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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B65D85/10
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023159161
(22)【出願日】2023-09-22
(62)【分割の表示】P 2022509007の分割
【原出願日】2020-07-30
(65)【公開番号】P2023169354
(43)【公開日】2023-11-29
【審査請求日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】1911723.3
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ホッジズ、ポール
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/145076(WO,A1)
【文献】特表2012-510934(JP,A)
【文献】国際公開第2014/103006(WO,A1)
【文献】特表2018-524241(JP,A)
【文献】特開2019-069825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器およびヒンジ線を中心に容器にヒンジ式に接続された蓋と、
容器から延び、蓋を閉じた際に蓋に収容される部分を有する側壁を含む内方フレームと、を含み、
容器から延びた側壁の前記部分は、摩擦係数が異なる少なくとも2つの領域を含
蓋は、蓋を閉じた際に内方フレームの対応する側壁と重なる側部パネルを有し、少なくとも2つの領域は、少なくとも第1の領域と、第2の領域とを含み、第1の領域は第2の領域より小さい摩擦係数を有し、側壁のこれらの領域は、閉じた位置に蓋を回転させた際に蓋の側部パネルが、その対応する側壁の第2の領域に対してスライドする前にその対応する側壁の第1の領域に対してスライドするように配置されている、1つ以上の送出システム用パッケージ。
【請求項2】
内方フレームは上縁部を含み、第1の領域は内方フレームの上縁部に対して近位に位置し、第2の領域は内方フレームの上縁部に対して遠位に位置していることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項3】
第1の領域は、内方フレームの側壁の上部に位置し、第2の領域は、内方フレームの側壁の下部に位置していることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項4】
第1および第2の領域とは摩擦係数が異なる内方フレーム上の第3の領域を少なくともさらに含み、第3の領域は、第1および第2の領域の間に位置していることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項5】
内方フレームの側壁は、前壁縁部と後縁部とを含み、前記領域の少なくとも1つは、側壁の前壁縁部から後縁部へと延びていることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項6】
前記領域の少なくとも1つは、容器から側壁の前壁縁部と後縁部の間を延びている側壁の部分の幅を完全に横断して延びていることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項7】
前記領域の少なくとも1つは、個別であり、その領域の範囲を定めている周縁部を含み、これら領域の少なくとも1つの周縁部は、容器の底壁に平行に延びていることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項8】
側壁のこれら領域のそれぞれの周縁部は、容器の底壁に平行に延びていることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項9】
側壁の領域のそれぞれの上および下周縁部は、容器の底壁に平行に延びていることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項10】
内方フレームのこれら領域の範囲を定めている各領域の上下周縁部の少なくとも1つは、ヒンジ線に沿って延びた軸を起点とするポイントから半径方向に延びていることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項11】
内方フレームの側壁は、前壁縁部と後縁部とを含み、第1の領域は、側壁の後縁部に対して近位に位置し、第2の領域は、側壁の前壁縁部に対して近位に位置していることを特徴とする請求項または記載のパッケージ。
【請求項12】
第1の領域は、内方フレームの側壁の後部に位置し、第2の領域は、内方フレームの側壁の前部に位置していることを特徴とする請求項11記載のパッケージ。
【請求項13】
第1および第2の領域とは摩擦係数が異なる内方フレーム上の第3の領域を少なくともさらに含み、第3の領域は、第1および第2の領域の間に位置していることを特徴とする請求項12記載のパッケージ。
【請求項14】
容器は上縁部を含み、内方フレームは上縁部を含み、前記領域の少なくとも1つは、容器の上縁部から内方フレームの上縁部の方へと延びていることを特徴とする請求項1、2または11乃至13いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項15】
前記領域のうちの少なくとも1つは、容器から容器の上縁部と内方フレームの上縁部の間を延びている側壁の部分の長さ全体に沿って延びていることを特徴とする請求項14記載のパッケージ。
【請求項16】
前記領域のうちの少なくとも1つは、個別であり、その領域の範囲を定めている周縁部を含み、前記領域のうちの少なくとも1つの周縁部は、容器の前壁に平行に延びていることを特徴とする請求項請求項1、2または11乃至15いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項17】
前記領域それぞれの周縁部は、容器の前壁に平行に延びていることを特徴とする請求項16記載のパッケージ。
【請求項18】
前記領域のそれぞれの上下周縁部は、容器の前壁に平行に延びていることを特徴とする請求項17記載のパッケージ。
【請求項19】
摩擦係数は前記少なくとも2つの領域の間で徐々に変化することを特徴とする請求項1乃至または11乃至15いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項20】
前記領域の少なくとも1つは、内方フレームの側壁のコーティングによって形成されていることを特徴とする請求項1乃至19いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項21】
第2の領域は、内方フレームの側壁の摩擦係数より大きい摩擦係数のコーティングによって形成されていることを特徴とする請求項20記載のパッケージ。
【請求項22】
第1の領域は、内方フレームの側壁の摩擦係数より小さい摩擦係数のコーティングによって形成されていることを特徴とする請求項20または21記載のパッケージ。
【請求項23】
前記蓋は摩擦係数が異なる少なくとも2つの領域を含み、蓋が閉じた位置にあるとき、蓋の第1の領域は、内方フレームの第1の領域と重なり、蓋の第2の領域は、内方フレームの第2の領域と重なることを特徴とする請求項1乃至22いずれか1項記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は1つ以上の送出システム用パッケージに関する。特に本発明は、喫煙品などの送出システム用ヒンジ式蓋付きパッケージに関するがこれに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
ヒンジ式蓋付きパケットは、当業者によく知られており、紙巻きタバコが潰れないように紙巻きタバコを保持するためのものとしてタバコ業界で広く使用されている。通常ヒンジ式蓋付きパッケージは、板紙からなるブランクから作製される。
【0003】
しかしながら、従来のヒンジ式蓋付きパッケージは、適切に閉じない傾向があり、パッケージの内容物が水分および/またはゴミなどの混入物質によって汚されてしまう場合がある。パッケージを完全に閉じることを意図して係止タブを使用するという1つの選択肢がある。しかしながら、係止タブそれ自体が損傷することがあり、その機能を果たすことができず、またパッケージの製造を複雑にする。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施態様では容器と、ヒンジ線を中心に容器にヒンジ式に接続された蓋と、容器から延び、蓋を閉じた際に蓋内に収容される部分を有する側壁を含む内方フレームとを含み、容器から延びた側壁の前記部分は、摩擦係数が異なる少なくとも2つの領域を含む、1つ以上の送出システム用パッケージが提供される。
【0005】
ある実施態様では蓋は、蓋を閉じた際に内方フレームの対応する側壁と重なる側部パネルを有してもよく、少なくとも2つの領域は、少なくとも第1の領域と、第2の領域とを含み、第1の領域は、第2の領域より摩擦係数が小さく、側壁のこれらの領域は、閉じた位置に蓋を回転させた際に蓋の側部パネルが、その対応する側壁の第2の領域に対してスライドする前にその対応する側壁の第1の領域に対してスライドするように配置されている。
【0006】
内方フレームは、上縁部を含んでもよく、第1の領域は、内方フレームのこの上縁部に対して近位に位置し、第2の領域は、内方フレームのこの上縁部に対して遠位に位置する。
【0007】
好ましくは第1の領域は、内方フレームの側壁の上部に位置してもよく、第2の領域は内方フレームの側壁の下部に位置してもよい。
【0008】
一部の実施態様では本発明のパッケージは、第1および第2の領域と摩擦係数が異なる少なくとも第3の領域を内方フレーム上にさらに含んでもよく、この第3の領域は、第1および第2の領域の間に位置し、これら領域の少なくとも1つは側壁の前壁縁部から後縁部へと延びている。
【0009】
これら領域の少なくとも1つは、容器から側壁の前壁縁部と後縁部の間を延びている側壁の部分の幅を完全に横断して延びてもよい。
【0010】
本発明の実施態様ではこれら領域の少なくとも1つは、個別であり、その領域の範囲を定めている周縁部を含み、これら領域の少なくとも1つの周縁部は、容器の底壁に平行に延びている。
【0011】
一部の実施態様では側壁のこれら領域のそれぞれの周縁部は、容器の底壁に平行に延びている。好ましくは側壁の領域のそれぞれの上下周縁部は、容器の底壁に平行に延びている。
【0012】
一部の実施態様では内方フレームのこれら領域の範囲を定めている各領域の上下周縁部の少なくとも1つは、ヒンジ線に沿って延びた軸を起点とするポイントから半径方向に延びている。
【0013】
内方フレームの側壁は、前壁縁部と後縁部とを含んでもよく、第1の領域は、側壁の後縁部に対して近位に位置し、第2の領域は、側壁の前壁縁部に対して近位に位置してもよい。
【0014】
一部の実施態様では第1の領域は、内方フレームの側壁の後部に位置し、第2の領域は、内方フレームの側壁の前部に位置してもよい。
【0015】
本発明のパッケージは、第1および第2の領域とは摩擦係数が異なる少なくとも第3の領域を内方フレーム上に含み、第3の領域は第1および第2の領域の間に位置する。
【0016】
一部の実施態様では容器は、上縁部を含み、内方フレームは、上縁部を含み、領域の少なくとも1つは容器の上縁部から内方フレームの上縁部へと延びている。
【0017】
好ましくは前記領域の少なくとも1つは、容器から容器の上縁部と内方フレームの上縁部の間を延びた側壁の部分の長さ全体に沿って延びている。
【0018】
前記領域の少なくとも1つは、個別であってもよく、その領域の範囲を定めている周縁部を含み、前記領域の少なくとも1つの周縁部は、容器の前壁に平行に延びてもよい。
【0019】
一部の実施態様では前記領域のそれぞれの上下周縁部は、容器の前壁に平行に延びている。
【0020】
一部の実施態様では摩擦係数は、前記少なくとも2つの領域の間で徐々に変化する
【0021】
前記領域の少なくとも1つは、内方フレームの側壁のコーティングによって形成されてもよい。一部の実施態様では第2の領域は、内方フレームの側壁の摩擦係数より大きい摩擦係数を有するコーティングによって形成されている。一部の実施態様では第1の領域は、内方フレームの側壁の摩擦係数より小さい摩擦係数のコーティングによって形成されている
【0022】
蓋は、摩擦係数が異なる少なくとも2つの領域を含んでもよく、蓋がその閉じた位置にあるときに蓋の第1の領域は、内方フレームの第1の領域と重なってもよく、蓋の第2の領域は、内方フレームの第2の領域と重なってもよい。
【0023】
本発明がさらに充分に理解されるように本発明の実施態様を添付図面を参照してあくまで例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明のパッケージの斜視図である。
図2図1に示したパッケージの内方フレームを形成するためのブランクを示している。
図3】本発明の実施態様の側面図である。
図4】本発明の別の実施態様の側面図である。
図5】本発明のさらなる実施態様の側面図である。
図6】本発明のさらなる実施態様の側面図である。
図7】本発明のさらなる実施態様の側面図である。および
図8】本発明のさらなる実施態様の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書中では「送出システム」なる用語はユーザーに物質を送出するシステムを包含することを意図し、
紙巻きタバコ、シガリロ、シガーおよびパイプまたは手巻きまたは自作紙巻きタバコ用タバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係無く)などの燃焼性エアロゾル供給システム、
電子タバコ、タバコ加熱製品、エアロゾル化可能な材料の組み合わせを使用してエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムなどのエアロゾル化可能な材料を燃焼させずにエアロゾル化可能な材料から化合物を放出する非燃焼系エアロゾル供給システム、
エアロゾル化可能な材料を含み、これらの非燃焼系エアロゾル供給システムの1つの内部で使用されるように構成された物品および
トローチ、ガム、パッチ、パッチ吸入可能な粉を含む物品などのエアロゾルを含まない供給システムおよびエアロゾルを形成せずにユーザーにニコチンを含むまたは含まない材料を供給するスヌースおよび嗅ぎタバコなどの無煙タバコ製品を含む。
【0026】
本開示では「可燃性」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの送出を容易にするために、エアロゾル供給システム(またはその構成要素)の構成エアロゾル化可能な材料を燃焼するシステムである。
【0027】
本開示では「非燃焼系」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの送出を容易にするために、エアロゾル供給システム(またはその構成要素)の構成エアロゾル化可能な材料を燃焼するまたは燃焼しないシステムである。
【0028】
図1を参照すると、本発明によるパッケージ1が示されている。パッケージ1は、容器2と、蓋3とを含む。容器2は、喫煙品などの送出システム(束4aに包まれた)を収容可能な送出システム収容スペース4を形成している。蓋3は、図3により明確に示すようにヒンジ線5に沿って容器2に接続されており、パッケージ1を開いたり、閉じたりすることができる。当然のことながら送出システム収容スペース4内の送出システムは、図3に示すように蓋3が開いた位置にあるとき、触れることができ、送出システムは、蓋3が閉じた位置にあるとき送出システム収容スペース4内に保持される。
【0029】
容器2は、容器前壁6と、容器後壁7とを含む。容器前壁および後壁6、7は、互いに平行であるが、間隔を空けて配置されている。容器2は、互いに平行であるが互いに間隔が空けられて配置された2つの対向する容器側壁8a、8bをさらに含む。2つの容器側壁8a、8bは、容器前壁および後壁6、7の間を延びている。容器2は容器2の閉鎖された端部を形成する底壁9をさらに含む。底壁9は、容器前壁、後壁および側壁6、7、8a、8bの下方部から延びている。容器2の上端部10は、底壁9の反対に位置し、容器2の開口端部を形成している。容器2の上端部10は、蓋3がその閉じた位置にあるとき蓋3によって覆われている。本実施態様では蓋3が容器2に対してヒンジ式に動く際の中心となるヒンジ線5が容器後壁7の上端部に沿って形成されている。
【0030】
蓋3は、図3に示すように蓋前壁12と、蓋後壁13とを含む。蓋前壁および後壁12、13は、互いに平行であるが、間隔を空けて配置されている。蓋3は、互いに平行であるが、間隔を空けて配置されている2つの対向する蓋側壁14a、14bをさらに含む。これら2つの蓋側壁14a、14bは、蓋前壁および後壁12、13の間を延びている。蓋3は、蓋2の閉じた端部を形成する上壁15をさらに含む。上壁15は、蓋前壁、後壁および側壁12、13、14a、14bの上方部から延びている。蓋3の下方端部16は、上壁15の反対に位置し、蓋3の開口端部を形成している。
【0031】
蓋3を閉じると、容器前壁6の上縁部18は、蓋前壁12の下縁部19と当接し、容器側壁8a、8bの上縁部20a、20bは、蓋側壁14a、14bの下縁部21a、21bと当接する。蓋3の下縁部22は、蓋前壁12の下縁部19および蓋側壁14a、14bの下縁部21a、21bによって形成されている。ヒンジ線5は、容器後壁7と蓋後壁13が合わさる所に形成されている。
【0032】
上述のパッケージ1の容器2は、外方フレーム23を形成している。外方フレーム23は、蓋3がその閉じた位置にあるときに見えるパッケージ1の容器2の壁を含む。パッケージ1は、内方フレーム24をさらに含む。内方フレーム24も容器2の一部を形成する。即ち、容器2は、上述の外方フレーム23と、以下に詳しく説明する内方フレーム24とを含む。容器前壁6の上縁部18および容器側壁8a、8bの上縁部20は、容器2の外方フレーム23の上縁部25を形成する。
【0033】
内方フレーム24は、容器前壁6の内面近くまたは内面に接して収容スペース4の内側に設置されるように構成されている。図に示すように内方フレーム24は、一部が容器2の外方フレーム23の開口上端部10から延びている。内方フレーム24は、送出システム収容スペース4に収容された送出システムを保護するために外方フレーム23の一部に強度を加えるように構成されている。
【0034】
容器2の内方フレーム24は、内方前壁26を含む。内方前壁26は、容器前壁6の上縁部18から容器前壁6が延びている面に平行な面に延びている。容器2の内方フレーム24は、2つの内方側壁27a、27bをさらに含む。内方側壁27a、27bは、容器側壁8a、8bの上縁部20a、20bからそして容器側壁8a、8bが延びている面に平行な面に延びている。即ち、内方前壁26は、容器前壁6に平行に延びており、内方側壁27a、27bは、容器側壁8a、8bに平行に延びている。
【0035】
蓋3が閉じた位置にあるとき、蓋前壁12は、容器2の内方前壁26に実質的に隣接して位置し、これと重なり、これら2つの蓋側壁14a、14bは、容器2の対応する内方側壁27a、27bに隣接して位置し、これと重なる。したがって、蓋3は、蓋3が閉じた位置にあるとき、内方フレーム24上にぴったりと嵌まる。
【0036】
内方フレーム24の内方前壁26は、容器2の外方フレーム23の容器前壁6の上縁部18から間隔が空けられている上縁部28を含む。同様に内方フレーム24の内方側壁27a、27bは、容器2の外方フレーム23の容器側壁8a、8bの上縁部20から間隔が空けられている上縁部29a、29bを含む。
【0037】
図1に示した本実施態様では内方フレーム24の内方前壁26の上縁部28は、容器2の外方フレーム23の容器前壁6の上縁部に平行に延びている。さらに内方フレーム24の内方側壁27a、27bの上縁部29a、29bは、内方前壁26の上縁部28から容器2の外方フレーム23の後壁7の方へと容器2の底壁9に平行に延びている。
【0038】
本実施態様では内方フレーム24の上縁部28、29a、29bは、容器2の外方フレーム23の底壁9から同じ垂直距離で離れて位置している。さらに上縁部28、29a、29bは、蓋3を容器2に接続するヒンジ線5の上に全て位置している。しかしながら、別の実施態様では内方フレーム24の上縁部は、異なる構造を有してもよい。例えば、内方側壁27a、27bの上縁部29a、29bは、内方側壁27a、27bの上縁部29a、29bの少なくとも一部が内方前壁26の上縁部26の上になるように容器2の外方フレーム23の容器側壁8a、8bの上縁部20a、20bに平行延びてもよい。1つの実施態様では上縁部のそれぞれは、パッケージ1のヒンジ線5より完全に下にあってもよく、および/またはこれらの縁部は湾曲等させてもよい。
【0039】
1つの実施態様では内方フレーム24の前壁26の上縁部28が内方フレーム24の側壁27a、27bの上縁部29a、29bの少なくとも一部より下になるように切り欠き(図示せず)を内方フレーム24の内方前壁26に形成してもよい。
【0040】
内方フレーム24の内方前壁26は、凹部32も含む。凹部32は、容器2の内方フレーム24の内方前壁26を延びている。凹部32は、内方前壁26の上縁部28から延びている。凹部32は、下縁部34および内方前壁26の上縁部26と凹部32の下縁部34の間を延びている側縁部35a、35bを有する。本実施態様では凹部32の下縁部34は、内方フレーム24の内方前壁26の上縁部28に平行に延びているが、これから離れており、凹部32の側縁部35は、下縁部34を横手方向に延びている。縁部34、35a、35bは、送出システム収容スペース4への内方フレーム24の開口部36を画定する。送出システムは、ユーザーによって内方フレーム24の縁部34、35a、35bによって画定された開口部36を介して挿入され、除去される。
【0041】
凹部32の下縁部34は、容器2の外方フレーム23の容器前壁6の上縁部18から間隔が空けられている。凹部32の下縁部34は、蓋3がその閉じた位置にあるとき蓋3の前壁12が容器2の内方前壁26とその全幅に沿って重なるように容器前壁6の上縁部18から間隔が空けられている。これによりパッケージ1の外側から送出システム収容スペース4内に混入物質が入る際に通過する隙間を小さくする。
【0042】
当然のことながら別の実施態様では凹部32の形、大きさおよび容器2の内方フレーム24内での位置は変わってもよい。例えば凹部32は、矩形以外の形状であってもよく、内方フレーム24の異なる壁または2つ以上の壁に延びてもよい。
【0043】
容器2の内方フレーム24は、容器2の外方フレーム23とはパッケージ1の別個の部品であってもよい。内方フレーム24は、容器2の外方フレーム23内の所定の位置に例えば糊によって保持されるが、これに限定されない。これとは別に外方および内方フレーム23、24は、一体に形成してもよい。
【0044】
内方フレーム24は、1つの側壁または2つの対向する側壁を含んでもよい。内方フレーム24の側壁27a、27bは、容器2から延び、蓋3を閉じた際に蓋3に収容される部分を含む。内方フレーム24の側壁27a、27bの少なくとも一方は、図1または図2に示されていない少なくとも2つの領域を含む。それら領域の例を図3~8に示し、以下により詳しく説明する。その少なくとも2つの領域は、摩擦係数が異なる。その少なくとも2つの領域は、第1の領域と、第2の領域とを含む。第1の領域は、第2の領域より摩擦係数が小さい。
【0045】
本出願において摩擦係数なる用語は各領域と特定の表面との摩擦力の値を意味すると理解されてもよい。好ましい実施態様では摩擦係数は、各領域と第2の領域の表面の間で与えられる。摩擦係数は、静的摩擦または動的摩擦として与えられる。
【0046】
ここで図3を参照すると本発明による内方フレーム40を有するパッケージ1の側面が示されている。図3に示す内方フレーム40は、図1および2に関連して上述した内方フレーム24とほぼ同じであり、ここでは詳細な説明は省略する。さらに上述の内方フレーム24の特徴および部材と同じ内方フレーム40の特徴および部材は同じ用語および参照番号のままである。
【0047】
図3は、容器2から延びた部分40aを有する内方フレーム40を示している。より具体的には図3は、容器2から延びた内方フレームの側壁27aとヒンジ線5を中心に開いた位置から閉じた位置へと回転させている位置にあるパッケージ1の蓋3を示している。
【0048】
パッケージ1の蓋3は、パッケージ1の収容スペース4から取り除かれる喫煙品(図示せず)のために蓋3の下縁部22が容器2の外方フレーム23の上縁部25から充分に離れて回転させた際の開いた位置にあると考慮される。パッケージ1は、容器2の外方フレーム23の上縁部25と接触するまたはこれの近位にあるとき閉じた位置にあると考慮される。蓋3が閉じた位置にあるとき、喫煙品を収容スペース4から取り出すことはできない。
【0049】
内方フレーム40の側壁27aは、摩擦係数が異なる少なくとも2つの領域を含む。その少なくとも2つの領域は、第1の領域41および第2の領域42を含む。第1の領域41は、第2の領域より摩擦係数が小さい。本実施態様ではこれら少なくとも2つの領域は、個別の領域である。
【0050】
しかしながら、当然のことながら別の実施態様ではその少なくとも2つの領域は、個別に画定されていなくてもよく、代わりに第1の摩擦係数を有する第1の領域が第2の摩擦係数を有する第2の領域に徐々に変化してもよい。即ち、摩擦係数は、第1の領域から第2の領域へ徐々に変化してもよい。この変化は漸次であってもよく、あるいは第1の領域と摩擦係数が大きい第2の領域との間の多くの小さい領域によって形成されたものであってもよい。
【0051】
摩擦係数が異なるその少なくとも2つの領域41、42は、蓋3が開いた位置から閉じた位置の方へと移動する際に蓋3が側壁27aの第2の領域42と接触する前に側壁27aの第1の領域41と接触するように内方フレーム24の側壁27aに配置されている。
【0052】
例えば、図3に示すように蓋3は開いた位置から閉じた位置の方へと回転させられ、そうすることで蓋3は内方フレーム40の側壁27aを既に部分的に覆っていることが分かる。またそうすることで蓋3は内方フレーム40の側壁27aの第1の領域41と接触するが、内方フレーム40の側壁27aの第2の領域42とはまだ接触していない。しかしながら、ヒンジ線5を中心に閉じた位置の方に蓋3をさらに移動させると、明らかに蓋3は、側壁27aの第2の領域42と接触する。
【0053】
本実施態様では第1の領域41は、内方フレーム40の上縁部30に対して近位に位置し、第2の領域42は、内方フレーム40の上縁部30に対して遠位に位置する。即ち、第1の領域41は、第2の領域42より内方フレーム40の上縁部30の近くに位置する。
【0054】
より具体的に本実施態様では第1の領域41は、容器2から延びた内方フレーム40の側壁27aの上部43に位置し、第2の領域42は、容器2から延びた内方フレーム40の側壁27aの下部44に位置する。即ち、第1の領域41は、第2の領域42より上部に位置する。
【0055】
図3に例示するように内方フレーム40の側壁27aは、前壁縁部46を含む。前壁縁部46は、側壁27aを内方フレーム40の前壁26に接続する側壁27aの縁部である。前壁縁部46は、容器2の前壁6に対して近位に位置する。側壁27aは、後縁部47をさらに含む。後縁部47は、内方フレーム40の前壁26に対して遠位にある側壁27aの縁部であり、本実施態様では前壁縁部46の反対に位置する。後縁部47は、容器2の後壁7に対して近位に位置する。
【0056】
図3に示す実施態様では領域41、42のうちの少なくとも一方が側壁27aの前壁縁部46から内方フレーム40の側壁27aの後縁部47へと延びていることが分かる。実際にはこの実施態様では第1の領域41と第2の領域42の両方が前壁縁部46から後縁部47の方に延びている。別の実施態様では第1および第2の領域41、42のうちの一方だけが側壁27aの前壁縁部46から内方フレーム40の側壁27aの後縁部47へと延びている場合もあり得る。
【0057】
当然のことながら領域41、42のうちの少なくとも一方が容器2から内方フレーム40の前壁縁部46と後縁部47の間を延びている側壁27aの部分を完全に横断して延びてもよい。本実施態様では第1の領域41と第2の領域42の両方が前壁縁部46から後縁部47へと側壁27aを完全に横断して延びている。別の実施態様では第1および第2の領域41、42のうちの一方だけが側壁27aの前壁縁部46から内方フレーム40の側壁27aの後縁部47へと容器2から延びている側壁27aの部分を完全に横断して延びてもよい。当然のことながらこれとは別の実施態様では領域41、42は、内方フレーム40の側壁27aの幅の一部のみを横断して延びてもよい。
【0058】
領域が個別である実施態様では領域41、42のそれぞれは、領域41、42の範囲を定めている周縁部48、49を含む。当然のことながら領域が個別でなく、代わりに緩やかな変化がある実施態様では領域間の周縁部を画定するのは困難かもしれない。しかしながら、一部の実施態様ではこれらの領域は、様々な摩擦係数内にあるとして定義されてもよい。他の実施態様では徐々に変化する摩擦係数を無限小の領域によって設けてもよい。
【0059】
第1の領域41は、上周縁部48aおよびこれに対向する底周縁部48b並びに前周縁部48cおよびこれに対向する後周縁部48dによって画定されている。また第1の領域41の周縁部48は、内方フレーム40の側壁27aと重なる容器2の側壁8aの所で傾斜した周縁部48eを含む。一部の実施態様では第1の領域41は、第1の領域が傾斜した周縁部48eを持たないように容器2の側壁8aと重なり合う内方フレーム40の部分を横断して延びてもよい。
【0060】
第2の領域42は、上周縁部49aとこれに対向する底周縁部49b並びに前周縁部49cを含む周縁部49によって画定されている。第2の領域42および内方フレーム40の第2の領域42と重なる容器2の側壁8aの位置により第2の領域42は、傾斜した後周縁部49eを含む。一部の実施態様では第2の領域が傾斜した後周縁部49を有さず、第1の領域41の後周縁部48dに類似する垂直に延びた後周縁部を有するように第1の領域42は、容器2の側壁8aと重なる内方フレーム40の部分を横断して延びてもよい。
【0061】
第1の領域41の上周縁部48aは、内方フレーム40の側壁27aの上縁部29aと一致してもよい。前周縁部48c、49cは、内方フレーム40の側壁27aの前壁縁部46と一致してもよい。第1および第2の領域41、42の後周縁部48dは、内方フレーム40の側壁27aの後縁部47と一致してもよい。
【0062】
当然のことながら別の実施態様では領域41、42は、あらゆる形状を有してもよく、周縁部48、49は、領域41、42の要求される形、大きさおよび位置を実現するように構成してもよい。
【0063】
本実施態様では各領域41、42の周縁部48、49のうちの少なくとも一方は、容器2の底壁9に平行に延びている。即ち、第1および第2の領域41、42の周縁部48、49の少なくとも一方は、水平に延びている。図3に示すように第1の領域41の上周縁部および底周縁部48a、48bおよび第2の領域42の上周縁部および底周縁部49a、49bは、水平にそして容器2の底壁9および互いに平行に延びている。第1の領域の底周縁部48bおよび第2の領域42の上周縁部49aは、それらの長さに沿って当接する。したがって、第1および第2の領域41、42は、水平にそして内方フレーム40の側壁27aを平行に横断して延びている。
【0064】
内方フレーム40の側壁27aの領域41、42の少なくとも一方は、内方フレーム40の側壁27aのコーティングであってもよい。コーティングは、例えば構造化インクまたは構造化ワニスあるいはソフトタッチワニスまたはソフトタッチインクであってもよいが、これらに限定されるものではない。使用可能な構造化ワニスまたはインクとしては10-602335-1 WB TOB PVなどの触覚インクまたは10-604644-4 WB TOB OPVなどのソフトタッ
チインクなどが挙げられる。摩擦係数が異なる領域41、42を得るために異なるコーティングを各領域41、42に使用してもよい。
【0065】
本実施態様では第2の領域42は、内方フレーム40の側壁27aの摩擦係数より大きい摩擦係数のコーティングを有する。したがって、内方フレーム40の側壁27aの第2の領域42と蓋3の内面との摩擦は、蓋3が閉じた位置にあるとき、大きくなる。内方フレーム40の第2の領域42と蓋3間の摩擦の増加により蓋3を閉じた位置に留めやすくなり、これによりパッケージ1は、より安全に閉じられ、意図せずに蓋が開くようなことがなくなり、混入物質がパッケージ1の収容スペース4内に入り込まないようにするのに役立つ。
【0066】
本実施態様では第1の領域41は、内方フレーム40の側壁27aの摩擦係数より小さい摩擦係数のコーティングを有する。したがって、内方フレーム40の側壁27aの第1の領域41と蓋3の内面との摩擦は、蓋3を最初に開いた位置から閉じた位置の方へ移動させる際に小さくなる。したがって、消費者は、最初に蓋3を開いた位置から閉じた位置の方へと移動させる際に大きな力を蓋3に加える必要がない。
【0067】
したがって、蓋3をその閉じた位置に移動させる際、消費者は、ヒンジ線5を中心に蓋3を回転させ際に蓋3が内方フレーム40の第2の領域42と接触するときに蓋3を閉じるために必要とされる力が大きくなることを感じる。摩擦の増加を凌ぐために必要とされる力が大きくなることによって消費者は、蓋3が殆ど閉じた位置にあることを認識する。
【0068】
しかしながら、別の実施態様では第1の領域41は、コーティングされていなくてもよく、代わりに第1の領域41が内方フレーム40と同じ摩擦係数になるように内方フレーム40の側壁27aを形成する材料で形成してもよい。
【0069】
当然のことながら上述のような内方フレーム40の側壁27a上の第1および第2の領域41、42の種々の構成を内方フレーム40の側壁27a、27bの両方または内方フレーム40の側壁27a、27bの一方だけにあってもよい。
【0070】
1つの実施態様では蓋3の側壁14aの内面は、第1の領域41および第2の領域42を含む摩擦係数が異なる少なくとも2つの領域を含んでもよい。蓋3がその閉じた位置にあるとき、蓋3の第1の領域は、内方フレーム40の第1の領域41と重なり、蓋3の第2の領域は、内方フレーム40の第2の領域42と重なってもよい。
【0071】
ここで図4を参照すると本発明による内方フレーム50を有するパッケージ1の側面が示されている。図4に示した内方フレーム50は、図3に関連して上述した内方フレーム40とほぼ同じであり、したがって、詳細な説明はここでは省略する。さらに上述の内方フレーム40の特徴および部材と同じ内方フレーム50の特徴および部材は同じ用語および参照番号のままである。
【0072】
図3に示した内方フレーム40と図4に示した内方フレームの違いは、図4に示した内方フレーム50がさらに第3の領域51を含むということである。第3の領域51は、第1の領域41および第2の領域42とは摩擦係数が異なる。第3の領域51は、内方フレーム40の側壁27a上で第1および第2の領域41、42の間に位置する。即ち、第3の領域51は、側壁27aの中央部分52に位置し、第1の領域41は、第3の領域51の上の上部43に位置し、第2の領域42は、第3の領域51の下の下部44に位置する。
【0073】
第3の領域51は、内方フレーム50の側壁27aの前壁縁部46から側壁27aの後縁部47の方に延びている。本実施態様では第3の領域51は、容器2から内方フレーム50の前壁縁部46と後縁部47の間を延びている側壁27aの部分を完全に横断して延びている。しかしながら、当然のことながらこれとは別の実施態様では第3の領域51は、内方フレーム50の側壁27aの幅の一部のみを横断して延びてもよい。
【0074】
図4に示す実施態様ではこれらの領域は、個別の領域として示されている。第3の領域51は、第3の領域51の範囲を定めている周縁部54を含む。第3の領域51は、上周縁部54aおよび対向する底周縁部54b並びに前周縁部54cおよび対向する後周縁部54dを含む周縁部54によって画定されている。また第3の領域51の周縁部54は、容器2の側壁8aが内方フレーム50の側壁27aと重なる所に傾斜した周縁部54eを含む。一部の実施態様では第3の領域51は、第3の領域51が傾斜した周縁部54eを持たないように容器2の側壁8aと重なり合う内方フレーム50を横断して延びてもよい。
【0075】
第3の領域51の上周縁部54aは、第1の領域41の底周縁部48bと一致してもよい。第3の領域51の底周縁部54bは、第2の領域42の上周縁部49aと一致してもよい。前周縁部54cは、内方フレーム50の側壁27aの前壁縁部46と一致してもよい。第3の領域51の後周縁部54dは、内方フレーム50の側壁27aの後縁部47と一致してもよい。
【0076】
各領域の周縁部のうちの少なくとも1つは、容器2の底壁9に平行に延びている。即ち、第1、第2および第3の領域41、42、51の周縁部48、49、54のうちの少なくとも1つは、水平に延びている。本実施態様では第1の領域41の上および底周縁部48a、48b、第2の領域42の上および底周縁部49a、49bおよび第3の領域51の上および底周縁部54a、54bは、水平にそして容器2の底壁9および互いに平行に延びている。したがって、第1、第2および第3の領域41、42、51は、水平にそして内方フレーム50の側壁27aの幅を横断して平行に延びている。
【0077】
第3の領域51は、内方フレーム50の側壁27aを形成している材料の摩擦係数より大きいまたは小さい摩擦係数のコーティングを有してもよい。好ましくは第3の領域51は第1の領域41の摩擦係数より摩擦係数が大きい。好ましくは第3の領域51は、第2の領域42の摩擦係数より摩擦係数が小さい。即ち蓋3がその開いた位置からその閉じた位置に移動する間、蓋3が最初に最も摩擦係数が小さい領域と接触し、最後に最も摩擦係数が大きい領域と接触するのが好ましい。一部の実施態様では第3の領域51は、内方フレーム50の側壁27aによって形成されてもよい。
【0078】
ここで図5を参照すると本発明による内方フレーム60を有するパッケージ1の側面が示されている。図5に示した内方フレーム60は、図3に関連して上述した内方フレーム40とほぼ同じであり、したがって、詳細な説明はここでは省略する。さらに上述の内方フレーム40の特徴および部材と同じ内方フレーム60の特徴および部材は同じ用語および参照番号のままである。
【0079】
図3に示した内方フレーム40と図5に示す内方フレーム60の違いは、内方フレーム60の側壁27a上の第1および第2の領域41、42の構造である。
【0080】
図5に例示するように蓋3を開いた位置から閉じた位置の方へと回転させ、そうすることで蓋3は、既に内方フレーム60の側壁27aの一部を覆っている。そうすることで蓋3は、内方フレーム60の側壁27aの第1の領域41と接触しているが、内方フレーム60の側壁27aの第2の領域42とはまだ接触していない。しかしながら、ヒンジ線5を中心に閉じた位置の方に蓋3をさらに移動させると、明らかに蓋3は、側壁27aの第2の領域42と接触する。
【0081】
本実施態様では第1の領域41は、内方フレーム60の後縁部47に対して近位に位置し、第2の領域42は、内方フレーム60の前壁縁部46に対して近位、即ち、後縁部47に対して遠位に位置する。即ち、第2の領域42は、第1の領域41より容器2の前壁6に近く位置する。
【0082】
より具体的に本実施態様では第1の領域41は、容器2から延びている内方フレーム60の側壁27aの後部61に位置し、第2の領域42は、容器2から延びている内方フレーム60の側壁27aの前部62に位置する。即ち、第2の領域42は、第1の領域41の前方に位置している。
【0083】
図5に示す実施態様では領域41、42のうちの少なくとも一方が内方フレーム60が容器2の上縁部23を越えて内方フレーム60の上縁部30の方に延びているポイントから延びていることがわかる。実際にはこの実施態様では第1の領域41と第2の領域42の両方が容器2の上縁部23から内方フレーム60の上縁部30の方に延びている。別の実施態様では第1および第2の領域41、42のうちの一方だけが容器2の上縁部23から内方フレーム60の上縁部30の方に延びてもよい。
【0084】
当然のことながら領域41、42のうちの少なくとも一方が容器2から容器2の上縁部23と内方フレーム60の上縁部30の間を延びている側壁27aの部分の長さ全体に沿って延びてもよい。本実施態様では第1の領域41と第2の領域42の両方が容器2の上縁部23から内方フレーム60の上縁部30へと側壁27aの長さ全体に沿って延びている。
【0085】
別の実施態様では第1および第2の領域41、42のうちの一方だけが容器2の上縁部23から内方フレーム60の上縁部30へと容器2から延びている側壁27aの部分の長さ全体に沿って延びてもよい。当然のことながらこれとは別の実施態様では領域41、42は、内方フレーム60の側壁27aの長さの一部にのみ沿って延びてもよい。
【0086】
図5に例示した実施態様ではこれらの領域は、個別の領域として示されている。第1の領域41は、上周縁部48aおよびこれに対向する底周縁部48b並びに前周縁部48cおよびこれに対向する後周縁部48dによって画定されている。また第1の領域41の周縁部48は、内方フレーム40の側壁27aと重なる容器2の側壁8aの所で傾斜した周縁部48eを含む。
【0087】
第2の領域42は、上周縁部49aおよび対向する傾斜した底周縁部49b並びに前周縁部49cおよび後周縁部49dを含む周縁部49によって画定されている。
【0088】
第1および第2の領域41、42の上周縁部48a、49bは、内方フレーム60の側壁27aの上縁部29aと一致してもよい。第1の領域41の後周縁部49dは、内方フレーム60の側壁27aの後縁部47と一致してもよい。第2の領域42の前壁縁部49cは、内方フレーム60の側壁27aの前壁縁部46と一致してもよい。
【0089】
本実施態様では各領域41、42の周縁部48、49のうちの少なくとも1つは、容器2の前壁6に平行に延びている。即ち、第1および第2の領域41、42の周縁部48、49の少なくとも一方は、垂直に延びている。図5に示すように第1の領域41の前および後周縁部48c、48dおよび第2の領域42の前および後周縁部49c、49dは、垂直にそして容器2の前壁6および互いに平行に延びている。第1の領域41の前周縁部48cおよび第2の領域42の後周縁部49dは、それらの長さに沿って当接する。したがって、第1および第2の領域41、42は、垂直にそして内方フレーム60の側壁27aの長さに沿って平行に延びている。
【0090】
本実施態様では第2の領域42は、内方フレーム60の側壁27aの摩擦係数より大きい摩擦係数のコーティングを有する。内方フレーム60の第2の領域42と蓋3間の摩擦の増加により蓋3を閉じた位置に留めやすくなり、これによりパッケージ1は、より安全に閉じられ、意図せずに蓋が開くようなことがなくなり、混入物質がパッケージ1の収容スペース4内に入り込まないようにするのに役立つ。
【0091】
第1の領域41は、内方フレーム60の側壁27aの摩擦係数より小さい摩擦係数のコーティングを有してもよい。したがって、消費者は、最初に蓋3を開いた位置から閉じた位置の方へと移動させる際に大きな力を蓋3に加える必要がない。
【0092】
本実施態様では消費者が蓋3をその閉じた位置の方に移動させる際、消費者は、蓋3をヒンジ線5を中心に回転させた際に蓋3が内方フレーム40の第2の領域と接触すると蓋3を閉じるために必要とされる力が大きくなるのを感じる。蓋3が閉じる際に第2の領域の多くと接触すると、摩擦力を凌ぐために必要とされる力は比例して大きくなる。摩擦の増加を凌ぐために必要とされる力が大きくなることによって消費者は、蓋3が殆ど閉じた位置にあることを認識する。
【0093】
しかしながら、別の実施態様では第1の領域41はコーティングされていなくてもよく、代わりに第1の領域41が内方フレーム60と同じ摩擦係数になるように内方フレーム40の側壁27aを形成する材料で形成してもよい。
【0094】
ここで図6を参照すると本発明による内方フレーム70を有するパッケージ1の側面が示されている。図6に示した内方フレーム70は、図5に関連して上述した内方フレーム60とほぼ同じであり、したがって、詳細な説明はここでは省略する。さらに上述の内方フレーム60の特徴および部材と同じ内方フレーム70の特徴および部材は同じ用語および参照番号のままである。
【0095】
図5に示した内方フレーム60と図6に示した内方フレーム70の違いは、図6に示した内方フレーム70がさらに第3の領域51を含むということである。第3の領域51は、第1の領域41および第2の領域42とは摩擦係数が異なる。第3の領域51は、内方フレーム70の側壁27a上で第1および第2の領域41、42の間に位置する。即ち、第3の領域51は、側壁27aの中央部分52に位置し、第1の領域41は、第3の領域51の後の後部61に位置し、第2の領域42は、第3の領域51の前の内方フレーム51の前部62に位置する。
【0096】
第3の領域51は、容器2の上縁部23から内方フレーム70の側壁27aの上縁部29aへと延びている。本実施態様では第3の領域51は、容器2から延びている側壁27aの部分の長さ全体に沿って延びている。しかしながら、当然のことながらこれとは別の実施態様では第3の領域51は、内方フレーム70の側壁27aの長さの一部にのみ沿って延びてもよい。
【0097】
図6に例示した実施態様ではこれらの領域は、個別の領域として示されている。第3の領域51は、第3の領域51の範囲を定めている周縁部54を含む。第3の領域51は、上周縁部54aおよび対向する傾斜した底周縁部54b並びに前周縁部54cおよび対向する後周縁部54dを含む周縁部54によって画定されている。
【0098】
第3の領域51の上周縁部54aは、内方フレーム70の側壁27aの上縁部29aと一致してもよい。第3の領域51の傾斜した底周縁部54bは、容器2の側壁8aの上縁部20aと一致してもよい。第3の領域51の前方周縁部54cは、第2の領域42の後周縁部49dと一致してもよい。第3の領域51の後周縁部54dは、第1の領域41の前周縁部48cと一致してもよい。
【0099】
各領域の周縁部のうちの少なくとも1つは、容器2の前壁6に平行に延びている。即ち、第1、第2および第3の領域41、42、51の周縁部48、49、54のうちの少なくとも1つは、垂直に延びている。本実施態様では第1の領域41の前および後周縁部48c、48d、第2の領域の前および後周縁部49c、49dおよび第3の領域51の前および後周縁部54c、54dは、垂直にそして容器2の前壁6および互いに平行に延びている。したがって、第1、第2および第3の領域41、42、51は、垂直にそして内方フレーム70の側壁27aの長さに沿って平行に延びている。
【0100】
第3の領域51は、内方フレーム50の側壁27aを形成している材料の摩擦係数より大きいまたは小さい摩擦係数のコーティングを有してもよい。好ましくは第3の領域51は、摩擦係数が第1の領域41の摩擦係数より大きく、第2の領域42の摩擦係数より小さい。一部の実施態様では第3の領域51は、内方フレーム50の側壁27aによって形成してもよい。
【0101】
ここで図7を参照すると本発明による内方フレーム80を有するパッケージ1の側面が示されている。図7に示した内方フレーム80は、図3に関連して上述した内方フレーム40とほぼ同じであり、したがって、詳細な説明はここでは省略する。さらに上述の内方フレーム80の特徴および部材と同じ内方フレーム40の特徴および部材は同じ用語および参照番号のままである。
【0102】
図7では内方フレーム80の側壁27aは、3つの領域41、42、51を含む。図4に示した実施態様ではこれらの領域は、個別の領域として示されている。これらの領域は、周縁部48、49、54によって範囲が定められている。図7に示した実施態様では各領域の周縁部のうちの少なくとも1つは、容器の前壁6および容器2の底壁9に対して角度を付けて延びている。即ち、領域のそれぞれの周縁部のうちの少なくとも1つは、水平にも垂直にも延びていない。代わりにこれら領域の周縁部は、内方フレーム80の側壁27aの後縁部47から前壁縁部46の方に分岐している。一部の実施態様では分岐した周縁部は、それらが共通の出発点を共有するように配置される。好ましくは分岐した周縁部の出発点は、ヒンジ線5に沿って延びた軸上に位置する。
【0103】
ここで図8を参照すると本発明による内方フレーム90を有するパッケージ1の側面が示されている。図8に示した内方フレーム90は、図7に関連して上述した内方フレーム80とほぼ同じであり、したがって、詳細な説明はここでは省略する。さらに上述の内方フレーム80の特徴および部材と同じ内方フレーム90の特徴および部材は同じ用語および参照番号のままである。
【0104】
図8では内方フレーム90の側壁27aは、図7の実施態様に示した3つの領域41、42、51の代わりに第4の領域91と第5の領域92をさらに含む。本実施態様では少なくとも1つの領域の少なくとも1つの周縁部が水平に延びている。当然のことながら別の実施態様では領域の数は変わってもよい。さらに個別の領域である代わりに摩擦係数を領域間で徐々に変化させてもよい。
【0105】
パッケージのこれらの実施態様は、図示していないが当業界でよく知られている一対の耳部を含んでもよい。その対の耳部は容器側壁8a、8bから横方向外方に延びている。各耳部は、容器側壁8a、8bから垂直にそして容器前壁6に平行にそしてこれから延びている。各耳部は、容器側壁8a、8bに形成された切れ込み線によって形成される。耳部を有するパッケージの利点は、耳部を容器側壁から延びるように配置し、蓋3を閉じた位置に保持しやすくできるということである。一部の実施態様では耳部はパッケージの構造に応じて摩擦係数が異なる領域の1つ以上を含んでもよい。
【0106】
本明細書に記載の種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8