(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】製造物品を作製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
D04H 3/03 20120101AFI20240625BHJP
D04H 3/013 20120101ALI20240625BHJP
D04H 3/007 20120101ALI20240625BHJP
D04H 1/413 20120101ALI20240625BHJP
【FI】
D04H3/03
D04H3/013
D04H3/007
D04H1/413
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023031033
(22)【出願日】2023-03-01
(62)【分割の表示】P 2020539693の分割
【原出願日】2019-01-22
【審査請求日】2023-03-31
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー エドワード リード
(72)【発明者】
【氏名】マイケル シーン プラット
(72)【発明者】
【氏名】ポール アール.モルト ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ロバート グラスメイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ディナ アコーラ ニアンジロ
(72)【発明者】
【氏名】マーク ウィリアム ハマースキー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード アレン ディエマール
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー モス ヴォーン
(72)【発明者】
【氏名】ギャビン ジョン ブロード
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー チャールズ ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】フランク ウィリアム ドゥノーム
(72)【発明者】
【氏名】マーク ロバート シヴィク
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ジョセフ ドレハー
【審査官】斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-509147(JP,A)
【文献】特開2013-139337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0190543(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0355950(US,A1)
【文献】特表2016-540701(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0342617(US,A1)
【文献】特表2020-529525(JP,A)
【文献】特表2020-505519(JP,A)
【文献】特許第7235755(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/00 - 18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の製造物品を作製するための連続プロセスであって、
a.ダイから複数の水溶性フィラメントを紡糸する工程と、
b.前記複数の水溶性フィラメントを複数の固体添加剤と混合する工程と、
c.回収装置上の形成ゾーン内に前記混合された水溶性フィラメント及び固体添加剤を回収して、繊維構造体を形成する工程と、
d.変換操作により、前記繊維構造体を1つ以上の製造物品に変換する工程であって、前記変換操作は、スリット加工、積層、カレンダー加工、任意の成分による処理、ダイカット、印刷、パッケージング、機械的プライ接合、化学的プライ接合及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数を含む工程と、
を含む、連続プロセス。
【請求項2】
前記紡糸する工程が、フィラメント形成材料を含むフィラメント形成組成物を前記ダイに提供する工程を更に含む、請求項1に記載の連続プロセス。
【請求項3】
前記混合する工程が、前記ダイと前記回収装置との間で、前記複数の水溶性フィラメントに前記複数の固体添加剤を導入することを含む、請求項1又は2に記載の連続プロセス。
【請求項4】
前記フィラメント形成材料がポリマーであり、好ましくは、前記ポリマーが、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガカントガム、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、デキストリン、ペクチン、キチン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシル化ポリビニルアルコール、スルホン化ポリビニルアルコール、デンプン、デンプン誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ヒドロキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、前記ポリマーが、ポリビニルアルコールを含む、請求項2または3に記載の連続プロセス。
【請求項5】
前記水溶性フィラメントが、前記フィラメント内に存在する活性剤を含み、好ましくは、前記活性剤が、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、カーペットケア活性剤、表面ケア活性剤、空気ケア活性剤、口腔ケア活性剤、ヘアケア活性剤、シャンプー、コンディショナー、ケラチン組織ケア剤、便器洗浄剤、スキンケア活性剤及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、前記活性剤は界面活性剤を含む、請求項1に記載の連続プロセス。
【請求項6】
前記固体添加剤が粒子を含み、好ましくは、前記粒子が、水溶性粒子及び/又は非水溶性粒子を含み、より好ましくは、前記粒子は凝集体を含む、請求項1に記載の連続プロセス。
【請求項7】
前記粒子が、粒径分布試験法に従って測定した場合、100μm~5000μmのD50粒径を示す、請求項6に記載の連続プロセス。
【請求項8】
前記粒子が、粒径分布試験法に従って測定した場合、44μm超のD10を示す、請求項6に記載の連続プロセス。
【請求項9】
前記粒子が、粒径分布試験法に従って測定した場合、1400μm未満のD90を示す、請求項6に記載の連続プロセス。
【請求項10】
前記粒子が、活性剤含有粒子を含む、請求項6に記載の連続プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維構造体を含む製造物品を作製するためのプロセス、例えば、連続プロセスに関し、より具体的には、可溶性フィラメント、例えば、水溶性フィラメントを含む可溶性繊維構造体などの繊維構造体を含む製造物品を作製するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
可溶性フィラメントなどの、繊維構造体、例えば、可溶性繊維構造体、及び/又はその構成要素を作製するプロセスは、当該技術分野において既知である。更に、繊維構造体及び/又はその構成要素は、最終的に、消費者製品、例えば、布地ケア製品、ヘアケア製品、歯ケア製品などの製品物品に組み込まれてきた。しかしながら、現在までのそのような既知のプロセスは、不連続であった。換言すれば、そのような既知のプロセスは、製造物品を作製するプロセスを中断する、少なくとも2つ以上の離散(不連続)工程又は単位操作、例えば、作製された繊維構造体を製造物品、例えば、消費者製品に変換する1つ以上の工程から解除及び/又は離散繊維構造体を作製する1つ以上の工程を有する。そのような非連続/不連続プロセスは、以下の工程:1)フィラメント形成組成物を作製するためのバッチプロセスなどのフィラメント形成組成物作製工程と、2)フィラメント形成組成物を紡糸して、フィラメント、例えば、可溶性フィラメントを作製するための紡糸工程と、3)任意に、固体添加剤、例えば、粒子をフィラメントと混合するための混合(コフォーム)工程と、4)フィラメント及び/又は混合フィラメント並びに固体添加剤を回収して、繊維構造体、例えば、可溶性繊維構造体を形成するための回収工程と、5)変換操作(繊維構造体を1つ以上の製造物品、例えば、消費者製品に変換する(例えば、スリット加工及び/又は積層及び/又はカレンダー加工及び/又は香料、酵素、漂白剤、着香剤、発泡剤などの微量成分を用いる加工、ダイカット、並びに印刷)ための1つ以上の工程)と、6)任意に、製造物品をパッケージングするためのパッケージング工程と、のうちの1つ以上を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
配合者が直面する1つの問題は、連続的又は既知の不連続プロセスよりより連続的に、繊維構造体、例えば、可溶性繊維構造体を含むそのような製造物品を作製する方法である。換言すれば、配合者が直面する1つの問題は、それらが離散的な不連続プロセス工程ではないように、上記から連続プロセスに複数のプロセス工程を組み合わせる方法である。
【0004】
したがって、連続的又は少なくとも部分的に連続したプロセスにおいて、繊維構造体、例えば、可溶性繊維構造体を含む製造物品、例えば、消費者製品を作製するためのプロセスが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、製造物品、例えば、繊維構造体、例えば、可溶性繊維構造体を含む製造物品、例えば、消費者製品を作製するためのプロセス内に連続プロセス及び/又は連続プロセス工程を提供することによって、上に記載の必要性を満たす。
【0006】
上で特定された問題に対する1つの解決策は、連続的又はより連続的なプロセスにおいて、繊維構造体、例えば、可溶性繊維構造体を含む製造物品、例えば、消費者製品を作製するためのプロセスを提供することである。そのような連続プロセスは、少なくとも以下の工程:1)フィラメント形成組成物を作製するためのフィラメント形成組成物作製工程と、2)フィラメント形成組成物を紡糸して、フィラメント、例えば、可溶性フィラメントを作製するための紡糸工程と、3)任意に、固体添加剤、例えば、粒子をフィラメントと混合するための混合(コフォーム)工程と、4)フィラメント及び/又は混合フィラメント並びに固体添加剤を回収して、繊維構造体、例えば、可溶性繊維構造体を形成するための回収工程とを含み、存在する場合、工程(1~4)は、フィラメント形成組成物を作製することから、フィラメント形成組成物をフィラメントに紡糸し(任意選択的に、固体添加剤をフィラメントと混合する)、回収装置でフィラメント(並びに/又は混合フィラメント及び固体添加剤)を回収し、繊維構造体を形成するプロセスにおいて、いかなる中断又は停止又は妨害もなく順々に、連続様式で行われ、次いでそれは製造物品に変換され、最終的に、例えば、消費者用パッケージにパッケージされ得る。連続プロセスは、5)変換操作(繊維構造体を1つ以上の製造物品、例えば、消費者製品に変換する(例えば、スリット加工及び/又は積層及び/又はカレンダー加工及び/又は香料、酵素、漂白剤、着香剤、発泡剤などの微量成分を用いる加工、ダイカット、並びに印刷)ための1つ以上の工程)と、6)任意に、製造物品をパッケージングするためのパッケージング工程と、を更に含み得る。
【0007】
本発明の一実施例では、複数の可溶性フィラメント及び複数の固体添加剤をコフォームするためのプロセスであって、
a.1つ以上のダイから複数の可溶性フィラメントを紡糸する工程と、
b.複数の可溶性フィラメントを複数の固体添加剤と混合する工程と、
c.回収装置上の形成ゾーン内に混合された可溶性フィラメント及び固体添加剤を回収して、複合構造体を形成する工程と、を含むプロセスが提供される。
【0008】
本発明は、繊維構造体、及び最終的には製造物品を作製するための連続プロセスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係るプロセスの実施例の概略図である。
【
図2】本発明に係るプロセスの一例の概略図である。
【
図3】本発明に係るプロセスで使用するために好適な押出機スクリューの実施例の概略図である。
【
図4】本発明に係るプロセスの一部の実施例の概略図である。
【
図5】本発明に係るプロセスで使用するために好適なダイの上平面図である。
【
図6】本発明に係るプロセスの一部の実施例の概略図である。
【
図7】本発明に係るプロセスで使用するために好適な回収装置上の形成ゾーンの実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
定義
本明細書で使用するとき、「繊維構造体」は、1つ以上のフィラメント、及び任意に1つ以上の粒子を含む構造体を意味する。一実施例では、本発明に係る繊維構造体は、機能を実行することが可能な、フィラメンと、及び任意に、一体型構造体などの構造体を共に形成する粒子の結合体を意味する。
【0011】
本発明の繊維構造体は、単一層であってもよく、又は複数層であってもよい。複数層である場合、繊維構造体は、少なくとも2つ、及び/又は少なくとも3つ、及び/又は少なくとも4つ、及び/又は少なくとも5つ、及び/又は少なくとも6つ、例えば、1つ以上のフィラメント層、1つ以上の粒子層、並びに/又は1つ以上のフィラメント及び粒子の混合層を有する1つ以上の複合構造体を含み得る。層は、繊維構造体内又は繊維構造体内のフィラメント層間に粒子層を含んでもよい。フィラメントを含む層は、時に、プライと称され得る。プライは、本明細書に記載のように、単一層又は複数層であり得る繊維構造体であってもよい。一実施例では、層は、単一の紡糸ダイ及び/又は粒子送達源によって形成されてもよく、又は複合構造層である場合、単一の紡糸ダイ及び粒子送達源によって形成されてもよい。
【0012】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、単一又は複数層を含んでもよく、そのうちの少なくとも1つは、繊維を含まなければならない。層は、複合構造体内の当該繊維と共混合された当該繊維及び/又は粒子に適用される添加剤(例えば、ペースト又はスプレー)を含んでもよい。
【0013】
一実施例では、本発明に係る単一プライ繊維構造体、又は本発明に係る1つ以上の繊維構造体プライを含む多プライ繊維構造体は、本明細書に記載の坪量試験法に従って測定された場合、5000g/m2未満の坪量を呈し得る。一実施例では、本発明に係る単プライ又は多プライ繊維構造体は、坪量試験法に従って測定された場合、10g/m2超~約5000g/m2、及び/又は10g/m2超~約3000g/m2、及び/又は10g/m2超~約2000g/m2、及び/又は10g/m2超~約1000g/m2、及び/又は20g/m2超~約800g/m2、及び/又は30g/m2超~約600g/m2、及び/又は50g/m2超~約500g/m2、及び/又は300g/m2超~約3000g/m2、及び/又は500g/m2超~約2000g/m2の坪量を呈し得る。
【0014】
一実施例では、多層繊維構造体を含む単一プライは、約10~約200gsm、及び/又は約30~約100gsm、及び/又は約50~約75gsmの坪量で存在する複数のフィラメントを含むスクリム層などの第1の層と、第2の層、例えば、約400~約3000gsm、及び/又は約600~約1500gsm、及び/又は約800~約1200gsmの坪量で存在する、複数のフィラメントを単独で、又はフィラメント及び固体添加剤、例えば、粒子を含む複合構造層として含む層とを含む。
【0015】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、「一体型繊維構造体」である。
【0016】
本明細書で使用するとき、「一体型繊維構造体」は、互いに絡み合って又は別の方法で互いに結合して繊維構造体及び/又は繊維構造体プライを形成する、2つ以上及び/又は3つ以上の複数のフィラメントを含む配置である。本発明の一体型繊維構造体は、多プライ繊維構造体内の1つ以上のプライであり得る。一実施例では、本発明の一体型繊維構造体は、3つ以上の異なるフィラメントを含み得る。別の実施例では、本発明の一体型繊維構造体は、2つ以上の異なるフィラメントを含み得る。
【0017】
本明細書で使用するとき、「物品」は、消費者用ユニット、消費者用単位用量ユニット、消費者用販売可能ユニット、単回用量ユニット、又は一体型繊維構造体を含む、及び/若しくは本発明の1つ以上の繊維構造体を含む他の使用形態を指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、「繊維要素」は、その平均直径を大きく上回る長さを有し、すなわち、長さ対平均直径の比率が少なくとも約10である、細長い粒子を意味する。繊維要素は、フィラメント又は繊維であり得る。一実施例では、繊維要素は、複数のフィラメントを含む糸ではなく、単一のフィラメントである。
【0019】
本発明の繊維要素は、好適な紡糸プロセス操作(例えば、メルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング、及び/又は回転紡糸)を介して、フィラメント形成組成物とも称される繊維要素形成組成物から紡糸され得る。
【0020】
本発明の繊維要素は、1成分(コア/シース2成分のような2つの異なる部分ではなく単一の一体型固体片)及び/又は多成分であり得る。例えば、繊維要素は、2成分繊維及び/又はフィラメントを含んでもよい。2成分繊維及び/又はフィラメントは、サイドバイサイド(side-by-side)型、芯鞘型、海島型などの任意の形態であり得る。
【0021】
本明細書で使用するとき、「フィラメント」は、5.08cm(2インチ)以上、及び/又は7.62cm(3インチ)以上、及び/又は10.16cm(4インチ)以上、及び/又は15.24cm(6インチ)以上の長さを呈する上記のような細長い粒子を意味する。
【0022】
フィラメントは、典型的には、本質的に連続的であるか又は実質的に連続的であるとみなされる。フィラメントは、繊維よりも相対的に長い。フィラメントの非限定的な例としては、メルトブローンフィラメント及び/又はスパンボンドフィラメントが挙げられる。フィラメントに紡糸することができるポリマーの非限定的な例としては、例えば、デンプン、デンプン誘導体、セルロース(例えば、レーヨン及び/又はリヨセル)、セルロース誘導体、ヘミセルロース、及びヘミセルロース誘導体などの天然ポリマー、並びにポリビニルアルコール、熱可塑性ポリマーフィラメント、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンフィラメント、及びポリエチレンフィラメント)、並びに生分解性熱可塑性繊維、例えば、ポリ乳酸フィラメント、ポリヒドロキシアルカノエートフィラメント、ポリエステルアミドフィラメント、及びポリカプロラクトンフィラメントが挙げられるが、これらに限定されない合成ポリマーが挙げられる。
【0023】
本明細書で使用するとき、「繊維」は、5.08cm(2インチ)未満、及び/又は3.81cm(1.5インチ)未満、及び/又は2.54cm(1インチ)未満の長さを呈する上記のような細長い粒子を意味する。
【0024】
典型的には、繊維は、本質的に不連続とみなされる。繊維の非限定的な例としては、本発明のフィラメント又はフィラメントトウを紡糸し、その後フィラメント又はフィラメントトウを5.08cm(2インチ)未満の断片に切断することにより製造された短繊維が挙げられる。
【0025】
一実施例では、フィラメントがより短い長さ(5.08cm未満の長さなど)に切断された場合などに、本発明のフィラメントから1つ以上の繊維を形成することができる。したがって、一実施例では、本発明はまた、1つ以上のフィラメント形成材料、及び活性剤などの1つ以上の繊維添加剤を含む繊維などの、本発明のフィラメントから作製される繊維も含む。したがって、本明細書における本発明のフィラメントへの言及は、特に指定しない限り、このようなフィラメントから作製された繊維も含む。繊維は、典型的には、本質的に連続的であるとみなされるフィラメントに対して、本質的に不連続であるとみなされる。
【0026】
本明細書で使用するとき、「繊維要素形成組成物」及び/又は「フィラメント形成組成物」は、メルトブローイング及び/又はスパンボンディングなど、本発明のフィラメントを作製するのに好適な組成物を意味する。フィラメント形成組成物は、1つ以上のフィラメント形成材料を含み、それらの材料は、それらをフィラメントへと紡糸するために好適なものにさせる特性を呈する。一実施例では、フィラメント形成材料は、ポリマーを含む。1つ以上のフィラメント形成材料に加えて、フィラメント形成組成物は、1つ以上の繊維添加剤、例えば、1つ以上の活性剤を含んでもよい。更に、フィラメント形成組成物は、水などの1つ以上の極性溶媒を含んでもよく、この極性溶媒中に、1つ以上の、例えば全てのフィラメント形成材料及び/又は1つ以上の、例えば全ての活性剤が、フィラメント形成組成物に由来するフィラメントなどのフィラメントを紡糸する前に、溶解及び/又は分散される。
【0027】
一実施例では、本発明のフィラメント形成組成物から作製されるフィラメントは、1つ以上の繊維添加剤、例えば、1つ以上の活性剤が、フィラメント及び/又は粒子中の活性剤と同じであってもよく、又は異なっていてもよい1つ以上の活性剤を含むコーティング用組成物などの、フィラメント上ではなくフィラメント内に存在してもよい。フィラメント形成材料の総濃度、及びフィラメント形成組成物中に存在する活性剤の総濃度は、本発明のフィラメントが、それから製造され得る限り、任意の好適な量であってもよい。
【0028】
一実施例では、活性剤などの1つ以上の繊維添加剤は、フィラメント中に存在してもよく、活性剤などの1つ以上の追加の繊維添加剤は、フィラメントの表面上に存在してもよい。他の実施例では、本発明のフィラメントは、活性剤などの1つ以上の繊維添加剤を含んでもよく、そのような繊維添加剤は、元々作製時にフィラメント内に存在するが、フィラメントの、目的とされる使用条件に曝す前に及び/又は曝した際に、フィラメントの表面でブルームする。
【0029】
本明細書で使用するとき、「繊維要素形成材料」及び/又は「フィラメント形成材料」は、フィラメントを作製するのに好適な特性を示すポリマー、又はこのようなポリマーを生成することができるモノマーなどの材料を意味する。一実施例では、フィラメント形成材料は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性及び/又は非イオン性のポリマーなどの、1つ以上の置換ポリマーを含む。別の実施例では、ポリマーは、ポリビニルアルコール(「PVOH」)などのヒドロキシルポリマー、部分加水分解したポリ酢酸ビニル、並びに/又はエトキシル化デンプン及び/若しくは酸希釈デンプンなどのデンプン及び/若しくはデンプン誘導体などの多糖類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、並びにメチルセルロースを含んでもよい。別の実施例では、ポリマーは、ポリエチレン及び/又はテレフタレートを含み得る。更に別の実施例では、フィラメント形成材料は、極性溶媒可溶性材料である。
【0030】
本明細書で使用するとき、「粒子」とは、粉末、顆粒、凝集体、カプセル封入物、マイクロカプセル、及び/又はプリルなどの固体添加剤を意味する。粒子の形状は、球状、棒状、皿状、管状、四角形、矩形、円盤状、星状、繊維状であり得、規則的な又は不規則なランダム形状を有し得る。本発明の粒子、少なくとも44μmの少なくともそれらの粒子は、本明細書に記載の粒径分布試験法によって測定することができる。44μm未満の粒子については、異なる試験方法、例えば、光散乱法を使用して、44μm未満の粒径、例えば、典型的には約15μm~約44μm及び/又は約25μmのサイズの範囲の香料マイクロカプセルを決定することができる。
【0031】
一態様では、粒子は、再循環繊維構造材料を含んでもよく、具体的には、当該繊維材料は、繊維を微粉化固体に粉砕し、当該微粉化固体を凝集体、顆粒、又は他の粒子形態に再び組み込むことによって再循環される。別の態様では、粒子は、再循環繊維構造材料を含んでもよく、具体的には、当該繊維性材料は、流体ペースト、懸濁液、又は溶液に組み込まれ、次いで、加工されて、凝集体、顆粒、又は他の粒子形態を形成する。別の態様では、再生繊維材料を含む当該流体ペースト、懸濁液、又は溶液は、新たな繊維物品を作製するプロセスにおいて繊維層に直接適用されてもよい。
【0032】
本明細書で使用するとき、「活性剤含有粒子」は、1つ以上の活性剤を含む固体添加剤、例えば、粒子を意味する。一実施例では、活性剤含有粒子は、粒子の形態の活性剤である(言い換えれば、粒子は、100%活性剤を含む)。活性剤含有粒子は、本明細書に記載の粒径分布試験法に従って測定された場合、5000μm以下の粒径を呈し得る。
【0033】
本発明の一実施例では、繊維構造体は、複数の粒子、例えば、活性剤含有粒子、例えば、少なくとも1つの活性剤含有粒子、及び複数のフィラメントを、1:100以上、及び/又は1:50以上、及び/又は1:10以上、及び/又は1:3以上、及び/又は1:2以上、及び/又は1:1以上、及び/又は2:1以上、及び/又は3:1以上、及び/又は4:1以上、及び/又は5:1以上、及び/又は7:1以上、及び/又は8:1以上、及び/又は10:1以上、及び/又は約10:1~約1:100、及び/又は約8:1~約1:50、及び/又は約7:1~約1:10、及び/又は約7:1~約1:3、及び/又は約6:1~1:2、及び/又は約5:1~約1:1、及び/又は約4:1~約1:1、及び/又は約3:1~約1.5:1の粒子、例えば、活性剤含有粒子対フィラメントの重量比で含む。
【0034】
本発明の別の実施例では、繊維構造体は、複数の粒子、例えば、活性剤含有粒子、及び複数のフィラメントを、約20:1~約1:1、及び/又は約10:1~約1:1、及び/又は約10:1~約1.5:1、及び/又は約8:1~約1.5:1、及び/又は約8:1~約2:1、及び/又は約7:1~約2:1、及び/又は約7:1~約3:1、及び/又は約6:1~約2.5:1の粒子、例えば、活性剤含有粒子対フィラメントの重量比で含む。
【0035】
本発明の更に別の実施例では、繊維構造体は、複数の粒子、例えば、活性剤含有粒子、及び複数のフィラメントを、約1:1~約1:100、及び/又は約1:15~約1:80、及び/又は約1:2~約1:60、及び/又は約1:3~約1:50、及び/又は約1:3~約1:40の粒子、例えば、活性剤含有粒子対フィラメントの重量比で含む。
【0036】
別の実施例では、本発明の繊維構造体は、本明細書に記載の坪量試験法に従って測定された場合、1g/m2超、及び/若しくは10g/m2超、及び/若しくは20g/m2超、及び/若しくは30g/m2超、及び/若しくは40g/m2超、並びに/又は約1g/m2から約5000g/m2まで、及び/若しくは約3500g/m2まで、及び/若しくは約2000g/m2まで、並びに/又は約1g/m2~約2000g/m2、及び/若しくは約10g/m2~約1000g/m2、及び/若しくは約10g/m2~約500g/m2、及び/若しくは約20g/m2~約400g/m2、及び/若しくは約30g/m2~約300g/m2、及び/若しくは約40g/m2~約200g/m2の坪量で複数の粒子、例えば、活性剤含有粒子を含む。
【0037】
別の実施例では、本発明の繊維構造体は、本明細書に記載の坪量試験法に従って測定された場合、1g/m2超、及び/又は10g/m2超、及び/又は20g/m2超、及び/又は30g/m2超、及び/又は40g/m2超、及び/又は約1g/m2~約3000g/m2、及び/又は約10g/m2~約5000g/m2及び/又は約3000g/m2及び/又は約2000g/m2、及び/又は約20g/m2~約2000g/m2、及び/又は約30g/m2~約1000g/m2、及び/又は約30g/m2~約500g/m2、及び/又は約30g/m2~約300g/m2、及び/又は約40g/m2~約100g/m2、及び/又は約40g/m2~約80g/m2の坪量で複数のフィラメントを含む。一実施例では、繊維構造体は、2つ以上の層を含み、フィラメントは、約1g/m2~約500g/m2の坪量で層のうちの少なくとも1つに存在する。
【0038】
本明細書で使用するとき、「混合」及び/又は「混合する」は、粒子が繊維要素、例えば、フィラメントと混合される状態又は形態を意味する。フィラメント及び粒子の混合物は、複合構造体の全体にわたって、又は複合構造体の平面若しくは領域内にあってもよい。一実施例では、混合フィラメント及び粒子は、複合構造体の少なくとも表面を形成し得る。一実施例では、粒子は、複合構造体並びに/又は複合構造体の平面及び/若しくは領域の全体にわたって均一に分散されてもよい。一実施例では、粒子は、複合構造全体にわたって均一に分布されてもよく、これにより、複合構造体内の他の領域への、複合構造体内の粒子のサグ及び/又は自由移動及び/又は移動を回避及び/又は防止し、したがって、複合構造体内の粒子のより高い濃度のゾーン、及び粒子のより低い濃度のゾーン又はゼロ濃度のゾーンをもたらす。一実施例では、複合構造体のμCT断面は、粒子が複合構造体の全体にわたって均一に分布しているかどうかを示すことができる。
【0039】
本明細書で使用するとき、「繊維添加剤」は、フィラメント形成材料ではない、本発明のフィラメント中に存在する任意の材料を意味する。一実施例では、繊維添加剤は、活性剤を含む。別の実施例では、繊維添加剤は、加工助剤を含む。更に別の実施例では、繊維添加剤は、充填剤を含む。一実施例では、繊維添加剤は、フィラメント内に存在する任意の材料を含み、この材料は、その材料がフィラメントに存在しないことにより、フィラメントが、そのフィラメント構造を喪失するという結果をもたらすものではなく、換言すれば、その材料が存在しないことにより、フィラメントが、その固体形態を喪失するという結果をもたらすものではない。別の実施例では、繊維添加剤、例えば、活性剤は、非ポリマー材料を含む。
【0040】
別の実施例では、繊維添加剤は、フィラメント用の可塑剤を含み得る。本発明のための好適な可塑剤の非限定的な例としては、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル、及びジメチコンコポリオールが挙げられる。有用なポリオールの例としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール、ポリエチレングリコール(200~600)、ペンタエリスリトール、糖アルコール、例えばソルビトール、マニトール、ラクチトール、並びに他の一価及び多価低分子量アルコール(例えば、C2~C8アルコール);単糖、二糖、及びオリゴ糖、例えば、フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、ラクトース、高フルクトースコーンシロップ固体、及びデキストリン、並びにアスコルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
一実施例では、可塑剤としては、グリセリン、及び/又はプロピレングリコール、及び/又はプロポキシル化グリセロールなどのグリセロール誘導体が挙げられる。更に別の実施例では、可塑剤は、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリシドール、尿素、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、糖類、エチレンビスホルムアミド、アミノ酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0042】
別の実施例では、繊維添加剤は、剪断力変性剤及び/又は伸長変性剤などのレオロジー変性剤を含み得る。レオロジー変性剤の非限定的な例としては、これらに限定されないが、本発明のフィラメント中で使用され得るポリアクリルアミド、ポリウレタン、及びポリアクリレートが挙げられる。レオロジー変性剤の非限定的な例は、Dow Chemical Company(Midland,MI)から市販されている。
【0043】
更に別の実施例では、繊維添加剤は、フィラメントを意図される使用条件に曝した際に、及び/又は活性剤がフィラメントから放出される際に、及び/又はフィラメントの形態が変化する際に、視覚的な信号を提供するために、本発明のフィラメント内に組み込まれる1つ以上の色及び/又は染料を含み得る。
【0044】
また更に別の実施例では、繊維添加剤は、1つ以上の離型剤及び/又は潤滑剤を含み得る。好適な離型剤及び/又は潤滑剤の非限定的な例としては、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、スルホン化脂肪酸エステル、脂肪族アミンアセテート、脂肪アミド、シリコーン、アミノシリコーン、フルオロポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施例では、離型剤及び/又は潤滑剤は、フィラメントに適用されてもよく、換言すれば、フィラメントが形成された後に適用されてもよい。一実施例では、1つ以上の剥離剤/潤滑剤は、回収装置でフィラメントを回収して繊維構造体を形成する前に、フィラメントに適用されてもよい。別の実施例では、1つ以上の剥離剤/潤滑剤は、繊維構造体の積層体などの1つ以上の繊維構造体を接触させる前に、本発明のフィラメントから形成された繊維構造体に適用してもよい。更に別の例では、フィラメント及び/若しくは繊維構造体の除去を促進するために、並びに/又は本発明のフィラメント及び/若しくは繊維構造体のプライが互いに、更には意図せずにくっつくのを避けるために、フィラメント及び/又は繊維構造体が、加工システムにおいて使用される装置の表面などの表面と接触する前に、本発明のフィラメント及び/又はフィラメントを含む繊維構造体に、1つ以上の離型剤/潤滑剤を適用してもよい。1つの例では、離型剤/潤滑剤は、微粒子を含む。
【0045】
また更に別の実施例では、繊維添加剤は、1つ以上のブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤を含み得る。好適なブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤の非限定的な例としては、デンプン、デンプン誘導体、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク、雲母、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0046】
本明細書で使用するとき、「意図される使用条件」は、本発明のフィラメント、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体が、フィラメント及び/又は繊維構造体がその設計された目的の1つ以上のために使用するときに曝される温度条件、物理的条件、化学的条件、及び/又は機械的条件を意味する。例えば、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又はフィラメントを含む繊維構造体が、洗濯物ケアの目的で洗濯機において使用されるように設計されている場合、意図される使用条件は、洗濯洗浄操作中の、任意の洗浄水を含む、洗濯機内に存在する、温度条件、化学的条件、物理的条件、及び/又は機械的条件を含む。別の実施例では、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又はフィラメントを含む繊維構造体が、ヘアケア目的のためにシャンプーとしてヒトによって使用されるように設計されている場合、意図される使用条件は、ヒトの毛髪のシャンプー中に存在する、温度条件、化学的条件、物理的条件、及び/又は機械的条件を含む。同様に、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又はフィラメントを含む繊維構造体が、手又は食器洗浄機による食器洗浄操作において使用されるように設計されている場合、意図される使用条件は、食器洗浄操作中の食器洗浄水及び/又は食器洗浄機中に存在する、温度条件、化学的条件、物理的条件、及び/又は機械的条件を含む。
【0047】
本明細書で使用するとき、「活性剤」は、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体が、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又はフィラメントを含む繊維構造体の意図される使用条件に曝される場合などの、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又は本発明のフィラメントを含む繊維構造体の外部の環境において、意図される効果を生じる繊維添加剤を意味する。一実施例では、活性剤は、硬質表面(すなわち、キッチンカウンター、バスタブ、トイレ、便器、シンク、床、壁、歯、車、窓、鏡、皿)及び/又は軟質表面(すなわち、布地、毛髪、皮膚、カーペット、作物、植物)などの表面を処理する繊維添加剤を含む。別の実施例では、活性剤は、化学反応(すなわち、発泡(foaming)、泡立ち、発泡(effervescing)、着色、加温、冷却、起泡、消毒、及び/又は浄化、及び/又は塩素化、例えば、浄化水及び/又は消毒水及び/又は塩素処理水中)を作り出す添加繊維添加剤を含む。更に別の実施例では、活性剤は、環境を処理する(すなわち、空気を脱臭する、浄化する、芳香づけする)繊維添加剤を含む。一実施例では、活性剤は、活性剤を含むフィラメント及び/又は粒子の形成中など、その場で形成され、例えば、フィラメント及び/又は粒子は、布地の表面を処理するのに使用される活性剤として機能するポリマー錯体又はコアセルベートを作り出し得る水溶性ポリマー(例えば、デンプン)及び界面活性剤(例えば、アニオン性界面活性剤)を含み得る。
【0048】
「処理する」は、表面の処理に関して本明細書で使用するとき、活性剤が、表面又は環境に利益をもたらすことを意味する。処理としては、表面又は環境の外観、清浄度、におい、純度、及び/又は感触の調節及び/又は速やかな改善が挙げられる。一実施例では、ケラチン性組織(例えば、皮膚及び/又は毛髪)表面の処理に関する処理とは、ケラチン性組織の美容上の外観及び/又は感触の調節及び/又は速やかな改善を意味する。例えば、「皮膚、毛髪、又は爪(ケラチン性組織)の条件の調節」としては、皮膚、毛髪、又は爪の萎縮を低減するための、皮膚、毛髪、又は爪の肥厚化(例えば、皮膚の表皮及び/又は真皮及び/又は皮下(例えば、皮下脂肪又は筋肉)層の構築、並びに適用可能である場合、爪及び毛幹の角質層の構築)、真皮-表皮の境界(乳頭間隆起としても既知)の回旋の増加、弾性線維症、たるみ、皮膚又は毛髪の変形からの回復の喪失などの、皮膚又は毛髪の弾性の喪失(機能的皮膚エラスチンの喪失、損傷、及び/又は不活性化)の防止、目の下のくま、染み(例えば、酒さなどによる不均一な赤味)(以下、「赤斑」と称される)、血色の悪さ(青白い色)、毛細血管拡張症又はクモ状血管によって引き起こされる変色、及び白髪などの、皮膚、毛髪、又は爪の色のメラニン性変化又は非メラニン性変化の防止が挙げられる。処理は、洗濯機における洗浄又は柔軟化中に布地に利益を提供すること、毛髪のシャンプー、コンディショニング、若しくは着色中に毛髪に利益を提供すること、又は洗浄若しくは消毒によって便器のような環境に利益を提供することを含んでもよい。
【0049】
別の例では、処理は、布地物品(例えば、衣類、タオル、リネン)及び/又は硬質表面(例えば、カウンター及び/又は深鍋及び平鍋などの食器)から染み及び/又はにおいを除去することを意味する。
【0050】
本明細書で使用するとき、「布地ケア活性剤」は、布地に適用したときに、その布地に利益及び/又は改善をもたらす活性剤を意味する。布地に対する利益及び/又は改善の非限定的な例としては、洗浄(例えば、界面活性剤によって)、染み除去、染み低減、しわ除去、色回復、静電気制御、しわ耐性、パーマネントプレス、磨耗減少、磨耗耐性、毛玉取り、毛玉耐性、汚れ除去、汚れ耐性(汚れ放出を含む)、形状保持、縮み低減、柔軟性、芳香、抗菌、抗ウイルス、防臭、及び臭い除去が挙げられる。
【0051】
本明細書で使用するとき、「食器洗浄用活性剤」は、食器、ガラス製品、深鍋、平鍋、台所用具、及び/又はクッキングシートに適用したときに、食器、ガラス製品、プラスチック物品、深鍋、平鍋、及び/又はクッキングシートに、利益及び/又は改善をもたらす活性剤を意味する。食卓用食器、ガラス製品、プラスチック物品、深鍋、平鍋、台所用具、及び/又はクッキングシートへの利益及び/又は改善の非限定的な例としては、食物及び/又は汚れ除去、洗浄(例えば界面活性剤による)染み除去、染み低減、油脂除去、水染み除去及び/又は水染み防止、ガラス及び金属ケア、衛生化、輝き、並びに研磨が挙げられる。
【0052】
本明細書で使用するとき、「硬質表面用活性剤」は、床、カウンター、シンク、窓、鏡、シャワー、風呂、及び/又はトイレに適用したときに、床、カウンター、シンク、窓、鏡、シャワー、風呂、及び/又はトイレに利益及び/又は改善をもたらす活性剤を意味する。床、カウンター、シンク、窓、鏡、シャワー、風呂、及び/又はトイレに対する利益及び/又は改善の非限定的な例としては、食品及び/又は汚れ除去、洗浄(例えば、界面活性剤による)、染み除去、染み低減、油脂除去、水染み除去及び/又は水染み防止、石鹸かすの除去、消毒、光沢、研磨、及びフレッシュニングが挙げられる。
【0053】
本明細書で使用するとき、「ケラチン性組織活性剤」は、ケラチン性組織(例えば、毛髪、皮膚、又は爪)条件の処置に有用であり得る活性剤を意味する。ヘアケア活性剤の場合、「処置している(treating)」又は「処置(treatment)」又は「処置する(treat)」とは、ケラチン性組織の美容的外見及び/又は感触を調節する及び/又は即座に改善することを含む。例えば、「皮膚、毛髪、又は爪の条件の調節」としては、皮膚、毛髪、又は爪の萎縮を低減するための、皮膚、毛髪、又は爪の肥厚化(例えば、皮膚の表皮及び/又は真皮及び/又は皮下(例えば、皮下脂肪又は筋肉)層の構築、並びに適用可能である場合、爪及び毛幹の角質層の構築)、真皮-表皮の境界(乳頭間隆起としても既知)の回旋の増加、弾性線維症、たるみ、皮膚又は毛髪の変形からの回復の喪失などの、皮膚又は毛髪の弾性の喪失(機能的皮膚エラスチンの喪失、損傷、及び/又は不活性化)の防止、目の下のくま、染み(例えば、酒さなどによる不均一な赤味)(以下、「赤斑」と称される)、血色の悪さ(青白い色)、毛細血管拡張症又はクモ状血管によって引き起こされる変色、及び白髪などの、皮膚、毛髪、又は爪の色のメラニン性変化又は非メラニン性変化の防止が挙げられる。ケラチン性組織活性剤の別の実施例は、毛髪のシャンプー、コンディショニング、又は染色に使用される活性剤であり得る。
【0054】
本明細書で使用するとき、「重量比」は、乾燥基準での2つの材料間の比率を意味する。例えば、フィラメント中のフィラメント形成材料対活性剤の重量比は、フィラメント中の乾燥重量基準(g又は%)のフィラメント形成材料の重量の、フィラメント中の乾燥重量基準(g又は%(フィラメント形成材料の重量と同じ単位))の活性剤などの繊維添加剤の重量に対する比率である。別の実施例では、繊維構造体中の粒子対繊維要素の重量比とは、繊維構造体中の乾燥重量基準の粒子の重量(g又は%)対繊維壁材中の乾燥重量基準の繊維要素の重量(g又は%(粒子の重量と同じ単位))の比率である。
【0055】
本明細書で使用するとき、「水溶性材料」は、水に混和性である材料を意味する。言い換えれば、周囲条件で、水と、安定した(均質な液を形成した後、5分超にわたって分離しない)均質な溶液を形成することが可能な材料である。
【0056】
本明細書で使用するとき、「周囲条件」とは、23℃±1.0℃及び50%±2%の相対湿度を意味する。
【0057】
本明細書で使用するとき、「重量平均分子量」は、本明細書に記載の重量平均分子量試験法に従って測定された場合、Colloids and Surfaces A.Physico Chemical & Engineering Aspects,Vol.162,2000,pg.107-121に見出されるプロトコルによるゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定される重量平均分子量を意味する。
【0058】
フィラメントに関して本明細書で使用するとき、「長さ」とは、一方の終端部から他方の終端部までの、そのフィラメントの最長軸線に沿った長さを意味する。フィラメントが、その中にねじれ、丸まり、又は曲がりを有する場合、長さは、一方の末端からもう一方の末端までのフィラメントの全経路に沿った長さである。
【0059】
フィラメントに関して本明細書で使用するとき、「直径」は、本明細書で説明される直径試験方法に従って測定される。一実施例では、本発明のフィラメントは、100μm未満の、及び/又は75μm未満の、及び/又は50μm未満の、及び/又は25μm未満の、及び/又は20μm未満の、及び/又は15μm未満の、及び/又は10μm未満の、及び/又は6μm未満の、及び/又は1μmを超える、及び/又は3μmを超える直径を呈する。
【0060】
本明細書で使用するとき、「誘発条件」は、一実施例において、刺激として機能し、本発明の繊維フィラメント、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体において変化(例えば、フィラメントの、及び/若しくは繊維構造体の物理的構造の喪失若しくは変化、並びに/又はそこからの活性剤などの繊維添加剤の放出)を開始させる又は引き起こす作用又は事象としてのあらゆるものを意味する。別の実施例では、誘発条件は、本発明のフィラメント、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体を水に添加したときに、水などの環境中に存在していてもよい。換言すれば、本発明のフィラメント及び/又は繊維構造体が水に添加されるという事実を除いて、水中で変化は生じない。
【0061】
フィラメント及び/又は粒子の形態変化に関して本明細書で使用されるとき、「形態変化」は、フィラメントが、その物理的構造の変化を経験することを意味する。本発明のフィラメント及び/又は粒子の形態変化の非限定的な例としては、溶解、融解、膨張、収縮、粉砕、破裂、延長、短縮及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明のフィラメント及び/又は粒子は、意図される使用条件に曝された場合に、それらのフィラメント及び/又は粒子の物理的構造を完全に又は実質的に失ってもよく、あるいは変化されたそれらの形態を有してもよく、あるいはそれらのフィラメント又は粒子の物理的構造を保持するか、又は実質的に保持してもよい。
【0062】
「乾燥フィラメント基準での重量」、及び/又は「乾燥粒子基準での重量」、及び/又は「乾燥繊維構造体基準での重量」は、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体の重量が、それぞれ23℃±1.0℃の温度及び50%±10%の相対湿度に調整された室内で2時間調整された直後にそれぞれ測定されたフィラメント、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体の重量を意味する。一実施例では、乾燥フィラメント基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体での重量は、本明細書に記載の含水率試験法によって測定された場合、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体が、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体の乾燥重量に基づいて、20重量%未満、及び/又は15重量%未満、及び/又は10重量%未満、及び/又は7重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は0重量%、及び/又は0重量%超の、水などの水分、例えば、遊離水を含むことを意味する。
【0063】
例えば、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体中に存在する1つ以上の活性剤の総濃度に関して本明細書で使用するとき、「総濃度」は、対象材料、例えば、活性剤の全ての重量又は重量パーセントの合計を意味する。換言すれば、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体は、フィラメント、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体中に存在する活性剤の総濃度が、50重量%、すなわち、乾燥フィラメント基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で55%超になるように、乾燥フィラメント基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で25重量%のアニオン性界面活性剤と、乾燥フィラメント基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で15重量%の非イオン性界面活性剤と、乾燥フィラメント基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で10重量%のキレート剤と、乾燥フィラメント基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で5重量%の香料とを含み得る。
【0064】
本明細書で使用するとき、「繊維構造体製品」は、1種以上の活性剤(例えば、布地ケア活性剤、食器洗浄用活性剤、硬質表面用活性剤、及びこれらの組み合わせ)を含む固体形態(例えば、時にシートと称する矩形の固体)を意味する。一実施例では、本発明の繊維構造体製品は、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の酵素(顆粒酵素及び/又は液体酵素の形態など)、1つ以上の香料、及び/又は1つ以上の抑泡剤を含む。
【0065】
一実施例では、粒子又は液体形態の1つ以上の活性剤は、本発明の繊維構造体の1つ以上の表面上に堆積し得る。例えば、酵素懸濁液、香料、マイクロカプセルスラリー、油、シリコーン、界面活性剤ペースト(本明細書では時に微量成分と称される)は、繊維構造体の作製中及び/又は繊維構造体の変換中に、繊維構造体の1つ以上の表面上に堆積し得る。そのような用途は、繊維層の表面上に存在してもよく、又は繊維構造体に実質的に埋め込まれてもよい。
【0066】
別の実施例では、本発明の繊維構造体製品は、ビルダー及び/又はキレート剤を含む。別の実施例では、本発明の繊維構造体製品は、漂白剤(カプセル化された漂白剤など)を含む。
【0067】
本明細書で使用するとき、「異なる形態」又は「異なる」は、フィラメント全体、及び/又はフィラメント内のフィラメント形成材料、及び/又はフィラメント内の活性剤などの材料に関して、フィラメント、及び/又はフィラメント形成材料、及び/又は活性剤などの1つの材料が、フィラメント、及び/又はフィラメント形成材料、及び/又は活性剤などの別の材料とは化学的、物理的、及び/又は構造的に異なることを意味する。例えば、フィラメント形態のフィラメント形成材料は、繊維形態の同じフィラメント形成材料とは異なる。同様に、デンプンポリマーは、セルロースポリマーとは異なる。しかし、分子量の異なるデンプンなど、異なる分子量の同じ物質は、本発明の目的において、互いに異なる物質ではない。
【0068】
本明細書で使用されるとき、「ポリマーのランダム混合体」は、2つ以上の異なるフィラメント形成材料がランダムに結合して、フィラメントを形成することを意味する。したがって、シースコア型の2成分のフィラメントなどの規則正しく結合してフィラメントを形成する2つ以上の異なるフィラメント形成材料は、本発明の目的において、異なるフィラメント形成材料のランダム混合物ではない。
【0069】
フィラメント及び/又は粒子に関して本明細書で使用するとき、「結合する(Associate)」、「結合される(Associated)」、「結合体(Association)」、及び/又は「結合している(Associating)」は、繊維構造体が形成されるように、フィラメント及び/又は粒子を直接接触又は間接接触のいずれかによって組み合わせることを意味する。一実施例では、結合されるフィラメント及び/又は粒子は、例えば、接着剤及び/又は熱接着によって一緒に接着され得る。別の実施例では、フィラメント及び/又は粒子は、ベルト及び/又は模様付ベルトを作製する同一の繊維構造体上に堆積されることによって互いに結合され得る。
【0070】
本明細書で使用するとき、「機械方向」又は「MD」は、繊維構造体製造装置及び/又は繊維構造体製品製造機を通って繊維構造体が流れる方向と平行な方向を意味する。
【0071】
本明細書で使用するとき、「機械横断方向」又は「CD」は、繊維構造体及び/又は繊維構造体を含む繊維構造体製品の同一平面上で、機械方向と垂直である方向を意味する。
【0072】
本明細書で使用するとき、「プライ」又は「多プライ」は、他のプライと実質的に連続の向かい合わせの関係に任意に配置され、多プライ繊維構造体を形成する、個々の繊維構造体を意味する。単一繊維構造体は、例えばそれ自体の上に折り畳むことによって、2「プライ」又は多「プライ」を有効に形成できることも意図される。プライは、フィラメント、フィラメント/粒子ブレンド、及び/又は粒子の層を含んでよい。別の実施形態では、プライ間にフィラメント又は粒子の層が存在してよい。
【0073】
本明細書で使用するとき、本明細書で使用する場合の冠詞「a」及び「an」、例えば、「アニオン性界面活性剤(an anionic surfactant)」又は「繊維(a fiber)」は、請求又は記載される1種以上の材料を意味すると理解される。
【0074】
全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、重量基準で計算される。全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、全組成に基づいて計算される。
【0075】
特に記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、その成分又は組成物の活性濃度に関するものであり、市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0076】
製造物品を作製するためのプロセス
本発明の一実施例では、
図1に示されるように、繊維構造体14、例えば、可溶性繊維構造体を含む製造物品12を作製するため、例えば連続的に作製するためのプロセス10は、少なくとも以下の工程:1)例えば、パイプを介して、次の操作、すなわち、回転操作20に後に送られる、フィラメント形成組成物18を作製するための1つ以上の工程を含むフィラメント形成組成物作製操作16、2)フィラメント形成組成物、例えば、フィラメント形成組成物作製操作16で作製されたフィラメント形成組成物18を紡糸し、フィラメント22、例えば、可溶性フィラメントを作製するための1つ以上の工程を含む紡糸操作20、3)任意選択的に、複数の固体添加剤、例えば、粒子26をフィラメント22と混合する、例えば、コフォームする1つ以上の工程を含む混合操作24、並びに4)ベルト及び/又は回転ドラムなどの回収装置上で、フィラメント22及び/又は混合フィラメント22及び固体添加剤、例えば、粒子26を回収し、フィラメント22、及び任意選択的に固体添加剤、例えば、粒子26を含む繊維構造体14、例えば、可溶性繊維構造体を形成するための1つ以上の回収工程を含む回収操作28を含み、存在する場合、操作(1~4)は、フィラメント形成組成物18を作製することからフィラメント形成組成物18をフィラメント22に紡糸し(任意選択的に、固体添加剤、例えば、粒子26をフィラメント22と混合する)、回収装置でフィラメント22(並びに/又は混合フィラメント22及び固体添加剤、例えば、粒子26)を回収し、フィラメント22及び任意に固体添加剤、例えば、粒子26を含む繊維構造体14を形成するプロセスにおいて、いかなる中断又は停止又は妨害もなく順々に、連続様式で行われる。
【0077】
繊維構造体14が形成されると、次いで、繊維構造体14は、次いで繊維構造体14を製造物品12に変換するための1つ以上の工程を含む変換操作30を介して消費可能な、販売可能ユニットであり得る製造物品12に変換することができ、変換工程のうちの1つ以上は、プロセス10の前の操作(1~4)と連続していてもよい。繊維構造体14が、繊維構造体14、例えば、繊維構造体14の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上のプライを含む製造物品12に変換されると、製造物品12は、パッケージング操作36を介してパッケージフィルム、厚紙箱などの外部パッケージング材料34を含むパッケージ32にパッケージすることができる。
【0078】
一実施例では、本発明に係る製造物品及び/又は紡糸操作などのプロセス工程、混合(コフォーム)操作、回収操作、変換操作、パッケージング操作は独立して、約20%~約75%、及び/又は約30%~約65%、及び/又は約35%~約60%の相対湿度で行われてもよい。
【0079】
変換操作30は、繊維構造体14を、1つ以上の製造物品12、例えば、消費者製品に変換する(例えば、スリット加工及び/又は積層及び/又はカレンダー加工及び/又は香料、酵素、漂白剤、着香剤、発泡剤などの任意の成分を用いる処理(任意の成分を、繊維構造体14、例えば、繊維構造体14の表面に添加するなど)、ダイカット、並びに印刷)のための1つ以上の工程、及び6)任意選択的に、1つ以上の製造物品12、例えば、可溶性消費者製品などの消費者製品を、パッケージ32にパッケージングするための1つ以上の工程を含むパッケージング操作36を含み得る。
【0080】
一実施例では、変換作業は、例えば、繊維構造体又は複数の所望の形状から生成される製造物品の数を最大化するために、所望の形状へのダイカット、印刷、任意成分(微量成分)の添加、変換ライン工程としてロール上の繊維構造体のロールアップを含んでもよく、この全てが単一のプロセス又は単一の変換ラインで行われる場合を含む。例えば、本発明のプロセスは、スリット加工、積層、カレンダー加工、任意成分を用いる処理、ダイカット、印刷、パッケージング、機械的プライ接合、化学的プライ接合、及び/又はそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の変換操作及び/又は工程を含んでもよい。一実施例では、これらの変換操作及び/又は工程のうちの1つ以上又は全ては、単一の変換ラインで行われ、これは、繊維構造体作製ライン(例えば、紡糸/混合/回収操作)及びフィラメント形成組成物作製操作に直接連結され得る。一実施例では、本明細書で議論されるように、本発明に係る製造物品を作製するためのフィラメント形成組成物操作から、変換操作、及び任意選択的にパッケージング操作にわたる全プロセスは、単一の製造ライン、例えば、単一の連続製造ライン上で行われ得る。変換操作は、最終的に消費者が使用可能な販売可能ユニットを得ることができる。
【0081】
一実施例では、プロセスは、回収操作で形成された繊維構造体、例えば、複合構造体が、単一の製造ライン、例えば、単一プライ、多プライ、又は単プライ若しくは多プライ物品の任意の表面上の、単一の製造ライン、例えば、単プライ、多プライ、又は単一プライ若しくは多プライ物品の任意の表面上で、消費者が使用可能な販売可能ユニットへと、スリット加工、積層、カレンダー加工、任意の成分を用いる処理、ダイカット、印刷、パッケージング、機械的合板、化学的合板、及び/又はそれらの組み合わせから選択される変換操作及び/又は工程を用いて更に転換されるようなプロセスである。
【0082】
a.フィラメント形成組成物の作製操作(16)
図2に示されるように、一実施例では、フィラメント形成組成物18は、1つ以上のフィラメント形成材料38、例えば、1つ以上の可溶性フィラメント形成材料、例えば、水又は別の極性溶媒が添加され、水溶性フィラメント形成材料と水又は極性溶媒とを含む水性又は極性溶媒組成物をもたらす、ポリビニルアルコールなどの1つ以上のヒドロキシルポリマーを提供することによって作製される。水性又は極性溶媒組成物は、次いで、押出機内で加工、例えば、ポリマー加工されて、フィラメント形成組成物18を形成し、それは、次いで、紡糸操作20において複数のフィラメント22に紡糸するための1つ以上のダイに送るのに好適である。一実施例では、水性又は極性溶媒組成物は、バッチタンク(図示せず)で加工されてもよい。
【0083】
一実施例では、フィラメント形成材料38は、十分に調理され、フィラメント形成材料38の均質な水性又は極性溶媒組成物を形成する。
【0084】
一実施例では、フィラメント形成組成物作製操作16中に、1つ以上のフィラメント形成材料38に、少なくとも約30重量%、及び/又は少なくとも約40重量%、及び/又は約70重量%、及び/又は約60重量%の水が添加される。
【0085】
一実施例では、フィラメント形成材料38は、40%超、及び/又は50%超、及び/又は60%超、及び/又は約60%~約80%、及び/又は約60%~約70%の固体濃度で添加されてもよい。
【0086】
一実施例では、フィラメント形成材料38は、5%超、及び/又は10%超、及び/又は13%超、及び/又は50%未満、及び/又は40%未満、及び/又は30%未満、及び/又は25%未満のレベルで存在してもよい。
【0087】
一実施例では、フィラメント形成材料38は、10%超、及び/又は20%超、及び/又は30%超、及び/又は90%未満、及び/又は80%未満、及び/又は70%未満、及び/又は65%未満のレベルで押出機内に存在してもよい。
【0088】
一実施例では、フィラメント形成材料38は、固体形態、例えば、ペレット及び/又は粉末などの乾燥固体形態40であってもよい。一実施例では、フィラメント形成材料38、並びにフィラメント形成材料38を可溶化するために利用される水及び/又は別の極性溶媒は、ホッパー44を介して押出機42、例えば、二軸押出機に添加され、加熱され、加工され、混合されて、フィラメント形成材料38を可溶化する。一実施例では、押出機40内のフィラメント形成材料18を含む水溶液及び/又は極性溶媒溶液内の連行空気は、最小化及び/又は排除される。水及び/又は極性溶媒は、ポンプ46を介して押出機42に添加されてもよい。
【0089】
フィラメント形成材料38が固体形態であるとき、固体フィラメント形成材料、例えば、ポリビニルアルコールなどの1つ以上のヒドロキシルポリマーは、ホッパー44から、例えば、連続プロセスで、押出機42、例えば、単軸押出機又は二軸押出機、例えば、Coperion ZSK 26二軸押出機(最大速度1200rpm、螺旋軸当たりの最大トルク106Nm、スクリューの直径25.5mm、スクリューの長さ900mm、バレル部分の数9、各ゾーンの加熱及び冷却、ねじ山の高さ4.55mm、推定スループット20~60kg/時間)などの二軸押出機に添加される。この実施例では、
図3に示すように、押出機42への固体フィラメント形成材料の添加は、押出機42のゾーン1で行われる。フィラメント形成材料38を押出機42に添加する目的は、フィラメント形成材料38の水和を達成すること、及びフィラメント形成材料38を、特にそれが元々固体形態である場合に可溶化することである。
【0090】
好適なフィラメント形成材料38の非限定的な例としては、ポリマー、例えば、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガカントガム、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、デキストリン、ペクチン、キチン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシル化ポリビニルアルコール、スルホン化ポリビニルアルコール、デンプン、デンプン誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ヒドロキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーが挙げられる。
【0091】
一実施例では、フィラメント形成材料38は、可溶性フィラメント、例えば、水溶性フィラメントを生成する水溶性材料である。
【0092】
一実施例では、フィラメント形成材料38は、ポリビニルアルコールを含む。
【0093】
水及び/又は別の極性溶媒は、例えば、連続プロセスで、ポンプ46を介して添加され、フィラメント形成材料18を含む押出機42に、押出機42内のフィラメント形成材料18と混合し可溶化する。水及び/又は他の極性溶媒は、
図3に示すように、ゾーン3内の押出機42に添加される。
【0094】
押出機42は、少なくとも約5、及び/又は少なくとも約10、及び/又は少なくとも約15、及び/又は少なくとも約20、及び/又は少なくとも約40、少なくとも約80、及び/又は約15~約200、及び/又は約80~約135kg/時間のウェットスループットを呈するように実行され得、一実施例では、約100~約700kg/時間、及び/又は約345~約575kg/時間の完全フィラメント形成材料流量、少なくとも約2、及び/又は少なくとも約4、及び/又は少なくとも約6、及び/又は少なくとも約10、及び/又は少なくとも約15、及び/又は少なくとも約20、及び/又は約2~約120、及び/又は約10~約85、及び/又は約20~約85kg/時間、及び/又は約50~約85kg/時間のドライスループット、約1600rpm未満、及び/又は約1400rpm未満、及び/又は約1200rpm未満、及び/又は約200~約1600rpm、及び/又は約400~1400rpm、及び/又は約600~約1200rpmの最大スクリュー速度、約20~約95%、及び/又は約30~約85%、及び/又は約40~約70%の固形分%(フィラメント形成材料38)、約10~約80、及び/又は約15~約75、及び/又は約20~約65バールセットポイントの出口圧力を生成し、フィラメント形成組成物は、約0.10~約0.50、及び/又は約0.12~約0.45、及び/又は約0.14~約0.35kW-h/kgのSME(固形分スループット基準)で押出機から出ることができ、押出機は、以下の表1に示されるように実行される押出機の例示的なバレル温度で、フィラメント形成組成物を少なくとも49℃の温度に晒す。
【0095】
【0096】
フィラメント形成材料38を押出機42に可溶化してフィラメント形成組成物18を生成することに加えて、1つ以上の活性剤48、例えば、界面活性剤ブレンドなどの1つ以上の界面活性剤、例えば、アニオン性界面活性剤、例えば、2つ以上の異なるアニオン性界面活性剤のブレンドは、SMXミキサーなどの1つ以上の静的ミキサー50を介してフィラメント形成組成物18と混合されてもよい。
【0097】
一実施例では、界面活性剤及び/又は界面活性剤ブレンドは、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、アルキルサルフェート(AS)及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上のアニオン性界面活性剤を含む。界面活性剤は、水酸化ナトリウムとブレンドされ、又は共中和されて、低水含有ペーストを形成してもよい。加えて、アルキルエトキシレートサルフェート(AES)などの他の界面活性剤、アミンオキシドなどの補助界面活性剤、直鎖状アルコールエトキシレート、グルカミド系界面活性剤、並びにMLAS及びHSASなどのアルキル鎖の分岐状バージョン。
【0098】
一実施例では、1つ以上の界面活性剤に加えて、PEO 100K及び/又はPEO N60Kなどのポリエチレンオキシド、及び/又はポリビニルピロリドンなどの構造化剤が界面活性剤と混合され、相安定性を提供し得る。任意選択的に、他の成分もまた、塩、例えば、硫酸ナトリウムなどの界面活性剤と混合されてもよい。
【0099】
一実施例では、フィラメント形成組成物18、及びしたがってフィラメント形成組成物18を紡糸することから生成される少なくとも1つのフィラメント22は、1つ以上の活性剤48がフィラメント22内に存在するフィラメント22の場合、1つ以上の活性剤48を含む。
【0100】
一実施例では、活性剤48は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びそれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤を含む。
【0101】
一実施例では、1つ以上の活性剤48は、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、カーペットケア活性剤、表面ケア活性剤、空気ケア活性剤、口腔ケア活性剤(例えば、歯洗浄剤、歯ホワイトニング剤、歯ケア剤、歯周歯肉ケア剤、口内洗浄剤、義歯洗浄剤、舌洗浄剤、口臭消臭剤、フッ化物剤、口内すすぎ剤、抗虫歯剤、着香剤)、ヘアケア活性剤(シャンプー及び/又はコンディショナー)、ケラチン組織ケア剤、便器洗浄剤、スキンケア活性剤及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0102】
一実施例では、活性剤48のうちの少なくとも1つは、1つ以上の発泡剤を含む。
【0103】
一実施例では、フィラメント形成組成物作製操作中に、1つ以上の色相剤、着色剤、及び/又は染料がフィラメント形成組成物に添加される。
【0104】
フィラメント形成材料
フィラメント形成材料は、紡糸プロセスなどによって繊維要素を作製するのに好適な特性を呈するポリマー又はそのようなポリマーを作製することができるモノマーなどの任意の好適な材料である。
【0105】
一実施例では、フィラメント形成材料は、アルコール可溶性材料及び/又は水溶性材料などの、極性溶媒可溶性材料を含み得る。
【0106】
別の実施例では、フィラメント形成材料は、非極性溶媒可溶性材料を含んでよい。
【0107】
更に別の例では、フィラメント形成材料は、極性溶媒可溶性材料を含み、かつ非極性溶媒可溶性材料を含まなくてよい(乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥可溶性繊維構造体基準で、5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は1重量%未満、及び/又は0重量%)。
【0108】
更に別の実施例では、フィラメント形成材料は、フィルム形成材料とすることができる。更に別の実施例では、フィラメント形成材料は、合成又は天然由来のものとすることができ、その材料は、化学的、酵素的、及び/又は物理的に修正することができる。
【0109】
本発明の更に別の実施例では、フィラメント形成材料は、エチレン不飽和性カルボン酸モノマー及びエチレン性不飽和モノマーなどのアクリルモノマーから誘導されたポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、アクリル酸及びメチルアクリルレートのコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、デンプン及びデンプン誘導体、プルラン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、並びにカルボキシメチルセルロースからなる群から選択されるポリマーを含み得る。
【0110】
更に別の実施例では、フィラメント形成材料は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、デンプン、デンプン誘導体、セルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含み得る。
【0111】
別の実施例では、フィラメント形成材料は、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガカントガム、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、デキストリン、ペクチン、キチン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質、カゼイン、ポリビニルアルコール、デンプン、デンプン誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ヒドロキシメチルセルロース及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む。
【0112】
極性溶媒可溶性材料
極性溶媒可溶性材料の非限定的な例としては、極性溶媒可溶性ポリマーが挙げられる。極性溶媒可溶性ポリマーは、合成又は天然起源であってよく、化学的及び/又は物理的に改質してもよい。一実施例では、極性溶媒可溶性ポリマーは、本明細書に記載の重量平均分子量試験法に従って測定された場合、少なくとも10,000g/mol、及び/又は少なくとも20,000g/mol、及び/又は少なくとも40,000g/mol、及び/又は少なくとも80,000g/mol、及び/又は少なくとも100,000g/mol、及び/又は少なくとも1,000,000g/mol、及び/又は少なくとも3,000,000g/mol、及び/又は少なくとも10,000,000g/mol、及び/又は少なくとも20,000,000g/mol、及び/又は約40,000,000g/molまで、及び/又は約30,000,000g/molまでの重量平均分子量を呈する。
【0113】
1つの例では、極性溶媒可溶性ポリマーは、アルコール可溶性ポリマー、水溶性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。水溶性ポリマーの非限定的な例としては、水溶性ヒドロキシルポリマー、水溶性熱可塑性ポリマー、水溶性生分解性ポリマー、水溶性非生分解性ポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。1つの例では、水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコールを含む。別の例では、水溶性ポリマーは、デンプンを含む。更に別の例では、水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール及びデンプンを含む。
【0114】
a.水溶性ヒドロキシルポリマー-本発明に係る水溶性ヒドロキシルポリマーの非限定的な例としては、ポリオール、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルアルコールコポリマー、デンプン、デンプン誘導体、デンプンコポリマー、キトサン、キトサン誘導体、キトサンコポリマー、セルロース誘導体、例えば、セルロースエーテル及びエステル誘導体、セルロースコポリマー、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、ヘミセルロースコポリマー、ゴム、アラビナン、ガラクタン、タンパク質、及び他の様々な多糖類、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0115】
一実施例では、本発明の水溶性ヒドロキシルポリマーは、多糖類を含む。
【0116】
本明細書で使用するとき、「多糖類」は、天然多糖類、及び多糖誘導体、及び/又は修飾多糖類を意味する。好適な水溶性多糖類としては、デンプン、デンプン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、セルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、ゴム、アラビナン、ガラクタン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。水溶性多糖類は、本明細書に記載の重量平均分子量試験法に従って測定された場合、約10,000~約40,000,000g/mol、及び/又は100,000g/mol超、及び/又は1,000,000g/mol超、及び/又は3,000,000g/mol超、及び/又は3,000,000超~約40,000,000g/molの重量平均分子量を呈し得る。
【0117】
水溶性多糖類は、非セルロース、及び/又は非セルロース誘導体、及び/又は非セルロースコポリマー水溶性多糖類を含んでよい。このような非セルロース水溶性多糖類は、デンプン、デンプン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、ゴム、アラビナン、ガラクタン、及びこれらの混合物からなる群から選択してよい。
【0118】
別の実施例では、本発明の水溶性ヒドロキシルポリマーは、非熱可塑性ポリマーを含む。
【0119】
水溶性ヒドロキシルポリマーは、本明細書に記載の重量平均分子量試験法に従って測定された場合、約10,000g/mol~約40,000,000g/mol、及び/又は100,000g/mol超、及び/又は1,000,000g/mol超、及び/又は3,000,000g/mol超、及び/又は3,000,000g/mol超~約40,000,000g/molの重量平均分子量を有し得る。より高い分子量及びより低い分子量の水溶性ヒドロキシルポリマーを、特定の所望の重量平均分子量を有するヒドロキシルポリマーと併用してよい。
【0120】
例えば、天然デンプンなどの水溶性ヒドロキシルポリマーの周知の修飾としては、化学修飾及び/又は酵素修飾が挙げられる。例えば、天然デンプンは、酸希釈(acid-thinned)、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、及び/又は酸化することができる。更に、水溶性ヒドロキシルポリマーは、デントコーンデンプンを含んでよい。
【0121】
天然起源のデンプンは、一般に、Dグルコース単位の直鎖アミロースと分岐アミロペクチンポリマーとの混合物である。アミロースは、(1,4)-α-D結合によって結合されているD-グルコース単位の実質的に直鎖状のポリマーである。アミロペクチンは、分岐点において(1,4)-α-D結合及び(1,6)-α-D結合によって結合されているD-グルコース単位の高度に分岐したポリマーである。天然起源のデンプン、例えば、コーンスターチ(64~80%アミロペクチン)、ワキシートウモロコシ(waxy maize)(93~100%アミロペクチン)、コメ(83~84%アミロペクチン)、ジャガイモ(約78%アミロペクチン)、及びコムギ(73~83%アミロペクチン)は、典型的には、比較的高濃度のアミロペクチンを含有する。全てのデンプンが本明細書において潜在的に有用であるが、本発明は、最も一般的には、豊富に供給され、容易に補充可能であり、かつ安価であるという利点が得られる、農業資源に由来する高アミロペクチン天然デンプンを用いて実施される。
【0122】
本明細書で使用するとき、「デンプン」は、任意の天然起源の非修飾デンプン、修飾デンプン、合成デンプン及びそれらの混合物、並びにアミロース又はアミロペクチン画分の混合物を含み、デンプンは、物理的、化学的、若しくは生物学的プロセス、又はそれらの組み合わせによって修飾されてもよい。本発明についての非修飾又は修飾デンプンの選択は、所望の最終製品に依存し得る。本発明の一実施形態では、本発明において有用なデンプン又はデンプン混合物は、デンプン又はその混合物の約20重量%~約100重量%、より典型的には約40重量%~約90重量%、更により典型的には約60重量%~約85重量%のアミロペクチン含量を有する。
【0123】
好適な天然起源のデンプンとしては、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、コムギデンプン、サゴヤシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン、ダイズデンプン、アロールートデンプン、アミオカデンプン(amioca starch)、ワラビデンプン、ハスデンプン、ワキシートウモロコシデンプン、及び高アミローストウモロコシデンプンを挙げることができるが、これらに限定されない。天然起源のデンプン、特にトウモロコシデンプン及びコムギデンプンは、経済性及び入手可能性の点で好ましいデンプンポリマーである。
【0124】
本明細書におけるポリビニルアルコールは、その特性を改質するために他のモノマーによりグラフトすることができる。広範なモノマーをポリビニルアルコールにグラフトすることに成功している。このようなモノマーの非限定的な例としては、酢酸ビニル、スチレン、アクリルアミド、アクリル酸、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、1,3-ブタジエン、メチルメタクリレート、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メチルアリルスルホン酸ナトリウム、フェニルアリルエーテルスルホン酸ナトリウム、フェニルメタリルエーテルスルホン酸ナトリウム、2-アクリルアミド-メチルプロパンスルホン酸(AMP)、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルアミン、及び様々なアクレートエステルが挙げられる。
【0125】
一実施例では、水溶性ヒドロキシルポリマーは、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びそれらの混合物からなる群から選択される。好適なポリビニルアルコールの非限定的な例としては、Sekisui Specialty Chemicals America,LLC(Dallas,TX)から商標名CELVOL(登録商標)として市販されているものが挙げられる。好適なヒドロキシプロピルメチルセルロースの非限定的な例としては、上述のヒドロキシプロピルメチルセルロースとの組み合わせを含む、Dow Chemical Company(Midland,MI)から商標名METHOCEL(登録商標)として市販されているものが挙げられる。
【0126】
b.水溶性熱可塑性ポリマー-好適な水溶性熱可塑性ポリマーの非限定的な例としては、熱可塑性デンプン及び/又はデンプン誘導体、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、及び特定のポリエステル、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0127】
本発明の水溶性熱可塑性ポリマーは、親水性であっても疎水性であってもよい。水溶性熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリマー固有の親水性若しくは疎水性を変化させるために、表面処理及び/又は内部処理され得る。
【0128】
水溶性熱可塑性ポリマーは、生分解性ポリマーを含んでもよい。
【0129】
熱可塑性ポリマーのために任意の好適な重量平均分子量を使用してよい。例えば、本発明に係る熱可塑性ポリマーの重量平均分子量は、本明細書に記載の重量平均分子量に従って測定された場合、約10,000g/mol超、及び/又は約40,000g/mol超、及び/又は約50,000g/mol超、及び/又は約500,000g/mol未満、及び/又は約400,000g/mol未満、及び/又は約200,000g/mol未満である。
【0130】
非極性溶媒可溶性材料
非極性溶媒可溶性材料の非限定的な例としては、非極性溶媒可溶性ポリマーが挙げられる。好適な非極性溶媒可溶性材料の非限定的な例としては、セルロース、キチン、キチン誘導体、ポリオレフィン、ポリエステル、これらのコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリオレフィンの非限定的な例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリエステルの非限定的な例としては、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
【0131】
非極性溶媒可溶性材料は、非生分解性ポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び特定のポリエステルを含んでよい。
【0132】
熱可塑性ポリマーのために任意の好適な重量平均分子量を使用してよい。例えば、本発明に係る熱可塑性ポリマーの重量平均分子量は、本明細書に記載の重量平均分子量に従って測定された場合、約10,000g/mol超、及び/又は約40,000g/mol超、及び/又は約50,000g/mol超、及び/又は約500,000g/mol未満、及び/又は約400,000g/mol未満、及び/又は約200,000g/mol未満である。
【0133】
活性剤
活性剤は、例えば、繊維要素及び/又は粒子及び/又は可溶性繊維構造体の外部の環境に利益を提供するなど、繊維要素及び/又は粒子及び/又は可溶性繊維構造体自体以外の何かに利益を提供するように設計及び意図される繊維添加剤の部類である。活性剤は、繊維要素の意図される使用条件下で、意図した効果を生じさせる任意の好適な繊維添加剤であり得る。例えば、活性剤は、以下からなる群から選択してよい:パーソナルクレンジング及び/又はコンディショニング剤、例えば、ヘアケア剤(例えば、シャンプー剤及び/又は染毛剤)、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、日焼け止め剤、及びスキンコンディショニング剤;洗濯物ケア及び/又はコンディショニング剤、例えば、布地ケア剤、布地コンディショニング剤、布地柔軟剤、布地しわ防止剤、布地ケア静電気防止剤、布地ケア染み除去剤、汚れ放出剤、分散剤、発泡抑制剤、発泡促進剤、消泡剤、及び布地リフレッシング剤;液体及び/又は粉末食器洗浄剤(食器手洗い及び/又は自動食器洗浄機用)、硬質表面ケア剤及び/又はコンディショニング剤及び/又は研磨剤;他の洗浄及び/又はコンディショニング剤、例えば、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、布地色調剤、香料、漂白剤(例えば、酸素漂白剤、過酸化水素、過炭酸塩漂白剤、過ホウ酸塩漂白剤、塩素漂白剤)、漂白活性化剤、キレート剤、ビルダー、ローション、増白剤、空気ケア剤、カーペットケア剤、移染防止剤、粘土汚れ除去剤、再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、アルコキシ化ポリアミンポリマー、アルコキシ化ポリカルボキシレートポリマー、両親媒性グラフトコポリマー、溶解助剤、緩衝系、水軟化剤、水硬化剤、pH調整剤、酵素、凝集剤、発泡剤、防腐剤、化粧剤、メークアップ除去剤、起泡剤、付着助剤、コアセルベート形成剤、粘土、増粘剤、ラテックス、シリカ、乾燥剤、臭気制御剤、制汗剤、冷却剤、加温剤、吸収性ゲル剤、抗炎症剤、染料、顔料、酸及び塩基;液体処理活性剤;農業用活性剤;工業用活性剤;摂取可能な活性剤、例えば、医薬剤、歯のホワイトニング剤、歯ケア剤、洗口剤、歯周歯肉ケア剤、可食性剤、食用剤、ビタミン、ミネラル;水処理剤、例えば、水清澄剤及び/又は消毒剤、並びにこれらの混合物。
【0134】
好適な化粧剤、スキンケア剤、スキンコンディショニング剤、ヘアケア剤、及びヘアコンディショニング剤の非限定的な例は、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1988,1992に記載されている。
【0135】
1つ以上の部類の化学物質が、上に列挙した1つ以上の活性剤に有用であり得る。例えば、界面活性剤は、任意の数の上記活性剤のために使用してよい。同様に、漂白剤は、布地ケア、硬質表面洗浄、食器洗浄、及び更には歯科用ホワイトニングのために使用してよい。したがって、当業者は、活性剤が、繊維要素及び/又は粒子及び/又はこれらから作製される可溶性繊維構造体の所望の意図した用途に基づいて選択されることを理解するであろう。
【0136】
例えば、繊維要素及び/又は粒子及び/又はこれらから作製される可溶性繊維構造体をヘアケア及び/又はコンディショニングに使用する場合、繊維要素及び/又は粒子、及び/又は繊維要素及び/又は粒子が組み込まれる可溶性繊維構造体が意図される使用条件に曝される場合に、消費者に所望の利益をもたらすように、1つ以上の好適な界面活性剤、例えば、発泡性界面活性剤を選択することができる。
【0137】
一実施例では、繊維要素及び/又は粒子及び/又はこれらから作製される可溶性繊維構造体が、洗濯操作において衣類の洗濯に使用するように設計又は意図されている場合、繊維要素及び/又は粒子、及び/又は繊維要素及び/又は粒子が組み込まれる可溶性繊維構造体が意図される使用条件に曝される場合に、消費者に所望の利益をもたらすように、1つ以上の好適な界面活性剤、及び/又は酵素、及び/又はビルダー、及び/又は香料、及び/又は発泡抑制剤、及び/又は漂白剤を選択することができる。別の実施例では、繊維要素及び/又は粒子及び/又はこれらから作製される可溶性繊維構造体が、洗濯操作における衣類の洗濯及び/又は食器洗浄操作における食器の洗浄に使用するように設計又は意図されている場合、繊維要素及び/又は粒子及び/又は可溶性繊維構造体は、洗濯洗剤組成物若しくは食器洗浄洗剤組成物又はこのような組成物で使用される活性剤を含んでよい。更に別の実施例では、繊維要素及び/又は粒子及び/又はこれらから作製される可溶性繊維構造体が、便器の洗浄及び/又は衛生化に使用するように設計されている場合、繊維要素及び/又は粒子及び/又はこれらから作製される可溶性繊維構造体は、便器洗浄用組成物及び/又は発泡性組成物及び/又はこのような組成物で使用される活性剤を含んでよい。
【0138】
一実施例では、活性剤は、界面活性剤、漂白剤、酵素、発泡抑制剤、発泡促進剤、布地柔軟剤、義歯洗浄剤、毛髪洗浄剤、ヘアケア剤、パーソナルヘルスケア剤、色相剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0139】
一実施例では、活性剤のうちの少なくとも1つは、皮膚処理剤、薬剤、ローション、布地ケア剤、食器洗浄剤、カーペットケア剤、表面ケア剤、ヘアケア剤、空気ケア剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0140】
次いで、フィラメント形成組成物18は、紡糸操作20へと、パイプ及び/又はブースターポンプなどのポンプ46を介して、ジャケット付き又はジャケットなし、及び/又はポンプ付きのSMXミキサーなどの静的ミキサー50を介して混合され得る。フィラメント形成組成物作製操作16から生成されるフィラメント形成組成物18は、1つ以上のポンプ46を介して1つ以上のダイ及び/又はダイの1つ以上のビームに送達され得る。紡糸操作20に送達される前に、フィラメント形成組成物18のレオロジーは、例えば、オンラインレオメーター52を用いて、オフライン又はオンラインで測定され、フィラメント形成組成物の18レオロジーが紡糸操作20を介してフィラメント22内に紡糸するのに好適であることを確実にし得る。
【0141】
一実施例では、2つ以上の異なるフィラメント形成組成物は、50/50CD幅スプリットダイなどのスプリットダイなどから、紡糸操作中に生成及び紡糸されてもよく、ダイのそれぞれの半分は、2つ以上の異なるフィラメント形成組成物を紡糸して、紡糸操作中に2つ以上の異なるフィラメントを形成し、最終的には、2つ以上の異なるフィラメント形成組成物から生成される2つ以上の異なるフィラメントを含む繊維構造体をもたらす。
【0142】
別の実施例では、2つ以上の異なるフィラメント形成組成物は、2つ以上の平行ダイ、例えば、2つ以上の平行完全CD幅ダイからのような紡糸操作中に生成及び紡糸されてもよく、各ダイは、紡糸操作中に2つ以上の異なるフィラメント形成組成物を紡糸し、最終的には、2つ以上の異なるフィラメント形成組成物から生成される2つ以上の異なるフィラメントを含む繊維構造体をもたらす。
【0143】
フィラメントの形成及び/又は減衰は、成功する力の微妙なバランスを必要とする。まず、フィラメント形成組成物18は、それがダイを出る際に安定したフィラメント20を形成しなければならない。フィラメント形成組成物18の粘度が高すぎると、完全な減衰を達成することができない。フィラメント形成組成物18の粘度が低すぎると、フィラメント20は、減衰力の下で破断するであろう。加えて、フィラメント20が直径約20umまで減衰した後、安定化が続く。安定化プロセスは、いくつかの方法、最も顕著に乾燥及び/又は結晶化で達成することができる。液体(フィラメント形成組成物18)から固体(フィラメント20)へと移行する際のフィラメント20のレオロジー特性は、フィラメントの紡糸の成功において最も重要である。一実施例では、本発明のフィラメント形成組成物18は、1超、及び/又は2超、及び/又は3超、及び/又は4超、及び/又は5超の毛管数を呈する。繊維要素の紡糸プロセスでは、繊維要素は、紡糸用ダイを出るときに初期安定性を有する必要がある。一実施例では、フィラメント形成組成物18は、フィラメント形成組成物18がフィラメント22に効果的にポリマー加工(紡糸)され得るように、少なくとも1~約50、及び/又は少なくとも3~約50、及び/又は少なくとも5~約30の毛管数を呈する。
【0144】
毛管数は、この液滴崩壊の可能性を特徴付けるために使用される無次元数である。毛管数が多いことは、ダイを出る際の流体安定性がより高いことを示す。毛管数は、以下のとおりに定義される。
【0145】
【数1】
Vは、ダイ出口における流体速度であり(時間当たりの長さの単位)、
ηは、ダイの条件における流体粘度(長さ×時間当たりの質量の単位)であり、
σは、流体の表面張力(時間の二乗当たりの質量の単位)である。速度、粘度、及び表面張力が一連の一貫した単位で表されるとき、得られる毛管数は、それ自体の単位を有しないことになる。個別単位は打ち消すことになる。
【0146】
毛管数は、ダイの出口における条件について定義される。流体速度は、ダイの孔を通過する流体の平均速度である。平均速度は、以下のとおり定義される:
【0147】
【数2】
Vol’=体積流量(時間当たりの長さの三乗の単位)であり、
Area=ダイ出口の断面積(長さの二乗の単位)である。
【0148】
ダイの孔が円形の穴である場合、流体速度は、以下のとおり定義することができる:
【0149】
【数3】
Rは、円形の穴の半径(長さの単位)である。
【0150】
フィラメント形成組成物18の剪断粘度は、紡糸操作20の動作温度範囲において、3000s-1で、約0.1Pa-s~約50Pa-s、及び/又は約0.3Pa-s~約40Pa-s、及び/又は約0.5Pa-s~約35Pa-sの範囲であり得る。フィラメント形成組成物18の伸長粘度は、RheoSense(San Ramon,CA)からのe-VROC装置又は同等物によって測定された場合、700s-1のひずみ速度で、約50Pa-s~約200Pa-s、及び/又は約60Pa-s~約180Pa-s、及び/又は約70Pa-s~約150Pa-s、及び/又は約75Pa-s~約125Pa-s、及び/又は約75Pa-s~約100Pa-sの範囲であり得る。SSEVR上の圧力P23/P14の比は、0.8超、及び/又は0.9超、及び/又は1超であるべきである。
【0151】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、少なくとも20重量%、及び/又は少なくとも30重量%、及び/又は少なくとも40重量%、及び/又は少なくとも45重量%、及び/又は少なくとも50重量%~約90重量%まで、及び/又は約85重量%まで、及び/又は約80重量%まで、及び/又は約75重量%までの1つ以上のフィラメント形成材料、1つ以上の活性剤、及びこれらの混合物を含み得る。フィラメント形成組成物は、約10重量%~約80重量%の極性溶媒、例えば水を含んでもよい。
【0152】
一実施例では、フィラメント形成組成物の不揮発性成分が、フィラメント形成組成物の総重量基準の重量で、約20%から、及び/又は約30%から、及び/又は40%から、及び/又は45%から、及び/又は50%から約75%までの、及び/又は80%までの及び/又は85%までの、及び/又は90%までを構成してもよい。不揮発性成分は、主鎖ポリマー、活性剤、及びこれらの組み合わせなど、フィラメント形成組成物から構成されてもよい。フィラメント形成組成物の不揮発性成分が、残りのパーセンテージ、及びフィラメント形成組成物の総重量基準の重量で10%~80%の範囲を含んでいる可能性がある。
【0153】
溶融脂肪族アルコール又は水性界面活性剤溶液などの錯体混合物の成功した繊維紡糸のためには、一般に、構造化剤と称されるポリマー成分を添加することが必要である。構造化剤の目的は、繊維形成を可能にするよう、剪断粘度及び伸張粘度を増加させることである。構造化剤は、一般に、通常100,000~6,000,000g/mol範囲の高分子量種である。しかしながら、濃度及び分子量の間でのバランスが、多くの場合、相容れず、そのようにして、より低い分子量の種を使用すると、それは適切に機能するためにより高いレベルを必要とする。同様に、より高い分子種が使用されると、繊維紡糸を可能にするために、より高いレベルが使用され得る。構造化剤の重要な態様は、繊維形成のための粘度増加を可能にするための紡糸流体におけるその溶解度である。構造化剤のポリビニルピロリドン及びポリエチレンオキシドは、紡糸流体中の溶解度基準を満たし、高分子量で生成することができる2つのこのようなポリマーであることが見出されている。
【0154】
b.紡糸操作(20)
1つ以上のフィラメント形成材料18、及び任意選択的に、フィラメント22内に存在する1つ以上の活性剤48を含む本発明のフィラメント22は、
図4及び
図5に示されるように作製され得る。
図4及び
図5に示されるように、本発明に従って、連続プロセスでフィラメント形成組成物18からフィラメント22を作製するための紡糸操作20は、
a.フィラメント形成組成物作製操作16から紡糸操作20に送達されるフィラメント形成組成物18を提供する工程であって、フィラメント形成組成物18が、1つ以上のフィラメント形成材料38、及び任意選択的に、1つ以上の活性剤48及び/又は1つ以上の極性溶媒(水など)、及び任意選択的に、1つ以上の抑止剤を含む、工程と、
b.1つ以上のダイ、例えば、1つ以上の紡糸ダイ54、例えば、Biax-fiberfilm多列毛管ダイなどの多列毛管紡糸ダイなどを介して、1つ以上のフィラメント形成材料38、及び任選択的に、1つ以上の活性剤48及び1つ以上の抑止剤を含む1つ以上のフィラメント22に、フィラメント形成組成物18を紡糸する工程とを含む。
【0155】
一実施例では、紡糸する工程は、1つ以上のフィラメント形成材料を含むフィラメント形成組成物を、1つ以上のダイ、例えば、1つ以上の紡糸ダイ54に提供する工程を更に含む。
【0156】
フィラメント形成組成物18は、フィラメント形成組成物18からフィラメント22を作製するときに、約20℃~約100℃、及び/又は約30℃~約90℃、及び/又は約35℃~約70℃、及び/又は約40℃~約60℃の温度で、紡糸ダイ54から加工(紡糸)され得る。
【0157】
フィラメント形成組成物18は、ポンプ46を用いて又は用いずに、フィラメント形成組成物作製操作16から紡糸ダイ54まで、好適なパイプ56を介してして輸送され得る。Colfax Corporation,Zenith Pumps Division(Monroe,N.C.,USA)によって製造され、1回転当たり30及び/又は45立方センチメートル(cc/rev)の容量を有するZenith(登録商標)、H-9000などのポンプ46を用いて、フィラメント形成組成物18の紡糸ダイ54への輸送を促進してもよい。フィラメント形成組成物作製操作16から紡糸ダイ54へのフィラメント形成組成物18の流れは、ポンプ46の1分当たりの回転数(rpm)を調節することによって制御されてもよい。
【0158】
紡糸ダイ54から紡糸されたフィラメント22は、ベルト及び/又は布地、例えば、模様付きベルト、及び/又は回収されたフィラメント22を移動させるために連続的に操作する回転ドラムなどの回収装置58上に、例えば連続的に回収され得、それは回収装置58上に、複数の絡み合ったフィラメントなどの繊維構造体14を形成することにより、本発明の製造物品12の作製における他の動作へのプロセスを更に低下させる。
【0159】
一実施例では、プロセスは、第1のダイ、例えば、第1の紡糸ダイから複数のフィラメントを紡糸し、次いで、混合フィラメント及び固体添加剤、例えば、粒子を回収装置上に既に存在する第1のフィラメント上に回収する前に、回収装置上に第1のフィラメントを回収する工程を更に含み得る。
【0160】
繊維要素10中に存在する1つ以上のフィラメント形成材料の総濃度は、活性剤がその中に存在する場合、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥可溶性繊維構造体基準で、80重量%未満、及び/又は70重量%未満、及び/又は65重量%未満、及び/又は50重量%以下であってよく、1つ以上の活性剤の総濃度は、繊維要素中に存在する場合、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥可溶性繊維構造体基準で、20重量%超、及び/又は35重量%超、及び/又は50重量%以上、65重量%以上、及び/又は80重量%以上であり得る。
【0161】
図4及び
図5に示されるように、紡糸ダイ54は、それがフィラメント形成穴32を出る際にその中を空気などの流体が通過して、フィラメント形成組成物22の繊維要素10への減衰を促進する同心減衰流体穴36により囲まれた融解毛管34を含む複数のフィラメント形成穴を含み得る。
【0162】
一実施例では、
図5に示される紡糸ダイ54は、約1.524ミリメートル(約0.060インチ)のピッチPで互いに離間している円形押出しノズル(フィラメント形成穴60)の2つ以上の列を有する。ノズルは、約0.305ミリメートル(約0.012インチ)の個々の内径、及び約0.813ミリメートル(約0.032インチ)の個々の外径を有する。各個々のノズルは、減衰空気を各個々の融解毛管62に供給するために、環状かつ末広のフレア状オリフィス(同心減衰流体穴64)によって囲まれた融解毛管62を含む。押出しノズルを通して押出されるフィラメント形成組成物18(フィラメント形成穴60)は、オリフィスを通して供給されるほぼ円筒形の湿った空気の流れにより囲まれ減衰され、フィラメント22を生成する。
【0163】
減衰空気は、供給源からの圧縮空気を電気抵抗ヒータ、例えば、Chromalox,Division of Emerson Electric(Pittsburgh,Pa.,USA)によって製造されたヒータによって加熱することによって提供され得る。
【0164】
初期フィラメント22は、電気抵抗ヒータ及び/又はガスバーナー(直接又は間接)(図示せず)によって約149℃(約300°F)~約315℃(約600°F)の温度を有し、乾燥ノズルを通して供給され、紡糸される初期フィラメント22の全体配向に対して、約90°の角度で流出される、乾燥空気流によって乾燥される。乾燥したフィラメント22は、ベルト又は布地、一実施例では、模様、例えば、非ランダム繰り返し模様を、ベルト又は布地上にフィラメント22を回収した結果として形成される可溶性繊維構造体などの繊維構造体14に付与することができるベルト又は布地などの回収装置58上で回収され得る。フィラメント22が回収装置58と接触する回収装置58の領域である形成ゾーン68の直下への真空源66の添加は、回収装置58上のフィラメント22の回収を補助するために使用され得る。フィラメント22の紡糸及び回収は、絡み合ったフィラメントを含む繊維構造体14、例えば、可溶性繊維構造体を生成する。
【0165】
一実施例では、回収装置58及び回収装置58上に担持された繊維構造体14が、紡糸エンクロージャ70の下で自由に移動することができ、フィラメント22が、紡糸ダイ54から回収装置58へと紡糸される程度に、少なくとも部分的に囲い込む、一実施例においては完全に囲い込むハウジングである紡糸エンクロージャ70。紡糸エンクロージャ70は、フィラメント22が紡糸ダイ54から回収装置58へと紡糸線を下方に曝露される環境を少なくとも部分的に制御する。
【0166】
一実施例では、紡糸工程中に、フィラメント形成組成物18中に存在する水などの任意の揮発性溶媒は、フィラメント22が形成される際に、乾燥させることなどによって除去される。一実施例では、水などの、フィラメント形成組成物18の揮発性溶媒の重量の30%超、及び/又は40%超、及び/又は50%超は、紡糸工程中に、生成されるフィラメント22を乾燥させることなどによって除去される。
【0167】
一実施例では、フィラメント22は、1つのダイ、例えば、1つの紡糸ダイ54、例えば、多列毛管ダイから紡糸される。
【0168】
一実施例では、2つ以上の異なるフィラメント22は、少なくとも1つのダイ、例えば、1つの紡糸ダイ54(同じ紡糸ダイ54)から紡糸される。
【0169】
一実施例では、フィラメント22は、2つ以上のダイ、例えば、2つ以上の紡糸ダイ54から紡糸される。
【0170】
一実施例では、本発明のプロセスは、2つ以上の紡糸操作20を含んでもよい。一実施例では、第1の紡糸操作20は、第2の紡糸操作20からのフィラメント22が回収される同じ回収装置58であり得る回収装置58上に繊維構造体14を生成するために、混合操作24を介して、活性剤48あり又はなしで、固体添加剤、例えば、粒子26の含有なしで、1つ以上のフィラメント形成材料38を含むフィラメント形成組成物18からフィラメント22を紡糸することを含む。第1の紡糸操作20の下流にある第2の紡糸操作20は、第1の紡糸操作20によって形成された繊維構造体14に、混合操作24を介して、活性剤48あり又はなしで、固体添加剤、例えば、粒子26の含有と共に、1つ以上のフィラメント形成材料38を含むフィラメント形成組成物18からフィラメント22を紡糸することを含む。
【0171】
フィラメント形成組成物18から生成されるフィラメント22が、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥可溶性繊維構造体基準で、フィラメント22中に約5重量%~100重量%以下の総濃度のフィラメント形成材料38と、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥可溶性繊維構造体基準で、フィラメント22中に0重量%~約95重量%の総濃度の活性剤48とを含む限り、フィラメント形成組成物18は、任意の好適な総濃度のフィラメント形成材料38及び任意の好適な濃度の活性剤48を含んでもよい。
【0172】
c.混合操作(24)
一実施例では、
図6に示されるように、粒子26は、紡糸エンクロージャ70内の、1つのダイ、例えば、紡糸ダイ54から紡糸されるフィラメント22に添加されてもよい。粒子26の添加は、フィラメント22の形成中、及び/又は回収装置58でのフィラメント22の回収後に達成され得る。粒子26は、粒子源72から繊維構造体14及び/又はフィラメント22に添加されてもよい。粒子26は、粒子26が紡糸エンクロージャ70内の回収装置58の表面上に回収されるように添加されてもよい。回収装置58は、紡糸エンクロージャ70の内側にあり得る形成ゾーン68内で操作可能であってもよい。紡糸エンクロージャ70は、回収装置58の上方に位置付けられてもよく、回収装置58上の形成ゾーン68を包含してもよい。
【0173】
粒子26の添加は、回収装置58上で回収されたフィラメント22及び/又は繊維構造体14内に捕捉される及び/又は取り込まれる当該粒子26をもたらし得る。
【0174】
粒子の流れを供給するのに好適な粒子源72、例えば、フィーダーは、
図6に示されるように、繊維要素の乾燥領域の真上に配置される。この場合、例えば、Retsch(登録商標)(Haan,Germany)製の振動フィーダーが使用される。横断方向における粒子の一貫した分布を補助するために、粒子は、粒子源72の幅から開始して、紡糸ダイ54の面と同じ幅で終端したトレイ(図示せず)に供給され、粒子26がフィラメント22の形成の全ての領域に送達されることを確実にする。トレイは、粒子供給の破壊を最小化するために、出口を除いて完全に囲い込まれる。
【0175】
一実施例では、分割された粒子源、又は2つ以上の異なる(例えば、種類、組成、サイズ、特性などが異なる)粒子を送達することができる2つ以上の別個の粒子源は、得られる繊維性構造体が異なる粒子を含む異なるゾーン及び/又は領域を含み得、これにより、最初に形成された繊維性構造体がスリット及び積層された後に各層に異なる粒子を有する層状繊維構造体を最終的にもたらすことができるように、混合操作において粒子源として使用され得る。
【0176】
フィラメント22が形成されている間、粒子源72が運転され、粒子26がフィラメント22の流れに導入される。粒子26は、紡糸エンクロージャ70内のフィラメント22と混合される。混合フィラメント22及び粒子26は、複合構造体として回収装置58上に回収される(フィラメント22と粒子26とが一緒に混合される)。一実施例では、混合フィラメント22及び粒子26を回収する工程は、例えば、回収装置58上で、紡糸エンクロージャ70内で行われる。複合構造体は、繊維構造体14と称される。
【0177】
粒子26は、
図4及び
図6に示されるように、粒子26の少なくとも一部が形成ゾーン68においてフィラメント22と接触する限り、任意の角度で、紡糸ダイ54と回収装置58との間で紡糸エンクロージャ70に導入され得る。
図6に示されるように、フィラメント22の流れへの粒子26の導入が調整されず、形成ゾーン68内でフィラメント22に接触する粒子26をもたらす場合、粒子は、
図6の粒子軌道線Aによって示されるように形成ゾーン68の下流(参照点に対して、完成した製造物品及び/又はパッケージされた製造物品により近いプロセスにおける点、例えば、参照点が紡糸操作又は回収操作である場合、下流は変換操作及び/又はパッケージング操作を意味する)、及び/又は
図6の粒子軌道線Bによって示されるように形成ゾーン68の上流(参照点に対して、完成した製造物品12及び/又はパッケージされた製造物品32から更に遠く離れたプロセスにおける点、例えば、参照点が紡糸操作又は回収操作である場合、上流は、例えば、フィラメント形成組成物作製操作16を意味する)に行き着く場合がある。
【0178】
一実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、紡糸エンクロージャ70の上流側でフィラメント22(「フィラメントの上流側」)に接触する。
【0179】
別の実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、紡糸エンクロージャ70の下流側でフィラメント22(「フィラメントの下流側」)に接触する。
【0180】
別の実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、紡糸エンクロージャ70の上流側及び下流側(「フィラメントの上流側及び下流側」)の両方でフィラメント22に接触する。
【0181】
図7は、粒子26が、粒子着床ゾーン74内の回収装置58上に着床し、形成ゾーン68内でフィラメント22に接触する、混合操作24の概略的な別の例を示す。
【0182】
固体添加剤、例えば、粒子26は、約0°以上であるが約90°以下、及び/又は約10°以上であるが約90°以下、及び/又は約20°以上であるが約90°以下、及び/又は約30°以上であるが約90°以下、及び/又は少なくとも約40°であるが約90°未満の接触角(接触角は、紡糸ダイ54から流れ出る及び出るフィラメントの流れ方向に対する)、及び/又は少なくとも約45°であるが約90°未満の接触角で、フィラメント22に接触し得る。
【0183】
固体添加剤、例えば、粒子26は、本明細書に記載のCD及びMD坪量変動試験法に従って測定された場合、40.0%未満、及び/又は30.0%未満、及び/又は25.0%未満、及び/又は20.0%未満、及び/又は15.0%未満、及び/又は10.0%未満、及び/又は5.0%未満、及び/又は約0%の全体MD坪量変動RSD%で、繊維構造体14全体に分散され得る。
【0184】
固体添加剤、例えば、粒子26は、本明細書に記載のCD及びMD坪量変動試験法に従って測定された場合、40.0%未満、及び/又は30.0%未満、及び/又は25.0%未満、及び/又は20.0%未満、及び/又は15.0%未満、及び/又は10.0%未満、及び/又は5.0%未満、及び/又は約0%の全体CD坪量変動RSD%で、繊維構造体14全体に分散され得る。
【0185】
固体添加剤、例えば、粒子26は、1m/秒超、及び/又は少なくとも2m/秒、及び/又は少なくとも2.5m/秒、及び/又は10m/秒未満、及び/又は8m/秒未満、及び/又は6m/秒以下、及び/又は約1m/秒~約20m/秒の速度でフィラメントに接触し得る。
【0186】
固体添加剤、例えば、粒子26は、本明細書に記載の含有効率試験法に従って測定された場合、40%超、及び/又は少なくとも42%、及び/又は少なくとも45%、及び/又は少なくとも50%、及び/又は少なくとも54%、及び/又は少なくとも65%、及び/又は少なくとも75%、及び/又は少なくとも85%、及び/又は少なくとも90%、及び/又は少なくとも95%、及び/又は少なくとも98%の固体添加剤含有効率(例えば、粒子含有効率)となるように、フィラメント22と混合され得る。
【0187】
一実施例では、混合する工程は、ダイ、例えば、紡糸ダイ54のうちの少なくとも1つ及び回収装置58の間に、固体添加剤、例えば、粒子26を複数のフィラメント22、例えば、可溶性フィラメントに導入することを含む。一実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、少なくとも1つのダイ、例えば、回収装置58よりも紡糸ダイ54により近位に導入される。別の実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、少なくとも1つのダイ、例えば、紡糸ダイ54よりも、回収装置58により近位に導入される。
【0188】
一実施例では、混合操作(工程)は、2つの異なる紡糸ダイ54から紡糸された、フィラメント22、例えば、可溶性フィラメントに固体添加剤、例えば、粒子26を導入することを含む。
【0189】
固体添加剤、例えば、粒子26は、1つ以上の種類又は異なる種類の粒子26を含んでもよい。一実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、異なる組成物の粒子26の混合物を含む。別の実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、異なる組成物の粒子のブレンドを含む。別の実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、水膨潤性粒子を含み得る水溶性粒子及び/又は非水溶性粒子を含む。更に、一実施例では、粒子26は、凝集体、例えば、水溶性材料及び/又は非水溶性材料を含む凝集体の形態であってもよい。
【0190】
一実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、本明細書に記載の粒径分布試験法に従って測定した場合、約100μm~約5000μm、及び/又は約100μm~約2000μm、及び/又は約250μm~約1200μm、及び/又は約250μm~約850μmのD50粒径を呈し得る。
【0191】
一実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、本明細書に記載の粒径分布試験法に従って測定した場合、250μmのD10を呈し得る。
【0192】
別の実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、本明細書に記載の粒径分布試験法に従って測定した場合、1200μm及び/又は850μmのD90を呈し得る。
【0193】
一実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、本明細書に記載の粒径分布試験法に従って測定した場合、44μm超、及び/又は90μm超、及び/又は150μm超、及び/又は212μm超、及び/又は300μm超のD10を示し得る。
【0194】
一実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、本明細書に記載の粒径分布試験法に従って測定した場合、1400μm未満、及び/又は1180μm未満、及び/又は850μm未満、及び/又は600μm未満、及び/又は425μm未満のD90を呈し得る。
【0195】
一実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、存在する場合D50が、存在する場合にD10超であり、存在する場合D90が、存在する場合D10及びD50を超える限り、上記で特定されたD10、D50、及び/又はD90の任意の組み合わせを呈し得る。
【0196】
一実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26,は、D90がD10超である限り、上記で特定されたD10及びD90の任意の組み合わせを呈し得る。
【0197】
一実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、本明細書に記載の粒径分布試験法に従って測定した場合、212μm超のD10及び1180μm未満のD90を示し得る。
【0198】
一実施例では、固体添加剤、例えば、粒子26は、本明細書に記載の粒径分布試験法に従って測定した場合、90μm超のD10及び425μm未満のD90を示し得る。
【0199】
一実施例では、紡糸操作20は、機械方向及び/又は機械横断方向に互いに隣接して配置された2つ以上の紡糸ダイ54を含み得る。一実施例では、紡糸操作20が、機械方向に互いに隣接して配置された2つ以上のダイを含む場合、混合操作24は、2つの隣接する(機械方向に)ダイ、例えば、2つの隣接する紡糸ダイ54の間に配置されてもよい。
【0200】
フィラメント22と混合するために本発明で使用される粒子26は、活性剤含有粒子であってもよい。
【0201】
d.回収操作(28)
図1、
図4及び
図6に示されるように、紡糸操作20からのフィラメント22、及び任意選択的に、混合操作24からの固体添加剤、例えば、粒子26は、回収操作28中に回収装置58上に回収され、複合構造体(混合フィラメント22及び粒子26)であり得る繊維構造体14を形成する。
【0202】
一実施例では、回収装置58は、三次元テクスチャなどのテクスチャを繊維構造体14及び/又は回転ドラムの少なくとも1つの表面に付与する模様付きベルトなどのベルトであってもよい。回収装置58は、本質的に連続的、不連続的、及び/又は半連続的であり得る模様、例えば、非ランダムな、繰り返し模様を付与してもよい。回収装置58は、繊維構造体14内に異なる領域、例えば、異なる平均密度を作り出すことができる。
【0203】
試験方法
特に指定がない限り、定義の節で記載されたものを含む本明細書に記載の全ての試験及び以下の試験方法は、試験前に23℃±1.0℃の温度、及び50%±2%の相対湿度に調節された部屋で、最低2時間にわたって、調整されたサンプルに対して行われる。試験したサンプルは、「使用可能ユニット」である。本明細書で使用するとき、「使用可能ユニット」は、シート、ロール材から得た平らな部分、予め変換された平らな部分、シート、及び/又は単プライ製品若しくは多プライ製品を意味する。全ての試験は、同一環境条件下及びこのように調整した室内で実施する。しわ、破れ、穴等の欠陥を有するサンプルは試験しない。本明細書に記載のとおりに調整されたサンプルは、試験目的に関し、乾燥サンプル(例えば「乾燥フィラメント」)であるとみなされる。全ての計器は、製造業者の仕様書に従って較正する。
【0204】
坪量試験法
坪量は、試験されるサンプルのg/m2の重量として定義される。これは、適切な天秤を使用して、調整されたサンプルの既知の面積を正確に秤量し、試験したサンプルの重量及び面積を記録し、適切な変換係数を適用し、最後にサンプルのg/m2の坪量を計算することによって決定される。
【0205】
坪量は、単一のウェブ、ウェブの積層体、又は他の適切な堆積された若しくは消費者販売可能ユニットからサンプルを切断し、±0.001gの分解能を有する上皿分析天秤を使用してサンプルを秤量することによって測定される。サンプルは、サンプルを切断する前に最低2時間、73°F±2°F(23℃±1℃)の温度及び50%(±2%)の相対湿度で平衡化しなければならない。秤量中、天秤は、ドラフトシールドを用いて、気流及び他の擾乱から保護される。1.625×1.625インチ(41.275×41.275mm)と測定された精密切断ダイを使用して、全てのサンプルを調製する。清潔で、穴、裂け目、しわ及び他の欠陥を含まない使用可能なサンプル領域を選択する。
【0206】
各サンプルについて、サンプルを切断するために上に記載のダイカッターを使用して、サンプルの質量を秤量し、質量結果を0.001g単位で記録する。
【0207】
以下のとおりに坪量をg/m2で計算する:
坪量=(サンプルの質量)/(サンプルの面積)。
【0208】
又は具体的には、
坪量(g/m2)=(サンプルの質量(g))/(0.001704m2)。
【0209】
結果を、0.1g/m2単位で報告する。サンプル寸法は、上述のように同様の精密カッターを使用して変更又は変化することができる。サンプル寸法が減少した場合、いくつかのサンプルを測定するべきであり、平均値はその坪量として報告されるべきである。
【0210】
粒径分布試験法:粒径分布試験を実施して、固体添加剤、例えば、粒子の特徴的なサイズを決定する。これは、分析に使用される篩サイズ及び篩時間のための更なる規格と共に、1989年5月26日に承認されたASTM D 502-89「Standard Test Method for Particle Size of Soaps and Other Detergents」を使用して実施される。第7節「Procedure using machine-sieving method」に従って、本明細書で言及される粒径の範囲を網羅するために、米国標準(ASTM E 11)篩#4(4.75mm)、#6(3.35mm)、#8(2.36mm)、#12(1.7mm)、#16(1.18mm)、#20(850マイクロメートル)、#30(600マイクロメートル)、#40(425マイクロメートル)、#50(300マイクロメートル)、#70(212マイクロメートル)、#100(150マイクロメートル)、#170(90マイクロメートル)、#325(44マイクロメートル)及びパンを含む清潔な乾燥した篩の入れ子を必要とする。規定された機械篩い法が、上記の入れ子状の篩と共に使用される。好適な篩振盪機は、W.S.Tyler Company(Ohio,U.S.A.)から入手することができる。篩振盪試験サンプルは約100グラムであり、5分間振盪される。
【0211】
データは、対数横座標にプロットされた各篩のマイクロメートルサイズ開口部を有する片対数プロット上にプロットされ、より細かい累積質量パーセント(CMPF)(cumulative mass percent finer)は、線形縦座標にプロットされる。上記データ表現の例は、ISO 92761:1998、「Representation of results of particle size analysis-Part 1:Graphical Representation」の
図A.4に記載されている。特徴的な粒径(Dx、x=10、50、90)は、この発明の目的において、累積質量パーセントがxパーセントと等しい点における横座標値として定義され、以下の式を使用してx値の直上(a)及び直下(b)のデータ点間の直線補間によって計算され、
Dx=10^[Log(Da)-(Log(Da)-Log(Db))×(Qa-x%)/(Qa-Qb)]
式中、Logは、10を底とする対数であり、Qa及びQbは、それぞれx百分位数の直上及び直下の測定データの累積質量百分位数の値であり、Da及びDbは、これらデータに対応するマイクロメートル篩サイズの値である。
【0212】
例のデータ及び計算:
【0213】
【0214】
D10(x=10)の場合、CMPFが10%の直上のマイクロメートルスクリーンサイズ(Da)は300マイクロメートルであり、直下のスクリーン(Db)は212マイクロメートルである。10%の直上の累積質量(Qa)は15.2%であり、直下(Qb)は6.8%である。D10=10^[Log(300)-(Log(300)-Log(212))×(15.2%-10%)/(15.2%-6.8%)]=242マイクロメートル。
【0215】
D90(x=90)の場合、CMPFが90%の直上のマイクロメートルスクリーンサイズ(Da)は1180マイクロメートルであり、直下のスクリーン(Db)は850マイクロメートルである。90%の直上の累積質量(Qa)は99.3%であり、直下(Qb)は89.0%である。D90=10^[Log(1180)-(Log(1180)-Log(850))×(99.3%-90%)/(99.3%-89.0%)]=878マイクロメートル。
【0216】
D50(x=50)の場合、CMPFが50%の直上のマイクロメートルスクリーンサイズ(Da)は600マイクロメートルであり、直下のスクリーン(Db)は425マイクロメートルである。50%の直上の累積質量(Qa)は60.3%であり、直下(Qb)は32.4%である。D50=10^[Log(600)-(Log(600)-Log(425))×(60.3%-50%)/(60.3%-32.4%)]=528マイクロメートル。
【0217】
CD及びMD坪量変動試験法
横断方向(CD)坪量変動は、所与の固定された機械方向(MD)位置で横断方向にウェブをサンプリングし、このMD位置で取られたサンプルの坪量を測定し、次いで、サンプルセットの相対標準偏差(RSD)%を計算することによって、この方法で測定される。この分析は、所与のウェブの横断方向全体をサンプリングするために、必要な場合に多くのサンプルに対して行われる。1つのサンプリング例として、ウェブが幅約53cmであり、坪量のサンプルダイカッターは、本明細書に記載の坪量法である場合に、4.1275cm幅であり、次いで、約12のサンプルをウェブにわたって取ってもよい。ウェブ縁部のサンプルは、完全なMD位置にわたって切断するときに、サンプリングダイを完全に充填しない場合があり、例えば、ダイカッターは、ウェブの縁部を越えて延在し、廃棄するべきである。CD幅全体がそれぞれのMD位置で合理的にサンプリングされる限り、所与のMD位置でのサンプリングはわずかに変化し得る。サンプリングを、約1m離れて離間した合計10の固定されたMD位置に対して完了する。CD坪量変動を各MD位置について記録し、各位置における値を使用して、MDサンプリング位置当たりのCD坪量変動RSD%を得る。サンプリングされた10列又はMD位置の平均を、全体CD坪量変動RSD%として報告する。
【0218】
機械方向(MD)坪量変動は、所与の固定横断方向(CD)位置で機械方向にウェブをサンプリングし、所与のCD位置で取られたサンプルの坪量を測定し、他のCD位置でこの測定を繰り返し、次いで、サンプルセット全体について全体MD坪量変動RSD%を計算することによって、この方法で測定される。
【0219】
全体CD坪量変動RSD%及び全体MD坪量変動RSD%を平均して、全体ウェブ坪量変動RSD%を得ることができる。
【0220】
固定された機械方向位置における横断方向の変動を測定する手順
サンプルに対するウェブの機械方向位置を選択する。
【0221】
本明細書に記載の坪量試験法に従って、全てのサンプルの坪量を測定する。
【0222】
必要なだけ多くのサンプルを切断して、所定のMD位置でウェブ幅全体をサンプリングする。
【0223】
一例として、ウェブが幅約53cmであり、サンプルダイカッターが幅4.1275cmである場合、約12のサンプルをウェブにわたって取ってもよい。CD幅全体がそれぞれのMD位置で合理的にサンプリングされる限り、所与のMD位置でのサンプリングはわずかに変化し得る。
【0224】
切断時にサンプリングダイを完全に充填しない完全ウェブの縁部のサンプルを廃棄する。
【0225】
所与のMD位置に沿って取られた各サンプルの坪量を計算する。
【0226】
この固定されたMD位置の平均サンプル坪量を計算する。
【0227】
固定されたMD位置におけるサンプルの標準偏差を計算する。
【0228】
標準偏差を平均サンプル坪量で除し、100を掛けて値%を得ることによって、このMD位置のサンプルのRSD(相対標準偏差)%を計算する。
【0229】
合計10列又は10のMD位置について上記を繰り返し、プロセスからウェブの約1メートル間隔でサンプリングする。
【0230】
全ての10行についてのRSDの平均を平均し、それを全体CD坪量変動RSD%として報告する。この値を0.1%単位で報告する。
【0231】
固定横断方向位置における機械方向の変動を測定するための手順
ウェブからその横断方向中心線位置でサンプリングする。
【0232】
本明細書に記載の坪量試験法に従って、全てのサンプルの坪量を測定する。
【0233】
プロセスからウェブのMD方向に約1m間隔でウェブの横断方向中心線位置に沿って10個のサンプルを切断する。
【0234】
各サンプルの坪量を計算する。
【0235】
CD中心線位置の平均サンプル坪量を計算する。
【0236】
同じサンプルセットの標準偏差を計算する。
【0237】
標準偏差を平均サンプル坪量で除し、100を掛けて値%を得ることによって、CD中心線位置のMD坪量変動RSD%を計算する。この値を0.1%単位で報告する。
【0238】
CD中心線の左半分上の中線に沿って、次いで、CD中心線の右半分上の中線に沿って、同じサンプリング及び測定を行うことによって、上記の横断方向中心線位置測定を繰り返す。
【0239】
上記分析から、3つの値が生成される。
CD中心線位置に対するRSD%
CD中心線の左半分上の中線のRSD%
CD中心線の右半分上の中線のRSD%
これら3つのCD位置についてのRSD%を平均し、それを全体MD坪量変動RSD%として報告する。この値を0.1%単位で報告する。
【0240】
含有効率試験法
含有効率は、固体添加剤、混合(コフォーム)操作中に繊維構造体中に捕捉及び保持された固体添加剤、例えば、粒子の、混合(コフォーム)操作に導入(供給)された固体添加剤、例えば、粒子の数に対するパーセンテージの測定値である。含有効率のパーセンテージが高いほど、より良好な固体添加物、例えば、粒子が示され、同調化は、混合(コフォーム)操作及び/又はコフォーム装置及び/又は混合(コフォーム)操作中に操作可能なプロセス条件によって実現される。
【0241】
一般に、含有効率は、以下のとおりである。
【0242】
【数4】
これは、以下のようにより良好に計算される。
【0243】
【0244】
手順
定常状態条件で混合(コフォーム)操作を実行して、粒子を含まないベース繊維構造体(フィラメントのみ)を作製する。
【0245】
本明細書に定義される坪量法で定義されるように、ベース繊維構造体の切断サンプルの坪量を測定する。
【0246】
ベース繊維構造体の横断方向の中心から、又はベース繊維構造体のCD中心線でサンプリングする。
【0247】
これをベース繊維構造体坪量(g/m2)として記録する。
【0248】
所望の乾燥質量供給速度で複合繊維構造体(フィラメント+粒子)を作製する。
【0249】
本明細書に定義される坪量法で定義されるように、複合繊維構造体の切断サンプルの坪量を測定する。
【0250】
複合繊維構造体の横断方向の中心から、又は複合繊維構造体のCD中心線でサンプリングする。
【0251】
これを複合繊維構造体坪量(g/m2)として記録する。
【0252】
総粒子供給速度及び総フィラメント形成組成物の供給速度は、プロセスパラメータである。総粒子供給速度を、1分間隔にわたって粒子供給流全体を回収することによって測定し、1g/分単位でg/分で報告する。総フィラメント形成組成物の供給速度を、インラインプロセス流量計を使用して測定し、1g/分単位でg/分で報告する。フィラメント形成組成物の固形分濃度は、乾燥後に残されたフィラメント形成組成物材料の質量の、出発フィラメント形成組成物の質量に対する比率である。これは、Mettler Toledo HC103又は同等の水分分析器を使用して測定することができる。フィラメント形成組成物の固形分濃度を、0.01単位の単位で、又は1%単位でのパーセンテージとして報告する。
【0253】
明確にするために、含有効率の計算の一例を以下に示す。
【0254】
ベース繊維構造体(フィラメントのみ-粒子なし)を、55%(0.55)固形分濃度でフィラメント形成組成物から作製する。ダイへのフィラメント形成組成物の供給速度は、1600g/分である。ベース繊維構造体の中心線を切断したサンプルは、264g/m2の坪量を呈する。次いで、組成物繊維構造体(フィラメント+固体添加剤、例えば、粒子)を、ベース繊維性構造体に関して上に記載のように作製するが、固体添加剤、例えば、粒子を、2350g/分の総粒子供給速度でフィラメントに添加する。複合繊維構造体から切断されたサンプルは、870g/m2の坪量を呈する。これらの値では、例示的な含有効率の計算は、以下のとおりである。
【0255】
【0256】
含有効率を1%単位で報告する。
【0257】
含水率試験法
繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体中に存在する含水(水分)率を、以下の含水率試験法を使用して測定する。事前に切断されたシートの形態である繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体、あるいはそれらの一部(「サンプル」)を、試験の前に少なくとも24時間、23℃±1.0℃の温度、及び50%±2%の相対湿度に調整された部屋に置く。各繊維構造体サンプルは、少なくとも4平方インチの面積を有するが、天秤の計量皿上に適切に適合するのに十分小さい寸法である。上述の温度及び湿度の条件下で、少なくとも小数第4位まで測定できる天秤を用いて、サンプルの重量を、10分の間に前の(測定した)重量からの変化が0.5%未満になるまで、5分ごとに記録する。最終重量を、「平衡重量」として記録する。10分以内に、サンプルを、乾燥させるために、強制空気乾燥器中のホイル上に、70℃±2℃、相対湿度4%±2%で、24時間置く。24時間の乾燥後、サンプルを取り除き、15秒以内にその重量を測定する。この重量は、サンプルの「乾燥重量」と呼ばれる。
【0258】
サンプルの含水(水分)率を以下のように計算する。
【0259】
【0260】
3つの複製物についてのサンプル中の含水(水分)%を平均して、サンプル中の含水(水分)%として報告する。結果は、小数点第1位(0.1%)まで報告する。
【0261】
直径試験法
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)又は光学顕微鏡、及び画像解析ソフトウェアを使用して、離散繊維要素又は繊維構造体内の繊維要素の直径を求める。繊維要素を測定のために適切に拡大するように、200~10,000倍の倍率を選択する。SEMを使用する場合には、電子ビーム中での繊維要素の帯電及び振動を避けるために、サンプルを金又はパラジウム化合物でスパッタリングする。SEM又は光学顕微鏡を用いて得られた画像(モニタースクリーン上)から繊維要素の直径を測定するにはマニュアルの手順を用いる。マウス及びカーソルツールを使用して、ランダムに選択された繊維要素の縁部を探し、その後、その幅(すなわち、その点における繊維要素の方向に対して垂直な)にわたって繊維要素の他方の縁部まで測定する。目盛り付きの較正された画像解析ツールにより、μm単位で実際の読取値を取得するための目盛りが提供される。繊維構造体内の繊維要素については、SEM又は光学顕微鏡を使用して、繊維構造体のサンプル全体からいくつかの繊維要素を無作為に選択する。繊維構造体の少なくとも2つの部分を切り取り、この方法で試験する。統計解析のために、このような測定を全部で少なくとも100回実施し、次いで、全てのデータを記録する。記録したデータを用いて、繊維要素の直径の平均値(平均)、繊維要素の直径の標準偏差、及び繊維要素の直径の中央値を計算する。
【0262】
別の有用な統計は、特定の上限よりも小さい繊維要素の集合の量の算出である。この統計値を決定するために、繊維要素の直径の結果のいくつが上限よりも小さいかをカウントするようにソフトウェアをプログラムし、そのカウント(データの合計数で除し、100%を掛ける)を、上限よりも小さいパーセント(例えば直径が1マイクロメートル未満のパーセント又はサブミクロン%)として、パーセントで記録する。本発明者らは、個々の円形繊維要素に関し測定された直径(μmで)をdiとして表す。
【0263】
繊維要素が非円形断面を有する場合、繊維要素の直径の測定値は、水力直径として求められ、水力直径と等しいものと設定される。水力直径とは繊維要素の断面積を4倍して、繊維要素の断面の周囲長さ(中空の繊維要素の場合は外周囲長さ)で除したものである。数-平均直径、あるいは平均直径は、以下のとおりに計算する:
【0264】
【0265】
重量平均分子量試験法
材料(例えば、ポリマー)の重量平均分子量(Mw)は、混床式カラムを使用してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求められる。以下の構成要素:Millenium(登録商標)、Model 600Eポンプ、システムコントローラ及びコントローラソフトウェアバージョン3.2、Model 717 Plusオートサンプラ、並びにCHM-009246カラムヒータ(全てWaters Corporation(Milford,MA,USA)製)を有する高性能液体クロマトグラフ(HPLC)を使用する。カラムは、長さ600mm及び内径7.5mmのPLゲル20μm混合Aカラム(ゲル分子量:1,000g/モル~40,000,000g/モル)であり、ガードカラムは、長さ50mm、ID 7.5mmのPLゲル20μmである。カラムの温度は55℃であり、注入量は200μLである。検出器は、Wyatt Technology(Santa Barbara,CA,USA)製のAstra(登録商標)ソフトウェア、バージョン4.73.04検出器ソフトウェア、K5セル及び690nmレーザーを有するレーザー光散乱検出器を備える、DAWN(登録商標)Enhanced Optical System(EOS)である。奇数が振られた検出器のゲインを、101に設定する。偶数が振られた検出器のゲインを、20.9に設定する。Wyatt TechnologyのOptilab(登録商標)示差屈折率計を、50℃に設定する。ゲインを10に設定する。移動相は、0.1% w/vのLiBrを含むHPLC等級のジメチルスルホキシドであり、移動相の流量は、1mL/分、定組成である。実行時間は、30分間である。
【0266】
名目上移動相1mL当たり材料3mgで材料を移動相に溶解させることによって、サンプルを調製する。サンプルに蓋をし、次いで、磁気攪拌器を使用して約5分間攪拌する。次いで、サンプルを85℃の対流式オーブン内に60分間入れる。次いで、サンプルを室温まで放冷する。次いで、サンプルを、5mLのシリンジを介して、5μmのナイロン膜(タイプ:Spartan-25、Schleicher&Schuell(Keene,NH,USA)製)で濾過して5ミリリットル(mL)のオートサンプラバイアルに入れる。
【0267】
各一連の測定サンプル(材料の3つ以上のサンプル)について、ブランクサンプルの溶媒をカラムに注入する。次いで、上記サンプルに関する方法と同様にチェックサンプルを調製する。チェックサンプルは、47,300g/モルの重量平均分子量を有する2mg/mLのプルラン(Polymer Laboratories)を含む。各サンプルセットを分析する前に、チェックサンプルを分析する。ブランクサンプル、チェックサンプル、及び材料試験サンプルの試験を、デュープリケートで行う。最後の測定には、ブランクサンプルを用いる。光散乱検出器及び示差屈折計は、「Dawn EOS Light Scattering Instrument Hardware Manual」及び「Optilab(登録商標)DSP Interferometric Refractometer Hardware Manual」(両方ともWyatt Technology Corp.(Santa Barbara,CA,USA)によって作成され、両方とも参照により本明細書に組み込まれる)に従って用いる。
【0268】
検出器のソフトウェアを使用して、サンプルの重量平均分子量を計算する。dn/dc(濃度による屈折率の微分変化)値0.066を使用する。レーザー光検出器及び屈折率検出器のベースラインを補正して、検出器の暗電流及び溶媒散乱の干渉を除去する。レーザー光検出器の信号が飽和した場合、又は過剰なノイズを呈する場合、その値を分子質量の計算には使用しない。分子量の特性決定のための領域は、レーザー光散乱及び屈折率用の90°の検出器の信号が、両方とも、それぞれのベースラインノイズレベルの3倍よりも大きくなるように選択する。典型的に、クロマトグラムの高分子量側は、屈折率信号によって制限され、低分子量側は、レーザー光信号によって制限される。
【0269】
重量平均分子量は、検出器のソフトウェアに定義されている「一次Zimmプロット」を使用して計算することができる。サンプルの重量平均分子量が1,000,000g/モルよりも大きい場合、一次及び二次Zimmプロットの両方を計算し、回帰当てはめの最もエラーの少ない結果を使用して分子質量を計算する。報告する重量平均分子量は、材料試験サンプルの2回の実行の平均である。
【0270】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0271】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0272】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。