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特許7510021緑色/黄色蛍光体をポンピングする青色レーザと、赤色蛍光体をポンピングする黄色/オレンジ色スーパールミネッセントダイオードとを有する高輝度光源
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  • 特許-緑色/黄色蛍光体をポンピングする青色レーザと、赤色蛍光体をポンピングする黄色/オレンジ色スーパールミネッセントダイオードとを有する高輝度光源 図1A
  • 特許-緑色/黄色蛍光体をポンピングする青色レーザと、赤色蛍光体をポンピングする黄色/オレンジ色スーパールミネッセントダイオードとを有する高輝度光源 図1B
  • 特許-緑色/黄色蛍光体をポンピングする青色レーザと、赤色蛍光体をポンピングする黄色/オレンジ色スーパールミネッセントダイオードとを有する高輝度光源 図1C
  • 特許-緑色/黄色蛍光体をポンピングする青色レーザと、赤色蛍光体をポンピングする黄色/オレンジ色スーパールミネッセントダイオードとを有する高輝度光源 図2A
  • 特許-緑色/黄色蛍光体をポンピングする青色レーザと、赤色蛍光体をポンピングする黄色/オレンジ色スーパールミネッセントダイオードとを有する高輝度光源 図2B
  • 特許-緑色/黄色蛍光体をポンピングする青色レーザと、赤色蛍光体をポンピングする黄色/オレンジ色スーパールミネッセントダイオードとを有する高輝度光源 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】緑色/黄色蛍光体をポンピングする青色レーザと、赤色蛍光体をポンピングする黄色/オレンジ色スーパールミネッセントダイオードとを有する高輝度光源
(51)【国際特許分類】
   F21V 9/38 20180101AFI20240625BHJP
【FI】
F21V9/38
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023568036
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 EP2022060821
(87)【国際公開番号】W WO2022233618
(87)【国際公開日】2022-11-10
【審査請求日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】21171933.1
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ペータース マリヌス ペトルス ヨセフ
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0316160(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0192017(US,A1)
【文献】特表2017-530399(JP,A)
【文献】国際公開第2021/052900(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 9/38
H01S 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)複数の光源と、(ii)第1ルミネッセンス材料と、(iii)第2ルミネッセンス材料とを有する光生成システムであって、
第1光源が、青色波長範囲内に1つ以上の波長を持ち、第1重心波長λC1を持つ第1光源光を生成するよう構成され、前記第1光源が、レーザを有し、
前記第1ルミネッセンス材料が、前記第1光源光の少なくとも一部を、緑色及び/又は黄色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第1ルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、
第2光源が、黄色及び/又はオレンジ色波長範囲内に1つ以上の波長を持ち、第2重心波長λC2を持つ第2光源光を生成するよう構成され、λC2>λC1であり、前記第2光源が、スーパールミネッセントダイオードを有し、
前記第2ルミネッセンス材料が、前記第2光源光の少なくとも一部を、オレンジ色及び/又は赤色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、
動作モードにおいて、前記光生成システムが、前記第1ルミネッセンス材料光及び前記第2ルミネッセンス材料光を含むシステム光を生成するよう構成される光生成システム。
【請求項2】
青色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第3光源光を生成するよう構成された第3光源を有し、前記動作モードにおいて、前記光生成システムが、第3光源光、前記第1ルミネッセンス材料光及び前記第2ルミネッセンス材料光を含む白色システム光を生成するよう構成される請求項1に記載の光生成システム。
【請求項3】
前記第3光源が、レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有する請求項2に記載の光生成システム。
【請求項4】
前記第1ルミネッセンス材料が、A12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、ここで、Aが、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bが、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む、且つ/又は前記第1ルミネッセンス材料が、ASi11:Ce3+タイプのルミネッセンス材料を含み、ここで、Aが、La及びYのうちの1つ以上を含む請求項に記載の光生成システム。
【請求項5】
セラミック体を有し、前記セラミック体が、前記第1ルミネッセンス材料を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項6】
前記第2ルミネッセンス材料が、Mが、カルシウム及びストロンチウムのうちの1つ以上を含むMS:Eu2+、Mが、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムのうちの1つ以上を含むMSi:Eu2+、Mが、カルシウム及びストロンチウムのうちの1つ以上を含むMAlSiN:Eu2+、Mが、ストロンチウムを含むMLiAl:Eu2+、Mが、ストロンチウムを含むMLiAl:Eu2+、Mが、カルシウム及びストロンチウムのうちの1つ以上を含むMCaSiN:Ce3+、並びにMが、カルシウムを含むM(Si,Al)N:Ce3+から成るグループから選択されるルミネッセンス材料を含む請求項1乃至のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項7】
前記第1光源が、440乃至495nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第1光源光を生成するよう構成され、前記第2光源が、570乃至620nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第2光源光を生成するよう構成され、前記第1ルミネッセンス材料が、前記第1光源光の少なくとも一部を、495乃至590nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第1ルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、前記第2ルミネッセンス材料が、前記第2光源光の少なくとも一部を、610乃至665nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成される請求項1乃至のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項8】
前記第1光源が、440乃至495nmの波長範囲内に重心波長を持つ第1光源光を生成するよう構成され、前記第2光源が、570乃至620nmの波長範囲内に重心波長を持つ第2光源光を生成するよう構成され、前記第1ルミネッセンス材料が、前記第1光源光の少なくとも一部を、495乃至590nmの波長範囲内に重心波長を持つ第1ルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、前記第2ルミネッセンス材料が、前記第2光源光の少なくとも一部を、610乃至665nmの波長範囲内に重心波長を持つ第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成される請求項1乃至のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項9】
前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料のうちの1つ以上が、反射モードで動作される請求項1乃至のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項10】
前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料のうちの1つ以上が、透過モードで動作される請求項1乃至のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項11】
前記動作モードにおいて、少なくとも前記第1ルミネッセンス材料光と前記第2ルミネッセンス材料光とを組み合わせるよう構成される1つ以上の光結合要素を有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項12】
前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料が、熱伝導性支持体によって支持される請求項1乃至のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項13】
一体型光源パッケージを有し、前記一体型光源パッケージが、前記複数の光源、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料を支持するよう構成される共通支持部材を有し、前記共通支持部材が、請求項12に記載の熱伝導性支持体を有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項14】
(i)1つ以上の前記第1光源のうちの1つ以上、及び(ii)1つ以上の前記第2光源のうちの1つ以上を個別に制御し、それによって、前記システム光のスペクトルパワー分布を制御するよう構成される制御システムを有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項15】
ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される光生成デバイスであって、請求項1乃至のいずれか一項に記載の光生成システムを有する光生成デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光生成システム、及びこのような光生成システムを有する光生成デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザダイオード及び蛍光体を使用する白色光源は、当技術分野においては知られている。例えば、US2018/0316160は、ガリウム及び窒素を含有する材料をベースとしたレーザダイオード励起源と、蛍光体材料をベースとした発光源との組み合わせを使用する一体型白色電磁放射線源のためのデバイス及び方法について記載している。ガリウム及び窒素材料をベースとした、紫色、青色又は他の波長のレーザダイオード光源は、コンパクトで、高輝度、高効率の白色光源を形成するよう、黄色蛍光体などの蛍光体材料と密接に一体化され得る。蛍光体材料は、反射モード又は透過モードのいずれかで白色発光を出力するための蛍光体材料から発せられる光の生成及び品質を向上させるよう、励起面に入射する励起源からのレーザ光の電磁波を散乱させるために、励起面上に又はプレートのバルク内部にスクライブされる複数の散乱中心を具備する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
白色LED光源は、例えば約300lm/mmまでの強度を与えることができるが、静的蛍光体変換レーザ白色光源は、約20.000lm/mmまでの強度さえ与えることができる。Ceドープガーネット(例えば、YAG、LuAG)は、ガーネット母材が非常に高い化学的安定性を有するので、青色レーザ光でポンピングする(pump)ために使用されることができる最も適切なルミネッセンス変換器であり得る。更に、(例えば、0.5%未満の)低いCe濃度では、温度消光は、約200℃超でしか生じない可能性がある。更に、Ceからの発光は、非常に速い減衰時間を持ち、故に、光飽和の発生が本質的に防止されることができる。例えば反射モード動作と仮定すると、青色レーザ光が、蛍光体に入射する可能性がある。これは、実施形態においては、変換光の発光をもたらす、青色光のほぼ完全な変換を実現する可能性がある。相対的に高い安定性及び熱伝導率を備えるガーネット蛍光体の使用が提案されるのは、この理由のためである。しかしながら、他の蛍光体も適用され得る。極めて高い出力密度が使用される場合、熱管理は依然として課題であり得る。
【0004】
高輝度光源は、投影、ステージ照明、スポット照明、自動車用照明などの用途において使用されることができる。この目的のために、レーザがレーザ光を供給し、例えば(遠隔)蛍光体がレーザ光を変換光に変換するレーザ・蛍光体技術が使用され得る。前記蛍光体は、実施形態においては、熱管理の改善のために、従って、より高い輝度のために、ヒートシンク上に配設されてもよく、又はヒートシンクに挿入されてもよい。
【0005】
高強度光生成デバイス、及び/又は光生成デバイスが、光生成デバイスによって生成される光の制御可能なスペクトルパワー分布を有することが望まれている。更に、発熱を低減させることが望まれている。
【0006】
完全にレーザベースのソリューションは、望ましい演色評価数(CRI)よりも低い可能性がある演色評価数(CRI)を持つスペクトルパワー分布をもたらし得る。更に、レーザ・ルミネッセンス材料ベースのソリューションは、相対的に大きなストークスシフトを持つルミネッセンス材料の使用につながり、従って、相対的に大きな発熱をもたらす可能性がある。更に、全ての波長のレーザが高い強度(及び/又は効率)で利用可能であるとは限らない。
【0007】
従って、代替光生成システムを提供することが、本発明の或る態様であり、前記代替光生成システムは、好ましくは、更に、上記の不利な点のうちの1つ以上を少なくとも部分的に取り除く。本発明は、従来技術の不利な点のうちの少なくとも1つを解消若しくは改善すること、又は有用な代替手段を提供することを目的とし得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1態様においては、(i)複数の光源と、(ii)第1ルミネッセンス材料と、(iii)第2ルミネッセンス材料とを有する光生成システム(「システム」)を提供する。特に、実施形態においては、(前記複数の光源のうちの)第1光源は、特に青色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ、第1光源光を生成するよう構成されてもよい。更に、前記第1光源光は、第1重心波長(λC1)を有してもよい。特に、実施形態においては、前記第1光源は、レーザを有してもよい。更に、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第1光源光の少なくとも一部を、特に更なる実施形態においては緑色及び/又は黄色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ、第1ルミネッセンス材料光に変換するよう構成されてもよい。特に、実施形態においては、(前記複数の光源のうちの)第2光源は、特に黄色及び/又はオレンジ色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ、第2光源光を生成するよう構成されてもよい。更に、前記第2光源光は、第2重心波長(λC2)を有してもよい。特に、実施形態においては、λC2>λC1である。更に、実施形態においては、前記第2光源は、スーパールミネッセントダイオードを有してもよい。更に、実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2光源光の少なくとも一部を、特に更なる実施形態においてはオレンジ色及び/又は赤色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ、第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成されてもよい。更に、実施形態においては、(前記前記光生成システムの)動作モードにおいて、前記光生成システムは、前記第1ルミネッセンス材料光及び前記第2ルミネッセンス材料光を含むシステム光を生成するよう構成されてもよい。従って、実施形態においては、本発明は、(i)複数の光源と、(ii)第1ルミネッセンス材料と、(iii)第2ルミネッセンス材料とを有する光生成システムであって、(a)第1光源が、青色波長範囲内に1つ以上の波長を持ち、第1重心波長(λC1)を持つ第1光源光を生成するよう構成され、前記第1光源が、レーザであり、(b)前記第1ルミネッセンス材料が、前記第1光源光の少なくとも一部を、緑色及び/又は黄色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第1ルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、(c)第2光源が、黄色及び/又はオレンジ色波長範囲内に1つ以上の波長を持ち、第2重心波長(λC2)を持つ第2光源光を生成するよう構成され、λC2>λC1であり、前記第2光源が、スーパールミネッセントダイオードであり、(d)前記第2ルミネッセンス材料が、前記第2光源光の少なくとも一部を、オレンジ色及び/又は赤色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、(e)動作モードにおいて、前記光生成システムが、前記第1ルミネッセンス材料光及び前記第2ルミネッセンス材料光を含むシステム光を生成するよう構成される光生成システムを提供する。
【0009】
このようなシステムでは、相対的に高い強度を持つ白色光を供給することが可能であり得る。更に、制御可能なカラーポイント、及び/又は制御可能な相関色温度(CCT)、及び/又は制御可能な演色評価数(CRI)を有する(白色)光が供給され得る。更に、このようなシステムによる熱管理は、例えば単一の青色ポンプ光源による熱管理より優れている可能性がある。更に、相対的に高い強度を持つ光を供給することができる可能性がある相対的に小さなデバイスが提供され得る。
【0010】
上記のように、前記光生成システムは、複数の光源を有する。「光源」という用語は、2乃至200個の(固体)LED光源などの複数の光源に関することもある。従って、LEDという用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態においては、所謂チップオンボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCBのような基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。従って、複数の光半導体光源が同じ基板上に構成されてもよい。実施形態においては、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0011】
前記光源は、光脱出面(light escape surface)を有する。電球又は蛍光灯のような従来の光源に関しては、前記光脱出面は、ガラス又は石英のエンベロープの外面であり得る。LEDの場合は、前記光脱出面は、例えば前記LEDダイであり得る、又は前記LEDダイに樹脂が塗布される場合、前記樹脂の外面であり得る。原理上、前記光脱出面は、ファイバの終端である可能性もある。脱出面という用語は、特に、前記光源の、光が実際に前記光源から出る又は脱出する部分に関する。前記光源は、光ビームを供給するよう構成される。(従って)前記光源の光出射面からこの光ビームが脱出する。
【0012】
「光源」という用語は、発光ダイオード(LED)、共振空洞発光ダイオード(RCLED)、垂直キャビティレーザダイオード(VCSEL)、端面発光レーザなどのような半導体発光デバイスを指し得る。「光源」という用語は、パッシブマトリクス(PMOLED)又はアクティブマトリクス(AMOLED)などの有機発光ダイオードを指すこともある。特定の実施形態においては、前記光源は、(LED又はレーザダイオードなどの)固体光源を有する。実施形態においては、前記光源は、LED(発光ダイオード)を有する。LEDという用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態においては、所謂チップオンボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCBのような基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。従って、複数の半導体光源が同じ基板上に構成されてもよい。実施形態においては、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0013】
「光源」という用語は、2乃至2000個の固体光源などの複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関することもある。実施形態においては、前記光源は、LEDなどの単一の固体光源の下流に、又は複数の固体光源の下流に(即ち、例えば複数のLEDによって共有される)、1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を有してもよい。実施形態においては、前記光源は、オンチップ光学系を備えるLEDを有してもよい。実施形態においては、前記光源は、(実施形態においては、オンチップビームステアリングを提供する)(光学系を備える又は備えない)ピクセル化された単一のLEDを有する。
【0014】
「レーザ光源」という用語は、特にレーザを指す。このようなレーザは、特に、UV、可視、又は赤外において1つ以上の波長を有する、特に、300乃至1500nmなどの、200乃至2000nmのスペクトル波長範囲から選択される波長を有するレーザ光源光を生成するよう構成されて得る。「レーザ」という用語は、特に、電磁放射線の誘導放出に基づく光増幅のプロセスを通して光を発するデバイスを指す。
【0015】
特に、実施形態においては、「レーザ」という用語は、固体レーザを指し得る。特定の実施形態においては、「レーザ」若しくは「レーザ光源」という用語、又は同様の用語は、レーザダイオード(又はダイオードレーザ)を指す。
【0016】
従って、実施形態においては、前記光源は、レーザ光源を有する。実施形態においては、「レーザ」又は「固体レーザ」という用語は、セリウムドープリチウムストロンチウム(又はカルシウム)フッ化アルミニウム(Ce:LiSAF、Ce:LiCAF)、クロムドープクリソベリル(アレキサンドライト)レーザ、クロムZnSe(Cr:ZnSe)レーザ、二価サマリウムドープフッ化カルシウム(Sm:CaF)レーザ、Er:YAGレーザ、エルビウムドープ及びエルビウムイッテルビウムコドープガラスレーザ、F-センターレーザ、ホルミウム(Ho:YAG)レーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、ネオジウムドープイットリウムカルシウムオキソボレートNd:YCaO(BO又はNd:YCOB、ネオジウムドープオルトバナジウム酸イットリウム(Nd:YVO)レーザ、ネオジウムガラス(Nd:ガラス)レーザ、ネオジウムYLF(Nd:YLF)固体レーザ、プロメチウム147ドープリン酸ガラス(147Pm3+:ガラス)固体レーザ、ルビーレーザ(Al:Cr3+)、ツリウムYAG(Tm:YAG)レーザ、チタンサファイア(Ti:サファイア;Al:Ti3+)レーザ、三価ウランドープフッ化カルシウム(U:CaF)固体レーザ、イッテルビウムドープガラスレーザ(ロッド、プレート/チップ及びファイバ)、イッテルビウムYAG(Yb:YAG)レーザ、Yb(ガラス又はセラミックス)レーザなどのうちの1つ以上を指し得る。
【0017】
実施形態においては、「レーザ」又は「固体レーザ」という用語は、GaN、InGaN、AlGaInP、AlGaAs、InGaAsP、鉛塩、垂直共振器面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser)(VCSEL)、量子カスケードレーザ、ハイブリッドシリコンレーザなどの半導体レーザダイオードのうちの1つ以上を指し得る。
【0018】
レーザは、より短い(レーザ)波長に達するために、アップコンバータ(upconverter)と組み合わされてもよい。例えば、何らかの(三価)希土類イオンで、アップコンバージョン(upconversion)が達成され得る、又は非線形結晶で、アップコンバージョンが達成され得る。他の例においては、色素レーザなどのレーザは、より長い(レーザ)波長に達するために、ダウンコンバータ(downconverter)と組み合わされ得る。
【0019】
以下から導き出され得るように、「レーザ光源」という用語は、複数の(異なる又は同一の)レーザ光源を指すこともある。特定の実施形態においては、「レーザ光源」という用語は、複数のN個の(同一の)レーザ光源を指し得る。実施形態においては、N=2以上である。特定の実施形態においては、Nは、特に少なくとも8などの、少なくとも5であり得る。このやり方においては、より高い輝度が得られ得る。実施形態においては、レーザ光源は、レーザバンク(laser bank)内に配設されてもよい(上記も参照)。前記レーザバンクは、実施形態においては、ヒートシンク、及び/又は光学系、例えば、レーザ光をコリメートするためのレンズを含んでもよい。
【0020】
前記レーザ光源は、レーザ光源光(又は「レーザ光」)を生成するよう構成される。前記光源光は、本質的に、前記レーザ光源光から成っていてもよい。前記光源光は、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源のレーザ光源光を有することもある。例えば、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源の前記レーザ光源光を有する単一の光ビームを供給するために、前記2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源の前記レーザ光源光が、光ガイドに結合されてもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源光は、特に、コリメート光源光である。更に他の実施形態においては、前記光源光は、特に、(コリメート)レーザ光源光である。「異なる光源」又は「複数の異なる光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、少なくとも2つの異なるビン(bin)から選択される複数の固体光源を指し得る。同様に、「同一の光源」又は「複数の同じ光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、同じビンから選択される複数の固体光源を指し得る。
【0021】
前記光源は、特に、光軸(O)、(ビーム形状、)及びスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するよう構成される。前記光源光は、実施形態においては、レーザについて知られているような帯域幅を有する、1つ以上の帯域を有し得る。特定の実施形態においては、前記帯域は、10nm以下などの、室温(RT)において20nm未満の範囲内の半値全幅(full width half maximum)(FWHM)を有するものなどの、相対的にシャープな(sharp)線であってもよい。従って、前記光源光は、1つ以上の(狭)帯域を含み得るスペクトルパワー分布(波長の関数としての、エネルギ尺度における強度)を有する。
【0022】
(光源光の)ビームは、(レーザ)光源光の、集束又はコリメートビームであってもよい。「集束」という用語は、特に、小さいスポットに収束していることを指し得る。この小さいスポットは、個別の変換器領域(discrete converter region)にあってもよく、又は前記個別の変換器領域の(わずかに)上流若しくは前記個別の変換器領域の(わずかに)下流にあってもよい。特に、集束及び/又はコリメーションは、(側面における)前記個別の変換器領域における前記ビームの(前記光軸に対して垂直な)断面形状が、(前記光源光が前記個別の変換器領域を照射する場所での)前記個別の変換器領域の(前記光軸に対して垂直な)断面形状よりも、本質的に大きくはないようなものであり得る。集束は、(集束)レンズのような1つ以上の光学系で実行され得る。特に、前記レーザ光源光を集束させるために、2つのレンズが適用されてもよい。コリメーションは、レンズ及び/又は放物面鏡などの、コリメーション要素のような1つ以上の(他の)光学系で実行され得る。実施形態においては、(レーザ)光源光のビームは、実施形態において、≦2°(FWHM)、より特に≦1°(FWHM)、最も特に≦0.5°(FWHM)のような、相対的に高度なコリメートをされてもよい。従って、≦2°(FWHM)は、(高度に)コリメートされた光源光とみなされ得る。(高度な)コリメーションを提供するために、光学系が使用されてもよい(上記も参照)。
【0023】
スーパールミネッセントダイオードは、当技術分野においては知られている。スーパールミネッセントダイオードは、レーザダイオード並みの明るさを持ちながら、LEDのように広域スペクトルの低コヒーレンス光を発することができる可能性がある半導体デバイスと示され得る。US2020192017は、例えば、「現在の技術では、単一のSLEDは、十分なスペクトル平坦性及び十分な出力で、800乃至900nmの波長範囲において、例えば最大で50乃至70nmの帯域幅にわたって発光することが可能である」ことを示している。ディスプレイ用途のために使用される可視範囲、即ち、450乃至650nmの波長範囲においては、単一のSLEDは、現在の技術では、最大で10乃至30nmの帯域幅にわたって発光することが可能である。これらの発光帯域幅は、赤色(640nm)、緑色(520nm)及び青色(450nm)、即ち、RGBの発光を必要とするディスプレイ又はプロジェクタ用途のためには小さすぎる。更に、スーパールミネッセントダイオードは、とりわけ、著者が、Szymon Stanczyk、Anna Kafar、Dario Schiavon、Stephen Najda、Thomas Slight、Piotr Perlinであり、書籍編集者が、Fabrizio Roccaforte、Mike Leszczynskiである、2020年8月3日に初めて出版された「Edge Emitting Laser Diodes and Superluminescent Diodes」 https://doi.org/10.1002/9783527825264.ch9の第9.3章 superluminescent diodesに記載されている。この書籍、特に第9.3章は、参照により本明細書に盛り込まれる。前記書籍においては、とりわけ、スーパールミネッセントダイオード(SLD)は、レーザダイオードの特徴と発光ダイオードの特徴とを兼ね備える放射体(emitter)であることが示されている。SLD放射体は誘導放出を利用する。このことは、これらのデバイスがレーザダイオードの電流密度と同様の電流密度で動作することを意味する。LDとSLDとの主な違いは、後者の場合には、定在波の形成及びレーザ発振を防止する特別なやり方でデバイス導波路を設計することである。それでも、導波路の存在は、光の高い空間コヒーレンスを持つ高品質の光ビームの放射を保証するが、前記光は、同時に、低い時間コヒーレンスを特徴とする。現在、窒化物SLDの最も成功した設計は、曲がった、湾曲した、又は傾斜した導波路形状(waveguide geometry)、及び傾斜したファセット形状(facet geometry)である一方で、全ての場合において、図9.10において示されているように、前記導波路の前端部が、デバイスファセットと傾斜して接する。傾斜した前記導波路は、前記ファセットから前記導波路への光を、デバイスチップの損失の多い非ポンピング領域(unpumped area)へと外部に向けることによって、前記光の反射を抑制する。従って、SLDは、特に、自然放出光がデバイスの活性領域における誘導放出によって増幅される半導体光源であり得る。このような発光は、「スーパールミネッセンス」と呼ばれる。スーパールミネッセントダイオードは、レーザダイオードの高い出力及び輝度と、従来の発光ダイオードの低いコヒーレンスを兼ね備える。光源の低い(時間的)コヒーレンスには、スペックルが、大幅に低減される又は見えないという利点があり、発光のスペクトル分布は、レーザダイオードに比べてはるかに広く、このことは、照明用途により適している可能性がある。
【0024】
前記システムは、少なくとも1つの第1光源と、少なくとも1つの第2光源とを有してもよい。「第1光源」という用語は、1つ以上の第1光源を指すことがある。「第2光源」という用語は、1つ以上の第2光源を指すことがある。前記第1光源と前記第2光源との間の違いは、特に、スペクトルパワー分布であり得る。前者は、主に青色においてスペクトルパワー分布を有する可能性があり、後者は、主に黄色及び/又はオレンジ色においてスペクトルパワー分布を有する可能性がある。
【0025】
「紫色光」又は「紫色発光」という用語は、特に、約380乃至440nmの範囲内に波長を有する光に関する。「青色光」又は「青色発光」という用語は、特に、(幾らか紫色及びシアンの色相を含む)約440乃至495nmの範囲内に波長を有する光に関する。「緑色光」又は「緑色発光」という用語は、特に、約495乃至570nmの範囲内に波長を有する光に関する。「黄色光」又は「黄色発光」という用語は、特に、約570至590nmの範囲内に波長を有する光に関する。「オレンジ色光」又は「オレンジ色発光」という用語は、特に、約590乃至620nmの範囲内に波長を有する光に関する。「赤色光」又は「赤色発光」という用語は、特に、約620乃至780nmの範囲内に波長を有する光に関する。「ピンク色光」又は「ピンク色発光」という用語は、青色成分と赤色成分とを有する光を指す。「シアン」という用語は、約490乃至520nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指すことがある。「琥珀色」という用語は、約590乃至600nmなどの、約585乃至605nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指すことがある。
【0026】
「波長範囲内に1つ以上の波長を持つ光」という語句、及び同様の語句は、特に、示されている前記光(又は放射線)が、示されている前記波長範囲内のこれらの1つ以上の波長において少なくとも1つ以上の強度を持つスペクトルパワー分布を有することを示し得る。例えば、青色発光固体光源は、440乃至495nmの波長範囲内の1つ以上の波長において強度を持つスペクトルパワー分布を有する。特に、440乃至495nmの波長範囲内の1つ以上の波長において強度を持つスペクトルパワー分布を有する青色発光固体光源は、このような波長範囲(即ち、440乃至495nmの波長範囲)内に(スペクトルパワー分布の)重心波長を持ち得る。同様に、このことは、同様の語句に同様に当てはまり得る。
【0027】
本明細書においては、「光」という用語が可視光のみを指すことが文脈から明らかな場合を除き、「光」及び「放射線」という用語は交換可能に使用される。従って、「光」及び「放射線」という用語は、UV放射線、可視光、及びIR放射線を指すことがある。特に照明用途のための、特定の実施形態においては、「光」及び「放射線」という用語は、可視光を指す。
【0028】
従って、実施形態においては、前記第1光源は、440乃至495nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持ち、特に、この波長範囲内に(第1)重心波長及び/又はピーク波長を持つ光を生成するよう構成されてもよい。例えば、実施形態においては、前記第1光源は、440乃至495nmの波長範囲から選択される重心波長を持つ光を生成するように構成されてもよい。従って、実施形態においては、前記第1重心波長は、青色波長範囲から選択されてもよい。
【0029】
更に、実施形態においては、前記第2光源は、570乃至620nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持ち、特に、この波長範囲内に(第2)重心波長及び/又はピーク波長を持つ光を生成するよう構成されてもよい。例えば、実施形態においては、前記第2光源は、570乃至620nmの波長範囲から選択される重心波長を持つ光を生成するように構成されてもよい。従って、実施形態においては、前記第2重心波長は、黄色及び/又はオレンジ色波長範囲から選択されてもよい。570乃至620nmの波長範囲は、本明細書においては、黄色及び/又はオレンジ色波長範囲と示される。
【0030】
従って、前記第1光(のスペクトルパワー分布)のピーク波長は、前記第2光(のスペクトルパワー分布)のピーク波長よりも小さい値を有してもよい。その代わりに、又は加えて、前記第1光の重心波長は、前記第2光の重心波長よりも小さい値を有してもよい。
【0031】
λcとも示される「重心波長」という用語は、当技術分野において知られており、光エネルギの半分がより短い波長にあり、光エネルギの半分がより長い波長にある波長値を指し、値はナノメートル(nm)単位で示される。それは、式λc=Σλ*I(λ)/(ΣI(λ)によって表されるような、スペクトルパワー分布の積分を2等分に分ける波長であり、総和は、関心のある波長範囲にわたるものであり、I(λ)は、スペクトルエネルギ密度である(即ち、積分強度に正規化された発光帯域にわたる波長及び強度の積の積分である)。前記重心波長は、例えば、動作条件において決定されてもよい。
【0032】
更に、高い強度及び/又は効率のレーザは、黄色及び/又はオレンジ色波長範囲内よりも青色波長範囲内にたくさんある可能性があるようであるに対して、SLDは、黄色及び/又はオレンジ色波長範囲内で利用可能である可能性もあるようである。従って、本明細書においては、実施形態において、(i)青色ポンプレーザと、(ii)黄色及び/又はオレンジ色SLDを使用することが提案されている。
【0033】
従って、実施形態においては、前記第1光源は、青色波長範囲(440乃至495nm)内に1つ以上の波長を持ち、第1重心波長(λC1)を持つ第1光源光を生成するよう構成されてもよい。特に、実施形態においては、前記第1光源は、レーザを有する。より特に、実施形態においては、前記第1光源は、(随意に光学系を含む)レーザである。従って、特に、前記第1光源光は、レーザ光を有し、より特に、前記第1光源光は、レーザ光であってもよい。
【0034】
「特定の波長範囲内に1つ以上の波長を持つ」という語句、及び(「青色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ」などの)同様の語句は、必ずしも、前記特定の波長範囲の外部の波長においても強度が見つけられ得ることを含むとは限らない。例えば、緑色/黄色ルミネッセンス材料(下記も参照)は、実施形態においては、例えば、オレンジ色波長範囲内にも強度を有することがある。しかしながら、この表示は、特に、前記特定の波長範囲内にこれらの1つ以上の波長を持つ光は、その波長範囲に関連する色も有する可能性があることを示し得る。従って、例えば、前記特定の波長範囲内に1つ以上の波長を持つ前記光の重心波長は、その特定の波長範囲内にある可能性がある。
【0035】
特に、前記第1光源は、緑色及び/又は黄色発光ルミネッセンス材料をポンピングするために使用されてもよい。このことは、(第1)ポンプ波長と(第1)発光波長との間の相対的に小さな(ストークス)波長差を供給する可能性がある。従って、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第1光源光の少なくとも一部を、緑色及び/又は黄色波長範囲(495乃至590nm)内に1つ以上の波長を持つ第1ルミネッセンス材料光に変換するよう構成されてもよい。更に、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第1光源光の少なくとも一部を、緑色及び/又は黄色波長範囲内にピーク波長を持つ第1ルミネッセンス材料光に変換するよう構成されてもよい。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第1光源光の少なくとも一部を、緑色及び/又は黄色波長範囲内に重心波長(λCL1)を持つ第1ルミネッセンス材料光に変換するよう構成されてもよい。
【0036】
従って、同様に、実施形態においては、前記第2光源は、黄色及び/又はオレンジ色波長範囲内に1つ以上の波長を持ち、第2重心波長(λC2)を持つ第2光源光を生成するよう構成されてもよい。特に、実施形態においては、λC2>λC1である。例えば、実施形態においては、λC2-λC1≧75nmであり、更により特には、λC2-λC1≧100nmである。従って、特定の実施形態においては、特に90nm≦λC2-λC1≦150nmなどの、75nm≦λC2-λC1≦180nmである。特に、実施形態においては、前記第2光源は、スーパールミネッセントダイオードを有する。より特に、実施形態においては、前記第2光源は、(随意に光学系を含む)スーパールミネッセントダイオードである。従って、特に、前記第2光源光は、スーパールミネッセントダイオード光を有し、より特に、前記第2光源光は、スーパールミネッセントダイオード光である。
【0037】
特に、前記第2光源は、オレンジ色及び/又は赤色発光ルミネッセンス材料をポンピングするために使用されてもよい。このことは、(第2)ポンプ波長と(第2)発光波長との間の相対的に小さな(ストークス)波長差を供給する可能性がある。従って、実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2光源光の少なくとも一部を、オレンジ色及び/又は赤色波長範囲(590乃至780nm、特に590乃至665nm)内に1つ以上の波長を持つ第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成されてもよい。
【0038】
更に、実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2光源光の少なくとも一部を、オレンジ色及び/又は赤色波長範囲内にピーク波長を持つ第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成されてもよい。その代わりに、又は加えて、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2光源光の少なくとも一部を、オレンジ色及び/又は赤色波長範囲内に重心波長を持つ第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成されてもよい。
【0039】
実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第1光源の下流に構成される。特に、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第2光源及び/又は前記第2ルミネッセンス材料の下流には構成されない。実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2光源の下流に構成される。特に、実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第1光源及び/又は前記第1ルミネッセンス材料の下流には構成されない。
【0040】
「上流」及び「下流」という用語は、光生成手段(ここでは、特に、前記光源)からの光の伝搬に対するアイテム又は特徴の配置に関し、前記光生成手段からの光ビーム内の第1位置に対して、前記光生成手段により近い前記光ビーム内の第2位置は「上流」であり、前記光生成手段からより遠く離れた前記光ビーム内の第3位置は「下流」である。
【0041】
「放射結合される」又は「光学的に結合される」という用語は、特に、(i)光源などの光生成要素と、(ii)別のアイテム又は材料とが、前記光生成要素によって発せられる放射線の少なくとも一部が前記アイテム又は材料によって受け取られるように、互いに関連付けられることを意味し得る。換言すれば、前記アイテム又は材料は、前記光生成要素と受光関係にあるよう構成される。前記光生成要素の前記放射線の少なくとも一部は、前記アイテム又は材料によって受け取られる。これは、実施形態においては、前記光生成要素(の発光面)と物理的に接触している前記アイテム又は材料のような、直接的なものであってもよい。これは、実施形態においては、空気、気体、又は液体若しくは固体導光材料のような媒体を介するものであってもよい。実施形態においては、レンズ、反射器、光学フィルタのような1つ以上の光学系も、光生成要素とアイテム又は材料との間の光路内に構成されてもよい。
【0042】
前記第1ルミネッセンス材料光及び前記第2ルミネッセンス材料光は、実施形態においては、(前記光生成システムの動作モードにおいて)同時に生成されてもよい。従って、前記システムは、動作モードにおいて、前記第1ルミネッセンス材料光と前記第2ルミネッセンス材料光との両方を含むシステム光を供給してもよい。更に、前記システム光は、変換されなかった第1光源光、変換されなかった第2光源光、第3光源の光源光、更なるルミネッセンス材料のルミネッセンス材料光などのうちの1つ以上を含んでもよい。従って、実施形態においては、動作モードにおいて、前記光生成システムは、前記第1ルミネッセンス材料光及び前記第2ルミネッセンス材料光を含むシステム光を生成するよう構成される。
【0043】
特に、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料は、(従って、)異なるルミネッセンス材料である。(従って、)前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料のルミネッセンス材料光は、異なるスペクトルパワー分布(即ち、特に、それぞれ、緑色及び/又は黄色、並びにオレンジ色及び/又は赤色)を有し得る。
【0044】
上記のように、実施形態においては、前記システム光は、変換されなかった第1光源光を含んでもよい。このことは、実施形態においては、変換されなかった第1光源光に基づく青色成分も含むシステム光をもたらし得る。これは、基本的に、2つのやり方で達成され得る。第1のやり方においては、前記第1光源光の少なくとも一部が、前記ルミネッセンス材料を迂回し、最終的に、変換されなかった第1光として前記システム光になる。これは、例えば、光源の光が、2つ(以上)の部分に分けられ、第1部分が、前記第1ルミネッセンス材料に案内され、第2部分が、前記ルミネッセンス材料に案内されず、これらの材料を迂回する場合であり得る。その代わりに、又は加えて、これは、例えば、1つ以上の第1光源が、前記第1ルミネッセンス材料を照らすために使用され、1つ以上の他の第1光源が、(動作モードにおいて)前記システム光のための光の供給源として使用され、前記1つ以上の他の第1光源の光が、前記ルミネッセンス材料を迂回する場合であり得る。従って、実施形態においては、前記システム光は、第1光源光を含んでもよい。それ故、特定の実施形態においては、動作モードにおいて、前記光生成システムは、前記第1ルミネッセンス材料光、前記第2ルミネッセンス材料光及び前記第1光源光を含むシステム光を生成するよう構成される。このような実施形態においては、全ての第1光源が、例えば、同じビン(bin)のものであってもよく、同じスペクトルパワー分布を持つ光が、前記第1ルミネッセンス材料を励起するために、及び前記システム光における青色成分として使用される。更に、より特定の実施形態においては、動作モードにおいて、前記光生成システムは、前記第1ルミネッセンス材料光、前記第2ルミネッセンス材料光及び第1光源光を含む白色システム光を生成するよう構成される。随意に、前記システム光は、(変換されなかった)第2光源光も含んでもよい。
【0045】
その代わりに、又は加えて、第2のやり方においては、前記第1システム光は、(青色)光の別個の供給源を使用することによって青色光を含んでもよい。このような光の別個の供給源が、前記第1光源と同一である場合、これらは、第1光源と示される。しかしながら、前記光の別個の供給源が、タイプ、ビン及び/又はスペクトルパワー分布の点で異なる場合、これらは、第3光源と示されることがある。このことは、前記第1ルミネッセンス材料を励起するのに特に適した前記第1光のスペクトルパワー分布を持つ第1光源を選択すること、並びに/又は例えば、効率、有効性、CRI、CCT及び色域などの点で、望ましいスペクトルパワー分布に特に適した前記第3光のスペクトルパワー分布を持つ第3光源を選択することが可能にし得る。
【0046】
従って、実施形態においては、前記システムは、青色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第3光源光を生成するよう構成される第3光源を有してもよい。従って、実施形態においては、前記第3光源は、440乃至495nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持ち、特に、この波長範囲内に(第3)重心波長及び/又はピーク波長を持つ光を生成するよう構成されてもよい。例えば、実施形態においては、前記第3光源は、440乃至495nmの波長範囲から選択される重心波長を持つ光を生成するように構成されてもよい。従って、実施形態においては、前記第3重心波長は、青色波長範囲から選択されてもよい。特に、前記第3光は、前記第1重心波長(λC1)とは異なる、第3重心波長(λC3)を有してもよい。例えば、実施形態においては15nm≦|λC3-λC1|≦40nmのような、実施形態においては10nm≦|λC3-λC1|≦40nmなどの、実施形態においては2nm≦|λC3-λC1|≦55nmである。しかしながら、前記第1重心波長と前記第2重心波長とが、0nm≦|λC3-λC1|≦2nmのように、本質的に同じであることもある。
【0047】
それ故、特定の実施形態においては、動作モードにおいて、前記光生成システムは、前記第1ルミネッセンス材料光、前記第2ルミネッセンス材料光及び第3光源光を含むシステム光を生成するよう構成されてもよい。このような実施形態においては、前記第1光源と前記第3光源とが、例えば、異なるビンのものであってもよく、異なるスペクトルパワー分布を持つ光が、それぞれ、前記第1ルミネッセンス材料を励起光源と前記するために、及び前記システム光における青色成分として使用される。更に、より特定の実施形態においては、動作モードにおいて、前記光生成システムは、前記第1ルミネッセンス材料光、前記第2ルミネッセンス材料光及び第3光源光を含む白色システム光を生成するよう構成される。随意に、前記システム光は、(変換されなかった)第1光源光及び(変換されなかった)第2光源光のうちの1つ以上を含むこともある。
【0048】
それ故、特定の実施形態においては、前記光生成システムは、青色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ(特に、青色波長範囲内に第3光源光の重心波長を持つ)第3光源光を生成するよう構成される第3光源を有してもよく、特定の実施形態においては、(前記光生成システムの)動作モードにおいて、前記光生成システムは、第3光源光、前記第1ルミネッセンス材料光及び前記第2ルミネッセンス材料光を含む白色システム光を生成するよう構成される。
【0049】
実施形態においては、前記第3光源は、(ダイオード)レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有する。特に、実施形態においては、前記第3光源は、(ダイオード)レーザを有する。
【0050】
以下では、前記ルミネッセンス材料に関する幾つかの実施形態について説明する。
【0051】
「ルミネッセンス材料」という用語は、特に、第1放射線、特にUV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、第2放射線に変換することができる材料を指す。一般に、前記第1放射線と前記第2放射線とは、異なるスペクトルパワー分布を有する。従って、「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「ルミネッセンス変換器」又は「変換器」という用語が適用されることもある。一般に、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも大きい波長の所にスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂ダウンコンバージョンの場合である。しかしながら、特定の実施形態においては、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも小さい波長の所に強度を持つスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂アップコンバージョンの場合である。
【0052】
実施形態においては、前記「ルミネッセンス材料」は、特に、放射線を、例えば可視光及び/又は赤外光に変換することができる材料を指す場合がある。例えば、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、UV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、可視光に変換することができる場合がある。前記ルミネッセンス材料は、特定の実施形態においては、放射線を赤外放射線(IR)に変換する場合もある。従って、前記ルミネッセンス材料は、放射線で励起されると、放射線を放出する。一般に、前記ルミネッセンス材料は、ダウンコンバータであり、即ち、より小さい波長の放射線が、より大きい波長(λex<λem)を持つ放射線に変換されるが、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、アップコンバータ・ルミネッセンス材料を有する場合があり、即ち、より大きい波長の放射線が、より小さい波長(λex>λem)を持つ放射線に変換される。
【0053】
実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、リン光を指すことがある。実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、蛍光を指すこともある。「ルミネッセンス」という用語の代わりに、「発光」という用語が適用されることもある。従って、「第1放射線」及び「第2放射線」という用語は、それぞれ、励起放射線及び発光(放射線)を指すことがある。同様に、「ルミネッセンス材料」という用語は、実施形態においては、リン光及び/又は蛍光を指すことがある。「ルミネッセンス材料」という用語は、複数の異なるルミネッセンス材料を指すこともある。可能なルミネッセンス材料の例を以下に示す。
【0054】
実施形態においては、ルミネッセンス材料は、それぞれ、特に三価セリウム又は二価ユーロピウムをドープした、ガーネット及び窒化物から選択される。「窒化物」という用語は、酸窒化物又はニトリドシリケートなどを指すこともある。
【0055】
特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、A12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aは、実施形態においては、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上、特に、Y、Gd、Tb及びLuのうちの(少なくとも)1つ以上を含み、Bは、実施形態においては、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。特に、Aは、特にY及びLuのうちの1つ以上のような、Y、Gd及びLuのうちの1つ以上を含み得る。特に、Bは、Al及びGaのうちの1つ以上、より特に、本質的にAlだけのような、少なくともAlを含み得る。従って、特に適切なルミネッセンス材料は、セリウムを含むガーネット材料である。ガーネットの実施形態は、特に、A12ガーネットを含み、Aは、少なくともイットリウム又はルテチウムを含み、Bは、少なくともアルミニウムを含む。このようなガーネットは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、又はセリウムとプラセオジムとの組み合わせをドープしている可能性があるが、特にCeをドープしている可能性がある。特に、Bは、アルミニウム(Al)を含むが、Bは、ガリウム(Ga)及び/又はスカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)も、部分的に、特に最大でAlの約20%、より特に最大でAlの約10%含んでもよい(即ち、Bイオンは、本質的に、90モル%以上のAlと、10モル%以下のGa、Sc及びInのうちの1つ以上とから成る)。Bは、特に、最大で約10%のガリウムを含んでもよい。別の変形例においては、B及びOは、少なくとも部分的にSi及びNに置き換えられてもよい。元素Aは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、及びルテチウム(Lu)から成るグループから選択され得る。更に、Gd及び/又はTbは、特に、Aの約20%の量までしか存在しない。特定の実施形態においては、ガーネットルミネッセンス材料は、(Y1-xLu12:Ceを含み、xは、0以上且つ1以下である。「:Ce」という用語は、前記ルミネッセンス材料中の金属イオンの一部(即ち、ガーネットにおいては、「A」イオンの一部)が、Ceに置き換えられることを示している。例えば、(Y1-xLuAl12:Ceの場合には、Y及び/又はLuの一部が、Ceに置き換えられる。このことは、当業者には知られている。Ceは、Aを、一般に10%以下置き換え、一般に、Ce濃度は、(Aに対して)0.1乃至4%、特に0.1乃至2%の範囲内である。1%のCe及び10%のYと仮定すると、完全に正しい式は、(Y0.1Lu0.89Ce0.01Al12となり得る。ガーネットにおけるCeは、当業者には知られているように、実質的に三価状態にある、又は三価状態にしかない。
【0056】
実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(従って)A12を含み、特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nによって置き換えられ得る。
【0057】
特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2であり、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga、In及びScから成るグループから選択される1つ以上の元素を含む。実施形態においては、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。本発明においては、特に、x1>0.2などの、少なくとも0.8のような、x1>0である。Yを備えるガーネットは、適切なスペクトルパワー分布を提供し得る。
【0058】
特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここでは、B-OにおけるBは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を指し(且つOは、酸素を指し)、特定の実施形態においては、B-Oは、Al-Oを指す場合がある。上記のように、特定の実施形態においては、x3は、0.001乃至0.04の範囲から選択され得る。特に、このようなルミネッセンス材料は、適切なスペクトル分布を有し(但し、下記参照)、相対的に高い効率を有し、相対的に高い熱安定性を有し、(第1光源光及び第2光源光(並びに光学フィルタ)と組み合わせて)高いCRIを可能にし得る。従って、特定の実施形態においては、Aは、Lu及びGdから成るグループから選択され得る。その代わりに、又は加えて、Bは、Gaを含み得る。従って、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3(Lu,Gd)x2Cex3(Aly1-y2Gay212を含み、Lu及び/又はGdが利用可能であってもよい。更により特に、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択され、0<x2+x3≦0.1であり、0≦y2≦0.1である。更に、特定の実施形態においては、B-Oの最大1%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここで、百分率は、(当技術分野において知られているように)モルを指し、例えば、EP3149108も参照されたい。更に他の特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x3Cex3Al12を含み、x1+x3=1であり、0<x3≦0.2であり、0.001乃至0.1などである。
【0059】
特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、セリウムを含むガーネットのタイプから選択されるルミネッセンス材料しか含まないことがある。もっと他の特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212などの、単一のタイプのルミネッセンス材料を含む。従って、特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を有し、前記ルミネッセンス材料の少なくとも85重量%、更により特に少なくとも約90重量%、例えば更にもっとより特に少なくとも約95重量%が、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212を含む。ここで、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga In及びScから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2である。特に、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。実施形態においては、x2=0であることに留意されたい。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、y2=0である。
【0060】
特定の実施形態においては、Aは、特に、少なくともYを含んでもよく、Bは、特に、少なくともAlを含んでもよい。
【0061】
その代わりに、又は加えて、前記ルミネッセンス材料は、ASi11:Ce3+タイプのルミネッセンス材料を含んでもよく、Aは、実施形態においてはLa及びYのうちの1つ以上などの、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含む。
【0062】
実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、その代わりに、又は加えて、MSi:Eu2+及び/又はMAlSiN:Eu2+及び/又はCaAlSi:Eu2+などのうちの1つ以上を含んでもよく、Mは、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上、特に実施形態においては、少なくともSrを含む。実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Eu及び(Ba,Sr,Ca)Si:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiNとなり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。更に、材料(Ba,Sr,Ca)Si:Euは、MSi:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Euは、MAlSiN:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0063】
実施形態においては、赤色ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Eu及び(Ba,Sr,Ca)Si:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiNとなり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。
【0064】
材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0065】
更に、材料(Ba,Sr,Ca)Si:Euは、MSi:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0066】
同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Euは、MAlSiN:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0067】
上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0068】
青色ルミネッセンス材料は、YSO(YSiO:Ce3+)、若しくは同様の化合物、又はBAM(BaMgAl1017:Eu2+)、若しくは同様の化合物を含んでもよい。
【0069】
「ルミネッセンス材料」という用語は、本明細書においては、特に、無機ルミネッセンス材料に関する。
【0070】
「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「蛍光体」という用語が適用されることもある。これらの用語は、当業者には知られている。
【0071】
その代わりに、又は加えて、他のルミネッセンス材料が適用されることもある。例えば、量子ドット及び/又は有機色素が、適用されてもよく、随意に、例えばPMMA又はポリシロキサンなどなどのようなポリマのような、透過性マトリックスに埋め込まれてもよい。
【0072】
量子ドットは、一般にわずか数ナノメートルの幅又は直径を有する半導体材料の小さい結晶である。量子ドットは、入射光によって励起されるときに、前記結晶のサイズ及び材料によって決定されている色の光を発する。従って、ドットのサイズを適合させることによって、特定の色の光が生成されることができる。可視域で発光する、最も知られている量子ドットは、硫化カドミウム(CdS)及び硫化亜鉛(ZnS)などのシェルを備えるセレン化カドミウム(CdSe)をベースにしている。リン化インジウム(InP)、並びに硫化銅インジウム(CuInS)及び/又は硫化銀インジウム(AgInS)などの、カドミウムを含まない量子ドットも、使用されることができる。量子ドットは非常に狭い発光帯域を示し、従って、量子ドットは飽和色を示す。更には、発光色は、量子ドットのサイズを適合させることによって、容易に調整されることができる。本発明においては、当技術分野において知られている任意のタイプの量子ドットが使用され得る。しかしながら、環境に関する安全性及び懸念の理由で、カドミウムを含まない量子ドット、又は少なくともカドミウム含有量が非常に少ない量子ドットを使用することが好ましい場合がある。
【0073】
量子ドットの代わりに、又は量子ドットに加えて、他の量子閉じ込め構造が使用されることもある。「量子閉じ込め構造」は、本願との関連においては、例えば、量子井戸、量子ドット、量子ロッド、トライポッド、テトラポッド、又はナノワイヤなどとして理解されたい。
【0074】
有機蛍光体も使用されることができる。適切な有機蛍光体材料の例は、ペリレン誘導体をベースとした有機ルミネッセンス材料、例えば、BASFによってLumogen(登録商標)という名称で販売されている化合物である。適切な化合物の例は、Lumogen(登録商標)Red F305、Lumogen(登録商標)Orange F240、Lumogen(登録商標)Yellow F083、及びLumogen(登録商標)F170を含むが、これらに限定されない。
【0075】
異なるルミネッセンス材料は、異なるスペクトルパワー分布のそれぞれのルミネッセンス材料光を有し得る。その代わりに、又は加えて、このような異なるルミネッセンス材料は、特に、異なるカラーポイント(又は主波長)を有し得る。
【0076】
上記のように、他のルミネッセンス材料も可能であり得る。従って、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、二価ユーロピウム含有窒化物、二価ユーロピウム含有酸窒化物、二価ユーロピウム含有ケイ酸塩、セリウムを含むガーネット、及び量子構造のグループから選択される。量子構造は、例えば、量子ドット又は量子ロッド(又は他の量子型粒子)(上記参照)を含み得る。量子構造は、量子井戸も含み得る。量子構造は、フォトニック結晶も含み得る。
【0077】
前記(無機)ルミネッセンス材料は、実施形態においては、単結晶として、若しくはセラミック体として、又は(ポリマ体の)ポリマ材料のような別の材料中に分散されたルミネッセンス材料として提供されてもよい。有機ルミネッセンス材料及び/又は量子ドットも、(ポリマ体の)ポリマ材料のような別の材料中に分散されてもよい。
【0078】
特に、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、A12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含んでもよく、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。上記のように、このようなタイプのルミネッセンス材料は、相対的に効率的である可能性がある。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、ASi11:Ce3+タイプのルミネッセンス材料を含んでもよく、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上、特にLa及びYのうちの1つ以上を含む。
【0079】
1つ以上の第1ルミネッセンス材料が適用されてもよいことに留意されたい。更に、第1ルミネッセンス材料は、(動作モードにおいて)1つ以上の第1光源によって照らされてもよい。従って、2つ以上の異なる第1ルミネッセンス材料を適用する場合、前記第1ルミネッセンス材料の各々が、(動作モードにおいて)1つ以上の第1光源によって照らされてもよい。
【0080】
特定の実施形態においては、前記システムは、セラミック体を有してもよく、前記セラミック体は、前記第1ルミネッセンス材料を有する。例えば、前記第1ルミネッセンス材料は、セラミック体として設けられてもよい。前記セラミック体は、熱伝導性の点で有用である可能性がある、且つ/又は例えば透過モードで使用され得る。
【0081】
セラミック体は、当技術分野においては知られている。 特に、前記セラミック材料は、随意に、後に(わずかに)酸化性の雰囲気中でのアニーリングが続く、焼結処理及び/又はホットプレス処理によって得られ得る。「セラミック」という用語は、特に、無機材料であって、とりわけ、10-8乃至500MPaの範囲内などの、特に少なくとも0.5MPaなどの、特に少なくとも1MPaのような、1乃至約500MPaのような、少なくとも5MPa、又は少なくとも10MPaなどの、減圧、大気圧又は高圧の下で、特に一軸圧力又は等方圧(isostatic pressure)の下で、特に等方圧の下で、少なくとも500℃、特に、少なくとも1000℃などの、少なくとも1400℃のような、少なくとも800℃の温度で(多結晶)粉末を加熱することによって得られる無機材料に関する。
【0082】
その代わりに、又は加えて、前記第2ルミネッセンス材料は、Mが、カルシウム及びストロンチウムのうちの1つ以上を含むMS:Eu2+、Mが、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムのうちの1つ以上を含むMSi:Eu2+、Mが、カルシウム及びストロンチウムのうちの1つ以上を含むMAlSiN:Eu2+、Mが、ストロンチウムを含むMLiAl:Eu2+、Mが、ストロンチウムを含むMLiAl:Eu2+、Mが、カルシウム及びストロンチウムのうちの1つ以上を含むMCaSiN:Ce3+、並びにMが、カルシウムを含むM(Si,Al)N:Ce3+から成るグループから選択されるルミネッセンス材料を含む。このようなルミネッセンス材料は、相対的に効率的である可能性がある、且つ/又は相対的に小さなストークスシフトを持つ可能性がある、且つ/又は相対的に安定している可能性がある。
【0083】
1つ以上の第2ルミネッセンス材料が適用されてもよいことに留意されたい。更に、第2ルミネッセンス材料は、(動作モードにおいて)1つ以上の第2光源によって照らされてもよい。従って、2つ以上の異なる第2ルミネッセンス材料を適用する場合、前記第2ルミネッセンス材料の各々が、(動作モードにおいて)1つ以上の第2光源によって照らされてもよい。
【0084】
特定の実施形態においては、前記第2光源は、570乃至620nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第2光源光を生成するよう構成されてもよい。従って、特定の実施形態においては、前記第2重心波長λC2は、570乃至620nmの波長範囲から選択されてもよい。その代わりに、又は加えて、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2光源光の少なくとも一部を、約610乃至635nm、例えば610乃至625nmなどの、610乃至665nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成されてもよい。更に他の特定の実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料光の重心波長λL2は、610乃至635nmなどの、少なくとも615nmのような、610乃至625nmの範囲から選択されてもよい。特に、λC2<λL2である。例えば、実施形態においては、特に10nm≦λL2-λC2≦65nmなどの、5nm≦λL2-λC2≦85nmである。従って、実施形態においては、前記第1光源は、440乃至495nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第1光源光を生成するよう構成される。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、前記第2光源は、570乃至620nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第2光源光を生成するよう構成される。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第1光源光の少なくとも一部を、495乃至590nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第1ルミネッセンス材料光に変換するよう構成される。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2光源光の少なくとも一部を、610乃至665nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成される。
【0085】
それ故、特定の実施形態においては、前記第1光源は、440乃至495nmの波長範囲内に重心波長を持つ第1光源光を生成するよう構成される。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、前記第2光源は、570乃至620nmの波長範囲内に重心波長を持つ第2光源光を生成するよう構成される。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第1光源光の少なくとも一部を、495乃至590nmの波長範囲内に重心波長を持つ第1ルミネッセンス材料光に変換するよう構成される。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2光源光の少なくとも一部を、610乃至665nmの波長範囲内に重心波長を持つ第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成される。
【0086】
ルミネッセンス材料は、前記反射モードで構成されてもよく、又は前記透過モードで構成されてもよい。前記透過モードにおいては、前記光源光を前記ルミネッセンス材料光に混ぜることが相対的に容易であり得る。このことは、望ましいスペクトルパワー分布を生成するのに有用であり得る。前記反射モードにおいては、前記ルミネッセンス材料のかなりの部分が、ヒートシンク又はヒートスプレッダのような熱伝導性要素と熱的に接触し得るので、熱管理が、より容易であり得る。前記反射モードにおいては、前記光源光の一部が、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料及び/又は反射器によって反射され、前記ルミネッセンス材料光に混ざり得る。(前記反射モードにおいては、)前記ルミネッセンス材料の下流に前記反射器が構成されてもよい。
【0087】
従って、前記ルミネッセンス材料は、前記透過モード又は前記反射モードで動作されてもよく、これも、2つのルミネッセンス材料間で異なってもよい、又は両方のルミネッセンス材料が、同じモードで動作される。それ故、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料のうちの1つ以上が、反射モードで動作される。
【0088】
本明細書においては、3つ以上の異なるルミネッセンス材料、並びに/又は前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源以外の、更なる光源を使用することは除外されないことに留意されたい。従って、実施形態においては、前記システム光は、本明細書において示されている、前記第1光源光、前記第2光源光、前記第1ルミネッセンス材料光、前記第2ルミネッセンス材料光及び前記第3光源光の可能な寄与以外の寄与を含んでもよい。特に、実施形態においては、動作モードにおいて、可視波長範囲(即ち、380乃至780nm)内の前記システム光のスペクトルパワーの、少なくとも95%などの、少なくとも90%は、前記第1光源光、前記第2光源光、前記第1ルミネッセンス材料光、前記第2ルミネッセンス材料光及び前記第3光源光のうちの1つ以上によって規定される。従って、実施形態においては、380乃至780nmの波長範囲にわたってスペクトルパワーを積分すると、少なくとも90%は、前記第1光源光、前記第2光源光、前記第1ルミネッセンス材料光、前記第2ルミネッセンス材料光及び前記第3光源光のうちの1つ以上に由来する。前記第1光源光、前記第2光源光、前記第1ルミネッセンス材料光、前記第2ルミネッセンス材料光及び前記第3光源光の寄与は、前記動作モードに依存してもよい。
【0089】
前記第1ルミネッセンス材料、前記第2ルミネッセンス材料などの、光の異なる供給源の光と、随意に、前記第1光源光、前記第2光源光、及び随意の前記第3光源光のうちの1つ以上とが組み合わされて1つの光ビームにされてもよい。特に、前記システムは、前記第1ルミネッセンス材料光及び前記第2ルミネッセンス材料光のうちの1つ以上と、随意に、前記第1光源光、前記第2光源光及び随意の前記第3光源光のうちの1つ以上とを含むシステム光のビームを生成するよう構成されてもよい。この目的のために、前記システムは、光学系を有してもよい。
【0090】
「光学系」という用語は、特に、(1つ以上の)光学要素を指し得る。前記光学系は、ミラー、反射器、コリメータ、レンズ、プリズム、拡散器、位相板、偏光子、回折要素、回折格子、ダイクロイックのもの、前述のもののうちの1つ以上のアレイなどのうちの1つ以上を含み得る。
【0091】
特に、実施形態においては、前記光学系は、2つ以上の(異なる)光ビーム、例えば、前記第1ルミネッセンス材料からの光及び前記第2ルミネッセンス材料からの光を組み合わせるよう構成される光結合要素(light combining element)などの、光混合光学系を少なくとも含み得る。
【0092】
実施形態においては、前記光混合光学系は、拡散器(表面若しくは体積散乱拡散器又は設計ホログラフィック光学要素(engineered holographic optical element))、ライトパイプ、光ガイド、ケーラーインテグレータ光学系などのうちの1つ以上を有してもよい。その代わりに、又は加えて、前記光混合光学系は、コリメータ又は他のコリメート光学系を有してもよい。その代わりに、又は加えて、前記光混合光学系は、特定の実施形態においてはダイクロイックキューブのような、ダイクロイックビームコンバイナを有してもよい。
【0093】
従って、実施形態においては、前記システムは、前記動作モードにおいて、少なくとも前記第1ルミネッセンス材料光と前記第2ルミネッセンス材料光とを組み合わせるよう構成される1つ以上の光結合要素を有してもよい。従って、特定の実施形態においては、前記システムは、前記動作モードにおいて、随意に、前記第1光源光、前記第2光源光及び随意の前記第3光源光のうちの1つ以上を組み合わせ(て1つの光ビームにす)るよう構成される1つ以上の光結合要素を有してもよい。ここでは、「前記動作モードにおいて、少なくとも前記第1ルミネッセンス材料光と前記第2ルミネッセンス材料光とを組み合わせるよう構成される1つ以上の光結合要素」という語句、及び同様の語句は、このようなタイプの光が供給されるときに、前記光結合要素がこれらを組み合わせることがあることを示すために使用される。従って、このような光学系は、前記システムの動作モードにおいてこのようなタイプの光が実際に供給されるときに、これらが利用可能であるときに、このようなタイプの光を組み合わせるよう構成される。
【0094】
前記システムの出射部には、それぞれ、ビーム成形されたビーム又は拡散光のビームを供給するために、ビーム成形光学系又は拡散器が設けられてもよい。
【0095】
上記のように、前記ルミネッセンス材料は、照らされているときに熱を供給する可能性がある。更に、前記光源は、動作させられているときに熱を供給する可能性がある。この目的のために、前記システムは、1つ以上のヒートシンク、及び/又は1つ以上のヒートスプレッダ、及び/又は1つ以上の能動冷却要素などを有することもある。
【0096】
特に、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料のうちの1つ以上が、熱伝導性要素に熱的に結合されてもよい。
【0097】
熱伝導性要素は、特に、熱伝導性材料を有する。熱伝導性材料は、特に、少なくとも約30W/m/kのような、少なくとも約100W/m/kなどの、特に少なくとも約200W/m/kのような、少なくとも約20W/m/kの熱伝導率を有し得る。更に他の特定の実施形態においては、熱伝導性材料は、特に、少なくとも約10W/m/kの熱伝導率を有し得る。
【0098】
実施形態においては、前記熱伝導性材料は、銅、アルミニウム、銀、金、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミニウムケイ素炭化物、酸化ベリリウム、炭化ケイ素複合体、アルミニウムケイ素炭化物、銅タングステン合金、銅モリブデン炭化物、炭素、ダイヤモンド、及び黒鉛のうちの1つ以上を有してもよい。その代わりに、又は加えて、前記熱伝導性材料は、酸化アルミニウムを有してもよく、又は酸化アルミニウムから成ってもよい。
【0099】
ヒートシンクは、当技術分野においては知られている。「ヒートシンク」という用語(又はヒートシンク)は、特に、電子デバイス又は機械デバイスなどのデバイスによって生成される熱を、流体(冷却)媒体、多くの場合、空気又は冷却液に伝達する受動熱交換器であってもよい。それによって、前記熱は、(少なくとも部分的に)前記デバイスから遠くに放散される。ヒートシンクは、特に、前記ヒートシンクを取り囲む前記流体冷却媒体と接触する前記ヒートシンクの表面積を最大にするよう設計される。従って、特に、ヒートシンクは、複数のフィンを有してもよい。例えば、前記ヒートシンクは、複数のフィンが延在する本体であってもよい。
【0100】
ヒートシンクは、特に、熱伝導性材料を有する(より特には、熱伝導性材料から成る)。「ヒートシンク」という用語は、複数の(異なる)ヒートシンクを指すこともある。
【0101】
従って、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料のうちの1つ以上が、熱伝導性支持体によって支持されてもよい。特に、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料(の両方)が、熱伝導性支持体によって支持されてもよい。
【0102】
実施形態においては、ルミネッセンス本体などの、前記ルミネッセンス材料は、ヒートシンクなどの前記熱伝導性要素と熱的に結合されてもよいが、光学的に結合されなくてもよい。
【0103】
要素が、光学的に接触している、又は光学的に結合される場合、それらは、実施形態においては、互いに物理的に接触していてもよく、又は他の実施形態においては、例えば、約1mm未満、好ましくは100μm未満の厚さを有する、例えば、光学的接着剤などの光学材料、又は他の光学的に透明な界面材料の(薄い)層で互いに分離されてもよい。光学的に透明な界面材料が利用されない場合、光学的に接触している2つの要素間の(平均)距離は、特に、最大で、発光極大の波長のような、関連性のある波長程度であってもよい。可視波長の場合は、これは、0.7μm未満などの、1μm未満であってもよく、青色の場合は、更により小さくなる。従って、光結合が望まれる場合、光学的に透明な界面材料が利用されることがある。更に他の実施形態においては、光学的に透明な界面材料が利用されない場合、光学的に接触している2つの要素間の平均距離は、特に、最大で、発光極大の波長のような、関連性のある波長程度であってもよい。従って、光学的接触が望ましい場合には、物理的接触があってもよい。しかしながら、このような実施形態においてでさえ、ゼロではない平均距離があってもよいが、その場合、前記レーザ光線の重心波長などの、関心波長以下の平均距離があり得る。
【0104】
実施形態においては、このような支持体は、反射性であってもよい。このような実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、反射モードで動作されてもよい。他の実施形態においては、前記支持体は、光透過性であってもよい。このような実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、光透過モードで動作されてもよい。
【0105】
特定の実施形態においては、前記システムは、一体型光源パッケージを有してもよく、前記一体型光源パッケージは、前記複数の光源、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料を支持するよう構成される共通支持部材を有し、前記共通支持部材は、前記熱伝導性支持体を有する。前記複数の光源は、それぞれのルミネッセンス材料の表面と、少なくとも20°且つ90°未満の範囲から選択される角度αを有する光軸を持つ光源光を供給し得る。特に、実施形態においては、αは、30乃至60°の範囲から選択されてもよい。更に、特定の実施形態においては、n個の光源が、互いに対して360/nの角度をなして設けられてもよい。
【0106】
更に、前記システムは、制御システムを有してもよく、又は制御システムに機能的に結合されてもよい。前記制御システムは、前記光生成デバイスを制御してもよく、随意に、上記のような他のデバイスを制御してもよい。
【0107】
「制御する」という用語及び同様の用語は、特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理する(supervise)ことを指す。従って、本明細書においては、「制御する」という用語及び同様の用語は、例えば、測定する、表示する、作動する、開く、シフトする、温度を変更するなどのような、挙動を前記要素に課すこと(要素の挙動を決定すること又は要素の動作を管理すること)などを指すことがある。「制御する」という用語及び同様の用語は、その上、モニタすることを更に含むことがある。従って、「制御する」という用語及び同様の用語は、要素に挙動を課すことを含むことがあり、要素に挙動を課し、前記要素をモニタすることを含むこともある。前記要素の制御は、「コントローラ」と示されることもある制御システムで行われ得る。従って、前記制御システム及び前記要素は、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。前記要素が、前記制御システムを有してもよい。実施形態においては、前記制御システム及び前記要素は、物理的に結合されていなくてもよい。制御は、有線及び/又は無線制御を介して行われることができる。「制御システム」という用語は、特に機能的に結合されている、複数の異なる制御システムを指すこともあり、例えば、前記複数の異なる制御システムのうちの1つの制御システムは、マスタ制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムは、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインターフェースを有してもよく、又はユーザインターフェースに機能的に結合されてもよい。
【0108】
前記制御システムはまた、遠隔制御装置からの命令を受信し、実行するよう構成されてもよい。実施形態においては、前記制御システムは、スマートフォン又はiPhone、タブレットなどのようなポータブルデバイスなどのデバイスにおけるアプリを介して制御されてもよい。従って、前記デバイスは、必ずしも前記照明システムに結合されないが、前記照明システムに(一時的に)機能的に結合されてもよい。
【0109】
従って、実施形態においては、前記制御システムは(また)、遠隔デバイスにおけるアプリによって制御されるよう構成されてもよい。このような実施形態においては、前記照明システムの前記制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又はスレーブモードで制御してもよい。例えば、前記照明システムは、コード、特にそれぞれの照明システムのための固有のコードで識別可能であってもよい。前記照明システムの前記制御システムは、(固有の)コードの光学センサ(例えばQRコードリーダ)を備えるユーザインターフェースによって入力される知識に基づいて前記照明システムにアクセスする外部の制御システムによって制御されるよう構成されてもよい。前記照明システムはまた、Bluetooth、Wifi、ZigBee、BLE若しくはWiMax、又は別の無線技術などに基づいて、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を有してもよい。
【0110】
前記システム、又は装置、又はデバイスは、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作可能モード」又は「動作のモード」又は「制御モード」で動作を実行し得る。同様に、方法においては、動作、又は段階、又はステップが、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作可能モード」又は「動作のモード」又は「制御モード」で実行され得る。「モード」という用語は、「制御モード」と示されることもある。これは、前記システム、又は装置、又はデバイスが、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するよう適合されることもあることを除外しない。同様に、これは、前記モードを実行する前に及び/又は前記モードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行され得ることを除外しない場合がある。
【0111】
しかしながら、実施形態においては、少なくとも前記制御モードを提供するよう適合される制御システムが利用可能である場合がある。他のモードが利用可能である場合には、このようなモードの選択は、特には、ユーザインターフェースを介して実行されてもよいが、センサ信号又は(時間)スキームに依存してモードを実行するような他の選択肢も可能であってもよい。前記動作モードは、実施形態においては、単一の動作モード(即ち、更なる調整可能性のない、「オン」)でしか動作することができないシステム、又は装置、又はデバイスを指すこともある。
【0112】
従って、実施形態においては、前記制御システムは、ユーザインターフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して制御してもよい。「タイマ」という用語は、クロック及び/又は所定の時間スキームを指すことがある。
【0113】
特に、前記複数の光源を制御することによって、前記システム光のスペクトルパワー分布が制御されてもよい。これは、各光源を個別に制御することによって行われてもよく、又はこれは、前記複数の光源の2つ以上のサブセットを制御することによって行われてもよく、各サブセットは、1つ以上の光源を有し、例えば、1つ以上の第1サブセットは、各々、1つ以上の第1光源を有し、1つ以上の第2サブセットは、各々、1つ以上の第2光源を有し、随意に、1つ以上の第3サブセットは、各々、1つ以上の第3光源を有する。
【0114】
従って、前記システムは、(i)1つ以上の前記第1光源(のうちの1つ以上)及び(ii)1つ以上の前記第2光源(のうちの1つ以上)(及び随意に、1つ以上の前記第3光源(のうちの1つ以上))を個別に制御し、それによって、前記システム光のスペクトルパワー分布を制御するよう構成される制御システムを有してもよい。
【0115】
1つ以上の動作モードにおいて、前記システム光は、白色(システム)光であってもよい。本明細書における「白色光」という用語は、当業者には知られている。前記白色光は、特に、約2000Kと20000Kとの間、特に2700K乃至20000K、全般照明の場合は特に約2700K乃至6500Kの範囲内のような、約1800Kと20000Kとの間の相関色温度(CCT)を有する光に関する。実施形態においては、バックライト用途の場合は、前記相関色温度(CCT)は、特に、約7000乃至20000Kの範囲内であり得る。更に他に、実施形態においては、前記相関色温度(CCT)は、特にBBL(黒体軌跡)から約15SDCM(カラーマッチングの標準偏差)内、特にBBLから約10SDCM内、更により特にBBLから約5SDCM内である。
【0116】
「可視」、「可視光」又は「可視発光」という用語、及び同様の用語は、約380乃至780nmの範囲内に1つ以上の波長を有する光を指す。本明細書においては、UVは、特に、200乃至380nmの範囲から選択される波長を指すことがある。
【0117】
前記光生成システムは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己照明ディスプレイシステム(self-lit display system)、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータサインシステム、装飾照明システム、携帯用システム、自動車アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸照明、デジタル投影、又はLCDバックライトの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。前記光生成システム(又は前記照明器具)は、例えば光通信システム又は消毒システムの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。
【0118】
更に他の態様においては、本発明は、本明細書において規定されているような光生成システムを有するランプ又は照明器具も提供する。前記照明器具は、ハウジング、光学要素、ルーバーなどなどを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記光生成システムを囲むハウジングを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記ハウジングにおける光窓(light window)、又はハウジング開口部を有してもよく、前記システム光は、前記光窓又は前記ハウジング開口部を通して、前記ハウジングから脱出し得る。更に他の態様においては、本発明は、本明細書において規定されているような光生成システムを有する投影デバイスも提供する。特に、投影デバイス又は「プロジェクタ」又は「画像プロジェクタ」は、例えば投影スクリーンなどの表面に画像(又は動画)を投影する光学デバイスであり得る。前記投影デバイスは、本明細書において記載されているような光生成システムを1つ以上含み得る。前記光生成システムは、消毒又は光無線通信のためにも使用され得る。従って、本発明は、或る態様においては、ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される光生成デバイスであって、本明細書において規定されているような光生成システムを有する光生成デバイスも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0119】
ここで、ほんの一例として、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略的な図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1a】実施形態及び変形例を概略的に図示する。
図1b】実施形態及び変形例を概略的に図示する。
図1c】実施形態及び変形例を概略的に図示する。
図2a】幾つかのスペクトルパワー分布を概略的に図示する。
図2b】幾つかのスペクトルパワー分布を概略的に図示する。
図3】幾つか応用例を示す。
【0120】
概略的な図面は、必ずしも縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0121】
図1aは、光生成システム1000の多くの実施形態を概略的に図示している。3つの実施形態は、全て、ルミネッセンス材料を透過モードで動作させる。しかしながら、図1c(下記参照)において示されているように、反射モードが適用されることもある。更に、或るルミネッセンス材料を透過モードで動作させ、別のルミネッセンス材料を反射モードで動作させることも可能である。従って、実施形態においては、第1ルミネッセンス材料210及び第2ルミネッセンス材料220のうちの1つ以上が、透過モードで動作されてもよい。
【0122】
システム1000は、(i)複数の光源110、120、…と、(ii)第1ルミネッセンス材料210と、(iii)第2ルミネッセンス材料220とを有する。「複数の光源110、120、…」とい語句は、実施形態においては、複数の光源が、少なくとも第1タイプの光源及び第2タイプの光源を有してもよく、随意に、更なるタイプの光源を有してもよいことを示し得る。
【0123】
第1光源110は、特に青色波長範囲内に1つ以上の波長を持ち、実施形態においては第1重心波長λC1を持つ、第1光111を生成するよう構成される。特に、実施形態においては、第1光源110は、1つ以上のレーザを有する(ここでは、1つのレーザが概略的に図示されている)。第1ルミネッセンス材料210は、第1光源光111の少なくとも一部を、特に緑色及び/又は黄色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ、第1ルミネッセンス材料光211に変換するよう構成される。
【0124】
第2光源120は、黄色及び/又はオレンジ色波長範囲内に1つ以上の波長を持ち、第2重心波長λC2を持つ第2光121を生成するよう構成される。特に、実施形態においては、λC2>λC1である。更に、実施形態においては、第2光源120は、1つ以上のスーパールミネッセントダイオードを有してもよい(ここでは、1つのSLDが概略的に図示されている)。実施形態においては、第2ルミネッセンス材料220は、第2光121の少なくとも一部を第2ルミネッセンス材料光221に変換するよう構成されてもよい。特に、第2ルミネッセンス材料光221は、オレンジ色及び/又は赤色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ。
【0125】
実施形態においては、(システム1000の)動作モードにおいて、光生成システム1000は、第1ルミネッセンス材料光211及び第2ルミネッセンス材料光221を含むシステム光1001を生成するよう構成される(例えば図2a乃至2bも参照)。
【0126】
図1aの実施形態Iを参照すると、動作モードにおいて、変換されない光源光111、121は存在しない場合があるので、システム光は、本質的に、第1ルミネッセンス材料光211及び第2ルミネッセンス材料光221から成る場合がある(例えば、スペクトルパワーの100%がこれらの寄与から成る場合がある)。図1aの実施形態IIにおいては、第1光源光111の一部も最終的にシステム光1001になる場合があることが示されている。このような実施形態においては、(システム1000の)動作モードにおいて、システム光は、第1ルミネッセンス材料光211、第2ルミネッセンス材料光221及び第1光源光111を含む場合がある。システム光1001は、(動作モードにおいて)第1光源光111の代わりに、又は第1光源光111に加えて、第2光源光121を含んでもよい。図1aの実施形態IIIにおいては、第3光源130が適用されている。従って、システム1000は、青色波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第3光源光131を生成するよう構成される第3光源130を有する場合がある。ここでは、第3光源光131は、ルミネッセンス材料210、220を迂回する。このような実施形態においては、動作モードにおいて、光生成システム1000は、第3光源光131、第1ルミネッセンス材料光211及び第2ルミネッセンス材料光221を含む白色システム光1001を生成するよう構成される。実施形態においては、第3光源130は、(ダイオード)レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有してもよい。
【0127】
参照符号400は、端部窓(end window)、又は光学要素、特に、ビーム成形要素及び/若しくは光ホモジナイザのような光学要素を指している(更に下記も参照)。
【0128】
参照符号300は、制御システムを指している。従って、光生成システム1000は、制御システム300を有する場合があり、制御システムは、特に、(i)1つ以上の第1光源110のうちの1つ以上、及び(ii)1つ以上の第2光源120のうちの1つ以上を個別に制御するよう構成される場合がある。それによって、システム光のスペクトルパワー分布が、制御される場合がある(図2a乃至2bも参照)。実施形態IIIを参照すると、第1光源110、第2光源120及び第3光源130を個別に制御する場合、第1ルミネッセンス材料光211、第2ルミネッセンス材料光221及び第3光源光131のうちの1つ以上を含むシステム光1001を作成し得る。
【0129】
図1bは、1つ以上の光結合要素420が適用される更なる実施形態を概略的に図示している。1つ以上の光結合要素420は、動作モードにおいて、少なくとも第1ルミネッセンス材料光211と第2ルミネッセンス材料光221とを組み合わせるよう構成されてもよい。1つ以上の光結合要素420は、動作モードにおいて、第1ルミネッセンス材料光211と、第2ルミネッセンス材料光221と、第3光源光131とを組み合わせるよう構成されてもよい。システム光1001は、端部窓、又は光学要素、特に、ビーム成形要素及び/若しくは光ホモジナイザのような光学要素を介して、システムから脱出する場合がある(更に下記も参照)。
【0130】
図1cは、支持体の使用と、反射モードの使用とを示す、単一の図面にまとめられた更なる実施形態を概略的に図示している。しかしながら、支持体が光透過性である場合もあることに留意されたい。従って、支持体は、透過モードと組み合わせて使用される場合もある。図1cは、第1ルミネッセンス材料210及び第2ルミネッセンス材料220のうちの1つ以上が反射モードで動作される実施形態を概略的に図示している。ここでは、両方とも反射モードで構成/動作される。支持体は、熱伝導性であってもよい。従って、図1cはまた、第1ルミネッセンス材料210及び第2ルミネッセンス材料220が熱伝導性支持体500によって支持される実施形態を概略的に図示している。更に、図1cは、一体型光源パッケージ600の実施形態を概略的に図示しており、一体型光源パッケージ600は、複数の光源110、120、…と、第1ルミネッセンス材料210と、第2ルミネッセンス材料220とを支持するよう構成される共通支持部材610を有してもよく、共通支持部材610は、熱伝導性支持体500を有する。要素505は、複数の光源を支持するために使用され得る。要素505及び支持体500は、モノリシック支持部材610であってもよい。そうであるか否かにかかわらず、要素505も熱伝導性材料を含み得る。複数の光源は、それぞれのルミネッセンス材料の表面と、少なくとも20°且つ90°未満の範囲から選択される角度αを有する光軸を持つ光源光を供給し得る。特に、実施形態においては、αは、30乃至60°の範囲から選択されてもよい。
【0131】
例えば、図1a乃至1cを参照すると(及び図2a乃至2bも参照すると)、実施形態においては、第1ルミネッセンス材料210は、Aが、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bが、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含むA12:Ceタイプのルミネッセンス材料、並びに/又は窒化物ベースのルミネッセンス材料などの、別の第1ルミネッセンス材料(上記も参照)を含んでもよい。実施形態においては、システム1000は、セラミック体1210を有してもよく、セラミック体1210は、第1ルミネッセンス材料210を有する。実施形態においては、第2ルミネッセンス材料220は、Mが、カルシウム及びストロンチウムのうちの1つ以上を含むMS:Eu2+、Mが、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムのうちの1つ以上を含むMSi:Eu2+、Mが、カルシウム及びストロンチウムのうちの1つ以上を含むMAlSiN:Eu2+、Mが、ストロンチウムを含むMLiAl:Eu2+、Mが、ストロンチウムを含むMLiAl:Eu2+、Mが、カルシウム及びストロンチウムのうちの1つ以上を含むMCaSiN:Ce3+、並びにMが、カルシウムを含むM(Si,Al)N:Ce3+から成るグループから選択されるルミネッセンス材料を含む。
【0132】
更に、また、例えば、図1a乃至1cを参照すると(及び図2a乃至2bも参照すると)、実施形態においては、第1光源110は、440乃至495nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第1光111を生成するよう構成される。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、第2光源120は、570乃至620nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第2光121を生成するよう構成される。更に、特定の実施形態においては、第2ルミネッセンス材料220は、第2光121の少なくとも一部を、610乃至625nmの波長範囲内に1つ以上の波長を持つ第2ルミネッセンス材料光221に変換するよう構成される。
【0133】
以下に、幾つかの実施形態を示す。
【表1】
【0134】
以下に、幾つかの更なる例を示す。
【表2】
【0135】
図2a乃至2bを参照すると、参照符号λCL1は、第1ルミネッセンス材料光211の重心波長を指しており、参照符号λCL2は、第2ルミネッセンス材料光221の重心波長を指している。従って、λC1<λCL1<λC2<λCL2である。特に、各重心波長は、他の重心波長と、少なくとも20nmのような、少なくとも10nm異なる。図2a乃至2bに関するデータは、上記の表のうちの1つにおいても見つけられる。図2a乃至2bを参照すると、380乃至780nmの波長範囲にわたって(それぞれの)スペクトルパワーを積分すると、少なくとも90%は、第1光源光、第2光源光、第1ルミネッセンス材料光、第2ルミネッセンス材料光及び第3光源光のうちの1つ以上に由来する。第1光源光、第2光源光、第1ルミネッセンス材料光、第2ルミネッセンス材料光及び第3光源光の寄与は、(それぞれの)動作モードに依存してもよい。
【0136】
図3は、上記のような光生成システム1000を含む照明器具2の実施形態を概略的に図示している。参照符号301は、光生成システム1000によって含まれる又は光生成システム1000に機能的に結合される制御システム300と機能的に結合され得るユーザインターフェースを示している。図3は、光生成システム1000を有するランプ1の実施形態も概略的に図示している。参照符号3は、壁などに、画像を投影するために使用され得る、プロジェクタデバイス又はプロジェクタシステムを示しており、前記プロジェクタデバイス又はプロジェクタシステムも、システム1000を含み得る。従って、図3は、ランプ1、照明器具2、プロジェクタデバイス3、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される光生成デバイス1200であって、本明細書において記載されているような光生成システム1000を有する光生成デバイス1200の実施形態を概略的に図示している。
【0137】
「複数」という用語は、2つ以上を指す。
【0138】
本明細書における「実質的に」又は「本質的に」という用語、及び同様の用語は、当業者には理解されるだろう。「実質的に」又は「本質的に」という用語は、「全体的に」、「完全に」、「全て」などを備える実施形態も含み得る。従って、実施形態においては、実質的に又は本質的にという形容詞が取り除かれることもある。適用可能な場合には、「実質的に」という用語又は「本質的に」という用語は、100%を含む、95%以上、特に99%以上、更により特に99.5%以上などの、90%以上に関することもある。
【0139】
「有する」という用語は、「有する」という用語が「から成る」ことを意味する実施形態も含む。
【0140】
「及び/又は」という用語は、特に、「及び/又は」の前及び後で言及されている項目のうちの1つ以上に関する。例えば、「項目1及び/又は項目2」という語句、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関し得る。「有する」という用語は、或る実施形態においては、「から成る」ことを指す場合があるが、別の実施形態においては、「少なくとも規定されている種を含み、随意に、1つ以上の他の種を含む」ことを指す場合もある。
【0141】
更に、明細書及び特許請求の範囲における、第1、第2、第3などの用語は、同様の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、逐次的又は時間的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書において記載されている本発明の実施形態は、本明細書において記載又は図示されている順序以外の順序で動作が可能であることは理解されるべきである。
【0142】
本明細書においては、とりわけ、動作中の、デバイス、装置、又はシステムが記載されているかもしれない。当業者には明らかであるだろうように、本発明は、動作の方法、又は動作中の、デバイス、装置、若しくはシステムに限定されるものではない。
【0143】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、多くの他の実施形態を設計することができるだろうことに留意されたい。
【0144】
特許請求の範囲において、括弧内に配置される如何なる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0145】
「有する」という動詞及びその語形変化の使用は、請求項において示されている要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。文脈から明らかに別の意味が必要とされない限り、明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「有する」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的な、包括的な意味で、即ち、「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【0146】
要素の単数形表記は、このような要素の複数の存在を除外するものではない。
【0147】
本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアによって実施されてもよく、又は適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。幾つかの手段を列挙している、デバイスの請求項、又は装置の請求項、又はシステムの請求項においては、これらの手段のうちの幾つかは、ハードウェアの全く同一のアイテムによって実施されてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。
【0148】
本発明は、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得る、又は本明細書において記載されている方法若しくはプロセスを実行し得る制御システムも提供する。更に他に、本発明は、デバイス、装置、又はシステムに機能的に結合される又は含まれるコンピュータにおいて実行するときに、このようなデバイス、装置、又はシステムの1つ以上の制御可能な要素を制御するコンピュータプログラム製品も提供する。
【0149】
本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有するデバイス、装置、又はシステムに当てはまる。本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有する方法又はプロセスに関する。
【0150】
この特許において説明されている様々な態様は、更なる利点を提供するために組み合わされることができる。更に、当業者は、実施形態は組み合わされることができること、及び3つ以上の実施形態も組み合わされることができることを理解するだろう。更に、特徴のうちの幾つかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成することができる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3