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特許7509911電池モジュール、電池パック、装置及び故障処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】電池モジュール、電池パック、装置及び故障処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/572 20210101AFI20240625BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240625BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20240625BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240625BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20240625BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20240625BHJP
   H01M 50/517 20210101ALI20240625BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H01M50/572
H01M50/103
H01M50/503
H01M50/505
H01M50/51
H01M50/516
H01M50/517
H01M10/42 P
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022560269
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 CN2020083334
(87)【国際公開番号】W WO2021196217
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,イエ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シュエン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ディー
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ズオンジョーン
(72)【発明者】
【氏名】リュイ,ジエンシエン
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-205728(JP,A)
【文献】特開2014-157813(JP,A)
【文献】特開2004-319463(JP,A)
【文献】特開2003-132873(JP,A)
【文献】特開2010-192419(JP,A)
【文献】特開2012-069406(JP,A)
【文献】特開2014-032949(JP,A)
【文献】特開2017-139159(JP,A)
【文献】特表2022-549026(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0288345(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/10-50/198
H01M 10/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュールであって、
直列接続のための複数の電池ユニットであって、前記電池モジュールが故障した後、前記複数の電池ユニットは、故障電池ユニットと、前記故障電池ユニットに隣接する少なくとも一つの非故障電池ユニットとを含む複数の電池ユニットと、
前記故障電池ユニットと前記少なくとも一つの非故障電池ユニットを接続するための第の接続片であって、前記第2の接続片には、前記第2の接続片を案内して屈曲させ、第1の接続片を形成する曲げ案内部が設置され、前記第1の接続片は、第1の接続部と、前記第1の接続部に繋がる導電部とを含み、前記第1の接続部は、前記故障電池ユニットのハウジングに電気的に接続するためのものであり、前記導電部は、前記少なくとも一つの非故障電池ユニットに電気的に接続して、前記電池モジュールの作動を回復させるためのものである第1の接続片とを含む、ことを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記ハウジングは、ケースと、前記ケースに繋がるトップカバーとを含み、
前記第1の接続部は、前記故障電池ユニットの前記ケース又は前記トップカバーに繋がるためのものである、ことを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記第1の接続部は、前記第1の接続部を前記故障電池ユニットの前記ハウジングに接続するように、前記導電部に対して、前記故障電池ユニットの前記ハウジングに向かって屈曲する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記第1の接続部と前記故障電池ユニットの前記ハウジングのうち、一方には突起部が設置されており、他方には凹部が設置されており、
前記突起部は前記凹部に繋がるためのものである、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記突起部は前記ハウジングに設置され、前記突起部は前記ハウジングから離れる方向に沿って突起し、
前記凹部は、前記第1の接続部に設置されるスルーホールであり、
ここで、前記突起部は、前記スルーホールに挿着するためのものである、ことを特徴とする請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記第1の接続部は、前記故障電池ユニットの前記ハウジングにカシメ又は溶接される、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記第1の接続部と前記導電部との間は、第2の接続部を介して接続される、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項8】
電池パックであって、請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュールと、
前記電池モジュールを収容するための筐体とを含む、ことを特徴とする電池パック。
【請求項9】
装置であって、請求項に記載の電池パックを含み、前記電池パックは、電気エネルギーを供給するためのものである、ことを特徴とする装置。
【請求項10】
故障電池ユニットを処理するための故障処理方法であって、
第1の接続部と導電部とを含む第1の接続片を形成するように、屈曲案内部に沿って第2の接続片を屈曲させることと、前記第2の接続片は故障電池ユニットを少なくとも一つの非故障電池ユニットに接続するように構成され、前記第1の接続部は前記故障電池ユニットのハウジングに電気的に接続されるように構成され、前記導電部は前記少なくとも一つの非故障電池ユニットに電気的に接続されるように構成されており、
前記第1の接続片の前記第1の接続部を前記故障電池ユニットの前記ハウジングに電気的に接続することを含む、ことを特徴とする故障処理方法。
【請求項11】
前記ハウジングは、ケースと、前記ケースに繋がるトップカバーとを含み、
前記故障電池ユニットに接続される接続片を前記故障電池ユニットのハウジングに電気的に接続する場合、前記故障処理方法は、
前記故障電池ユニットに接続される前記第1の接続片を前記故障電池ユニットのケース又はトップカバーに接続することを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の故障処理方法。
【請求項12】
前記第2の接続片は、破断案内部と接続部分とをさらに含み、
前記屈曲案内部に沿って前記第2の接続片を屈曲させる前に、前記故障処理方法は、
前記破断案内部を切断することをさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の故障処理方法。
【請求項13】
前記第1の接続部と前記故障電池ユニットのハウジングの両者のうち、一方には突起部が設置されており、他方には凹部が設置されており、
前記故障電池ユニットに接続される前記第1の接続片を前記故障電池ユニットのハウジングに電気的に接続する場合、前記故障処理方法は、
前記突起部と前記凹部を繋げることを含む、ことを特徴とする請求項1012のいずれか一項に記載の故障処理方法。
【請求項14】
前記突起部は前記ハウジングに設置され、前記凹部は前記第1の接続部に設置されるスルーホールであり、
前記突起部と前記凹部を繋げる場合、前記故障処理方法は、
前記突起部が前記スルーホールを通過するようにし、且つ導電材によって前記突起部と前記スルーホールとの間を繋げることを含む、ことを特徴とする請求項13に記載の故障処理方法。
【請求項15】
前記第2の接続片の、前記故障電池ユニットに接続される部分を屈曲させる前に、前記故障処理方法は、
前記故障電池ユニットの電極端子と、それに繋がる少なくとも一つの前記第2の接続片との接続を切断することをさらに含む、ことを特徴とする請求項1014のいずれか一項に記載の故障処理方法。
【請求項16】
前記故障電池ユニットの電極端子と、それに繋がる少なくとも一つの前記第2の接続片との接続を切断する前に、前記故障処理方法は、
前記第2の接続片と、それに繋がる前記非故障電池ユニットのハウジングとの間にスペーサブロックを置くことをさらに含む、ことを特徴とする請求項15に記載の故障処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エネルギー貯蔵デバイスの技術分野に関し、特に電池モジュール、電池パック、装置及び故障処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールは、互いに積み重ねる複数の電池ユニットを含み、且つ複数の電池ユニットが電気的に接続されることによって、電池モジュールの電気エネルギーの出力を実現し、電力消費機器に給電する。電池ユニットが故障する場合、電池モジュールの回路全体の故障を引き起こし、それによって電池モジュールが正常に作動できなくなる。
【発明の概要】
【0003】
本出願は、電池モジュール、電池パック、装置及び故障処理方法を提供し、該電池モジュールは、部材数が少なく、構造がシンプルであり、且つエネルギー密度が高い。
【0004】
本出願の実施例の第1の態様による電池モジュールは、
直列接続のための複数の電池ユニットであって、前記電池モジュールが故障した後、前記複数の電池ユニットは、故障電池ユニットと、前記故障電池ユニットに隣接する少なくとも一つの非故障電池ユニットとを含む複数の電池ユニットと、
前記故障電池ユニットと前記少なくとも一つの非故障電池ユニットを接続するための第1の接続片であって、前記第1の接続片は、第1の接続部と、前記第1の接続部に繋がる導電部とを含み、前記第1の接続部は、前記故障電池ユニットのハウジングに電気的に接続するためのものであり、前記導電部は、前記少なくとも一つの非故障電池ユニットに電気的に接続して、前記電池モジュールの作動を回復させるためのものである第1の接続片とを含む。
【0005】
一可能な設計において、前記ハウジングは、ケースと、前記ケースに繋がるトップカバーとを含み、
前記第1の接続部は、前記故障電池ユニットの前記ケース又は前記トップカバーに接続するためのものである。
【0006】
一可能な設計において、前記第1の接続部は、前記第1の接続部を前記故障電池ユニットの前記ハウジングに接続するように、前記導電部に対して、前記故障電池ユニットの前記ハウジングに向かって屈曲する。
【0007】
一可能な設計において、前記第1の接続部と前記故障電池ユニットの前記ハウジングのうち、一方には突起部が設置されており、他方には凹部が設置されており、
前記突起部は前記凹部に繋がるためのものである。
【0008】
一可能な設計において、前記突起部は前記ハウジングに設置され、前記突起部は前記ハウジングから離れる方向に沿って突起し、
前記凹部は、前記第1の接続部に設置されるスルーホールであり、
ここで、前記突起部は、前記スルーホールに挿着するためのものである。
【0009】
一可能な設計において、前記第1の接続部は、前記故障電池ユニットの前記ハウジングにカシメ又は溶接される。
【0010】
一可能な設計において、前記第1の接続部と前記導電部との間は、第2の接続部を介して接続される。
【0011】
一可能な設計において、前記電池モジュールは、少なくとも二つの前記非故障電池ユニットを接続するための第2の接続片をさらに含み、
前記第2の接続片には、屈曲が発生し且つ相対的に屈曲する前記第1の接続部と前記導電部を形成するように前記第2の接続片を案内するための屈曲案内部が設置されている。
【0012】
本出願の実施例の第2の態様による電池パックは、上述した電池モジュールと、
前記電池モジュールを収容するための筐体とを含む。
【0013】
本出願の実施例の第3の態様による装置は、電気エネルギーを提供するための上述した電池パックを含む。
【0014】
本出願の実施例の第4の態様による故障処理方法は、故障電池ユニットを処理するための故障処理方法であって、前記故障処理方法は、
前記故障電池ユニットに接続される接続片を前記故障電池ユニットのハウジングに電気的に接続することを含む。
【0015】
一可能な設計において、前記ハウジングは、ケースと、前記ケースに繋がるトップカバーとを含み、
前記故障電池ユニットに接続される接続片を前記故障電池ユニットのハウジングに電気的に接続する場合、前記故障処理方法は、
前記故障電池ユニットに接続される前記接続片を前記故障電池ユニットのケース又はトップカバーに接続することを含む。
【0016】
一可能な設計において、前記故障電池ユニットに接続される前記接続片を前記故障電池ユニットのハウジングに電気的に接続する前に、前記故障処理方法は、
前記故障電池ユニットに接続される前記接続片を屈曲させ、且つ屈曲後に、前記故障電池ユニットのハウジングに接続するための第1の接続部を形成することをさらに含む。
【0017】
一可能な設計において、前記接続片は屈曲案内部を含み、
前記故障電池ユニットに接続される前記接続片を前記故障電池ユニットのハウジングに接続する前に、前記故障処理方法は、
前記第1の接続部と前記導電部を形成するように、前記屈曲案内部に沿って前記接続片を屈曲させることをさらに含む。
【0018】
一可能な設計において、前記接続片は、破断案内部と接続部分とをさらに含み、
前記屈曲案内部に沿って前記接続片を屈曲させる前に、前記故障処理方法は、
前記破断案内部を切断することをさらに含む。
【0019】
一可能な設計において、前記第1の接続部と前記故障電池ユニットのハウジングの両者のうち、一方には突起部が設置されており、他方には凹部が設置されており、
前記故障電池ユニットに接続される前記接続片を前記故障電池ユニットのハウジングに電気的に接続する場合、前記故障処理方法は、
前記突起部と前記凹部を繋げることを含む。
【0020】
一可能な設計において、前記突起部は前記ハウジングに設置され、前記凹部は前記第1の接続部に設置されるスルーホールであり、
前記突起部と前記凹部を繋げる場合、前記故障処理方法は、
前記突起部が前記スルーホールを通過するようにし、且つ導電材によって前記突起部と前記スルーホールとの間を繋げることを含む。
【0021】
一可能な設計において、前記故障電池ユニットに接続される前記接続片を屈曲させる前に、前記故障処理方法は、
前記故障電池ユニットの電極端子と、それに繋がる少なくとも一つの前記接続片との接続を切断することをさらに含む。
【0022】
一可能な設計において、前記故障電池ユニットの電極端子と、それに繋がる少なくとも一つの前記接続片との接続を切断する前に、前記故障処理方法は、
前記接続片と、それに繋がる前記非故障電池ユニットのハウジングとの間にスペーサブロックを置くことをさらに含む。
【0023】
該電池モジュールにおいて、他の部材を増設して故障電池ユニットの電極端子に接続することなく、電池モジュールの元々ある接続片に対して該当する操作を行えばよく、それによって電池モジュールの部材数を減少させ、電池モジュールの構造の複雑さを低減することができるとともに、電池モジュールの正常な使用を確保することができる。
【0024】
理解すべきこととして、以上の一般的な記述と以下の詳細な記述は、例示的なものに過ぎず、本出願を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一つの具体的な実施例における本出願による装置の構造概略図である。
図2】一つの具体的な実施例における図1の電池パックの構造概略図である。
図3】一つの具体的な実施例における図2の電池モジュールの平面図である。
図4図3のA-A矢視断面図である。
図5図4のI部分の局所拡大図である。
図6】第1種の具体的な実施例における図2の電池モジュールの局所構造概略図である。
図7】第2種の具体的な実施例における図2の電池モジュールの局所構造概略図である。
図8】第3種の具体的な実施例における図2の電池モジュールの局所構造概略図である。
図9】第4種の具体的な実施例における図2の電池モジュールの局所構造概略図である。
図10】第5種の具体的な実施例における図2の電池モジュールの局所構造概略図である。
図11図10の第1の接続片の構造概略図である。
図12図3のB-B矢視断面図である。
図13図12のII部分の局所拡大図である。
図14図12の第2の接続片の構造概略図である。
図15】第6種の具体的な実施例における図2の電池モジュールの局所構造概略図である。
図16図15の側面図である。
図17】第7種の具体的な実施例における図2の電池モジュールの局所構造概略図である。
図18】本出願の実施例によるワイドチゼルの構造概略図である。
図19】本出願の実施例によるナローチゼルの構造概略図である。
【0026】
ここでの図面は明細書に合併して本明細書の一部を構成し、本出願に合致する実施例を示し、かつ明細書と共に本出願の原理を解釈するためのものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本出願の技術案をよりよく理解するために、以下では、図面を結合して本出願の実施例に対して詳細に説明する。
【0028】
説明する実施例は、本出願の全ての実施例でなく、その一部の実施例のみであることは明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をすることなく得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0029】
本出願の実施例において使用される用語は特定の実施例を説明する目的を果たすに過ぎず、本出願を制限するものではない。本出願の実施例と添付される特許請求の範囲に使用される単数形式の「一種の」、「前記」と「該」は複数形式を含むことを目的とするが、文脈に他の意味を明確に表示する場合は除外される。
【0030】
理解すべきこととして、本明細書における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、3つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本文における「/」という文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0031】
注意すべきこととして、本出願実施例に記述された「上」、「下」、「左」、「右」などの方位用語は図面に示す角度で記述されたものであり、本出願の実施例を限定するものとして理解すべきではない。なお、文脈上では、さらに理解すべきこととして、1つの素子が別の素子の「上」又は「下」に接続されると言及した時、それは別の素子の「上」又は「下」に直接に接続することができるだけではなく、中間素子を介して別の素子の「上」又は「下」に接続することができる。
【0032】
本出願の実施例は、電池ユニットを電源として使用する装置、電池パックと電池モジュールを提供し、ここで、装置は、車両、船舶、小型飛行機などの移動体機器であってもよく、ここで、装置は、動力源を含み、該動力源は装置に駆動力を提供するためのものであり、且つ該動力源は装置に電気エネルギーを提供する電池モジュールとして構成されてもよい。ここで、該装置の駆動力は、全て電気エネルギーであってもよいし、電気エネルギーと他のエネルギー(例えば、機械エネルギー)を含んでもよく、該動力源は電池モジュール(又は電池パック)であってもよい。また、該装置は、さらに電池ケースなどのエネルギー貯蔵機器であってもよく、該電池ケースが複数の電池モジュール(又は電池パック)を含んでもよく、それによって該電池ケースは電気エネルギーを出力することができる。そのため、電池ユニットを電源として使用することができる装置であれば、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0033】
図1に示すように、車両を例として、本出願の実施例における装置Dは新エネルギー自動車であってもよく、該新エネルギー自動車は純電気自動車であってもよく、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。ここで、該車両は電池パックMと車両本体とを含んでもよく、該電池パックMは車両本体に設置され、該車両本体には駆動モータがさらに設置されており、且つ駆動モータは電池パックMに電気的に接続され、電池パックMにより電気エネルギーを提供し、駆動モータは伝動機構を介して車両本体上の車輪に接続され、それによって車両を走行するように駆動する。具体的には、該電池パックMは車両本体の底部に水平に設置されてもよい。
【0034】
図2に示すように、電池パックMは筐体M1と本出願の電池モジュールM2とを含み、ここで、筐体M1は収容キャビティM13を有し、電池モジュールM2は該収容キャビティM13内に収容され、電池モジュールM2の数は一つ又は複数であってもよく、複数の電池モジュールM2は、収容キャビティM13内に並べて配置される。筐体M1のタイプは制限されず、枠状筐体、盤状筐体又はボックス状筐体などであってもよい。具体的には、図2に示すように、該筐体M1は、電池モジュールM2を収容する下筐体M12と、下筐体M12とカバーし合う上筐体M11とを含んでもよい。
【0035】
説明すべきこととして、本明細書に言及される厚さ方向X、長手方向Yと高さ方向Zは電池ユニットを基準として定義されたものであり、ここで、厚さ方向Xは電池ユニットの厚さ方向を指し、高さ方向Zは電池ユニットにおける電極端子の延伸方向を指し、長手方向Yは上記厚さ方向Xと高さ方向Zに垂直な方向(三者は実質的に垂直である)であり、即ち長手方向Yは、厚さ方向Xと高さ方向Zによって形成された平面に垂直である。
【0036】
ここで、該電池モジュールは、複数の電池ユニットと、電池ユニットを固定するためのフレーム構造とを含み、ここで、複数の電池ユニットは厚さ方向Xに沿って互いに積み重ねてもよい。該フレーム構造はエンドプレートを含んでもよく、エンドプレートは、電池ユニットの、厚さ方向Xに沿う二つの端部に位置し、厚さ方向Xに沿う電池ユニットの移動を制限するためのものであり、また、一具体的な実施例において、該フレーム構造は側板をさらに含んでもよく、二つの側板は電池ユニットの、長手方向Yに沿う両側に位置し、且つ該側板はエンドプレートに接続され、それによってフレーム構造を形成し、別の実施例において、該フレーム構造は、側板を設置しなくてもよく、電池ユニットが積み重ねた後、第1の結束バンドを介して接続されるか又は第1の結束バンドと第2の結束バンドを介して接続され、該エンドプレートと結束バンドは上記フレーム構造を形成する。また、一具体的な実施例において、電池パックは筐体と複数の電池ユニットとを含んでもよく、ここで、筐体は収容キャビティを有し、複数の電池ユニットは、該収容キャビティ内に位置し、且つ筐体に接続されてもよく、具体的には、電池ユニットは接着剤によって筐体の内壁に接着されてもよい。
【0037】
電極端子は、極性が逆である第1の電極端子と第2の電極端子とを含み、電池モジュール又は電池パックにおいて、複数の電池ユニット同士は電気的に接続され、電池モジュール又は電池パックの回路を形成し、各電池ユニット同士は、具体的には直列接続の接続方式を用いてもよく、且つ電池ユニット同士は接続片を介して接続されてもよく、例えば、電池ユニットが直列接続される場合、一電池ユニットの第1の電極端子と別の電池ユニットの第2の電極端子は接続片を介して接続される。
【0038】
該電池モジュールの作動中において、各電池ユニットは絶えず充放電し、電池ユニットが故障する(例えば、容量が異常に減衰する)という問題により、該電池ユニットは正常に作動できなくなり、そのため、本明細書において、故障して正常に作動できない電池ユニットを故障電池ユニットとして定義し、故障しておらず正常に作動できる電池ユニットを非故障電池ユニットとして定義する。この場合、該電池モジュール又は電池パックに故障電池ユニットが一つ又は複数存在するため、その回路が故障して、正常に給電できなくなり、これは電池モジュール又は電池パックが故障したことである。該技術的問題を解決するために、本出願は、電池モジュールの回路から故障電池ユニットを取り除き、回路を改めて形成することにより、該技術的問題を解決する。
【0039】
説明すべきこととして、本出願の実施例に言及される電池ユニットは以下の二つの状況を含んでもよい。第1種の状況として、該電池モジュールが複数の電池セルにより直列接続される場合、本出願の実施例における電池ユニットは単一の電池セルであってもよく、それに応じて、故障電池ユニットはそのうちの一つの故障した電池セルであってもよい。第2種の状況として、当該電池モジュールが、二つ以上の電池セルを並列接続して形成した並列接続群を少なくとも一つ含む場合、本出願の実施例における電池ユニットは一つの並列接続群であってもよく、それに応じて、故障電池ユニットはそのうちの一つの並列接続群であり、且つ該並列接続群には少なくとも一つの故障した電池セルが含まれる。
【0040】
また、本出願の実施例に関わる電池ユニットは、パウチセルであってもよいし、角形電池又は円筒形電池などであってもよい。
【0041】
上記技術的問題を解決するために、図3に示すように、電池モジュールM2は第1の接続片2Aを含み、該第1の接続片2Aは、互いに接続される第1の接続部23と導電部26を含み、ここで、該第1の接続部23と導電部26との間は直接に接続されてもよいし、他の部材を介して間接的に接続されてもよく、両者の間の接続を実現できればよい。
【0042】
本実施例において、電池モジュールM2が故障した後、複数の直列接続される電池ユニット1は、故障電池ユニット13と、故障電池ユニット13に隣接する少なくとも一つの非故障電池ユニット14を含んでもよく、ここで、「隣接」は、非故障電池ユニット14が故障電池ユニット13に物理的に隣接し、即ち両者の間に他の電池ユニットがなく(両者の間に断熱マット、クッションなどの構造が存在してもよい)、非故障電池ユニット14が故障電池ユニット13に電気的に隣接することを含み、電気的隣接とは、電流の流れ方向に沿って、同一の接続片に接続される電池ユニットが電気的に隣接し、且つ電池ユニットが電気的に隣接する場合、同一の接続片に接続される二つの電池ユニットの間に他の電池ユニットが存在してもよく、即ち該接続片が少なくとも一つの電池ユニットに亘っており、この場合、電気的に隣接する二つの電池ユニットが物理的接続を満たさないことを指す。
【0043】
上記第1の接続片2Aの第1の接続部23は、故障電池ユニット13のハウジング12に電気的に接続するためのものであり、導電部26は、少なくとも一つの非故障電池ユニット14(該非故障電池ユニット14は故障電池ユニット13に隣接する)に電気的に接続するためのものである。第1の接続片2Aを故障電池ユニット13のハウジング12に電気的に接続する場合、該第1の接続片2Aによって該故障電池ユニット13を短絡させることによって、電池モジュールM2の作動を回復させることができる。
【0044】
従来の設計において、電池パックにおけるある電池ユニットが故障した場合、人々が想到し得ることは、この故障電池ユニットを置き換え、又は、メンテナンス効率を向上させるために、電池モジュール全体を交換してメンテナンスすることである。そのため、メンテナンスプロセスにおいて、故障した電池パック(故障電池ユニットを含む電池パック)を工場に返品して、対応する電池ユニット又は電池モジュールをマッチングし、又は対応する電池ユニットの型番又は電池モジュールの型番をメーカに送信する必要がある。このプロセスは長い待ち時間がかかり、リソースの最適化の実現に不利である。
【0045】
上記処理方式は多くの分野の処理方式に合致し、即ち、故障した部材又は構造を交換することによって、構造全体の作動を回復させる。そのため、多くの分野のメンテナンス拠点において、故障しやすい部材のサンプルを用意し、簡単な関連検査機器を用意する。故障しにくい部材が故障し、又は、保存及び置かれにくい部材が故障した場合、メンテナンス拠点は、メーカから部材を調達しないと、部材の交換メンテナンスを実現できない。複雑なメンテナンス方式に遭遇すると、該当する技術者の技術的サポートをメーカから要求する必要もある。
【0046】
電池分野において、電池パックの故障部材のうち電池ユニットが大きな割合を占めるが、電池ユニットのサンプルの用意には多くの困難があるとともに、電池ユニットが長時間に置かれることができる部材ではなく、その理由は以下のとおりである。1.現在の電池ユニットの型番が多く、サイズの区別、容量の区別、化学系の区別、構造の区別などがあり、2.電池ユニットが長時間に置かれると、自己放電し、時間が長いほど、電池ユニットの正負極端子の間の容量のバランスが徐々に崩れて深刻化になり、3.長時間に置かれる場合、電解質の分解反応によっても不可逆的な容量損失を若干累積する。また、電池ユニットの保存条件への要求も高く、環境要素を無視すると、電池ユニットの自己放電は加速する可能性もある。
【0047】
型番の問題がなく、全ての電池ユニットが同じ構造を用いても、電池ユニットを長時間に貯蔵した後に改めて使用しようとする場合、電池ユニットの容量及び自己放電レートなどのパラメータを改めて測定する必要がある。しかし、一般的なメンテナンス拠点において、このようなテスト条件がなく、操作者も専門の分析能力を持たず、改めてテストされていない電池ユニットはメンテナンス後の電池パックの正常な作動を確保することができない。また、電池型番の問題を加え、各メンテナンス拠点において、異なる型番の電池ユニットを保存する必要があるだけでなく、関連検査機器及び対応する技術者も必要とする。そのため、メンテナンス拠点において、電池ユニットを交換するという上記メンテナンス方式を実現することは困難である。
【0048】
そのため、現在、電池パックのメンテナンス効率を向上させるために、操作者は電池パックの故障した電池モジュール(故障した電池モジュールとは故障電池ユニットを含む電池モジュールを指す)を交換し、該方式はメンテナンスを迅速に実現することができる。しかしながら、一つ電池モジュールは複数の電池ユニットを含み、極めて稀なケースで、一つの電池モジュールの全ての電池ユニットはいずれも故障し、通常のケースでは、一つの電池モジュールの少量の電池ユニットのみが故障する(例えば、一つのみの電池ユニットが故障する)と、電池モジュールが正常に作動できなくなり、この場合、電池モジュール全体を交換することはリソースを無駄遣いしてしまう。
【0049】
さらに、新たな電池モジュールに交換することは電池のバランスにも大きい問題がある。正常に使用される場合、電池パックの容量が減衰するが、新たに交換された電池モジュールと古い電池モジュールの容量には一致しない問題がある。バレルの原則によれば、電池パックの容量は容量が最も低い電池モジュールによって決められるため、新たに交換された電池モジュールは構造において良い役割を果たすことができず、また、古い電池モジュールは容量の減衰のため、毎回満充電満放電になり、古い電池モジュールの耐用年数の到来を加速し、また、古い電池モジュールの内部抵抗は新たに交換された電池モジュールより大きく、且つ該古い電池モジュール及び新たに交換された電池モジュールに同じ電流が流れ、この場合、内部抵抗が大きい古い電池モジュールの発熱量は多く、即ち、該古い電池モジュールは、電池ユニットの温度が高く、その電池ユニットの劣化速度が加速し、それによって古い電池モジュールの内部抵抗をさらに増大させる。そのため、電池ユニットの内部抵抗及び温度上昇は一対の負帰還を形成し、高い内部抵抗の電池ユニットの劣化を加速させる。
【0050】
一方、電力消費機器の回路については、短絡であろうと、遮断であろうと、いずれも回路が故障したことである。現在、短絡の使用において、主に短絡によってヒューズの溶断又は他のテスト機器の負荷などを実現する。しかしながら、該当する構造に導電部材を増設することによって故障電池ユニットを短絡させる人はおらず、これは、単純な認識から見れば大きな問題があり、目標を達成することもできないと考えられるからであるが、電池モジュール全体において、そのうちの一つの電池ユニットを短絡させても、容量が大幅に変化せず、それによって電池パックの正常な使用が確保される。
【0051】
本実施例において、図4に示すように、故障電池ユニット13の正極端子111と負極端子112が第1の接続片2Aを介してハウジングに接続されることによって、該故障電池ユニット13を短絡させ、該故障電池ユニット13が電池モジュールの充放電プロセスに関与しないようにし、即ち該故障電池ユニット13は該電池モジュールの回路に影響を与えない。そのため、電池モジュールの作動中に、ある一つ又は複数の故障電池ユニット13が存在する場合、各故障電池ユニット13に接続される第1の接続片2Aを故障電池ユニット13のハウジングに接続すればよく、電池モジュール全体を交換する必要がなく、該電池モジュールが車両に応用される場合、該車両は4S店で直接にメンテナンスでき、車全体を工場に返品して処理する必要がなく、又は新たな電池パックを交換する必要がなく、それによって電池モジュールのメンテナンス効率を向上させ、且つメンテナンスフローを簡略化し、メンテナンスコストを削減する。それとともに、上記処理を行った後、該電池モジュールにおいて、少量の電池セル(故障電池ユニット13の電池セル)のみが回路の形成に関与せず、該電池モジュールの電池容量が大幅に低減することもなく、それによって電池モジュール及び電池パックは正常に作動できる。
【0052】
それとともに、電池ユニットを構造接着剤によって筐体の収容キャビティに接着する構造については、ある電池ユニットが故障した場合、該故障電池ユニットを収容キャビティ内から取り外すという操作の実現が困難であるため、本実施例における処理方式は、操作しやすく、効率が高いという利点を有する。
【0053】
また、該電池モジュールにおいて、他の部材を増設し接続して故障電池ユニット13の短絡を実現ことなく、電池モジュールの元々ある接続片に対して該当する操作を行えばよく、それによって電池モジュールの部材数を減少させ、電池モジュールの構造の複雑さを低減することができ、且つ該電池モジュールに高いエネルギー密度を持たせることができる。
【0054】
具体的には、図4に示すように、該故障電池ユニット13のハウジング12は、ケース122と、ケース122に繋がるトップカバー121とを含み、且つ該トップカバー121はケース122の開口に接続され、それによって電池ユニットの電極アセンブリと電解液を収容するためのキャビティを形成し、且つ第1の電極端子111と第2の電極端子112は該トップカバー121に設置される。これに基づき、該第1の接続片2Aの第1の接続部は、故障電池ユニット13のケース122又はトップカバー121に電気的に接続するためのものであり、それによって該第1の接続片2Aによって故障電池ユニット13の短絡を実現し、電池モジュールの作動を回復させることができる。
【0055】
また、当該第1の接続片2Aに二つ以上の第1の接続部23が設置されている場合、二つ以上の第1の接続部23は、一部が故障電池ユニット13のトップカバー121に接続するために用いられてもよく、他の一部が故障電池ユニット13のケース122に接続するために用いられてもよい。
【0056】
より具体的には、第1の接続部を介して故障電池ユニットのハウジングに接続する場合、第1の接続片の第1の接続部を、導電部に対して、故障電池ユニットのケース又はトップカバーに向かって屈曲させてもよく、それによって第1の接続部と故障電池ユニットのケース又はトップカバーとの間の接続の実現を容易にする。
【0057】
また、該第1の接続片に二つ以上の第1の接続部が設置されている場合、二つ以上の第1の接続部は、一部が故障電池ユニットのトップカバーに向かって屈曲し、他の一部が故障電池ユニットのケースに向かって屈曲してもよい。
【0058】
具体的には、図5に示す実施例において、該第1の接続片2Aの第1の接続部23は、導電部26に対して、故障電池ユニット13のトップカバー121に向かって屈曲し、それにより第1の接続部23は故障電池ユニット13のトップカバー121に電気的に接続するためのものである。それとともに、該第1の接続片2Aの導電部26が、該故障電池ユニット13に隣接する非故障電池ユニット14の電極端子11に電気的に接続するためのものであってもよいため、該第1の接続片2Aの第1の接続部23が故障電池ユニット13のトップカバー121に電気的に接続した後、一つの非故障電池ユニット14の電流が、該導電部26、第1の接続部23を経て故障電池ユニット13のトップカバー121へ流れ、次に別の第1の接続片2Aの第1の接続部23、導電部26を経て別の非故障電池ユニット14へ流れることによって、電池モジュールの機能を回復させる。
【0059】
本実施例において、第1の接続片2Aの第1の接続部23を故障電池ユニット13のトップカバー121の方向に向かって屈曲させることによって、第1の接続片2Aとトップカバー121との間の接続の実現を容易にすることができ、且つ両者の接続信頼性を向上させ、さらに電池モジュールの作動の信頼性を向上させることができる。
【0060】
図6に示す実施例において、さらに、第1の接続部23を故障電池ユニット13のケース122に接続することによって、第1の接続部23とハウジングとの接続を実現することもできる。具体的には、図6に示すように、電池ユニット1の長手方向Yに沿って、該第1の接続部23が故障電池ユニット13の端部に位置し、且つ該第1の接続部23が故障電池ユニット13のケース122に向かって屈曲することによって、該第1の接続部23を故障電池ユニット13のケース122に電気的に接続する。
【0061】
本実施例において、図6に示すように、該第1の接続片2Aは第1の接続部23と導電部26とを含み、該第1の接続部23は、導電部26に対して、電池ユニットの高さ方向Zに沿って屈曲し、且つ屈曲した後、該第1の接続部23は、ケース122の、電池ユニットの長手方向Yに沿う端部に位置し、ケース122に接続するためのものであるとともに、該導電部26は非故障電池ユニット14の電極端子に接続される。そのため、該第1の接続片2Aの第1の接続部23が故障電池ユニット13のケース122に電気的に接続された後、一つの非故障電池ユニット14の電流が該導電部26、第1の接続部23を経て故障電池ユニット13のケース122へ流れ、次に別の第1の接続片2Aの第1の接続部23、導電部26を経て別の非故障電池ユニット14へ流れることによって、電池モジュールの機能を回復させる。
【0062】
一具体的な実施例において、該第1の接続片の第1の接続部と故障電池ユニットのハウジングとのうち、一方には突起部が設置され、他方には凹部が設置され、該突起部と凹部が繋がることによって、第1の接続部と故障電池ユニットのハウジングとの間の接続を実現し、且つ該凹部と突起部の一方は故障電池ユニットのケース又はトップカバーに設置されてもよい。
【0063】
図7に示す実施例において、該故障電池ユニット13のトップカバー121には上記突起部121aが設置され、第1の接続片2Aの第1の接続部23には上記凹部231が設置され、該電池ユニットが故障した場合、凹部231と突起部121aとの嵌合によって、第1の接続片2Aとトップカバー121との間の接続を実現することができる。
【0064】
本実施例において、該故障電池ユニット13の電極端子11に接続される接続片2とトップカバー121との間に一定の高さ差があり、本実施例において、突起部121aの設置によって、第1の接続片2Aとトップカバー121との間の接続の実現を容易にすることによって、第1の接続片2Aとトップカバー121との接続強度を確保することができ、第1の接続片2Aとトップカバー121との接続を正確に実現することもできる。
【0065】
また、図7に示すように、電池ユニットの高さ方向Zに沿って、該第1の接続片2Aの第1の接続部23は、導電部26に対して、トップカバー121の方向に向かって屈曲し、即ち電池ユニットの高さ方向Zに沿って、導電部26に対して、該第1の接続部23とトップカバー121との間の距離はより小さくなる。第1の接続片2Aの導電部26とトップカバー121との間に一定の高さ差があるため、第1の接続部23がトップカバー121の方向に向かって屈曲する場合、該第1の接続部23とトップカバー121との間の高さ差を減少させることによって、両者の接続の実現を容易にすることができる。
【0066】
具体的には、第1の接続部23と導電部26との間の相対的屈曲の実現を容易にするために、両者の間に屈曲案内部(例えば、折り目)を設置してもよく、故障処理を行う場合、屈曲案内部に沿って屈曲させるだけで上記第1の接続部23と導電部26を形成することができ、第1の接続部23と導電部26との間の相対的屈曲を実現することに有利であり、それによって第1の接続部23とトップカバー121との間の正確な接続の実現を容易にする。
【0067】
説明すべきこととして、第1の接続片の第1の接続部が故障電池ユニットのケースに接続される場合、該第1の接続部とケースのうちの一方には上記突起部が設置されてもよく、他方には上記凹部が設置されてもよい。
【0068】
一具体的な実施例において、図7に示すように、該突起部121aは故障電池ユニット13のトップカバー121に設置され、電池ユニット1の高さ方向Zに沿って、該突起部121aはトップカバー12から離れる方向に沿って突起し、即ち該突起部121aは上向きに突起し、第1の接続片2Aに近い。それに応じて、第1の接続片2Aの第1の接続部23にはスルーホール231aが設置されており、スルーホール231aは上記凹部231であり、この場合、該突起部121aの少なくとも一部が対応するスルーホール231aに位置し、且つスルーホール231aと嵌合することによって、トップカバー121と第1の接続片2Aとの間の接続を実現する。それとともに、トップカバー121と第1の接続片2Aを接続するプロセスにおいて、該スルーホール231aは、さらに、トップカバー121と第1の接続片2Aを予め位置決めするという役割を果たすことができ、それによって両者の迅速な取り付けの実現を容易にすることができる。
【0069】
無論、上記凹部231は、必ずしも穴状構造(高さ方向Zに沿って、凹部231は第1の接続部23を貫通する)である必要はなく、さらに凹溝構造であってもよく、即ち高さ方向Zに沿って、該凹部231は第1の接続部23を貫通しなくてもよい。また、該突起部121aは、円柱体構造であってもよいし、直方体又は錐体などの他の形状の構造であってもよく、突起部121aとスルーホール231aとの嵌合を実現できればよい。
【0070】
ここで、図7に示すように、該突起部121aとスルーホール231aとの嵌合方式は、具体的には以下のとおりであってもよい。突起部121aがスルーホール231aの側壁と締まりばめすることによって、両者の接続を実現し、又は、突起部121aには係合溝が設置されてもよく、突起部121aがスルーホール231aを通過する場合、第1の接続部23の一部が該係合溝内に位置することによって、該係合溝の側壁により、突起部121aと第1の接続部23との、電池ユニットの高さ方向Zに沿う相対的移動を制限し、さらに突起部121aとスルーホール231aとの接続を実現し、さらに又は、該突起部121aがスルーホール231aを通過した後、突起部121aの、第1の接続部23から突出する部分に圧力を加えて、それを変形させ、且つ第1の接続部23の上端面に当接させることによって、突起部121aとスルーホール231aとの間の接続を実現する。
【0071】
本実施例において、スルーホール231aと突起部121aが嵌合した後、第1の接続部23とトップカバー121との間は(突起部121aに直接に接触することにより)直接に接触する。
【0072】
別の具体的な実施例において、スルーホール231aの径方向に沿って、該突起部121aと対応するスルーホール231aとの間に予め設定される隙間があり、突起部121aとスルーホール231aの側壁との間は導電材を介して接続される。例えば、突起部121aとスルーホール231aの側壁との間は溶接され、又は導電性接着剤によって接続され、又は溶融したスズ、アルミニウムなどの金属を注入することによって接続されてもよい。両者が溶接される場合、はんだが突起部121aとスルーホール231aとの間の予め設定される隙間内に位置することによって、両者が接続され、且つ両者の間の電気的導通が可能であり、両者が導電性接着剤によって接続される場合、導電性接着剤が突起部121とスルーホール231aとの間の予め設定される隙間内に位置することによって、両者が接続され、且つ両者の間の電気的導通が可能であり、両者が溶融した金属によって接続される場合、溶融した金属が冷却した後に突起部121aとスルーホール231aとの間の予め設定される隙間内に位置することによって、両者が接続され、且つ両者の間の電気的導通が可能である。
【0073】
また、以上の各実施例において、トップカバー121と第1の接続片2Aとの間が突起部121aとスルーホール231aを介して接続される場合、電池ユニットの高さ方向Zに沿って、該第1の接続部23の底面とトップカバー121の頂面との間は接触してもよいし、接触しなくてもよく、両者が接触する場合、両者の間は導電性接着剤などの導電材によって接続されてもよく、第1の接続片2Aとトップカバー121との間の接続面積を増大させることによって、両者の接続強度の向上及び通電面積の増加を図ることができる。
【0074】
第1の接続部23と故障電池ユニット13のハウジング12との間は、上記接続方式の他、さらに、以下に記載の方式を用いて接続されてもよい。
【0075】
一具体的な実施例において、図8に示すように、該第1の接続片2Aの第1の接続部23は故障電池ユニット13のハウジング12にカシメられ、具体的には、該第1の接続部23は故障電池ユニット13のトップカバー121にカシメられる。
【0076】
図8に示すように、該第1の接続片2Aは導電部26と第1の接続部23とを含み、且つ該第1の接続部23は、第1の接続片2Aを屈曲させた後に形成された構造であってもよく、該第1の接続部23は、故障電池ユニット13のハウジング12(例えば、トップカバー121又はケース122)に電気的に接続するためのものであり、該導電部26は、該故障電池ユニット13に隣接する非故障電池ユニット14に電気的に接続される(該導電部26は、具体的には、非故障電池ユニット14の電極端子11に電気的に接続され得る)。本実施例において、該第1の接続部23と故障電池ユニット13のハウジング12との間は、さらに接続部材27を介してカシメられてもよく、それによって第1の接続部23とハウジング12との間の接続信頼性を向上させ、さらに電池モジュールの作動安定性を向上させることができる。
【0077】
具体的には、該接続部材27は、具体的には、リベットであってもよく、且つ第1の接続部23と故障電池ユニット13のハウジング12との間は複数のリベットによって接続されてもよい。
【0078】
本実施例において、第1の接続部23とハウジング12との間がカシメられる場合、熱源を追加することなく両者の間の接続を可能にし、それによって熱源を導入する時に温度が高すぎて電池ユニットに損傷を与えるリスクを回避するとともに、カシメの方式を用いることは、操作が簡単であり、メンテナンスコストが低く且つメンテナンス作業者に対する要求が相対的に低いという利点も有する。
【0079】
別の具体的な実施例において、図9に示すように、該第1の接続片2Aの第1の接続部23は、故障電池ユニット13のハウジング12に溶接され、具体的には、該第1の接続部23は、故障電池ユニット13のトップカバー121に溶接される。
【0080】
図9に示すように、該第1の接続片2Aは導電部26と第1の接続部23とを含み、且つ該第1の接続部23は、第1の接続片2Aを屈曲させた後に形成された構造であってもよく、該第1の接続部23は、故障電池ユニット13のハウジング12(例えば、トップカバー121又はケース122)に電気的に接続するためのものであり、該導電部26は、該故障電池ユニット13に隣接する非故障電池ユニット14に電気的に接続される(該導電部26は、具体的には、非故障電池ユニット14の電極端子11に電気的に接続され得る)。本実施例において、該第1の接続部23と故障電池ユニット13のハウジング12との間はさらに溶接されてもよく、いくつかの実施例において、高温溶接ヘッドによって第1の接続片2Aと故障電池ユニット13のハウジング12を圧着してもよい。
【0081】
本実施例において、第1の接続部23とハウジング12との間が溶接される場合、両者の機械的接続と電気的接続の信頼性がいずれも高く、それによって電池モジュールの作動信頼性を向上させる。それとともに、第1の接続部23とハウジング12との溶接プロセスに金属屑が発生することがなく、それによってメンテナンス中に発生した金属屑が電池モジュール内部に入って短絡を引き起こすリスクを回避することができる。また、第1の接続部23とハウジング12との間を溶接する場合、第1の接続部23とハウジング12での開穴を回避することによって、故障電池ユニット13の不動態化又は開穴からの電解液の液漏れを回避することができる。
【0082】
又は、該第1の接続片2Aの第1の接続部23と故障電池ユニット13のハウジング12との間は、溶接するとともにカシメるという方式によって接続されてもよく、それによって両者の接続信頼性をさらに向上させる。
【0083】
以上の各実施例において、図5~9に示すように、該第1の接続片21Aは第2の接続部24をさらに含んでもよく、ここで、該第2の接続部24は、故障電池ユニット13の電極端子11に電気的に接続するためのものである。具体的には、該第2の接続部24にはビア241が設置されており、電極端子11は、該ビア241を通過した後、該接続片に接続することができ、両者は、具体的に、溶接の方式で接続されてもよい。
【0084】
故障していない電池モジュールにとっては、複数の電池ユニットの直列接続を実現するために、該電池モジュールにおける接続片は、直列接続すべき電池モジュールの電極端子に電気的に接続する必要がある。そのため、該電池モジュールが故障電池ユニット13を含み、メンテナンス処理を行う必要がある場合、該故障電池ユニット13に繋がる第1の接続片2Aを処理して、該第1の接続片2Aを故障電池ユニット13のハウジング12に電気的に接続するだけでよく、処理した後、該第1の接続片2Aは、依然として故障電池ユニット13の電極端子11に接続し、且つ該故障電池ユニット13に隣接する非故障電池ユニット14の電極端子11に接続することができ、即ち該第1の接続片2Aは、故障電池ユニット13の電極端子11に電気的に接続される第2の接続部24をさらに含む。
【0085】
本実施例において、該電池モジュールの接続片自体が高い延性を有するため、その自体の延性の作用で、第1の接続片2Aに対する屈曲を実現することができ、それによって該第1の接続片2Aと故障電池ユニット13のハウジング12との間の接続の実現を容易にすることができる。また、該接続片の厚さが小さいほど、その延性が高く、それによって第1の接続片2Aの屈曲の実現をより容易にすることができるが、第1の接続片2Aの厚さが小さすぎる場合、強度と鋼性が低くなり、破断するリスクが存在する。そのため、上記二つの方面の要素を総合的に考慮して接続片の厚さを合理的に選択して、それが高い構造強度を有し、且つ屈曲しやすいことを可能にする。ここで、該接続片は、具体的には、ストリップ状構造であってもよく、又は、さらに他の形状の構造であってもよい。
【0086】
また、本実施例において、故障電池ユニット13に接続される接続片が完全な構造を維持し、該接続片に対してせん断と取り外し操作を行う必要がなく、それによってせん断と取り外しプロセスにおける金属微粒子の発生を回避し、さらに金属微粒子が電池モジュールに入って短絡を引き起こすことを回避することができる。
【0087】
別の具体的な実施例において、図10に示すように、該第1の接続片2Aは第1の接続部23と導電部26とを含み、故障電池ユニット13の電極端子11に接続される上記第2の接続部を含まない。
【0088】
本実施例において、電池モジュールの接続片の厚さが大きく、延性が小さい場合、接続片自体の延性のみによって第1の接続片2Aの屈曲を実現することが困難であり、且つ屈曲中において、該第1の接続片2Aと電極端子11との接続位置に大きい引っ張り力があり、該引っ張り力の作用で、第1の接続片2Aと非故障電池ユニット14の電極端子11との間の接続が故障するリスクが存在する。第1の接続片2Aの屈曲の実現を容易にし、且つ非故障電池ユニット14の電極端子11と第1の接続片2Aの導電部26との間の接続信頼性を確保するために、第1の接続片2Aを屈曲させる前に、故障電池ユニット13の電極端子11に接続される第2の接続部を取り外す(例えば、切り落とす)ようにしてもよい。
【0089】
該実施形態において、第2の接続部を取り外した第1の接続片2Aはより屈曲しやすく、且つ屈曲中において、導電部26と非故障電池ユニット14の電極端子11との間に対する引っ張り力が小さく、接続信頼性を向上させることができる。また、第2の接続部を取り外した場合、さらに、電池モジュールの重量を低減し、エネルギー密度を向上させることができる。
【0090】
図5~10に示す実施例において、該第1の接続片2Aにおける第1の接続部23と導電部26との間は直接に接続され、無論、両者は間接的に接続されてもよい。
【0091】
具体的には、図11に示すように、該第1の接続片2Aにおいて、その導電部26と第1の接続部23との間は第2の接続部24を介して間接的に接続され、ここで、該第2の接続部24は、故障電池ユニット13の電極端子に繋がる部分とし得る。それとともに、上記第1の接続片2Aは第1の部分21Aと第2の部分22Aとを含み、ここで、該第1の部分21Aは、故障電池ユニット13のハウジング12に接続するためのものであり、第2の部分22Aは、故障電池ユニット13に隣接する電池ユニット(故障電池ユニット13であってもよいし、非故障電池ユニット14であってもよい)に繋がるためのものである。
【0092】
該故障電池ユニット13に隣接する電池ユニットが故障電池ユニット13である場合、該第1の接続片2Aの第1の部分21Aと第2の部分22Aは構造が同じである(構造が同じであるとは、両者がいずれも第1の接続部23と導電部26とを含むが、両者の第1の接続部23及び/又は導電部26の構造が異なってもよいことである)。該故障電池ユニット13に隣接する電池ユニットが非故障電池ユニット14である場合、該第1の接続片2Aの第1の部分21Aと第2の部分22Aの構造が異なる。以下では、該故障電池ユニット13に隣接する電池ユニットが非故障電池ユニット14である(即ち第1の部分21Aと第2の部分22Aの構造が異なる)ことを例として記述し、即ち該第1の接続片2Aの第1の部分21Aは故障電池ユニット13のハウジング12に接続され、第2の部分22Aは非故障電池ユニット14の電極端子11に接続される。
【0093】
図12に示す実施例において、該第1の接続片2Aは接続部分251をさらに含み、該接続部分251は、第1の接続部23と第2の部分22Aとの間に位置し、且つ両者に接続される。該第1の接続片2Aの第1の部分21Aが故障電池ユニットのトップカバーに接続するためのものである場合、該第1の部分21Aと第2の部分22Aは、電池ユニットの厚さ方向Xに沿って配置され、且つ接続部分251が両者の間に位置する。
【0094】
ここで、該第1の部分21Aは第1の接続部23を含み、且つ該第1の部分21Aは、故障電池ユニットの電極端子に接続される第2の接続部24をさらに含んでもよい(該第2の接続部24を含まなくてもよい)。電池ユニットの厚さ方向Xに沿って、該第1の接続部23と第2の部分22Aとの間は接続せず、且つ電池ユニットの厚さ方向Xに沿って、該第1の接続部23と第2の部分22Aとの間に第1の予め設定される空間232があり、それによって第2の部分22Aは第1の接続部23と故障電池ユニットのトップカバーとの接続に影響を与えることがない。
【0095】
本実施例において、第1の接続片2Aでは、第1の接続部23と第2の部分22Aとの間が接続しない場合、第1の接続部23とトップカバーとの接続の実現を容易にすることができ、且つ第1の接続部23は、トップカバーに接続されるプロセスにおいて、第2の部分22Aの影響を受けず、トップカバーと第1の部分21Aとの接続信頼性を向上させる。
【0096】
より具体的には、図12に示すように、該接続部分251の、電池ユニットの高さ方向Zに沿う断面は弧状であり、該接続部分251は変形でき、電池モジュールの作動中に振動が存在する場合、該接続部分251は、第1の接続片2Aが受けた衝撃荷重を緩和することによって、第1の接続片2Aの構造強度を向上させ、且つ該第1の接続片2Aと故障電池ユニットの電極端子及びトップカバーとの間の接続信頼性を向上させることができる。また、電池ユニットの作動中に膨張力が存在し、且つ電池ユニットの厚さ方向Xに沿う膨張力が大きく、この場合、該接続部分251は、電池ユニットの厚さ方向Xに沿って変形することによって、第1の接続片2Aが受けた膨張力を緩和することができる。
【0097】
以上のように、図12に示す実施例において、該第1の接続片2Aの第1の部分21Aは故障電池ユニットのハウジングに接続するためのものであり、第2の部分22Aは非故障電池ユニットに接続するためのものであり、この場合、第1の部分21Aは、相対的に屈曲する第1の接続部23と導電部26を含み、該第1の接続部23はハウジングに接続するためのものであるとともに、第2の部分22Aは平板型構造であり、且つスルーホール231aとビア241が設置されており、ここで、該第2の部分22Aに接続される電池ユニットが故障する場合、該スルーホール231aは該故障電池ユニットのトップカバーに接続するためのものであり、該ビア241は該電池ユニットの電極端子に接続される。
【0098】
別の具体的な実施例において、該第1の接続片2Aの第1の部分21Aと第2の部分22Aがいずれも故障電池ユニットに接続するためのものである場合、該第1の部分21Aと第2の部分22Aの構造は同じであり(両者の構造は、いずれも図12に示す第1の接続部21Aの構造であり)、両者は、いずれも相対的に屈曲する第1の接続部23と導電部26を含み、ここで、両者の第1の接続部23は故障電池ユニットのハウジングに繋がるためのものであり、両者の導電部26は、互いに接続され、且つ非故障電池ユニットに繋がるためのものである。
【0099】
以上に記載したように、該電池モジュールは、故障中に、一つ又は複数の故障電池ユニットを含み、非故障電池ユニットをさらに含み、電池モジュールが正常に作動できるようにするために、該故障電池ユニットにおいて、該故障電池ユニットに接続される接続片は、該故障電池ユニットのハウジングに接続する必要があり、且つ故障電池ユニットに接続される該接続片は図12に示す第1の接続片2Aであり、該非故障電池ユニットにおいて、該非故障電池ユニットに接続される接続片は、各電池ユニットのハウジングに接続できず、且つ該非故障電池ユニットに接続される接続片は図13~17に示す第2の接続片2Bであり、即ち該電池モジュールに故障電池ユニットが存在する場合、該電池モジュールには上記第1の接続片と第2の接続片2Bが含まれる。該電池モジュールに故障電池ユニットが存在しない場合、該電池モジュールは第2の接続片2Bのみを含む。ここで、第2の接続片2Bの具体的な構造は、以下の各実施例に記載のとおりである。
【0100】
該電池モジュールの、非故障電池ユニット14に接続するための第2の接続片2Bの構造は、以下の各実施例に記載のとおりである。図10に示すように、該第2の接続片2Bは第3の部分21Bと第4の部分22Bとを含み、該第3の部分21Bと第4の部分22Bは、それぞれ二つの非故障電池ユニットに接続され、且つ該第3の部分21Bと第4の部分22Bは屈曲案内部を含んでもよく、該屈曲案内部は、該第2の接続片2Bの屈曲を案内し、且つ相対的に屈曲する第1の接続部23と導電部26を形成するためのものである。
【0101】
一具体的な実施例において、図13図14に示すように、該電池モジュールは複数の非故障電池ユニット14を含み、且つ複数の非故障電池ユニット14は第2の接続片2Bを介して直列接続される。図13図14に示す実施例において、該第2の接続片2Bは第3の部分21Bと第4の部分22Bとを含み、ここで、該第4の部分22Bは非故障電池ユニット14の電極端子11に電気的に接続され、該第3の部分21Bは屈曲案内部に沿って屈曲する。
【0102】
そのため、本実施例において、該第2の接続片2Bに接続される電池ユニットが故障した場合、該第2の接続片2Bは該故障電池ユニットのハウジングに接続することができる。具体的には、図13に示すように、故障処理を行う場合、該第2の接続片2Bの第3の部分21Bは、ケース122の方向に向かって屈曲して、故障電池ユニットのケース122に繋がることができ、又は、該第2の接続片2Bの第4の部分22Bは、トップカバー121の方向に向かって屈曲して、故障電池ユニットのトップカバー121に繋がることができる。
【0103】
また、図13に示すように、該第2の接続片2Bが隣接する二つの電池ユニットを直列接続するためのものであるため、本実施例における第2の接続片2Bは二つの第3の部分21Bを含んでもよく、且つ二つの第3の部分21Bは、該第2の接続片2Bにより直列接続される二つの電池ユニットのケース122にそれぞれ対応する。
【0104】
別の具体的な実施例において、図15に示す実施例において、該第2の接続片2Bの第3の部分21Bと第4の部分22Bは、隣接する非故障電池ユニット14の第1の電極端子111と第2の電極端子112にそれぞれ接続される。該第2の接続片2Bに繋がる電池ユニットが故障した場合、該第3の部分21B及び/又は第4の部分22Bは、トップカバー121の方向に向かって屈曲することによって、トップカバー121との電気的接続を実現することができる。
【0105】
一可能な設計において、図16に示すように、該第2の接続片2Bの第3の部分と第4の部分には、いずれもスルーホール231aが設置されており、第3の部分を例として、該非故障電池ユニット14のトップカバー121には、いずれも突起部121aが設置されており、該電池ユニットが故障していない場合、電池ユニットの高さ方向Zに沿って、該スルーホール231aと突起部121aとの間に隙間があり(即ち該第3の部分とトップカバー121は接続されておらず)、該電池ユニットが故障した場合、該スルーホール231aは該突起部121aに接続することができる。
【0106】
それとともに、図16に示すように、該第2の接続片2Bにおいて、電池ユニットの高さ方向Zに沿って、該スルーホール231aは、第1の軸心(スルーホール231aは該第1の軸心に対して対称に分布する)を有し、突起部121aは、第2の軸心(突起部121aは該第2の軸心に対して対称に分布する)を有し、該第1の軸心から第2の軸心までの線は長手方向Yに沿って配置され、即ち該スルーホール231aと突起部121aは長手方向Yに沿って配置され、且つ電池ユニットの高さ方向Zに沿って、該スルーホール231aの投影と突起部121aの投影は、部分的に重なってもよく、又は、両者が重ならなくてもよく、該第3の部分21Bが電池ユニットの高さ方向Zに沿って屈曲し且つ上記第1の接続部と導電部を形成する場合、該突起部121aの少なくとも一部は該スルーホール231aを通過し、且つ該スルーホール231aの側壁に接続することができればよい。
【0107】
そのため、該電池モジュールにおける各電池ユニットのトップカバーには、いずれも上記突起部が設置されてもよく、各接続片には、いずれも上記スルーホールが設置されてもよい。
【0108】
一可能な設計において、図17に示すように、該第2の接続片2Bは、第3の部分21Bと第4の部分22Bを接続する中間部材25をさらに含んでもよい。具体的には、該中間部材25は、接続部分251と破断案内部252とを含んでもよく、ここで、電池ユニットの厚さ方向Xに沿って、該破断案内部252と第3の部分21Bとの間の接続、該破断案内部252と第4の部分22Bとの間の接続、破断案内部252の三者のうちの少なくとも一つは切断されることができる。ここで、該破断案内部252には脆弱部が設置されてもよく、それによって該破断案内部252は該脆弱部に沿って切断されることができる。
【0109】
本実施例において、該破断案内部252が破断した場合、下記の状況が存在する。第1種の状況、該破断案内部252は、第3の部分21Bとの接続位置が切断され、第4の部分22Bとの接続位置が切断されなく、第2種の状況、該破断案内部252は、第4の部分22Bとの接続位置が切断され、第3の部分21Bとの接続位置が切断されなく、第3種の状況、該破断案内部252は、第3の部分21Bとの接続が切断され、第4の部分22Bとの接続も切断され、この場合、破断案内部252を該第2の接続片2Bから取り除くことに相当し、第4種の状況、該破断案内部252自体が切断され、且つ該破断案内部252が切断された後、切断された二つの部分を形成し、該二つの部分は、それぞれ第3の部分21Bと第4の部分22Bに接続される。無論、さらに上記四つの状況のいずれかの組み合わせであってもよく、本出願は破断した具体的な位置を限定しない。
【0110】
ここで、該第2の接続片2Bに接続される電池ユニットが故障した場合、該故障電池ユニットを短絡させるように、第2の接続片2Bの構造を上記第1の接続片の構造に変更する必要がある。該第2の接続片2Bにおいて、該破断案内部252と第3の部分21B及び/又は第4の部分22Bとの間の接続が切断された場合、該第3の部分21Bの、電池ユニットの高さ方向Zに沿う下向き屈曲を実現しやすく、それによって第1の接続片とトップカバーとの接続を実現しやすい。それとともに、該破断案内部252の設置によって、該第2の接続片2Bに接続される電池ユニットが故障していない場合、該破断案内部252は、厚さ方向Xに沿って第3の部分21Bと第4の部分22Bを接続することによって、該第2の接続片2Bの構造強度を向上させることができ、且つ該第2の接続片2Bの通電面積を増大させることができる。
【0111】
具体的には、図17に示すように、該破断案内部252は、電池ユニットの高さ方向Zに沿って突起する複数の屈曲構造252aを含んでもよく、具体的には、該屈曲構造252aは上向きに突起することができ、且つ各屈曲構造252aは、長手方向Yに沿って間隔を置いて配置され、隣接する屈曲構造252aの間には第2の予め設定される空間252bがあり、且つ各屈曲構造252aは変形できる。より具体的には、該屈曲構造252aは高さ方向Zに沿う断面が弧状であってもよい。
【0112】
電池モジュールの作動中に振動が発生した場合、該破断案内部252は変形することができ、それによって第2の接続片2Bが受けた衝撃荷重を緩和することができ、また、電池モジュールの作動中に膨張が発生した場合、第2の接続片2Bは膨張力の作用を受け、この場合、破断案内部252の変形は、第2の接続片2Bが受けた膨張力を緩和することによって、第2の接続片2Bと電極端子が切断されるリスクを低減することができる。
【0113】
また、該破断案内部252において、隣接する屈曲構造252aの間の第2の予め設定される空間252bは、屈曲構造252aの変形をより容易にし、且つ該破断案内部252と第3の部分21B及び/又は第2の部分22Bとの間の接続の破断をより容易にし、それによって故障処理の効率を向上させる。それとともに、隣接する屈曲構造252aの間の第2の予め設定される空間252bは、さらに、第2の接続片2Bの重量を減少させることによって、電池モジュールのエネルギー密度を向上させることができる。
【0114】
より具体的には、図17に示すように、該第2の接続片2Bにおいて、第3の部分21Bと第4の部分22Bを接続する接続部分251は高さ方向Zに沿う断面が弧状であり、該接続部分251は、変形することによって、第3の部分21Bと第4の部分22Bとの間の作用力を緩和することができる。
【0115】
以上のように、該電池モジュールの第2の接続片2Bは、従来技術における、電極端子の接続のみに用いられる接続片に比べて、その長手方向Yに沿うサイズが大きく、それによって該第2の接続片2Bの通電面積が大きい。それとともに、該第2の接続片2Bの第3の部分21Bに対する屈曲操作を容易にするために、該第2の接続片2Bの材質はアルミニウムであってもよく、その硬度が低く、変形しやすい。
【0116】
別の具体的な実施例において、該電池モジュールの各接続片は、いずれも市販の一般的な板状構造であってもよく、即ち各接続片には屈曲案内部、破断案内部などの構造が設置されなくてもよく、該電池モジュールが故障した場合、故障電池ユニットに繋がる接続片を、屈曲案内部と破断案内部などの特徴が設置される第2の接続片(該第2の接続片の構造は以上のいずれか一つの実施例に記載のとおりである)に置き換え、具体的な置き換え方式は以下のとおりである。故障電池ユニットに繋がる接続片を電池モジュールから取り外し、且つ第2の接続片を故障電池ユニットの電極端子に接続し、そして該第2の接続片に対して屈曲や破断などの操作を行うことによってそれに第1の接続片を形成させ、且つ第1の接続片を故障電池ユニットのハウジングに接続し、故障電池ユニットの故障処理を実現し、電池モジュールの作動を回復させる。
【0117】
また、本出願の実施例は、故障電池ユニット13を処理するための故障処理方法をさらに提供し、ここで、該故障処理方法は、具体的には、下記ステップを含む。
【0118】
S3、故障電池ユニット13に接続される接続片2を故障電池ユニット13のハウジング12に電気的に接続する。
【0119】
本実施例において、図4に示すように、故障電池ユニット13の正極端子111と負極端子112が第1の接続片2Aを介してハウジング12に接続されることによって、該故障電池ユニット13を短絡させ、該故障電池ユニット13が電池モジュールの充放電プロセスに関与しないようにし、即ち該故障電池ユニット13は該電池モジュールの回路に影響を与えない。そのため、電池モジュールの作動中に、ある一つ又は複数の故障電池ユニット13が存在する場合、各故障電池ユニット13に接続される第1の接続片2Aを故障電池ユニット13のハウジング12に接続すればよく、電池モジュール全体を交換する必要がなく、該電池モジュールが車両に応用される場合、該車両は4S店で直接にメンテナンスでき、車全体を工場に返品して処理する必要がなく、又は新たな電池パックを交換する必要がなく、それによって電池モジュールのメンテナンス効率を向上させ、且つメンテナンスフローを簡略化し、メンテナンスコストを削減する。それとともに、上記処理を行った後、該電池モジュールにおいて、少量の電池セル(故障電池ユニット13の電池セル)のみが回路の形成に関与せず、該電池モジュールの電池容量が大幅に低減することもなく、それによって電池モジュール及び電池パックは正常に作動できる。
【0120】
具体的には、以上に記載したように、電池ユニットのハウジング12は、ケース122と、ケース122に繋がるトップカバー121とを含み、これに基づき、上記ステップS3は、具体的には、
S31、故障電池ユニット13に接続される接続片2を故障電池ユニット13のケース122又はトップカバー121に接続するステップを含んでもよい。
【0121】
本実施例において、該接続片2が故障電池ユニット13のトップカバー121又はケース122に接続される前に、該接続片2は、具体的には、以上の各実施例に記載の第2の接続片2Bであってもよく、且つ該接続片2が故障電池ユニット13のトップカバー121又はケース122に接続されることの後、該接続片2は、具体的には、以上の各実施例に記載の第1の接続片2Aであってもよい。
【0122】
一可能な設計において、上記ステップS3の前に、該故障処理方法は、
S2、故障電池ユニット13に接続される接続片2を屈曲させ、且つ屈曲後に、故障電池ユニット13のハウジング12に接続するための第1の接続部23を形成するステップをさらに含んでもよい。
【0123】
本実施例において、該接続片2を屈曲させた後に形成された第1の接続部23の具体的な構造は以上の各実施例に記載のとおりであり、且つメンテナンスプロセスにおいて、該接続片2を屈曲させた後、その第1の接続部23を故障電池ユニット13のハウジング12に接続すればよいため、該故障電池ユニット13は処理フローが簡単であり、且つメンテナンスコストが低く、且つ電池モジュールM2の作動効率を向上させることができる。
【0124】
本実施例において、故障電池ユニット13に接続される接続片2を屈曲させる場合、図18に示すワイドチゼル4を用いて実現してもよく、操作する時、該ワイドチゼル4によって接続片2の予め設定される位置で接続片2に圧力を加えることができ、且つワイドチゼル4と接続片2との接触面積が大きいため、それが接続片2に作用する圧力度が小さく、それによってワイドチゼル4による接続片2の破断を回避することができる。該ワイドチゼル4の圧力作用で、該接続片2は、故障電池ユニット13のハウジング12の方向に向かって屈曲する。
【0125】
また、屈曲を容易にし、且つ屈曲の精確性を向上させるために、接続片2の予め設定される位置に屈曲案内部(例えば、折り目)を設置してもよく、屈曲操作を行う場合、ワイドチゼル4を該折り目の位置と対応させてもよく、該ワイドチゼル4によって圧力を加えた後、接続片2は該折り目に沿って屈曲することができる。
【0126】
一具体的な実施例において、メンテナンス処理の前に、故障電池ユニット13に接続される接続片2は、具体的には、以上の各実施例に記載の第2の接続片2Bであってもよく、該第2の接続片2Bは屈曲案内部を含むため、上記ステップS2は、具体的には、
S22、屈曲案内部に沿って該第2の接続片2Bを屈曲させて、第1の接続部23と導電部26を形成するステップを含んでもよい。
【0127】
具体的には、該第2の接続片2Bは第3の部分21Bと第4の部分22Bとを含み、ここで、該第3の部分21Bは故障電池ユニット13に接続され、第4の部分22Bは非故障電池ユニット14に接続され、又は、該第4の部分22Bは別の故障電池ユニット13に接続される。第3の部分21Bが故障電池ユニット13に接続され、第4の部分22Bが非故障電池ユニット14に接続されることを例として、上記ステップS22は、具体的には、
S221、第3の部分21Bに設置される屈曲案内部に沿って該第3の部分21Bを屈曲させ、且つ屈曲後に、第1の接続部23と第2の接続部24とを含む第1の部分21Aを形成するステップを含んでもよく、ここで、該第1の部分21Aは以上の各実施例に記載の構造であってもよい。
【0128】
より具体的には、メンテナンス処理の前に、故障電池ユニット13に接続される接続片2は、具体的には、以上の各実施例に記載の第2の接続片2Bであってもよく、該第2の接続片2Bは、第3の部分21Bと第4の部分22Bを接続するための中間部材25をさらに含んでもよく、且つ該中間部材25は破断案内部252と接続部分251とを含み、これに基づき、上記ステップS22の前に、該故障処理方法は、
S21、破断案内部252を切断し、且つ切断された後に、該第4の部分22Bは上記各実施例における第2の部分22Aとなるステップをさらに含んでもよい。
【0129】
具体的には、破断案内部252を切断する場合、該破断案内部252と第3の部分21Bとの間の接続位置、破断案内部252と第4の部分22Bとの間の接続位置、破断案内部252の三者のうちの少なくとも一つを切断してもよい。また、該破断案内部252には脆弱構造がさらに設置されてもよく、この場合、該薄弱構造に沿って切断されることができる。
【0130】
本実施例において、破断案内部252と第3の部分21B及び/又は第4の部分22Bとの間の接続を切断した後、第3の部分21Bが変形しやすいため、該第3の部分21Bを屈曲させ、相対的に屈曲する第1の接続部23と第2の接続部24を形成することを容易にすることができ、それによって第1の接続部23を該故障電池ユニット13のハウジング12に接続して、故障電池ユニット13の処理を完了することを容易にする。そして、故障処理後の構造は電池モジュールM2の、厚さ方向X、長手方向Yと高さ方向Zに沿うサイズを増大させず、それによって電池モジュールM2の他の部材との干渉を回避する。
【0131】
理解できるように、本出願の実施例において、電池ユニット1が故障した場合、該故障電池ユニット13を処理した後、該故障電池ユニット13に接続される該第2の接続片2Bの構造を第1の接続片2Aの構造に変更することができ、即ち図17に示す第2の接続片2Bは故障処理前の構造であり、且つ該接続片2(第2の接続片2B)に接続される電池ユニット1のうち、一つが故障し、もう一つが故障しておらず、この場合、故障電池ユニット13に接続される第3の部分21Bは上記操作を行い、即ち破断案内部252と第3の部分21B及び/又は第4の部分22Bとの間の接続が切断された後、第3の部分21Bは屈曲し、且ついずれも第1の接続部23と第2の接続部24とを含む第1の部分21Aを形成し、これに対して、故障していない電池ユニット14に接続される第4の部分22Bは屈曲する必要がなく、図12に示す第1の接続片2A(故障処理後の構造)を形成し、且つ処理後、第3の部分21Bは第1の部分21Aに変えられ、第4の部分22Bは第2の部分22Aに変えられる(構造は変えられていない)。
【0132】
また、隣接する二つの電池ユニット1がいずれも故障した場合、二つの故障電池ユニット1に接続される接続片2(第2の接続片2B)の第3の部分21Bと第4の部分22Bはいずれも上記操作を行う必要があり、即ち破断案内部252と第3の部分21B及び/又は第4の部分22Bとの間の接続が切断された後、第3の部分21Bと第4の部分22Bはいずれも屈曲し、且ついずれも第1の接続部23と第2の接続部24を含む第1の部分21Aを形成し、別の実施例の第1の接続片2Aを形成し、且つ処理後、上記第3の部分21Bと第4の部分22Bはいずれも第1の部分21Aに変えられる。
【0133】
そのため、接続片が接続される故障電池ユニット13の数が異なることに応じて、故障処理を行った後の第1の接続片2Aの構造も異なる。
【0134】
一具体的な実施例において、上記第1の接続部23と故障電池ユニット13のハウジング12の両者のうち、一方には突起部121aが設置されており、他方には凹部231が設置されており、これに基づき、上記ステップS31は、具体的には、
S311、突起部121aと凹部231を繋げるステップを含んでもよい。
【0135】
本実施例において、互いに嵌合できる突起部121aと凹部231を設置することによって、該第1の接続部23と故障電池ユニット13のハウジング12との間の接続信頼性をさらに向上させることによって、電池モジュールの安定性を向上させることができる。
【0136】
より具体的には、該突起部121aは故障電池ユニット13のハウジング12に設置され、該凹部231は第1の接続部23に設置されるスルーホール231aであり、これに基づき、上記ステップS311は、具体的には、
S311a、突起部121aがスルーホール231aを通過するようにし、且つ導電材によって突起部121aとスルーホール231aとの間を繋げるステップを含んでもよい。
【0137】
例えば、突起部121aとスルーホール231aの側壁との間は溶接されてもよく、又は、突起部121aとスルーホール231aの側壁は導電性接着剤によって接続されてもよく、又は、さらに、突起部121aとスルーホール231aとの間に溶融した金属を注入してもよい。
【0138】
又は、該突起部121aとスルーホール231aの嵌合方式はさらに以下のとおりであってもよい。突起部121aがスルーホール231aの側壁と締まりばめすることによって、両者の接続を実現し、又は、突起部121aには係合溝が設置されてもよく、突起部121aがスルーホール231aを通過する場合、第1の接続部23の一部が該係合溝内に位置することによって、該係合溝の側壁により、突起部121aと第1の接続部23との、電池ユニットの高さ方向Zに沿う相対的移動を制限し、さらに突起部121aとスルーホール231aとの接続を実現し、さらに又は、該突起部121aがスルーホール231aを通過した後、突起部121aの、第1の接続部23から突出する部分に圧力を加えて、それを変形させ、且つ第1の接続部23の上端面に当接させることによって、突起部121aとスルーホール231aとの間の接続を実現する。
【0139】
さらに又は、該第1の接続片2Aの第1の接続部23は故障電池ユニット13のハウジング12にカシメられてもよい。そして、第1の接続部23とハウジング12との間がカシメられる場合、熱源を追加することなく両者の間の接続を可能にし、それによって熱源を導入する時に温度が高すぎて電池ユニットに損傷を与えるリスクを回避するとともに、カシメの方式を用いることは、操作が簡単であり、メンテナンスコストが低く且つメンテナンス作業者に対する要求が相対的に低いという利点も有する。
【0140】
さらに又は、該第1の接続片2Aの第1の接続部23と故障電池ユニット13のハウジング12は溶接されてもよく、この場合、両者の機械的接続と電気的接続の信頼性がいずれも高く、それによって電池モジュールの作動信頼性を向上させる。それとともに、第1の接続部23とハウジング12との溶接プロセスに金属屑が発生することがなく、それによってメンテナンス中に発生した金属屑が電池モジュール内部に入って短絡を引き起こすリスクを回避することができる。また、第1の接続部23とハウジング12との間を溶接する場合、第1の接続部23とハウジング12での開穴を回避することによって、故障電池ユニット13の不動態化又は開穴からの電解液の液漏れを回避することができる。
【0141】
本実施例において、突起部121aとスルーホール231aの断面がいずれも円形である場合、該突起部121aの直径は、スルーホール231aの直径と同じであってもよく、又はスルーホール231aの直径より僅かに大きくてもよい。
【0142】
一可能な設計において、上記ステップS2の前に、該故障処理方法は、
S12、故障電池ユニット13の電極端子11と、それに繋がる少なくとも一つの接続片2との接続を切断するステップをさらに含んでもよい。
【0143】
本実施例において、電池モジュールの接続片の厚さが大きく、延性が小さい場合、接続片自体の延性のみによって第1の接続片2Aの屈曲を実現することが困難であり、且つ屈曲中において、該第1の接続片2Aと電極端子11との接続位置に大きい引っ張り力があり、該引っ張り力の作用で、第1の接続片2Aと非故障電池ユニット14の電極端子11との間の接続が故障するリスクが存在する。第1の接続片2Aの屈曲の実現を容易にし、且つ非故障電池ユニット14の電極端子11と第1の接続片2Aの導電部26との間の接続信頼性を確保するために、第1の接続片2Aを屈曲させる前、故障電池ユニット13の電極端子11に接続される部分(例えば、第2の接続部24)を取り外す(例えば、切り落とす)ようにしてもよい。
【0144】
該実施形態において、第2の接続部24を取り外した第1の接続片2Aは、より屈曲しやすく、且つ屈曲中において、導電部26と非故障電池ユニット14の電極端子11との間に対する引っ張り力が小さく、接続信頼性を向上させることができる。また、第2の接続部24を取り外した場合、さらに、電池モジュールの重量を低減し、エネルギー密度を向上させることができる。
【0145】
本実施例において、第2の接続部24を取り外す場合、図19に示すナローチゼル5を用いて実現してもよく、操作する時、該ナローチゼル5によって接続片2の予め設定される位置で接続片2に圧力を加えることができ、且つナローチゼル5と接続片2との接触面積が小さいため、それが接続片2に作用する圧力度が大きく、該ナローチゼル5の圧力作用で、該接続片2は予め設定される位置に沿って切断されることができ、切断された後、該第2の接続部24を取り外せばよい(例えば、せん断する)。また、接続片2の破断を容易にするために、接続片2の予め設定される位置に折り目を設置してもよく、破断操作を行う場合、ナローチゼル5を該折り目の位置と対応させてもよく、該ナローチゼル5によって圧力を加えた後、接続片2は該折り目に沿って切断されることができる。
【0146】
以上の各実施例において、ステップS12の前に、該故障処理方法は、
S11、接続片2と、それに繋がる非故障電池ユニット14のハウジング12との間にスペーサブロック3を置くことをさらに含んでもよい。
【0147】
金属材質の接続片2が一定の延性を有するため、該接続片2を屈曲させる場合、屈曲中において、該接続片2と非故障電池ユニット14のハウジング12との接触による短絡を回避するために、非故障電池ユニット14のハウジング12と屈曲対象接続片2との間にスペーサブロック3を置いてもよく、屈曲が完了した後、該スペーサブロック3を取り外してもよい。該スペーサブロック3は、接続片2と非故障電池ユニット14の短絡を防止することができるだけでなく、さらに、非故障電池ユニット14のハウジング12を保護する役割を果たして、それが屈曲中において損傷することを防止することができる。
【0148】
ここで、スペーサブロック3は、非導電材で製造されてもよく、それによって短絡を防止することができる。
【0149】
以上の各実施例において、電池モジュールM2が故障していない場合、その各接続片2(具体的には、第2の接続片2Bである)は破断案内部252、屈曲案内部などの構造を含んでもよく(即ち市販の一般的な板状接続片の構造と異なり)、電池モジュールM2が故障した場合、故障電池ユニット13に繋がる該第2の接続片2Bに対して該当する操作を行えばよく、メンテナンス工程が少ない。
【0150】
別の具体的な実施例において、電池モジュールM2が故障していない場合、その接続片2は、市販の一般的な板状構造であってもよく、それは上記屈曲案内部と破断案内部などの構造を含まず、電池モジュールM2が故障した場合、まず故障電池ユニット13に繋がる接続片を取り外し(例えば、該接続片と電極端子との接続をせん断し)、且つ第2の接続片2B(屈曲案内部と破断案内部などの構造を含み、図17に示す構造である)に置き換え、該第2の接続片2Bを故障電池ユニット13の電極端子11に接続し、そして該第2の接続片2Bを屈曲案内部に沿って屈曲させて第1の接続部23を形成し、且つ第1の接続部23を故障電池ユニット13のハウジングに接続すればよい。
【0151】
本実施例において、該電池モジュールM2において、接続片2の構造がシンプルであり、全ての接続片を、いずれも図17に示す、破断案内部と屈曲案内部を含む構造のように設置しなくてもよく、それによってコストを削減する。
【0152】
上記したのは、本出願の好適な実施例に過ぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は、種々な変更や変形が有り得る。本出願の精神及び原則内で行われる全ての修正、同等の置き換え、改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0153】
D-装置、
M-電池パック、
M1-筐体、
M11-上部筐体、
M12-下部筐体、
M13-収容キャビティ、
M2-電池モジュール、
1-電池ユニット、
11-電極端子、
111-正極端子、
112-負極端子、
12-ハウジング、
121-トップカバー、
121a-突起部、
122-ケース、
13-故障電池ユニット、
14-非故障電池ユニット、
15-電極アセンブリ、
2-接続片、
2A-第1の接続片、
21A-第1の部分、
22A-第2の部分、
2B-第2の接続片、
21B-第3の部分、
22B-第4の部分、
23-第1の接続部、
231-凹部、
231a-スルーホール、
232-第1の予め設定される空間、
24-第2の接続部、
241-ビア、
25-中間部材、
251-接続部分、
252-破断案内部、
252a-屈曲構造、
252b-第2の予め設定される空間、
26-導電部、
27-接続部材、
3-スペーサブロック、
4-ワイドチゼル、
5-ナローチゼル。
図1
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