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特許7509905ワーク端位置検出装置及びワーク端位置検出方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】ワーク端位置検出装置及びワーク端位置検出方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/03 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B23K26/03
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022555405
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 JP2021035977
(87)【国際公開番号】W WO2022075158
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2020169230
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169856
【弁理士】
【氏名又は名称】尾山 栄啓
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮介
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-034501(JP,A)
【文献】特開昭63-130293(JP,A)
【文献】特開2003-181670(JP,A)
【文献】特開平02-080185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギャップセンサを搭載した加工ヘッドをワークの面に沿って走査させながら、前記ギャップセンサが検出した前記ワークとの間隔が一定になるように前記加工ヘッドの位置を制御する制御部と、
前記制御部による前記間隔を一定にする制御の実行中に、前記ギャップセンサと前記ワークとの間隔の変化量が所定の閾値以上となったときの前記加工ヘッドの座標位置に基づき前記ワークの端部の位置を検出するワーク端検出部と、を備え、
前記変化量は、前記加工ヘッドを駆動するモータの位置情報から得られる量である、ワーク端位置検出装置。
【請求項2】
前記変化量は、前記ワークの面に垂直な軸方向における前記加工ヘッドの位置の変化を表す量である、請求項に記載のワーク端位置検出装置。
【請求項3】
ギャップセンサを搭載した加工ヘッドをワークの面に沿って走査させながら、前記ギャップセンサが検出した前記ワークとの間隔が一定になるように前記加工ヘッドの位置を制御する制御部と、
前記制御部による前記間隔を一定にする制御の実行中に、前記ギャップセンサと前記ワークとの間隔の変化量が所定の閾値以上となったときの前記加工ヘッドの座標位置に基づき前記ワークの端部の位置を検出するワーク端検出部と、を備え、
前記変化量は、前記ギャップセンサと前記ワークとの前記間隔を表す値を時間微分することにより得られる、前記ワークの面に垂直な軸方向における前記加工ヘッドの速度である、ワーク端位置検出装置。
【請求項4】
ギャップセンサを搭載した加工ヘッドをワークの面に沿って走査させながら、前記ギャップセンサが検出した前記ワークとの間隔が一定になるように前記加工ヘッドの位置を制御する制御部と、
前記制御部による前記間隔を一定にする制御の実行中に、前記ギャップセンサと前記ワークとの間隔の変化量が所定の閾値以上となったときの前記加工ヘッドの座標位置に基づき前記ワークの端部の位置を検出するワーク端検出部と、を備え、
前記変化量は、前記ワークの面に垂直な軸方向における前記加工ヘッドの速度と、前記制御部が前記ワークとの間隔が一定になるように制御する場合における前記間隔の増加速度との差である、ワーク端位置検出装置。
【請求項5】
ギャップセンサを搭載した加工ヘッドをワークの面に沿って走査させながら、前記ギャップセンサが検出した前記ワークとの間隔が一定になるように前記加工ヘッドの位置を制御する制御部と、
前記制御部による前記間隔を一定にする制御の実行中に、前記ギャップセンサと前記ワークとの間隔の変化量が所定の閾値以上となったときの前記加工ヘッドの座標位置に基づき前記ワークの端部の位置を検出するワーク端検出部と、を備え、
前記変化量は、前記ワークの面に垂直な軸方向における前記加工ヘッドの速度と、前記制御部が前記ワークとの間隔が一定になるように制御する場合における前記間隔の増加速度との差を、前記加工ヘッドが走査される方向における前記加工ヘッドの速度で除したものである、ワーク端位置検出装置。
【請求項6】
ギャップセンサを搭載した加工ヘッドをワークの面に沿って走査させながら、前記ギャップセンサが検出した前記ワークとの間隔が一定になるように前記加工ヘッドの位置を制御する制御部と、
前記制御部による前記間隔を一定にする制御の実行中に、前記ギャップセンサと前記ワークとの間隔の変化量が所定の閾値以上となったときの前記加工ヘッドの座標位置に基づき前記ワークの端部の位置を検出するワーク端検出部と、
前記変化量に基づいて前記ワーク上における反りを有する領域を検出するワーク反り検出部と、を備え、
前記制御部は、前記ワークにおける前記反りを有する領域を除外した領域を加工可能領域として設定する、ワーク端位置検出装置。
【請求項7】
ギャップセンサを搭載した加工ヘッドをワークの面に沿って走査させながら、前記ギャップセンサが検出した前記ワークとの間隔が一定になるように前記加工ヘッドの位置を制御し、
前記間隔を一定にする制御の実行中に、前記ギャップセンサと前記ワークとの間隔の変化量を取得し、
取得した前記変化量が所定の閾値以上となったときの前記加工ヘッドの座標位置に基づき前記ワークの端部の位置を検出する、ことを含み、
前記変化量は、前記加工ヘッドを駆動するモータの位置情報から得られる量である、ワーク端位置検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク端位置検出装置及びワーク端位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加工対象のワークを加工機のワークテーブルに搭載した状態においてワークが所定位置からずれている場合がある。このような場合にワークの位置ずれを検出することで、ワークに対して適切な加工を行うように構成された加工機が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、レーザ加工ヘッドに取り付けられたギャップセンサでワークの表面を走査することで、ワークに形成された穴等を検出するようにした加工機も知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-042774号公報
【文献】実開平3-85184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
加工機に搭載されるワークの位置ずれ等を検出するために、ワーク端を正確に検出することが求められる。しかしながら、鉄板等のワークでは、例えば周縁部が傾斜した状態となっている場合がある。このように本来平坦であるべきワークに傾斜した部分が存在するような状況においても正確にワーク端の位置を検出できることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、ギャップセンサを搭載した加工ヘッドをワークの面に沿って走査させながら、前記ギャップセンサが検出した前記ワークとの間隔が一定になるように前記加工ヘッドの位置を制御する制御部と、前記制御部による前記間隔を一定にする制御の実行中に、前記ギャップセンサと前記ワークとの間隔の変化量が所定の閾値以上となったときの前記加工ヘッドの座標位置に基づき前記ワークの端部の位置を検出するワーク端検出部と、を備え、前記変化量は、前記加工ヘッドを駆動するモータの位置情報から得られる量である、ワーク端位置検出装置である。
【0007】
本開示の別の態様は、ギャップセンサを搭載した加工ヘッドをワークの面に沿って走査させながら、前記ギャップセンサが検出した前記ワークとの間隔が一定になるように前記加工ヘッドの位置を制御し、前記間隔を一定にする制御の実行中に、前記ギャップセンサと前記ワークとの間隔の変化量を取得し、取得した前記変化量が所定の閾値以上となったときの前記加工ヘッドの座標位置に基づき前記ワークの端部の位置を検出する、ことを含み、前記変化量は、前記加工ヘッドを駆動するモータの位置情報から得られる量である、ワーク端位置検出方法である。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、本来平坦であるべきワークに傾斜した部分が存在するような状況においても正確にワーク端の位置を検出できる。
【0009】
添付図面に示される本発明の典型的な実施形態の詳細な説明から、本発明のこれらの目的、特徴および利点ならびに他の目的、特徴および利点がさらに明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係るワーク端位置検出装置の機器構成を表す図である。
図2】ワーク端位置検出装置の制御系の構成を表すブロック図である。
図3】制御装置内に構成される機能構成を表す機能ブロック図である。
図4】ワークの位置ずれについて説明するための図である。
図5】ワークの位置ずれ検出処理の手順を説明するための図である。
図6】ワーク端検出処理を表すフローチャートである。
図7】ワーク端検出動作の例1における加工ヘッドの走査の状態を表す図である。
図8】ワーク端検出動作の例1における変化量を説明するためのグラフである。
図9】ワーク端検出動作の例2における加工ヘッドの走査の状態を表す図である。
図10】ワーク端検出動作の例2における変化量を説明するためのグラフである。
図11】ワーク端検出動作の例3における加工ヘッドの走査の状態を表す図である。
図12】ワーク端検出動作の例3における変化量を説明するためのグラフである。
図13】ワーク端検出動作の例4-6における加工ヘッドの走査の状態を表す図である。
図14】ワーク端検出動作の例4における変化量を説明するためのグラフである。
図15】ワーク端検出動作の例5における変化量を説明するためのグラフである。
図16】ワーク端検出動作の例6における変化量を説明するためのグラフである。
図17】ワーク反り検出動作における加工ヘッドの走査の状態を表す図である。
図18】ワーク反り検出動作における変化量を説明するためのグラフである。
図19】ワークの反り部を除外して加工可能領域を設定した状態を表す図である。
図20】比較例のワーク端検出動作における加工ヘッドの走査の状態を表す図である。
図21】比較例のワーク端検出動作において加工ヘッドとワークが接触した状態を表す図である。
図22】比較例のワーク端検出動作におけるギャップ量を表すグラフである。
図23】高速走査と低速走査の併用によるワーク端検出動作の第1の例を表す図である。
図24】高速走査と低速走査の併用によるワーク端検出動作の第2の例を表す図である。
図25】高速走査と低速走査の併用によるワーク端検出動作の第2の例において、加工ヘッドを復帰させる動作を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。参照する図面において、同様の構成部分または機能部分には同様の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。また、図面に示される形態は本発明を実施するための一つの例であり、本発明は図示された形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は一実施形態に係るワーク端位置検出装置100の機器構成を表す図である。図1に示すように、ワーク端位置検出装置100は、制御装置(CNC)10と、サーボアンプ20と、サーボアンプ20により駆動されるX軸,Y軸,及びZ軸の各軸モータ50と、各軸モータの駆動によりワークWに対するX,Y,Z軸位置を位置制御される加工ヘッド30と、加工ヘッド30に搭載されたギャップセンサ31と、ギャップセンサ回路40とを含む。すなわち、ワーク端位置検出装置100は、加工機として構成されている。なお、X,Y軸は水平方向、Z軸は鉛直方向である場合を想定する。
【0013】
制御装置10は、数値制御装置(CNC)であり、加工プログラムにしたがってX、Y、Z軸を駆動するモータの指令を生成してサーボアンプ20に送出する。サーボアンプ20は、各軸モータを制御及び駆動するモータ回路からなり、制御装置10からの指令に従って各軸モータ50に対するサーボ制御を実行する。
【0014】
加工ヘッド30は、例えば、レーザを照射するノズルを備えるレーザ加工ヘッドである。なお、加工ヘッド30はこのような例に限られず、各種の加工を実行するための各種加工ヘッドを含む。
【0015】
ギャップセンサ31は、ワークWとの距離を計測するセンサである。一例として、ギャップセンサ31は、静電容量式のセンサであり、センサと測定対象物間の静電容量をセンシングし、計測した静電容量を表す信号をギャップセンサ回路40に出力する。ギャップセンサ回路40は、平板電極間の静電容量がS/d(電極面積、d:電極間の距離)に比例することに基づき、ギャップセンサ31により検出された静電容量から距離d(すなわち、ギャップセンサとワークとの間の間隔)を出力する。以下では、ギャップセンサ31が計測したワークとの間隔をギャップ量とも記載する。なお、図1において、ギャップ量は符号Gを付した矢印で示されている。
【0016】
なお、ギャップセンサ31としては静電容量型センサに限られず、渦電流式センサや他のタイプのセンサが用いられても良い。一般的な使用形態として、ギャップセンサ31を図1に示すようにワークWの上方に配置した場合、ギャップセンサ31は、ギャップセンサ31に対して前方にある(図1において鉛直下方にある)ワークとの間の静電容量を測定する目的で使用されるが、ギャップセンサ31は横方向(図1において水平方向)にもある程度の感度を有する。
【0017】
ワークWはここでは例示として図示のような矩形状のワークを想定する。なお、ワークの形状はこれに限定されるものではない。ワークWは、ワークテーブル(不図示)に載置され、制御装置10による制御により、ワークWに対して加工ヘッドをX,Y,Z軸方向に相対移動させることで、ワークWに対する加工が行われる。
【0018】
図2は、図1の機器構成を有するワーク端位置検出装置(加工機)100の制御系の構成を表すブロック図である。制御装置10は、加工プログラムに従って各軸モータ50に対する指令を生成しサーボアンプ(モータ回路)20に送出する。サーボアンプ20は、制御装置10からの指令に従って各軸モータ50のサーボ制御を実行し、加工ヘッド30の位置制御を実行する。ギャップセンサ31は、測定した静電容量を示す信号をギャップセンサ回路40に出力する。ギャップセンサ回路40は、ギャップセンサ31からの出力により求めたギャップ量を制御装置10に提供する。
【0019】
この構成により、制御装置10は、加工ヘッド30のX,Y,Z軸位置制御を行うことができる。また、制御装置10は、ギャップ量に基づいてギャップ制御(ギャップセンサ31とワークとの距離を一定に保つ制御)を行うことができる。
【0020】
図3は、制御装置10内に構成される機能構成を表す機能ブロック図である。図3に示すように、制御装置10は、ギャップセンサ31を搭載した加工ヘッド30をワークWの面に沿って走査させながら、ギャップセンサ31が検出したワークWとの間隔が一定になるように加工ヘッド30の位置を制御する制御部11と、ギャップセンサ31とワークWとの間隔の変化量を取得する変化量取得部12と、変化量が所定の閾値以上となったときの加工ヘッド30の座標位置に基づきワークWの端部の位置を検出するワーク端検出部13とを備える。制御装置10は、変化量に基づいてワーク上における反りを有する領域を検出するワーク反り検出部14を更に備えていても良い。
【0021】
変化量取得部12は、ギャップセンサ回路40からギャップ量を取得し、サーボアンプ20からX,Y,Z軸の各軸モータ50の位置情報を取得することができる。変化量取得部12は、ギャップ量と、各軸モータの位置情報の少なくとも一方を用いて変化量を求める。
【0022】
なお、制御装置10は、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM、記憶装置、操作部、表示部、入出力インタフェース、ネットワークインタフェース等を有する一般的なコンピュータとしての構成を有していても良い。図3に示した制御装置10の機能ブロックは、制御装置10のCPU(プロセッサ)が、記憶装置に格納された各種ソフトウェアを実行することで実現されても良く、或いは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアを主体とした構成により実現されても良い。
【0023】
加工対象のワーク(図4においてワークW1)は、ワークテーブル(不図示)に載置された状態で、図4に示すように、本来ワークW1が置かれているべき基準位置P0に対して位置ずれを生じている場合がある。このように位置ずれを生じているワークW1の位置を検出するため、制御装置10は、次のような位置ずれ検出処理を実行する。図5は位置ずれ検出処理の手順を説明するための図である。図5を参照しつつ、位置ずれ検出処理の手順を説明する。

(a1)ワークW1の1辺上の2つの端面の位置B1、C1を検出する。
(a2)次に、上記一辺に隣接する他の一辺上の1つの端面の位置A1を検出する。
(a3)位置A1,B1,C1からワークW1の図4中の前後方向及び左右方向の傾き(すなわち、基準位置P0に対する傾き)を検出する。
【0024】
上述の手順(a1)、(a2)において、制御装置10(ワーク端検出部13)によるワーク端検出機能により位置A1、B1、C1の検出が実現される。このようにして得られたワークW1の位置ずれを示す値を用いて、制御装置10は、加工プログラムにおけるワーク位置を補正し、ワークW1に対する加工を適切に実行することができる。
【0025】
以下、制御装置10によるワーク端検出機能について説明する。制御装置10は、(b1)ギャップ制御を有効にして(ワークとギャップセンサ間の相対高さを一定に制御して)加工ヘッドを走査させ、(b2)ギャップセンサとワークとの距離がワーク端において急激に変化することを捉えてワーク端を検出する。
【0026】
このようなワーク端検出機能を実現するため、制御装置10は、図6に示すワーク端検出処理(ワーク端位置検出方法)を実行する。図6は、制御装置10のプロセッサによる制御の下で実行されるワーク端検出処理を表すフローチャートである。はじめに、制御装置10(制御部11)は、加工ヘッド30をワークの面に沿って走査させながら、ギャップセンサ31が検出したワークとの間隔が一定になるように加工ヘッドの位置を制御する(ステップS1)。次に、制御装置10(変化量取得部12)は、制御部11による制御(ギャップ制御)の実行中にギャップセンサ31とワークとの間隔の変化量を取得する(ステップS2)。本明細書において、変化量には、ギャップ制御のエラー量、ギャップセンサ31とワークとの距離の変化値、ギャップセンサ31とワークとの相対的な速度、その他のギャップセンサ31とワークとの距離の変化に関する各種数値が含まれる。
【0027】
次に、制御装置10(ワーク端検出部13)は、変化量が所定の閾値以上となったときの加工ヘッド30の座標位置に基づきワークの端部の位置を検出する(ステップS3)。このようなワーク端検出処理により、本来平坦なワークの例えば周縁部に傾斜した部分があるような状況においても、ワーク端の位置を確実に検出することができる。
【0028】
以下、変化量取得部12が取得した変化量に基づく、ワーク端検出の具体的な動作例について説明する。以下で詳細に説明する具体例は、以下を含む。
例1:ギャップ制御エラー量による検出
例2:Z軸位置による検出
例3:Z軸速度による検出
例4:ギャップの増加速度による検出
例5:ギャップの増加速度-Z軸降下速度による検出
例6:(ギャップの増加速度-Z軸降下速度)/XY軸合成速度による検出
【0029】
例1のワーク端検出動作(ギャップ制御エラー量による検出)について図7及び図8を参照し説明する。図7は、本例におけるギャップ制御の状態を表す図である。ギャップ制御では、ギャップの目標値Tに対してエラー量Δが生じたときにエラー量Δを解消させるような制御が行われる。ギャップ制御中のギャップセンサ31の出力からエラー量Δを検出することができる。
【0030】
ここでは、図7中矢印方向(X軸方向)に加工ヘッド30を走査させる。なお、ここでは、本来平坦なワークWが図示のように周縁部において斜め上方に傾斜している部分を有する場合を想定する。図中矢印方向におけるギャップ制御では、ギャップセンサ31(加工ヘッド30)とワークWとの距離が目標値Tに維持されるため、図のように加工ヘッド30はワークWとの距離として目標値Tを維持してワークWの表面に沿うように移動する。
【0031】
そして、加工ヘッド30(ギャップセンサ31)がワーク端に達すると、ワーク端においてはギャップが急激に増加するため、加工ヘッド30のZ軸方向の追従が遅れ、ギャップ制御エラー量Δが増加する。なお、加工ヘッド30のZ軸方向の追従が十分早くても、X軸方向の走査が続いていることから、加工ヘッド30とワークWとの距離がX軸方向に離れ、ギャップ制御エラー量Δが増加する。
【0032】
図8のグラフ81は、本例の動作を実行した場合におけるギャップ制御量の推移(すなわち、ギャップ制御エラー量の推移)を示す図である。図8において横軸は時間であり、縦軸はギャップ制御量(T+Δ)を表す。ここでは、ギャップ制御量に閾値M1を適用し、T+Δが閾値M1を以上となった(又は超えた)とき(符号L1)の位置をワーク端として検出する。すなわち、本例ではギャップ制御エラー量に閾値を適用する。ギャップ制御エラー量Δは、ワーク端部で急激に増加しはじめるので、T+Δが閾値M1を超えたとき(符号L1)の位置をワーク端として検出することで、ワーク端を確実に検出できている。
【0033】
例2のワーク端検出動作(Z軸位置により検出)について図9図10を参照して説明する。図9は、本例におけるギャップ制御の状態を表す図である。本例では、加工ヘッド30のZ軸位置がある閾値以下(又は閾値未満)になったときの位置(X軸位置)をワーク端として検出する。上述のように、ギャップ制御を有効にして走査を実行させると、ワーク端を超えたところでレーザヘッドは大きく下方に降下する。本例では、この降下をレーザヘッドのZ軸位置変化として捉える。
【0034】
図10のグラフ82は、本例の動作における加工ヘッド30(ギャップセンサ31)のZ軸位置の変化を表す。図10において横軸は時間、縦軸はZ軸位置を表す。図10のグラフ82に示すように、Z軸位置がZ軸閾値M2まで低下したとき(符号L1)の位置をワーク端とする。図10に示す通り、Z軸位置はワーク端部を超えると急激に低下するので、Z軸閾値M2以下(又は閾値M2未満)となったときの位置を検出位置とすることで、ワーク端を確実に検出することができる。本例の動作は、Z軸方向の降下量を変化量として捉えて、変化量が閾値を超えたか否かを判断する動作に相当している。なお、本例の場合には、ワークに反りや傾斜がる場合に、ワーク端の高さに依存して検出精度が低下する場合がある。
【0035】
例3のワーク端検出動作(Z軸速度により検出)について図11図12を参照して説明する。図11は、本例におけるギャップ制御の状態を表す図である。本例では、Z軸速度が閾値以上になった(又は閾値を超えた)ときの位置をワーク端として検出する。上述のように、ギャップ制御を有効にして走査を行わせると、ワーク端を超えたところで加工ヘッド30は大きく下方に降下する。このとき、Z軸降下速度も増加する。本例では、このZ軸速度の増加を捉える。なお、図11において符号91の矢印は走査方向の速度(X軸速度)を表し、符号92を付した矢印はZ軸速度を表す。
【0036】
図12のグラフ83は、本例の動作における加工ヘッド30のZ軸位置の推移を表す。図12において、横軸は時間を示し、縦軸にZ軸位置を示す。制御装置10(変化量取得部12)は、グラフ83を時間微分することでZ軸速度を得る。Z軸速度はこのグラフの傾きとして表される。ワーク端検出部13は、図12に示すように、Z軸速度が閾値M3以上となった(又は閾値M3を超えた)とき(符号L1)の位置をワーク端として検出する。加工ヘッド30のZ軸速度はギャップセンサ31がワーク端を超えた位置から急激に増加するので、Z軸速度によりワーク端を確実に検出することができる。
【0037】
例4のワーク端検出動作(ギャップの増加速度による検出)について図13図14を参照して説明する。図13は、本例におけるギャップ制御の状態を表す図である。本例では、ギャップの増加速度が閾値以上になった(又は閾値を超えた)ときの位置をワーク端として検出する。上述のようにギャップ制御を有効にして走査を行うと、ワーク端を超えたところでギャップ制御エラー量(Δ)は急激に増加する。本例では、このギャップ(ギャップ制御エラー量Δ)の増加速度を捉えて、ワーク端を検出する。
【0038】
図14は、本例の動作におけるギャップの増加速度を説明する図であり、横軸に時間を表し、縦軸にギャップ量(T+Δ)を表す。グラフ84は、本例の動作におけるギャップの時間推移を表す。制御装置10(変化量取得部12)は、ギャップを時間微分することでギャップの増加速度を得る。ギャップの増加速度((d(T+Δ)/dt))はグラフ84の傾きとして表される。図14に示されるように、ギャップの増加速度が閾値M4以上となった(又は閾値M4を超えた)とき(符号L1)の位置をワーク端として検出する。ギャップは、ワーク端部で急激に増加するので、ギャップの増加速度も同様にワーク端部で急激に増加する。したがって、ギャップの増加速度が閾値以上となる(又は閾値を超えた)ときの位置をワーク端を表す位置として検出することができる。
【0039】
例5のワーク端検出動作(ギャップの増加速度-Z軸降下速度による検出)について図15を参照して説明する。なお、本例における加工ヘッド30の走査は、図13のように行われるものとする。上述したように、ギャップ制御を行いながら走査を行った場合、ワーク端部においてギャップエラー量(Δ)は急激に増加し、加工ヘッド30(ギャップセンサ31)はそれに応じZ軸追従を行う。本例では、このとき、Z軸追従動作によりZ軸方向に降下する加工ヘッド30(ギャップセンサ31)から見た、ワーク表面が遠ざかる速度を検出する。加工ヘッド30(ギャップセンサ31)から見たワーク表面の速度が検出できるので、ギャップ制御ゲインによらず、ワーク表面の高さの変化を捉えることができる。
【0040】
図15は、本例の動作におけるワーク表面の高さの変化速度を説明する図であり、横軸は時間を、縦軸はギャップセンサのZ軸位置とギャップ制御量(T+Δ)との差(Z-(T+Δ))を表す。ギャップセンサ31からみたワーク表面が遠ざかる速度は、グラフ85の傾き(d(Z-(T+Δ))/dt)として得られる。グラフ85の傾きの大きさが閾値M5を以上となった(又は閾値M5を超えた)ときの位置(符号L1)をワーク端として検出する。
【0041】
例6のワーク端検出動作((ギャップの増加速度-Z軸降下速度)/XY軸合成速度)について図16を参照して説明する。なお、本例における加工ヘッド30の走査は、図13のように行われるものとする。上記例5において、グラフ85の傾きとして検出される速度は、加工ヘッド30の走査方向の速度(XY軸合成速度)が大きいと大きくなってしまうという性質がある。そこで、走査方向の速度の影響を受けないようにするために、本例6では、上記例5のグラフ85の傾きとして検出される速度を走査方向の速度(XY軸合成速度)で割り算した値を変化量として用いる。この値はワークの空間的な形状に近い量を表す無次元の値となる。また、この値は、走査方向の速度(XY速度)に依存しない値となるため、走査方向の速度(XY速度)によって閾値を変える必要がないという、メリットが得られる。
【0042】
図16のグラフ86は、この値のX軸方向における分布を表す。図16において、縦軸は図14と同様に(Z-(T+Δ))を表し、横軸は走査方向の位置(本例ではX軸方向の位置)を表す。図中のグラフ86の傾きが閾値M86以上となった(又は閾値M86を超えた)位置(符号L1)をワーク端位置とする。
【0043】
(ワーク反りの検出機能)
次に、ワーク反り検出部14によるワークの反りの検出機能について説明する。ワーク上の反りが存在する部分に対して加工を行うと、特に反りが大きい部分では、レーザ加工不良、寸法不良が生じるおそれがある。制御装置10(ワーク反り検出部14)は、変化量取得部12が取得した変化量を用いてワーク上の反りがある部分(反り部)を検出する。これにより、制御装置10は、当該反り部を加工対象領域から除外するように設定を行うことができる。
【0044】
具体的な動作手順を図17から図19を参照して説明する。ここでは、変化量として上述した「(ギャップの増加速度+Z軸降下速度)/XY軸合成速度」(以下、便宜上、測定値と記載する)を用いる。なお、図17は本動作例における操作の状態を表し、図18は測定値の推移を表す。動作手順を以下に記載する。

(c1)ギャップ制御を行いながら加工ヘッド30を走査方向に走査する(図17)。
(c2)測定値のグラフ87の変化を監視する(図18)。
(c3)ワーク端(位置L1)が検出される前の段階において、グラフ87の曲率又は傾きの大きさが閾値を超えた領域を反り部として検出する。図18の例では、破線の円形CAで囲った領域からワーク端までの領域C1が反り部として検出される。
(c4)さらに測定値のグラフ87の監視を継続し、グラフ87の傾きの大きさが所定の閾値M7を超えた位置(位置L1)をワーク端として検出する(図18)。
【0045】
以上の手順により、走査方向におけるワークの一辺上で、ワークの周囲部に生じている反り部を検出することができる。次に、(d1)以上の手順(c1-c4)をワークの4辺について実行する、或いは、(d2)以上の手順(c1-c4)をワーク上の2辺で実行し、各々の対辺でも反り部が同様とみなすことで、ワークの4辺について反りの領域を特定することができる。上記(d1)、(d2)のいずれかにおいて1辺の複数箇所で上記手順(c1-c4)により反り部を検出し、辺に沿った方向における反り部の形状をより詳細に特定することもできる。
【0046】
制御装置10は、特定された反り部の領域の位置情報を制御装置10のユーザインタフェース画面に表示しても良い。この場合、ワークW3に対する反り部の領域C1を図19に例示するような画像として表示しても良い。ユーザは、反り部を避けるように加工対象領域の修正を行うことができる。或いは、制御装置10は、反り部を避けるような加工領域の補正を自動で実行するように構成されていても良い。一例として、図19に示すように、ワークW3上において反り部として領域C1が検出された場合、制御装置10は、ワークW3から領域C1を除外した領域F1(図18において位置PA1よりも内側の領域)を加工可能領域として設定することができる。
【0047】
ここで、本実施形態に係るワーク端検出動作の有用性の理解のため、比較例として、ワークが存在する場合のギャップセンサの出力値(検出値1)、ワーク端におけるギャップセンサの出力値(検出値2)を予め制御装置に記憶させておくことによるワーク端の検出動作例を図20図22を参照して説明する。比較例の場合、図20に示すように、加工ヘッド30(ギャップセンサ31)のワークW0に対するZ軸高さを所定の値に設定し、ギャップ量を検出しながら加工ヘッド30を移動(走査)させる。
【0048】
このような動作の場合、加工ヘッド30(ギャップセンサ31)がワークW0の表面の上部にあるときギャップセンサ31の出力として検出値1が検出される。他方、加工ヘッド30(ギャップセンサ31)が、ワークW0の端部に到達すると、ギャップセンサ31の出力として検出値2が検出されるため、ギャップ端を検出することができる。図22のグラフ181は、この場合のギャップセンサ31の出力の推移を表している。グラフ181では、ワーク端位置L10において、ギャップセンサ31の出力が検出値2に到達し、これを検出することでワーク端位置L10が検出される。
【0049】
しかしながら、ここで、図21に示すように、周縁部に傾斜した部分がるワークW4を想定する。比較例の走査では、加工ヘッド30のZ軸位置は固定であるため、傾斜の度合いに応じて、図22中のグラフ181、182で示すような出力値が検出され得る。グラフ182は、傾斜の角度が比較的浅い場合の、ギャップセンサ31の出力の推移の例を表す。グラフ182の場合、加工ヘッド30がワークの端部に近づくにしたがい、ワークとの間隔が狭くなり、グラフ182の値は次第に低下し、その後ワーク端を超えると値は上昇する。グラフ182の場合、固定の検出値2を用いてワーク端を検出すると、図22中の位置L11が検出されるため、ワーク端として誤った位置が検出されてしまう。
【0050】
さらに、傾斜の度合いが強い場合、図22中のグラフ181で示すように、加工ヘッド30がワーク端に移動する途中の段階で、ワーク表面と接触してしまう場合も生じ得る(図21参照)。この点、本実施形態によるワーク端検出動作によれば、ギャップ制御が行われるため、ワークの傾斜により影響されることなく、ワーク端を確実に回避することができる。
【0051】
制御装置10は、更に以下の機能の少なくとも一つを備えていても良い。
(1)オフセット補正
(2)高速動作と低速動作の併用
(3)穴落ち防止
【0052】
(オフセット補正)
上述のように本実施形態では、ギャップ制御量の増加等によりワーク端を検出する構成であるため、実際のワーク端位置と検出位置との間に誤差が生じ得る。制御装置10(制御部11)は、このような誤差を補正する機能(以下、オフセット補正とも記載する)を備えていても良い。この誤差は、走査速度、閾値、ギャップセンサ31の応答性等に依存すると考えることができる。制御装置10は、以下で述べるように誤差を設定することができる。
【0053】
誤差を完全に計算で求めることは、ギャップセンサの任意の位置に対する感度を予め求める必要があることから困難である。そこで、一例として、ある閾値、ギャップセンサで検出を行った場合の実際の誤差を基に、走査速度、ギャップ制御ゲインが変化した場合を推測するような計算手法をとる。この場合の計算手法には、(r1)走査速度については単純に誤差は走査速度に比例する、(r2)ギャップ制御ゲインについては、増加すれば追従性が良くなるので誤差が減る、との計算規則を適用する考え方もとり得るが、どのような値を変化量として用いるかによって(r1)、(r2)の適用が異なる。そこで上述の例1から例6の場合にそれぞれ以下の様に計算手法をとっても良い。
【0054】
例1~例4:誤差は、走査速度、ギャップ制御ゲインに依存する。走査速度については、依存性は例1から例4間で同様(比例)である。他方、ギャップ制御ゲインについては、依存性は例1から例4間で異なる。ギャップ制御ゲインが増加したとき、例1、例4の場合、ギャップ制御が追従しきれないところをワーク端とするので追従可能距離が増えた分誤差が増加し、例2、例3の場合、ギャップ制御で追従し、その追従位置または速度の増加でワーク端とするので誤差が減少する。
例5:走査速度には依存するが、ギャップ制御ゲインには依存しない。
例6:走査速度にもギャップ制御ゲインにも依存しない。
【0055】
(高速動作と低速動作の併用)
走査速度は速いほどサイクルタイムを短縮できるメリットがあるが、ワーク端位置の検出の誤差が大きくなるという性質を持つ。そこで、
(e1)はじめに高速走査でワーク端の概略位置を検出し、
(e2)次に、低速走査を行いワーク端の正確な位置を検出する、
という動作を行うようにする。この手法は、サイクルタイム短縮のメリットと、正確な位置検出のメリットの双方を得ることができる手法である。具体的な動作例を2例説明する。
【0056】
図23は、高速動作と低速動作の併用によるワーク端検出の第1の例における走査の状態を表す図である。本例では、以下の手順で動作を行う。
(f1)はじめに走査方向H1において加工ヘッド30を高速走査させてワーク端の概略位置を検出する。ここでは、ワーク端位置L22が検出される。なお、この場合のワーク端検出の動作としては上述の例1から例6のいずれかをとることができる。
(f2)次に、加工ヘッド30を逆の走査方向H2でギャップ制御を行いながら低速で走査させる。そして、検出されるギャップ量が目標値(T)に戻った位置L21をワーク端位置として検出する。これにより、正確なワーク端位置を検出することができる。
【0057】
図24は、高速動作と低速動作の併用によるワーク端検出の第2の例における走査の状態を表す図である。本例では、以下の手順で動作を行う。
(g1)はじめに走査方向H11において加工ヘッド30を高速走査させてワーク端の概略位置を検出する。ここでは、ワーク端位置L32が検出される。なお、この場合のワーク端検出の動作としては上述の例1から例6のいずれかをとることができる。
(g2)次に、加工ヘッド30を逆方向H12に所定の距離、後退させ、ギャップ制御により元のギャップに復帰する。
(g3)次に、走査方向H13において加工ヘッド30を低速走査させてワーク端を検出する。ここで、ワーク端位置L31が検出される。なお、この場合のワーク端検出の動作としては上述の例1から例6のいずれかをとることができる。
【0058】
上記手順(g2)において加工ヘッド30を後退させる場合に、図25中に矢印H12Aで示すように、加工ヘッド30を一旦上方に退避させ、次に、走査方向H11と逆方向に所定距離だけ後退させギャップ制御により元のギャップに復帰させても良い。これにより、加工ヘッド30の後退時におけるワークWとの衝突を確実に回避することができる。
【0059】
(穴落ち防止機能)
ギャップ制御中にワークに有る穴の部分でギャップセンサ(加工ヘッド)が降下し、ワークテーブルと衝突することを防止する。具体的な手順は以下による。
(h1)ギャップ制御を行いながら高速走査で走査方向に走査する。
(h2)走査中にZ軸位置を監視し、Z軸位置が予め設定したZ軸下限値に到達した場合、加工ヘッド30の降下を停止させる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係るワーク端位置検出の機能によれば、本来平坦であるべきワークに傾斜した部分が存在するような状況においても正確にワーク端の位置を検出できる。
【0061】
以上、典型的な実施形態を用いて本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなしに、上述の各実施形態に変更及び種々の他の変更、省略、追加を行うことができるのを理解できるであろう。
【0062】
上述の実施形態で説明した構成は、ギャップセンサを搭載した加工ヘッドにより各種加工を実行する様々な産業機械に適用することができる。
【0063】
図3に示した制御装置の機能構成は例示であり、その機能ブロックの全てが必須の構成要素というわけではない。例えば、ワーク端検出部13、ワーク反り検出部14の各々が変化量取得部12の機能を含んでいるような機能ブロックの構成も有り得る。
【0064】
上述した実施形態で説明したワーク端検出処理、その他の各種機能を実現する手順を実行するプログラムは、コンピュータに読み取り可能な各種記録媒体(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、磁気記録媒体、CD-ROM、DVD-ROM等の光ディスク)に記録することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 制御装置
11 制御部
12 変化量取得部
13 ワーク端検出部
14 ワーク反り検出部
20 サーボアンプ
30 加工ヘッド
31 ギャップセンサ
40 ギャップセンサ回路
50 各軸モータ
100 ワーク端位置検出装置
図1
図2
図3
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図5
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