(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】紙材料のログを横方向に切断するための切断機
(51)【国際特許分類】
B26D 7/26 20060101AFI20240625BHJP
B26D 3/16 20060101ALI20240625BHJP
B26D 1/16 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B26D7/26
B26D3/16 E
B26D1/16
(21)【出願番号】P 2022528253
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(86)【国際出願番号】 IT2020050274
(87)【国際公開番号】W WO2021106019
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】102019000022035
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】506180062
【氏名又は名称】フューチュラ エス ピー エー
(74)【代理人】
【識別番号】100147935
【氏名又は名称】石原 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100080230
【氏名又は名称】石原 詔二
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアーニ、ジョヴァッキーノ
(72)【発明者】
【氏名】グアリーニ、チロ
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-534468(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0282395(US,A1)
【文献】独国特許発明第3326292(DE,C1)
【文献】特開昭59-201714(JP,A)
【文献】特開2019-5857(JP,A)
【文献】特開2015-196230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/26
B26D 3/16
B26D 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断ステーション(T)を含む紙材料のログを横方向に切断するための機械であって、
当該切断ステーション(T)には水平軸(j)の周りを回転するアーム(3)を備える切断ユニット(CT)が配置され、そして当該アーム(3)は前記機械(M)に導入されかつ前記切断ステーション(T)内に配置された紙材料の1つ以上のログ(L)の横方向切断を行うように適合されたブレード(2)を搭載することができ、
前記機械には、前記アーム(3)に搭載された前記ブレード(2)を交換するように意図された別のブレード(2)を支持するための支持体(4)を備えた装填ステーション(LS)が配置され、前記支持体(4)は、前記切断ステーション(T)と装填ステーション(LS)との間で移動することを可能にする可動ユニット(5)に接続されており、
前記支持体(4)には各々のピン(461)を備えたブレードホルダハブ(46)が常時設けられており、当該ブレードホルダハブ(46)は前記支持体(4)に離脱可能に接続されていることを特徴とする機械。
【請求項2】
前記支持体(4)が、対応するブレードホルダハブ(46)のために形成されたシート(43)の各々において2つの対向する面(41,42)を有することを特徴とする請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記ブレードホルダハブ(46)が、前記支持体(4)に磁気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の機械。
【請求項4】
前記可動ユニット(5)が、前記切断ステーション(T)と装填ステーション(LS)の間に延在するガイド(6)に沿って移動可能なキャリッジからなり、
前記支持体(4)が、前記支持体(4)を前記ガイド(6)に対して直交しかつ垂直方向の回転軸(z)の周りに移動させるように適合されたアクチュエータによって、前記可動ユニット(5)に拘束されることを特徴とする請求項1に記載の機械。
【請求項5】
前記支持体(4)が、摩耗したブレード(2)と新しいブレード(20)とを同時に支持するように適合されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の機械。
【請求項6】
前記キャリッジ(5)が、前記ガイド(6)に沿った前記キャリッジの移動を制御するアクチュエータ(50)に接続され、
前記支持体(4)が、垂直軸(z)の周りの前記支持体(4)の回転を制御する回転アクチュエータ(54)によって、前記キャリッジ(5)に拘束され、
次に、前記回転アクチュエータ(54)が、前記キャリッジ(5)上に形成されたガイド(541)上をスライドする水平プレート(540)と一体であり、
前記キャリッジ(5)が、前記水平プレート(540)に接続されたリニアアクチュエータ(544)が収容される区画を有し、
前記支持体(4)が前記ガイド(6)に沿って、及び前記ガイド(6)に直交し且つ前記軸(z)の周りの回転の両方で移動可能であるように、前記ガイド(541)及びリニアアクチュエータ(544)が前記ガイド(6)に対して直交して配向せしめられることを特徴とする請求項4に記載の機械。
【請求項7】
前記垂直軸(z)が、前記支持体(4)の対称中心軸であることを特徴とする請求項4又は6に記載の機械。
【請求項8】
前記切断ステーション(T)と装填ステーション(LS)が、可動壁(MT)によって分離されることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の機械。
【請求項9】
各シート(43)に位置決めキー(45)が形成され、
前記ブレードホルダハブ(46)の一側部により多くの位置決めスロット(460)が形成されることを特徴とする請求項2に記載の機械。
【請求項10】
前記位置決めスロット(460)が、前記各々のピン(461)の前記軸を画定する前記ブレードホルダハブ(46)の軸(k-k)の周りに円周方向に配置されることを特徴とする請求項9に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙材料で作られたログを横方向に切断するための機械に関する。
【背景技術】
【0002】
紙材料で作られたログの製造は、一般に、巻取り軸又は管状コアの周りに所定量の紙ウェブを巻き付けることを含むことが知られている。紙ウェブは紙の単一プライ又は複数の重なり合うプライから成り、必要であれば、エンボス加工される1つ以上の親リールから巻き出されるか、又は巻き返し機で行われる最終巻き取りの前にさらなる処理ステップを受けることができる。次に、巻き返し機によって製造されたログは、切断機を用いて横方向に切断され、親リールから巻き出されたプライの高さに対応するログよりも短い長さのロールが得られる。
【0003】
切断機の例は、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に提供されている。一般に、紙材料のログを横切断するための切断機は、その各々にログが配置される複数の長手方向チャネルと裁断ヘッドと備えている。それぞれのチャネル内でログを前進させるための機構を備えた前記切断ヘッドの動作を調整することによって、各ログは所望の長さの複数のロールに分割される。
【0004】
前記切断ヘッドは、一般に、所定の角速度で自身の軸の周りを回転しかつアームによって担持される円形ブレードを備え、このアームは、同様に、前記ブレードの軸に平行な軸の周りを回転し、前記ブレードの軸から所定の値だけ離間されている。前記ブレードは摩耗しやすくそして定期的に削られ、これによってその直径の漸進的な減少につながる。前記ブレードの直径が使用の最小値に達した場合には、そのブレードを新しいブレードに交換する必要がある。
【0005】
摩耗したブレードを交換することは、当該ブレードの鋭い切断刃の存在と、当該ブレードの重量及びサイズとの両方の理由のために、作業者にとって非常に危険な作業である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】US 6786808
【文献】US 5522292
【文献】EP 3186042 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主たる目的は、作業者の介在を最小限に抑え、且つ同時にこの作業に必要な時間を最小限に抑えることができる自動化された手順によって、摩耗したブレードの交換が行われるようにしたログを横方向に切断するための切断機を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この効果は、本発明によれば、請求項1に示された特徴を有する機械を提供することによって達成される。本発明の他の特徴は、従属請求項の主題である。
【発明の効果】
【0009】
本発明による機械は、作業者にとって信頼性と安全性の両方の点で特に効率的であり、かつ現行の製造要件に適合する交換時間を保証する自動ブレード交換機構によって摩耗したブレードの交換を可能とする。
【0010】
本発明のこれら及びさらなる利点及び特徴は、以下の説明及び添付の図面(例として提供されるが、限定的な意味で考慮されるべきではない)によって、当業者によってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第1の概略正面図である
【
図2A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第2の概略正面図である
【
図3A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第3の概略正面図である
【
図4A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第4の概略正面図である
【
図5A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第5の概略正面図である
【
図6A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第6の概略正面図である
【
図7A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第7の概略正面図である
【
図8A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第8の概略正面図である
【
図9A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第9の概略正面図である
【
図10A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第10の概略正面図である
【
図11A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第11の概略正面図である
【
図12A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第12の概略正面図である
【
図13A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第13の概略正面図である。
【
図14A】摩耗したブレードの新しいブレードとの交換に関する一連の動作ステップにおける本発明の機械を示す第14の概略正面図である
【
図17】支持体(4)及びキャリッジ(5)の概略斜視図である。
【
図18】支持体(4)及びキャリッジ(5)のさらなる斜視図である。
【
図21】本発明の機械の概略上面図であり、他の部分をより強調するために図示されていない部分を有する。
【
図22】本発明のさらなる実施形態を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
その本質的な構造に減らされかつ添付の図面を参照すると、本発明の紙材料のログを横方向に切断するための切断機(M)は、ログ(L)を前進させるための対応する経路を画定する複数のチャネル(1)と、所定の長さを有する紙ロールを得るために前記ログ(L)の横方向切断を行うように配置された切断ヘッド(CT)とを備える。前記切断ヘッド(CT)は、前記切断機(M)の切断ステーション(T)内に取り付けられ、そして前記機械(M)のチャネル(1)に対して横方向に配向されかつ自身の回転軸(x)の周りに所定の角速度でその回転を制御する対応する電気モータによって駆動される円形ブレード(2)を備える。
【0013】
前記ブレード(2)はアーム(3)に取り付けられており、当該アームは同様に別の電気モータによって前記ブレード(2)の軸(x)に平行な軸(j)の周りを所定の速さで回転する。前記機械(M)の前記チャネル(1)内の前記ログ(L)は、前記ブレード(2)によって複数のログを同時に横方向に切断するために、前記切断ヘッド(CT)に向かって同時に移動することができる。前記チャネル(1)内の前記ログ(L)を前進させるためのシステムは、当業者に既知の任意の型式のものとすることができる。例えば、前記ログ(L)は断続的に移動し、各停止時に前記ブレードが横方向切断を行う。
【0014】
前記機械(M)は、一般に「プレッサ」(E)と呼ばれる、前記ログを保持するための部材を備えることができ、この部材は、切断の実行中に前記チャネル(1)上に前記ログを保持し、そして直後にログを解放するように作用する。前記ログの取扱い、保持、及び横方向切断の工程、並びに前記ブレード(2)及び前記アーム(3)の動作は当業者に既知であり、従って、さらなる詳細については説明しない。
【0015】
それ自体既知の構造体系によれば、例えば、前記ログ(L)は、前記ログの背面に作用する押圧手段(添付図面には図示せず)によって、前記チャネル(1)に沿って移動させることができる。それ自体公知のブレード研磨機構(2)には前記切断ヘッド(CT)を関連付けることができる。
【0016】
前記機械(M)には、摩耗したブレードを交換するための自動装置が装備されている。
【0017】
図面に示された実施形態によれば、前記ブレード(2)は、ジョイント(32)によって前記アーム(3)に拘束され、当該ジョイントは、前記アーム(3)に拘束された後側(320)と、ネジ付き軸方向孔(321)が形成された対向する前側とを有している。前記ジョイント(32)は、前記ブレード(2)が前記アームに装着された場合に前記アーム(3)から離間するように、前記アーム(3)に対して直交している。また、後述するブレードホルダハブ(46)のピン(461)は、前記ジョイント(32)の前側に形成されたネジ孔(321)に螺合されており、当該ブレードホルダハブが前記ブレード(2)を前記ジョイント(32)に拘束するように作用する。前記ジョイント(32)の中央部分(322)は、伝動ベルト(323)の手段により前記アーム(3)によって支持された電気モータに接続されている。
【0018】
実際には、前記ブレード(2)が前記ピン(461)を前記ネジ孔(322)にネジ込むことによって、前記ジョイント(32)の前部に拘束される。前記ブレードは、それ自体公知の態様で、中央孔を有しており、当該中央孔は前記ピン(461)が当該中央孔を介して位置決されることを可能にする。前記ブレード(2)の回転軸は、前記ジョイント(32)の縦軸と一致する。
【0019】
本発明によれば、摩耗したブレードを交換するための自動装置は装填ステーション(LS)を備えおり、当該装填ステーションにおいては、摩耗したブレードの直径がその使用の継続に不十分であるとみなされる最小値に達した場合に、新しいブレード(20)が前記切断ヘッド(CT)に取り付けられた摩耗したブレード(2)と交換されるように配置されている。前記装填ステーション(LS)は、前記切断ヘッド(CT)から所定の距離に位置する。
【0020】
前記装填ステーション(LS)には、新しいブレード(20)と摩耗したブレード(2)の両方を一度に1つずつ支持するように適合された支持体(4)が存在する。前記支持体(4)は、前記装填ステーション(LS)と前記切断ステーション(T)との間に延在するガイド(6)に沿って移動可能なキャリッジ(5)上に取り付けられている。前記支持体(4)は、金属板、即ち、優れた垂直方向進展を有する部材からなり、前記キャリッジ(5)に回転可能に拘束されており、その結果、後述するように、それ自体で180°回転することができる。
【0021】
図17及び
図18に示す例を参照すると、前記支持体(4)はその下部(40)上に、その両面(41、42)上に、内部に磁石(44)が配置された凹部(43)を有する。例えば、前記凹部(43)及び前記磁石(44)は、互いに同軸の円形クラウンの形状を有する。
【0022】
金属ブレードホルダハブ(46)の位置決めを容易にするために、2つの位置決めキー(45)が前記凹部(43)上に配置されている。前記金属ブレードホルダハブ(46)は、
図20に示すように、それぞれの後面上に、自身の軸(k)の周りに円周方向に配置された一連の凹部(460)を有し、反対側の前面上には、所定の長さを有するネジ付きピン(461)を有する。前記ハブ(46)は前記磁石(44)に磁気的にフック留めしており、前記支持体(4)上のその位置決めは、前記支持体(4)のキー(45)及び前記ハブ(46)の前記後面に形成された前記凹部(460)の存在によって容易になる。組立状態では、前記ハブ(46)が前記支持体(4)に対して垂直に外側を向いている前記ピン(461)を有する。
【0023】
前述のように、前記支持体(4)は前記切断ステーション(T)と前記装填ステーション(LS)との間に延在するガイド(6)に拘束されたキャリッジ(5)上に取り付けられ、その結果、前記支持体(4)は前記ガイド(6)によって画定される経路に沿って前記ステーション(T,LS)間を双方向に移動することができる。
【0024】
この目的のために、前記キャリッジ(5)は、前記ガイド(6)に沿ってその動きを制御するアクチュエータ(50)に接続されている。前記支持体(4)は、前記支持体(4)を縦軸(z)の周りに回転させることを可能にする回転アクチュエータ(54)によって前記キャリッジ(5)に拘束される。前記縦軸(z)は、前記支持体(4)の対称中心軸であることが好ましい。
【0025】
次に、前記回転アクチュエータ(54)は、前記キャリッジ(5)の2つの対応する側壁(542)の下縁部に形成された2つのガイド(541)上に摺動して取り付けられた水平プレート(540)と一体となっている。前記キャリッジ(5)は、リニアアクチュエータ(544)が収容される区画を形成する前記側壁(542)の上縁を接合する上面(543)を有する。前記リニアアクチュエータ(544)のマントルは前記キャリッジ(5)の上面の下面に固定され、一方、ステムは水平プレート(540)に接続される。
【0026】
前記キャリッジの前記側壁の前記下縁部は、前記ガイド(541)及び前記リニアアクチュエータ(544)として、前記キャリッジ(5)が取り付けられている前記ガイド(6)に直交して配向されている。従って、前記支持体(4)は、前記ガイド(6)に沿う移動及び前記ガイド(6)に直交する移動の両方の移動が可能であり、かつ前記垂直軸(z)を中心に回転する移動も可能である。図面において、2倍大の矢印「M1」は前記ガイド(6)に沿った前記キャリッジ(5)の動きを示し、2倍大の矢印「M2」は前記ガイド(6)に垂直な前記支持体(4)の動きを示し、2倍大の矢印「M3」は前記垂直軸(z)を中心とした前記支持体(4)の回転を示す。
【0027】
有利には、前記機械(M)には前記ブレード(2)を鈍くするための装置が設けられている。例えば、当該装置はそのステムにパッド(70)を装着した空気圧アクチュエータ(7)を備えており、当該パッド(70)が使用中のブレード(2)の切断刃に接触させられたとき、その切断刃を鈍らせ、それにより、前記機械を操作するときにブレードの変化を管理する責任を有する作業者が負傷するのを防止する。例えば、前記パッド(70)は、研削砥石が通常作られる同じ材料で作ることができる。前記アクチュエータ(7)は通常の機械(M)動作中に前記ブレード(2)と干渉しない態様で、図面に示すように配置することができる。
【0028】
この目的のために、前記アクチュエータ(7)は前記切断ユニット(CT)から適宜に離間した位置に配置されており、その結果、前記アクチュエータ(7)がそのステムを取り出し、そして前記パッド(70)を前記ブレード(2)の切断刃に向かって動かす場合にのみ、前記パッド(70)がブレード(2)に接触するようになっている。前記切断刃の鈍さは、前記ブレードが回転している間に、前記パッド(70)が前記ブレード(2)の切断刃と接触することによって決定される。
【0029】
前記切断ステーション(T)において、以下にさらに説明するように、前記アーム(3)がブレード交換態様に位置したときに、前記アーム(3)の背面には、ギアモータ(8)が取り付けられ、前記ジョイント(32)と同軸となる水平軸を有するブッシュ(80)が装着される。前記ギアモータ(8)は、それぞれのアクチュエータ(82)によって前記ジョイント(32)との間で移動するようにスライド部材(81)に取り付けられている。
【0030】
上述した装置は、以下のように動作する。
【0031】
図1A及び
図1Bの態様では、前記支持体(4)は、使用中に前記ブレード(2)を交換するように意図された新しいブレードを受け入れるために待機している。
図2A及び
図2Bでは、前記装填ステーション(LS)の作業者(図示せず)が前記支持体(4)に取り付けられた前記ハブ(46)上に新しいブレード(20)を挿入している。使用中のブレード(2)はその動作上の使用に十分と考えられる最小直径に達し、そして前記切断ユニット(CT)の前記アーム(3)は水平に配置されており、その結果、前記摩耗したブレード(2)は、その軸が新しいブレード(20)の軸と同じ高さとなり、即ち、前記支持体(4)の上に置かれた前記ハブ(46)の前記ピン(461)と同じ高さになる。
【0032】
さらに、矢印「W」で模式的に示すように、鈍化装置(6,60)は、前記ブレードが回転する間、前記ブレード(2)の切断刃を鈍らせるために作動される。その後、作業者は前記装填ステーション(LS)を出て、そして前記支持体(4)は、
図3Aの矢印「M3」によって概略的に示されるように180°回転させられる。このようにして、
図3Bに示すように、前記支持体(4)は装填ステーション(LS)の作業者側、即ち、作業者が新しいブレード(20)を以前に取り付けた当該ステーションの側に面する自由凹部(43)(他の凹部43は前記新しいブレード(20)が取り付けられた前記ハブ46によって係合される)を有する。
【0033】
一方、前記鈍化装置(6,60)は、
図3Aの矢印「RW」で概略的に示すように、前記パッド(60)を交換すべき前記ブレード(2)から離間したその初期位置に戻すことによって、非作動状態にされている。この時点で、
図4(A)及び
図4(B)に示すように、前記支持体(4)は、前記新しいブレード(20)が取り付けられた状態で、前記交換されるブレード(2)が依然として適用されている前記アーム(3)の前に持ち込まれ、その結果、前記ピン(461)の軸(k)は前記交換されるブレード(2)の軸と同軸となる。続いて、前記支持体(4)は、前記アクチュエータ(544)によって前記ブレード(2)に向かって動かされ、これにより、前記ジョイント(32)に拘束された前記ブレード(2)を保持する前記ハブ(46)が前記支持体(4)の前記自由凹部(43)に嵌まり、そして前記各々の磁石(44)と磁気接触する。
【0034】
前記支持体(4)が前記アクチュエータ(544)によって前記ブレード(2)に向かって押圧されている間、前記ギアモータ(8)は矢印「M4」で示すように、前記ジョイント(32)に向かって移動し、これにより、前記ブッシュ(80)は、前記ジョイント(32)の中央部と嵌合する。前記ギアモータ(8)を操作することによって、即ち、例えば、前記ブッシュ(80)を時計回りに回転させることによって、前記交換されるブレードが取り付けられる前記ハブ(46)は、前記支持体(4)の前記キー(45)が前記ハブ(46)の前記凹部(460)と噛み合うまで回転する。
【0035】
この時点で、前記ギアモータ(8)が所定時間提供する高いトルクに起因して、前記アーム(3)と一体化した前記ジョイント(32)から前記ハブ(46)の前記ピン(461)のネジ外しが始まる。
図5A及び
図5Bに示すように、前記所定時間が経過すると、前記ギアモータが後退し、そして前記ネジ外しは前記モータによって完了し、このモータは、前記ブレードの前記アーム(3)からの解除動作をスピードアップするために、前記ブレード(2)の回動をベルト(323)によって制御する。
【0036】
このようにして、この作業にも前記切断機の機械部品を使用することができる。前記ピン(461)が前記ジョイント(32)から完全に外れると、前記アクチュエータ(544)は前記支持体(4)を前記アーム(3)から遠ざける。この段階では、前記摩耗したブレード(2)は前記ジョイント(32)から取り外された前記ハブ(46)に結合されたままであり、そして前記ハブ(46)は前記支持体(4)に磁気的にフック留めされているので、
図6A及び
図6Bに示すように、前記摩耗したブレードは前記支持体(4)に結合され、次いで前記アーム(3)から取り外される。
【0037】
次のステップでは、
図7A及び
図7Bに示すように、前記支持体(4)が前記装填ステーション(LS)に戻される。続いて、
図8A及び
図8Bに示すように、前記支持体(4)は以前に配置されていたように、即ち、作業者側に向くように、前記新しいブレード(20)を配置するために、再び180°回転させられる。次に、
図9A及び
図9Bに示すように、前記新しいブレード(20)が前記切断ステーション(T)に対応して位置するまで、前記支持体(4)は前記アーム(3)の前に移送される。
【0038】
その次の段階では、
図10A及び
図10Bに示すように、前記ジョイント(32)と同軸位置に前記新しいブレード(20)の前記ハブ(46)の前記ピン(461)を移送するために、前記支持体(4)は前記アーム(3)に接近させられ、そして各々のモータによって駆動されるベルト(323)が前記ジョイント(32)の回転を、例えば、反時計回りに決定する間に、前記ブレード(20)が前記アーム(3)に接触するまで、前記ピン(461)は前記ジョイント(32)にネジ込まれる;また、この段階では、前記切断機の機械部品が使用される。この接触状態は、前記ベルト(323)を駆動するモータに通常設けられているトルクリミッタ回路によって検知される。
【0039】
続いて、
図11A及び
図11Bに示すように、最終的な締付けトルクを与えるために、前記ギアモータ(8)は作動位置、即ち、前記ブッシュ(80)が前記ジョイント(32)の後部に挿入される位置に逆送される。この段階の終わりに、前記ギアモータ(8)は始動位置に戻され、そして前記アクチュエータ(544)が前記アーム(3)からの前記支持体(4)の除去を制御し、これにより、
図12A及び
図12Bに示すように、前記新しいブレード(20)が前記アームに最終的に接続される。
【0040】
最後に、
図13A及び
図13Bに示すように、前記キャリッジ(5)が前記装填ステーション(LS)に戻され、
図14A及び
図14Bに示すように、前記支持体(4)は軸(z)を中心に180°回転し、そして
図15A及び
図15Bに示すように、作業者は前記支持体(4)に結合されたままの前記ハブ(46)から前記摩耗したブレード(2)を取り外すことができる。
【0041】
符号「GM」が前記アーム(3)及び前記ブレード(2)の各々の軸の周りの回転を制御するアクチュエータを含むそれ自体既知のユニットを示している
図21は、前記ブレード装填及び取出ステーション(LS)及び前記切断ステーション(T)の概略上面図である。これらのステーションは可動壁(MT)によって分離されている。前記装填ステーション(LS)は、さらなる可動壁(ML)によって制御されるそれぞれの開口部を通してアクセスされる。前記壁(MT,ML)は、作業者が装填ステーション(LS)にいるときに前記壁(MT)が閉じられるように制御される。
【0042】
前記壁(MT)は、作業者の存在が装填ステーション(LS)において検知されない場合にのみ開かれる。前記切断機(M)が稼動しているときは、両方の壁(MT,ML)は閉じている。前記壁(MT,ML)の開閉は、産業オートメーション技術者にとってそれ自体既知の基準によるプログラム可能なユニットによって制御される。
図21の2倍大の矢印「FT」及び「FL」は、それぞれ壁「MT」及び「ML」の移動を表す。
【0043】
実際には、本発明による紙材料のログを横方向に切断するための機械(M)が以下の構成要素を含む機械である。
-切断ユニット(CT)が配置される切断ステーション(T)であって、水平軸(j)の周りを回転するアーム(3)を含み、当該アーム(3)には前記機械(M)に導入されかつ前記切断ステーション(T)内に配置された紙材料の1つ以上のログ(L)の横方向切断を行うように適合されたブレード(2)を搭載することができる切断ステーション(T)、及び
-前記アーム(3)に搭載されたブレード(2)と交換するように意図された別のブレード(20)を支持するように適合された支持体(4)が配置された装填ステーション(LS)。
【0044】
上記の例に従い、本発明に係る機械(M)はキャリッジ(5)によって形成される可動ユニットから構成され、当該可動ユニット上に前記支持体(4)が搭載され、当該切断ステーション(T)と当該装填ステーション(LS)との間を延伸するガイド(6)に拘束され、これにより、前記支持体(4)は前記ガイド(6)によって定められた経路に沿って当該複数のステーション(T,LS)間を双方向に移動することができる。
【0045】
上述の実施形態によれば、支持体(4)は同じ支持体(4)がガイド(6)に対して直角に、かつ鉛直回動軸(z)の周りに移動することを可能にするアクチュエータの手段によって、キャリッジ(5)に結合される。上述した例では、支持体(4)が摩耗したブレード(2)と新しいブレード(20)とを同時に保持できるような形状とされている。
【0046】
有利には、前記支持体(4)はそれぞれのピン(461)を有するハブ(46)を常に備えており、当該ハブ(46)は前記支持体(4)に取り外し可能に接続されている。このように、摩耗したブレードの交換作業を効率的に自動化することができる。特に、各々のピンを備えたハブを新しいブレードにその都度関連付ける必要がなく、そして摩耗したブレードの取り外し並びに摩耗したブレードと交換する新しいブレードの位置決めが容易になる。
【0047】
各々のブッシュ(80)を備えたギアモータ(8)を使用することは厳密には必要なものではない。
図22は
図15と同様の構成を示すもので、同図において前記ブッシュ(80)を備えた前記ギアモータ(8)は設けられていない。この場合、前記した例では、前記ギアモータ(8)の介在によって決定される回転が、代わりに、前記ベルト(323)を介して前記ブレード(2)を駆動するモータによって決定される。
【0048】
実際には、実施の詳細は、いずれの場合でも、採用される解決手段の考え方から逸脱することなく、特許請求の範囲の記載に従って本特許によって付与される保護の範囲内において、記載されかつ図示された個々の構成要素に関して均等の態様で変更可能である。