(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】人工知能コールを利用した質疑応答基盤の認知症検査方法及びサーバ
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20240625BHJP
G16H 50/20 20180101ALI20240625BHJP
【FI】
A61B10/00 H
G16H50/20
(21)【出願番号】P 2022531005
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 KR2022004866
(87)【国際公開番号】W WO2023106516
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2022-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0174414
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522207420
【氏名又は名称】セブンポイントワン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SEVENPOINTONE INC.
【住所又は居所原語表記】301-ho Seoul Bio Innovation Community Center, 18, Jongam-ro, Seongbuk-gu, Seoul, 02796 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヒョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ジュヨン
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-500209(JP,A)
【文献】特開2014-008329(JP,A)
【文献】国際公開第2021/020094(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバで行われる人工知能コールを利用して質疑応答基盤の認知症検査を行う認知症検査方法において、
人工知能コールが繋がっているユーザ端末に案内を提供する段階と、
検査対象者の検査進行方式に対する理解度を向上させるために先行する練習検査である第1検査を行う段階と、
前記検査対象者の認知症疾患の有無又は認知症症状の程度を判断するのに用いられる本番検査である第2検査を行う段階と、
前記第1検査の内容を分析する段階と、
前記第2検査の内容を分析する段階と、
前記ユーザ端末に検査結果を伝送する段階と、を含み、
前記第1検査を行う段階は、
前記ユーザ端末に第1時間中に第1テーマに対する回答を要請する第1質問を提供する段階と、
前記ユーザ端末から第1回答を獲得する段階と、を含み、
前記第2検査を行う段階は、
前記ユーザ端末に前記第1時間よりも長い第2時間中に前記第1テーマと異なる第2テーマに対する回答を要請する第2質問を提供する段階と、
前記ユーザ端末から第2回答を獲得する段階と、を含み、
前記第1検査の内容を分析する段階は、
前記第1回答を基に前記検査対象者の前記検査進行方式について理解した程度を数値化した値である理解度値を算出する段階と、
前記理解度値が事前に設定された値未満である場合、前記検査対象者が前記検査進行方式を理解していないものと判断し、前記第2検査を行わずに前記検査進行方式を案内するか、次の検査日の予約を行う段階と、を含み、
前記第2検査の内容を分析する段階は、
前記第2回答を文字データに変換する段階と、
前記文字データから前記第2テーマに対応する少なくとも1つの単語を抽出する段階と、
前記抽出された第2テーマに対応する少なくとも1つの単語を基に言語流暢性値を算出する段階と、
前記言語流暢性値を事前に設定された基準値と比較分析する段階と、
前記言語流暢性値が前記事前に設定された基準値よりも小さい場合、後続検査の対象者と判断する段階と、
を含む、人工知能コール基盤の認知症検査方法。
【請求項2】
前記第1時間は、10秒以上30秒以下であり、
前記第2時間は、30秒以上60秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の人工知能コール基盤の認知症検査方法。
【請求項3】
前記言語流暢性値を算出する段階は、
単語の総数、前半部の単語数、後半部の単語数、単語別の文字数、カテゴリの変更回数、カテゴリ別の単語数及び重複単語数のうちの少なくとも1つに対する加減点基準を適用して点数化する段階を含み、
前記事前に設定された基準値は、性別、年齢、教育水準及び同居人数のうちの少なくとも1つを含む補助情報を基に分類された検査グループのそれぞれに差別的に設定されたものであることを特徴とする請求項1に記載の人工知能コール基盤の認知症検査方法。
【請求項4】
前記言語流暢性値を算出する段階は、
単語の総数、前半部の単語数、後半部の単語数、単語別の文字数、カテゴリの変更回数、カテゴリ別の単語数及び重複単語数のうちの少なくとも1つに対する加減点基準を適用して点数化する段階を含み、
前記事前に設定された基準値は、性別、年齢、教育水準及び同居人数のうちの少なくとも1つを含む補助情報を基に分類された検査グループのそれぞれに差別的に設定されたものであることを特徴とする請求項1に記載の人工知能コール基盤の認知症検査方法。
【請求項5】
前記第2検査の内容を分析する段階は、
前記ユーザ端末が検査履歴のある場合、前記ユーザ端末の既存の検査データと前記第2回答を基に発話スタイルの変化を分析する段階を更に含み、
前記発話スタイルは、発話速度及び発音の正確度を含むことを特徴とする請求項1に記載の人工知能コール基盤の認知症検査方法。
【請求項6】
検査進行意思を確認する段階と、
補助情報を収集する段階と、
前記補助情報を基に検査グループを分類する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の人工知能コール基盤の認知症検査方法。
【請求項7】
前記補助情報を収集する段階は、
前記ユーザ端末に性別、年齢、教育水準及び同居人数のうちの何れか1つを尋ねる補助情報質問を提供する段階と、
前記ユーザ端末から補助情報回答を獲得する段階と、を含み、
前記検査グループを分類する段階は、
前記補助情報回答を文字データに変換する段階と、
前記文字データを基に検査グループを分類する段階と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の人工知能コール基盤の認知症検査方法。
【請求項8】
請求項1に記載の人工知能コール基盤の認知症検査方法をハードウェアであるコンピュータに実行させ
るコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
人工知能コールを利用して質疑応答基盤の認知症検査を行う認知症検査サーバにおいて、
ユーザ端末と通信を行って人工知能コールを提供し、前記ユーザ端末に質問及び検査結果を伝送し、前記ユーザ端末から回答を受信する通信部と、
前記ユーザ端末に案内を提供し、検査対象者の検査進行方式に対する理解度を向上させるために先行する練習検査である第1検査を行い、前記検査対象者の認知症疾患の有無又は認知症症状の程度を判断するのに用いられる本番検査である第2検査を行い、前記第1検査は、前記ユーザ端末に第1時間中に第1テーマに対する回答を要請する第1質問を提供し、前記ユーザ端末から第1回答を獲得することによって行われ、前記第2検査は、前記ユーザ端末に前記第1時間よりも長い第2時間中に前記第1テーマと異なる第2テーマに対する回答を要請する第2質問を提供し、前記ユーザ端末から第2回答を獲得することによって行われる認知症検査進行部と、
前記第1回答を基に前記検査対象者の前記検査進行方式について理解した程度を数値化した値である理解度値を算出し、前記理解度値が事前に設定された値未満である場合は、前記検査対象者が前記検査進行方式を理解していないものと判断し、前記第2検査を行わずに前記検査進行方式を案内するか、次の検査日の予約を行うことにより、前記第1検査の内容を分析し、前記第2回答を文字データに変換し、前記文字データから前記第2テーマに対応する少なくとも1つの単語を抽出し、前記抽出された第2テーマに対応する少なくとも1つの単語を基に言語流暢性値を算出し、前記言語流暢性値を事前に設定された基準値と比較分析し、前記言語流暢性値が前記事前に設定された基準値よりも小さい場合、後続検査の対象者と判断することにより、前記第2検査の内容を分析する分析部と、
を含む、人工知能コール基盤の認知症検査サーバ。
【請求項10】
前記第1時間は、10秒以上30秒以下であり、
前記第2時間は、30秒以上60秒以下であることを特徴とする請求項9に記載の人工知能コール基盤の認知症検査サーバ。
【請求項11】
前記分析部は、前記言語流暢性値を算出する際に、単語の総数、前半部の単語数、後半部の単語数、単語別の文字数、カテゴリの変更回数、カテゴリ別の単語数及び重複単語数のうちの少なくとも1つに対する加減点基準を適用して点数化し、
前記事前に設定された基準値は、性別、年齢、教育水準及び同居人数のうちの少なくとも1つを含む補助情報を基に分類された検査グループのそれぞれに差別的に設定されたものであることを特徴とする請求項9に記載の人工知能コール基盤の認知症検査サーバ。
【請求項12】
前記分析部は、前記言語流暢性値を算出する際に、単語の総数、前半部の単語数、後半部の単語数、単語別の文字数、カテゴリの変更回数、カテゴリ別の単語数及び重複単語数のうちの少なくとも1つに対する加減点基準を適用して点数化し、
前記事前に設定された基準値は、性別、年齢、教育水準及び同居人数のうちの少なくとも1つを含む補助情報を基に分類された検査グループのそれぞれに差別的に設定されたものであることを特徴とする請求項9に記載の人工知能コール基盤の認知症検査サーバ。
【請求項13】
前記分析部は、
前記第2検査の内容を分析する際に、前記ユーザ端末が検査履歴のある場合、前記ユーザ端末の既存の検査データと前記第2回答を基に発話スタイルの変化を分析し、
前記発話スタイルは、発話速度及び発音の正確度を含むことを特徴とする請求項9に記載の人工知能コール基盤の認知症検査サーバ。
【請求項14】
前記分析部は、検査進行意思を確認し、補助情報を収集し、前記補助情報を基に検査グループを分類することを特徴とする請求項9に記載の人工知能コール基盤の認知症検査サーバ。
【請求項15】
前記分析部は、前記補助情報を収集する際に、前記ユーザ端末に性別、年齢、教育水準及び同居人数のうちの何れか1つを尋ねる補助情報質問を提供し、前記ユーザ端末から補助情報回答を獲得し、
前記分析部は、前記検査グループを分類する際に、前記補助情報回答を文字データに変換し、前記文字データを基に検査グループを分類することを特徴とする請求項14に記載の人工知能コール基盤の認知症検査サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工知能コール基盤の認知症検査方法及びサーバに関し、より詳細には、人工知能コールを利用して質疑応答基盤の認知症検査を行う認知症検査方法及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(Alzheimer's Disease、AD)は、老化に伴う脳疾患であって、記憶力の漸進的な退行をもたらす脳の異常に起因する疾病である。また、アルツハイマー病は、日常生活に困難を来たすほどの持続的、かつ全般的な認知機能の低下をもたらす認知症(dementia)に至る恐れがある。ここで、認知機能とは、記憶力、言語能力、時間/空間把握能力、判断力及び抽象的思考力といった多様な知的能力を指すものであって、各認知機能は、脳の特定部位と密接な関連がある。
【0003】
軽度認知障害(Mild cognitive impairments、MCI)は、認知症までは進んでいないが、同年代に比べて記憶力、認知機能が低下している状態を意味する。軽度認知障害は、アルツハイマー病に発展する可能性があるため、アルツハイマー病を早期に発見して早期対応できる重要な段階である。
【0004】
このような認知症(又は軽度認知障害)検査は、一般に選別検査、診断検査及び鑑別検査の順に行われる。ここで、選別検査は、地域別の認知症安心センター、保健所などで行われるが、検査対象者の直接訪問が要求され、人が直接検査を行う点で検査の有効性及び効率性の側面から問題がある。具体的に、検査センターを直接訪問できる人の場合、認知症患者である可能性が極めて低いため、検査の有効性が低下し、人が直接検査を行う際に一人を検査するのに数十分がかかり、時間及びコストの側面から損失が大きい。
【0005】
人工知能コール(Artificial intelligence call)は、人工知能技術が適用された電話であって、人の代わりに、人工知能が通話を行う技術である。人工知能コールは、複数の人数に自動的に電話をかけて目的に応じた通話を行うことで、人が直接複数の人数と通話をする際にかかる労働力を節約できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、認知症検査の対象者が検査センターを直接訪れる必要なく、認知症検査を行える方法及びサーバを提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、人ではなく、人工知能が自動的に認知症検査を行える方法及びサーバを提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない更に他の課題は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した技術的課題を達成するための本発明は、サーバで行われる人工知能コールを利用して質疑応答基盤の認知症検査を行う認知症検査方法において、人工知能コールが繋がっているユーザ端末に案内を提供する段階と、検査対象者の検査進行方式に対する理解度を向上させるために先行する練習検査である第1検査を行う段階と、前記検査対象者の認知症疾患の有無又は認知症症状の程度を判断するのに用いられる本番検査である第2検査を行う段階と、前記第1検査の内容を分析する段階と、前記第2検査の内容を分析する段階と、前記ユーザ端末に検査結果を伝送する段階と、を含み、前記第1検査を行う段階は、前記ユーザ端末に第1時間中に第1テーマに対する回答を要請する第1質問を提供する段階と、前記ユーザ端末から第1回答を獲得する段階とを含み、前記第2検査を行う段階は、前記ユーザ端末に前記第1時間よりも長い第2時間中に前記第1テーマと異なる第2テーマに対する回答を要請する第2質問を提供する段階と、前記ユーザ端末から第2回答を獲得する段階とを含み、前記第1検査の内容を分析する段階は、前記第1回答を基に前記検査対象者の前記検査進行方式について理解した程度を数値化した値である理解度値を算出する段階と、前記理解度値が事前に設定された値未満である場合、前記検査対象者が前記検査進行方式を理解していないものと判断し、前記第2検査を行わずに前記検査進行方式を案内するか、次の検査日の予約を行う段階とを含み、前記第2検査の内容を分析する段階は、前記第2回答を文字データに変換する段階と、前記文字データから前記第2テーマに対応する少なくとも1つの単語を抽出する段階と、前記抽出された第2テーマに対応する少なくとも1つの単語を基に言語流暢性値を算出する段階と、前記言語流暢性値を事前に設定された基準値と比較分析する段階と、前記言語流暢性値が前記事前に設定された基準値よりも小さい場合、後続検査の対象者と判断する段階とを含むことができる。
【0010】
また、本発明は、上述した人工知能コール基盤の認知症検査方法をハードウェアであるコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えることができる。
【0011】
また、上述した技術的課題を達成するための本発明は、人工知能コールを利用して質疑応答基盤の認知症検査を行う認知症検査サーバにおいて、ユーザ端末と通信を行って人工知能コールを提供し、前記ユーザ端末に質問及び検査結果を伝送し、前記ユーザ端末から回答を受信する通信部と、前記ユーザ端末に案内を提供し、検査対象者の検査進行方式に対する理解度を向上させるために先行する練習検査である第1検査を行い、前記検査対象者の認知症疾患の有無又は認知症症状の程度を判断するのに用いられる本番検査である第2検査を行い、前記第1検査は、前記ユーザ端末に第1時間中に第1テーマに対する回答を要請する第1質問を提供し、前記ユーザ端末から第1回答を獲得することによって行われ、前記第2検査は、前記ユーザ端末に前記第1時間よりも長い第2時間中に前記第1テーマと異なる第2テーマに対する回答を要請する第2質問を提供し、前記ユーザ端末から第2回答を獲得することによって行われる認知症検査進行部と、前記第1回答を基に前記検査対象者の前記検査進行方式について理解した程度を数値化した値である理解度値を算出し、前記理解度値が事前に設定された値未満である場合は、前記検査対象者が前記検査進行方式を理解していないものと判断し、前記第2検査を行わずに前記検査進行方式を案内するか、次の検査日の予約を行うことにより、前記第1検査の内容を分析し、前記第2回答を文字データに変換し、前記文字データから前記第2テーマに対応する少なくとも1つの単語を抽出し、前記抽出された第2テーマに対応する少なくとも1つの単語を基に言語流暢性値を算出し、前記言語流暢性値を事前に設定された基準値と比較分析し、前記言語流暢性値が前記事前に設定された基準値よりも小さい場合、後続検査の対象者と判断することにより、前記第2検査の内容を分析する分析部とを含むことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、認知症検査の対象者が検査センターを直接訪れる必要なく認知症検査を行うことが可能となり、検査センターを訪問して後続の検査を行う必要のある患者をフィルタリングすることによって、認知症検査の有効性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明によると、人ではなく、人工知能が自動的に認知症検査を行うことが可能となり、認知症検査にかかる時間と人件費などのコストを削減できる。
【0014】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていない更に他の効果は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施例に係る認知症検査システムを概略的に示す概念図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る人工知能コール基盤の認知症検査が行われる過程を概略的に示す例示図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る認知症検査サーバの一部を概略的に示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る認知症検査方法の一部を概略的に示す手順図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る認知症検査方法の一部を概略的に示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施例に係る検査進行段階の時系列的な過程を概略的に示す例示図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る認知症検査方法の一部を概略的に示す手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に制限されるものではなく、互いに異なる多様な形態にて実現できる。但し、本実施例は、本発明の開示を完全なものにし、本発明が属する技術分野における通常の技術者に本発明の範囲を完全に理解させるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範囲により定義されるに過ぎない。
【0017】
本明細書で用いられた用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数型は特に言及しない限り複数型も含む。明細書で用いられる「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、言及された構成要素以外に1つ以上の他の構成要素の存在又は追加を排除しない。明細書全体に亘って同一の図面符号は同一の構成要素を示し、「及び/又は」は、言及された構成要素のそれぞれ及び1つ以上の全ての組み合わせを含む。たとえ、「第1」、「第2」などが多様な構成要素を叙述するために用いられていても、これらの構成要素は、これらの用語により制限されないのは当然である。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために用いられる。従って、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得るのは言うまでもない。
【0018】
本明細書における「人工知能コール(Aritificail intelligence call)」は、人工知能技術が適用された電話であって、人の代わりに、人工知能が通話を行う技術を意味する。
【0019】
本明細書における「質問」は、質問事項を示すテキスト、イメージ及び音声のうちの少なくとも1つ又は2つ以上が組み合わせられた形態になり得る。以下の説明では、前記質問の形態が音声であると説明されているが、本発明をこれに限定するわけではない。
【0020】
また、本明細書における「回答」は、回答事項を示すテキスト、イメージ及び音声のうちの少なくとも1つ又は2つ以上が組み合わせられた形態になり得る。以下の説明では、前記回答の形態が音声であると説明されているが、本発明をこれに限定するわけではない。
【0021】
本明細書における「言語流暢性値」は、認知症疾患の有無及び/又は進行の程度を判断するために、関連能力(意味の記憶、実行機能、作業の記憶など)を数値化した値を意味する。
【0022】
本明細書における「理解度値」は、検査対象者の検査進行方式について理解した程度を数値化した値を意味する。
【0023】
他の定義がなければ、本明細書で用いられる全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の技術者が共通して理解できる意味として用いられる。また、一般に用いられる辞典に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施例に係る認知症検査システムを概略的に示す概念図である。
【0026】
図1に示されるように、本発明の一実施例に係る認知症検査システム1は、認知症検査サーバ10、ユーザ端末20及び機関サーバ30を含むことができる。
【0027】
認知症検査サーバ10は、人工知能コールを利用して認知症検査を行うサーバである。ここで、「人工知能コール(Aritificail intelligence call)」は、人工知能技術が適用された電話であって、人の代わりに、人工知能が通話を行う技術である。具体例として、人工知能コールは、人工知能コールが繋がっている端末に人工知能音声及び/又は人が録音した音声で構成された事前に格納された音声を提供できる。例えば、事前に格納された音声は、案内コメント、質問音声、クロージングコメントなどを含むことができる。
【0028】
ユーザは、人工知能コールが提供する音声の提供を受け、それに対応する回答をするなどインタラクションを行い、認知症の検査に参加できる。一方、一実施例として、人工知能コール基盤のユーザとインタラクションが円滑でない状況と判断される場合、事前に格納された音声の提供を中断し、人が直接介入してユーザ端末20の受信者とコミュニケーションすることも可能である。
【0029】
認知症検査サーバ10は、ユーザ端末20と通信を行える。認知症検査サーバ10は、検査対象者のユーザ端末20に人工知能コールを発信して、音声質疑応答基盤の認知症検査を行う。認知症検査サーバ10は、検査の進行中にユーザ端末20から得られた回答音声を検査の内容として認知症検査の結果を分析し、ユーザ端末20のユーザが後続検査の対象者に該当するか否かを判断する。このような過程は、人(例えば、検査者、管理者など)の直接的な介入なしに認知症検査サーバ10によって自動的に行われることにより、認知症の検査にかかる時間及びコストを画期的に削減できる。また、検査対象者が検査機関を訪問して検査に参加する前に、電話による通話を通じて訪問検査の要否を事前に判断してフィルタリングすることにより、後続検査の有効性を向上させることができる。
【0030】
認知症検査サーバ10は、人工知能コール基盤の音声質疑応答により、検査対象者の言語流暢性を評価して後続検査の要否を判断する。具体的に、認知症検査サーバ10は、音声質疑応答基盤の認知症検査を行い、それから得られた検査対象者の回答音声を分析し、言語流暢性を数値化した言語流暢性値を算出する。認知症検査サーバ10は、算出した言語流暢性値を事前に設定された値と比較分析し、後続検査の要否を判断する。例えば、言語流暢性値が事前に設定された値未満である場合、該当ユーザを後続検査の対象者と判断し、言語流暢性値が事前に設定された値以上である場合、該当ユーザを後続検査の対象者外と判断できる。
【0031】
一実施例として、認知症検査サーバ10によって行われる認知症検査は、選別検査、診断検査及び鑑別検査で構成される3段階の検査を行う前に、検査機関を訪れて選別検査を行う必要のある対象者を選別する検査であり得る。この場合、後続検査は、前記3段階の検査のうち選別検査に該当し得る。他の実施例として、認知症検査サーバ10によって行われる認知症検査は、選別検査、診断検査及び鑑別検査で構成される3段階の検査のうち選別検査に該当し、後続検査は、前記3段階の検査のうち診断検査に該当し得る。
【0032】
一実施例として、
図1に示されるように、認知症検査サーバ10は、機関サーバ30と通信を行える。この場合、認知症検査サーバ10は、機関サーバ30と通信を行って機関サーバ30から検査対象者データベースを獲得し、検査対象者データベースに含まれている人たちに人工知能コールを発信して認知症検査を行える。また、認知症検査サーバ10は、機関サーバ30から得られた検査対象者データベースに含まれている補助情報を基に検査の内容を分析できる。更に、認知症検査サーバ10は、検査結果を自ら格納及び管理するか、検査結果を機関サーバ30に送ることができる。
【0033】
機関サーバ30に格納された対象者データベースは、認知症疾患を有している確率の高い高齢者になり得るが、これに制限されるものではない。また、機関サーバ30が保有している検査対象者データベースは、性別、年齢、教育水準及び同居人数のうちの少なくとも1つに基づいてグルーピングすることができる。
【0034】
他の実施例として、
図1に示されているのとは異なり、機関サーバ30を省略することもできる。この場合、認知症検査サーバ10は、人工知能コールが繋がっているユーザ端末20に検査の進行前に補助情報の収集のための質疑応答を提供して補助情報を収集できる。また、収集した補助情報を基に検査の内容を分析できる。一方、補助情報は、性別、年齢、教育水準と同居人数のうちの少なくとも1つを含むことができ、これに制限されるものではない。
【0035】
ユーザ端末20は、検査対象者が保有しているモバイル機器であり得る。例えば、ユーザ端末20は、PCS(Personal Communication System)、GSM(Global System for Mobile communications)、PDC(Personal Digital Cellular)、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、IMT(International Mobile Telecommunication)-2000、CDMA(登録商標)(Code Division Multiple Access)-2000、W-CDMA(W-Code Division Multiple Access)、WiBro(Wireless Broadband Internet)端末、スマートフォン(Smart Phone)などのような全ての種類のハンドヘルド(Handheld)基盤の無線通信装置と時計、指輪、腕輪、足輪、ネックレス、眼鏡、コンタクトレンズ、又は頭部装着ディスプレイ(head-mounted-device(HMD)などのようなウェアラブル装置とAIスピーカなどを含むことができる。但し、ユーザ端末20が上述した例示に制限されるものではなく、携帯性と通信性を備えた任意の機器を含むことができる。
【0036】
ユーザ端末20は、通信部を備えることができる。ユーザ端末20は、通信部を介して認知症検査サーバ10と電話を繋ぐか、認知症検査サーバ10とデータを送受信できる。このような通信部は、近距離通信モジュール、有線通信モジュール及び無線通信モジュールのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0037】
ユーザ端末20は、音獲得部を備えることができる。音獲得部は、検査対象者、第三者などの人の音声又はユーザ端末20の周辺に存在する各種の音を獲得できる。一実施例として、音獲得部は、ユーザ端末20周辺の各種の音を受信するためのセンサ機能をするマイクであり得る。ユーザ端末20の音獲得部は、人工知能コールが繋がっている間、ユーザ端末20の周辺で発生した音信号を受信し、それを電気信号に変える変換器としての役割を果せる。
【0038】
一実施例として、ユーザ端末20は、撮影を行うカメラ部と、映像を表示するディスプレイ部とを更に備えることができる。この場合、認知症検査サーバ10が提供する人工知能コールは、一般の音声通話だけでなく、テレビ通話でも実現できる。
【0039】
機関サーバ30は、検査機関が運営するサーバである。ここで、「検査機関」とは、認知症検査を行う機関であって、認知症安心センター、保健所などであり得るが、これに制限されるものではない。
【0040】
機関サーバ30は、通信部を備えて認知症検査サーバ10と通信を行える。機関サーバ30は、認知症検査サーバ10から検査結果などのデータを受信するか、認知症検査サーバ10に検査対象者データベースなどのデータを伝送できる。
【0041】
機関サーバ30は、検査対象者データベースを格納及び管理できる。一実施例として、機関サーバ30は、近隣地域の特定の年代(例えば、50代以上)の人たちに対するデータベースを集中的に格納及び管理できる。このような検査対象者データベースは、認知症検査サーバ10に送られ、認知症検査サーバ10は、前記検査対象者データベースに含まれている人たちに人工知能コールを発信して認知症検査を行える。他の実施例として、認知症検査サーバ10は、受信可能な電話番号を付与され、該当電話番号にかかってきた電話を受信できる。この場合、検査対象者が、認知症検査サーバ10に付与された電話番号に電話をかけると、認知症検査サーバ10が該当電話を受信して人工知能コール基盤の認知症検査を行える。
【0042】
機関サーバ30は、認知症検査サーバ10から検査結果を受信して既存の検査対象者データベースをアップデートできる。機関サーバ30は、検査対象者データベースに含まれている人たちの検査結果及び検査履歴を持続的にアップデートし、格納及び管理できる。一実施例として、機関サーバ30は、検査対象者データベース内で事前に設定された周期内に検査履歴のある人は、該当周期の終了前までに検査対象から除外させることができる。これにより、認知症検査サーバ10は、最近の検査履歴のある人は除外し、実質的に検査が必要な検査対象者にのみ選択的に人工知能コールを発信できるようになり、無駄な人工知能コールの発信を防止できる。
【0043】
一実施例として、機関サーバ30は省略できる。この場合、上述した機関サーバ30の機能は、認知症検査サーバ10によって行われることができる。即ち、認知症検査サーバ10は、検査対象者データベースを管理し、事前に設定された周期内に検査履歴のない人に限って人工知能コールを発信できる。他の実施例として、認知症検査サーバ10と機関サーバ30が独立したサーバとして運営されるものではなく、一本化した統合サーバとして運営することも可能である。
【0044】
図2は、本発明の一実施例に係る人工知能コール基盤の認知症検査が行われる過程を概略的に示す例示図である。
【0045】
図2に示されるように、本発明の一実施例に係る人工知能コール基盤の認知症検査は、人工知能コールが繋がっているユーザ端末20に対して認知症検査のための質疑応答を行い、ユーザ端末20から得られた回答音声を文字データに変換して分析する過程を通じて行うことができる。
【0046】
まず、認知症検査サーバ(10、
図1参照)は、検査対象者のユーザ端末20に人工知能コールを発信する。認知症検査サーバ10は、人工知能コールが繋がっているユーザ端末20において質疑応答基盤の認知症検査を行い、検査の進行中に検査対象者の回答音声は、ユーザ端末20を介して得られて認知症検査サーバ10に伝送することができる。
【0047】
認知症検査サーバ10は、ユーザ端末20から受信した検査対象者の回答音声を文字データに変換できる。一方、検査対象者の回答音声には、検査対象者が認知症の検査中に提供された質問に対する答えを目的とする単語だけでなく、その他のリアクション、独り言などの質問に対する答えを目的としない言葉も含まれうる。例えば、
図2に示された回答音声が変換された文字データを参照すると、回答音声には「子犬」、「猫」、「何があったっけ」、「馬」などが含まれうる。ここで、「子犬」、「猫」及び「馬」は、検査対象者が認知症の検査中に提供された質問に対する答えを目的とする単語に該当し、検査内容の分析に有意義に活用できる内容である。反面、「何があったっけ」は、質問に対する答えを目的としない独り言に属するため、検査内容の分析に役立たない内容である。認知症検査サーバ10は、文字データのうち検査内容の分析に有意義に活用できる単語のみを抽出して分析を行うことによって、検査の効率性及び正確性を向上させることができる。
【0048】
認知症検査サーバ10は、抽出した単語を基に検査対象者の認知症疾患の有無又は認知症症状の程度を判断できる数値化された値を算出する。認知症検査サーバ10は、数値化された値を事前に格納された検査グループ別のデータベースと比較分析することによって、検査対象者が検査機関を訪問して後続の検査を行う必要があるか否かを判断できる。
【0049】
図3は、本発明の一実施例に係る認知症検査サーバの一部を概略的に示すブロック図である。
【0050】
図3に示されるように、本発明の一実施例に係る認知症検査サーバ10は、通信部110、制御部120、認知症検査進行部130及び分析部140を含むことができる。
【0051】
一方、認知症検査サーバ10が含む構成要素は、必要に応じて一部の構成要素が削除されるか、他の構成要素と一体に実現できる。また、
図3に示されていない他の構成要素が追加されることも可能である。即ち、認知症検査サーバ10が含む構成要素の種類と構成要素の相互位置は、必要に応じて多様に変形できる。
【0052】
通信部110は、ユーザ端末(20、
図1参照)及び/又は機関サーバ(30、
図1参照)と通信する役割を果たす。通信部110は、近距離通信モジュール、有線通信モジュール及び無線通信モジュールのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0053】
例えば、近距離通信モジュールは、ブルートゥース(登録商標)モジュール、赤外線通信モジュール、RFID(Radio Frequency Identification)通信モジュール、WLAN(Wireless Local Access Network)通信モジュール、NFC通信モジュール、ジグビー(登録商標)(Zigbee)通信モジュールなど近距離で無線通信網を利用して信号を送受信する多様な近距離通信モジュールを含むことができる。
【0054】
有線通信モジュールは、構内通信網(Local Area Network;LAN)モジュール、広域通信網(Wide Area Network;WAN)モジュール又は付加価値通信網(Value Added Network;VAN)モジュールなど多様な有線通信モジュールだけでなく、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)、DVI(Digital Visual Interface)、RS-232(recommended standard232)、電力線通信、又はPOTS(plain old telephone service)など多様なケーブル通信モジュールを含むことができる。
【0055】
無線通信モジュールは、ワイファイ(登録商標)(Wifi(登録商標))モジュール、ワイブロ(Wireless broadband)モジュール以外にも、GSM(Global System for Mobile Communication)、CDMA(登録商標)(Code Division Multiple Access)、WCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)、UMTS(universal mobile telecommunications system)、TDMA(Time Division Multiple Access)、LTE(Long Term Evolution)及び5Gなど多様な無線通信方式をサポートする無線通信モジュールを含むことができる。
【0056】
制御部120は、認知症検査サーバ10の構成要素の動作を制御するためのアルゴリズム又はアルゴリズムを再現したプログラムに対するデータを格納するメモリ(図示せず)及びメモリに格納されたデータを用いて前述した動作を行うプロセッサ(図示せず)で実現できる。このとき、メモリとプロセッサは、それぞれ別のチップで実現できる。または、メモリとプロセッサは、単一のチップで実現することもできる。
【0057】
一方、認知症検査サーバ10は、検査対象者データベース、検査の内容、検査内容の分析結果、検査履歴などを格納及び管理する格納部(図示せず)を更に含むことができる。このような格納部は、キャッシュ、ROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)及びフラッシュメモリ(Flash memory)のような不揮発性メモリ素子又はRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ素子又はハードディスクドライブ(Hard Disk Drive;HDD)、CD-ROMのような格納媒体のうちの少なくとも1つで実現できるが、これに制限されるものではない。格納部は、制御部120についての説明で前述したプロセッサとは別のチップ又は単一のチップで実現できる。
【0058】
認知症検査進行部130は、人工知能コールが繋がっている
ユーザ端末20の検査対象者に対して認知症検査を行う役割を果たす。認知症検査進行部130が行う認知症検査は、音声質疑応答に基づいて行うことができる。例えば、認知症検査進行部130は、検査のための質問をユーザ端末(20、
図1参照)に提供し、ユーザ端末20から検査対象者の回答音声を獲得する方式で認知症検査を行える。具体的に、認知症検査進行部130は、検査対象者に特定のテーマ(又は基準、カテゴリなど)を提供し、そのテーマに対応する単語を事前に設定された時間に、できるだけ多く答えることを要請する質問音声を提供できる。認知症検査進行部130は、ユーザが質問音声に対応して答えた回答音声を獲得できる。
【0059】
一実施例として、認知症検査進行部130が行う認知症検査は、順次行われる第1検査及び第2検査を含むことができる。ここで、「第1検査」は、第2検査を行う前に検査に対する理解度を向上させるために先行する練習検査であり得る。また、「第2検査」は、検査対象者の認知症疾患の有無又は認知症症状の程度を判断するのに実質的に用いられる本番検査であり得る。
【0060】
このような認知症検査進行部130が行う認知症検査についての詳細な内容は、
図4ないし
図6を参照して後述する。
【0061】
認知症検査進行部130が認知症検査を行い、ユーザ端末(20、
図1参照)から獲得した検査対象者の回答音声は、分析部140に伝達することができる。
【0062】
分析部140は、認知症検査進行部130から受け取った回答音声を基に検査の内容を分析する。一実施例として、
図3に示されるように、分析部140は、音声変換部141、単語抽出部143及び検査内容分析部145を含むことができる。
【0063】
音声変換部141は、認知症検査進行部130から受け取った回答音声を文字データに変換する役割を果たせる。音声変換部141には、音声-文字変換(Speech to text;STT)技術を適用することができ、音声-文字変換技術の種類には制限がない。
【0064】
一実施例として、音声変換部141は、回答音声をセグメント(segment)に分割して各セグメント別に文字に変換した後、変換された文字セグメントを統合する方式で回答音声を文字データに転換できる。そのために、音声変換部141は、音声分離部(図示せず)、テキスト変換部(図示せず)及びテキスト統合部(図示せず)を含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0065】
単語抽出部143は、音声変換部141が検査対象者の回答音声を変換した文字データから少なくとも1つの単語を抽出する役割を果たす。
【0066】
単語抽出部143は、認知症検査の進行中に得られた回答音声が変換された文字データ全体から検査の内容と関連する少なくとも1つの単語を抽出できる。例えば、認知症検査進行部130によって行われる認知症検査が事前に設定された時間に特定のテーマに対応する単語を、できるだけ多く答える方式で行われる場合、単語抽出部143は、検査対象者の回答音声が変換された文字データから検査の内容と関連する単語を抽出できる。具体的に、単語抽出部143は、検査対象者の回答音声から、検査で与えられたテーマに対する回答をしたことに該当する単語のみ抽出できる。
【0067】
検査内容分析部145は、単語抽出部143が抽出した少なくとも1つの単語を基に検査の内容を分析する役割を果たす。
【0068】
検査内容分析部145は、単語抽出部143が抽出した少なくとも1つの単語を基に言語流暢性値を算出し、前記言語流暢性値を事前に設定された基準値と比較分析する方式で検査の内容を分析できる。
【0069】
ここで、「言語流暢性値」は、認知症疾患の有無及び/又は進行の程度を判断するために関連能力(意味の記憶、実行機能、作業の記憶など)を数値化した値である。言語流暢性値は、検査対象者の回答から抽出された単語の総数、前半部の単語数、後半部の単語数、単語別の文字数、カテゴリの変更回数、カテゴリ別の単語数及び重複単語数のうちの少なくとも1つに対する加減点基準を適用して点数化する方式で算出できる。ここで、言語流暢性値を算出するのに用いられる変数の種類、個数、加重値などは、多様に変形することができる。
【0070】
具体例として、検査内容分析部145は、以下のような式1により言語流暢性値を算出できる。
【0071】
(式1)
LFV=a1*A+a2*B+a3*C+a4*D+a5*E+a6*F+a7*G
(LFV:言語流暢性値、A:単語の総数、B:前半部の単語数、C:後半部の単語数、D:単語別の文字数の平均、E:カテゴリの変更回数、F:カテゴリ別の平均単語数、G:重複単語数、a1~a7:加重値変数(a1+a2+a3+a4+a5+a6+a7=1を満し、a1~a7はそれぞれ0以上1以下の定数))
【0072】
一実施例として、言語流暢性値は、検査対象者の回答の内容だけでなく、補助情報まで反映して算出することができる。ここで、「補助情報」とは、検査対象者に対する身分上の事項などの基本的な情報であって、例えば、性別(男、女)、年齢(10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代、80代、90代など)、教育水準(小学校卒業、中学校卒業、高等学校卒業、修士、学士、博士など)、同居人数(1人、2人、3人、4人など)などを含むことができる。検査内容分析部145は、言語流暢性値を算出するのに用いられる変数の種類、個数、加重値などを年齢、性別、教育水準、同居人数などの補助情報を基に差別的に適用して言語流暢性値をより正確に算出できる。
【0073】
検査内容分析部145は、算出した言語流暢性値を事前に設定された値と比較分析し、検査対象者の認知症疾患の有無又は進行の程度を判断できる。ここで、「事前に設定された値」とは、検査の結果として算出された言語流暢性値の水準を判断するために事前に設定された比較基準値であり得る。このような事前に設定された値は、性別、年齢、教育水準、同居人数などによってグルーピングして差別的に設定することができる。例えば、性別(男、女)、年齢(10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代、80代、90代など)、教育水準(小学校卒業、中学校卒業、高等学校卒業、修士、学士、博士など)、同居人数(1人、2人、3人、4人など)によって言語流暢性値の基準値を事前に設定できる。このような言語流暢性値の基準値は、該当グループに属する検査完了者の検査結果を基に設定でき、追加の検査完了者の情報を基に持続的にアップデートして管理できる。
【0074】
図4は、本発明の一実施例に係る認知症検査方法の一部を概略的に示す手順図であり、
図5は、本発明の一実施例に係る認知症検査方法の一部を概略的に示すフローチャートである。
【0075】
図4及び
図5に示されるように、本発明の一実施例に係る認知症検査方法は、案内音声提供段階(S310)、第1検査進行段階(S330)、第2検査進行段階(S350)、検査内容分析段階(S400)及び検査結果伝送段階(S500)を含むことができる。
【0076】
案内音声提供段階(S310)は、検査サーバ10が発信した人工知能コールが繋がっているユーザ端末(20、
図1参照)に案内音声を提供する段階である。
【0077】
案内音声は、人工知能コールを受信した検査対象者が該当電話をスパム電話などと認識して検査を行わずに切るのを防止するための内容を含むことができる。一実施例として、案内音声は、前半部に検査対象者(受信者)情報、検査機関情報、検査ソリューション(プログラム)情報、推薦者情報、連絡先の獲得経路、検査完了時に提供される補償情報などを含むことができる。このとき、検査対象者(受信者)情報は、前述した検査対象者データベースを基に挿入することによって、案内音声を検査対象者別にカスタマイズして提供できる。これにより、人工知能コールを受信した検査対象者の検査への参加率を向上させることができる。
【0078】
案内音声が提供された後は、認知症検査を行うことができ、認知症検査は、順次行われる第1検査及び第2検査で構成できる。
【0079】
第1検査進行段階(S330)は、練習検査である第1検査を行い、検査対象者(ユーザ端末20の受信者)の検査進行方式に対する理解度を向上させる段階である。
【0080】
図5を参照すると、第1検査進行段階(S330)は、検査サーバ10がユーザ端末20に第1質問音声を提供する段階(S331)及び検査サーバ10がユーザ端末20から第1回答音声を獲得する段階(S333)を含むことができる。
【0081】
ここで、第1質問音声は、第1時間中に第1テーマに対する回答を要請する音声を含むことができ、第1回答音声は、検査対象者が第1質問音声に対応して答えた音声を含むことができる。
【0082】
検査対象者は、第1質問音声に応答して答えることによって第1検査に参加でき、検査対象者の第1回答音声は、ユーザ端末20の音獲得部を介して得られ、ユーザ端末20の通信部を介して認知症検査サーバ10に伝送することができる。
【0083】
一実施例として、第1検査により得られた第1回答音声は、検査対象者が検査進行方式を十分に理解しているか否かを判断するためのデータとして用いることができる。即ち、本発明の一実施例に係る人工知能コール基盤の認知症検査方法は、第1回答音声を基に検査対象者の検査進行方式に対する理解度を判断する段階を更に含むことができる。
【0084】
例えば、認知症検査サーバ10は、検査対象者の検査進行方式に対する理解度値を算出し、それを基に検査を行うか否かを決定できる。ここで、「理解度値」は、検査対象者の検査進行方式について理解した程度を数値化した値である。具体例として、認知症検査サーバ10は、第1回答音声のうち第1質問音声に対応して答えた単語音声とその他の音声の割合を基に理解度値を算出し、算出された理解度値が事前に設定された値未満である場合は、第2検査を行わないことができる。他の具体例として、認知症検査サーバ10は、検査対象者が第1検査で提示された第1テーマについて答えた単語数を基に理解度値を算出し、算出された理解度値が事前に設定された値未満である場合、第2検査を行わないことができる。検査対象者が検査進行方式を十分に理解していないと判断して第2検査を行わない場合、認知症検査サーバ10は、検査進行方式を案内する音声を提供するか、次の検査日の予約を行えるが、これに制限されるものではない。
【0085】
この場合、認知症検査サーバ10は、検査進行方式を案内する音声を提供するか、次の検査日の予約を行えるが、これに制限されるものではない。
【0086】
他の実施例として、第1検査進行段階(S330)でユーザ端末20から第1回答音声を獲得する段階は省略することができる。第1検査は、検査進行方式の理解度を向上させるための検査に過ぎず、検査対象者の言語流暢性を判断するための資料として用いられないので、第1検査に対する回答音声の獲得を省略できる。これにより、検査の進行過程で送受信されるデータの総量を減少させることができる。
【0087】
第2検査進行段階(S350)は、本番検査である第2検査を行い、認知症疾患の有無及び認知症症状の程度を判断するのに活用される音声データを確保する段階である。
【0088】
図5を参照すると、第2検査進行段階(S350)は、検査サーバ10がユーザ端末20に第2質問音声を提供する段階(S351)及び検査サーバ10がユーザ端末20から第2回答音声を獲得する段階(S353)を含むことができる。
【0089】
ここで、第2質問音声は、第2時間中に第2テーマに対する回答を要請する音声を含むことができ、第2回答音声は、検査対象者が第2質問音声に対応して答えた音声を含むことができる。
【0090】
検査対象者は、第2質問音声に応答して答えることによって第2検査に参加できる。検査対象者の第2回答音声は、ユーザ端末20の音獲得部を介して得られ、ユーザ端末20の通信部を介して認知症検査サーバ10に伝送することができる。
【0091】
検査内容分析段階(S400)は、認知症検査サーバ10がユーザ端末20から得られた第2回答音声を基に検査の内容を分析する段階である。
【0092】
検査内容分析段階(S400)で、認知症検査サーバ10の分析部(140、
図3参照)は、ユーザ端末20から受信した第2回答音声を文字データに変換し、変換された文字データを基に言語流暢性値を算出し、検査の内容を分析できる。具体的に、検査内容分析段階(S400)は、ユーザ端末20から受信した第2回答音声を文字データに変換する段階、変換した文字データから第2検査の第2テーマに対応する少なくとも1つの単語を抽出する段階、抽出された第2テーマに対応する少なくとも1つの単語を基に言語流暢性値を算出する段階、言語流暢性値を事前に設定された基準値と比較分析する段階及び言語流暢性値が事前に設定された基準値よりも小さい場合は、後続検査の対象者と判断し、言語流暢性値が事前に設定された基準値以上である場合は、後続検査の対象者外と判断する段階を含むことができる。
【0093】
言語流暢性値を算出する段階は、単語の総数、前半部の単語数、後半部の単語数、単語別の文字数、カテゴリの変更回数、カテゴリ別の単語数及び重複単語数のうちの少なくとも1つに対する加減点基準を適用して点数化する段階を含むことができる。一実施例として、言語流暢性値は、前述した式1を用いて算出できる。
【0094】
また、算出された言語流暢性値を比較するための事前に設定された基準値は、性別、年齢、教育水準及び同居人数のうちの少なくとも1つを含む補助情報を基に分類された検査グループのそれぞれに差別的に設定されたものであり得る。算出された言語流暢性値は、検査対象者が属するグループに対して設定された基準値と比較分析されることができる。
【0095】
一方、一実施例として、検査内容分析段階(S400)は、検査履歴のある検査対象者である場合、即ち、人工知能コールが繋がっているユーザ端末20に検査履歴がある場合、該当検査対象者の既存の検査データと今回の検査により得られた第2回答音声を基に発話スタイルの変化を分析する段階を更に含むことができる。ここで、「発話スタイル」は、発話速度、発音の正確度などを含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0096】
認知症検査サーバ10の分析部(140、
図3参照)は、今回の検査で得られた第2回答音声の発話スタイルを分析し、それを従来の検査で得られた回答音声の発話スタイルが分析されたデータと比較して、発話スタイルの変化値を算出できる。認知症検査サーバ10の分析部140は、発話スタイルの変化値が特定の値(事前に設定された値)以上であると、後続検査の対象者と判断できる。これだけでなく、認知症検査サーバ10の分析部140は、従来の検査で算出された言語流暢性値と今回の検査で算出された言語流暢性値との差値が特定の値(事前に設定された値)以上であると、後続検査の対象者と判断できる。これにより、絶対的な言語流暢性値の大小だけでなく、従来の検査時点に比べて言語流暢性が相対的に低下した場合も、後続検査を行って症状が急速に悪化するのを事前に防止できるという効果がある。
【0097】
一実施例として、検査内容分析段階(S400)は、第1回答音声を基に検査進行方式の理解度を判断する段階を更に含むことができる。具体的に、認知症検査サーバ10は、第1回答音声を分析し、検査対象者が検査進行方式を完全に理解した上で答えているのか、理解できずに検査の内容とは関係ない回答をしているのかを判断できる。例えば、認知症検査サーバ10は、検査対象者が第1検査で提示された第1テーマに対する単語を事前に設定された個数以上答えた場合は、検査対象者が検査進行方式を十分に理解しているものと判断し、そうでない場合は、検査対象者が検査進行方式を十分に理解していないものと判断できる。
【0098】
認知症検査サーバ10は、第2回答音声を分析して算出した言語流暢性値が事前に設定された基準値未満であっても、第1回答音声を分析して算出した検査進行方式の理解度値が特定の値(事前に設定された値)未満である場合は、直ちに後続検査の対象者と判断せず、検査方式の再案内の後に再検査を行える。これにより、実際に言語流暢性に優れた(認知症の症状がない)検査対象者が検査進行方式に対する理解不足により、低い言語流暢性値を受けた場合を区別できるようになり、検査の正確性を向上させることができる。
【0099】
検査結果伝送段階(S500)は、検査内容分析段階(S400)で分析した検査結果をユーザ端末20に伝送する段階である。
【0100】
一実施例として、検査結果は、メッセージ状にて送ることができ、前記メッセージには、検査結果を確認できるリンクを含めることができる。検査結果を送る方式は、上述した例示に制限されず、電話、郵便、メッセージなど多様な形式で提供することができる。また、検査結果を受信する主体も検査対象者に限定されるものではなく、検査対象者の同居人、保護者など身近な人に多様に適用できる。
【0101】
一実施例として、検査結果は、後続検査の対象者に該当するか否か及び以後の症状予測情報を含むことができる。ここで、以後の症状予測情報は、検査対象者と類似する補助情報(例えば、年齢、性別、教育水準、同居人数など)を有する類似グループの人たちの症状情報を基に導き出されたものであって、時間の経過に伴う言語流暢性値の減少の推移、後続検査の進行結果などを含むことができる。
【0102】
図6は、本発明の一実施例に係る検査進行段階の時系列的な過程を概略的に示す例示図である。
【0103】
図6に示されるように、本発明の一実施例に係る検査の進行段階は、導入部分、第1検査部分、第2検査部分、及びクロージング部分を含むことができる。
【0104】
導入部分は、案内音声提供段階(S310、
図4参照)に対応し、第1検査部分は、第1検査進行段階(S330、
図4参照)に対応し、第2検査部分は、第2検査進行段階(S350、
図4参照)に対応できる。また、クロージング部分は、第2検査まで完了した後、クロージング音声を提供する段階であり得る。これらのクロージング部分は、必要に応じて省略することができる。
【0105】
「第1検査」は、第2検査を行う前に検査に対する理解度を向上させるために先行する練習検査であり得る。また、「第2検査」は、検査対象者の認知症症状の有無を判断するのに実質的に用いられる本番検査であり得る。
【0106】
第1検査と第2検査は、検査進行方式が同一であり得る。例えば、第1検査と第2検査は、何れも与えられたテーマに対応する単語を事前に設定された時間に、できるだけ多く答える方式の検査であり得る。検査対象者は、練習検査である第1検査を行い、検査の進行方式に対する理解度を向上させ、本番検査である第2検査を行う際に検査進行方式の理解不足による変数から解放されることができる。これにより、認知症検査の正確性が向上し得る。
【0107】
一方、認知症検査進行部130が行う第1検査と第2検査は、検査進行方式は同一であるものの、提示されるテーマは異なり得る。例えば、第1検査は、第1テーマに対応するできるだけ多くの単語を答えることを要請し、第2検査は、第2テーマに対応するできるだけ多くの単語を答えることを要請できる。このとき、第1検査の第1テーマと第2検査の第2テーマは、互いに異なり得る。具体例として、第1検査の第1テーマは「植物」であり、第2検査の第2テーマは「動物」であり得るが、これに制限されるものではなく、第1テーマ及び第2テーマは、多様に変形することができ、互いに異なる任意のテーマを含むことができる。
【0108】
これにより、検査対象者が第1検査を行いながら思い浮かべた単語をそのまま第2検査に適用することによって、検査の正確性が低下するのを防止できる。即ち、検査対象者は、練習検査である第1検査により検査進行方式に対する理解度を向上させるだけで、本番検査である第2検査に対する回答を予め訓練することはできなくなり、第2検査でも記憶能力、瞬発力などを発揮して答えなければならないので、検査の正確性が向上し得る。
【0109】
また、第1検査の進行時間と第2検査の進行時間は、互いに異なり得る。具体的に、第1検査は、第1時間中に第1テーマに対する回答を要請することで行い、第2検査は、第2時間中に第2テーマに対する回答を要請することで行うことができる。このとき、第1検査の進行時間である第1時間は、第2検査の進行時間である第2時間よりも短くできる。例えば、第1検査の進行時間である第1時間は、10秒以上30秒以下であり、第2検査の進行時間である第2時間は、30秒以上60秒以下であり得るが、これに制限されるものではなく、第1時間が第2時間よりも短いことを満足するように多様に変形できる。これにより、第1検査の目的である検査進行方式の理解度向上の役割のみを果たすようにして、全体の検査時間が不要に長くなるのを防止し、検査の効率性及び集中度を向上させることができる。
【0110】
図7は、本発明の一実施例に係る認知症検査方法の一部を概略的に示す手順図である。以下、図面における同一の部材番号は、同一の構成要素を示すところ、前述した内容と重複する内容についての説明は省略する。
【0111】
図7に示されるように、本発明の一実施例に係る人工知能コール基盤の認知症検査方法は、検査進行意思確認段階(S100)及び補助情報収集段階(S200)を更に含むことができる。一方、S100段階及びS200段階の何れか1つのみ更に含み、残りの1つは省略することもできる。
【0112】
検査進行意思確認段階(S100)は、人工知能コールが繋がっている検査対象者に認知症検査を行う前に検査進行意思を確認する段階である。検査進行意思確認段階(S100)は、音声質疑応答に基づいて行うことができる。具体的に、検査進行意思確認段階(S100)は、人工知能コールが繋がっているユーザ端末に検査進行意思を尋ねる音声を提供する段階、ユーザ端末から検査進行意思回答音声を獲得する段階及び検査進行意思回答音声を基に検査対象者の検査進行意思を確認する段階を含むことができる。
【0113】
認知症検査サーバ10は、検査進行意思の回答音声が肯定である場合、前述した認知症検査を行い、検査進行意思の回答音声が否定である場合、通話を終了するか、次の検査日を予約する手続きを進めることができる。一方、検査進行意思の回答音声は、音声-文字変換(Speech to text;STT)技術を適用して、文字データに変換された後に分析することができる。
【0114】
補助情報収集段階(S200)は、検査進行前の検査内容の分析に活用できる補助情報を収集する段階である。
【0115】
補助情報収集段階(S200)は、ユーザ端末に性別、年齢、教育水準及び同居人数のうちの何れか1つを尋ねる補助情報質問音声を提供する段階及び前記ユーザ端末から補助情報回答音声を獲得する段階を含むことができる。このような補助情報収集段階(S200)を行うことにより、検査対象者データベースの不完全性を補完できる。一方、補助情報回答音声は、音声-文字変換(Speech to text;STT)技術を適用して、文字データに変換された後に分析することができる。
【0116】
補助情報収集段階(S200)により収集された補助情報は、検査内容の分析に活用できる。具体的に、本発明の一実施例に係る人工知能コール基盤の認知症検査方法は、検査グループを分類する段階を更に含むことができる。前記検査グループを分類する段階は、補助情報回答音声を文字データに変換する段階及び文字データを基に検査グループを分類する段階を含むことができる。即ち、認知症検査サーバは、収集した補助情報を基に検査対象者が属するグループを分類し、該当グループに設定された言語流暢性値の比較のための事前に設定された基準値を適用して、認知症検査結果をより正確に導き出せる。
【0117】
本発明の実施例と関連して説明された方法又はアルゴリズムの段階は、ハードウェアで直接実現するか、ハードウェアによって実行されるソフトウェアモジュールで実現するか、又はそれらの結合によって実現できる。ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ハードディスク、着脱型ディスク、CD-ROM、又は本発明の属する技術分野において周知となっている任意の形態のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に常に存在することもできる。
【0118】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の技術者は、本発明がその技術的思想や必須な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に実施され得るということが理解できるはずである。従って、以上で述べた実施例は、あらゆる面で例示的なものであり、制限的ではないものとして理解すべきである。