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特許7509994ランダムアクセスまたは小データ送信のためのエンハンストページングプロシージャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】ランダムアクセスまたは小データ送信のためのエンハンストページングプロシージャ
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/231 20230101AFI20240625BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20240625BHJP
   H04W 68/00 20090101ALI20240625BHJP
   H04W 72/1268 20230101ALI20240625BHJP
   H04W 74/0833 20240101ALI20240625BHJP
   H04W 74/0836 20240101ALI20240625BHJP
【FI】
H04W72/231
H04W56/00 130
H04W68/00
H04W72/1268
H04W74/0833
H04W74/0836
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2023507613
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 CN2020107371
(87)【国際公開番号】W WO2022027422
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ダーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,チュンリー
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110493870(CN,A)
【文献】Nokia (rapporteur), Nokia Shanghai Bell,Stage-2 running CR for 2-step RACH[online],3GPP TSG RAN WG2 #108 R2-1915889,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_108/Docs/R2-1915889.zip>,2019年11月08日
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Further analysis on Performance and Feasibility of service based GWUS[online],3GPP TSG RAN WG2 #107 R2-1909027,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_107/Docs/R2-1909027.zip>,2019年08月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー機器(UE)であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを使用して、UEに、
ネットワークデバイスにモードインディケーターを送信させ、モードインディケーターが、UEがULグラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあるか否かを示し、
ネットワークデバイスから、UEの識別とULグラントとを含むページングメッセージを受信させ、
ULグラントを使用してネットワークデバイスに信号を送信させる
ように構成された、
ユーザー機器(UE)。
【請求項2】
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを使用して、UEに、更に、
信号を送信する前に、UEに記憶されたタイミングアドバンス(TA)に基づいて送信タイミングを調節させる
ように更に構成された、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
TAが、UEがアイドル状態または非アクティブ状態に入るときに記憶されたものである、請求項2に記載のUE。
【請求項4】
ページングメッセージが、UEに対するタイミングアドバンス(TA)を更に含み、
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを使用して、UEに、更に、
信号を送信する前に、TAに基づいて送信タイミングを調節させる
ように更に構成された、請求項1に記載のUE。
【請求項5】
ページングメッセージが、UEに対するダウンリンク(DL)データを更に含む、請求項1に記載のUE。
【請求項6】
ULグラントを使用してネットワークデバイスに送信される信号が、DLデータの受信を肯定応答するための応答を含む、請求項5に記載のUE。
【請求項7】
ページングメッセージが、無線リソース制御(RRC)セットアップまたは再開メッセージを更に含み、
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを使用して、UEに、更に、
RRCセットアップまたは再開メッセージに応答して、アイドル状態または非アクティブ状態から接続された状態に入らせ、ULグラントを使用してネットワークデバイスに送信される信号が、UEが接続された状態に入るときに送信されるRRCセットアップまたは再開完了メッセージを含む
ように更に構成された、請求項1に記載のUE。
【請求項8】
ページングメッセージが、UEに対するセル特定のネットワーク無線一時識別子C-RNTIを更に含む、請求項7に記載のUE。
【請求項9】
ネットワークデバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを使用して、ネットワークデバイスに、
ネットワークデバイスに記憶されたモードインディケーターをチェックして、ユーザー機器(UE)がアップリンク(UL)グラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあるか否かを決定させ、
UEに対するULグラントを割り振らせ、
UEがULグラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあると決定されたとき、UEに、UEの識別とULグラントとを含むページングメッセージを送信させ、
ULグラントを使用してUEから送信された信号を受信させる
ように構成された、ネットワークデバイス。
【請求項10】
ページングメッセージが、UEに対するタイミングアドバンス(TA)を更に含む、請求項に記載のネットワークデバイス。
【請求項11】
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを使用して、ネットワークデバイスに、更に、
UEがアイドル状態または非アクティブ状態に入るとき、UEの識別とUEに対するTAとを記憶させる
ように更に構成された、請求項10に記載のネットワークデバイス。
【請求項12】
ページングメッセージが、UEに対するダウンリンク(DL)データを更に含む、請求項に記載のネットワークデバイス。
【請求項13】
UEからULグラントにおいて受信される信号が、DLデータの受信を肯定応答するための応答を含む、請求項12に記載のネットワークデバイス。
【請求項14】
ページングメッセージが、無線リソース制御(RRC)セットアップまたは再開メッセージを更に含み、UEからULグラントにおいて受信される信号が、RRCセットアップまたは再開完了メッセージを含む、請求項に記載のネットワークデバイス。
【請求項15】
ページングメッセージが、UEに対するセル特定のネットワーク無線一時識別子C-RNTIを更に含む、請求項14に記載のネットワークデバイス。
【請求項16】
ユーザー機器(UE)において実施される方法であって、
ネットワークデバイスにモードインディケーターを送信し、モードインディケーターが、UEがULグラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあるか否かを示す、ことと、
ネットワークデバイスから、UEの識別とULグラントとを含むページングメッセージを受信することと、
ULグラントを使用してネットワークデバイスに信号を送信することと
を含む、方法。
【請求項17】
信号を送信する前に、UEに記憶されたタイミングアドバンス(TA)に基づいて送信タイミングを調節すること
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ページングメッセージが、UEに対するタイミングアドバンス(TA)を更に含み、方法が、
信号を送信する前に、TAに基づいて送信タイミングを調節すること
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
ページングメッセージが、UEに対するダウンリンク(DL)データを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
ULグラントを使用してネットワークデバイスに送信される信号が、DLデータの受信を肯定応答するための応答を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ページングメッセージが、無線リソース制御(RRC)セットアップまたは再開メッセージを更に含み、方法が、
RRCセットアップまたは再開メッセージに応答して、アイドル状態または非アクティブ状態から接続された状態に入り、ULグラントを使用してネットワークデバイスに送信される信号が、UEが接続された状態に入るときに送信されるRRCセットアップまたは再開完了メッセージを含む、こと
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
ページングメッセージが、UEに対するセル特定のネットワーク無線一時識別子(C-RNTI)を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ネットワークデバイスにおいて実施される方法であって、
ネットワークデバイスに記憶されたモードインディケーターをチェックして、ユーザー機器(UE)がアップリンク(UL)グラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあるか否かを決定することと、
UEに対するULグラントを割り振ることと、
UEがULグラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあると決定されたとき、UEに、UEの識別とULグラントとを含むページングメッセージを送信することと、
ULグラントを使用してUEから送信された信号を受信することと
を含む、方法。
【請求項24】
ページングメッセージが、UEに対するタイミングアドバンス(TA)を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
UEがアイドル状態または非アクティブ状態に入るとき、UEの識別とUEに対するTAとを記憶すること
を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ページングメッセージが、UEに対するダウンリンク(DL)データを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
UEからULグラントにおいて受信される信号が、DLデータの受信を肯定応答するための応答を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
ページングメッセージが、無線リソース制御(RRC)セットアップまたは再開メッセージを更に含み、UEからULグラントにおいて受信される信号が、RRCセットアップまたは再開完了メッセージを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
ページングメッセージが、UEに対するセル特定のネットワーク無線一時識別子(C-RNTI)を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ユーザー機器(UE)において実現される装置であって、
ネットワークデバイスにモードインディケーターを送信する手段であって、モードインディケーターが、UEがULグラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあるか否かを示す、手段と、
ネットワークデバイスから、UEの識別とULグラントとを含むページングメッセージを受信する手段と、
ULグラントを使用してネットワークデバイスに信号を送信する手段と
を備える、装置。
【請求項31】
ネットワークデバイスにおいて実現される装置であって、
ネットワークデバイスに記憶されたモードインディケーターをチェックして、ユーザー機器(UE)がアップリンク(UL)グラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあるか否かを決定する手段と、
UEに対するULグラントを割り振る手段と、
UEにページングメッセージを送信する手段であって、ページングメッセージがUEの識別とULグラントとを含む、送信する手段と、
ULグラントを使用してUEから送信された信号を受信する手段と
を備える、装置。
【請求項32】
少なくとも1つのコンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラムであって、ユーザー機器(UE)の少なくとも1つのプロセッサにより実行されたときに、UEに、
ネットワークデバイスにモードインディケーターを送信させ、モードインディケーターが、UEがULグラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあるか否かを示し、
ネットワークデバイスから、UEの識別とULグラントとを含むページングメッセージを受信させ、
ULグラントを使用してネットワークデバイスに信号を送信させる
命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項33】
少なくとも1つのコンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラムであって、ネットワークデバイスの少なくとも1つのプロセッサにより実行されたとき、ネットワークデバイスに、
ネットワークデバイスに記憶されたモードインディケーターをチェックして、ユーザー機器(UE)がアップリンク(UL)グラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあるか否かを決定させ、
UEに対するULグラントを割り振らせ、
UEがULグラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあると決定されたとき、UEに、UEの識別とULグラントとを含むページングメッセージを送信させ、
ULグラントを使用してUEから送信された信号を受信させる
命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において説明されている様々な例示的な実施形態は概して通信技術に関し、特に、産業用モノのインターネット(IIoT)ユーザー機器(UE)のランダムアクセスまたは小データ送信のためのエンハンストページングプロシージャをサポートする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
説明に、および/または図に見出され得る特定の略語は、ここで次のように規定される:
AMF アクセスおよびモビリティ管理機能
BS ベースステーション
C-RNTI セル無線ネットワーク一時識別子
CN コアネットワーク
eNB 4Gベースステーション
gNB 5Gベースステーション
IoT モノのインターネット
LTE ロングタームエボリューション
Msg メッセージ
NB-IoT 狭帯域IoT
NR 新しい無線
RACH ランダムアクセスチャネル
PRACH 物理ランダムアクセスチャネル
PUSCH 物理アップリンク共有チャネル
RAR ランダムアクセス応答
RRC 無線リソース制御
TA タイミングアドバンス
UE ユーザー機器
【0003】
モバイル通信は、第4次産業革命(インダストリアル4.0)の目的を実現するための重要な実現手段となるであろう。それは、主に固定線のネットワークに基づく既存の産業生産を、ユビキタスな非常に信頼性の高く超低レイテンシの無線通信ネットワークを使用することになる次のレベルの産業生産に変換するための首尾一貫した統合および移行技法の必要性をともなって進む。インダストリー4.0のための1つの重要な実現手段は、無線接続性が中心的な役割を果たす産業用モノのインターネット(IIoT)と呼ばれる、機械、人、および物体の間のスケーラブルで広く行き渡る接続性である。モバイルおよび無線通信システムは、モビリティの低い静止したデバイス、回転するデバイス、または他のデバイスからケーブルを排除することに関して利点を更に提供する。ユビキタスな接続性は、利用可能なケーブル敷設により制約されない柔軟な製造セットアップおよび再構成を可能にするモバイル通信システムの重要な特徴である。それは、以前はケーブルを用いてリンクされていた工場におけるデバイスが、無線通信システムを介してリンクして無線システムプロトコルに従うことを意味する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態の幾つかの態様の基本的な理解をもたらすために、例示的な実施形態の概要が以下で提供される。この概要は、本質的な要素の重要な特徴を識別することを意図したものではなく、実施形態の範囲を規定することを意図したものでもなく、この概要の唯一の目的は、後で提供される更に詳細な説明のための前文として、簡略化された形態により幾つかの概念を紹介することであることに留意されなければならない。
【0005】
第1の態様において、UEの例示的な実施形態が提供される。UEは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え得る。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを使用して、UEに、ネットワークデバイスからページングメッセージを受信させ、ULグラントを使用してネットワークデバイスに信号を送信させるように構成され得る。ページングメッセージはUEの識別とULグラントとを含み得る。
【0006】
第2の態様において、ネットワークデバイスの例示的な実施形態が提供される。ネットワークデバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え得る。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを使用して、ネットワークデバイスに、UEに対してULグラントを割り振らせ、UEにページングメッセージを送信させ、ULグラントを使用してUEから送信された信号を受信させるように構成され得る。ページングメッセージは、UEの識別とULグラントとを含み得る。
【0007】
第3の態様において、UEにおいて実施される方法の例示的な実施形態が提供される。本方法は、ネットワークデバイスからページングメッセージを受信することと、ULグラントを使用してネットワークデバイスに信号を送信することとを含み得る。ページングメッセージは、UEの識別とULグラントとを含み得る。
【0008】
第4の態様において、ネットワークデバイスにおいて実施される方法の例示的な実施形態が提供される。本方法は、UEに対してULグラントを割り振ることと、UEにページングメッセージを送信することと、ULグラントを使用してUEから送信された信号を受信することとを含み得る。ページングメッセージは、UEの識別とULグラントとを含み得る。
【0009】
第5の態様において、UEにおいて実現される装置の例示的な実施形態が提供される。本装置は、ネットワークデバイスからページングメッセージを受信する手段と、ULグラントを使用してネットワークデバイスに信号を送信する手段とを備え得る。ページングメッセージは、UEの識別とULグラントとを含み得る。
【0010】
第6の態様において、ネットワークデバイスにおいて実現される装置の例示的な実施形態が提供される。本装置は、UEに対してULグラントを割り振る手段と、UEにページングメッセージを送信する手段と、ULグラントを使用してUEから送信された信号を受信する手段とを備え得る。ページングメッセージは、UEの識別とULグラントとを含み得る。
【0011】
第7の態様において、コンピュータプログラム製品の例示的な実施形態が提供される。コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体において具現化され、および命令を含み得る。命令は、UEの少なくとも1つのプロセッサにより実行されたとき、UEに、ネットワークデバイスからページングメッセージを受信させ、ULグラントを使用してネットワークデバイスに信号を送信させ得る。ページングメッセージは、UEの識別とULグラントとを含み得る。
【0012】
第8の態様において、コンピュータプログラム製品の例示的な実施形態が提供される。コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体において具現化され、および命令を含み得る。命令は、ネットワークデバイスの少なくとも1つのプロセッサにより実行されたとき、ネットワークデバイスに、UEに対してULグラントを割り振らせ、UEにページングメッセージを送信させ、ULグラントを使用してUEから送信された信号を受信させ得る。ページングメッセージは、UEの識別とULグラントとを含み得る。
【0013】
本開示の例示的な実施形態の原理を例示として示す添付図面とともに読まれたとき、本開示の例示的な実施形態の他の特徴および利点が特定の実施形態の以下の説明から更に明らかとなる。
【0014】
幾つかの例示的な実施形態が添付図面を参照しながら非限定的な例により以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】例示的な4ステップランダムアクセス手順を示す図である。
図2】NRに対する例示的な2ステップランダムアクセス手順を示す図である。
図3】本開示の実施形態が適用され得る例示的なシナリオを示す図である。
図4】幾つかの例示的な実施形態によるエンハンストページングプロシージャに対する例示的な動作のインタラクション図である。
図5】幾つかの例示的な実施形態によるエンハンストページングプロシージャに対する例示的な動作のインタラクション図である。
図6】幾つかの例示的な実施形態によるエンハンストページングプロシージャに基づくランダムアクセスに対する例示的な動作のインタラクション図である。
図7】幾つかの例示的な実施形態によるエンハンストページングプロシージャのフローチャートを示す図である。
図8】幾つかの例示的な実施形態による例示的な装置のブロック図である。
図9】幾つかの例示的な実施形態によるエンハンストページングプロシージャのフローチャートを示す図である。
図10】幾つかの例示的な実施形態による例示的な装置のブロック図である。
図11】本開示の実施形態が実施され得る例示的な通信システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
複数の図面にわたって、同じまたは同様の参照符号は同一または類似の要素を示す。同じ要素について繰り返しとなる説明は省略される。
【0017】
以下で、幾つかの例示的な実施形態が添付図面を参照しながら詳細に説明される。以下の説明は、様々な概念の十分な理解をもたらすことを目的として特定の詳細事項を含む。しかし、これらの概念がこれらの特定の詳細事項を使用せずに実施されてもよいことが当業者に明らかである。幾つかの例において、よく知られた回路、技術、およびコンポーネントは、説明される概念および特徴を不明瞭にするのを避けるためにブロック図の形態で示される。
【0018】
5G/4Gおよび更に前の世代のモバイル通信システムでは、ネットワークがUEと接続することを望んでいるとき、ネットワークがUEにページングメッセージを送る。ページングメッセージを受信した後、UEはネットワークに対する初期アクセスのためのランダムアクセス手順を実施する。
【0019】
図1は、4ステップランダムアクセス手順を示す。図1に示されているようにステップ1において、UE120が、PRACHにおいてプリアンブルを含むMsg1をBS140に送信する。ステップ2において、BS140が、受信されたプリアンブルのタイミングおよびULグラントに基づいて、UE120のアップリンク送信タイミングを調節するために、時間アライメントコマンドを含むMsg2としてRARをUE120に送信する。後続のステップ3およびステップ4はセル内の複数のUE120からの同じプリアンブルの同時送信に起因した競合を解決するためのものである。ステップ3において、UE120が、Msg2において割り振られたULグラントを使用してMsg3としてRRC接続要求をBS140に送信する。ステップ4において、BS140が、C-RNTIまたは競合解決のために成功した接続されたUE120の識別を含むMsg4を送信する。更に、成功した接続されたUE120からBS140にRRC応答のMsg5を送信するための更なるステップ5が存在してもよい。この手順では、限られたプリアンブル数(64以下)およびPRACH周波数およびタイミング領域リソースに起因して、複数のUE120が同じプリアンブルを使用してランダムアクセス手順を同時に開始するとき、衝突が発生する。互いに衝突するもののうちで1つのUE120のみがBS140と接続し得、他のものはランダムアクセス手順を再度行う必要がある。
【0020】
ランダムアクセスのための時間を短くするために、図2に示される2ステップランダムアクセス手順がNRのために提供されてきた。図2を参照すると、UE120は、ステップAにおいて、Msg1とMsg3とを組み合わせたMsg AをBS140に送信し、BS140は、ステップBにおいてMsg2とMsg4とを組み合わせたMsg BをUE120に送信する。図1に示されている4ステップ手順と比較すると、2ステップ手順は、ランダムアクセス手順全体の時間長を低減し得るが、ステップAはPUSCHリソースとRACHリソースとの両方を必要とするので、衝突の可能性が高まる。
【0021】
図3は、例えばUE120-1、120-2、および120-3を含む多数のIIoTデバイス120がBS140に無線により接続する例示的な工場300のシナリオを示す。工場300では、ネットワーク(制御センター)が、毎日実質的に同時に始動する、および開始する、または動作する準備をするように多数のデバイス120をトリガーし、このことは、全てのデバイス120が実質的に同時にBS140とのランダムアクセス手順を開始することを意味する。デバイス120がケーブルを用いて接続されたレガシーシステムでは、デバイス120がネットワークに同時に接続することには問題がない。しかし、無線システムでは、限られたRACHおよびPUSCHリソースに起因して、多くのデバイス120が競合ベースのランダムアクセス手順に失敗し得、多くのデバイス120がランダムアクセス手順を何度も行う必要がある。適時にネットワークに接続することができないデバイスは更に、その動作に依存した他のデバイスが動作することができないようにし、および待たなければならないようにする。全てのデバイス120を接続された状態にし、および動作のための準備状態にするために長い時間がかかる。これは工場にとって時間およびお金の浪費である。
【0022】
IIoTデバイス120は、電力消費量を削減するためにアイドル状態または非アクティブ状態に設定され得る。アイドル状態または非アクティブ状態にあるデバイス120が、送信する、または受信するためのULまたはDLデータを有するとき、デバイス120はネットワークとのRRC接続をセットアップする、または再開する必要がある。データパケットがどれくらい小さく低頻度であるかにかかわらず、接続セットアップ/再開、および、後続のアイドル状態/非アクティブ状態への解放/一時停止が各データ送信に対して発生する。これは、不必要なレイテンシ、電力消費、およびシグナリングオーバーヘッドをもたらす。
【0023】
エンハンストページングプロシージャの実施形態が以下で説明される。エンハンストページングプロシージャは、とりわけ、特にIIoTデバイスに対する手順の時間長を短くし得る、および効率を高め得るランダムアクセス手順または小データ送信のために使用され得る。
【0024】
図4は、幾つかの例示的な実施形態によるエンハンストページングプロシージャにおける、例えばBS140といったネットワークデバイスと例えばUE120といった端末デバイスとの間の例示的な動作のインタラクション図を示す。エンハンストページングプロシージャは、例えば、UE120がアイドル状態または非アクティブ状態にあるときUE120が動かないかまたは限られたエリア内のみを動く工場といったシナリオに適用され得る。UE120がアイドル状態または非アクティブ状態にあるときにUE120が動き続ける場足、レガシーページングプロシージャが適用され得る。エンハンストページングプロシージャは、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)がBS140にUE120のためのレガシーページングを送ることによりトリガーされ得、または、BS140がUE120のためのDLデータをもっているとき、もしくはUE120からのULデータを必要としているとき、BS140によりトリガーされ得る。
【0025】
図4に示されているように、動作152において、BS140は、UE120のためのULグラントを割り振り得る。UE120がRRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE状態にあり、例えばUE120からモードまたは能力インディケーターを受信することにより、UE120がアイドル状態または非アクティブ状態にあるときUE120が動かないか、または限られたエリア内のみを動くことをBS140が認識していると仮定される。割り振られたULグラントが、UE120がBS140にUL信号を送信するためのPUSCHリソースをスケジューリングする。動作154において、BS140が、UE120にエンハンストページングメッセージを送信し得る。UEの識別のみを含むレガシーページングメッセージと比較すると、動作154において送信されるエンハンストページングメッセージは、UE120に割り振られたULグラントを更に含む。次に動作156において、UE120が、ULグラントを使用してBS140に信号を送信し得る。
【0026】
信号156は、BS140に送信するためにUE120が必要とする任意の制御シグナリングまたはデータを含み得る。幾つかの実施形態において、信号156は、BS140のための小さいおよび低頻度のデータを含み得る。したがって、UE120がRRC_CONNECTED状態に入ることを必要とせずに、UL小データ送信が実現される。それが通信効率を改善し、電力消費量、および、ランダムアクセス手順によりもたらされるシグナリングオーバーヘッドを節約する。
【0027】
幾つかの実施形態において、信号156を送信する前に、UE120は動作155において、信号がUE120とBS140との間を伝播するときの伝播遅延を補償するために、タイミングアドバンス(TA)に基づいて、そのアップリンク送信タイミングを調節する。UE120がRRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE状態に入るとき、TAがBS140に、および/またはUE120に記憶され得、TAはUE120とBS140との間の送信遅延に依存した値をもつ。UE120がアイドル状態または非アクティブ状態にあるとき、UE120が動かないかまたは限られたエリア内のみを動くので、UE120がアイドル状態または非アクティブ状態に入ったときに記憶されたTAは、UE120がアイドル状態または非アクティブ状態にある期間にわたって依然として適用可能であり、ランダムアクセス(RA)手順が必要とされない。更に、ネットワークはUE120が最近どのセルにキャンプしていたかを知っている。幾つかの実施形態において、UE120がアイドル状態または非アクティブ状態に入るとき、UE120がキャンプしていたセルがUEのIDおよびTAを記憶し、UEのIDおよびTAは、UE120に対するULグラントと一緒にページングメッセージ154に含まれる。幾つかの実施形態において、UE120がアイドル状態または非アクティブ状態に入るとき、UE120がそのTAを更に記憶し得、したがって、ページングメッセージ154はUE120に対するTAを含むことを必要としない。
【0028】
図5は、エンハンストページングプロシージャの別の実施形態を示す。図4における動作と同じまたは同様の図5における動作は、同一または類似の数字を使用して表記され、繰り返しとなる説明は省略される。以下、図4および図5のプロシージャ間の違いのみが詳細に説明される。
【0029】
図5を参照すると、BS140からUE120に送信されるエンハンストページングメッセージ154’は、UEのIDおよびULグラントに加えてUE120に対するDLデータ、RRCシグナリング、またはNASシグナリングを更に含む。DLデータはUE120に対する任意のデータであり得、DLデータはBS140、コアネットワーク、または他のネットワーク、または端末デバイスから生じ得る。ULグラントを使用してUE120からBS140に送信される信号156’は、ページングメッセージ154’、ULデータ、RRCメッセージ、またはNASシグナリングの受信を肯定応答するための応答を含み得る。したがって、UE120がRRC_CONNECTED状態に入ることを必要とせずに、DL小データ送信が実現される。それが通信効率を改善し、電力消費量、およびランダムアクセス手順によりもたらされる信号オーバーヘッドを節約する。
【0030】
エンハンストページングプロシージャは、例えばUE120といった多数のIIoTデバイスがBS140に同時に接続することを必要とする例えば工場300といったシナリオにおいて、ランダムアクセスのためにも使用され得る。図6は、幾つかの例示的な実施形態によるエンハンストページングをうまく利用するランダムアクセス手順に対する例示的な動作のインタラクション図を示す。
【0031】
図6を参照すると、UE120がまさに最初の時点で工場300のネットワークに接続するとき、ネットワークはUE120のどのようなコンテキストももっておらず、レガシー初期ランダムアクセス手順が、BS140におけるネットワークにUE120がアクセスするために動作210において実施され得る。レガシー初期ランダムアクセス手順は、図1に示されている4ステップ手順または図2に示されている2ステップ手順であり得る。
【0032】
次に、UE120は動作212において、BS140にモードインディケーターまたは能力インディケーターを送信し得る。モード/能力インディケーターは、UE120が工場作業モードにあることを示し、それが、ULグラントと場合によってはTA値とを含むエンハンストページングメッセージに基づく調整されたランダムアクセス手順をサポートする。例えば、UE120は、例えばfactoryWorkingModeといった情報要素(IE)をオンに設定し得、BS140にモード/能力インディケーターとしてそれを送信する。UE120がアイドル状態または非アクティブ状態に入る前の任意の時点で、UE120がBS140にモード/能力インディケーターを送り得る。例えば、モード/能力インディケーターは、BS140に送られるRRCセットアップ完了メッセージ(Msg5)に含まれ得、または、モード/能力インディケーターは、UE120がBS140にその能力を報告するときに、BS140に送られ得る。BS140がUE120からモード/能力インディケーターを受信するとき、BS140は動作214においてモード/能力インディケーターを記憶する。
【0033】
動作216において、UE120は、RRC接続を解放することまたは一時停止することにより、アイドル状態または非アクティブ状態に入ると仮定される。動作218において、UE120がアイドル状態または非アクティブ状態に入るとき、BS140がUE120のIDおよびTAを記憶し得る。
【0034】
動作220において、BS140は、AMF(図示せず)からUE120に対するレガシーページングを受信し得る。例えば、AMFはランダムアクセス手順をトリガーするために工場300の全てのUE120をページングし、UE120を作業のために準備完了状態にさせる。UE120に対するページングメッセージを受信したとき、BS140は動作222において、UE120がエンハンストページングメッセージをサポートしているか否かを決定するために、UE120のモード/能力インディケーターをチェックする。サポートしている場合、BS140は後述の調整されたランダムアクセスのためのエンハンストページングを開始する。そうでない場合、BS140は、レガシー2ステップまたは4ステップランダムアクセスをトリガーするためにレガシーページングを開始する。
【0035】
モード/能力インディケーター(例えばfactoryWorkingMode)がオンであることが更に仮定される。動作224において、BS140は、UE120に対するULグラントおよびRRCリソースを割り振り得る。UE120がアイドル状態にある場合、BS140は、UE120に対するセル特定の無線ネットワーク一時識別子(cell specific radio network temporary identifier)(C-RNTI)を更に割り当て得る。UE120が非アクティブ状態にあるとき、UE120は、UE120がキャンプしていたセルに対するそのC-RNTIを依然として維持し、維持されたC-RNTIが使用され得る。幾つかの実施形態において、UE120が動作216においてアイドル状態または非アクティブ状態に入るときにTAがBS140に記憶されている場合、BS140はUE120に対するTAを更に入手する。UE120に対するULグラント、TA、およびC-RNTIは、ランダムアクセス応答(RAR)にパッケージ化され得る。割り振られたRRCリソースは、UE120がアイドル状態にある場合はRRCセットアップメッセージにパッケージ化され得、または、UE120が非アクティブ状態にある場合はRRC再開メッセージにパッケージ化され得る。動作226において、BS140はUE120に(ULグラントおよび任意選択的にTAおよびC-RNTIを含む)RARペイロードを含むエンハンストページングメッセージおよびRRCセットアップまたは再開メッセージを送信し得る。したがって、動作226において送信されるエンハンストページングメッセージは、レガシーランダムアクセス手順のMsg2とMsg4とを組み合わせ、PRACHプリアンブルは必要とされない。
【0036】
動作228において、UE120は、BS140からのページングメッセージにおいて受信された、またはUE120に記憶されたTAに基づいてその送信タイミングを調節し得る。工場300のシナリオでは、UEが動作を停止してアイドル状態または非アクティブ状態に留まるとき、IIoT UEは動かないかまたは非常に限られたエリア内のみにおいて動かされ得、したがって、UE120がアイドル状態または非アクティブ状態に入るときに記憶されたTAは、動作228において依然として使用され得る。次に、UE120は、動作230においてULグラントを使用してBS140にRRC応答を送信し得、動作232においてRRC_CONNECTED状態に入り得る。RRC応答は、例えばRRCセットアップまたは再開完了メッセージを含み得る。
【0037】
レガシー4ステップまたは2ステップランダムアクセス手順と比較したとき、上述のエンハンストページングメッセージに基づく調整されたランダムアクセス手順は、エンハンストページングメッセージを送信する1つのステップのみを含む。それはランダムアクセス手順の時間長を大幅に短くする。PRACHプリアンブルが使用されないので、エンハンストページングプロシージャに基づく調整されたランダムアクセスは多くのUE間の競合を更に回避する。したがって、多数のUEがネットワークに同時に接続し得る。それは、多数のIIoTデバイスがネットワークに同時に接続することを必要とする例えば工場300といったシナリオに対して特に有益である。
【0038】
図7は、幾つかの例示的な実施形態によるエンハンストページングプロシージャのための例示的な方法300のフローチャートを示す。より良く理解するために、方法300の以下の説明は、図3図6を参照しながら更に読まれてもよい。方法300は、例えばUE120などのIIoT UEにおいて実施され得る。
【0039】
図7に示されているように、例示的な方法300は、ネットワークデバイスからページングメッセージを受信するステップ310およびネットワークデバイスに信号を送信するステップ320を含み得る。ページングメッセージはUEの識別とUEに対して割り振られたULグラントとを含み得、信号はULグラントを使用して送信され得る。ネットワークデバイスは例えばBS140などのBSであり得、信号はBS140のための任意の制御シグナリングまたはアップリンクデータを含み得る。
【0040】
幾つかの実施形態において、ページングメッセージは、UEに対するダウンリンクデータを更に含み得る。ステップ320において送信される信号は、UEにおけるダウンリンクデータの受信を肯定応答するための応答を含み得る。
【0041】
幾つかの実施形態において、ページングメッセージは、RRCセットアップまたは再開メッセージを更に含み得、例示的な方法300は、RRCセットアップまたは再開メッセージに応答してアイドル状態または非アクティブ状態から接続された状態に入るステップ340を更に含み得る。このような場合において、ULグラントを使用してネットワークデバイスに送信される信号は、UEが接続された状態に入るときに送信されたRRCセットアップまたは再開完了メッセージを含み得る。
【0042】
幾つかの実施形態において、ページングメッセージは、UEに対するC-RNTIを更に含み得る。例えば、UE120がアイドル状態にある場合であって、接続された状態または非アクティブ状態に入ろうとしている場合、UE120に対するC-RNTIはページングメッセージに含まれ得る。
【0043】
幾つかの実施形態において、例示的な方法300は、信号320を送信する前に、UEに対するTAに基づいて送信タイミングを調節するステップ330を更に含み得る。TAは、UEがアイドル状態または非アクティブ状態に入るときネットワークデバイスに記憶され得、ネットワークデバイスからページングメッセージにおいて受信され得、または、UEがアイドル状態または非アクティブ状態に入るときにUEにおいて記憶され得る。
【0044】
幾つかの実施形態において、例示的な方法300は、ネットワークデバイスにモードインディケーターを送信するステップ350を更に含み得る。モードインディケーターは、UEがULグラントを含むページングメッセージをサポートするモードにあるか否かを示し得る。ネットワークデバイスがモード/能力インディケーターをチェックし、UEがULグラントを含むページングメッセージをサポートしていると決定したとき、ネットワークデバイスは動作310においてページングメッセージを送信する。
【0045】
図8は、幾つかの例示的な実施形態による例示的な装置400のブロック図を示す。装置400は、図7に示されている方法300を実施するために例えばUE120において実現され得る。図8を参照すると、装置400は、ステップ310を実施するための第1の手段(またはモジュール)410と、ステップ320を実施するための第2の手段420とを含み得る。装置400は、ステップ330を実施するための第3の手段430、ステップ340を実施するための第4の手段440、および、ステップ350を実施するための第5の手段450を更に含み得る。
【0046】
図9は、幾つかの例示的な実施形態によるエンハンストページングプロシージャのための例示的な方法500のフローチャートを示す。より良く理解するために、方法500の以下の説明は、図3図8を更に参照しながら読まれてもよい。方法500は、例えばBS140などのネットワークデバイスにおいて実施され得る。
【0047】
図9に示されているように、例示的な方法500は、UEに対してULグラントを割り振るステップ510、UEにページングメッセージを送信するステップ520、および、ULグラントを使用してUEから送信された信号を受信するステップ530を含み得る。ページングメッセージはUEの識別とULグラントとを含み得る。
【0048】
幾つかの実施形態において、BS140は、例えばコアネットワークにおけるAMF機能からのUE120のIDを含むレガシーページングメッセージに応答して、UE120に対するULグラントを割り振り得る。
【0049】
幾つかの実施形態において、例示的な方法500は、UEがアイドル状態または非アクティブ状態に入るとき、UEの識別とTAとを記憶するステップ540を更に含み得る。このような場合において、ステップ520において送信されたページングメッセージは、UEに対するTAを更に含み得る。幾つかの実施形態において、TAはUE120に記憶されてもよく、ステップ520において送信されるページングメッセージはUEに対するTAを含まなくてもよい。
【0050】
幾つかの実施形態において、ページングメッセージは、UEに対するダウンリンクデータを更に含み得、UEからULグラントにおいて受信される信号は、ダウンリンクデータの受信を肯定応答するための応答を含み得る。したがって、UE120がアイドル状態または非アクティブ状態から接続された状態に変わることを必要とせずに、ダウンリンク小データ送信が実現される。
【0051】
幾つかの実施形態において、UEからULグラントにおいて受信される信号は、ネットワークデバイスに対するアップリンクデータを含み得る。したがって、UE120がアイドル状態または非アクティブ状態から接続された状態に変わることを必要とせずに、アップリンク小データ送信が実現される。
【0052】
幾つかの実施形態において、ページングメッセージは、RRCセットアップまたは再開メッセージを更に含み得、UEからULグラントにおいて受信される信号は、RRCセットアップまたは再開完了メッセージを含み得る。
【0053】
幾つかの実施形態において、ページングメッセージは、UEに対するC-RNTIを更に含み得る。
【0054】
幾つかの実施形態において、例示的な方法500は、UEがULグラントを含むページングメッセージをサポートしているモードにあるか否かを決定するために、ネットワークデバイスに記憶されたモードインディケーターをチェックするステップ550を更に含み得る。ステップ550においてUEがこのようなページングメッセージをサポートしているモードにあると決定されたとき、ULグラントを含むページングメッセージがステップ520において送信される。
【0055】
方法500のステップ510-ステップ550は、上述のエンハンストページングプロシージャを実現するために、方法300のステップ310-ステップ350と連携して実施される。したがって、例示的な方法300に関連して既に説明されている様々な特徴および態様が、例示的な方法500にも適用可能であり、または例示的な方法500に含まれる。
【0056】
図10は、幾つかの例示的な実施形態による例示的な装置600のブロック図を示す。装置600は、図9に示されている方法500を実施するために、例えばBS140において実現され得る。図10を参照すると、装置600は、ステップ510を実施するための第1の手段(またはモジュール)610、ステップ520を実施するための第2の手段620、および、ステップ530を実施するための第3の手段630を含み得る。任意選択的に、装置600は、ステップ540を実施するための第4の手段640、およびステップ550を実施するための第5の手段650を更に含み得る。
【0057】
図11は、本開示の実施形態が実施され得る例示的な通信システム700のブロック図を示す。図11に示されているように、通信システム700は、上述のIIoT UE120として実現され得るユーザー機器(UE)710と、上述のBS140として実現され得るネットワークデバイス720とを備え得る。図11は1つのUE710のみを示すが、通信システム700がネットワークデバイス720に無線により接続する複数のUE710を備え得ることが理解される。
【0058】
図11を参照すると、UE710は、1つ以上のバス714を通して相互接続された1つ以上のプロセッサ711、1つ以上のメモリ712、および1つ以上のトランシーバ713を備え得る。1つ以上のバス714はアドレス、データ、または制御バスであり得、例えばマザーボードまたは集積回路上の一連の線、ファイバー、光学素子、または他の光通信機器などの任意の相互接続メカニズムを含み得る。1つ以上のトランシーバ713の各々が、1つ以上のアンテナ716に接続された受信器と送信器とを備え得る。UE710は、1つ以上のアンテナ716を通してネットワークデバイス720と無線により通信し得る。1つ以上のメモリ712は、コンピュータプログラムコード715を含み得る。1つ以上のメモリ712およびコンピュータプログラムコード715は、1つ以上のプロセッサ711により実行されたとき、上述のUE120に関連したプロセスおよびステップをユーザー機器710に実施させるように構成され得る。
【0059】
ネットワークデバイス720は、1つ以上のバス724を通して相互接続された、1つ以上のプロセッサ721、1つ以上のメモリ722、1つ以上のトランシーバ723、および1つ以上のネットワークインターフェース727を備え得る。1つ以上のバス724は、アドレス、データ、または制御バスであり得、例えばマザーボードまたは集積回路上の一連の線、ファイバー、光学素子、または他の光通信機器などの任意の相互接続メカニズムを含み得る。1つ以上のトランシーバ723の各々は、1つ以上のアンテナ726に接続された受信器と送信器とを備え得る。ネットワークデバイス720は、UE710に対するベースステーションとして動作し得、1つ以上のアンテナ726を通してUE710と無線により通信し得る。1つ以上のネットワークインターフェース727は有線または無線通信リンクを提供し得、この有線または無線通信リンクを通してネットワークデバイス720が他のネットワークデバイス、エンティティ、または機能と通信し得る。1つ以上のメモリ722は、コンピュータプログラムコード725を含み得る。1つ以上のメモリ722およびコンピュータプログラムコード725は、1つ以上のプロセッサ721により実行されたとき、上述のようにBS140に関連したプロセスおよびステップをネットワークデバイス720に実施させるように構成され得る。
【0060】
上述の1つ以上のプロセッサ711、721は、局所技術的ネットワークに適した任意の適切なタイプのものであり得、汎用プロセッサ、特定目的用プロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プロセッサベースのマルチコアプロセッサアーキテクチャにおける1つ以上のプロセッサ、および、専用プロセッサ、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)および特定用途向け集積回路(ASIC)に基づいて開発されたもののうちの1つ以上を含み得る。1つ以上のプロセッサ711、721は、UE/ネットワークデバイスの他の要素を制御するように、および、上述の動作を実現するためにそれらと連携して動作するように構成され得る。
【0061】
1つ以上のメモリ712、722は、例えば揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリといった様々な形態の少なくとも1つの記憶媒体を含み得る。揮発性メモリは、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)またはキャッシュを含んでもよいがこれらに限定されない。不揮発性メモリは、例えば読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、フラッシュメモリなどを含んでもよいがこれらに限定されない。更に、1つ以上のメモリ712、722は、電気的な、磁気的な、光学的な、電磁的な、赤外線による、もしくは半導体によるシステム、装置、もしくはデバイス、または上述の任意の組み合わせを含んでもよいがこれらに限定されない。
【0062】
ネットワークデバイス170は、単一のネットワークノードとして実現されてもよく、または、異なる機能分割アーキテクチャおよび異なるインターフェースを使用して、例えば中央ユニット(CU)、分散型ユニット(DU)、リモート無線ヘッドエンド(RRH)といった2つ以上のネットワークノードにわたって分離され/分散されてもよい。
【0063】
図面におけるブロックが、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを含む様々な手法により実現され得ることが理解される。幾つかの実施形態において、1つ以上のブロックは、例えば記憶媒体に記憶されたマシン実行可能命令といったソフトウェアおよび/またはファームウェアを使用して実現され得る。マシン実行可能命令に加えて、または代えて、図面におけるブロックの一部または全てが、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェアロジックコンポーネントにより実現され得る。例えば限定されないが、使用され得る例示的なタイプのハードウェアロジックコンポーネントは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(Application-Specific Standard Products)(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Devices)(CPLD)などを含む。
【0064】
幾つかの例示的な実施形態は、1つ以上のプロセッサにより実行されたとき、上述の手順をデバイスまたは装置に実施させ得るコンピュータプログラムコードまたは命令を更に提供する。例示的な実施形態のプロシージャを実行するためのコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせにより記述され得る。プログラムコードが、プロセッサまたはコントローラにより実行されたとき、フローチャートおよび/またはブロック図において指定された機能/動作が実施されることをもたらすように、コンピュータプログラムコードが、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置の1つ以上のプロセッサまたはコントローラに提供され得る。プログラムコードは、完全に機械において、部分的に機械において、独立型ソフトウェアパッケージとして、部分的に機械においておよび部分的にリモート機械において、または、完全にリモート機械またはサーバーにおいて動作し得る。
【0065】
幾つかの例示的な実施形態は、中に記憶されたコンピュータプログラムコードまたは命令を有するコンピュータプログラム製品またはコンピュータ可読媒体を更に提供する。コンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによる、または、命令実行システム、装置、またはデバイスと関連した使用のためのプログラムを含み、または記憶し得る任意の有形な媒体であり得る。機械可読媒体は、機械可読信号媒体または機械可読記憶媒体であり得る。機械可読媒体は、電子的な、磁気的な、光学的な、電磁的な、赤外線による、または半導体によるシステム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含んでもよいがこれらに限定されない。機械可読記憶媒体のより具体的な例は、1つ以上の配線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含む。
【0066】
更に、動作が特定の順序で示されているが、これは、このような動作が示されている特定の順序により、または順次的な順序により実施されること、または、望ましい結果を得るために全ての示されている動作が実施されることを必要とすると理解されてはならない。特定の状況では、マルチタスク処理および並列処理が有益であり得る。同様に、幾つかの特定の実現の詳細事項がここまでの議論に含まれているが、これらは本開示の範囲に対する限定と解釈されてはならず、むしろ、特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明と解釈されなければならない。別々の実施形態の文脈において説明されている特定の特徴が、単一の実施形態において組み合わされて実現されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される様々な特徴は、複数の実施形態において別々にまたは任意の適切な部分的組み合わせにより実現されてもよい。
【0067】
主題が構造上の特徴および/または方法のアクションに特有の表現により説明されているが、添付の特許請求の範囲において規定されている主題が上述の特定の特徴またはアクションに限定されないことが理解される。むしろ、上述の特定の特徴およびアクションは、特許請求の範囲を実現する例として開示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11