状況に応じた画像を提供することで、オフィスワーカーのQOLの向上を図る。実施の形態3に係る制御システムは、実施の形態1に係る制御システムと同様に、端末20、ロボット330及びサーバ装置310を有する。
【0113】
図14は、実施の形態3に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。図14に示すように、実施の形態3に係るサーバ装置310は、図2に示す制御部13に代えて、制御部313を有する。
【0114】
また、記憶部12は、履歴情報3124、パターン情報3125及び画像設定モデル3127を有する。
【0115】
履歴情報3124は、各ユーザに提供された画像の履歴と、その画像に対するユーザの評価、及び、画像提供時のユーザの表情解析結果とを含む。画像提供時のユーザの表情解析結果は、画像解析部134による解析結果である。
【0116】
図15は、図14に示す履歴情報3124のデータ構成の一例を示す図である。図15に示すように、履歴情報3124は、ユーザID、日時、画像の識別情報、評価、表情解析結果を項目として有する。図15に示すように、ユーザ「U1」は、「6/30(木)12:50」に提供された画像「G-1」については、「良い」と評価し、ユーザ「U1」の表情解析結果も「良い」という結果が履歴として記録されている。また、ユーザ「U1」に、「7/8(金)12:00」に提供された画像「G-2」については、ユーザ「U1」の表情解析結果は「良くない」という結果が履歴として記録されている。
【0117】
パターン情報3125は、画像の提供パターンを示す情報である。図16は、図14に示すパターン情報3125のデータ構成の一例を示す図である。図16に示すように、パターン情報3125では、物品の配送先が会議室である場合と、個人の座席である場合とに分け、さらに、会議等の内容に応じて、提供する画像の種別が対応付けられる。例えば、パターン情報3125は、パターン、内容、画像の項目を有する。会議パターンであり、会議の内容が社員面談である場合には、「草原」を写した画像が対応付けられる。また、個人パターンであり、休憩中である場合には、「犬」を写した画像が対応付けられる。
【0118】
画像設定モデル3127は、ユーザのスケジュール、画像解析部134が解析したユーザの表情、及び/または、ロボット330(後述)が出力した画像に対するユーザの評価と、画像との関係を学習したモデルである。画像設定モデル3127は、例えば、ユーザごとに設けられてもよい。画像設定モデル3127は、例えば、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、パターン情報3125、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果が入力されると、ユーザに提供する画像を示す情報を出力する。
【0119】
制御部313は、制御部13と同様の機能を有する。制御部313は、図2に示す制御部13と比して、香り設定部135及び評価受付部136に代えて、画像設定部3135及び評価受付部3136を有する。
【0120】
画像設定部3135は、ユーザの状況に応じた画像を設定し、ロボット330に対し、ユーザへのサービス提供時に、設定した画像を出力させる。画像設定部3135は、設定した画像の画像出力指示をロボット330に送信する。画像設定部3135は、画像出力指示として、出力対象の画像の識別情報とその出力を指示する情報をロボット330に送信してもよいし、出力対象の画像情報と、その出力を指示する情報をロボット330に送信してもよい。
【0121】
例えば、画像設定部3135は、履歴情報3124を参照し、注文元のユーザが「良い」と評価した画像を設定する。この際、画像設定部3135は、履歴情報3124の提供日時を参照し、注文時と最も近い時間帯に、「良い」と評価された画像を設定する。例えば、画像設定部3135は、注文時が休憩時間である場合には、履歴情報3124のうち、休憩時間に注文元のユーザが「良い」と評価した画像を設定する。画像設定部3135は、注文時が業務時間である場合には、履歴情報3124のうち、業務時間に注文元のユーザが「良い」と評価した画像を設定する。
【0122】
また、画像設定部3135は、スケジュール記憶部123を参照し、注文元のユーザのスケジュールを基に、画像を設定する。例えば、注文元のユーザが、個人の業務のため、自席にいる場合には、図16を参照し、このユーザに対し、「湖」が写る画像を設定する。また、注文元のユーザが、社員面談のため、会議室にいる場合には、図16を参照し、会議室にいるユーザに対し、「草原」が写る画像を設定する。
【0123】
また、画像設定部3135は、画像解析部134が解析したユーザの表情に応じて、画像を設定する。例えば、画像設定部3135は、前回及びそれ以前に画像を提供した際のユーザの表情のうち、「良い」と解析された場合に提供された、画像を設定する。或いは、画像設定部3135は、物品提供時のユーザの表情に応じて画像を設定してもよい。例えば、画像設定部3135は、物品提供時のユーザの表情が「怒」であれば、「湖」が写る画像を設定する。
【0124】
また、画像設定部3135は、画像設定モデル3127を用いて、ユーザの状況に応じた画像を設定してもよい。画像設定部3135は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を画像設定モデル3127に入力して、ユーザに提供する画像を取得する。
【0125】
評価受付部3136は、ロボット330の入出力部34が出力した画像に対するユーザの評価を基に、ユーザへの次のサービス提供時に設定する画像を調整する。
【0126】
ユーザの評価は、例えば、ロボット330のタッチパネルに表示された「良い」、「普通」、「良くない」のアイコンのうちいずれかがユーザに選択されることによって、ロボット330に入力される。また、ユーザの評価は、ロボット330のマイクが、ユーザによる「良い」、「普通」、「良くない」等の発言の入力を受け付けることによって、ロボット330に入力される。また、ユーザの評価は、ユーザへのサービス提供時にロボット330によって撮像されたユーザの画像を基に、画像解析部134が、ユーザの表情を解析した解析結果を基に取得される。
【0127】
評価受付部3136は、履歴情報3124に、ユーザID、日時、画像、評価、表情解析結果を登録する。または、評価受付部3136は、ユーザの評価と、ユーザID、日時、画像の種別、表情解析結果とを基に、画像設定モデル3127のパラメータの再調整を行う。
【0128】
また、制御部313は、ロボット330が受け付けたユーザの音声情報を解析してもよい。例えば、制御部313は、ユーザの発話が、以前の発話と比して、声の大きさが小さい、滑舌が悪い、発話のスピードが所定以上遅いか否かを解析する。そして、この場合には、画像設定部3135が、「犬」が写る画像を設定するようにしてもよい。また、制御部313は、ユーザの音声の感情解析を行ってもよい。ユーザの音声よりユーザが「怒っている」と解析された場合には、画像設定部3135は、「湖」が写る画像を設定するようにしてもよい。
【0129】
[ロボット]
次に、実施の形態3に係るロボット330について説明する。図17は、実施の形態3に係るロボット330の構成の一例を示すブロック図である。図17に示すように、ロボット330は、図7に示すロボット30と比して、香り発生部38を削除した構成を有する。そして、ロボット330は、制御部33に代えて、制御部3331を有する。
【0130】
記憶部32は、ユーザに提供する複数の画像を含む出力用画像3324を有する。出力用画像3324の各画像は、予め取得され、または、サーバ装置310から送信され、「草原」、「山岳」、「湖」、「犬」等の被写体がラベリングされて登録される。
【0131】
制御部3331は、制御部13と同様の機能を有する。制御部3331は、画像出力制御部3334を有する。
【0132】
画像出力制御部3334は、サーバ装置310による画像出力指示を受けると、入出力部34に対し、ユーザへのサービス提供時に、画像出力指示が指示した画像を出力させる。画像出力制御部3334は、例えば、ディスプレイ30Eに、画像出力指示が指示した画像を出力させる。
【0133】
評価受付部3335は、画像に対するユーザの評価の入力を促す操作用画面を入出力部34から出力させ、操作画面の操作を介して入力された、画像に対するユーザの評価を、サーバ装置310に送信する。また、評価受付部3335は、画像に対するユーザの評価の入力を促す音声を入出力部34から出力させ、入出力部34のマイクを介して入力された、画像に対するユーザの評価の発言をテキスト化し、サーバ装置310に送信してもよい。
【0134】
[制御方法]
図18は、実施の形態3に係る制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。図18に示すステップS61~ステップS70は、図8に示すステップS1~ステップS10と同じ処理である。
【0135】
サーバ装置310は、画像の設定用情報を読み出す(ステップS71)。例えば、サーバ装置310は、ユーザ情報、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、パターン情報3125を読み出す。
【0136】
サーバ装置310は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を基に、ユーザの状況に応じた画像を設定する(ステップS72)。サーバ装置310は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を、画像設定モデル3127に入力することで、ユーザに提供する画像を示す情報を取得する。或いは、サーバ装置310は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を参照して、所定の設定ルールにしたがって、ユーザに提供する画像を設定してもよい。
【0137】
サーバ装置310は、ロボット330に対し、ユーザへのサービス提供時に、設定した画像出力指示をロボット330に送信する(ステップS73)。ロボット330は、サーバ装置310による画像出力指示を受けると、ユーザへのサービス提供時に、画像出力指示において指示された画像を出力する(ステップS74)。
【0138】
図18に示すステップS75~ステップS79は、図8に示すステップS15~ステップS19と同じ処理である。
【0139】
ロボット330は、画像に対するユーザの評価の入力を受け付け(ステップS80)、サーバ装置310に送信する(ステップS81)。
【0140】
サーバ装置310は、送信されたユーザの評価と、ユーザID、日時、画像、表情解析結果とを基に、画像設定モデル3127のパラメータの再調整を行う(ステップS82)。また、サーバ装置310は、送信された評価を基に、履歴情報3124を更新する。
【0141】
[実施の形態3の効果]
このように、実施の形態3によれば、オフィス内を移動するロボット330が、ユーザに物品を提供する際に、このユーザの状況に応じた画像を提供することで、オフィスワーカーのQOLの向上を図ることができる。
【0142】
実施の形態3では、サーバ装置310は、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を基に、ユーザの状況に応じた画像を設定するため、ユーザに適した画像を提供することができる。
【0143】
また、実施の形態3では、サーバ装置310は、ユーザのスケジュール、画像解析部134が解析したユーザの表情、及び/または、画像に対するユーザの評価と、画像との関係を学習した画像設定モデル3127を用いて、ユーザの状況に応じた画像を設定するため、ユーザに適した画像を提供することができる。
【0144】
また、実施の形態3では、サーバ装置310は、ロボット330が出力した画像に対するユーザの評価をフィードバックすることで、次回提供時に、ユーザにさらに適した画像を提供することができる。
【0145】
[実施の形態4]
実施の形態4に係る制御システムは、オフィス内を移動するロボットが、ユーザにサービスを提供する際に、ユーザの状況に応じた、香り、楽曲の音声、及び/または、画像を提供することで、オフィスワーカーのQOLの向上を図る。実施の形態4に係る制御システムは、実施の形態1に係る制御システムと同様に、端末20、ロボット430及びサーバ装置410を有する。
【0146】
図19は、実施の形態4に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。図19に示すように、実施の形態4に係るサーバ装置410は、図2に示す制御部13に代えて、制御部413を有する。
【0147】
また、記憶部12は、履歴情報4124、パターン情報4125及び出力設定モデル4127を有する。
【0148】
履歴情報4124は、各ユーザに提供された香り、楽曲及び/または画像の履歴と、その香り、楽曲及び/または画像に対するユーザの評価、及び、その香り、楽曲及び/または画像の提供時のユーザの表情解析結果とを含む。香り、楽曲及び/または画像の提供時のユーザの表情解析結果は、画像解析部134による解析結果である。
【0149】
図20は、図19に示す履歴情報4124のデータ構成の一例を示す図である。図20に示すように、履歴情報4124は、ユーザID、日時、香りの種別、楽曲の識別情報、画像の識別情報、評価、表情解析結果を項目として有する。
【0150】
図20に示すように、ユーザ「U1」は、「6/30(木)12:50」に提供された香り「F-1」、楽曲「M-1」及び画像「G-1」の組み合わせについては、「良い」と評価し、ユーザ「U1」の表情解析結果も「良い」という結果が履歴として記録されている。また、ユーザ「U1」に、「7/8(金)12:00」に提供された香り「F-2」、楽曲「M-2」、画像「G-2」の組み合わせについては、ユーザ「U1」の表情解析結果は「良くない」という結果が履歴として記録されている。
【0151】
パターン情報4125は、香り、楽曲及び/または画像の提供パターンを示す情報である。図21は、図19に示すパターン情報4125のデータ構成の一例を示す図である。図21に示すように、パターン情報4125では、物品の配送先が会議室である場合と、個人の座席である場合とに分け、さらに、会議等の内容に応じて、提供する、香り、楽曲及び/または画像が対応付けられる。
【0152】
例えば、パターン情報4125は、パターン、内容、香り、楽曲、画像の項目を有する。会議パターンであり、会議の内容が社員面談である場合には、リラックスする系統の香り、ヒーリングミュージックに属する楽曲、及び、「草原」が写る画像が対応付けられる。また、個人パターンであり、業務中である場合には、爽やかな系統の香り、及び、「湖」が写る画像が対応付けられる。
【0153】
出力設定モデル4127は、ユーザのスケジュールと、画像解析部134が解析したユーザの表情と、ロボット430(後述)が出力した、香り、楽曲の音声、及び/または、画像に対するユーザの評価との少なくともいずれか一つと、香り、楽曲及び/または画像との関係を学習したモデルである。出力設定モデル4127は、例えば、ユーザごとに設けられてもよい。出力設定モデル4127は、例えば、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、パターン情報4125、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果が入力されると、ユーザに提供する香り、楽曲及び/または画像、または、それらの組み合わせを出力する。
【0154】
制御部413は、制御部13と同様の機能を有する。制御部413は、図2に示す制御部13と比して、香り設定部135及び評価受付部136に代えて、出力設定部4135及び評価受付部4136を有する。
【0155】
出力設定部4135は、ユーザの状況に応じた香り、楽曲及び/または画像を設定し、ロボット430に対し、ユーザへのサービス提供時に、設定した香り、楽曲の音声、及び/または、画像を出力させる。出力設定部4135は、設定した香りの種別、楽曲、及び/または、画像と、香りの強度、楽曲の音声の出力強度とを含む出力指示を、ロボット430に送信する。
【0156】
出力設定部4135は、出力指示として、出力対象の香りの種別、香りの強度、楽曲の識別情報、その音声の出力強度、及び、画像の識別情報と、その出力を指示する情報をロボット430に送信してもよい。また、出力設定部4135は、出力対象の香りの種別、香りの強度、出力対象の楽曲の音声情報、その出力強度、及び、画像情報と、その出力を指示する情報をロボット430に送信してもよい。
【0157】
例えば、出力設定部4135は、履歴情報4124を参照し、注文元のユーザが「良い」と評価した、香り、楽曲及び/または画像を設定する。この際、出力設定部4135は、履歴情報4124の提供日時を参照し、注文時と最も近い時間帯に、「良い」と評価された香り、楽曲及び/または画像を設定する。例えば、出力設定部4135は、注文時が休憩時間である場合には、履歴情報4124のうち、休憩時間に注文元のユーザが「良い」と評価した香り、楽曲及び/または画像を設定する。出力設定部4135は、注文時が業務時間である場合には、履歴情報4124のうち、業務時間に注文元のユーザが「良い」と評価した香り、楽曲及び/または画像を設定する。
【0158】
また、出力設定部4135は、スケジュール記憶部123を参照し、注文元のユーザのスケジュールを基に、香り、楽曲及び/または画像を設定する。例えば、注文元のユーザが、個人の業務のため、自席にいる場合には、図21を参照し、このユーザに対し、リラックスする系統の香り、ヒーリングミュージック、及び、「湖」を写す画像を設定する。また、注文元のユーザが、社員面談のため、会議室にいる場合には、会議室にいるユーザに対し、リラックスする系統の香り、ヒーリングミュージック、及び、「草原」を写す画像を設定する。
【0159】
また、出力設定部4135は、画像解析部134が解析したユーザの表情に応じて、香り、楽曲及び/または画像を設定する。例えば、出力設定部4135は、前回及びそれ以前に香り、楽曲及び/または画像を提供した際のユーザの表情のうち、「良い」と解析された場合に提供された、香り、楽曲及び/または画像を設定する。或いは、出力設定部4135は、物品提供時のユーザの表情に応じて、香り、楽曲及び/または画像を設定してもよい。例えば、出力設定部4135は、物品提供時のユーザの表情が「怒」であれば、リラックスする系統の香り、ヒーリングミュージック、及び、「湖」が写る画像を設定する。
【0160】
また、出力設定部4135は、出力設定モデル4127を用いて、ユーザの状況に応じた香り、楽曲及び/または画像を設定してもよい。出力設定部4135は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を出力設定モデル4127に入力して、ユーザに提供する香り、楽曲及び/または画像、香り及び楽曲の音声の出力強弱を取得する。
【0161】
評価受付部4136は、ロボット430の入出力部34が出力した香り、楽曲及び/または画像に対するユーザの評価を基に、ユーザへの次のサービス提供時に設定する香り、楽曲及び/または画像を調整する。
【0162】
ユーザの評価は、例えば、ロボット430のタッチパネルに表示された「良い」、「普通」、「良くない」のアイコンのうちいずれかがユーザに選択されることによって、ロボット430に入力される。また、ユーザの評価は、ロボット430のマイクが、ユーザによる「良い」、「普通」、「良くない」等の発言の入力を受け付けることによって、ロボット430に入力される。また、ユーザの評価は、ユーザへのサービス提供時にロボット430によって撮像されたユーザの画像を基に、画像解析部134が、ユーザの表情を解析した解析結果を基に取得される。
【0163】
評価受付部4136は、履歴情報4124に、ユーザID、日時、香りの種別、楽曲の識別情報、画像の識別情報、評価、表情解析結果を登録する。または、評価受付部4136は、ユーザの評価と、ユーザID、日時、香りの種別、楽曲の識別情報、及び/または画像の識別情報、表情解析結果とを基に、出力設定モデル4127のパラメータの再調整を行う。
【0164】
また、制御部413は、ロボット430が受け付けたユーザの音声情報を解析してもよい。例えば、制御部413は、ユーザの発話が、以前の発話と比して、声の大きさが小さい、滑舌が悪い、発話のスピードが所定以上遅いか否かを解析する。そして、この場合には、出力設定部4135が、リラックスする系統の香り、ヒーリングミュージック、「犬」が写る画像を設定するようにしてもよい。また、制御部413は、ユーザの音声の感情解析を行ってもよい。ユーザの音声よりユーザが「怒っている」と解析された場合には、出力設定部4135は、リラックスする系統の香り、ヒーリングミュージック、及び、「湖」が写る画像を設定するようにしてもよい。
【0165】
[ロボット]
次に、実施の形態4に係るロボット430について説明する。図22は、実施の形態4に係るロボット430の構成の一例を示すブロック図である。図22に示すように、ロボット430は、図7に示すロボット30と比して、制御部33に代えて、制御部433を有する。記憶部32は、楽曲情報2324、及び、出力用画像3324を有する。
【0166】
制御部433は、制御部13と同様の機能を有する。制御部433は、楽曲出力制御部2334、画像出力制御部3334及び評価受付部4335を有する。
【0167】
評価受付部4335は、香り発生部38が発生した香り、入出力部34が出力した楽曲の音声、及び/または、入出力部34が出力した画像に対するユーザの評価の入力を促す操作用画面を入出力部34から出力させる。そして、評価受付部4335は、操作画面の操作を介して入力された、香り発生部38が発生した香り、入出力部34が出力した楽曲の音声、及び/または、入出力部34が出力した画像に対するユーザの評価を、サーバ装置410に送信する。
【0168】
また、評価受付部4335は、香り発生部38が発生した香り、入出力部34が出力した楽曲の音声、及び/または、入出力部34が出力した画像に対するユーザの評価の入力を促す音声を入出力部34から出力させる。そして、評価受付部4335は、入出力部34のマイクを介して入力された、香り発生部38が発生した香り、入出力部34が出力した楽曲の音声、及び/または、入出力部34が出力した画像に対するユーザの評価の発言をテキスト化し、サーバ装置410に送信してもよい。
【0169】
[制御方法]
図23は、実施の形態4に係る制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。図23に示すステップS91~ステップS100は、図8に示すステップS1~ステップS10と同じ処理である。
【0170】
サーバ装置410は、画像の設定用情報を読み出す(ステップS101)。例えば、サーバ装置410は、ユーザ情報、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、パターン情報4125を読み出す。
【0171】
サーバ装置410は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を基に、ユーザの状況に応じた、香り、楽曲及び/または画像を設定する(ステップS102)。サーバ装置410は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を、出力設定モデル4127に入力することで、ユーザに提供する、香り、楽曲及び/または画像を示す情報を取得する。或いは、サーバ装置410は、ユーザID、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を参照して、所定の設定ルールにしたがって、ユーザに提供する、香り、楽曲及び/または画像を設定してもよい。
【0172】
サーバ装置410は、ロボット430に対し、ユーザへのサービス提供時に、設定した出力指示をロボット430に送信する(ステップS103)。ロボット430は、サーバ装置410による出力指示を受けると、ユーザへのサービス提供時に、出力指示において指示された、香り、楽曲の音声、及び/または、画像を出力する(ステップS104)。
【0173】
図23に示すステップS105~ステップS109は、図8に示すステップS15~ステップS19と同じ処理である。
【0174】
ロボット430は、ロボット430が出力した、香り、楽曲の音声、及び/または画像に対するユーザの評価の入力を受け付け(ステップS110)、サーバ装置410に送信する(ステップS111)。
【0175】
サーバ装置410は、送信されたユーザの評価と、ユーザID、日時、画像、表情解析結果とを基に、出力設定モデル4127のパラメータの再調整を行う(ステップS112)。また、サーバ装置410は、送信された評価を基に、履歴情報4124を更新する。
【0176】
[実施の形態4の効果]
このように、実施の形態4によれば、オフィス内を移動するロボット430が、ユーザに物品を提供する際に、このユーザの状況に応じた、香り、楽曲の音声、及び/または、画像を提供することで、オフィスワーカーのQOLの向上を図ることができる。
【0177】
実施の形態4では、サーバ装置410は、ユーザのスケジュール、ユーザの履歴情報、及び/または、画像解析部134が解析したユーザの表情解析結果を基に、ユーザの状況に応じた、香り、楽曲及び/または画像を設定するため、ユーザに適した、香り、楽曲の音声、及び/または、画像を提供することができる。
【0178】
また、実施の形態4では、サーバ装置410は、ユーザのスケジュールと、画像解析部134が解析したユーザの表情と、ロボット430が出力した、香り、楽曲の音声、及び/または、画像に対するユーザの評価との少なくともいずれか一つと、香り、楽曲及び/または画像との関係を学習した出力設定モデル4127を用いて、ユーザの状況に応じた香り、楽曲及び/または画像を設定するため、ユーザに適した画像を提供することができる。
【0179】
また、実施の形態4では、サーバ装置410は、ロボット430が出力した、香り、楽曲の音声、及び/または、画像に対するユーザの評価をフィードバックすることで、次回提供時に、ユーザにさらに適した、香り、楽曲の音声、及び/または、画像を提供することができる。
【0180】
[変形例]
ロボット30,230,330,430の移動制御と、ロボット30,230,330,430による香り、楽曲の音声、及び/または、画像の出力制御とを、別のサーバ装置に実行させることで、簡易に、香り、楽曲の音声、及び/または、画像の出力機能やその制御を追加することができる。以降、香りを発生させるロボット30の制御を例に説明する。
【0181】
図24は、実施の形態1に係る制御システムの構成の他の例を示すブロック図である。図24に示すように、制御システム1Aは、ロボット30の移動制御を行うサーバ装置10Aと、ロボット30の香りの発生を制御する香り提供サーバ装置10Bとを有する。
【0182】
図25は、図24に示す香り提供サーバ装置10Bの構成の一例を示すブロック図である。香り提供サーバ装置10Bは、通信部11B、記憶部12B及び制御部13Bを有する。通信部11B、記憶部12B及び制御部13Bは、図2に示す通信部11、記憶部12及び制御部13と同じ機能を有する。制御部13Bは、画像解析部134、香り設定部135、評価受付部136を有する。
【0183】
また、サーバ装置10Aは、図2に示すサーバ装置10と比して、通信部11と、マップ情報121及びユーザ情報122を有する記憶部12と、受付部131、ロボット制御部132及び物品提供制御部133を有する制御部13とを有する。
【0184】
図26は、実施の形態1の変形例に係る制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0185】
サーバ装置10Aに、端末20から物品を注文及びその配送が要求される(ステップS121,S122)。また、端末20は、ユーザのスケジュールを読み出し(ステップS123)、読み出したスケジュールをサーバ装置10Aに送信する(ステップS124)。
【0186】
サーバ装置10Aは、端末20による物品注文及び配送要求に応じて、注文された物品を格納するロボット30に、注文元のユーザが位置する場所まで移動させる移動指示を送信する(ステップS125,S126)。図26のステップS127,S130は、図8のステップS7,S8と同じ処理である。
【0187】
サーバ装置10Aは、香り提供サーバ装置10Bに、香りの設定を指示する香り設定指示を送信する(ステップS128,S129)。香り提供サーバ装置10Bは、香り設定指示を受けて、ロボット30が撮像した画像を受信し(ステップS131)、ユーザの表情を解析する(ステップS132)。
【0188】
香り提供サーバ装置10Bは、図8に示すステップS11~ステップS13と同様に、香りの設定用情報を読み出し(ステップS133)、ユーザの状況に応じた香りを設定し(ステップS134)、香り発生指示をロボット30に送信する(ステップS135)。
【0189】
図26に示すステップS136~ステップS140は、図8に示すステップS14~ステップS18と同じ処理である。ロボット30は、撮像したユーザの画像を香り提供サーバ装置10Bに送信する(ステップS141)。
【0190】
ロボット30は、香りに対するユーザの評価の入力を受け付け(ステップS142)、香り提供サーバ装置10Bに送信する(ステップS143)。香り提供サーバ装置10Bは、送信された評価と、ユーザID、日時、香りの種別、強度、表情解析結果とを基に、香り設定モデル127のパラメータの再調整を行う(ステップS144)。また、香り提供サーバ装置10Bは、送信された評価を基に、履歴情報124を更新する。
【0191】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0192】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0193】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明した制御システム1,1Aの構成装置が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態における制御システム1,1Aの構成装置が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0194】
図27は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。図27に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0195】
メモリ1010は、図27に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、図27に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0196】
ここで、図27に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0197】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0198】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0199】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0200】
1,1A 制御システム
10,10A,210,310,410 サーバ装置
10B 香り提供サーバ装置
11,11B,31 通信部
12,12B,32 記憶部
13,13B,33,213,233,313,3331,413,433 制御部
20 端末
30,230,330,430 ロボット
34 入出力部
35 撮像部
36 ロボット動作部
37 物品提供部
38 香り発生部
121,321 マップ情報
122 ユーザ情報
123 スケジュール記憶部
124,2124,3124,4124 履歴情報
125,2125,3125,4125 パターン情報
126 画像群
127 香り設定モデル
131 受付部
132 ロボット制御部
133 物品提供制御部
134 画像解析部
135 香り設定部
136,335,2136,2335,3136,3335,4136,4335 評価受付部
322 画像
323 評価情報
331 撮像制御部
332 ロボット動作制御部
333 物品提供制御部
334 香り発生制御部
2127 楽曲設定モデル
2135 楽曲設定部
2324 楽曲情報
2334 楽曲出力制御部
3127 画像設定モデル
3135 画像設定部
3324 出力用画像
3334 画像出力制御部
4127 出力設定モデル
4135 出力設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27