(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】クリーンルーム用保護ラインガイドおよびそのための収容ユニット
(51)【国際特許分類】
H02G 11/00 20060101AFI20240625BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20240625BHJP
F16L 57/00 20060101ALI20240625BHJP
F16G 13/16 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H02G11/00
H02G3/04 062
F16L57/00 A
F16G13/16
(21)【出願番号】P 2023017996
(22)【出願日】2023-02-08
(62)【分割の表示】P 2021540483の分割
【原出願日】2020-01-14
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】202019103276.6
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202019100169.0
(32)【優先日】2019-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヘルマイ
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク バルテン
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-531141(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0217487(US,A1)
【文献】特開2012-170245(JP,A)
【文献】特開2011-239595(JP,A)
【文献】特開平11-201331(JP,A)
【文献】特開2016-205572(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0299091(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 11/00
H02G 3/04
F16L 57/00
F16G 13/16
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーンルーム用保護ラインガイドであって、
移動可能な接続部に一端が接続された可動ラン(run)と固定部に接続された端部を有する固定ランとの間の方向転換円弧で往復自在に変位可能である細長い可撓性収容体を備え、
該細長い可撓性収容体が、少なくとも1つのラインを受け入れる少なくとも1つの管状受入れ手段を有し、各管状受入れ手段が第1の端部から第2の端部まで長手方向でチャネル状に延在し、
少なくとも1つの前記管状受入れ手段が、前記管状受入れ手段を開放及び閉止するための機能性領域を有し、
該機能性領域が、前記第1の端部から前記第2の端部まで前記長手方向に延在し、ラインを前記長手方向に対して横断方向に導入または除去することができる開放状態を防塵的に閉止する、クロージャの2つの協働する閉止プロファイルを含
み、
前記可撓性収容体が、細分手段を有する一体の収容ユニットを含み、
該収容ユニットが、少なくとも1つのラインを受け入れるための複数の平行な管状受入手段を有し、
それぞれの前記管状受入れ手段のための前記収容ユニットが、前記収容ユニットと一体に形成された一対の協働する閉止プロファイルを有するライン保護ガイド。
【請求項2】
前記可撓性収容体が曲げ弾性プラスチックで形成され、
前記可撓性収容体が、それぞれの圧締めデバイスによって端部で閉止可能であることにより、ラインの摩耗により生じた粒子が前記可撓性収容体から逃げるのに対抗する、請求項1に記載のクリーンルーム用保護ラインガイド。
【請求項3】
各収容ユニットが前記長手方向で断面が同じ形状を維持するものである、請求項
1に記載のクリーンルーム用保護ラインガイド。
【請求項4】
各前記管状受入れ手段における前記管状受入れ手段を開放及び閉止するための前記機能性領域が、相互係合する共役関係であり、少なくとも1つの受入れ手段を閉止するクロージャとして協働する、プラスチックの2つの閉止プロファイルを有する、請求項1から
3のいずれか一項に記載のクリーンルーム用保護ラインガイド。
【請求項5】
相互係合する前記閉止プロファイルが、協働するフックプロファイルと鉤爪プロファイルとを含む、または、プレスクロージャもしくは歯なしのスライディングクロージャとして協働する2つのプロファイル要素を含む、請求項
4に記載のクリーンルーム用保護ラインガイド。
【請求項6】
前記管状受入れ手段が、前記方向転換円弧の中立素分を予め定めるストリップ形状の中間領域によって平行な関係で互いに接続される、請求項1から
5のいずれか一項に記載のクリーンルーム用保護ラインガイド。
【請求項7】
それぞれが管状収容体に受容される2つの支持チェーンを有する、請求項1から
6のいずれか一項に記載のクリーンルーム用保護ラインガイド。
【請求項8】
各支持チェーンが個々のチェーンリンクを備える、および/または、各支持チェーンがライン受入用の管状受入れ手段よりも大きい自由断面を有する前記管状収容体に収容される、請求項
7に記載のクリーンルーム用保護ラインガイド。
【請求項9】
前記細長い可撓性収容体を軸線方向の前記端部で固定する2つの端部圧締めデバイスを備える、請求項1から
6のいずれか一項に記載のクリーンルーム用保護ラインガイド。
【請求項10】
保護ラインガイドの細長い可撓性収容体のための、プラスチックの収容ユニットであって、
該収容ユニットが、細分手段を有する一体のユニットとされ、
前記収容ユニットが、少なくとも1つのラインをそれぞれ別個にガイドする複数の
平行な管状受入れ手段を
有し、各管状受入れ手段が第1の端部から第2の端部まで長手方向でチャネル状に延在し、
各管状受入れ手段が、
2つの協働する閉止プロファイルを含み、該閉止プロファイルが、前記長手方向に対する横断方向にラインを前記少なくとも1つの受入れ手段に導入する
こと、または前記少なくとも1つの受入れ手段から除去することができる開放状態を防塵的に閉止する
ために、前記第1の端部から前記第2の端部まで前記長手方向に延在
し、
前記閉止プロファイルが前記収容ユニットと一体に形成されている、収容ユニット。
【請求項11】
前記閉止プロファイルが、前記長手方向全体を通して断面が同じ形状を維持するものであり、相互係合関係でそれぞれ協働する、請求項
10に記載の収容ユニット。
【請求項12】
前記収容ユニットが曲げ弾性プラスチックで形成され、
前記収容ユニットが、それぞれの圧締めデバイスによって端部で閉止可能であることにより、ラインの摩耗により生じた粒子が前記可撓性収容体から逃げるのに対抗する、請求項
10に記載の収容ユニット。
【請求項13】
各前記収容ユニットが前記長手方向で断面が同じ形状を維持するものである、請求項
10に記載の収容ユニット。
【請求項14】
各前記管状受入れ手段における前記管状受入れ手段を開放及び閉止するための機能性領域が、相互係合する共役関係であり、少なくとも1つの受入れ手段を閉止するクロージャとして協働する、プラスチックの2つの閉止プロファイルを有する、請求項
10に記載の収容ユニット。
【請求項15】
相互係合する前記閉止プロファイルが、協働するフックプロファイルと鉤爪プロファイルとを含む、または、プレスクロージャもしくは歯なしのスライディングクロージャとして協働する2つのプロファイル要素を含む、請求項
14に記載の収容ユニット。
【請求項16】
前記管状受入れ手段が、方向転換円弧の中立素分を予め定めるストリップ形状の中間領域によって平行な関係で互いに接続される、請求項
10に記載の収容ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、例えば、機械または設備の2つの相対的に移動可能な接続位置の間で動的にガイドされる、信号または電源または空気圧または油圧ホースなどのための、ケーブルなどのライン用ラインガイドデバイスの分野に関する。特に、例えば、半導体またはフラットスクリーンディスプレイの製造、製薬設備、医療機器などにおいて、クリーンルームで使用するのに適した、動的なラインガイドデバイスが提案される。かかる用途では、ラインガイドデバイスによる粒子の放出は特に望ましくなく、最大限可能な限り最小限に抑えなければならない。
【背景技術】
【0002】
エネルギーガイドチェーンは、一般的なラインガイドデバイスであるが、回転継手を有する従来のリンクチェーン構造では、リンクチェーン自体がその動作の際にアブレーシブ摩耗によって粒子を放出するので、クリーンルーム用途にはあまり適していない。その点に関して更に開発された、クリーンルームの状況に適しているエネルギーガイドチェーンが特許文献1で提案されている。そのエネルギーガイドチェーンは、可撓性の継手接続により、アブレーションが大幅に少なくなっている。
【0003】
しかしながら、知られている課題は、アブレーシブ摩耗が少なくなる可能性がある、エネルギーガイドチェーンでガイドされるライン自体が、その動作時に、変位するときに移動し、曲がり、互いに擦れる際に粒子を放出することである。したがって、例えば、ケーブル自体のシースも変位するときに周囲に粒子を出す。
【0004】
その理由から、ラインを防塵的に収容することが知られている。クリーンルーム用途向けにその目的のために更に開発された、多数のラインガイドデバイスが、本出願人によって特許文献2で提案されている。これらの解決策(当該文献の
図10~
図16を参照)の1つは、その間に、本出願人(igus GmbH,D-51147 Cologne)によって「e-skin」の商品名で入手可能になっている。
【0005】
本発明は、具体的には、可逆的または往復自在に変位可能な細長い可撓性の収容体を有し、一般的に、第1の接続位置とそれに対して移動可能な接続位置との間の2つの行程の間に方向転換する円弧(direction-changing arc)を形成する、クリーンルーム用途に適したラインガイドデバイスまたはライン保護ガイドに関する。その場合、提案する収容体は、少なくとも1つのラインをガイドする顕著な管状構成の多数の受入れ手段を有し、各受入れ手段は、第1の端部から第2の端部への長手方向でチャネル状に延在し、それを用いて保護ガイドは接続位置に装着される。
【0006】
そのタイプの記載される一般的種類のライン保護ガイドは、例えば、W.L.Gore & Associates,Incから「GORE(登録商標) Trackless High Flex」の商品名で、またはHitachi Cable America Inc.から「ChannelFLEX(商標)」もしくは「EcoFlex(商標)」の商品名で入手可能である。ここでは(請求項1の前提部に記述されるような)関与する一般的技術水準とみなされる、後者のライン保護ガイドの変形例が例えば特許文献3および特許文献4に記載されている。
【0007】
かかるライン保護ガイドは、技術的には単純な構造のものであり、軽量でコンパクトな構成のものである。それらは使用の際に著しい不利な点を有する(例えば、特許文献2参照)。保守管理作業、特に、複数のラインまたは複数のラインストランドを含むラインガイド装置内の、個々のラインまたは個々のラインストランドの交換には、多大な労力をかけたときのみ可能となる。特に、個々のラインまたは個々のラインストランドを、所望のプラグまたはカップリングを用いて既に適切に予め作られたラインに交換することは、特に、現場では不可能である。それにより、保守管理が大幅に単純になり、コストが削減されるであろう。対照的に、記載される一般的種類のラインガイドは、一般的に、アセンブリとして完全に新しくされるので、その場合、損傷がないラインも交換しなければならない。それに加えて、設置されたラインガイドを後で修飾すること、例えば更なるラインを追加することは、容易には不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第02/086349号
【文献】国際公開第2016/042134号
【文献】独国特許第102012100290号明細書
【文献】米国特許第8662456号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのような背景技術を念頭に置いて、本発明の第1の主要クレームによる第1の目的は、比較的コンパクトな構造であり、および/または軽量であって上述の不利な点を少なくとも部分的に克服する、ライン保護ガイドを提案することである。
【0010】
本発明は、特に、個々のラインもしくは個々のラインストランド、および/または任意に用いられてもよい支持チェーンの交換を単純化しようとするものである。それは、請求項1に記載のライン保護ガイド、および更なる独立請求項12に記載のライン保護ガイドのための収容ユニットによって達成される。
【0011】
更なる態様では、主要クレームとは独立して、関与する一般的種類のラインガイドのための、つまりクリーンルーム用途に好適な、特に動作中の望ましくない粒子放出を低減する、端部接続、特に一般的に使用される圧締めデバイスにおける改善例が提案される。これは、請求項17に記載の圧締めデバイスによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
主要クレーム(収容ユニットを含むラインガイド)
記載される一般的種類のライン保護ガイドにおいて、本発明によれば、収容体、特に少なくとも1つの受入れ手段の横方向に、長手方向に延在し、受入れ手段を必要に応じて開放および閉止することができる限りにおいて追加の機能を提供する、少なくとも1つまたは複数の機能性領域を有することが提案される。そのように、個々のラインおよび/または支持チェーンを必要に応じて交換することができる。
【0013】
実際には、特に、支持チェーンは通常は交換できないか、または供給ラインの前に交換しなければならないので、場合によっては使用中である支持チェーンを別個に交換するのは有利であることが証明されている。したがって、これまでは通常であったライン保護ガイド全体の交換を回避することができる。
【0014】
ラインストランドという用語は、ラインの束、特に相互に関連するラインを示すという点で使用される。特に、1つまたは複数の受入れ手段を有する1つまたは複数の収容ユニットによって受け入れられる、個々のラインストランドの部分的交換がここでは想起される。
【0015】
その目的のため、本発明によれば、第1の態様では、機能性領域が、特に収容体全体を撤去することなく、1つまたは複数のラインを、長手方向を横断してまたは横方向/径方向で挿入または除去することができるように、1つまたは複数の受入れ手段を開放および閉止するクロージャを提供することを、提供することができる。その目的のため、機能性領域は、特に、できるだけ防塵的な関係で閉止するように設計され、長手方向を横断してラインを挿入または除去することができる、受入れ手段の開放状態を許容する、2つの協働するクロージャプロファイルを有することができる。
【0016】
それに加えて、第2の態様によれば、その機能性領域またはある機能性領域が、必要に応じて、収容体または受入れ手段の少なくとも一部を解放または嵌合するための、固定ストリップを含むかまたは形成することを提供することができる。固定ストリップは、基本的に、対応するストリップまたは協働する機能性領域に対する非破壊の解放可能な接続のため、正係止および/または強制係止係合を伴う、任意の接続原理にしたがって設計することができる。固定ストリップは、特に、固定バーまたは固定プロファイルの形態で設計することができる。その点に関して、固定ストリップの設計構成は、長手方向を横断する、特に長手方向に垂直な接続方向での互いに対する接続に適合されるように選択される。その点に関して、長手方向を横断するという表現は、特に、新しい内容物、例えば新しいラインまたは特に1つもしくは複数の新しい支持チェーンとの交換品として役立つ収容体を、残りの収容体を互いから解放するかまたは実際に撤去する必要なしに、既に適所に適合されている装置の残りの部分に対して横方向で簡単に適合させることができるような、個々のチャネル状受入れ手段の長手方向に垂直な面内における、接続または結合方向を指定する。一般に、その目的のため、端部接続のみ、例えばそこの圧締めデバイスが、交換作業のために開放される。
【0017】
機能的拡大に関する両方の概念により、例えばクリーンルームにおいて、動作位置で粒子を逃がすために収容体全体を撤去する必要なしに、プラグコネクタ、結合具などを既に装備しているラインを用いた、その後の交換または改良が等しく可能になる。第1の態様では、収容体を修正することなくラインを交換することができる。第2の態様では、問題のラインとともに収容体の一部のみが、または特に交換されるべき1つまたは複数の支持チェーンが変更される。その点に関して、個々の受入れ手段と1つもしくは複数のラインまたは支持チェーンとの交換、および収容ユニットとラインストランドとの交換の両方が考慮される。収容ユニットはそれぞれ、1つもしくは複数のラインまたはラインストランドに対して、あるいはそれ自体が知られている構造の支持チェーンに対しても、少なくとも1つの受入れ手段を有する。受入れ手段は、特に、管状構成のものであることができる。
【0018】
特に、より長い移動距離または収容体を伴う用途の場合、少なくとも1つの収容ユニットの受入れ手段に、変位の際に収容体を支持する支持チェーンが提供されるのが有利である。その点に関して、リンクチェーンの構造的構成を伴う、それ自体が知られている支持チェーンを使用することができる。
【0019】
一実施形態では、収容体は、好ましくは一体である、軟質弾性または曲げ弾性プラスチックの少なくとも1つの収容ユニットを含む。収容ユニットはまた、例えば、長手方向断面で同様に分割された2つの対称的な半身のケースまたはチューブ部分を備える、多部分複合体であることができる。一体の収容ユニットがここでは好ましく、例えば、粒子が逃げるのを防ぐ密閉一体性を改善することができる。
【0020】
収容体の壁厚および材料は、変位に十分な可撓性であるように選択される。20ショアA(ShA 20)~65ショアD(ShD 65)の範囲、特に50ショアA(ShA 50)~100ショアA(ShA 100)の範囲のショア硬度を有するプラスチック、特に熱可塑性プラスチックが、軟質弾性または曲げ弾性プラスチックとして好ましくは考慮される。
【0021】
好ましい構成では、少なくとも1つの機能性領域はそれぞれ一体で収容ユニットに接続される(いわば、その破壊によってのみ解放可能である)。その目的のため、収容ユニットと一体で直接作製することができ、または別個に作製し、その後、接合プロセスによって、例えば適切な熱接合プロセス、特に溶接によって、材料接着された関係で接合することもできる。本発明の文脈は、特に、例えばいずれの場合も様々な、特に適切なプラスチック、特に熱可塑性プラスチックの押出しによる、一方では機能的領域を、他方では機能的領域または固定ストリップを有さない、「単純化されたプロファイル」の別個の製造を含む。機能性領域、特に閉止プロファイルは、次に、収容ユニットの残りに対して長手方向で材料接着された関係で接合して、例えばプラスチックを溶接する溶接プロセスによって、1つの部品を構築することができる。
【0022】
一実施形態では、収容体は複数の別個の収容ユニットで構成される。その場合、各収容ユニットはそれぞれ、正確に1つの受入れ手段を形成することができ、それぞれ収容ユニットと一体の横方向の固定ストリップ、例えばバーまたはプロファイルを有することができる。
【0023】
それに加えて、収容ユニットはまた、複数の受入れ手段を含むことができ、それぞれ収容ユニットと一体の横方向固定ストリップを有することができる。そのように、個々の収容ユニットを平行に互いに接続して、収容体を形成することができる。一展開例では、その点に関して、各収容ユニットは、両側で対向する関係であって収容ユニットと一体である2つの固定ストリップを有することができ、それを用いて、隣接する収容ユニットを平行な関係で互いに接続することができる。固定ストリップは、例えば共役構成で、または正係止関係で互いに係合する、相互に一致する関係で直接協働するように設計することができる。それらはまた、収容ユニットを互いに固定するのに使用される、別個の固定バーと協働することができる。
【0024】
好ましい構成では、収容体は、それぞれ同じ数または異なる数の受入れ手段を有する、複数の収容ユニットによって形成される。任意に、個々の収容ユニットは特に、ラインストランドを正確に1つの収容ユニットによって受け入れることができるような数の受入れ手段を有することができる。これによって有利には、収容体内の個々のラインストランドをそれぞれ関連する収容ユニットの交換品と交換することが可能になる。その点に関して、ラインストランドという用語は、特に、例えば摩耗耐性または耐用寿命にしたがってグループ化された、機能的に相互に関連するラインの束または群を示すのに使用される。
【0025】
方向転換する円弧の変形を低減するため、各受入れ手段は、長円または楕円、特に弓形の断面を有し、固定ストリップは短辺に配置される。
【0026】
各収容ユニットはまた、横方向の、特に固定ストリップと対向する関係で、収容ユニットと一体である2つの閉止プロファイルを有することができる。
【0027】
一実施形態では、収容ユニットの閉止プロファイルが、隣接する収容ユニットの固定ストリップに対する接続によって、正係止および/または強制係止関係で閉止可能であることを提供することができる。そのように、例えば、対向して配設される固定ストリップに係合する閉止プロファイルがオーバーサイズである場合に、追加の取付ステップなしで、特に堅牢な閉止を達成することが可能である。あるいは、隣接する収容ユニットは、固定ストリップと協働する別個の可撓性の固定バーによって、互いに平行にそれぞれ接続することができる。そのように、クロージャの解放は固定ストリップによる固定とは別個であり、つまり、収容ユニットの分離によって隣接する収容ユニットの望ましくない開放がもたらされることがないので、アブレーシブ摩耗の粒子が意図せずに放出されることがない。
【0028】
更なる実施形態は、収容ユニットが複数の平行な受入れ手段を形成する細区画を含み、収容ユニットがクロージャを、特に収容ユニットと一体の2つの閉止プロファイルを有することを提供する。そのように、とりわけ、適合させるべき個々の収容ユニットが各ラインに提供されないので、多数のラインをガイドすべき用途に関連する組立ての労力を低減することができる。
【0029】
一実施形態では、各受入れ手段は、好ましくは、関連する専用のクロージャを有するので、全てのラインは別個にアクセス可能なままである。その目的のため、各受入れ手段は、収容ユニットと一体である一対の協働するクロージャプロファイルを有することができる。そのように、各受入れ手段を、横方向のアクセスのために選択的に独立して開放し、再び閉止することができる。
【0030】
長いガイド長または特に軟質弾性の収容体もしくは収容ユニットが関与する場合、少なくとも1つ、好ましくは2つの横方向外側の受入れ手段内に、特に個々のチェーンリンクを備える、方向転換する円弧のために方向転換する半径を予め定めるように、および/または自己支持型のラン(run)を直線位置で支持するように設計された、支持チェーンを提供することが可能である。
【0031】
好ましい一実施形態では、固定ストリップとしての固定プロファイルは、細分された収容ユニットの場合、特にそれと一体の各場合において、収容体の短辺に提供される。そのような拡張性の他に、例えば支持チェーンの代替として、別の種類の支持デバイスを収容体の固定プロファイルの外部に取り付けることができる。これにより、支持機能のための使用可能な受入れ通路が不要になる。その目的のため、それぞれの外部支持デバイスは、収容体の各短辺で固定プロファイルに接続することができ、その支持デバイスは、方向転換する円弧の半径を予め定めるため、および/または自己支持型のランを直線位置で支持するために、低レベルのアブレーシブ摩耗を伴うように設計される。好ましくは、その目的のため、各支持デバイスは、支持バンドとそれに直交する当接要素、特にT字形の当接要素とを有し、そのT字のアームは方向転換する円弧の径方向内側または直線位置で当接状態にある。キャリアバンドは、好ましくは中立素分の高さにある。
【0032】
一実施形態は、収容体が複数の別個の、周囲方向で閉止された収容ユニットを含むことを提供する。その装置では、各収容ユニットはそれぞれ正確に1つの受入れ手段を形成することができる。各収容ユニットは、両側で対向する関係にあり、固定するための機能性領域としての収容ユニットと一体である、2つの固定ストリップを有することができる。その場合、固定ストリップは、例えばジッパーもしくはスライドクロージャなどの方式で、互いに直接協働して確実に係止するように適合させることができるか、または別個の固定バーと正係止および/または強制係止関係で協働することができる。
【0033】
2つの態様それぞれによれば、閉止および固定機能の組み合わせも含めて、収容ユニットは、長手方向で断面が同じままであるものであることができる。それにより、好ましくは軟質弾性または曲げ弾性プラスチックを使用して、押出しプロセスでプロファイル状の製造が可能になる。その場合、機能性領域は、場合によっては別個に押し出すことができる。
【0034】
したがって、特に、第1および第2の固定ストリップも、例えば、相互係合するフックおよび爪のプロファイル、または同様の適切な構成を有し、好ましくは返し機能を有する、断面が長手方向で同じ形状を維持するものであることができる。
【0035】
クロージャとして役立つ機能性領域も、機能性領域が、長手方向全体を通して同じままであり、プレスクロージャもしくは歯なしのスライドクロージャとして、または好ましくはジップクロージャと同様に協働する、プラスチックの2つの共役の相互係合する閉止プロファイルを有する場合、例えば押出しによって製造することができる。その場合、各クロージャプロファイルは、2つの係合プロファイルまたはプロファイル要素を含み、いわばダブルクロージャを形成することができる。それは、周囲方向において防塵的であって動的動作の際に堅牢であるクロージャに、特に有利であることが見出されている。
【0036】
装置は、それぞれの固定プロファイルをそれぞれ有する、2つの横方向で相互に対向する機能性領域を有してもよく、固定プロファイルは好ましくは、長手方向でのみ解放可能な正係止接続、例えば溝形接続などのために設計される。そのように、収容ユニットの動作中の意図しない解放を回避することができる。その場合、横方向に対向する機能性領域は同時に、固定プロファイルの他に、特に受入れ手段と固定プロファイルとの間の断面に配置された、クロージャプロファイルもそれぞれ有する。
【0037】
好ましくは、隣接する受入れ手段は、バンド形態の中間領域によって互いに平行に接続または結合され、それによって中立素分が予め定められる。その代わりにまたはそれに加えて、好ましくは、協働する閉止プロファイルを備える各クロージャに対して、境界面は収容体の中立素分のレベルにある。中立素分は、特に、受入れ手段の断面の中央を通って延在するものである。それに関して、それぞれの固定ストリップの構造的高さと比較して薄いバンド形状の中間領域を、各固定ストリップと隣接する受入れ手段との間に提供することができる。そのように、特に、横断方向の十分な剛性を伴って、所望の軸線を中心にした方向転換する円弧の良好な可撓性を達成することが可能である。好ましくは、収容体は、(多軸ではなく)実質的に線形的に変位可能であるように設計される。
【0038】
圧締めデバイスは、収容体の端部に提供することができ、収容体および任意にラインを軸線方向で閉止して、塵粒子の放出を防止する。少なくとも2つのラインの典型的状況では、またほとんどの場合、複数のラインはそれぞれの受入れ手段において互いとは別個にガイドされ、収容体によってできるだけ防塵的に収納される。粒子は端部でも生じない。
【0039】
請求項12によれば、本発明はまた、上述の実施形態の1つによる収容体を作製するための個々の部品としての収容ユニットに関する。その収容ユニットは、例えばプラスチック、特に軟質弾性または曲げ弾性プラスチックから作製され、少なくとも1つのラインをガイドする、第1の端部から第2の端部まで長手方向でチャネル状に延在する、少なくとも1つの管状受入れ手段を有する。その場合、収容ユニットは、ラインを周囲方向で防塵的に収容し、一般的には(実際の絶縁ケーブルシースとは対照的に)ラインを緩く取り囲む、シースとみなすことができる。
【0040】
上述した両方の態様の特に有利な組み合わせによれば、収容ユニットは、長辺において、可能な限り防塵的関係で開放状態を閉止するために長手方向に延在し、長手方向に対して横断方向でラインを受入れ手段に導入するか、または受入れ手段から除去することができる、2つの協働する閉止プロファイルを含み、他方の長辺において、更なる収容ユニットを、特に正係止および/または強制係止係合によって、更なる収容ユニットの対応する機能性領域と解放可能に接続するため、長手方向に延在する固定ストリップを有することが提供される。それに関して、収容ユニットは、特に、少なくとも1つのそれぞれのラインを別個にガイドする、平行で管状である複数の顕著な受入れ手段を形成してもよく、またはそれぞれ正確に1つの受入れ手段を形成することができる。
【0041】
一実施形態によれば、収容ユニットは、一方の長辺に第1の固定プロファイルを、他方の長辺に第2の固定プロファイルを有し、固定プロファイルは、相互に一致する関係で正係止接続および/または強制係止接続によって解放可能に接続するように設計される。それにより、相互に一致する固定プロファイル、または対になった同じ構造的構成のものである固定プロファイルを有する複数の収容ユニットを、解放可能に互いに固定することが可能になる。その場合、固定プロファイルは、特に、長手方向に対して横断する接続方向で互いに接続することができる、設計構成のものであることができる。
【0042】
特に、最後に言及した実施形態では、閉止プロファイルおよび固定プロファイルは、適合性であるかまたは互いと接続するように協働する、同一断面のプロファイル要素を有する。
【0043】
同じ構造の固定プロファイルに関して、特にバーまたはプロファイルが考慮され、収容ユニットは、第1の長辺にバーを、第2の長辺にプロファイルを有することができ、正係止関係で、および/または強制係止関係によって、第1の収容ユニットのバーを第2の収容ユニットのプロファイルに接続することができる。その場合、第1の収容ユニットは、特に、第2の収容ユニットと同じ構造のものであることができるか、または例えば、異なる数の受入れ手段を有することができる。
【0044】
一実施形態では、収容ユニットは、一方の長辺に第1の固定プロファイルを、他方の長辺に第2の固定プロファイルを有し、それらは補完的もしくは共役構成のものであるか、または互いに一致するが互いとは異なるものであり、固定プロファイルは、複数の構造的に同一の収容ユニットを互いに解放可能に固定するために、相互に一致する関係で正係止係合および/または強制係止係合によって解放可能に接続するように適合される。
【0045】
提案される収容ユニット自体は、有利には、付属の請求項2~11の1つに記載の、収容ユニットの発展例を構成する特徴の1つまたは複数を有することができる。それに加えて、収容ユニットは、少なくとも1つのそれぞれのラインまたはラインストランドを別個にガイドする、複数または正確に1つの管状受入れ手段を形成することができる。この実施形態は、動作位置における粒子の放出が信頼性高く防止されるように、収容ユニットが、受入れ手段の周りで周囲方向において閉止されて作製される場合に有利である。
【0046】
更なる独立クレーム(端部接続)
それに加えて、上記とは独立して、クリーンルーム向けのライン保護ガイドの端部接続のための一般的な圧締めデバイスが提案される。
【0047】
知られている圧締めデバイスは、第1の圧締め部分と第2の圧締め部分とを含み、少なくとも1つの圧締め部分が、ライン保護ガイドの端部領域を受け入れる内側陥凹部を有し、2つのそれぞれの対向端部が、ライン保護ガイドの長手方向に対応する貫通方向に対して横断方向である。陥凹部は、少なくとも1つの第1の端部または両方の端部で外側に開いている。一般的に、陥凹部または内部には圧力部分が提供され、圧締めデバイスが閉止されたとき、例えば2つの対向して配設された圧力部分の間で、強制係止関係でライン保護ガイドの端部領域を保持するのに役立つ。
【0048】
本発明によれば、ここで、圧力部分が変形可能な構成のものであり、少なくとも1つの圧締め部分の第1の端部を超えて貫通方向で突出または突起することによって、圧力部分が前記端部に角部保護を形成し、それが特に、ライン保護ガイドとそれぞれの圧締め部分との間により有利な、例えば柔らかい遷移を提供することが提案される。その場合、対応する突出は、少なくとも、移動方向(受け入れられるライン保護ガイドの長手方向)では端部領域または他方の圧締めデバイスに向かう端部に、特に、方向転換する円弧の内部に対応するライン保護ガイドの側に提供される。
【0049】
試験では、その領域が、圧締めデバイスとライン保護ガイドとの間で粒子を相当量出すことが立証され、それは小さい相対移動によるものであった。提案される構造により、ライン保護ガイドまたはその収容体を通る望ましくない粒子の逃げの大幅な低減を達成することが可能である。
【0050】
好ましくは、少なくとも1つの圧力部分が各圧締め部分に提供される。それにかかわらず、各圧力部分は、圧締め部分に関して圧縮可能および/またはより軟質な、特に軟質弾性またはゴム弾性または硬質弾性である、プラスチック材料から作製することができる。
【0051】
好適な圧力部分は、押出し部材、特に中空チャンバ押出し部材の形態で安価に作製することができる。
【0052】
少なくとも無負荷状態では圧締め部分から離れる方向に面する内部にあり、組立て状態では(長手方向もしくは貫通方向に平行な断面で)ライン保護ガイドに接する、各圧力部分が、少なくとも1つの凸状に湾曲したまたは外側に膨張した表面を形成する場合に、遷移の更なる改善が達成される。
【0053】
好ましくは、圧力部分は、貫通方向に直交するそれらの長手方向長さが陥凹部の全幅にわたるように、特に全体的に一体で配置される。
【0054】
各圧力部分は、2つの丸み付けられた短辺を有することができ、好ましくは対称的なプロファイル部材の形態であることができる。
【0055】
簡単な嵌合のため、各圧力部分は、圧締め部分の横断溝に固定するための突出する固定リブを有することができる。
【0056】
好ましい一実施形態では、少なくとも1つの圧締め部分の各受入れ手段には、相互に並置される関係で配設され、平行であって貫通方向に直交して、好ましくは互いに間隔を置いて配置される、2つの構造的に同一の圧力部分が受け入れられる。その場合、好ましくは、一方の圧力部分が、関連付けられた圧締め部分の一端で突出し、他方の圧力部分が他端で突出することによって、そこから外に出されるラインの利益となる縁部が鈍化した構成が達成されることを提供することができる。
【0057】
本発明の更なる詳細および特徴は、上述の一般性に対する限定なしに、例として添付図面を参照する好ましい実施形態の以下の記載から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1A】可撓性収容体を有する変位可能なライン保護ガイドの例として第1の実施形態を示す、一部を切り欠いた端部領域の部分図である。
【
図1B】可撓性収容体を有する変位可能なライン保護ガイドの例として第1の実施形態を示す、個々の収容ユニットを通る断面図である。
【
図1C】可撓性収容体を有する変位可能なライン保護ガイドの例として第1の実施形態を示す、端部圧締めデバイスを有する端部の正面図である。
【
図2】
図1A~
図1Cに関連する修飾された個々の収容ユニットを含む更なる実施形態を示す、(分解)断面図である。
【
図3A】
図2に示されるような収容ユニットおよび追加の支持デバイスを含む発展例を示す、端部領域の部分斜視図である。
【
図3B】
図2に示されるような収容ユニットおよび追加の支持デバイスを含む発展例を示す、分解断面図である。
【
図4A】複数のライン受入れ手段を形成するように細分された一体の収容ユニットを含む更なる実施形態を示す、開放状態の断面図である。
【
図4B】複数のライン受入れ手段を形成するように細分された一体の収容ユニットを含む更なる実施形態を示す、斜視図である。
【
図4C】複数のライン受入れ手段を形成するように細分された一体の収容ユニットを含む更なる実施形態を示す、閉止された断面図である。
【
図4D】複数のライン受入れ手段を形成するように細分された一体の収容ユニットを含む更なる実施形態を示す、端部圧締めデバイスを有する斜視図である。
【
図5】平行に互いに結合された2つの細分された収容ユニットと外側の支持チェーンとを含む、
図4A~
図4Dに示されるような一実施形態を用いた使用例を示す断面図である。
【
図6】
図4~
図5に関連する修飾されたクロージャを含む更なる実施形態を示す断面図である。
【
図7A】横方向固定プロファイルによって互いに解放可能に接続された個々の周囲方向で閉止された収容ユニットを含む、更なる実施形態を示す図である。
【
図7B】横方向固定プロファイルによって互いに解放可能に接続された個々の周囲方向で閉止された収容ユニットを含む、更なる実施形態を示す図である。
【
図8】ライン保護ガイドまたはライン保護デバイスの一般的な装置を示す、側面模式図である。
【
図9A】収容ユニットが横方向固定プロファイルによって互いに解放可能に接続される、本発明によるクレームでは請求されない一例を示す図である。
【
図9B】収容ユニットが横方向固定プロファイルによって互いに解放可能に接続される、本発明によるクレームでは請求されない一例を示す図である。
【
図9C】収容ユニットが横方向固定プロファイルによって互いに解放可能に接続される、本発明によるクレームでは請求されない一例を示す図である。
【
図9D】収容ユニットが横方向固定プロファイルによって互いに解放可能に接続される、本発明によるクレームでは請求されない一例を示す図である。
【
図10A】個々に充填することができる複数の受入れ手段、および関連する機能性領域の好ましい断面を有する収容ユニットを含む、本発明の更なる実施形態を示す図である。
【
図10B】個々に充填することができる複数の受入れ手段、および関連する機能性領域の好ましい断面を有する収容ユニットを含む、本発明の更なる実施形態を示す図である。
【
図10C】個々に充填することができる複数の受入れ手段、および関連する機能性領域の好ましい断面を有する収容ユニットを含む、本発明の更なる実施形態を示す図である。
【
図13A】本開示の更なる独立部分による、可撓性収容体を有するライン保護ガイドのための圧締め部分を含む、端部固定デバイスの好ましい一実施形態を示す図である。
【
図13B】本開示の更なる独立部分による、可撓性収容体を有するライン保護ガイドのための圧締め部分を含む、端部固定デバイスの好ましい一実施形態を示す図である。
【
図13C】本開示の更なる独立部分による、可撓性収容体を有するライン保護ガイドのための圧締め部分を含む、端部固定デバイスの好ましい一実施形態を示す図である。
【
図13D】本開示の更なる独立部分による、可撓性収容体を有するライン保護ガイドのための圧締め部分を含む、端部固定デバイスの好ましい一実施形態を示す図である。
【
図13E】本開示の更なる独立部分による、可撓性収容体を有するライン保護ガイドのための圧締め部分を含む、端部固定デバイスの好ましい一実施形態を示す図である。
【
図14】収容ユニットの更なる実施形態を示す図である。
【
図15】収容ユニットの更なる実施形態を示す図である。
【
図16】収容ユニットの更なる実施形態を示す図である。
【
図17】クロージャまたは固定具としての機能性領域の修飾例を示す図である。
【
図18A】支持チェーンを含む様々な装置を示す図である。
【
図18B】支持チェーンを含む様々な装置を示す図である。
【
図19】
図9A~
図9Dに例示されるような本開示による収容ユニット900が使用された複数の収容体を含む多層構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1A~
図1Cは、ライン(図示なし)のための往復自在に変位可能なライン保護ガイドの例として、第1の実施形態を模式的に示している。プラスチックから作製された複数の個々の収容ユニット101で構成される、細長い可撓性収容体100を有する。各収容ユニット101は、可撓性の軟質弾性プラスチック、特に熱可塑性プラスチック、例えばPE、PU、TPU、PTFE、延伸PTFE、PPなどから作られる。各収容ユニット101は、その長さにわたって、全体を通して長手方向Lに垂直な断面が同じ形状を維持している(
図1B)ものである。収容ユニット101は、例えば、適切なプラスチック押出しプロセスの押出し物として安価に作製することができ、適切な長さに、例えば約100mm~約1500mmに切断することができる。構造的に同一の収容ユニット101は、その内部に、ラインを保護してガイドするための、またその目的のため、受入れ手段102の断面に対して薄いゲージである壁領域103を有する管状構成のものである、実質的に円筒状の受入れ手段102を形成することができる。可撓性収容体100の受入れ手段102は、互いから空間的に分離されるので、それらの中で平行にガイドされるライン間でアブレーションは起こり得ない。
【0060】
各収容ユニット101は長手方向に延びる辺(長辺)に第1の機能性領域110を有し、それらは
図1A~
図1Cでは、鏡像対称で共役し、対向分離関係であり、互いに接している状態ではほぼT字形の断面を形成する、2つの閉止プロファイル111、112を備える。各閉止プロファイル111、112は、長手方向Lで連続しており、ここでは断面が例えばほぼL字形である。ここで示されるように、閉止プロファイル111、112は、互いから離れる方向に面するL字の足、または好ましくはクロージャの高さを低減するように互いにもしくは平行な並置関係で配設される、L字の足を形成することができる。閉止プロファイル111、112の間、特にそれらの間の中央において、収容ユニット101は、長手方向Lおよび径方向に延在する境界面または開口部113を有する。緩いまたは別個の収容ユニット101(
図1B)におけるギャップ形態の開口部113は、プラグを用いて予め作られたラインを長手方向Lに対して横方向もしくは横断方向で受入れ手段102に導入するため、またはそこから除去するために、収容ユニット101を曲げて開くことによって拡幅することができる。
【0061】
収容ユニット101は、第1の機能性領域110に対して対角線方向に対向する関係で、固定プロファイル122を備える第2の機能性領域120を有する。固定プロファイル122は、長手方向Lで連続しており、例えば実質的にC字形断面のものであり、第1の機能性領域110の閉止された閉止プロファイル111、112の外部輪郭と一致する関係でサイズ決めされた、特に正係止および強制係止接続のためにわずかに小さいサイズの、内部輪郭123を有する。固定プロファイル122を隣接する収容ユニット103の閉止プロファイル111、112に軸線方向で押し付けることによって、その開口部113を、粒子に関して少なくとも実質的に封止されるように閉止することができ、ラインを交換するために再び簡単に開放することができる。機能性領域110、120は、ここでは開口部113とともに、それらの長手方向対称断面により、可撓性収容体100の中立素分を、つまり長手方向中央面を規定し、その長さは曲げの際に、または方向転換する円弧4(
図8)において変化せず、つまり引張り/せん断応力を有さない。それに加えて、機能性領域110、120における追加の壁厚は、その可逆的な可撓性に知覚できる悪影響を及ぼすことなく、より制御された形で変位される、比較的安定した収容体100を作り出す。
【0062】
図1Aおよび
図1Cは更に、2つの圧締め部分131、132を有する2つの端部圧締めデバイス130の1つを示し、それらの間で収容体100の全ての収容ユニット101が、中でガイドされるライン(図示なし)とともに、例えば圧締めねじによって、端部において軸線方向で防塵的に閉鎖される。圧締めデバイス130はまた同時に、ライン(図示なし)の引張り応力を緩和することができ、例えば、この点に関して本明細書に組み込まれる特許文献3の教示に類似した、それ自体知られている構造的構成のものであることができる。
【0063】
図1Aは、2つの横方向外側の収容ユニット101の受入れ手段102に受容され、個々のチェーンリンクを備える、2つの支持チェーン135の1つを示している。任意の支持チェーン135は、一方では、チェーンが捩れないように保護するため、方向転換する円弧4(
図8)における最小の許容可能な半径を予め定めることができ、他方では、直線位置におけるチェーンリンクの当接により、移動可能なラン(run)、例えば上側ラン1(
図8)における収容体100の自己支持長さを増加させることができる。
【0064】
図1Bに示されるように、対向する閉止プロファイル111、112は、チューブのセグメントの性質である、収容ユニット101の壁領域103に一体で接続される。固定プロファイル122はまた、上側壁領域103および下側壁領域103と一体で接続される。特に、閉止プロファイル111、112は、一体材料を伴う一体での安価な生産の代替例として、適切なプラスチックとは別個に作製し、好ましくはプラスチック溶接によって、材料結合関係で壁領域103または収容ユニット101に接続して、複合材料を形成することができる。収容ユニット101または壁領域103の断面は、図示されるほぼ円形の形状の他に、長円または楕円のものであることもできる。閉止プロファイル111、112および固定プロファイル122の図示される断面形状は、ここでは単なる例として示され、異なる設計、例えば主に円形のものであることができる。
図1A~
図1Cに示されるような、平行に結合された収容ユニット101の数は、所望のラインの数に一致するように、所望のように選択することができ、または機能性領域110、120によって後で拡大することができる。閉止プロファイル111、112は、それに加えて、隣接する収容ユニット101を分離した後の開口部113の望ましくない拡幅を回避するために(
図4A~
図4Dも参照)、例えばZiploc(登録商標)の原理などにしたがって、圧力クロージャの形態で開放する目的で内部で設計することができる(ここでは図示なし)。
【0065】
図1A~
図1Cは更に、固定プロファイル122に対応する内部輪郭を有する閉止バー105を示している。閉止バー105は、固定プロファイル122と同様に、横方向外側の収容ユニット101とともに外側に配設される、開口部113または閉止プロファイル111、112を(アブレーション粒子の放出に関連して)封止して閉止するのに役立つ。
【0066】
図1Cは、全ての固定プロファイル122が正係止関係で、および/または強制係止係合によって、例えば圧締め作用で、対向する閉止された閉止プロファイル111、112に接続され、挟み込まれた開口部113を防塵的に、また長手方向Lで連続して閉止している、収容体100の完全に閉止された動作状態を示している。
【0067】
図1と同一のまたはそれに対応する構造もしくは機能を伴う特徴は、対応して
図2~
図7を参照することによって示され、場合によっては改めて記載されない。
【0068】
図2は、収容体(
図1A~
図1C)を構築するための2つの機能性領域210、220を有する、好ましい代替の収容ユニット201を示している。収容ユニット201は、特に、第2の機能性領域220における固定プロファイル222の異なる断面形状によって、
図1A~
図1Cとは異なる。
図2の固定プロファイル222は、正形状のものであるか、または例えば境界面または開口部213を除いてT字形状であり、第1の機能性領域210の断面に対応する、断面と正係止する雄部分にある。したがって、収容ユニット210は、両方の長手方向中央面に関連して、
図2における垂直方向および水平方向で、片側の開口部213を除いて実質的に対称の断面のものである。対応する対称性は、方向転換する円弧4(
図8)における均一な歪みのない屈曲のためにも望ましい。あるいは、第2の機能性領域210は第1の機能性領域210と同一であることができ、つまり両側に開口部213を有して完全に対称である。その場合、収容ユニット201は、例えば射出成形プロセスによって作製することができる、2つの構造的に同一の半型部分で構成される(図示なし)であろう。
【0069】
それに加えて、収容ユニット201は、隣接する収容ユニット201を開放することなく分離を可能にする。それは、いずれの場合も固定バー204を分離することにより、隣接する収容ユニット201(
図1C)を固定することによって達成される。固定バー204は、例えばH字形または二重のC字形の、全体を通して均一である対称的な断面のものである。固定バー204は、ここでは負形状または正係止する雌部分の形態である、両方の機能性領域210、220に一致する内部輪郭223を両側に有する。固定バー204は、
図2が示すように、正係止係合および/または強制係止係合によって、2つの収容ユニット201を解放可能に接続することができる。同時に、固定バー204は機能性領域210とともに、閉止プロファイル211、212の間の開口部213を防塵的に閉止する、クロージャとして役立つ。特に機能性領域210、220および固定バー204の、他の断面も、
図2に示される原理を適切に具体化することができる。
【0070】
図3A~
図3Bは、
図2の収容ユニット201の対称構造の更なる利点を示している。外側収容ユニット201に横方向で、つまり収容体200の短辺に、
図3Bに示されるように、機能性領域210、220において収容ユニットを支持し既定のようにガイドする、それぞれの構造的に同一の支持デバイス240を取り付けることが可能である。その目的のため、支持デバイス240は、固定バー204に対応する断面の、つまり機能性領域210、220の断面に一致するキャリアバンド244、例えば内部輪郭223を有する両側の溝を有する。
【0071】
支持デバイス240は、方向転換する円弧4(
図8を参照)の半径を予め定め、自己支持型のラン1を直線位置で支持するように、またはラン1の可能な長さを増加させるように設計される。その目的のため、支持デバイス240は、長手方向Lに対する横断方向で、キャリアバンド244で形成され、それに直交するT字形の当接要素245を両側に有し、T字のアーム246、247は収容体200の長手方向Lで配設される。上側/下側または内側/外側のT字のアーム246、247は異なる長さのものなので、方向転換する円弧4のT字のアーム247は所望の半径で径方向内側に当接し、T字のアーム246は直線位置で当接している。キャリアバンド244は、固定バー204のように、好ましくは、可撓性収容体200の中立素分のレベルに配設される。固定バー204および支持デバイス240は、可撓性の曲げ弾性プラスチックから作られる。それらはラインには擦れず、したがって必要な場合、例えば、方向転換する円弧4の半径を維持するか、または自己支持型のラン長さを増加させるため、収容ユニット201よりも曲げ強度が高いものであることができる。支持デバイス240の構成に関連する更なる詳細は、キャリアバンド244の構成を除いて、国際公開第2008/125087号の教示に対応することができる。
【0072】
図1および
図2では、各収容ユニット101、201はそれぞれ、1つまたは場合によっては複数のラインに対して、正確に1つの受入れ手段102、202を形成する。
図4~
図6は、収容体101がそれぞれ一体の収容ユニット401、601を有し、同じ収容ユニット401、601に複数の平行な受入れ手段402、602を形成する細区画を含む、実施形態を示している。
【0073】
図4~
図5は、ラインを交換または導入するのにそれぞれ個別に開放(
図4A)および閉止(
図4C)することができる、例えば3つの平行な受入れ手段402を有する、代替の一体収容ユニット401を示している。収容ユニット401は、
図4に示されるように、長手方向Lで全体的に同じままである断面を有する、可撓性プラスチックプロファイルの形態で一体で設計することができる。例えば、押出しによって一個片から製造することができる。製造技術に関する利点および材料に関連する利点は、機能性領域、特に閉止プロファイル411、412が別個に、また場合によっては特に好適な異なるプラスチックから作製され、続いて壁領域と一体に接合される場合に、達成することができる。また、多部品製造プロセスを想到することが可能である。
【0074】
収容ユニット401は、短辺に、両側で対向する関係の2つの機能性領域420、421を有し、
図5に示されるように、それを用いて隣接する収容ユニット401を互いに平行に接続することができる。
図4~
図5の機能性領域420、421は、収容ユニットと一体であり、例えば
図1と同様に、共役する形で断面が相互係合する、正係止および強制係止関係に適合された、固定プロファイル422、425を有する。固定プロファイル425は、開放される側では、固定プロファイル422の内部輪郭423に一致する外部輪郭を含む、例えば
図1A~
図1Cの機能性領域110と同様の、中間境界面を有する二部分で設計される。あるいは、
図2~
図3と同様に、別個の固定バーを用いた固定も可能である。
【0075】
図4Aが更に詳細に示すように、同じ収容ユニット401の複数の受入れ手段402それぞれの一辺において、それぞれの機能性領域410は、対向して配設される一対の協働する閉止プロファイル411、412を用いて、一体で収容ユニット403に接続される。閉止プロファイル411、412はまた、均一な断面で長手方向Lに延在し、それぞれの関連する受入れ手段402(
図4C)を(粒径に関連して)封止して閉止するのに役立つ。閉止プロファイル411、412は、好適な圧力封止の原理などで、例えば断面の返し形状を用いて、正係止関係で互いに係合するプロファイル要素414を少なくとも含む、閉止バーの形態であることができる。支持領域415は、閉止状態(
図4C)でプロファイル要素414を正係止で掛け留めするのに役立つ。関連付けられた閉止プロファイル411、412を用いて、受入れ手段420は、必要に応じて個別に開放し、封止して閉止することができる。開放は、可撓性壁領域403を曲げ開放することによって行うことができる。
図4~
図5は、例えば、動作中の望ましくない開放を除外するため、各閉止プロファイル411、412において2つのプロファイル要素414をそれぞれ備える堅牢な二重クロージャの形態である、機能性領域410を示している。しかしながら、望ましくない開放は、収容体400の開放されるべき幅広側が方向転換する円弧4の径方向内側に配設されている場合、既に回避することができている。閉止プロファイル411、412の間の開口部413の境界面は、中立素分のレベルに配置される(
図4Cを参照)。
【0076】
図5は、それらの横方向の機能性領域420、421またはそれらの固定プロファイル422、425を用いて、互いに対して解放可能に平行に固定された2つの収容ユニット401を備える、収容体500を示している。それぞれの支持チェーン135は、
図1Aに関連して記載したように、例えば長い長さが関与する場合、2つの横方向外側の受入れ手段402に配置することができる。
【0077】
図6は、全ての受入れ手段602全体に対して1つのみのクロージャを有する収容ユニット601を有する、
図4~
図5に関連する変形例を示している。その目的のため、短辺に協働する閉止プロファイル611、612を含む、1つのみの機能性領域610が提供される。壁領域603は、収容ユニット601の両方の長辺で互いにプレート状に接続されるように設計される。そうでなければ、収容ユニット601は収容ユニット401に対応する。
【0078】
図7A~
図7Bは、正確に1つの受入れ手段702をそれぞれ形成する、複数の個々の構造的に同一の収容ユニット701で構成される、収容体700の更なる好ましい一実施形態を示している。
図1~
図6とは対照的に、収容ユニット701は、長手方向Lおよび周囲方向で閉止され、つまり収容壁703が受入れ手段702の周りで中断なしに延在する。壁703は、例えば、ほぼ楕円形もしくは円形の断面の、チューブまたはホースなどの形態である。収容ユニット701は、少なくとも主に可撓性で恒久的に弾性の曲げ可能なプラスチックから作られる。
【0079】
収容ユニット701は非破壊的に開くことができず、つまり、
図1~
図6とは異なり、ラインを軸線方向または長手方向で通さなければならない。そのように、保守管理作業中の望ましくない粒子の放出を回避することができる。保守管理の単純化および拡張性は、単に固定機能の概念によって、または個々の収容ユニット701を平行に固定するように協働する機能性領域720、721のみによって、受入れ手段702に閉止機能を有さない収容ユニット101を用いて達成される。
【0080】
各収容ユニット701は、
図7A~
図7Bに示されるように、閉止された収容壁702と対角線方向に対向する関係で両側に作製されるか、または後でそれに接続され、長手方向Lで延長される、機能性領域720、721を有する。機能性領域720、721はそれぞれ、固定ストリップとして、正係止係合および/または強制係止係合によって解放可能に接続する、固定プロファイルまたは固定バーを有する。機能性領域720、721は、必要に応じて、収容ユニット701を隣接する収容ユニット701から解放するか、またはそれに嵌合させるため、協働するように適合される。
図7Bは、例として、2つの接続された収容ユニット701を示している。例えば、固定プロファイルを、押出しできるように長手方向で均一な断面のものである、機能性領域720、721として使用することが可能である。機能性領域720、721はここでも、壁103に沿った2つの辺で対向する関係で、面内でストリップ形態として延在する。機能性領域720、721の固定ストリップは、歯付きのジップクロージャ、歯なしのスライドクロージャなどの方式のものであることができる。機能性領域720、721は、場合によっては、固定プロファイルまたは固定バーを接続する
図2のような別個の固定バーとも、固定の目的で協働する。
図7Bは、収容ユニット701を固定するため、単に例として、例えば正係止の歯なしスライドクロージャの形態のものである、機能性領域720、721を接続/分離するクロージャスライダ750を模式的に示している。機能性領域720、721は、例えば押出しまたは射出成形によって、別個に作製することができ、収容ユニット701の残りのプロファイルに一体的に接続することができ、例えば、好適な手順を使用して、長手方向で連続して適所に溶接することができる。好ましくは、その目的のため、収容壁703および機能性領域720、721は熱可塑性プラスチック材料から作られる。
【0081】
隣接するガイドチャネルまたは受入れ手段102…902は、少なくともいくつかの受入れ手段102…902に機能性領域を有するバンド状の中間領域によって互いに適宜固定され、それによって保守管理が単純になり、および/または収容体を後で修正するのが容易になる。
【0082】
曲げ弾性の収容ユニット101…901は、特に後で材料結合関係で接続される、特に互いに溶接される、別個の領域を備える多部分構成で、1つのプラスチック材料のみから一体材料で作製することができる。収容ユニット101…901は、場合によっては多層構造で、またはコーティングを有して、例えば長辺における摩擦を低減する外部の特別なプラスチックを有して作製することができる。
【0083】
図8は、移動可能な上側ラン1および固定の下側ラン3を形成する、例えば
図1~
図7の1つに示されるような、防塵的収容体100を含む動的ラインガイドの構成を模式的に示している。それらの間で、収容体100は、名目上の軸線Aを中心にした所定の曲げ半径を有する、方向転換する円弧4を形成する。方向転換する円弧4は、上側ラン1が移動可能な接続7によって変位されると、固定の接続5に対してある距離を移動する。しかしながら、ここでは空間内の任意の位置が関与し、収容体100は垂直または横方向にも移動することができる。収容体100の2つの端部は、例えば
図1Aに示されるような圧締めデバイスを用いて、防塵的に閉止される。収容体100は、全体がホース状の構成であり、特に好適な構成により、および/または好適な材料選択により、十分に可撓性であって、少量の力を加えることで、方向転換する円弧4の可逆的な可撓性の屈曲が可能であり、また可能な最低限の抵抗レベルで移動可能な接続7の移動に追随する。
【0084】
図9A~
図9Dは、複数の個々の収容ユニット901で作られた収容体900を模式的に示している。収容ユニット901はそれぞれ、1つまたは複数の受入れ手段902を形成する。
図1~
図6とは対照的に、収容ユニット901は、長手方向Lおよび周囲方向で閉止され、つまり、1つまたは複数の受入れ手段902の周りで中断なしに延在する収容壁903を用いて設計される。壁903は、例えば、チューブ、ホースなどの形態であり、ほぼレンズ形状または弓形(もしくは先のとがった楕円形)の、あるいは楕円または円形の断面も有する。好ましくは、
図9A~
図9Dに示されるレンズ形状の断面が、受入れ手段902を提供するのに使用される。それは、特に、中立素分に対して対称的な弦で組み立てられる、円の2つの同一セグメントから形成することができる。その断面形状によって折り目の形成が、つまり方向転換する円弧のアブレーションが低減される。収容ユニット901は、少なくとも主に可撓性で恒久的に弾性の曲げ可能なプラスチックから作られ、特に押し出され、例えば延伸PTFEから作られる。
【0085】
収容ユニット901は、
図9A~
図9Dに示されるように、非破壊的に開くことができず、つまり、
図1~
図6とは異なり、ラインを同じ軸線方向または長手方向で通さなければならない。それにより、保守管理作業中の望ましくない粒子の放出を高い信頼性で回避することができる。保守管理の単純化および拡張性は、単に固定機能の概念によって、または個々の収容ユニット901を平行に固定するように協働する機能性領域920、921によって、受入れ手段902に閉止機能を有さない収容ユニット901を用いて達成される。その場合、各収容ユニット901は例えば、収容ユニット901の交換により、異なるラインストランドとは独立してプラグなどを用いて予め作られたラインストランドを新しくするために、相互に関連するラインストランドを有することができる。
【0086】
各収容ユニット901は、
図9A~
図9Dに示されるように、対角線方向に対向する関係で両側に配設され、閉止された壁903と一体で作製されるか、または後でそれに接続され、長手方向Lで連続的に延在する、機能性領域920、921を有する。機能性領域920、921はそれぞれ、固定ストリップとして、正係止および/または強制係止係合によって解放可能に接続する、固定プロファイルおよび/または固定バーを有する。機能性領域920、921は、必要に応じて、収容ユニット901を隣接する収容ユニット901に嵌合し、またはそこから分離するため、協働するように適合される。好適な構造については、
図10A~
図10Cを参照して以下に記載する。
【0087】
図9B~
図9Dは、例として、2つの接続された収容ユニット901を示し、第1の収容ユニット901は3つの受入れ手段902を形成している。
図9Bでは、第2の収容ユニット901も3つの受入れ手段902を有する。
図9Cでは、第2の収容ユニット901は2つの受入れ手段902を有し、
図9Dでは1つの受入れ手段902がある。収容ユニット901によって形成される異なる数の受入れ手段902によって、収容ユニット901をラインストランド(図示なし)に、特にラインストランド(図示なし)内のライン(図示なし)の数に適合させることができる。したがって、収容体900内に適合された数の受入れ手段902を有する収容ユニット901の要件にしたがった構成により、収容ユニット901を交換することによって個々のラインストランド(図示なし)を必要に応じて交換することが可能になる。
【0088】
例えば、固定プロファイルを、押出しできるように長手方向Lで均一な断面のものである、機能性領域920、921として使用することが可能である。機能性領域920、921はここでも、収容壁903に沿った2つの辺で対向する関係で、面内でストリップ形態として延在する。機能性領域920、921の固定ストリップは、例えばプレスクロージャバッグまたは好ましくはジップクロージャバッグと同様に、相互係合する固定プロファイルを有するクロージャの方式で設計される。機能性領域920、921はここでは、場合によっては、固定プロファイルまたは固定バーを接続する
図7のような別個の固定バーとも、固定の目的で協働する。
【0089】
好ましくは、機能性領域920、921は、一体材料を使用してまたは異なるプラスチックから、例えば、機能性領域920、921に可撓性であるがより強力なまたは硬質のプラスチックを用いて、押出しによって壁903と一体で作製される。機能性領域920、921は、例えば押出しまたは射出成形によって、別個に作製することができ、収容ユニットの残りのプロファイルに一体的に接続することができ、例えば、好適な手順によって長手方向で連続して溶接される。好ましくは、その目的のため、壁903および機能性領域920、921は熱可塑性プラスチック材料から作られる。
【0090】
図10A~
図10Cは、
図4A~
図4Dに示される原理の変形例を表す、収容ユニット1001の特に好ましい更なる例を示している。この場合も、収容ユニット1001は、好ましくは押出しによって、可撓性の曲げ可能なプラスチックから作られ、閉止状態(
図10B)ではライン6に対して複数の、例えば3つの受入れ手段1002を有する。その場合、各受入れ手段1002に対する収容ユニット1001は、クロージャの形態の、ここでは特に、共役関係で互いに係合する2つの係合プロファイルもしくはクロージャプロファイルを、より具体的には鉤爪プロファイル1012に係合することができるフックプロファイル1011を有する、ストリップ状のクロージャバーの形態の、それぞれ専用のまたは関連する機能性領域1010を有する。フックプロファイル1011および鉤爪プロファイル1012はそれぞれ、少なくとも1つのアンダーカット構成を、好ましくは2つの対称的なアンダーカット構成を備え、返し状の機能を用いて互いに係合し、つまり、閉止または接続が比較的簡単であるが、非常に大きな力を適用することによってのみ解放される。
【0091】
それに加えて、両方の対向する短辺において、収容ユニット1001は、相互に並置された関係または支持デバイス(
図3Aを参照)において横方向の位置で、複数の収容ユニット1001を対応する構造的に同一の機能性領域1020および1021とモジュール式に固定するのに役立つ、それぞれの機能性領域1020および1021も有する。固定ストリップまたはバンド1020、1021はそれぞれ、ここでは、クロージャ機能性領域1010と同様または同一の、鉤爪プロファイル1022およびフックプロファイル1025の形態でもある。
【0092】
図10Cは、同一の構造であることによってクロージャ機能性領域1020および1021に使用することもできる、フックプロファイル1011および鉤爪プロファイル1012の拡大断面図を模式的に示している。フックプロファイル1011および鉤爪プロファイル1012は、長手方向(
図10Cの面に垂直)で全体を通して断面が同じままのものであり、方向転換する円弧4(
図4)の軸線Aを中心にして曲げ可能な可撓性ストリップまたはバンドの形態である。フックプロファイル1011は、例えばここで示されるように矢印形状、マッシュルーム形状などの、中立素分Nに対して対称的な二重フックプロファイルの形態であり、それぞれの対応する後部アンダーカット構成またはアンダーカット部分を有する。後側1027は、返しとしての作用を向上させ、望ましくない分離を高い信頼性で防ぐために、対称面および接続方向に対してある角度で後方に傾斜して延在することができる。鉤爪プロファイル1012は、中立素分Nに対して対称的な対応する断面のものである。鉤爪プロファイル1012は、一致する断面およびアンダーカット構成を有するフックプロファイル1011と一致する関係または共役関係の内側受入れ手段を有し、受入れ手段は、強制係止接続を達成するように小さいサイズで設計することができる。その受入れ手段の周りで、鉤爪プロファイル1012は、顎のようなフックプロファイル1011の後方に係合し、それを素早く保持する、2つの鉤爪状のバーまたはストリップを形成する。特に歯なしジッパー、特にプラスチックで作られたジップロック(登録商標)、スライドクロージャ、またはプレスクロージャの場合のように、フックプロファイル1011および鉤爪プロファイル1012の他の形態も考慮することができる。上述の構成は、固定する機能性領域1020、1021に適切に使用することができる。全長にわたって実質的に均一な断面のものであり、スライダなしで操作される相互係合する部分を含む、ジッパー1010または1020、1021は、その構造は押出しプロセスを使用して簡単に実現することができるので好ましい。また、開放または閉止する目的のためのツールまたは補助として、好適なスライダを提供することが可能である。
【0093】
図10A~
図10Cのような、中立素分Nのレベルのクロージャ機能性領域1010および固定する機能性領域1020および1021の装置は、特に有利である。中立素分Nは、ゼロラインとも呼ばれ、曲げた際に、特に方向転換する円弧4(
図8)の変位の際に長さが変化しない断面の層であり、つまり、屈曲の際に長手方向の一定の寸法を伴う層である。
【0094】
図10Cから特に明確に分かるように、固定する機能性領域1020および1021は、長手方向Lに垂直な接続方向Vで互いに比較的簡単に接続することができ、接続方向Vは実質的に中立素分Nの面内であることができる。しかしながら、固定する機能性領域1020および1021は、方向Vに対向する関係で非常に困難を伴わなければ分離することができないので、動作の際に望ましくない解放が起こらない。
【0095】
クロージャ機能性領域1010および固定する機能性領域1020、1021は、受入れ手段1002の壁とともに一体材料で作製することができるか、または比較的曲げ剛性が高いプラスチックから、例えば押出しプロセスを使用して作製して、接続および収容ユニット1001全体の安定性を増加させることができる。
【0096】
図11は、固定する機能性領域1120および1121が
図10A~
図10Cに示される原理にしたがって設計される、収容ユニット1101を含む修飾例を示している。クロージャ機能性領域1110は、対照的に、
図4A~
図4Cの原理に基づいた二重フック係合プロファイルの形態のものである。ここで、
図4A~
図Cの図は、クロージャ機能性領域410が大幅に拡大された縮尺で示されているので、縮尺通りではないことに留意されたい。一般的に、機能性領域1010、1020または1021または1110、1120および1121は、断面がミリメートル範囲、例えば約1mm~約3mmの構造的高さのものである。
【0097】
図12も、
図12の各収容ユニット1201が、個別に開放し閉止することができる正確に1つの受入れ手段を形成する点が本質的に異なる、
図10A~
図10Cに対する修飾例を示している。
図10A~
図10Cに類似するフックプロファイル1211および鉤爪プロファイル1212を
図12の各受入れ手段に含む、対応するクロージャ機能性領域1210の他に、個々の受入れ手段はそれぞれ、各短辺の両側にそれ自体の固定プロファイルを、例えば鉤爪プロファイル1222またはフックプロファイル1212を有する。
【0098】
図14は、収容体1402がそれぞれ、閉止プロファイル1411、1412が閉止バーとして提供される1つのみの受入れ手段1402を含み、正係止関係で互いに係合する、2つの協働するプロファイル要素1414をそれぞれ有する、発展例を示している。それらのプロファイル要素1414は、例えば、
図4Aおよび
図6それぞれに類似する、好適なプレスクロージャなどの原理にしたがった、返し形態の断面のものである。関連付けられた閉止プロファイル1411、1412を用いて、受入れ手段1402はここでも、ラインまたは支持チェーンの交換のため、必要に応じて個別に開放され、防塵的に閉止される。閉止プロファイル1411、1412は、受入れ手段1402の閉止状態(
図14B)におけるしっかり固定された接続のため、2つの相互係合する平行なフックバーまたはプロファイル要素1414をそれぞれ有する、二重の歯付きバーを有する。それに加えて、各収容体1401は、閉止プロファイル1411、1412に横方向で並んで配置され、また均一なプロファイルで長手方向に連続して延在する、2つの協働する固定ストリップまたはプロファイル1421、1422を有する。この場合、固定プロファイル1421、1422は、閉止プロファイル1411、1412と同じ構造的形状または同じ断面のものである。
図14A~
図14Bの例では、閉止プロファイル1411、1412を開いた後、収容壁1403を曲げて開くことができる。それとは独立して、個々の収容体1401を、固定プロファイル1421、1422を用いて、互いに接続または互いから解放することができる。
図9~
図10および
図13からの逸脱として、しかしながら、固定プロファイル1421、1422の接続方向Vは、ここでは中立素分には配設されないが、中立素分Nに垂直に方向付けられ、またここでは、
図14Bが示すように、長手方向に垂直な面内にある。
【0099】
図14からの変形例として、
図15は、嵌合状態では同等であり、各収容体1501が2つの閉止プロファイル1511、1512および1つのみの固定プロファイル1521をそれぞれ有する、2つの半型部分1503Aで構成される、構造的構成を示している。しかしながら、2つの接続された半型部分1503Aは、
図15Bに示されるように、2つのそれぞれ横方向の機能的に別個の固定ストリップ1521A、1521Bを用いて、やはり互いに結合されるか、または接続される。
【0100】
図16に示される変形例では、閉止プロファイル1611、1612は、
図14~
図15または
図4または
図6のものに対応するが、固定ストリップ1621、1622は、接続方向で互いに嵌合することができる、
図9および
図10Cのフックおよび鉤爪プロファイルを有する。
【0101】
特に
図14~
図16および
図4および
図6の閉止プロファイルの、可能な発展例として、
図11は、好適なプレスまたはジップクロージャの原理に基づいた、協働する機能性領域1711、1712を含む更なる機能的プロファイルの拡大模式図を示している。この場合、個々のクロージャプロファイル要素1714は同一断面のものであり、鏡像対称のマッシュルームヘッド型または二重のT字形などをそれぞれ有し、互いにまたは二列の形態で互いの後方にフック状に係合する。かかる設計構成により、
図4のような別個の支持領域415は不要である。
図17の機能性領域1711、1712は、例えば
図14~
図15に示されるように、固定プロファイルとして使用することもできる。機能性領域1711、1712を解放または接続するため、クロージャスライダ750(
図7Bを参照)を提供することができる。
【0102】
図18A~
図18Cは、例えば
図9と同様に、収容ユニット901を含む収容体の様々な装置を示している。
図18Aでは、2つの外側の横方向収容ユニット901は、具体的には2つの模式的に示される支持チェーン135と関連付けられるので、それらの関連付けられた収容体901と別個に交換される。これは
図18Bにも適用され、
図18Bの場合、支持チェーン135と関連付けられた収容体901Bは、例えばより大きいサイズの堅牢な支持チェーン135のため、ラインガイド収容体901Aよりも比較的大きい自由断面のものである。
【0103】
図19は、例えば
図9A~
図9Dに示されるような、本発明による収容ユニット900が使用され、いくつかの収容体901Bが、例えば方向転換する円弧の内層である下層900-5において、支持チェーン135に対して別個に提供される、複数の収容体900-1・・・900-5を含む多層構造を示している。
【0104】
図13A~
図13Eは、最後に、必須ではないが
図1~
図12の教示の1つにしたがって実施されることが好ましい、独立した発明による、クリーンルーム用途向けの記載した一般的種類の可撓性収容体1300を示している。収容体1300は、
図8に示される原理に基づいて変位可能である。収容体1300の2つの端部領域1305、1307は、その場合、例えば固定点および移動可能な接続点で、構造的に同一の圧締めデバイス1330を用いて互いに接続される(
図8を参照)。
【0105】
図13A~
図13Eに示される圧締めデバイス1330は、
図1Aおよび
図3Aに示される原理の発展例を表す。各圧締めデバイス1330は、第1の圧締め部分1331と第2の圧締め部分1332とを有する。各圧締め部分1331、1332はプレート状であり、例えば、金属の成形部品の形態で作られ、対応する端部領域1305および1307それぞれのための内部陥凹部または受入れ手段1333を有する。ここではほぼ長方形の圧締め部分1331、1332はそれぞれ、ラインの貫通方向または長手方向Lを横断して、ここでは直交して延在する、2つの対向端部1334、1335を有し、それにしたがって収容体1300がそれぞれの圧締めデバイス1330に嵌合される。図示される例では、各陥凹部または受入れ手段1333は、長手方向Lの両端で、つまり端部1334、1335で外側に開いているので、ラインを妨げられずに貫通させることができる。陥凹部または受入れ手段1333に関して、圧締め部分1331、1332は両方とも好ましくは同じ構造的構成のものであり、組立て状態において2つの圧締め部分1331、1332を互いに対して定着するねじ接続に関してのみ異なる(
図13Aおよび
図13C)。
【0106】
図13Bの斜視図および
図13Dの断面図(
図13Cの正面図から見た断面XIIIDに対応)が示すように、各陥凹部1333の内部には、2つの構造的に同一の圧力部分1340がそれぞれ提供される。
【0107】
圧締めデバイス1300が閉止された状態で、圧力部分1340は、ライン保護ガイドまたは収容体1300の対応する端部領域1305、1307に押し付けられ、それらを長手方向において強制係止関係で保持する。それに加えて、圧力部分1340は、収容体1300の開放端で粒子が逃げるのを防ぐため、防塵的な閉止を提供するか、または封止プロファイル部材として役立つ。
【0108】
その目的のため、各圧力部分1340は、圧締め部分1331、1332の材料に対してより圧縮可能または軟質であり、特に軟質弾性またはゴム弾性または場合によっては硬質弾性でもあり、特にここでは、1345(
図13E)で示されるように断面が楕円または弓形である2つの中空空間を有する中空部材押出し部材の形態である、プラスチックから作られる。圧力部分1340の所望の変形可能性は、材料選択および/または整形によって、別の形で達成することもできる。
【0109】
結果として、各圧力部分1340は、圧締め部分1331、1332の加圧または補強の際に変形可能であるように適合され、とりわけ、ライン(
図13A~
図13Eには図示なし)の引張り応力緩和手段として役立つ。
【0110】
図13Dが最も良く示すように、その場合、各圧力部分1340は、貫通方向または長手方向Lで突出もしくは突起するサイズおよび/または構成のものであり、特に、対応する短辺1344は、関連付けられたそれぞれの圧締め部分1331および1332のそれぞれの端部1334および1335を超える。それは、それぞれの圧力部分1340が、対応する末端部に縁部鈍化作用をもたらす保護を提供し、それによってライン保護ガイドまたは収容体1300がそれぞれ、それぞれの端部1334および1335と接触しなくなることを提供する。それは特に、収容体1300の構成に対して内側に配設される、またはそれぞれ他方の圧締めデバイス1330に向かい、そこで収容体1300がそれぞれ圧締めデバイス1330に導入または嵌合される、端部1335(
図13A)に関して有利である。
【0111】
試験が示したように、収容体1300(偏向された動作位置にある
図13Aではなく、
図8を参照)の移動により、特に収容体1300のアブレーションによる望ましくない粒子の発生に関する臨界位置は、方向転換する円弧4(
図8)に近付くときに端部固定デバイスに形成される。その問題は、ここでは提案される圧力部分1340によって著しいコスト増加なしに、角部保護を提供する単純な基準によって緩和することができる。
【0112】
圧力部分1340は、関連付けられた圧締め部分1331および1332それぞれの臨界端部1335を超えて突出し、少なくとも組立て状態において保護をもたらす。それに関して、端部1335の、つまり収容体1300に向かう縁部は、場合によっては部分的に補強または被覆することもできるが、長手方向の十分な保護のための突出構成がある場合(
図13Dを参照)は、そのようにして圧力部分はより柔らかい遷移を既にもたらしているので、不要である。それに加えて、収容体1300の材料に関して、圧力部分1340の材料の好適な選択は、材料のペアリングを提供することができ、圧締め部分3331および3332それぞれの剛性材料、大部分は金属と比較して、アブレーシブ摩耗に関してより有利である。圧力部分1340のプラスチックは、特に、収容体1300のプラスチックよりも硬質かまたは軟質弾性が低いものであることができる。
【0113】
対向する自由端1334における圧力部分1340に対する突出も、そこでラインガイドから外に出されるラインの保護に関して、粒子の逃げに対する封止作用を改善するのに有利である。
【0114】
有利には、無負荷状態の各圧力部分1340は、圧締め部分から離れる方向に面する内側において、断面(
図13D)で、収容体の外側においてできるだけ軟質である遷移または境界面を提供するために、1つもしくは複数の凸状に湾曲したまたは外側に膨張した表面1342を形成する。
【0115】
プロファイル状の圧力部分1340は、
図13Bに示されるように、貫通方向Lに直交するそれらの長手方向長さが陥凹部1330の全幅にわたって連続して延在することができる。好ましくは、各圧力部分1340は更に、2つの丸み付けられた短辺1344を有する。
【0116】
圧力部分1340は、安価に、また組立てを単純にするために対称的なプロファイル部材の形態で作製することができる。圧締め部分1331、1332に固定するため、各圧力部分は、圧締め部分の横断方向溝に固定するため(
図13D)、突出する、例えば歯付きの固定リブ1346を有して、後部に提供することができる。
【0117】
好ましくは、2つの構造的に同一の圧力領域1340は、貫通方向に直交して、つまり収容体1300の長手方向Lに延在するように、相互に並置され平行に離間した関係(
図13D)で、各圧締め部分1331、1332に配置される。
【0118】
圧締めデバイス1300の提案される圧力部分1340は、圧締め部分1331、1332、特に方向転換する円弧の内部に向かって面するそれらの端部1335と、収容体1300との間の縁部保護の他に、それと同時に、ラインのより良好な保護、ならびに粒子が逃げるのに関する信頼性の高いモジュール式の封止、および/または異なるライン直径のラインに対する引張り応力緩和とを提供する。したがって、必要な構成要素の数が低減され、組立てが圧力部分1340によって単純化される。