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特許7510019熱可塑性ポリマー用の難燃剤-安定剤組合せ物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】熱可塑性ポリマー用の難燃剤-安定剤組合せ物
(51)【国際特許分類】
   C09K 21/04 20060101AFI20240625BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20240625BHJP
   C08K 5/5313 20060101ALI20240625BHJP
   C08K 5/524 20060101ALI20240625BHJP
   C08K 5/3492 20060101ALI20240625BHJP
   C08K 5/52 20060101ALI20240625BHJP
   C08K 5/13 20060101ALI20240625BHJP
   C08K 5/5317 20060101ALI20240625BHJP
   C08K 5/09 20060101ALI20240625BHJP
   C08K 5/101 20060101ALI20240625BHJP
   C08L 77/00 20060101ALI20240625BHJP
   C08L 67/00 20060101ALI20240625BHJP
   C09K 21/12 20060101ALI20240625BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
C09K21/04
C08K3/013
C08K5/5313
C08K5/524
C08K5/3492
C08K5/52
C08K5/13
C08K5/5317
C08K5/09
C08K5/101
C08L77/00
C08L67/00
C09K21/12
C08L101/00
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023561312
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 EP2022060835
(87)【国際公開番号】W WO2022233619
(87)【国際公開日】2022-11-10
【審査請求日】2023-10-11
(31)【優先権主張番号】21172633.6
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596081005
【氏名又は名称】クラリアント・インターナシヨナル・リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100145333
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 弓子
(72)【発明者】
【氏名】ヘーロルト・ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ハーラルト・バウアー
(72)【発明者】
【氏名】ロイシュナー・エーファーマリーア
【審査官】堀 洋樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/236322(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110951113(CN,A)
【文献】特開2004-346325(JP,A)
【文献】特開2016-216463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00ー101/14
C08K 3/00-13/08
C09K 21/00-21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分Aとして、5重量%~95重量%の、ジエチルホスフィン酸アルミニウム(DEPAL)及び/またはジエチルホスフィン酸亜鉛(DEPZN);
成分Bとして、5重量%~95重量%の、次式(I)で表されるホスフィン酸チタン類及び/またはホスフィン酸チタニル類(DEPTI)、
【化1】
(式中、xは0~1.9の数である);
成分Cとして、0重量%~10重量%の、次式(II)及び(III)で表されるアルミニウムホスファイトまたは亜鉛ホスファイト;
[HP(=O)O2]2-Zn 2+ (II)
[HP(=O)O2]2- 3 Al 3+ 2 (III)
成分Dとして、0重量%~30重量%の、窒素含有相乗剤及び/またはリン含有及び/または窒素含有の難燃剤;
成分Eとして、0重量%~70重量%の、フィラー及び強化材;
成分Fとして、0重量%~3重量%の、有機ホスホナイト及び/または有機ホスファイト及び/またはフェノール系酸化防止剤との混合物;及び、
成分Gとして、0重量%~3重量%の、典型的にはC14~C40の鎖長を有する、長鎖脂肪族カルボン酸(脂肪酸)のエステル及び/または塩;
を含み、前記成分の合計は常に100重量%である、難燃剤-安定剤混合物。
【請求項2】
5重量%~95重量%の成分A、
5重量%~95重量%の成分B、
0重量%~10重量%の成分C、
0重量%~20重量%の成分D、
20重量%~60重量%の成分E、
0重量%~3重量%の成分F、及び
0重量%~2重量%の成分G、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物。
【請求項3】
10重量%~69重量%の成分A、
10重量%~69重量%の成分B、
1重量%~20重量%の成分C、
0重量%~30重量%の成分D、
20重量%~50重量%の成分E、
0重量%~3重量%の成分F、及び
0重量%~2重量%の成分G、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物。
【請求項4】
10重量%~67.8重量%の成分A、
10重量%~40重量%の成分B、
1重量%~10重量%の成分C、
2重量%~20重量%の成分D、
20重量%~60重量%の成分E、
0.1重量%~3重量%の成分F、及び
0.1重量%~2重量%の成分G、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物。
【請求項5】
10重量%~68.8重量%の成分A、
10重量%~40重量%の成分B、
20重量%~50重量%の成分E、
0.1重量%~3重量%の成分F、及び
0.1重量%~2重量%の成分G、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物。
【請求項6】
10重量%~68.9重量%の成分A、
10重量%~40重量%の成分B、
1重量%~30重量%の成分D、
20重量%~50重量%の成分E、及び
0.1重量%~2重量%の成分G、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の難燃剤-安定剤組合せ物。
【請求項7】
10重量%~69重量%の成分A、
10重量%~40重量%の成分B、
1重量%~20重量%の成分C、
0重量%~30重量%の成分D、及び
20重量%~50重量%の成分E、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の難燃剤-安定剤組合せ物。
【請求項8】
式(I)におけるxは1~1.05の数である
ことを特徴とする、請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物。
【請求項9】
成分Cは、亜鉛ホスファイト、2級亜鉛ホスファイト(ZnHPO3)、Zn(H2PO3)2、Zn2/3HPO3、亜鉛ホスファイト水和物、亜鉛ピロホスファイト(ZnH2P2O5)、次式の塩基性亜鉛ホスファイトZn1+xHPO3(OH)2x(xは、0~0.25)、及び/または、次式のナトリウム亜鉛ホスファイト類Zn1-xNa2xHPO4(xは、0.001~0.5)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物。
【請求項10】
成分Cは、アルミニウムホスファイト[Al(H2PO3)3]、2級アルミニウムホスファイト[Al2(HPO3)3]、塩基性アルミニウムホスファイト[Al(OH)(H2PO3)2*2aq]、アルミニウムホスファイト四水和物[Al2(HPO3)3*4aq]、アルミニウムホスホネート、Al7(HPO3)9(OH)6(ヘキサン-1,6-ジアミン)1.5*12H2O、Al2(HPO3)3*xAl2O3*nH2O(xは、2.27~1)及び/またはAl4H6P16O18を含み、及び、次式(IV)、(V)及び/または(VI)のアルミニウムホスファイト類を含み、
Al2(HPO3)3x(H2O)q (IV)
(式中、qは、0~4);
Al2.00Mz(HPO3)y(OH)vx(H2O)w (V)
(式中、
Mは、アルカリ金属イオンを表し、
zは、0.01~1.5であり、
yは、2.63~3.5であり、
vは、0~2であり、及び
wは、0~4である)
Al2.00(HPO3)u(H2PO3)tx(H2O)s (VI)
(式中、
uは、2~2.99であり、
tは、2~0.01であり、及び
sは、0~4である);
及び/または、式(IV)のアルミニウムホスファイトと難溶性アルミニウム塩及び窒素不含の外来イオンとの混合物、式(VI)のアルミニウムホスファイトとアルミニウム塩、アルミニウムホスファイト[Al(H2PO3)3]、2級アルミニウムホスファイト[Al2(HPO3)3]、塩基性アルミニウムホスファイト[Al(OH)(H2PO3)2*2aq]、アルミニウムホスファイト四水和物[Al2(HPO3)3*4aq]、アルミニウムホスホネート、Al7(HPO3)9(OH)6(ヘキサン-1、6-ジアミン)1.5*12H2O、Al2(HPO3)3*xAl2O3*nH2O(xは、2.27~1)及び/またはAl4H6P16O18との混合物を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物。
【請求項11】
成分Dは、メラミンの縮合生成物、及び/またはメラミンとポリリン酸との反応生成物、及び/またはメラミンの縮合生成物とポリリン酸との反応生成物、またはそれらの混合物;及び/またはメラミンシアヌレートを含むことを特徴とする、請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物。
【請求項12】
成分Dは、メレム、メラム、メロン、ジメラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メレムポリホスフェート、メラムポリホスフェート、メロンポリホスフェート、及び/またはそれらの混合ポリ塩を含む、請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物。
【請求項13】
クリアコート及び発泡性防炎コーティングにおける難燃剤としての、またはそれらのための難燃剤としての、木材及び他のセルロース製品のための難燃剤におけるまたは当該難燃剤としての、ポリマーのための反応性及び/または非反応性難燃剤におけるまたは当該難燃剤としての、難燃性ポリマー成形コンパウンドの製造のための、難燃性ポリマー成形体の製造のための、及び/または含浸によってポリエステル及び純セルロース布帛及び混紡セルロース布帛に難燃性を付与するための、及び/または相乗剤としての、及び/またはさらに別の難燃剤混合物における相乗剤としての、請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物の使用。
【請求項14】
2重量%~50重量%の請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物、
50重量%~98重量%の熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーまたはそれらの混合物、
0重量%~50重量%の添加剤、及び
0重量%~60重量%のフィラーまたは強化材を含み、
前記成分の合計は100重量%である、熱可塑性もしくは熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドもしくはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維。
【請求項15】
7重量%~30重量%の請求項1に記載の難燃剤-安定剤組合せ物、30重量%~92重量%の熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーまたはそれらの混合物、1重量%~30重量%の添加剤、及び、0重量%~40重量%のフィラーまたは強化材を含み、前記成分の合計は100重量%である、熱可塑性もしくは熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドもしくはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維。
【請求項16】
前記熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーは、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステルまたはポリカーボネートタイプの熱可塑性ポリマー、
並びに、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)またはPPE/HIPS(ポリフェニレンエーテル/HIポリスチレン)ポリマータイプのブレンドまたはポリマーブレンドを含むことを特徴とする、請求項14または15に記載の熱可塑性もしくは熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドもしくはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維。
【請求項17】
前記熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーは、ナイロン-6またはナイロン-6、6タイプ、半芳香族ポリアミド、及びポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、及び/またはポリエチレンテレフタレート(PET)タイプのポリエステルの熱可塑性ポリマーを含む、ことを特徴とする、請求項14または15に記載の熱可塑性もしくは熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドもしくはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維。
【請求項18】
前記添加剤は、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物破壊化合物、ポリアミド安定剤、塩基性共安定剤、核形成剤、さらに別の難燃剤及び/または他の添加剤であることを特徴とする、請求項14または15に記載の熱可塑性もしくは熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドもしくはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維。
【請求項19】
成分Eは、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、グラファイト及び/または他の適切な物質であるフィラー及び強化材を含む、ことを特徴とする、請求項14または15に記載の熱可塑性もしくは熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドもしくはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維。
【請求項20】
プラグコネクタ、電力分配装置における電流接触部品(残留電流保護)、回路基板、ポッティングコンパウンド、電源コネクタ、回路遮断器、ランプハウジング、LEDランプハウジング、コンデンサハウジング、印刷回路基板中もしくは当該基板上のコイル部品、ベンチレータ、接地接触子、プラグ;プラグ用、ケーブル用、フレキシブル回路基板用、充電用ケーブル用のハウジング、エンジンカバー、テクスタイルコーティング及び他の製品中におけるまたはこれらのための、請求項14または15に記載の熱可塑性または熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドまたはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン含有ホスフィン酸系難燃剤を使ったハロゲンフリーの熱可塑性ポリマーのための新規の難燃剤-安定剤組合せ物、及び、そのような難燃剤-安定剤組合せ物を含むポリマー性成形コンパウンド及び成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
可燃性プラスチックは、通常、プラスチック加工業者及び一部の場合には立法者から求められる高い難燃性要件を達成できるためには、難燃剤を備えていなければならない。好ましくは、環境的な理由からも、生じる煙ガスが少量である非ハロゲン化難燃剤系が使用される。
【0003】
これらの難燃剤では、アルキルホスフィン酸の塩(ホスフィン酸塩)が特に熱可塑性ポリマーに対して有効であることが、DE‐2252258A(特許文献1)及びDE‐2447727A(特許文献2)において見出されている。最初は、アルカリ金属のホスフィン酸塩及びその難燃効果が、ポリエステル成形材料(特許文献1)及びポリアミド(特許文献2)について開示されている。その後、この種の難燃剤の中で最良に適したものとして関心が注がれているものは、US‐A‐4180495(特許文献3);US‐A‐4208321(特許文献4)において、特に亜鉛塩、より最近ではEP‐A‐0699708(特許文献5);DE‐A‐19607635(特許文献6)において、カルシウム及びアルミニウムのホスフィン酸塩がある。
【0004】
加えて、WO97/39053(特許文献7)、DE‐A‐19734437(特許文献8)及びDE‐A‐19737727(特許文献9)において、ホスフィン酸塩と特定の窒素含有化合物との相乗性コンビネーションが見出されており、これらは、多くの場合においてホスフィン酸塩を単独で使用するよりも優れた難燃効果を有することが見出された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】DE‐2252258A
【文献】DE-2447727A
【文献】US-A-4180495
【文献】US‐A‐4208321
【文献】EP-A-0699708
【文献】DE-A-19607635
【文献】WO97/39053
【文献】DE-A-19734437
【文献】DE-A-19737727
【文献】EP-1479718B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ポリマー樹脂中に難燃剤を使用すると、燃焼性を大幅に低下させることができる一方で、これはポリマー樹脂が熱または炎に曝されときに煙を発生させうる。このような煙の発生は重大な損傷をもたらし、また、死に至る中毒をもたし得るので避けるべきである。ホスフィン酸塩は、特にポリアミドやポリエステルに対して非常に効果的な難燃剤であるが、ホスフィン酸塩と分子内のリン原子に結合したアルキルラジカルの気相活性により、一般に発生する煙が増加する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、ホスフィン酸チタン類及びホスフィン酸チタニル類は、ホスフィン酸アルミニウム類またはホスフィン酸亜鉛類と、及び、任意でアルミニウムホスファイトまたは亜鉛ホスファイト、及び、さらなる相乗剤及び添加剤との組合せにおいて、熱可塑性ポリマー中で特に良好な難燃効果を有し、煙ガス濃度を低く抑えることが見出された。
【0008】
ホスフィン酸チタン類及びホスフィン酸チタニル類の使用は、EP1479718B1(特許文献10)において開示されており、ホスフィン酸チタン類及びホスフィン酸チタニル類の難燃効果が特に高いことが主張されている。ガラス繊維補強PBT及びPA66において、20%DEPTI、または10%DEPTI及び10%メラミンシアヌレートでUL94のV-0クラスが達成される。煙ガス濃度および煙ガスの毒性については全く言及されていない。
【0009】
本発明は、成分Aとして、5重量%~95重量%の、ジエチルホスフィン酸アルミニウム(DEPAL)及び/またはジエチルホスフィン酸亜鉛(DEPZN);成分Bとして、5重量%~95重量%の、次式(I)で表されるホスフィン酸チタン類及び/またはホスフィン酸チタニル類(DEPTI)、
【化1】
(式中、xは0~1.9の数である);
成分Cとして、0重量%~10重量%の、次式(II)及び(III)で表されるアルミニウムホスファイトまたは亜鉛ホスファイト;
[HP(=O)O2]2-Zn2+ (II)
[HP(=O)O2]2- 3Al3+ 2 (III)
成分Dとして、0重量%~30重量%の、窒素含有相乗剤及び/またはリン含有及び/または窒素含有の難燃剤;
成分Eとして、0重量%~70重量%の、フィラー及び強化材;
成分Fとして、0重量%~3重量%の、有機ホスホナイト及び/または有機ホスファイト及び/またはフェノール系酸化防止剤との混合物;
成分Gとして、0重量%~3重量%の、典型的にはC14~C40の鎖長を有する、長鎖脂肪族カルボン酸(脂肪酸)のエステル及び/または塩;
を含み、前記成分の合計は常に100重量%である、難燃剤-安定剤混合物を提供する。
【0010】
本発明の難燃剤-安定剤組合せ物は、好ましくは、
5重量%~95重量%の成分A、
5重量%~95重量%の成分B、
0重量%~10重量%の成分C、
0重量%~20重量%の成分D、
20重量%~60重量%の成分E、
0重量%~3重量%の成分F、及び
0重量%~2重量%の成分G、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%である。
【0011】
本発明の難燃剤-安定剤組合せ物は、さらに好ましくは、
5重量%~95重量%の成分A、
5重量%~95重量%の成分B、
0重量%~10重量%の成分C、
0重量%~20重量%の成分D、
20重量%~60重量%の成分E、
0重量%~3重量%の成分F、及び
0重量%~2重量%の成分G、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%である。
【0012】
本発明の難燃剤-安定剤組合せ物は、特に、
10重量%~69重量%の成分A、
10重量%~69重量%の成分B、
1重量%~20重量%の成分C、
0重量%~30重量%の成分D、
20重量%~50重量%の成分E、
0重量%~3重量%の成分F、及び
0重量%~2重量%の成分G、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%である。
【0013】
また、本発明の難燃剤-安定剤組合せ物は、好ましくは、
10重量%~67.8重量%の成分A、
10重量%~40重量%の成分B、
1重量%~10重量%の成分C、
2重量%~20重量%の成分D、
20重量%~60重量%の成分E、
0.1重量%~3重量%の成分F、及び
0.1重量%~2重量%の成分G、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%である。
【0014】
本発明の難燃剤-安定剤組合せ物の好ましい実施態様は、
10重量%~68.8重量%の成分A、
10重量%~40重量%の成分B、
20重量%~50重量%の成分E、
0.1重量%~3重量%の成分F、及び
0.1重量%~2重量%の成分G、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%である。
【0015】
本発明の難燃剤-安定剤組合せ物の別の好ましい実施態様は、
10重量%~68.9重量%の成分A、
10重量%~40重量%の成分B、
1重量%~30重量%の成分D、
20重量%~50重量%の成分E、及び
0.1重量%~2重量%の成分G、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%である。
【0016】
本発明の難燃剤-安定剤組合せ物の別のさらに好ましい実施態様は、
10重量%~69重量%の成分A、
10重量%~40重量%の成分B、
1重量%~20重量%の成分C、
0重量%~30重量%の成分D、及び
20重量%~50重量%の成分E、
を含み、前記成分の合計は常に100重量%である。
【0017】
式(I)におけるxは、好ましくは、1~1.05の数であり、すなわちTiのジエチルホスフィン酸に対する比は1.9~2である。
【0018】
成分Cは、好ましくは、亜鉛ホスファイト、2級亜鉛ホスファイト(ZnHPO3)、Zn(H2PO3)2、Zn2/3HPO3、亜鉛ホスファイト水和物、亜鉛ピロホスファイト(ZnH2P2O5)、次式の塩基性亜鉛ホスファイトZn1+xHPO3(OH)2x(xは、0~0.25)、及び/または、次式のナトリウム亜鉛ホスファイト類Zn1-xNa2xHPO4(xは、0.001~0.5)である。
【0019】
成分Cは、より好ましくは、CAS番号14332-59-3、114332-59-3、1431544-62-5、14902-88-6、52385-12-3および51728-08-6を有する亜リン酸の亜鉛塩(本明細書では亜鉛ホスファイトとも呼ぶ)である。
【0020】
成分Cは、好ましくは、アルミニウムホスファイト[Al(H2PO3)3]、2級アルミニウムホスファイト[Al2(HPO3)3]、塩基性アルミニウムホスファイト[Al(OH)(H2PO3)2*2aq]、アルミニウムホスファイト四水和物[Al2(HPO3)3*4aq]、アルミニウムホスホネート、Al7(HPO3)9(OH)6(ヘキサン-1、6-ジアミン)1.5*12H2O、Al2(HPO3)3*xAl2O3*nH2O(xは、2.27~1)及び/またはAl4H6P16O18、及び、次式(IV)、 (V)及び/または(VI)のアルミニウムホスファイト類を含み、
Al2(HPO3)3 x (H2O)q (IV)
(式中、Qは、is 0~4);
Al2.00Mz (HPO3) y(OH)vx(H2O)w (V)
(式中、
Mは、アルカリ金属イオンを表し、
zは、0.01~1.5であり、
yは、2.63~3.5であり、
vは、0~2であり、及び
wは、0~4である);
Al2.00(HPO3)u(H2PO3)tx(H2O)s (VI)
(式中、
uは、2~2.99であり、
tは、2~0.01であり、及び
sは、0~4である);
及び/または、式(IV)のアルミニウムホスファイトと難溶性アルミニウム塩及び窒素不含の外来イオンとの混合物、式(VI)のアルミニウムホスファイトとアルミニウム塩、アルミニウムホスファイト[Al(H2PO3)3]、2級アルミニウムホスファイト[Al2(HPO3)3]、塩基性アルミニウムホスファイト[Al(OH)(H2PO3)2*2aq]、アルミニウムホスファイト四水和物[Al2(HPO3)3*4aq]、アルミニウムホスホネート、Al7(HPO3)9(OH)6(ヘキサン-1、6-ジアミン)1.5*12H2O、Al2(HPO3)3*xAl2O3*nH2O(xは、2.27~1)及び/またはAl4H6P16O18との混合物を含む。
【0021】
本発明は、クリアコート及び発泡性防炎コーティングにおける難燃剤としての、またはそれらのための難燃剤としての、木材及び他のセルロース製品のための難燃剤におけるまたは当該難燃剤としての、ポリマーのための反応性及び/または非反応性難燃剤におけるまたは当該難燃剤としての、難燃性ポリマー成形コンパウンドの製造のための、難燃性ポリマー成形体の製造のための、及び/または含浸によってポリエステル及び純セルロース布帛及び混紡セルロース布帛に難燃性を付与するための、及び/または相乗剤としての、及び/またはさらに別の難燃剤混合物における相乗剤としての、請求項1~12のいずれかに記載の難燃剤-安定剤組合せ物の使用も含む。
【0022】
本発明は、2重量%~50重量%の請求項1~9のいずれかに記載の難燃剤-安定剤組合せ物、50重量%~98重量%の熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーまたはそれらの混合物、0重量%~50重量%の添加剤、及び、0重量%~60重量%のフィラーまたは強化材を含み、前記成分の合計は100重量%である、熱可塑性もしくは熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドもしくはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維にも関する。
【0023】
本発明は、好ましくは、7重量%~30重量%の請求項1~12のいずれかに記載の難燃剤-安定剤組合せ物、30重量%~92重量%の熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーまたはそれらの混合物、1重量%~30重量%の添加剤及び0重量%~40重量%のフィラーまたは強化材を含み、前記成分の合計は100重量%である、熱可塑性もしくは熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドもしくはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維である。
【0024】
本発明は、好ましくは、請求項1~11のいずれかに記載の難燃剤混合物を含む熱可塑性もしくは熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドもしくはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維であって、前記ポリマーは、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステルまたはポリカーボネートタイプの熱可塑性ポリマー、ならびに、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)またはPPE/HIPS(ポリフェニレンエーテル/HIポリスチレン)ポリマータイプのブレンドまたはポリマーブレンドを含むことを特徴とする。
【0025】
請求項1~12のいずれかに記載の難燃剤混合物を含む熱可塑性もしくは熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドもしくはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維における前記ポリマーは、特に、ナイロン-6またはナイロン-6、6タイプ、半芳香族ポリアミド、及びポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、及び/またはポリエチレンテレフタレート(PET)タイプのポリエステルの熱可塑性ポリマーを含む、
【0026】
当該添加剤は、好ましくは、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物破壊化合物、ポリアミド安定剤、塩基性共安定剤、核形成剤、さらに別の難燃剤及び/または他の添加剤である、
【0027】
成分Eは、好ましくは、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、グラファイト及び/または他の適切な物質であるフィラー及び強化材を含む。
【0028】
請求項14~19のいずれかに記載の熱可塑性もしくは熱硬化性の難燃性ポリマー成形コンパウンドもしくはポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び/または繊維は、好ましくは、プラグコネクタ、電力分配装置における電流接触部品(残留電流保護)、回路基板、ポッティングコンパウンド、電源コネクタ、回路遮断器、ランプハウジング、LEDランプハウジング、コンデンサハウジング、印刷回路基板中もしくは当該基板上のコイル部品、ベンチレータ、接地接触子、プラグ;プラグ用、ケーブル用、フレキシブル回路基板用、充電用ケーブル用のハウジング、エンジンカバー、テクスタイルコーティング及び他の製品中においてまたはこれらのために使用される。
【0029】
好ましくは、適切な成分Cは、CAS番号119103-85-4、 220689-59-8、 56287-23-1、 156024-71-4、 71449-76-8及び15099-32-8を有するアルミニウムホスファイト類である。特に好ましくは、CAS番号[CAS 56287-23-1]のアルミニウムホスファイトである。
【0030】
好ましくは、適切な成分Cはまた、5~95重量%のAl2(HPO3)3*nH2O及び95~5重量%のAl(OH)3、より好ましくは、10~90重量%のAl2(HPO3)3*nH2O及び90~10重量%のAl(OH)3、最も好ましくは、35~65重量%のAl2(HPO3)3*nH2O及び65~35重量%のAl(OH)3の組成を有する(各々の場合においてnは、0~4である)、アルミニウムホスファイト類と水酸化アルミニウムとの混合物である。
【0031】
上記アルミニウムホスファイト類は、好ましくは、0.2~100μmの粒度を有する。
【0032】
成分Dは、好ましくは、メラミンの縮合生成物、及び/またはメラミンとポリリン酸との反応生成物、及び/またはメラミンの縮合生成物とポリリン酸との反応生成物、またはそれらの混合物;及び/またはメラミンシアヌレートを含む。
【0033】
成分Dは、さらに好ましくは、メレム、メラム、メロン、ジメラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メレムポリホスフェート、メラムポリホスフェート、メロンポリホスフェート、及び/またはそれらの混合ポリ塩を含む。
【0034】
特に好ましくは、メラミンポリホスフェート(MPPと称する)、Melapur(登録商標)200(BASF社から、D)、メラミンシアヌレート(MCと称する)、Melapur(登録商標)MC50(BASF社から、D)、メレム、Delflam(登録商標)20(英国Delamin社から)及び他の製品を、成分Dとして使用する。
【0035】
成分Eのフィラー及び強化材は、好ましくは、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ワラストナイト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、グラファイト及び/または他の適切な物質である。
【0036】
成分Eは、より好ましくは、ガラス繊維を含む。
【0037】
好適な成分Fは、例えば、ナイロン-6、6にはIrgafos(登録商標)168/Irganox(登録商標)1098の1:1の混合物、及び、PBTには、Ultranox(登録商標)626/Irganox(登録商標)1076の1:1の混合物である。
【0038】
好適な成分Gは、例えば、Clariant Produkte (Deutschland) GmbHからのLicomont(登録商標)CaV102(モンタンワックス酸のCa塩)である。
【0039】
好適な酸化防止剤の例は、アルキル化モノフェノール類、例えば2、6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール;1、2-アルキルチオメチルフェノール類、例えば2、4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール;ヒドロキノン類及びアルキル化ヒドロキノン類、例えば2、6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール;トコフェロール類、例えばα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE);ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル類、例えば2、2’-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2、2’-チオビス(4-オクチルフェノール)、4、4’-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4、4’-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4、4’-チオビス(3、6-ジ-sec-アミルフェノール)、4、4’-ビス-(2、6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド;アルキリデンビスフェノール類、例えば2、2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール);O-、N-及びS-ベンジル化合物、例えば3、5、3’、5’-テトラ-tert-ブチル-4、4’-ジヒドロキシジベンジルエーテル;ヒドロキシベンジル化マロネート類、例えばジオクタデシル-2、2-ビス(3、5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート;ヒドロキシベンジル芳香族類、例えば1、3、5-トリス-(3、5-ジ-tert-ブチル)-4-ヒドロキシベンジル)-2、4、6-トリメチルベンゼン、1、4-ビス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2、3、5、6-テトラメチルベンゼン、2、4、6-トリス-(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール;トリアジン化合物、例えば2、4-ビスオクチルメルカプト-6-(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1、3、5-トリアジン;ベンジルホスホネート類、例えばジメチル-2、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート;アシルアミノフェノール類、4-ヒドロキシラウラミド(4-hydroxylauramide)、4-ヒドロキシステアラニリド(4-hydroxystearanilide)、N-(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバミン酸オクチルエステル;β-(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールのエステル;β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールのエステル;β-(3、5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールのエステル;3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸と一価または多価アルコールのエステル;β-(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド類、例えばN、N’-ビス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N、N’-ビス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、N、N’-ビス-(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジンである。
【0040】
さらなる添加剤としての好適なUV吸収剤及び光安定剤は、例えば、2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、例えば2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-ベンゾトリアゾール;2-ヒドロキシベンゾフェノン類、例えば4-ヒドロキシ、4-メトキシ、4-オクトキシ、4-デシルオキシ、4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4、2’、4-トリヒドロキシ、2’-ヒドロキシ-4、4’-ジメトキシ誘導体;任意選択的に置換された安息香酸のエステル、例えば4-tert-ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2、4-ジ-tert-ブチルフェニル3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4、6-ジ-tert-ブチルフェニル3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート;アクリレート類、例えばエチルまたはイソプロピルα-シアノ-β、β-ジフェニルアクリレート、メチルα-カルボメトキシシンナメート、メチルまたはブチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、メチルα-カルボメトキシ-p-メトキシシンナメート、N-(β-カルボメトキシ-β-シアノビニル)-2-メチルインドリンである。
【0041】
適切なポリアミド安定剤の例は、ヨウ化物及び/またはリン化合物と組合せた銅塩、及び2価のマンガンの塩である。適切な塩基性共安定剤は、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン類、ポリアミド類、ポリウレタン類、高級脂肪酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、カテコール酸アンチモンまたはカテコール酸スズである。好適な核形成剤の例は、4-tert-ブチル安息香酸、アジピン酸、及びジフェニル酢酸である。
【0042】
好適なさらなる難燃剤は、例えば、アリールホスフェート類、有機ホスホネート類、次亜リン酸の塩及び赤燐である。
【0043】
他の添加物質の例には、可塑剤、膨張性グラファイト、乳化剤、顔料、蛍光増白剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤が含まれる。
【0044】
上記添加剤は、種々の異なるプロセス工程においてポリマーに導入し得る。例えば、ポリアミド類またはポリエステル類の場合、重合/重縮合の開始または終了時に、または後続のコンパウンディング操作において、上記添加剤をポリマー溶融物中に混合することが可能である。さらに、さらに後の段階まで添加剤を添加しない加工操作がある。これは、特に顔料又は添加剤マスターバッチを使用する場合に実践される。また、添加剤(特に粉末形態の)を、乾燥操作の結果として温かくてもよいポリマーペレットに、ドラム施用により施与することも可能である。
【0045】
前記の難燃剤-安定剤組合せ物は、好ましくは、ペレット、フレーク、細粒、粉末及び/または微粉化物の形態である。
【0046】
前記の難燃剤-安定剤組合せ物は、好ましくは、固体の物理的混合物の、溶融混合物の、圧密化物の、押出物の形態に、またはマスターバッチの形態にある。
【0047】
難燃剤-安定剤組合せ物は、好ましくは、0.1~50μmの平均粒度を有する。
【0048】
当該混合物におけるDEPALおよびDEPTiは、好ましくは50μm以下、より好ましくは25μm以下の粒径D50(体積%による、アセトン中、粒度分布測定装置Malvern Mastersizer 2000によるレーザー回折法により測定)を有する。
【0049】
本発明は、本発明の難燃剤混合物を含む熱可塑性または熱硬化性ポリマーの成形コンパウンドも提供する。
【0050】
亜鉛ホスファイトの製造は、例えば次の方法による:8763.6gの硫酸亜鉛七水和物及び736.2gの脱塩水の初期装入物に、5235.8gの亜リン酸二ナトリウム溶液(39.3%)を2時間以内に加え、次いで370gの脱塩水を加えた。得られた亜鉛ホスファイトを150℃で5時間結晶化させた。その後、スラリーを排出し、脱塩水の質量の5倍を用いて吸引フィルターで3回濾過し、フィルターケーキを乾燥キャビネット内で130℃で乾燥させた。これにより、2096gの生成物が得られる(収率97%)。亜鉛ホスファイトは、好ましくは、0.1~100μm、より好ましくは、0.1~30μmの粒度を有する。
【0051】
当該ポリマーは、より好ましくは、ポリアミド類及び/またはポリエステル類を含む。好適なポリエステル類は、ジカルボン酸及びそれらのエステル及びジオールに、及び/またはヒドロキシカルボン酸または対応するラクトン類に由来する。特に好ましくは、テレフタル酸及びエチレングリコール、プロパン-1、3-ジオール及びブタン-1、3-ジオールを使用する。
【0052】
好適なポリエステル類には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(Celanex(登録商標)2500、Celanex(登録商標)2002、Celanese社;Ultradur(登録商標)、BASF社)、ポリ-1、4-ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート類、およびヒドロキシル末端基を有するポリエーテルに由来するブロックポリエーテルエステル;及びポリカーボネートまたはMBSで変性されたポリエステルが含まれる。好適なポリスチレン類は、ポリスチレン、ポリ(p-メチルスチレン)及び/またはポリ(アルファ-メチルスチレン)である。
【0053】
当該ポリマーは、好ましくは、ジアミンおよびジカルボン酸に、及び/またはアミノカルボン酸または対応のラクタムに由来するポリアミドおよびコポリアミド、例えばナイロン-2、12、ナイロン-4、ナイロン-4、6、ナイロン-6、ナイロン-6、6、ナイロン-6、9、ナイロン-6、10、ナイロン-6、12、ナイロン-6、66、ナイロン-7、7、ナイロン-8、8、ナイロン-9、9、ナイロン-10、9、ナイロン-10、10、ナイロン-11、ナイロン-12などである。これらは、例えば、DuPont社からのNylon(登録商標)、BASF社からのUltramid(登録商標)、DSM社からのAkulon(登録商標)K122、DuPont社からのZytel(登録商標)7301、Bayer社からのDurethan(登録商標)B29、EmsChemie社からのGrillamid(登録商標)の商品名で知られている。
【0054】
他に好適なものには、m-キシレン、ジアミン及びアジピン酸に由来する芳香族ポリアミド類;ヘキサメチレンジアミン及びイソ-/またはテレフタル酸及び任意選択的に改質剤としてのエラストマーから製造されるポリアミド類、例えば、ポリ-2、4、4-トリメチルヘキサメチレン-テレフタルアミドまたはポリ-m-フェニレンイソフタルアミド、上記ポリアミドとポリオレフィン、オレフィン-コポリマー、イオノマーまたは化学的に結合またはグラフトしたエラストマーとの、またはポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマーがある。更に、EPDMもしくはABSで変性されたポリアミド類またはコポリアミド類;並びに加工中に縮合されたポリアミド類(「RIM-ポリアミド系」)もある。
【0055】
当該ポリマーは、好ましくは、熱可塑性エラストマーである。熱可塑性エラストマー(略語:TPE)は、熱可塑的に加工可能であり、ゴムの様な使用特性を有する材料である。熱可塑性エラストマーは、加工の過程でプラスチック状態を通過するので、非常に容易に成形することができる。それらは、5ショアAから70ショアD超まで全ての硬度で製造することができる。
【0056】
熱可塑性エラストマーは、部分的な領域において、物理架橋点を有し、これらは加熱によって、高分子の分解なしに、崩壊する。従って、それらは通常のエラストマーよりもはるかに良好な加工性を有する。従って、ポリマー廃棄物を、再び溶融して、さらに加工することもできる。内部構造に従って、ブロックコポリマーとエラストマーアロイとは区別される。ブロックコポリマーは、1分子内にハードおよびソフトセグメントを有する。従って、当該ポリマーは、両方の特性が分布している1つのタイプの分子からなる。
【0057】
エラストマーアロイは、ポリブレンド、すなわち、最終ポリマーの混合物(ブレンド)であり、すなわち、ポリマーは2つ以上の分子タイプからなる。種々の混合比および添加剤によって、調整された材料が得られる(例えば、ポリプロピレン(PP)および天然ゴム(NR)から形成されるポリオレフィンエラストマー-混合比に従って、それらは広い硬度範囲をカバーする)。
【0058】
以下のグループ間で区別される:
・TPE-OまたはTPO=オレフィン系熱可塑性エラストマー、主にPP/EPDM、例えばSantoprene(登録商標)(AES/Monsanto社)
・TPE-VまたはTPV=架橋オレフィン系熱可塑性エラストマー、主にPP/EPDM、例えばSarlink(登録商標)(DSM社)
・TPE-UまたはTPU=ウレタン系熱可塑性エラストマー、例えばDesmopan(登録商標)(Bayer社)
・TPE-EまたはTPC=熱可塑性コポリエステル
・TPE-SまたはTPS=スチレンブロックコポリマー(SBS、SEBS、SEPS、SEEPSおよびMBS)、例えばSepton(登録商標)(Kuraray社)またはThermolast(登録商標)(Kraiburg-TPE社)
・TPE-AまたはTPA=熱可塑性コポリアミド、例えばPEBAX(登録商標)(Arkema社)
【0059】
特に好ましい熱可塑性エラストマーは、熱可塑性コポリエステル及び熱可塑性コポリアミドである。本発明の組成物に好適なコポリエーテルエステルは、C2-C6ジオールを芳香族の二酸単位及びポリ(アルキレンオキシド)ジオールと反応させることによって調製されるポリマーである。
【0060】
特に好ましいコポリエーテルエステルは以下から選択される:
1.ブチレンジオール、テレフタレート及びPTMEGのコポリエーテルエステル;
2.ブチレンジオール、テレフタレートとイソフタレートの混合物及びPTMEGのコポリエーテルエステル;
3.ブチレンジオール、テレフタレート及びポリ(プロピレンオキシド)ジオールのコポリエーテルエステル;
4.プロピレンジオール、テレフタレート及びPTMEGのコポリエーテルエステル;及び
5.プロピレンジオール、テレフタレート及びポリ(プロピレンオキシド)ジオールのコポリエーテルエステル。
【0061】
特に好ましくは、ブチレンジオール、テレフタレートおよびPTMEGのコポリエーテルエステルである。
【0062】
本発明はまた、最後に、本発明の難燃性ポリマー成形コンパウンドを、上昇させた温度での、射出成形(例えばAarburg Allrounderタイプの射出成形機)及び圧縮、射出発泡成形、内部ガス圧射出成形、ブロー成形、フィルムキャスティング、カレンダー成形、ラミネート加工またはコーティングにより加工して、難燃性ポリマー成形体を得ることを特徴とする、難燃性ポリマー成形体の製造方法にも関する。
【0063】
本発明の組成物は、低可燃性と煙生成の低減を良好に兼備する。
【0064】
煙ガス密度は、NBS煙チャンバーにおいて、規格ISO5659に従って試験することができる。試験片は、シート状で、寸法が75mm×75mm及び厚さ2mmである。当該試験片を、チャンバー内に水平に設置し、上冷却コーンと熱流量計を介して、点火炎の存在下、上面を25kW/mの熱流に約40分間さらす。時間の経過とともに発生する煙をチャンバー内に収集し、6.5V白熱灯、光電子増倍管、高精度光検出器を含む測光システムで、煙を通過する光線の減衰を測定する。当該測定結果は、経時的な透明度として測定され、比光学密度Dsとして表される。これは透明度に反比例し、成形サンプルの厚さに対応する特定の経路長さのために記録される。煙生成は、最大比光学密度Ds,maxとして表される。試験中に発生するプラーク試験片からの各液滴が記録される。Ds,maxの値は低いことが望ましく、値が低いと、火災の際に視界の悪化の程度が抑えられ、したがって狭い空間から人員が迅速に脱出できる材料であることを示す。煙がなければ透明度は100%、Dsは0である。
【0065】
1.使用成分
熱可塑性ポリマー
ポリブチレンテレフタレート(PBT):Ultradur(登録商標)4500(BASF社)
ナイロン-6、6:Ultramid(登録商標)A27(BASF社)
ナイロン-6T/6、6:Arlen(商標)3000、(三井社)
熱可塑性コポリエステル:ポリエステルブロックセグメントとしてのポリテトラメチレンオキサイド及びポリブチレンテレフタレートを含むコポリエーテルエステルエラストマー
成分A:
ジエチルホスフィン酸アルミニウム塩(以下、DEPALと称する)
ジエチルホスフィン酸亜鉛塩(以下、DEPZNと称する)
成分B:
ジエチルホスフィン酸チタン塩(以下、DEPTIと称する)
DEPTIは、EP1479718B1に記載の通り、実施例1によりジエチルホスフィン酸およびチタンテトラブトキシドから作られる。
成分C:
アルミニウムホスファイト(以下、PHOPALと称する)、及び、上記の通り準備した亜鉛ホスファイト(以下、PHOPZNと称する)。
【0066】
成分D:
Melapur(登録商標)MC50(メラミンシアヌレート)BASF社(MCと称する)
Melapur(登録商標)200/70(メラミンポリホスフェート=MPP)BASF社(MPPと称する)
Delflam(登録商標)20(メレム)Delamin社(英国)(メレムと称する)
成分E:
PPG HP 3610 EC 10 4.5 mmポリアミド用ガラス繊維、Nippon Electric Glass社(オランダ)
PPG HP 3786 EC 10 4.5 mm PBT用ガラス繊維、Nippon Electric Glass社(オランダ)
成分F:
Irganox(登録商標)1010、ペンタエリトリトール テトラキス(3‐(3、5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、BASF社(立体障害フェノールと称する)
Irganox(登録商標)1330、3、3’、3’’、5、5’、5’’‐ヘキサ‐t‐ブチル‐a、a’、a’’‐(メシチレン‐2、4、6‐トリイル)トリ‐p‐クレゾール、BASF社(立体障害フェノールと称する)
Irganox(登録商標)245、エチレンビス(オキシエチレン)ビス(3‐(5‐tert‐ブチル‐4‐ヒドロキシ‐m‐トリル)プロピオネート)(立体障害フェノールと称する)
成分G:
潤滑剤、Licowax(登録商標)E、モンタンワックス、クラリアント社(スイス)
【0067】
2.難燃性ポリエステル及びポリアミドコンパウンドの製造、加工および試験
難燃剤成分を、表に示す配合比でポリマーペレット及び他の添加剤と、二軸スクリュー押出機(Leistritz ZSE 27/HP-44D)において、260~310℃の温度で混合した。均質化したポリマーストランドを得て、水浴で冷却してからペレット化した。
【0068】
十分に乾燥した後に、成形コンパウンドを射出成形機(Arburg 320C/KT)において260~280℃の溶融温度で試験片に加工する。上記成形コンパウンドの難燃性について、UL94V法により試験した(Underwriters Laboratories Inc. “Standard for Test for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances"、14~18ページ、 Northbrook 1998)。
【0069】
UL94垂直試験により、燃焼試験を行った。UL94の耐火分類は以下のとおりである:
V-0:残炎時間が10秒を超えない、10回接炎した場合の全残炎時間が50秒以下、燃焼滴下物無し、試験片の完全な消費無し、接炎終了後の試験片の残燼時間が30秒を超えない。
V-1:接炎終了後の残炎時間が30秒を超えない、10回接炎した際の全残炎時間が250秒以下、接炎終了後の試験片の残燼時間が60秒を超えない、他の基準はV-0と同じ。
V-2:燃焼滴下物によって綿指示材が着火する。他の基準はV-1と同じ。
分類不能(n.c.):耐火分類V-2を満たさない。
【0070】
実施例等において、5つの試験片について、10回接炎した際の残炎時間を調べた。
D 煙密度(Smoke Density)
煙ガスの光学密度を、Fire Testing Technologies社(英国)からのNBS煙チャンバーにおいて、規格ISO5659に従って測定した。射出成形によって製造された試験片(サイズ75mm×75mm、厚さ2mm)を、水平に固定し、パイロットフレームの存在下、25kW/m2で40分間照射した。煙による光ビームの減衰を光検出器で測定する。煙ガス密度は、光の減衰に反比例する。
【0071】
引張特性は、DIN-EN-ISO527-1/-2/-3に従って、Z010引張試験機(Zwick社)を用いて測定した。当該方法は、試験片の引張変形特性を調べ、一定条件下での引張強度、引張弾性率、その他の引張応力とひずみの関係を見るために行う。試験片は射出成形によって製造されることが好ましい。試験片の数は、必要な試験によって決まる。サンプル準備のために、試験片は気候調節室内において23°C/50%(相対湿度)で少なくとも16時間保管する。ポリアミド試験片やその他の吸水性の高い試験片は、密閉袋に入れて保管する必要がある。
【0072】
成形材料の流動性を、275℃/2.16 kgでメルトボリュームフローレート(MVR)を確立することによって測定した。MVR値の急激な上昇は、ポリマーの劣化を示す。
【0073】
【表1】
【0074】
表1は、特にDepAlまたはDepZnとDepTiの組合せが、10%の難燃剤添加量であっても、UL94 V-0 耐火分類を達成することを示す。さらに、DepAlとDepTiとの組合せは、煙ガス密度Dsを低くする。
【0075】
【表2】
【0076】
表2は、DepAlとDepTiとの組合せが、難燃剤添加量が15%であっても、UL 94 V-0の耐火分類を達成することを示す。MPPと組合せても、同様に難燃剤の必要量は15%のみとなる。
【0077】
【表3】
【0078】
表3は、DepAlとDepTiとの組合せは、難燃剤の添加量が10%であってもUL94 V-0耐火分類を達成することを示す。メレムと組合せても、必要な難燃剤の量は12%のみである。
【0079】
表4は、亜鉛ホスフェートとアルミニウムホスファイトの添加により、ジエチルホスフィン酸アルミニウムとジエチルホスフィン酸チタンを使用したナイロン6、6の煙ガス密度がどのように減少するかを示す。ジエチルホスフィン酸アルミニウムおよびジエチルホスフィン酸チタンをPHOPZN及び/またはPHOPALと併用した場合のみ、低い煙ガス密度とともにUL 94 V-0耐火分類の両方を達成する。
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
表5は、比較例V15及びV16を示し、これらはジエチルホスフィン酸アルミニウムとMPP及びPHOPZNをベースとする難燃剤-安定剤の組合せを使用した。
【0083】
本発明による難燃剤-安定剤混合物を使用した結果を、実施例B21~B24において示す。すべての含有量は重量%であり、難燃剤-安定剤の組合せ及び添加剤を含むポリマー成形コンパウンドに基づいている。
【0084】
表6は、熱可塑性コポリエステルにおける結果を示す。本発明のDepalとDeptiの組合せ及びホスファイトのみが、低い煙ガス密度(Ds max)と同時に高いLOIを達成することができる。
【0085】
【表6】
【0086】
実施例B21~B24により、本発明のジエチルホスフィン酸アルミニウムとジエチルホスフィン酸チタン、さらにPHOPZN及び/またはPHOPAL、そして場合によってはMPPとの混合物は、UL 94 V‐0耐火分類、低MVR(ポリマー劣化がほとんどない)及び低光学的煙ガス密度を達成することが明らかである。
【0087】
さらに、本発明による難燃剤-安定剤の組合せを有するポリアミドは、良好な溶融安定性、高い耐衝撃性及び引張強度、良好な熱劣化特性、低浸出および600V以上のCTI値を有する。