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▶ クチェン カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】調理装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20240625BHJP
   A47J 27/09 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A47J27/00 103P
A47J27/00 103N
A47J27/00 103H
A47J27/09
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023575600
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 KR2022008411
(87)【国際公開番号】W WO2022265361
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】10-2021-0077039
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522407695
【氏名又は名称】クチェン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Cuchen Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】530,Samseong-ro,Gangnam-gu,Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨム、キュ ヒョン
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2021-0050328(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第103844883(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0040187(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00~27/13、
27/20~29/06、
33/00~36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内釜が収容される本体と、
前記本体に結合される蓋カバー内に設けられたトッププレートと、
前記トッププレートの縁部に沿って回転可能に前記トッププレート上に結合された回転カバーと、
前記内釜のフランジ部にかかるように構成された係止突起を含むロック構造体と、
前記回転カバーの半径方向の内側に形成される安全突出部と、
弾性部材の弾性力に基づいて前記安全突出部の下部で前記安全突出部方向に外力を加えて、前記安全突出部の側壁に接触する場合、前記回転カバーの回転を妨害する安全カバーと、を含み、
前記ロック構造体は、
前記回転カバーの回転角度によって、前記係止突起が前記内釜のフランジ部に垂直方向に重畳するように位置したロック位置と、前記ロック位置から半径方向に外側に離隔されたアンロック位置との間で線状移動するように構成され
前記安全カバーは、
前記係止突起が前記ロック位置に位置する場合、前記安全突出部の側壁に接触し、前記係止突起が前記アンロック位置に位置する場合、前記安全突出部の下部に接触するように構成される、調理装置。
【請求項2】
前記回転カバーは、
前記回転カバーの中心から第1の距離だけ離隔される第1の領域と前記回転カバーの中心から第1の距離~第2の距離だけ離隔される第2の領域を含むガイド溝を含み、
前記ロック構造体は、
前記ガイド溝に収容されて前記回転カバーの回転角度によって前記第1の領域または第2の領域のうちいずれか1つに位置するガイド突起をさらに含む、請求項1に記載の調理装置。
【請求項3】
前記第1の距離は前記第2の距離より短く、
前記ロック構造体は、
前記ガイド突起が前記第1の領域に位置する場合、前記ロック位置に位置し、
前記ガイド突起が前記第2の領域に位置する場合、前記アンロック位置に位置する、請求項2に記載の調理装置。
【請求項4】
前記内釜の収容空間と連通する第1の内部流路を含むシリンダ及び前記シリンダ上に備えられて前記収容空間の蒸気圧により前記第1の内部流路を開閉するように構成される重りを含む圧力制御装置と、
前記回転カバーの回転角度によってピン‐ダウンの位置とピン‐アップの位置間で昇降し、前記重りを選択的に加圧するように構成されたリフトピンと、をさらに含む、請求項2に記載の調理装置。
【請求項5】
前記第1の領域は、
前記ガイド溝が延びる方向に沿って順に位置する第1の位置及び第2の位置を含み、
前記リフトピンは、
前記ガイド突起が前記第1の位置に位置する場合、前記ピン‐ダウンの位置に位置し、前記ガイド突起が前記第2の位置に位置する場合、前記ピン‐アップの位置に位置することによって前記重りを加圧する、請求項4に記載の調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は調理装置に関するものであり、より詳細には安全に調理材料を調理することができる調理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に調理装置の代表的な例として、電気圧力炊飯器は米飯を炊くことができる炊事機能と、炊事された米飯を一定の温度に維持することができる保温機能を選択的に行えるようになっている装置である。電気圧力炊飯器は本体の上部に蒸気排出孔が形成された本体蓋が前記本体に開閉可能に設けられ、前記本体の内部には内釜が着脱可能に内蔵されて、この内釜を覆うことができるように内釜蓋が別途備えられる。本体内には前記内釜に収容された調理材料、即ち、米や雑穀、その他の食材に熱を伝達して調理することができるようにする誘導加熱式または熱板式のヒータが備えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の技術的思想が解決しようとする課題は、蓋が不完全に閉鎖されても安全に使用できる調理装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
プレートの縁部に沿って回転可能に前記トッププレート上に結合された回転カバー及び内釜のフランジ部にかかるように構成された係止突起を含むロック構造体を含み、ロック構造体は、回転カバーの回転角度によって、係止突起が内釜のフランジ部に垂直方向に重畳するように位置したロック位置と、ロック位置から半径方向に外側に離隔されたアンロック位置との間で線状移動するように構成される。
【0005】
さらに、回転カバーは、回転カバーの中心から第1の距離だけ離隔される第1の領域と、回転カバーの中心から第1の距離~第2の距離だけ離隔される第2の領域を含むガイド溝を含み、ロック構造体は、ガイド溝に収容されて回転カバーの回転角度によって第1の領域または第2の領域のうちいずれか1つに位置するガイド突起をさらに含む。
【0006】
さらに、第1の距離は第2の距離より短く、ロック構造体は、ガイド突起が第1の領域に位置する場合、ロック位置に位置し、ガイド突起が第2の領域に位置する場合、アンロック位置に位置する。
【0007】
さらに、内釜の収容空間と連通する第1の内部流路を含むシリンダ及びシリンダ上に備えられて収容空間の蒸気圧により第1の内部流路を開閉するように構成される重りを含む圧力制御装置、及び、回転カバーの回転角度によってピン‐ダウンの位置とピン‐アップの位置間で昇降し、重りを選択的に加圧するように構成されたリフトピンをさらに含む。
【0008】
さらに、第1の領域は、ガイド溝が延びる方向に沿って順に位置する第1の位置及び第2の位置を含み、リフトピンは、ガイド突起が前記第1の位置に位置する場合、ピン‐ダウンの位置に位置し、ガイド突起が前記第2の位置に位置する場合、ピン‐アップの位置に位置することによって前記重りを加圧する。
【0009】
さらに、回転カバーの半径方向の内側に形成される安全突出部、及び、安全突出部の下部で安全突出部の方向に外力を加えて、安全突出部の側壁に接触する場合、回転カバーの回転を妨害する安全カバーをさらに含み、安全カバーは、ガイド突起が前記第1の位置に位置する場合、安全突出部の側壁に接触し、ガイド突起が第2の位置に位置する場合、安全突出部の下部に接触する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の技術的思想による調理装置は蓋が不完全に閉鎖されても内釜の蒸気圧を外部に誘導することによって使用の安全性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の例示的な実施例による調理装置の蓋アセンブリ(100)を示す斜視図である。
図2図1の蓋アセンブリ(100)の主な構成を示す斜視図である。
図3図1の蓋アセンブリ(100)の主な構成を示す分離斜視図である。
図4A-4B】回転カバーの回転によるロック構造体の動作を示す断面図である。
図5】回転カバーを示す平面図である。
図6A-6C】回転カバーの回転によるロック構造体の動作を示す平面図である。
図7A】ガイド突起(330)が第1の位置(L1)にある時の開閉状態を説明するための斜視図である。
図7B】ガイド突起(330)が第1の位置(L1)にある時のリフトピン(140)のピン‐ダウン(pin‐down)の位置を説明するための断面図である。
図8A】ガイド突起(330)が第2の位置(L2)にある時の開閉状態を説明するための斜視図である。
図8B】ガイド突起(330)が第2の位置(L2)にある時のリフトピン(140)のピン‐アップ(pin‐up)の位置を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本開示の望ましい実施例を詳細に説明することにする。図面上の同一の構成要素については同一の参照符号を用い、これらに関する重複の説明は省略する。
【0013】
図1は本発明の例示的な実施例による調理装置の蓋アセンブリ(100)を示す斜視図である。図2図1の蓋アセンブリ(100)の主な構成を示す斜視図である。図3図1の蓋アセンブリ(100)の主な構成を示す分離斜視図である。
【0014】
図1図3を参照すると、調理装置は調理材料を調理できる調理空間を含む本体(不図示)と、前記本体に設けられた蓋アセンブリ(100)を含むことができる。
【0015】
本体は調理材料を収容するように構成された内釜(図4Aの1000)を収容することができる。内釜(1000)は容器形態を有し、調理材料が収容される収容空間を有することができる。内釜(1000)は本体の調理空間内に分離可能に搭載されることができる。例示的な実施例において、内釜(1000)はその上端の縁部に、外側に突出したフランジ部(図4Aの1100)を含むことができる。フランジ部(1100)は内釜(1000)の上端の縁部に沿って延びることができる。内釜(1000)の上端には内釜(1000)の上端の縁部に沿って相互離隔された複数のフランジ部(1100)が配置され得る。本体は内釜(1000)に収容された調理材料を加熱するための加熱源を含むことができる。例えば、本体は熱板式のヒータまたは誘導加熱式で作動するヒータを含むことができる。
【0016】
蓋アセンブリ(100)は本体の調理空間及び/又は内釜(1000)の収容空間を覆うことができる。蓋アセンブリ(100)は調理材料に対する調理が進行される間に、内釜(1000)の収容空間に調理に適した圧力が形成されるように内釜(1000)の収容空間及び/又は本体の調理空間を密閉するように構成され得る。例示的な実施例において、蓋アセンブリ(100)は本体の一側にヒンジ結合され、ヒンジ軸を基準として回動することができる。蓋アセンブリ(100)は内釜(1000)の収容空間を覆う閉じられた位置と、内釜(1000)の収容空間を開放する開かれた位置の間で回動することができる。例示的な実施例において、蓋アセンブリ(100)は本体に分離可能に結合されることもできる。
【0017】
蓋アセンブリ(100)は蓋カバー(101)、内釜カバー(500)、トッププレート(400)、回転カバー(200)、圧力制御装置(150)、ソレノイドバルブ(160)及びロック構造体(300)を含むことができる。
【0018】
蓋カバー(101)は本体に結合され得る。蓋カバー(101)は蓋アセンブリ(100)の外観を形成することができる。蓋カバー(101)は内部に各種電装部品が設けられ得る空間を提供することができる。
【0019】
内釜カバー(500)は内釜(1000)に向き合う蓋アセンブリ(100)の下部に配置され得る。内釜カバー(500)はトッププレート(400)及び/又は蓋カバー(101)に装着され得る。内釜カバー(500)は本体に収容された内釜(1000)を覆うことができる。内釜カバー(500)は内釜(1000)の収容空間と連通する第1の下部蒸気ホール(501H)及び第2の下部蒸気ホール(502H)を含むことができる。
【0020】
トッププレート(400)は内釜カバー(500)上に配置され得る。トッププレート(400)は蓋カバー(101)内に配置されて、蓋カバー(101)に結合され得る。トッププレート(400)は内釜カバー(500)の第1の下部蒸気ホール(501H)に連通する第1の上部蒸気ホール(401H)及び第2の下部蒸気ホール(502H)に連通する第2の上部蒸気ホール(402H)を含むことができる。
【0021】
回転カバー(200)はトッププレート(400)上に配置され得る。回転カバー(200)は略トッププレート(400)の縁部に沿って延びたリング形態を有することができる。回転カバー(200)はトッププレート(400)の縁部に沿って回転可能にトッププレート(400)に結合され得る。回転カバー(200)は回転軸方向(Z方向)に対して、第1の回転方向(例えば、時計方向)及び、これに対して反対の第2の回転方向(例えば、反時計方向)に回転するように構成され得る。
【0022】
回転カバー(200)は蓋カバー(101)から突出した操作ハンドル(102)の回転に連動して回転するように構成され得る。操作ハンドル(102)の第1の回転方向に沿った回転は、回転カバー(200)の第1の回転方向に沿った回転を引き起こし、操作ハンドル(102)の第2の回転方向に沿った回転は、回転カバー(200)の第2の回転方向に沿った回転を引き起こすことができる。
【0023】
より具体的には、操作ハンドル(102)と回転カバー(200)は操作ハンドル(102)の回転時、操作ハンドル(102)の回転軸を基準に回動する連結レバー(103)を通じて連結され得る。前記連結レバー(103)の一端は操作ハンドル(102)に連結され、前記連結レバー(103)の他端は回転カバー(200)の連結突起(250)に連結され得る。例えば、使用者の操作によって操作ハンドル(102)が回転すれば、操作ハンドル(102)の回転に連動して前記連結レバー(103)が回動し、連結突起(250)を通じて連結レバー(103)に連結された回転カバー(200)がトッププレート(400)の縁部に沿って回転することができる。
【0024】
回転カバー(200)はトッププレート(400)上で予め定められた回転角度の範囲内で回転するように構成され得る。回転カバー(200)は回転カバー(200)の回転方向または回転カバー(200)の縁部に沿って延びた回転拘束溝(220)を含むことができる。回転拘束溝(220)は回転カバー(200)の回転移動を案内するとともに、回転カバー(200)の回転移動範囲を制限することができる。
【0025】
より具体的には、ネジのような締結構造は、回転拘束溝(220)の下にあるトッププレート(400)のボス(boss)(410)内に挿入され得る。回転カバー(200)の回転は、前記締結構造が回転拘束溝(220)の一端部にかかる位置から、前記締結構造が回転拘束溝(220)の他端部にかかる位置の間で制限されることができる。
【0026】
圧力制御装置(150)は内釜(1000)の収容空間の圧力レベルに応じて蒸気の排出を制御し、内釜(1000)の収容空間の圧力を制御するように構成され得る。圧力制御装置(150)はトッププレート(400)上に装着され得る。圧力制御装置(150)は重り(例えば、図7Bの152)を用いて内釜(1000)の収容空間の圧力(即ち、蒸気圧)を予め定められた圧力で維持するように構成されたポアズバルブ(poise valve)を含み得る。圧力制御装置(150)は第1の下部蒸気ホール(501H)及び第1の上部蒸気ホール(401H)を介して内釜(1000)の収容空間と連通する流路を有することができ、前記流路に流入した蒸気を選択的に排出するように構成され得る。
【0027】
ソレノイドバルブ(160)はトッププレート(400)上に装着されることができる。ソレノイドバルブ(160)は電気的制御信号に従って内釜(1000)の収容空間の蒸気を排出することによって、内釜(1000)の収容空間の圧力を調節するように構成され得る。ソレノイドバルブ(160)は第2の下部蒸気ホール(502H)及び第2の上部蒸気ホール(402H)を通じて内釜(1000)の収容空間と連通する内部流路を含むことができ、電気的制御信号に従って前記内部流路を選択的に開閉するように構成され得る。例えば、ソレノイドバルブ(160)は調理が完了した時点に前記内部流路を開放して内釜(1000)内の残圧を外部に速かに放出するように構成され得る。
【0028】
ソレノイドバルブ(160)はリードスイッチ(620)に基づいて生成される電気的制御信号に従って前記内部流路を選択的に開閉するように構成され得る。電気的制御信号はリードスイッチ(620)と標識子(630)(図7A参照)との距離に基づいて生成され得る。標識子(630)は蓋カバー(101)内部に配置され得る。標識子(630)は磁性を有する物体、例えば磁石であってもよい。標識子(630)はリードスイッチ(620)と標識子(630)の距離が遠くなればソレノイドバルブ(160)の内部流路は開放され得、リードスイッチ(620)と標識子(630)の距離が近くなればソレノイドバルブ(160)の内部流路は閉鎖され得る。
【0029】
ロック構造体(300)は内釜(1000)のフランジ部(1100)にロックされるロック位置と、内釜(1000)のフランジ部(1100)に対してロック解除されるアンロック位置との間で移動するように構成され得る。ロック構造体(300)のロック位置とアンロック位置間での切替は、回転カバー(200)の回転に連動してなされるように構成され得る。
【0030】
ロック構造体(300)はトッププレート(400)上に装着され、選択的に内釜(1000)のフランジ部(1100)にかみ合わさるように構成された係止突起(図4Aの313)を含むことができる。ロック構造体(300)のロック位置はロック構造体(300)の係止突起(313)が内釜(1000)のフランジ部(1100)と垂直方向に重畳する位置で、ロック構造体(300)のアンロック位置はロック構造体(300)の係止突起(313)が内釜(1000)のフランジ部(1100)と垂直方向に重畳しない位置であり得る。内釜(1000)に入れられた調理材料に対する調理が進む間、ロック構造体(300)はロック位置に位置しており、係止突起(313)が内釜(1000)に固定されるに伴い、内釜(1000)と内釜カバー(500)の間、または、内釜(1000)とトッププレート(400)の間が堅固に固定されることができる。ロック構造体(300)については、後述の図面を参照してさらに詳細に説明され得る。
【0031】
図4A及び図4Bは回転カバーの回転に伴ったロック構造体の動作を示す断面図である。具体的には、図4Aはロック構造体(300)がロック位置にある時の状態を示し、図4Bはロック構造体(300)がアンロック位置にある時の状態を示す。図5は回転カバーを示す平面図である。図6A図6Cは回転カバーの回転に伴ったロック構造体の動作を示す平面図である。
【0032】
図3図4A図4B図5をともに参照すると、ロック構造体(300)はトッププレート(400)の縁部に沿って延びて平面的観点から曲線形態を有するロックブレード(310)を含むことができる。ロックブレード(310)はトッププレート(400)の縁部及び内釜カバー(500)の縁部を側方向で取り囲む側壁部(312)と、側壁部(312)の上端部から内側に延び、トッププレート(400)の上面の縁部にかかる上部本体(311)と、前記側壁部(312)の下端部から内側に延びた下部本体を含むことができる。ロックブレード(310)の下部本体は内釜(1000)のフランジ部(1100)に係止固定されるように構成された係止突起(313)を含むことができる。
【0033】
ロック構造体(300)はロックブレード(310)の上端部の内周に連結され、トッププレート(400)と回転カバー(200)の間に配置された連結プレート(320)を含むことができる。連結プレート(320)は直線方向に延びた溝(340)を含むことができる。連結プレート(320)の溝(340)はロック構造体(300)の線状移動を案内するとともに、ロック構造体(300)の移動範囲を制限することができる。より具体的には、ネジのような締結構造は連結プレート(320)の溝(340)を介してトッププレート(400)のボス(410)内に挿入され得る。ロック構造体(300)の線状移動は、溝(340)の一端部が締結構造にかかる位置から溝(340)の他端部が締結構造にかかる位置の間に制限されることができる。
【0034】
回転カバー(200)は概して回転カバー(200)の回転方向に沿って延びるガイド溝(230)を含み、ロック構造体(300)の連結プレート(320)は回転カバー(200)のガイド溝(230)に挿入されるガイド突起(330)を含むことができる。回転カバー(200)が回転する間、回転カバー(200)とガイド溝(230)に収容されたガイド突起(330)間の物理的な干渉によってロック構造体(300)の線状移動が実現され得る。
【0035】
例示的な実施例において、図5に例示された通り、ガイド溝(230)はガイド溝(230)の一端部と他端部の間でガイド溝(230)の延長方向に沿って順に配置された第1の位置(L1)、第2の位置(L2)及び第3の距離位置(L3)を含むことができる。ガイド溝(230)の第1の位置(L1)及び第2の位置(L2)は回転カバー(200)の回転中心(RC)から第1の距離(D1)だけ離隔され得て、ガイド溝(230)の第3の距離位置(L3)は回転カバー(200)の回転中心(RC)から第1の距離(D1)より大きい第2の距離(D2)だけ離隔され得る。ガイド溝(230)は安全領域(231)及び開閉領域(232)を含むことができる。ガイド溝(230)の領域中、第1の位置(L1)から第2の位置(L2)までの領域は、安全領域(231)と称され得、第2の位置(L2)から第3の距離位置(L3)までの領域は開閉領域(232)と称され得る。安全領域は回転中心(RC)から第1の距離(D1)だけ離隔された領域であり得、開閉領域は回転中心(RC)から第2の距離(D2)だけ離隔された領域であり得る。
【0036】
回転カバー(200)の回転角度によって、ガイド溝(230)に対するガイド突起(330)の相対的な位置が変わることになる。ガイド突起(330)が回転カバー(200)の回転中心(RC)から実質的に同一の第1の距離(D1)だけ離隔されたガイド溝(230)の安全領域(231)にある時、ロック構造体(300)は係止突起(313)が内釜(1000)のフランジ部(1100)に係止可能なロック位置に位置することができる。ガイド突起(330)が回転カバー(200)の回転中心(RC)から第1の距離(D1)より大きい第2の距離(D2)だけ離隔されたガイド溝(230)の開閉領域(232)にある時、ロック構造体(300)はロック位置から半径方向の外側に離隔されたアンロック位置にあり得る。ガイド突起(330)がガイド溝(230)の開閉領域(232)で移動する間、ロック構造体(300)は半径方向の外側に移動するか、半径方向の内側に移動することができる。具体的には、ガイド突起(330)がガイド溝(230)の第2の位置(L2)から第3の距離位置(L3)に向かって移動する間、ロック構造体(300)は半径方向の外側に移動することになる。反対に、ガイド突起(330)がガイド溝(230)の第3の距離位置(L3)から第2の位置(L2)に向かって移動する間、ロック構造体(300)は半径方向の内側に移動することになる。
【0037】
即ち、図6A及び図6Bを参照すると、連結突起(250)により回転カバー(200)が反時計方向に回転することによって、ガイド突起(330)が安全領域(231)内で移動する場合、ロック構造体(300)の位置はそのまま維持することができる。即ち、ロック構造体(300)と内釜(1000)間のロック状態は維持され得る。
【0038】
図6B及び図6Cを参照すると、連結突起(250)により回転カバー(200)が反時計方向に回転することによってガイド突起(330)が開閉領域(232)内で移動する場合、ロック構造体(300)は半径方向の外側に移動することができる。即ち、ロック構造体(300)はアンロック位置に移動でき、ロック構造体(300)と内釜(1000)間のロック状態は解除されることができる。
【0039】
本開示の例示的実施例による調理装置は、回転カバー(200)の回転運動をロック構造体(300)の直線運動に変換することによって、ロック構造体(300)と内釜(1000)間のロック動作、またはアンロック動作を行うことができる。
【0040】
図7Aはガイド突起(330)が第1の位置(L1)にある時の開閉状態を説明するための斜視図であり、図7Bはガイド突起(330)が第1の位置(L1)にある時のリフトピン(140)のピン‐ダウン(pin‐down)の位置を説明するための断面図である。
【0041】
図3及び図7Aを参照すると、安全カバー(610)はトッププレート(400)に形成される安着部(403H)に挿入されて配置され得る。安全カバー(610)は回転カバー(200)の内側方向に形成される安全突出部(240)と接触することができる。
【0042】
安全カバー(610)はガイド突起(330)が第1の位置(L1)または第3の距離位置(L3)に位置する場合、安全突出部(240)を固定させることができる。即ち、回転カバー(200)がロック状態やアンロック状態の場合、安全カバー(610)は安全突出部(240)を固定させることによって、回転カバー(200)が相対的に小さな衝撃によって回転する状況を防止することができる。ただし、使用者が操作ハンドル(102)を操作することによって回転カバー(200)が相対的に大きな外力を受ける場合、安全カバー(610)は安全突出部(240)を固定させられないことがある。例えば、安全カバー(610)は弾性部材によって+Z軸方向に弾性力を加えることができ、ガイド突起(330)が第1の位置(L1)または第3の距離位置(L3)に位置する場合、安全突出部(240)の側壁の一部を遮るように配置され得る。従って、相対的に小さな衝撃によって回転する状況が防止されるが、弾性部材の弾性力より大きい外力が操作ハンドル(102)を通じて加えられる場合、回転カバー(200)は安全カバー(610)の固定動作にもかかわらず、回転し得る。
【0043】
図7Aを参照すると、回転カバー(200)がロック状態の場合、リードスイッチ(620)は標識子(630)と相対的に近い距離に位置することができる。リードスイッチ(620)は標識子(630)の磁性を感知することによって電気的制御信号を生成でき、電気的制御信号によりソレノイドバルブ(160)の内部流路は閉鎖されることができる。
【0044】
図1図7A及び図7Bを参照すると、リフトピン(140)は蓋カバー(101)の貫通ホールに移動可能に装着され、リフトピン(140)のヘッド部は蓋カバー(101)から突出することができる。回転カバー(200)は第1の表面部(141)及び第2の表面部(142)を含むことができる。第1の表面部(141)は第1の高さに形成され得、第2の表面部(142)は第1の高さより高い第2の高さに形成され得る。リフトピン(140)は回転カバー(200)の回転に沿って、第1の表面部(141)及び第2の表面部(142)をスライディングすることによって昇降することができる。図7Aに示された通り、リフトピン(140)が第1の高さに形成される第1の表面部(141)に支持された場合、リフトピン(140)はピン‐ダウンの位置に位置することができる。
【0045】
図7Bに示された通り、リフトピン(140)のピン‐ダウンの位置で、リフトピン(140)は重り(152)から離隔されることができる。ここで、リフトピン(140)が重り(152)から離隔されるという意味は、リフトピン(140)が重り(152)から一定の距離離隔されて物理的に接触しない場合と、リフトピン(140)が重り(152)に物理的に接触したがね重り(152)を持ち上げるのに十分な外力がリフトピン(140)により提供されない場合を含むことができる。
【0046】
本開示の例示的実施例によれば、ロック状態で、安全カバー(610)及び安全突出部(240)により回転カバー(200)が回転する状況を防止することができる。一方、ロック状態で、ソレノイドバルブ(160)の内部流路は閉鎖され得、圧力制御装置(150)は重り(152)がシリンダ(151)の内部流路を閉鎖した状態であり得る。
【0047】
図8Aはガイド突起(330)が第2の位置(L2)にある時の開閉状態を説明するための斜視図であり、図8Bはガイド突起(330)が第2の位置(L2)にある時のリフトピン(140)のピン‐アップ(pin‐up)の位置を説明するための断面図である。
【0048】
安全カバー(610)はガイド突起(330)が第2の位置(L2)に位置する場合、安全突出部(240)の下部に位置し、安全突出部(240)を固定する役割をできないことがある。即ち、安全カバー(610)が+Z軸の方向に弾性力を提供しても、安全突出部(240)の下部に接触するだけなので回転カバー(200)は固定されずに回転することができる。ただし、使用者が操作ハンドル(102)を操作していないにも関わらず相対的に大きな衝撃によって安全カバー(610)による固定が解除され得、このような状況によって事故が発生する場合がある。
【0049】
図4A図6Cを参照すると、本開示の例示的実施例による回転カバー(200)は安全領域(231)を含むことにより、欠陥または衝撃によって安全カバー(610)による固定が解除されても、ロック構造体(300)が内釜(1000)とロック状態を維持することができる。
【0050】
ただし、図8Aに示された通り、ガイド突起(330)が第2の位置(L2)に位置する場合、リードスイッチ(620)と標識子(630)間の距離が遠のくので、正常な場合、電気的制御信号によってソレノイドバルブ(160)の内部流路は開放されることができる。ただし、欠陥によってソレノイドバルブ(160)の内部流路が閉鎖された状態を維持する場合、内釜(1000)内部の蒸気を排出させることによって事故に備える必要がある。
【0051】
従って、図8Bを参照すると、ガイド突起(330)が第2の位置(L2)に位置する場合、リフトピン(140)は第1の表面部(141)から第2の表面部(142)にスライディングすることで上昇でき、リフトピン(140)のヘッドの部分は重り(152)を持ち上げることができる。重り(152)が持ち上げられれば、シリンダ(151)の内部流路が強制開放されるので、内釜(1000)の収容空間の蒸気圧は大気圧、またはこれに近い水準で維持され得る。
【0052】
本開示の例示的実施例によれば、安全カバー(610)は回転カバー(200)が不必要に回転する状況を防止するので、1次的な安定装置としての役割をすることができる。それにもかかわらず、回転カバー(200)が不必要に回転する場合、リードスイッチ(620)が電気的制御信号を通じてソレノイドバルブ(160)の内部流路を開放させることにより、内釜(1000)の収容空間の蒸気圧を大気圧水準に維持させることができるので、リードスイッチ(620)及びソレノイドバルブ(160)は2次的な安全装置としての役割を果たすことができる。それにもかかわらず、ソレノイドバルブ(160)の内部流路が開放されない場合、リフトピン(140)は第1の表面部(141)から第2の表面部(142)にスライディングし、重り(152)を持ち上げることによって内釜(1000)の収容空間の蒸気圧を大気圧水準に維持させることができるので、リフトピン(140)及び第1、2の表面部(141、142)は3次的な安全装置としての役割を果たすことができる。
【0053】
以上で説明した本開示の技術的思想は、前述した実施例及び添付の図面に限定されない。また、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲で様々な置換、変形及び変更が可能であるということは、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明白なものである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B