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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】パレット
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/32 20060101AFI20240625BHJP
   B65D 19/38 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B65D19/32 C
B65D19/38 Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022525658
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2019080443
(87)【国際公開番号】W WO2021089142
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】521056113
【氏名又は名称】シーエイチイーピー テクノロジー ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ロペス ウラン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】カント,マルコルム
(72)【発明者】
【氏名】フィンケ,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ポドゥハジェキー,トルステン
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-156445(JP,A)
【文献】特開2009-018829(JP,A)
【文献】特開2019-011092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/32
B65D 19/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットコンポーネントであって、前記パレットコンポーネントは、
支持部と、
前記支持部から延び、周囲壁によって少なくとも部分的に画定される取付部であって、前記周囲壁は1つ以上の内部チャンバを取り囲み、前記取付部は別のパレットコンポーネントの対応する取付部と係合するように構成される、取付部と、
を備え、
前記1つ以上の内部チャンバは、電子デバイスを少なくとも部分的に受け入れるように構成された少なくとも1つのデバイスチャンバを備え、
前記取付部の周囲壁は、前記少なくとも1つのデバイスチャンバと大気との間の流体経路を少なくとも部分的に画定する1つ以上の切り欠き部を備える、パレットコンポーネント。
【請求項2】
前記1つ以上の内部チャンバは、複数の内部チャンバを備える、請求項1に記載のパレットコンポーネント。
【請求項3】
前記1つ以上の切り欠き部は、複数の切り欠き部を備え、前記複数の切り欠き部は、前記複数の内部チャンバのうちの異なる内部チャンバと直接流体連通する、請求項2に記載のパレットコンポーネント。
【請求項4】
前記1つ以上の内部チャンバは、中央孔の周りに分布している、請求項2又は3に記載のパレットコンポーネント。
【請求項5】
前記1つ以上の切り欠き部は、前記周囲壁の端面に凹部を画定し、前記端面は支持部とは反対側である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のパレットコンポーネント。
【請求項6】
前記パレットコンポーネントはプラットフォームであり、前記支持部は前記プラットフォームのデッキであり、前記デッキはその上に商品を支持するための製品支持面を備え、
前記取付部は、スキッドの対応する取付部と係合するように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパレットコンポーネント。
【請求項7】
前記パレットコンポーネントはスキッドであり、前記支持部は、表面上でスキッドを支持するためのものであり、前記取付部は、プラットフォームの対応する取付部と係合するように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパレットコンポーネント。
【請求項8】
前記少なくとも1つのデバイスチャンバは、その壁又はベースに1つ以上の切り欠き部を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のパレットコンポーネント
【請求項9】
前記少なくとも1つのデバイスチャンバは、その壁に複数の切り欠き部を備える、請求項8に記載のパレットコンポーネント。
【請求項10】
前記周囲壁は、複数の切り欠き部を備え、前記少なくとも1つのデバイスチャンバは、前記複数の切り欠き部のうちの少なくとも2つの異なる周囲壁切り欠き部と流体連通する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のパレットコンポーネント。
【請求項11】
仕切り壁に配置された1つ以上の中間切り欠き部が、前記1つ以上のデバイスチャンバ切り欠き部と、最も近接する1つ以上の周囲壁切り欠き部との間に存在する、請求項9又は10のどちらかに記載のパレットコンポーネント。
【請求項12】
前記1つ以上の周囲壁切り欠き部、前記1つ以上の中間切り欠き部、及び前記1つ以上のデバイスチャンバ切り欠き部が、間接的な流体経路を画定する、請求項11に記載のパレットコンポーネント
【請求項13】
1つ以上の支持リブが前記少なくとも1つのデバイスチャンバ内に突出し、前記1つ以上の支持リブは、前記少なくとも1つのデバイスチャンバに入れられる電子デバイスの挿入の度合いを制限するように構成されたレッジを画定する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のパレットコンポーネント。
【請求項14】
前記周囲壁には、前記少なくとも1つのデバイスチャンバに隣接する周囲壁の一部に沿ってシャンファが組み込まれている、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のパレットコンポーネント
【請求項15】
パレットコンポーネントアセンブリであって、
請求項1乃至14のいずれか一項に記載のパレットコンポーネントと、
電子デバイスと、
を備える、パレットコンポーネントアセンブリであり、
前記電子デバイスが少なくとも1つのデバイスチャンバによって少なくとも部分的に受け入れられる、パレットコンポーネントアセンブリ。
【請求項16】
パレットであって、
請求項6、又はそれに従属するいずれかの請求項に記載のパレットコンポーネントと、
請求項7、又はそれに従属するいずれかの請求項に記載のパレットコンポーネントと、
を備える、パレットであり、
前記プラットフォームの取付部と前記スキッドの取付部は互いに係合する、パレット。
【請求項17】
前記プラットフォーム及び前記スキッドの1つ以上の切り欠き部は、前記プラットフォーム及び前記スキッドの取付部のそれぞれの周囲壁の端面に凹部を画定し、前記それぞれの周囲壁の1つ以上の切り欠き部は、互いに位置合わせされて1つ以上の孔を画定する、請求項16に記載のパレット。
【請求項18】
パレットであって、
請求項6、又はそれに従属するいずれかの請求項に記載のパレットコンポーネントと、
スキッドと、
を備え、
前記スキッドは、
支持部と、
前記支持部から延び、周囲壁によって少なくとも部分的に画定される、取付部と、
を備え、
前記周囲壁は、1つ以上の内部チャンバを取り囲み、
前記デバイスチャンバは、電子デバイスを全部受け入れるように構成され、
前記プラットフォームの取付部と前記スキッドの取付部は互いに係合する、パレット。
【請求項19】
前記デバイスチャンバは、複数の壁とベースによって画定され、前記ベースは、前記デバイスチャンバと大気との間の流体経路を少なくとも部分的に画定する切り欠き部を備える、請求項18に記載のパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレットコンポーネント、パレットコンポーネントアセンブリ、パレット、及びパレットアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ある場所から別の場所に製品を配送するためのパレット及び店頭展示パレットとして用いるためのパレットがよく知られている。そのようなパレットは、例えば、フルサイズパレット、ハーフサイズパレット、及びクォーターパレットなどの様々なサイズで提供されることがある。そのようなパレットの例としては、脚、スキッド、及びホイールを含み得るパレット支持体を備えたプラットフォームが挙げられる。ホイールは、ドリーに組み込まれている場合があり、これらはホイール付きパレットと呼ばれる場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パレットにデジタル技術を組み込むことができることが望ましい。しかしながら、そのような技術を効果的に組み込むには、既存のパレット設計を変更する必要がある。
【0004】
既存のパレットに関連する欠点のうちの1つ以上を克服する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、パレットコンポーネントであって、パレットコンポーネントは、
支持部と、
支持部から延び、周囲壁によって少なくとも部分的に画定される取付部であって、を周囲壁は1つ以上の内部チャンバを取り囲み、取付部は別のパレットコンポーネントの対応する取付部と係合するように構成される、取付部と、
を備え、
1つ以上の内部チャンバは、電子デバイスを少なくとも部分的に受け入れるように構成された少なくとも1つのデバイスチャンバを備え、
取付部の1つ以上の壁は、少なくとも1つのデバイスチャンバと大気との間の流体経路を少なくとも部分的に画定する1つ以上の切り欠き部を備える、パレットコンポーネントが提供される。
【0006】
支持部は、取付部と一体に形成され得る。つまり、支持部及び取付部は、単体として形成され得る。取付部は、支持部に接続されていると言うことができる。
【0007】
周囲壁は、単一の壁又は複数の壁であり得る。周囲壁は、支持部の表面から延びると言うことができる。具体的には、周囲壁は、スキッドのベース部又はデッキの下側から延びると言うことができる。周囲壁は、垂直である、垂直に延びる、又は実質的に垂直に延びると言うことができる。言い換えれば、周囲壁は、支持部から突出し得る。1つ又は複数の周囲壁は1つ以上の内部チャンバを越えて延び得る。取付部は、周囲壁が取付部の最も外側の壁を画定するように周囲壁によって画定され得る。代替的に、周囲壁は、取付部の一部のみを画定し得る、すなわち、取付部の他の部分は周囲壁を越えて突出し得る。或いは、周囲壁は、周囲の壁又は周りの壁として説明される場合がある。上記は、仕切り壁及び/又はデバイスチャンバ壁にも同様に当てはまる。つまり、一般に、壁は、垂直に延びている又は実質的に垂直に延びている(例えばテーパし得る)と言うことができる。
【0008】
1つ以上の壁は、周囲壁を備え得る。1つ以上の壁は、デバイスチャンバ壁を備え得る。1つ以上の壁は、仕切り壁を備え得る。1つ以上の壁は、周囲壁(単数又は複数)及び/又はデバイスチャンバ壁(単数又は複数)及び/又は仕切り壁(単数又は複数)の任意の組み合わせを備え得る。1つ以上の切り欠き部が、周囲壁に画定又は形成され得る。複数の切り欠き部が、周囲壁に画定又は形成され得る。
【0009】
或いは、内部チャンバは、開口面を有するキャビティとして画定され得る。内部チャンバは、1つの開口面を有するキャビティであり得る。内部チャンバの分布は、実質的に対称であり得る。つまり、その分布は、少なくとも取付部内に少なくとも1つの対称軸を有し得る。
【0010】
取付部はブロックであり得る。取付部は、異なるパレットコンポーネントの対応する取付部から支持部を分離するためのものであり得る。係合は、当接を含み得る。取付部は、複数の取付部のうちの中央取付部であり得る。中心性は、一軸又は二軸を基準にしてとることができる。代替的に、取付部は、中央取付部ではなくてもよく、代わりに、中央取付部に隣接していてもよい(すなわち、外側「ブロック」であってもよい)。
【0011】
切り欠き部は、材料が組み込まれていない領域を指すことを意図している。これらは、溝、凹部、孔、又は開口部の形態をとり得る。或いは、切り欠き部は、通気穴として説明される場合がある(しかし、通気穴は、必ずしも材料で囲まれているとは限らない、すなわち、それらは窪み又は溝により似ている場合があることを認識しておく必要がある)。場合によっては、切り欠き部は、材料が周囲の本体から除去されていることによって形成され得る。他の場合には、切り欠き部は、単に材料が存在しなかった領域であり得る(すなわち、切り欠き部は本体の最初の製造時から存在していた)。つまり、切り欠き部は、一般に、表面に材料がないことを指す。周囲壁の1つ以上の切り欠き部は、周囲壁切り欠き部と呼ばれる場合がある。
【0012】
切り欠き部は、具体的には、使用中に少なくとも1つのデバイスチャンバと大気との間の流体経路を画定し得る。つまり、電子デバイスがデバイスチャンバに受け入れられているときでも、切り欠き部は依然として流体経路を画定し得る、すなわち、経路は電子デバイスの存在のために遮断されない。この意味で、切り欠き部は、電子デバイスを受け入れるオリフィスとは異なる(オリフィスは使用中に流体経路を画定しないため)。
【0013】
切り欠き部は、外部のウォータージェットを特定の壁に「方向づける」ことができる。切り欠き部(単数又は複数)の中心軸は、壁(仕切り壁又はデバイスチャンバ壁など)と位置合わせされ得る。この文脈での位置合わせされることは、方向づけられる又は向けられることを意味することを意図している。より好ましくは、中心軸は、どの(他の)切り欠き部からもオフセットされている。これは、望ましくない液体の漏れをさらに低減し得る。これは、切り欠き部が周囲壁切り欠き部である場合に特に効果的である。
【0014】
流体経路は、少なくとも1つのデバイスチャンバを外部の大気に流体接続する通路を指すことを意図している。或いは、流体経路は、通路又はチャネル、例えば空気流チャネルとして説明される場合がある。或いは、流体経路は、内部ラビリンスと呼ばれる場合がある。大気は、パレットコンポーネントの外側の領域、具体的には外部の大気又は外部の場所として説明される場合がある。流体経路は、少なくとも1つのデバイスチャンバと大気との間の流体連通を提供する。流体経路は、切り欠き部のネットワークで形成又は画定されていると言うことができる。その結果、切り欠き部(単数又は複数)は1つ以上のチャネルを画定する。好ましい配列では、1つ以上の切り欠き部は、少なくとも1つのデバイスチャンバと大気との間の流体経路を画定する。つまり、流体経路は、少なくとも1つのデバイスチャンバと大気との間にわたっている。流体経路は、少なくとも1つのデバイスチャンバを大気に流体接続すると言うことができる。
【0015】
流体経路によって提供される利点は、少なくとも1つのデバイスチャンバに受け入れられ得るデバイスが、例えば温度及び湿度などの条件をサンプリングすることができることである。これらの条件は、大気変数又は環境条件と呼ばれる場合がある。さらに、デバイスは、ジェット洗浄などのプロセスを含む、パレットの日常的な使用及びそれによる摩耗から依然として保護されている状態で、前述の条件をサンプリングすることが可能であり得る。別の言い方をすれば、少なくとも1つのデバイスチャンバが液体の侵入から依然として保護されている状態で、同時に、空気流が、取付部の外側から少なくとも1つのデバイスチャンバに到達することができる。
【0016】
流体経路は、大気と少なくとも1つのデバイスチャンバとの間に蛇行経路を画定し得る。流体経路は、ラビリンス配列を画定すると言うことができる。蛇行経路又はラビリンス配列は、洗浄プロセスなどからの液体がデバイスチャンバに漏れるリスクを低減するのに役立つ。そうでなければ、そのような漏れはデバイスの誤動作のリスクがある。デバイスは、パレットコンポーネントに積まれ得る商品又は製品の輸送及び保管中に望まれる、前述の大気変数のサンプリング、記録、及び送信のために用いることができる。
【0017】
流体経路の目的上、流体は、液体又は気体のいずれかを意味し得る。しかしながら、液体がチャンバ(単数又は複数)に入るのを防ぎながら気体はチャンバ(単数又は複数)に到達することができれば、本発明は特に有利であることが理解されるであろう。本明細書の目的上、水蒸気(湿度感知の使用など)は気体とみなされる。
【0018】
少なくとも1つのデバイスチャンバは、電子デバイスを部分的に又は完全に受け入れる。パレットコンポーネントには、1つ、又は2つ、又はそれ以上のデバイスチャンバを組み込むことができる。パレットコンポーネントが複数のデバイスチャンバを備える場合、チャンバのうちの1つだけが、使用中に電子デバイスを受け入れることができる。
【0019】
使用されていないデバイスチャンバ(すなわち、電子デバイスが入っていないデバイスチャンバ)は、キャップで封止され得る。前記キャップは、2つ例を挙げれば流体及び粉塵の、デバイスチャンバへの少なくとも一方向の侵入を実質的に防ぐことができる。電子デバイスには、電子デバイスの端面を画定する、一体型の又は備え付けの、キャップ又は蓋を組み込むことができる。キャップ又は蓋は、使用されていないデバイスチャンバを封止する(すなわち、デバイスチャンバを実質的に封止する)ために用いられるキャップと少なくとも同じ機能を提供する。キャップ又は蓋はまた、製品支持面に置かれた商品又は製品から電子デバイスを保護する。電子デバイスは、荷重感知機能を提供するように構成され得る。
【0020】
デバイスチャンバには上からアクセスすることができる。パレットコンポーネントがプラットフォームである場合、デバイスチャンバには製品支持面を通じてアクセスすることができる。具体的には、デバイスチャンバには製品支持面のオリフィスを通じてアクセスすることができる。
【0021】
1つ以上のデバイスチャンバに位置合わせリブを組み込むことができる。前記リブは周囲壁と実質的に平行に延びることができる。或いは、位置合わせリブは、突起として説明される場合がある。位置合わせリブは、電子デバイスとデバイスチャンバの壁との過度の接触を防ぐことができる。これにより、電子デバイスの挿入がより容易になり得る。位置合わせリブはまた、電子デバイスを周囲の壁から分離するのに役立つことができる。これは、衝撃保護が向上され、壁から流れ落ちる可能性がある(或いは電子デバイスに損傷を与える可能性がある)液体の漏れのリスクが低減されるという理由で望ましい場合がある。
【0022】
デバイスチャンバは、断面が実質的に長方形であり得る。デバイスチャンバは、概して立方体であり得る。デバイスチャンバは、4つの壁によって画定され得る。
【0023】
電子デバイスは、使用中に、熱、雨、及び粉塵などの環境要素から保護される必要がある。
【0024】
使用中に、流体経路は、パレットの洗浄及び通常の動作中に水などの液体から電子デバイスを実質的に隔離し得る。
【0025】
1つ以上の内部チャンバは、複数の内部チャンバを備え得る。
【0026】
複数の内部チャンバは、外部の液体漏れのリスクを低減する。複数の内部チャンバはまた、他のチャンバが大気とデバイスチャンバとの間に存在して、より蛇行した経路を生み出すことを可能にする(これにより、流体経路からの望ましくない液体漏れのリスクがさらに低減される)。1つ以上の内部チャンバが複数のチャンバを備えることは、1つ以上の内部チャンバが少なくとも1つのデバイスチャンバと少なくとも1つの他の内部チャンバを備えることを意味することが理解されるであろう。
【0027】
1つ以上の切り欠き部は複数の切り欠き部を備え得、複数の切り欠き部は、複数の内部チャンバのうちの異なる内部チャンバと直接流体連通する。
【0028】
或いは、直接の流体連通は、面している関係性にある、すなわち、切り欠き部を通る流体が必然的に当該チャンバに入ることと説明され得る。2つのチャンバと直接流体連通する切り欠き部は、2つのチャンバ間に存在し得る、すなわち2つのチャンバを分割し得る。
【0029】
1つ以上の内部チャンバは、中央孔の周りに分布し得る。
【0030】
中央孔は、例えば、パレットコンポーネントを他のパレットコンポーネントに接続するファスナを受け入れるための開口部を提供し得る。1つ以上の内部チャンバが中央孔の周りに分布していることは、射出成形プロセスが用いられるときにパレットコンポーネントの冷却がよりバランスよく行われるため、製造がより容易になるという理由で望ましい場合がある。
【0031】
1つ以上の切り欠き部は、周囲壁の端面に凹部を画定し、端面は支持部とは反対側である。
【0032】
凹部である切り欠き部は、製造がより簡単であり得る。つまり、幾何学的形状が凹部であるため、切り欠き部は、パレットコンポーネントの製造中に形成され得る。前記製造は射出成形によるものであり得る。
【0033】
或いは、端面は、仕切り面として説明される場合がある。これは、使用中に、端面が隣接するパレットコンポーネントの対応する端面と当接することによるものである。言い換えれば、端面は、2つのコンポーネント間に仕切りを画定する。端面は、使用中に2つの取付部間に仕切りラインを画定すると言うことができる。
【0034】
切り欠き部は半円形であり得る。代替的に、切り欠き部は、長方形、又は実質的に長方形であり得る。
【0035】
パレットコンポーネントはプラットフォームであり得、支持部はプラットフォームのデッキであり得、デッキはその上に商品を支持するための製品支持面を備え得、
取付部はスキッドの対応する取付部と係合するように構成され得る。
【0036】
プラットフォームと1つ以上のスキッドとの組み合わせがパレットを形成し得る。パレットは、ハーフパレット、クォーターパレット、又は他の分数サイズのパレットであり得る。
【0037】
パレットコンポーネントはスキッドであり、支持部は、表面上でスキッドを支持するためのものであり、取付部は、プラットフォームの対応する取付部と係合するように構成され得る。
【0038】
スキッドは細長い場合がある。複数のスキッド、好ましくは3つのスキッドが、プラットフォームに取り付けられ得る。プラットフォームは、パレットデッキであり得る。
【0039】
少なくとも1つのデバイスチャンバは、その壁又はベースに1つ以上の切り欠き部を備え得る。
【0040】
ベースは実質的に水平方向に延びる。壁はベースから延び得る。デバイスチャンバの壁又はベースの1つ以上の切り欠き部は、デバイスチャンバ切り欠き部と呼ばれる場合がある。デバイスチャンバ切り欠き部は、デバイスチャンバと大気との間の流体連通を提供し得る。これは、デバイスを使用して温度及び湿度などの環境条件をサンプリングすることができることに関して上記で説明した理由から有利である。
【0041】
或いは、ベースは、端面と呼ばれる場合がある。適切な場所で、製品支持面のオリフィスは、デバイスチャンバの端面に対向して配置され得る。デバイスチャンバの壁は、デバイスチャンバ壁と呼ばれる場合がある。少なくとも1つのデバイスチャンバは、壁及び/又はそのベースに1つ以上の切り欠き部を備え得る。
【0042】
少なくとも1つのデバイスチャンバは、その壁に複数の切り欠き部を備え得る。
【0043】
複数の切り欠き部は、切り欠き部の列又は配列を形成し得る。
【0044】
周囲壁は、複数の切り欠き部を備え得、少なくとも1つのデバイスチャンバは、複数の切り欠き部のうちの少なくとも2つの異なる周囲壁切り欠き部と流体連通し得る。
【0045】
少なくとも1つのデバイスチャンバが少なくとも2つの異なる周囲壁切り欠き部と流体連通することは、複数の流体経路が画定されるので有益である。これにより、単一の流体経路を有することに関連した問題を解消することができる。その問題には、単一の周囲壁切り欠き部がブロックされるリスク、又は検出された条件が周囲条件を表していないリスクが含まれる。例えば、パレットコンポーネントの1つの領域がエアベント又はヒータの近くにあった場合、単一の周囲壁切り欠き部を介するサンプリングは、例えば温度及び湿度(パレットコンポーネントがある一般的な場所との関連で考えたとき)の不正確な結果をもたらす可能性がある。したがって、少なくとも1つのデバイスチャンバが少なくとも2つの異なる周囲壁切り欠き部と流体連通していることは、デバイスチャンバに入っている電子デバイスによって検出される条件はより代表的であり、したがってより信頼性があるため、望ましい。
【0046】
仕切り壁に配置された1つ以上の中間切り欠き部は、1つ以上のデバイスチャンバ切り欠き部と、最も近接する1つ以上の周囲壁切り欠き部との間に存在し得る。
【0047】
最も近接するとは、1つ以上の周囲壁切り欠き部に(1つ以上のデバイスチャンバ切り欠き部から)最も近い、すなわち最短距離を意味する。仕切り壁は、1つ以上のデバイスチャンバを少なくとも部分的に画定し得る。仕切り壁は、周囲壁とデバイスチャンバ壁との間に配置され得る。
【0048】
1つ以上の中間切り欠き部は、周囲壁とデバイスチャンバとの間に形成される蛇行経路に寄与する。これは、電子デバイスが、温度及び/又は湿度などの条件をサンプリングすることができる一方で、外部からの衝撃及び/又は液体の漏れから依然として保護されるので有利である。
【0049】
仕切り壁は、周囲壁を越えて突出し得る。代替的に、周囲壁が、仕切り壁を越えて突出し得る。仕切り壁は、仕切り壁の列の一部をなし得る。仕切り壁の列は、複数の仕切り壁を備え得る。或いは、中間切り欠き部は、仕切り壁切り欠き部と呼ばれる場合がある。
【0050】
1つ以上の周囲壁切り欠き部、1つ以上の中間切り欠き部、及び1つ以上のデバイスチャンバ切り欠き部が、間接的な流体経路を画定し得る。
【0051】
間接的な流体経路とは、切り欠き部間の流体経路が蛇行していることを意味し得る。言い換えれば、流体経路には、デバイスチャンバと大気との間の曲がりくねり及び方向転換が組み込まれている。最も基本的には、流体経路はまっすぐではない、すなわち、ロッドなどのまっすぐなものをどの切り欠き部に挿入しても大気からデバイスチャンバに到達させることはできないであろう。
【0052】
間接的な流体経路の利点は、液体の侵入のリスクが低減されることである。具体的には、ジェット洗浄などによるパレットコンポーネントの清掃時に、又はパレットコンポーネントに液体がこぼれた場合に、流体がデバイスチャンバに、ゆえに電子デバイスに到達するリスクが低減される。
【0053】
1つ以上の支持リブが、少なくとも1つのデバイスチャンバ内に突出していてもよく、1つ以上の支持リブは、少なくとも1つのデバイスチャンバに入れられる電子デバイスの挿入の度合いを制限するように構成されたレッジを画定する。
【0054】
1つ以上の支持リブに1つ以上の切り欠き部を組み込むことができる。1つ以上の支持リブは、仕切り壁の一例とみなすことができる。1つ以上の切り欠き部は、支持リブの外面に凹部を画定し、外面は支持部とは反対側である。少なくとも1つのデバイスチャンバに位置合わせリブが組み込まれている場合、支持リブは2つの位置合わせリブ間に配置され得る。つまり、支持リブと両端にある位置合わせリブとの組み合わせは連続した壁を形成し得る。
【0055】
周囲壁には、少なくとも1つのデバイスチャンバに隣接する周囲壁の一部に沿ってシャンファが組み込まれ得る。
【0056】
シャンファは、漏れ低減シャンファと呼ばれる場合がある。シャンファは、液体がデバイスチャンバに漏れるリスクを低減するのに役立つ。したがって、シャンファは、液体がデバイスチャンバに到達するために通過しなければならない、より蛇行した経路を生み出す。シャンファはシールの形態とみなすことができる。シャンファは、シーリングシャンファとして説明される場合がある。
【0057】
シャンファは、周囲壁のデバイスチャンバ部分にわたって延びると言うことができる。言い換えれば、シャンファは、少なくとも1つのデバイスチャンバを画定する周囲壁の一部に沿って存在し得る。複数のデバイスチャンバが存在する場合、複数のシャンファが存在し得る。複数のシャンファは互いに対向し得る。これは、複数のシャンファが周囲壁の対向する側部上に互いに向かい合って配置され得るためである。
【0058】
本発明の第2の態様によれば、パレットコンポーネントアセンブリであって、
本発明の第1の態様に係るパレットコンポーネントと、
電子デバイスと、
を備える、パレットコンポーネントアセンブリであり、
電子デバイスが少なくとも1つのデバイスチャンバによって少なくとも部分的に受け入れられる、パレットコンポーネントアセンブリが提供される。
【0059】
パレットコンポーネントアセンブリは、パレットコンポーネントと、少なくとも1つの他のコンポーネントを意味することを意図している。パレットコンポーネントアセンブリは、パレットの一部をなし得る。
【0060】
電子デバイスは、少なくとも1つのデバイスチャンバによって完全に受け入れられ得る。電子デバイスの端面は、支持部又はその一部と面一であり得る。
【0061】
本発明の第3の態様によれば、パレットであって、
上記で定義されたプラットフォームと、
上記で定義されたスキッドと、
を備える、パレットであり、
プラットフォームの取付部とスキッドの取付部は互いに係合する、パレットが提供される。
【0062】
パレットは、ハーフパレット、クォーターパレット、又は他の分数サイズのパレットであり得る。
【0063】
プラットフォーム及びスキッドの1つ以上の切り欠き部は、プラットフォーム及びスキッドの取付部のそれぞれの周囲壁の端面に凹部を画定することができ、それぞれの周囲壁の1つ以上の切り欠き部は、互いに位置合わせされて1つ以上の孔を画定する。
【0064】
したがって、切り欠き部が半円形である場合、切り欠き部の組み合わせによって画定される孔は円形であり得る。一般に、2つの位置合わせされた切り欠き部が1つの孔を画定する。
【0065】
位置合わせ切り欠き部は、仕切り壁及び/又はデバイスチャンバ壁にも設けられ得る。
【0066】
本発明の第4の態様によれば、パレットであって、
上記で定義されたプラットフォームと、
スキッドと、
を備えるパレットであり、
スキッドは、
支持部と、
支持部から延び、周囲壁によって少なくとも部分的に画定される、取付部と、
を備え、
周囲壁は1つ以上の内部チャンバを取り囲み、
デバイスチャンバは、電子デバイスを全部受け入れるように構成され、
プラットフォームの取付部とスキッドの取付部は互いに係合する、パレットが提供される。
【0067】
デバイスチャンバが電子デバイスを全部受け入れるように構成されることは、電子デバイスがデバイスチャンバに嵌め込まれることを意味することを意図している。好ましくは、デバイスがデバイスチャンバに受け入れられているとき、電子デバイスの端面だけが見える。
【0068】
随意的に、パレット及び電子デバイスを備えるパレットアセンブリであって、電子デバイスはデバイスチャンバによって全部受け入れられる、パレットアセンブリが提供される。
【0069】
或いは、電子デバイスは、デバイスチャンバに受け入れられていると言うことができる。
【0070】
デバイスチャンバは、複数の壁とベースによって画定され、ベースは、デバイスチャンバと大気との間の流体経路を少なくとも部分的に画定する切り欠き部を備える。
【0071】
デバイスチャンバのベースの切り欠き部は、デバイスチャンバの唯一の切り欠き部であり得る。電子デバイスをデバイスチャンバに挿入するためのオリフィスが存在し得ることが理解されるであろう。しかしながら、オリフィスは使用中に電子デバイスによって実質的に封止されると考えると、オリフィスは、切り欠き部が提供する流体経路機能を提供しない。
【0072】
ベースは、端壁と呼ばれる場合もある。
【0073】
本発明の第5の態様によれば、パレットアセンブリであって、
デッキを備えるパレットであって、デッキは製品支持面を備え、製品支持面はデバイスチャンバの開口面を画定するオリフィスを備え、デバイスチャンバが電子デバイスを受け入れるように構成される、パレットと、
荷重感知機能を提供するように構成された電子デバイスと、
を備える、パレットアセンブリであり、
電子デバイスはデバイスチャンバに受け入れられ、電子デバイスの端面は製品支持面と面一になる、パレットアセンブリが提供される。
【0074】
電子デバイスの端面は、上面と呼ばれる場合がある。端面は、蓋又はキャップの一部であり得る。
【0075】
実質的に、面一とは、製品支持面上に置かれた製品は電子デバイスの端面上にも載ることを意味することを意図している。
【0076】
本発明の第6の態様によれば、パレットコンポーネントであって、パレットコンポーネントは、
孔が設けられた表面と、
表面にわたって延びて複数の内部チャンバを画定する複数の壁であって、複数の壁は、複数の内部チャンバのうちの少なくとも2つの隣接する内部チャンバを少なくとも部分的に画定する隔壁を備える、複数の壁と、
を備え、
隔壁は、少なくとも2つの隣接する内部チャンバが孔と連通するように孔と交差し、
複数の内部チャンバは、電子デバイスを少なくとも部分的に受け入れるように構成された少なくとも1つのデバイスチャンバを備える、パレットコンポーネントが提供される。
【0077】
表面は、平坦面であり得る。表面は、ベースと反対側であり得る。表面は、端面とは反対側であり得る。
【0078】
或いは、孔は、穴又はボアとして説明される場合がある。孔は、円形又は多角形(六角形又は八角形又はその一部など)であり得る。孔は、1つ以上の孔のうちの1つであり得る(すなわち、孔は、表面に配置された唯一の孔である必要はない)。孔は、厚みのある表面を通して(すなわち厚みのある表面を貫通して)設けられていると言うことができる。或いは、孔は、排出穴として説明される場合がある。
【0079】
複数の壁は、複数のリブであり得るか、又は複数のリブを含み得る。複数の壁は、周囲壁及び/又はデバイスチャンバ壁(単数又は複数)及び/又は仕切り壁(単数又は複数)を備え得る。複数の壁は、表面から延び得る。代替的に、複数の壁は、表面に接触することなく(すなわち、壁と表面との間に隙間がある吊り壁の形態で)表面にわたって延び得る。複数の壁は、表面全体又はその一部のみにわたって延び得る。
【0080】
或いは、内部チャンバは、開口面を有するキャビティとして画定され得る。内部チャンバは、1つの開口面を有するキャビティであり得る。表面は、内部チャンバ又はキャビティの(閉鎖された)面のうちの1つを画定し得る。
【0081】
交差するとは、分割する又は交わることを意味することを意図している。隔壁が孔と交差する場合、隔壁は、孔の他の側(すなわち、壁が延びる側とは反対側)から見える。隔壁は孔を通る必要はない。言い換えれば、隔壁は、孔の内面から孔の別の内面にわたる必要はない。代わりに、隔壁は、隔壁が孔の平面外にあるように孔に隣接して配置され得る。とはいえ、隔壁は、孔が事実上複数の孔に分割される(したがって、隔壁が中に延びていると言うことができる)ように孔内に少なくとも部分的に配置されてもよい。例えば、孔全体の幾何学的形状が円形である場合、隔壁が、孔全体を2つの半円に分割してもよい。交差が意味するのは、隔壁が少なくとも2つの隣接する内部チャンバを共通の孔と連通できるようにすることである。
【0082】
孔との連通は、少なくとも、内部チャンバ内の液体が孔を通って流れてチャンバを出ることができることを意味することを意図している。言い換えれば、孔は、排出機能を提供する。したがって、少なくとも2つの隣接する内部チャンバは、孔と流体連通していると言うことができる。
【0083】
有利なことに、少なくとも2つの隣接する内部チャンバが孔と連通していることは、チャンバのいずれか又は両方の中の液体を単一の孔から排出することを可能にする。洗浄プロセス中にパレットコンポーネントがウォータージェットに曝され、液体がパレットコンポーネント(具体的にはその内部チャンバ)内に望ましくない状態で保持されるリスクがあるため、これは有益である。孔を少なくとも2つの隣接する内部チャンバと連通させることにより、内部チャンバの列に排出機能を提供するのに必要な孔の数が減る。孔の数を増やすとパレットコンポーネントの全体的な堅牢性が低下し、結果的に製造コストが増加する可能性があるため、これは望ましい。
【0084】
隔壁は、孔の中に延び得る。
【0085】
孔の中に延びるとは、孔の深さに延びることを意味することを意図している。つまり、隔壁は、孔の中に少なくともある程度延び得る。代替的に、隔壁は、孔の中に延びず、代わりに、孔に隣接して(すなわち、孔の平面外に)配置され得る。
【0086】
パレットコンポーネントは、
表面に設けられた第2の孔と、
表面にわたって延びて第2の複数の内部チャンバを画定する第2の複数の壁と、
をさらに備え得、
第2の複数の壁は、第2の複数の内部チャンバのうちの少なくとも2つの隣接する内部チャンバを少なくとも部分的に画定する第2の隔壁を備え、
第2の隔壁は、第2の隔壁によって少なくとも部分的に画定される少なくとも2つの隣接する内部チャンバが第2の孔と連通するように、第2の孔と交差する。
【0087】
別の言い方をすれば、交差される孔を第1の配列と呼ぶ場合、パレット又はパレットコンポーネントは、第2の配列(すなわち、第2の交差される孔)をさらに備え得る。第2の配列は、第1のものと同一であり得るか、又は異なり得る。孔は、列状に分布し得る。例えば、孔は、表面の周りの長方形の頂点に配置され得る。
【0088】
有利なことに、いくつかの交差される孔を設けることにより、より多くの内部チャンバに排出機能を提供することができる。
【0089】
本発明の第7の態様によれば、
- 商品の積載面をなす上側デッキと、
- 上側デッキの下側に配列され、好ましくはフォークリフトトラックによる輸送に適している、いくつかの脚又はスキッドと、
- 組み込み電子部品のための少なくとも1つのレセプタクルと、
を有するパレットであって、
少なくとも1つのレセプタクルは、止り穴又はポケットの様態で上側デッキに形成され、その開口部でカバーによって閉鎖され又は閉鎖することができ、その側壁のうちの少なくとも1つに通気の目的で周囲空気と少なくとも間接的に流体連通する少なくとも1つの孔を有することを特徴とする、パレットが提供される。
【0090】
チャンバは、パレットの内部に、少なくとも1つのレセプタクルに隣接して形成することができ、チャンバは、孔を介してレセプタクルに接続され、その下側に向かって少なくとも1つの出口を有する。
【0091】
レセプタクルは、脚のうちの1つ又はスキッドのうちの1つの領域に、特に、上側デッキの中央に配列される中央脚の領域に配列され得る。
【0092】
レセプタクル(18)に挿入された組み込み電子部品と少なくとも1つの側壁との間を空気が確実に通ることができるようにするために、特に垂直に延びるリブの形態の、少なくとも1つのスペーサが、レセプタクルの少なくとも1つの側壁に形成され得る。
【0093】
上側デッキとスキッド又は脚は、別個の部品として製造し、次いで、一緒に接合することができ、脚又はスキッドのうちの少なくとも1つと上側デッキは、それぞれ、組み立てられた状態でレセプタクルを形成する、対応する切り欠き部を有する。
【0094】
少なくとも1つの孔は、上側デッキとスキッド又は脚との間の境界領域又は接合領域に配列され得る。
【0095】
パレットは、射出成形されたプラスチック部品として製造され、レセプタクルは、射出成形中に上側デッキ及び/又は脚又はスキッドに一体に形成され得る。
【0096】
カバーは、上側デッキにしっかりと留められ得る又は留めることができ、特に、カバーとレセプタクルとの間に周辺シールが設けられ得る。
【0097】
カバーは、上側デッキにしっかりと溶接され得る。
【0098】
カバーは、レセプタクルを閉鎖する状態で上側デッキに面一に設置され得る。
【0099】
組み込み電子部品のための2つのレセプタクルは、パレットの中央脚の領域に配列され得る。
【0100】
レセプタクルを収容するパレットの脚の垂直な外壁に少なくとも1つの通気穴を形成することができ、前記通気穴は、レセプタクル及びチャンバとは別個の、レセプタクル及びチャンバと流体連通するキャビティに通じている。
【0101】
レセプタクルは長方形の断面を有する。
【0102】
組み込み電子部品は、レセプタクル内に配列され得る。
【0103】
組み込み電子部品は、RFIDチップ、トランスポンダチップ、又はセンサユニット、特に温度センサであり得る。
【0104】
本明細書で開示されるパレットは、パレットの積載面をなす上側デッキと、上側デッキの下側に配列されるいくつかの脚又はスキッドと、組み込み電子部品のための少なくとも1つのレセプタクルとを有する。少なくとも1つのレセプタクルは、(パレットを貫通せず、一端に底部を有する)止り穴の様態で又はポケットとして形成され、カバーによってその開口部で閉鎖することができる。通気の目的での少なくとも1つの孔が、レセプタクルの少なくとも1つの側壁に形成される。この場合の側壁は、レセプタクルの開口部とレセプタクルの底部を接続する壁を意味する。言い換えれば、組み込み電子/電気コンポーネントを収容するためのレセプタクル又は凹部/ポケットを有するパレットが提供され、レセプタクルは、一方の側部は閉鎖されており、他方の側部はカバーによって閉鎖することができる。好ましくは水平方向に(積載面と平行に)延びる、少なくとも1つの通気孔、例えば穴又はスロットが、底部とカバーとの間の中間領域に延びる孔の側壁に設けられる。本発明に係る前述の配列は、レセプタクルは、外部から侵入する水に対する良好な保護をもたらすが、同時に、凝縮を回避するために良好な通気をもたらすという利点を有する。
【0105】
好ましくは、カバーによって閉鎖することができるレセプタクルの開口部は、側壁が原則として垂直に(積載面と垂直に)延びるように、パレットの積載面に配列され得る。したがって、好ましくは、レセプタクルは、底部(脚/スキッドの方)及び頂部(積載面の方)で閉鎖される又は閉鎖することができる。そのようなレセプタクルの配向は、レセプタクルへのアクセスを容易にする。
【0106】
1つの好ましい実施形態によれば、レセプタクルの側壁の少なくとも1つの孔は、パレットの内部に接続され得る。この目的のために、垂直チャンバ(キャビティ)が、好ましくは、パレットの内部に、少なくとも1つのレセプタクルに隣接して形成され、チャンバは、少なくとも1つの孔又は通気穴を介してレセプタクルに接続される。このような設計により、最初にレセプタクルと内部にあるチャンバとの間でのみ気体交換が行われ、これにより、外部からの液体又は粉塵の侵入が回避される。
【0107】
前記隣接するチャンバがさらなる孔を介して周囲環境に接続される場合、レセプタクル内の空気と周囲の空気との交換は比較的短い距離で起こり得るので有利である。特に好ましくは、隣接するチャンバは、パレットの(特にパレットの脚の)下側の外壁まで延び、隣接するチャンバの孔は、前記下側の外壁に出口として形成され得る。このようにして、チャンバの内部で発生する凝縮水分をそこから排出することができる。有利なことに、レセプタクル及び隣接するチャンバは、レセプタクル内で凝縮した水が同様に隣接するチャンバの出口を通って流れ出ることができるように構成され得る。これは、例えば、レセプタクル及びチャンバの底部の適切な傾斜によって達成され得る。
【0108】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、レセプタクルは、脚のうちの1つ又はスキッドのうちの1つの領域に配列され得る。この様態では、レセプタクルのために垂直方向により多くのスペースが利用可能である。好ましくは、レセプタクルは、上側デッキの中央に配列される中央脚の領域に配列され得る。
【0109】
1つの好ましい実施形態によれば、レセプタクルを収容する脚の外側の(垂直な)側壁のうちの少なくとも1つに通気開口部を設けることができ、前記通気開口部は、レセプタクルに少なくとも間接的に接続され、したがって、レセプタクルと周囲環境との間での気体交換を可能にする。
【0110】
別の態様によれば、レセプタクルの側壁に少なくとも1つの突起を設けることができ、前記突起はスペーサとして作用する。特に、これは、垂直に延びるリブ、特に、好ましくは、レセプタクルの垂直な側壁及び/又は底部側壁上の複数のリブであり得る。これにより、挿入された組み込み電子部品とレセプタクルの側壁及び/又は底部との間を空気が通ることができ、凝縮水が組み込み電気コンポーネントと接触することなくレセプタクルの側壁に沿って流れ出る。
【0111】
1つの好ましい実施形態によれば、上側デッキとスキッド又は脚は、最初に別個の部品として製造され、次いで、一緒に接合され得る。このような場合、脚又はスキッドの少なくとも1つと上側デッキは、それぞれ、組み立てられた状態でレセプタクルを形成する対応する切り欠き部を有する。随意的に、パレットが組み立てられた状態でレセプタクルに隣接するチャンバを形成するような対応する切り欠き部を設けることが可能である。パレットを互いに接合するために、例えば、ねじ又はボルトなどの接続手段を使用することができるが、パレット部品は、例えば溶接又は接着されてもよい。
【0112】
好ましくは、上側デッキと脚/スキッドは、それぞれ、それらの接合領域に、例えばリブなどの相補的な支持構造体を有することができ、これらは接合中に接触して力の伝達を可能にする。したがって、パレットの脚は、実質的に中空であってもよく、補強リブが横断していてもよい。このような実施形態では、補強リブがレセプタクルの及び隣接するチャンバの側壁を画定すれば有利である。特に好ましくは、リブの適切な孔を介して、前記リブ構造によって画定されたすべてのチャンバ間で気体交換が可能となり得る。
【0113】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、レセプタクルの通気穴/スロットとして作用する孔が、上側デッキとスキッド又は脚との間の境界領域/接合領域に形成され得る、つまり、単一の切り欠き部又は2つの相補的な切り欠き部が、上側デッキと脚/スキッドとの接合ゾーン/境界面に配列され得る。
【0114】
一態様によれば、レセプタクルを収容するパレットの脚の外側の垂直な側壁及び/又は外壁に少なくとも1つの通気穴が形成され得る。前記通気穴は、好ましくは、レセプタクルとは別個の、レセプタクルと流体連通するキャビティに通じている。特に好ましくは、前記キャビティは、レセプタクル及び前述のレセプタクルに隣接するチャンバとは別個のさらなるチャンバであってもよく、レセプタクル及びレセプタクルに隣接するチャンバと空気交換するように構成されてもよい。
【0115】
本発明の別の態様によれば、パレットは、射出成形部品として製造することができ、好ましくは上側デッキと脚/スキッドは、それぞれ別々に射出成形することができる。好ましくは、通気の目的でのレセプタクル及び/又は孔、及び/又はレセプタクルに隣接するチャンバは、射出成形中に上側デッキ及び脚/スキッドに一体に形成される。
【0116】
1つの好ましい実施形態によれば、カバーは、上側デッキにしっかりと留められ得る。この目的のために、カバーは、好ましくは、パレットの相補的な切り欠き部にスナップすることができるラッチタング又は突起及び/又はラッチフックを有し得る。水の侵入を確実に防ぐために、カバーとレセプタクルとの間に周辺シールが設けられ得る。
【0117】
本発明の1つの代替的な好ましい実施形態によれば、カバーは、(組み込み電子部品を挿入した後に)上側デッキにしっかりと溶接され得る。
【0118】
本発明の別の態様によれば、カバーは、レセプタクルを閉鎖する状態で上側デッキに面一に設置され得る。したがって、積載中にカバーは干渉しない。
【0119】
1つの好ましい実施形態によれば、組み込み電子部品のための2つのレセプタクルが、パレットの中央脚の領域に配列され得る。このようにして、例えば、トランスポンダ又は識別を目的としたRFIDチップ及びさらなるセンサをパレットに一体化することができる。
【0120】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、レセプタクルは、長方形の断面を有し得る。特に好ましくは、レセプタクル及びレセプタクルに隣接するチャンバの側壁のうちの少なくとも2つは、互いに垂直に配向される補強リブによって形成され得る。
【0121】
本発明の別の態様は、前述の態様のうちの1つに係るパレットと、レセプタクルに配列された組み込み電子部品とを備えるパレットユニットに関する。組み込み電子部品は、好ましくは、RFIDチップ、トランスポンダチップ、又はセンサユニット、特に温度センサであり得る。
【0122】
上記の本発明の各態様又は概念の随意的な及び/又は好ましい特徴はまた、適切であれば本発明の他の任意の態様に適用可能である。
【0123】
ここで、本発明の実施形態を、単なる例として、添付図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0124】
図1】本発明に係るパレットアセンブリの斜視図である。
図2図1のパレットアセンブリの中央ブロックを単独で示した斜視図である。
図3a】電子デバイスが挿入される前の図1のパレットの部分切取図である。
図3b】電子デバイスが定位置に挿入された状態の図3aのパレットを示す図である。
図4図1のパレットアセンブリのプラットフォームの取付部の下側の斜視図である。
図5図1に示されているパレットアセンブリのスキッドの一部の斜視図である。
図6】その中に挿入された電子デバイスが示されている、図5のスキッドの拡大斜視切取図である。
図7a】本発明の別の実施形態に係るパレットアセンブリの切取斜視図である。
図7b】電子デバイスが除去された状態の図7aのパレットの図である。
図7c図7aのパレットアセンブリの下側の切取斜視図である。
図8図7a~図7cに示されるパレットのスキッドの一部の斜視図である。
図9a】本発明の別の実施形態に係る、図1図3b、図6図7a、及び図7cに示される電子デバイスの斜視図である。
図9b図9aの電子デバイスの正面図である。
図10a】本発明の別の実施形態に係る、図5に示されているスキッドの部分(の一部)の平面図である。
図10b図13aに示されている部分を下から見た図である。
図10c図10aに示されている部分の角度をつけた斜視図である。
図10d図10aに示されている部分の角度をつけた斜視図である。
図10e図10bに示されている部分の一部の、拡大した、角度をつけた斜視図である。
図11】横方向に延びる支持部の一部が概略的に示されている、図10bに示されている部分の代替図である。
図12】本発明の1つの好ましい実施形態に係るパレットの斜視図である。
図13】上側パレット部分を下から見た図である。
図14】好ましい実施形態に係るパレットの中央脚を通る斜視部分断面図である。
図15】好ましい実施形態に係るパレットの中央脚を通る断面図である。
図16】好ましい実施形態に係る組み込み電子部品のためのレセプタクルの切り開かれた側壁の斜視図である。
図17】好ましい実施形態に係るパレットの脚の下側の詳細図である。
図18】好ましい実施形態に係る、上側デッキと関連付けられる上側パレットの脚部の内側の詳細図である。
図19】好ましい実施形態に係る下側パレットの脚部の内側の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0125】
本出願は、3つの主要な概念に関するものである。第1の概念は、パレットコンポーネント、及びパレットコンポーネントのデバイスチャンバと大気との間の流体連通を提供する対応する幾何学的形状に関するものである。第2の概念は、荷重感知機能を提供する電子デバイスを組み込んだパレットアセンブリに関するものであり、電子デバイスはデバイスチャンバに挿入され、電子デバイスの端面はパレットの製品支持面と面一になる。第3の概念は、孔が複数の隣接する内部チャンバと連通し、したがって、単一の孔が隣接する内部チャンバに排出機能を提供することができる、パレットコンポーネントに関するものである。これらの概念のそれぞれを以下に順番に説明する。
【0126】
図1はパレットアセンブリ2である。パレットアセンブリ2は、パレット4に挿入された2つの電子デバイス6a、6bを有するパレット4を備える。
【0127】
パレット4は、プラットフォーム8及び複数のスキッド10a~10cを備える。プラットフォーム8は、パレットコンポーネントの一例である。同様に、スキッド10a~10cは、パレットコンポーネントの一例である。
【0128】
他の図面から分かるように、スキッド10a~10cは、取付部を介してプラットフォーム8に取り付けられる。具体的には、プラットフォーム8及びスキッド10a~10cのそれぞれに、それぞれの取付部が組み込まれている。組み立てられたときに、取付部は図1に示すように互いに係合する。これは以下でさらに詳しく説明する。
【0129】
図1では見えていないが、プラットフォーム8には、9つの個別の取付部が組み込まれている。例示した実施形態では、9つの取付部は、3×3配列で配列される。図1では、符号12a~12cが付けられている3つの取付部が少なくとも部分的に見えている。プラットフォーム8の取付部12a~12cは、スキッド10aの対応する取付部14a~14cと係合する。
【0130】
プラットフォーム8はデッキを備え、デッキ全体は概して参照符号16で示される。デッキ16は製品支持面18を備える。製品支持面18は、商品、製品、又は展示物を支持することができる概して平坦な面である。複数の側壁20a~20dが、製品支持面18の辺縁から延びる。側壁20a~20dは、デッキ16の最も外側の辺縁を画定する。
【0131】
図1では見えていないが、9つのバヨネット(図3a及び図3bでは見えており、符号36が付けられている)が、プラットフォーム8を3つのスキッド10a~10cのそれぞれに固定する。図1では、バヨネットはキャップで覆われており、図1ではキャップのうちの1つに符号22aが付けられている。バヨネットもキャップも本出願の対象ではないが、バヨネット取付具に関するさらなる詳細はWO2013/120595で見ることができる。
【0132】
第1の概念に関係する主な関心ある特徴は、1つ以上の内部チャンバの特徴である。これらの内部チャンバは、プラットフォーム8とスキッド10a~10cとのいずれか又は両方の取付部内に配置されている。また、これらは以下で詳しく説明する。
【0133】
図2は、図1のパレットアセンブリ2の中央ブロック24の拡大斜視切取図である。中央ブロック24は、プラットフォーム8の中央に存在する取付部に対応する。具体的には、図2は、電子デバイス6a、6b、製品支持面18の一部、前述のバヨネット/キャップを受け入れるように構成された中央孔26、及びプラットフォーム8及びスキッド10bのそれぞれの取付部12e、14eを示している。
【0134】
中央ブロック24がより明瞭に見えるように、図1のパレットアセンブリの多くが図2では切り取られている。図2の露出したリブ及びラインから分かるように、中央取付部14eのいずれの側部でもスキッドの或る長さが削除されている。同様に、プラットフォーム8の取付部12eの周りのすべてのリブが削除されていて、デッキ16の下のリブ付き構造は見えていない。図3b及び図4及び図5は、図2の「切り取り」が「適用」されないときに普通は存在するプラットフォーム8及びスキッド10bの周囲の構造をより明瞭に示している。
【0135】
プラットフォーム8及びスキッド10bの取付部12e、14eのそれぞれは、各々周囲壁28、30を備える。プラットフォーム8の取付部12eの一部をなす周囲壁に符号28が付けられており、一方、スキッド10bの取付部14eの一部をなす周囲壁に符号30が付けられている。各周囲壁28、30は、取付部12e、14e内の1つ以上の内部チャンバを取り囲んでいる。内部チャンバの配列、及びそれらの機能は下記に説明されることになる。
【0136】
図2では切り欠き部32、34も見えている。切り欠き部32、34は、プラットフォーム8及びスキッド10bのそれぞれの周囲壁28、30の一部である。切り欠き部32、34は半円形である。したがって、切り欠き部32、34は、位置合わせされて円形の幾何学的形状の孔を画定する。切り欠き部32、34は、取付部12e、14e内の内部チャンバと大気との間の流体経路を画定する。つまり、空気が外部からこれらのチャンバの内部に流れることができる。特定の配列では、特に電子デバイス6a、6bが存在する場合、前述の流体経路により、電子デバイス6a、6bが温度及び湿度などの環境信号又は条件をサンプリングすることが可能となり得る。さらに、この機能は、外部からの衝撃及び/又は(高圧)ジェット洗浄などの洗浄プロセス中の液体の侵入による電子デバイス6a、6bの損傷のリスクを過度に生じずに提供される。流体経路、様々なチャンバ、及び切り欠き部に関する詳細は、以下の説明及び添付図で提供される。
【0137】
図3aは、電子デバイス6aがどのように挿入されるかを示す、図1のパレットの拡大斜視切取図である。
【0138】
図3aは、プラットフォーム8とスキッド10bを示している。また、プラットフォーム8をスキッド10bに固定する、バヨネット36とキャップ22aも示されている。
【0139】
前述のように、プラットフォーム8は製品支持面18を備える。製品支持面18には、2つのオリフィス38a、38bが組み込まれている。オリフィス38a、38bは、電子デバイス6a、6bを受け入れる開口部である。図示した実施形態では、オリフィス38a、38bは概して長方形である。しかしながら、他の幾何学的形状のオリフィスを用いることもできる。
【0140】
図3aに示されているように、プラットフォーム8及びスキッド10bの両方の取付部12e、14eは、2つのデバイスチャンバをそれぞれ備える。参照を容易にするために、プラットフォーム8の取付部12eのデバイスチャンバに符号40aが付けられている。スキッド10bの取付部14eのデバイスチャンバに符号42aが付けられている。デバイスチャンバ40a、42aは、使用時に互いに位置合わせされ、ゆえに、デバイスエンクロージャ44aを画定するとみなすことができる。つまり、デバイスエンクロージャ44aはプラットフォーム8とスキッド10bで共有される。パレット4は、2つの電子デバイス6a、6bを収容するように設計されるので、論理的には一対のデバイスエンクロージャ44a、44bが存在することになる。他方のデバイスエンクロージャ44bは、それぞれプラットフォーム8及びスキッド10bの一部をなす構成要素であるデバイスチャンバ40b、42bによって同様に画定される。
【0141】
したがって、図3aは、上からの電子デバイス6aの挿入を示している。このような上から下への挿入は、パレット4を分解する必要がなくなるため望ましい。さらに、整備上の理由で電子デバイス6aをパレット4から取り外す必要がある場合、それもパレット4を分解せずに達成することができる。
【0142】
図3aでは、図2に示す中央ブロック24の切り欠き部32、34は見えていない。切り欠き部32、34は、大気とデバイスエンクロージャ44a、44bとの間の流体連通を提供する一対の切り欠き部である。切り欠き部は、デバイスエンクロージャ44a、44b内に配置された電子デバイス6a、6bが大気と流体連通できるようにする機能を提供する。前述のように、これにより、温度及び湿度などの環境信号をサンプリングすることが可能となる。さらに、また以下で詳しく説明するように、切り欠き部32、34は直接的な流体連通を提供しないので、電子デバイス6a、6bは、例えばジェット洗浄などの洗浄プロセス中にパレット4に向けられた水などの望ましくない液体の侵入から依然として保護される。言い換えれば、切り欠き部32、34は、蛇行した流体経路(すなわち直接的な流体経路ではない)の一部を画定し、これは、使用中に望ましくない液体の侵入を防ぎ、ゆえに、関連する電子デバイス6a、6bの損傷のリスクを回避しながら、空気流を介して環境信号がサンプリングされることを可能にする。つまり、洗浄プロセスの一部として用いられる水のジェットがデバイスエンクロージャ44a、44bに直接入らないようにすることができる。
【0143】
流体経路の一部をなす、さらなる切り欠き部に、符号46、48が付けられている。これらの切り欠き部46、48は、それぞれプラットフォーム8及びスキッド10bの一部をなす。図2に示されている切り欠き部の配列と同様に、図3aの切り欠き部46、48は、半円形であり、互いに位置合わせされて概して円形の孔を画定する。図3aに示されている配列では、及び、以下でさらに説明するように、切り欠き部46、48は、デバイスチャンバ40b及び42bと直接流体連通する。切り欠き部のさらなる配列が、符号46、48が付けられた切り欠き部に隣接して示されているが、これらは明瞭にするために符号が付けられていない。好ましい配列では、デバイスチャンバ40a、40b、42a、42bのそれぞれへの直接的な流体連通を提供するために4つのそのような切り欠き部が存在する。これは図4に関連してより詳細に説明する。
【0144】
図3aに戻ると、プラットフォーム8の一部をなすデバイスチャンバ40aは、複数の位置合わせリブ50a~50cをさらに備える。位置合わせリブは、突起としても説明され、電子デバイス6aの挿入中に電子デバイス6aとデバイスチャンバ40aの壁との過度の接触を防ぐことができる。その名前が示すように、位置合わせリブ50a~50cはまた、電子デバイス6aがデバイスチャンバ40a内に適正に配置されることを保証する位置合わせ機能を提供する。電子デバイス6aを周囲の壁から分離することで提供される追加の利点は、電子デバイス6aが中央ブロック24への衝撃からより良好に保護され、周囲の壁に沿った流体の漏れに起因する電子デバイス6aへの損傷のリスクも低減されることである。
【0145】
電子デバイス6aの前述の「追加の」保護は、側部が衝撃に曝されない(すなわち、すべての側部がパレット8の他の部分に囲まれている)ため、電子デバイス6aがパレットの最良に保護される「ブロック」である中央ブロックに配置されることへの追加である。中央ブロックはまた、通常、サプライチェーンを通じた機器の取り扱い及び輸送から最良に保護されるブロックである。中央ブロックの位置はまた、温度、水分、及び重量などの環境信号を感知するための、パレットデッキ全体で、最も代表的な位置である。つまり、感知された信号は、中央ブロックから取得されたときに、一般的なパレットの状態をよりよく表す。中央ブロックを使用することに上記の利点があるにも関わらず、本発明は、パレットの周りのどのブロック(例えば、中央ブロックに隣接する、周囲のブロック)にも適用することができる。
【0146】
位置合わせリブ50a~50cは、好ましくは、図2に示すように周囲壁28と実質的に平行に延びる。詳細には説明しないが、プラットフォーム8の他方のデバイスチャンバ40bに、対応する位置合わせリブが設けられる。
【0147】
ここで、スキッド10bのデバイスチャンバ42aのリブを考えると、このチャンバには2つの別の種類のリブが存在する。第1に、プラットフォーム8のデバイスチャンバ40aに関連して説明したのと同様に、スキッド10bのデバイスチャンバ42aに、周囲壁30から突出する複数の位置合わせリブ52a、52bが存在する。位置合わせリブ52a、52bは、プラットフォーム8のデバイスチャンバ40aの対応する位置合わせリブ50a、50bと実質的に位置合わせされる。しかしながら、前者のデバイスチャンバ40aとは異なり、デバイスチャンバ42aには、さらに様々なリブが組み込まれている。具体的には、デバイスチャンバ42aには、支持リブ54a、54bが組み込まれている。支持リブ54a、54bも、デバイスチャンバ42a内に突出する。しかしながら、位置合わせリブ50a、50bとは異なり、支持リブ52a、52bはレッジを画定する。レッジは、電子デバイス6aをデバイスエンクロージャ44aに挿入できる度合いを制限する。使用中のレッジの機能は、デバイスエンクロージャ34a内に着座した電子デバイス6aを示している図3bに関連して最もよく示される。
【0148】
図3aに戻ると、支持リブ54a、54bは、位置合わせリブ52a、54bのそれぞれのペア間に配置される。つまり、支持リブと両端にある位置合わせリブとの組み合わせは連続した壁を形成し得る。図3aに示すように、支持リブ54a、54bには、それぞれ、切り欠き部56a、56bが組み込まれている。切り欠き部56a、56bは半円形である。使用中に、切り欠き部56a、56bは、流体が電子デバイス6aの下を流れることを可能にする(図3b参照)。
【0149】
電子デバイス6aが挿入された図3aのパレット4の斜視図である図3bに移ると、様々な特徴と電子デバイス6aとの相互作用がより明瞭に示されている。図3aと同様に、図3bは、バヨネット36及びキャップ22aによって互いに取り付けられたプラットフォーム8及びスキッド10bを示している。バヨネット36の端部とキャップ22aとの間に示されている隙間があるが、本出願の目的上、2つのパレットコンポーネントを一緒に固定するのに用いられる正確なメカニズムは重要ではないことに留意されたい。
【0150】
前述のように、支持リブ54a、54bは、電子デバイス6aの移動の下限を定めるレッジを画定する。さらに、支持リブの切り欠き部56a、56bは、流体が電子デバイス46aの下を流れることを可能にする。隣接する空のデバイスエンクロージャ44bは、スキッド10bの取付部14eでの支持リブと位置合わせリブとの関係性をより明瞭に示している。
【0151】
また、図3bには、それぞれの取付部12e、14eの周りの、プラットフォーム8とスキッド10bとの両方の周囲の構造がより明瞭に示されている。これらは、図2の分離図から削除されたものと同じ構造である。
【0152】
電子デバイス6aをパレット4、具体的にはその製品支持面18に固定する保持手段も図3bに示されている。図示した例では、2つの留めクリップ(そのうち1つだけが図3bで見える)58aが、製品支持面18の対応するキャッチと係合する。図3bでは1つのキャッチ60aだけが見えている。クリップ58aとキャッチ60aの組み合わせにより、電子デバイス6aを製品支持面18に、ゆえにパレット4にスナップフィットすることができる。或いは、電子デバイス6aは、プラットフォーム8にスナップフィットされると言うこともできる。クリップ58aは、工具なしの挿入を提供し、電子デバイス6aのシャーシに一体に成形することができる。
【0153】
図3bに示されている度合いまでの電子デバイス6aの挿入は、電子デバイス6aの端面62が製品支持面18と実質的に面一になるため、有利である。これは、製品支持面18への干渉を低減すること及び荷重感知機能のために電子デバイス6aをより容易に利用できることを含むいくつかの理由で望ましい。具体的には、電子デバイス6aの端面62が製品支持面18と面一になることは、電子デバイス6aが製品支持面18にかかる荷重をより容易に感知できることを意味する。電子デバイス6aは、例えば、電子デバイス6aの端面62に少なくとも部分的に組み込まれた歪みゲージによって荷重を感知することができる。これは、製品支持面18上の在庫レベル及び在庫の分布を監視できるなどの有用な機能を提供する。端面62は、電子デバイス6aの上面と呼ばれる場合がある。端面62は、電子デバイス6aの一体化された蓋又はキャップの一部をなすと言うことができる。
【0154】
図4に移ると、プラットフォーム8の下側の拡大図が提供されている。特に、取付部12eの拡大図が提供されている。
【0155】
図4には、周囲壁28と周囲壁28が取り囲む複数の内部チャンバがより明瞭に示されている。
【0156】
この例では、周囲壁28は、角に丸みがある実質的に正方形の単一の連続した壁である。しかしながら、周囲壁の代替的な幾何学的形状が可能であり、代わりに、周囲壁は、いくつかの個別の周囲壁区域(すなわち連続的ではない)で形成することもできる。図4は、図2に示す中央ブロック24から除去されている、周囲壁28の周りのリブ構造を示している。図4では中央孔26の下側も明瞭に見えている。
【0157】
周囲壁28は複数の切り欠き部を備える。これらの切り欠き部は、周囲壁切り欠き部32a、32bと呼ばれる場合がある。使用中に、周囲壁切り欠き部32a、32bは、1つ以上の内部チャンバが外部の大気と流体連通することを可能にする。つまり、周囲壁切り欠き部32a、32bは、流体が周囲壁28bを突破することを可能にする。周囲壁切り欠き部32a、32bの位置は、図2の切り欠き部32の位置とは異なることに留意されたい。具体的には、周囲壁切り欠き部32a、32bは、一般に、周囲壁28によって画定される正方形の幾何学的形状の対向する角に配置される。対照的に、切り欠き部32は、図2では周囲壁28の壁区域の中間点に沿って配置される。周囲壁に沿った切り欠き部(単数又は複数)の特定の位置は本発明に特に関連性がない場合がある。したがって、図4又は図2のいずれの切り欠き部の位置も適切であろう。しかしながら、図4に関連して、及び、以下でより詳細に説明されることになるように、互いに離れている複数の周囲壁切り欠き部を有することが有利である。周囲壁切り欠き部は、周囲壁の対向する側部上に配置されることも好ましい。これは、そうすれば、切り欠き部のうちの1つが塞がったり又は他のバイアス条件に(例えば、排気流又はいくつかの他の代表的でない高温/低温「スポット」に)配置されたりしても、環境条件のサンプリングは2つの位置間のより信頼できる平均を提供し、読取値に大きく影響しなくなるためである。
【0158】
周囲壁切り欠き部32a、32bの位置は、それらが外部のウォータージェットを特定の壁に「方向付ける」ことができるという点で、さらなる機能を提供することができる。つまり、周囲壁切り欠き部(単数又は複数)の中心軸は、仕切り壁と位置合わせされ得る。より好ましくは、中心軸は、どの(他の)切り欠き部からもオフセットされている。これは洗浄プロセスからのウォータージェットを表す矢印33で図4に示されている。周囲壁切り欠き部32bの位置合わせにより、ジェット33は仕切り壁切り欠き部38cに衝突しない又はこれを通り抜けない。したがって、ジェット33からの液体のほとんどは、対応するコーナーチャンバの境界内に保持される(すなわち、デバイスチャンバに到達しない)。次いで、その保持された液体は、重力によって、スキッド10bの対応するチャンバの対応する排出穴を介して、コーナーチャンバを出ることができる。これは、デバイスチャンバへの望ましくない液体漏れを低減するのにさらに役立つ。同じ機能が、他の周囲壁切り欠き部32aによって提供される。
【0159】
図3a及び図3bに関連して説明されているように、取付部12eは、2つのデバイスチャンバ40a、40bを備える。参照を容易にするために、デバイスチャンバ40a、40bは、それぞれ、第1のデバイスチャンバ40a及び第2のデバイスチャンバ40bと呼ばれる。図3a及び図3bに関連して説明したように、各デバイスチャンバ40a、40bは、電子デバイスを少なくとも部分的に受け入れるように構成される。さらに、且つ第1のデバイスチャンバ40aに関連してのみ符号が付けられることになるように、デバイスチャンバのそれぞれは複数の位置合わせリブ52a~52dを備える。位置合わせリブ52a~52dは、対向する一対のリブとして設けられる。
【0160】
図4から理解されるように、中央孔26、及び周囲壁28内に配置される2つのデバイスチャンバ40a、40bと同様に、同じく周囲壁28内に配置されるいくつかの他のチャンバが存在する。具体的には、図示されている配列では、周囲壁28の各丸みのある角に配置されるコーナーチャンバが存在する。さらに、中央孔26の周りに配置された4つの中央チャンバが存在する。周囲壁28、中央孔26、デバイスチャンバ40a、40b、及び/又はさらなる仕切り壁のいずれかによって様々なチャンバが少なくとも部分的に画定される。様々なチャンバ及び/又は壁の多くには、外部の大気とデバイスチャンバ40a、40bとの間の流体連通を提供するために切り欠き部がさらに組み込まれている。これらの切り欠き部は、環境信号がサンプリングされることを可能にする、周囲壁28を通り抜ける流体経路を画定する。
【0161】
第1のデバイスチャンバ40aから始めると、このチャンバは、4つの切り欠き部64a~64dを備える。これらの切り欠き部64a~64dは、それらの位置により、デバイスチャンバ切り欠き部と呼ばれる場合がある。デバイスチャンバ切り欠き部64a~64dは、デバイスチャンバ40aの1つの長辺に沿って切り欠き部の列に配列される。同様の切り欠き部が第2のデバイスチャンバ40bに設けられ、これらの切り欠き部に符号65a~65dが付けられている。
【0162】
図4に例示されているように、取付部12eにいくつかの仕切り壁も存在する。本明細書の目的上、仕切り壁は、デバイスチャンバ40a、40bのいずれも画定しない周囲壁28内の任意の壁を指すことを意図している。したがって、仕切り壁は参照符号66a~66fで示される。仕切り壁66a、66b、66d、及び66eは、取付部12e内にコーナーチャンバを少なくとも部分的に画定する。前記仕切り壁は、デバイスチャンバ40a、40bのいずれかを画定する少なくとも1つの壁と共同してコーナーチャンバを画定する。中央仕切り壁66c及び66fは、それぞれ、周囲壁28の対向する側部から中央孔26まで延びる。中央仕切り壁66c、66fは仕切り壁の一例である。
【0163】
図4から理解されるように、仕切り壁66a~66fのうちのいくつかには、切り欠き部68a~68dも組み込まれている。この切り欠き部68a~68dは、仕切り壁切り欠き部と呼ばれる場合があり、大気とデバイスチャンバ40a、40bとの間の流体経路を少なくとも部分的に画定する。
【0164】
図4では例示的な流体経路が参照符号70で示されている。破線から分かるように、流体経路70は、周囲壁切り欠き部32aで始まり、次いで、仕切り壁切り欠き部68a(周囲壁切り欠き部32aに最も近接した仕切り壁66bの切り欠き部)を通る。この地点で、経路は分かれ、デバイスチャンバ切り欠き部64c及び64dを介して第1のデバイスチャンバ40aに入るか、又は、中央仕切り壁66cのさらなる仕切り壁切り欠き部68bの方に流れ続ける。この地点から、その流れはまた、デバイスチャンバ切り欠き部66c及び/又は66dを介して第2のデバイスチャンバ40bに入る。
【0165】
図4に示されているさらなる特徴は、周囲壁28の一部に沿って配置されたシャンファ72a、72bの特徴である。シャンファは、漏れ低減シャンファと呼ばれる場合もある。シャンファ72a、72bは、デバイスチャンバ40a、40bに隣接する周囲壁28の一部に沿って設けられる。つまり、シャンファ72a、72bは、デバイスチャンバ40a、40bと大気との間に直接的に配置される周囲壁28の長さを占める。シャンファ72a、72bは、デバイスチャンバ40a、40bへの望ましくない液体漏れ(具体的には水の侵入)を低減するのに役立つ。これは、シャンファ72a、72bが周囲壁28の外側とデバイスチャンバ40a、40bとの間に蛇行経路を提供することによって達成される。これは、デバイスチャンバ40a、40bに挿入された電子デバイスを、例えばジェット洗浄(すなわち、パレットの洗浄)などのプロセスによる損傷から保護するのに役立つ可能性がある。
【0166】
デバイスチャンバ40a、40bに挿入された電子デバイスへの漏れ経路が最も生じやすい周囲壁28の一部のみに沿ってシャンファ72a、72bを設けることによって、デバイスチャンバ40a、40bは依然として保護される状態で、材料の使用とコストは最小限に抑えられる。
【0167】
全体として、図4から、様々な壁、デバイスチャンバ、及び切り欠き部が共同して、電子デバイスがとりわけ温度及び/又は湿度をサンプリングすることを可能にしながらデバイスチャンバへの液体の侵入を実質的に防ぐ流体経路を画定する配列を提供することが理解されるであろう。簡単に言えば、気体(空気など)はデバイスチャンバに入ることができるが、液体(水など)は一般的に入ることはできない。したがって、流体経路は空気流経路と呼ばれる場合もある。さらに、これは、切り欠き部の配列により、低コストで実際に製造される様態で達成される。
【0168】
図4のすべての切り欠き部はそれぞれの壁の端面に配置されていることに留意されたい。これは、切り欠き部は射出成形プロセス中に設けることができる、すなわち、既に形成された材料にドリルで穴をあけることでそれらを作製する必要はないため、製造するのが特に簡単な幾何学的形状である。しかしながら、他の配列では、切り欠き部は、想定されるチャンバ及び/又は仕切り壁にドリルであけられた孔の形態をとり得る。壁の端面は、2つの当接する端面が2つの隣接するコンポーネント間に仕切りラインを画定するため、仕切り面と呼ばれる場合がある。
【0169】
図5は、本発明に係るスキッド10bの一部の斜視図である。スキッド10bは取付部14eと支持部74を備える。上で説明したように、スキッド10bは、パレットコンポーネントの一例である。パレットコンポーネントがスキッド10bである場合、支持部74は、表面上でスキッドを支持するためのものである又は支持するように構成される。
【0170】
図5には、取付部14eの周囲壁30も示されている。中央孔76は、取付部14eを貫通して延びる。スキッド10bの中央孔76は、プラットフォーム8の中央孔26と位置合わせされている。
【0171】
図5には、デバイスチャンバ42a、42bも示されている。最後に、様々な仕切り壁及びデバイスチャンバ壁も図5に示されている(しかし符号が付けられていない)。図5から理解されるように、様々な仕切り壁及びデバイスチャンバ壁は、周囲壁30を越えて垂直方向に突き出ている。これは、周囲壁28に対して引っ込んでいる図4の仕切り壁66a~66f及びデバイスチャンバ壁とは対照的である。この配列は、周囲壁28、30と出会う地点の位置から垂直方向にオフセットされた位置でそれぞれの仕切り壁及びデバイスチャンバ壁の当接を提供することが理解されるであろう。これは、流体が各取付部12e、14eの外部からデバイスチャンバに到達するにはより蛇行した経路を通過しなければならないことに起因して、流体の侵入に対するデバイスチャンバの抵抗をさらに向上させる。壁及びデバイスチャンバの配列、及びそれらに組み込まれた切り欠き部に関するさらなる詳細は、図6に関連して提供される。
【0172】
図4及び5に示されている配列の間の差異は、図5では周囲壁30に切り欠き部が組み込まれていないことである。代わりに、切り欠き部は、仕切り壁43a~43fと、デバイスチャンバ42a、42bを画定する壁45a、45bに配置されている。壁45aにある4つのそのような切り欠き部に47a~47dの番号が付けられている。
【0173】
前述の壁43a~43f、45a、45b、具体的にはそれらにある切り欠き部が、使用中にデバイスチャンバ42a、42bと大気との間の流体経路の少なくとも一部を画定することが理解されるであろう。スキッド10bの取付部14eがパレット8の対応する取付部12eと係合するとき、スキッド10bの周囲壁30がプラットフォーム8の周囲壁28と当接する。したがって、プラットフォーム8の周囲壁28の切り欠き部32a、32b(図4参照)は、取付部12e、14eの内部が外部の大気と流体連通することを可能にする。この場合、内部は、周囲壁の内側の領域を意味することを意図している。スキッド10bとプラットフォーム8との両方の取付部12e、14eの他の切り欠き部は、デバイスチャンバ40a、42a、40b、42b(デバイスエンクロージャ44a、44bを画定する)が外部の大気と流体連通することを可能にする。したがって、周囲壁の切り欠き部は、一方のパレットコンポーネント(すなわち、プラットフォーム8又はスキッド10bのうちの一方)にのみ組み込まれ得る。同様に、他の壁の切り欠き部は、一方のパレットコンポーネントにのみ組み込まれ得る。代替的に、切り欠き部は、両方のパレットコンポーネントに設けられ得る、又は、パレットコンポーネント間で分散され得る(すなわち、一方のパレットコンポーネントには特定の切り欠き部が組み込まれ、他方のパレットコンポーネントには他の切り欠き部が組み込まれ得る)。
【0174】
図6は、電子デバイス6aが第1のデバイスチャンバ42aに受け入れられている状態の、図5のスキッド10bの拡大斜視切取図である。スキッド10bの取付部14eの特徴の多くは、図4のプラットフォーム8の取付部12eに関連して詳細に説明したのと同じである。したがって、図6に関連しての詳細な説明は提供されない。しかしながら、ここでもまた、切り欠き部を有する複数の仕切り壁及びデバイスチャンバ壁が、大気と周囲壁30に囲まれた1つ以上のデバイスチャンバとの間の流体経路を介して流体連通を提供する。第2のデバイスチャンバ42bに隣接する周囲壁30の一部に沿ってシャンファ78aが組み込まれている。このシャンファ78aは、プラットフォーム8の対応するシャンファ72aと共同して、図4に関連して説明した蛇行経路を提供する(すなわち、液体の侵入を[大いに]低減するのに役立つ)。
【0175】
図7aに目を向けると、本発明のさらなる実施形態が例示されている。図7aでは、ハーフパレット100の中央ブロックの部分切取斜視図が示されている。ハーフパレット100は、プラットフォーム102とスキッド104を備える。プラットフォーム102は、製品支持面108を備えるデッキ106、及び取付部110で形成される。前の実施形態に関連して説明した取付部と同様に、取付部110は、別のパレットコンポーネントの対応する取付部、この場合はスキッド104の取付部112と係合するように構成される。図7aは、パレット100に挿入された電子デバイス6aの存在により、パレットアセンブリを示していると言うことができる。
【0176】
プラットフォーム102から始めると、前の実施形態に関連して説明したプラットフォーム8と同様に、プラットフォーム102は、製品支持面108にオリフィス114を備える。このオリフィス114は、製品支持面108からデバイスチャンバ116への開口部を提供する。デバイスチャンバ116は、電子デバイス6aの全体を受け入れるように構成される。したがって、デバイスチャンバ116は、電子デバイス6aを全部受け入れている。これは、斜視図でデバイスチャンバが電子デバイス6aの一部のみを受け入れている、前の実施形態との違いである。さらに、前の実施形態とは異なり、製品支持面108にオリフィス114が1つだけ設けられている。これは、少なくとも部分的に、プラットフォーム102がプラットフォーム8よりも小さい、したがって、電子デバイスを組み込むために利用できるスペースが少ないためであり得る。
【0177】
プラットフォーム102の取付部110は、前の実施形態と同じ様式で周囲壁118によって画定される。前の実施形態と同様に、周囲壁118は、デバイスチャンバ116と外部の大気との間の流体経路を画定する切り欠き部120を備える。流体経路の正確なルートは、他の図面に関連して説明される。
【0178】
図7aに戻り、スキッド104に目を向けると、スキッド104も取付部112を備える。取付部112は、周囲壁122によって少なくとも部分的に画定される。周囲壁122は、複数の内部チャンバを取り囲み、そのうちの2つに参照符号124a及び124bが付けられている。この実施形態では、内部チャンバ124a、124bは、電子デバイス6aのどの部分も受け入れない。代わりに、これらの内部チャンバ124a、124bは、流体がデバイスチャンバ116に侵入する可能性を低減するために、単に支持構造体及び蛇行経路(すなわち、直接的な経路ではない)を提供する。
【0179】
周囲壁122は切り欠き部126を備え、この切り欠き部はまた、組み立てられたときに、デバイスチャンバ116と大気との間の流体経路を画定する。
【0180】
図7bは、電子デバイス6aがそのデバイスチャンバ116に挿入されていない状態の図7aのパレット100を示している。図7bでは、プラットフォーム102の製品支持面108のオリフィス114が明瞭に見えている。デバイスチャンバ116の内部もより明瞭に見えている。
【0181】
図7aに関連して言及されているように、デバイスチャンバ116は、その中に電子デバイス6aを全部受け入れる。別の言い方をすれば、デバイスチャンバ116は、単独でデバイスエンクロージャを画定する。デバイスチャンバ116は概して立方体である。つまり、デバイスチャンバ116は、1つの開放端、すなわち、オリフィス114を有する、概して立方体の形状を有する。デバイスチャンバ16は、複数の位置合わせ特徴128a~128cを備える(さらなる位置合わせ特徴は図7bでは見えていない)。デバイスチャンバ116は、デバイスチャンバ116のベース132に配置される切り欠き部130を備える。
【0182】
図7bから、周囲壁118はデバイスチャンバ116のベース132を越えて(具体的には下に)延びていることに注目されたい。本明細書の目的上、これは依然として、デバイスチャンバ116を取り囲む周囲壁118の定義内に入るとみなされる。
【0183】
電子デバイス6aがプラットフォーム102にスナップフィットされる様態は、前の実施形態の場合と同じである。
【0184】
図7bはまた、取付部112の周囲壁122の切り欠き部126が、周囲壁122を横断する流体連通をどのように提供するかを示している。具体的には、切り欠き部126は、周囲壁122の孔であり、大気と切り欠き部126に隣接する内部チャンバ124bとの間の流体連通を提供する。切り欠き部126は、プラットフォーム102の切り欠き部120及び130と組み合わせて、流体経路を画定する。
【0185】
図7cは、図7aのパレット100の下側の切取斜視図である。デバイスチャンバ116に受け入れられた電子デバイス6aが示されている。図7cは、スキッド104が、いくつかの他の切り欠き部134a、134bをどのようにさらに備えているかを示している。
【0186】
切り欠き部134a、134bは、スキッド104の取付部112のベース136を貫通して配置されている。ベース136において、切り欠き部134a、134bは、孔又はボアの形態である。これらの孔134a、134bはまた、1つ以上の内部チャンバ内に存在する液体が孔134a、134bを通ってスキッド104を出ることができるという点で排出機能を提供する。したがって、孔134a、134bは、液体を排出することができる開口部を提供する。図7cは、デバイスチャンバ116のベース132の下側も示している。切り欠き部120を備える、ベース132を越えて延びる周囲壁118(少なくともその一部)も示されている。
【0187】
前に示されていない特徴は、デバイスチャンバ116のベース132の切り欠き部130(すなわち、排出穴)の下側の特徴である。図7cに示すように、切り欠き部130はボス137に通じており、これは、液体をデバイスチャンバ116から遠ざかるように誘導し、液体がスキッドを出ることを可能にする。
【0188】
図8は、図7a~図7cのスキッド104の一部の拡大斜視図である。図8は、上から主に取付部112を示している。
【0189】
前の図面に関連して説明されているように、取付部112は、周囲壁122によって少なくとも部分的に画定される。使用中に、取付部112は、プラットフォームの対応する取付部と係合する。図8から理解されるように、周囲壁122は、必ずしも取付部112の最も外側の壁ではない。代わりに、取付部112は、周囲壁122を越えて突出するレッジ、リップ、又は材料の延長部をさらに備え得る。図8では、このようなリップに符号138が付けられている。図7a及び図7bから理解されるように、プラットフォームの取付部と係合するのは具体的にはリップ138であり得る。また、図7bに示されているように、周囲壁122は、パレット100が組み立てられると必ずしも露出されない。つまり、使用中に、周囲壁122は、1つ以上の他のコンポーネント(例えば、隣接するパレットコンポーネントの周囲壁など)によって囲まれ得る。図8に戻ると、周囲壁122は、取付部112の少なくとも一部の最も外側の辺縁を画定し得る。図8では、周囲壁は、取付部112の上方の(すなわち、前述のリップ138の上方の)最も外側の辺縁を画定する。
【0190】
図8では、周囲壁122によって取り囲まれた内部チャンバが見えている。合計8つの別個のチャンバが、周囲壁122内に分散して存在する。図8に示されている実施形態では、周囲壁122は、2つのC形の構造体で形成されていることも分かるであろう。したがって、周囲壁122は、必ずしも連続した壁である必要はなく、代わりに、図8に示されているような複数の壁区域で形成することができる。
【0191】
図8では取付部のベース136も見えている。さらに、ベース136には、それを貫通して延びる孔134a~134dの形態の切り欠き部が示されている。
【0192】
周囲壁122は、切り欠き部126a~126dを備える。切り欠き部126a~126dは、大気と4つの隣接する内部チャンバのうちの1つとの間の周囲壁122を通じて、すなわち周囲壁122を横断する、流体連通を提供する。前記4つの内部チャンバは中央孔140を取り囲んでいる。
【0193】
図9aは、電子デバイス6aの斜視図である。電子デバイス6は、本体63とキャップ61を備えると言うことができる。
【0194】
本明細書で先に述べたように、電子デバイス6aへの言及は、シャーシ(すなわち、本体63とキャップ61)とその中に収容された1つ以上の電子部品との組み合わせであり得る。
【0195】
端面62は、電子デバイス6aがデバイスチャンバに挿入されたときに端面62がパレットの製品支持面と面一になるように、平坦である。端面62は、キャップ61の一部をなすと言うことができる。
【0196】
キャップ61は、示唆されるように、デバイス6aの本体63によって画定されたキャビティを閉鎖する、或いは開放することができる。代替的に、キャップ61と本体63は、互いに一体に形成され得る。
【0197】
キャップ61の一部として形成されたクリップ58a、58bは、電子デバイス6aをデバイスチャンバ内の定位置に固定するために用いられる。クリップ58a、58bは、有利には、キャップ61と一体に形成される。クリップ58a、58bは、工具を必要とせずに電子デバイス6aを挿入することを可能にするスナップフィット機能を提供する。
【0198】
好ましい配列では、電子デバイス6aは、荷重感知機能を提供する。つまり、電子デバイス6aは、製品支持面にかかる荷重を感知することが可能であり得る。電子デバイス6aはまた、温度及び湿度などの環境信号をサンプリングすることが可能であり得る。
【0199】
図9bは、電子デバイス6aの正面図である。
【0200】
キャップを含む電子デバイスは、高さおよそ120mm、幅およそ85mm、及び深さおよそ35mmであり得る。より詳細には、電子デバイスは、高さ122mm×幅86mm×深さ33mmの寸法を有し得る。主な幅及び深さの寸法は、電子デバイスのキャップによって画定され得る。キャップから延びる電子デバイスの部分は、高さおよそ120mm×幅およそ60mm×深さおよそ25mmであり得る。より詳細には、この部分は、高さ117mm×幅62mm×深さ25mmの寸法を有し得る。この部分は、デバイスの本体を指す場合がある。
【0201】
デバイスチャンバは、幅およそ65mm×深さおよそ25mmであり得る。より詳細には、デバイスチャンバは、幅およそ63mm×深さおよそ26mmであり得る。これにより、キャップの部分から延びる電子デバイスの部分の外側の周りに小さなクリアランスが生じる。オリフィスは、キャップを受け入れるためにより大きな断面を有することが理解されるであろう。このようにして、実質的に連続した製品支持面がキャップを横断して維持される。
【0202】
本文献での電子デバイス(単数又は複数)は、ハウジング内に配置される1つ以上の電子部品の組み合わせであり得る。ハウジングは、キャップ又は蓋と、そこから延びる本体部で形成され得る。
【0203】
図10aは、図5に示されているスキッド10bの部分(の一部)の平面図である。図10aでは、(図5に示される)横方向に突出する支持部は省略されている。したがって、図10aは、スキッド10bの中央「ブロック」部分(すなわち、周囲壁30で囲まれた部分)のみを示している。
【0204】
図10aは、本出願で開示されるさらなる概念を例示している。さらなる概念は、いくつかの異なる内部チャンバに作用する又はこれらと連通する単一の孔の使用である。これは、いくつかの理由で、しかし特に、孔が排出のために用いられるときに、有利である。単一の孔は、いくつかの内部チャンバに排出機能を提供し、設ける必要がある孔の数を減らすことができる。存在する孔が多いとパレットコンポーネントの頑健性が低下することがあるので、孔の数を減らすことは望ましい。
【0205】
前述のように、図10aは、図5の配列の一部の平面図である。したがって、図5と共通の多くの特徴は詳細に説明しない。しかしながら、完全を期すために、図10aは、取付部14e、周囲壁30、及びデバイスチャンバ42a、42bを示している。仕切り壁43a~43fと、デバイスチャンバ壁45a、45bも示されている。
【0206】
図10aの平面図は、スキッド10bの表面49に設けられた孔の配列を示している。表面49は、周囲壁30によって境界付けられる内面である。表面49bは、スキッド10bの外面(すなわち、図10bに示されている面、及び、使用中にスキッド10bが置かれる面)とは反対側と言うことができる。
【0207】
図10aに戻ると、表面49に設けられたいくつかの孔が存在する。3つの孔51、53が各デバイスチャンバ42a、42bに配置されている。これらの孔51、53は、デバイスチャンバ42a、42b内の液体がチャンバから排出される、したがって、コンポーネントから完全に出ることを可能にする。
【0208】
図10aでは、特に関心がもたれる孔に符号55a~55dが付けられている。各孔55a~55dは、それぞれの仕切り壁が交差している又は仕切り壁で部分的に分割されている。例えば、左下の孔55aには、対応する左下の仕切り壁43bが交差している。交差のおかげで、孔55a~55dは、それぞれ、各仕切り壁43a、43b、43d、43eによって少なくとも部分的に画定される少なくとも2つの内部チャンバと連通する。各孔55d、55a、55b、55cと交差する仕切り壁43a、43b、43d、43eは、これらの壁が少なくとも2つの隣接する内部チャンバを少なくとも部分的に画定するため、隔壁と呼ばれる。例えば、左下の仕切り壁又は隔壁43bは、2つの隣接する内部チャンバ57a、57bを少なくとも部分的に画定する。
【0209】
有利なことに、各孔55a~55dを少なくとも2つの異なる隣接する内部チャンバと連通させることにより、チャンバに入る液体を、共通の孔を介してパレットコンポーネントから排出することができる。したがって、内部チャンバの列又は配列に必要な孔の数は、そうでない場合に必要とされるよりも少なくなる。
【0210】
図10aでは見えていないが、図10eは、図示されている配列において隔壁43bが孔55aの中に延びていない様子を例示している。代わりに、隔壁43bは、孔55aに隣接している又は孔55aの平面外にある。しかしながら、他の配列では、隔壁は孔の中に延び得る。
【0211】
図10bに移ると、図13aのスキッド10bの部分を下から見た図が提供されている。図10bはまた、表面49とは反対側の、外面59を示している。外面59は使用中にスキッド10bが置かれる外部の面と当接するため、外面59は支持部の一部をなすとみなすことができる。隔壁43a、43b、43d、43eが孔55a~55dと交差している様子も図10bに示されている。
【0212】
図10bに示すように、孔51、53、55a~55dはすべて六角形である。さらに、交差される孔55a~55dは、孔51、53よりも断面が大きい。しかしながら、それ以外に、様々な孔の幾何学的形状、孔の配列及び相対的なサイズ、並びに隔壁を用いることができることが理解されるであろう。
【0213】
図10c及び図10dは、図10aの配列の角度をつけた斜視図である。これらの図は、孔に対する隔壁の配列を三次元で示すために含まれている。
【0214】
図10eは、図10bに示されている配列の下側の一部の拡大図であり、角度をつけた斜視図として示されている。図10eは、表面(図10eでは見えていない)に設けられ、表面を貫通して反対側の外面59に延びる、孔55aを例示している。孔55aに対する隔壁43bのオフセット又は隣接する様子も図10eに示されている。つまり、図10aは、隔壁43bが孔55aの中に延びていないことを示している。代わりに、隔壁43bは、孔55aの平面外にある、又は孔55aに隣接して配置されている。
【0215】
図11は、横方向に延びる支持部67の一部が概略的に示されている、図10bに示されている部分の代替図である。
【0216】
以下の図面、すなわち図12図19の目的上、図1図11に関連して図示及び説明した特徴に等しい特徴の番号付け及び名前付けが再び始まる。つまり、前の図面にも示されている、後の図面からの同様の特徴は、異なる特徴名及び/又は参照符号を使用して特定される場合がある。
【0217】
図12は、本発明の1つの好ましい実施形態に係るパレット10を斜視平面図で示している。パレット10は、プラスチックで作製される、より詳細には、熱可塑性物質から射出成形法で製造されている。しかしながら、同等のパレットを他の鋳造方法によって、例えば回転成形法で同様に製造することもできる。パレット10は、原則として、パレット10の積載面14をなす上側デッキ12と、その下側にいくつかの(この場合は9つの)脚16を有する。脚16は、すべての側部にアクセス開口部を形成し、それにより、例示したパレット10は公知の積載輸送デバイス(フォークリフトトラック)で容易に取り扱うことができる。図示した例では、脚16はスキッドによって接続され、それにより、パレット10にさらなる安定性が与えられ、ローラコンベヤ、自動コンベヤシステム、及びハイベイ倉庫に適するものとなる。
【0218】
パレット10は、図12に示すように、上側デッキ12、スキッド16の側面、及び下側に、平坦面を有する。したがって、積み込み及び清掃が容易である。好ましくは、角の代わりに輸送目的に有利な丸みがつけられる。パレット10はこの外方に平滑な表面をもつにもかかわらず、そうすることで同時に重量を削減しながら機械的安定性の増加につながるため、パレット10にリブ構造体/リブ44(図13参照)を組み込むことができることが望ましい。よりわかりやすくするために、ごくわずかなリブに参照符号44が付けられている。この目的のために、図12に示されているパレット10は2部品の設計である。より詳細には、上側デッキ12は、一種のパレット本体として射出成形され、スキッド/脚16は、別個の部品又は複数の別個の部品として射出成形され、次いで、上側デッキ12に接続される。このようにして、パレット10が組み立てられた状態ではいずれも内側となる上側デッキ12及びスキッド16の側部にリブ構造体44を形成することができ、一方、外方に面する表面は平滑/平坦に保たれる。製造の観点から、これは、モールドからの取り外しを妨げるアンダーカットを形成することなくリブ構造体44を作製できるという利点を有する。
【0219】
図13は、上側デッキ12の下側の(内方に面する)リブ構造体44を示している。有利なことに、パレット10の上側デッキ12と脚16は同一の/相補的なリブを有し、こられは、上側デッキ12と脚16が接続されるときに互いに接して力の伝達を可能にし、パレットの高い強度及び屈曲剛性を保証する。リブは、図13に示されている上側デッキ12の下側で主に十字形に延びるが、例えばハニカム形状に構成することもできる。しかしながら、脚16の領域では、以下で詳しく説明するように、組み込み電子部品用のレセプタクルを画定するために、リブの十字形の(直交する)配置が優先される。
【0220】
上側デッキ12を脚/スキッド16に接続するために、図示した例示的な実施形態では、ボルト接続が提供される。この目的のために、パレットの各脚16は、ボルトレセプタクル28を有する。図3及び図4で明瞭に見られるように、ボルトレセプタクル28は、上側デッキの脚領域とその下側に配列された脚16を貫通して上側デッキ12に垂直に延びる。ねじ30及び支持ショルダ32によって、上側デッキ12及び脚16はボルト34で互いにクランプされる。ボルトレセプタクル28は、汚れ又は液体がボルトレセプタクル28にたまるのを防ぐボルトレセプタクルカバー36によって頂部で閉鎖される。図15で明瞭に見られるように、上側デッキ12と脚16との間の接合領域に、センタリング支援部/センタリング支援構造体38が形成される。センタリング支援部/センタリング支援構造体38の設計は、一方の接合部のリブ構造体44がいくらか突き出ていて、他方の接合部のリブ構造体44はいくらか引っ込んでいることで、一方の接合部(ここでは脚16)のリブ構造体44が他方の接合部の中に入り込む、したがって、積載面14が延在する方向の2つの接合部の相対的な位置がフォームフィッティングの様態で定まるような設計である。
【0221】
本発明に係るパレット10は、例えばトランスポンダ又はセンサユニットなどの組み込み電気/電子部品(図示せず)のためのレセプタクル18を有する。より詳細には、2つのそのようなレセプタクル18が形成され、これらはそれぞれ、パレット10の中央脚の領域に形成される。レセプタクル18は、上側デッキ12内にポケットのように陥凹し、つまり、パレット10の下側の方で閉鎖され、実質的に立方体のキャビティを形成しており、もちろん、レセプタクル18の正確な形状は組み込み部品によって異なり得る。積載面側のレセプタクル18の開口部は、例えば図12に示されているようにカバー20によって閉鎖することができる。カバー20は、クリップされ得る又は溶接され得る。図示した例では、カバーはクリップされており、この目的のために上側デッキはラッチ切り欠き部40を有し、これらは図14に示されている。レセプタクル18の開口部の縁の周りに延びる窪み42により、カバー20は、設置された状態では上側デッキ12の積載面と面一になることができる。
【0222】
レセプタクル18は、底部で閉鎖されており、積載面側ではカバー20によって閉鎖されるので、これは、はねた水又は他の液体が外部からレセプタクル18に侵入して組み込み部品の機能を損なうことを効果的に防ぐ。レセプタクル18に閉じ込められた空気の凝縮を回避するために、通気穴として作用する孔22が、レセプタクル18の垂直な側壁に形成される。孔22はさらに、温度センサがレセプタクル18に挿入される場合に、外部からの温度差がより迅速に伝達されるという利点を有する。孔/通気穴22は、パレット10の内部、より詳細には脚16の内部のレセプタクル18に隣接するチャンバ24の方に水平方向に(積載面と平行に)延びる。したがって、図面に示された実施形態は、2つのそのような隣接するチャンバ24(レセプタクル18ごとに1つ)を有する。隣接するチャンバ24は、リブ構造体44の構築によって有利に作製することができる。隣接するチャンバ24は、それぞれ、それらが配列される脚16の底部側に2つの出口穴26を有し、その出口穴は、例えば図17又は図19で明瞭に見えている。
【0223】
図18及び図19は、2つのレセプタクル18が一体化されている、中央脚16の上側デッキ側片及び脚側片を示している。したがって、中央脚16の内部の働きがこれらの図に基づいて明瞭に説明される。接合中に互いに接触するリブ44の多くは、接合ゾーン/境界面の方に切り欠き部43を有し、したがって、リブ構造体44によって形成されたすべてのキャビティは、互いに気体交換が可能となることが分かる。脚16内の空気循環をさらに改善するために、図18に示されているさらなる通気穴48が中央脚の外壁46に設けられる。図示した例では、通気穴48は、脚の角領域に配列され、コーナーチャンバ45に通じており、コーナーチャンバ45は、切り欠き部43を介して、レセプタクル18に隣接するチャンバ24に接続される。
【0224】
レセプタクル18は周囲環境に直接接続されないので、前述の配列は、はねた水が孔/通気穴22から侵入するのを回避する。しかしながら、同時に、出口穴26と通気穴48を介してレセプタクル18の効果的な通気がもたらされる。レセプタクル18内の空気循環をさらに改善するために、スペーサ27がレセプタクル18の側壁に、そして底部にも設けられ、スペーサは、挿入された組み込み部品が壁のうちの1つに当たるのを防ぐ。図18及び図19で見られるように、例えば、スペーサ27は、レセプタクル18の境界となる壁に沿って延びるリブ27として構成される。次いで、図19に示すように、スペーサ27は、組み込み電子部品の方に窪み50を有することができ、したがって、スペーサ27によるチャンバの形成は生じない。
【0225】
図示されている好ましい実施形態では、孔/通気穴22は、上側デッキ12とこれに取り付けられる脚16との境界面に形成される。これにより、通気穴22がモールドからの取り外し方向に対して横方向に延びるにもかかわらず、さらなるアンダーカットを作製することなく、射出成形中に通気穴22の一体の製造が可能となる。例えば図14及び図15で見られるように、本発明の図示した実施形態では、通気穴22は、互いに接触することになる上側デッキ12及び脚16のリブ縁の相補的な半円形切り欠き部として構成される。円形の形状は、比較的大きな通路表面積を提供しながら、例えば、ノッチングによって引き起こされる機械的安定性の障害をほとんど生じない。
【0226】
レセプタクル18を収容する脚16の前述の設計のおかげで、パレットの脚16にたまった水は流れ出ることができ、空気循環により凝縮水は生成されない。レセプタクル18は周囲環境に直接通じておらず、脚16の内部を介して間接的にのみ通じるので、外部から侵入する水に対する良好な保護がさらにもたらされる。
【0227】
ISO 6780:2003(E)に準拠するものを含むがそれに限定されないプラットフォーム(パレットとして一般に知られている)の長方形の平面寸法は、1200×800mm(ユーロサイズとして一般に知られている)、1200×1000mm(フルサイズとして一般に知られている)、及び1219×1016mmの長さ及び幅を有する。他の標準サイズが世界の他の地域で用いられる場合がある。「ハーフパレット」という用語は、用いられる特定の標準に従う標準パレットの半分のサイズである。同様に、「クォーターパレット」という用語は、用いられる特定の標準に従う標準パレットの1/4のサイズである。例えば、ある地域で用いられる標準が1200×800mmである場合、ハーフパレットは800×600mmの寸法を有し、クォーターパレットは600×400mmの寸法を有する。これらの標準寸法は、ドリーとして一般に知られている、パレットオンホイール又はホイール付きパレットとも呼ばれる、ホイール付きパレットにもあてはまる。
【0228】
そのようなパレットは、プラスチックから又はいくつかの他の材料から製造され得る。
【0229】
本明細書の全体を通して、内方は、側壁から製品支持面の中心点の方への(すなわち、製品支持面にわたって、製品支持面の中心の方への)方向を指す。外方は、製品支持面の中心点から側壁の方への(すなわち、製品支持面にわたって、製品支持面の中心から離れる方への)方向を指す。
【0230】
説明及び例示した実施形態は、例示的なものであって、文字で限定するものではないとみなされるべきであり、好ましい実施形態のみが図示及び説明されており、請求項で定義される本発明の範囲内に入るすべての変更及び修正は保護されることが望まれると理解される。
【0231】
請求項に関連して、「一」、「一つ」、「少なくとも1つ」、又は「少なくとも1つの部分」などの言葉が特徴の前に用いられるとき、請求項に特にそれと反対の記載のない限り、特許請求を1つだけのそのような特徴に限定する意図はないことが意図される。「少なくとも一部」及び/又は「一部」という言葉が用いられるとき、特にそれと反対の記載のない限り、アイテムは、アイテムの一部及び/又は全体を含み得る。
【0232】
本明細書に記載の随意的な及び/又は好ましい特徴は、個々に、又は適切であれば互いに組み合わせて、特に付属の特許請求の範囲に記載の組み合わせで用いられ得る。本明細書に記載の本発明の各態様又は概念の随意的な及び/又は好ましい特徴は、適切であれば本発明の他の任意の態様にも適用可能である。
【0233】
本明細書の全体を通して、図面は同じ又は同等の特徴を示しているが、特徴の番号付け及び/又は名前付けは図面間で異なっており、特徴を説明するために用いられる言葉は交換可能である。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19